(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記作業員書類には、前記模型を構成する部品と数量とを列挙した部品リストと、前記模型の図面とが含まれていることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の品質体感訓練装置。
前記解説情報を記録するとともに、前記受講者端末の読取部に接続することで、前記読取部を介して前記解説情報を読み出し可能な記録媒体をさらに具備することを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の品質体感訓練装置。
プラントを構成する機器を組み合わせ、製品の不適合事例を盛り込んで製作された品質不適合状態にある仮設の模型と、前記製品の製作のときに用いられる書類であって、前記模型の品質適合となる本来あるべき状態が示される作業員書類と、前記不適合事例に対して前記品質適合となる本来あるべき状態を示した訓練解答と、品質不適合状態にある前記模型と前記模型の品質適合となる本来あるべき状態との違いを説明する解説情報を保持し、前記解説情報を再生可能な受講者端末とを具備する品質体感訓練装置を用いて前記製品の品質を体感可能な訓練方法であり、
前記受講者端末が、前記解説情報を再生する解説情報再生ステップを具備することを特徴とする品質体感訓練方法。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態に係る品質体感訓練装置および品質体感訓練方法について、図面を参照して説明する。なお、以下の説明は、プラントの現場で建設、保守、点検および解体等の作業を行う作業員に不適合事例を疑似体感させる場合の例である。
【0016】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る品質体感訓練装置の一例である品質体感訓練装置50Aを概略的に示した構成図である。
なお、
図1に付される丸数字は、後述する
図2〜4に例示される作業員書類52(模型図領域52aおよび部品リスト領域52b)に記載される部品番号(品番)と対応している。
【0017】
品質体感訓練装置50Aは、例えば、品質が不適合の状態にあるプラントの配管系統を模擬した仮設の模型(以下、「系統模擬模型」とする。)51と、系統模擬模型51の本来あるべき状態、すなわち、品質適合の状態が示される作業員書類52と、系統模擬模型51における品質不適合を生じさせている箇所および当該箇所における品質不適合の内容を列挙した訓練解答53と、を具備して構成される。
【0018】
また、品質体感訓練装置50Aは、系統模擬模型51、作業員書類52および訓練解答53等の個々の構成要素を、一般的に使用される作業机100の上で互いに干渉することなく並べることができ、作業員が人力運搬可能な大きさ(サイズ)および重量の範囲内で設計および製作されている。
【0019】
系統模擬模型51は、プラントを構成する機器を組み合わせ、過去に発生頻度の多い間違い等製品の不適合事例を意図的に盛り込んで製作されている。不適合事例としては、部品や機器の選択・組合せの不適合、据付方法や溶接仕様の不適合、塗装や絶縁の不適合、包装材やテープ類の取除きの不適合等、製品(本実施形態においてはプラントの配管系統)の品質不適合の原因となるあらゆる不適合を含むものである。このような品質不適合状態にあるプラントの配管系統の系統模擬模型51は、作業員が人力運搬可能な大きさ(サイズ)および重量で設計および製作される。すなわち、系統模擬模型51は、ある一箇所の場所に据え付けられる常設品ではなく、必要時には移動可能な仮設品として設計および製作される。
【0020】
系統模擬模型51の大きさおよび重量の一つの目安としては、一般的な宅配便サービスを利用して宅送可能な、例えば、奥行き(縦)×幅(横)×高さの三方向の長さの合計が160cmに収まる大きさであり、重量が25kg未満である。なお、重量25kg未満は、年少者労働基準規則第7条に規定される、16歳以上18歳未満の女性一人が断続的な作業として運搬可能な範囲なので、一般的な女性作業員が1名で運搬することも可能な重量である。
