【実施例】
【0092】
以下に参考例、実施例及び試験例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、これらは本発明を限定するものではない。なお、化合物の同定は元素分析値、マス・スペクトル、高速液体クロマト質量分析計;LCMS、IRスペクトル、NMRスペクトル、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)等により行った。
【0093】
明細書の記載を簡略化するために参考例、実施例及び実施例中の表において以下に示すような略号を用いることもある。置換基として用いられる略号としては、Meはメチル、Phはフェニルを意味する。TFAはトリフルオロ酢酸を意味する。NMRに用いられる記号としては、sは一重線、dは二重線、ddは二重の二重線、tは三重線、tdは三重線の二重線、qは四重線、mは多重線、brは幅広い、brsは幅広い一重線、brsは幅広い多重線及びJは結合定数を意味する。
【0094】
高速液体クロマト質量分析計;LCMSの測定条件は、以下の通りであり、観察された質量分析の値[MS(m/z)]をMH+で、保持時間をRt(分)で示す。なお、各実測値においては、測定に用いた測定条件をA〜Cで付記する。
【0095】
測定条件A
検出機器:APIシリーズ用Agilent 1100シリーズ (applied Biosystems社製)
HPLC:API 150EX LC/MS system (applied Biosystems社製)
Column:YMC CombiScreen Hydrosphere C18 (S-5μM, 12 nm, 4.6×50 mm)
Solvent:A液:0.05% TFA/H
2O、B液:0.05% TFA/MeOH
Gradient Condition:
0.0-6.0分;A/B=75:25〜1:99(linear gradient)
Flow rate:3.5 mL/分
UV:254 nm
【0096】
測定条件B
検出機器:HPLC:LCMS-2010EV (島津社製)
Column:Xtimate (3μM, 2.1×30 mm) (Welch Materials社製)
Solvent:A液:0.019% TFA/H
2O、B液:0.038% TFA/MeOH
Gradient Condition:
0.0-1.35分;A/B=90:10〜20:80(linear gradient)
1.35-2.25分;A/B=20:80
Flow rate:0.8 mL/分
UV:220 nm
カラム温度:50℃
【0097】
測定条件C
検出機器:Perkin-Elmer Sciex API 150EX Massspectrometer(40 eV)
HPLC:Shimadzu LC 10ATVP
Column:Shiseido CAPCELL PAK C18 ACR(S-5μm,4.6 mm×50 mm)
Solvent:A液:0.035% TFA/CH
3CN、B液:0.05% TFA/H
2O
Gradient Condition:
0.0-0.5分;A/B=1:99
0.5-4.8分;A/B=10:90〜99:1(linear gradient)
4.8-5.0分;A/B=99:1
Flow rate:3.5 mL/分
UV:220 nm
カラム温度:40℃
【0098】
測定条件D
検出機器:Waters ACQUITY UltraPerfomanc LC-PDA-ELSD-SQD
Column: Waters UPLC BEH C18 1.7 m, 2.1×30 mm(Part.No.186002349)
Solvent:A液:0.05% ギ酸/H
2O、B液:CH
3CN
Gradient Condition:
0.0分;A/B=90:10
0.0-1.3分;A/B=90:10〜5:95(linear gradient)
Flow rate:0.80 mL/分
UV:220、254 nm
カラム温度:40℃
【0099】
測定条件E
検出機器:島津 LCMS-2020
Column:Phenomenex Kinetex(1.7μm C18,50 mm×2.10 mm)
Solvent:A液:MeOH、B液:0.05 % TFA/H
2O
Gradient Condition:
0.0分;A/B=30:70
0.0-1.9分;A/B=99:1
1.9-3.0分;A/B=30:70
Flow rate:0.5 mL/分
UV:220 nm
カラム温度:40℃
【0100】
測定条件F
検出機器:Waters ACQUITY UPLC
Column:Waters ACQUITY UPLC BEH Phenyl 1.7μm 2.1×50 mm
Solvent:A液:0.05% ギ酸/H
2O、B液:CH
3CN
Gradient Condition:
0.0-1.3分;A/B=90:10〜1:99(linear gradient)
1.3-1.5分;A/B=1:99
1.5-2.0分;A/B=90:10
Flow rate:0.75 mL/分
UV:220、254 nm
カラム温度:50℃
【0101】
参考例1
5−メチル−1−(4−ピペリジル)−1H−インダゾール・塩酸塩
【化9】
a)tert−ブチル 4−(5−メチル−1H−インダゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(化合物Q1)の製造
5−メチルインダゾール(901mg)のDMF溶液(10mL)に0℃にて水素化ナトリウム(327mg)を添加し、40℃で30分間加熱攪拌した。その後、反応溶液にtert−ブチル 4−(メチルスルホニルオキシ)ピペリジン−1−カルボキシレート(2.28g)を加えて90℃で19時間加熱攪拌した。反応終了後、酢酸エチル−水で分液抽出し、得られた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥した。得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;酢酸エチル:ヘキサン=2:5)で精製することにより化合物Q1(1.04g)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3): 1.47 (9H, s), 2.00 (2H, m), 2.21 (2H, m), 2.43 (3H, s), 2.93 (2H, br), 4.28 (2H, br), 4.50 (1H, m), 7.19 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.32 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.48 (1H, s), 7.89 (1H, s).
【0102】
b)5−メチル−1−(4−ピペリジル)−1H−インダゾール・塩酸塩(参考例1)の製造
化合物Q1(1.04 g)のクロロホルム溶液(20mL)に4mol/L塩酸−ジオキサン(3.3mL)を加え、常温で7時間攪拌した。反応終了後、溶媒を減圧留去し、参考例1(720mg)を得た。
【0103】
参考例2
3−エトキシ−5−エチル−1−(ピペリジン−4−イル)−1H−インダゾール塩酸塩
【化10】
a)5−ブロモ−1H−インダゾール−3−オール(化合物Q2)の製造
2−アミノ−5−ブロモ安息香酸(50g)の水溶液(200mL)に塩酸(46mL)を加え、0℃において亜硝酸ナトリウム水溶液(17.7g/37mL)を加え、0℃において30分間攪拌した。その後、反応溶液に亜硫酸ナトリウム水溶液(79.3g/200mL)を0℃にて滴下した後、常温で2時間攪拌した。塩酸(70mL)を添加したのち、常温にて18時間攪拌後、80℃にて4時間攪拌した。反応溶液を塩基性にすることにより、析出した固体を溶解させた後、再度酸性にすることにより、固体を析出させた。固体を濾取し、減圧乾燥させることで、化合物Q2(36g)を得た。
1H-NMR (400 MHz, d-DMSO): 7.28 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.39 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.82 (1H, s), 10.67 (1H, s), 11.75 (1H, s).
