特許第6088435号(P6088435)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6088435導電率グラディエントを用いる溶出液収集
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6088435
(24)【登録日】2017年2月10日
(45)【発行日】2017年3月1日
(54)【発明の名称】導電率グラディエントを用いる溶出液収集
(51)【国際特許分類】
   C07K 1/18 20060101AFI20170220BHJP
   G01N 30/88 20060101ALI20170220BHJP
   G01N 30/96 20060101ALI20170220BHJP
   G01N 30/34 20060101ALI20170220BHJP
   G01N 30/26 20060101ALI20170220BHJP
   G01N 30/64 20060101ALI20170220BHJP
   B01J 39/26 20060101ALI20170220BHJP
   C07K 14/755 20060101ALI20170220BHJP
   C07K 1/36 20060101ALI20170220BHJP
【FI】
   C07K1/18
   G01N30/88 J
   G01N30/96 A
   G01N30/34 E
   G01N30/26 A
   G01N30/64 Z
   B01J39/26
   C07K14/755
   C07K1/36
【請求項の数】14
【全頁数】42
(21)【出願番号】特願2013-544751(P2013-544751)
(86)(22)【出願日】2011年12月14日
(65)【公表番号】特表2014-507388(P2014-507388A)
(43)【公表日】2014年3月27日
(86)【国際出願番号】US2011064962
(87)【国際公開番号】WO2012082933
(87)【国際公開日】20120621
【審査請求日】2014年11月5日
(31)【優先権主張番号】61/423,509
(32)【優先日】2010年12月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515351758
【氏名又は名称】バクスアルタ ゲーエムベーハー
(73)【特許権者】
【識別番号】315010787
【氏名又は名称】バクスアルタ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100100158
【弁理士】
【氏名又は名称】鮫島 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100138900
【弁理士】
【氏名又は名称】新田 昌宏
(74)【代理人】
【識別番号】100162684
【弁理士】
【氏名又は名称】呉 英燦
(72)【発明者】
【氏名】マルティン・フェルゲンハウアー
(72)【発明者】
【氏名】ヘルムート・マイアーホーファー
(72)【発明者】
【氏名】ドミニク・ミゾン
(72)【発明者】
【氏名】アルノー・デスポン
【審査官】 上村 直子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010−537960(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/111414(WO,A1)
【文献】 国際公開第2009/092010(WO,A1)
【文献】 特表昭62−501415(JP,A)
【文献】 特表2005−538176(JP,A)
【文献】 特表2010−530068(JP,A)
【文献】 特表平07−506479(JP,A)
【文献】 特表2002−503539(JP,A)
【文献】 特開平07−215998(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07K 1/00−19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カラムから溶出液を収集する方法であって、該方法は次の工程:
a) 陽イオン交換クロマトグラフィーカラムへ、第VIII因子を含んでなるサンプルを適用する工程、ここで、該適用はカラムによる第VIII因子の保持を生じさせる;
b) 陽イオン交換クロマトグラフィーカラムに移動相を適用する工程、
移動相は緩衝液を含んでなり、
ここで、移動相の適用は約8 mS/cmから約90 mS/cmまでの導電率グラディエントを設定する;
c) 単一の開始導電率値および単一の停止導電率値を包含する単一の溶出液収集を開始する工程であって、
陽イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相について測定された供給口導電率値が約25.0 mS/cmから約27.0 mS/cmまでである場合に、または、陽イオン交換クロマトグラフィーカラムから出る移動相について測定された出口導電率値が約19.0 mS/cmから約21.0 mS/cmまでである場合に単一の溶出液収集を開始する工程;
および
d) 供給口にて陽イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相について測定された単一の停止導電率値が約41.0 mS/cmから約43.0 mS/cmまでである場合に、または、出口にて陽イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相について測定された単一の停止導電率値が約34.5 mS/cmから約36.5 mS/cmまでである場合に単一の溶出液収集を停止する工程;を含んでなり、および、
ここで、単一の溶出液収集が、工程(a)の陽イオン交換クロマトグラフィーカラムによって保持された第VIII因子の少なくとも83%を含んでなる、方法。
【請求項2】
工程c)において、陽イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相について測定された供給口導電率値が、約25.0 mS/cmから約27.0 mS/cmまでである場合に、単一の溶出液収集が開始され;および
工程d)において、陽イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相について測定された供給口導電率値が、約41.0 mS/cmから約43.0 mS/cmまでである場合に、単一の溶出液収集の停止が起こる;請求項1に記載の方法。
【請求項3】
工程c)において、陽イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相について測定された出口導電率値が、約19.0 mS/cmから約21.0 mS/cmまでである場合に、単一の溶出液収集が開始され;および
工程d)において、陽イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相について測定された出口導電率値が、約34.5 mS/cmから約36.5 mS/cmである場合に、単一の溶出液収集の停止が起こる;請求項1に記載の方法。
【請求項4】
第VIII因子が、組換え型第VIII因子である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
緩衝液が、2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸(MES)、(N-(2-アセトアミド)イミノ二酢酸(ADA)、ジメチルアルシン酸(カコジル酸塩)、ピペラジン-N,N'-ビス(2-エタンスルホン酸(PIPES)、N-(2-アセトアミド)-2-アミノエタンスルホン酸(ACES)、コラミンクロリド、N,N'-ビス(2-ヒドロキシ-エチル)-2-アミノエタンスルホン酸(BES)、3-(N-モルホリノ)プロパンスルホン酸(MOPS)、2-{[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]アミノ}エタンスルホン酸(TES)、N-(2-ヒドロキシ-エチル)ピペラジン-N'-(2-エタンスルホン酸(HEPES)、ピペラジン-N,N'-ビス(2-ヒドロキシプロパンスルホン酸(POPSO)、N-トリス(ヒドロキシメチル)メチルグリシン(トリシン)、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン(トリス)アセトアミドグリシン、N,N-ビス(2-ヒドロキシ-エチル)グリシン(ビシン)、N-トリス(ヒドロキシメチル)メチル-3-アミノプロパンスルホン酸(TAPS)、3-[(1,1-ジメチル-2-ヒドロキシ-エチル)アミノ]2-ヒドロキシプロパンスルホン酸(AMPSO)、3-(シクロヘキシルアミノ)-2-ヒドロキシ-1-プロパンスルホン酸(CAPSO)又は3-(シクロヘキシルアミノ)-1-プロパンスルホン酸(CAPS)を含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
緩衝液が、ポリオキシエチレングリコールソルビタンアルキルエステル、 ポロキサマー、ポリオキシエチレングリコールアルキルエーテル、 ポリオキシプロピレングリコールアルキルエーテル、 グルコシドアルキルエーテル、ドデカオキシエタノール、ポリオキシエチレングリコールオクチルフェノールエーテル、 ポリオキシエチレングリコールアルキルフェノールエーテル、グリセロールアルキルエステル、ソルビタンアルキルエステル、ココアミドエタノールアミン、スクロースモノラウレート、ドデシルジメチルアミンオキシド、ナトリウムコール酸塩又はそのいかなる組み合わせから選ばれる非イオンの界面活性剤を含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
方法が閉端系として実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
カラムから溶出液を収集する方法であって、該方法は次の工程:
a) 陰イオン交換クロマトグラフィーカラムへ、第VIII因子を含んでなるサンプルを適用する工程、ここで、該適用はカラムによる第VIII因子の保持を生じさせる;
b) 陽イオン交換クロマトグラフィーカラムに移動相を適用する工程、
移動相は緩衝液を含んでなり、
ここで、移動相の適用は約8 mS/cmから約90 mS/cmまでの導電率グラディエントを設定する;
c) 単一の開始導電率および単一の停止導電率を包含する単一の溶出液収集を開始する工程であって、
陰イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相について測定された供給口導電率値が約27.8 mS/cmから約29.8 mS/cmまでである場合に、または、陽イオン交換クロマトグラフィーカラムから出る移動相について測定された出口導電率値が約21.0 mS/cmから約23.0 mS/cmまでである場合に単一の溶出液収集を開始する工程;
および
d) 供給口にて陰イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相について測定された単一の停止導電率値が約51.0 mS/cmから約53.0 mS/cmまでである場合に、または、出口にて陰イオン交換クロマトグラフィーカラムから出る移動相について測定された単一の停止導電率値が約45.5 mS/cmから約47.5 mS/cmまでである場合に単一の溶出液収集を停止する工程;を含んでなり、および、
ここで、単一の溶出液収集が、工程(a)の陰イオン交換クロマトグラフィーカラムによって保持された第VIII因子の少なくとも83%を含んでなる、方法。
【請求項9】
工程c)において、陰イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相について測定された供給口導電率値が、約27.8 mS/cmから約29.8 mS/cmまでである場合に、単一の溶出液収集が開始され;および
工程d)において、陰イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相について測定された供給口導電率値が、約51.0 mS/cmから約53.0 mS/cmまでである場合に、単一の溶出液収集の停止が起こる;請求項8に記載の方法。
【請求項10】
工程c)において、陰イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相について測定された出口導電率値が、約21.0 mS/cmから約23.0 mS/cmまでである場合に、単一の溶出液収集が開始され;および
工程d)において、陰イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相について測定された出口導電率値が、約45.5 mS/cmから約47.5 mS/cmまでである場合に、単一の溶出液収集の停止が起こる;請求項8に記載の方法。
【請求項11】
第VIII因子が、組換え型第VIII因子である、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
緩衝液が、2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸(MES)、(N-(2-アセトアミド)イミノ二酢酸(ADA)、ジメチルアルシン酸(カコジル酸塩)、ピペラジン-N,N'-ビス(2-エタンスルホン酸(PIPES)、N-(2-アセトアミド)-2-アミノエタンスルホン酸(ACES)、コラミンクロリド、N,N'-ビス(2-ヒドロキシ-エチル)-2-アミノエタンスルホン酸(BES)、3-(N-モルホリノ)プロパンスルホン酸(MOPS)、2-{[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]アミノ}エタンスルホン酸(TES)、N-(2-ヒドロキシ-エチル)ピペラジン-N'-(2-エタンスルホン酸(HEPES)、ピペラジン-N,N'-ビス(2-ヒドロキシプロパンスルホン酸(POPSO)、N-トリス(ヒドロキシメチル)メチルグリシン(トリシン)、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン(トリス)アセトアミドグリシン、N,N-ビス(2-ヒドロキシ-エチル)グリシン(ビシン)、N-トリス(ヒドロキシメチル)メチル-3-アミノプロパンスルホン酸(TAPS)、3-[(1,1-ジメチル-2-ヒドロキシ-エチル)アミノ]2-ヒドロキシプロパンスルホン酸(AMPSO)、3-(シクロヘキシルアミノ)-2-ヒドロキシ-1-プロパンスルホン酸(CAPSO)又は3-(シクロヘキシルアミノ)-1-プロパンスルホン酸(CAPS)を含んでなる、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
緩衝液が、ポリオキシエチレングリコールソルビタンアルキルエステル、 ポロキサマー、ポリオキシエチレングリコールアルキルエーテル、 ポリオキシプロピレングリコールアルキルエーテル、 グルコシドアルキルエーテル、ドデカオキシエタノール、ポリオキシエチレングリコールオクチルフェノールエーテル、 ポリオキシエチレングリコールアルキルフェノールエーテル、グリセロールアルキルエステル、ソルビタンアルキルエステル、ココアミドエタノールアミン、スクロースモノラウレート、ドデシルジメチルアミンオキシド、ナトリウムコール酸塩又はそのいかなる組み合わせから選ばれる非イオンの界面活性剤を含んでなる、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
方法が閉端系として実行される、請求項8に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[002] 本明細書は、製造工程中でタンパク質を精製する方法に関する。
優先権主張
[001] この特許出願は、2010年12月15日に申請された米国への仮特許出願番号61/423,509に対する米国特許法§119(e)に準ずる優先権を請求する。その全体が引用により、本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
[003] イオン交換クロマトグラフィー(又はイオンクロマトグラフィー)は、それらの電荷に基づいたイオン及び極性分子の分離を可能にする方法である。この種のクロマトグラフィーは、さらに、陽イオン交換クロマトグラフィーおよび陰イオン交換クロマトグラフィーへ細分される。それは、大きなポリペプチド、小さなヌクレオチドおよびアミノ酸を含むほとんどいかなる種類の、帯電した分子にも用いることができる。注入される溶液は通常サンプルと呼ばれる。そして、個々に分離された成分は被検体と呼ばれる。それは、タンパク質精製、水分析および品質管理中でしばしば用いられる。イオン交換クロマトグラフィーは、クーロン(イオン性)相互作用に基づいてカラム上に被検体を保持する。
【0003】
[004] 一般的に、陽イオン種M+および陰イオン種B-を含むイオン化合物を含んでなるサンプルが、既知の体積のサンプルループへ、手動で又はオートサンプラーで導入される。移動相として知られている緩衝剤を用いた水溶液は、固定相物質のある形態を含んでいるカラム上にループからのサンプルを運ぶ。固定層物質は、典型的には共有結合した帯電している官能基(R-X)を有するアガロース又はセルロースビーズを含んでなる樹脂又はゲルマトリックスである。被検体が固定相で保持されるように、ビーズのイオン性官能基は、反対の電荷の被検体イオンと相互作用する。陽イオン交換クロマトグラフィーにおいて、固定相が負に帯電した官能基を顕示するので、カラムは正に帯電した陽イオンを保持する(例えば R-X-C+ + M+B-→ R-X-M+ + C+ + B-)。陰イオン交換クロマトグラフィーにおいては、固定相が正に帯電した官能基を顕示するので、カラムは負に帯電した陰イオンを保持する、例えば、 R-X+A- + M+B- → R-X+ B- + M+ + A-である。保持された目標被検体(陰イオンまたは陽イオン)は、同様に固定相からの被検体イオンを置き換える荷電化学種のイオン濃度を増加することにより、引き続き、カラムから溶出することができる。例えば、陽イオン交換クロマトグラフィー中の正に帯電したナトリウムイオンの添加によって、正に帯電した被検体を置き換えることができ得る。同様に、陰イオン交換クロマトグラフィーにおいて、負に帯電した塩化物イオンの添加によって、負に帯電した被検体を置き換えることができ得る。次に、ある形態の検知された方法、典型的には、導電率による又はUV/可視光線吸光度によって、着目した被検体については溶出液を分析しなければならない。
【0004】
[005] ポリペプチドには陽性及び負電荷の両方がありうる多数の官能基があるので、イオン交換クロマトグラフィーはそれらの総電荷によってタンパク質を分離する。ポリペプチドの総電荷は移動相の組成に依存する。移動相のpHの調節によって、着目したポリペプチドの総電荷が、カラムの帯電した固定相との相互作用を可能にする総電荷になる。例えば、ポリペプチドがpH 7を超えて正味プラス荷電を有していれば、それは負に帯電した固定相のカラムへ結合する。しかし、負に帯電したポリペプチドは結合しない。その総電荷の変更により、ポリペプチドの溶出がさらに生じる。それも、pH又は移動相のイオン濃度の変更により達成される。例えば、負に帯電した固定相に結合されたポリペプチドを溶出するために、移動相のpHは、ポリペプチド上の総電荷を負にする方法で変更される。移動相からのイオンが、負に帯電した固定相からのイオンを超えて、ポリペプチド上のイオンと優先的に相互に作用するので、移動相のイオン強度の変更による溶出が生じる。この相互作用は固定相イオンからポリペプチドを「遮蔽し」、それによって、ポリペプチドが溶出することを可能にする。
【0005】
[006] 移動相のpH又はイオン濃度の変更によるポリペプチドの溶出にはいくつかの欠点がある。最初に、pH又はイオン濃度変更によるタンパク質溶出は時間のかかる方法である。例えば、導電率又はUV/可視光線吸光度による着目したタンパク質の検出は、全体の溶出工程の間に生じなければならない。なぜならば、pH又はイオン濃度変更による固定相からの着目したポリペプチドの放出は可変だからである。それゆえ、溶出液収集が、多数の画分の連続系列、典型的には24の画分の間に生じなければならず、次に、それぞれの画分は着目したポリペプチドの閾値量を含む画分を同定するために分析される。そして、この部分集合は引き続く処理に対して次にプールされる。この溶出方法はそれ自身時間のかかるものである。さらに、長期間のホールドタイムが、溶出液収集及びプールする工程の間に生じる。次に、pH又はイオン濃度の変更により着目したポリペプチドを溶出するのに必要な長い期間は、タンパク質分解に対するタンパク質の感受性を増加し、その結果として、減少したタンパク質収率に帰着する。第三に、pH又はイオン濃度変更によるタンパク質溶出は、オペレーターが、機械的な出来事を回避するためにフラクションコレクターにアクセスすることができるオープンシステムを必要とする労働集約的な方法である。第四に、プールされる画分の計算、又は手動のプーリング自体の間にヒューマンエラーの危険性がある。
【0006】
[007] 本明細書は、これらの欠点に取り組む新規な溶出収集方法を開示する。ここに開示する方法は、溶出収集方法を開始し停止するために導電率グラディエントを用いる。この導電率グラディエント「トリガー」は、自動的に単回の画分溶出液としてカラムから着目したポリペプチドを回収する。イオン交換カラムから着目したポリペプチドを収集するのに必要な溶出時間を減少させる、ここに開示した溶出収集方法は、溶出液収集及びプールする工程の間に生じるホールドタイムを省き、クローズドシステム設計を可能にする。それゆえ、開示した溶出収集は、機械的な出来事又はヒューマンエラーによる分解又はそのロスに対するたんぱく質の感受性を減じることにより、タンパク質収率を改善する。
【発明の概要】
【0007】
[008] したがって、本明細書の側面は、カラムから溶出液を収集する方法を開示し、該方法は次の工程を含んでなる:
a) 陽イオン交換クロマトグラフィーカラムへ、タンパク質を含んでなるサンプルを適用する工程、ここで、該適用はカラムによるタンパク質の保持を生じさせる;b) 陽イオン交換クロマトグラフィーカラムに移動相を適用する工程、移動相は緩衝液を含んでなり、ここで、移動相の適用は約8 mS/cmから約90 mS/cmまでの導電率グラディエントを設定する;c) 陽イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相について測定された供給口導電率値が、約25.0 mS/cmから約27.0 mS/cmまでである場合に、溶出液収集を開始する工程;および、d) 陽イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相について測定された供給口導電率値が、約41.0 mS/cmから約43.0 mS/cmまでである場合に、溶出液収集を停止する工程;ここで、溶出液収集は、工程(a)の陽イオン交換クロマトグラフィーカラムによって保持されたタンパク質の少なくとも25%を含んでなる。ここに開示した緩衝液はさらに電解質および/または、界面活性剤を含有することができる。ここに開示した電解質は、ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、塩化物イオン、水素ホスフェートイオン、炭酸水素塩イオン又はそのいかなる組み合わせを含有してもよい。ここに開示した界面活性剤は、陰イオン界面活性剤又は陽イオン界面活性剤の様なイオン性界面活性剤、両性イオン(両性)界面活性剤、又は非イオン性界面活性剤であり得る。ここで開示した導電率グラディエントは、線形関数、シグモイド関数、対数関数又は指数関数で規定され得る。本方法はクローズドシステムとして実行することができる。
【0008】
