(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6089152
(24)【登録日】2017年2月10日
(45)【発行日】2017年3月1日
(54)【発明の名称】剥脱性の毛髪保持促進製剤
(51)【国際特許分類】
A61K 8/67 20060101AFI20170220BHJP
A61Q 7/00 20060101ALI20170220BHJP
A61P 17/14 20060101ALI20170220BHJP
A61K 8/64 20060101ALI20170220BHJP
A61K 8/66 20060101ALI20170220BHJP
A61K 8/98 20060101ALI20170220BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20170220BHJP
A61K 31/7012 20060101ALI20170220BHJP
A61K 47/10 20060101ALI20170220BHJP
A61K 36/02 20060101ALI20170220BHJP
A61K 31/7048 20060101ALI20170220BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20170220BHJP
A61K 47/12 20060101ALI20170220BHJP
A61K 36/25 20060101ALI20170220BHJP
A61K 47/04 20060101ALI20170220BHJP
A61K 31/505 20060101ALI20170220BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20170220BHJP
A61K 36/484 20060101ALI20170220BHJP
A61K 38/43 20060101ALI20170220BHJP
A61K 38/00 20060101ALN20170220BHJP
【FI】
A61K8/67
A61Q7/00
A61P17/14
A61K8/64
A61K8/66
A61K8/98
A61K8/34
A61K31/7012
A61K47/10
A61K36/02
A61K31/7048
A61K45/00
A61K47/12
A61K36/25
A61K47/04
A61K31/505
A61P43/00 121
A61K36/484
A61K37/48
!A61K37/02
【請求項の数】25
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-538005(P2016-538005)
(86)(22)【出願日】2014年12月12日
(65)【公表番号】特表2016-539987(P2016-539987A)
(43)【公表日】2016年12月22日
(86)【国際出願番号】US2014070126
(87)【国際公開番号】WO2015089461
(87)【国際公開日】20150618
【審査請求日】2016年11月10日
(31)【優先権主張番号】61/915,988
(32)【優先日】2013年12月13日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513227620
【氏名又は名称】レスターシー エルエルシイ
【氏名又は名称原語表記】RESTORSEA, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100113376
【弁理士】
【氏名又は名称】南条 雅裕
(74)【代理人】
【識別番号】100179394
【弁理士】
【氏名又は名称】瀬田 あや子
(74)【代理人】
【識別番号】100185384
【弁理士】
【氏名又は名称】伊波 興一朗
(74)【代理人】
【識別番号】100137811
【弁理士】
【氏名又は名称】原 秀貢人
(72)【発明者】
【氏名】アラバタ エンリケ ピー.
(72)【発明者】
【氏名】パオ パトリシア エス.
【審査官】
松元 麻紀子
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第00/07627(WO,A1)
【文献】
米国特許第6416769(US,B1)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0123442(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2006/0257386(US,A1)
【文献】
国際公開第2012/175743(WO,A1)
【文献】
国際公開第2009/136291(WO,A1)
【文献】
特開2008−127328(JP,A)
【文献】
特開2012−012354(JP,A)
【文献】
特表2001−526026(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/67
A61K 8/34
A61K 8/64
A61K 8/66
A61K 8/98
A61K 31/505
A61K 31/7012
A61K 31/7048
A61K 36/02
A61K 36/25
A61K 36/484
A61K 38/43
A61K 45/00
A61K 47/04
A61K 47/10
A61K 47/12
A61P 17/14
A61P 43/00
A61Q 7/00
