特許第6089174号(P6089174)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6089174
(24)【登録日】2017年2月17日
(45)【発行日】2017年3月8日
(54)【発明の名称】遮水装置
(51)【国際特許分類】
   E02B 7/22 20060101AFI20170227BHJP
   E04H 9/02 20060101ALI20170227BHJP
【FI】
   E02B7/22
   E04H9/02 341Z
【請求項の数】8
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-199818(P2015-199818)
(22)【出願日】2015年10月7日
(65)【公開番号】特開2016-148235(P2016-148235A)
(43)【公開日】2016年8月18日
【審査請求日】2016年7月7日
(31)【優先権主張番号】特願2015-20771(P2015-20771)
(32)【優先日】2015年2月5日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】315017557
【氏名又は名称】株式会社三恵工作所
(74)【代理人】
【識別番号】100183586
【弁理士】
【氏名又は名称】岡野 眞人
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 重暁
【審査官】 竹村 真一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−162260(JP,A)
【文献】 特開2001−098792(JP,A)
【文献】 特開2013−087509(JP,A)
【文献】 特開2014−163124(JP,A)
【文献】 特開2012−87465(JP,A)
【文献】 実開昭51−42636(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02B 3/04−3/14、7/20−7/54、8/02−8/04
E04H 9/00−9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建造物に設けられた開口部を外側から内側に流れようとする水の流れを遮断するための遮水装置であって、
前記開口部に着脱可能に設けられ、前記水の流れを遮断する遮水板と、
前記遮水板の水平方向端部に対して前記内側から対向するように前記開口部の水平方向端部に設けられ、前記遮水板を前記内側から支持する支持部と、
前記遮水板の水平方向端部に対して上側から対向するように前記開口部の水平方向端部に設けられ、前記遮水板が上側へ移動することを阻止する第1移動阻止部と、
前記遮水板と前記開口部の底部との間に設けられた第1止水部材とを備え、
前記遮水板の前記内側に向けられた内側面と前記開口部の底部の上面とが成す角度が90度よりも小さくなっており
前記第1止水部材は、前記遮水板の下端部に設けられており、
前記開口部の底部は、前記遮水板が水圧を受けていないときに前記第1止水部材が当接する第1当接面と、前記遮水板が水圧を受けて湾曲したときに前記第1止水部材が当接する第2当接面とを有している、遮水装置。
【請求項2】
前記開口部の底部の上面は水平に形成されており、
前記遮水板は、その上端部がその下端部よりも前記内側に位置するように傾斜して配置されている、請求項1に記載の遮水装置。
【請求項3】
前記遮水板は、繊維強化プラスチックで形成されている、請求項1または2に記載の遮水装置。
【請求項4】
前記遮水板の水平方向端部の下端部に対して前記外側から対向するように前記開口部の水平方向端部に設けられ、前記遮水板が前記外側へ移動することを阻止する第2移動阻止部を備える、請求項1ないしのいずれか1項に記載の遮水装置。
【請求項5】
前記遮水板は、板状の本体部と、前記本体部の下端部に設けられ、前記第2移動阻止部に前記内側から当接する当接部とを有しており、
前記第1止水部材は、前記本体部の下端部における前記当接部よりも前記内側の部分に設けられており、
前記本体部の前記外側に向けられた面を含む仮想面を想定したとき、前記当接部の前記外側に向けられた当接面は前記仮想面よりも前記内側に配置されている、請求項に記載の遮水装置。
【請求項6】
前記支持部および前記第1移動阻止部が設けられた基部を備えており、
前記基部が、前記開口部の水平方向端部に固定手段を用いて固定されている、請求項1ないしのいずれか1項に記載の遮水装置。
【請求項7】
前記遮水板の水平方向端部に対して前記外側から対向するロック位置と、前記ロック位置から外れたロック解除位置との間を移動可能なように設けられたロック部材を有するロック手段を備える、請求項1ないしのいずれか1項に記載の遮水装置。
【請求項8】
