特許第6088430号(P6088430)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ライフセル コーポレーションの特許一覧

特許6088430体毛または剛毛を除去する機械および方法
<>
  • 特許6088430-体毛または剛毛を除去する機械および方法 図000002
  • 特許6088430-体毛または剛毛を除去する機械および方法 図000003
  • 特許6088430-体毛または剛毛を除去する機械および方法 図000004
  • 特許6088430-体毛または剛毛を除去する機械および方法 図000005
  • 特許6088430-体毛または剛毛を除去する機械および方法 図000006
  • 特許6088430-体毛または剛毛を除去する機械および方法 図000007
  • 特許6088430-体毛または剛毛を除去する機械および方法 図000008
  • 特許6088430-体毛または剛毛を除去する機械および方法 図000009
  • 特許6088430-体毛または剛毛を除去する機械および方法 図000010
  • 特許6088430-体毛または剛毛を除去する機械および方法 図000011
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6088430
(24)【登録日】2017年2月10日
(45)【発行日】2017年3月1日
(54)【発明の名称】体毛または剛毛を除去する機械および方法
(51)【国際特許分類】
   A45D 26/00 20060101AFI20170220BHJP
【FI】
   A45D26/00 F
【請求項の数】26
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-532871(P2013-532871)
(86)(22)【出願日】2011年10月4日
(65)【公表番号】特表2013-539687(P2013-539687A)
(43)【公表日】2013年10月28日
(86)【国際出願番号】US2011054691
(87)【国際公開番号】WO2012047836
(87)【国際公開日】20120412
【審査請求日】2014年8月29日
(31)【優先権主張番号】61/389,791
(32)【優先日】2010年10月5日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504154148
【氏名又は名称】ライフセル コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LifeCell Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】特許業務法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】ジェソップ,イスラエル
【審査官】 青木 良憲
(56)【参考文献】
【文献】 英国特許出願公開第1155873(GB,A)
【文献】 米国特許第2618811(US,A)
【文献】 特開平02−060603(JP,A)
【文献】 特開平01−297002(JP,A)
【文献】 特表2007−506491(JP,A)
【文献】 特開昭54−150256(JP,A)
【文献】 仏国特許出願公開第2307491(FR,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 26/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物から剛毛を除去する装置であって、
長手軸を有する第1の円筒体と、
長手軸を有する第2の円筒体と、
を含み、前記第1の円筒体および第2の円筒体は互いに近接して配置され、円筒体のそれぞれの長手軸のまわりを反対方向に回転することができ、前記装置は、
歯を有する表面またはテクスチャ表面のうちの少なくとも一方を含む少なくとも1つの可撓性シートであって、前記円筒体の長手軸に対して第1の方向で前記第1の円筒体の一部分に巻き付けられ、さらに、前記第1の方向とは反対の第2の方向で前記第2の円筒体の一部分に巻き付けられて、前記第1の円筒体が前記第1の方向に回転し、前記第2の円筒体が前記第2の方向に回転するときに、細長い挟み込み部分が、前記第2の円筒体との間に形成される少なくとも1つの可撓性シートをさらに含み、
当該装置が、動物の皮から剛毛を除去するのに十分な把持力および引き抜き力を発生させるように構成されていることを特徴とする装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置において、前記第2の円筒体は、歯を有する表面を含むことを特徴とする装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の装置において、前記第2の円筒体は、テクスチャ表面を含むことを特徴とする装置。
【請求項4】
請求項1乃至の何れか1項に記載の装置において、前記第1の円筒体は、歯を有する表面を含むことを特徴とする装置。
【請求項5】
請求項1乃至の何れか1項に記載の装置において、前記第1の円筒体は、テクスチャ表面を含むことを特徴とする装置。
【請求項6】
請求項1乃至の何れか1項に記載の装置において、前記可撓性シートと接触する少なくとも1つの増設円筒体をさらに含むことを特徴とする装置。
【請求項7】
請求項に記載の装置において、前記少なくとも1つの増設円筒体は、前記第1の方向でその長手軸のまわりに回転することができ、前記可撓性シートは、前記第1の円筒体、第2の円筒体、および少なくとも1つの増設円筒体のそれぞれと接触するループを形成するように前記増設円筒体の表面と接触することを特徴とする装置。
