特許第6088668号(P6088668)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6088668
(24)【登録日】2017年2月10日
(45)【発行日】2017年3月1日
(54)【発明の名称】金型位置決め装置
(51)【国際特許分類】
   B29C 45/80 20060101AFI20170220BHJP
   B29C 45/36 20060101ALI20170220BHJP
   B29C 33/30 20060101ALI20170220BHJP
   B22D 17/22 20060101ALI20170220BHJP
【FI】
   B29C45/80
   B29C45/36
   B29C33/30
   B22D17/22 A
【請求項の数】25
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2015-556352(P2015-556352)
(86)(22)【出願日】2013年12月6日
(65)【公表番号】特表2016-511170(P2016-511170A)
(43)【公表日】2016年4月14日
(86)【国際出願番号】CA2013050938
(87)【国際公開番号】WO2014121372
(87)【国際公開日】20140814
【審査請求日】2015年8月21日
(31)【優先権主張番号】61/761,354
(32)【優先日】2013年2月6日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/840,095
(32)【優先日】2013年6月27日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/875,764
(32)【優先日】2013年9月10日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595155303
【氏名又は名称】ハスキー インジェクション モールディング システムズ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】HUSKY INJECTION MOLDING SYSTEMS LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100101498
【弁理士】
【氏名又は名称】越智 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107401
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 誠一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100120064
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 孝夫
(74)【代理人】
【識別番号】100154162
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 浩輔
(74)【代理人】
【識別番号】100182257
【弁理士】
【氏名又は名称】川内 英主
(74)【代理人】
【識別番号】100202119
【弁理士】
【氏名又は名称】岩附 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】ホンサイム,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ブランド,ディートマー ティーモ
(72)【発明者】
【氏名】フィシュ,ラルフ ヴォルター
(72)【発明者】
【氏名】クモシュ,スヴェン
(72)【発明者】
【氏名】クロムバーグ,アンドレ アクセル
(72)【発明者】
【氏名】ルーイジ,アドリアン ピーター
(72)【発明者】
【氏名】ルーイジ,ピーター アドリアン
(72)【発明者】
【氏名】ルイス,ルード
(72)【発明者】
【氏名】マンダ,ジャン マリウス
(72)【発明者】
【氏名】パパ,レナト
(72)【発明者】
【氏名】シュラムス,ダーク ホルガー
(72)【発明者】
【氏名】テン,アレックス
(72)【発明者】
【氏名】ヴィッツ,ジャン−クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】ゴウ,ジェフリイ アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ソダロ,ブルーノ ギウゼッペ
(72)【発明者】
【氏名】ブラッドショウ,マックスフィールド ポール
【審査官】 井上 由美子
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−245903(JP,A)
【文献】 特開2012−116100(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 33/00−33/76
B29C 45/00−45/84
B22D 17/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
射出成形機(100)の金型搭載面(111、211、311、811)上に金型(120、220)の第1金型部品(122、222、322、422)を位置決めする構造であって、
前記第1金型部品(122、222、322、422)を前記射出成形機(100)の部品に接続するように構成されている位置決め装置(130、230、330、430、530、630)を備え、
前記位置決め装置(130、230、330、430、530、630)は、前記金型搭載面(111、211、311、811)上において前記第1金型部品(122、222、322、422)を位置決めするように調整可能であり、
前記位置決め装置(230)は、前記射出成形機(100)の第1プラテン(110)の頂上部から前記第1金型部品(222)を吊り下げるように構成されている、構造。