【0021】
但し、1名で安全に人力運搬可能な重量には形状差や個人差もあるため、よりコンパクトで軽量に設計および製作されていても良い。より好ましくは、奥行き×幅×高さの三方向の長さの合計が120cm(一方向の平均が40cm)で重量が15kg以下、さらに好ましくは奥行き×幅×高さの三方向の長さの合計が100cm(一方向の平均が約34cm)で重量が10kg以下である。
【0022】
作業員書類52および訓練解答53は、系統模擬模型51の本来あるべき状態、すなわち、品質適合の状態が示されており、系統模擬模型51に反映させた不適合事例を考慮して製作される。また、作業員書類52および訓練解答53は、例えば、必要に応じて折りたたまれており、大きさとしてはA4サイズ(210mm×297mm)以内に収められている。
【0023】
図2〜
図4は、系統模擬模型51についての作業員書類52の一例を説明する説明図である。
【0024】
より詳細には、
図2および
図3(
図3(A)および
図3(B))は、模型図領域52aの部分拡大図であり、
図2が系統模擬模型51の平面図が描かれている領域を示す概略図、
図3(A)が系統模擬模型51の平面図(
図2)に示されるA−O−A矢視図が描かれている領域を示す概略図および
図3(B)がA−O−A矢視図(
図3(A))に示されるサポートST−1の詳細が描かれている領域を示す概略図である。また、
図4は、部品リスト領域52bの部分拡大図である。なお、
図2および
図3に記載される丸数字(各部の符号)は、
図1に例示される系統模擬模型51を構成する部品に付される部品番号であり、
図4に記載される「品番」に相当する数字である。
【0025】
作業員書類52には、作業員が系統模擬模型51を本来あるべき品質適合の状態に完成させるための書類が含まれる。
【0026】
作業員書類52の種類は、系統模擬模型51等の模型が模擬する製品によっても異なるが、例えば、系統模擬模型51の組立用図面等の製品完成までに使用される各種の図面、系統模擬模型51を構成する部品と数量とを列挙した部品リスト、作業手順を示す作業手順書等である。
【0027】
系統模擬模型51の場合、作業員書類52として、例えば、
図2および
図3(
図3(A)および
図3(B))に示されるように、系統模擬模型51の形状、大きさおよび組立状態等が図示される模型図領域52aと、
図4に示されるように、系統模擬模型51の部品リストが記載される部品リスト領域52bを有する組立用図面が含まれることが一般的である。すなわち、本実施形態において、作業員書類52における部品リスト領域52b中の品番欄の数字は模型図領域52a中の符号に対応しており、以下、材質欄の記載、数量欄の記載、備考欄の記載はそれぞれの符号を付された部品に対応している。また、
図3に例示されるように、模型図領域52aには、例えば、部品の高さ、すみ肉溶接部の脚長および方向(例えば、1.2▽、5▽等)、部品角部の形状および寸法(例えば、C5等)等が記入されている。
【0028】
図5は、系統模擬模型51と作業員書類52とを使用した訓練の模範解答が示される訓練解答53の一例を示す概略図である。
【0029】
訓練解答53は、例えば、系統模擬模型51に盛り込まれた不適合事例の内容が説明されており、系統模擬模型51に盛り込まれた不適合事例に対して、系統模擬模型51の本来あるべき状態(品質適合状態)が説明されている。すなわち、訓練解答53には、系統模擬模型51に対して本来あるべき状態を模範解答として記されている。
【0030】
次に、本発明の第1の実施形態に係る品質体感訓練方法の一例として、品質体感訓練装置50Aを用いた品質体感訓練方法について説明する。
【0031】
品質体感訓練装置50Aを用いた品質体感訓練方法では、研修専属の指導員または現場のリーダー等が指導員となり、作業員(訓練受講者)がいる現地で、指導員が作業員(訓練受講者)を指導する。
【0032】
