(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6088586
(24)【登録日】2017年2月10日
(45)【発行日】2017年3月1日
(54)【発明の名称】逆導通パワー半導体デバイス
(51)【国際特許分類】
H01L 29/74 20060101AFI20170220BHJP
H01L 29/861 20060101ALI20170220BHJP
H01L 29/868 20060101ALI20170220BHJP
H01L 29/744 20060101ALI20170220BHJP
【FI】
H01L29/74 G
H01L29/74 V
H01L29/74 W
H01L29/91 C
H01L29/74 C
【請求項の数】15
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-127590(P2015-127590)
(22)【出願日】2015年6月25日
(65)【公開番号】特開2016-9871(P2016-9871A)
(43)【公開日】2016年1月18日
【審査請求日】2015年6月25日
(31)【優先権主張番号】14174099.3
(32)【優先日】2014年6月26日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】508346767
【氏名又は名称】アーベーベー・テクノロジー・アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ムナフ・ラヒモ
(72)【発明者】
【氏名】マーチン・アルノルト
(72)【発明者】
【氏名】ヤン・ボベッキィ
(72)【発明者】
【氏名】ウマーマヘーシュワラ・ベムラパティ
【審査官】
棚田 一也
(56)【参考文献】
【文献】
特表2013−543260(JP,A)
【文献】
特開2005−191388(JP,A)
【文献】
特開平07−111325(JP,A)
【文献】
特開昭61−232671(JP,A)
【文献】
特開平07−086567(JP,A)
【文献】
特開平07−176720(JP,A)
【文献】
特開平07−130984(JP,A)
【文献】
特開2000−323488(JP,A)
【文献】
特開平07−273354(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 29/74
H01L 29/744
H01L 29/861
H01L 29/868
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の主要な側(11)と、前記第1の主要な側(11)に平行に配置された第2の主要な側(15)とを有するウェハ(10)を備えた逆導通パワー半導体デバイス(1)であって、前記デバイスは、複数のダイオードセル(96)と、複数のGCTセル(91)とを備え、各々のGCTセル(91)は、前記第1の主要な側(11)と前記第2の主要な側(15)との間に、
サイリスタカソード電極(2)、
第1の導電型のサイリスタカソード層(4)、
前記第1の導電型とは異なる第2の導電型のサイリスタベース層(6)、
前記第1の導電型のドリフト層(3)、
前記第1の導電型のサイリスタバッファ層(8)、
前記第2の導電型のサイリスタアノード層(5)、
サイリスタアノード電極(25)、の順序で層を備え、
各々のGCTセル(91)は、前記サイリスタカソード層(4)の側方に配置され、前記サイリスタベース層(6)によって前記サイリスタカソード層(4)から分離されたゲート電極(7)をさらに備え、
各々のダイオードセル(96)は、前記第1の主要な側(11)のダイオードアノード電極(28)と、前記ドリフト層(3)によって前記サイリスタベース層(6)から分離された前記第2の導電型のダイオードアノード層(55)と、前記ドリフト層(3)と、前記第2の主要な側(15)に前記サイリスタアノード層(5)と交互に配置された前記第1の導電型のダイオードカソード層(45)と、ダイオードカソード電極とを備え、
前記デバイスは、少なくとも1つの混合部分(99)を備え、前記混合部分(99)では、前記ダイオードセル(96)の前記ダイオードアノード層(55)が、前記GCTセル(91)の前記第1のカソード層(4)と交互になっており、
少なくとも1つのダイオードセル(96)では、前記第1の主要な側(11)から少なくとも前記ダイオードアノード層(55)の厚みの90%の深さまで前記ダイオードアノード層(55)の側方側を覆うように、前記ダイオードアノード層(55)と前記ドリフト層(3)との間に前記第1の導電型のダイオードバッファ層(32)が配置されることを特徴とする、デバイス(1)。
【請求項2】
前記ダイオードバッファ層(32)は、前記ダイオードアノード層(55)を完全に覆うことを特徴とする、請求項1に記載のデバイス(1)。
【請求項3】
前記ダイオードアノード層(55)は、3〜30μmまたは10〜20μmまたは10〜15μmの厚みを有することを特徴とする、請求項1または2に記載のデバイス(1)。
【請求項4】
