(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2板状体のテーパ部の近傍に配された前記複数のリブの1つの前記第1板状体と前記第2板状体のテーパ部との間に、y軸方向に沿って延びる第1雨水防止壁が形成されていることを特徴とする、請求項2に記載の型材。
前記第2板状体の第3帯部の前記第2の突条とz軸方向において反対側且つ前記第2板状体の第3帯部の自由端近傍に、y軸方向に沿って延びる第2雨水防止壁が形成されていることを特徴とする、請求項1又は3に記載の型材。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記したような従来技術の問題を解決すべくなされたものであって、型材の構造が簡素で、型材間の連結に連結部材を必要とせず、且つ型材間の暴露側の隙間から雨水の浸入を防ぐことができ、万が一型材内に雨水が浸入した場合でも、型材間の非暴露側の隙間から雨水が滴下することがない型材及び該型材を用いた建築構造体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明は、庇又は屋根を形成する型材であって、前記型材はxy軸方向に広がりを持ち、互いに対向する2枚の矩形を呈した板状体と、該2枚の板状体をz軸方向に離間する、y軸方向に延設された複数のリブとからなる中空の型材であり、前記2枚の板状体の一方が第1板状体であり、他方が第2板状体であって、前記第1板状体は、x軸方向の一端側の第1側縁に第1雄部を、他端側の第2側縁に第1雌部を備え、前記第2板状体は、x軸方向の一端側の第1側縁に第2雌部を、他端側の第2側縁に第2雄部を備え、前記第1板状体の第1側縁と前記第2板状体の第1側縁はx軸方向において同じ側にあり、前記第1板状体の第1雄部は、x軸方向に延びる線に沿って截断して得られる断面が略J字状を呈した第1帯部からなり、当該第1帯部はそのy軸方向に延びる2つの側縁の内の一方が折り返された折り返し部が形成され、該折り返し部は前記第1板状体の第1側縁に一体的に接合され、他方の側縁の近傍且つ前記折り返し部と向かい合う側にy軸方向に沿って延びる第1の突条が接合され、前記折り返し部は第2板状体からみて前記第1の突条よりもz軸方向において遠位側に位置づけられており、前記第1板状体の第1雌部は、x軸方向に延びる線に沿って截断して得られる断面が略Y字状を呈した第2帯部からなり、該第2帯部には樋状体が前記第2側縁に一体的に接合され、前記第2板状体の第2雄部は、前記第2板状体の前記第2側縁の自由端に向かうにつれて先細りにされたテーパ部が一体的に形成され、前記第2板状体の第2雌部は、x軸方向に延びる線に沿って截断して得られる断面が略J字状を呈した第3帯部からなり、当該第3帯部はそのy軸方向に延びる2つの側縁の内の一方が折り返された折り返し部が形成され、該折り返し部は前記第2板状体の第2側縁に一体的に接合され、他方の側縁の近傍且つ前記折り返し部と向かい合う側にy軸方向に沿って延びる第2の突条が接合され、前記折り返し部は第1板状体からみて前記第2の突条よりもz軸方向において遠位側に位置づけられ
、前記第2板状体のテーパ部の近傍に配された前記複数のリブの1つの前記第1板状体と前記第2板状体のテーパ部との間に、y軸方向に沿って延びる第1雨水防止壁が形成されていることを特徴とする型材に関する。
【0007】
請求項2に係る発明は、庇又は屋根を形成する型材であって、前記型材はxy軸方向に広がりを持ち、互いに対向する2枚の矩形を呈した板状体と、該2枚の板状体をz軸方向に離間する、y軸方向に延設された複数のリブとからなる中空の型材であり、前記2枚の板状体の一方が第1板状体であり、他方が第2板状体であって、前記第1板状体は、x軸方向の一端側の第1側縁に第1雄部を、他端側の第2側縁に第1雌部を備え、前記第2板状体は、x軸方向の一端側の第1側縁に第2雄部を、他端側の第2側縁に第2雌部を備え、前記第1板状体の第1側縁と前記第2板状体の第1側縁はx軸方向において同じ側にあり、前記第1板状体の第1雄部は、x軸方向に延びる線に沿って截断して得られる断面が略J字状を呈した第1帯部からなり、当該第1帯部はそのy軸方向に延びる2つの側縁の内の一方が折り返された折り返し部が形成され、該折り返し部は前記第1板状体の第1側縁に一体的に接合され、他方の側縁の近傍且つ前記折り返し部と向かい合う側にy軸方向に沿って延びる第1の突条が接合され、前記折り返し部は第2板状体からみて前記第1の突条よりもz軸方向において遠位側に位置づけられており、前記第1板状体の第1雌部は、x軸方向に延びる線に沿って截断して得られる断面が略Y字状を呈した第2帯部からなり、該第2帯部には樋状体が前記第2側縁に一体的に接合され、前記第2板状体の第2雄部は、前記第2板状体の前記第2側縁の自由端に向かうにつれて先細りにされたテーパ部が一体的に形成され、前記第2板状体の第2雌部は、x軸方向に延びる線に沿って截断して得られる断面が略J字状を呈した第3帯部からなり、当該第3帯部はそのy軸方向に延びる2つの側縁の内の一方が折り返された折り返し部が形成され、該折り返し部は前記第2板状体の第2側縁に一体的に接合され、他方の側縁の近傍且つ前記折り返し部と向かい合う側にy軸方向に沿って延びる第2の突条が接合され、前記折り返し部は第1板状体からみて前記第2の突条よりもz軸方向において遠位側に位置づけられていることを特徴とする型材に関する。