前記ロック手段は、前記ロック部材を前記ロック解除位置で保持するための保持部材を有する、請求項に記載の遮水装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建造物に設けられた開口部を流れようとする水の流れを遮断するための遮水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、従来の遮水装置の一例が開示されている。この遮水装置は、止水板と、止水板を枠および床面に対して押圧するための止水板押圧具とを備えている。止水板押圧具は、雄ねじを有する棒状部分を有しており、枠には、雌ねじを有する支持受けフックが設けられている。また、止水板には、止水板押圧具が挿通される貫通孔が設けられている。止水板を開口部に装着する際には、止水板の貫通孔に止水板押圧具の棒状部分を挿通し、その後、棒状部分の雄ねじを支持受けフックの雌ねじに螺合するようにしていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−68964号公報
【0004】
特許文献1に記載された遮水装置では、合計4つの止水板押圧具を用いていたので、止水板を開口部に装着するための作業が面倒であり、施工性がよくなかった。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、上記問題に対処するためになされたものであり、施工性を向上できる遮水装置を提供することを目的とする。
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の特徴は、建造物に設けられた開口部を外側から内側に流れようとする水の流れを遮断するための遮水装置であって、前記開口部に着脱可能に設けられ、前記水の流れを遮断する遮水板と、前記遮水板の水平方向端部に対して前記内側から対向するように前記開口部の水平方向端部に設けられ、前記遮水板を前記内側から支持する支持部と、前記遮水板の水平方向端部に対して上側から対向するように前記開口部の水平方向端部に設けられ、前記遮水板が上側へ移動することを阻止する第1移動阻止部と、前記遮水板と前記開口部の底部との間に設けられた第1止水部材とを備え、前記遮水板の前記内側に向けられた内側面と前記開口部の底部の上面とが成す角度が90度よりも小さくなっており、前記第1止水部材は、前記遮水板の下端部に設けられており、前記開口部の底部は、前記遮水板が水圧を受けていないときに前記第1止水部材が当接する第1当接面と、前記遮水板が水圧を受けて湾曲したときに前記第1止水部材が当接する第2当接面とを有していることにある。
【0007】
この構成において、水圧が遮水板に外側から作用すると、遮水板は支持部に押し付けられて固定される。したがって、遮水板を固定するための構成を簡素化でき、施工性を向上できる。このとき遮水板は、その水平方向中央部が内側に膨らむように変形され、第1止水部材は第2当接面に押し付けられて圧縮されるので、遮水板と開口部の底部との間からの水の浸入が阻止される。
【0008】
遮水板の内側面と開口部の底部の上面とが成す角度は90度よりも小さくなっているので、遮水板の下端部が水圧で内側に押されると、上記角度が大きくなって遮水板の上端部が第1移動阻止部に押し当てられる。これにより、遮水板と開口部の底部との間で第1止水部材が圧縮され、これらの間からの水の浸入が阻止される。
【0009】
本発明の他の特徴は、前記開口部の底部の上面は水平に形成されており、前記遮水板は、その上端部がその下端部よりも前記内側に位置するように傾斜して配置されていることにある。
【0010】
この構成では、遮水板に作用する重力で遮水板を支持部に押し付けることができ、遮水板の安定性を高めることができる。なお、遮水板と支持部との間には、第2止水部材が配置されていてもよい。
【0013】
本発明の他の特徴は、前記遮水板は、繊維強化プラスチックで形成されていることにある。
【0014】
この構成では、遮水板が繊維強化プラスチックで形成されているので、ステンレス等の金属で形成されている場合に比べて、遮水板の重量を大幅に軽減できる。
【0015】
本発明の他の特徴は、前記遮水板の水平方向端部の下端部に対して前記外側から対向するように前記開口部の水平方向端部に設けられ、前記遮水板が前記外側へ移動することを阻止する第2移動阻止部を備えることにある。
【0016】
この構成において、遮水板を開口部に装着する際には、遮水板の水平方向端部の下端部を支持部と第2移動阻止部との間で位置決めすることができる。したがって、その後は、遮水板を支持部に押し付けるだけでよく、遮水板を開口部の適正位置に簡単に配置することができる。
【0017】
本発明の他の特徴は、前記遮水板は、板状の本体部と、前記本体部の下端部に設けられ、前記第2移動阻止部に前記内側から当接する当接部とを有しており、前記第1止水部材は、前記本体部の下端部における前記当接部よりも前記内側の部分に設けられており、前記本体部の前記外側に向けられた面を含む仮想面を想定したとき、前記当接部の前記外側に向けられた当接面は前記仮想面よりも前記内側に配置されていることにある。
【0018】
開口部に遮水板を装着する際には、まず、遮水板の水平方向端部の下端部を支持部と第2移動阻止部との間に挿し込む。続いて、当接部と第2移動阻止部との接点を中心として遮水板の全体を内側に回動させて、遮水板を支持部に押し当てる。このとき、第1止水部材は、開口部の底部に押し当てられながら回動されるが、第1止水部材の回動半径が小さく、その移動距離が短いため、第1止水部材は損傷し難い。
【0019】