前記サイリスタベース層(6)は、前記ダイオードアノード層(55)の前記厚みよりも大きな厚みを有することを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載のデバイス(1)。
【請求項5】
前記サイリスタベース層(6)は、前記ダイオードアノード層(55)の前記厚みよりも3〜10倍大きな厚みを有することを特徴とする、請求項4に記載のデバイス(1)。
【請求項6】
前記サイリスタベース層(6)は、20〜120μmの範囲の厚みを有することを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載のデバイス(1)。
【請求項7】
前記ダイオードバッファ層(32)は、せいぜい2×1012cm−2のシートキャリア濃度を有することを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載のデバイス(1)。
【請求項8】
前記ダイオードバッファ層(32)は、せいぜい2×1016cm−3またはせいぜい1×1015cm−3の最大キャリア濃度を有することを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載のデバイス(1)。
【請求項9】
前記ダイオードアノード層(55)は、1×1016〜1×1018cm−3または5×1016〜5×1017cm−3の範囲の最大キャリア濃度を有することを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項に記載のデバイス(1)。
【請求項10】
前記サイリスタベース層(6)は、前記ダイオードアノード層(55)の最大キャリア濃度よりも高い最大キャリア濃度を有することを特徴とする、請求項1から9のいずれか1項に記載のデバイス(1)。
【請求項11】
前記サイリスタベース層(6)は、少なくとも5×1016cm−3または1×1017〜1×1018cm−3の範囲の最大キャリア濃度を有することを特徴とする、請求項1から10のいずれか1項に記載のデバイス(1)。
【請求項12】
前記デバイス(1)は、少なくとも1つのパイロットGCT部分(9)を備え、前記パイロットGCT部分(9)は、間にダイオードアノード層(55)を有することなく互いに直接隣接して配置された複数の第1のカソード層(4)およびゲート電極(7)を備えることを特徴とする、請求項1から11のいずれか1項に記載のデバイス(1)。
【請求項13】
前記ダイオードアノード層(55)は、前記混合部分(99)においてウェハ領域にわたって均一に分散されることを特徴とする、請求項1から12のいずれか1項に記載のデバイス(1)。
【請求項14】
前記GCTセル(91)の第1の主要な側の部分に対する、または、前記GCTセル(91)の2つの隣接する第1の主要な側の部分の間の、前記ダイオードセル(96)の第1の主要な側の部分のうちの少なくとも1つまたは全ては、前記第1の主要な側(11)に平行な平面において互いに50μmから500μmまでの最大横方向距離を有することを特徴とする、請求項1から13のいずれか1項に記載のデバイス(1)。
【請求項15】
直接隣接する前記GCTセル(91)の前記サイリスタカソード層(4)の直交突出領域によってせいぜい限定される領域では、前記ダイオードカソード層(45)は、ダイオードアノード層(55)に対して直交突出して配置されることを特徴とする、請求項1から14のいずれか1項に記載のデバイス(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パワー半導体デバイスの分野に関する。本発明は、請求項1に係る逆導通パワー半導体デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
逆導通逆導通GCT(RC−GCT)では、単一のパワー半導体デバイス内で1つ以上のゲート転流サイリスタ(gate commutated thyristor:GCT)と1つ以上のダイオードとが組合わせられる。バイモードゲート転流サイリスタ(bi-mode gate commutated thyristor:BGCT)は、単一の半導体ウェハ内に、互いに並列に電気的に接続された複数のゲート転流サイリスタ(GCT)領域と、GCTセル間に分散された複数のダイオードセルとを備えるRC−GCTである。また、ダイオードセルは、反対の順方向ではあるが、互いにおよびGCTセルに並列に電気的に接続される。
【0003】
半導体ウェハ内に設けられたダイオードセルにより、BGCTをダイオードモードで動作させることが可能になり、その結果、パワーエレクトロニクスでの複数の適用例に必要とされるBGCTの逆導電性が提供される。
【0004】
先行技術のBGCTはWO2012/041958 A2に記載されており、WO2012/041958 A2は全文が引用によって本明細書に援用される。
図1は、WO2012/041958 A2からの先行技術のBGCTの断面図である。
【0005】