【請求項8】
請求項に記載の装置において、前記少なくとも1つの増設円筒体には、それぞれが前記可撓性シートと接触し、長手軸のまわりに回転できる少なくとも2つの円筒体が含まれることを特徴とする装置。
【請求項9】
請求項に記載の装置において、前記少なくとも2つの円筒体は、前記第1および第2の円筒体に対して位置を調整できることを特徴とする装置。
【請求項10】
請求項1乃至の何れか1項に記載の装置において、前記第1の円筒体は、前記第2の円筒体の直径よりも小さい直径を有することを特徴とする装置。
【請求項11】
請求項乃至10の何れか1項に記載の装置において、第3の円筒体をさらに含み、前記第1の円筒体は、前記第2および第3の円筒体間に配置され、前記可撓性シートは、前記第3の円筒体の表面と接触することを特徴とする装置。
【請求項12】
請求項1乃至11の何れか1項に記載の装置において、前記細長い挟み込み部分に近接して配置され、前記第1および第2の円筒体の前記長手軸に対してほぼ平行に延びるロッド部材をさらに含むことを特徴とする装置。
【請求項13】
請求項12に記載の装置において、前記ロッド部材には、円筒形のロッドが含まれることを特等とする装置。
【請求項14】
請求項13に記載の装置において、前記円筒形のロッドは長手軸を有し、その長手軸のまわりに回転できることを特徴とする装置。
【請求項15】
請求項12乃至14の何れか1項に記載の装置において、前記ロッド部材は、前記細長い挟み込み部分に向かって前記ロッド部材を付勢するように構成されたスプリング部材と動作可能に係合することを特徴とする装置。
【請求項16】
請求項1乃至15の何れか1項に記載の装置において、前記円筒体の少なくとも1つに動作可能に連結されて、前記円筒体をそれらの長手軸のまわりに回転させる動力源をさらに含むことを特徴とする装置。
【請求項17】
請求項16に記載の装置において、前記動力源は、前記円筒体を回転させ、前記細長い挟み込み部分に沿って少なくとも20ポンド/インチを発生させるのに十分なトルクを発生させるように構成されることを特徴とする装置。
【請求項18】
請求項1乃至17の何れか1項に記載の装置において、前記少なくとも1つの可撓性シートには、互いに近接して配置された複数の可撓性シートが含まれることを特徴とする装置。
【請求項19】
請求項1乃至17の何れか1項に記載の装置において、前記第2の方向で前記第1の円筒体の一部分に巻き付けられ、さらに、前記第1の方向で前記第2の円筒体の一部分に巻き付けられて、前記第1の円筒体が前記第1の方向に回転し、前記第2の円筒体が前記第2の方向に回転するときに、少なくとも1つのさらなる細長い挟み込み部分が、前記第1の円筒体との間に形成される少なくとも1つのさらなる可撓性シートをさらに含むことを特徴とする装置。
【請求項20】
請求項1乃至13の何れか1項に記載の装置において、前記可撓性シートは、前記第2の円筒体の円周の少なくとも120°にわたって前記第2の円筒体の表面と接触することを特徴とする装置。
【請求項21】
動物から剛毛を除去する装置であって、
長手軸を有する第1の円筒体と、
長手軸を有する第2の円筒体と、
を含み、前記第1の円筒体および第2の円筒体は互いに近接して配置され、円筒体のそれぞれの長手軸のまわりを反対方向に回転することができ、前記装置は、
歯を有する表面またはテクスチャ表面のうちの少なくとも一方を含む第1の可撓性シートであって、前記第1の円筒体の一部分に巻き付けられた第1の可撓性シートと、
前記第2の円筒体の一部分に巻き付けられた第2の可撓性シートと、
をさらに含み、前記第1の可撓性シートおよび第2の可撓性は、前記第1および第2の円筒体が、それらのそれぞれの長手軸のまわりを反対方向に回転するときに、前記第1および第2の円筒体間に配置された物体に作用する引き抜き力を発生させる細長い挟み込み部分を形成する噛合テクスチャ表面を有し、
当該装置が、動物の皮から剛毛を除去するのに十分な把持力および引き抜き力を発生させるように構成されていることを特徴とする装置。
【請求項22】
請求項21に記載の装置において、前記第1の円筒体および第2の円筒体のテクスチャ表面は、噛合歯付き面であることを特徴とする装置。
【請求項23】
請求項21または22に記載の装置において、第3の円筒体をさらに含み、前記第1の可撓性シートは、前記第1の円筒体と前記第3の円筒体との間でループを形成することを特徴とする装置。
【請求項24】
請求項23に記載の装置において、第4の円筒体をさらに含み、前記第2の可撓性シートは、前記第2の円筒体と前記第4の円筒体との間でループを形成することを特徴とする装置。
【請求項25】
請求項21乃至24の何れか1項に記載の装置において、前記円筒体の少なくとも1つに動作可能に連結されて、前記円筒体をそれらの長手軸のまわりに回転させる動力源をさらに含むことを特徴とする装置。
【請求項26】
請求項25に記載の装置において、前記動力源は、前記円筒体を回転させ、前記細長い挟み込み部分に沿って少なくとも20ポンド/インチを発生させるのに十分なトルクを発生させるように構成されることを特徴とする装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、米国特許法119条に基づき、2010年10月5日に出願された米国仮特許出願第61/389,791号明細書に対する優先権を主張するものであり、この特許は、参照により本明細書に援用するものとする。
【0002】
動物の皮膚を含む動物の組織を使用して、患者が利用するための様々な組織製品を製造することができる。しかし、多くの動物の皮膚は、人間の身体での使用に適した特定の製品を製造するために取り除かなければならない太い体毛または剛毛を含む。動物の体毛は、多くの場合、太く、かつ動物の皮膚に強力に結合しているために、動物の体毛は、標準的なワックスまたは人間の体毛を除去するのに有効である他の手段を使用して容易に除去することができない。さらに、食品業界では、比較的高い温度処理(例えば、高温水に浸す)を使用して動物の体毛を除去するが、高温では組織の細胞外基質が変化する恐れがあるために、医療用または外科用組織製品での使用向けとして組織から体毛を除去するのには適さないことがある。
