(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
一方向に弁軸を駆動することにより徐々に弁体が弁座から離間して流路を広げる調整弁を複数備え、該複数の調整弁を順次開状態とすることによって蒸気を流入させる多弁型蒸気弁において、
前記複数の調整弁のうち、少なくとも最初に開状態となる調整弁は、他の調整弁と比較して閉状態より一方向に駆動した際の蒸気の流入量が小さくなるように構成されており、
前記少なくとも最初に開状態となる調整弁は、
前記弁体が、
前記弁軸と接続されたパイロット弁と、
前記弁座と当接し、内部にパイロット弁を収容する空間と、前記空間と上流側の流路と連通する蒸気導入孔と、前記空間と下流側の流路と連通する蒸気排出孔と、が形成された弁体本体と、を有し、
閉状態においては、前記パイロット弁が前記蒸気導入孔及び蒸気排出孔を閉鎖し、
閉状態から前記弁軸を一方向に駆動することによって前記蒸気導入孔及び前記蒸気排出孔が解放されて前記空間を介して上流側の流路と下流側とが連通し、
さらに弁軸を一方向に駆動することによって前記パイロット弁が前記弁体を吊り上げて前記弁座から離間させる多弁型蒸気弁。
前記少なくとも最初に開状態となる調整弁は、前記弁体が他の調整弁の弁体よりも小型化され、蒸気の流入量が少なくなるように形成されている請求項1に記載の多弁型蒸気弁。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図11は、蒸気流量と弁のリフト量(弁リフト)との関係を示すグラフであり、グラフの1〜5の数字は、当該リフト量において第一の調整弁14から第五の調整弁14のうちどの調整弁14がリフトしているかを示している。
上記従来の多弁型蒸気弁においては、
図11に示すように、最初に開状態となる調整弁14の流量範囲Rが広いため、暖機運転における低速回転時の制御性に難があるという問題がある。特に、試運転時などタービンのみを運転させる場合、ローターの回転慣性(GD2)が小さくなるため、調速が難しいことが知られている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の多弁型蒸気弁は、一方向に弁軸を駆動することにより徐々に弁体が弁座から離間して流路を広げる調整弁を複数備え、該複数の調整弁を順次開状態とすることによって蒸気を流入させる多弁型蒸気弁において、前記複数の調整弁のうち、少なくとも最初に開状態となる調整弁は、他の調整弁と比較して閉状態より一方向に駆動した際の蒸気の流入量が小さくなるように構成されて
おり、前記少なくとも最初に開状態となる調整弁は、前記弁体が、前記弁軸と接続されたパイロット弁と、前記弁座と当接し、内部にパイロット弁を収容する空間と、前記空間と上流側の流路と連通する蒸気導入孔と、前記空間と下流側の流路と連通する蒸気排出孔と、が形成された弁体本体と、を有し、閉状態においては、前記パイロット弁が前記蒸気導入孔及び蒸気排出孔を閉鎖し、閉状態から前記弁軸を一方向に駆動することによって前記蒸気導入孔及び前記蒸気排出孔が解放されて前記空間を介して上流側の流路と下流側とが連通し、さらに弁軸を一方向に駆動することによって前記パイロット弁が前記弁体を吊り上げて前記弁座から離間させる。
【0007】
上記構成によれば、最初に開状態となる調整弁の全閉状態から全開状態までの蒸気流量が減少する。即ち、調整弁の流量範囲が狭くなることによって多弁型蒸気弁の微速調整の際の制御性が向上する。
また、調整弁が主弁とパイロット弁によって構成されていることによって、パイロット弁による制御が可能となる。即ち、即ち、弁リフトに対する調整弁の流量範囲が狭くすることが可能になり、多弁型蒸気弁の微速調整の際の制御性が向上する。
【0008】
上記多弁型蒸気弁において、前記少なくとも最初に開状態となる調整弁は、前記弁体が他の調整弁の弁体よりも小型化され、蒸気の流入量が少なくなるように形成されていることが好ましい。
【0009】
上記構成によれば、調整弁を作動させるための駆動力の低減が可能となる。即ち、弁体の小型化により、弁体にかかる蒸気のスラスト力が小さくなるため、弁体を駆動するための動力を低減することができる。