【請求項2】
前記位置決め装置(230)は、調整ブロック(232)と、ベースプレート(236)と、精度ならし器(234)と、を備え、
前記調整ブロック(232)は、前記第1金型部品(222)の金型プレート(223)の頂上面に搭載され、前記第1プラテン(110)の頂上面上方に吊るされるように構成されており、
前記ベースプレート(236)は、前記第1プラテン(110)の頂上面に搭載されるように構成されており、
前記精度ならし器(234)は、前記調整ブロック(232)と前記ベースプレート(236)との間に固定され、
前記精度ならし器(234)は、前記第1プラテン(110)の前記金型搭載面(111)上の前記第1金型部品(222)を上昇又は下降させるように選択できる寸法(X)を有するように構成されている、請求項1に記載の構造。
【請求項3】
前記精度ならし器(234)は、第1部材(235)と、第2部材(237)と、楔(239)と、ジャッキ(238)と、を備え、
前記第1部材(235)及び前記第2部材(237)は、前記楔(239)に向かって傾斜した相補面を有し、
前記ジャッキ(238)は、前記楔(239)を前記第1部材(235)及び前記第2部材(237)に対して位置決めして、これらに対して前記楔を再配置することにより、前記精度ならし器(234)の前記寸法(X)を選択できるようにするように構成されている、請求項2に記載の構造。
【請求項4】
射出成形機(100)の金型搭載面(111、211、311、811)上に金型(120、220)の第1金型部品(122、222、322、422)を位置決めする構造であって、
前記第1金型部品(122、222、322、422)を前記射出成形機(100)の部品に接続するように構成され、前記金型搭載面(111、211、311、811)上において前記第1金型部品(122、222、322、422)を位置決めするように調整可能な位置決め装置(130、230、330、430、530、630)と、
センサー(142、144)からのフィードバック信号を用いて、前記金型(120)の配列パラメータを解くコントローラ(140)において実行可能なコントローラ実行指示を備える、構造。
【請求項5】
前記コントローラ実行指示はさらに、前記コントローラ(140)に、前記配列パラメータを考慮して配列補正を判定させるように構成されている、請求項4に記載の構造。
【請求項6】
前記コントローラ実行指示はさらに、前記コントローラ(140)に、
前記コントローラ(140)にリンクした表示装置(146)を制御して、前記配列パラメータ及び前記配列補正の一方又は双方についてオペレータに報知させること、及び
前記配列補正に応じて前記位置決め装置(130、230)を制御すること
のうちの1つ以上を実施させるように構成されている、請求項5に記載の構造。
【請求項7】
前記センサー(142、144)は、前記コントローラ(140)が、
前記射出成形機(100)の第1プラテン(110)の前記金型搭載面(111)上における前記第1金型部品(122)の位置、及び
使用中において前記射出成形機(100)の第2プラテン(112)に関連付けられる第2金型部品(124)に対する前記第1金型部品(122)の位置
のうちの1つ以上である前記配列パラメータを把握できるように配置される、請求項5に記載の構造。
【請求項8】
前記配列補正を判定するための前記コントローラ実行指示は、
前記第1金型部品(122)が、所定の境界を越えて前記第1プラテン(110)の前記金型搭載面(111)上を移動したこと、及び
前記第1金型部品(122)及び前記第2金型部品(124)間の配列が所定範囲外にあること
のうちの1つ以上に応答可能である、請求項7に記載の構造。
【請求項9】
射出成形機(100)の金型搭載面(111、211、311、811)上に金型(120、220)の第1金型部品(122、222、322、422)を位置決めする構造であって、
前記第1金型部品(122、222、322、422)を前記射出成形機(100)の部品に接続するように構成されている位置決め装置(130、230、330、430、530、630)を備え、
前記位置決め装置(130、230、330、430、530、630)は、前記金型搭載面(111、211、311、811)上において前記第1金型部品(122、222、322、422)を位置決めするように調整可能であり、
前記位置決め装置(330、530)は、前記射出成形機(100)の第1プラテン(210、310)又は金型搭載装置(810)の一方に搭載され、前記第1金型部品(322)の金型プレート(323)上に画定される相補接続界面(338)と相互接続するように構成された前記金型搭載面(211、811)上に金型接続界面(333)を提供するように構成されている、構造。
【請求項10】
前記金型搭載装置(810)は、前記第1金型部品(322)を選択的に締め付ける金型クランプ(850)をさらに備える、請求項9に記載の構造。
【請求項11】
前記第1プラテン(210、310)は、前記第1金型部品(322)を選択的に締め付ける金型クランプ(350)をさらに備える、請求項9に記載の構造。
【請求項12】
前記位置決め装置(330、530)は、
前記第1プラテン(210)及び前記金型搭載装置(810)の搭載プレート(813)の一方に画定されるポケット(213)内に凹部をなすように構成されている接続ブロック(332)と、
前記第1プラテン(210)及び前記金型搭載装置(810)の前記搭載プレート(813)の一方と前記接続ブロック(332)とに接続可能であり、前記ポケット(213)内において前記接続ブロック(332)を選択的に位置決めするアクチュエータ(334)と、
を備え、
前記接続ブロック(332)は、前記金型接続界面(333)を画定する、請求項9に記載の構造。
【請求項13】
前記アクチュエータ(334)は、
前記ポケット(213)に通じる接続孔(215)の上方を前記第1プラテン(210)の頂上面に亘ってスライドするように構成され、傾斜軸受面(342)を画定する軸受ブロック(335)と、
前記傾斜軸受面(342)上に配設可能なキャップブロック(337)と、