本発明の他の特徴は、前記支持部および前記第1移動阻止部が設けられた基部を備えており、前記基部が、前記開口部の水平方向端部に固定手段を用いて固定されていることにある。
【0020】
この構成では、部品点数を少なくして製造コストおよび工事コストを低減できる。
【0021】
本発明の他の特徴は、前記遮水板の水平方向端部に対して前記外側から対向するロック位置と、前記ロック位置から外れたロック解除位置との間を移動可能なように設けられたロック部材を有するロック手段を備えることにある。
【0022】
遮水板は、屋外の開口部に着脱可能に装着されるため、盗難の被害を受けるおそれがある。上記構成では、ロック部材をロック位置に配置したとき、開口部から遮水板を離脱させることができないので、ロック部材をロック位置に固定することで、遮水板の盗難を防止できる。ロック部材をロック位置に固定するための固定手段としては、市販の南京錠などを適宜選択して用いることができる。
【0023】
本発明の他の特徴は、前記ロック手段は、前記ロック部材を前記ロック解除位置で保持するための保持部材を有することにある。
【0024】
この構成において、開口部に対して遮水板を着脱する際には、保持部材によってロック部材をロック解除位置に退避させておくことができる。したがって、遮水板の着脱作業を一人でも簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の第1実施形態に係る遮水装置の構成を示す斜視図である。
図2図1に示す遮水装置において遮水板を離脱させた状態を示す斜視図である。
図3図1におけるIII-III線断面図である。
図4】遮水板の構成を内側から示す斜視図である。
図5】左側の支持ユニットの構成を右側から示す斜視図である。
図6】左側の支持ユニットの構成を右側から示す分解斜視図である。
図7】取付部材を用いた基部の固定方法を示す斜視図である。
図8】支持部にロック部材を取り付けた状態を示す斜視図である。
図9】開口部の底部の上面が傾斜している変形例を示す断面図である。
図10】第2実施形態に係る遮水装置における左側の支持ユニットの構成を右側から示す斜視図である。
図11】ロック手段の構成を示す分解斜視図である。
図12】ロック手段の構成を示す断面図である。
図13】第2実施形態に係る遮水装置における遮水板の構成を外側から示す斜視図である。
図14図10に示す支持ユニットに対する遮水板の装着方法を示す図である。
図15】当接部と第1止水部材と第2移動阻止部との位置関係を示す断面図である。
図16】ロック手段の動作を示す断面図であり、(A)は遮水板がロック部材を押し上げた状態を示しており、(B)はロック部材がロック位置にある状態を示しており、(C)はロック部材がロック解除位置にある状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明に係る遮水装置の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0027】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1施形態に係る遮水装置10の構成を示す斜視図である。図2は、遮水装置10において遮水板12を離脱させた状態を示す斜視図である。図1および図2に示す遮水装置10は、大雨、洪水および津波等が発生した際に、住宅、マンションおよびビル等の建造物14に設けられた開口部16を外側から内側に流れようとする水の流れを遮断するものである。
【0028】
以下の説明で用いる方向の概念は、図1および図2に示す矢印の方向を基準とする。つまり、開口部16に水が流れると仮定したときの当該水の流れの上流側を「外」、当該水の流れの下流側を「内」、外側から見て左側を「左」、外側から見て右側を「右」とする。図1および図2に示すように、遮水装置10は左右対称に構成されているため、図において、左右対称の部分には同じ符号を付している。
【0029】
図3は、図1におけるIII-III線断面図である。図3に示すように、遮水装置10は、遮水板12と、第1止水部材20と、左右一対の第2止水部材22とを備えている。また、遮水装置10は、左右一対の板状の基部24と、基部24に対して一体的に設けられた支持部26、第1移動阻止部28、第2移動阻止部30および干渉防止部材32とを備えている。本実施形態では、これらの部分が一体となって1つの支持ユニット18が構成されている。
【0030】
図1に示すように、遮水板12は、開口部16に着脱可能に設けられて、開口部16を流れようとする水の流れを遮断する板状部材である。本実施形態の遮水板12は、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)によって、外側(または内側)から見たときの形状が四角形になるように形成されている。遮水板12を開口部16に装着した状態において、遮水板12は、その上端部12aがその下端部12bよりも内側に位置するように所定角度θ(本実施形態では82度)で傾斜して配置されている。つまり、図3に示すように、本実施形態では、開口部16の底部16aの上面16cが水平に形成されており、遮水板12の内側に向けられた内側面12dと底部16aの上面16cとが成す角度θが90度よりも小さくなっている。なお、遮水板12の材質は、特に限定されるものではなく、他の繊維強化プラスチックや金属などが用いられてもよい。上記角度θは、特に限定されるものではないが、遮水装置10の大型化を防止するために、70〜85度程度であることが望ましい。