先行技術のBGCT1′は、第1の主要な側11と第2の主要な側15とを有する半導体ウェハを備え、上記第2の主要な側15は、第1の主要な側11に平行に配置され、当該半導体ウェハはさらに、n−をドープしたドリフト層3を有し、当該ドリフト層3は、第1の主要な側11と第2の主要な側15との間に位置し、第1の主要な側11および第2の主要な側15に平行な方向に延びている。先行技術のBGCT1′は、複数のGCTセル91をさらに備え、各々のGCTセル91は、第1の主要な側11と第2の主要な側15との間に、nをドープしたサイリスタカソード層4、pをドープしたサイリスタベース層6、(ドリフト層3の一部である)サイリスタドリフト層3′、nをドープしたサイリスタバッファ層8およびp+をドープしたサイリスタアノード層5の順序でウェハに層を備えている。GCTセル91はさらに、第1の主要な側11で各々のサイリスタカソード層4の上に配置されたサイリスタカソード電極2と、第2の主要な側15で各々のサイリスタアノード層5の上に配置されたサイリスタアノード電極25と、サイリスタカソード電極2およびサイリスタカソード層4の側方であるがサイリスタカソード電極2およびサイリスタカソード層4から分離した状態で各々のサイリスタベース層6の上に配置された複数のゲート電極7とを備えている。それは、pをドープしたサイリスタベース層6と接触している。
【0006】
BGCT1′は、複数のダイオードセル96をさらに備え、当該複数のダイオードセル96は、第1の主要な側11と第2の主要な側15との間に、pをドープしたダイオードアノード層55、(ドリフト層3の一部である)ダイオードドリフト層3″、第2の主要な側15に隣接してサイリスタアノード層5と交互に配置されたnをドープしたダイオードカソード層45の順序で半導体ウェハに層を備えている。最後に、BGCT1′は、第1の主要な側11で各々のダイオードアノード層55の上に配置されたダイオードアノード電極28を備えている。複数のダイオードセル96は、逆導通半導体デバイス100のダイオード部分を形成する。
【0007】
ダイオードセル96は、均一分離領域350によってGCTセル91から分離されており、当該均一分離領域350は、ダイオードセル96とGCTセル91との間に位置するドリフト層3の一部によって形成され、当該均一分離領域350では、ドリフト層3が第1の主要な側11まで延びている。
【0008】
先行技術のBGCTでは、GCTモードでの動作時、専用のダイオード領域に広がるプラズマ(電荷)により、導通中にそれらの領域が利用される。ダイオードモードでの動作時には、専用のGCT領域も利用される。
図1中の傾斜した矢印は、GCTモードでの動作時にしかるべきプラズマが広がり、ダイオードモードでは当該プラズマが反転され得ることを示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】WO2012/041958 A2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
GCTセル91およびダイオードセル96とGCTセル91との間の分離領域の寸法決めは、領域利用にとっての重要な要素である。分離領域350は、(GCT動作モードにおいてプラズマがGCT領域91から専用のダイオード領域96に広がることを可能にし、逆の場合も可能にするために)寸法(分離領域距離)を全領域利用にとって最小限になるようにしながら、ゲート駆動に必要な阻止能力(ゲート−カソード阻止能力、すなわちGCTターンオフおよび阻止中の−20V)を可能にするように設計されなければならない。
【0011】
BGCT1′のような高電圧デバイスでは、通常、Nベース(Nドリフト層)は非常に低くドープされ、分離領域距離が小さい場合には、パンチスルー作用の可能性があり、この領域は結局は必要なゲート駆動電圧を阻止することができない。(ターンオフおよび阻止中に)必要なゲート駆動電圧を阻止するのに小さな分離距離で十分であったとしても、高いゲート−カソード漏れ電流が存在する。なぜなら、Nドリフト層3が低くドープされ、サイリスタベース層6とダイオードアノード層55との間のNドリフト層3の距離、すなわち分離領域350の幅が小さいことにより、PNP(Pサイリスタベース層6、Nドリフト層3、Pダイオードアノード層55)ゲインが高くなりすぎるからである。
【0012】
発明の説明
本発明の目的は、分離領域における横方向PNPゲインを減少させた改良された逆導通パワー半導体デバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
課題は、請求項1の特徴を有する逆導通パワー半導体デバイスによって解決される。本発明の逆導通パワー半導体デバイスは、第1の主要な側と、第1の主要な側に平行に配置された第2の主要な側とを有するウェハ(半導体チップとも呼ばれる)を備える。上記デバイスは、複数のダイオードセルと、複数のGCTセル((集積)ゲート転流サイリスタセル)とを備え、各々のGCTセルは、第1の主要な側と第2の主要な側との間に、
サイリスタカソード電極、
第1の導電型のサイリスタカソード層、
第1の導電型とは異なる第2の導電型のサイリスタベース層、
第1の導電型のサイリスタドリフト層、
第1の導電型のサイリスタバッファ層、
第2の導電型のサイリスタアノード層、および
サイリスタアノード電極、の順序で層を備える。