前記軸受ブロック(335)を前記キャップブロック(337)に接続し、前記キャップブロック(337)に対して前記軸受ブロック(335)を再配置することで前記第1プラテン(210)の頂上部からの前記キャップブロック(337)の高さを調節するよう選択的に調整可能な調整器(339)と、
前記キャップブロック(337)を前記接続ブロック(332)に接続するリンク(336)と、
を備える、請求項12に記載の構造。
【請求項14】
前記金型接続界面(333)は、前記接続ブロック(332)に画定されたテーパ凹部であり、前記相補接続界面(338)は、前記金型プレート(323)の背面に固定されたテーパピンである、請求項12に記載の構造。
【請求項15】
前記位置決め装置(530)は、前記第1プラテン(310)の前記金型搭載面に亘って再配置を行う際に、前記第1金型部品(122)の重量の一部を支持するように構成されている重量補償器(260)を備える、請求項12に記載の構造。
【請求項16】
射出成形機(100)の金型搭載面(111、211、311、811)上に金型(120、220)の第1金型部品(122、222、322、422)を位置決めする構造であって、該構造は、
前記第1金型部品(122、222、322、422)を前記射出成形機(100)の部品に接続するように構成されている位置決め装置(130、230、330、430、530、630)を備え、
前記位置決め装置(130、230、330、430、530、630)は、第1プラテン(310)の前記金型搭載面(111、211、311)上において前記第1金型部品(122、222、322、422)を位置決めするように調整可能であり、
前記構造は、
前記位置決め装置(130)によって再配置を行う際に、前記第1金型部品(122)を前記第1プラテン(310)に選択的に締め付け、また交互に前記第1金型部品(122)を前記第1プラテン(310)の前記金型搭載面(311)上に浮遊可能に保持するように構成されているクランプ(350)、
を備える、構造。
【請求項17】
前記第1プラテン(310)は、前記クランプ(350)の解放によって前記第1金型部品(122)の再配置を容易にし、前記第1金型部品(122)を浮遊させる陥没可能な軸受(352)の列を前記金型搭載面(311)に備える、請求項16に記載の構造。
【請求項18】
射出成形機(100)の金型搭載面(111、211、311、811)上に金型(120、220)の第1金型部品(122、222、322、422)を位置決めする構造であって、
前記第1金型部品(122、222、322、422)を前記射出成形機(100)の部品に接続するように構成されている位置決め装置(130、230、330、430、530、630)を備え、
前記位置決め装置(130、230、330、430、530、630)は、前記金型搭載面(111、211、311、811)上において前記第1金型部品(122、222、322、422)を位置決めするように調整可能であり、
前記位置決め装置(630)は、前記第1金型部品(422)の再配置を行うため、接続された温度装置(637)を調整することによって寸法調整可能な温度ブロック(635)を備えた温度ジャッキとして構成されたアクチュエータ(634)を備える、構造。
【請求項19】
射出成形機(100)を操作する方法(700)であって、
位置決め装置(130、230、330、430、530、630)を用いて、金型搭載面(111、211、311、811)上に金型(120、220)の第1金型部品(122、222、322、422)を位置決めするステップ(710)と、
センサー(142、144)からのフィードバック信号を参照して、前記金型(120)の配列パラメータを把握するステップ(720)と、
を含む、方法。
【請求項20】
前記配列パラメータを考慮して、配列補正を判定するステップ(730)をさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記配列パラメータ及び前記配列補正の一方又は双方についてオペレータに報知するため、前記射出成形機(100)にリンクした表示装置(146)、及び
前記配列補正に応じた前記位置決め装置(130、230)
のうちの1つ以上を制御するステップ(740)をさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記配列補正に応じて前記位置決め装置(130)を制御するステップ(740)は、
第1プラテン(310)及び金型搭載装置(810)の搭載プレート(813)の一方の前記金型搭載面(111、811)から前記第1金型部品(122、322)の締め付け解除を行うように、少なくとも部分的にクランプ(350、850)を解放するステップと、
前記位置決め装置(130、230)の選択的調整により、前記金型搭載面(311、811)上において前記第1金型部品(122)を再配置するステップと、
前記第1金型部品(122)を前記金型搭載面(311、811)に締め付けるように、前記クランプ(350、850)を締め付けるステップと、
を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記配列パラメータは、
前記金型搭載面(111、811)上における前記第1金型部品(122)の位置、及び
使用時において、前記射出成形機(100)の第2プラテン(112)に関連付けられる前記金型(120)の第2金型部品(124)に対する前記第1金型部品(122)の位置
のうちの1つ以上である、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記配列パラメータを考慮して前記配列補正を判定するステップ(730)は、
前記第1金型部品(122)が所定の境界内において前記金型搭載面(111)上を移動したか否かを判定するステップと、
前記第1金型部品(122)及び前記第2金型部品(124)間の配列が所定の範囲内であるか否かを判定するステップ