【0031】
図3に示す第1止水部材20は、遮水板12と開口部16の底部16aとの間に設けられて、これらの間から建造物14の内側に水が浸入することを防止するものである。本実施形態の第1止水部材20は、ゴムおよびエラストマー等のような弾性材料(本実施形態ではクロロプレンゴム)からなる第1層20aおよび第2層20bを有している。第2層20bは第1層20aよりも軟質(本実施形態では高発泡倍率)に形成されている。硬質の第1層20aが遮水板12の下端面12cに対して、水平方向の全長にわたって延びるように接着剤などの接合材で接合されている。したがって、硬質の第1層20aによって、水圧で押される遮水板12の下端部12bを受け止めることができ、軟質の第2層20bによって、第1止水部材20の表面を開口部16の底部16aに密接させることができる。
【0032】
図3に示す第2止水部材22は、遮水板12と支持部26との間に設けられて、これらの間から建造物14の内側に水が浸入することを防止するものである。本実施形態の第2止水部材22は、ゴムおよびエラストマー等のような弾性材料(本実施形態ではクロロプレンゴム)からなる第1層22aおよび第2層22bを有している。第2層22bは第1層22aよりも軟質(本実施形態では高発泡倍率)に形成されている。硬質の第1層22aが遮水板12の内側面12dに対して、上下方向の全長にわたって延びるように接着剤などの接合材で接合されている。したがって、硬質の第1層22aによって、水圧で押される遮水板12の水平方向端部12eを受け止めることができ、軟質の第2層22bによって、第2止水部材22の表面を支持部26(図3)に密接させることができる。図4は、遮水板12の構成を内側から示す斜視図である。図4に示すように、第2止水部材22の内側に向けられた内側面23aと下側に向けられた下面23bとの境界部には、滑らかな曲面23cが形成されている。
【0033】
図5は、左側の支持ユニット18の構成を右側から示す斜視図である。図6は、左側の支持ユニット18の構成を右側から示す分解斜視図である。図5に示すように、基部24は、支持ユニット18の本体部となる部分であり、ステンレス等の金属によって板状に形成されている。基部24は、右側(または左側)から見たときの形状が上下方向に延びる長方形となるように形成されている。図6に示すように、基部24には、ボルト34が挿通される複数(本実施形態では4個)の貫通孔36と、ボルト38が挿通される複数(本実施形態では2個)の貫通孔40とが形成されている。ボルト34は、干渉防止部材32を基部24に固定するための固定手段である。ボルト38は、基部24を開口部16の水平方向端部16b(図1)に固定するための固定手段である。
【0034】
図2に示すように、支持部26は、開口部16の水平方向端部16bに設けられて、遮水板12の水平方向端部12eを内側から支持する部分であり、ステンレス等の金属によって板状に形成されている。図5に示すように、支持部26は、外側(または内側)から見たときの形状が上下方向に延びる長方形(帯状)となるように形成された第1傾斜部42と、第1傾斜部42の下端部から下方に連続して形成された第2傾斜部44とを有している。第1傾斜部42は、図4に示す第2止水部材22の内側面23aが当接される部分である。図3に示すように、第1傾斜部42は、遮水板12の傾斜角度(本実施形態では82度)と同じ角度で傾斜するように構成されている。
【0035】
図3に示すように、第2傾斜部44は、第2止水部材22の曲面23c(図4)が当接される部分であり、底部16aの上面16cに対して第1傾斜部42よりも緩やかな傾斜角度(本実施形態では55度)で傾斜するように構成されている。支持部26は、基部24に対して溶接等により接合されている。
【0036】
図2に示すように、第1移動阻止部28は、遮水板12が上側へ移動することを阻止する部分であり、上側から見たときの形状が四角形となるように、ステンレス等の金属によって板状に形成されている。第1移動阻止部28は、遮水板12の水平方向端部12eに対して上側から対向するように、開口部16の水平方向端部16bにおいて、支持部26の上端部に設けられている。図5に示すように、第1移動阻止部28は、基部24の一方面24aと支持部26の上端面26aとに当接し、かつ、支持部26との間で90度の角度を成すように水平面に対して傾斜して配置されている。第1移動阻止部28は、基部24および支持部26に対して溶接等により接合されている。
【0037】
図3に示すように、第2移動阻止部30は、遮水板12(特に下端部12b)が外側へ移動することを阻止する部分であり、遮水板12の水平方向端部12e(図1)の下端部12bに対して外側から対向するように開口部16の水平方向端部16bに設けられている。図6に示すように、第2移動阻止部30は、基部24に対して溶接等により接合された第1部分50と、第1部分50に対して複数(本実施形態では2個)のボルト52を用いて取り付けられた第2部分54とを有している。第1部分50は、ステンレス等の金属によって板状に形成されている。第1部分50には、ボルト52が挿通される複数(本実施形態では2個)の貫通孔56が形成されている。