【0104】
b)tert−ブチル 5−ブロモ−3−ヒドロキシ−1H−インダゾール−1−カルボキシレート(化合物Q3)の製造
化合物Q2(5.00g)のアセトニトリル溶液(50mL)に窒素雰囲気下、トリエチルアミン(3.60g)、4−N,N−ジメチルアミノピリジン(144mg)を添加後した。常温にて10分攪拌した後、ジ−tert−ブチル ジカルボネート(5.14g)を添加し10時間常温で攪拌した。溶媒を留去した後、酢酸エチル−水で分液抽出し、得られた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去することによりQ3(4.5g)を得た。
1H-NMR (400 MHz, d-DMSO): 1.61 (9H, s), 7.73 (1H, dd, J = 8.0 Hz, 1.6 Hz), 7.94 (2H, m).
【0105】
c)tert−ブチル 5−ブロモ−3−エトキシ−1H−インダゾール−1−カルボキシレート(化合物Q4)の製造
化合物Q3(15.0g)、ヨードエタン(7.5g)、炭酸セシウム(31.3g)のアセトニトリル反応溶液(250mL)を80℃にて16時間加熱攪拌した。溶媒を留去した後、酢酸エチル−水で分液抽出し、得られた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥した。得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;石油エーテル:酢酸エチル=30:1)で精製することによりQ4(9.00g)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3): 1.50 (3H, t, J = 7.2 Hz), 1.72 (9H, s), 4.56 (2H, q, J = 7.2 Hz), 7.60 (1H, dd, J = 8.0 Hz, 1.6 Hz), 7.85 (2H, m)
【0106】
d)5−ブロモ−3−エトキシ−1H−インダゾール(化合物Q5)の製造
化合物Q4(7.60g)の酢酸エチル溶液(50mL)に、4mol/L塩酸−酢酸エチル(50mL)を加え、常温で8時間攪拌した。反応終了後、溶媒を減圧留去し、得られた残査を酢酸エチルで洗浄したのち濾取し、減圧乾燥することで化合物Q5(6.20g)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CD
3OD): 1.48 (3H, t, J = 7.2 Hz), 4.44 (2H, q, J = 7.2 Hz), 7.31 (1H, d, J = 9.2 Hz), 7.49 (1H, d, J = 9.2 Hz), 7.80 (1H, s).
【0107】
e)tert−ブチル 4−(5−ブロモ−3−エトキシ−1H−インダゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(Q6)の製造
上記の実験で得られた化合物Q5(2.03g)の脱水DMF溶液(120mL)に、窒素雰囲下、水素化ナトリウム(1.17g)を加え、0℃にて30分攪拌した。反応溶液にtert−ブチル 4−(メチルスルホニルオキシ)ピペリジン−1−カルボキシレート(4.08g)を加えて90℃で16時間加熱攪拌した。反応終了後、酢酸エチル−水で分液抽出し、得られた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥した。得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;酢酸エチル:石油エーテル=1:30)で精製することにより化合物Q6(3.10g)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3): 1.41 (3H, t, J = 7.2 Hz), 1.45 (3H, s), 1.90 (2H, m), 2.15 (2H, m), 2.93 (2H, m), 4.28 (3H, m), 4.40 (2H, q, J = 7.2 Hz), 7.14 (1H, d, J = 9.2 Hz), 7.39 (1H, dd, J = 9.2 Hz, 1.6 Hz), 7.79 (1H, d, J = 1.6 Hz).
【0108】
f)tert−ブチル 4−(3−エトキシ−5−ビニル−1H−インダゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(Q7)の製造
上記の実験で得られた化合物Q6(2.40g)、2,4,6−トリビニルシクロトリボロキサン(1.09g)、炭酸セシウム(5.51g)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン パラジウム ジクロライド(0.83g)のジオキサン(50mL)−水(5mL)反応溶液を窒素雰囲気下、90℃にて16時間攪拌した。反応終了後、溶媒を留去した後、ジクロロメタン−水で分液抽出し、得られた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥した。得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;酢酸エチル:石油エーテル=1:40)で精製することにより化合物Q7(2.00g)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3): 1.49 (12H, m), 1.90 (2H, m), 2.19 (2H, m), 2.93 (2H, m), 4.28 (3H, m), 4.43 (2H, q, J = 7.2 Hz), 5.16 (1H, d, J = 11.0 Hz), 5.69 (1H, d, J = 17.2 Hz), 6.80 (1H, dd, J = 17.2 Hz, 11.0 Hz), 7.20 (1H, d, J = 8.8 Hz), 7.49 (1H, dd, J = 8.8 Hz, 1.6 Hz), 7.63 (1H, d, 1.6 Hz).
【0109】
g)tert−ブチル 4−(3−エトキシ−5−エチル−1H−インダゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(Q8)の製造
上記の実験で得られた化合物Q7(1.62g)、水酸化パラジウム(II)/炭素(162mg)のエタノール反応溶液(180mL)を水素雰囲気下、常温にて16時間攪拌した。反応終了後、セライトで濾過し、溶媒を留去することにより化合物Q8(1.60g)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3): 1.27 (3H, t, J = 7.2 Hz), 1.49 (3H, t, J = 7.2 Hz), 1.51 (9H, s), 1.93 (2H, m), 2.16 (2H, m), 2.74 (2H, q, J = 7.2 Hz), 2.97 (2H, m), 4.28 (3H, m), 4.43 (2H, q, J = 7.2 Hz), 7.27 (2H, m), 7.63 (1H, s).
【0110】
h)3−エトキシ−5−エチル−1−(ピペリジン−4−イル)−1H−インダゾール(参考例2)の製造
上記の実験で得られた化合物Q8(1.45g)の酢酸エチル溶液(15mL)に、4mol/L塩酸−酢酸エチル(15mL)を加え、常温で8時間攪拌した。反応終了後、溶媒を減圧留去し、得られた残査を酢酸エチルで洗浄した後、濾取し、減圧乾燥することで参考例2(1.20g)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3): 1.28 (3H, t, J = 7.2 Hz), 1.49 (3H, t, J = 7.2 Hz), 2.40 (2H, br), 2.50 (2H, br), 2.74 (2H, q, J = 7.2 Hz), 3.28 (2H, br), 3.75 (2H, br), 4.44 (2H, q, J = 7.2 Hz), 4.58 (1H, m), 7.24 (2H, m), 7.49 (1H, s).