のうちの1つ以上を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記位置決め装置(530)は、前記第1プラテン(310)の前記金型搭載面に亘って再配置を行う際に、前記第1金型部品(122)の重量の一部を支持するように構成されている重量補償器(260)を備える、請求項2に記載の構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示されている非限定的実施形態は、典型的には、射出成形機の金型搭載面上において金型の位置決めを行うための構成及びステップに係り、特に、成形機に搭載された状態で金型の部品を位置合わせする構成及びステップに係る。
【発明の概要】
【0002】
本明細書に開示されている一態様によると、射出成形機の金型搭載面上に第1金型部品を位置決めするための構成が提供される。該構成は、第1金型部品を射出成形機の部品に接続するように構成されている位置決め装置を備え、位置決め装置は、金型搭載面上において第1金型部品を位置決めするために調整可能である。
【0003】
本明細書に開示されている別の態様によると、射出成形機を動作させる方法が提供される。該方法は、位置決め装置を用いて、金型搭載面上に金型の第1金型部品を位置決めするステップを含む。
【0004】
当業者にとって、添付の図面と共に以下の特定の非限定的実施形態の説明を検討することにより、非限定的実施形態のこれらの態様、他の態様、及び他の特徴が明らかとなるであろう。
【0005】
非限定的実施形態は、添付の図面を参照することによって、より完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】従来技術による射出成形システムの概略図。
図2】第1の非限定的実施形態に係る射出成形システムの概略図。
図3A図2に示した第1の非限定的実施形態に係る、射出成形機の第1プラテン上における金型の第1金型部品と、その間にリンクされた位置決め装置との正面概略図。
図3B】第2の非限定的実施形態に係る、第1プラテン上における第1金型部品と、その間にリンクされた一対の位置決め装置との正面概略図。
図3C】第3の非限定的実施形態に係る、第1プラテン上における第1金型部品と、その間にリンクされた一対の位置決め装置との正面概略図。
図3D】第4の非限定的実施形態に係る、第1プラテン上における第1金型部品と、その間にリンクされた一対の位置決め装置との正面概略図。
図4】第1プラテン上において第1金型部品の位置決めを行う態様を自動化するための構成をさらに備えた図2の射出成形システムの概略図。
図5】第1金型部品の金型プレートを第1プラテンの頂上部にリンクする、第5の非限定的実施形態に係る位置決め装置の等角図。
図6図5に示す切断線A−Aに沿った同図の構造の部分断面図。
図7A図5の位置決め装置が第1動作構成において使用する精度ならし器の概略図。
図7B】第2動作構成における図7Aの精度ならし器の概略図。
図8】射出成形機の第1プラテンに設置された、第6の非限定的実施形態に係る位置決め装置の正面等角図。
図9図8に示す位置決め装置上の金型接続界面に接続可能な背面上に補完接続界面を呈する第1金型部品の金型プレートの背面等角図。
図10】位置決め装置と、クランプと、その上で陥没可能な軸受の列とを備えた、第7の非限定的実施形態に係る射出成形機の第1プラテンの正面概略図。
図11A】線B−Bに沿う図10の構成の一部の概略部分断面図であり、第1動作構成におけるクランプと陥没可能な軸受とを示している。
図11B】線B−Bに沿う図10の構成の一部の概略部分断面図であり、第2の動作構成におけるクランプと陥没可能な軸受とを示している。
図12】第8の非限定的実施形態に係る射出成形システムと位置決め装置との概略図。
図13】上部の第1金型部品の重量の一部を支持する重量補償器を備えた、第9の非限定的実施形態に係る射出成形機の第1プラテンの正面概略図。
図14】上部に位置決め装置を備えた、第10の非限定的実施形態に係る射出成形機の第1プラテンの概略図。
図15】上部に位置決め装置を備えた、第11の非限定的実施形態に係る射出成形機の第1プラテンの概略断面図。
図16】第1金型部品に搭載された、第12の非限定的実施形態に係る位置決め装置の概略断面図。
図17】非限定的実施形態に係る、第1プラテン上における第1金型部品の位置決め方法のフローチャート。
図18】非限定的実施形態に係る、図8の位置決め装置を備えた成形機械のプラテンに金型を搭載する金型搭載装置。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図面は必ずしも実寸を表すものではなく、実在しない線、図式表示、及び部分図で示されることもある。場合によっては、実施形態の理解に必要のない実例、若しくは他の詳細の把握を困難にする詳細は省略した。
【0008】
種々の非限定的実施形態に係る、射出成形機のプラテン上に金型の第1金型部品を位置決めする構成及びステップを詳細に参照していく。当業者は、本明細書に開示されている非限定的実施形態に鑑み、その他の非限定的実施形態、変更、及び同等物が明らかとなるであろうこと、またこれらの変形物も添付の特許請求の範囲内にあると考慮されるべきであることを理解するべきである。
【0009】
さらに当業者は、以下に議論する非限定的実施形態の構成及び動作に係る特定の詳細がともに修正又は省略されてもよいこと(すなわち必須ではないこと)を把握するであろう。場合によっては、既知の方法、手順、及び構成要素は詳細に記されていないことがある。
【0010】
射出成形システムにおいて、金型クランプのプラテンに搭載された金型の部品の配列ズレが発生する場合がある。種々のファクターが金型の部品配列に影響することがある。例えば、射出成形機のプラテンが傾斜して、それに関連付けられた金型の部品が、機械の第2プラテンに関連付けられた金型の他の部品に対してズレを引き起こすことがある。プラテンの傾斜に加えて、例えば衝撃(動的負荷)、プラテンの変形、及びその他の影響等、金型部品に掛かる動作上の負荷により、金型部品が経時的にプラテンの金型搭載面上を移動又はシフトすることが発生し得る。またさらに他の例においては、プラテンを支持するベースが配列から外れることにより、金型部品の配列を補正する必要性が生じることもある。