【0008】
請求項3に係る発明は、
前記第2板状体のテーパ部の近傍に配された前記複数のリブの1つの前記第1板状体と前記第2板状体のテーパ部との間に、y軸方向に沿って延びる第1雨水防止壁が形成されていることを特徴とする、請求項2に記載の型材に関する。
【0009】
請求項4に係る発明は、
前記第2板状体の第3帯部の前記第2の突条とz軸方向において反対側且つ前記第2板状体の第3帯部の自由端近傍に、y軸方向に沿って延びる第2雨水防止壁が形成されていることを特徴とする、請求項1又は3に記載の型材に関する。
【0010】
請求項5に係る発明は、
前記樋状体によって構成されたy軸方向に沿って延びる凹所に線状のパッキンが嵌入されていることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の型材に関する。
【0011】
請求項6に係る発明は、前記複数のリブの1つ以上にビス止め穴が形成されていることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の型材に関する。
【0012】
請求項7に係る発明は、前記型材の材料が、アルミ、アルミ合金、合成樹脂、木材、あるいはそれらの組み合わせであることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の型材に関する。
【0013】
請求項8に係る発明は、前記型材の表面に凹凸が形成されていることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の型材に関する。
【0014】
請求項9に係る発明は、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の型材が2以上配され、当該2以上の型材のうちの隣り合う2つの型材である第1型材及び第2型材が互いに防水可能且つ着脱自在に連結されてなる庇又は屋根の建築構造体であって、前記第1板状体の雄部の第1帯部と前記第1板状体の雌部の第2帯部とが嵌合され、前記第2板状体の雄部のテーパ部と前記第2板状体の雌部の第3帯部とが嵌合されてなることを特徴とする建築構造体に関する。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に係る発明によれば、型材がxy軸方向に広がりを持ち、互いに対向する2枚の矩形を呈した板状体と、該2枚の板状体をz軸方向に離間する、y軸方向に延設された複数のリブとからなる中空の型材であることで、中空による軽量化に加え、リブによる補強によって、軽量且つ強度の高い型材を提供できる。
また、第1板状体が、x軸方向の一端側の第1側縁に第1雄部を、他端側の第2側縁に第1雌部を備え、前記第1板状体の第1雄部は、x軸方向に延びる線に沿って截断して得られる断面が略J字状を呈した第1帯部からなり、当該第1帯部はそのy軸方向に延びる2つの側縁の内の一方が折り返された折り返し部が形成され、該折り返し部は前記第1板状体の第1側縁に一体的に接合され、他方の側縁の近傍且つ前記折り返し部と向かい合う側にy軸方向に沿って延びる第1の突条が接合され、前記折り返し部は第2板状体からみて前記第1の突条よりもz軸方向において遠位側に位置づけられており、前記第1板状体の第1雌部は、x軸方向に延びる線に沿って截断して得られる断面が略Y字状を呈した第2帯部からなり、該第2帯部には樋状体が前記第2側縁に一体的に接合されている。これによって、型材と型材を連結する際に、第1板状体の第1雄部の第1帯部と第1雌部の第2帯部が係合し、第1帯部の折り返し部と第1の突条がストッパーとなって第2帯部が第1帯部から外れてしまうことを防止できる。さらに、第1雄部と第1雌部の嵌め合いが強固であるため、雨水が第1板状体の隙間から型材内部に侵入し難い。
加えて、前記第2板状体が、x軸方向の一端側の第1側縁に第2雄部を、他端側の第2側縁に第2雌部を備え、第2板状体の第2雄部は、前記第2板状体の前記第2側縁の自由端に向かうにつれて先細りにされたテーパ部が一体的に形成され、前記第2板状体の第2雌部は、x軸方向に延びる線に沿って截断して得られる断面が略J字状を呈した第3帯部からなり、当該第3帯部はそのy軸方向に延びる2つの側縁の内の一方が折り返された折り返し部が形成され、該折り返し部は前記第2板状体の第2側縁に一体的に接合され、他方の側縁の近傍且つ前記折り返し部と向かい合う側にy軸方向に沿って延びる第2の突条が接合され、前記折り返し部は第1板状体からみて前記第2の突条よりもz軸方向において遠位側に位置づけられている。これによって、型材と型材を連結する際に、第2板状体の第2雄部のテーパ部と第2雌部の第3帯部が係合し、第3帯部の折り返し部と第2の突条がストッパーとなってテーパ部が第3帯部から外れてしまうことを防止できる。