【0111】
参考例3
5−エトキシ−1−(ピペリジン−4−イル)−1H−インダゾール塩酸塩
【化11】
a)5−エトキシ−1H−インダゾール(化合物Q9)の製造
5−ヒドロキシインダゾール(2.68g)のDMF溶液(50mL)にヨウ化エチル(3.28g)、炭酸カリウム(4.16g)を加え室温で1日攪拌した。反応終了後、酢酸エチル−水で分液抽出し、得られた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧留去し、得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;酢酸エチル)で精製することによりQ9(1.95g)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3):1.43 (3H, t, J = 7.0 Hz), 4.05 (2H, q, J = 7.0 Hz), 7.07 (2H, m), 7.39 (1H, m), 7.98 (1H, s).
【0112】
b)tert−ブチル 4−(5−エトキシ−1H−インダゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(化合物Q10)の製造
上記の実験で得られた化合物Q9(810mg)の無水DMF溶液(10mL)に0℃にて水素化ナトリウム(220mg)を添加し、40℃で30分間加熱攪拌した。その後、反応溶液にtert−ブチル 4−(メチルスルホニルオキシ)ピペリジン−1−カルボキシレート(1.54g)を加えて90℃で16時間加熱攪拌した。反応終了後、酢酸エチル−水で分液抽出し、得られた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥した。得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;酢酸エチル:ヘキサン=1:3)で精製することにより化合物Q10(521mg)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3):1.43 (3H, t, J = 7.0 Hz), 1.46 (9H, s), 1.99 (2H, m), 2.17 (2H, m), 2.91 (2H, m), 4.04 (2H, q, J = 7.0 Hz), 4.28 (2H, br), 4.50 (1H, m), 7.04 (2H, m), 7.33 (1H, m), 7.87 (1H, s).
【0113】
c)5−エトキシ−1−(ピペリジン−4−イル)−1H−インダゾール塩酸塩(参考例3)の製造
上記の実験で得られた化合物Q10(637mg)のクロロホルム溶液(10mL)に、4mol/L塩酸−酢酸エチル(1.38mL)を加え、常温で16時間攪拌した。反応終了後、溶媒を減圧留去し、得られた残査を酢酸エチルで洗浄した後、濾取し、減圧乾燥することで化合物 参考例3(484mg)を得た。
【0114】
参考例4
シス−4−(5−エチル−1H−インダゾール−1−イル)シクロヘキシルアミン塩酸塩
【化12】
a)tert−ブチル シス−4−(5−ブロモ−1H−インダゾール−1−イル)シクロヘキシルカルバメート(化合物Q11)の製造
5−ブロモインダゾール(15g)、tert−ブチル トランス−4−ヒドロキシシクロヘキシルカルバメート(50g)、トリフェニルホスフィン(50g)のTHF反応溶液を0℃で15分攪拌した。反応溶液にジイソプロピルアゾジカルボキシレート(38.5g)を窒素雰囲気下0℃にて滴下した後、50℃にて1日攪拌した。反応終了後、溶媒を留去した後、酢酸エチル(300mL)、石油エーテル(90mL)を添加し常温にて2時間攪拌した。反応溶液を濾過した後、溶媒を減圧留去し、得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;酢酸エチル:石油エーテル=1:80〜1:15)で精製することにより化合物Q11(8.00g)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3): 1.48 (9H, s), 1.80 (2H, m), 1.94-2.10 (4H, m), 2.18 (2H, m), 3.93 (1H, br), 4.45 (1H, m), 4.90 (1H, br), 7.31 (1H, d, J = 9.2 Hz), 7.46 (1H, dd, J = 9.2 Hz, 0.8 Hz), 7.89 (1H, d, J = 0.8 Hz), 7.96 (1H, s).
【0115】
b)tert−ブチル シス−4−(5−ビニル−1H−インダゾール−1−イル)シクロヘキシルカルバメート(化合物Q12)の製造
上記の実験で得られた化合物Q11(5.00g)、2,4,6−トリビニルシクロトリボロキサン(4.57 g)、炭酸セシウム(12.40g)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン パラジウム ジクロライド(0.75g)のジオキサン(150mL)−水(25mL)反応溶液を窒素雰囲気下、90℃にて15時間攪拌した。反応終了後、溶媒を留去した後、酢酸エチル−水で分液抽出し、得られた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥した。得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;酢酸エチル:石油エーテル=1:30〜1:10)で精製することにより化合物Q12(4.00g)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3): 1.49 (9H, s), 1.82 (2H, m), 1.96-2.12 (4H, m), 2.20 (2H, m), 3.94 (1H, br), 4.47 (1H, m), 4.92 (1H, br), 5.24 (1H, d, J = 10.8 Hz), 5.75 (1H, d, J = 17.6 Hz), 6.85 (1H, dd, J = 17.6 Hz, 10.8 Hz), 7.40 (1H, d, J = 8.8 Hz), 7.56 (1H, d, J = 8.8 Hz), 7.71 (1H, s), 8.00 (1H, s).
【0116】
c)tert−ブチル シス−4−(5−エチル−1H−インダゾール−1−イル)シクロヘキシルカルバメート(化合物Q13)の製造
上記の実験で得られた化合物Q12(4.00g)、水酸化パラジウム(II)/炭素(20%、400mg)のエタノール反応溶液(100mL)を水素雰囲気下、常温にて16時間攪拌した。反応終了後、セライトで濾過し、溶媒を留去することにより化合物Q13(3.50g)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3): 1.28 (3H, t, J = 7.6 Hz), 1.48 (9H, s), 1.79 (2H, m), 1.95-2.10 (4H, m), 2.26 (2H, m), 2.77 (2H, q, J = 7.6 Hz), 3.93 (1H, br), 4.46 (1H, m), 4.98 (1H, br), 7.26 (1H, d, J = 8.8 Hz), 7.36 (1H, d, J = 8.8 Hz), 7.54 (1H, s), 7.95 (1H, s).
【0117】
d)シス−4−(5−エチル−1H−インダゾール−1−イル)シクロヘキシルアミン 塩酸塩(参考例4)の製造
上記の実験で得られた化合物Q13(2.50g)の酢酸エチル溶液(15mL)に、4mol/L塩酸−酢酸エチル(15mL)を加え、常温で8時間攪拌した。反応終了後、溶媒を減圧留去し、得られた残査を酢酸エチルで洗浄した後、濾取し、減圧乾燥することで参考例4(2.0g)を得た。
1H-NMR (400 MHz, dDMSO): 1.22 (3H, t, J = 7.6 Hz), 1.87-2.02 (6H, m), 2.21 (2H, m), 2.71 (2H, q, J = 7.6 Hz), 3.35 (1H, m), 4.73 (1H, m), 7.25 (1H, d, J = 8.8 Hz), 7.54 (1H, s), 7.64 (1H, d, J = 8.8 Hz), 7.98 (1H, s).
