特許第6088791号(P6088791)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6088791
(24)【登録日】2017年2月10日
(45)【発行日】2017年3月1日
(54)【発明の名称】チャッキング装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/04 20060101AFI20170220BHJP
【FI】
   G01N35/04 G
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-239391(P2012-239391)
(22)【出願日】2012年10月30日
(65)【公開番号】特開2014-89118(P2014-89118A)
(43)【公開日】2014年5月15日
【審査請求日】2015年8月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】309007184
【氏名又は名称】あおい精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100088683
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100095441
【弁理士】
【氏名又は名称】白根 俊郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100119976
【弁理士】
【氏名又は名称】幸長 保次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100172580
【弁理士】
【氏名又は名称】赤穂 隆雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100124394
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 立志
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志
(74)【代理人】
【識別番号】100111073
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 美保子
(74)【代理人】
【識別番号】100134290
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 将訓
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 照明
【審査官】 長谷 潮
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭63−114995(JP,U)
【文献】 特開平02−009593(JP,A)
【文献】 特開平09−086859(JP,A)
【文献】 特開2000−321287(JP,A)
【文献】 特開2001−096484(JP,A)
【文献】 特開2009−125851(JP,A)
【文献】 特開2011−013086(JP,A)
【文献】 特開2000−051514(JP,A)
【文献】 米国特許第08267451(US,B1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0133524(US,A1)
【文献】 米国特許第05538305(US,A)
【文献】 実開昭53−053383(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00−35/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
試験管を保持可能な一対のアームと、
前記一対のアームを開閉させる開閉機構と、
前記開閉機構を駆動するモータと、
2つの異なる供給電圧で前記モータに電力を供給する供給手段と、
を備え、
前記供給手段は、
前記一対のアームによる前記試験管の保持を検出可能な検出器と、
前記異なる供給電圧のいずれかに切り替える切換手段と、
前記試験管の保持が前記検出器で検出された後、前記切換手段を切り替えて、前記モータに供給する前記電力の供給電圧を低下させる制御装置と、
を具備し、
前記検出器は、前記一対のアームが前記試験管を保持可能な間隔となる位置に位置したことを検出可能に構成されることを特徴とするチャッキング装置。
【請求項2】
前記2つの異なる供給電圧は、一方が前記モータの定格電圧であって、他方が前記定格電圧よりも低い電圧であることを特徴とする請求項1に記載のチャッキング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試験管を保持するチャッキング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、血液などの検体を試験管に収容した状態で搬送し、各種処理を行う検体処理装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。検体処理装置は、試験管をチャッキング装置により保持し、処理を行う位置までチャッキング装置を移動装置により移動させ、チャッキング装置により試験管の保持を解除することで、試験管を所定の位置に搬送する。
【0003】