【0011】
以上については、図1に示す射出成形システムの概略図を参照することによって理解されるであろう。この射出成形システムはとりわけ、射出成形機100と、それに搭載された金型120とを備えている。射出成形機100はとりわけ、一対のプラテン、具体的には連結バー114のセットによって互いにリンクされた第1プラテン110及び第2プラテン112を備えている。金型120の第1金型部品122は第1プラテン110に関連付けられ、金型120の第2金型部品124は第2プラテン112に関連付けられる。動作中、第1プラテン110は、金型120の開閉を行うためのクランプストロークアクチュエータ(不図示)により、第2プラテン112に対して移動可能である。また、クランプアクチュエータ(不図示)は、金型120内に成形材料の射出成形を行う間、閉鎖構成の金型120を締め付けるように係合可能である。第1プラテン110は、その上に一端が飛び出すように設けられた第1金型部品122の重量により、傾斜して示されている。第1プラテン110の傾斜は、その結果として生じる金型120の部品間の配列ズレの潜在性を視覚的に示すために誇張されている。
【0012】
ここでは、とりわけ、第1プラテン上において金型の第1金型部品を位置決めする構成及びステップを開示する。大まかに述べると、以上は、例えばその第1プラテン等、射出成形機の部品に第1金型部品を接続するように構成されている位置決め装置を備え、位置決め装置は、第1プラテンの金型搭載面に亘って第1金型部品の位置決め(例えば、上昇、下降、横方向シフト、又は回転)を行うように調整可能である。これは、以上の一般的有用性を制限するものでないが、射出成形機に搭載された際の金型部品間の配列上の課題を解決するのに特に有用であってもよい。以上の技術的効果には、例えば、金型構成要素の早期磨耗の防止と、射出成形機への金型設置の容易化とが含まれてもよい。
【0013】
この構成及びステップはまた、金型の配列パラメータの把握と、配列パラメータを考慮した配列補正の判定と、オペレータに対する金型配列補正の必要性の報知、及び/又は、とりわけ位置決め装置の操作による配列動作の自動的実施のうちの1つ以上を実施する手段をさらに備えてもよい。
【0014】
図2を参照すると、図1の射出成形システムがさらに、第1金型部品122を第1プラテン110にリンクさせるように構成されている、非限定的実施形態に係る位置決め装置130を備えた構造を備えており、この位置決め装置130は、第1プラテン110の金型搭載面111に亘って第1金型部品122を位置決めするように調整可能である。さらに図3Aを参照して、位置決め装置130が第1プラテン110の金型搭載面111及び第1金型部品122の頂上面の双方に連結されてもよいことが把握されてもよい。位置決め装置130の構造は、手動又は自動のいずれかで動作可能なアクチュエータを備えてもよい。
【0015】
さらに図3B図3C及び図3Dを参照すると、位置決め装置130は代替として、同様に第1金型部品122を第1プラテン110にリンクさせる複数の位置決め装置130A、130B、130C、130D、130E、130Fを備えてもよく、複数の位置決め装置130A、130B、130C、130D、130E、130Fは、第1プラテン110の金型搭載面111に亘って第1金型部品122を位置決め(すなわち、上昇、下降、横方向シフト、及び/又は回転)するように調整可能であることが把握されてもよい。
【0016】
例えば、図3Bを参照して、一対の位置決め装置130A及び130Bが第1金型部品122の頂上面に対してその両側付近においてリンクされることが把握されてもよい。表示によって示すとおり、位置決め装置130A及び130Bは、第1金型部品122の上昇、下降、又は回転を調整するよう選択的に動作可能である。
【0017】
さらなる例として、図3Cを参照して、一対の位置決め装置130C及び130Dが第1金型部品122の両側面に対してその中間付近においてリンクされることが把握されてもよい。表示によって示すとおり、位置決め装置130C及び130Dは、第1金型部品122の横方向シフトを調整するよう選択的に動作可能である。
【0018】
さらに他の例として、図3Dを参照して、一対の位置決め装置130E及び130Fが第1金型部品122の底面に対してその両側付近においてリンクされることが把握されてもよい。表示によって示すとおり、位置決め装置130E及び130Fは、第1金型部品122の上昇、下降、又は回転を調整するように選択的に動作可能である。
【0019】
図4を参照して、射出成形システムはさらに、第1金型部品122の位置決めを行う態様を自動化するための構造を拡充してもよいことが把握されてもよい。特に、金型120の配列パラメータを把握するコントローラ140にフィードバック信号を提供するように構成されているセンサー142が設けられてもよい。配列パラメータは、第1金型部品122及び第2金型部品124間の配列状態を判定するのに有用ないずれかの情報である。センサー142の種別及び配置は、特に限定されるものではない。例えば、センサー142は位置センサーであってもよく、フィードバック信号は、例えば第1プラテン110又は第2金型部品124等、参照位置との関連で第1金型部品122の位置の変化を示す。さらに他の例によると、第1プラテン110上のその位置変化を検出するための負荷センサー144が、第1金型部品122の下方に設けられてもよい。従って、配列パラメータには、第1プラテン110の金型搭載面111上における第1金型部品122の位置及び/又は第2金型部品124に対する第1金型部品122の位置のうちの1つ以上が含まれてもよい。コントローラ140は、例えば、スタンドアローン装置として実装されてもよく、若しくは射出成形機100のマスターコントローラの一部として実装されてもよい。コントローラ140の構成は、特に限定されるものではなく、例えば、配列パラメータを解くためにフィードバック信号を把握するコントローラ実行指示(すなわち、メモリ装置に記憶されたソフトウェア)を実行可能な産業用コンピュータ又はプログラム可能な論理コントローラ等のいかなる種別の産業用制御装置であってもよい。
