(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の揮散装置では、シール材を揮散板から剥離した状態でこの揮散装置を放置しておくと、揮散剤を揮散させる必要が無くなった場合でも揮散剤が揮散され続けるため、このような無駄な揮散剤の揮散を抑えて揮散剤を効率的に揮散させることについて改善の余地がある。
【0005】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、揮散剤を効率的に揮散させることができる揮散装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明に係る揮散装置は、送風口の正面に配置されるとともに通気口が貫設された背面壁部を有する支持部材と、前記背面壁部を間に挟んで前記送風口の反対側に配置されるとともに前記支持部材に鉛直方向に支持され、内部に収容する揮散剤を吐出する吐出容器と、前記吐出容器から吐出された揮散剤が含浸されるとともに、前記送風口からの空気が前記通気口を通して吹き付けられる含浸体と、を備え、前記吐出容器は、揮散剤が収容される容器体と、前記容器体に取り付けられた吐出器と、を備え、前記吐出器は、前記容器体の口部に装着された装着キャップと、前記装着キャップに上方付勢状態で下方移動可能に配設されたステムと、前記ステムに装着された押下ヘッドと、を備え、前記装着キャップには、前記ステムを、この吐出容器の径方向の外側から囲繞する起立筒部が立設され、前記含浸体は、前記起立筒部および前記押下ヘッドを前記径方向の外側から囲繞し、下端部が前記装着キャップの上面上に配置された円筒状に形成され、前記起立筒部の外周面と前記含浸体の内周面との間には、前記装着キャップの上面により下方から閉塞され、上方に向けて開口する開口隙間が設けられ、前記押下ヘッドには、揮散剤を前記含浸体に向けて吐出する複数の吐出孔が設けられ、前記吐出器は、前記押下ヘッドが押下されて前記ステムが下降させられることで、前記複数の吐出孔から同時に揮散剤を吐出させることを特徴とする。
【0007】
この発明では、揮散剤を揮散させるときには、支持部材を送風口の正面に配置するとともに、揮散剤を吐出容器から吐出して含浸体に含浸させる。すると、送風口からの空気が通気口を通して含浸体に吹き付けられながら、含浸体に含浸された揮散剤が蒸発し、この揮散剤が空気の流れに伴って放散される。なお、揮散剤を含浸体に含浸させるときには、押下ヘッドを押下して複数の吐出孔から同時に揮散剤を吐出させる。
【0008】
この揮散装置によれば、吐出容器内に収容されている揮散剤ではなく、吐出容器から吐出された揮散剤を揮散させるので、この揮散装置を放置したとしても、吐出容器から吐出した分よりも多くの量の揮散剤が無駄に揮散するのを抑えることができる。
また揮散剤が、含浸体に吹き付けられた空気の流れに伴って放散されるので、この流れの向きを調整することで、揮散剤を意図する場所に放散させ易くすることができる。
以上のように、揮散剤が無駄に揮散することを抑え、かつ揮散剤を意図する場所に放散させ易くすることが可能になり、揮散剤を効率的に揮散させることができる。
【0009】
また前述のように、吐出容器から吐出された揮散剤を揮散させるので、吐出容器からの揮散剤の吐出量を調整し含浸体に含浸される揮散剤の含浸量を調節することで、例えば揮散剤の揮散を継続させる時間や、揮散剤の単位時間当たりの揮散量などを調整することができる。これにより、揮散剤の揮散により得られる揮散効果を多様に変化させることができる。
【0010】
また、揮散剤を含浸体に含浸させるときに、複数の吐出孔から同時に揮散剤を吐出させるので、例えば揮散剤が1つの吐出孔のみから吐出される場合などに比べて、吐出容器から吐出される揮散剤の全体の吐出量を確保しつつ、1つの吐出孔から吐出される揮散剤の吐出量を抑えることができる。これにより、例えば吐出孔から吐出される揮散剤の液圧を弱めて吐出速度を低く抑えること等が可能になり、揮散剤を含浸体に確実に含浸させることができる。なお、吐出孔から吐出される揮散剤の吐出量が多い場合、含浸体のうち、揮散剤が吐出された部分が揮散剤を含浸しきれずに、揮散剤が含浸体に跳ね返されて例えば押下ヘッド等に付着し、この揮散剤が、吐出器の内部に進入したり、この揮散装置から外部に漏出したりするおそれがある。
【0011】
また、装着キャップの上面上に開口隙間が設けられているので、仮に、吐出孔から吐出した揮散剤が含浸体に跳ね返される等しても、この揮散剤を、開口隙間を通して含浸体の下端部に到達させて含浸体に含浸させることが可能になり、揮散剤を一層効率的に揮散させることができる。
【0012】
また、前記押下ヘッドには、前記ステムの上側に位置し、外周面から前記複数の吐出孔が前記径方向の外側に向けて開口する頂壁部と、前記頂壁部から下方に向けて延在し、前記起立筒部を前記径方向の外側から囲繞する周壁部と、が備えられていてもよい。
【0013】
この場合、押下ヘッドの周壁部が、起立筒部を前記径方向の外側から囲繞するので、仮に、吐出孔から吐出された揮散剤が含浸体に跳ね返される等しても、この揮散剤が、ステムと起立筒部との間から吐出器の内部に進入するのを周壁部によって抑制することが可能になり、例えば吐出器を確実に作動させ続けること等ができる。また前述のように、吐出孔から吐出される揮散剤の吐出速度を低く抑えることで、仮に、吐出孔から吐出された揮散剤が含浸体に到達せず、押下ヘッドの周壁部を伝って下方に垂れ流れたとしても、この揮散剤が吐出器の内部に進入するのも抑制することができる。
【0014】
また、前記周壁部の下端部には、前記径方向の外側に向けて張り出す張り出し部が設けられ、前記周壁部において前記張り出し部に上側から連なる部分には、上側から下側に向かうに従い漸次、前記径方向の外側に向けて延在し、前記径方向の内側に向けて凹となる凹曲面部が形成されていてもよい。