さらに、第1板状体及び第2板状体の雄部及び雌部は、いずれもリブではなく板状体に形成あるいは接合されているため、例えば、雄部及び雌部がリブに設けられているものと比較して、強い強度を有している。
また、雄部と雌部が、板状体に設けられているため、型材と型材を容易且つ強固に連結することができる。
加えて、第2板状体のテーパ部の近傍に配された複数のリブの1つの第1板状体と第2板状体のテーパ部との間に、y軸方向に沿って延びる第1雨水防止壁が形成されているため、万が一第1板状体同士の接続部から雨水が型材内に侵入した場合であっても、第1板状体同士の接続部から侵入してきた雨水が第1雨水防止壁に接触し、そのまま第1雨水防止壁を伝って第2板状体の第1又は第2側縁に落ちるため、侵入した雨水が第2板状体同士の接続部に達することを防ぐことができる。これにより、万が一雨水等が型材内に侵入した場合であっても、侵入した雨水が第2板状体同士の接続部から漏れ出ることを防ぐことができ、雨漏りを防止できる。
このように、請求項1に係る型材は、軽量で強度が高く、且つ隣り合う型材の第1板状体同士及び第2板状体同士を容易且つ強固に連結できるため、雨水等が型材同士の隙間から型材内に進入し難く、型材と型材を連結する際に連結部材を必要としない。このため、一人の作業者で容易に型材と型材を連結することができる。また、この型材は軽量で強度が高く、型材間を強固に連結できるため、庇だけでなく屋根等の構造体も形成することができる。
【0016】
請求項2に係る発明によれば、上記した請求項1の
第1雨水防止壁が形成されていることにより得られる効果を除く全ての効果を備えた、2枚の板状体の一方が第1板状体であり、他方が第2板状体であって、前記第1板状体は、x軸方向の一端側の第1側縁に第1雄部を、他端側の第2側縁に第1雌部を備え、前記第2板状体は、x軸方向の一端側の第1側縁に第2雄部を、他端側の第2側縁に第2雌部を備え、前記第1板状体の第1側縁と前記第2板状体の第1側縁はx軸方向において同じ側にある型材を提供できる。
【0017】
請求項3に係る発明によれば、
第2板状体のテーパ部の近傍に配された複数のリブの1つの第1板状体と第2板状体のテーパ部との間に、y軸方向に沿って延びる第1雨水防止壁が形成されているため、万が一第1板状体同士の接続部から雨水が型材内に侵入した場合であっても、第1板状体同士の接続部から侵入してきた雨水が第1雨水防止壁に接触し、そのまま第1雨水防止壁を伝って第2板状体の第1又は第2側縁に落ちるため、侵入した雨水が第2板状体同士の接続部に達することを防ぐことができる。これにより、万が一雨水等が型材内に侵入した場合であっても、侵入した雨水が第2板状体同士の接続部から漏れ出ることを防ぐことができ、雨漏りを防止できる。
【0018】
請求項4に係る発明によれば、
第2板状体の第3帯部の第2の突条とz軸方向において反対側且つ第2板状体の第3帯部の自由端近傍に、y軸方向に沿って延びる第2雨水防止壁が形成されているため、第1雨水防止壁を伝って第2板状体の第1側縁又は第2側縁に落ちてきた雨水等が第2板状体同士の接続部に達することをより確実に防ぐことができる。
【0019】
請求項5に係る発明によれば、
樋状体によって構成されたy軸方向に沿って延びる凹所に線状のパッキンが嵌入されているため、型材と型材を連結する際に、第1板状体の第1雄部の折り返し部がパッキンを圧着し、第1板状体同士の嵌め合いの強さを高めることができる。これにより、雨水が第1板状体同士の隙間から型材内に進入することをより確実に防ぐことができる。
【0020】
請求項6に係る発明によれば、型材のリブにビス止め穴が設けられているため、ビスを用いて型材に軒先、軒樋等のカバー材や化粧材を容易に取り付けることができる。
【0021】
請求項7に係る発明によれば、型材の材料が、アルミ、アルミ合金、合成樹脂、木材、あるいはそれらの組み合わせであるため、強度が高く軽量な建築構造体を提供できる。
【0022】
請求項8に係る発明によれば、型材の表面に凹凸が設けられているため、型材同士の繋ぎ目(結合部)を見え難くすることができ、建築構造体の意匠が損なわれない。
【0023】
請求項9に係る発明によれば、建築構造体が、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の型材が2以上配され、当該2以上の型材のうちの隣り合う2つの型材である第1型材及び第2型材が互いに防水可能且つ着脱自在に連結され、第1板状体の第1雄部の第1帯部と第1板状体の第1雌部の第2帯部とが嵌合され、第2板状体の第2雄部のテーパ部と第2板状体の第2雌部の第3帯部とが嵌合されているため、型材と型材の連結に連結部材を必要とせず、型材同士を強固に連結することができる。そのため、作業者が一人であっても、容易に型材同士を連結することができる。加えて、雨水が第1板状体同士の隙間から型材内に侵入し難く、万が一雨水が侵入した場合でも、非暴露側の型材間の隙間から雨水の滴下(即ち、雨漏り)を防ぐことができる型材及び該型材を用いた建築構造体を提供することができる。