A61K 38/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象の頭皮上の毛髪保持を促進するための組成物であって、
前記組成物は、アスコルビン酸グルコシド、1つまたは複数のグリコール類、および、魚卵孵化タンパク質の混合物を含み(ここで、前記組成物中の他の化合物は殺生物剤でない):
前記組成物は、
対象を、毛髪保持を高める必要があると特定するステップ;
1週間に1回から毎日2回までの頻度で、少なくとも2ヶ月の間、前記組成物を、前記対象の頭皮に適用するステップ;および
各適用後に、前記組成物を放置して前記頭皮上で乾かすステップ、
を含む方法に用いられ、
ここで、前記組成物は、前記対象の前記頭皮上の毛髪保持を促進するために効果的である、
組成物。
【請求項2】
請求項1の組成物であって、
前記組成物は、1,2−ヘキサンジオールおよびペンチレングリコールを含む水溶液である、
組成物。
【請求項3】
請求項2の組成物であって、
前記組成物は、褐藻類抽出物を含む、
組成物。
【請求項4】
請求項3の組成物であって、
前記組成物は、グルコシルヘスペリジンを含む、
組成物。
【請求項5】
対象の頭皮上の毛髪保持を促進するための組成物であって、
前記組成物は魚卵孵化タンパク質の混合物を含み:
前記組成物は、
対象を、毛髪保持を高める必要があると特定するステップ;
1週間に1回から毎日2回までの頻度で、少なくとも2ヶ月の間、前記組成物を前記対象の頭皮に適用し、各適用後に前記組成物を放置して前記頭皮上で乾かすステップ、
を含む方法に用いられ、
ここで、前記魚卵孵化タンパク質の総量は前記組成物の10−8〜1総重量%を構成し、前記組成物は、前記対象の頭皮上の毛髪保持を高めるのに効果的である、
組成物。
【請求項6】
請求項5の組成物であって、
前記組成物は、グリコール類およびアスコルビン酸グルコシドを含む水性組成物である、
組成物。
【請求項7】
請求項6の組成物であって、
前記グリコール類は、ペンチレングリコールおよび1,2−ヘキサンジオールを含む、
組成物。
【請求項8】
請求項6の組成物であって、
前記組成物は、他の殺生物剤を含まない、
組成物。
【請求項9】
請求項8の組成物であって、
前記グリコール類は、ペンチレングリコールおよび1,2−ヘキサンジオールを含む、
組成物。
【請求項10】
請求項1の組成物であって、
前記魚卵孵化タンパク質は、コリオリシンを含む、
組成物。
【請求項11】
請求項5の組成物であって、
前記魚卵孵化タンパク質は、コリオリシンを含む、
組成物。
【請求項12】
請求項5の組成物であって、
前記組成物は、グルコシルヘスペリジンを含む、
組成物。
【請求項13】
請求項1の組成物であって、
前記組成物は、前記対象の頭皮に、毎日または一日おきに適用される、
組成物。
【請求項14】
請求項5の組成物であって、
前記組成物は、前記対象の頭皮に、毎日または一日おきに適用される、
組成物。
【請求項15】
請求項1の組成物であって、
前記組成物は、ポンプアトマイザーを備える容器から噴霧されることにより前記頭皮に適用される、
組成物。
【請求項16】
請求項5の組成物であって、
前記組成物は、ポンプアトマイザーを備える容器から噴霧されることにより前記頭皮に適用される、
組成物。
【請求項17】
請求項1の組成物であって、
前記組成物は、ミノキシジル、ポリフェノール、ジヒドロテストステロン阻害剤、またはグリーンピース新芽抽出物を含む、
組成物。
【請求項18】
請求項5の組成物であって、
前記組成物は、ミノキシジル、ポリフェノール、ジヒドロテストステロン阻害剤、またはグリーンピース新芽抽出物を含む、
組成物。
【請求項19】
請求項5の組成物であって、
前記組成物は、褐藻類抽出物を含む、
組成物。
【請求項20】
対象の頭皮上の毛髪保持を促進するための組成物であって、
前記組成物は、ゾナーゼ、コリオリシン、および、1つまたは複数のグリコール類を含み:
前記組成物は、
対象を、毛髪保持を高める必要があると特定するステップ;
1週間に1回から毎日2回までの頻度で、少なくとも2ヶ月の間、前記組成物を、前記対象の頭皮に適用するステップ;および
各適用後に、前記組成物を放置して前記頭皮上で乾かすステップ、
を含む方法に用いられ、
ここで、前記組成物は、前記対象の前記頭皮上の毛髪保持を促進するために効果的である、
組成物。
【請求項21】
請求項20の組成物であって、
前記組成物は、褐藻類抽出物を含む、
組成物。
【請求項22】
請求項20の組成物であって、
前記組成物は、水溶液であり、クエン酸、クエン酸ナトリウム、アスコルビン酸グルコシド、グルコシルヘスペリジン、紅参抽出物、1,2−ヘキサンジオール、ペンチレングリコール、および、褐藻類抽出物を含む、
組成物。
【請求項23】
対象の頭皮上の毛髪保持を促進するための組成物であって、
前記組成物は、以下から本質的になり:
水、
バッファー、
pH調整剤、
アスコルビン酸グルコシド、
グルコシルヘスペリジン、
紅参抽出物、
褐藻類抽出物、
グリコール類、および
孵化鮭卵由来の魚腹子タンパク質単離物;
前記組成物は、
対象を、毛髪保持を高める必要があると特定するステップ;
1週間に1回から毎日2回までの頻度で、少なくとも2ヶ月の間、前記組成物を、前記対象の頭皮に適用するステップ;および
各適用後に、前記組成物を放置して前記頭皮上で乾かすステップ、
を含む方法に用いられ、
ここで、前記組成物は、前記対象の前記頭皮上の毛髪保持を促進するために効果的である、
組成物。
【請求項24】
請求項23の組成物であって、