指導員は、まず、品質体感訓練装置50Aを準備し、訓練受講者または訓練受講者のグループ(以下、「訓練受講者等」とする。)に対して用意した系統模擬模型51および作業員書類52を訓練受講者等に渡す。その後、指導員が訓練受講者等に所定時間を与えて、訓練受講者等に、系統模擬模型51に盛り込まれた不適合事例を探させる。
【0033】
訓練受講者等の立場から見れば、訓練受講者等は、作業員書類52を参照して、系統模擬模型51を観察し、または系統模擬模型51に触れて、系統模擬模型51に盛り込まれた不適合事例を与えられた所定時間内に探す。
【0034】
続いて、所定時間が経過したら、指導員は、訓練解答53を訓練受講者等へ配布して、訓練受講者等に不適合事例を探した結果を確認させる。訓練受講者等の立場から見れば、訓練受講者等は、配布された訓練解答53を確認し、自分が探した不適合事例の内容とどの程度一致しているかを確認する。
【0035】
続いて、指導員は、訓練受講者等に受けさせた訓練についての不適合事例および訓練解答について解説する。訓練受講者等の立場から見れば、訓練受講者等は、自分が受講した訓練について指導員から解説を受ける。
【0036】
上述した流れで、訓練受講者等が指導員から受講した訓練についての解説を受け終わると、品質体感訓練装置50Aを用いた品質体感訓練方法は終了する。
【0037】
なお、第1の実施形態に係る品質体感訓練装置は、上述の例に限らず、訓練内容に応じた様々な模型、および当該模型に合わせた作業員書類および訓練解答を用意できる。例えば、系統模擬模型51を具備する品質体感訓練装置50Aは、主に機械系の作業者向けの訓練を行うための装置であるが、模型、作業員書類および訓練解答を変えることで、例えば、電気系等の他分野の作業員についても同様に不適合事例の疑似体感を通じた訓練が可能となる。
【0038】
続いて、他の例として、電気系の作業者向けの訓練を行うための品質体感訓練装置50Bについて説明する。
【0039】
図6は、本発明の第1の実施形態に係る品質体感訓練装置の一例であり、
図1に例示される品質体感訓練装置50Aとは異なる品質体感訓練装置50Bを概略的に示した構成図である。
【0040】
品質体感訓練装置50Bは、例えば、品質が不適合の状態にあるプラントの制御盤を模擬した仮設の模型(以下、「制御盤模型」とする。)56と、制御盤模型56の本来あるべき状態、すなわち、品質適合の状態が示される作業員書類57と、制御盤模型56における品質不適合を生じさせている箇所および当該箇所における品質不適合の内容を列挙した訓練解答58と、を具備して構成される。なお、
図6に例示される品質体感訓練装置50Bの制御盤模型56は、前面扉を閉じた状態であるが、前面扉は開閉可能であり、内部には不適合事例を含んだ配線が施されているものである。
【0041】
また、品質体感訓練装置50Bは、品質体感訓練装置50Aと同様に、制御盤模型56、作業員書類57および訓練解答58等の個々の構成要素を、一般的に使用される作業机100の上で互いに干渉することなく並べることができ、作業員が人力運搬可能な大きさ(サイズ)および重量の範囲内で設計および製作されている。なお、制御盤模型56、作業員書類57および訓練解答58の大きさおよび重量については、それぞれ、系統模擬模型51、作業員書類52および訓練解答53と同様である。
【0042】
図7および
図8は、制御盤模型56の本来あるべき状態、すなわち、品質適合の状態が示される作業員書類57の一例を部分的に拡大して概略的に示した部分拡大図であり、
図7および
図8は、それぞれ、作業員書類57の一例を示す第1の部分拡大図および第2の部分拡大図である。
【0043】
図9および
図10は、制御盤模型56による訓練の模範解答が示される訓練解答58の一例を示す概略図(部分拡大図)である。なお、
図9に例示される訓練解答58は、
図7に示される範囲の模範解答であり、
図10に例示される訓練解答58は、
図8に示される範囲の模範解答である。
【0044】
図7〜