さらに、この構造体は軽量で強度が高く、型材同士が強固に連結され、且つ雨漏りも防ぐため、庇だけでなく屋根等の構造物も形成することができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明に係る型材及び該型材を用いた建築構造体の好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は本発明に係る型材の正面図、
図2は本発明に係る型材を用いた建築構造体の概略斜視図である。
図3は本発明に係る型材同士の連結を示す正面図であって、(a)は型材同士の連結前、(b)は型材同士を連結した後の様子を示す。
尚、この明細書において、構造体とは、庇、屋根、天井、壁等の構造をいう。
【0026】
本発明に係る型材(1)は、xy座標系において広がりを持った平面視矩形状の中空の部材であり、互いに対向する第1板状体(2)と第2板状体(3)の2枚の矩形を呈した板状体と、該2枚の板状体をz軸方向(Z)に離間する、y軸方向(Y)に延設された複数のリブ(4)から構成される中空の型材である(
図1−
図3参照)。
尚、第1板状体(2)と第2板状体(3)の平面視の形状は、y軸方向(Y)よりもx軸方向(X)の方が長い矩形状あるいはx軸方向(X)よりもy軸方向(Y)の方が長い矩形状であってもよく、正方形状でもよい。
第1板状体(2)及び第2板状体(3)のx軸方向(X)の幅は特に限定されないが、作業性を考慮した場合、200mm程度の幅が好ましい。これにより、重量を軽減でき、取り扱いやすくなり、且つ製造コストの削減、納期の短縮、搬出の容易化が可能となる。
【0027】
第1板状体(2)は、x軸方向(X)の一端側の第1側縁(E1)に第1雄部(M1)を、他端側の第2側縁(E2)に第1雌部(F1)を備えている(
図1参照)。尚、第1板状体(2)は、第1板状体(2)同士を連結するために雄部と、該雄部を着脱自在に受け入れる雌部の両方を備えていればよく、x軸方向の一端側の第1側縁(E1)が第1雌部(F1)、他端側の第2側縁(E2)が第1雄部(M1)であってもよい。
【0028】
第1板状体(2)の第1雄部(M1)は、x軸方向(X)に延びる線に沿って截断して得られる断面が略J字状を呈した第1帯部(5)からなる。
第1帯部(5)は、そのy軸方向(Y)に延びる2つの側縁の内の一方が折り返された折り返し部(6)を備え、第1板状体(2)の第1側縁(E1)又は第2側縁(E2)に一体的に接合され、他方の側縁の近傍且つ折り返し部(6)と向かい合う側の第1帯部(5)(より詳しくは、第1帯部(5)の折り返し部(6)以外の領域)にy軸方向(Y)に沿って延びる第1の突条(7)が、鋳造によって一体的に接合、或は溶接等により別体として接合されている。
尚、第1帯部(5)のx軸方向(X)に延びる線に沿って截断して得られる断面の形状は略J字状に限定されず、第1帯部(5)の折り返し部(6)が第1雌部(F1)に一体的に形成された樋状体(9)の凹所(R)(
図3(a)参照)と嵌合した際に、第1の突条(7)が第1雌部(F1)の第2帯部(8)との嵌合が意図せず解除されることを防止するためのストッパーとしての役割を果たし、折り返し部(6)が樋状体(9)の凹所(R)から容易に抜ける(slip off)ことがないものであれば、いかなる形状・構造であってもよい。
【0029】
折り返し部(6)は、第1側縁(E1)又は第2側縁(E2)からx軸方向(X)に突出しており、第1雌部(F1)と嵌合した際に、第1雌部の樋状体(9)に嵌るあるいは後述するパッキン(10)を押圧することにより、第1板状体同士の嵌め合いを強固にし、防水性能を高める。折り返し部(6)は第2板状体(3)からみて第1の突条(7)よりもz軸方向(Z)において遠位側に位置づけられている。
尚、折り返し部(6)は、第1雌部の樋状体(9)に嵌るあるいは後述するパッキン(10)と十分に押圧することができればよく、x軸方向(X)に延びる線に沿って截断して得られる断面が略矩形状でも正方形状であってもよく、x軸方向(X)の突出部が丸みを持った形状(round shape)であってもよい。
【0030】
第1の突条(7)は、第1雌部(F1)と嵌合した際に、第1雌部(F1)の第2帯部(8)が外れることを防止するためのストッパーとなる。第1の突条(7)は、第2帯部(8)のストッパーとして機能すればよく、その形状や寸法は限定されず、x軸方向(X)に延びる線に沿って截断して得られる断面が略矩形状でも正方形状、x軸方向(X)の突出部が丸みを持った形状であってもよく、側縁部までz軸方向(Z)の肉厚を厚くしてもよく、側縁に向かって先細りするテーパ形状にしてもよい。
【0031】
第1板状体の第1雌部(F1)は、x軸方向(X)に延びる線に沿って截断して得られる断面が略Y字状を呈した第2帯部(8)からなり、第2帯部(8)には樋状体(9)が第1側縁(E1)又は第2側縁(E2)に、例えば鋳造により一体的に接合、或は溶接により別体として接合されている。