[009] 本明細書の他の側面は、カラムから溶出液を収集する方法を開示し、該方法は次の工程を含んでなる:a) 陽イオン交換クロマトグラフィーカラムへ、タンパク質を含んでなるサンプルを適用する工程、ここで、該適用はカラムによるタンパク質の保持を生じさせる;b) 陽イオン交換クロマトグラフィーカラムに移動相を適用する工程、移動相は緩衝液を含んでなり、ここで、移動相の適用は約8 mS/cmから約90 mS/cmまでの導電率グラディエントを設定する;c) 陽イオン交換クロマトグラフィーカラムから出る移動相について測定された出口導電率値が、約19.0 mS/cmから約21.0 mS/cmまでである場合に、溶出液収集を開始する工程;および、d) 陽イオン交換クロマトグラフィーカラムから出る移動相について測定された出口導電率値が、約34.5 mS/cmから約36.5 mS/cmまでである場合に、溶出液収集を停止する工程;ここで、溶出液収集は、工程(a)の陽イオン交換クロマトグラフィーカラムによって保持されたタンパク質の少なくとも25%を含んでなる。本方法はクローズドシステムとして実行することができる。
【0009】
[010] 本明細書のさらに他の側面は、カラムから溶出液を収集する方法を開示し、該方法は次の工程を含んでなる:a) 陰イオン交換クロマトグラフィーカラムへ、タンパク質を含んでなるサンプルを適用する工程、ここで、該適用はカラムによるタンパク質の保持を生じさせる;b) 陰イオン交換クロマトグラフィーカラムに移動相を適用する工程、移動相は緩衝液を含んでなり、ここで、移動相の適用は約4 mS/cmから約80 mS/cmまでの導電率グラディエントを設定する;c) 陰イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相について測定された供給口導電率値が、約27.8 mS/cmから約29.8 mS/cmまでである場合に、溶出液収集を開始する工程;および、d) 陰イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相について測定された供給口導電率値が、約51.0 mS/cmから約53.0 mS/cmまでである場合に、溶出液収集を停止する工程;ここで、溶出液収集は、工程(a)の陰イオン交換クロマトグラフィーカラムによって保持されたタンパク質の少なくとも25%を含んでなる。本方法はクローズドシステムとして実行することができる。
【0010】
[011] 本明細書のさらに他の側面は、カラムから溶出液を収集する方法を開示し、該方法は次の工程を含んでなる:a) 陰イオン交換クロマトグラフィーカラムへ、タンパク質を含んでなるサンプルを適用する工程、ここで、該適用はカラムによるタンパク質の保持を生じさせる;b) 陰イオン交換クロマトグラフィーカラムに移動相を適用する工程、移動相は緩衝液を含んでなり、ここで、移動相の適用は約4 mS/cmから約80 mS/cmまでの導電率グラディエントを設定する;c) クロマトグラフィーカラムから出る移動相について測定された出口導電率値が、約21.0 mS/cmから約23.0 mS/cmまでである場合に、溶出液収集を開始する工程;および、d) クロマトグラフィーカラムから出る移動相について測定された出口導電率値が、約45.5 mS/cmから約47.5 mS/cmまでである場合に、溶出液収集を停止する工程;ここで、溶出液収集は、工程(a)の陰イオン交換クロマトグラフィーカラムによって保持されたタンパク質の少なくとも25%を含んでなる。本方法はクローズドシステムとして実行することができる。
【0011】
[012] さらに、本明細書の他の側面は、カラムから溶出液を収集する方法を開示し、該方法は次の工程を含んでなる:a) 陽イオン交換クロマトグラフィーカラムへ、タンパク質を含んでなるサンプルを適用する工程、ここで、該適用はカラムによるタンパク質の保持を生じさせる;b) 陽イオン交換クロマトグラフィーカラムに移動相を適用する工程、移動相は緩衝液を含んでなり、ここで、移動相の適用は約8 mS/cmから約90 mS/cmまでの導電率グラディエントを設定する;c) 陽イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相について測定された供給口導電率値が、約25.0 mS/cmから約27.0 mS/cmまでである場合に、または、陽イオン交換クロマトグラフィーカラムから出る移動相について測定された出口導電率値が、約19.0 mS/cmから約21.0 mS/cmまでである場合に、溶出液収集を開始する工程;および、d) 陽イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相について測定された供給口導電率値が、約41.0 mS/cmから約43.0 mS/cmまでである場合に、または、 陽イオン交換クロマトグラフィーカラムから出る移動相について測定された出口導電率値が、約34.5 mS/cmから約36.5 mS/cmまでである場合に、溶出液収集を停止する工程;ここで、溶出液収集は、工程(a)の陽イオン交換クロマトグラフィーカラムによって保持されたタンパク質の少なくとも25%を含んでなる。本方法はクローズドシステムとして実行することができる。
【0012】
[013] さらに、本明細書の他の側面は、カラムから溶出液を収集する方法を開示し、該方法は次の工程を含んでなる::a) 陰イオン交換クロマトグラフィーカラムへ、タンパク質を含んでなるサンプルを適用する工程、ここで、該適用はカラムによるタンパク質の保持を生じさせる;b) 陰イオン交換クロマトグラフィーカラムに移動相を適用する工程、移動相は緩衝液を含んでなり、ここで、移動相の適用は約4 mS/cmから約80 mS/cmまでの導電率グラディエントを設定する;c) 陰イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相について測定された供給口導電率値が、約27.8 mS/cmから約29.8 mS/cmまでである場合に、または、陰イオン交換クロマトグラフィーカラムから出る移動相について測定された出口導電率値が、約21.0 mS/cmから約23.0 mS/cmまでである場合に、溶出液収集を開始する工程;および、d) 陰イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相について測定された供給口導電率値が、約51.0 mS/cmから約53.0 mS/cmまでである場合に、または、陰イオン交換クロマトグラフィーカラムから出る移動相について測定された出口導電率値が、約45.5 mS/cmから約47.5 mS/cmまでである場合に溶出液収集を停止する工程;ここで、単回の溶出液収集は、工程(a)のカラムによって保持されたタンパク質の少なくとも25%を含んでなる。本方法はクローズドシステムとして実行することができる。
【0013】
[014] さらに、本明細書の他の側面は、カラムから溶出液を収集する方法を開示し、該方法は次の工程を含んでなる:a) カラムへタンパク質を含んでなるサンプルを適用する工程、ここで、該適用はカラムによるタンパク質の保持を生じさせる;b) カラムに移動相を適用する工程、移動相は緩衝液を含んでなり、ここで、移動相の適用は約4 mS/cmから約90 mS/cmまでの導電率グラディエントを設定する;c) 移動相について測定された導電率値が、約19.0 mS/cmから約30.0 mS/cmまでである場合に、溶出液収集を開始する工程;および、d) 移動相について測定された導電率値が、約34.0 mS/cmから約53.0 mS/cmまでである場合に、溶出液収集を停止する工程;ここで、溶出液収集は、工程(a)のカラムによって保持されたタンパク質の少なくとも25%を含んでなる。本方法はクローズドシステムとして実行することができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[発明の詳細な説明]
[015] イオン交換クロマトグラフィーは、帯電した分子の化学分析および分離に広く用いられるクロマトグラフィー的な方法である。イオン交換は可逆的な化学反応であり、ここで、サンプルに含まれている化合物からのイオンは、固定相の不動のイオン交換樹脂に付着している、同様に電荷を帯びたイオンと交換される。応用の重要な領域は生物学的に生成された物質、例えばアミノ酸、タンパク質、DNA及びRNAの様なポリヌクレオチド分子、の抽出および精製である。
【0015】
[016] イオン交換カラムは固定相(それは、典型的にはクロマトグラフィー手順に対して適所に固定したイオン交換樹脂を含有する)、および移動相(それはクロマトグラフィー手順の間に一定方向に移動する緩衝液を含有する)を含む。
【0016】
[017] 固定相はイオン交換樹脂を含んでなる。イオン交換樹脂は通常、約1mmから直径約2mmまでの小さなビーズの形をした不溶性マトリックス(又は支持構造)である。樹脂は、イオンを容易に捕捉し及び放出するイオン交換サイトとして役立つ表面気孔を高度に発達させた構造を持つ。イオンの捕捉は他のイオンを同時の遊離することでのみ生じる;したがって、その方法はイオン交換と呼ばれる。イオン交換樹脂は、正に帯電した移動性イオンを交換に利用可能にしておく陽イオン交換体および交換イオンが負に帯電している陰イオン交換体として分類される。陰イオン及び陽イオン樹脂の両方は同一の有機ポリマー、例えばポリスチレンから製造される。それらは炭化水素網目に付けられたイオン化可能な基において異なる。樹脂の化学的な挙動を決定するのはこの官能基である。樹脂は、広く強酸又は弱酸陽イオン交換体、又は強塩基又は、弱塩基陰イオン交換体として分類することができる。例えば、強酸性の陽イオン樹脂は典型的にはスルフォン酸基を含有する、例えばポリスチレンスルホン酸ナトリウム又はpolyAMPS;強塩基性陰イオン樹脂は、トリメチルアンモニウム基又はトリメチルベンジルアンモニウム基、例えばpolyAPTACの様な第四級アミノ基を含む;弱酸性陽イオン樹脂はカルボン酸基を含有する;及び、弱塩基性陰イオン樹脂は1級、2級、および/または3級のアミノ基、例えばポリエチレンアミンを含む。
【0017】
[018] 最も典型的なイオン交換樹脂は架橋有機ポリマー、例えばポリスチレンに基づく。必要な官能基は、重合の後に導入することができ、又は、置換された単量体を用いることができる。例えば架橋は、重合工程で約0.5%から約25%のジビニルベンゼンをスチレンへ添加することにより多くの場合達成される。架橋は、樹脂のイオン交換容量を減少させて、イオン交換方法を遂行するための所要時間を延長する。しかしながら、、非橋架重合体は、それらがそれほど安定していないので単に例外的に用いられる。粒度はさらに樹脂パラメーターに影響を及ぼす;より小さな粒子は外表面が大きい。しかし、その粒子は、カラムプロセスでより大きなヘッドロスを引き起こす。
【0018】
[019] 移動相は緩衝液を含んでなる。いかなる緩衝剤も、結果として生じる緩衝液がここに開示した方法を実行するのに有用であるという条件付きで用いられてもよい。緩衝液は当業者によって適切なように変えることができ、一般的に、移動相に対して所望されたpH値、溶出されるタンパク質および採用される導電率値に部分的に依存する。したがって、この実施形態の態様は随意に、例えば、2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸(MES)、(N-(2-アセトアミド)イミノ二酢酸(ADA)、ジメチルアルシン酸(カコジル酸塩)、ピペラジン-N,N'-ビス(2-エタンスルホン酸(PIPES)、N-(2-アセトアミド)-2-アミノエタンスルホン酸(ACES)、コラミンクロリド、N,N'-ビス(2-ヒドロキシ-エチル)-2-アミノエタンスルホン酸(BES)、3-(N-モルホリノ)プロパンスルホン酸(MOPS)、2-{[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]アミノ}エタンスルホン酸(TES)、N-(2-ヒドロキシ-エチル)ピペラジン-N'-(2-エタンスルホン酸(HEPES)、ピペラジン-N,N'-ビス(2-ヒドロキシプロパンスルホン酸(POPSO)、N-トリス(ヒドロキシメチル)メチルグリシン(トリシン)、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン(Tris)アセトアミドグリシン、N,N-ビス(2-ヒドロキシ-エチル)グリシン(ビシン)、N-トリス(ヒドロキシメチル)メチル-3-アミノプロパンスルホン酸(TAPS)、3-[(1,1-ジメチル-2-ヒドロキシ-エチル)アミノ]2-ヒドロキシプロパンスルホン酸(AMPSO)、3-(シクロヘキシルアミノ)-2-ヒドロキシ-1-プロパンスルホン酸(CAPSO)および3-(シクロヘキシルアミノ)-1-プロパンスルホン酸(CAPS)、酢酸塩緩衝液、例えば、酢酸マグネシウム、酢酸カリウム、トリスアセテート;ホウ酸塩緩衝液;クエン酸塩緩衝液;リン酸緩衝液、例えばカリウムリン酸緩衝液、リン酸ナトリウム緩衝液;塩性の緩衝液、例えばリン酸緩衝食塩水(PBS)、HEPES緩衝生食水(HBS)、及びトリ緩衝剤食塩水(TBS)、塩性のクエン酸ナトリウム水(SSC);普遍的な緩衝液、例えば、緩衝液はクエン酸およびカリウムホスフェート、Britton-Robinson緩衝液、Carmody緩衝液など、又はそのいかなる組み合わせ、を含んでもよい。特別の緩衝液を作り及び用いる方法の非限定的例は、例えばMOLECULAR CLONING, A LABORATORY MANUAL (Joseph Sambrook & David W. Russell eds., Cold Spring Harbor Laboratory Press, 3rd ed. 2001、CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY (Frederick M. Ausubel et al., eds. John Wiley & Sons, 2004)に述べられている。
【0019】
[020] ここに必要に応じて開示した緩衝液のpHを調節するために酸または塩基を用いることができることは、理解される。この実施形態の側面において、ここに開示した有効なpHレベルの緩衝液は、例えば、少なくとも約pH 5.0、少なくとも約pH 5.5、少なくとも約pH 6.0、少なくとも約pH 6.5、少なくとも約pH 7.0又は約pH 7.5である。この実施形態の別の側面において、ここに開示した有効なpHレベルの緩衝液は、例えば、たかだか約pH 5.0、たかだか約pH 5.5、たかだか約pH 6.0、たかだか約pH 6.5、たかだか約pH 7.0又はたかだか約pH 7.5である。さらにこの実施形態の別の側面において、ここに開示した有効なpHレベルの緩衝液は、例えば約pH 5.0から約pH 8.0、有効なpHレベルは約pH 5.0から約pH 7.0であり、有効なpHレベルは約pH 5.0から約pH 6.0であり、約pH 5.5から約pH 8.0であり、有効なpHレベルは約pH 5.5から約pH 7.0であり、有効なpHレベルは約pH 5.5から約pH 5.0であり、約pH 5.5から約pH 7.5であり、有効なpHレベルは約pH 5.5から約pH 6.5である。
【0020】
[021] ここに開示した緩衝液は、濃度がここに開示した方法を実行するのに有用であるという条件付きで、いかなる濃度であってもよい。ここに開示した方法で用いられる緩衝液濃度は、当業者によって適切なように変えることができ、及び、通常、用いられている特別の緩衝液の緩衝能、溶出されているタンパク質および採用されている導電率値に部分的に依存する。この実施形態の側面において、緩衝液の濃度は、例えば少なくとも0.1mM、少なくとも0.2mM、少なくとも0.3mM、少なくとも0.4mM、少なくとも0.5mM、少なくとも0.6mM、少なくとも0.7mM、少なくとも0.8mM、少なくとも0.9mMである。この実施形態の他の態様において、緩衝液の緩衝剤濃度は、例えば少なくとも1.0mM、少なくとも2.0mM、少なくとも3.0mM、少なくとも4.0mM、少なくとも5.0mM、少なくとも6.0mM、少なくとも7.0mM、少なくとも8.0mM、少なくとも9.0mMである。この実施形態のまだ他の態様において、緩衝液の濃度は、例えば少なくとも10mM、少なくとも20mM、少なくとも30mM、少なくとも40mM、少なくとも50mM、少なくとも60mM、少なくとも70mM、少なくとも80mM、少なくとも90mMである。この実施形態のさらに別の側面において、緩衝液の濃度は、例えば少なくとも100mM、少なくとも200mM、少なくとも300mM、少なくとも400mM、少なくとも500mM、少なくとも600mM、少なくとも700mM、少なくとも800mM、少なくとも900mMである。
【0021】
[022]この実施形態の他の側面において、緩衝液の濃度は、例えばたかだか0.1mM、たかだか0.2mM、たかだか0.3mM、たかだか0.4mM、たかだか0.5mM、たかだか0.6mM、たかだか0.7mM、たかだか0.8mM、たかだか0.9mMである。この実施形態のさらに他の側面において、緩衝液の濃度は、例えば、たかだか1.0mM、たかだか2.0mM、たかだか3.0mM、たかだか4.0mM、たかだか5.0mM、たかだか6.0mM、たかだか7.0mM、たかだか8.0mM、又はたかだか9.0mMである。この実施形態のさらに他の側面において、緩衝液の濃度は、例えば、たかだか10mM、たかだか20mM、たかだか30mM、たかだか40mM、たかだか50mM、たかだか60mM、たかだか70mM、たかだか80mM、又はたかだか90mMである。この実施形態の更なる側面において、緩衝液の濃度は、例えば、たかだか100mM、たかだか200mM、たかだか300mM、たかだか400mM、たかだか500mM、たかだか600mM、たかだか700mM、たかだか800mM、又はたかだか900mMである。
【0022】
[023] この実施形態の他の側面において、緩衝液の濃度が、例えば、約0.1mM〜約900mM、0.1mM〜約500mM、0.1mM〜約100mM、0.1mM〜約90mM、0.1mM〜約50mM、1.0 mM〜約900 mM、1.0 mM〜約500 mM、1.0 mM〜約100 mM、1.0 mM〜約90 mM又は1.0 mM〜約50 mMの間にある。
【0023】
[024] 本明細書の側面は部分的に、導電率グラディエントを開示する。緩衝液の導電率(又は比導電率)は電気を通すその能力の指標である。導電率のSI単位はメーター当たりジーメンス(S/m)である。典型的には、導電率に一定の及び漸進的な増加があるという点で、導電率グラディエントは連続的か又は直線的である。導電率の一定の及び漸進的な増加は、それらの見かけの実効電荷によるカラムに結合されたタンパク質の漸進的な溶出に導く。陽イオン交換クロマトグラフィーにとって、低い陽性の見かけの実効電荷を有するタンパク質が最初に溶出し、一方、高い陽性の見かけの実効電荷を有しているタンパク質は最後に溶出するであろう。陰イオン交換クロマトグラフィーにとって、低い陰性の見かけの実効電荷を有するタンパク質が最初に溶出し、一方、高い陰性の見かけの実効電荷を有しているタンパク質は最後に溶出するであろう。
【0024】
[025] いかなる導電率グラディエントも、設定している導電率グラディエントがここに開示した方法を実行するのに有用であるという条件で用いられてもよい。一般的に、急な傾斜を有する導電率グラディエントは、狭いピークを有する溶出プロフィルの結果になるであろうし、したがって、開始および停止の導電率値は、互いにより接近するであろう。反対に、緩慢な傾斜を有する導電率グラディエントは、幅の広いピークを有する溶出プロフィルの結果になるであろうし、したがって、開始および停止の導電率値は、更に離れるであろう。典型的には、導電率グラディエントは、例えば、線形関数、シグモイド関数、多項式機能、n次のルート関数又は有理関数の様な代数関数;指数関数、双曲線関数又は対数関数の様な超越関数;べき関数;又は周期関数の様な数学関数によって規定することができる、。多数のサブ導電率グラディエントがある導電率グラディエントも採用されてもよい。例えば、直線的な導電率グラディエントが、約5 mS/cmから約40 mS/cmへの範囲で設定することが出来、次に約40 mS/cmから約90 mS/cmまでの指数関数的な導電率グラディエントへ遷移する。遷移は即時であってよい、又は、、例えば40 mS/cmの定常的な移動相(即ち、グラディエントナシの)を含んでいてもよい。導電率グラディエントはさらにステップグラディエントであってよい、ここで、カラムは低い導電率、例えば約1 mS/cmから約15 mS/cm、を有する移動相で洗浄され、次に、タンパク質は例えば約25 mS/cmから約35 mS/cmの様な導電率を有する移動相を用いて溶出され、最終的には、カラムは一般的に、例えば、約80 mS/cmから約90 mS/cmの様な高導電性を有する移動相で洗浄して再生される。
【0025】
[026] 導電率グラディエントは、開始する導電率がここに開示した方法を実行するのに有用な導電率グラディエントを設定するという条件付きで、いかなる開始導電率も有することができる。この実施形態の側面において、導電率グラディエントは、例えば約 1 mS/cm, 約 2 mS/cm, 約 3 mS/cm, 約 4 mS/cm, 約 5 mS/cm, 約 6 mS/cm, 約 7 mS/cm, 約 8 mS/cm, 約 9 mS/cm, または、約 10 mS/cmの開始導電率を有する。この実施形態の他の側面において、導電率グラディエントは、例えば少なくとも1 mS/cm、少なくとも2 mS/cm、少なくとも3 mS/cm、少なくとも4 mS/cm、少なくとも5 mS/cm、少なくとも6 mS/cm、少なくとも7 mS/cm、少なくとも8 mS/cm、少なくとも9 mS/cm、又は少なくとも10 mS/cmの開始導電率を有する。この実施形態のまだ他の側面において、導電率グラディエントは、例えば約 1 mS/cmから約 3 mS/cm, 約 1 mS/cmから約 5 mS/cm, 約 2 mS/cmから約 4 mS/cm, 約 2 mS/cmから約 6 mS/cm, 約 3 mS/cmから約 5 mS/cm, 約 3 mS/cmから約 7 mS/cm、約 4 mS/cmから約 6 mS/cm, 約 4 mS/cmから約 8 mS/cm, 約 5 mS/cmから約 7 mS/cm, 約 5 mS/cmから約 9 mS/cm, 約 6 mS/cmから約 8 mS/cm, 約 6 mS/cmから約 10 mS/cm, 約 7 mS/cmから約 9 mS/cm,約 7 mS/cmから約 11 mS/cm, 約 8 mS/cmから約 10 mS/cm, 約 8 mS/cmから約 12 mS/cm, 約 9 mS/cmから約 11 mS/cm, or 約 9 mS/cmから約 13 mS/cmの間で開始導電率を有する。
【0026】
[027] 導電率グラディエントは、終了導電率がここに開示した方法を実行するのに有用な導電率グラディエントを設定するという条件付きで、いかなる終了導電率も有することができる。この実施形態の側面において、導電率グラディエントは、例えば約 50 mS/cm, 約 55 mS/cm, 約 60 mS/cm, 約 65 mS/cm, 約 70 mS/cm, 約 75 mS/cm, 約 80 mS/cm, 約 85 mS/cm, 約 90 mS/cm, 約 95 mS/cm, または約 100 mS/cmの終了導電率を有する。この実施形態の他の側面において、導電率グラディエントは、例えば少なくとも50 mS/cm、少なくとも55 mS/cm、少なくとも60 mS/cm、少なくとも65 mS/cm、少なくとも70 mS/cm、少なくとも75 mS/cm、少なくとも80 mS/cm、少なくとも85 mS/cm、少なくとも90 mS/cm、少なくとも95 mS/cm、又は少なくとも100 mS/cmの終了導電率を有する。この実施形態のまだ他の側面において、導電率グラディエントは例えば, 約 50 mS/cm〜約 60 mS/cm, 約 50 mS/cm〜約 70 mS/cm, 約 60 mS/cm〜約 70 mS/cm, 約 60 mS/cm〜約 80 mS/cm, 約 70 mS/cm〜約 80 mS/cm, 約 70 mS/cm〜約 90 mS/cm, 約 80 mS/cm〜約 90 mS/cm, or 約 80 mS/cm〜約 100 mS/cmの終了導電率を有する。
【0027】