【0015】
この場合、周壁部に凹曲面部および張り出し部が形成されているので、仮に、揮散剤が押下ヘッドの周壁部を伝って下方に垂れ流れる等しても、この揮散剤を、凹曲面部および張り出し部により前記径方向の外側に流動させることが可能になり、揮散剤が吐出器の内部に進入するのを確実に抑制することができる。
【0016】
また、前記装着キャップの上面のうち、前記開口隙間を画成する隙間底部分は、前記径方向の内側から外側に向かうに従い漸次、下側に向けて傾斜していてもよい。
【0017】
この場合、装着キャップの上面における隙間底部分が、前記径方向の内側から外側に向かうに従い漸次、下側に向けて傾斜しているので、開口隙間内の揮散剤を、隙間底部分の傾斜に沿って前記径方向の外側に向けて流動させることが可能になり、揮散剤を含浸体に到達させ易くすることができる。
【0018】
また、前記支持部材には、前記背面壁部から吐出容器側に向けて突出する操作部材が設けられ、前記操作部材は、前記支持部材に回動軸回りに回動可能に連結され、前記回動軸回りに回動することで前記押下ヘッドを押下してもよい。
【0019】
この場合、操作部材が、前記回動軸回りに回動することで押下ヘッドを押下するので、押下ヘッドを押下するために必要な、操作部材に加える回動力を、梃子の原理によって小さく抑えることができる。
またこのように、押下ヘッドを押下するために必要な回動力を小さく抑えることができるので、押下ヘッドを押下して揮散剤を吐出するときに、吐出容器に過度に大きな力が加えられるのを抑えることができる。したがって、吐出容器から揮散剤を吐出させるときに、この揮散装置の姿勢を安定させることが可能になり、この揮散装置の操作性をより確実に向上させ易くすることができる。
【0020】
また、前記吐出容器は、前記支持部材に着脱可能に支持されていてもよい。
【0021】
この場合、吐出容器が、支持部材に着脱可能に支持されているので、支持部材に支持される吐出容器を交換することができる。これにより、例えば、使用した吐出容器を新しい吐出容器に交換したり、使用している吐出容器を、異なる揮散剤を収容する他の吐出容器に交換したりすること等ができる。
【0022】
また、前記支持部材には、前記背面壁部から吐出容器側に向けて突出し、前記吐出容器を保持する保持部が備えられ、前記保持部には、内部に前記吐出容器が嵌合する嵌合孔と、前記嵌合孔から、この嵌合孔の径方向の外側に向けて開口する通過孔と、が形成され、前記吐出容器は、前記通過孔を通過することで前記嵌合孔内に嵌合されていてもよい。
【0023】
この場合、吐出容器が、保持部の嵌合孔内に嵌合しているので、吐出容器の底部を保持部により保持することなく、吐出容器を支持部材により支持することが可能になり、吐出容器の少なくとも底部を支持部材から露出させることができる。したがって、吐出容器の露出部分から揮散剤の残量を容易に確認することが可能になり、この揮散装置の利便性を向上させることができる。
また吐出容器が、通過孔を通過することで嵌合孔内に嵌合するので、吐出容器を嵌合孔の径方向の外側から内側に向けて移動させるという容易な作業により、吐出容器を嵌合孔内に嵌合させることが可能になり、この揮散装置の利便性を一層向上させることができる。
【0024】
また、前記送風口に取り付けられるとともに前記支持部材に固定された取付け部材を備えていてもよい。
【0025】
この場合、前記取付け部材を備えているので、支持部材を送風口の正面に配置した状態で、支持部材を、取付け部材を介して送風口に固定することができる。これにより、例えば送風口から吹き出される空気の流れの強さ等によらず、支持部材が送風口に対して位置ずれするのを抑えることが可能になり、送風口からの空気を、確実に通気口を通して含浸体に吹き付けて、揮散剤をより効率的に揮散させることができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明に係る揮散装置によれば、揮散剤を効率的に揮散させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、
図1から
図13を参照し、本発明の一実施形態に係る揮散装置10を説明する。この揮散装置10は、例えば芳香剤、消臭剤、殺虫剤、忌避剤、除菌剤などの揮発性を有する液状の揮散剤を揮散させる。
【0029】
図1に示すように、この揮散装置10は、例えば図示しない車両などに設けられた送風口Aに着脱可能に取り付けられる。送風口Aには、この送風口Aから吹き出す空気の流れの向きを調整するフィンA1(被係合部)が設けられている。フィンA1は、鉛直方向Z(軸線方向)に間隔をあけて複数配置されている。送風口Aは、鉛直方向Zに隣り合うフィンA1同士の間を通して空気を吹き出す。送風口Aは、鉛直方向Zに直交する前後方向Xに沿って前方から後方に向けて空気を吹き出す。フィンA1は、鉛直方向Zおよび前後方向Xの両方向に直交する左右方向Yに延在している。
【0030】
揮散装置10は、支持部材11と、取付け部材12と、吐出容器13と、含浸体14と、カバー部材(操作部材)15と、を備えている。
支持部材11は、送風口Aの正面に配置される。支持部材11は、背面壁部21と、底面壁部(保持部)22と、一対の第1側面壁部23と、を備えている。背面壁部21は、送風口Aを後方から覆う。背面壁部21は、鉛直方向Zに延在し前後方向Xを向いている。
【0031】
図1および
図2に示すように、背面壁部21の上端部には、前方に向けて突出する庇部24および軸受板部25が設けられている。