このようなチャッキング装置は、試験管を挟持することで保持するアームと、アームを開閉する開閉機構と、開閉機構を駆動するエアコンプレッサ及びエアシリンダを有する駆動手段と、を備えている。チャッキング装置は、試験管をアームにより保持後、移動装置により所定の位置まで試験管が搬送される間、駆動手段により開閉機構を継続して駆動することで、アームによる試験管の保持が維持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−13086号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したチャッキング装置では、以下の問題があった。即ち、上述したチャッキング装置は、エアコンプレッサ及びエアシリンダを用いた駆動手段により、開閉機構を駆動する構成であることから、装置が大型となる問題があった。
【0006】
例えば、駆動手段にエアコンプレッサ及びエアシリンダを用いない構成として、モータを駆動手段に用いることも考えられる。しかし、モータを用いた場合では、アームにより試験管を保持後、当該保持を維持するために、モータに電力の供給を継続する必要があり、モータの発熱や過電流によるモータの損傷等の虞がある。
【0007】
そこで、本発明は、モータを用いても試験管の保持を維持可能なチャッキング装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決し目的を達成するために、本発明のチャッキング装置は、次のように構成されている。
【0009】
本発明の一態様として、試験管を保持可能な一対のアームと、前記一対のアームを開閉させる開閉機構と、前記開閉機構を駆動するモータと、2つの異なる供給電圧で前記モータに電力を供給する供給手段と、を備え、前記供給手段は、前記一対のアームによる前記試験管の保持を検出可能な検出器と、前記異なる供給電圧のいずれかに切り替える切換手段と、前記試験管の保持が前記検出器で検出された後、前記切換手段を切り替えて、前記モータに供給する前記電力の供給電圧を低下させる制御装置と、を具備し、前記検出器は、前記一対のアームが前記試験管を保持可能な間隔となる位置に位置したことを検出可能に構成される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によればモータを用いても試験管の保持を維持可能なチャッキング装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施の形態に係る検体処理装置の構成を示す説明図。
図2】同検体処理装置に用いられるチャッキング装置の構成を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施の形態に係る検体処理装置1に用いられるチャッキング装置10の構成について、図1及び図2を用いて説明する。
【0013】
図1は、本発明の一実施の形態に係る検体処理装置1の構成を模式的に示す説明図、図2は検体処理装置1に用いられるチャッキング装置10の構成であって、使用の一例を模式的に示す説明図である。
【0014】
図1に示すように、検体処理装置1は、試験管100を保持するチャッキング装置10と、チャッキング装置10を移動させる移動装置11と、試験管100を支持する複数の試験管ホルダ12と、制御装置13と、を備えている。また、検体処理装置1は、試験管100に収容された検体を処理する処理手段14を備えている。
【0015】
このような検体処理装置1は、チャッキング装置10及び移動装置11により、検体が処理手段14により処理される位置に試験管100を搬送し、検体を処理可能に形成されている。
【0016】
試験管100は、検体を収納可能に形成されている。試験管100は、図1においては、ドーム状の底部を有する円筒状の構成を説明するが、これに限定されず、検体を収納可能、且つ、チャッキング装置10により保持可能な構成であれば、他の構成でもよい。
【0017】
チャッキング装置10は、アーム21と、開閉機構22と、モータ23と、供給手段24と、を備えている。
【0018】
アーム21は、一対のアーム部31により構成される。アーム21は、一対のアーム部31の先端が開閉可能に形成されている。ここで、一対のアーム部31の先端の開閉とは、一対のアーム部31の近接及び離間である。アーム21は、一対のアーム部31の先端が閉塞することで、試験管100を挟持して保持する。
【0019】
開閉機構22は、アーム21の先端を開閉可能に形成されている。具体的には、開閉機構22は、モータ23の回転運動を直線運動に変換する変換機構35と、直線運動によりアーム21を開閉するリンク機構36と、を備えている。
【0020】
変換機構35は、モータ23の回転軸に接続されたボールねじ41と、ボールねじ41と螺合するボールナット42と、を備えている。ボールナット42は、ボールねじ41の回転方向の移動が規制されている。
【0021】
リンク機構36は、基部44と、可動部45と、リンク46と、を備えている。基部44は、ボールねじ41の先端に回転可能に固定される。換言すると、基部44は、ボールねじ41の先端に固定されるとともに、ボールねじ41を回転自在に軸支する。
【0022】
可動部45は、ボールナット42に固定され、ボールナット42の移動に追従して移動可能に形成されている。可動部45は、一対のピン47を備えている。
【0023】
リンク46は、長板状に形成された一対のリンク部49と、リンク部49にそれぞれ形成された、ピン47をスライド移動させる溝部50と、基部44に固定された回転軸51と、を備えている。リンク部49は、その一方の端部にアーム部31がそれぞれ固定されるとともに、他方側に溝部50が形成される。また、リンク部49は、回転軸51が、一方の端部及び溝部50間に設けられ、回転軸51を中心に回動する。
【0024】