[028] この実施形態の側面において、導電率グラディエントは、例えば、以下を有する:約1 mS/cmから約5 mS/cmまでの開始導電率、及び約50 mS/cmから約80 mS/cmまでの終了導電率、約2 mS/cmから約6 mS/cmまでの開始導電率、及び約55 mS/cmから約85 mS/cmまでの終了導電率、約3 mS/cmから約7 mS/cmまでの開始導電率、及び約55 mS/cmから約85 mS/cmまでの終了導電率、約4 mS/cmから約8 mS/cmまでの開始導電率、及び約55 mS/cmから約85 mS/cmまでの終了導電率、約5 mS/cmから約9 mS/cmまでの開始導電率、及び約60 mS/cmから約90 mS/cmまでの終了導電率、約6 mS/cmから約10 mS/cmまでの開始導電率、及び約60 mS/cmから約90 mS/cmまでの終了導電率、約7 mS/cmから約11 mS/cmまでの開始導電率、及び約65 mS/cmから約95 mS/cmまでの終了導電率、約8 mS/cmから約12 mS/cmまでの開始導電率、及び約65 mS/cmから約95 mS/cmまでの終了導電率、または、約9 mS/cmから約13 mS/cmまでの開始導電率、及び約65 mS/cmから約95 mS/cmまでの終了導電率。
【0028】
[029] この実施形態の他の側面において、導電率グラディエントは、例えば、以下を有する:約2 mS/cmから約6 mS/cmまでの開始導電率、及び約55 mS/cmから約75 mS/cmまでの終了導電率、約4 mS/cmから約8 mS/cmまでの開始導電率、及び約60 mS/cmから約80 mS/cmまでの終了導電率、約6 mS/cmから約10 mS/cmまでの開始導電率、及び約65 mS/cmから約85 mS/cmまでの終了導電率、約8 mS/cmから約12 mS/cmまでの開始導電率、及び約70 mS/cmから約90 mS/cmまでの終了導電率、または、約10 mS/cmから約14 mS/cmまでの開始導電率、及び約75 mS/cmから約95 mS/cmまでの終了導電率。
【0029】
[030] この実施形態の他の側面において、導電率グラディエントは、例えば、以下の開始導電率を有する:約 4 mS/cm〜約 70 mS/cm; 約 4 mS/cm〜約 80 mS/cm, 約 4 mS/cm〜約 90 mS/cm, 約 6 mS/cm〜約 70 mS/cm; 約 6 mS/cm〜約 80 mS/cm, 約 6 mS/cm〜約 90 mS/cm, 約 8 mS/cm〜約 70 mS/cm; 約 8 mS/cm〜約 80 mS/cm, 約 8 mS/cm〜約 90 mS/cm, 約 10 mS/cm〜約 70 mS/cm; 約 10 mS/cm〜約 80 mS/cm, 約 10 mS/cm〜約 90 mS/cm, 約 12 mS/cm〜約 70 mS/cm; 約 12 mS/cm〜約 80 mS/cm, or 約 12 mS/cm〜約 90 mS/cm。
【0030】
[031] 導電率グラディエントは、ここに開示されるように、緩衝液中の電解質の濃度を変えることにより設定される。本明細書で使用されるように、用語「電解質」は、物質を導電性にするフリーイオンを含んでいるいかなる物質をも指す。最も典型的な電解質はイオン溶液である。電解質の非限定的例は, 例えば、ナトリウム (Na+), カリウム (K+), カルシウム (Ca2+), マグネシウム (Mg2+), クロライド (Cl-), 水素 ホスフェート (HPO42-), 及び 炭酸水素イオン (HCO3-)を含む。
【0031】
[032] 電解質溶液は、通常、塩が溶媒(水)に入れられ、各々の成分が溶媒和と呼ばれるプロセスで溶媒及び溶質の分子間の熱力学的な相互作用により解離する場合に形成される。本明細書で使用されるように、用語「塩」は、酸及び塩基の中和反応から生じ得るイオン化合物を指す。生成物が電気的に中性で(実効電荷なしで)あるように、塩は、陽イオン(正に帯電したイオン)および陰イオン(陰イオン)を含んでなる。これらの成分イオンは クロライド (Cl-)の様な無機でもよく、同様に アセテート (CH3COO-)の様な有機でもよく、及び、フルオライド (F-)の様な単原子イオンでもよく、同様に硫酸塩(SO42-)の様な多原子イオンでもよい。溶解された塩(例えば水中の塩化ナトリウム)を含んでいる溶融塩及び溶液は、それらが電気を通すことができるので、電解質と呼ばれる。導電率グラジュエント設定で用いられる塩は、当業者によって適切なように変えることができ、及び、通常、溶出されるタンパク質および採用される導電率値に部分的に依存する。
【0032】
[033] 塩のいくつかの種類がある。水に溶解されたときに、加水分解して水酸化物イオンを生成する塩は塩基性塩である。そして、水中で加水分解してヒドロニウムイオンを製造する塩は酸性塩である。中性塩は酸性塩でも塩基性塩でもないものである。双性イオンは同一の分子中に陰イオン性中心および陽イオン性中心を含んでいるが、塩であるとは考えられない。一般的な塩を生ずる陽イオンは、制限なしで、アンモニウム(NH4+)、カルシウム(Ca2+)、鉄(Fe2+およびFe3+)、マグネシウム(Mg2+)、カリウム(K+)、ピリジニウム(C5H5NH+)、4級アンモニウム(NR4+)およびナトリウム(Na+)を含む。一般的な塩を生ずる陰イオンは、制限なしで、アセテート(CH3COO-)、カーボネート(CO32-)、クロライド(Cl-)、クエン酸塩[((HOC(COO-)又は(CH2COO-)2))]、シアニド(C≡N-)、ヒドロキシド(OH-)、ニトラート(NO3-)、亜硝酸塩(NO2-)、オキシド(O2-)、ホスフェートPO43-、及びスルファート(SO42-)を含む。
【0033】
[034] 導電率グラディエントは、同一の緩衝塩およびpHを有するが異なる塩濃度のために異なる導電率を有する2つの緩衝液を混合することにより設定されてもよい。混合は、典型的には、2つのバルブ、一つは低塩濃度(低い導電率)を有する緩衝液を含有する容器に接続され、およびもう一つは高塩濃度(高導電性)を有する緩衝液を含有するる容器に接続されたバルブ、を含んでなるミキシングシステムによってインラインで、達成される。
導電率グラディエントは、混合中に塩の高濃度を有する緩衝液の割合を同時に増加する一方で、塩の低濃度を有する緩衝液の割合を次第に減少させることにより設定される。このように、移動相の塩濃度は増加し、それに比例して導電率グラディエントが設定される。塩濃度の比例した増加は典型的には線形であるが、及び、数学関数に基づいた比例した増加は、比例した増加がイオン交換樹脂からの着目したポリペプチドを溶出するのに十分であるという条件で用いることができる。数学関数の非限定的例は以下を含む:線形関数、多項式関数、n次のルート関数又は有理関数の様な代数関数;指数関数、双曲線関数又は対数関数の様な超越関数;べき関数;又は周期関数。典型的には2つの緩衝液を用いて設定されるが、導電率グラディエントは又、2つを超える緩衝液の混合により設定されてもよい。
【0034】
[035] 導電率グラディエントを設定する際に、開始する電解質又は塩濃度は、濃度がここに開示した方法を実行するのに有用な導電率グラディエントを設定するという条件付きで、いかなる濃度にもなり得る。この実施形態の側面において、導電率グラディエントは、例えば約0mM、約0.1mM、約0.2mM、約0.3mM、約0.4mM、約0.5mM、約0.6mM、約0.7mM、約0.8mM、又は約0.9mMの開始塩濃度を有する。この実施形態の他の側面において、導電率グラディエントは、例えば約0.1mM、約0.2mM、約0.3mM、約0.4mM、約0.5mM、約0.6mM、約0.7mM、約0.8mM、又は約0.9mMの開始塩濃度を有する。この実施形態の更なる他の側面において、導電率グラディエントは、例えば約10、mM、約20mM、約30mM、約40mM、約50mM、約60mM、約70mM、約80mM、又は約90mMの開始塩濃度を有する。
【0035】
[036]この実施形態の側面において、導電率グラジュエントは、例えば少なくとも0.1mM、少なくとも0.2mM、少なくとも0.3mM、少なくとも0.4mM、少なくとも0.5mM、少なくとも0.6mM、少なくとも0.7mM、少なくとも0.8mM、少なくとも0.9mMの開始電解質又は塩の濃度を有する。この実施形態の他の側面において、導電率グラジュエントは、例えば少なくとも1.0mM、少なくとも2.0mM、少なくとも3.0mM、少なくとも4.0mM、少なくとも5.0mM、少なくとも6.0mM、少なくとも7.0mM、少なくとも8.0mM、又は少なくとも9.0mMの開始塩濃度を有する。この実施形態の更に他の側面において、導電率グラジュエントは、例えば少なくとも10mM、少なくとも20mM、少なくとも30mM、少なくとも40mM、少なくとも50mM、少なくとも60mM、少なくとも70mM、少なくとも80mM、又は少なくとも90mMの開始塩濃度を有する。
【0036】
[037]この実施形態の他の側面において、導電率グラディエントは、例えばたかだか0.1mM、たかだか0.2mM、たかだか0.3mM、たかだか0.4mM、たかだか0.5mM、たかだか0.6mM、たかだか0.7mM、たかだか0.8mM、又は、たかだか0.9mMの開始電解質又は塩濃度を有する。この実施形態のさらに他の側面において、導電率グラディエントは、例えば、たかだか1.0mM、たかだか2.0mM、たかだか3.0mM、たかだか4.0mM、たかだか5.0mM、たかだか6.0mM、たかだか7.0mM、たかだか8.0mM、又はたかだか9.0mMの開始塩濃度を有する。この実施形態の更に他の側面において、導電率グラジュエントは、例えば、たかだか10mM、たかだか20mM、たかだか30mM、たかだか40mM、たかだか50mM、たかだか60mM、たかだか70mM、たかだか80mM、又はたかだか90mMの開始塩濃度を有する。
【0037】
[038] この実施形態の他の側面において、導電率グラディエントが、例えば、約0mM〜約10mM、約0mM〜約50mM、約0mM〜約100mM、約0.1mM〜約10mM、約0.1mM〜約50mM、約0.1 mM〜約10 mM、約0.1 mM〜約50 mM、約0.1 mM〜約100 mM、約1.0 mM〜約10 mM、約1.0 mM〜約50 mM、約1.0 mM〜約100 mM、約10 mM〜約50 mM 又は約10 mM〜約100 mMの間に開始電解質又は塩濃度を有する。
【0038】
[039] 導電率グラディエントを設定する際に、最終電解質又は塩濃度は、濃度がここに開示した方法を実行するのに有用な導電率グラディエントを設定するという条件付きで、いかなる濃度にもなり得る。この実施形態の側面において、導電率グラディエントは、例えば約100mM、約200mM、約300mM、約400mM、約500mM、約600mM、約700mM、約800mM、約900mM、約1000mM、約1100mM、約1200mM、約1300mM、約1400mM、又は約1500mMの最終塩濃度を有している。
【0039】
[040] この実施形態の側面において、導電率グラディエントは、例えば少なくとも100mM、少なくとも200mM、少なくとも300mM、少なくとも400mM、少なくとも500mM、少なくとも600mM、少なくとも700mM、少なくとも800mM、少なくとも900mM、少なくとも1000mM、少なくとも1100mM、少なくとも1200mM、少なくとも1300mM、少なくとも1400mM、又は少なくとも1500mMの最終電解質又は塩濃度を有している。
【0040】
[040] この実施形態の側面において、導電率グラディエントは、例えばたかだか100mM、たかだか200mM、たかだか300mM、たかだか400mM、たかだか500mM、たかだか600mM、たかだか700mM、たかだか800mM、たかだか900mM、たかだか1000mM、たかだか1100mM、たかだか1200mM、たかだか1300mM、たかだか1400mM、又はたかだか1500mMの最終電解質又は塩濃度を有している。
【0041】
[042] この実施形態のまだ他の側面において、導電率グラディエントは、例えば、約100mM〜約500mM、約100mM〜約700mM、約100mM〜約900mM、約300mM〜約500mM、約300mM〜約700mM、約300mM〜約900mM、約300mM〜約1100mM、約500mM〜約700mM、約500mM〜約900mM、約500mM〜約1100mM、約500mM〜約1300mM、約700mM〜約900mM、約700mM〜約1100mM、約700mM〜約1300mM、約700mM〜約1500mM、約900mM〜約1100mM、約900mM〜約1300mM、又は約900mM〜約1500mMの最終電解質又は塩濃度を有する。
【0042】
[043] この実施形態の更に他の側面において、導電率グラディエントは、例えば約0 mM〜約100 mMの開始塩濃度および約700 mM〜約1300 mMの最終塩濃度、約60 mM〜約80 mMの開始塩濃度および約900 mM〜約1100 mMの最終塩濃度、又は約0 mM〜約10 mMの開始塩濃度および約700 mM〜約800 mMの最終塩濃度を有する。この実施形態の更なる側面において、導電率グラディエントは、例えば多くとも10mMの開始塩濃度および少なくとも700mMの最終塩濃度、多くとも50mMの開始塩濃度および少なくとも700mMの最終塩濃度、多くとも90mMの開始塩濃度および少なくとも700mMの最終塩濃度、多くとも10mMの開始塩濃度および少なくとも900mMの最終塩濃度、多くとも50mMの開始塩濃度および少なくとも900mMの最終塩濃度、多くとも90mMの開始塩濃度および少なくとも900mMの最終塩濃度、又は多くとも10mMの開始塩濃度および少なくとも500mMの最終塩濃度を有する。
【0043】
[044] 移動相はさらに界面活性剤を含有してもよい。界面活性剤は液体の表面張力を低下させる化合物であり、液体のより容易な展延を可能にし、および2つの液体、又は液体及び固体間の界面張力を低下させる。単一の界面活性剤はここに開示した緩衝液と混合されてよい。又は、複数の界面活性剤がここに開示した緩衝液と混合されてもよい。有用な界面活性剤は、制限なしで、イオン性界面活性剤、双性イオンの(両性)界面活性剤、非イオン性界面活性剤又はそれらのいかなる組み合わせをも含む。ここに開示した方法で用いられる界面活性剤は、当業者によって適切なように変えることができ、及び、通常、用いられている特別の緩衝液の緩衝能、溶出されているタンパク質および採用されている導電率値に部分的に依存する。
【0044】
[045] イオン性界面活性剤は、安定性のある陰イオン(硫酸塩、スルフォナート、ホスフェート)又はpH依存性の陰イオン(カルボキシラート)に基づいた陰イオン界面活性剤を含む。陰イオン界面活性剤は、非限定的に以下を含む:アンモニウムラウリルサルフェートの様なアルキルサルフェートおよびラウリルサルフェートナトリウム塩(SDS);ナトリウムラウレス硫酸塩およびナトリウムミレス硫酸塩の様なアルキルエーテル硫酸塩;ジオクチルソジウムスルホサクシネートの様なドクセート;パーフルオロスルホナート(PFOS)およびパーフルオロブタンスルホナートの様なスルフォナートフッ素界面活性剤;アルキルベンゼンスルホナート;アルキルアリールエーテルホスフェート;アルキルエーテルホスフェート;脂肪酸塩及びステアリン酸ナトリウムの様なアルキルカルボキシラート;ナトリウムラウロイルサルコシネート;及びパーフルオロナノアート及びパーフルオロオクタノアートの様なカルボキシラートフッ素界面活性剤。
【0045】
[046] イオン性界面活性剤は、さらに安定性のある又はpH依存性の陽イオンに基づいた陽イオン界面活性剤を含む。陽イオン界面活性剤は、非限定的に、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド(CTAB)およびセチルトリメチルアンモニウムクロライド(CTAC)の様なアルキルトリメチルアンモニウム塩;セチルピリジニウムクロライド(CPC);ポリエトキシル化牛脂アミン(POEA);ベンザルコニウムクロライド(BAC);ベンゼトニウムクロライド(BZT);5-ブロモ-5-ニトロ-1,3-ジオキサン;ジメチルジオクタデシルアンモニウムクロライド;及びジオクタデシルジメチルアンモニウムブロマイド(DODAB)を含み、同様に、界面活性剤の様なpH依存性の1級、2級又は3級のアミンを含む(ここで、1級アミンは、10を超えるpHで陽性に帯電し、又は、2級アミンは、オクテニジンジハイドロクロライドの様な、4未満のpHで帯電する)。
【0046】
[047] 双性イオン性界面活性剤は、スルフォナート、カルボキシラート又はホスフェートを有する、1級の、2級又は3級アミン又は4級アンモニウム陽イオンに基づく。双性イオン性界面活性剤は、非限定的に、3-[(3-クロルアミドプロピル)ジメチルアンモニオ]-1-プロパンスルホナート(CHAPS);コカミドプロピルコカミドプロピルサルタインの様なサルタイン;コカミドプロピルベタインの様なベタイン;又はレシチンを含む。
【0047】
[048] 非イオン性の界面活性剤はより性質を変えておらず、蛋白質間相互作用を保持する一方で膜蛋白質及び脂質を可溶性にするのに有用である。界面活性剤の非限定的例は、以下を含む:ポリソルベート20ソルビタンモノオレエート(TWEEN(r)20)、ポリソルベート40ソルビタンモノオレエート(TWEEN(r)40)、ポリソルベート60ソルビタンモノオレエート(TWEEN(r)60)、ポリソルベート61ソルビタンモノオレエート(TWEEN(r)61)、ポリソルベート65ソルビタンモノオレエート(TWEEN(r)65)、ポリソルベート80ソルビタンモノオレエート(TWEEN(r)80)およびポリソルベート81ソルビタンモノオレエート(TWEEN(r)81)の様なポリオキシエチレングリコールソルビタンアルキルエステル;ポロキサマー(PLURONIC(r)L44)、ポロキサマー(PLURONIC(r)L61)、ポロキサマー(PLURONIC(r)L62)、ポロキサマー(PLURONIC(r)L64)、ポロキサマー(PLURONIC(r)F68)、ポロキサマー(PLURONIC(r)F87)、ポロキサマー(PLURONIC(r)L108)、ポロキサマー407(PLURONIC(r)F127)338 237 188 184 182 181 124の様なポロキサマー(ポリエチレン-ポリプロピレンコポリマー;アルキル-フェノール-ポリグリコール-エーテル;ポリエチレングリコールアルキルアリールエーテル;オクタエチレングリコールモノドデシルエーテル、ペンタエチレングリコールモノドデシルエーテル、BRIJ(r)30およびBRIJ(r)35の様なポリオキシエチレングリコールアルキルエーテル;2-ドデカオキシエタノール(LUBROL-PX(r));ポリオキシエチレン(4-5)p-t-オクチルフェノール(TRITON(r)X-45)の様なポリオキシエチレングリコールオクチルフェノールエーテルおよびポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル(TRITON(r)X-100);ノノキシノール-9の様なポリオキシエチレングリコールアルキルフェノールエーテル;ノニルフェノキシポリエトキシルエタノールおよびオクチルフェノキシポリエトキシルエタノールの様なフェノキシポリエトキシルエタノール;オクチルグルコピラノシドの様なグルコシドアルキルエーテル;ドデシルマルトピラノサイドの様なマルトース配糖体アルキルエーテル;ヘプチルチオグリコピラノシドの様なチオグリコシドアルキルエーテル;
ジギトニン;グリセリルラウレートの様なグリセロールアルキルエステル;アルキル-アリル-ポリエーテル硫酸塩;アルコールスルフォナート;ソルビタンアルキルエステル;ココアミドモノエタノールアミンおよびココアミドジエタノールアミンの様なココアミドエタノールアミン;スクロースモノラウレート;ナトリウムコール酸塩およびドデシルジメチルアミンオキシド。ここに開示した方法中に有益な界面活性剤の他の非限定的例は、以下に見いだすことができる:例えば、Winslow, et al., Methods and Compositions for Simultaneously Isolating Hemoglobin from Red Blood Cells and Inactivating Viruses, U.S. 2008/0138790; Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems (Howard C. Ansel et al., eds., Lippincott Williams & Wilkins Publishers, 7th ed. 1999); Remington: The Science and Practice of Pharmacy (Alfonso R. Gennaro ed., Lippincott, Williams & Wilkins, 20th ed. 2000); Goodman & Gilman's The Pharmacological Basis of Therapeutics (Joel G. Hardman et al., eds., McGraw-Hill Professional, 10th ed. 2001);及びHandbook of Pharmaceutical Excipients (Raymond C. Rowe et al., APhA Publications, 4th edition 2003)(その各々はその全体の参照によって本明細書に組み込まれる)。
【0048】
[049] 界面活性剤のいかなる濃度も、その濃度がここに開示した方法を実行するのに有用であるという条件付きで用いられてもよい。この実施形態の側面において、界面活性剤は以下の濃度で用いられる、例えば約 0.01% (v/v), 約 0.05% (v/v), 約 0.075% (v/v), 約 0.1% (v/v), 約 0.2% (v/v), 約 0.3% (v/v), 約 0.4% (v/v), 約 0.5% (v/v), 約 0.6% (v/v), 約 0.7% (v/v), 約 0.8% (v/v), 約 0.9% (v/v), 約 1.0% (v/v), 約 2.0% (v/v), 約 3.0% (v/v), 約 4.0% (v/v), 約 5.0% (v/v), 約 6.0% (v/v), 約 7.0% (v/v), 約 8.0% (v/v), 約 9.0% (v/v), or 約 10.0% (v/v)。この実施形態の他の側面において、界面活性剤は以下の濃度で用いられる、例えば少なくとも 0.01% (v/v), 少なくとも 0.05% (v/v), 少なくとも 0.075% (v/v), 少なくとも 0.1% (v/v), 少なくとも 0.25% (v/v), 少なくとも 0.5% (v/v), 少なくとも 0.75% (v/v), 少なくとも 1.0% (v/v), 少なくとも 2.5% (v/v), 少なくとも 5.0% (v/v), 少なくとも 7.5% (v/v), 又は 少なくとも 10.0% (v/v)。この実施形態の側面において、界面活性剤は以下の濃度で用いられる、例えば約0.1% (v/v)〜約0.5% (v/v), 約0.1% (v/v)〜約1.0% (v/v), 約0.2% (v/v)〜約0.5% (v/v), 約0.2% (v/v)〜約1.0% (v/v), 約0.2% (v/v)〜約2.0% (v/v),約0.5% (v/v)〜約1.0% (v/v), 約0.5% (v/v)〜約5.0% (v/v), or 約1.0% (v/v)〜約10.0% (v/v)。
【0049】
[050] 溶出液収集は、カラムから溶出液の収集を開始する導電率値、およびカラムからの溶出液の収集を終了する導電率値によって規定される。
溶出液収集は、単一の開始および単一の停止導電率値を有する単一の溶出液収集として実行されてもよく、または、各フラクションが開始及び停止導電率値を有する複数の溶出液フラクションを含有してもよい。複数の溶出液フラクションのすべて、又はその部分は、続いて単一の溶出液収集へプールすることができる。この実施態様の側面において、溶出液収集は、例えば2つ以上の溶出液画分、5つ以上の溶出液画分、10以上の溶出液画分、15以上の溶出液画分、20以上の溶出液画分、25以上の溶出液画分を含むことができる。他の実施態様の側面において、溶出液収集は、例えば2つ以上の連続した溶出液画分、5つ以上の連続した溶出液画分、10以上の連続した溶出液画分、15以上の連続した溶出液画分、20以上の連続した溶出液画分、25以上の連続した溶出液画分を含むことができる。
【0050】
[051] 移動相について測定された導電率値が固定相のイオン交換樹脂から溶出されているタンパク質の所望の量または活性を示すとき、溶出液収集を開始することができる。導電率の基準は、がカラムセットアップのどの点でも生じる場合がある。例えば、移動相がカラムに入る前のいかなるフロントエンドポイント、カラム内のいかなるポイント、または、移動相がカラムを出た後のいかなるバックエンドポイントなどである。導電率は、定量的に導電率を検知することができるあらゆるセンサーを使用して、測定することができる。例えば電位差計センサー、誘導性(またはトロイダル)センサー、または電流中断技術(CIT)センサーのような電流測定センサーなどである。