庇部24は、鉛直方向Zを向く板状に形成され、庇部24の左右方向Yの大きさは、背面壁部21の左右方向Yの大きさと同等となっている。庇部24は、傾斜部26と、突出部27と、を備えている。
【0032】
傾斜部26は、鉛直方向Zに延在していて、下側から上側に向かうに従い漸次、前側に向けて傾斜している。傾斜部26の下端部は、背面壁部21の上端部に、この上端部の後側から連結されている。突出部27は、傾斜部26の上端部から前方に向けて突出している。突出部27の後端部と傾斜部26の上端部とは、屈曲部(係止部)28を介して連結されている。屈曲部28は、左右方向Yに延在するとともに後側に向けて凸となり、図示の例では、後方斜め上方に向けて凸となっている。
【0033】
軸受板部25は、上端部が庇部24の下面に連結され左右方向Yを向く板状に形成されている。軸受板部25は、背面壁部21の左右方向Yの両端部に配置されている。各軸受板部25の上端部には、前方に向けて開口する円形状の軸挿通孔29が形成されている。各軸受板部25の軸挿通孔29は、互いに同軸に配置されていて、これらの両軸挿通孔29の共通軸が、後述する回動軸Lとなっている。
【0034】
図1および
図3に示すように、背面壁部21には、貫通孔30と、通気口31と、が設けられている。貫通孔30は、背面壁部21を前後方向Xに貫通している。貫通孔30は、背面壁部21において、左右方向Yおよび鉛直方向Zそれぞれの中央に位置する中央部に配置されている。通気口31は、背面壁部21に貫設されている。通気口31は、背面壁部21における貫通孔30を回避した位置に配置されている。通気口31は、鉛直方向Zに延在する長穴状に形成され、左右方向Yに間隔をあけて複数配置されている。
【0035】
図1および
図4に示すように、底面壁部22は、背面壁部21の下端部から後方(吐出容器側)に向けて突設され、鉛直方向Zを向いている。底面壁部22には、嵌合孔33と、通過孔34と、が形成されている。嵌合孔33および通過孔34は、底面壁部22を鉛直方向Zに貫通する。
【0036】
嵌合孔33は、この揮散装置10を鉛直方向Zから見た平面視において円形状に形成されている。通過孔34は、嵌合孔33から、嵌合孔33の径方向の外側に向けて開口し、図示の例では、嵌合孔33から後方に向けて開口している。通過孔34は、前記平面視において矩形状に形成されている。通過孔34は、嵌合孔33の左右方向Yの内側に配置されている。
【0037】
一対の第1側面壁部23は、底面壁部22の左右方向Yの両端部に立設され、鉛直方向Zに延在し左右方向Yを向いている。第1側面壁部23の前端部は、背面壁部21の左右方向Yの端部に連結されている。第1側面壁部23の底面壁部22から上方に向けた突出量は、前側から後側に向かうに従い漸次、小さくなっている。第1側面壁部23の上端部は、この揮散装置10を左右方向Yから見た側面視において、後側に向けて凸となる曲線状に形成されている。
【0038】
前記支持部材11には、後方に向けて開口する開口部35が形成されている。開口部35は、背面壁部21の上端部と、底面壁部22の後端部と、一対の第1側面壁部23の後端部および上端部と、により画成されている。
【0039】
図1および
図3に示すように、取付け部材12は、支持部材11に設けられ、送風口Aに取り付けられる。取付け部材12は、背面壁部21における鉛直方向Zの中央部から前方に向けて突出している。取付け部材12は、前記フィンA1に係合していて、図示の例では、前記フィンA1を鉛直方向Zに挟持している。取付け部材12は、上下一対の挟持片12aを備えている。取付け部材12は、これらの両挟持片12aのうちの後端部同士のみが限定して連結されてなる。
【0040】
取付け部材12は、支持部材11に着脱可能に設けられている。取付け部材12には、貫通孔30に着脱可能に嵌合される装着ピン36が設けられている。装着ピン36は、取付け部材12の後端部から、後方に向けて突設されている。取付け部材12は、支持部材11に対して前方に向けて引き抜くことで、支持部材11から離脱され、支持部材11に対して前方から押し込むことで、支持部材11に装着される。
【0041】
図1に示すように、吐出容器13は、背面壁部21の後方に位置していて、背面壁部21を間に挟んで送風口Aの反対側に配置される。吐出容器13は、支持部材11に鉛直方向Zに支持されている。吐出容器13は、容器体38と、吐出器39と、を備えている。
【0042】
容器体38には、揮散剤が収容される。容器体38は、有底筒状に形成されていて、この容器体38の中心軸が、吐出容器13の軸線Oとなっている。軸線Oは、鉛直方向Zに沿って延在している。容器体38は、下方から上方に向けて、底部38a、胴部38b、肩部38cおよび口部38dがこの順に連設されてなる。
【0043】
吐出器39は、容器体38に装着され、容器体38内の揮散剤を吐出する。吐出器39としては、例えば揮散剤を吐出するいわゆるポンプタイプの構成などが挙げられる。吐出器39は、装着キャップ40と、シリンダ41と、ステム42と、押下ヘッド43と、を備えている。
【0044】
図5に示すように、装着キャップ40は、容器体38の口部38dに外装されている。装着キャップ40は、有頂筒状に形成され、装着キャップ40の天壁部40aは、前記軸線Oと同軸に配置された環状に形成されている。装着キャップ40には、外筒部44と、起立筒部45と、が立設されている。外筒部44は、天壁部40aの外周縁部に立設されている。
【0045】
起立筒部45は、天壁部40aの内周縁部に立設され、外筒部44よりも上側に突出している。起立筒部45は、鉛直方向Zの両側に向けて開口する筒状に形成され、前記軸線Oと同軸に配置されている。起立筒部45は、下側から上側に向かうに従い漸次、段状に縮径する多段筒状に形成されている。起立筒部45は、下側の大径部45aと上側の小径部45bとが段部を介して連結されてなる。大径部45aの上端部は、外筒部44の上端部よりも下側に位置している。