【0020】
コントローラ実行指示にはさらに、配列パラメータを考慮して配列補正を判定する指示が含まれてもよい。配列補正は、金型部品を再配列するために位置決め装置130を調整する解を与える1つ以上の値である。配列補正は、例えば、第1金型部品122が所定の境界を越えて第1プラテン110の金型搭載面111上を移動したこと、及び/又は、第1金型部品122と第2金型部品124の間の配列が所定の範囲外であることのうちの1つ以上に応答可能であってもよい。
【0021】
コントローラ実行指示にはさらに、オペレータに配列パラメータ及び配列補正の一方又は双方を報知するため、成形装置100に(直接又は遠隔的に有線又は無線の手段によって)リンクされた表示装置146(例えば、ヒューマンマシンインターフェース、モニタリングシステム、モバイルデバイス等)を制御する指示が含まれてもよい。このようにオペレータは、位置決め装置130を操作することで、これに応じた金型120の配列の手動補正を遂行してもよい。追加又は代替として、これらの指示は、第1金型部品122を所定の境界及び所定の範囲のうちの一方又は双方に収めるように位置決め装置130の自動調整を命じるものであってもよい。
【0022】
次に、図5及び図6を参照して、図示されている他の特定の非限定的実施形態に係る位置決め装置230について説明する。特に、位置決め装置230は、第1金型部品222を第1プラテン110の頂上部から吊り下げるように構成されている。位置決め装置230は、調整ブロック232、ベースプレート236、及び精度ならし器234を備え、調整ブロック232は、第1金型部品222の金型プレート223の頂上面に搭載されて第1プラテン110の頂上面上方に吊り下げられるように構成されており、ベースプレート236は、第1プラテン110の頂上面と協働するように構成され、精度ならし器234は、調整ブロック232及びベースプレート236の間に固定されて、第1プラテン110の金型搭載面111上において第1金型部品222を上昇又は下降させるよう選択されてもよい寸法Xを有するように構成されている。示されてはいないが、位置決め装置230はさらに、調整の間、クランプ又はボルト等の固定具が解放されている際に、金型がx方向(すなわち、第1プラテン110の移動方向)に移動するリスクを低減する、ベースプレートに関連付けられた構造を備えてもよい。調整ブロック232は、フィードバック信号をコントローラ140(図4)に提供するための歪みゲージセンサー224を備えてもよい。
【0023】
図7A及び図7Bを参照して、精度ならし器234の概略図を把握してもよい。精度ならし器234は、第1部材235、第2部材237、楔239、及びジャッキ238を備えてもよい。第1部材235及び第2部材237は、楔239に向かって傾斜する補完面を有する。ジャッキ238は、楔239を第1部材235及び第2部材237に対して再配置することにより、精度ならし器234の寸法Xを選択してもよいように、楔239を第1部材235及び第2部材237に対して位置決めするように構成されている。このような精度ならし器は、例えば、いわゆるKSC、すなわちKSKC AirLoc Wedgemount(スイス、AirLoc Schreofer社の登録商標)等として市販されている。アクチュエータ240は、ジャッキ238を回転可能に調整するように設けられてもよい。アクチュエータ240がコントローラ140と接続された様子が示されている。
【0024】
図8を参照すると、金型搭載面211に金型接続界面333を提供するように射出成形機の第1プラテン210に搭載されるように構成された、他の非限定的実施形態に係る位置決め装置330が示されている。図9を参照して、補完接続界面338が第1金型部品322の金型プレート323上に画定されることを把握してもよい。金型接続界面333及び補完接続界面338は、第1金型部品322が位置決め装置330の調整によって位置決めされるように相互接続されるように構成される。金型接続界面333は、例えば、テーパ凹部と、金型プレート323の背面に固定されたテーパピン上の補完接続界面338として構成されてもよい。
【0025】
図8の拡大図に示すように、位置決め装置330は、内部に金型接続界面333を画定する接続ブロック332を備える。接続ブロック332は、第1プラテン210に画定されたポケット213内に凹部をなすように構成される。位置決め装置330はさらに、図示の方向に沿ってポケット213内に接続ブロック332の選択的位置決めを行うために、第1プラテン210及び接続ブロック332に接続可能なアクチュエータ334を備える。
【0026】
アクチュエータ334は、例えば、ポケット213に通じる接続孔215の上方において、第1プラテン210の頂上面に亘ってスライドするように構成されている軸受ブロック335を備えてもよい。軸受ブロック335は、キャップブロック337が配設される傾斜軸受面342を画定する。キャップブロック337は、その底部に補完傾斜面(不図示)を備えてもよい。アクチュエータ334はまた、軸受ブロック335の直立フランジ341をキャップブロック337の側面に接続する調整器339を備える。この例において、調整器339は、使用中において、軸受ブロック335をキャップブロック337に対して再配置することにより、(楔留め動作により)第1プラテン210の頂上部上方のキャップブロック337の高さを調整するように選択的に調整されてもよいジャッキねじである。最後に、アクチュエータ334は、キャップブロック337を接続ブロック332に接続するリンク336を備えることにより、キャップブロック337の高さを調整することで、接続ブロックとこれに接続された第1金型部品122を再配置する。
【0027】
図10を参照して、射出成形機の第1プラテン310が、位置決め装置130と、位置決め装置130による再配置が行われる間、第1金型部品122(概略を図示)を第1プラテン310に対して選択的に締め付け、また交互に第1プラテン310の金型搭載面311上の第1金型部品122を浮遊可能に保持するように構成されているクランプ350とを備えてもよいことを把握してもよい。また、第1プラテン310がさらに、クランプ350の解放によって第1金型部品122の再配置を容易にし、第1金型部品122を浮遊させる陥没可能な軸受352の列をその金型搭載面311上に備えることを把握してもよい。
