特許第6088594号(P6088594)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6088594
(24)【登録日】2017年2月10日
(45)【発行日】2017年3月1日
(54)【発明の名称】コンテンツ配信システム、及び受信端末
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/262 20110101AFI20170220BHJP
   H04N 21/6543 20110101ALI20170220BHJP
   H04N 21/438 20110101ALI20170220BHJP
【FI】
   H04N21/262
   H04N21/6543
   H04N21/438
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-145495(P2015-145495)
(22)【出願日】2015年7月23日
(65)【公開番号】特開2017-28512(P2017-28512A)
(43)【公開日】2017年2月2日
【審査請求日】2015年7月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】399041158
【氏名又は名称】西日本電信電話株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】長尾 浩樹
(72)【発明者】
【氏名】張 ロウ
(72)【発明者】
【氏名】花田 光平
(72)【発明者】
【氏名】松井 隆幸
【審査官】 堀 洋介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−053916(JP,A)
【文献】 特表2012−507925(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/109860(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/262
H04N 21/438
H04N 21/6543
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め保持されたスケジュール情報に基づいてマルチキャストを用いてリアルタイムにマルチストーリー型のコンテンツを配信するサーバと、
前記サーバと通信網を介して接続されたエッジルータと、
前記サーバから取得したスケジュール情報に基づいてリアルタイムにチャネル制御を行うことで複数ユーザに対して前記コンテンツのストーリーを一斉に分岐させるチャネル制御部と、
前記チャネル制御部により制御されたチャネルのコンテンツを出力するコンテンツ出力部と
を備え、
前記チャネル制御部は、前記コンテンツ出力部と前記エッジルータ間に設けられ、
前記チャネル制御部は、前記コンテンツのストーリー途中でユーザにより選択された分岐チャネルのMLD要求パケットを特定時間保持した後、前記スケジュール情報に基づいて一斉に前記エッジルータへ送信し、
前記エッジルータは、前記サーバより送信されたマルチキャストパケットを受け取り、当該エッジルータ下部からのMLD要求の数に応じてパケットをコピーし、前記サーバに対してCH要請を送信する
ことを特徴とするコンテンツ配信システム。
【請求項2】
請求項1に記載のチャネル制御部を備えることを特徴とする受信端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マルチストーリー型のコンテンツを配信するコンテンツ配信システムと、そのコンテンツ配信システムが備えるサーバ、及び受信端末に関する。
【背景技術】
【0002】
IPTVをはじめとする「ケーブルテレビサービス」の加入者数は年々増加傾向にある。RF放送では不可能だった双方向通信を利用した様々なサービスが打ち出されている。その中でも「マルチストーリー型コンテンツ」は視聴者参加型コンテンツとして注目されており、予想できないストーリー展開へのニーズが高まっている(特許文献1〜4)。
【0003】
現状、地デジをはじめとするリアルタイム放送は、数千規模のユーザが同じチャネルを視聴する。また、マルチストーリーのサービスは送信側・受信側双方向の通信が必須のため、双方向通信が可能なIPを用いて実現している。地デジをはじめとするリアルタイム放送では、ユーザは自身が所望するCH(チャネル)を自由に選択するため、リアルタイム放送におけるストーリーの一斉分岐は困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−330419号公報