【0051】
[052] この実施態様の側面において、導電率値が移動相について測定した時、例えば、約 15.0 mS/cm, 約 20.0 mS/cm, 約 25.0 mS/cm, 約 30.0 mS/cm, or 約 35.0 mS/cmであるときに、溶出液収集は開始することができる。他の実施態様の側面において、移動相について測定された導電率値が、例えば、少なくとも15.0 mS/cm、少なくとも20.0 mS/cm、少なくとも25.0 mS/cm、少なくとも30.0 mS/cm、または少なくとも35.0 mS/cmであるときに、溶出液収集は開始することができる。この実施態様の更に他の側面において、移動相について測定した導電率値が、例えば、約 15.0 mS/cmから約 25.0 mS/cm, 約 15.0 mS/cmから約 30.0 mS/cm, 約15.0 mS/cmから約 35.0 mS/cm, 約 20.0 mS/cmから約 30.0 mS/cm, or 約 20.0 mS/cmから約 35.0 mS/cmであるときに、溶出液収集は開始することができる。
【0052】
[053] この実施態様の側面において、陽イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相について測定した入口導電率値が、例えば、約 20.0 mS/cm, 約 21.0 mS/cm, 約 22.0 mS/cm, 約 23.0 mS/cm, 約 24.0 mS/cm, 約 25.0 mS/cm, 約 26.0 mS/cm, 約 27.0 mS/cm, 約 28.0 mS/cm, 約 29.0 mS/cm, 約 30.0 mS/cm, 約 31.0 mS/cm, 約 32.0 mS/cm, 約 33.0 mS/cm, 約 34.0 mS/cm, or 約 35.0 mS/cmであるときに、溶出液収集は開始することができる。他の実施態様の側面において、陽イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相について測定した入口導電率値が、例えば、少なくとも 20.0 mS/cm, 少なくとも 21.0 mS/cm, 少なくとも 22.0 mS/cm, 少なくとも 23.0 mS/cm, 少なくとも 24.0 mS/cm, 少なくとも 25.0 mS/cm, 少なくとも 26.0 mS/cm, 少なくとも 27.0 mS/cm, 少なくとも 28.0 mS/cm, 少なくとも 29.0 mS/cm, 少なくとも 30.0 mS/cm, 少なくとも 31.0 mS/cm, 少なくとも 32.0 mS/cm, 少なくとも 33.0 mS/cm, 少なくとも 34.0 mS/cm, or 少なくとも 35.0 mS/cmであるときに、溶出液収集は開始することができる。この実施態様の側面において、陽イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相について測定した入口導電率値が、例えば、約 20.0 mS/cm〜約 22.0 mS/cm, 約 21.0 mS/cm〜約 23.0 mS/cm, 約 22.0 mS/cm〜約 24.0 mS/cm, 約 23.0 mS/cm〜約 25.0 mS/cm, 約 24.0 mS/cm〜約 26.0 mS/cm, 約 25.0 mS/cm〜約 27.0 mS/cm, 約 26.0 mS/cm〜約 28.0 mS/cm, 約 27.0 mS/cm〜約 29.0 mS/cm, 約 28.0 mS/cm〜約 30.0 mS/cm, 約 29.0 mS/cm〜約 31.0 mS/cm, 約 30.0 mS/cm〜約 32.0 mS/cm, 約 31.0 mS/cm〜約 33.0 mS/cm, 約 32.0 mS/cm〜約 34.0 mS/cm, or 約 33.0 mS/cm〜約 35.0 mS/cmであるときに、溶出液収集は開始することができる。
【0053】
[054] この実施態様の側面において、陽イオン交換クロマトグラフィーカラムから溶出する移動相について測定した出口導電率値が、例えば、約 15.0 mS/cm, 約 16.0 mS/cm, 約 17.0 mS/cm, 約 18.0 mS/cm, 約 19.0 mS/cm, 約 20.0 mS/cm, 約 21.0 mS/cm, 約 22.0 mS/cm, 約 23.0 mS/cm, 約 24.0 mS/cm, 約 25.0 mS/cm, 約 26.0 mS/cm, 約 27.0 mS/cm, 約 28.0 mS/cm, 約 29.0 mS/cm, または約 30.0 mS/cmであるときに、溶出液収集は開始することができる。この実施態様の他の側面において、出口導電率値が陽イオン交換クロマトグラフィーカラムを出る移動相について測定した時、例えば、少なくとも 15.0 mS/cm, 少なくとも 16.0 mS/cm, 少なくとも 17.0 mS/cm, 少なくとも 18.0 mS/cm, 少なくとも 19.0 mS/cm, 少なくとも 20.0 mS/cm, 少なくとも 21.0 mS/cm, 少なくとも 22.0 mS/cm, 少なくとも 23.0 mS/cm, 少なくとも 24.0 mS/cm, 少なくとも 25.0 mS/cm, 少なくとも 26.0 mS/cm, 少なくとも 27.0 mS/cm, 少なくとも 28.0 mS/cm, 少なくとも 29.0 mS/cm, または少なくとも 30.0 mS/cmであるときに、溶出液収集は開始することができる。この実施態様の更に他の側面において、出口導電率値が陽イオン交換クロマトグラフィーカラムを出る移動相について測定した時、例えば、多くとも 15.0 mS/cm, 多くとも 16.0 mS/cm, 多くとも 17.0 mS/cm, たかだか 18.0 mS/cm, 多くとも 19.0 mS/cm, 多くとも 20.0 mS/cm, 多くとも 21.0 mS/cm, 多くとも 22.0 mS/cm, 多くとも 23.0 mS/cm, 多くとも 24.0 mS/cm, 多くとも 25.0 mS/cm, 多くとも 26.0 mS/cm, 多くとも 27.0 mS/cm, 多くとも 28.0 mS/cm, 多くとも 29.0 mS/cm, 又は多くとも 30.0 mS/cmであるときに、溶出液収集は開始することができる。この実施態様の更に他の側面において、出口導電率値が陽イオン交換クロマトグラフィーカラムを出る移動相について測定した時、例えば、約 15.0 mS/cm〜約 17.0 mS/cm, 約 16.0 mS/cm〜約 18.0 mS/cm, 約 17.0 mS/cm〜約 19.0 mS/cm, 約 18.0 mS/cm〜約 20.0 mS/cm, 約 19.0 mS/cm〜約 21.0 mS/cm, 約 20.0 mS/cm〜約 22.0 mS/cm, 約 21.0 mS/cm〜約 23.0 mS/cm, 約 22.0 mS/cm〜約 24.0 mS/cm, 約 23.0 mS/cm〜約 25.0 mS/cm, 約 24.0 mS/cm〜約 26.0 mS/cm, 約 25.0 mS/cm〜約 27.0 mS/cm, 約 26.0 mS/cm〜約 28.0 mS/cm, 約 27.0 mS/cm〜約 29.0 mS/cm, 又は 約 28.0 mS/cm〜約 30.0 mS/cmであるときに、溶出液収集は開始することができる。
【0054】
[055] この実施態様の側面において、陰イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相について測定した入口導電率値が、例えば、約 20.0 mS/cm, 約 21.0 mS/cm, 約 22.0 mS/cm, 約 23.0 mS/cm, 約 24.0 mS/cm, 約 25.0 mS/cm, 約 26.0 mS/cm, 約 27.0 mS/cm, 約 28.0 mS/cm, 約 29.0 mS/cm, 約 30.0 mS/cm, 約 31.0 mS/cm, 約 32.0 mS/cm, 約 33.0 mS/cm, 約 34.0 mS/cm, or 約 35.0 mS/cmであるときに、溶出液収集は開始することができる。他の実施態様の側面において、陰イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相について測定した入口導電率値が、例えば、少なくとも 20.0 mS/cm, 少なくとも 21.0 mS/cm, 少なくとも 22.0 mS/cm, 少なくとも 23.0 mS/cm, 少なくとも 24.0 mS/cm, 少なくとも 25.0 mS/cm, 少なくとも 26.0 mS/cm, 少なくとも 27.0 mS/cm, 少なくとも 28.0 mS/cm, 少なくとも 29.0 mS/cm, 少なくとも 30.0 mS/cm, 少なくとも 31.0 mS/cm, 少なくとも 32.0 mS/cm, 少なくとも 33.0 mS/cm, 少なくとも 34.0 mS/cm, or 少なくとも 35.0 mS/cmであるときに、溶出液収集は開始することができる。この実施態様の側面において、陰イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相について測定した入口導電率値が、例えば、約 20.0 mS/cm〜約 22.0 mS/cm, 約 21.0 mS/cm〜約 23.0 mS/cm, 約 22.0 mS/cm〜約 24.0 mS/cm, 約 23.0 mS/cm〜約 25.0 mS/cm, 約 24.0 mS/cm〜約 26.0 mS/cm, 約 25.0 mS/cm〜約 27.0 mS/cm, 約 26.0 mS/cm〜約 28.0 mS/cm, 約 27.0 mS/cm〜約 29.0 mS/cm, 約 28.0 mS/cm〜約 30.0 mS/cm, 約 29.0 mS/cm〜約 31.0 mS/cm, 約 30.0 mS/cm〜約 32.0 mS/cm, 約 31.0 mS/cm〜約 33.0 mS/cm, 約 32.0 mS/cm〜約 34.0 mS/cm, or 約 33.0 mS/cm〜約 35.0 mS/cmであるときに、溶出液収集は開始することができる。
【0055】
[056] この実施態様の側面において、陰イオン交換クロマトグラフィーカラムから溶出する移動相について測定した出口導電率値が、例えば、約 15.0 mS/cm, 約 16.0 mS/cm, 約 17.0 mS/cm, 約 18.0 mS/cm, 約 19.0 mS/cm, 約 20.0 mS/cm, 約 21.0 mS/cm, 約 22.0 mS/cm, 約 23.0 mS/cm, 約 24.0 mS/cm, 約 25.0 mS/cm, 約 26.0 mS/cm, 約 27.0 mS/cm, 約 28.0 mS/cm, 約 29.0 mS/cm, または約 30.0 mS/cmであるときに、溶出液収集は開始することができる。この実施態様の他の側面において、出口導電率値が陰イオン交換クロマトグラフィーカラムを出る移動相について測定した時、例えば、少なくとも 15.0 mS/cm, 少なくとも 16.0 mS/cm, 少なくとも 17.0 mS/cm, 少なくとも 18.0 mS/cm, 少なくとも 19.0 mS/cm, 少なくとも 20.0 mS/cm, 少なくとも 21.0 mS/cm, 少なくとも 22.0 mS/cm, 少なくとも 23.0 mS/cm, 少なくとも 24.0 mS/cm, 少なくとも 25.0 mS/cm, 少なくとも 26.0 mS/cm, 少なくとも 27.0 mS/cm, 少なくとも 28.0 mS/cm, 少なくとも 29.0 mS/cm, または少なくとも 30.0 mS/cmであるときに、溶出液収集は開始することができる。更に他の実施態様の他の側面において、出口導電率値が陰イオン交換クロマトグラフィーカラムを出る移動相について測定した時、例えば、多くとも 15.0 mS/cm, 多くとも 16.0 mS/cm, 多くとも 17.0 mS/cm, 多くとも 18.0 mS/cm, 多くとも 19.0 mS/cm, 多くとも 20.0 mS/cm, 多くとも 21.0 mS/cm, 多くとも 22.0 mS/cm, 多くとも 23.0 mS/cm, 多くとも 24.0 mS/cm, 多くとも 25.0 mS/cm, 多くとも 26.0 mS/cm, 多くとも 27.0 mS/cm, 多くとも 28.0 mS/cm, 多くとも 29.0 mS/cm, 又は多くとも 30.0 mS/cmであるときに、溶出液収集は開始することができる。この実施態様の更に他の側面において、出口導電率値が陰イオン交換クロマトグラフィーカラムを出る移動相について測定した時、例えば、約 15.0 mS/cm〜約 17.0 mS/cm, 約 16.0 mS/cm〜約 18.0 mS/cm, 約 17.0 mS/cm〜約 19.0 mS/cm, 約 18.0 mS/cm〜約 20.0 mS/cm, 約 19.0 mS/cm〜約 21.0 mS/cm, 約 20.0 mS/cm〜約 22.0 mS/cm, 約 21.0 mS/cm〜約 23.0 mS/cm, 約 22.0 mS/cm〜約 24.0 mS/cm, 約 23.0 mS/cm〜約 25.0 mS/cm, 約 24.0 mS/cm〜約 26.0 mS/cm, 約 25.0 mS/cm〜約 27.0 mS/cm, 約 26.0 mS/cm〜約 28.0 mS/cm, 約 27.0 mS/cm〜約 29.0 mS/cm, 又は 約 28.0 mS/cm〜約 30.0 mS/cmであるときに、溶出液収集は開始することができる。
【0056】
[057] 移動相について測定された導電率値が固定相のイオン交換樹脂から溶出されているタンパク質の望まざる量または活性を示すとき、溶出液収集を停止することができる。
【0057】
[058] この実施態様の側面において、移動相について測定した時、導電率値が、例えば、約 30.0 mS/cm, 約 35.0 mS/cm, 約 40.0 mS/cm, 約 45.0 mS/cm, 約 50.0 mS/cm, 約 55.0 mS/cm, or 約 60.0 mS/cmであるとき、溶出液収集は停止することができる。他の実施態様の側面において、移動相について測定された導電率値が、例えば少なくとも30.0 mS、少なくとも35 mS/cm、少なくとも40.0 mS/cm、少なくとも45.0 mS/cm、少なくとも50.0 mS/cm、少なくとも55.0 mS/cm、または少なくとも60.0 mS/cmであるとき、溶出液収集は停止することができる。更に他の実施態様の側面において、移動相について測定された導電率値が、例えば、多くとも30.0 mS、多くとも35 mS/cm、多くとも40.0 mS/cm、多くとも45.0 mS/cm、多くとも50.0 mS/cm、多くとも55.0 mS/cm、または多くとも60.0 mS/cmであるとき、溶出液収集は停止することができる。この実施態様の更に他の側面において、移動相について測定した導電率値が、例えば、約 30.0 mS/cm〜約 40.0 mS/cm, 約 30.0 mS/cm〜約 45.0 mS/cm, 約 30.0 mS/cm〜約 50.0 mS/cm, 約 35.0 mS/cm〜約 45.0 mS/cm, 約 35.0 mS/cm〜約 50.0 mS/cm, or 約 35.0 mS/cm〜約 60.0 mS/cmであるときに、溶出液収集は停止することができる。
【0058】
[059] この実施態様の側面において、陽イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相について測定した入口導電率値が、例えば、約 35.0 mS/cm, 約 36.0 mS/cm, 約 37.0 mS/cm, 約 38.0 mS/cm, 約 39.0 mS/cm, 約 40.0 mS/cm, 約 41.0 mS/cm, 約 42.0 mS/cm, 約 43.0 mS/cm, 約 44.0 mS/cm, 約 45.0 mS/cm, 約 46.0 mS/cm, 約 47.0 mS/cm, 約 48.0 mS/cm, 約 49.0 mS/cm, または約 50.0 mS/cmであるときに、溶出液収集は停止することができる。他の実施態様の側面において、陽イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相について測定した入口導電率値が、例えば、少なくとも 35.0 mS/cm, 少なくとも 36.0 mS/cm, 少なくとも 37.0 mS/cm, 少なくとも 38.0 mS/cm, 少なくとも 39.0 mS/cm, 少なくとも 40.0 mS/cm, 少なくとも 41.0 mS/cm, 少なくとも 42.0 mS/cm, 少なくとも 43.0 mS/cm, 少なくとも 44.0 mS/cm, 少なくとも 45.0 mS/cm, 少なくとも 46.0 mS/cm, 少なくとも 47.0 mS/cm, 少なくとも 48.0 mS/cm, 少なくとも 49.0 mS/cm, または少なくとも 50.0 mS/cmであるときに、溶出液収集は停止することができる。他の実施態様の更なる他の側面において、陽イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相について測定した入口導電率値が、例えば、多くとも 35.0 mS/cm, 多くとも 36.0 mS/cm, 多くとも 37.0 mS/cm, 多くとも 38.0 mS/cm, 多くとも 39.0 mS/cm, 多くとも 40.0 mS/cm, 多くとも 41.0 mS/cm, 多くとも 42.0 mS/cm, 多くとも 43.0 mS/cm, 多くとも 44.0 mS/cm, 多くとも 45.0 mS/cm, 多くとも 46.0 mS/cm, 多くとも 47.0 mS/cm, 多くとも 48.0 mS/cm, 多くとも 49.0 mS/cm, または多くとも 50.0 mS/cmであるとき、溶出液収集は停止することができる。この実施態様の更なる他の側面において、陽イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相について測定した入口導電率値が、例えば、約 35.0 mS/cm〜約 37.0 mS/cm, 約 36.0 mS/cm〜約 38.0 mS/cm, 約 37.0 mS/cm〜約 39.0 mS/cm, 約 38.0 mS/cm〜約 40.0 mS/cm, 約 39.0 mS/cm〜約 41.0 mS/cm, 約 40.0 mS/cm〜約 42.0 mS/cm, 約 41.0 mS/cm〜約 43.0 mS/cm, 約 42.0 mS/cm〜約 44.0 mS/cm, 約 43.0 mS/cm〜約 45.0 mS/cm, 約 44.0 mS/cm〜約 46.0 mS/cm, 約 45.0 mS/cm〜約 47.0 mS/cm, 約 46.0 mS/cm〜約 48.0 mS/cm, 約 47.0 mS/cm〜約 49.0 mS/cm, 又は約 48.0 mS/cm〜約 50.0 mS/cmであるときに、溶出液収集は停止することができる。
【0059】
[060] この実施態様の側面において、陽イオン交換クロマトグラフィーカラムから溶出する移動相について測定した出口導電率値が、例えば、約 30.0 mS/cm, 約 31.0 mS/cm, 約 32.0 mS/cm, 約 33.0 mS/cm, 約 34.0 mS/cm, 約 35.0 mS/cm, 約 36.0 mS/cm, 約 37.0 mS/cm, 約 38.0 mS/cm, 約 39.0 mS/cm, 約 40.0 mS/cm, 約 41.0 mS/cm, or 約 42.0 mS/cmであるときに、溶出液収集は停止することができる。この実施態様の他の側面において、出口導電率値が陽イオン交換クロマトグラフィーカラムを出る移動相について測定した時、例えば、少なくとも30.0 mS/cm、少なくとも31.0 mS/cm、少なくとも32.0 mS/cm、少なくとも33.0 mS/cm、少なくとも34.0 mS/cm、少なくとも35.0 mS/cm、少なくとも36.0 mS/cm、少なくとも37.0 mS/cm、少なくとも38.0 mS/cm、少なくとも39.0 mS/cm、少なくとも40.0 mS/cm、少なくとも41.0 mS/cmまたは少なくとも42.0 mS/cmであるときに、溶出液収集は停止することができる。この実施態様の更に他の側面において、出口導電率値が陽イオン交換クロマトグラフィーカラムを出る移動相について測定した時、例えば、多くとも30.0 mS/cm、多くとも31.0 mS/cm、多くとも32.0 mS/cm、多くとも33.0 mS/cm、多くとも34.0 mS/cm、多くとも35.0 mS/cm、多くとも36.0 mS/cm、多くとも37.0 mS/cm、多くとも38.0 mS/cm、多くとも39.0 mS/cm、多くとも40.0 mS/cm、多くとも41.0 mS/cmまたは多くとも42.0 mS/cmであるときに、溶出液収集は停止することができる。この実施態様の更に他の側面において、出口導電率値が陽イオン交換クロマトグラフィーカラムを出る移動相について測定した時、例えば、約 30.0 mS/cm〜約 32.0 mS/cm, 約 31.0 mS/cm〜約 33.0 mS/cm, 約 32.0 mS/cm〜約 34.0 mS/cm, 約 33.0 mS/cm〜約 35.0 mS/cm, 約 34.0 mS/cm〜約 36.0 mS/cm, 約 35.0 mS/cm〜約 37.0 mS/cm, 約 36.0 mS/cm〜約 38.0 mS/cm, 約 37.0 mS/cm〜約 39.0 mS/cm, 約 38.0 mS/cm〜約 40.0 mS/cm, 約 39.0 mS/cm〜約 41.0 mS/cm, or 約 40.0 mS/cm〜約 42.0 mS/cmであるときに、溶出液収集は停止することができる。
【0060】
[061] この実施形態の側面において、陰イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相に対して測定された供給口導電率値が、例えば、約 45.0 mS/cm, 約 46.0 mS/cm, 約 47.0 mS/cm, 約 48.0 mS/cm, 約 49.0 mS/cm, 約 50.0 mS/cm, 約 51.0 mS/cm, 約 52.0 mS/cm, 約 53.0 mS/cm, 約 54.0 mS/cm, 約 55.0 mS/cm, 約 56.0 mS/cm, 約 57.0 mS/cm, or 約 58.0 mS/cmであるときに、溶出液収集は停止することができる。この実施形態の他の側面において、陰イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相に対して測定された供給口導電率値が、例えば少なくとも45.0 mS/cm、少なくとも46.0 mS/cm、少なくとも47.0 mS/cm、少なくとも48.0 mS/cm、少なくとも49.0 mS/cm、少なくとも50.0 mS/cm、少なくとも51.0 mS/cm、少なくとも52.0 mS/cm、少なくとも53.0 mS/cm、少なくとも54.0 mS/cm、少なくとも55.0 mS/cm、少なくとも56.0 mS/cm、少なくとも57.0 mS/cm又は少なくとも58.0 mS/cmであるときに、溶出液収集は停止することができる。この実施形態の更に他の側面において、陰イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相に対して測定された供給口導電率値が、例えば多くとも45.0 mS/cm、多くとも46.0 mS/cm、多くとも47.0 mS/cm、多くとも48.0 mS/cm、多くとも49.0 mS/cm、多くとも50.0 mS/cm、多くとも51.0 mS/cm、多くとも52.0 mS/cm、多くとも53.0 mS/cm、多くとも54.0 mS/cm、多くとも55.0 mS/cm、多くとも56.0 mS/cm、多くとも57.0 mS/cm又は多くとも58.0 mS/cmであるときに、溶出液収集は停止することができる。この実施形態の更に他の側面において、陰イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相に対して測定された供給口導電率値が、例えば約 45.0 mS/cm to 約 47.0 mS/cm, 約 46.0 mS/cm to 約 48.0 mS/cm, 約 47.0 mS/cm to 約 49.0 mS/cm, 約 48.0 mS/cm to 約 50.0 mS/cm, 約 49.0 mS/cm to 約 51.0 mS/cm, 約 50.0 mS/cm to 約 52.0 mS/cm, 約 51.0 mS/cm to 約 53.0 mS/cm, 約 52.0 mS/cm to 約 54.0 mS/cm, 約 53.0 mS/cm to 約 55.0 mS/cm, 約 54.0 mS/cm to 約 56.0 mS/cm, 約 55.0 mS/cm to 約 57.0 mS/cm, or 約 56.0 mS/cm to 約 58.0 mS/cmであるときに、溶出液収集は停止することができる。