【0118】
参考例5
シス−4−(5−エチル−1H−インダゾール−1−イル)シクロヘキサンカルボン酸(参考例5)
【化13】
a)エチル シス−4−(5−ブロモ−1H−インダゾール−1−イル)シクロヘキサンカルボキシレート(化合物Q14)の製造
5−ブロモインダゾール(5.00g)、エチル トランス−4−ヒドロキシシクロヘキサンカルボキシレート(8.73g)、トリフェニルホスフィン(13.3g)のTHF反応溶液(150mL)を0℃で15分攪拌した。反応溶液にジエチルアゾジカルボキシレート(9.03g)を窒素雰囲気下0℃にて滴下した後、50℃にて13時間攪拌した。反応終了後、溶媒を留去した後、酢酸エチル(100 mL)、石油エーテル(30mL)を添加し常温にて2時間攪拌した。反応溶液を濾過した後、溶媒を減圧留去し、得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;酢酸エチル:石油エーテル=1:80〜1:15)で精製することにより化合物Q14(3.50g)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3): 1.28 (3H, t, J = 7.6 Hz), 1.76 (2H, m), 1.95 (2H, m), 2.27 (2H, m), 2.35 (2H, m), 2.70 (1H, m), 4.20 (1H, q, J = 7.6 Hz), 4.45 (1H, m), 7.35 (1H, d, J = 8.8 Hz), 7.43 (1H, d, J = 8.8 H), 7.85 (1H, s), 7.91 (1H, s).
【0119】
b)エチル シス−4−(5−ビニル−1H−インダゾール−1−イル)シクロヘキサンカルボキシレート(化合物Q15)の製造
上記の実験で得られた化合物Q14(3.80g)、2,4,6−トリビニルシクロトリボロキサン(3.90g)、炭酸セシウム(10.5g)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン パラジウム ジクロライド(0.38g)のジオキサン(80mL)−水(8mL)反応溶液を窒素雰囲気下、90℃にて18時間攪拌した。反応終了後、溶媒を留去した後、酢酸エチル−水で分液抽出し、得られた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥した。得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;酢酸エチル:石油エーテル=1:30〜1:10)で精製することにより化合物Q15(2.10g)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3): 1.28 (3H, t, J = 7.6 Hz), 1.75 (2H, m), 1.98 (2H, m), 2.25 (2H, m), 2.40 (2H, m), 2.70 (1H, m), 4.22 (1H, q, J = 7.6 Hz), 4.47 (1H, m), 5.20 (1H, d, J = 10.8 Hz), 5.72 (1H, d, J = 17.6 Hz), 6.82 (1H, dd, J = 17.6 Hz, 10.8 Hz), 7.49 (1H, d, J = 8.8 Hz), 7.52 (1H, d, J = 8.8 H), 7.67 (1H, s), 7.95 (1H, s).
【0120】
c)エチル シス−4−(5−エチル−1H−インダゾール−1−イル)シクロヘキサンカルボキシレート(Q16)の製造
上記の実験で得られた化合物Q15(3.00g)、水酸化パラジウム(II)/炭素(20%、300mg)のエタノール反応溶液(80mL)を水素雰囲気下、常温にて16時間攪拌した。反応終了後、セライトで濾過し、溶媒を留去することにより化合物Q16(2.80g)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3): 1.29 (7H, m), 1.76 (2H, m), 2.00 (2H, m), 2.27 (2H, m), 2.41 (2H, m), 2.70-2.80 (3H, m), 4.25 (1H, q, J = 7.6 Hz), 4.48 (1H, m), 7.23 (1H, d, J = 8.8 Hz), 7.38 (1H, d, J = 8.8 Hz), 7.53 (1H, s), 7.92 (1H, s).
【0121】
d)シス−4−(5−エチル−1H−インダゾール−1−イル)シクロヘキサンカルボン酸(参考例5)の製造
上記の実験で得られた化合物Q16(2.00g)、水酸化リチウム(32mg)のメタノール反応溶液(5mL)に 水(5mL)、THF(5mL)を加え常温で7時間攪拌した。反応終了後、溶媒を留去した後、水(30mL)を加え、10%塩酸水にてpHを5〜6とし、酢酸エチルで抽出した。溶媒を留去し参考例5を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3): 1.25 (3H, t, J = 7.6 Hz), 1.76 (2H, m), 1.75 (2H, m), 1.98 (2H, m), 2.25-2.50 (4H, m), 2.70-2.83 (3H, m), 4.45 (1H, m), 7.23 (1H, d, J = 8.8 Hz), 7.37 (1H, d, J = 8.8 Hz), 7.51 (1H, s), 7.95 (1H, s).
【0122】
参考例6
5−(
2H
3)メチル−1−(ピペリジン−4−イル)−1H−インダゾール・塩酸塩
【化14】
a)tert−ブチル 4−(5−ブロモ−1H−インダゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(化合物Q17)の製造
tert−ブトキシカリウム(37.25g)のテトラヒドロフラン懸濁液(1000mL)に5−ブロモインダゾール(54.52g)を添加し、室温で15分間攪拌した。反応溶液にtert−ブチル 4−(メチルスルホニルオキシ)ピペリジン−1−カルボキシレート(98.74g)を添加した後、反応溶液を1日間加熱還流した。反応終了後、酢酸エチル−水で分液抽出し、得られた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥した。得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;酢酸エチル:ヘキサン=1:3)で精製することにより化合物Q17(45.68g)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3): 1.49 (9H, s), 2.00 (2H, m), 2.21 (2H, m), 2.96 (2H, m), 4.31 (2H, m), 4.52 (1H, m), 7.34 (1H, d, J = 8.8 Hz), 7.45 (1H, d, J = 1.7 Hz, 8.8 Hz), 7.88 (1H, d, J = 1.7 Hz), 7.94 (1H, s).
【0123】
b)tert−ブチル 4−[5−(
2H
3)メチル−1H−インダゾール−1−イル]ピペリジン−1−カルボキシレート(化合物Q18)の製造
化合物Q17(5.70g)の無水テトラヒドロフラン溶液(60mL)に−78℃においてn−ブチルリチウム(2.6mol/L、n−ヘキサン溶液、7.61mL)を滴下した。反応溶液を−78℃にて3時間攪拌した後、−78℃にて重水素化ヨウ化メチル(4.35g)を添加した。常温にて16時間攪拌後、氷冷下、飽和塩化アンモニウム水溶液を添加した。酢酸エチル−水で分液抽出し、得られた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥した。得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;酢酸エチル:ヘキサン=5:2)で精製することにより化合物Q18(3.64g)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3): 1.49 (9H, s), 2.02 (2H, t, J = 10.5 Hz), 2.22 (2H, m), 2.96 (2H, m), 4.31 (2H, s), 4.54 (1H, m), 7.21 (1H, m), 7.34 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.50 (1H, m), 7.90 (1H, s).