【特許文献2】特開2000−78559号公報
【特許文献3】特開2014−222446号公報
【特許文献4】特開2010−157935号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
リアルタイム放送をIPにより送信した場合、1ルータにつき数千人規模のユーザが視聴するため、ユニキャストによる個別パケットの送信では、ネットワーク帯域の圧迫により確実な視聴を担保できない。従来のようにユーザによる自由なCH選択を許容した場合、分岐後のストーリーをどのユーザも視聴可能となり、かつ数千規模のユーザのストーリー一斉分岐が困難である。
【0006】
本発明は、上述した従来の技術に鑑み、ネットワーク帯域を圧迫させず確実な視聴を担保できる伝送方式により、リアルタイム放送におけるストーリーの一斉分岐が可能なコンテンツ配信システム、サーバ、及び受信端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、第1の態様に係る発明は、コンテンツ配信システムであって、予め保持されたスケジュール情報に基づいてマルチキャストを用いてリアルタイムにマルチストーリー型のコンテンツを配信するサーバと、前記サーバと通信網を介して接続されたエッジルータと、前記サーバから取得したスケジュール情報に基づいてリアルタイムにチャネル制御を行うことで複数ユーザに対して前記コンテンツのストーリーを一斉に分岐させるチャネル制御部と、前記チャネル制御部により制御されたチャネルのコンテンツを出力するコンテンツ出力部とを備え、前記チャネル制御部は、前記コンテンツ出力部と前記エッジルータ間に設けられ、前記チャネル制御部は、前記コンテンツのストーリー途中でユーザにより選択された分岐チャネルのMLD要求パケットを特定時間保持した後、前記スケジュール情報に基づいて一斉に前記エッジルータへ送信し、前記エッジルータは、前記サーバより送信されたマルチキャストパケットを受け取り、当該エッジルータ下部からのMLD要求の数に応じてパケットをコピーし、前記サーバに対してCH要請を送信することを要旨とする。
【0010】
の態様に係る発明は、第の態様に係るチャネル制御部を備えることを特徴とする受信端末である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ネットワーク帯域を圧迫させず確実な視聴を担保できる伝送方式により、リアルタイム放送におけるストーリーの一斉分岐が可能なコンテンツ配信システム、サーバ、及び受信端末を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施の形態におけるコンテンツ配信システムの全体構成図である。
図2】本発明の実施の形態におけるコンテンツ配信システムの機能ブロック図である。
図3】本発明の実施の形態におけるサービスイメージの説明図である。
図4】本発明の実施の形態におけるコンテンツ配信システムの動作概要の説明図である。
図5】本発明の実施の形態におけるポップアップの表示例を示す図である。
図6】本発明の実施の形態におけるコンテンツ配信システムの動作シーケンス図である。
図7】本発明の実施の形態におけるCH制御部のフローチャートである。
図8】本発明の実施の形態におけるスケジュール情報を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するためのコンテンツ配信システムを例示するものであり、装置の構成やデータの構成等は以下の実施の形態に限定されるものではない。
【0014】
(システム構成)
図1は、本発明の実施の形態におけるコンテンツ配信システムの全体構成図である。このコンテンツ配信システムは、IPによるマルチストーリー型TV配信システムである。マルチキャストルーティングを使用したIPTVリアルタイム映像配信において、従来なかったマルチストーリー型TV配信サービスを実現する。「マルチストーリー型サービス」とは、特定時間内に、表示された選択肢より視聴したいストーリー(分岐チャネル)を選択することで視聴中に自動的にチャネル切替が行われるサービスのことである。
【0015】