【0014】
各々のGCTセルは、サイリスタカソード層の側方に配置され、サイリスタベース層によってサイリスタカソード層から分離されたゲート電極をさらに備える。このようなGCTセルは、当業者に周知である。GCTセルは、構造の点でGTOセルと同様であり、GTOセルからさらに発展したものであるが、ゲート制御ならびにオンおよびオフの切替えの点でGTOセルとは異なっている。GCTセルの位置決めに関して、GCTセルの位置決めは、サイリスタカソード層(およびゲート電極およびサイリスタベース層)の位置決め、すなわちIGCTセルの第1の主要な側の層の位置決めとして理解されるものとする。
【0015】
各々のダイオードセルは、ドリフト層によってサイリスタベース層から分離された第2の導電型のダイオードアノード層と接触する第1の主要な側のダイオードアノード電極と、ダイオードドリフト層と、サイリスタアノード層と交互に配置された第2の主要な側の第1の導電型のダイオードカソード層と、サイリスタアノード電極とともに共通の電極として形成されるダイオードカソード電極とを備える。サイリスタドリフト層およびダイオードドリフト層は、第1の主要な側に平行な平面においてウェハの平面全体にわたって連続的な層であるドリフト層を形成する。
【0016】
本特許出願では、ダイオードセルの位置決めに関して、ダイオードセルの位置決めは、ダイオードアノード層の位置決め、すなわちダイオードセルの第1の主要な側の層の位置決めとして理解されるものとする。各々のダイオードセルでは、第1の主要な側から少なくともダイオードアノード層の厚みの90%の深さまでダイオードアノード層の側方側を覆うように、ダイオードアノード層とドリフト層との間に第1の導電型のダイオードバッファ層が配置される。
【0017】
上記デバイスは、少なくとも1つの混合部分を備え、上記混合部分では、ダイオードセル(すなわちダイオードセルのダイオードアノード層)が、GCTセル(すなわちGCTセルのサイリスタカソード層(およびゲート電極およびサイリスタベース層))と交互になっている。
【0018】
ダイオードバッファ層を導入することにより、
図7に示されるように、分離領域における寄生BJTの横方向PNPゲイン、したがってゲート−カソード漏れ電流は、大幅に減少する。−20Vの電圧では、先行技術のBGCTから本発明のRC−GCTまで漏れ電流を3分の1に減少させることができる。
【0019】
図7〜
図9では、最大ドーピング濃度が1×10
17cm
−3であり、ウェハの表面からpn接合までのダイオードアノード層の厚みが20μmであるダイオードアノード層55を有するRC−GCTからグラフが得られた。
【0020】
この例におけるダイオードバッファ層は、1×10
15cm
−3の最大ドーピング濃度を有し、ダイオードアノード接合からnドリフト層までのダイオードバッファ層の厚みが17μmである。ダイオードバッファのシートキャリア濃度は、7×10
11cm
−2である。
図10は、この例において用いられる本発明のRE−GCTについてのダイオードアノード層55、ダイオードバッファ層32およびダイオードドリフト層3″のダイオードセルにおけるドーピングプロファイルを示す。
【0021】
例示的な実施例では、横方向PNPゲインは、ダイオードアノード効率を弱めることによってさらに減少させることができる。これは、サイリスタベース層よりも厚みが小さく、および/または、深さが低いダイオードアノード層を設けることによって達成可能である。
【0022】
BGCTのダイオードアノード層の周りのNダイオードバッファ層は、(ダイオードpアノード層、nドリフト層およびGCTpサイリスタベース層の間の)横方向PNPゲインを減少させるだけでなく、縦方向PNPゲイン(p−GCTアノード層、nドリフト層、ダイオードpアノード層)も減少させ、その結果、ダイオード部分(
図8の左側部分)においてプラズマを増強することによりGCTモードでのBGCTのオン状態性能が向上する。なぜなら、
図8に示されるように、ダイオードn−バッファ層が、BGCTの主要な阻止能力に対して大きな影響を及ぼすことなく、デバイスのダイオード部分において強化層の役割を果たすからである。
【0023】
ダイオードn−バッファ層を導入することにより、分離領域幅を最小限に抑えることができる。このため、GCTモードでプラズマがGCT領域から専用のダイオード領域に広がり、逆の場合も可能であることにより、(例示的にはシリコンからなっていてもよい)ウェハ領域をよりよく利用することができる。
【0024】
図9は、本発明のRC−GCTおよび先行技術のRC−GCTのオン状態特性を示す。
図9は、アノード電圧に対するアノード電流を示している。本発明のRC−GCTは、
図8に示されるプラズマ分散の向上により、先行技術のRC−GCTと比較して、オン状態性能の点で優れている。
【0025】
本発明に係るさらなる利点は、従属請求項から明らかであろう。
添付の図面を参照して、以下の本文において、本発明の主題をより詳細に説明する。
【0026】