【0046】
大径部45aの外周面には、鉛直方向Zに延在する縦リブ46が設けられている。縦リブ46の上端は、この吐出容器13の径方向の内側から外側に向かうに従い漸次、上側から下側に向けて傾斜している。縦リブ46の下端は、装着キャップ40の上面に連結されている。縦リブ46は、前記軸線O回りに間隔をあけて複数設けられていて、前記軸線O回りに隣り合う縦リブ46同士の間には、上方に向けて開口する開口隙間47が設けられている。装着キャップ40の上面のうち、開口隙間47を画成する隙間底部分47aは、前記径方向の内側から外側に向かうに従い漸次、下側に向けて傾斜している。
【0047】
起立筒部45の内部には、内筒部48が配設されている。内筒部48の上端部は、大径部45aの上端部に連結されていて、内筒部48の外周面と大径部45aの内周面との間には、シリンダ41の上端部が嵌合されている。
シリンダ41は、装着キャップ40から下方に向けて延在している。シリンダ41は、上側から下側に向かうに従い漸次、段状に縮径する多段筒状に形成されていて、容器体38内に連通可能とされている。
【0048】
ステム42は、シリンダ41内から起立筒部45を通して上方に向けて起立している。ステム42は、起立筒部45によって前記径方向の外側から囲繞されている。ステム42は、装着キャップ40に、上方付勢状態で下方移動可能に配設されていて、シリンダ41内に配置された図示しない付勢部材により上方に向けて付勢されている。
【0049】
押下ヘッド43は、ステム42に装着されていて、前記軸線Oと同軸に配置された有頂筒状に形成されている。押下ヘッド43には、揮散剤を含浸体14に向けて吐出する複数の吐出孔49が設けられている。吐出器39は、押下ヘッド43が押下されてステム42が下降させられることで、複数の吐出孔49から同時に揮散剤を吐出させる。
【0050】
押下ヘッド43は、頂壁部50と、装着筒部51と、周壁部52と、を備えている。頂壁部50は、ステム42の上側に位置していて、前記軸線Oと同軸に配置されている。装着筒部51および周壁部52は、前記軸線Oと同軸に配置されるとともに、頂壁部50から下方に向けて延在している。装着筒部51は、周壁部52よりも小径に形成され、ステム42の上端部に外嵌されている。
【0051】
周壁部52は、頂壁部50よりも小径とされ、頂壁部50の外周面に段部を介して連結されている。周壁部52は、装着筒部51および起立筒部45を前記径方向の外側から囲繞している。周壁部52は、前記起立筒部45の小径部45bよりも大径とされ、周壁部52の下端部は、小径部45bの上端部を前記径方向の外側から囲繞している。
【0052】
周壁部52の下端部には、前記径方向の外側に向けて張り出す張り出し部53が設けられている。張り出し部53は、頂壁部50の外周面よりも前記径方向の内側に位置している。周壁部52において張り出し部53に上側から連なる部分には、凹曲面部54が形成されている。凹曲面部54は、上側から下側に向かうに従い漸次、前記径方向の外側に向けて延在し、前記径方向の内側に向けて凹となっている。これらの張り出し部53および凹曲面部54は、前記軸線O回りの全周にわたって延設されている。
【0053】
図4および
図5に示すように、頂壁部50には、ステム42内に連通する連通空間55が形成されている。連通空間55は、前記軸線O上に配置されていて、頂壁部50において前記装着筒部51の内側に位置する部分から下側に向けて開口している。
【0054】
頂壁部50の外周面には、複数の吐出孔49が前記径方向の外側に向けて開口している。吐出孔49は、前記連通空間55から前記径方向の外側に向けて延在し、吐出孔49における前記径方向の外側の端部が、頂壁部50の外周面に開口している。吐出孔49は、連通空間55を通してステム42内に連通している。
【0055】
複数の吐出孔49は、互いに同形同大に形成されている。複数の吐出孔49は、前記軸線O回りに間隔をあけて複数配置されていて、図示の例では、吐出孔49は、前記軸線O回りに同等の間隔をあけて2つ配設されている。これらの両吐出孔49は、前記軸線Oを前記径方向に挟むように配置されている。両吐出孔49のうち、一方は前方に向けて開口し、他方は後方に向けて開口している。
【0056】
吐出孔49の流路幅は、この吐出孔49に沿って前記径方向の内側から外側に向かうに従い漸次、大きくなっていて、この押下ヘッド43の成形時に押下ヘッド43からの金型の脱型が容易になっている。
図5に示すように、吐出孔49を画成する壁面のうち、下方を向く上面は、前記軸線Oに直交する直交面に沿って延在し、上側を向く下面は、前記直交面に対して傾斜している。吐出孔49の下面は、前記径方向の内側から外側に向かうに従い漸次、下方に向けて傾斜していて、吐出孔49から吐出された揮散剤の跳ね返りが抑制されている。
【0057】
図1に示すように、吐出容器13には、前記軸線O回りに延在する環状凹部56が設けられている。環状凹部56は、装着キャップ40の下端部と、容器体38の肩部38cと、の間に設けられている。
吐出容器13は、支持部材11に、正立状態で着脱可能に支持されていて、図示の例では、環状凹部56が嵌合孔33内に嵌合されることで、底面壁部22により支持されている。吐出容器13のうち、底部38a、胴部38b、肩部38cは、支持部材11から露出している。
【0058】
吐出容器13は、通過孔34を通過することで嵌合孔33内に嵌合される。吐出容器13は、底面壁部22を左右方向Yの外側に弾性変形させながら、通過孔34を後側から前側に(嵌合孔の径方向の外側から内側に)通過することで、嵌合孔33内に嵌合される。また嵌合孔33内に嵌合された吐出容器13は、通過孔34を前側から後側に(嵌合孔の径方向の内側から外側に)通過することで、嵌合孔33から離脱される。