【0061】
[062] この実施形態の側面において、陰イオン交換クロマトグラフィーカラムから出る移動相に対して測定された出口導電率値が、例えば、約 40.0 mS/cm, 約 41.0 mS/cm, 約 42.0 mS/cm, 約 43.0 mS/cm, 約 44.0 mS/cm, 約 45.0 mS/cm, 約 46.0 mS/cm, 約 47.0 mS/cm, 約 48.0 mS/cm, 約 49.0 mS/cm, 約 50.0 mS/cm, 約 51.0 mS/cm, 約 52.0 mS/cm, or 約 53.0 mS/cmであるときに、溶出液収集は停止することができる。この実施形態の他の側面において、陰イオン交換クロマトグラフィーカラムから出る移動相に対して測定された出口導電率値が、例えば少なくとも40.0 mS/cm、少なくとも41.0 mS/cm、少なくとも42.0 mS/cm、少なくとも43.0 mS/cm、少なくとも44.0 mS/cm、少なくとも45.0 mS/cm、少なくとも46.0 mS/cm、少なくとも47.0 mS/cm、少なくとも48.0 mS/cm、少なくとも49.0 mS/cm、少なくとも50.0 mS/cm、少なくとも51.0 mS/cm、少なくとも52.0 mS/cm又は少なくとも53.0 mS/cmであるときに、溶出液収集は停止することができる。この実施形態の更に他の側面において、陰イオン交換クロマトグラフィーカラムから出る移動相に対して測定された出口導電率値が、例えば多くとも40.0 mS/cm、多くとも41.0 mS/cm、多くとも42.0 mS/cm、多くとも43.0 mS/cm、多くとも44.0 mS/cm、多くとも45.0 mS/cm、多くとも46.0 mS/cm、多くとも47.0 mS/cm、多くとも48.0 mS/cm、多くとも49.0 mS/cm、多くとも50.0 mS/cm、多くとも51.0 mS/cm、多くとも52.0 mS/cm又は多くとも53.0 mS/cmであるときに、溶出液収集は停止することができる。この実施形態の更に他の側面において、陰イオン交換クロマトグラフィーカラムから出る移動相に対して測定された出口導電率値が、例えば約 40.0 mS/cm〜約 42.0 mS/cm, 約 41.0 mS/cm〜約 43.0 mS/cm, 約 42.0 mS/cm〜約 44.0 mS/cm, 約 43.0 mS/cm〜約 45.0 mS/cm, 約 44.0 mS/cm〜約 46.0 mS/cm, 約 45.0 mS/cm〜約 47.0 mS/cm, 約 46.0 mS/cm〜約 48.0 mS/cm, 約 47.0 mS/cm〜約 49.0 mS/cm, 約 48.0 mS/cm〜約 50.0 mS/cm, 約 49.0 mS/cm〜約 51.0 mS/cm, 約 50.0 mS/cm〜約 52.0 mS/cm, or 約 51.0 mS/cm〜約 53.0 mS/cmであるときに、溶出液収集は停止することができる。
【0062】
[063] この実施態様の他の側面において、入口導電率値が、陽イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相について測定した時、約25.0 mS/cmから約27.0 mS/cmまでのときに溶出液収集は開始することができ、入口導電率値が、陽イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相について測定した時、約41.0 mS/cmから約43.0 mS/cmまでであるときに停止する。この実施形態の更に別の側面において、陽イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相に対して測定された供給口導電率値が、約25.0 mS/cmから約27.0 mS/cmまでである場合、溶出液収集は開始することができ、陽イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相に対して測定された供給口導電率値が、約41.0 mS/cmから約43.0 mS/cmまでである場合、停止し、及びここで、導電率グラディエントは、約8 mS/cmから約90 mS/cm迄である。この実施形態の更に別の側面において、陽イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相に対して測定された供給口導電率値が、約25.0 mS/cmから約27.0 mS/cmまでである場合、溶出液収集は開始することができ、陽イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相に対して測定された供給口導電率値が、約41.0 mS/cmから約43.0 mS/cmまでである場合、停止し、ここで、導電率グラディエントは、約8 mS/cmから約90 mS/cmまでである。そして、溶出されているタンパク質は第VIII因子である。
【0063】
[064] この実施態様の他の側面において、陽イオン交換クロマトグラフィーカラムを出る移動相に対して測定された出口導電率値が、約19.0 mS/cmから約21.0 mS/cmまでである場合、溶出液収集は開始し、陽イオン交換クロマトグラフィーカラムを出る移動相に対して測定された出口導電率値が、約34.5 mS/cmから約36.5 mS/cmまでである場合、停止することができる。さらにこの実施形態の別の側面において、陽イオン交換クロマトグラフィーカラムを出る移動相に対して測定された出口導電率値が、約19.0 mS/cmから約21.0 mS/cmまでである場合、溶出液収集は開始し、陽イオン交換クロマトグラフィーカラムを出る移動相に対して測定された出口導電率値が、約34.5 mS/cmから約36.5 mS/cmまでである場合、停止することができ、及びここで、導電率グラディエントは、約8 mS/cmから約90 mS/cm迄である。この実施形態の更に他の側面において、陽イオン交換クロマトグラフィーカラムを出る移動相に対して測定された出口導電率値が、約19.0 mS/cmから約21.0 mS/cmまでである場合、溶出液収集は開始し、陽イオン交換クロマトグラフィーカラムを出る移動相に対して測定された出口導電率値が、約34.5 mS/cmから約36.5 mS/cmまでである場合、停止することができ、ここで、導電率グラディエントは、約8 mS/cmから約90 mS/cmまでである。そして、溶出されているタンパク質は第VIII因子である。
【0064】
[065] この実施態様の他の側面において、陰イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相に対して測定された供給口導電率値が、約27.8 mS/cmから約29.8 mS/cmまでである場合、溶出液収集は開始し、陰イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相に対して測定された供給口導電率値が、約51.0 mS/cmから約53.0 mS/cmまでである場合、停止することができる。この実施態様の更に他の側面において、陰イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相に対して測定された供給口導電率値が、約27.8 mS/cmから約29.8 mS/cmまでである場合、溶出液収集は開始し、陰イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相に対して測定された供給口導電率値が、約51.0 mS/cmから約53.0 mS/cmまでである場合、停止することができ、及びここで、導電率グラディエントは、約4 mS/cmから約80 mS/cm迄である。この実施態様の更に他の側面において、陰イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相に対して測定された供給口導電率値が、約27.8 mS/cmから約29.8 mS/cmまでである場合、溶出液収集は開始し、陰イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相に対して測定された供給口導電率値が、約51.0 mS/cmから約53.0 mS/cmまでである場合、停止することができ、ここで、導電率グラディエントは、約4 mS/cmから約80 mS/cmまでである。そして、溶出されているタンパク質は第VIII因子である。
【0065】
[066] この実施態様の他の側面において、陰イオン交換クロマトグラフィーカラムを出る移動相に対して測定された出口導電率値が、約21.0 mS/cmから約23.0 mS/cmまでである場合、溶出液収集は開始し、陰イオン交換クロマトグラフィーカラムを出る移動相に対して測定された出口導電率値が、約45.5 mS/cmから約47.5 mS/cmまでである場合、停止することができる。この実施態様の更に他の側面において、陰イオン交換クロマトグラフィーカラムを出る移動相に対して測定された出口導電率値が、約21.0 mS/cmから約23.0 mS/cmまでである場合、溶出液収集は開始し、陰イオン交換クロマトグラフィーカラムを出る移動相に対して測定された出口導電率値が、約45.5 mS/cmから約47.5 mS/cmまでである場合、停止することができ、及びここで、導電率グラディエントは、約4 mS/cmから約80 mS/cm迄である。この実施態様の更に他の側面において、陰イオン交換クロマトグラフィーカラムを出る移動相に対して測定された出口導電率値が、約21.0 mS/cmから約23.0 mS/cmまでである場合、溶出液収集は開始し、陰イオン交換クロマトグラフィーカラムを出る移動相に対して測定された出口導電率値が、約45.5 mS/cmから約47.5 mS/cmまでである場合、停止することができ、ここで、導電率グラディエントは、約4 mS/cmから約80 mS/cmまでである。そして、溶出されているタンパク質は第VIII因子である。
【0066】
[067] 本明細書の側面は、部分的に、カラムによって保持されるタンパク質およびタンパク質の所望の量又は活性を含んでなる溶出液収集を開示する。ここに開示したタンパク質は、例えば血液凝固タンパク質、アルブミン、および/または免疫グロブリンの様な血液タンパク質であり得る。血液タンパク質の非限定的例は、ADAMTS-13、α1抗プラスミン、α2抗プラスミン、抗トロンビン、抗トロンビンIII、癌前凝固剤、エリスロポエチン、第II因子、V因子、第VI因子、第VII因子、第VIII因子、第IX因子、第X因子、第XI因子、第XII因子、第XIII因子、フィブロネクチン、フィブリノーゲン、ヘパリンコファクターII、高い分子量のキニノーゲン、筋肉内免疫グロブリン、静脈内免疫グロブリン、プラスミノーゲン、プラスミノーゲンアクチベーターインヒビター1、プラスミノーゲンアクチベータインヒビター-2、プレカリクレイン、プロテインC、プロテインS、タンパク質Z、プロタインZに関連するプロテアーゼインヒビター、組織因子、組織プラスミノーゲン活性化因子、ウロキナーゼ又はフォンヴィレブランド因子を含む。
【0067】
[068] ここに開示したタンパク質は、当然タンパク質を発現する生物体から、タンパク質を発現するために遺伝子的に操作された遺伝子組み換え生物から、又は組み換えでタンパク質を製造する細胞株から得られてもよい。生物体の非限定的例は鳥及び哺乳動物、例えばマウス、ラット、ヤギ、ヒツジ、ウマ、ロバ、雌牛、霊長類、ヒトを含む。遺伝子組み換え生物の非限定的例は、着目したポリペプチドを発現するために遺伝子的に操作された、ここに開示した生物体を含む。生物体又は遺伝子組み換え生物からのここに開示したタンパク質は、当分野において知られている慣例方法を用いて、体液、組織又は、器官抽出物、又は生物体からの他の起源から得られてもよい。例えば、生物体又は遺伝子組み換え生物から血液タンパク質全血を得るは、血清セパレーターチューブで抜くことができる。血液を凝結させる。そして、凝固血はデブリを小球にするために遠心分離機にかけられる。次に、必要であるまで結果として生じる血清サンプル(すなわち上澄液)は等分し、および/または-20℃で貯蔵することができる。血液収集および血清製剤のための特別のプロトコルの非限定的例は、例えばDi Lorenzo and Strasinger, BLOOD COLLECTION IN HEALTHCARE (F.A. Davis Company, 2001);及びDiana Garza & Kathleen Becan-McBride, PHLEBOTOMY HANDBOOK:BLOOD COLLECTION ESSENTIALS (Prentice Hall, 6th ed., 2002)に述べられている。
【0068】
[069] それに代えて、様々な原始核および/または真核発現系もここに開示したタンパク質を組み換えで発現するために採用されてもよい。発現系は、非限定的に、誘導可能な発現、非誘導可能な発現、構成性の発現、組織特異的発現、細胞特異的な発現、ウイルスの媒介した発現、強固に統合された発現および一時的発現を含む様々な特性のうちのいずれかを含むことができる。
そのような発現系を作り用いる方法は当分野において知られている。
【0069】
[070] 通常、着目したポリペプチドをコード化するポリヌクレオチドは、発現ベクターへクローニングされる。原始核をもつ発現ベクターは、典型的には、複製開始点、適切なプロモータおよび/またはエンハンサー、及びさらにリボソーム結合、ポリアデニル化および転写の終了に必要なサイトを、5'側面に位置する転写されていない配列、及び他の転写されていない遺伝要素と同様に、含有する。典型的な原核生物のベクターはプロモータ、例えばバクテリオファージT7プロモータを用いる、pET及びpRSETを含む。原始核をもつ発現ベクターは、典型的には、複製開始点、適切なプロモータおよび/またはエンハンサー、及びさらにリボソーム結合、ポリアデニル化、スプライシングおよび転写の終了に必要なサイトを、5'側面に位置する転写されていない配列、及び他の転写されていない遺伝要素と同様に、含有する。典型的な酵母ベクターは、例えばAOX1, AUG1, GAP, and GAL1の様なプロモータを用いる、pAO、pMET、pPIC、pPICZおよびpYESを含む。典型的な昆虫ベクターは、例えばPH、p10、MT、Ac5、OpIE2、gp64、polhの様なプロモータを用いる、pAc5, pBAC, pIB, pMIB, pMTを含む。典型的な哺乳類ベクターは、例えばβ-カゼイン、βラクトグロブリン、乳清酸プロモータ、HSVチミジンキナーゼ、初期および後期シミアンウィルス40(SV40)、レトロウイルスからのLTRおよびマウスメタロチオネイン-1の様なプロモータを用いる、pBPV、pCMV、pCMVTNT、pDNA、pDisplay、pMSG、pOG44、pQBI25、pRc/RSV、pSECTag、pSECTag2、pSG、pSV2cat、pSVK3、pSVL、pUCIG-MET、pVAX1、pWLneoおよびpXT1を含む。選択マーカーはアンピシリン、クロラムフェニコールトランスフェラーゼ、カナマイシン、ネオマイシンおよびテトラサイクリンを含む。適切な発現ベクターは当分野において知られており市販されている。
【0070】
[071] 互換性のあるベクターを発現することができる細胞は、原核細胞、真核細胞、および原核生物及び真核生物の細胞から誘導された細胞株を含む。原核生物の菌種の非限定的例は、例えば大腸菌、枯草菌、リケニホルミス菌、バクテロイデスfragilis、クロストリジウムガス菌、クロストリジウムディフィシル、カウロバクタークレセンタス、ラクトコッカスラクチス、メチロバクテリウムエキストロクエンス、ナイセリアメニンギルルス、髄膜炎菌、蛍光菌及びネズミチフス菌から誘導されたものを含む。酵母菌株の非限定的例は、誘導されたもの、例えば、ピキアパストリス、ピキアメタノリカ、ピキアオウガスタ、分裂酵母、ビール酵母菌およびヤロウィアリポリティカを含む。植物から誘導された植物細胞及び細胞株は、例えば、例えばトウモロコシの様な単子葉植物種、例えばシロイヌナズナ、パンコムギ、イボウキクサ、コウキクサの様な双子葉植物種、からの細胞を含む。昆虫細胞、および昆虫から誘導された細胞株は、例えばヨトウガ、イラクサギンウワバ、キイロショウジョウバエ、タバコスズメガからの細胞を含む。昆虫細胞株の非限定的例は、ハイファイブ、KC、シュナイダー1級症状ショウジョウバエ(Schneider's Drosophila)細胞株2(S2)、SF9およびSF21細胞株を含む。哺乳動物細胞及び哺乳動物細胞から誘導された細胞株は、例えばマウス、ラット、ハムスター、豚、ウシ、ウマ、霊長類及びヒトからの細胞を含む。哺乳動物細胞株の非限定的例は1A3, 3T3, 6E6, 10T1/2, APRT, BALB/3T3, BE (2)-C, BHK, BT, C6, C127, CHO, CHP3, COS-1, COS-7, CPAE, ESK-4, FB2, GH1, GH3, HeLa, HEK-293, HepG2, HL-60, IMR-32, L2, LLC-PK1, L-M, MCF-7, NB4, NBL-6, NCTC, Neuro 2A, NIE-115, NG108-15, NIH3T3, PC12, PK15, SBAC, SH-SY5Y, SK-Hep, SK-N-DZ, SK-N-F1, SK-N-SH, ST, SW-13, およびVV-1細胞株を含む。細胞株は、米国培養菌保存施設、ヨーロッパ細胞培養コレクション、および微生物及び細胞培養のドイツコレクションから得られてもよい。
【0071】
[072] この実施形態の側面において、溶出液収集は、溶出液収集開始の前にイオン交換クロマトグラフィーカラムによって保持されたタンパク質の、例えば、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%を含んでなる。この実施形態の他の側面において、溶出液収集は、溶出液収集の開始前にイオン交換クロマトグラフィーカラムによって保持されたタンパク質の、例えば、約 25%〜約 100%, 約 30%〜約 100%, 約 40%〜約 100%, 約 50%〜約 100%, 約 60%〜約 100%, 約 70%〜約 100%, 約 75%〜約 100%, 約 80%〜約 100%, 約 85%〜約 100%, 約 90%〜約 100%, 約 25%〜約 95%, 約 30%〜約 95%, 約 40%〜約 95%, 約 50%〜約 95%, 約 60%〜約 95%, 約 70%〜約 95%, 約 75%〜約 95%, 約 80%〜約 95%, 約 85%〜約 95%, 約 90%〜約 95%, 約 25%〜約 90%, 約 30%〜約 90%, 約 40%〜約 90%, 約 50%〜約 90%, 約 60%〜約 90%, 約 70%〜約 90%, 約 75%〜約 90%, 約 80%〜約 90%, or 約 85%〜約 90%の間を含んでなる。
【0072】
[073] この実施形態の側面において、溶離液収集は、溶出液収集開始の前にイオン交換クロマトグラフィーカラムによって保持されたタンパク質量の、例えば、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%を含んでなる。この実施形態の他の側面において、溶離液収集は、溶出液収集の開始前にイオン交換クロマトグラフィーカラムによって保持されたタンパク質量の、例えば、約 25%〜約 100%, 約 30%〜約 100%, 約 40%〜約 100%, 約 50%〜約 100%, 約 60%〜約 100%, 約 70%〜約 100%, 約 75%〜約 100%, 約 80%〜約 100%, 約 85%〜約 100%, 約 90%〜約 100%, 約 25%〜約 95%, 約 30%〜約 95%, 約 40%〜約 95%, 約 50%〜約 95%, 約 60%〜約 95%, 約 70%〜約 95%, 約 75%〜約 95%, 約 80%〜約 95%, 約 85%〜約 95%, 約 90%〜約 95%, 約 25%〜約 90%, 約 30%〜約 90%, 約 40%〜約 90%, 約 50%〜約 90%, 約 60%〜約 90%, 約 70%〜約 90%, 約 75%〜約 90%, 約 80%〜約 90%, or 約 85%〜約 90%の間を含んでなる。
【0073】
[074] この実施形態の側面において、溶離液収集は、溶出液収集開始の前にイオン交換クロマトグラフィーカラムによって保持されたタンパク質活性の、例えば、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%を含んでなる。この実施形態の他の側面において、溶離液収集は、例えば、溶出液収集の開始前にイオン交換クロマトグラフィーカラムによって保持されたタンパク質活性の約 25%〜約 100%, 約 30%〜約 100%, 約 40%〜約 100%, 約 50%〜約 100%, 約 60%〜約 100%, 約 70%〜約 100%, 約 75%〜約 100%, 約 80%〜約 100%, 約 85%〜約 100%, 約 90%〜約 100%, 約 25%〜約 95%, 約 30%〜約 95%, 約 40%〜約 95%, 約 50%〜約 95%, 約 60%〜約 95%, 約 70%〜約 95%, 約 75%〜約 95%, 約 80%〜約 95%, 約 85%〜約 95%, 約 90%〜約 95%, 約 25%〜約 90%, 約 30%〜約 90%, 約 40%〜約 90%, 約 50%〜約 90%, 約 60%〜約 90%, 約 70%〜約 90%, 約 75%〜約 90%, 約 80%〜約 90%, or 約 85%〜約 90%の間を含んでなる。
【0074】
[075] タンパク質の活性の検知は、非限定的に、非特異的なタンパク質アッセイを含んで、モニターされているタンパク質に関連した活性を示す特性を定性的に又は定量的に測定することができるあらゆるアッセイによって遂行されてよい、例えばUV吸収、Bradfordアッセイの様な化学薬品に基づいたアッセイ;又は、例えばインビトロアッセイ、細胞ベースのアッセイ、インビボアッセイの様な特異タンパク質アッセイ等である。ここに開示されるようなタンパク質の活性を検知するために用いられる実際のアッセイは、非限定的に、分析されているタンパク質、流体中にあるタンパク質の量、分析されている特性、および当業者のプレファレンスを含む因子を考慮に入れることによって、当業者によって決定することができる。
【0075】
[076] 例えば、血液凝固カスケードに基づいた色素アッセイは、FVIII活性を検知するために用いることができる。このアッセイにおいて、トロンビンで活性化された第VIII因子は、第IX因子と錯体を形成し、及び、この錯体は続いて第X因子を活性化する。p-ニトロ-アニリン(pNA)の様な色素の群を遊離する色素形成基質の加水分解により、活性化された第X因子活性にアクセスすることができる。pNA放出の初速度は、dODにおいて405nmで測定された1分間当たりの吸光度の変化によって決定されるように、第Xa因子活性、および続いてサンプル中のFVIII活性に比例する。第IX因子及び第X因子の過剰を用いることによって、第X因子の活性化の速度は、サンプル中にあるトロンビンで開裂された第VIII因子の量に単に比例する。代わりに、第VIII因子及び第X因子が過剰であるように条件を変えることによって、第IX因子活性を決定することができる。そして、そういう点で、第IX因子は律速である。同様に、第VIII因子及び第IXa因子が過剰であるように条件を変えることによって、第X因子活性を決定することができる。そして、そういう点で、第X因子は律速である。したがって、第IXa因子および第X因子と同様に第VIII因子活性も血液凝固カスケードに基づいた色素アッセイを用いて検知することができる。