【0003】
したがって、無細胞組織基質などの医療用品を製造するために動物の皮膚から体毛または剛毛を除去する改良された方法が必要である。
【発明の概要】
【0004】
特定の実施形態によれば、動物から体毛または剛毛を除去する装置が提供される。装置は、長手軸を有する第1の円筒体と、長手軸を有する第2の円筒体とを含み、第1の円筒体および第2の円筒体は互いに近接して配置され、円筒体のそれぞれの長手軸のまわりを反対方向に回転することができる。装置は、円筒体の長手軸に対して第1の方向で第1の円筒体の一部分に巻き付けられ、さらに、第1の方向とは反対の第2の方向で第2の円筒体の一部分に巻き付けられた少なくとも1つの可撓性材料シートをさらに含み、第1の円筒体が第1の方向に回転し、第2の円筒体が第2の方向に回転するときに、細長い挟み込み部分が、可撓性シートと第2の円筒体との間に形成される。
【0005】
特定の実施形態によれば、動物から体毛または剛毛を除去する装置が提供される。装置は、長手軸を有する第1の円筒体と、長手軸を有する第2の円筒体とを含み、第1の円筒体および第2の円筒体は互いに近接して配置され、円筒体のそれぞれの長手軸のまわりを反対方向に回転することができる。装置は、第1の円筒体の一部分に巻き付けられた第1の可撓性材料シートと、第2の円筒体の一部分に巻き付けられた第2の可撓性材料シートとをさらに含み、第1の可撓性シートおよび第2の可撓性は、第1および第2の円筒体が、それらのそれぞれの長手軸のまわりを反対方向に回転するときに、第1および第2の円筒体間に配置された物体に作用する引き抜き力を発生させる細長い挟み込み部分を形成する噛合テクスチャ表面を有する。
【0006】
特定の実施形態によれば、動物から体毛または剛毛を除去する装置が提供される。装置は、実質的に平坦な剛性下側面と先導前縁部とを有する案内部材を含み、先導前縁部は、鋭角の底部部分と、先導前縁部から離れる方向に向けられた緩い曲面を含む上部部分とを有する。装置は、少なくとも1つの把持面をさらに含み、把持面は回転自在に移動して、案内部材の上面と把持面との間に挟み込み領域が形成されるように緩い曲面に近接して進む。
【0007】
特定の実施形態によれば、動物の皮膚から体毛または剛毛を除去するのに適した装置が提供される。装置は、第1の円筒体、第2の円筒体を含み、第1の円筒体および第2の円筒体は、それらのそれぞれの長手軸のまわりを反対方向に回転するときに、第1および第2の円筒体間に配置された物体に作用する引き抜き力を発生させる細長い挟み込み部分を形成することができるように互いに近接して配置される。
【0008】
特定の実施形態によれば、皮膚または動物の皮から体毛または剛毛を除去する方法が提供される。方法は、体毛または剛毛を有する皮膚または動物の皮を選択することと、本開示による装置のいずれかを作動させて、皮膚または動物の皮から体毛または剛毛を除去することとを含むことができる。さらに、そのような方法に従って体毛または剛毛を除去された皮膚または動物の皮が、そのような皮膚または動物の皮から作製された加工製品と共に提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、特定の実施形態による動物の体毛を除去する装置の側面図である。
図2図2は、別の例示的な実施形態による動物の体毛を除去する装置の斜視図である。
図3図3は、特定の実施形態による動物の体毛を除去する装置の側面図である。
図4図4は、特定の実施形態による動物の体毛を除去する装置の側面図である。
図5図5は、特定の実施形態による動物の体毛を除去する装置の側面図である。
図6図6は、特定の実施形態による動物の体毛を除去する装置の構成要素の斜視図である。
図7図7は、別の例示的な実施形態による動物の体毛を除去する装置の側面図である。
図8図8は、別の例示的な実施形態による動物の体毛を除去する装置の側面図である。
図9図9は、図8の装置の一部分の拡大斜視図である。
図10図10は、図8の装置の一部分の拡大側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
特定の例が添付の図面に示された、本開示による特定の例示的な実施形態についての言及が以下に詳細になされる。同じまたは同様の部品を指すのに、可能な限り同じ参照番号が図面全体にわたって使用される。
【0011】
本願では、単数形の使用については、別途特別に指定されない限り複数が含まれる。本願では、「または」の使用については、別途指定がない限り「および/または」を意味する。さらに、「含むこと」という用語、ならびに「含む」および「含まれる」などの他の形態を使用することは限定ではない。本明細書で説明されるあらゆる範囲は、終点と、終点間のすべての値とを含むと理解されたい。
【0012】
本明細書で使用されるセクションの見出しは、単に系統化を目的とし、説明される主題を限定すると解釈すべきでない。それらに限定されるものではないが、特許、特許出願、記事、書籍、および論文を含む、本願に記載されたすべての文献、または文献の一部は、任意の目的のために、参照によりその全体を本明細書に特に援用するものとする。
【0013】
本明細書において、「体毛」および「剛毛」という用語は、動物の体毛または動物の皮膚から生える体毛状の任意の組織を指すために区別なく使用される。
【0014】