【0038】
図6に示すように、第2部分54は、ポリカーボネート等の合成樹脂によってブロック状に形成されている。第2部分54には、ボルト52が螺合される複数(本実施形態では2個)のねじ穴58が形成されている。図3に示すように、第2部分54の内側に向けられた内側面60は、互いに異なる方向に傾斜する第1面60aおよび第2面60bを有している。第1面60aは、内側面60の上部を構成する面であり、遮水板12の装着を容易にするために、その上端部がその下端部よりも外側に位置するように傾斜して形成されている。第2面60bは、内側面60の下部を構成する面であり、装着された遮水板12の離脱を困難にするために、その上端部がその下端部よりも内側に位置するように傾斜して形成されている。
【0039】
図5に示すように、第2部分54を第1部分50にボルト52で取り付けた状態において、第1移動阻止部28と第2移動阻止部30との間には、遮水板12(図3)を装着する際に遮水板12(図3)を通過させるための通路Rが構成されている。この通路Rには、遮水板12の装着の妨げとなるものは存在しない。
【0040】
図3に示すように、干渉防止部材32は、「固定手段」としてのボルト38と遮水板12との干渉を防止するためのものである。本実施形態の干渉防止部材32は、ポリカーボネート等の合成樹脂によって板状に形成されている。図6に示すように、干渉防止部材32には、干渉防止部材32を基部24に取り付けるためのボルト34が螺合される複数(本実施形態では4個)のねじ穴62と、ボルト38が配置される収納空間Sを構成するための孔64および切欠部66とが形成されている。干渉防止部材32の厚さは、基部24の一方面24aから突出したボルト38の突出長さ(左右方向長さ)よりも厚くされている。したがって、ボルト38が収納空間Sから外部に突出することはない。
【0041】
以下には、図1および図2に示す遮水装置10の使用方法を説明する。図2に示すように、通常状態においては、開口部16は人の往来に利用されるため、開口部16に遮水板12は装着されていない。大雨、洪水および津波等が発生した際には、地表面Gを流れる水が開口部16を通して建造物14の内側に浸入することを防止する必要がある。そこで、作業者は、開口部16に遮水板12を装着する。
【0042】
図3中の二点鎖線で示すように、遮水板12を開口部16に装着する際には、支持部26と第2移動阻止部30との間に遮水板12の下端部12bを挿し込み、これらの間に下端部12bを位置決めする。その後、図3中の実線で示すように、遮水板12の下端部12bと第2移動阻止部30との接点Kを中心として遮水板12の全体を内側に回動させて、遮水板12を支持部26に第2止水部材22を介して押し付ける。通路Rには、遮水板12の装着の妨げとなるものは存在しないので、遮水板12の装着作業をワンタッチで簡単に行うことができる。
【0043】
図3に示すように、開口部16に遮水板12を装着した状態において、地表面Gを流れる水Wが増水すると、その水Wの水圧が遮水板12の下端部12bに作用して、下端部12bが内側に移動される。図2に示すように、開口部16の底部16aは、遮水板12が水圧を受けていないときに第1止水部材20(図4)が当接する第1当接面Q1と、遮水板12が水圧を受けて内側に湾曲したとき(図1中の二点鎖線を参照)に第1止水部材20(図4)が当接する第2当接面Q2とを有している。第1当接面Q1と第2当接面Q2とは、水平方向に連続して形成されている。したがって、第1止水部材20(図4)が第1当接面Q1から第2当接面Q2へ移動する過程において、第1止水部材20(図4)を開口部16の底部16aに押し付けることができ、第1止水部材20(図4)の浮き上がりに起因する水の浸入を防止できる。
【0044】
図1中の二点鎖線で示すように、遮水板12の下端部12bが水圧を受けて内側に膨らむように湾曲すると、遮水板12の傾斜角度が90度に近づくことから、遮水板12の上端部12aが上側に移動されて第1移動阻止部28に当接される。すると、遮水板12の上端部12aの上側への移動が阻止されるとともに、遮水板12の下端部12bの内側への移動が阻止される。これにより、第1止水部材20(図4)は大きく圧縮されるので、遮水板12と開口部16の底部16aとの間からの水の浸入を防止できる。
【0045】
(第1実施形態の効果)
本実施形態によれば、上記構成により以下の各効果を奏することができる。すなわち、図3に示すように、遮水板12に対して水圧が外側から作用すると、遮水板12は支持部26に第2止水部材22を介して押し付けられる。したがって、遮水板12を固定するための構成を簡素化でき、施工性を向上できる。また、遮水板12の上端部12aの上側への移動を第1移動阻止部28で阻止できるので、遮水板12の下端部12bの内側への移動も阻止できる。これにより、遮水板12と開口部16の底部16aとの間で第1止水部材20を大きく圧縮することができ、これらの間から水が浸入することを防止できる。
【0046】