【0032】
第2帯部(8)は、第1帯部(5)の折り返し部(6)と第1の突条(7)の間の間隙に嵌合する(
図3の(b)参照)。
第1帯部(5)と嵌合した際、z軸方向(Z)への動きは折り返し部(6)によって制限され、x軸方向(X)への運動は第1の突条(7)によって制限されることで、嵌合した後に第2帯部(8)が第1帯部(5)から意図せず外れてしまうことが防止される。
尚、第2帯部(8)のx軸方向(X)に延びる線に沿って截断して得られる断面の形状は略Y字状に限定されず、第1雄部(M1)と嵌合した際に、第1雄部(M1)と強固に嵌めあうことができれば、いかなる形状であってもよい。
【0033】
樋状体(9)は、第1帯部(5)と嵌合した際、折り返し部(6)と嵌り合うように形成されている。これにより、第1雄部(M1)と第1雌部(F1)が嵌合した際の嵌め合いを強固にすることができる。
樋状体(9)は、樋状体(9)によって構成されたy軸方向(Y)に沿って延びる凹所(R)にパッキン(10)を嵌入することができる。パッキン(10)を嵌入した状態で、第1帯部(5)と嵌合することで、折り返し部(6)とパッキン(10)が圧着され、パッキン(10)を嵌入していない場合と比較して、第1板状体(2)同士の接続部分の嵌め合いをより強くすることができる。これにより、第1板状体(2)同士の接続部分からの雨水等の浸入をより確実に防止することができる。
尚、樋状体(9)の寸法や形状は特に限定されず、折り返し部(6)と嵌り合うことができ、パッキン(10)を嵌入することができれば、いかなる寸法や形状であってもよい。
【0034】
パッキン(10)は、y軸方向(Y)の長さが、連結する型材(1)のy軸方向(Y)の長さと同一であることが好ましい。しかし、これに限定されず、雨水等の液体が第1板状体(2)同士の接続部分から内部に侵入することを防止できる長さであれば、連結する型材(1)のy軸方向(Y)の長さよりも短くてもよい。
パッキン(10)の径は特に限定されないが、樋状体(9)に嵌入でき、且つ第1帯部(5)と嵌合した際に、十分圧着できる径が望ましい。
パッキンの材質は、天然ゴム、人造ゴム、皮革、プラスチック、木綿、ガラス繊維、木材等の単独あるいはそれらを二種以上組み合わせたものなど、パッキンとして防水性能を発揮できるものであればいかなるものでもよい。
また、パッキン(10)が劣化した場合は、防水性が低下するため、適宜新しいものに交換することが望ましい。
【0035】
第2板状体(3)は、x軸方向の一端側の第1側縁(E1)に第2雄部(M2)を、他端側の第2側縁(E2)に第2雌部(F2)を備えている。尚、第2板状体(3)は、第2板状体(3)同士を連結するために第2雄部(M2)と、該雄部を着脱自在に受け入れる第2雌部(F2)の両方を備えていればよく、x軸方向の一端側の第1側縁(E1)が第2雌部(F2)、他端側の第2側縁(E2)が第2雄部(M2)であってもよい。
【0036】
第2板状体の第2雄部(M2)には、第2板状体の第1側縁(E1)又は第2側縁(E2)の自由端に向かうにつれて先細りにされたテーパ部(11)が例えば鋳造或は切削・研磨加工により一体的に形成されている。
テーパ部(11)は、後述する第3帯部(12)と嵌合した際、後述する折り返し部(13)と第2の突条(14)の間の間隙に嵌合される。
【0037】
第2板状体(3)の第2雌部(F2)は、x軸方向(X)に延びる線に沿って截断して得られる断面が略J字状を呈した第3帯部(12)からなり、第3帯部(12)にはそのy軸方向(Y)に延びる2つの側縁の内の一方が折り返された折り返し部(13)を備え、第2板状体(3)の第1側縁(E1)又は第2側縁(E2)に一体的に接合され、他方の側縁の近傍且つ折り返し部(13)と向かい合う側の第3帯部(12)(より詳しくは、第3帯部(12)の折り返し部(13)以外の領域)にy軸方向(Y)に沿って延びる第2の突条(14)が例えば鋳造により一体的に接合されている。
尚、第3帯部(12)のx軸方向(X)に延びる線に沿って截断して得られる断面の形状は略J字状に限定されず、第2雄部(M2)と嵌合した際に、テーパ部(11)が意図せず外れることを防止するためのストッパーとしての役割を果たす第2の突条(14)と、テーパ部(11)が嵌る折り返し部(6)と第3帯部(12)の間に間隙が形成されており、且つテーパ部(11)と強固に嵌め合うことができれば、いかなる形状であってもよい。
【0038】
折り返し部(13)は、第1又は第2側縁(E2)からx軸方向(X)に突出しており、折り返し部(13)と第3帯部(12)の間に間隙が形成されている。この間隙に第2雄部(M2)のテーパ部(11)が嵌入される。
折り返し部(13)は第1板状体(2)からみて第2の突条(14)よりもz軸方向(Z)において遠位側に位置づけられている。
尚、折り返し部(13)は、折り返し部(13)と第3帯部(12)の間の間隙にテーパ部(11)を嵌めることができればよく、x軸方向(X)に延びる線に沿って截断して得られる断面が略矩形状でも正方形状であってもよく、x軸方向(X)の突出部が丸みを持った形状であってもよい。