前記魚腹子タンパク質単離物は、ゾナーゼ、ロイコレクチン、および、コリオリシンを含む、
組成物。
【請求項25】
請求項23の組成物であって、
前記バッファーは、クエン酸/シトレートバッファーであり、前記pH調整剤は、水酸化ナトリウムである、
組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本出願は、2013年12月13日に出願された米国仮出願第61/915,988号の優先権の利益を主張するものであり、その内容は、参照により本明細書に援用される。
本発明は、概して、毛髪保持を促進するための製剤に関し、具体的には、毛包健康促進剤のより効率的な使用を提供するための、製剤およびその使用のためのプロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
非常に多くの植物抽出物および医薬品が、毛髪の毛包健康全体を促進して、毛包休眠期間中にさえも毛髪保持を促進するものとして特定されている。残念ながら、そのような製品の使用者の一部は、そのような従来の製品によって得られる結果に不満である。製剤がインビトロおよび制御された臨床試験の下で良い結果を達成する場合でさえ不満が生じ得る。
【0003】
毛髪保持の生化学を理解するため、および、毛髪保持を促進する化合物を開発するために、かなりの研究努力が費やされてきた。残念ながら、概して毛髪の毛包内に、具体的には毛包の基底細胞へ、局所的に投与される化合物を輸送して標的細胞と接触させるためのデリバリーシステムの開発において、見合った進展がされていない。
【0004】
毛髪の毛包の解剖学的構造は、突き出た毛幹の周りに狭窄を形成する死んでいるおよび死にかけている真皮細胞を有する角質層の最外層を含む。皮脂性分泌物もまた毛幹を覆い、局所的な毛髪保持剤が毛包に到達するために通らなければならない道を、物理的にブロックして疎水性にさせる。エマルションを用いて毛包基底細胞へ活性剤を投与する従来技術の試みは、このタイプのビヒクルの頭皮への適用での使用者の不快感のせいで成功が限られている。加えて、エマルションは、活性剤の局所的な送達カイネティクスを変えることが知られている(S.Y.E.Hou et al.「Phase volume and partitioning effects on drug delivery from topical emulsions」;International Journal of Pharmaceutics,66(1990)79−85)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、毛髪保持促進剤を、毛髪の毛包へ、より効率的に送達するための、剥脱性の毛髪保持促進製剤に関する必要性が存在する。また、水溶液または懸濁液であるそのような製剤に関する必要性も存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
毛髪保持促進物質および酵素(ペプチダーゼまたはリパーゼ)を含む製剤が提供され、ここで酵素は、ヒト頭皮を剥脱する活性がある。物質および酵素は、酵素の活性を維持するpHを有する水性担体中に存在する。
【0007】
対象の頭皮上の毛髪保持を促進する目的のために対象の頭皮を酵素的に剥脱するためのプロセスが提供される。毛髪保持促進物質は、頭皮の剥脱後またはそれに呼応して、対象の頭皮へ局所的に投与される。また、第一の剥脱段階および第二の毛髪保持促進段階を有するプロセスを行なうためのキットも提供され、ここで、2つの製剤は別々にパッケージされ;あるいは、キットは、剥脱酵素および毛髪保持促進物質の両方を含む、組み合わせ製剤を含んでよい。また、キットは、所望の毛髪保持を達成するための構成要素の使用に関する説明書を含む。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は、毛髪保持を促進するのに有用性がある。頭皮の剥脱が毛髪保持促進物質の投与に先行しても、または、2つのステップが、例えば、剥脱剤および毛髪保持促進物質の両方を含む製剤で投与することによって一緒に行われても、いずれにせよ、剥脱を伴わずに毛髪保持促進物質を投与するのと比較して、毛髪保持の促進の増強が達成される。
特定の理論に拘束されることを意図せずに、機械的表皮剥脱または化学的ピーリングと関連する剥脱は、頭皮に炎症を生じさせ、それは本発明の剥脱と関連する利益の多くを打ち消すと考えられる。化学的ピーリングの剥脱は、グリコール酸およびレチノイン酸を例示的に含む化合物の使用と関連することが最も多い。その代わりに、本発明は、毛髪保持促進物質が毛髪繊維の周辺を乳頭へ浸透するのを可能にする酵素的な頭皮剥脱剤に依存している。剥脱と関連する炎症の制限は、毛髪保持促進物質の有効性を促進すると考えられる。
本明細書において値の範囲が与えられる場合は、その範囲は、その範囲の末端値だけではなく、その範囲内の個々の中間値および中間範囲も含むことを意図することが理解される。例として、1〜4の例示範囲は、1〜4だけではなく、1、2、3、4、1〜2、1〜3、2〜4、および3〜4も含むことを意図する。
【0009】
本発明によれば、ヒト角質層に対する剥脱効果を有する活性酵素が提供される。活性酵素は、保管の間、酵素の活性を維持する水性担体中に存在する。ペプチダーゼ酵素、リパーゼ酵素およびそれらの組み合わせは、本発明の製剤における活性酵素であり、例示的に、トリプシン、ブロメライン、パパイン、卵透明帯(egg zona)の天然の分解において活性のタンパク質(本明細書において同義的に卵孵化活性タンパク質と呼ぶ)、およびそれらの組み合わせを含む。本明細書において有効な特定の卵孵化活性タンパク質は、魚腹子タンパク質、例えば、ゾナーゼ(セリンプロテアーゼ)およびコリオリシン(亜鉛プロテアーゼ)を含む。存在する活性タンパク質の量は、水性担体pH、酵素選択性、酵素活性、担体粘度、および酵素半減期を例示的に含む因子に依存することが理解されよう。