【0076】
[077] 別の実施例として、部分的な活性化部分トロンボプラスチン時間(Partial Activated Partial Thromboplastin Time)(APTT)を適用する1段階凝固アッセイは、FVIII活性を検知するために用いることができる。このアッセイにおいて、第VIII因子を含んでなるサンプルは、CaCl2に加えて、凝固を促進するために第VIII因子の不足した血漿に添加される。そして、血漿のAPTT凝固時間に対するこのサンプルの効果は、第VIII因子活性の指標である。未知のサンプルの活性は、観察された第VIII因子活性を既知の第VIII因子活性サンプルから発生された標準曲線と比較することにより計算される。この血液凝固アッセイも、分析されるタンパク質が不足している血漿を用いることにより、血液凝固カスケードに含まれる他のタンパク質に用いられてもよい。
【0077】
[078] 本明細書の側面は部分的に、クローズドシステムを開示する。ここに開示した溶出方法はクローズドシステムと考えられる。なぜならば、それが完全に自動化され、溶出液画分又は多数の溶出液画分の収集、蛋白含有量のための画分の分析、着目したポリペプチドの閾値量を含んでいる画分のアッセイ、及び引き続く処理のための画分のプーリングの点において、オペレーター参加を必要としないからである。それゆえ、ここに開示した溶出方法は、機械的な故障を予防するために収集プロセスを管理する点において、オペレーター労働の量を減らし、プールされる画分の計算に関する、又はそれ自体をプールするマニュアル中のオペレータエラーの可能性を減少させる。
【0078】
[079] 本明細書の態様は、以下のようにも記述することができる:
1. カラムから溶出液を収集する方法であって、該方法は次の工程を含んでなる:
a) 陽イオン交換クロマトグラフィーカラムへ、タンパク質を含んでなるサンプルを適用する工程、ここで、該適用はカラムによるタンパク質の保持を生じさせる;
b) 陽イオン交換クロマトグラフィーカラムに移動相を適用する工程、移動相は緩衝液を含んでなり、ここで、移動相の適用は約8 mS/cmから約90 mS/cmまでの導電率グラディエントを設定する;
c) 陽イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相について測定された供給口導電率値が、約25.0 mS/cmから約27.0 mS/cmまでである場合に、溶出液収集を開始する工程;
および、d) 陽イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相について測定された供給口導電率値が、約41.0 mS/cmから約43.0 mS/cmまでである場合に、溶出液収集を停止する工程;
ここで、溶出液収集は、工程(a)の陽イオン交換クロマトグラフィーカラムによって保持されたタンパク質の少なくとも25%を含んでなる。
2. カラムから溶出液を収集する方法であって、該方法は次の工程を含んでなる:
a) 陽イオン交換クロマトグラフィーカラムへ、タンパク質を含んでなるサンプルを適用する工程、ここで、該適用はカラムによるタンパク質の保持を生じさせる;b) 陽イオン交換クロマトグラフィーカラムに移動相を適用する工程、移動相は緩衝液を含んでなり、ここで、移動相の適用は約8 mS/cmから約90 mS/cmまでの導電率グラディエントを設定する;c) 陽イオン交換クロマトグラフィーカラムから出る移動相について測定された出口導電率値が、約19.0 mS/cmから約21.0 mS/cmまでである場合に、溶出液収集を開始する工程;および、d) 陽イオン交換クロマトグラフィーカラムから出る移動相について測定された出口導電率値が、約34.5 mS/cmから約36.5 mS/cmまでである場合に、溶出液収集を停止する工程;ここで、溶出液収集は、工程(a)の陽イオン交換クロマトグラフィーカラムによって保持されたタンパク質の少なくとも25%を含んでなる。
3. カラムから溶出液を収集する方法であって、該方法は次の工程を含んでなる:a) 陽イオン交換クロマトグラフィーカラムへ、タンパク質を含んでなるサンプルを適用する工程、ここで、該適用はカラムによるタンパク質の保持を生じさせる;b) 陽イオン交換クロマトグラフィーカラムに移動相を適用する工程、移動相は緩衝液を含んでなり、ここで、移動相の適用は約8 mS/cmから約90 mS/cmまでの導電率グラディエントを設定する;c) 陽イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相について測定された供給口導電率値が、約25.0 mS/cmから約27.0 mS/cmまでである場合に、または、 陽イオン交換クロマトグラフィーカラムから出る移動相について測定された出口導電率値が、約19.0 mS/cmから約21.0 mS/cmまでである場合に溶出液収集を開始する工程;および、d) 陽イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相について測定された供給口導電率値が、約41.0 mS/cmから約43.0 mS/cmまでである場合に、または、 陽イオン交換クロマトグラフィーカラムから出る移動相について測定された出口導電率値が、約34.5 mS/cmから約36.5 mS/cmまでである場合に溶出液収集を停止する工程;ここで、溶出液収集は、工程(a)の陽イオン交換クロマトグラフィーカラムによって保持されたタンパク質の少なくとも25%を含んでなる。
4. カラムから溶出液を収集する方法であって、該方法は次の工程を含んでなる:a) 陽イオン交換クロマトグラフィーカラムへ、タンパク質を含んでなるサンプルを適用する工程、ここで、該適用はカラムによるタンパク質の保持を生じさせる;b) 陽イオン交換クロマトグラフィーカラムに移動相を適用する工程、該移動相は緩衝液を含んでなり、ここで、移動相の適用は約8 mS/cmから約90 mS/cmまでの導電率グラディエントを設定する;c) 陽イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相について測定された供給口導電率値が、少なくとも21.0 mS/cmである場合に、溶出液収集を開始する工程;および、d) 陽イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相について測定された供給口導電率値が、多くとも47 mS/cmである場合に、溶出液収集を停止する工程;ここで、溶出液収集は、工程(a)の陽イオン交換クロマトグラフィーカラムによって保持されたタンパク質の少なくとも25%を含んでなる。
5. カラムから溶出液を収集する方法であって、該方法は次の工程を含んでなる:a) 陽イオン交換クロマトグラフィーカラムへ、タンパク質を含んでなるサンプルを適用する工程、ここで、該適用はカラムによるタンパク質の保持を生じさせる;b) 陽イオン交換クロマトグラフィーカラムに移動相を適用する工程、移動相は緩衝液を含んでなり、ここで、移動相の適用は約8 mS/cmから約90 mS/cmまでの導電率グラディエントを設定する;c) 陽イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相について測定された出口導電率値が、少なくとも約15.0 mS/cmである場合に、溶出液収集を開始する工程;および、d) 陽イオン交換クロマトグラフィーカラムから出る移動相について測定された出口導電率値が、多くても41 mS/cmである場合に、溶出液収集を停止する工程;ここで、溶出液収集は、工程(a)の陽イオン交換クロマトグラフィーカラムによって保持されたタンパク質の少なくとも25%を含んでなる。
6. カラムから溶出液を収集する方法であって、該方法は次の工程を含んでなる:a) 陽イオン交換クロマトグラフィーカラムへ、タンパク質を含んでなるサンプルを適用する工程、ここで、該適用はカラムによるタンパク質の保持を生じさせる;b) 陽イオン交換クロマトグラフィーカラムに移動相を適用する工程、移動相は緩衝液を含んでなり、ここで、移動相の適用は約8 mS/cmから約90 mS/cmまでの導電率グラディエントを設定する;c) 陽イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相について測定された供給口導電率値が、少なくとも21 用mS/cmである場合に、または、陽イオン交換クロマトグラフィーカラムから出る移動相について測定された出口導電率値が、少なくとも15 mS/cmである場合に、溶出液収集を開始する工程;および、d) 陽イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相について測定された供給口導電率値が、多くとも47 mS/cmである場合に、または、陽イオン交換クロマトグラフィーカラムから出る移動相について測定された出口導電率値が、多くとも41 mS/cmである場合に溶出液収集を停止する工程;ここで、溶出液収集は、工程(a)の陽イオン交換クロマトグラフィーカラムによって保持されたタンパク質の少なくとも25%を含んでなる。
7.溶出液収集が、工程(a)の陽イオンオン交換クロマトグラフィーカラムによって保持されたタンパク質の少なくとも50%を含んでなり、または、工程(a)の陽イオン交換クロマトグラフィーカラムによって保持されたタンパク質の少なくとも75%を含んでなる、1-6に記載の実施形態。
8. 陽イオン交換クロマトグラフィーカラムによって保持されたタンパク質が、量または活性によって測定される、1-7に記載の実施形態。
9. カラムから溶出液を収集する方法であって、該方法は次の工程を含んでなる:a) 陽イオン交換クロマトグラフィーカラムへ、第VIII因子を含んでなるサンプルを適用する工程、ここで、該適用はカラムによる第VIII因子の保持を生じさせる;b) 陽イオン交換クロマトグラフィーカラムに移動相を適用する工程、移動相は緩衝液を含んでなり、ここで、移動相の適用は約8 mS/cmから約90 mS/cmまでの導電率グラディエントを設定する;c) 陽イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相について測定された供給口導電率値が、約25.0 mS/cmから約27.0 mS/cmまでである場合に、溶出液収集を開始する工程;および、d) 陽イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相について測定された供給口導電率値が、約41.0 mS/cmから約43.0 mS/cmまでである場合に、溶出液収集を停止する工程;ここで、溶出液収集は、工程(a)の陽イオン交換クロマトグラフィーカラムによって保持された第VIII因子の少なくとも25%を含んでなる。
10. カラムから溶出液を収集する方法であって、該方法は次の工程を含んでなる:a) 陽イオン交換クロマトグラフィーカラムへ、第VIII因子を含んでなるサンプルを適用する工程、ここで、該適用はカラムによる第VIII因子の保持を生じさせる;b) 陽イオン交換クロマトグラフィーカラムに移動相を適用する工程、移動相は緩衝液を含んでなり、ここで、移動相の適用は約8 mS/cmから約90 mS/cmまでの導電率グラディエントを設定する;c) 陽イオン交換クロマトグラフィーカラムから出る移動相について測定された出口導電率値が、約19.0 mS/cmから約21.0 mS/cmまでである場合に、溶出液収集を開始する工程;および、d) 陽イオン交換クロマトグラフィーカラムから出る移動相について測定された出口導電率値が、約34.5 mS/cmから約36.5 mS/cmまでである場合に、溶出液収集を停止する工程;ここで、溶出液収集は、工程(a)の陽イオン交換クロマトグラフィーカラムによって保持された第VIII因子の少なくとも25%を含んでなる。
11. カラムから溶出液を収集する方法であって、該方法は次の工程を含んでなる:a) 陽イオン交換クロマトグラフィーカラムへ、第VIII因子を含んでなるサンプルを適用する工程、ここで、該適用はカラムによる第VIII因子の保持を生じさせる;b) 陽イオン交換クロマトグラフィーカラムに移動相を適用する工程、移動相は緩衝液を含んでなり、ここで、移動相の適用は約8 mS/cmから約90 mS/cmまでの導電率グラディエントを設定する;c) 陽イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相について測定された供給口導電率値が、約25.0 mS/cmから約27.0 mS/cmまでである場合に、または、陽イオン交換クロマトグラフィーカラムから出る移動相について測定された出口導電率値が、約19.0 mS/cmから約21.0 mS/cmまでである場合に溶出液収集を開始する工程;および、d) 陽イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相について測定された供給口導電率値が、約41.0 mS/cmから約43.0 mS/cmまでである場合に、または、陽イオン交換クロマトグラフィーカラムから出る移動相について測定された出口導電率値が、約34.5 mS/cmから約36.5 mS/cmまでである場合に、溶出液収集を停止する工程;ここで、溶出液収集は、工程(a)の陽イオン交換クロマトグラフィーカラムによって保持された第VIII因子の少なくとも25%を含んでなる。
12. カラムから溶出液を収集する方法であって、該方法は次の工程を含んでなる:a) 陽イオン交換クロマトグラフィーカラムへ、第VIII因子を含んでなるサンプルを適用する工程、ここで、該適用はカラムによる第VIII因子の保持を生じさせる;b) 陽イオン交換クロマトグラフィーカラムに移動相を適用する工程、移動相は緩衝液を含んでなり、ここで、移動相の適用は約8 mS/cmから約90 mS/cmまでの導電率グラディエントを設定する;c) 陽イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相について測定された供給口導電率値が、少なくとも21.0 mS/cmである場合に、溶出液収集を開始する工程;および、d) 陽イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相について測定された供給口導電率値が、多くとも47 mS/cmである場合に、溶出液収集を停止する工程;ここで、溶出液収集は、工程(a)の陽イオン交換クロマトグラフィーカラムによって保持された第VIII因子の少なくとも25%を含んでなる。
13. カラムから溶出液を収集する方法であって、該方法は次の工程を含んでなる:a) 陽イオン交換クロマトグラフィーカラムへ、第VIII因子を含んでなるサンプルを適用する工程、ここで、該適用はカラムによる第VIII因子の保持を生じさせる;b) 陽イオン交換クロマトグラフィーカラムに移動相を適用する工程、移動相は緩衝液を含んでなり、ここで、移動相の適用は約8 mS/cmから約90 mS/cmまでの導電率グラディエントを設定する;c) 陽イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相について測定された出口導電率値が、少なくとも15 mS/cmである場合に、溶出液収集を開始する工程;および、d) 陽イオン交換クロマトグラフィーカラムから出る移動相について測定された出口導電率値が、多くても41 mS/cmである場合に、溶出液収集を停止する工程;ここで、溶出液収集は、工程(a)の陽イオン交換クロマトグラフィーカラムによって保持された第VIII因子の少なくとも25%を含んでなる。
14. カラムから溶出液を収集する方法であって、該方法は次の工程を含んでなる:a) 陽イオン交換クロマトグラフィーカラムへ、第VIII因子を含んでなるサンプルを適用する工程、ここで、該適用はカラムによる第VIII因子の保持を生じさせる;b) 陽イオン交換クロマトグラフィーカラムに移動相を適用する工程、移動相は緩衝液を含んでなり、ここで、移動相の適用は約8 mS/cmから約90 mS/cmまでの導電率グラディエントを設定する;c) 陽イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相について測定された供給口導電率値が、少なくとも21.0 mS/cmである場合に、または、陽イオン交換クロマトグラフィーカラムから出る移動相について測定された出口導電率値が、少なくとも15 mS/cmである場合に、溶出液収集を開始する工程;および、d) 陽イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相について測定された供給口導電率値が、多くとも47 mS/cmである場合に、または、陽イオン交換クロマトグラフィーカラムから出る移動相について測定された出口導電率値が、多くとも41 mS/cmである場合に、溶出液収集を停止する工程;ここで、溶出液収集は、工程(a)の陽イオン交換クロマトグラフィーカラムによって保持された第VIII因子の少なくとも25%を含んでなる。
15. 溶出液収集が、工程(a)の陽イオン交換クロマトグラフィーカラムによって保持された第VIII因子の少なくとも50%を含んでなり、または、工程(a)の陽イオン交換クロマトグラフィーカラムによって保持された第VIII因子の少なくとも75%を含んでなる、9-14に記載の実施形態。
16. 陰イオン交換クロマトグラフィーカラムによって保持された第VIII因子が、量または活性によって測定される、9-14に記載の実施形態。
17. カラムから溶出液を収集する方法であって、該方法は次の工程を含んでなる:a) 陰イオン交換クロマトグラフィーカラムへ、タンパク質を含んでなるサンプルを適用する工程、ここで、該適用はカラムによるタンパク質の保持を生じさせる;b) 陰イオン交換クロマトグラフィーカラムに移動相を適用する工程、移動相は緩衝液を含んでなり、ここで、移動相の適用は約4 mS/cmから約80 mS/cmまでの導電率グラディエントを設定する;c) 陰イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相について測定された供給口導電率値が、約27.8 mS/cmから約29.8 mS/cmまでである場合に、溶出液収集を開始する工程;および、d) 陰イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相について測定された供給口導電率値が、約51.0 mS/cmから約53.0 mS/cmまでである場合に、溶出液収集を停止する工程;ここで、溶出液収集は、工程(a)の陰イオン交換クロマトグラフィーカラムによって保持されたタンパク質の少なくとも25%を含んでなる。
18. カラムから溶出液を収集する方法であって、該方法は次の工程を含んでなる:a) 陰イオン交換クロマトグラフィーカラムへ、タンパク質を含んでなるサンプルを適用する工程、ここで、該適用はカラムによるタンパク質の保持を生じさせる;b) 陰イオン交換クロマトグラフィーカラムに移動相を適用する工程、移動相は緩衝液を含んでなり、ここで、移動相の適用は約4 mS/cmから約80 mS/cmまでの導電率グラディエントを設定する;c) クロマトグラフィーカラムから出る移動相について測定された出口導電率値が、約21.0 mS/cmから約23.0 mS/cmまでである場合に、溶出液収集を開始する工程;および、d) クロマトグラフィーカラムから出る移動相について測定された出口導電率値が、約45.5 mS/cmから約47.5 mS/cmまでである場合に、溶出液収集を停止する工程;ここで、溶出液収集は、工程(a)の陰イオン交換クロマトグラフィーカラムによって保持されたタンパク質の少なくとも25%を含んでなる。
19. カラムから溶出液を収集する方法であって、該方法は次の工程を含んでなる:a) 陰イオン交換クロマトグラフィーカラムへ、タンパク質を含んでなるサンプルを適用する工程、ここで、該適用はカラムによるタンパク質の保持を生じさせる;b) 陰イオン交換クロマトグラフィーカラムに移動相を適用する工程、移動相は緩衝液を含んでなり、ここで、移動相の適用は約4 mS/cmから約80 mS/cmまでの導電率グラディエントを設定する;c) 陰イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相について測定された供給口導電率値が、約27.8 mS/cmから約29.8 mS/cmまでである場合に、または、陰イオン交換クロマトグラフィーカラムから出る移動相について測定された出口導電率値が、約21.0 mS/cmから約23.0 mS/cmまでである場合に、溶出液収集を開始する工程;および、d) 陰イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相について測定された供給口導電率値が、約51.0 mS/cmから約53.0 mS/cmまでである場合に、または、陰イオン交換クロマトグラフィーカラムから出る移動相について測定された出口導電率値が、約45.5 mS/cmから約47.5 mS/cmまでである場合に溶出液収集を停止する工程;ここで、単回の溶出液収集は、工程(a)のカラムによって保持されたタンパク質の少なくとも25%を含んでなる。
20. カラムから溶出液を収集する方法であって、該方法は次の工程を含んでなる:a) 陰イオン交換クロマトグラフィーカラムへ、タンパク質を含んでなるサンプルを適用する工程、ここで、該適用はカラムによるタンパク質の保持を生じさせる;b) 陰イオン交換クロマトグラフィーカラムに移動相を適用する工程、移動相は緩衝液を含んでなり、ここで、移動相の適用は約4 mS/cmから約80 mS/cmまでの導電率グラディエントを設定する;c) 陰イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相について測定された供給口導電率値が、少なくとも24 mS/cmである場合に、溶出液収集を開始する工程;および、d) 陰イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相について測定された供給口導電率値が、多くとも57 mS/cmである場合に、溶出液収集を停止する工程;ここで、溶出液収集は、工程(a)の陰イオン交換クロマトグラフィーカラムによって保持されたタンパク質の少なくとも25%を含んでなる。
21. カラムから溶出液を収集する方法であって、該方法は次の工程を含んでなる:a) 陰イオン交換クロマトグラフィーカラムへ、タンパク質を含んでなるサンプルを適用する工程、ここで、該適用はカラムによるタンパク質の保持を生じさせる;b) 陰イオン交換クロマトグラフィーカラムに移動相を適用する工程、移動相は緩衝液を含んでなり、ここで、移動相の適用は約4 mS/cmから約80 mS/cmまでの導電率グラディエントを設定する;c) クロマトグラフィーカラムに入る移動相について測定された出口導電率値が、少なくとも17 mS/cmである場合に、溶出液収集を開始する工程;および、d) クロマトグラフィーカラムから出る移動相について測定された出口導電率値が、多くても52 mS/cmである場合に、溶出液収集を停止する工程;ここで、溶出液収集は、工程(a)の陰イオン交換クロマトグラフィーカラムによって保持されたタンパク質の少なくとも25%を含んでなる。
22. カラムから溶出液を収集する方法であって、該方法は次の工程を含んでなる:a) 陰イオン交換クロマトグラフィーカラムへ、タンパク質を含んでなるサンプルを適用する工程、ここで、該適用はカラムによるタンパク質の保持を生じさせる;b) 陰イオン交換クロマトグラフィーカラムに移動相を適用する工程、移動相は緩衝液を含んでなり、ここで、移動相の適用は約4 mS/cmから約80 mS/cmまでの導電率グラディエントを設定する;c) 陰イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相について測定された供給口導電率値が、少なくとも24 mS/cmである場合に、または、陰イオン交換クロマトグラフィーカラムから出る移動相について測定された出口導電率値が、少なくとも17 mS/cmである場合に溶出液収集を開始する工程;および、d) 陰イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相について測定された供給口導電率値が、多くとも57 mS/cmである場合に、または、陰イオン交換クロマトグラフィーカラムから出る移動相について測定された出口導電率値が、多くとも52 mS/cmである場合に溶出液収集を停止する工程;ここで、単回の溶出液収集は、工程(a)のカラムによって保持されたタンパク質の少なくとも25%を含んでなる。
