(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記レンダリング部は、前記経路設定部が前記幾何学的パラメータの設定の入力を受け付けているとき、前記三次元データおよび前記移動経路を表す立体図形をレンダリングする
請求項2に記載の三次元データ表示装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されたプラント運転訓練装置を操作することにより、運転員は操作対象となる部品の空間的な位置を知ることができる。この場合、運転員は、部品の空間的な位置を知るために、まずシミュレータの操作を知る必要があるため、容易に部品の空間的な位置を知ることができない。特に、所定の部品の全体の外観を認識するためには、アバターに当該部品の周りを移動させながら、アバターの視線を当該部品へ向けるという高度な操作が要される。
本発明の目的は、運転員にプラントを構成する部品の空間的な位置を容易に認識させることを可能とする三次元データ表示装置、三次元データ表示方法、およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様によれば、三次元データ表示装置は、視点に基づいて三次元データをレンダリングして二次元データを得るレンダリング部と、前記三次元データ上の点
のうち、利用者より指定された点である注目点を特定する特定部と、前記注目点へ視線を向けながら、前記注目点を囲う環状の移動経路に沿って前記視点を移動させる視点制御部とを備える。
【0006】
本発明の第2の態様によれば、第1の態様に係る三次元データ表示装置は、前記移動経路の幾何学的パラメータの設定の入力を受け付ける経路設定部をさらに備えるものであってよい。
【0007】
本発明の第3の態様によれば、第2の態様に係る三次元データ表示装置は、前記レンダリング部は、前記経路設定部が前記幾何学的パラメータの設定の入力を受け付けているとき、前記三次元データおよび前記移動経路を表す立体図形をレンダリングするものであってよい。
【0008】
本発明の第4の態様によれば、第3の態様に係る三次元データ表示装置は、前記立体図形は、前記移動経路と異なる形状を有するものであってよい。
【0009】
本発明の第5の態様によれば、第1から第4の何れかの態様に係る三次元データ表示装置は、前記特定部が前記注目点を特定した時点における前記視点の位置および視線方向を視点記憶部に記録する視点記録部をさらに備え、前記視点制御部は、前記移動経路に沿った前記視点の移動を終了した後に、前記視点の位置および視線方向を前記視点記憶部が記憶する前記位置および前記視線方向に変更するものであってよい。
【0010】
本発明の第6の態様によれば、第1から第5の何れかの態様に係る三次元データ表示装置は、前記レンダリング部によって得られた前記二次元データ上の点の選択を受け付ける注目点入力部をさらに備え、前記特定部は、前記三次元データのうち選択された前記点に相当する半直線上の点であって前記視点に最も近い点を、前記注目点として特定するものであってよい。
【0011】
本発明の第7の態様によれば、第1から第6の何れかの態様に係る三次元データ表示装置は、前記レンダリング部は、前記二次元データの上下方向が前記三次元データの上下方向と一致するようにレンダリングするものであってよい。
【0012】
本発明の第8の態様によれば、第1から第7の何れかの態様に係る三次元データ表示装置は、前記移動経路は、前記注目点を中心とする円形であるものであってよい。
【0013】
本発明の第9の態様によれば、第1から第8の何れかの態様に係る三次元データ表示装置は、前記視点の操作の入力を受け付ける視点操作部をさらに備え、前記視点制御部は、前記移動経路に沿った前記視点の移動中に前記視点操作部が前記入力を受け付けた場合に、前記入力に従って前記視点を移動させるものであってよい。
【0014】
本発明の第10の態様によれば、三次元データ表示方法は、視点に基づいて三次元データをレンダリングして二次元データを得ることと、前記三次元データ上の点
のうち、利用者より指定された点である注目点を特定することと、前記注目点へ視線を向けながら、前記注目点を囲う環状の移動経路に沿って前記視点を移動させることとを有する。
【0015】
本発明の第11の態様によれば、プログラムは、コンピュータに、視点に基づいて三次元データをレンダリングして二次元データを得ることと前記三次元データ上の点
のうち、利用者より指定された点である注目点を特定することと、前記注目点へ視線を向けながら、前記注目点を囲う環状の移動経路に沿って前記視点を移動させることと、を実行させる。