【0010】
本明細書において用いられるペプチダーゼは、2つのアミノ酸をポリペプチド鎖において一緒に連結するペプチド結合の加水分解を触媒する酵素として定義される。本明細書において、用語「ペプチダーゼ」は、「プロテアーゼ」および「プロテイナーゼ」と同義語として用いられる。
【0011】
魚腹子タンパク質単離物は、例えば、ゾナーゼ、ロイコレクチン、コリオリシン、またはそれらの組み合わせを含み、米国特許第6,346,245号、4欄15行目〜5欄8行目;U.S.2009/0274770A1[0321]〜[0326]およびU.S.2011/0280882[0157]〜[0194]に詳述される特性;そのようなタンパク質を含む粗抽出物;およびそれらの組み合わせを有する。タンパク質単離物に関する魚腹子の例示的な供給源は、チョウザメ、サケ、ホワイトフィッシュ、シロマス、タラ、カラフトシシャモ、およびカワメンタイ由来の魚卵を含む。本明細書において有効な卵タンパク質の他の供給源は、オタマジャクシおよびサンショウウオのもののような両生類卵嚢;爬虫類卵嚢、および鳥類卵嚢を含むことが理解されよう。典型的に、上記に挙げたタンパク質の少なくとも1つを含む卵−または特殊的には魚腹子タンパク質−単離物は、抽出物の0.00001〜10%が活性タンパク質であり、本発明の製剤の0.1〜10総重量%を構成する。単に一例を挙げれば、所定の活性タンパク質は、製剤の1×10
−8〜1×10
−5総重量%を構成し得る(すなわち、抽出物の0.00001〜10%がタンパク質であり、抽出物は、製剤の0.1総重量%である)。本発明の化粧品中に存在するタンパク質の量は、他の成分との混和性を例示的に含む因子に依存することが理解されよう。
【0012】
水性担体中の活性酵素は、特定の本発明の実施態様において、最初の処置ステップとして、すぐに頭皮へ適用される。酵素は、毛髪の毛包中およびその周辺で、非炎症性の剥脱を生じさせる。他の本発明の実施態様では、活性酵素は、毛髪保持促進物質も含む単一製剤の一部である。
【0013】
活性酵素の典型的な負荷は、1リットルあたり0.000001〜1,000酵素単位(U)の範囲であり、ここで酵素単位は、1分あたり変換される1マイクロモルの基質に相当する。Uを決定する目的のために、角質層の標的タンパク質(単数または複数)を表すオリゴペプチド基質を用いて、インビトロアッセイを行なうことができる。一部の実施態様では、オリゴペプチドは発色性であり、酵素によるその切断は、検出可能な色変化を生じる。ペプチダーゼの酵素活性を修正するために水性担体pHが容易に調整されることが理解されるが、典型的な水性担体pH値は、本明細書において有効な多くのペプチダーゼ酵素に関して6〜8の範囲である。このpH範囲でのペプチダーゼ活性の例示は、ゾナーゼおよびトリプシンである。
【0014】
一部の実施態様では、本発明の製剤は、水性担体中に組み合わされた毛髪保持促進物質およびペプチダーゼ酵素を含む。活性酵素および毛髪保持促進物質の両方を含む本発明の製剤は、単一製剤のみ適用が必要とされるので、使用者のコンプライアンスを促進することが理解されよう。一部の実施態様では、製剤(または、別々の製剤が用いられる場合は両方の製剤)は、リーブインスプレー溶液として好適に適用され得て、それもまた、使用者のコンプライアンスを促進する。
【0015】
本発明が、剥脱性の酵素的ステップおよび別個の毛髪保持促進物質のステップとして実施されるか、または、両方の活性成分を含む単一製剤を用いることによりこれらの2つのステップが1つに組み合わされるどうかにかかわらず、頭皮への適用は、典型的に、1週間に1回、1週間あたり2〜6日、毎日1回、または、実に毎日2回または3回のレジームで生じる。2つの成分が別々のステップで適用される場合、1回目のタイミングおよび頻度は、2回目のタイミングおよび頻度とは異なってよいことが理解されよう。例として、酵素の1つまたは複数の適用により剥脱が作用する際、剥脱ステップが繰り返される前に、複数用量の毛髪保持促進物質を適用してよい(例えば、複数日数の間、1日あたり1回)。それは、酵素的剥脱剤の単に臨時的な維持の適用を行なうのに十分であり得る。
【0016】
本明細書において用いられる毛髪保持促進物質は、毛髪保持を促進する物質として定義され、精製された有機化合物、1つまたは複数のそのような化合物を含む天然抽出物、または合成の化合物である。物質は、例えば、プロスタグランジン−D2の阻害剤またはジヒドロ−テストステロンの阻害剤であってよい。ポリフェノールを含むものを含む多くの天然抽出物は、毛髪保持を促進するのに効果的であることが示されていることが理解されよう。本明細書において有効な具体的な毛髪保持促進物質は、ミノキシジル、紅参抽出物、ヘスペリジン抽出物、グリーンピース新芽抽出物、商品名SymPeptide(商標)として売られる合成オリゴペプチド、およびそれらの組み合わせを例示的に含む。毛髪保持促進物質は、本発明の製剤において、典型的に0.001〜1総重量%用いられるが、例えば、抽出物が相対的に低濃度の活性剤を含む場合は、10総重量%までであってよいことが理解されよう。本発明の製剤は、水ベースの溶液として、または酵素のための水性担体相を含むエマルションとして、容易に製剤化される。