図面で用いられる参照符号およびそれらの意味は、参照符号の一覧に要約されている。一般に、同様の部分または同様に機能する部分は、同一の参照符号が付されている。記載されている実施例は例であり、本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図7】先行技術のBGCTと比較した本発明のRC−GCTのゲート阻止特性を示す図である。
【
図8】ダイオードセルおよびサイリスタセルを通る軸上で第1の主要な側に平行な平面における、先行技術のBGCTと比較した本発明のRC−GCTのオン状態特性を示す図である。
【
図9】アノード電流対アノード電圧についての、先行技術のBGCTと比較した本発明のRC−GCTのオン状態特性を示す図である。
【
図10】ダイオードアノード層、ダイオードバッファ層からダイオードドリフト層のダイオードセルにおけるドーピングプロファイルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
好ましい実施例の詳細な説明
図2は、第1の主要な側11と、第1の主要な側11に平行に配置された第2の主要な側15とを有するウェハ10を備えた逆導通パワー半導体デバイス1の形態の本発明の半導体デバイスを示す。当該デバイスは、複数のダイオードセル96と、複数のGCTセル91とを備え、各々のGCTセル91は、第1の主要な側11と第2の主要な側15との間に、
例示的にはカソード金属化層の形態のサイリスタカソード電極2、
例示的にはカソード金属化層の形態のn+をドープしたサイリスタカソード層4、
pをドープしたサイリスタベース層6、
n−をドープしたサイリスタドリフト層3′、
nをドープしたサイリスタバッファ層8、
p+をドープしたサイリスタアノード層5、および
例示的にはアノード金属化層の形態のサイリスタアノード電極25、の順序で層を備えている。
【0029】
各々のGCTセル91は、サイリスタカソード層4の側方に配置され、サイリスタベース層6によってサイリスタカソード層4から分離されたゲート電極7をさらに備えている。例示的な実施例では、サイリスタバッファ層8は、せいぜい10
16cm
−3の最大ドーピング濃度を有している。層についての「側方」は、このような層が第1の主要な側11に平行な平面に照らして互いの側方に配置されていることを意味するものとする。例示的には、サイリスタバッファ層8は、第1の主要な側11に平行な平面においてウェハの領域全体にわたる連続的なバッファ層である。サイリスタバッファ層8は、低ドープドリフト層3よりもドーピング濃度が高いが導電型が同一である領域に相当する。
【0030】
複数のこのようなGCTセル91は、逆導通半導体デバイス100のGCT部分を形成する。
【0031】
GCTセルの第1の主要な側の層(すなわち、ゲート電極7とともに、サイリスタカソード層4、サイリスタベース層6)は、上記GCTセルの第2の主要な側の層(すなわちサイリスタアノード層5)と位置合わせされ得る。位置合わせされない場合には、第1の主要な側の層の最も近くに配置された当該サイリスタアノード層5は、同一のセルに属するものとする。したがって、位置合わせされない場合、デバイスは、2つ以上の第2の側の層がセルに割り当てられるか、または1つの第2の側の層が2つのセルに割り当てられるように設計され得る。
【0032】
各々のダイオードセル96は、例示的にはアノード金属化層の形態のダイオードアノード電極28と、ダイオードドリフト層3によってサイリスタベース層6から分離された第1の主要な側11のpをドープしたダイオードアノード層55と、ドリフト層3と、サイリスタアノード層5と交互に配置された第2の主要な側15のn+をドープしたダイオードカソード層45と、ダイオードカソード電極とを備えている。ダイオードアノード層55は、ダイオードアノード電極28と接触している。GCTセルのサイリスタアノード電極25は、ダイオードセル96のためのダイオードカソード電極として機能する。GCTセルのサイリスタアノード電極25は、GCTおよびダイオードセル91,96が配置されている当該領域において、第2の主要な側15でウェハの平面全体にわたって延びている。サイリスタアノード電極25は、電極25がダイオードカソード層45と接触するこのような部分上にダイオードカソード電極を形成する。
【0033】
各々のダイオードセル96では、第1の主要な側11から少なくともダイオードアノード層55の厚みの90%の深さまでダイオードアノード層55の側方側を覆うように、ダイオードアノード層55とドリフト層3との間に、nをドープしたダイオードバッファ層32が配置されている。ダイオードバッファ層は、ドリフト層よりも高いドーピング濃度を有している。ダイオードアノード層55の側方側という用語は、第1の主要な側11(ウェハ10の表面)から厚み(第1の主要な側11に垂直な方向のダイオードアノード層の最大の広がり)の90%まで延びるダイオードアノード層55の部分として理解されるものとする。ダイオードバッファ層32は、ドリフト層3からダイオードアノード層55を分離するように、ダイオードアノード層55のより深い、中央に配置された部分も取囲んでもよい。しかし、別の実施例では、ダイオードバッファ層32は、側方側に限定され得る。すなわち、ダイオードアノード層55の中央部分には、ダイオードアノード層55とドリフト層3との接触があり得る。もちろん、ダイオードバッファ層32は、ダイオードアノード層55の厚みの90%以上までダイオードアノード層55の側方側を覆ってもよいが、ダイオードアノード層55の中央部分においてドリフト層3との接触領域を依然として開放したままにする。ダイオードアノード層の厚みは、第1の主要な側11に垂直な方向のダイオードアノード層55の最大の広がりとして理解されるものとする。