【0124】
c)5−(
2H
3)メチル−1−(ピペリジン−4−イル)−1H−インダゾール・塩酸塩(参考例6)の製造
化合物Q18(225mg)のジオキサン溶液(3mL)に室温にて4mol/L塩酸−ジオキサン(3.3mL)を加え、55℃にて2時間攪拌した。反応終了後、溶媒を減圧留去し、参考例6(225mg)を得た。
【0125】
参考例7
4−(4−エトキシ−5−メチル−1H−インダゾール−1−イル)ピペリジン塩酸塩の製造
【化15】
a)2−(ベンジルオキシ)−3−ブロモ−6−フルオロベンズアルデヒド(化合物Q20)の製造
2−ブロモ−5−フルオロフェノール(10g)のアセトン(100mL)溶液に炭酸カリウム(8.68g)及び臭化ベンジル(7.51mL)を加え、18時間加熱還流した。反応液を室温に戻した後、不溶物をろ去し、化合物Q19を粗生成物として得た。
ジイソプロピルアミン(2.88mL)の無水テトラヒドロフラン(40mL)溶液を−78℃に冷却し、n−ブチルリチウム(2.6mol/L、n−ヘキサン溶液、6.19mL)を滴下した。−78℃にて10分間攪拌した後、化合物Q19(4.10g)の無水テトラヒドロフラン(10mL)溶液を15分間かけて滴下した。反応液を−78℃にて1時間攪拌した後、ジメチルホルムアミド(1.25mL)を加え、同温にて5分間攪拌した。反応液を室温に戻し、飽和塩化アンモニウム水溶液(100mL)を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣を酢酸エチル/ヘキサンの混合液より再結晶することにより化合物Q20(3.08g)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3) δ: 5.03 (2H, s), 6.78-6.90 (1H, m), 7.22-7.51 (5H, m), 7.64-7.78 (1H, m), 10.14 (1H, s).
【0126】
b)4−(ベンジルオキシ)−5−ブロモ−1H−インダゾール(化合物Q21)の製造
化合物Q20(3.0g)の1,2−ジメトキシエタン(15mL)溶液に炭酸カリウム(1.47 g)及びO−メチルヒドロキシアミン塩酸塩(810mg)を加え、室温にて5時間攪拌した。不溶物をろ去し、溶媒を減圧留去した後、残渣に1,2−ジメトキシエタン(15mL)及びヒドラジン水和物(15mL)を加え、21時間加熱還流した。反応液を室温に戻し、1,2−ジメトキシエタン層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=100:0〜40:60)で精製することにより化合物Q21(1.37g)を得た。
1H-NMR (300 MHz, CDCl
3) δ: 5.40 (2H, s), 7.06-7.16 (1H, m), 7.30-7.62 (6H, m), 8.06 (1H, s), 10.58 (1H, br s).
【0127】
c)tert−ブチル 4−[4−(ベンジルオキシ)−5−ブロモ−1H−インダゾール−1−イル]ピペリジン−1−カルボキシレート(化合物Q22)の製造
水素化ナトリウム(271mg)の無水ジメチルホルムアミド(20mL)懸濁液に化合物Q21(1.37g)を加え、室温にて5分間攪拌した。反応液にtert−ブチル 4−(メチルスルホニルオキシ)ピペリジン−1−カルボキシレート(1.89g)を加え、80℃にて2時間攪拌した。反応液を室温に戻し、水(100mL)を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=100:0〜50:50)で精製することにより化合物Q22(1.26g)を得た。
1H-NMR (300 MHz, CDCl
3) δ: 1.49 (9H, s), 1.92-2.08 (2H, m), 2.09-2.29 (2H, m), 2.84-3.06 (2H, m), 4.19-4.39 (2H, m), 4.41-4.58 (1H, m), 5.39 (2H, s), 7.00-7.08 (1H, m), 7.28-7.60 (6H, m), 7.99 (1H, s).
【0128】
d)tert−ブチル 4−[4−(ベンジルオキシ)−5−メチル−1H−インダゾール−1−イル]ピペリジン−1−カルボキシレート(化合物Q23)の製造
化合物Q22(1.2g)及びビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム(63mg)の無水テトラヒドロフラン(12mL)溶液に窒素雰囲気下、塩化メチル亜鉛(0.5mol/L、テトラヒドロフラン溶液、1.24mL)を滴下し、室温にて24時間攪拌した。反応液に水(50mL)を加え、不溶物をろ去した。ろ液を酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=100:0〜50:50)で精製することにより化合物Q23(981mg)を得た。
1H-NMR (300 MHz, CDCl
3) δ: 1.92-2.09 (2H, m), 2.11-2.41 (2H, m), 2.32 (3H, s), 2.83-3.10 (2H, m), 4.19-4.61 (3H, m), 5.33 (2H, s), 7.01-7.09 (1H, m), 7.14-7.23 (1H, m), 7.32-7.55 (5H, m), 8.02 (1H, s).
【0129】
e)tert−ブチル 4−(4−エトキシ−5−メチル−1H−インダゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(化合物Q25)の製造
化合物Q23(981mg)のエタノール/酢酸エチル(3/1、20mL)溶液に水酸化パラジウム炭素(100mg)を加え、水素雰囲気下16時間攪拌した。反応液をセライトろ過し、ろ液を減圧留去した。得られた粗生成物Q24をアセトン(10mL)に加え、炭酸カリウム(817mg)及びヨウ化エチル(0.284mL)を加えて24時間加熱還流した。反応液を室温に戻し、不溶物をろ去し、ろ液を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=100:0〜20:80)で精製することにより化合物Q25(611mg)を得た。
1H-NMR (300 MHz, CDCl
3) δ: 1.46 (3H, t, J = 7.1 Hz), 1.94-2.07 (2H, m), 2.13-2.27 (2H, m), 2.32 (3H, s), 2.85-3.04 (2H, m), 4.21-4.43 (2H, m), 4.37 (2H, q, J = 7.1 Hz), 4.43-4.55 (1H, m), 6.98-7.04 (1H, m), 7.15-7.20 (1H, m), 8.02 (1H, s).