【0028】
以上の構造及び動作は、図11A及び図11Bとの対照によってさらに把握されてもよく、図中、クランプ350と、陥没可能な軸受352の列のうちの代表的な1つとが、各々第1構成及び第2構成で示されている。第1構成において、第1金型部品122は、クランプ350によって浮遊可能に保持されており、陥没可能な軸受352上で移動するように支持されている。第1構成では、陥没可能な軸受352の列の各ローラ軸受354がばね356によって付勢されており、第1プラテン310に画定された孔部313から部分的に突出している。第2構成において、第1金型部品122は、クランプ350の完全適用によって第1プラテン310の金型搭載面311に締め付けられることにより、陥没可能な軸受352の列が第1プラテン310内へと陥没している。
【0029】
図12を参照して、位置決め装置430が、あらゆる場合において第1金型部品122を第1プラテン110に接続するように構成されている必要はないことをさらに把握してもよい。例えば、この非限定的実施形態において、位置決め装置430は代替として、射出成形機100の一対の連結バー114上をスライドするように構成されている。
【0030】
図13を参照して、第1プラテン110がさらに、第1プラテン110の金型搭載面111に亘って再配置を行う間、第1金型部品122の重量の一部を支持する重量補償器160を備えてもよいことを把握してもよい。重量補償器360は、例えば、第1金型部品122の下方において第1プラテン110の金型搭載面111に搭載されるように構成されている搭載ブロック162と、ばね166によって付勢されて搭載ブロック162からスライド可能に延在し、第1金型部品122の底面に接触してこれを支持する軸受ブロック164とを備えてもよい。重量補償器を設ける技術的効果として、位置決め装置130が、再配置に影響を及ぼすように第1金型部品122の重量の一部のみを対処するように構成されていてもよいことが含まれてもよい。
【0031】
図14を参照すると、金型部品(不図示)の重量の一部を支持するために金型クランプ(不図示)の第1プラテン310内に一体化された重量補償器260とともに、位置決め装置330の構造を含んださらに他の非限定的実施形態に係る位置決め装置530が示されている。この実施形態において、重量補償器260は、位置決め装置330の接続ブロック332の下方においてプラテン310に画定される孔部312内に配置されたばね266を備える。動作中、ばね266は、第1金型部品の重量の一部をオフセットする上方への力を接続ブロック332に付与する。
【0032】
図15を参照すると、金型クランプ(不図示)の第1プラテン410を金型(不図示)の第1金型部品422に接続する、さらに他の非限定的実施形態に係る位置決め装置630が示されている。位置決め装置630は、熱的ジャッキとして構成されるアクチュエータ634を備える。熱的ジャッキの動作原理では、位置決め精度と高い駆動力との双方を提供するため、材料の熱膨張特性を利用する。アクチュエータ634は、第1プラテン410上に位置決めされた鋼等の熱的ブロック635を備える。温度装置637は、本例においてはヒーターであり、コントローラ(不図示)による制御の下、温度調整を行うように熱的ブロック635と接触して搭載される。熱的ブロック635の温度を調整することにより、その長さ等の寸法を変更することができる。接続ブロック632を吊り下げるため、熱的ブロック635を通過するリンク636が、ねじ留めナット639によって熱的ブロック635に接続される。接続ブロック635は、第1金型部品422に接続される。動作中、熱的ブロック635の温度を単純に調整することによって、第1金型部品422の上下方向の再配置を行うことができる。以上は、金型の配列パラメータを参照して手動で行ってもよく、若しくは自動で行ってもよい。
【0033】
以上の非限定的実施形態はとりわけ、位置決め装置内のアクチュエータの動作原理が特に限定されるものでないことを示すものである。金型部品を高精度に位置決めするために位置決め装置において使用される、異なる動作原理を有するアクチュエータの他の非限定的例として、圧電性質、楔、偏心軸、複数のねじを備えたボルト、ばね荷重アシスト(大荷重の調整に要する力を低減する)が含まれてもよい。
【0034】
図16を参照すると、以上の簡易な変形例が示されており、図中、位置決め装置630は、第1プラテン410(図15)の代わりに第1金型部品422に搭載されている。このようにすることで、接続ブロック623は、第1プラテン510と接続するために第1プラテン510に画定された孔部512内に納められる。本実施形態は、単に、本実施形態及び他の実施形態に係る位置決め装置が、クランプのプラテンの代わりに金型に搭載されてもよいことを示すものである。
【0035】
さらに他の非限定的実施形態によると、図示はしないが、位置決め装置は代わりに第2金型部品を第2プラテンに接続してもよく、ここで位置決め装置は、第2プラテンの金型搭載面に亘って第2金型部品の位置決めを行うように調整可能である。同様に、金型の部品は双方とも、位置決め装置によって各プラテンに接続されてもよい。
【0036】
動作中、以上の構成は、図17のフローチャートに示すような射出成形システムを操作する方法700を実装して使用されてもよい。大まかに述べると、方法700は特に、第1金型部品122、222、322を射出成形機の部品に接続するように構成されている位置決め装置130、230、330、430により、金型搭載面111、211、311上に第1金型部品122、222、322の位置決めを行うステップ(ステップ710)を備える。前述のとおり、位置決めを行うステップには、金型搭載面111、211、311上における第1金型部品122、222、322を上昇させる、下降させる、横方向にシフトさせる、及び/又は回転させるステップのうちの1つ以上を(非包括的に)含み得る。