【0059】
図5に示すように、含浸体14には、吐出容器13から吐出された揮散剤が含浸される。含浸体14には、送風口Aからの空気が通気口31を通して吹き付けられる。含浸体14は、多孔質材、例えばろ紙やスポンジ体などにより形成されている。
【0060】
含浸体14は、起立筒部45および押下ヘッド43を、吐出容器13の径方向の外側から囲繞する円筒状に形成されている。含浸体14は、前記軸線Oと同軸に配置されている。含浸体14の下端部は、前記外筒部44と前記起立筒部45との間に配置され、装着キャップ40の上面により下方から支持されている。
【0061】
含浸体14の内周面は、前記縦リブ46における前記径方向の外側の端縁により、前記径方向の内側から支持されていて、前記開口隙間47を、前記径方向の外側から閉塞している。含浸体14の上端部は、押下ヘッド43の上端部と鉛直方向Zに同等の位置に配置されている。含浸体14の外周面と外筒部44の内周面との間には、環状の微小隙間が設けられている。
【0062】
図1に示すように、カバー部材15は、背面壁部21から後方(吐出容器側)に向けて突出している。カバー部材15は、頂面壁部57と、正面壁部58と、一対の第2側面壁部59と、を備えている。頂面壁部57は、背面壁部21の上端部から後方に向けて延在し、鉛直方向Zを向いている。頂面壁部57は、吐出容器13の上方に位置している。頂面壁部57の後端部は、押下ヘッド43よりも後側に位置している。頂面壁部57は、背面壁部21よりも左右方向Yに大きい。
【0063】
頂面壁部57には、下方に向けて突出する押下凸部60が設けられている。押下凸部60の下端部は、前記側面視において、下方に向けて凸となる曲線状をなし、押下ヘッド43上に位置している。
【0064】
正面壁部58は、頂面壁部57の後端部から後方斜め下方に向けて延在し、鉛直方向Zおよび前後方向Xの両方向を向いている。正面壁部58は、頂面壁部57に湾曲部61を介して連結されている。湾曲部61は、前記側面視において、上方に向けて凸となる曲線状に形成されている。正面壁部58の下端部は、底面壁部22と鉛直方向Zに同等の位置に配置されている。正面壁部58の左右方向Yの大きさは、頂面壁部57の左右方向Yの大きさと同等となっている。
【0065】
正面壁部58には、突片部62と、目印部63と、が設けられている。突片部62は、正面壁部58の後端部から後方斜め上方に向けて突設されている。目印部63は、正面壁部58において後側を向く面に形成されている。目印部63は、正面壁部58から後方に向けて突設されていて、指などが引っ掛かるように構成されている。
【0066】
一対の第2側面壁部59は、前壁部59aと、後壁部59bと、を備えている。前壁部59aは、正面壁部58の左右方向Yの両端部から下方に向けて突設されている。後壁部59bは、正面壁部58の左右方向Yの両端部から前方に向けて突設されている。前壁部59aおよび後壁部59bは、いずれも左右方向Yを向いていて、前壁部59aの後端部と後壁部59bの上端部とは連結されている。
【0067】
一対の第2側面壁部59の左右方向Yの間には、前記支持部材11が位置している。各第2側面壁部59の前壁部59aの下端部は、第1側面壁部23の上端部を左右方向Yの外側から覆っている。
【0068】
このカバー部材15は、前記開口部35を上方および後方から開閉可能に覆い、図示の例ではさらに通過孔34も後方から覆っていて、押下ヘッド43の上方を通過して吐出容器13を後側から覆うセット位置に配置されている。カバー部材15は、吐出容器13において、少なくとも底面壁部22よりも上側に位置する上側部分を覆っている。カバー部材15は、支持部材11との間に内空間64を画成している。内空間64は、支持部材11とカバー部材15との間に設けられた導出路65a、65bを通して外部に連通している。
【0069】
導出路65a、65bには、第1導出路65aと、第2導出路65bと、が設けられている。第1導出路65aは、内空間64から下方に向けて開口している。第1導出路65aは、底面壁部22の後端部と正面壁部58の下端部との間に画成されている。第2導出路65bは、内空間64から左右方向Yの外側に向けて開口している。第2導出路65bは、第1側面壁部23の後端部と第2側面壁部59の後壁部59bとの間に画成されている。
【0070】
図1および
図2に示すように、カバー部材15は、支持部材11に、このカバー部材15から前側に突出する連結部材66を介して、左右方向Yに延在する回動軸L回りに回動可能に連結されている。
【0071】
連結部材66は、突出板部67と、軸体68と、を備えている。突出板部67は、頂面壁部57の前端部から前方に向けて突出し左右方向Yを向く板状に形成されている。突出板部67は、頂面壁部57の左右方向Yの両端部に配置されている。突出板部67は、支持部材11の庇部24および軸受板部25を左右方向Yの両側から挟み込んでいる。
【0072】
軸体68は、両突出板部67の間に左右方向Yに架設された円柱状に形成されている。軸体68は、支持部材11の両軸挿通孔29内に、これらの両軸挿通孔29の共通軸回りに回動可能に挿通されていて、この共通軸が前記回動軸Lとなっている。回動軸Lは、前記屈曲部28よりも下側に位置している。
【0073】
ここで傾斜部26の下端部には、前方に向けて窪む逃げ部69が形成されている。逃げ部69は、傾斜部26の下端部における後端縁に、この後端縁の左右方向Yの全長にわたって延在する切欠き状に形成されている。傾斜部26において、逃げ部69の鉛直方向Zの両端縁に位置する部分はそれぞれ、左右方向Yに延在するとともに後側に向けて凸となる上凸部(乗り越え部)70および下凸部(摺動部)71となっている。これらの両凸部70、71は、いずれも前記回動軸Lよりも後側かつ下側に位置している。