【0012】
上記多弁型蒸気弁において、前記流路の内部に配置されたインナーバーに穿設した弁軸孔に下方から前記弁体の前記弁軸を通し、前記インナーバーを介して前記弁軸の上方に形成した拡径部を吊り上げて前記弁体を前記弁座に対し進退させて蒸気を流入させることが好ましい。
【0013】
上記構成によれば、低い回転速度においても、容易に調速することができる。
【0014】
上記多弁型蒸気弁において、前記流路の外部に配置され、前記複数の調整弁の前記弁軸を駆動する複数のカムを有するコネクティングアームを有し、前記コネクティングアームを回動させることにより蒸気を流入させる構成としてもよい。
【0015】
上記構成によれば、蒸気温度の圧力及び温度が高い場合においても、複数の配管を用いた蒸気の導入が可能となる。
【0016】
また、本発明は蒸気いずれかに記載の多弁型蒸気弁を備える蒸気タービンを提供する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、最初に開状態となる調整弁の全閉状態から全開状態までの蒸気流量が減少する。即ち、調整弁の流量範囲が狭くなることによって多弁型蒸気弁の微速調整の際の制御性が向上する。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(第一実施形態)
まず、本実施形態の多弁型蒸気弁6が適用される蒸気タービン1ついて説明する。
図1に示すように、蒸気タービン1のタービン本体3には蒸気を蒸気タービン1に供給する主蒸気ヘッダ管2が蒸気供給通路4を介して接続されている。蒸気供給通路4には、止め弁5と蒸気加減弁である多弁型蒸気弁6が設けられており、タービン本体3への蒸気の供給を止め弁5の全閉により遮断、又は蒸気の供給流量を多弁型蒸気弁6によって制御するようになっている。
【0020】
また、蒸気タービン1のロータは、回転エネルギーを発電機7(もしくは圧縮機)等の機械に伝達するようになっている。蒸気タービン1は、ガバナ8(制御装置)によって制御されている。ガバナ8は、蒸気タービン1の制御を行う演算装置であり、例えば、速度検出器9を用いてタービンのロータの回転速度が入力され、この回転速度に基づいて多弁型蒸気弁6を制御するように構成されている。
【0021】
図2に示すように、多弁型蒸気弁6は、蒸気が供給される蒸気室12が形成されたケーシング11と、蒸気室12の内部に配置されたインナーバー13と、インナーバー13に取り付けられた複数の調整弁14と、ケーシング11を貫通してインナーバー13を支持する2本の支持棒17と、を有している。このような多弁型蒸気弁6は調整弁の支持にインナーバーを用いていることからインナーバー弁とも呼ばれている。
【0022】
蒸気室12は、一方向に長さを有する空間である。蒸気室12と蒸気タービン1とを接続する蒸気供給通路4は、複数(本実施形態では5本)の蒸気通路19によって構成されている。各々の蒸気通路19の上流側の端部は、蒸気室12の長手方向に所定の間隔を隔てて配置されており、蒸気室12側の開口部20には調整弁14の弁体15が当接する弁座21が形成されている。
【0023】
各々の蒸気通路19の下流側の端部は、蒸気タービン1の車室22に開口されている。車室22側の開口部23は、車室22の外周の周方向に所定の間隔を隔てて配置されている。本実施形態では、車室22の外周を5つの部位に区分けし、各々の部位に蒸気通路19が接続されている。
【0024】
図3に示すように、インナーバー13に取り付けられている複数の調整弁14は、弁座21に当接する弁体15と、弁体15から上方に延在する弁軸16とを有している。
インナーバー13は、ガバナ8によって開度制御される支持棒17により支持され、蒸気室12の長手方向に沿う長さを有する棒状の部材である。インナーバー13は、複数の弁座21の配列方向に沿うように弁座21の上方に配置されている。インナーバー13には、調整弁14の弁軸16が挿通する弁軸孔24が穿設されている。
調整弁14は、一方向に弁軸16を駆動することにより徐々に弁体15が弁座21から離間して流路を広げる形式のものである。