人間および動物の組織を使用して、患者が使用するための様々な組織製品を製造することができる。例えば、人間および動物の真皮を使用して、有用な各種医療用品または組織製品を製造することができる。そのような製品には、例えば、再生植皮片および無細胞組織基質製品があり得る。そのような無細胞組織基質製品の例には、凍結乾燥した無細胞ヒト真皮組織基質であるALLODERM(登録商標)、粒子状の無細胞ヒト真皮組織基質であるCYMETRA(登録商標)、および豚の無細胞真皮基質であるSTRATTICE(商標)があり、これらはすべて“LifeCell Corporation社, Branchburg, NJ”で製造されている。
【0015】
動物の皮膚から適切な組織製品を製造するために、体毛または剛毛を含む皮膚の特定の部分を除去することが必要である。しかし、動物の体毛を手で除去するのは非常に時間がかかることがある。さらに、動物の体毛を除去する他の公知の方法は、下にある組織に悪影響を及ぼし、それにより、患者に移植した場合に、組織の効果が損なわれることがある。例えば、食品業界では、豚の剛毛は、高温液体で湯はぎすることを含む処理を使用して除去されることが多く、その処理は有効であるが、高温により、細胞外基質が変性して、あるいは変質して下にある組織が損傷を受けることがある。
【0016】
さらに、人間または他の動物から体毛または羽毛を機械的に除去する公知の方法は、特定の動物の体毛の除去に対して効果的でない。例えば、典型的なワックス、または人間から体毛を機械的に引き抜くのに使用される他の方法は、豚などの動物から粗くて強固に結合した剛毛を除去するほどの引き抜き力を発生させない。したがって、無細胞組織基質製品などの医療用品を製造するためのその後の処理を可能にするために、動物から比較的多量の堅固に結合した体毛を除去する、改良された効率的で迅速な方法が必要である。いくつかの実施形態では、方法は、付け根から引き抜くことを含む体毛全体の除去を可能にする。
【0017】
装置および方法は、体毛または剛毛を除去する自動システムを提供する。そのシステムは、細長い挟み込み部分、または挟み込み部分内に配置された体毛または剛毛に作用する連続的な引き抜き力を発生させる領域を形成する可動部品を含む機械装置を提供する。挟み込み部分は、粗い、または強固に結合した体毛の除去を可能にするのに十分な摩擦および/または引き抜き力が得られるように設計される。
【0018】
図1は、動物から体毛または剛毛を除去するための装置10の側面図である。装置10は、長手軸42を有する第1の略円筒体22と、長手軸50を有する第2の略円筒体26とを含み、第1の円筒体22および第2の円筒体26は互いに近接して配置され、円筒体のそれぞれの長手軸42、50のまわりを反対方向46、54に回転することができる。装置10は、その長手軸のまわりの第1の方向46で、第1の円筒体22の一部分に巻き付けられ、さらに、第1の方向46とは反対の第2の方向54で、第2の円筒体26の一部分に巻き付けられた、少なくとも1つの可撓性材料シート30をさらに含み、第1の円筒体22が、その長手軸42のまわりを第1の方向46に回転し、第2の円筒体26が第2の方向54に回転するときに、細長い挟み込み部分58が、可撓性材料シート30と第2の円筒体26との間に形成される。特定の実施形態では、細長い挟み込み部分は、体毛18の長さにわたって体毛を把持する、または引っ張る長さ39を有する。
【0019】
動作中に、装置10を使用して、動物の皮膚または皮14から体毛または剛毛18を除去することができる。皮14は、示すように、動物の死体から剥がされていてよいし、または、まだ動物の死体に付けておくこともできる。皮14は、皮14から剛毛18を除去するために、装置10が皮14の様々な領域上を通過できるように、平坦な面に置くことができる。あるいは、皮14は、コンベアベルトなどの可動面(図示せず)に置くことができる。さらに、いくつかの実施形態では、挟み込み部分58は、別の方向で上側/外側に向けられ、皮14は、剛毛18が挟み込み部分58に接するように、例えば、オペレータまたは機械によって保持される。
【0020】
概括的には、装置10は、第1の円筒体22および第2の円筒体26が、それらのそれぞれの軸42、50のまわりを反対方向に回転しながら、挟み込み部分58で体毛または剛毛18を挟んで締め付けることにより、体毛または剛毛18を除去する。円筒体22、26の連続回転により、挟み込み部分58内に捕捉された剛毛18に作用する引き抜き力が発生し、それにより、剛毛18を引き抜いて皮14から解放するのに十分な機械力が発生する。特定の実施形態では、装置10は、剛毛の付け根を含む剛毛全体を皮14から引き抜くのに十分な力を発生させることができる。
【0021】
様々な実施形態では、表面34、38、ならびに/または円筒体22、26および/もしくは可撓性材料シート30を形成している材料は、体毛または剛毛18の把持および引き抜きを改善するように構成されている。例えば、様々な実施形態では、第1の円筒体22または第2の円筒体26のいずれか、または両方、および/あるいは可撓性材料シート30は、剛毛18に作用する摩擦を増大させるように構成されたテクスチャ表面を有することができる。特定の実施形態では、円筒体22、26のテクスチャ表面34、38および/または可撓性材料シート30は、歯付き面、砥粒面、またはこぶ状面を含むことができる。いくつかの実施形態では、第2の円筒体26の表面38は、可撓性シート30の表面と噛み合う/入り込み合うように構成された歯またはテクスチャを含むことができる。特定の実施形態では、可撓性シートは、テクスチャ表面38を有しても、または有さなくてもよい圧縮性ポリマーまたは他の圧縮性材料を含むことができる。
【0022】