図10に例示したように、訓練に使用する模型が、例えば、系統模擬模型51とは異なる制御盤模型56となる等のように異なると、この模型の違いにより、作業員書類52および訓練解答53は、作業員書類57および訓練解答58となり、その内容は作業員書類52および訓練解答53の内容とそれぞれ相違する。但し、その他の点は実質的に相違しない。従って、品質体感訓練装置50Aを用いた品質体感訓練方法と品質体感訓練装置50Bを用いた品質体感訓練方法とでは、使用する模型等が異なるだけで、品質体感訓練方法のステップは実質的に相違しない。
【0045】
このように、品質体感訓練装置50A,50Bおよび品質体感訓練装置50A,50Bを用いた品質体感訓練方法によれば、可搬な系統模擬模型51または制御盤模型56を各現場に持ち込むことができるので、現場から訓練拠点へ移動することなく、訓練受講者が系統模擬模型51等に盛り込まれた不適合事例を作業員に疑似体感することができる。また、現場から訓練拠点へ移動時間が省かれるため、従来よりも短時間で訓練を受けることができ、訓練の受講頻度をより高めやすい状況を提供できる。
【0046】
また、品質体感訓練装置50A,50Bおよび品質体感訓練装置50A,50Bを用いた品質体感訓練方法によれば、系統模擬模型51等は、従来の常設の規模が大きな訓練装置と異なり相対的に小規模なため、容易に複数個準備することができる。従って、訓練受講者が複数箇所で同時に不適合事例を疑似体感することができる。
【0047】
さらに、品質体感訓練装置50A,50Bおよび品質体感訓練装置50A,50Bを用いた品質体感訓練方法によれば、品質不適合状態にある系統模擬模型51や制御盤模型56を用いた訓練を通じて、作業員書類52,57の見方、作業上の注意点、材料記号の見方、選定上の注意点、規定される作業ルール(作業標準)および犯しやすいヒューマンエラー事例等の潜在する品質不適合を発生させる様々な事象を体感することができる。
【0048】
また、品質体感訓練装置50A,50Bおよび品質体感訓練装置50A,50Bを用いた品質体感訓練方法によれば、作業員に不適合事例を複数の感覚(視覚、触覚および聴覚)を通じて疑似体感させることで、作業員に対して製品の品質を高める訓練をより効果的に行う(より印象強く不適合事例を体感させる)ことができる。
【0049】
[第2の実施形態]
図11は本発明の第2の実施形態に係る品質体感訓練装置の一例である品質体感訓練装置50Cの構成を概略的に示した構成図である。
【0050】
図12は、品質体感訓練装置50Cにおいて、n(nは任意の自然数)台の受講者端末60−1,…,60−nをクライアント端末60−1,…,60−nとした場合に、受講者端末(クライアント端末)60−1,…,60−nと受講者端末(クライアント端末)60−1,…,60−nに情報を配信するサーバー70との関係を概略的に示した構成図である。
【0051】
品質体感訓練装置50Cは、品質体感訓練装置50Aまたは50Bに対して、少なくとも受講者端末60(60−1,…,60−n)をさらに具備する点で相違するが、その他の点については実質的に相違しない。そこで、本実施形態では、品質体感訓練装置50Aに対して、サーバー・クライアントシステムにおけるクライアントとしての受講者端末60(60−1,…,60−n)(
図11,12)と、サーバー・クライアントシステムにおけるサーバー70(
図12)とをさらに具備する場合を例に、受講者端末60(60−1,…,60−n)およびサーバー70を中心に説明し、上述する実施形態と重複する説明を省略する。
【0052】
品質体感訓練装置50Cは、例えば、系統模擬模型51と、作業員書類52と、訓練解答53とを具備し、さらに、現状、品質不適合状態にある系統模擬模型51と系統模擬模型51の本来あるべき状態(品質適合状態)との違いを説明する解説情報(以下、「違い解説情報」とする。)を読み出して再生可能な少なくとも1台の受講者端末60−1(
図11)をさらに具備する。
【0053】
ここで、受講者端末60−1(