【0074】
上凸部70の前記回動軸Lからの距離は、屈曲部28の前記回動軸Lからの距離と同等となっていて、これらの上凸部70と屈曲部28とは、前記回動軸Lを中心とする共通の仮想円上に位置している。下凸部71の回動軸Lからの距離は、屈曲部28および上凸部70それぞれの前記回動軸Lからの距離よりも短くなっていて、下凸部71は、前記仮想円の内側に位置している。
【0075】
以上のように構成された揮散装置10では、カバー部材15がセット位置に位置する状態で、頂面壁部57の前端面が、上側から下側に向かうに従い漸次、前側から後側に向けて傾斜しており、この前端面の上端縁が、カバー部材15の前端縁72となっている。そしてこのカバー部材15の前端縁72は、逃げ部69内に配置され、上凸部70に、この上凸部70の下側から鉛直方向Zに乗り越え可能に係止されている。なお、カバー部材15の前端縁72と前記回動軸Lとの距離は、下凸部71の前記回動軸Lとの距離と同等、またはこの距離よりも短くなっている。
【0076】
揮散剤を揮散させるときには、取付け部材12を送風口Aに取り付けて支持部材11を送風口Aの正面に配置するとともに、吐出容器13から揮散剤を吐出して含浸体14に含浸させる。このとき例えば使用者が、セット位置に位置するカバー部材15の正面壁部58の目印部63を前方斜め下方に向けて押し込む等すると、
図6に示すように、押下凸部60が押下ヘッド43上を摺動しながら、カバー部材15が前記回動軸L回りに下方に向けて回動し、押下ヘッド43に下方に向けた押圧力が加えられる。これにより、押下ヘッド43を介してステム42が下降させられ、揮散剤が、ステム42から連通空間55を通して吐出孔49に供給されて、複数の吐出孔49から同時に吐出される。
【0077】
このとき
図7に示すように、カバー部材15の前端縁72は、逃げ部69内を通過した後に下凸部71上を摺動する。
図8および
図9に示すように、カバー部材15の前端縁72は、このカバー部材15が押下ヘッド43を下降端位置まで押下したときにも下凸部71上に位置している。つまりカバー部材15の前端縁72は、カバー部材15が押下ヘッド43を押下する過程で、押下ヘッド43が下降端位置に押下される前に下凸部71上を摺動し始め、その後も押下ヘッド43が下降端位置に押下されるまで下凸部71上を摺動する。
【0078】
揮散剤が含浸体14に吐出されて含浸されると、
図1に示すように、送風口Aから通気口31を通して含浸体14に空気が吹き付けられながら、含浸体14に含浸された揮散剤が蒸発し、この揮散剤が空気の流れに伴って放散される。このとき、送風口Aから通気口31を通して内空間64内に導入された空気は、含浸体14に吹き付けられた後、内空間64を通過して導出路65a、65bから、この揮散装置10の外部に導出される。
【0079】
吐出容器13を支持部材11から離脱させるときには、カバー部材15をセット位置から前記回動軸L回りの後方斜め上方に向けて回動させ、開口部35を開放する。このとき、カバー部材15の前端縁72が、上凸部70および屈曲部28を、下側から上側にそれぞれ乗り越えた後、
図10および
図11に示すように、屈曲部28に、この屈曲部28の上側から乗り越え可能に係止することで、カバー部材15が、吐出容器13を後側に向けて露出させる開放位置に保持される。
【0080】
その後、例えば吐出容器13の容器体38を把持する等し、この吐出容器13を嵌合孔33から通過孔34を通して後方に向けて引き抜いて、吐出容器13を支持部材11から取り外す。このとき、カバー部材15が開放位置に保持されることから、例えば支持部材11に支持された吐出容器13を後側から、カバー部材15に邪魔されることなく把持すること等ができる。
【0081】
また、吐出容器13を支持部材11に支持させるときには、カバー部材15を開放位置に保持させて開口部35を開放した状態で、吐出容器13を、支持部材11の後方から前方に向けて押し込んで通過孔34を通過させ、吐出容器13を嵌合孔33内に嵌合させる。その後、カバー部材15を前記回動軸L回りの前方斜め下方に向けて回動させ、カバー部材15により開口部35、通過孔34および吐出容器13を後側から覆う。
【0082】
このときカバー部材15の前端縁72は、屈曲部28および上凸部70を、上側から下側にそれぞれ乗り越える。そして
図12および
図13に示すように、カバー部材15の前端縁72が上凸部70を上側から下側に乗り越えたときに、カバー部材15がセット位置に到達する。
以上のように、吐出容器13を支持部材11に着脱させることで、使用した吐出容器13を新しい吐出容器13に交換したり、使用していた吐出容器13を、異なる揮散剤を収容する他の吐出容器13に交換したりする。
【0083】
以上説明したように、本実施形態に係る揮散装置10によれば、吐出容器13内に収容されている揮散剤ではなく、吐出容器13から吐出された揮散剤を揮散させるので、この揮散装置10を放置したとしても、吐出容器13から吐出した分よりも多くの量の揮散剤が無駄に揮散するのを抑えることができる。
また揮散剤が、含浸体14に吹き付けられた空気の流れに伴って放散されるので、この流れの向きを調整することで、揮散剤を意図する場所に放散させ易くすることができる。
以上のように、揮散剤が無駄に揮散することを抑え、かつ揮散剤を意図する場所に放散させ易くすることが可能になり、揮散剤を効率的に揮散させることができる。
【0084】