23.溶出液収集が、工程(a)の陰イオン交換クロマトグラフィーカラムによって保持されたタンパク質の少なくとも50%を含んでなり、または、工程(a)の陰イオン交換クロマトグラフィーカラムによって保持されたタンパク質の少なくとも75%を含んでなる、17-22に記載の実施形態。
24. 陰イオン交換クロマトグラフィーカラムによって保持されたタンパク質が、量または活性によって測定される、17-22に記載の実施形態。
25. カラムから溶出液を収集する方法であって、該方法は次の工程を含んでなる:a) 陰イオン交換クロマトグラフィーカラムへ、第VIII因子を含んでなるサンプルを適用する工程、ここで、該適用はカラムによる第VIII因子の保持を生じさせる;b) 陰イオン交換クロマトグラフィーカラムに移動相を適用する工程、移動相は緩衝液を含んでなり、ここで、移動相の適用は約4 mS/cmから約80 mS/cmまでの導電率グラディエントを設定する;c) 陰イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相について測定された供給口導電率値が、約27.8 mS/cmから約29.8 mS/cmまでである場合に、溶出液収集を開始する工程;および、d) 陰イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相について測定された供給口導電率値が、約51.0 mS/cmから約53.0 mS/cmまでである場合に、溶出液収集を停止する工程;ここで、溶出液収集は、工程(a)の陰イオン交換クロマトグラフィーカラムによって保持された第VIII因子の少なくとも25%を含んでなる。
26. カラムから溶出液を収集する方法であって、該方法は次の工程を含んでなる:a) 陰イオン交換クロマトグラフィーカラムへ、第VIII因子を含んでなるサンプルを適用する工程、ここで、該適用はカラムによる第VIII因子の保持を生じさせる;b) 陰イオン交換クロマトグラフィーカラムに移動相を適用する工程、移動相は緩衝液を含んでなり、ここで、移動相の適用は約4 mS/cmから約80 mS/cmまでの導電率グラディエントを設定する;c) クロマトグラフィーカラムから出る移動相について測定された出口導電率値が、約21.0 mS/cmから約23.0 mS/cmまでである場合に、溶出液収集を開始する工程;および、d) クロマトグラフィーカラムから出る移動相について測定された出口導電率値が、約45.5 mS/cmから約47.5 mS/cmまでである場合に、溶出液収集を停止する工程;ここで、単回の溶出液収集は、工程(a)の陰イオン交換クロマトグラフィーカラムによって保持された第VIII因子の少なくとも25%を含んでなる。
27. カラムから溶出液を収集する方法であって、該方法は次の工程を含んでなる:a) 陰イオン交換クロマトグラフィーカラムへ、第VIII因子を含んでなるサンプルを適用する工程、ここで、該適用はカラムによる第VIII因子の保持を生じさせる;b) 陰イオン交換クロマトグラフィーカラムに移動相を適用する工程、移動相は緩衝液を含んでなり、ここで、移動相の適用は約4 mS/cmから約80 mS/cmまでの導電率グラディエントを設定する;c) 陰イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相について測定された供給口導電率値が、約27.8 mS/cmから約29.8 mS/cmまでである場合に、または、陰イオン交換クロマトグラフィーカラムから出る移動相について測定された出口導電率値が、約21.0 mS/cmから約23.0 mS/cmまでである場合に、溶出液収集を開始する工程;および、d) 陰イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相について測定された供給口導電率値が、約51.0 mS/cmから約53.0 mS/cmまでである場合に、または、陰イオン交換クロマトグラフィーカラムから出る移動相について測定された出口導電率値が、約45.5 mS/cmから約47.5 mS/cmまでである場合に溶出液収集を停止する工程;ここで、単回の溶出液収集は、工程(a)のカラムによって保持された第VIII因子の少なくとも25%を含んでなる。
28. カラムから溶出液を収集する方法であって、該方法は次の工程を含んでなる:a) 陰イオン交換クロマトグラフィーカラムへ、第VIII因子を含んでなるサンプルを適用する工程、ここで、該適用はカラムによる第VIII因子の保持を生じさせる;b) 陰イオン交換クロマトグラフィーカラムに移動相を適用する工程、移動相は緩衝液を含んでなり、ここで、移動相の適用は約4 mS/cmから約80 mS/cmまでの導電率グラディエントを設定する;c) 陰イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相について測定された供給口導電率値が、少なくとも24 mS/cmである場合に、溶出液収集を開始する工程;および、d) 陰イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相について測定された供給口導電率値が、多くとも57 mS/cmである場合に、溶出液収集を停止する工程;ここで、溶出液収集は、工程(a)の陰イオン交換クロマトグラフィーカラムによって保持された第VIII因子の少なくとも25%を含んでなる。
29. カラムから溶出液を収集する方法であって、該方法は次の工程を含んでなる:a) 陰イオン交換クロマトグラフィーカラムへ、第VIII因子を含んでなるサンプルを適用する工程、ここで、該適用はカラムによる第VIII因子の保持を生じさせる;b) 陰イオン交換クロマトグラフィーカラムに移動相を適用する工程、移動相は緩衝液を含んでなり、ここで、移動相の適用は約4 mS/cmから約80 mS/cmまでの導電率グラディエントを設定する;c) クロマトグラフィーカラムに入る移動相について測定された出口導電率値が、少なくとも17 mS/cmである場合に、溶出液収集を開始する工程;および、d) クロマトグラフィーカラムから出る移動相について測定された出口導電率値が、多くても52 mS/cmである場合に、溶出液収集を停止する工程;ここで、単回の溶出液収集は、工程(a)の陰イオン交換クロマトグラフィーカラムによって保持された第VIII因子の少なくとも25%を含んでなる。
30. カラムから溶出液を収集する方法であって、該方法は次の工程を含んでなる:a) 陰イオン交換クロマトグラフィーカラムへ、第VIII因子を含んでなるサンプルを適用する工程、ここで、該適用はカラムによる第VIII因子の保持を生じさせる;b) 陰イオン交換クロマトグラフィーカラムに移動相を適用する工程、移動相は緩衝液を含んでなり、ここで、移動相の適用は約4 mS/cmから約80 mS/cmまでの導電率グラディエントを設定する;c) 陰イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相について測定された供給口導電率値が、少なくとも24 mS/cmである場合に、または、陰イオン交換クロマトグラフィーカラムから出る移動相について測定された出口導電率値が、少なくとも17 mS/cmである場合に溶出液収集を開始する工程;および、d) 陰イオン交換クロマトグラフィーカラムに入る移動相について測定された供給口導電率値が、多くとも57 mS/cmである場合に、または、陰イオン交換クロマトグラフィーカラムから出る移動相について測定された出口導電率値が、多くとも52 mS/cmである場合に溶出液収集を停止する工程;ここで、単回の溶出液収集は、工程(a)のカラムによって保持された第VIII因子の少なくとも25%を含んでなる。
31. 溶出液収集が、工程(a)の陰イオン交換クロマトグラフィーカラムによって保持された第VIII因子の少なくとも50%を含んでなり、または、工程(a)の陰イオン交換クロマトグラフィーカラムによって保持された第VIII因子の少なくとも75%を含んでなる、25-30に記載の実施形態。
32. 陰イオン交換クロマトグラフィーカラムによって保持された第VIII因子が、量または活性によって測定される、25-30に記載の実施形態。
33. タンパク質が組換え型タンパク質である、1-8及び請求項17-24に記載の実施形態。
34. タンパク質が、生物体又は遺伝子組み換え生物からのタンパク質である、1-8及び17-24に記載の実施形態。
35. タンパク質が、血液タンパク質である、33または34に記載の実施形態。
36. 血液タンパク質が、血液凝固タンパク質である、33または34に記載の実施形態。
37.血液タンパク質が、ADAMTS-13、α1抗プラスミン、α2抗プラスミン、抗トロンビン、抗トロンビンIII、癌前凝固剤、エリスロポエチン、第II因子、第V因子、第VI因子、第VII因子、第VIII因子、第IX因子、第X因子、第XI因子、第XII因子、第XIII因子、フィブロネクチン、フィブリノーゲン、ヘパリンコファクターII、高分子量のキニノーゲン、筋肉内免疫グロブリン、静脈内免疫グロブリン、プラスミノーゲン、プラスミノーゲンアクチベーターインヒビター1、プラスミノーゲンアクチベータインヒビター-2、プレカリクレイン、プロテインC、プロテインS、タンパク質Z、プロタインZに関連するプロテアーゼインヒビター、組織因子、組織プラスミノーゲン活性化因子、ウロキナーゼ又はフォンビルブラント因子である、33-36に記載の実施形態。
38.緩衝液が以下を含んでなる1-37の実施形態:2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸(MES)、(N-(2-アセトアミド)イミノ二酢酸(ADA)、ジメチルアルシン酸(カコジル酸塩)、ピペラジン-N,N'-ビス(2-エタンスルホン酸(PIPES)、N-(2-アセトアミド)-2-アミノエタンスルホン酸(ACES)、コラミンクロリド、N,N'-ビス(2-ヒドロキシ-エチル)-2-アミノエタンスルホン酸(BES)、3-(N-モルホリノ)プロパンスルホン酸(MOPS)、2-{[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]アミノ}エタンスルホン酸(TES)、N-(2-ヒドロキシ-エチル)ピペラジン-N'-(2-エタンスルホン酸(HEPES)、ピペラジン-N,N'-ビス(2-ヒドロキシプロパンスルホン酸(POPSO)、N-トリス(ヒドロキシメチル)メチルグリシン(トリシン)、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン(Tris)、アセトアミドグリシン、N,N-ビス(2-ヒドロキシ-エチル)グリシン(ビシン)、N-トリス(ヒドロキシメチル)メチル-3-アミノプロパンスルホン酸(TAPS)、3-[(1,1-ジメチル-2-ヒドロキシ-エチル)アミノ]2-ヒドロキシプロパンスルホン酸(AMPSO)、3-(シクロヘキシルアミノ)-2-ヒドロキシ-1-プロパンスルホン酸(CAPSO)又は3-(シクロヘキシルアミノ)-1-プロパンスルホン酸(CAPS)。
39. 緩衝液が、電解質を含んでなる、1-38に記載の実施形態。
40. 電解質が、ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、塩化物イオン、水素ホスフェートイオン、炭酸水素塩イオン又はそのいかなる組み合わせを含んでなる、39に記載の実施形態。
41. 緩衝液が、ノニオン性界面活性剤を含んでなる、1-40に記載の実施形態。
42. 非イオンの界面活性剤が、ポリオキシエチレングリコールソルビタンアルキルエステル、 ポロキサマー、ポリオキシエチレングリコールアルキルエーテル、 ポリオキシプロピレングリコールアルキルエーテル、 グルコシドアルキルエーテル、ドデカオキシエタノール、ポリオキシエチレングリコールオクチルフェノールエーテル、 ポリオキシエチレングリコールアルキルフェノールエーテル、グリセロールアルキルエステル、ソルビタンアルキルエステル、ココアミドエタノールアミン、スクロースモノラウレート、ドデシルジメチルアミンオキシド、ナトリウムコール酸塩又はそのいかなる組み合わせである、41に記載の実施形態。
43. 線形関数、シグモイド関数、対数関数又は指数関数によって導電率グラディエントが規定される、1-42に記載の実施形態。
44. 方法がクローズドシステムとして実行される、請求項1-43に記載の方法。
45. カラムから溶出液を収集する方法であって、該方法は次の工程を含んでなる:a) カラムへタンパク質を含んでなるサンプルを適用する工程、ここで、該適用はカラムによるタンパク質の保持を生じさせる;b) カラムに移動相を適用する工程、移動相は緩衝液を含んでなり、ここで、移動相の適用は約4 mS/cmから約90 mS/cmまでの導電率グラディエントを設定する;c) 移動相について測定された導電率値が、約19.0 mS/cmから約30.0 mS/cmまでである場合に、溶出液収集を開始する工程;および、d) 移動相について測定された導電率値が、約34.0 mS/cmから約53.0 mS/cmまでである場合に、溶出液収集を停止する工程;ここで、溶出液収集は、工程(a)のカラムによって保持されたタンパク質の少なくとも25%を含んでなる。
46. カラムから溶出液を収集する方法であって、該方法は次の工程を含んでなる:a) カラムへタンパク質を含んでなるサンプルを適用する工程、ここで、該適用はカラムによるタンパク質の保持を生じさせる;b) カラムに移動相を適用する工程、移動相は緩衝液を含んでなり、ここで、移動相の適用は約4 mS/cmから約90 mS/cmまでの導電率グラディエントを設定する;c) 移動相について測定された導電率値が、少なくとも16 mS/cmである場合に、溶出液収集を開始する工程;および、d) 移動相について測定された導電率値が、多くても57 mS/cmである場合に、溶出液収集を停止する工程;ここで、溶出液収集は、工程(a)のカラムによって保持されたタンパク質の少なくとも25%を含んでなる。
47. カラムから溶出液を収集する方法であって、該方法は次の工程を含んでなる:a) カラムへ、第VIII因子を含んでなるサンプルを適用する工程、ここで、該適用はカラムによる第VIII因子の保持を生じさせる;b) カラムに移動相を適用する工程、移動相は緩衝液を含んでなり、ここで、移動相の適用は約4 mS/cmから約90 mS/cmまでの導電率グラディエントを設定する;c) 移動相について測定された導電率値が、約19.0 mS/cmから約30.0 mS/cmまでである場合に、溶出液収集を開始する工程;および、d) 移動相について測定された導電率値が、約34.0 mS/cmから約53.0 mS/cmまでである場合に、溶出液収集を停止する工程;ここで、溶出液収集は、工程(a)のカラムによって保持された第VIII因子の少なくとも25%を含んでなる。
48. カラムから溶出液を収集する方法であって、該方法は次の工程を含んでなる:a) カラムへ、第VIII因子を含んでなるサンプルを適用する工程、ここで、該適用はカラムによる第VIII因子の保持を生じさせる;b) カラムに移動相を適用する工程、移動相は緩衝液を含んでなり、ここで、移動相の適用は約4 mS/cmから約90 mS/cmまでの導電率グラディエントを設定する;c) 移動相について測定された導電率値が、少なくとも15 mS/cmである場合に、溶出液収集を開始する工程;および、d) 移動相について測定された導電率値が、多くとも58 mS/cmである場合に、溶出液収集を停止する工程;ここで、溶出液収集は、工程(a)のカラムによって保持された第VIII因子の少なくとも25%を含んでなる。
49. カラムは充填層クロマトグラフィーカラム又は拡張層吸着クロマトグラフィーカラムである、45-48に記載の実施形態。
50. 充填層クロマトグラフィーカラムが、イオン交換クロマトグラフィーカラム、アフィニティークロマトグラフィーカラム、疎水性相互作用クロマトグラフィーカラム又は流動床クロマトグラフィーカラムである、49に記載の実施形態。
51. イオン交換クロマトグラフィーカラムが、陽イオン交換クロマトグラフィーカラムである、50に記載の実施形態。
52. 工程(b)において、移動相が約8 mS/cmから約90 mS/cmまでの導電率グラディエントを設定する、51に記載の実施形態。
53. 工程(c)において、測定された導電率値は、カラムに入る移動相については測定された供給口導電率値であり、及び、供給口導電率値が約25.0 mS/cmから約27.0 mS/cmまでである場合に、溶出液収集が開始する、請求項51に記載の実施形態。
54. 工程(d)において、測定された導電率値は、カラムに入る移動相について測定された供給口の導電率値であり、及び、出口導電率値が約41.0 mS/cmから約43.0 mS/cmまでである場合、溶出液収集が停止する、51に記載の実施形態。
55. 工程(c)において、測定された導電率値は、カラムから出る移動相については測定された出口の導電率値であり、及び、出口導電率値が約19.0 mS/cmから約21.0 mS/cmまでである場合に、溶出液収集が開始する、51に記載の実施形態。
56. 工程(d)において、測定された導電率値は、カラムから出る移動相について測定された出口の導電率値であり、及び、出口導電率値が約34.5 mS/cmから約36.5 mS/cmまでである場合、溶出液収集が停止する、51に記載の実施形態。
57. 工程(c)において、測定された導電率値は、カラムに入る移動相について測定された供給口導電率値であり、及び、供給口導電率値が少なくとも21 mS/cmである場合に溶出液収集が開始する、51に記載の実施形態。
58. 工程(d)において、測定された導電率値は、カラムに入る移動相について測定された供給口導電率値であり、及び、出口導電率値が多くとも47 mS/cmである場合に溶出液収集が停止する、51に記載の実施形態。
59. 工程(c)において、測定された導電率値は、カラムから出る移動相について測定された出口導電率値であり、及び、出口導電率値が少なくとも15 mS/cmである場合に溶出液収集が開始する、51に記載の方法。
60. 工程(d)において、測定された導電率値は、カラムから出る移動相について測定された出口導電率値であり、及び、出口導電率値が多くとも41 mS/cmである場合に溶出液収集が停止する、51に記載の実施形態。
61. イオン交換クロマトグラフィーカラムが、陰イオン交換クロマトグラフィーカラムである、請求項50に記載の実施形態。
62. 工程(b)において、移動相が約4 mS/cmから約80 mS/cmまでの導電率グラディエントを設定する、請求項61に記載の実施形態。
63. 工程(c)において、測定された導電率値は、カラムに入る移動相については測定された供給口導電率値であり、及び、供給口導電率値が約27.8 mS/cmから約29.8 mS/cmまでである場合に、溶出液収集が開始する、62に記載の実施形態。
64. 工程(d)において、測定された導電率値は、カラムに入る移動相について測定された供給口の導電率値であり、及び、出口導電率値が約51.0 mS/cmから約53.0 mS/cmまでである場合、溶出液収集が停止する、62に記載の実施形態。
65. 工程(c)において、測定された導電率値がカラムから出る移動相について測定された出口の導電率値であり、及び、出口導電率値が約21.0 mS/cmから約23.0 mS/cmまでである場合に溶出液収集が開始する、請求項62に記載の実施形態。
66. 工程(d)において、測定された導電率値は、カラムから出る移動相について測定された出口の導電率値であり、及び、出口導電率値が約45.5 mS/cmから約47.5 mS/cmまでである場合、溶出液収集が停止する、62に記載の実施形態。
67. 工程(c)において、測定された導電率値は、カラムに入る移動相について測定された供給口導電率値であり、及び、供給口導電率値が少なくとも24 mS/cmである場合に溶出液収集が開始する、62に記載の実施形態。
68. 工程(d)において、測定された導電率値は、カラムに入る移動相について測定された供給口導電率値であり、及び、出口導電率値が多くとも57 mS/cmである場合に溶出液収集が停止する、62に記載の実施形態。
69. 工程(c)において、測定された導電率値は、カラムから出る移動相について測定された出口導電率値であり、及び、出口導電率値が少なくとも17 mS/cmである場合に溶出液収集が開始する、62に記載の方法。
70. 工程(d)において、測定された導電率値は、カラムから出る移動相について測定された出口導電率値であり、及び、出口導電率値が多くとも52 mS/cmである場合に溶出液収集が停止する、62に記載の実施形態。
71. タンパク質が、組換え型タンパク質である、請求項45-70に記載の実施形態。
72. タンパク質が、生物体又は遺伝子組み換え生物からのタンパク質である、請求項45-70に記載の実施形態。
73. タンパク質が、血液タンパク質である、71または72に記載の実施形態。
74. 血液タンパク質が、血液凝固タンパク質である、73に記載の実施形態。
75. 血液タンパク質が、ADAMTS-13、α1抗プラスミン、α2抗プラスミン、抗トロンビン、抗トロンビンIII、癌前凝固剤、エリスロポエチン、第II因子、第V因子、第VI因子、第VII因子、第VIII因子、第IX因子、第X因子、第XI因子、第XII因子、第XIII因子、フィブロネクチン、フィブリノーゲン、ヘパリンコファクターII、高分子量のキニノーゲン、筋肉内免疫グロブリン、静脈内免疫グロブリン、プラスミノーゲン、プラスミノーゲンアクチベーターインヒビター1、プラスミノーゲンアクチベータインヒビター-2、プレカリクレイン、プロテインC、プロテインS、タンパク質Z、プロタインZに関連するプロテアーゼインヒビター、組織因子、組織プラスミノーゲン活性化因子、ウロキナーゼ又はフォンビルブラント因子である、49-51に記載の実施形態。
76. 45-75に記載の実施形態であって、ここで、緩衝液は以下を含んでなる:2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸(MES)、(N-(2-アセトアミド)イミノ二酢酸(ADA)、ジメチルアルシン酸(カコジル酸塩)、ピペラジン-N,N'-ビス(2-エタンスルホン酸(PIPES)、N-(2-アセトアミド)-2-アミノエタンスルホン酸(ACES)、コラミンクロリド、N,N'-ビス(2-ヒドロキシ-エチル)-2-アミノエタンスルホン酸(BES)、3-(N-モルホリノ)プロパンスルホン酸(MOPS)、2-{[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]アミノ}エタンスルホン酸(TES)、N-(2-ヒドロキシ-エチル)ピペラジン-N'-(2-エタンスルホン酸(HEPES)、ピペラジン-N,N'-ビス(2-ヒドロキシプロパンスルホン酸(POPSO)、N-トリス(ヒドロキシメチル)メチルグリシン(トリシン)、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン(Tris)、アセトアミドグリシン、N,N-ビス(2-ヒドロキシ-エチル)グリシン(ビシン)、N-トリス(ヒドロキシメチル)メチル-3-アミノプロパンスルホン酸(TAPS)、3-[(1,1-ジメチル-2-ヒドロキシ-エチル)アミノ]2-ヒドロキシプロパンスルホン酸(AMPSO)、3-(シクロヘキシルアミノ)-2-ヒドロキシ-1-プロパンスルホン酸(CAPSO)又は3-(シクロヘキシルアミノ)-1-プロパンスルホン酸(CAPS)。
77. 緩衝液が、電解質を含んでなる、45-76に記載の実施形態。
78. 電解質が、ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、塩化物イオン、水素ホスフェートイオン、炭酸水素塩イオン又はそのいかなる組み合わせを含んでなる、77に記載の実施形態。
79. 緩衝液が界面活性剤を含んでなる、45-78に記載の実施形態。
80. 界面活性剤が、イオン性界面活性剤、双性イオン(両性)界面活性剤又は非イオン性界面活性剤である、79に記載の実施形態。
81. イオン性界面活性剤が、陰イオン界面活性剤又は陽イオン界面活性剤である、80に記載の実施形態。