【発明の効果】
【0016】
上記態様のうち少なくとも1つの態様によれば、三次元データ表示装置は、所定の注目点へ視線を向けながら視点を注目点回りに移動させることで、注目点の全体の外観を二次元データにレンダリングすることができる。これにより、三次元データ表示装置は、運転員にプラントを構成する部品の空間的な位置を容易に認識させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
〈第1の実施形態〉
以下、図面を参照しながら第1の実施形態について詳しく説明する。
図1は、第1の実施形態に係る三次元データ表示装置の外観を示す斜視図である。
三次元データ表示装置10は、プラントなどの施設を表す三次元データを表示する装置である。三次元データ表示装置10は、仮想空間に三次元データおよびアバターを配置し、三次元データによって表される施設内でアバターを歩行(ウォークスルー)または飛行(フライスルー)により移動させることができる。
三次元データ表示装置10は、表示装置11、マウス12、キーボード13、ジョイパッド14、演算装置15を備える。
表示装置11は、演算装置15による演算結果を表示する。
マウス12、キーボード13およびジョイパッド14は、利用者による演算装置15への入力操作を受け付ける入力装置である。
演算装置15は、マウス12、キーボード13およびジョイパッド14の入力に応じた演算を行い、表示装置11に演算結果を表示させる。
【0019】
図2は、第1の実施形態に係る三次元データ表示装置の構成を示す概略ブロック図である。
三次元データ表示装置10の演算装置15は、仮想空間記憶部101、モード切替部102、視点制御部103、レンダリング部104、表示制御部105、視点操作部106、視点記録部107、視点記憶部108、特定部109、経路設定部110を備える。
仮想空間記憶部101は、仮想空間に配置された三次元データを記憶する。つまり三次元データ上の点の位置は、仮想空間の座標系で表される。本実施形態に係る仮想空間の座標系は、X軸、Y軸、およびZ軸からなる直交座標系で表される。このうちZ軸は、仮想空間の上下方向を示す軸である。
モード切替部102は、仮想空間内における視点の移動方法に係るモード(移動モード)の切り替えの入力を受け付ける。移動モードには、アバターを施設内で移動させ、アバターの移動に伴って視点を移動させるアバターモードと、指定された注目点の周りで視点を自動回転させるサテライトモードとが含まれる。視点とは、三次元データのレンダリングにおける投影の原点である。視線方向とは三次元データのレンダリングにおける投影の方向である。移動モードの切替は、マウス12の操作により行われる。モード切替部102は、マウス12により注目点がクリックされることで、移動モードをサテライトモードに切り替える。つまりモード切替部102は、注目点入力部の一例である。モード切替部102は、マウス12によりアバターモードへの切替ボタンの押下を受け付けることで、移動モードをアバターモードに切り替える。
視点制御部103は、移動モードに基づいて仮想空間上の視点の姿勢(位置および視線方向)を制御する。
レンダリング部104は、視点制御部103によって制御された視点に基づいて仮想空間記憶部101が記憶する三次元データをレンダリングし、二次元データを得る。
表示制御部105は、レンダリング部104が得た二次元データを表示装置11に表示させる。
【0020】
視点操作部106は、仮想空間上の視点の姿勢を変化させる操作の入力を受け付ける。視点の操作の入力は、ジョイパッド14の操作により行われる。
視点記録部107は、移動モードがアバターモードからサテライトモードに切り替えられたときに、切り替え前の視点の姿勢を視点記憶部108に記録する。
視点記憶部108は、移動モードがアバターモードからサテライトモードに切り替えられたときの視点の姿勢を記憶する。
特定部109は、移動モードがアバターモードからサテライトモードに切り替えられたときに、注目点の座標を特定する。例えば、利用者がマウス12により、表示装置11に表示された二次元データ上の点を指定した場合に、当該点に対応する三次元データ上の点を、注目点として特定する。つまり、特定部109は、三次元データのうち指定された点に相当する点を、注目点として特定する。
経路設定部110は、特定部109が特定した注目点に基づいてサテライトモードに係る視点の移動経路の設定を受け付ける。移動経路は、注目点を囲うように設定される。具体的には、移動経路は注目点を通る回転軸回りに形成される円形の経路である。