一部の毛髪保持促進物質は脂溶性であり、一方で他は親水性であることが理解されよう。脂溶性の毛髪保持促進物質は、毛髪保持促進物質の溶解または懸濁に適切な溶媒を用いて、二相製剤として容易に製剤化される。溶媒は、例示的に、皮膚適合性のアルコール類、ケトン類、エステル類、アルデヒド類、エーテル類、アルカン類、アルケン類、アルキル化スルホキシド類;前述のいずれかの環状物;前述のいずれかのフッ素化アナログ;およびそれらの組み合わせを含む。特定の毛髪保持促進物質(単一の化合物または抽出物のいずれか)のための具体的な溶媒は、例示的に、水、エタノール、イソプロパノル、アセトン、グリコール類、アルコキシル化グリコール類、ジエチルエーテル、ペンタン、ヘキサン、ジメチルスルホキシド、およびそれらの組み合わせを含む。一部の実施態様では、脂溶性の毛髪保持促進物質は、水中油または油中水エマルションの油相中に存在する。
【0017】
さらに他の本発明の実施態様では、酵素および毛髪保持促進物質を組み合わせた製剤中に、または、2つの製剤の実施態様(活性酵素を含む1つの製剤および毛髪保持促進物質を含む他の製剤)の片方または両方の部分に、抗炎症剤が含まれる。本明細書において有効な抗炎症剤は、例示的に、ステロイド性抗炎症剤;非ステロイド性抗炎症剤;ウコン、オレガノ、ニンニク、緑茶、ブルーベリー、ニーム、ホーリーバジル油、甘草、アシュワガンダ、ラズベリーの葉、セイヨウオトギリソウ、カモミール、および生姜のような植物の抽出物;オメガ脂肪酸;α−リノレン酸;およびそれらの組み合わせを含む。
【0018】
さらに他の本発明の実施態様では、酵素および毛髪保持促進製剤の混合物中に、または、2つの製剤の実施態様の片方または両方の部分に、抗酸化剤が含まれ得る。本明細書において有効な抗酸化は、例示的に、αリポ酸、β−グルカン、コエンザイムQ10、ブドウ種子抽出物、オート麦抽出物、カモミール(chamolime)、緑茶、大豆ステロール、スーパーオキシドジスムターゼ、ビタミンC(例えば、アスコルビルパルミテート、アスコルビルパルミテートマグネシウム、またはアスコルビン酸2−グルコン酸の形態)、およびビタミンE(例えば、αトコフェロールまたはトコトリエノール)、およびそれらの組み合わせを含む。多くの抗炎症剤は、抗酸化特性を有することが理解されよう。そのような抗炎症剤を含む本発明の製剤は、別個の抗酸化化合物を含んでもよい。
【0019】
本発明のさらに他の実施態様では、合成の化合物が本質的に存在しない製剤またはその単一成分が提供される。さらに他の実施態様では、有機認証の製剤またはその単一部分が提供される。
【0020】
特定の実施態様では、リーブイン頭皮スプレーまたはウォッシュとしての使用に適した水溶液中に毛髪保持促進物質およびペプチダーゼ酵素の両方を含む、単一の、混合された製剤が提供される。水性担体が蒸発すると、頭皮と接触して物質および活性酵素が残る。
【0021】
ペプチダーゼまたはリパーゼ酵素活性を維持するために、製剤化のプロセスは、酵素(単数または複数)を含む任意の構成相を、その相への酵素の導入の前にpH5〜8に緩衝するステップを含む。緩衝するステップは当分野において一般に行なわれ、水溶液またはエマルションの水相を所望のpHに平衡化するために、酸、塩基、酸塩、またはそれらの組み合わせの添加を含む。pH測定は日常的であることが理解されよう。pHは、定量滴定を介して、またはThermo Fisher Scientific(Waltham MA,USA)から市販されるもののような電位電極を用いて定量的に測定され得て、または、リトマス紙キットを用いて定性的に測定される。
【0022】
一部の本発明の実施態様では、殺生物剤が存在する。殺生物剤は、特に製品が多重使用パッケージングにパッケージされて環境または使用者による継続的な微生物播種に曝される場合に、製品の製剤化中またはその使用中に導入される微生物の増殖を阻害することにより、製品品質を維持するのを助ける。本発明の製剤は、場合により、広範囲の殺生物剤および/または殺生物剤の組み合わせを含んでよい。広範囲の殺生物剤は、本明細書において、グラム陽性細菌、グラム陰性細菌、および健康なヒト対象と関連する菌類に対する活性を有するものとして定義される。本明細書において有効な殺生物剤は、例示的に、安息香酸、パラベン類、サリチル酸、石炭酸、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸アルキル、p−クロロメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、フェノキシエタノール、アシルザルコシン類、グルタチオン、リンゴ酸、酒石酸、アスコルビン酸、アスコルビン酸グルコシド、アスコルベート、必須植物油、ミュータシンタンパク質、およびそれらの組み合わせを含む。本発明の特定の実施態様では、天然由来の殺生物剤、すなわち、天然に見られる、または天然起源から抽出される殺生物剤のみ存在する。天然由来の殺生物剤は、例示的に、発酵濾液、例えば、Lactobacillus、Streptococcus mutans、および、Leuconostocのもの;ビサボロール;ユーカリプトール;チモール;イノシトール;サポニン類;および、スイカズラ(Lonicera japonica)、羊蹄(yangti)(Rumex japonicus)、苦参(kushen)(Sophora flavescens)、河骨、野生のオレガノ、オレンジ、セージ、manifoil、一般的なアオイ科植物、センキュウ(chuanxiong)(Cnidii officinale Makino)、センブリ(Swertia japonica Makino)、ビサボロール、タイム、アンゼリカ(Angelica sinensis)、オレンジピール、カバノキ、スギナ、ヘチマ、マロニエ、雪の下(Saxifrage stolonifera)、アルニカ、ユリ、ヨモギ、シャクヤク、アロエ、クチナシ、および、M.M.Cowan,Clinical Microbiology Reviews,12(4)Oct.1999,p.564−582に詳述のもののような植物の天然抽出物;またはそれらの組み合わせを含む。そのような抽出物は、多くの場合、C