溝部50は、ピン47が直線移動可能に延設されている。溝部50は、回転軸51を介してリンク部49が基部44に固定された場合に、その長手方向が、可動部45の移動方向に対して傾斜して、リンク部49に形成される。換言すると、溝部50は、可動部45の移動に伴ってピン47が直線移動することで、回転軸51を中心にリンク部49を回動可能に形成されている。
【0025】
溝部50は、例えば、可動部45が基部44に近接することで、一対のリンク部49の先端が離間し、一対のアーム部31が開状態となり、可動部45が基部44から離間することで、一対のリンク部49の先端が近接し、一対のアーム部31が閉状態となるように、その形状が形成されている。
【0026】
モータ23は、DCモータである。モータ23は、ボールねじ41を回転可能に形成されている。モータ23は、例えば、定格電圧が24Vに形成されている。モータ23は、その電流の流れ方向を切り替えることで、ボールねじ41の回転方向を切換可能に形成されている。
【0027】
供給手段24は、モータ23及び電力の供給源に接続され、供給源からの電力をモータ23に供給可能に形成されている。具体的には、供給手段24は、2つの異なる供給電圧に設定された2つの電力の一方を、モータ23に供給可能に形成されている。供給手段24は、切換リレー55と、検出器56と、制御装置13と、により構成される。
【0028】
切換リレー55は、モータ23に供給する電力を切換え可能に形成された、切換手段である。例えば、2つの異なる供給電圧は、モータ23の定格電圧と、この定格電圧よりも低い低電圧である。例えば、定格電圧は24Vであって、低電圧は、5V〜12Vである。ここで、低電圧は、モータ23の負荷を低減可能、且つ、一対のアーム部31により試験管100の挟持が可能な電圧であれば、適宜設定可能である。
【0029】
切換リレー55は、信号線Sにより、制御装置13に電気的に接続され、制御装置13により電流の流れを切り替え可能に形成されている。切換リレー55は、第1の状態において、定格電圧が供給される供給源、例えば、制御装置13に形成された定格電圧を供給する供給源60に信号線Sを介して接続される。また、切換リレー55は、第1の状態から切り替えられた第2の状態において、低電圧が供給される供給源、例えば、制御装置13に形成された、低電圧を供給する供給源60に信号線Sを介して接続される。
【0030】
検出器56は、アーム21による試験管100の保持を検出可能に形成されている。例えば、検出器56は、リンク部49に接続された一対のアーム部31が試験管100を保持可能な位置に位置した可動部45を検出可能に形成されている。検出器56は、制御装置13に、信号線Sを介して接続されている。検出器56は、検出した可動部45の情報を、制御装置13に送信可能に形成されている。
【0031】
移動装置11は、チャッキング装置10を移動可能に形成されている。例えば、移動装置11は、チャッキング装置10を三軸方向に移動可能に形成されている。移動装置11は、信号線Sを介して制御装置13に接続されている。
【0032】
試験管ホルダ12は、複数設けられる。試験管ホルダ12は、試験管100を支持可能に形成されている。例えば、試験管ホルダ12は、試験管100を取り出す第1位置に設けられた試験管ホルダ12Aと、試験管100を搬送し、例えば処理手段14により処理される位置である第2位置に設けられた試験管ホルダ12Bと、を備えている。
【0033】
制御装置13は、移動装置11、切換リレー55及び検出器56に、信号線Sを介して電気的に接続される。制御装置13は、モータ23に電力を供給可能に形成されている。制御装置13は、例えば、2つの異なる供給電圧で、モータ23に電力を供給する供給源60を有している。供給源60には、切換リレー55が接続され、切換リレー55の状態に応じて、定格電圧及び低電圧のいずれかをモータ23に供給する。また、制御装置13は、検出器56で検出された検出結果に基づいて、切換リレー55を切換可能に形成されている。
【0034】
制御装置13は、移動装置11を制御し、チャッキング装置10を移動させることで、チャッキング装置10を、保持する試験管100に移動可能に形成されている。また、制御装置13は、チャッキング装置10を移動させることで、チャッキング装置10に保持された試験管100を、所定の位置に搬送可能に形成されている。
【0035】
次に、このように構成された検体処理装置1による、試験管100の搬送について説明する。本実施の形態においては、試験管100を試験管ホルダ12Aである第1位置12Aから、試験管ホルダ12Bである第2位置12Bへと移動させる構成について説明する。
【0036】
先ず、制御装置13は、外部入力又は予め記憶されたプログラム等から、試験管100を第1位置12Aから第2位置12Bに搬送する指示を受信すると、先ず、移動装置11を制御し、チャッキング装置10を、第1位置12Aの上方に移動させる。
【0037】
次に、制御装置13は、一対のアーム部31を開状態とし、一対のアーム部31間に、試験管100を位置させる。具体的には、制御装置13は、切換リレー55を介してモータ23に定格電圧で電力を供給し、一対のアーム部31の先端を開放させる。なお、このとき、制御装置13は、ボールナット42が基部44に近接する方向に移動するボールねじ41の回転方向に、モータ23を回転させる。また、制御装置13は、一対のアーム部31の先端が、試験管100の中腹部に位置するように、移動装置11を制御し、チャッキング装置10を下降させる。
【0038】
制御装置13は、試験管100を保持可能な位置にチャッキング装置10を下降させたあと、モータ23に電力を供給し、一対のアーム部31により試験管100を保持させる。具体的には、図1に示すように、制御装置13は、切換リレー55を介して定格電圧で電力をモータ23に供給する。なお、このとき、制御装置13は、ボールナット42が基部44から離間する方向に移動するボールねじ41の回転方向に、モータ23を回転させる。