また前述のように、吐出容器13から吐出された揮散剤を揮散させるので、吐出容器13からの揮散剤の吐出量を調整し含浸体14に含浸される揮散剤の含浸量を調節することで、例えば揮散剤の揮散を継続させる時間や、揮散剤の単位時間当たりの揮散量などを調整することができる。これにより、揮散剤の揮散により得られる揮散効果を多様に変化させることができる。
【0085】
また、揮散剤を含浸体14に含浸させるときに、複数の吐出孔49から同時に揮散剤を吐出させるので、例えば揮散剤が1つの吐出孔のみから吐出される場合などに比べて、吐出容器13から吐出される揮散剤の全体の吐出量を確保しつつ、1つの吐出孔49から吐出される揮散剤の吐出量を抑えることができる。これにより、例えば吐出孔49から吐出される揮散剤の液圧を弱めて吐出速度を低く抑えること等が可能になり、揮散剤を含浸体14に確実に含浸させることができる。なお、吐出孔49から吐出される揮散剤の吐出量が多い場合、含浸体14のうち、揮散剤が吐出された部分が揮散剤を含浸しきれずに、揮散剤が含浸体14に跳ね返されて例えば押下ヘッド43やカバー部材15等に付着し、この揮散剤が、吐出器39の内部に進入したり、この揮散装置10から外部に漏出したりする等のおそれがある。
【0086】
また押下ヘッド43の周壁部52が、起立筒部45を前記径方向の外側から囲繞するので、仮に、吐出孔49から吐出された揮散剤が含浸体14に跳ね返される等しても、この揮散剤が、ステム42と起立筒部45との間から吐出器39の内部に進入するのを周壁部52によって抑制することが可能になり、例えば吐出器39を確実に作動させ続けること等ができる。また前述のように、吐出孔49から吐出される揮散剤の吐出速度を低く抑えることで、仮に、吐出孔49から吐出された揮散剤が含浸体14に到達せず、押下ヘッド43の周壁部52を伝って下方に垂れ流れたとしても、この揮散剤が吐出器39の内部に進入するのも抑制することができる。
【0087】
また、周壁部52に凹曲面部54および張り出し部53が形成されているので、仮に、揮散剤が押下ヘッド43の周壁部52を伝って下方に垂れ流れる等しても、この揮散剤を、凹曲面部54および張り出し部53により前記径方向の外側に流動させることが可能になり、揮散剤が吐出器39の内部に進入するのを確実に抑制することができる。
【0088】
また、装着キャップ40の上面上に開口隙間47が設けられているので、仮に、吐出孔49から吐出した揮散剤が含浸体14に跳ね返される等しても、この揮散剤を、開口隙間47を通して含浸体14の下端部に到達させて含浸体14に含浸させることが可能になり、揮散剤を一層効率的に揮散させることができる。
【0089】
また、装着キャップ40の上面における隙間底部分47aが、前記径方向の内側から外側に向かうに従い漸次、下側に向けて傾斜しているので、開口隙間47内の揮散剤を、隙間底部分47aの傾斜に沿って前記径方向の外側に向けて流動させることが可能になり、揮散剤を含浸体14に到達させ易くすることができる。
【0090】
さらに前記取付け部材12を備えているので、支持部材11を送風口Aの正面に配置した状態で、支持部材11を、取付け部材12を介して送風口Aに固定することができる。これにより、例えば送風口Aから吹き出される空気の流れの強さ等によらず、支持部材11が送風口Aに対して位置ずれするのを抑えることが可能になり、送風口Aからの空気を、確実に通気口31を通して含浸体14に吹き付けて、揮散剤をより効率的に揮散させることができる。
【0091】
さらに、カバー部材15が、前記回動軸L回りに回動することで押下ヘッド43を押下するので、押下ヘッド43を押下するために必要な、カバー部材15に加える回動力を、梃子の原理によって小さく抑えることができる。
またこのように、押下ヘッド43を押下するために必要な回動力を小さく抑えることができるので、押下ヘッド43を押下して揮散剤を吐出するときに、吐出容器13に過度に大きな力が加えられるのを抑えることができる。したがって、吐出容器13から揮散剤を吐出させるときに、取付け部材12に受け止めさせる必要がある力を小さく抑え、この揮散装置10の姿勢を安定させることが可能になり、この揮散装置10の操作性をより確実に向上させ易くすることができる。
【0092】
さらに吐出容器13が、底面壁部22の嵌合孔33内に嵌合しているので、吐出容器13の底部38aを底面壁部22により保持することなく、吐出容器13を支持部材11により支持することが可能になり、吐出容器13の少なくとも底部38aを支持部材11から露出させることができる。したがって、吐出容器13の露出部分から揮散剤の残量を容易に確認することが可能になり、この揮散装置10の利便性を向上させることができる。
また吐出容器13が、通過孔34を通過することで嵌合孔33内に嵌合するので、吐出容器13を後方から前方に向けて移動させるという容易な作業により、吐出容器13を嵌合孔33内に嵌合させることが可能になり、この揮散装置10の利便性を一層向上させることができる。
【0093】
また吐出容器13が、支持部材11に着脱可能に支持されているので、支持部材11に支持される吐出容器13を交換することができる。これにより、例えば、使用した吐出容器13を新しい吐出容器13に交換したり、使用している吐出容器13を、異なる揮散剤を収容する他の吐出容器13に交換したりすること等ができる。
そして、吐出容器13を支持部材11から取り外すときに、カバー部材15を開放位置に保持することができるので、例えば支持部材11に支持された吐出容器13を後側から、カバー部材15に邪魔されることなく把持すること等が可能になり、吐出容器13を支持部材11に容易に着脱させることができる。
【0094】