図3は、第1の実施形態に係る移動経路の設定ウインドウの一例を示す図である。経路設定部110は、
図3に示す設定ウインドウWを表示装置11に表示させ、キーボード13およびマウス12の操作により各種設定の入力を受け付ける。具体的には、経路設定部110は、移動経路(回転軸)の傾き(Angle X値、Angle Z値)、移動経路の半径(Radius値)、移動経路の中心点と注目点との距離(Height値)、三次元データのクリッピング距離(Clipping値)の設定を受け付ける。Angle X値、Angle Y値、Radius値、およびHeight値は、移動経路の幾何学的パラメータの一例である。
【0021】
設定ウインドウWは、幾何学的パラメータの入力欄W1、リセットボタンW2、アクションボタンW3、ズームボタンW4、一時停止ボタンW5、終了ボタンW6を備える。
リセットボタンW2は、入力項目をリセットするためのボタンである。
アクションボタンW3は、移動経路に沿った視点の移動を開始するためのボタンである。設定ウインドウWには、アクションボタンW3として、右回転用のボタンと左回転用のボタンの2種類のボタンとが備えられる。
ズームボタンW4は、視線方向にズームインし、またはズームアウトするためのボタンである。設定ウインドウWには、ズームボタンW4として、ズームイン用のボタンとズームアウト用のボタンとが備えられる。
一時停止ボタンW5は、移動経路に沿った視点の移動を停止するためボタンである。
終了ボタンW6は、サテライトモードを終了してアバターモードに切り替えるためのボタンである。
【0022】
視点制御部103は、移動モードがアバターモードである場合に、視点操作部106による操作に従って視点の姿勢を変化させる。なお、他の実施形態において、アバターの挙動を規定した設定データがある場合、視点制御部103は、当該設定データに基づいて視点の姿勢を変化させてもよい。視点制御部103は、移動モードがサテライトモードである場合に、経路設定部110により設定された移動経路に沿って視点の姿勢を変化させる。
【0023】
次に、第1の実施形態に係る三次元データ表示装置10の動作について説明する。
図4は、第1の実施形態に係る三次元データ表示装置のアバターモードにおける動作を示すフローチャートである。
図5は、第1の実施形態に係る三次元データ表示装置のサテライトモードにおける動作を示すフローチャートである。
三次元データ表示装置10の起動時に、移動モードはアバターモードに設定される。三次元データ表示装置10の起動時に、視点は所定の初期姿勢をとる。
三次元データ表示装置10が起動すると、演算装置15の視点制御部103は、視点より視線方向前方の所定位置に、アバターを配置する(ステップS1)。レンダリング部104は、仮想空間記憶部101に記憶された三次元データのレンダリングを行い、二次元データを得る(ステップS2)。表示制御部105は、レンダリングされた二次元データを表示装置11に表示させる(ステップS3)。
図6は、移動モードがアバターモードである場合における三次元データの表示例を示す図である。表示装置11には、
図6に示すように、三次元データによって表される施設D1とアバターD2とが写る二次元データが表示される。
【0024】
次に、モード切替部102は、マウス12の操作により表示装置11に表示された二次元データ上の点を指定したサテライトモードへの切り替えの入力があったか否かを判定する(ステップS4)。例えば、モード切替部102は、表示装置11に表示された二次元データ上でマウス12の右クリックがなされ、右クリックによって表示されるメニューの中からサテライトモードへの切り替えを示すアイテムが選択されたときに、二次元データ上の点を指定したサテライトモードへの切り替えの入力があったと判定する。
サテライトモードへの切り替えの入力がない場合(ステップS4:NO)、視点操作部106は、ジョイパッド14を介して視点の操作の入力を受け付ける(ステップS5)。視点制御部103は、視点操作部106が受け付けた操作の入力に従って、仮想空間内に配置されたアバターを移動させる(ステップS6)。このとき、視点制御部103は、アバターに追従するように視点の姿勢を制御する(ステップS7)。具体的には、視点制御部103は、視点の視線方向とアバターの視線方向とを一致させ、かつ視点の位置がアバターの視線方向後方の所定位置に位置するように、視点の姿勢を制御する。そして、三次元データ表示装置10は、ステップS2に処理を戻し、三次元データのレンダリングを行う。
【0025】