図11)は、例えば、コンピュータで構成されており、当該コンピュータに保持される違い解説情報は、例えば、上記違い解説情報を含む解説情報ファイル61として受講者端末60−1に与えられる。解説情報ファイル61は、例えば、解説情報ファイル61が記録された受講者端末60−1から読み出し可能な各種の記録媒体を、受講者端末60−1に内蔵される読取部(図示省略)に接続することで、解説情報ファイル61を読み出して取得する、または受講者端末60−1と電気通信回線を通じて接続されるサーバー70(
図12)からダウンロードする等して取得することができる。
【0054】
なお、受講者端末60−1(
図11)は、解説情報ファイル61の他にも、作業員書類52と同じ内容の電子書類であって受講者端末60−1に表示可能な作業員書類ファイル(電子ファイル)62や訓練解答53と同じ内容の電子書類であって受講者端末60−1に表示可能な訓練解答ファイル(電子ファイル)63についても、解説情報ファイル61と同様に記録媒体から読み出したり、サーバー70(
図12)からダウンロードしたりしても良い。
【0055】
すなわち、品質体感訓練装置50Cは、系統模擬模型51と、作業員書類52と、訓練解答53と、少なくとも1台の受講者端末60−1(
図11)の他に、解説情報ファイル61を記録する記録媒体およびサーバー70(
図12)の少なくとも一方をさらに具備していても良い。
【0056】
また、受講者端末60−1(
図11)は、必ずしもサーバー・クライアントシステムにおけるクライアントを構成する必要はなく、ネットワークから切り離された独立した(いわゆるスタンドアロンな)コンピュータでも良い。この場合、受講者端末60−1は、解説情報ファイル61等が記録された記録媒体から解説情報ファイル61等を読み出すことで、必要な情報を取得することができる。さらに、受講者端末60−1は、必ずしもコンピュータである必要はなく、例えば、記録媒体に記録される違い解説情報を読み取り、視聴覚的に再生可能な再生機器でも良い。
【0057】
続いて、
図12に例示される品質体感訓練装置50C、すなわち、各受講者端末60−1,…,60−nとは異なる別のコンピュータから違い解説情報をダウンロード可能に構成される品質体感訓練装置50Cの一例について説明する。
【0058】
サーバー70は、各受講者端末60−1,…,60−nとは異なる別のコンピュータであり、例えば、違いを解説情報等の情報を要求のあった受講者端末60−1,…,60−nに配信する機能を有する。
【0059】
サーバー70には、複数の訓練に対応した解説情報ファイル61を各訓練と対応付けて格納する解説情報DB71と、複数の訓練に対応した作業員書類ファイル62を各訓練と対応付けて格納する作業員書類DB72と、複数の訓練に対応した訓練解答ファイル63を各訓練と対応付けて格納する訓練解答DB73とが保持されている。
【0060】
訓練との対応付けは、各訓練を識別する情報である訓練識別子(訓練ID)または訓練と1対1で対応する情報の識別子と対応付けることにより行われる。例えば、訓練毎に訓練を識別する識別子(訓練ID)を付して、訓練IDと解説情報ファイル61等とを対応付けたり、各訓練で使用する系統模擬模型51や制御盤模型56に対して当該模型を識別する識別子(模型ID)を付して、模型IDと解説情報ファイル61等とを対応付けたりすることで、訓練IDや模型IDを検索キーとして所望の解説情報ファイル61等を解説情報DB71等から検索することが可能となる。
【0061】
受講者端末60−1,…,60−nは、サーバー70と情報を授受可能に構成されており、サーバー70から所望の情報を受け取るクライアント(クライアント端末60−1,…,60−n)として機能する。各受講者端末60−1,…,60−nから、例えば、指定した訓練IDが付与された訓練や模型IDが付与された系統模擬模型51や制御盤模型56を用いる訓練についての情報配信を要求すると、サーバー70では、訓練IDや模型IDを検索キーとして所望の解説情報ファイル61等を抽出し、抽出した解説情報ファイル61等を各受講者端末60−1,…,60−nへ配信する。各受講者端末60−1,…,60−nでは、要求した情報をサーバー70から受け取ることができる。