図1に示すように、通信網20を介してサーバ10とエッジルータ30が接続され、エッジルータ30の下部に複数のユーザ宅が存在している。サーバ10は、本サービスを提供する装置であり、コンテンツ配信事業者側に設置される。サーバ10には、コンテンツを配信するコンテンツ配信サーバと、スケジュール情報等のデータベースを保持するデータベースサーバが含まれる。エッジルータ30は、ネットワーク同士を相互接続する通信機器である。セットトップボックス(STB)40は、TV50に接続して使用する受信端末である。
【0016】
図2は、本発明の実施の形態におけるコンテンツ配信システムの機能ブロック図である。この図に示すように、サーバ10は、コンテンツ配信部11と、スケジュール情報保持部12を備える。エッジルータ30は、マルチキャストパケットコピー部31を備える。ユーザ宅内の装置は、CH(チャネル)制御部41と、コンテンツ出力部51を備える。
【0017】
CH制御部41は、CH制御を行う機能部であり、STB40に設けられる。CH制御部41は、具体的には、スケジュール情報保持部12よりCHのスケジュール情報を取得する。また、取得したスケジュール情報に基づいてストーリー選択を促すポップアップを表示する。また、ユーザによるストーリー選択後、MLD(Multicast Listener Discovery)要求を保持し、スケジュール情報に基づいて特定時間後にMLD要求を送信する。また、ユーザによるストーリー選択がない場合は、デフォルト設定されたCHのMLD要求を送信する。
【0018】
マルチキャストパケットコピー部31は、マルチキャストパケットをコピーする機能部であり、エッジルータ30に設けられる。マルチキャストパケットコピー部31は、具体的には、サーバ10より送信されたマルチキャストパケットを受け取り、エッジルータ30下部からのCH要求の数に応じてパケットをコピーする。また、STB40からのCH要求(MLD要求)を受信し、コンテンツ配信部11に対してCH要請(PIM join)を送信する。
【0019】
スケジュール情報保持部12は、スケジュール情報を保持する機能部(データベースサーバ)である。スケジュール情報保持部12は、具体的には、各CHの視聴開始時刻、ストーリー選択画面表示時間、ストーリー切り替えタイミング等が記載されたスケジュール情報を保持する。また、CH制御部41、コンテンツ配信部11からの取得要求を契機として、その取得要求元に対してスケジュール情報を送信する。
【0020】
コンテンツ配信部11は、コンテンツを配信する機能部(コンテンツ配信サーバ)である。コンテンツ配信部11は、具体的には、スケジュール情報保持部12より取得したスケジュール情報に基づき、ユーザに対してコンテンツを配信する。
【0021】
コンテンツ出力部51は、コンテンツを出力する機能部であり、TV50に設けられる。
【0022】
このように、本発明の実施の形態におけるコンテンツ配信システムでは、ネットワーク帯域の圧迫抑制を実現するために、マルチキャストによる通信を採用している。これにより、ネットワーク内のエッジルータ30で視聴者がいる方向のみにパケットをコピーして送信することができるため、IPによる数千人規模のリアルタイム放送視聴が可能となる。
【0023】
また、コンテンツ出力部51−エッジルータ30間に、CH切替によって送信されるMLD要求を制御するCH制御部41を設けることで、コンテンツ送信者によるリアルタイム放送の動的なCH制御を実現している。具体的には、ユーザより送信されるMLD要求をアプリケーションによって制御し、MLD要求を特定時間保持した後、コンテンツ配信サーバへ送信する。スケジュール情報保持部12から取得したスケジュール情報を参照することで、MLD要求の送信時間を制御し、リアルタイムなストーリー分岐を可能とする。
【0024】
(サービスイメージ)
図3は、本発明の実施の形態におけるマルチストーリー型TV映像配信サービスを説明するための図である。この図に示すように、リアルタイムで配信されているIPTV映像において、物語の途中でストーリーを分岐させる。視聴者は、TV50にて自身の見たいストーリーを選択し、所望のエピソードを視聴する。例えば、視聴者は、エピソード1を視聴中、所定の時刻になると、次に視聴したいエピソード1−A又は1−Bを選択するようになっている。
【0025】
(動作概要)