ステップS4においてサテライトモードへの切り替えの入力があった場合(ステップS4:YES)、視点記録部107は、現時点の視点の姿勢を視点記憶部108に記録する(ステップS8)。次に、特定部109は、ステップS4で指定された二次元データ上の点を、仮想空間上の半直線に変換する(ステップS9)。具体的には、特定部109は、視点の位置を原点として、当該視点の視線方向から、指定された点の座標に応じた角度だけずらした方向に伸びる半直線を算出する。次に、特定部109は、三次元データの表面の点であって、変換された半直線と交わり、かつ視点に最も近い点を、注目点として特定する(ステップS10)。
【0026】
次に、経路設定部110は、レンダリング部104が生成した二次元データに重ねて、
図3に示す設定ウインドウWを表示装置11に表示させる(ステップS11)。設定ウインドウWに設けられた入力欄W1には、初期値が設定される。経路設定部110は、特定部109が特定した注目点と入力欄W1に設定された値とに基づいて視点の移動経路を設定する(ステップS12)。具体的には、経路設定部110は、以下の手順で移動経路を設定する。まず経路設定部110は、入力欄W1に設定されたAngle X値およびAngle Z値に基づいて回転軸の伸びる方向を決定する。経路設定部110は、決定した方向に伸び、かつ設定された注目点を通る直線を、回転軸として設定する。経路設定部110は、設定した回転軸上の点であって、入力欄W1に設定されたHeight値だけ注目点から離れた点を、移動経路の中心点に決定する。経路設定部110は、決定した中心点を原点とし、入力欄W1に設定されたRadius値を半径とする、回転軸に直交する平面上の円を、移動経路として設定する。次に、レンダリング部104は、仮想空間記憶部101に記憶された三次元データおよび移動経路を表す立体図形(例えば、移動経路に外接する多角形)を仮想空間に配置する(ステップS13)。つまり、立体図形は、移動経路と異なる形状を有する。立体図形の形状が移動経路と同じ円形であると、Angle X値またはAngle Z値の変更により移動経路を円周方向に回転させたときに、当該立体図形が回転しているか否かを視認することが利用者にとって困難となる。これに対し、立体図形の形状を多角形にしておくことで、移動経路を円周方向に回転させたときにも、利用者に当該立体図形が回転しているか否かを視認させることができる。
次に、レンダリング部104は、仮想空間記憶部101に記憶された三次元データのレンダリングを行い、二次元データを得る(ステップS14)。表示制御部105は、レンダリングされた二次元データを表示装置11に表示させる(ステップS15)。
図7は、移動経路設定時における三次元データの表示例を示す図である。表示装置11には、
図7に示すように、三次元データによって表される施設D1と、移動経路を示す立体図形D3と、アバターD2とが写る二次元データが表示され、当該二次元データに重畳して設定ウインドウWが表示される。
【0027】
経路設定部110は、マウス12およびキーボード13の操作による設定ウインドウWの入力欄W1への入力があるか否かを判定する(ステップS16)。経路設定部110は、入力欄W1への入力があると判定した場合(ステップS16:YES)、ステップS12に処理を戻し、入力された値に基づいて移動経路を設定する。他方、経路設定部110は、入力欄W1への入力がないと判定した場合(ステップS16:NO)、マウス12およびキーボード13の操作により、設定ウインドウWのボタンが押下されたか否かを判定する(ステップS17)。ボタンの押下がない場合(ステップS17:NO)、三次元データ表示装置10は、処理をステップS14に戻し、三次元データのレンダリングを行う。
【0028】
他方、ボタンが押下された場合(ステップS17:YES)、視点制御部103は、押下されたボタンの種類を特定する(ステップS18)。
押下されたボタンがアクションボタンW3である場合(ステップS18:アクション)、視点制御部103は、視点を移動経路上の点に移動させ、視線方向が注目点に向くように、視点の姿勢を制御する(ステップS19)。以降、視点制御部103は、視線方向を注目点に向けながら、視点を移動経路に沿って自動移動させる。
図8は、移動モードがサテライトモードである場合における三次元データの第1の表示例を示す図である。表示装置11には、
図8に示すように、三次元データのうち注目点に係る部分が写る二次元データが、経時的に視線方向を変えながら表示される。これにより、表示装置11は、利用者によって指定された注目点の全体の外観を表示することができる。
【0029】
このとき、視点制御部103は、視点の上下方向と仮想空間の上下方向とが一致するように視点を移動させる。