【0025】
弁軸16の少なくとも上方の外周面には、雄ネジ溝が形成されており、ナット25が螺合されている。
支持棒17は、インナーバー13から上方に延在する棒形状の部材であり、図示しない電油アクチュエータなどの駆動装置によって上下方向に操作可能とされている。
【0026】
上記構成の多弁型蒸気弁6は、支持棒17を操作してインナーバー13を上下方向に移動させることによって、ナット25を吊り上げて調整弁14の弁体15を弁座21に対して離間(進退)させて蒸気室12の蒸気を蒸気タービン1の車室22に流入させる構成となっている。調整弁14は、ナット25の位置によって弁座21から離間するタイミングが調整できるようになっている。
なお、この実施形態ではナット25を吊り上げることによって調整弁14の弁体15を駆動する構成となっているが、これに限ることはない。例えば、弁軸16の上方に拡径部を設け、拡径部の位置を各々の調整弁14で変更する構成としてもよい。
【0027】
本実施形態では、インナーバー13を上方に移動させることによって、まず、5つの調整弁14のうち中央の第一調整弁14Aが開き、次いで、第一調整弁14Aの一方の隣に位置する第二調整弁14Bが開き、次いで、第一調整弁14Aの他方の隣の第三調整弁14Cが開き、次いで、一方の端の第四調整弁14Dが開き、最後に、残りの第五調整弁14Eが開くように設定されている。
【0028】
即ち、まず、第一調整弁14Aが開くことによって、第一調整弁14Aによって閉鎖されていた開口部20を介して車室22に蒸気が流入し、出力が増大するに従い順次他の開口部20を介して車室22に蒸気が流入するように構成されている。複数の開口部20は、全ての調整弁14が開状態となった段階で、最大流量となるように構成されている。
また、弁体15は蒸気力によって弁座21の方向に引っ張られているので、インナーバー13の上下動に伴って、複数の弁体15が順次弁座21に着座して計画通りに弁の開閉が行われるようになっている。
【0029】
本実施形態の複数の調整弁14は、第一調整弁14Aのみ他の調整弁14と比較して、開状態になるまでの蒸気の流入量が少なくなるような形状となっている。具体的には、第一調整弁14Aは、他の調整弁14と比較して小型化されており、第一調整弁14Aの弁体15は、他の調整弁14と比較して小さな外形を有するものとなっており、これに対応して、第一調整弁14Aの弁体15が当接する弁座21の内径も小さく形成されている。
なお、弁体15の大きさを変更することなく、対応する弁座21の内径を小さくすることによって第一調整弁14Aの蒸気の流入量を小さくするような構成としてもよい。
【0030】
停止状態にある蒸気タービン1を起動させる際は、出力が小さいため、主に第一調整弁14Aのみを用いて蒸気タービン1に蒸気を導入する。この際、第一調整弁14Aを徐々に開くことによって暖機運転を行う。蒸気タービン1が定格速度に達して暖機が完了した時点で、インナーバー13をさらに上昇させ、他の調整弁14からの蒸気の導入を行う。
【0031】
図4は、蒸気流量と弁のリフト量(弁リフト)との関係を示すグラフである。グラフの1〜5の数字は、当該リフト量において第一調整弁14Aから第五調整弁14Eのうちどの調整弁14がリフトしているかを示している。
【0032】
上記実施形態によれば、第一調整弁14Aが小型化されていることによって、
図4に示すように、第一調整弁14Aの全閉状態から全開状態までの蒸気流量R1が減少する。即ち、第一調整弁14Aの流量範囲が狭くなることによって多弁型蒸気弁6の微速調整の際の制御性が向上する。
【0033】
また、第一調整弁14Aの弁体15を小型化することにより、第一調整弁14Aを作動させるための駆動力の低減が可能となる。即ち、弁体15の小型化により、弁体15にかかる蒸気のスラスト力が小さくなるため、弁体15を駆動するための動力を低減することができる。
【0034】
第一調整弁14Aは、複数の調整弁14のうち最初に開く弁であるため、蒸気室12と車室22との圧力差が大きいため、小型化することによる効果が高い。第一調整弁14Aが開状態となることによって、蒸気タービン1の車室22内に蒸気が流入するため、車室22と蒸気室12との圧力差は小さくなる。これにより、他の調整弁14を駆動する際は、駆動力は小さくて済む。