【0130】
f)4−エトキシ−5−メチル−1−(ピペリジン−4−イル)−1H−インダゾール塩酸塩(参考例7)の製造
化合物Q25(611mg)の酢酸エチル(15mL)溶液に4mol/L塩酸−ジオキサン(1.8mL)を加え、室温にて3時間攪拌した。溶媒を減圧留去し、残渣を酢酸エチルで洗浄し、析出した結晶をろ取することにより参考例7(420mg)を得た。
1H-NMR (300 MHz, DMSO-D
6) δ: 1.36 (3H, t, J = 7.0 Hz), 1.98-2.14 (2H, m), 2.17-2.41 (2H, m), 2.23 (3H, s), 2.99-3.22 (2H, m), 3.32-3.50 (2H, m), 4.34 (2H, q, J = 7.0 Hz), 4.81-4.98 (1H, m), 7.16-7.29 (2H, m), 8.17 (1H, s), 8.79-9.03 (1H, m), 9.06-9.29 (1H, m).
【0131】
実施例1
N−
(トランス−4−メトキシシクロヘキシル)−4−(5−メチル−1H−インダゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド
【化16】
参考例1(600mg)のDMF溶液(5mL)にトランス−フェニル−4−メトキシシクロヘキサンカルバメート(564mg)、ジイソプロピルエチルアミン(1.24mL)を加え、70℃で16時間加熱攪拌した。反応終了後、酢酸エチル−水で分液抽出し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧留去し、得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;酢酸エチル)で精製することにより実施例1(564mg)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3): 1.16 (2H, m), 1.36 (2H, m), 2.06 (6H, m), 2.25 (2H, m), 2.46 (3H, s), 2.93-3.21 (3H, m), 3.35 (3H, s), 3.68 (1H, m), 4.10 (2H, m), 4.28 (1H, m), 4.55 (2H, m), 7.21 (1H, d, J = 8,8 Hz), 7.34 (1H, d, J = 8,8 Hz), 7.50 (1H, s), 7.90 (1H, s).
【0132】
実施例2
4−(3−エトキシ−5−エチル−1H−インダゾール−1−イル)−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド
【化17】
上記の実験で得られた参考例2(136mg)のDMF溶液(3mL)にフェニル−4−ピランカルバメート(97mg)、ジイソプロピルエチルアミン(307μL)を加え、70℃で16時間加熱攪拌した。反応終了後、酢酸エチル−水で分液抽出し、得られた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧留去し、得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;酢酸エチル)で精製することにより実施例2(71mg)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3): 1.28 (3H, t, J = 7.2 Hz), 1.48 (7H, m), 1.99 (2H, m), 2.21 (2H, m), 2.74 (2H, q, J = 7.2 Hz), 3.03 (2H, m), 3.51 (2H, m), 3.98 (3H, m), 4.12 (2H, m), 4.30-4.50 (3H, m), 4.58 (1H, m), 7.23 (2H, m), 7.48 (1H, s).
【0133】
実施例3
(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)(4−(5−エトキシ−1H−インダゾール−1−イル)ピペリジン−1−イル)メタノン
【化18】
上記の実験で得られた参考例3(25mg)、EDCI塩酸塩(25mg)、HOBt(17mg)、ジイソプロピルエチルアミン(62μL)のDMF 溶液(1.0mL)に4,4−ジフルオロシクロヘキサンカルボン酸(14mg)を添加し、常温で1日攪拌した。反応終了後、ジクロロメタン−水で分液抽出し、得られた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;酢酸エチル:ヘキサン=2:1)で精製することで実施例3(18mg)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3): 1.38 (3H, t, J = 7.0 Hz), 1.87-1.66 (6H, m), 2.16-2.02 (6.6H, m), 2.56 (1H, s), 2.77 (1H, s), 3.23 (1H, s), 3.99 (3H, q, J = 7.0 Hz), 4.53 (1H, m), 4.70 (1H, m), 7.00 (2H, m), 7.26 (1H, m), 7.82 (1H, s).
【0134】
実施例4
N−(シス−4−(5−エチル−1H−インダゾール−1−イル)シクロヘキシル)−4,4−ジフルオロシクロへキサンカルボキサミド
【化19】
上記の実験で得られた化合物 参考例4(94mg)、EDCI塩酸塩(95mg)、HOBt(66mg)、ジイソプロピルエチルアミン(236μL)のDMF溶液(2.0mL)に4,4−ジフルオロシクロヘキサンカルボン酸(55mg)を添加し、常温で1日攪拌した。反応終了後、ジクロロメタン−水で分液抽出し、得られた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;酢酸エチル:ヘキサン=2:1)で精製することで実施例4(72mg)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3): 1.30 (3H, t, J = 7.6 Hz), 1.65-2.08 (12H, m), 2.10-2.30 (5H, m), 2.78 (2H, q, J = 7.6 Hz), 4.25 (1H, m), 4.51 (1H, m), 5.81 (1H, m), 7.26 (1H, d, J = 8.8 Hz), 7.54 (1H, d, J = 8.4 Hz), 7.55 (1H, s), 7.96 (1H, s).
【0135】
実施例5
1−(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)−3−(シス−4−(5−エチル−1H−インダゾール−1−イル)シクロヘキシル)ウレア
【化20】
上記の実験で得られた参考例4(131mg)のDMF溶液(3mL)にフェニル 4,4−ジフルオロシクロヘキサンカルバメート(119 mg)、ジイソプロピルエチルアミン(328μL)を加え、70℃で16時間加熱攪拌した。反応終了後、酢酸エチル−水で分液抽出し、得られた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧留去し、得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;酢酸エチル)で精製することにより実施例5(24mg)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3): 1.25 (3H, t, J = 7.6 Hz), 1.50 (2H, m), 1.70-2.25 (13H, m), 2.75 (2H, q, J = 7.6 Hz), 3.65 (1H, m), 4.08 (1H, m), 4.45 (1H, m), 4.55 (1H, m), 5.00 (1H, m), 7.25 (1H, d, J = 8.8 Hz), 7.45 (1H, d, J = 8.4 Hz), 7.51 (1H, s), 7.93 (1H, s).
【0136】
実施例6
シス−N−(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)−4−(5−エチル−1H−インダゾール−1−イル)シクロヘキサンカルボキサミド
【化21】
上記の実験で得られた化合物 参考例5(155mg)、EDCI塩酸塩(107mg)、HOBt(74mg)、ジイソプロピルエチルアミン(399μL)のDMF溶液(3.0 mL)に4,4−ジフルオロシクロヘキシルアミン(77mg)を添加し、常温で1日攪拌した。反応終了後、ジクロロメタン−水で分液抽出し、得られた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;酢酸エチル:ヘキサン=2:1)で精製することで実施例6(127mg)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3): 1.26 (3H, t, J = 7.2 Hz), 1.50 (2H, m), 1.70-2.22 (12H, m), 2.30-2.48 (3H, m), 2.72 (2H, q, J = 7.2 Hz), 3.92 (1H, m), 4.52 (1H, m), 5.45 (1H, m), 7.21 (1H, d, J = 8.8 Hz), 7.37 (1H, d, J = 8.8 Hz), 7.49 (1H, s), 7.87 (1H, s).