【0062】
なお、サーバー70と接続される受講者端末60−1,…,60−nを具備する品質体感訓練装置50Cでは、受講者端末60−1,…,60−nから訓練に対するアンケート回答を作成してもらい、これをサーバー70で受け取るようにしても良い。この場合、アンケート結果を訓練内容に反映(フィードバック)することができる。
【0063】
次に、本発明の第2の実施形態に係る品質体感訓練方法の一例として、品質体感訓練装置50Cを用いた品質体感訓練方法について説明する。
【0064】
品質体感訓練装置50Cを用いた品質体感訓練方法は、訓練受講者がいる現地で、指導員が不適合事例および訓練解答53,58について解説を行っている品質体感訓練装置50A,50Bを用いた品質体感訓練方法に対して、解説情報ファイル61を再生することで不適合事例および訓練解答53,58について指導員の解説を受ける点で相違するが、その他の点は実質的に相違しない。
【0065】
品質体感訓練装置50Cを用いた品質体感訓練方法では、現地に指導員が不在の場合や指導員が不足しているような場合でも、不適合事例および訓練解答53,58について指導員の解説を受けることができる。従って、より少ない指導員で効率良く体感訓練を行うことができる。
【0066】
このように、品質体感訓練装置50Cおよび品質体感訓練装置50Cを用いた品質体感訓練方法によれば、品質体感訓練装置50A,50Bおよび品質体感訓練装置50A,50Bを用いた品質体感訓練方法と同様の効果を得ることができる。
【0067】
また、品質体感訓練装置50Cおよび品質体感訓練装置50Cを用いた品質体感訓練方法によれば、現地に指導員が不在の場合や指導員が不足しているような場合でも、不適合事例および訓練解答53,58について指導員の解説を受けることができる。従って、より少ない指導員で効率良く体感訓練を行うことができる。
【0068】
以上、品質体感訓練装置50A〜50Cおよび品質体感訓練装置50A〜50Cを用いた品質体感訓練方法によれば、訓練受講者が複数箇所で同時に不適合事例を疑似体感することができる。
【0069】
また、品質体感訓練装置50A〜50Cおよび品質体感訓練装置50A〜50Cを用いた品質体感訓練方法によれば、品質不適合状態にある系統模擬模型51や制御盤模型56を用いた訓練を通じて、作業員書類52,57の見方、作業上の注意点、材料記号の見方、選定上の注意点、規定される作業ルール(作業標準)および犯しやすいヒューマンエラー事例等の潜在する品質不適合を発生させる様々な事象を体感することができる。
【0070】
さらに、品質体感訓練装置50A〜50Cおよび品質体感訓練装置50A〜50Cを用いた品質体感訓練方法によれば、作業員に不適合事例を複数の感覚(視覚、触覚および聴覚)を通じて疑似体感させることで、作業員に対して製品の品質を高める訓練をより効果的に行う(より印象強く不適合事例を体感させる)ことができる。
【0071】
品質体感訓練装置50Cおよび品質体感訓練装置50Cを用いた品質体感訓練方法によれば、現地に指導員が不在の場合や指導員が不足しているような場合でも、不適合事例および訓練解答53,58について指導員の解説を受けることができる。従って、より少ない指導員で効率良く体感訓練を行うことができる。
【0072】
なお、本発明は上述した実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階では、上述した実施例以外にも様々な形態で実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、追加、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【解決手段】品質体感訓練装置50Aは、プラントを構成する機器を組み合わせ、製品の不適合事例を盛り込んで製作された品質不適合状態にある仮設の模型51と、前記製品の製作のときに用いられる書類であって、前記模型の品質適合となる本来あるべき状態が示される組立