また本実施形態では、カバー部材15の前端縁72を、支持部材11に設けられた屈曲部28に係止させることで、カバー部材15を開放位置に保持していて、つまり屈曲部28を、カバー部材15を開放位置に保持する係止部として利用しているので、例えば、背面壁部21に突起状の係止部を形成する場合などに比べて、このカバー部材15を容易に成形し易くすることができる。
【0095】
また、カバー部材15の前端縁72が上凸部70を上側から下側に乗り越えたときに、カバー部材15がセット位置に到達するので、カバー部材15がセット位置に移動したことを、カバー部材15の前端縁72が上凸部70を乗り越えたときに生じるクリック感に基づいて、使用者に容易に認識させることが可能になり、この揮散装置10の操作性を一層向上させ易くすることができる。
【0096】
また、カバー部材15の前端縁72が上凸部70を上側から下側に乗り越えたときに、カバー部材15がセット位置に到達するので、セット位置に位置するカバー部材15を下側に向けて回動させてカバー部材15を介して押下ヘッド43を押下した後、その押下を解除してステム42に作用する上方付勢力によって押下ヘッド43が上昇させられるときに、仮に、カバー部材15がセット位置よりも上側に向けて回動しようとしても、カバー部材15の前端縁72が上凸部70に、この上凸部70の下側から係止することで、その回動を規制することが可能になり、カバー部材15をセット位置に安定に保持することができる。
【0097】
また、カバー部材15が押下ヘッド43を押下するときに、カバー部材15の前端縁72が下凸部71上を摺動するので、セット位置に位置するカバー部材15を、前記回動軸L回りの下側に向けて回動させて押下ヘッド43を押下するときに、カバー部材15が押下ヘッド43を押下していることを、カバー部材15の前端縁72が下凸部71から受ける摺動抵抗に基づいて、使用者に容易に認識させることが可能になり、吐出容器13がカバー部材15により後側から覆われている状態であっても、この揮散装置10の操作性を確保することができる。
【0098】
また、上凸部70と下凸部71との間に逃げ部69が形成されているので、セット位置に位置するカバー部材15を前記回動軸L回りの下側に向けて回動させるときに、カバー部材15の前端縁72に逃げ部69内を通過させた後に下凸部71上を摺動させることができる。したがって、カバー部材15が摺動抵抗を受ける前に、カバー部材15を、摺動抵抗を受けることなく回動させることが可能になり、カバー部材15が摺動抵抗を受け始めたことを使用者に容易に判別させ、カバー部材15が押下ヘッド43を押下していることを確実に認識させることができる。
【0099】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0100】
環状凹部56は、前記実施形態に示したものに限られず、例えば胴部38bに窪み形成されていてもよい。
【0101】
また、取付け部材12は前記実施形態に示したものに限られない。例えば取付け部材が、フィンに固定されるのではなく、送風口内に嵌合されるように構成されていてもよい。さらに取付け部材12がなくてもよい。この場合、例えば送風口の正面に、揮散装置を、この揮散装置の下方から支持する支持台が設けられ、揮散装置が、この支持台上に例えば接着テープなどにより固定されていてもよい。
【0102】
また前記実施形態では、通過孔34は、嵌合孔33から後方に向けて開口しているものとしたが、通過孔を、嵌合孔から、この嵌合孔の径方向の外側に向けて開口する他の構成に適宜変更してもよい。例えば、通過孔が嵌合孔から左右方向の外側に向けて開口していてもよい。
また前記実施形態では、吐出容器13は、嵌合孔33内に嵌合されているものとしたが、これに限られない。例えば吐出容器が底面壁部上に載置されていてもよい。
【0103】
また前記実施形態では、吐出容器13は、支持部材11に着脱可能に支持されているものとしたが、これに限られない。例えば吐出容器が、支持部材に離脱不能に固定されていてもよい。
【0104】
また逃げ部69、上凸部70および下凸部71がなくてもよい。この場合、上凸部を設けるのに代えて、カバー部材の前端縁が鉛直方向に乗り越え可能に係止し、カバー部材の前端縁が上側から下側に乗り越えたときにカバー部材がセット位置に到達する他の構成を、乗り越え部として設けてもよい。さらに下凸部を設けるのに代えて、カバー部材が押下ヘッドを押下するときに、カバー部材の前端縁が回動軸回りに摺動する他の構成を、摺動部として設けてもよい。
【0105】
また庇部24がなくてもよい。この場合、開放位置に位置するカバー部材の前端縁に、この前端縁の下側から乗り越え可能に係止することで、カバー部材を開放位置に保持する他の構成を、係止部として設けることが可能である。
【0106】
また、カバー部材15は前記実施形態に示したものに限られず、背面壁部に回動軸回りに回動可能に連結され、回動軸回りに回動することで押下ヘッドを押下する他の構成に適宜変更してもよい。例えば、第2側面壁部59、目印部63および突片部62がなくてもよい。また連結部材が、軸体を備えるのに代えて、ヒンジ部を介して支持部材に連結されていてもよい。
【0107】
また前記実施形態では、装着キャップ40の上面の隙間底部分47aが、吐出容器13の径方向の内側から外側に向かうに従い漸次、下側に向けて傾斜しているものとしたが、これに限られず、傾斜していなくてもよい。さらに縦リブ46がなくてもよい。
【0108】
また張り出し部53および凹曲面部54がなくてもよい。
さらに前記実施形態では、押下ヘッド43の周壁部52が、起立筒部45を前記径方向の外側から囲繞するものとしたが、これに限られない。例えば、押下ヘッドの周壁部が、起立筒部内に挿入されていてもよい。
【0109】
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。