【0137】
実施例7〜101
対応する原料化合物を用いて実施例1〜2と同様に反応・処理し、表1に示す化合物を得た。
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表1-5】
【表1-6】
【0138】
実施例102〜118
対応する原料化合物を用いて実施例3と同様に反応・処理し、表2に示す化合物を得た。
【表2】
【0139】
実施例119〜126
対応する原料化合物を用いて実施例4、5と同様に反応・処理し、表3に示す化合物を得た。
【表3】
【0140】
実施例127〜131
対応する原料化合物を用いて実施例6と同様に反応・処理し、表4に示す化合物を得た。
【表4】
【0141】
実施例132〜141
対応する原料化合物を用いて実施例3と同様に反応・処理し、表5に示す化合物を得た。
【表5】
【0142】
実施例142及び143
対応する原料化合物を用いて実施例1、2と同様に反応・処理し、表6に示す化合物を得た。
【表6】
【0143】
実施例144
N−(トランス−4−メトキシシクロヘキシル)−4−[5−(
2H
3)メチル−1H−インダゾール−1−イル]ピペリジン−1−カルボキサミド
【化22】
参考例6(225mg)のアセトニトリル溶液(5mL)にトランス−フェニル−4−メトキシシクロヘキサンカルバメート(176mg)、ジイソプロピルエチルアミン(0.62mL)を加え、80℃で16時間加熱攪拌した。反応終了後、酢酸エチル−水で分液抽出し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧留去し、得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;酢酸エチル)で精製することにより実施例144(127mg)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3): 1.16 (2H, m), 1.36 (2H, m), 2.07 (6H, m), 2.25 (2H, m), 2.46 (3H, s), 2.97-3.07 (2H, m), 3.13 (1H, m), 3.35 (3H, s), 3.68 (1H, m), 4.11 (2H, m), 4.31 (1H, m), 4.55 (2H, m), 7.21 (1H, dd, J = 1.7 Hz, 8,6 Hz), 7.34 (1H, d, J = 8,8 Hz), 7.50 (1H, m), 7.90 (1H, s).
LC-MS:[M+H]
+ /Rt (min) = 374.4/4.63 (Method A)
【0144】
実施例145
4−(4−エトキシ−5−メチル−1H−インダゾール−1−イル)−N−(トランス−4−メトキシシクロヘキシル)ピペリジン−1−カルボキサミド
【化23】
参考例7(89mg)及びジイソプロピルエチルアミン(0.156mL)のアセトニトリル(4mL)溶液にトランス−フェニル−4−メトキシシクロヘキサンカルバメート(75mg)を加え、80℃にて17時間攪拌した。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=40:60〜1:100)で精製した後、再結晶(酢酸エチル:ヘキサン)することにより実施例145(61mg)を得た。
1H-NMR (300 MHz, CDCl
3) δ: 1.04-1.56 (4H, m), 1.46 (3H, t, J = 7.0 Hz), 1.94-2.41 (8H, m), 2.32 (3H, s), 2.92-3.21 (3H, m), 3.35 (3H, s), 3.59-3.77 (1H, m), 4.02-4.18 (2H, m), 4.29 (1H, d, J = 7.2 Hz), 4.37 (2H, q, J = 7.0 Hz), 4.43-4.60 (1H, m), 6.96-7.04 (1H, m), 7.13-7.21 (1H, m), 8.01 (1H, s).
【0145】
実施例146〜303
対応する原料化合物を用いて実施例1、2、144及び145と同様に反応・処理し、表7に示す化合物を得た。
【表7-1】
【表7-2】
【表7-3】
【表7-4】
【表7-5】
【表7-6】
【表7-7】
【表7-8】
【表7-9】
【表7-10】
【表7-11】
【0146】
試験例
以下に、本発明の代表的化合物の薬理試験結果を示し、該化合物についての薬理作用を説明するが、本発明はこれらの試験例に限定されるものではない。
【0147】
試験例1.ヒトα7 nACh受容体安定発現細胞を用いたPAM活性評価
(1)ヒトα7 nAChR安定発現細胞
ヒトα7 nAChR安定発現細胞を作製し、培養に供した。具体的には、宿主細胞としてラット下垂体由来GH4C1細胞(cat#CCL-82.2, ATCC, USA)を用いた。GenBank BAC81731の蛋白をコードする塩基配列を挿入したpcDNA3.1Zeoベクターの導入、及びヒトα7 nAChR遺伝子を挿入したpcDNA3.1ベクター(cat#V790-20, invitrogen, Carlsbad,CA,USA)の導入によりエクオリン及びヒトα7 nAChR安定発現細胞を得た。選別にはそれぞれZeocin (cat#R25001, invitrogen, Carlsbad,CA,USA)及びGeneticin(cat#10131-027, invitrogen, Carlsbad,CA,USA)を用いた。
培地には2.5%ウシ胎児血清(cat#2917354, ICN Biomedicals, Inc, USA)、15%非働化ウマ血清(cat#26050-088, invitrogen, Carlsbad,CA,USA)、1μg/mL Geneticin、5μg/mL Puromycin(cat#14861-84, invitrogen, Carlsbad,CA,USA)を含むF-10 Nutrient Mixture(Ham)培地(cat#11550-043, invitrogen, Carlsbad,CA,USA)を用い、コラーゲンType1コートディッシュ(cat#4030-010, iwaki, Tokyo, Japan)にて培養を行った。培養中、2−3日毎に培地交換を行い、7日毎にTrypLE Express(cat# 45604-021, invitrogen, Carlsbad,CA,USA)処理にて細胞を回収し、継代培養を行った。
継代から7日後、約80%コンフルエントな状態でTrypLE Express処理にて細胞を回収し、Hanks (cat#14065-056, invitrogen, Carlsbad,CA,USA)/20mmol/L Hepes(cat#15630-080, invitrogen, Carlsbad,CA,USA) Buffer (pH7.4)、F-10 Nutrient Mixture (Ham)、0.1mg/mL Geneticinからなる反応培地にて20000 cells/25μL/wellとなるように懸濁し、384 wellプレート(cat#781090, Greiner,Germany)に播種した。