【0035】
(第二実施形態)
以下、本発明に係る第二実施形態の多弁型蒸気弁6Bを図面に基づいて説明する。なお、本実施形態では、上述した第一実施形態との相違点を中心に述べ、同様の部分についてはその説明を省略する。
図5及び
図6に示すように、本実施形態の多弁型蒸気弁6Bは、蒸気供給通路4から分岐された複数(本実施形態では4本)の配管19Bが形成されたケーシング11Bと、各々の配管19Bに設けられた弁座21Bと、この弁座21Bに対応して設けられた複数の調整弁26と、各々の調整弁26を駆動する調整弁駆動機構27と、を有している。このような多弁型蒸気弁は、インナーバーではなく独立した支持棒にて駆動されることから独立弁と呼ばれている。
【0036】
蒸気供給通路4と車室22とを接続する配管19Bの上流側の端部は、蒸気供給通路4の延在方向に所定の間隔を隔てて配置されており、開口部20Bの近傍には調整弁26の弁体32が当接する弁座21Bが形成されている。
【0037】
各々の配管19Bの下流側の端部は、蒸気タービン1の車室22に開口されている。車室22側の開口部23Bは、車室22の外周の周方向に所定の間隔を隔てて配置されている。本実施形態では、車室22の外周を4つの部位に区分けし、各々の部位に配管19Bが接続されている。
【0038】
図6に示すように、調整弁駆動機構27は、各々の調整弁14の弁軸16を収容する複数の弁室28と、複数の弁室28と直交するように延在するコネクティングアーム29と、複数の弁室28に対応してコネクティングアーム29に取り付けられたカムレバー30と、を有している。コネクティングアーム29は、ガバナ8によって制御可能とされた棒形状の部材であり、図示しない駆動装置によって回動可能とされている。
カムレバー30と弁室28内の弁軸16Bとは、連結棒31によって連結されている。カムレバー30の角度は、調整弁14が所定の順序で開状態となるように調整されている。
【0039】
上記構成の多弁型蒸気弁6は、コネクティングアーム29を操作してカムレバー30を回動させることによって、各々の弁軸16Bを駆動して蒸気供給通路4の蒸気を蒸気タービン1の車室22に流入させる構成となっている。
本実施形態では、コネクティングアーム29を回動させることによって、まず4つの調整弁26のうち、中央寄りの第一調整弁26Aが開き、次いで、もう一つの中央よりの第二調整弁26Bが開き、次いで、一方の端の第三調整弁26Cが開き、最後に、残りの第四調整弁26Dが開くように設定されている。即ち、まず、第一調整弁26Aが開くことによって、第一調整弁26Aによって閉鎖されていた開口部20Bを介して車室22に蒸気が流入し、出力が増大するに従い順次他の開口部20Bを介して車室22に蒸気が流入するように構成されている。複数の開口部20Bは、全ての調整弁26が開状態となった段階で、最大流量となるように構成されている。
【0040】
図7に示すように、本実施形態の第一調整弁26Aの弁体32は、弁軸16Bと接続されたパイロット弁33と、弁座21Bと当接する弁体本体である主弁34と、を有している。主弁34は、弁体32の外形をなす部位であり、弁座21Bと当接する弁座当接部35を有している。主弁34の内部には、パイロット弁33を収容するパイロット弁収容空間36が形成されている。主弁34の弁座当接部35は、弁座21と当接することによって配管19Bの上流側と下流側とを封止する円形の領域である。
【0041】
主弁34には、パイロット弁収容空間36と主弁34の外部とを接続する複数の蒸気導入孔37、及び蒸気排出孔38が形成されている。蒸気導入孔37と蒸気排出孔38とは、パイロット弁収容空間36を介して連通している。
蒸気導入孔37は、パイロット弁収容空間36と主弁34の側面とを接続する複数の孔である。蒸気導入孔37は、主弁34の外面において、弁座当接部35よりも上流側に形成されている。
蒸気排出孔38は、パイロット弁収容空間36と主弁34の先端とを接続する孔である。蒸気排出孔38は、主弁34の外面において、弁座当接部35よりも下流側に形成されている。