可撓性材料シート30は、様々な構成を有する様々な異なる材料から作製することができる。例えば、いくつかの実施形態では、タイミングベルトが使用される。例えば、適切なタイミングベルトには、約1mm〜2mmのピッチを有する両面MXLタイミングベルトがあり得るが、様々なピッチを有する他のタイミングベルトを使用することもできる。適切なベルトには、例えば、KEVLAR(登録商標)またはナイロン繊維で補強できるポリウレタンベルトを挙げることができる。他の実施形態では、可撓性シート30は、可撓性ポリマー材料、可撓性金属(例えば、鋼リボン)、ゴム(例えば、補強材を有する、または有さない適度な硬度のプラスチック/エラストマー)、サンドペーパ、エメリー布、または研磨布から作製される。さらに、いくつかの実施形態では、材料シート30は、比較的平滑な表面を有するが、第1の円筒体22の表面上のテクスチャまたは歯が下方に位置するためにテクスチャ表面を形成する。さらに、可撓性材料シート30は、両面に歯および/または隆起を有することができ、そのような歯および/または隆起は、下記でさらに説明するように、1つまたは複数の駆動ローラーまたはシリンダの把持を容易にすることができる。
【0023】
さらに、円筒体22、26(および他の実施形態に関連して下記に説明する増設円筒体)は、体毛または剛毛の把持および引き抜きを改善する様々な構成を有することができる。例えば、円筒体22、26には通常、硬質金属、ポリマー、セラミック、または他の適切な構造材料から作製された任意の細長いローラーが含まれ得る。さらに、円筒体22、26は、それらの長手軸42、50に沿って測定される長さを有することができ、この長さは、特定の用途に基づいて選択される。例えば、小型の携帯用装置は、長さが1インチ〜数インチの円筒体22、26を有することができる。一方、より大きい皮から、および/またはより自動化したシステムで体毛を除去することを可能にするために、より長い円筒体22、26を使用することもできる。例えば、適切な長さは、処理される皮14の大きさに応じて、最大で3フィート、4フィート、またはさらに長くすることができる。
【0024】
さらに、円筒体22、26の直径および相対位置は、所望の用途に基づいて選択することができる。例えば、図1に示すように、円筒体22、26は直径が比較的等しく、第2の円筒体26は、皮14の送り方向16を基準として、第1の円筒体よりも若干高い位置にある。しかし、他の実施形態では、円筒体22、26は、送り方向を基準として高いことも、または低いこともあり、あるいは、送り方向を基準として同一平面上にあることもある。
【0025】
可撓性シート30および円筒体22、26を組み合わせることで、体毛の把持および除去を容易にすることができる。具体的には、細長い挟み込み部分58は、所望する長さにわたって体毛の把持を可能にするのに十分な深さを有するように構成することができる。例えば、図1に示すように、シート30は、特定の深さ39にわたって第2の円筒体の表面38に接している。深さ39により、ローラーだけを使用して引き抜くことができない体毛の確実な把持および引き抜きを可能にする長い把持長さが得られる。
【0026】
いくつかの実施形態では、円筒体の直径は、最小長さの体毛の除去を可能にするように選択することができる。例えば、図1〜4および図6〜7に示すように、ローラー22、26は直径がほぼ等しく、0.2〜0.5インチ、0.2〜0.4インチ、約0.3〜0.35インチ、またはこれらの範囲内の任意の値の直径を有することができる。さらに、具体的な大きさは、除去される体毛の長さおよび粗さに基づいて変えることができる。例えば、体毛が長く、かつ/または粗いほど、大きいローラーを使用することができ、体毛が短く、かつ/または微細なほど、小さいローラーを使用することができる。特定の実施形態では、ローラーの大きさは、除去される最小剛毛長さに基づいて選択される。例えば、ローラーの大きさが等しい場合、最小剛毛長さは、可撓性シート30に使用されるタイミングベルトのピッチの約2倍と見積もることができるが、これらの値は、可撓性シート30に使用される材料、および他の設計検討事項に応じて変わることがある。
【0027】
装置10は、いくつかの方法で駆動することができる。例えば、最も一般的には、円筒体22、26は、可撓性シート30と第2の円筒体26との間の挟み込み部分58に沿って引き抜き力を発生させ、それにより、引き抜いた体毛66を排出するために、円筒体のそれぞれの長手軸に対して反対方向46、54に回転するだけでよい。これは、円筒体22、26の一方または両方をモーターで駆動して円筒体および可撓性シートを動かすことで、および/または可撓性シートの移動によって、例えば、可撓性シートの末端部62、64で連結して、シートおよび円筒体22、26を(例えば、往復運動で、または下記にさらに説明するループによって)動かすことで達成することができる。
【0028】
特定の実施形態では、装置10は、可撓性シート30が、連続的に移動するためのループを形成するように、1つまたは複数の増設した円筒体を含む。例えば、図2は、別の例示的な実施形態による動物の体毛を除去する装置の斜視図である。図2に示すように、装置10は、可撓性シートに接触する少なくとも1つの増設円筒体70をさらに含む。さらに、増設円筒体70は長手軸78を含み、長手軸78のまわりに回転することができる。可撓性シート30は、第1の円筒体22、第2の円筒体26、および少なくとも1つの増設円筒体70のそれぞれと接触するループを形成するように、増設円筒体70の表面と接触している。
【0029】
いくつかの実施形態では、増設円筒体70は、第1の円筒体22および第2の円筒体26の直径よりも大きい直径を有する。さらに、増設円筒体70は、可撓性シート30を移動させ、第1の円筒体22および第2の円筒体26を回転させて、細長い挟み込み部分58で引き抜き力を発生させるように、モーターまたは他の駆動機構に動作可能に連結することができる。各円筒体22、26、70の相対的な大きさは、機械性能を調整する、例えば、モーターまたは駆動機構に取り付けられた円筒体に機械的な利益をもたらし、かつ/または挟み込み部分58の把持力および/または寸法を調整するように選択することができる。