播種翌日、Viviren(cat#E649X, Promega, Madison,WI,USA)を終濃度4μmol/Lとなるように添加し(15μL/well)、遠心後4時間室温、遮光下で静置した。
【0148】
(2)試験化合物の調製
試験化合物は最終濃度の1000倍濃度のDMSO溶液を作製し、この溶液をHanks/20 mM HEPES/0.2% BSA(cat#A3803, Sigma,St.Louis, MO, USA)にて最終濃度の6倍濃度に調製した。
【0149】
(3)PAM活性評価
α7 nAChR刺激による発光シグナルの検出にはFDSS7000(浜松ホトニクス)を用いた。細胞及び発光基質を添加したプレートに試験化合物を添加し、150秒後に単独処置でEC
20を示す濃度のAChを添加した。ACh添加後138秒間発光シグナル(中心波長:465 nm)を測定してRLU(Max−Min)を算出し、コントロールwellと試験化合物添加wellとのRLU(Max−Min)の比をPAM活性とした。代表的化合物のα7 PAM活性のデータを表8に示す。
【0150】
【表8-1】
【表8-2】
【表8-3】
【0151】
表8に示すように、本発明の化合物はPAM活性評価試験においてα7 nAChRのPAM活性を有した。特に、実施例4、8、13、17、18、20、23、40、41、119及び220は、より強いPAM活性を示した。
【0152】
試験例2.hERG阻害試験
自動パッチクランプ装置 QPatch HT(Sophion Bioscience A/S)を用いて、ホールセルパッチクランプ法により、hERG(human ether-a-go-go)遺伝子を安定発現させたCHO細胞おけるhERGカリウム電流を記録した。hERG電流は、ボルテージクランプモードで膜電位を−80mVに保持し、20ミリ秒間−50mVにした後5秒間+20mVに脱分極させ、続いて5秒間−50mVに再分極させた時のテール電流の振幅を評価した。刺激は15秒おきに繰り返し行い、実験は室温(22±2℃)で行った。化合物は1細胞あたり4濃度を各濃度5分間累積投与し、各濃度における化合物適応前の電流の大きさと較べて阻害された電流の阻害率を算出し、Hill式により50%阻害濃度を計算した(IC
50[μmol/L])。試験溶液は以下のものを用いた。:細胞外溶液(mmol/L):2 CaCl
2、1 MgCl
2、10 HEPES、4 KCl、145 NaCl、10グルコース、細胞内溶液(mmol/L):5.4 CaCl
2、1.8 MgCl
2、10 HEPES、31 KOH、10 EGTA、120 KCl、4 ATP
【0153】
実施例化合物を用いて、試験例2に従って行ったhERG阻害試験の結果を以下に示す。
【表9】
【0154】
試験例3.反応性代謝物試験
化合物から肝ミクロソームでの代謝により生成する代謝物のうちダンシル化グルタチオン(dGSH)と反応するものを検出し定量した。代謝物-ダンシル化グルタチオン結合物濃度の測定は蛍光検出UPLCシステム(Waters社製UPLC)を用いて行った。
【0155】
実施例化合物を用いて、試験例3に従って行った反応性代謝物試験の結果を以下に示す。
【表10】
【0156】
試験例4.ラットPK試験
7週齢のラットに対して、本発明化合物を生理食塩水溶液にて静脈投与又はメチルセルロース水溶液にて経口投与し、それぞれ以下の時間で血液を採取した。
静脈投与:5分、15分、30分、1時間、2時間、4時間、6時間及び24時間
経口投与:15分、30分、1時間、2時間、4時間、6時間及び24時間
採取した血液を4℃に設定した冷却遠心分離機をもちいて3000rpm×10分間遠心分離することで得た血漿をHPLCにて測定し、得られたタイムカーブを元に薬物動態パラメーターを算出した。
【0157】
この試験により本発明化合物が薬物動態的に優れていることを証明することができ、例えば実施例1の化合物の生物学的利用率は41%、実施例163の化合物の生物学的利用率は41%、実施例227の化合物の生物学的利用率は69%であった。
【0158】
試験例5.蛋白結合率の測定
96 well Equilibrium Dialyzer MW10K(HARVARD APPARATUS)を用いて,平衡透析法により血清中タンパク結合率の測定を行った。ヒト血清は凍結ヒト血清プールド(コスモバイオ,No.12181201)を,緩衝液はPBS pH 7.4(GIBCO,No.10010-023l)を用いた。
【0159】
この試験により本発明化合物の蛋白結合率が低いことを証明することができ、例えば実施例1の化合物の血漿中での蛋白結合率は 84.7%、脳内での蛋白結合率は91.9%であった。
【0160】
試験例6.脳内移行性の測定
血漿及び脳ホモジネートをメタノールで除蛋白後遠心分離し,その上清のフィルターろ過後の試料をLC−MS/MSを用いて定量することにより,血漿及び脳内濃度を求めた。
【0161】
この試験により本発明化合物が脳内移行性に優れていること証明することができ、例えば実施例1の化合物の脳内濃度/血漿中濃度比は1.27、実施例163の化合物の脳内濃度/血漿中濃度比は2.01、実施例227の化合物の脳内濃度/血漿中濃度比は1.92、実施例258の化合物の脳内濃度/血漿中濃度比は1.55であった。
【0162】
試験例7.マウス新奇物体認識試験を用いた認知機能評価(以下mORTとする)
体重25−30gのSlc:ddYマウス(雄性、日本エスエルシー)を用いた新奇物体認識試験において、第一試行(トレーニング)と第二試行(テスト)の間隔時間依存的に、既知物体に対する記憶低下が認められ、24時間後に第二試行を行った場合、顕著な忘却が認められる。そこで本発明化合物を第一試行前に投与し、第2試行における記憶増強作用を評価した。
【0163】
この試験により本発明化合物は極めて低用量から、持続的に認知機能改善効果を有することを証明することができ、例えば実施例1の化合物は最小有効用量が0.1mg/kgであり、0.3mg/kg、1.0mg/kg、3mg/kgにおいても薬効の減弱は認められなかった。また、実施例74の化合物は最小有効用量が0.1mg/kgであり、0.3mg/kg、1.0mg/kg、3mg/kgにおいても薬効の減弱は認められなかった。また、実施例63の化合物は3mg/kg、実施例66の化合物は1mg/kgにおいて薬効が認められた。
【0164】
試験例8.ラットY字型迷路試験を用いた認知障害の改善評価(以下 Y−maze試験とする)
280−300gのSlc:Wistarラット(雄性、日本エスエルシー)を用いたY字型迷路試験において、0.6mg/kgのScopolamine HBr(cat#S0929, Sigma Aldrich, Japan)皮下投与により記憶障害が惹起され、自発交替行動率の低下が認められる。そこで本発明化合物を前処置し、記憶障害改善作用を評価した。
【0165】
この試験により本発明化合物は極めて低用量から、持続的に認知機能改善効果を有することを証明することができ、例えば実施例1の化合物は0.3mg/kgより有意に認知機能を改善した。また、実施例74の化合物は0.3mg/kgより有意に認知機能を改善した。実施例63の化合物は0.3mg/kgより認知機能改善傾向が認められた。