図9は、移動モードがサテライトモードである場合における三次元データの第2の表示例を示す図である。第2の表示例は、視点の移動経路が水平面に直交するように設定されたときの三次元データの表示例である。視点制御部103は、視点の上下方向と仮想空間の上下方向とが一致するように視点を移動させるため、
図9に示すように、視線方向が鉛直方向と一致したときに視点の上下方向を反転させる。これにより、表示装置11は施設の上下方向を保ったまま注目点の全体の外観を表示することができる。
【0030】
押下されたボタンがズームボタンW4である場合(ステップS18:ズーム)、視点制御部103は、視点を視線方向に移動させる(ステップS20)。具体的には、ズームボタンW4のうちズームイン用のボタンが押下された場合、視点制御部103は、視点を視線方向前方に移動させる。ズームボタンW4のうちズームアウト用のボタンが押下された場合、視点制御部103は、視点を視線方向後方に移動させる。
【0031】
押下されたボタンが一時停止ボタンW5である場合(ステップS18:一時停止)、視点制御部103は、移動経路上に沿った視点の自動移動を停止させる(ステップS21)。
ステップS19、ステップS20、またはステップS21で視点制御部103が視点の姿勢を制御すると、三次元データ表示装置10は、処理をステップS14に戻し、三次元データのレンダリングを行う。このとき、レンダリング部104は、視線方向に直交する面であって、視点から設定ウインドウWの入力欄W1に入力されたClipping値が示す距離だけ離れた面を、クリッピング面の近面としてレンダリングを行う。具体的にはレンダリング部104は、三次元データのうち設定されたクリッピング面の近面より奥行側(視線方向前方)に存在するオブジェクトを描画する。
【0032】
ステップS18で押下されたボタンがリセットボタンW2である場合(ステップS18:リセット)、経路設定部110は、入力欄W1の値を初期値に設定する(ステップS22)。そして、三次元データ表示装置10は、ステップS12に処理を戻し、再度移動経路を設定する。
【0033】
ステップS18で押下されたボタンが終了ボタンW6である場合(ステップS18:終了)、モード切替部102は、移動モードをサテライトモードからアバターモードへ切り替える(ステップS23)。次に、視点制御部103は、視点の姿勢が視点記憶部108が記憶する姿勢になるよう制御する(ステップS24)。そして、三次元データ表示装置10は、ステップS2に処理を戻し、三次元データのレンダリングを行う。
【0034】
このように、第1の実施形態によれば、三次元データ表示装置10は、注目点へ視線を向けながら、注目点を囲う円形の移動経路に沿って視点を移動させて、視点に基づいて三次元データをレンダリングする。これにより、三次元データ表示装置10は、利用者に施設を構成する部品の空間的な位置を容易に認識させることができる。
なお、他の実施形態に係る視線の移動経路の形状は、円形でなくてもよい。例えば、他の実施形態に係る移動経路は、楕円状、円弧状、多角形状など、注目点を囲う他の環状の経路であってよい。他方、移動経路が円形である場合、利用者は、注目点を等距離で全周囲から観察することができる。
【0035】
また、第1の実施形態によれば、三次元データ表示装置10は、移動経路の幾何学的パラメータの設定の入力を受け付ける。これにより、利用者は、所望の角度から施設を構成する部品の空間的な位置を認識することができる。
なお、他の実施形態に係る三次元データ表示装置10は、移動経路の幾何学的パラメータの設定の入力を受け付けないものであってもよい。例えば、他の実施形態に係る三次元データ表示装置10は、予め定められた移動経路に沿って視点を移動させるものであってもよい。
【0036】
また、第1の実施形態によれば、三次元データ表示装置10は、注目点を特定した時点における視点の姿勢を記憶しておき、移動経路に沿った視点の移動を終了した後に、視点の姿勢を記憶していた姿勢に変更する。これにより、利用者がジョイパッド14にてアバターを操作するときに、仮想空間におけるアバターの位置を把握できなくなってしまうことを防ぐことができる。
【0037】
また、第1の実施形態によれば、三次元データ表示装置10は、マウス12によりレンダリングによって得られた二次元データ上の点の選択を受け付け、三次元データのうち選択された点に相当する半直線上の点であって視点に最も近い点を、注目点として特定する。これにより、利用者は簡易に注目点を特定することができる。