82. 陰イオン界面活性剤が、硫酸アルキル、アルキルエーテル硫酸塩、ドクセート、スルフォナートフッ素界面活性剤、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、アルキルアリールエーテルホスフェート、アルキルエーテルリン酸エステル塩、アルキルカルボキシラート、ナトリウムラウロイルサルコシネート又はカルボキシラートフッ素界面活性剤である、81に記載の実施形態。
83. 硫酸アルキルが、アンモニウムラウリル硫酸塩又はラウリル硫酸ナトリウム(SDS)である、82に記載の実施形態。
84. アルキルエーテル硫酸塩が、ナトリウムラウレス硫酸塩又はナトリウムミレス(myreth)硫酸塩である、82に記載の実施形態。
85. ドクセートが、ジオクチルソジウムスルホサクシネートである、82に記載の実施形態。
86. スルフォナートフッ素界面活性剤が、パーフルオロスルホナート(PFOS)又はパーフルオロブタンスルホナートである、82に記載の実施形態。
87. アルキルカルボキシラートが、脂肪酸塩又はステアリン酸ナトリウムである、82に記載の実施形態。
88. カルボキシラートフッ素界面活性剤が、パーフルオロナノアート及びパーフルオロオクタノアートである、82に記載の実施形態。
89. 陽イオン界面活性剤が、アルキルトリメチルアンモニウム塩、塩化セチルピリジウム(CPC)、ポリエトキシル化牛脂アミン(POEA)、塩化ベンザルコニウム(BAC)、塩化ベンゼトニウム(BZT)、5-ブロモ-5-ニトロ-1,3-ジオキサン、ジメチルジオクタデシルアンモニウムクロライド、ジオクタデシルジメチルアンモニウムブロマイド(DODAB)、pH依存性の1級アミン、pH依存性の2級アミン又はpH依存性の3級アミンである、81に記載の実施形態。
90. アルキルトリメチルアンモニウム塩が、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド(CTAB)又はセチルトリメチルアンモニウムクロライド(CTAC)である、89に記載の実施形態。
91. 1級アミンがpH<10で陽性に帯電されるようになるか、2級アミンが、pH<4で帯電されるようになる、89に記載の実施形態。
92. 陽イオン界面活性剤が、オクテニジン二塩化水素化物である、81に記載の実施形態。
93. 両性イオン界面活性剤が、3-[(3-クロルアミドプロピル)ジメチルアンモニオ]-1-プロパンスルホナート(CHAPS)、サルタイン、ベタイン又はレシチンである、81に記載の実施形態。
94. サルタインがコカミドプロピルヒドロキシサルタインである、93に記載の実施形態。
95. ベタインがコカミドプロピルベタインである、93に記載の実施形態。
96.非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレングリコールソルビタンアルキルエステル、ポロキサマー、アルキル-フェノール-ポリグリコール-エーテル、ポリエチレングリコールアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレングリコールアルキルエーテル、2-ドデカオキシエタノール(LUBROL-PX(r))、ポリオキシエチレングリコールオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレングリコールアルキルフェノールエーテル、フェノキシポリエトキシルエタノール、グルコシドアルキルエーテル、マルトース配糖体アルキルエーテル、チオグリコシドアルキルエーテル、ジギトニン、グリセロールアルキルエステル、アルキル-アリル-ポリエーテル硫酸塩、アルコールスルホン酸塩、ソルビタンアルキルエステル、ココアミドエタノールアミン、スクロースモノラウレート、ドデシルジメチルアミンオキシド又はナトリウムコラートである、81に記載の実施形態。
97. ポリオキシエチレングリコールソルビタンアルキルエステルが、ポリソルベート20ソルビタンモノオレエート(TWEEN(r)20)、ポリソルベート40ソルビタンモノオレエート(TWEEN(r)40)、ポリソルベート60ソルビタンモノオレエート(TWEEN(r)60)、ポリソルベート61ソルビタンモノオレエート(TWEEN(r)61)、ポリソルベート65ソルビタンモノオレエート(TWEEN(r)65)、ポリソルベート80ソルビタンモノオレエート(TWEEN(r)80)、又はポリソルベート81ソルビタンモノオレエート(TWEEN(r)81)である、96に記載の実施形態。
98. ポロキサマーが、ポロキサマー(PLURONIC(r)L44)、ポロキサマー(PLURONIC(r)L61)、ポロキサマー(PLURONIC(r)L62)、ポロキサマー(PLURONIC(r)L64)、ポロキサマー(PLURONIC(r)F68)、ポロキサマー(PLURONIC(r)F87)、ポロキサマー338(PLURONIC(r)L108) 237 188 184 182 181 124、又はポロキサマー407(PLURONIC(r)F127)である、96に記載の実施形態。
99. ポリオキシエチレングリコールアルキルエーテルが、オクタエチレングリコールモノドデシルエーテル、ペンタエチレングリコールモノドデシルエーテル、BRIJ(r)30又はBRIJ(r)35である、96に記載の実施形態。
100. ポリオキシエチレン(グリコールオクチルフェノールエーテルが、ポリオキシエチレン(4-5)(p-t-オクチルフェノール(TRITON(r)X-45)又はポリオキシエチレン)(オクチルフェニルエーテル(TRITON(r)X-100))である、96に記載の実施形態。
101. ポリオキシエチレングリコールアルキルフェノールエーテルが、ノノキシノール-9である、96に記載の実施形態。
102. フェノキシポリエトキシルエタノールが、ノニルフェノキシポリエトキシルエタノール又はオクチルフェノキシポリエトキシルエタノールである、96に記載の実施形態。
103. グルコシドアルキルエーテルが、オクチルグルコピラノシドである、96に記載の実施形態。
104. マルトース配糖体がドデシルマルトピラノシドである、96に記載の実施形態。
105.チオグリコシドアルキルエーテルがヘプチルチオグリコピラノシドである、96に記載の実施形態。
106.グリセロールアルキルエステルがグリセリルラウレートである、96に記載の実施形態。
107.ココアミドエタノールアミンがココアミドモノエタノールアミン又はココアミドジエタノールアミンである、96に記載の実施形態。
108. 線形関数、シグモイド関数、対数関数又は指数関数によって導電率グラディエントが規定される、45-107に記載の実施形態。
109. 方法がクローズドシステムとして実行される、45-108に記載の実施形態。
110. 溶出液収集が、工程(a)のカラムによって保持されたタンパク質の少なくとも50%を含んでなり、または、工程(a)のカラムによって保持されたタンパク質の少なくとも75%を含んでなる、45、46、又は49-109に記載の実施形態。
111. カラムによって保持されたタンパク質が、量または活性によって測定される、111に記載の実施形態。
112. 溶出液収集が、工程(a)のカラムによって保持された第VIII因子の少なくとも50%を含んでなり、または、工程(a)のカラムによって保持された第VIII因子の少なくとも75%を含んでなる、47-109に記載の実施形態。
113. 陰イオン交換クロマトグラフィーカラムによって保持された第VIII因子が、量または活性によって測定される、112に記載の実施形態。
114. 溶離液収集が単回の溶離として収集される、45-113に記載の実施形態。
115. 溶出液収集が、複数の溶出として収集される、45-113に記載の実施形態。
116. 実質的に本明細書に記載されるような、1-115に記載の実施形態。
117. カラムから実質的に本明細書に記載されるように溶出液を収集する方法。
【実施例】
【0079】
[080] 単に、現在思考された代表的な実施形態についてのより完全な理解を促進する説明目的のために、以下の非限定的例を提供する。これらの実施例はカラムから溶出液を収集する方法に関係するものを含む本明細書に記載されている実施形態のうちのいずれをも制限するためには解釈されるべきでない。
【0080】
実施例 1
陽イオン交換クロマトグラフィーカラムからの溶出
[081] この実施例は、本明細書に開示した伝導性グラディエントを用いて、陽イオン交換クロマトグラフィーカラムからのタンパク質を溶出することに対して本明細書に開示した方法を示す。
【0081】
[082] 最初に、24の画分収集方法を用いる陽イオン交換クロマトグラフィーカラムからの第VIII因子の約250の溶出プロフィルの遡及的解析を行なった。この解析は、どの画分が所望される閾値量の第VIII因子を含むかを決定した。次に、開始し停止する伝導性値を特定するために、これらの溶出液画分を伝導性グラディエントモデルと比較した。
【0082】
[083] 媒体を収集し細胞破片を除去するためにそれを遠心分離機にかけることにより、細胞培養培地へタンパク質を分泌するCHO細胞株によって製造された組み換えの第VIII因子を採取した。10℃で、又は10℃以下に維持された冷たい部屋で、採取した上澄液を希釈し、0.2μmフィルタを通して濾過し、及び、固定されたα-第VIII因子マウスモノクローナル抗体を含んでなる免疫アフィニティー・クロマトグラフィーカラムを通過させ、および、溶出液を収集することにより、第VIII因子を捕捉した。30S陽イオン交換樹脂を含んでなる陽イオン交換クロマトグラフィーカラムを通して免疫アフィニティー・クロマトグラフィー溶出液を通すことにより、さらに第VIII因子を処理した。
【0083】
[084] カラムから第VIII因子を溶出するために、2つの緩衝液を含んでなる溶出溶液をインラインで混合し、一定の流速でカラムに通した。緩衝液SAは、20mMのMES、10mMのCaCl2 x 2 H2O、0.1%(v/v)のポリソルベート80および70mMのNaClで構成され、低い電気導電率を有する。緩衝液SBは、20mMのMES、10mMのCaCl2 x 2 H2O、0.1%(v/v)のポリソルベート80および1000mMのNaClで構成され、高い電気導電率を有する。両方の緩衝液は約6.35のpHがあった。2つのバルブを含んでなるミキシングシステム、一つは緩衝液SAを含む道管に接続され及び他方はSB緩衝液を含む道管に接続されたシステム、で混合を実施する。
単一のポンプが必要な流速を達成するのに必要である。インラインの混合中に、同時に緩衝液SBの割合を増加する一方で、次第に緩衝液SA)の割合を減少させることにより、線形の伝導性グラディエントを設定する。CITプローブを、陽イオン交換クロマトグラフィーカラム(供給口CIT)の前方端部に配置し、伝導性のインライン測定に用いた。溶出溶液の導電率が供給口CITプローブによって約26.0±1 mS/cmであることを検知したときに、溶出液収集を開始し、及び溶出溶液の導電率が約42.0±1 mS/cmであることを検知したときに収集を停止した。代わりに、CITプローブを、陽イオン交換クロマトグラフィーカラム(出口CIT)の後方端部に配置し、導電率のインライン測定に用いた。この場合、溶出溶液の導電率が出口CITプローブによって約20.0±1 mS/cmであることを検知したときに、溶出液収集を開始し、及び溶出溶液の導電率が約35.5±1 mS/cmであることを検知したときに収集を停止した。
【0084】
[085] 培養の後に回収された第VIII因子活性の量を求めてアッセイするために、FVIII活性の色素のアッセイを実施した。濾過された溶媒/洗剤に治療された溶液の分割量を、およそ25IU/mLまでサンプル稀釈緩衝液(50mMのトリス、5mMのCaCl2、225mMのNaCl、0.1%のポリソルベート80ソルビタンモノオレエート(TWEEN(r)80)、pH 6.7±0.2 )中で予め希釈し、及び、さらに、第VIII因子に消耗された血漿中で1IU/mLまで希釈する。次に、第VIII因子が反応の律速の成分であることを保証するために、100μLのあらかじめ薄められたサンプルを、0.03MのCaCl2、0.06mMのリン脂質、0.3のμM第IX因子の100μL、1μM第X因子の100μL、および色素形成基質CH3OCO-D-シクロヘキシルグリシル-グリシル-アルギニル-p-ニトロアニリドの3.4μMの500μLと混合する。その混合物を37℃で90秒間培養し、次に色素形成基質加水分解の速度を決定し、かつp-ニトロ-アニリンに放出するために、405nmでなされた分光光度計記録を採取した。得られた結果は、第VIII因子活性の少なくとも83%が、ここに開示した方法を用いて溶出の後に回収されたことを示した。
【0085】
[086] 培養の後に回収された第VIII因子活性の量を求めてアッセイするために、FVIII活性の1段階凝固アッセイを実施した。濾過された溶媒/洗剤に治療された溶液の分割量を、およそ25IU/mLまでサンプル稀釈緩衝液(50mMのトリス、5mMのCaCl2、225mMのNaCl、0.1%のポリソルベート80ソルビタンモノオレエート(TWEEN(r)80)、pH 6.7±0.2 )中で予め希釈し、及び、さらに、第VIII因子に消耗された血漿中で1IU/mLまで希釈する。次に、あらかじめ希釈したサンプル100μLを第VIII因子の不足した血漿100μLと混合する。その混合物を間37℃で3分間培養し、そして、25mMのCaCl2の100μLを、凝集工程を開始するために添加する。APTT凝固時間値を凝固時間対抗血友病因子濃度の2倍の対数プロットを作る計算プログラムを実行する機器によって計算された標準曲線と比較することにより、存在する第VIII因子の量を決定する。凝固アッセイのための凝固分析器および適切な試薬は、生理的範囲における凝固パラメーターの活性を測定する様に設計してある。得られた結果は、第VIII因子活性の少なくとも83%が、ここに開示した方法を用いて溶出の後に回収されたことを示した。
【0086】
[087] 繰り返された陽イオン交換クロマトグラフィーカラム精製からの第VIII因子の、再現可能で一貫した溶出プロフィルを達成するために、溶出溶液および時間の固定体積を用いて導電率グラディエントを設定した。
【0087】
実施例 2
陰イオン交換クロマトグラフィーカラムからの溶出
[088] この実施例は、本明細書に開示した導電率グラディエントを用いて、陰イオン交換クロマトグラフィーカラムからタンパク質を溶出するために本明細書に開示した方法を示す。
【0088】
[089] 最初に、24の画分収集方法を用いる陰イオン交換クロマトグラフィーカラムからの第VIII因子の約250の溶出プロフィルの遡及的解析を行なった。この解析は、どの画分が所望される閾値量の第VIII因子を含むかを決定した。次に、開始し停止する伝導性値を特定するために、これらの溶出液画分を伝導性グラディエントモデルと比較した。
【0089】
[090] 媒体を収集し細胞破片を除去するためにそれを遠心分離機にかけることにより、細胞培養培地へタンパク質を分泌するCHO細胞株によって製造された組み換え第VIII因子を採取した。10℃で、又は10℃以下に維持された冷たい部屋で、採取した上澄液を希釈し、0.2μmフィルタを通して濾過し、及び、固定されたα-第VIII因子マウスモノクローナル抗体を含んでなる免疫アフィニティー・クロマトグラフィーカラムを通過させ、および、溶出液を収集することにより、第VIII因子を捕捉した。負に帯電したスルホネート基を含んでなる陽イオン交換クロマトグラフィーカラムを免疫アフィニティー・クロマトグラフィー溶出液を通すことにより、さらに第VIII因子を処理した。次に、この交換カラムからの収集された溶出液を、いかなる汚染する外膜ウィルスも不活性化するために、溶媒/洗剤方法によって処理した。そして次に、溶媒/洗剤で処理した溶出液は、0.2μmフィルタを通して濾過した。濾液を、Mono Q陰イオン交換樹脂を含んでなる陰イオン交換クロマトグラフィーカラムを通すことにより、第VIII因子をさらに処理した。
【0090】
[091] カラムから第VIII因子を溶出するために、2つの緩衝液を含んでなる溶出溶液をインラインで混合し、一定の流速でカラムに通した。緩衝液QAは、50mMのTris、5mMのCaCl2 x 2 H2O、0.1%(v/v)のポリソルベート80で構成され、低い電気導電率を有する。緩衝液QBは、50mMのTris、5mMのCaCl2 x 2 H2O、0.1%(v/v)のポリソルベート80および750mMのNaClで構成され、高い電気導電率を有する。両方の緩衝液は約6.7のpHがあった。2つのバルブを含んでなるミキシングシステム、一つは緩衝液QAを含む道管に接続され及び他方はQB緩衝液を含む道管に接続されたシステム、で混合を実施する。単一のポンプが必要な流速を達成するのに必要である。インラインの混合中に、同時に緩衝液QBの割合を増加する一方で、次第に緩衝液BAの割合を減少させることにより、線形の伝導性グラディエントを設定する。CITプローブを、陰イオン交換クロマトグラフィーカラム(供給口CIT)の前方端部に配置し、伝導性のインライン測定に用いた。溶出溶液の導電率が供給口CITプローブによって約28.8±1 mS/cmであることを検知したときに、溶出液収集を開始し、及び溶出溶液の導電率が約52.0±1 mS/cmであることを検知したときに収集を停止した。代わりに、CITプローブを、陰イオン交換クロマトグラフィーカラム(出口CIT)の後方端部に配置し、導電率のインライン測定に用いた。この場合、溶出溶液の導電率が出口CITプローブによって約22.0±1 mS/cmであることを検知したときに、溶出液収集を開始し、及び溶出溶液の導電率が約46.5±1 mS/cmであることを検知したときに収集を停止した。
【0091】
[092] 溶出後に回収された第VIII因子活性の量を求めてアッセイするために、FVIII活性の色素のアッセイを、本質的に実施例1に記載したように実施した。得られた結果は、第VIII因子活性の少なくとも83%が、ここに開示した方法を用いて溶出の後に回収されたことを示した。
【0092】
[093] 溶出後に回収された第VIII因子活性の量を求めてアッセイをするために、FVIII活性の色素の1段階凝固アッセイを、本質的に実施例1に記載したように実施した。得られた結果は、第VIII因子活性の少なくとも83%が、ここに開示した方法を用いて溶出の後に回収されたことを示した。
【0093】
[094] 繰り返された陰イオン交換クロマトグラフィーカラム精製からの第VIII因子の、再現可能で一貫した溶出プロフィルを達成するために、溶出溶液および時間の固定体積を用いて導電率グラディエントを設定した。
【0094】
[095] 終りにおいて、本明細書の側面が特別の実施形態の言及により強調されるが、当業者は容易に、これら開示した実施形態は、本明細書に開示した主題の原理の単なる例示であることを認識するであろうことを、理解されるべきである。したがって、開示された主題が、ここに記述された特別の方法、プロトコル及び/又は試薬などに全く制限されいないことは理解されるに違いない。それゆえ、開示した主題の様々な修飾若しくは変更、又は、代替形態は、本明細書の精神から外れずに、教示に従ってここに為すことができる。最後に、ここに用いられる用語は、特別の実施形態のみについて記述するためにあり、本発明の範囲を制限するようには意図されない。本発明の範囲はもっぱら請求項によって規定される。従って、示され記述されるように、本発明は特別の実施形態に正確に制限されていない。
【0095】
[096] 本発明のある実施形態は、発明を行なうことで本発明者に知られていた最良のモードを含んで、ここに記述される。もちろん、これらの記述された実施形態上の変化は、前述の説明を読むことの上の当業者に明白になるであろう。本発明者は、熟練した職人がそのような変化を適切なものとして採用することを予期する。そして、本発明者は、特別にここに記述されたより他に本発明が実行されるつもりである。従って、本発明は、準拠法によって許容されるようにここに添付された請求項で挙げられた主題の変形および均等物をすべて含む。さらに、もし、他の方法でここに指示されず、又は、文脈によって明白に否定されないならば、そのあらゆる変化での上記実施形態のいかなる組み合わせも、発明によって包含される。
【0096】
[097] 本発明の他の実施態様、要素又はステップのグループ分けは、制限として解釈されるべきではない。各グループ構成は、個々に又はここに開示した他のグループ構成とのいかなる組み合わせ中で引用され及びクレームされてもよい。グループの一以上の構成が、便宜および/または特許性の理由で、グループに含まれるかもしれないか、削除されてもよいことは予想される。いかなるそのような包含又は削除も生じる場合、明細書は、添付された請求項中で用いられるすべてのマーカッシュグループの記述された説明を満たして、したがって変性されるようなグループを含むと認められる。
【0097】
[098] もし他の方法で指示されなかったならば、本明細書及び請求項中で用いられる特性、項目、量、パラメーター、特性、用語、などを示す数はすべて、用語「約」によって変性される全ての場合であることとして理解されるべきである。本明細書で使用されるように、用語「約」は、その様に規定された特徴、項目、量、パラメーター、特性又は用語は、明示された特性、項目、量、パラメーター、特性又は用語の値以上及び以下プラスまたはマイナス、10パーセントの範囲を包含することを意味する。従って、もしそれと反対に指示されなかったならば、明細書および添付請求項中で述べられた数のパラメーターは一様でないかもしれない近似である。少なくとも、及び請求項範囲への均等論の応用範囲を狭める試みとしてではなく、各数的表示は、少なくとも報告された有効数字の数に照らして、および通常の丸め技術の適用により解釈されるべきである。それにもかかわらず、発明の広い範囲を設定する数的な範囲および値は、近似であり、具体的な実施例において設定された数的な範囲および値は、できるだけ正確に報告される。しかしながら、いかなる数的な範囲又は値も、それぞれの試験測定で見出した標準偏差から必然的に起因するあるエラーを本質的に含んでいる。値の数的な範囲の詳説は、単に範囲以内にある個々の個別の数値を個々に言及する速記方法として役立つようにここに意図される。もし他の方法でここに指示されなかったならば、あたかもそれが個々にここに挙げられるかのように、数的な範囲の個々の値はそれぞれ本明細書へ組み込まれる。
【0098】
[099] 用語 "a," "an," "the"及び、本発明(とりわけ、以下の請求項の文脈において)について記述する文脈中で用いられる同様の冠詞は、もし文脈によってここに又は明白に否定されず、他の方法で指示されなかったならば、単数及び複数の両方をカバーするために解釈されるべきである。ここに記述された方法はすべて、もし、他の方法でここに指示されなかったならば、又は、明白に、文脈によって否定されなかったならば、いかなる適切な順に実行することができる。ここに提供される全ての実施例の使用、又は典型的な言語(例えば、「のように」)は、単によりよく本発明を明らかにするように意図され、他の方法でクレームされた発明の範囲に対する制限課さない。本明細書における言語は、発明のプラクティスにとって必須のいかなるクレームされていない要素の指示として解釈されるべきでない。
【0099】
[0100] ここに開示した特別の実施形態は、「〜を含んでなる」または「本質的に〜からなる」の文言を使用して、さらに請求項で制限されていてもよい。請求項中で用いられたときに、出願時か補正時に追加されたかどうかに拘わらず、推移用語「〜からなる」は、請求項で特定されないいかなる要素、ステップ又は成分も除外する。推移用語「〜本質的になる」は、請求項の範囲を、特定された材料又はステップ、および実質的に基本的で新規な特徴を冒さないものへ制限する。その様にクレームされた本発明の実施形態は本質的に又は明らかにここに記述され実施可能になる。
【0100】
[0101] 本明細書中で引用され特定されたすべての特許、特許刊行物および他の出版物は 、引用によりその内容全体が、例えば、本発明との関係において用いられるかもしれないその様な刊行物中に記載された組成物及び方法論を記述し及び開示する目的で、個々に及び明確に本明細書に組み込まれる。これらの刊行物は本出願の出願日に先立ってもっぱらそれらの開示に提供される。この点に関して、何も、先の発明による、又は他の理由でのそのような開示より以前に起こる、本発明者が資格がないという容認として解釈されるべきでない。日付に関するステートメント又はこれらの文書の内容に関する表現はすべて、出願人に利用可能な情報に基づいており、これらの文書の日付又は内容の正確さに関して容認を構成しない。