図3中の二点鎖線で示すように、遮水板12を装着する際には、遮水板12の水平方向端部12e(図1)の下端部12bを支持部26と第2移動阻止部30との間に位置決めすることができるので、その後は、遮水板12を支持部26に第2止水部材22を介して押し付けるだけでよく、遮水板12を開口部16の適正位置に簡単に装着することができる。
【0047】
図6に示すように、支持部26、第1移動阻止部28および第2移動阻止部30は、板状の基部24に対して一体的に設けられているので、部品点数を少なくして製造コストおよび工事コストを低減できる。
【0048】
図5に示すように、基部24の一方面24aには、干渉防止部材32が設けられているので、「固定手段」としてのボルト38(図6)と遮水板12(図3)との干渉を防止できる。
【0049】
なお、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されず、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。例えば、図6に示すように、上記実施形態では、「固定手段」としてのボルト38が配置される収納空間Sが孔64および切欠部66で構成されているが、収納空間Sは干渉防止部材32に設けられた凹部(図示省略)で構成されてもよい。
【0050】
図7は、取付部材70を用いた基部24の固定方法を示す斜視図である。図7に示すように、基部24を開口部16の水平方向端部16bに固定するための固定手段72は、取付部材70を有していてもよい。固定手段72は、基部24を開口部16の水平方向端部16bに取り付けるための取付部材70と、基部24を取付部材70に固定するための複数(本実施形態では2個)の第1ボルト74と、取付部材70を開口部16の水平方向端部16bに固定するための複数(本実施形態では3個)の第2ボルト76とを有している。取付部材70は、上側から見たときの形状がT字状になるように接合された板状の第1部分70aおよび板状の第2部分70bを有している。第1部分70aには、第1ボルト74が挿通される複数(本実施形態では2個)の貫通孔78が形成されており、第2部分70bには、第2ボルト76が挿通される複数(本実施形態では3個)の貫通孔80が形成されている。
【0051】
基部24を開口部16の水平方向端部16bに直接取り付ける場合には、その取付位置が限定されるが、図7に示す構成では、取付部材70を介して取り付けるようにしているので、取付位置を変更することができる。
【0052】
図8は、支持部26にロック部材82を取り付けた状態を示す斜視図である。図8に示すように、遮水装置10は、遮水板12の水平方向端部12eに対して外側から対向するロック位置P1と、ロック位置P1から外れたロック解除位置P2との間を移動可能なように設けられたロック部材82を備えていてもよい。ロック部材82は、右側から見たときの形状がL字状の部材であり、板状の第1部分82aと板状の第2部分82bとを有している。第1部分82aの端部には、ヒンジ部84を介して取付板部86が設けられており、取付板部86が支持部26の上端部に接合されている。第1部分82aを第1移動阻止部28の上面に配置すると、ロック部材82はロック位置P1に位置決めされ、ロック部材82を上側に回動させると、ロック部材82はロック解除位置P2に移動される。
【0053】
図8に示す第1移動阻止部28の上面には、突起部90が形成されており、ロック部材82の第1部分82aには、突起部90が挿通される貫通孔92が形成されている。ロック部材82をロック位置P1に配置すると、突起部90が貫通孔92に挿通されて第1部分82aの上面側に突出する。そして、「固定手段」としての南京錠94が、突起部90に設けられた貫通孔90aに第1部分82aの上側から装着される。
【0054】
遮水板12は、屋外の開口部16(図1)に着脱可能に装着されるため、盗難の被害を受けるおそれがあるが、上記構成では、ロック部材82をロック位置P1に配置したとき、開口部16から遮水板12を離脱させることができない。したがって、ロック部材82をロック位置P1に南京錠94で固定することで、遮水板12の盗難を防止することができる。
【0055】
図9は、開口部16の底部16aの上面16cが傾斜している変形例を示す断面図である。図9に示す遮水装置100では、開口部16の底部16aの上面16cが外側から内側に向けて高くなるように所定角度(本実施形態では8度)で傾斜しており、遮水板12の内側に向けられた内側面12dと底部16aの上面16cとが成す角度θが90度よりも小さくなっている(本実施形態では82度)。その結果、開口部16における遮水板12の水平面に対する設置角度は、略直角(90度)になっている。
【0056】
図9に示す遮水装置100においても、遮水板12を固定するための構成を簡素化できるので、施工性を向上できる。また、遮水板12の上端部12aの上側への移動を第1移動阻止部28で阻止できるので、遮水板12の下端部12bの内側への移動を阻止できる
【0057】
(第2実施形態の構成)