【0039】
チャッキング装置10は、モータ23の回転により、ボールねじ41が回転し、ボールナット42が移動する。これにより可動部45は基部44から離間する方向に移動する。可動部45の移動に伴って、ピン47も直線移動する。ピン47がリンク部49の溝部50を移動することで、リンク部49は、ピン47により溝部50が押圧され、回転軸51を中心にその先端が近接する方向に回動する。
【0040】
リンク部49の移動に伴って、一対のアーム部31の先端が近接し、当該アーム部31は、閉状態となり、試験管100を挟持する。検出器56は、一対のアーム部31が試験管100を保持可能な位置に可動部45が位置したことを検出すると、当該検出した情報を制御装置13に送信する。
【0041】
制御装置13は、検出器56からの情報を受信すると、図2に示すように切換リレー55を切り替えて、モータ23に定格電圧よりも低い、低電圧の電力を供給する。これにより、一対のアーム部31は、モータ23の出力が低下した状態で、換言すると、挟持する力が低下した状態で試験管100の保持を継続する。
【0042】
この状態で、制御装置13は、移動装置11を制御し、試験管100を第1位置12Aである試験管ホルダ12Aから、第2位置12Bである試験管ホルダ12Bに搬送する。試験管100を試験管ホルダ12Bに搬送後、制御装置13は、モータ23に定格電圧で電力を供給する。なお、このとき、制御装置13は、可動部45が基部44に近接する方向に移動可能に、モータ23の回転方向を変更させる。
【0043】
これにより、試験管100は、チャッキング装置10による保持が解除され、試験管ホルダ12Bに支持される。制御装置13は、移動装置11を制御し、チャッキング装置10を試験管100から離間させる。このように、検体処理装置1は、試験管100を搬送する。また、検体処理装置1は、第2位置12Bにて、処理手段14により検体の処理を行う。
【0044】
このように構成された検体処理装置1によれば、チャッキング装置10は、試験管100をアーム21により挟持したことを検出器56により検出後、切換リレー55を切り替えることで、モータ23に供給する電力の供給電圧を低下させる。チャッキング装置10は、アーム21による試験管100の保持を維持する間、モータ23に低電圧が供給することで、モータ23の負荷を低下させることが可能となる。これにより、モータ23に過度な負荷や電流が印加されることを防止し、モータ23の発熱、及び、過電流によるモータの損傷を防止することが可能となる。
【0045】
上述したように本発明の一実施の形態に係る検体処理装置1によれば、試験管100の保持後に、モータ23を駆動する供給電圧を低下させることで、モータ23の負荷を低減し、モータ23を用いても試験管100の保持を維持可能となる。
【0046】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。上述した例では、チャッキング装置10は、検体処理装置1に用いる構成を説明したが、これに限定されない。例えば、チャッキング装置10は、検体の処理を行わず、試験管100の搬送のみを行う搬送装置に用いる構成であってもよい。また、チャッキング装置10は、アーム21の開閉を、変換機構35及びリンク機構36により行う構成を説明したが、これに限定されない。チャッキング装置10は、アーム21の開閉をモータ23の動力により行うとともに、アーム21により試験管100の保持を維持する間、モータ23へ電力の供給が継続される構成であれば、他の構成であってもよい。
【0047】
また、上述した例では、検体処理装置1は、検体が収容された試験管100を、チャッキング装置10及び移動装置11により、検体を処理する位置に搬送する構成を説明したが、これに限定されない。例えば、検体が収容されていない試験管100をチャッキング装置10及び移動装置11により搬送する構成であってもよい。
【0048】
さらに、上述した例では、制御装置13が2つの異なる供給電圧でモータ23に電力を供給する供給源60を有する構成を説明したがこれに限定されない。供給源60は、2つの異なる電圧をモータ23に供給可能であれば、制御装置13とは別体に設けられる構成であってもよい。この他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 試験管を保持可能なアームと、
前記アームを開閉させる開閉機構と、
前記開閉機構を駆動するモータと、
2つの異なる供給電圧で前記モータに電力を供給する供給手段と、
を備えることを特徴とするチャッキング装置。
[2] 前記供給手段は、
前記アームによる前記試験管の保持を検出可能な検出器と、
前記異なる供給電圧のいずれかに切り替える切換手段と、
前記試験管の保持が前記検出器で検出された後、前記切換手段を切り替えて、前記モータに供給する前記電力の供給電圧を低下させる制御装置と、
を備えることを特徴とするチャッキング装置。
[3] 前記2つの異なる供給電圧は、一方が前記モータの定格電圧であって、他方が前記定格電圧よりも低い電圧であることを特徴とする[2]に記載のチャッキング装置。
【符号の説明】
【0049】
1…検体処理装置、10…チャッキング装置、11…移動装置、12…試験管ホルダ、13…制御装置、14…処理手段、21…アーム、22…開閉機構、23…モータ、24…供給手段、31…アーム部、35…変換機構、36…リンク機構、41…ボールねじ、42…ボールナット、44…基部、45…可動部、46…リンク、47…ピン、49…リンク部、50…溝部、51…回転軸、55…切換リレー(切換手段)、56…検出器、60…供給源、100…試験管、S…信号線。
図1
図2