【0039】
第2の突条(14)は、第2雄部(M2)と嵌合した際に、第2雄部(M2)のテーパ部(11)が意図せず外れることを防止するためのストッパーとしての役割を果たす。
第2の突条(14)は、テーパ部(11)のストッパーとして機能すればよく、その形状や寸法は限定されず、x軸方向(X)に延びる線に沿って截断して得られる断面が略矩形状でも正方形状、x軸方向(X)の突出部が丸みを持った形状であってもよく、側縁部までz軸方向(Z)の肉厚を厚くしてもよく、側縁部に向かって先細りするテーパ形状にしてもよい。
【0040】
型材(1)は第1板状体(2)及び第2板状体(3)に雄部及び雌部を備えているため、例えば、リブに雄部及び雌部を設ける場合よりも、型材(1)同士を容易且つ強固に連結することができる。
【0041】
万が一雨水が第1板状体(2)同士の隙間から型材内に浸入した際に、第2板状体(3)同士の隙間からの雨漏りを防ぐために、型材内に第1雨水防止壁(15)を設けることができる。
第1雨水防止壁(15)は、第2板状体(3)のテーパ部(11)の最も近傍に配されたリブ(4)の第1板状体(2)と第2板状体(3)のテーパ部(11)との間に、y軸方向に沿って例えば鋳造により一体的に形成、或は溶接により別体として形成されている(
図1参照)。
第1雨水防止壁(15)は、x軸方向(X)に延びる線に沿って截断して得られる断面が略L字形状を呈する部材である。第1板状体(2)から落ちてきた雨水が確実に第2板状体(3)の第1側縁(E1)又は第2側縁(E2)に落ちるようにするため、第1雨水防止壁(15)の自由端は第2板状体(3)方向に折り返されていることが望ましい(
図3の(b)参照)。しかし、これに限定されず、侵入した雨水が第2板状体(3)同士の隙間に達することを防ぐことができればいかなる形状であってもよく、リブ(4)からx軸方向(X)に一直線状に伸びていてもよい。
第1雨水防止壁(15)を設けることにより、第1板状体(2)同士の隙間から型材内に浸入した雨水が、第1雨水防止壁(15)に接触し、第1雨水防止壁(15)を伝って第2板状体(3)の第1側縁(E1)又は第2側縁(E2)に落ちるため、侵入した雨水が第2板状体(3)同士の隙間に達することを防ぐことができる。
【0042】
第2板状体(3)同士の隙間からの雨漏りをより確実に防ぐために、上述の第1雨水防止壁(15)に加えて、第2雨水防止壁(16)を例えば鋳造により一体的に或は溶接により別体として設けることができる。
第2雨水防止壁(16)は、第2板状体(3)の第3帯部(12)の第2の突条(14)とz軸方向(Z)において反対側且つ第2板状体(3)の第3帯部(12)の自由端近傍に、y軸方向(Y)に沿って延びるように形成されている。
第2雨水防止壁(16)は、x軸方向(X)に延びる線に沿って截断して得られる断面が略直線形状を呈する部材である。第2雨水防止壁(16)は、第2板状体(3)の第1側縁(E1)又は第2側縁(E2)に落ちた雨水が第2板状体(3)同士の隙間に達することを防ぐことができればいかなる形状であってもよく、自由端側が折り返された略L字形状であってもよい。
また、より確実に雨水が第2板状体(3)同士の隙間に達することを防ぐため、第2雨水防止壁(16)のz軸方向(Z)の長さは長いほうがよい。さらに、z軸方向(Z)に長くすることで、後述の流路(P)の許容水量を増加させることができ、これにより、さらに確実に雨水が第2板状体(3)同士の隙間に達することを防ぐことができる。
第2雨水防止壁(16)のx軸方向(X)の位置は特に限定されないが、第2雨水防止壁(16)を第3帯部(12)の自由端により近い位置に設ける方が、後述の流路(P)の許容水量が増加するためより望ましい。
第2雨水防止壁(16)を設けることにより、第3帯部(12)上にz軸方向(Z)の壁が形成され、且つリブ(4)から第2雨水防止壁(16)間に流路(P)が形成されるため、第1雨水防止壁(15)から落ちてきた雨水が第2板状体(3)同士の隙間に達することをより確実に防止できる。
【0043】
型材(1)には、型材(1)の強度を高めるためにリブ(4)を設けることが望ましい。リブ(4)はy軸方向(Y)に沿って第1板状体(2)と第2板状体(3)をz軸方向(Z)に離間するように設けることが望ましいが、例えば、型材(1)のx軸方向(X)の両端部に近接するリブ(4)のみをy軸方向(Y)に沿って設け、その他のリブ(4)をx軸方向(X)に沿って第1板状体(2)と第2板状体(3)をz軸方向(Z)に離間するように設けてもよい。
隣り合うリブ(4)間の距離は、型材(1)の強度を十分に高めるために30−60mmが好ましいが、これに限定されず、30mm未満であっても、60mmを超えてもよい。
リブ(4)の厚みは、型材(1)の強度と軽量化を両立するという観点から、1.0mmから3.0mmが好ましいが、これに限定されず、1.0mm未満であっても、3.0mmを超えてもよい。
【0044】