1−C
8アルコール、多価アルコール類、水、および水性アルコール類のような親水性有機溶媒を用いて、Clinical Microbiology Reviews,12(4)Oct.1999,pages 573−574に詳述の手順により得られる。特定の実施態様では、スイカズラ、フロレチン(リンゴから得られる)、および/またはガランギン(例えば、Alpinia officinarumまたはHelichrysum aureonitens由来)が、天然由来殺生物剤として、それぞれ単独でまたは組み合わせて用いられる。殺生物剤の特性に加えて、天然抽出物は、多くの場合、本発明の製剤またはその相に芳香を添えることが理解されよう。特定の実施態様では、殺生物剤は、製剤(単数または複数)中に0.1〜5総重量%存在してよい。5総重量%を超える殺生物剤の量は要望どおりに含まれ得ることが理解されよう。ある場合には、遷移金属イオンを含有させて微生物の酵素活性を低減させることがさらに理解されよう。
【0023】
本発明のさらに他の実施態様では、剥脱性酵素を含む製剤は、滅菌形態で提供され得る。滅菌は、酵素を変性または分解しない任意の標準的な手段により達成され得る。熱または放射線は可能であり得るが、より典型的には、サイズ排除滅菌(すなわち、濾過)を用いて、酵素を含む溶液から、または最終製剤自体から、汚染細菌(ある場合にはウイルス)が取り除かれる。浮遊微生物または対象と関連する微生物は解放されたパッケージに侵入する傾向があるので、単回使用のパッケージが、殺菌した製剤の無菌状態を維持するのに最も適していることが理解されよう。
【0024】
一部の実施態様では、製剤(単数または複数)は、ポンプアトマイザーを備える容器内にパッケージされる。他の実施態様では、容器は、加圧スプレー缶、スクイーズボトルまたはスクイーズチューブ、アプリケーター付きボトル(別個または付属)、単回使用バイアル、または任意の他の適切に構成された容器である。容器は、プラスチック、ガラス、または金属の形態であってよい。
【0025】
本発明の1パートおよび2パートのバージョンを、それぞれ表1および表2に例示的な形態で示す。
【0027】
活性酵素は熱および機械的撹拌への曝露により分解する傾向があるので、酵素を含む製剤が調製される様式は、酵素活性を維持するのに重要であることが知られている。例えば、製剤プロセスの後期に酵素を添加することができ、または、酵素が存在する場合にこれらのエネルギー源を最小限化することができ、または両方することができる。
【0028】
一部の実施態様では、本発明の製剤は、エマルションの形態である。特定の理論に拘束されることを意図せずに、エマルションは、毛髪の毛包を取り囲む皮脂腺からの分泌物のせいで脂溶性になりやすい毛髪の皮質を濡らすのに良好に適している。
【0029】
水中油エマルションの少数相成分は、例示的に、油類、ワックス類、エステル類、エーテル類、バター類、グリセリド類、またはそれらの組み合わせを含む。水中油エマルションの多数相成分は、水の他に:水性塩、保湿剤、および上記に詳述の様々な水溶性物質を含み得る。そのような系のための乳化剤は、イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤から選択され得て、レシチン、リポソーム、およびオレオソームも含む。粘度調整剤、エマルション安定剤、芳香剤などを含む、他の非本質的な添加剤は、容易に提供される。特定の実施態様では、水中油エマルションは、5〜8のpH値を有する。特定の実施態様の場合、水中油エマルションは、6〜7、例えば、6.5〜6.8のpH値を有する。油中水エマルションの水性区分中に酵素を含むことは、保管分解に対して酵素を安定化するのに役立つことが理解されよう。
【0030】
油中水エマルションまたはシリコーン中水エマルションは、少数および多数相成分の相対的な量が変化し、好ましくは、乳化剤としてのシリコーン誘導体および非イオン性界面活性剤に依存する。粘度調整剤および/またはエマルション安定剤は、例示的に、水溶性の塩類、ガム類、ワックス類、およびそれらの組み合わせを含む。特定の実施態様では、内側相はpH4〜8である。様々なビタミン類、例えば、ビタミンB複合体、ビタミンE、ビタミンK、アスコルビン酸誘導体、例えば、アスコルビン酸グルコシド、E−O−アルキルアスコルビン酸、およびアスコルビン酸ホスフェートが、前述のエマルション相の片方または両方に容易に提供され、または別個の第三の相として提供されることが理解されよう。抗−酸化剤および/または上述の抗−炎症性成分に追加してビタミン(単数または複数)が存在してよい。
【0031】
本発明のエマルション製剤は、予め混合した上記に詳述の相を組み合わせることにより容易に形成され、あるいは、全てのそのような成分は、統合された混合物として当該分野に慣習的に順々に混合され、−活性酵素を含む製剤である限り、混合プロセス中に酵素を余熱またはせん断に曝さないように(酵素がそれに感受性である場合)、注意がなされる。