【0037】
方法700はさらに、センサー142、144からのフィードバック信号を参照して、金型120の配列パラメータを把握するステップ(ステップ720)が含まれてもよく、ここで配列パラメータは例えば、第1プラテン110の金型搭載面111上における第1金型部品122の位置、及び/又は、使用中、成形機械100の第2プラテン112(図2)に関連付けられる金型120の第2金型部品124に対する第1金型部品122の位置のうちの1つ以上であってもよい。配列パラメータの把握は、周期的(すなわちサイクル毎)に実施されてもよく、若しくは連続的に実施されてもよい。同様に、このステップは手動で行われてもよく、自動で行われてもよく、若しくはその双方であってもよい。
【0038】
方法700はさらに、配列パラメータを考慮して配列補正の判定を行うステップ(ステップ730)を含んでもよく、配列補正の判定は、第1金型部品122が所定の境界を越えて第1プラテン110の金型搭載面111上を移動したこと、及び/又は、第1金型部品122及び第2金型部品124の間の配列が所定の範囲外であることのうちの1つ以上に応答可能である。
【0039】
最後に、方法700はさらに、オペレータに配列パラメータ及び配列補正の一方又は双方を報知するために、成形機械100にリンクされた1つ以上の表示装置146を制御し、且つ/又は、例えば、第1金型部品122を所定の境界及び所定の範囲の一方又は双方内に戻すように、配列補正に応じて位置決め装置130を制御するステップ(ステップ740)をさらに備えてもよい。
【0040】
配列補正に応じて位置決め装置130を制御するステップ(ステップ740)はさらに、金型搭載面311上において第1金型部品122を浮遊可能に保持しつつ、第1プラテン310から第1金型部品122(図10に概略を示す)の締め付けを解除するためにクランプ350(図10)を解放するステップと、位置決め装置130の選択的調整により、第1プラテン310の金型搭載面311上において第1金型部品122を再配置するステップと、第1金型部品122を第1プラテン310に締め付けるために、クランプ350を締め付けるステップと、を備えてもよい。
【0041】
図18を参照すると、図9に示した上述の第1金型部品322等の金型部品を成形機械(不図示)のプラテンに搭載してプラテン上で位置決めを行うように構成されている、非限定的実施形態に係る金型搭載装置810が示されている。
【0042】
より具体的には、金型搭載装置810は、搭載プレート813を成形機械(不図示)のプラテンに搭載するためのプラテン搭載構造814を有する搭載プレート813と、そこに搭載された金型部品を選択的に締め付ける金型クランプ850とを備える。搭載構造814は、例えば、使用中、搭載プレート813をプラテンに保持するために不図示のねじ式ボルト等の固定具と協働する固定孔部の形態の保持器具818の列を含んでもよい。金型クランプ850は、各対が、金型部品が選択的に搭載される金型搭載面811の領域の各側方に位置決めされるように、搭載プレート810の金型搭載面811に搭載された4つのクランプ850−1、850−2、850−3、850−4のセットを含む。クランプ850−1、850−2、850−3、850−4は各々、動作中、搭載装置810上の金型部品を保持又は解放するように、不図示の補完部品と係合したり、若しくは係脱するよう選択的に位置決めされる締め付け楔851を備える。搭載プレート813はさらに、金型の搭載プレート813への接続を強化するための補助金型搭載構造820を備えてもよい。補助金型搭載構造820は、金型と接続されたねじ式ボルトと協働するねじ式固定孔部の形態で、追加の保持器具822の列を備えてもよい。
【0043】
金型搭載装置810はまた、第1プラテン210(図8)の代わりに搭載プレート813内に構成されること以外は、図8を参照して詳細に説明したものと同様の位置決め装置330を備える。そして接続ブロック332は、金型搭載面811を通って、搭載プレート813とプレートの頂上面に搭載されたアクチュエータ334内に凹部をなしてもよい。
【0044】
使用中において、金型搭載装置810は、成形機械(不図示)のプラテンに搭載されてもよく、その後、金型部品が装着、位置決め、又は他の金型部品と交換される際、そこに搭載されたままであってもよい。金型搭載装置810の動作モードは、一般に、金型クランプ850を係脱する動作、第1金型部品322(図9)の補完接続界面338(図9)を接続ブロック332と係合させる動作、位置決め装置330の調整により、金型搭載面811上に第1金型部品322の位置決め710(図17)を行う動作、その後、配置済みの金型322の第1部品を保持するために金型クランプ850を係合させる動作が含まれるものとして説明されてもよい。この時、補助金型搭載構造820もまた、金型が配置済みの位置にさらに確実に保持されるように係合されてもよい。
【0045】
以上は、より適当な非限定的実施形態のうちのいくつかの概略を述べたものであることに注意すべきである。当業者にとって、本明細書において開示されていない実施形態の変形も、その精神及び範囲から逸脱することなく有効であり得ることは明らかであろう。従って、上述の非限定的実施形態は、単に、より適当な特徴及び適用のいくつかの例示とみなされるべきである。非限定的実施形態を異なる方法で適用するか、若しくは当業者にとって既知の方法で変更を加えることにより、その他の有利な結果を実現することができる。当業者は本開示より、特に記載のない限り、必要に応じて一実施形態の特徴、要素、及び/又は機能を他の実施形態に組み込んでよいことを把握するため、当分野において通常の知識を有する者が本開示より、一実施形態の特徴、要素、及び/又は機能を他の実施形態に組み込んでよいことを把握するように、これには種々の非限定的実施形態間の特徴、要素、及び/又は機能の混合及び組み合わせが含まれることをここに明示的に述べる。特定の配置及び方法について説明したが、その意図及び概念は他の配置及び適用にも相応しく、適用可能であってもよい。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18