なお、他の実施形態に係る三次元データ表示装置10は、二次元データ上の点の選択によらずに注目点を特定してもよい。例えば、他の実施形態に係る三次元データ表示装置10は、キーボード13により仮想空間上の座標の入力を受け付けることで、注目点を特定してもよい。また、他の実施形態に係る三次元データ表示装置10において、施設の部品の名称とその部品が存在する三次元データ上の座標とが関連付けられる場合に、三次元データ表示装置10は、部品の名称の入力を受け付け、入力された名称に関連付けられた座標を、注目点の座標として特定してもよい。
また、他の実施形態に係る三次元データ表示装置10は、三次元データのうち選択された点に相当する半直線上の点であって視点に最も近い点を注目点として特定するものでなくてもよい。例えば、他の実施形態に係る三次元データ表示装置10において、三次元データを構成する各オブジェクトに注目点の座標を関連付けて置き、三次元データのうち選択された点に相当する半直線上のオブジェクトであって視点に最も近いものに関連付けられた座標を、注目点の座標として特定してもよい。
【0038】
また、第1の実施形態によれば、三次元データ表示装置10は、二次元データの上下方向が三次元データの上下方向と一致するようにレンダリングする。これにより、三次元データ表示装置10は施設の上下方向を保ったまま注目点の全体の外観を表示することができる。
なお、他の実施形態に係る三次元データ表示装置10は、レンダリングにおいて、二次元データの上下方向と三次元データの上下方向とを一致させなくてもよい。例えば、他の実施形態に係る三次元データ表示装置10は、二次元データの上下方向を利用者の操作によって変更してもよい。
【0039】
また、第1の実施形態によれば、三次元データ表示装置10は、移動経路に沿った視点の移動中にズームボタンW4の押下を受け付けた場合に、当該押下に従って視点を移動させる。これにより、三次元データ表示装置10は、視点の自動移動中においても、利用者が見たい部分をレンダリングすることができる。なお、視点の操作の入力はズームボタンW4の押下に限られない。例えば、他の実施形態に係る三次元データ表示装置10は、移動経路に沿った視点の移動中にジョイパッド14の操作を受け付けてもよい。
なお、他の実施形態に係る三次元データ表示装置10は、移動経路に沿った視点の移動中に視点の操作の入力を受け付けなくてもよい。
【0040】
以上、図面を参照して一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、様々な設計変更等をすることが可能である。
【0041】
図10は、少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
コンピュータ90は、CPU91、主記憶装置92、補助記憶装置93、インタフェース94を備える。
上述の三次元データ表示装置10は、コンピュータ90を備える。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式で補助記憶装置93に記憶されている。CPU91は、プログラムを補助記憶装置93から読み出して主記憶装置92に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU91は、プログラムに従って、上述した各記憶部に対応する記憶領域を主記憶装置92に確保する。
【0042】
なお、少なくとも1つの実施形態において、補助記憶装置93は、一時的でない有形の媒体の一例である。一時的でない有形の媒体の他の例としては、インタフェース94を介して接続される磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、半導体メモリ等が挙げられる。また、このプログラムが通信回線によってコンピュータ90に配信される場合、配信を受けたコンピュータ90が当該プログラムを主記憶装置92に展開し、上記処理を実行してもよい。
【0043】
また、当該プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、当該プログラムは、前述した機能を補助記憶装置93に既に記憶されている他のプログラムとの組み合わせで実現するもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【解決手段】三次元データ表示装置は、三次元データ上の点である注目点を特定する特定部と、注目点へ視線を向けながら注目点を囲う環状の移動経路に沿って視点を移動させる視点制御部と、視点に基づいて三次元データをレンダリングして二次元データを得るレンダリング部とを備える。