【0032】
他の従来の塩基性製剤を、本明細書に詳述のように容易に調整して活性の剥脱性酵素が安定化されることが理解されよう。様々な従来の塩基性製剤は、E.W.Flick,「Cosmetic and Toiletry Formulations」,2
nd Ed.,Vol.8;2001,Noyes Publications,Norwich,New York,USA(ISBN 0−1855−1454−9)に提供される。
【0033】
頭皮上の毛髪保持を刺激するプロセスもまた提供される。このプロセスは、対象の頭皮を酵素的に剥脱するステップを含む。実施において、液体製剤(溶液、エマルション、または懸濁液)が対象の頭皮および毛根へ適用される。これは、標的領域上に製剤を噴出する、または軽くたたくことにより、または、噴霧剤ベースの加圧エアロゾルスプレー缶または従来のアトマイザーノズルを備える手動スプレーポンプを用いてミストを形成し、ミストをその標的領域に向けることにより、行なうことができる。0.1〜5ミリリットルの液体は、毛髪およびその下にある頭皮上にミストを形成するのに十分であるが、毛髪保持効果を達成するのに必要な量は、酵素の濃度、毛髪保持促進活性剤の濃度、および製剤の粘度を含む因子に依存する。剥脱性酵素の適用および毛髪保持促進物質の適用は、別個のステップとして容易に行われる。あるいは、例えば、ペプチダーゼ酵素および毛髪保持促進物質の両方を含む単一製剤を用いて、それらを同時に適用することができる。2つの活性剤が別個の製剤を用いて適用される場合は、2つの製剤は類似してよく、または大きく異なってよいことが理解されよう。例えば、酵素は一般に、水溶液中に、または酵素を含む水相を有するエマルション中に製剤化される。対照的に、毛髪保持促進物質は、親水性または脂溶性のいずれかであってよく、したがって、酵素に用いられるものとは異なる製剤化のタイプを必要とし得る。
【0034】
デュアル製剤を採用する一部の使用レジメンでは、第一の製剤(活性酵素を含む)を日常的に(例えば毎日)用いて、最初の数週間は、第二の(毛髪保持促進)製剤の規則的な適用(例えば毎日または1日に2回)と併せて;ある程度の剥脱が達成された後は、第一の製剤をより低頻度で(例えば、2日または3日ごとにのみ)適用し、一方で、第二の製剤の適用頻度は維持する。毛髪保持の改善は、典型的に2〜3ヶ月で見えてくる。
【0035】
本発明は、以下の非限定的な実施例を参照してさらに説明される。
【実施例】
【0036】
[実施例1]
脱イオン水の水溶液において、頭皮活性化処置を形成するためのプロセスが5ステップで提供される。ステップAでは、クエン酸、クエン酸ナトリウム、およびアスコルビン酸グルコシドを、その順番で主容器内の脱イオン水へ、次の成分を添加する前に各成分が混和されるまで水と混合しながら添加する。ステップBでは、水酸化ナトリウム(NaOH)(20%)を添加して、主容器内の第一の混合物のpHを6.5〜6.8に調節する。ステップCでは、グルコシルヘスペリジンおよび紅参抽出物(40重量%の水、60重量%のブチレングリコールおよび0.2重量%のオタネニンジン根抽出物)を主容器へ添加して、全ての固形物が溶解して均一に混和するまで混合する。ステップDでは、1,2−ヘキサンジオール、ペンチレングリコール、および、カプリル/カプリントリグリセリド溶媒中の褐藻類抽出物(抽出物は、100グラムの溶媒和抽出物あたり:パルミチン酸28.2mg、パルミトレイン酸12.4mg、ステアリン酸6.8mg、オレイン酸14.7mg、リノール酸−(オメガ6)7.2mg、リノレン酸9.7mg、オメガ3脂肪酸26.3mg、コレステロール47.2mg、カンペステロール45.9mg、スチグマステロール57.5mg、およびシトステロール142.8mgを含む)が、別容器内で予め混合されてから主容器へ添加されて、混和するまで混合される。ステップEでは、ロイコレクチン(単数または複数)または他のレクチン類、コリオリシン(単数または複数)、およびゾナーゼ(0.00068重量%のロイコレクチン含有量、0.00034重量%のゾナーゼ含有量、0.0000136重量%のコリオリシン含有量)を含む、サケ卵孵化酵素溶液が、主容器へ添加されて混和するまで混合され、最終製剤を形成する。表3は前述の成分をリスト化し、%は総重量%である。
【0037】
【表3】
【0038】
[実施例2]
実施例1のプロセスを、溶液中にビタミンB3、B5、B6、CおよびEを含むビタミン複合体を追加して繰り返す。追加されるビタミン複合体溶液の量は、最終総重量の2%であり、脱イオン水の量が対応して減少する。ビタミン類は、100グラムのビタミン複合体溶液あたり、10〜200ミリグラムの変動量で、ビタミン複合体溶液中に存在する。
【0039】
[実施例3]
排水トラップの収集により測定して1日あたり平均52本の毛髪の日々の脱毛に悩む女性対象が、実施例1の製剤の使用を開始した(毎日、日常のシャンプーおよびコンディショナーの使用後に1ミリリットルの溶液を用いて頭にエアロゾルをミストし、その後に、ブロー乾燥の前に5分の休止時間を置く)。毎日使用を8週間した後、日々の脱毛は1日あたり平均4.6本の毛髪に減少した。
【0040】
[実施例4]
実施例3の方法を実施例2の製剤を用いて繰り返すと、1日あたり平均3.4本の毛髪の日々の脱毛をもたらす。
【0041】
[実施例5]
製剤からグルコシルヘスペリジンを省略するが、実施例1の方法を繰り返す。日々の脱毛の減少は、実施例3のものと一致することが示される。
【0042】