図10は、第2実施形態に係る遮水装置102における左側の支持ユニット104の構成を右側から示す斜視図である。図10に示す支持ユニット104は、基部106、支持部108、第1移動阻止部110、第2移動阻止部112およびロック手段114を有している。ロック手段114を除く各構成部分は、ステンレス等の金属によって互いに連続する中空の箱状に形成されている。支持ユニット104を開口部16の水平方向端部に設ける際には、基部106がボルト等の固定手段(図示省略)を用いて開口部16の水平方向端部に固定される。なお、固定手段を構成するボルトの頭部やナットは、遮水板116との干渉を防止するために、基部106の内部空間に配置されてもよい。また、固定手段は、基部106に対して一体的に設けられた取付部(図示省略)を開口部16の水平方向端部に固定するように構成されてもよい。
【0058】
図10に示すように、支持部108は、開口部16の水平方向端部に設けられて、遮水板116の水平方向端部116a(図13)を内側から支持する部分である。支持部108は、外側から見たときの形状が上下方向に延びる長方形(帯状)となるように形成された傾斜面108aを有している。傾斜面108aには、2つの板状の側壁部118a,118bが上下方向に延びて互いに平行に設けられている。2つの側壁部118a,118b間には溝部120が構成されている。溝部120には線状の第2止水部材122(図13)が嵌め込まれ、接着剤等の固定手段で固定されている。
【0059】
図11はロック手段114の構成を示す分解斜視図である。図12はロック手段114の構成を示す断面図である。図11に示すように、基部106および支持部108の上端部には、これらの上面を構成する蓋板124が接合されており、蓋板124には、第1移動阻止部110が一体的に設けられている。第1移動阻止部110は、遮水板116(図13)が上側へ移動することを阻止する部分である。図12に示すように、第1移動阻止部110の下面110aは、支持部108の傾斜面108aとの間で90度の角度を成すように水平面に対して傾斜して形成されている。第1移動阻止部110の中央部には、ロック部材132を上下方向に移動させるための開口部126が形成されている。
【0060】
図12に示すように、ロック手段114は、固定板130と、ロック部材132と、把手134と、保持部材136とを有している。図11に示すように、固定板130は、平面視で四角形の板状部材である。固定板130の4つの角部には、貫通孔138が形成されており、蓋板124には、4つの貫通孔138に対応する4つの貫通孔140が形成されている。互いに連続する貫通孔138と貫通孔140には、リベット142が挿通されており、4つのリベット142を用いて固定板130が蓋板124に固定されている。
【0061】
図12に示すように、ロック部材132は、ステンレス等の金属からなる板状(またはブロック状)の部材であり、左右方向に延びる回動軸144を介して固定板130に取り付けられている。これにより、ロック部材132は、遮水板116の水平方向端部116a(図13)に対して外側から対向するロック位置(図16(B))と、ロック位置から外れたロック解除位置(図16(C))との間を移動可能になっている。
【0062】
ロック部材132の下端部には、遮水板116の水平方向端部116a(図13)に引っ掛けられる爪部132aが形成されている。爪部132aの外側の部分には、爪部132aの下端部から外側に向かうにつれて高くなるように傾斜する傾斜面132bが形成されている。爪部132aよりも上側におけるロック部材132の内側に向けられた部分には、保持部材136が嵌合される凹部132cが形成されている。ロック部材132の左右両側面における爪部132aよりも上側の部分には、開口部126の内周部に上側から引っ掛けられる突起部132dが形成されている。
【0063】
ロック部材132の左右両側面における突起部132dよりも上側の部分には、V字状のばね部材146がボルト148を介して取り付けられている。ばね部材146の下端部は突起部132dに当接されており、ばね部材146の上端部は固定板130に当接されている。これにより、突起部132dは、ばね部材146の付勢で開口部126の内周部に上側から押し付けられている。
【0064】
把手134は、ロック部材132を引き上げたり、ロック部材132を押し下げたりする際に、操作者が手で力を加える部分であり、固定板130の上側に突出するようにロック部材132の上端部に設けられている。
【0065】
保持部材136は、ロック部材132をロック解除位置(図16(C))で保持するためのものである。本実施形態では、保持部材136としてボールプランジャが用いられている。つまり、本実施形態の保持部材136は、筒状の本体部136aと、本体部136aに内蔵されたコイルばね(図示省略)と、ボール136bとを有しており、ボール136bがコイルばね(図示省略)の付勢でロック部材132に押し当てられている。
【0066】
図13は、第2実施形態に係る遮水装置102における遮水板116の構成を外側から示す斜視図である。図13に示すように、遮水板116は、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)で形成された板状の本体部150と、本体部150の水平方向端部150aの上端部に設けられた引っ掛け部材152と、本体部150の水平方向端部150aの下端部に設けられた当接部材154とを有している。本体部150の上端部150bには、作業者が手で持つための把手150cが設けられており、本体部150の外側面150dには、警告のための模様(本実施形態では、黄色の斜め線)150eが表示されている。