【0034】
ダイオードアノード層55は、3〜30μm、例示的には10〜20μmまたは10〜15μmの厚みを有し得る。サイリスタベース層6は、例示的には、ダイオードアノード層55の厚みよりも大きな、例示的には3〜10倍大きな厚みを有している。例示的な実施例では、
サイリスタベース層6の厚みは、20〜120μmである。
【0035】
ダイオードアノード層55は、例示的は、1×10
16〜1×10
18cm
−3、例示的には5×10
16〜5×10
17cm
−3の範囲の最大キャリア濃度を有しているのに対して、サイリスタベース層6は、少なくとも5×10
16cm
−3、例示的には1×10
17〜1×10
18cm
−3の範囲の最大キャリア濃度を有し得る。
【0036】
ダイオードバッファ層32は、低ドープドリフト層3よりもドーピング濃度が高いが導電型が同一である領域に相当する。
【0037】
例示的な実施例では、サイリスタベース層6は、ダイオードアノード層55の最大キャリア濃度よりも高い最大キャリア濃度を有している。そのため、別の実施例では、サイリスタベース層6は、ダイオードアノード層55よりも厚く、高くドープされている。その場合、ダイオードアノード層55における注入効率が低くなり、そのため、より深いダイオードアノード層55を有するデバイスよりも必要な寿命制御が少なくなる。
【0038】
別の例示的な実施例では、ダイオードバッファ層32は、せいぜい2×10
12cm
−2のシートキャリア濃度を有している。ダイオードバッファ層のシートキャリア濃度は、深さ、すなわち第1の主要な側11に垂直な方向にわたって積分されたダイオードバッファ層のドーピング濃度に相当するものとする。ダイオードバッファ層32の最大ドーピング濃度は、例示的にはせいぜい2×10
16cm
−3、例示的にはせいぜい1×10
15cm
−3である。ダイオードバッファ層32の厚みに応じて最大ドーピング濃度は適合され、逆もまた同様である。すなわち、厚みが大きなダイオードバッファ層は、厚みが小さな(しかし最大ドーピング濃度が高い)ダイオードバッファ層よりも低い最大ドーピング濃度を有している。
【0039】
第1の主要な側11と第2の主要な側15との間の平面に配置された低いn−ドーピング濃度を有するウェハの部分が、ドリフト層3を形成する。ドリフト層3は、サイリスタドリフト層3′と、ダイオードドリフト層3″とを備えている。すなわち、例示的には、サイリスタドリフト層3′およびダイオードドリフト層3″は、同一のドーピング濃度を有している。ドリフト層3は、連続的な層として形成される。ドリフト層3は、低ドーピング濃度の層であるものとする。例示的には、ドリフト層3は、常に低いドーピング濃度を有している。本明細書では、ドリフト層3のドーピング濃度が実質的に一定であることは、ドーピング濃度がドリフト層3全体にわたって実質的に均一であるが、例えばエピタキシャル成長プロセスにおける変動のために、ほぼ1倍〜5倍程度のドリフト層内のドーピング濃度の変動が恐らく存在し得るということを除外するものではない、ということを意味している。最終的なドリフト層の厚み32およびドーピング濃度は、適用例のニーズにより選択される。ドリフト層3の例示的なドーピング濃度は、5×10
12cm
−3〜5×10
14cm
−3である。
【0040】
ダイオードセルの第1の主要な側の層(すなわちダイオードアノード層55)は、上記ダイオードセルの第2の主要な側の層(すなわちダイオードカソード層45)と位置合わせされ得る。位置合わせされない場合には、第1の主要な側の層の最も近くに配置されたダイオードカソード層45は、同一のセルに属するものとする。したがって、位置合わせされない場合、デバイスは、2つ以上の第2の側の層がセルに割り当てられるように、または1つの第2の側の層が2つのセルに割り当てられるように設計され得る。
【0041】
ダイオードセル96は、nをドープした層によって形成される分離領域35によってGCTセル91から分離される。例示的には、分離領域35では、ダイオードセル96とGCTセル91との間にドリフト層3が配置され、ドリフト層3は第1の主要な側11まで延びている。分離領域35は、逆バイアス状態の下で電界拡散を向上させるための標準的なエッジ終端技術も利用することができる。例示的な実施例では、分離領域35は、5〜200μmまたは20〜100μmの幅を有している。
【0042】
代替的な実施例では、ダイオードバッファ層32は、分離領域35の中に延びていてもよく、
図3に示されるように、第1の主要な側11に向かって分離領域35においてドリフト層3を完全に覆うことさえしてもよい。それによって、ダイオードバッファ層32は、ダイオードドリフト層3″からダイオードアノード層55を分離する。
【0043】