図4は、本発明の実施の形態におけるコンテンツ配信システムの動作概要を説明するための図である。横軸は時刻を表している。コンテンツ配信部11からルータ21・エッジルータ30を介してユーザ61〜64にコンテンツが配信されている。
【0026】
図4に示すように、あるコンテンツの配信が時刻t1からCH1において開始され、そのCH1のコンテンツをユーザ61〜64が視聴しているものとする。時刻t2になると、ストーリー選択を促すポップアップ(ストーリー選択画面)がユーザ61〜64のTV50に表示され、ユーザ61〜64が所望のストーリーを選択することになる。その後、時刻t3になると、選択された結果に基づき、ユーザ61〜64のストーリーが一斉に分岐する。例えば、ユーザ61,62についてはCH1からCH1−Bにストーリーが分岐し、ユーザ63,64についてはCH1からCH1−Aにストーリーが分岐する。
【0027】
図5は、本発明の実施の形態におけるポップアップ52の表示例を示す図である。上述した通り、時刻t2になると、図5(a)に示すように、TV50の例えば画面右上にポップアップ52が表示される。このポップアップ52には、図5(b)に示すように、ストーリー選択を促すメッセージと、ストーリーを選択するためのボタンB1,B2が設けられている。ボタンB1は、ストーリー1−A(CH1−A)を選択するためのボタンであり、ボタンB2は、ストーリー1−B(CH1−B)を選択するためのボタンである。ユーザがボタンB1,B2のいずれかを選択した時点、又はユーザがボタンB1,B2のいずれも選択することなく時刻t3に到達した時点でポップアップ52が消えるようになっている。
【0028】
(動作シーケンス)
図6は、本発明の実施の形態におけるコンテンツ配信システムの動作シーケンス図である。
【0029】
まず、CH制御部41がCH1要求を送信し、エッジルータ30がCH1要請を送信する(S1→S2)。これにより、コンテンツ配信部11がCH1のパケットをCH制御部41に返し、CH制御部41がCH1を出力する(S3→S4)。一方、CH制御部41がスケジュール情報取得要求を送信すると、スケジュール情報保持部12がスケジュール情報をCH制御部41に返す(S5→S6)。
【0030】
既に説明した通り、本発明の実施の形態におけるコンテンツ配信システムでは、マルチキャストによる通信を採用している。すなわち、マルチキャストパケットコピー部31は、サーバ10より送信されたマルチキャストパケットを受け取り、エッジルータ30下部からのCH要求の数に応じてパケットをコピーするようになっている。
【0031】
次いで、所定の時刻t2に到達すると、CH制御部41がポップアップ表示命令を送信し、TV50がポップアップ52を表示する(S7→S8)。ユーザがポップアップ52に促されてストーリー(CH1−A)を選択すると、CH制御部41がスケジュール情報を参照し、特定時間MLD要求を保持する(S9→S10)。
【0032】
次いで、所定の時刻t3に到達すると、CH制御部41がCH1−A要求を送信するとともにCH1脱退要求を送信し、エッジルータ30がCH1−A要請を送信するとともにCH1脱退要請を送信する(S11→S12→S13→S14)。これにより、コンテンツ配信部11がCH1―AのパケットをCH制御部41に返し、CH制御部41がCH1―Aを出力する(S15→S16)。
【0033】
このように、本発明の実施の形態におけるコンテンツ配信システムでは、マルチキャストとCH制御を融合することで、数千規模のユーザに対するリアルタイムなストーリー分岐を可能とする。具体的には、MLD要求パケットを保持し、保持したMLDパケットをスケジュール情報に基づき特定時間経過後に送信することで、複数ユーザのCHの一斉切替を可能とする。
【0034】
(CH分岐フロー)
図7は、CH制御部41のフローチャートであり、図8は、CH制御部41が取得したCH−1のスケジュール情報12aを示す図である。以下、図7及び図8を用いて、CHを分岐する際の動作を更に詳しく説明する。
【0035】
まず、CH制御部41の電源がONされ、CH1へ切り替えられたとする(S21→S22)。このとき、CH制御部41がスケジュール情報12aを所持していなければ、スケジュール情報保持部12からスケジュール情報12aを取得する(S23→S24)。
【0036】
スケジュール情報12aには、日付、時刻、GroupIDの情報等が含まれる。ここでは、10時と12時が分岐時刻である場合を例示している。もちろん、スケジュール情報12aには、ストーリー選択画面表示時間等、その他の情報を含めてもよい。ストーリー選択画面表示時間とは、ポップアップ52を表示する時間であり、例えば10分等の任意の時間を設定することが可能である。