【0067】
引っ掛け部材152は、ステンレス等の金属で形成されており、本体部150の上端面に配置される第1部分152aと、本体部150の内側面(図示省略)に配置される第2部分152bと、本体部150の外側面150dに配置される第3部分152cとを有している。第1部分152aの中央部には、切り欠き部156が設けられており、切り欠き部156の内周部がロック部材132の爪部132a(図12)が引っ掛けられる引っ掛け部156aとなっている。
【0068】
当接部材154は、ステンレス等の金属で形成されており、本体部150の下端面に配置される第1部分154aと、第1部分154aの外側の端縁から上方に延びて本体部150の外側面150dに配置される第2部分154bと、第1部分154aの内側の端縁から下方に延びて第1止水部材160の外側面160aに配置される第3部分154cとを有している。本実施形態では、第3部分154cが第2移動阻止部112(図10)に対して内側から当接される「当接部」となっている。本体部150の外側面150dを含む仮想面(図示省略)を想定したとき、第3部分(以下、「当接部」という。)154cの外側に向けられた当接面154dは仮想面(図示省略)よりも内側に配置されている。
【0069】
図14は、支持ユニット104に対する遮水板116の装着方法を示す図である。図15は、当接部154cと第1止水部材160と第2移動阻止部112との位置関係を示す断面図である。図15に示すように、本実施形態の第1止水部材160は、本体部150の厚さの2分の1程度の幅で形成されており、本体部150の下端部における当接部154cよりも内側の部分に設けられている。これにより、第1止水部材160の外側への位置ずれが防止されている。
【0070】
図14に示すように、支持ユニット104に対して遮水板116を装着する際には、まず、遮水板116の水平方向端部116aの下端部を支持部108と第2移動阻止部112との間で位置決めする。その後、当接部154cと第2移動阻止部112との接点Pを中心として遮水板116を内側に回動させて、遮水板116を支持部108に設けられた第2止水部材122に押し当てる。遮水板116を回動させるとき、第1止水部材160は、開口部16の底部16aに押し当てられながら回動される。
【0071】
図15に示すように、本実施形態では、当接部154cと第2移動阻止部112との接点Pを中心として第1止水部材160を回動させているので、第1止水部材160の回動半径Xが小さくなるとともに、第1止水部材160の移動距離が短くなり、第1止水部材160は損傷し難い。仮に、本体部150の外側面150dと第2移動阻止部112との接点(図示省略)を中心として第1止水部材160を回動させる場合を想定すると、第1止水部材160の回動半径が大きくなって、第1止水部材160の移動距離が長くなるため、本実施形態に比べて第1止水部材160が損傷し易くなる。
【0072】
図16は、ロック手段114の動作を示す断面図であり、(A)は遮水板116がロック部材132を押し上げた状態を示しており、(B)はロック部材132がロック位置にある状態を示しており、(C)はロック部材132がロック解除位置にある状態を示している。図14中の二点鎖線で示す遮水板116を、接点Pを中心として回動させていくと、図16(A)に示すように、引っ掛け部材152の第2部分152bがロック部材132の傾斜面132bに当接し、ロック部材132をばね部材146の付勢に抗して押し上げる。その後、遮水板116をさらに回動させていくと、図16(B)に示すように、切り欠き部156が爪部132aの位置に到達し、爪部132aがばね部材146の付勢で切り欠き部156に入り込む。つまり、ロック部材132が遮水板116の水平方向端部116aに対して外側から対向するロック位置に位置決めされる。
【0073】
支持部108から遮水板116を取り外す際には、図16(C)に示すように、把手134を手で持ってロック部材132を引き上げる。すると、ロック部材132が回動されて凹部132cが保持部材136の位置に到達し、保持部材136のボール136bがコイルばね(図示省略)の付勢で凹部132cに嵌合される。これにより、ロック部材132が「ロック解除位置」で保持される。続いて、遮水板116の把手150c(図13)を手で持って支持部108から遮水板116を離脱させる。本実施形態によれば、遮水板116の着脱作業を一人でも簡単に行うことができる。
【0074】
なお、第2実施形態においても、南京錠等の固定手段(図示省略)でロック部材132をロック位置(図16(B))で固定することにより、遮水板116の盗難を防止することができる。
【符号の説明】
【0075】
10…遮水装置、12…遮水板、12e…水平方向端部、12a…上端部、
12b…下端部、16…開口部、16a…底部、20…第1止水部材、26…支持部、
28…第1移動阻止部
図1
図2
図3
図4
図5
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