少なくともダイオードセル96には、寿命キリング層が配置されてもよい。これは、作製中にマスクを使用して寿命キリング層をダイオードセル96に限定することによって、または、横方向に限定されたイオンビームをダイオードセル96に印加することによって、なされることができる。別の例示的な実施例では、寿命キリング層は、主要な側に平行に配置された1つの平面におけるウェハの領域全体にわたる連続的な層として形成されてもよい。寿命キリング層がダイオードセル96に限定されるか連続的な層として作られるかとは無関係に、デバイスは、例示的には、寿命キリング層を作製するために陽子またはヘリウムイオンを照射され、それに続いてアニールステップが行われる。
【0044】
「深さ」は、ある層が、当該層が配置されている側から延びる最大距離を意味するものとする。すなわち、pサイリスタベース層6では、「深さ」は、第1の主要な側11に対して直交突出した、第1の主要な側11からの最大距離である。第1の主要な側11は、ゲート電極7がウェハ10から突出する平面に配置されるものとする。
【0045】
デバイスは、少なくとも1つの混合部分99を備え、当該混合部分99では、ダイオードセル96がGCTセル91と交互になっている。例示的な実施例では、ダイオードセル96は、1つのダイオードセル96が2つの隣接するGCTセル91の間に配置されるように配置されている。これは、1つのダイオードアノード層55が2つの隣接するGCTセル91の間に、すなわちこれらのGCTセル91に属するサイリスタカソード層4および/またはそれらのゲート電極7の間に配置されるように各々のダイオードセル96が配置されることを意味する。
【0046】
別の例示的な実施例では、GCTセル91に対するダイオードセル96の割合が1:1から1:5までで変化するように互いに直接隣接して配置された複数のGCTセル91が存在してもよい。ダイオードセル96の数は、ダイオードアノード層55の数として規定され、GCTセル91では、サイリスタカソード層4の数として規定される。また、混合部分99では、ダイオードセル96は、ダイオードアノード層55の配列として理解され、GCTセル91は、サイリスタカソード層4の配列として理解されるものとする。
【0047】
本特許出願では、ダイオードセル96の位置決めに関して、ダイオードセル96の位置決めは、ダイオードアノード層55の位置決め、すなわちダイオードセル96の第1の主要な側の層の位置決めとして理解されるものとする。GCTセル91の位置決めに関して、GCTセル91の位置決めは、サイリスタカソード層4(およびゲート電極7およびサイリスタベース層6)の位置決め、すなわちGCTセル91の第1の主要な側の層の位置決めとして理解されるものとする。
【0048】
別の例示的な実施例では、第1の主要な側11の構造は、第2の主要な側15の構造と位置合わせされる。これは、ダイオードセル96では、ダイオードアノード層55がダイオードカソード層45に対して突出して/ダイオードカソード層45の反対側に配置されることを意味する。GCTセル91では、サイリスタカソード層4およびゲート電極7が、サイリスタアノード層5に対して直交突出して/サイリスタアノード層5の反対側に配置されている。別の例示的な実施例では、直接隣接するGCTセルのサイリスタカソード層4の直交突出領域によってせいぜい限定される領域では、ダイオードカソード層45がダイオードアノード層55に対して直交突出して配置されている。代替的に、第1の主要な側の層と第2の主要な側の層との間には位置合わせがない。
【0049】
別の実施例では、ダイオードセル96と同数のGCTセル91が少なくとも存在する。その割合は、良好なGCT性能を達成するために、例えば少なくとも1:3であり得る。このような割合でも、ダイオードモードにおいて良好な性能を確保するのに十分なダイオードセル96が依然として存在する。
【0050】
ダイオードセル96は、GCTモードでのデバイスの動作中にダイオードセル96でプラズマが形成可能であるような小さなサイズを有し得る。この効果は、ダイオードセル96のうちの少なくとも1つまたは全てが第1の主要な側11に平行な平面において50μmから500μmまでの最大の横方向広がりを有することによって達成可能である。当該効果を達成するために、GCTセル91のうちの少なくとも1つまたは全ても、第1の主要な側11に平行な平面において50μmから500μmまでの最大の横方向広がりを有していてもよい。別の例示的な実施例では、GCTセルおよびダイオードセルのうちの少なくとも1つまたは全てが、第1の主要な側11に平行な平面において50μmから500μmまでの最大の横方向広がりを有している。セルの横方向広がりは、2つの隣接するセル間の距離、すなわちダイオードアノード層55と直接隣接するGCTセルの第1の主要な側の層のうちの1つとの間、または、2つの直接隣接するGCTセルの第1の主要な側の層間の距離として理解されることができる。
【0051】