リブ(4)には、ビス止め穴(17)が設けられることが望ましい。ビス止め穴(17)は、軒先、軒樋等のカバー材や化粧材を、直接型材(1)に取り付ける際、あるいは下地材を介して取り付ける際に、これらを型材(1)に固定するために使用されるビスのビス止めとして設けられている。
ビス止め穴(17)は、型材(1)の全てのリブ(4)に設けてもよく、実際にビスが打ち込まれる位置にあるリブ(4)にだけ設けてもよい。
また、ビス止め穴(17)の穴径に規定はなく、打ち込むビスの外径に合わせて適宜変更することが望ましい。
【0045】
連結した型材(1)間のxyz軸方向のずれを防止するために、第1帯部(5)と第1雨水防止壁(15)の間隙、及び第3帯部(13)と近接するリブ(4)に接合された第4帯部(24)の間隙にピン(25)を挟持してもよい(
図3の(b)参照)。
これにより、型材(1)間の摩擦力が大きくなり、連結した型材(1)間のxyz軸方向のずれを防止できる。
尚、ピン(25)をより強く挟持するために、例えば、第1帯部(5)の自由端近傍の第1雨水防止壁(15)側、第1雨水防止壁(15)のリブ近傍の第1帯部(5)側、第3帯部(13)の自由端近傍の第4帯部(24)側、及び第4帯部(24)の自由端側の第3帯部(13)側に凹部を設ける等、挟持するピン(25)の形状や寸法に合わせることが望ましい。しかしこれに限定されず、ピン(25)を挟持することができる形状であればいかなる形状であってもよい。
【0046】
第1板状体(2)及び/又は第2板状体(3)の表面に凹凸を設けることで、型材(1)同士の繋ぎ目(接続部)を見え難くすることができ、建築構造体の美観(意匠性)が損なわれない。尚、型材(1)同士の繋ぎ目(接続部)を見え難くすることができるものであれば、凹凸の高低差や幅はいかなるものであってもよい。
【0047】
型材(1)の材質は、重量や強度の観点から、アルミニウムあるいはアルミニウム合金が好ましいが、これに限定されず、耐候性と機械強度を備えた合成樹脂や木材等でもよく、庇や屋根等の建築構造体として通常使用される材質であればいかなるものでもよい。また、第1板状体(2)と第2板状体(3)の雄部と雌部がアルミニウムで、その他の部分が木材である等、アルミニウム、アルミニウム合金、耐候性と機械強度を有する合成樹脂、あるいは木材若しくはこれらの二種以上を組み合わせたものであってもよい。
【実施例】
【0048】
以下、本発明に係る型材(1)を複数個使用した建築構造体である庇及び屋根について、実施例によってさらに詳細に説明する。しかし、本発明は実施例に限定されるものではない。本発明に係る型材(1)は、庇及び屋根以外にも、壁等の様々な構造体の形成に用いることができる。
【0049】
<型材を用いた庇>
図4は、本発明に係る型材(1)を1以上使用した建築構造体である庇の一例を示す図である。
図4に示す庇(18)は、1以上の型材(1)同士をx軸方向(X)に連結したものである。
尚、庇に用いる型材の数は特に限定されず、1、2、3、4あるいは5以上の任意の数の型材(1)を用いることができる。
尚、本明細書において、建築構造体の2以上の型材のうちの任意の隣り合う2つの型材を第1型材及び第2型材と呼称する。
型材(1)同士は、
図3の(a)及び(b)に示すように、第1板状体(2)の第1雄部(M1)と第1雌部(F1)とが嵌合し、第2板状体(3)の第2雄部(M2)第2雌部(F2)とが嵌合することによって連結されている。
x軸方向(X)の最も端に設置された型材(1)の雄部及び/又は雌部には、サイドカバー等の側端部材(20)が取り付けられる。側端部材(20)は、サイドカバー、化粧材、化粧縁等の、庇の側端部材として通常使用されるものであればいかなるものでもよい。側端部材(20)の取り付け方法は、特に限定されないが、例えば、ビス等を用いて側端部材(20)を第1板状体(2)に固定する等、庇の側端部材を固定するために通常使用されるものであればいかなる方法を用いてもよい。
庇(18)のy軸方向(Y)の建造物の外側の末端には、軒先水切りや軒樋等の先端部材(21)が取り付けられる。先端部材(21)は、直接あるいは下地材を介して、ビス等を使用して型材(1)に取り付けられる。取り付けに使用するビスはビス止め穴(17)に嵌め込まれる。
先端部材(21)は、上述のリブ(4)から第2雨水防止壁(16)間に形成された流路(P)に流れ込んだ雨水を排出できるものであることが望ましい。
次に、型材(1)を使用した建築構造体である庇を形成する方法の一例を示す。尚、以下に示す方法は一例であって、これに限定されるものではなく、庇の形成に当業者が通常採用しようとする方法はいかなる方法も適応可能である。
まず、庇を形成する箇所の軒側(壁側)に保持具(図示せず)を固定し、設置された保持具に型材(1)のy軸方向(Y)の一端を固定する。尚、保持具は、庇を形成するために当業者が通常採用しようとする保持具であれば、いかなるものを使用してもよい。
次に、別の型材(1)を、保持具に固定した型材(1)とx軸方向(X)に隣接させて型材同士の雄部と雌部を嵌め合わせて保持具に固定する。