【0030】
装置10は、効率的、迅速的、および/または自動的な体毛または剛毛の除去に寄与する各種増設構成要素をさらに含むことができる。例えば、図3は、特定の実施形態による動物の体毛を除去する装置の側面図である。示すように、図3の装置は図2の装置と同様であるが、装置の動作中に排出された体毛または剛毛66を自動で除去するための真空システム86をさらに含む。
【0031】
さらに、本開示の装置は、自動化された、または半自動化された処理を可能にする皮14の自動移動または送り用のシステムを含むことができる。例えば、図4は、特定の実施形態による動物の体毛を除去する装置10’の側面図である。図4の装置10’は、図2および図3の装置10と同様である。しかし、装置10’は、増設円筒体70’が駆動ローラーおよび送り機構の両方として機能するような配置となるように修正されている。具体的には、第1の方向でその軸78’のまわりに回転させることで、円筒体70’は、可撓性シート30と第1の円筒体22および第2の円筒体26とを動作させて、挟み込み部分58での剛毛18の捕捉および除去を可能にする。さらに、円筒体70’は、その動作により、皮14が装置10’を通って引き寄せられるように配置され、こうして、送り方向16の自動送り機構を実現している。皮は、コンベアベルトなどの自動送りシステムを使用して移動することもできる。
【0032】
上記のように、円筒体70’および/または任意の他の円筒体(例えば、図5を参照のこと)は、モーター94または装置10’に動力を供給する他の駆動機構(または、様々な図を参照して説明する他の任意の装置)に動作可能に連結することができる。例えば、電動式またはガス駆動式モーターを含む、適切な各種動力源またはモーター94を使用することができる。通常、動力源94および円筒体22、26、70、70’(および、または、存在する場合は他の円筒体)の構成は、細長い挟み込み部分58で十分な引き抜き力を発生させて、所望のタイプの、または厚さの体毛の除去を可能にするように選択される。例えば、豚の剛毛、または他の動物の粗い体毛の場合、挟み込み部分58の長さに沿って、インチ当たり少なくとも20lbsの引き抜き力が得られるように十分なトルクを発生させなければならない。もっとも、必要とされる力の大きさは、除去される体毛の密度、除去速度、および/または体毛の粗さによって変わり得る。結果的に、様々な実施形態では、挟み込み部分で生じる力は、約8 lbs/インチ〜約35 lbs/インチとすることができる。様々な実施形態では、力は、8 lbs/インチ〜20 lbs/インチ、15 lbs/インチ〜20 lbs/インチ、20 lbs/インチ〜30 lbs/インチ、30 lbs/インチ〜25 lbs/インチ、少なくとも10 lbs/インチ、少なくとも15 lbs/インチ、少なくとも20 lbs/インチ、少なくとも25 lbs/インチ、少なくとも30 lbs/インチ、少なくとも35 lbs/インチ、または少なくとも40 lbs/インチとすることができる。
【0033】
図5は、特定の実施形態による動物の体毛を除去する装置の側面図である。装置10”は、上記の装置10、10’に組み込むことができるいくつかの他の変形物を示している。上記のように、いくつかの実施形態では、皮14は、体毛または剛毛の除去中に、テーブルまたはコンベアベルトなどの平坦な面に置くことができる。一方、いくつかの実施形態では、除去するのに体毛または剛毛にねらいを定める助けとするために、皮14の形状を変えることが望ましいことがある。例えば、いくつかの実施形態では、皮14は、体毛の除去中に挟み込み部分に向かって曲げる、かつ/または付勢することができる。それに応じて、いくつかの実施形態では、装置10”(または10、10’または本明細書で説明した他の装置および実施形態)は、細長い挟み込み部分58’に近接して配置され、第1の円筒体22’および第2の円筒体26’の長手軸に対してほぼ平行に延びるロッド部材100を含むことができる。体毛または剛毛の除去中に、皮14は、剛毛18をより完全にさらすために、ロッド部材100上で曲げることができる。
【0034】
ロッド部材100には、様々な形状があり得るが、一般的には、その長手軸101のまわりに回転可能である、直径が比較的小さい円筒ロッドが含まれる。さらに、皮を挟み込み部分58’と接した状態に維持するために、ロッド部材100は、スプリングなどの付勢機構104を含むことができる。いくつかの実施形態では、ロッド部材100は、軸101に沿って回転または転動するように構成することができ、皮14は、皮14に沿った剛毛の除去を可能にするために、方向16に沿って引っ張る、または送ることができる。
【0035】
さらに、図5は、装置10”に含まれ得る他の様々な特徴部を示している。例えば、上記のように、第1の円筒体22’および第2の円筒体26’は、異なる直径を有することができる。具体的には、示すように、第1の円筒体22’は、第2の円筒体26’の直径よりも小さい直径を有する。様々な実施形態では、円筒体22’、26’の直径は、可能な限り短い長さで体毛の把持および除去を可能にするように選択される。例えば、1つの適切な実施形態では、第1の円筒体22’は、約1/8インチ〜約3/16インチの直径を有し、第2の円筒体は、約3/8インチ〜約0.5インチの直径を有する。さらに、具体的な大きさは、除去される体毛の長さおよび粗さに基づいて変えることができる。例えば、体毛が長く、かつ/または粗いほど、大きいローラーを使用することができ、体毛が短く、かつ/または微細なほど、小さいローラーを使用することができる。特定の実施形態では、ローラーの大きさは、除去される最小剛毛長さに基づいて選択される。例えば、ローラー22’の方が小さく、ローラー26’の方が大きい場合、除去できる体毛長さの下限は、小さい方のローラー22’の直径の約2/3であるが、これらの値は、可撓性シート30に使用される材料および他の設計検討事項に基づいて変わることがある。