【0037】
次いで、CH制御部41は、現在時刻が分岐前CH時刻であるか分岐後CH時刻であるかを判断する(S25)。例えば、現在時刻が10時5分である場合は分岐後CH時刻であると判断し、デフォルト設定されたCH1−Aを出力する(S25→S31)。一方、現在時刻が9時5分である場合は分岐前CH視聴時刻であると判断し、分岐前CH(CH1)を出力する(S25→S26)。
【0038】
次いで、CH制御部41は、現在時刻が分岐時刻(10時)になると、CH分岐のポップアップ52を表示する(S27→S28)。現在時刻が分岐時刻(10時)の所定時間前(10分前)である9時50分になると、CH分岐のポップアップ52を表示するようにしてもよい(S27→S28)。
【0039】
これにより、CH1−Aが選択された場合はCH1−Aを出力し(S29→S30→S31)、CH1−Bが選択された場合はCH1−Bを出力する(S29→S30→S32)。現在時刻が分岐時刻(10時)に到達した時点でCH1−AもCH1−Bも選択されなかった場合はデフォルト設定されたCH1−Aを出力する(S29→S31)。
【0040】
以上説明したように、本発明の実施の形態におけるコンテンツ配信システムは、予め保持されたスケジュール情報12aに基づいてマルチキャストを用いてリアルタイムにマルチストーリー型のコンテンツを配信するサーバ10と、サーバ10から取得したスケジュール情報12aに基づいてリアルタイムにチャネル制御を行うことで複数ユーザに対してコンテンツのストーリーを一斉に分岐させるCH制御部41と、CH制御部41により制御されたチャネルのコンテンツを出力するコンテンツ出力部51とを備える。そのため、ネットワーク帯域を圧迫させず確実な視聴を担保できる伝送方式により、リアルタイム放送におけるストーリーの一斉分岐が可能である。
【0041】
具体的には、CH制御部41は、コンテンツのストーリー途中でユーザにより選択された分岐チャネルのMLD要求パケットを特定時間保持した後、スケジュール情報12aに基づいて一斉にサーバ10へ送信する。そのため、MLD要求パケットの送信時間を一元的に制御することで精度よくストーリーの一斉分岐が可能である。
【0042】
(効果)
本発明の実施の形態による効果を従来技術と比較すると以下のようになる。
【0043】
まず、ユニキャストを用いたマルチストーリー型のコンテンツのリアルタイム放送は、ネットワーク帯域圧迫の問題から非常に困難であった。それに対して、本発明の実施の形態によれば、マルチキャストを用いるため、ネットワーク帯域を圧迫することなく数千規模のユーザに提供することができる。
【0044】
また、従来は、MLD要求を受け取り次第送信するため、全ユーザのストーリー一斉分岐が困難であった。それに対して、本発明の実施の形態によれば、MLD要求パケットの送信時間を一元的に制御することでストーリーの一斉分岐が可能である。
【0045】
更に、従来は、マルチストーリー型のコンテンツを視聴するには、視聴前に分岐後のストーリーを選択するのが通常であった。それに対して、本発明の実施の形態によれば、コンテンツ視聴中にリアルタイムに次ストーリーを選択することが可能である。
【0046】
なお、本発明は、このようなコンテンツ配信システム、サーバ10、又はSTB40として実現することができるだけでなく、このようなコンテンツ配信システム、サーバ10、又はSTB40が備える特徴的な機能部をステップとするコンテンツ配信方法として実現したり、それらのステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現したりすることもできる。そして、そのようなプログラムは、CD−ROM等の記録媒体やインターネット等の伝送媒体を介して配信することができるのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0047】
10…サーバ
11…コンテンツ配信部
12…スケジュール情報保持部
20…通信網
30…エッジルータ
31…マルチキャストパケットコピー部
40…セットトップボックス(STB)
41…CH制御部
50…TV
51…コンテンツ出力部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8