[実施例6]
実施例1の製剤を用いて、臨床試験を行なった。以下を含む登録基準で対象を募集した:対象は年齢が25〜55才の女性であり;対象は標準的にシャンプーおよびコンディショナーを使用し;対象はコスメトロジストにより判定される評価に十分な毛髪の長さを有し;皮膚タイプI〜IVであり(白色から、「常に日焼けしている」〜「日焼けしやすい」までの範囲内で太陽に対する皮膚反応による適度に茶色までの範囲);対象は、ベースライン評価において、少なくとも20本の毛髪が抜け落ち;対象は、調整段階および試験持続の間、通常のヘアシャンプーおよびコンディショナーを提供される物質と置き換えることに同意し;対象は、試験持続の間、与えられる頭皮処置を一日おきに1回適用することに同意し;対象は、太陽曝露から頭皮を保護することに同意し;対象は一般に健康良好であり;および、対象は信頼でき、プロトコルに概説される指示に従うことが可能である。
【0043】
登録された対象は、24週間の使用期間の間、試験物質を頭皮に一日おきに適用するように指示された。対象は、試験物質の使用および髪の洗浄/コンディショニングを、各訪問の朝は控えるように指示された。また対象は、いかなるシャンプー、コンディショナー、および頭皮処置(与えられた物質以外)も使用を控えるように指示されたが、通常の様式で毛髪のスタイリング(すなわちブロー乾燥、フラットアイロン、カーリングアイロン)を継続してよく、通常のスタイリング製品を使ってよいと言われた。
【0044】
使用のおよそ4、8、12、16、20、および24週後、対象は、訪問の朝は試験物質の適用を控えて、洗髪せずに研究所に戻った。各訪問時に、以下に記載のように頭皮のMEDISCOPE(登録商標)画像を取得した。
【0045】
毛髪の視覚的採点を以下に記載のように行なった。コスメトロジストが、Free&Clear(商標)シャンプーアンドコンディショナーで各対象の毛髪を洗浄および調整した。濡れた毛髪および乾燥した毛髪の収集を、以下に示すように行なった。
【0046】
FotoFinder MEDISCOPE(登録商標)(
FotoFinder Systems,Inc.)
試験手順
MEDISCOPE(登録商標)は、高解像度のデジタル写真を、ソフトウェアアーカイビングシステムのダイレクトキャプチャー特性と組み合わせ、そうすることにより、写真ドキュメンテーションのプロセスを単純化する。メディスコープは、Canon Powershot G10(14.7 Mega Pixel)を利用する。このカメラは、直ちにオンスクリーンで見ることのできる極めて優れた品質で写真を撮る。全般的なイメージングプロセスは、ソフトウェアにより完全に制御されている。オーバーレイ特性は、ベースラインイメージがライブプレビューイメージの上にオーバーレイされるのを可能にし、したがって、毎回の訪問時にほぼ正確に再配置することを確実にする。各訪問時に、頭皮(頭の頭頂部)の1つのデジタル画像を収集した。各訪問時に、各対象の毛髪が、修正したVisual Analog Scale(VAS)を用いてコスメトロジストにより評価された。コスメトロジストは、毛髪の太さ/量の評価と一致する100mmVASスケール上の位置を、スケール上のラベルされた垂直位に関して選択した。続いて、記録された印および線の左起点の間の距離をミリメートルで測定し、評価されるパラメータの範囲に関する数値スコアの評価を可能にした。
【0047】
毛髪収集の手順
各訪問時に、毛髪は、Free&Clear(商標)シャンプーアンドコンディショナーを用いて、研究所でコスメトロジストによりシャンプー/コンディショナーされた。対象は、掛け布(毛髪の色の濃い対象には白色、および、毛髪の色の薄い対象には黒色)を身に付けた。毛髪は、必要な場合は、コームまたはピックを用いてもつれをほぐした。毛髪を5つの部分に分けた。各部分を、歯が広いコームを用いて5つのストロークに関して根元から末端までとかした。掛け布の上またはシンク中に抜け落ちた毛髪を全て収集して数えた。それから毛髪をフィンガーブローで乾かした。毛髪が渇いた時点で、毛髪を5つの部分に分けた。各部分を、歯が広いコームを用いて5つのストロークに関して根元から末端までとかした。掛け布の上に落ちた毛髪を全て収集して数えた。
【0048】
データ分析
各訪問時の、(湿潤および乾燥を合わせた)合計の毛髪数および毛髪の外観の臨床採点に関するスコアを、各対象および処置についてリスト化して、統計的に分析した。2つの因子(固定効果としての時間およびランダム効果としての対象)での分散分析の後にダネット検定を適用して、ベースラインおよび各処置後インターバル(4週、8週、12週、16週、20週、および24週)の間の違いを判定した。分散分析の残余が正規分布しない場合は(1%の閾値でのシャピロ・ウィルク検定)、この分析は順位で(on rank)行なった。
【0049】
ベースラインからの変化を、上述のパラメータに関して各処置後インターバルで計算した。分散分析の後にTukey多重比較ポストホック検定を適用して、試験製剤とプラセボコントロールとの間で、ベースラインからの変化における違いを判定した。
【0050】
試験結果を表4および表5に示す。実施例1の製剤で処置された対象に関する値は、経時的に改善した。実施例1の製剤の耐性および低毒性を考慮すれば、永久の使用が期待される。
【0051】
【表4】
【0052】
【表5】
【0053】
本明細書中で言及される任意の特許または刊行物は、あたかもそれぞれの個々の刊行物が参照により援用されることが具体的および個々に示されているのと同程度に、参照により本明細書中に援用される。