【0036】
さらに、上記のように、装置10”は、1つまたは複数の増設円筒体26”、116を含むことができる。示すように、1つの増設した、または第3の円筒体26”は、第1の円筒体22’に対して第2の円筒体26’の反対側に配置されている。一部の実施形態では、第1の円筒体22’の両側に配置された2つの円筒体26’、26”は駆動ローラーとして機能し、装置10’を駆動するモーターに動作可能に連結される。両方の円筒体26’、26”は、共通の方向54’、54”に回転して装置10’を駆動する。
【0037】
さらに、2つの増設円筒体116が設けられている。増設円筒体116は可撓性シート30と接触し、第1の円筒体22’の回転方向56と同じ第1の方向120で増設円筒体116の長手軸112のまわりに回転することができる。いくつかの実施形態では、増設円筒体116は、可撓性シート30に張力を付与して、他の円筒体との十分な接触を確実にするように機能する。いくつかの実施形態では、少なくとも2つの増設円筒体116は、可撓性シート30の張力の調整を可能にするように、第1の円筒体22’、第2の円筒体26’、および第3の円筒体26”に対して位置を調整することができる。
【0038】
いくつかの実施形態では、装置10、10’、10”、または10”’(図6)は、体毛または剛毛を除去するための細長い挟み込み部分を形成する複数の可撓性材料シートを含むことができる。例えば、図2に示すように、シート30は、並んで配置され、同じ態様でそれぞれの円筒体に巻き付けられた複数のシート31で形成することができる(図6)。
【0039】
他の実施形態では、装置は、様々な構成で巻き付けられた複数のシートを含むことができる。例えば、図6は、特定の実施形態による動物の体毛を除去する装置の構成要素の斜視図である。示すように、図6の装置10”’は、図2の装置10と同様であるが、円筒体22、26の軸に対して様々な方向に巻き付けられた複数のシート30〜33を含む。具体的には、装置10”’は、第1の方向46で第1の円筒体22の一部分に巻き付けられ、さらに、第2の方向54で第2の円筒体26の一部分に巻き付けられた少なくとも1つの第1のシート30、32を含み、第1の円筒体22が第1の方向46に回転し、第2の円筒体26が第2の方向54に回転するときに、1つまたは複数の細長い挟み込み部分58が、可撓性材料シート58と第2の円筒体26との間に形成される。
【0040】
さらに、装置10”’は、第2の方向54で第1の円筒体22の一部分に巻き付けられ、さらに、第1の方向46で第2の円筒体の一部分に巻き付けられた少なくとも1つのさらなる可撓性材料シート31、33をさらに含み、第1の円筒体22が第1の方向46に回転し、第2の円筒体26が第2の方向54に回転するときに、少なくとも1つのさらなる細長い挟み込み部分59が、可撓性材料シート31、33と第1の円筒体との間に形成される。上記のように、挟み込み部分58、59は、体毛または剛毛の長い長さにわたって体毛または剛毛の把持を可能にするのに十分な深さ39、39’を有するように設計することができる。
【0041】
上記に様々な実施形態に関連して説明したように、図6の装置10”’はまた、いくつかの増設円筒体120を含むことができる。可撓性材料シート30〜33は、増設円筒体120に巻き付けられてループ(1つまたは複数)を形成することができる。円筒体120はさらに、増設円筒体120のいずれか、または両方の回転により、装置10”’に動力が供給されるように、電気モーターなどの駆動機構に動作可能に連結することができる。さらに、上記のように、円筒体120の1つまたは両方は、可撓性材料シート30〜33の張力の調整を可能にするように、第1の円筒体22および第2の円筒体26に対して位置を調整することができる。
【0042】
いくつかの実施形態では、複数の可撓性シートを使用して、体毛または剛毛を除去するための挟み込み部分を形成することができる。例えば、図7は、別の例示的な実施形態による動物の体毛を除去する装置の側面図である。示すように、装置200は、長手軸142を有する第1の円筒体122と、長手軸150を有する第2の円筒体126とを含むことができ、第1の円筒体122および第2の円筒体126は互いに近接して配置され、円筒体のそれぞれの長手軸142、150のまわりを反対方向146、154に回転することができる。装置はまた、(図7の紙面の中に延びる)細長い挟み込み部分158を形成するように、第1の円筒体122の一部分に巻き付けられた第1の可撓性材料シート130と、第2の円筒体126の一部分に巻き付けられた第2の可撓性材料シート131とを含むことができる。細長い挟み込み部分158は、第1の円筒体122および第2の円筒体126が、それらのそれぞれの長手軸のまわりを反対方向146、154に回転するときに、第1の円筒体122と第2の円筒体126との間に配置された物体に作用する引き抜き力を発生させることができる。
【0043】
さらに、他の実施形態に関連して説明したように、細長い挟み込み部分158は、長い長さにわたって体毛または剛毛の把持を可能にする特定の深さを有するように設計することができる。具体的には、示すように、装置200は、シート130、131間に形成される特定の深さ139を挟み込み部分158に付与するように構成されている。
【0044】
特定の実施形態では、可撓性シート130、131は、動物の体毛または剛毛18の把持および動物の皮14からの引き抜きを改善するように選択されたテクスチャ表面を有する。例えば、様々な実施形態では、テクスチャ表面132、132’は、噛合する歯付き面である。
【0045】