型材(1)の連結幅が所望の幅になるまで、この型材(1)の連結を繰り返す。
型材(1)の連結幅が所望の幅となったら、側端部材(20)と先端部材(21)を直接的又は間接的に型材(1)に連結し、庇(18)が形成される。
この組み立て方法では、型材(1)を1つずつ連結し、且つ型材の連結に連結部材等を必要としないので、重機を使用せずに作業者一人で容易に庇を組み立てることができる。
尚、重機を使用して庇(18)を形成する場合は、先に型材(1)同士を所望の幅まで連結し、且つ側端部材(20)と先端部材(21)を型材(1)に連結させ、重機を使用して持ち上げ、保持具に固定し、庇(18)を形成してもよい。
尚、側端部材(20)と先端部材(21)は、型材(1)と直接的又は間接的に連結できるものであれば、いかなるものを用いてもよい。
【0050】
<型材を用いた屋根>
図5は、本発明に係る型材(1)を用いて形成した建築構造体である屋根の一例を示す図である。
図5に示す屋根(19)は、1以上の型材(1)同士をx軸方向(X)に連結したものである。
尚、屋根に用いる型材の数は特に限定されず、1、2、3、4あるいは5以上の任意の数の型材(1)を用いることができる。
x軸方向(X)の最も端に設置された型材(1)の雄部及び/又は雌部には、サイドカバー等の側端部材(22)が取り付けられる。側端部材(22)は、化粧材、化粧縁等の、屋根の側端部材として通常使用されるものであればいかなるものでもよい。側端部材(22)の取り付け方法は、特に限定されないが、例えば、ビス等を用いて側端部材(22)を第1板状体(2)に固定する等、屋根の側端部材を固定するために通常使用されるものであればいかなる方法を用いてもよい。
型材(1)のy軸方向(Y)の末端には、軒先水切りや軒樋等の先端部材(23)が取り付けられる。先端部材(23)は、直接あるいは下地材を介して、ビス等を使用して建築構造体(1)に取り付けられる。取り付けに使用するビスはビス止め穴(17)に嵌め込まれる。
先端部材(23)は、上述のリブ(4)から第2雨水防止壁(16)間に形成された流路(P)に流れ込んだ雨水を排出できるものであることが望ましい。
次に、型材(1)を使用した建築構造体である屋根を形成する方法の一例を示す。尚、以下に示す方法は一例であって、これに限定されるものではなく、屋根の形成に当業者が通常採用しようとする方法はいかなる方法も適応可能である。
まず、当業者が通常採用しようとする方法のいずれかを用いて予め設置した柱に保持具(図示せず)を固定し、設置された保持具に型材(1)のy軸方向(Y)の一端又は両端を固定する。尚、保持具は、屋根を形成するために当業者が通常採用しようとする保持具であれば、いかなるものを使用してもよい。
次に、別の型材(1)を、保持具に固定した型材(1)とx軸方向(X)に隣接させて型材同士の雄部と雌部を嵌め合わせて保持具に固定する。
型材(1)の連結幅が所望の幅になるまで、この型材(1)の連結を繰り返す。
型材(1)の連結幅が所望の幅となったら、側端部材(22)と先端部材(23)を直接的又は間接的に型材(1)に連結し、屋根(19)が形成される。
この組み立て方法では、型材(1)を1つずつ連結していくため、重機を使用せずに作業者だけで屋根を組み立てることができる。
尚、重機を使用して屋根を形成する場合は、先に型材(1)同士を所望の幅まで連結し、且つ側端部材(22)と先端部材(23)を型材(1)に連結させ、重機を使用して持ち上げ、保持具に固定し、屋根を形成してもよい。
尚、側端部材(22)と先端部材(23)は、型材(1)と直接的又は間接的に連結できるものであれば、いかなるものを用いてもよい。
【0051】
本発明に係る型材及び型材を用いた建築構造体は、雨水が型材同士の隙間から型材内に侵入し難く、万が一侵入した場合でも、型材間の非暴露側の隙間から雨水が滴下することを防ぐことができる。
また、本発明に係る型材は型材同士の連結に連結部材を必要とせず、且つ型材同士を強固に連結することができる。連結部材を必要としないため、作業者が一人であっても、容易に型材同士を連結することができる。
さらに、本発明に係る型材は軽量で強度が高く、型材間を強固に連結でき、且つ型材間の非暴露側の隙間から雨水が滴下することを防ぐことができるため、従来の庇に用いられてきた型材では形成することができなかった屋根を形成することができる。
【解決手段】xy軸方向に広がりを持ち、互いに対向する2枚の矩形を呈した板状体と、複数のリブとからなる中空の型材であり、2枚の板状体の一方が第1板状体であり、他方が第2板状体であって、第1板状体の第1雄部は、x軸方向に延びる線に沿った断面略J字状を呈した第1帯部からなり、第1板状体の第1雌部は、x軸方向に延びる線に沿った断面略Y字状を呈した第2帯部からなり、第2板状体の第2雄部は、第2板状体の第2側縁の自由端に向かうにつれて先細りにされたテーパ部が一体的に形成され、第2板状体の第2雌部は、x軸方向に延びる線に沿った断面略J字状を呈した第3帯部からなることを特徴とする型材と該型材を用いた建築構造体とする。