【0042】
パイロット弁33は、弁軸16Bの駆動によってパイロット弁収容空間36内を上下方向に移動可能な状態で、主弁34内に収容されている。弁軸16Bは、主弁34に形成された弁軸孔39を介して主弁34の上方に延在している。
図8に示すように、パイロット弁33とパイロット弁収容空間36とは、その位置によって、蒸気導入孔37と蒸気排出孔38とを封止したり、蒸気導入孔37と蒸気排出孔38とを連通させたりすることができるように形成されている。
【0043】
具体的には、
図8(a)に示すように、パイロット弁33がパイロット弁収容空間36の下側にあるときには、パイロット弁33によって蒸気導入孔37と蒸気排出孔38とが塞がれる。
図8(b)に示すように、パイロット弁33がパイロット弁収容空間36の上側にあるときには、蒸気導入孔37と蒸気排出孔38とが連通する。
【0044】
停止状態にある蒸気タービン1を起動させる際は、出力が小さいため、第一調整弁26Aのみを用いて蒸気タービン1に蒸気を導入する。まず、蒸気導入前の状態においては、
図8(a)に示すように、主弁34が弁座21Bに当接しているとともに、パイロット弁33によって蒸気導入孔37及び蒸気排出孔38が封止されている。即ち、パイロット弁33がパイロット弁収容空間36の下方にあることによって、蒸気供給通路4(
図5参照)の蒸気は配管19Bに流入しない。
【0045】
そして、第一調整弁26Aに対応するカムレバー30(
図6参照)によって、第一調整弁26Aの弁軸16Bが上方に駆動されると、
図8(b)に示すように、パイロット弁33がパイロット弁収容空間36の上方に移動し、主弁34が弁座21Bに当接しつつ、蒸気導入孔37と蒸気排出孔38とが解放され連通する状態となる。
これにより、主弁34が弁座21Bより離間することにより流入する蒸気の量よりも少ない蒸気が蒸気供給通路4から配管19Bに流入する。
【0046】
ここで、蒸気導入孔37と蒸気排出孔38の穴径及び蒸気導入孔37の数について説明すると、穴径及び蒸気導入孔37の数は、
図8(b)に示す、蒸気導入孔37と蒸気排出孔38によってのみ蒸気が流入する状態において必要とされる蒸気の量に応じて適宜設定される。
【0047】
次いで、弁軸16Bを上方に駆動することによって、パイロット弁33によって主弁34が吊り上げられ、主弁34(弁体32)と弁座21Bとが離間する。これにより、より多くの蒸気が配管19Bを介して車室22に流入する。蒸気タービン1が定格速度に達して暖機が完了した時点で、コネクティングアーム29をさらに回動させ、他の調整弁26からの蒸気の導入を行う。
【0048】
図9は、蒸気流量と弁のリフト量(弁リフト)との関係を示すグラフである。グラフの1〜4の数字は、当該リフト量において第一調整弁26Aから第四調整弁26Dのうちどの調整弁26がリフトしているかを示している。
【0049】
上記実施形態によれば、第一調整弁26Aが主弁34とパイロット弁33によって構成されていることによって、パイロット弁33による制御が行われている段階における流量を少なくすることができ、微速調整が容易となる。
即ち、
図9に示すように、パイロット弁33による制御が可能となる。パイロット弁33による制御が行われている範囲R2においては、弁リフトに対する第一調整弁26Aの流量範囲が狭くすることが可能になり、多弁型蒸気弁6Bの微速調整の際の制御性が向上する。
【0050】
なお、本発明の技術範囲は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。また、上記複数の実施形態で説明した特徴を任意に組み合わせた構成であってもよい。即ち、インナーバー弁の調整弁の弁体を、第二実施形態の主弁とパイロット弁からなる弁体としてもよい。また、独立弁の調整弁の弁体を小型化してもよい。
【0051】
また、上記各実施形態では、第一調整弁14A,26Aのみを蒸気の流入量が小さくなるような形態としているが、これに限ることはなく、他の調整弁14,26を蒸気の流入量が小さくなるような形態としてもよい。