サイリスタカソード層4は、第2のハーフ部分よりもダイオードカソード層45の近くに配置された1つの第1のハーフ部分を備えている。ダイオードカソード層45が配置されている領域は、ダイオードセル領域および直接隣接するGCTセル91の第1のカソード層4の第1のハーフ部分の直交突出領域によってさらに限定され得る。これは、ダイオードカソード層45に向かって配置された直接隣接するGCTセル91のサイリスタカソード層4の当該ハーフ部分の直交突出領域によってせいぜい限定される領域では、上記ダイオードカソード層45がダイオードアノード層55に対して直交突出して配置されることを意味する。
【0052】
第1の主要な側11に平行な平面におけるダイオードカソード層45の総面積は、例示的には、ウェハ総面積の10〜30%であるように選択され得る。
【0053】
図4に示されるように、ダイオードカソード層45は、第2の導電型のp+をドープしたアノード短領域51と交互になった分散カソード領域451からなっていてもよい。アノード短領域51は、第1の主要な側11のデバイスの構造と位置合わせされる必要はない。すなわち、ダイオードカソード層45ならびにサイリスタアノード層5およびアノード短領域51は、それぞれダイオードアノード層55またはサイリスタカソード層4に対して直交突出して位置決めされる必要はない。
【0054】
GCTモードとダイオードモードとの高速切替えを可能にするために、ダイオードセル96(すなわちダイオードアノード層55)は、混合部分99においてウェハ領域にわたって均一に分散され得る。
【0055】
図6に示されるように、ウェハ10上にパイロットGCT部分9を有することも有利であり得て、当該パイロットGCT部分9は、互いに直接隣接して配置された(例示的には6個以上の、例示的には少なくとも10個の)GCTセル91のみで構成されており、パイロットGCT部分9にはダイオードセルを有していない。これは、複数の第1のカソード層4、サイリスタベース層6およびゲート電極7が、間にダイオードアノード層4を有することなく互いに直接隣接して配置されることを意味する。このようなパイロットGCT部分9は、第1の主要な側11では、(共通の連続的なサイリスタベース層6とともに)、間にダイオードアノード層4を有することなく互いに直接隣接して配置されたサイリスタカソード層4およびゲート電極7で構成されている。
【0056】
このようなパイロットGCT部分9は単一のパイロットGCT部分であってもよく、または、デバイスに配置された複数の、すなわち2つ以上のこのようなGCT部分が存在してもよい。GCTパイロット部分9の総面積は、ウェハ総面積の10〜50%であってもよい。このようなパイロットGCT部分9により、デバイスのターンオン性能を向上させることができる。
【0057】
さらに別の実施例では、ウェハ10は、円の形状を有しており、第1のカソード層4およびダイオードアノード層55は、当該円の中心に放射状に縞模様として配置されている。ダイオードセル96は、
図5に示されるように、円の中心の周りに規則的な態様で配置され得る。別の代替例では、GCTセル91がダイオードセル96と交互になっており、そのためGCTセル91およびダイオードセル96と混合された領域99を形成する弧と交互に、円の弧の状態で配置されたパイロットGCT部分9が存在する。
【0058】
別の実施例では、導電型は切替えられる。すなわち、第1の導電型の層は全てp型(例えばドリフト層3)であり、第2の導電型の層は全てn型(例えばサイリスタベース層6)である。
【0059】
なお、「備える」という用語は、他の要素またはステップを除外するものではなく、不定冠詞「a」または「an」は複数形を除外するものではない。また、さまざまな実施例に関連付けて記載される要素は、組合わせられてもよい。なお、また、特許請求の範囲における参照符号は、特許請求の範囲を限定するものとして解釈されるものではない。
【0060】
これらの例は、本発明の範囲を限定するものではない。上記の設計および配置は、サイリスタベース層およびウェル(ゾーン)のためのいかなる種類の可能な設計および配置にとっても単に例に過ぎない。
【0061】
本発明は、その精神または必須の特徴から逸脱することなく他の具体的な形態で実施可能であるということが当業者によって理解されるであろう。したがって、ここに開示されている実施例は、全ての点において例示的なものであると考えられ、限定的なものであるとは考えられない。本発明の範囲は、上記の説明ではなく添付の特許請求の範囲によって示され、その意味および範囲および等価物の範囲内に入る全ての変更が本明細書に包含されるよう意図されている。
【符号の説明】
【0062】
1 逆導通パワー半導体デバイス、10 ウェハ、11 第1の主要な側、15 第2の主要な側、100 先行技術の逆導通パワー半導体デバイス、2 サイリスタカソード電極、25 サイリスタアノード電極、28 第2のアノード電極、3,3′,3″ ドリフト層、32 ダイオードバッファ層、35 分離領域、4 サイリスタカソード層、41 ハーフ部分、45 ダイオードカソード層、451 分散カソード領域、5 サイリスタアノード層、51 アノード短領域、55 ダイオードアノード層、6 サイリスタベース層、7 ゲート電極、75 ゲートコンタクト、8 バッファ層、9 パイロットGCT部分、91 GCTセル、96 ダイオードセル、97 単一のダイオード、99 混合GCT/ダイオード部分。