上記の他の実施形態と同様に、装置200は、シート130、132の回転ループを作成し、駆動装置200への動力源に取り付き、かつ/またはシート130、131の張力の調整を可能にする増設円筒体をさらに含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、装置200は、第3の円筒体160をさらに含み、第1の可撓性シート130は、第1の円筒体122と第3の円筒体160との間でループを形成する。さらに、装置は、第4の円筒体170を含むことができ、第2の可撓性シート131は、第2の円筒体126と第4の円筒体170との間でループを形成する。第3の円筒体160および第4の円筒体170は、それらのそれぞれの軸164、174のまわりを反対方向161、171に回転し、シート130、131によって形成されたループは、第1の円筒体122および第2の円筒体126を動作させる。いくつかの実施形態では、第3の円筒体160および第4の円筒体170の一方または両方は、動力源に動作可能に連結される。いくつかの実施形態では、動力源は、円筒体を回転させ、細長い挟み込み部分158に沿って少なくとも20lbs/インチを発生させるのに十分なトルクを発生させるように構成される。
【0046】
本開示はまた、可撓性シートを使用することなく、体毛を除去する装置を提供する。例えば、図8は、別の例示的な実施形態による動物の体毛を除去する装置210の側面図である。図9は、装置200の端部部分の拡大斜視図であり、図10は、装置200の端部部分の拡大側面図である。図示するように、装置210は、実質的に平坦で剛性の下側面215と(図10に示す)先導前縁部216とを有する案内部材214を含む。いくつかの実施形態では、先導前縁部216は、鋭角(例えば、80°〜90°、70°〜90°、またはこれらの範囲内の任意の値)を有する底部部分218と、先導前縁部216から離れる方向に向けられた緩い曲面222を含む上部部分220とを有する。装置210は、回転自在に移動する少なくとも1つの把持面228をさらに含み、把持面228は、上面220の緩い曲面222の近くを通過して、案内部材214の上面236と把持面228との間に(図10に示す)挟み込み領域234を形成している。例えば、図示するように、装置210は、複数の把持面228を有する回転可能なホイール224を含むことができ、複数の把持面228は、ホイール224の軸240のまわりにほぼ等間隔に配置することができる。ホイール224は、軸240のまわりに回転できて、挟み込み領域234での体毛の連続引き抜きを可能にする。
【0047】
少なくとも1つの把持面228は、挟み込み領域234で捕捉された体毛または剛毛を皮14から引き抜くのを可能にするのに十分な摩擦または把持力が得られるように構成することができる。例えば、いくつかの実施形態では、少なくとも1つの把持面228はテクスチャ表面を含む。さらに、耐久性を付与するために、表面は、テクスチャ鋼などの硬質金属で形成することができる。さらに、案内部材214の上面220は、剛毛18が挟み込み領域234に円滑に引き込まれるのを可能にする平滑な金属面を含むことができる。さらに、把持面228および上面236の寸法は、挟み込み領域234が、特定の長さにわたる体毛または剛毛の把持をもたらす特定の深さ239を有するように選択することができる。
【0048】
上記のように、本開示の装置は、皮から体毛または剛毛の除去を可能にするように皮の表面に沿って通過することができる。いくつかの実施形態では、皮または装置を互いに対して特定の方向に移動させることが望ましい。例えば、装置が体毛または剛毛の配向とは反対に移動して、体毛を装置内に形成された挟み込み部分の方に向け、挟み込み部分で捕捉する助けとなるように装置または皮を移動させることは、有益、またはより効率的であり得る。さらに、装置は、直列に配置された2つ以上の装置セットを含むことができる。いくつかの実施形態では、直列に配置された装置は、様々な方向に生えた体毛または剛毛の効率的な捕捉を可能にするように、反対の向きで整列することができる。特定の実施形態では、2つ以上の装置を使用して、様々な長さの体毛の除去を可能にする。例えば、特定の実施形態では、ローラーの直径が大きい方の第1の装置を使用して、大きい、および/または粗い体毛を除去する。特定の実施形態では、小さい方のローラーを有する第2の装置を使用して、長さがより短い、および/または密度が低い体毛を除去する。特定の実施形態では、複数の装置を使用して、多様な長さの体毛を除去する。いくつかの実施形態では、2つ以上の装置が単一の機械に組み込まれる。他の実施形態では、複数の装置が独立した機械として用意される。
【0049】
特定の実施形態によれば、皮膚または動物の皮から体毛または剛毛を除去する方法が提供される。方法は、体毛または剛毛を有する皮膚または動物の皮を選択することと、上記の、または図の、または特許請求の範囲の本開示による装置のいずれかを作動させて、皮膚または動物の皮から体毛または剛毛を除去することとを含むことができる。さらに、そのような方法に従って体毛または剛毛を除去された皮膚または動物の皮が、そのような皮膚または動物の皮から作製された加工製品と共に提供される。
【0050】
当然のことながら、好ましい実施形態の上記の説明は単なる例として提示され、当業者は様々な修正を行うことができる。上記の仕様、例、およびデータにより、本発明の例示的な実施形態の構造および使用法が完全に説明される。本発明の様々な実施形態が、ある程度具体的に、すなわち、1つまたは複数の個別の実施形態に関連して上記に説明されたが、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、開示した実施形態に対して多様な変更を行うことができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10