(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に示される自走式草刈機は、平地や畦面の傾斜地などの雑草を草刈りするものであるが、草を刈り取るカッターが地面より高さの低いカバーで覆われているために短い丈の草なら円滑に草刈りをすることができるが、長尺に繁茂した草や雑木の場合には、カバーの入り口側で詰まることとなって草刈りができない状態であった。そのために、長い丈の草や雑木がある場合には、予め、刈り払い機等で長尺の草や雑木を短めに刈り取りの前処理をした後で、特許文献1に示される自走式草刈機で前処理後の草や雑木を仕上げ刈り処理するなどの手間が掛かっていた。また、特許文献1のものは、カッターがカバーの中で回転する結果、刈り取り物がカッター内を何回も持ち回るので消費馬力が多くなりそれを見越した大馬力の原動機を用意する必要があり機体重量が増大していた。さらに刈り取り物がカッター内を何回も持ち回る結果、刈り取り物が粉々に粉砕されてしまうので、爾後に刈り取り物を家畜の飼料に利用したいなどの要求には応えることができない課題がある。
【0005】
次に、本特許出願人が提案した特許文献2に示される一輪走行式で手軽に使えることができる草刈り機は、実験の結果、作業者の労力負担を少なくして手軽に使用出来る点で好評を得ていたが、構造的に草刈り用の刈り刃の駆動がベルトであったが故に、実験機に用いたベルトでは耐久性がなく、またベルトに草が巻き付きスリップ等が発生することもあり、更に傾斜法面刈りに使用するための前方刈り取り跳ね出し装置を傾斜させる機構が複雑であったために習熟度を要してユーザー操作が不向きであった。更に1輪車では機械の左右バランスの安定度に課題もあり、実用化に向けてはこれ等を改良する課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記の課題を解決するために、第一に、ハンドルで走向操作される走行機体の前部に、機体の
左右の一方側から機体の中央側に向けて回転する刈り刃と
、該刈り刃の上部に
配置され且つ回転する跳ね出し体
とを有する一側位置の刈り取り跳ね出し装置を配設すると共に、該一側位置の刈り取り跳ね出し装置に対向させて、機体の
左右の他側から機体の中央側に向けて回転する刈り刃と
、該刈り刃の上部に
配置され且つ回転する跳ね出し体
とを有する他側位置の刈り取り跳ね出し装置を配設させ、該一側位置と他側位置の刈り取り跳ね出し装置の刈り刃で、刈り取り物の株元を刈ると同時的に跳ね出し体で株元を後方に向けて裾払い状に跳ね出すことにより、刈り取り物が左右より機体中央に寄せられて、機体中央から後方にかけて刈り取り物が集束されて、刈り取り物の上部が前方向きになるように倒し作用させて倒伏処理させる構造にしたことを特徴
としている。
【0007】
これにより、該一側位置と他側位置の刈り取り跳ね出し装置で、長尺な立桿姿勢の草、雑木などの刈り取り物でも、刈り取り物の株元を刈ると同時的に後方に向けて裾払い状に跳ね出すことにより、刈り取り物が左右より機体中央に寄せられて、機体中央から後方にかけて刈り取り物が集束されて、刈り取り物の上部が前方向きになるように倒し作用させて倒伏処理させることを特徴とする刈り取り機で、長桿材の刈り取り作業が詰まり無く円滑に出来る。また、刈り取り物は株元のみ切断されて、刈り取り物の上部が前方向きになるように倒し作用させて倒伏処理されるので、刈り取り後に家畜飼料などの牧草に利用したい時などには、整列状に倒伏された刈り取り物の収集を円滑にして牧草利用を便ならしめる利点がある。
【0008】
第二に、原動機の駆動を受けて走行する走行車輪を有しハンドルで走向操作される走行機体の前部に、左右横方向の伝導ケース
と該横方向の伝動ケースの両側に
配置された縦方向の伝導ケース
とを有する正面視で逆Uの字状の門形に形成された門形フレームを配設し、該
左右の縦方向の伝導ケースの一方側に、
前記一側位置の刈り取り跳ね出し装置を配設すると共に
、他方側に、
前記他側位置の刈り取り跳ね出し装置を配設させ、該一側位置と他側位置の刈り取り跳ね出し装置で、刈り取り物の株元を刈ると同時的に後方に向けて裾払い状に跳ね出すことにより、刈り取り物が前記門形フレームの中間空間部を潜り抜けながら、刈り取り物の上部を前方向きに下部を後方向きに押し倒し作用させて倒伏処理させる構造にしたものである。
【0009】
これにより、該一側位置と他側位置の刈り取り跳ね出し装置で、長尺な立桿姿勢の草、雑木などの刈り取り物でも、刈り取り物の株元を刈ると同時的に後方に向けて裾払い状に跳ね出すことにより、刈り取り物が左右より機体中央に寄せられて、機体中央から後方にかけて刈り取り物が集束されて、前記門形フレームの中間空間部を潜り抜けながら、刈り取り物の上部を前方向きに下部を後方向きに押し倒し作用させて倒伏処理させることを特徴とする刈り取り機で、長桿材の刈り取り作業が詰まり無く円滑に出来る。また、刈り取り物は株元のみ切断されて、刈り取り物の上部を前方向きに下部を後方向きに押し倒し作用させて倒伏処理されるので、刈り取り後に家畜飼料などの牧草に利用したい時などには、整列状に倒伏された刈り取り物の収集を円滑にして牧草利用を便ならしめる利点がある。
【0010】
第三に、
前記左右一対の縦方向の伝動ケースは側面視で互いが重複する位置に配置され、該左右一対の縦方向の伝導ケースの一方
の下部
から前方に延出
された補助伝導ケース
には、上記門形フレームの前側に位置させた状態で前記刈り取り跳ね出し装置
が配設
され、
該補助伝動ケース側の刈り取り跳ね出し装置に対して、他方の刈り取り跳ね出し装置を後位に位置させ、両刈り取り跳ね出し装置の刈り刃は走行機体の進行方向に沿わせた方向に対しては前後に若干重複し、且つ平面視においても刈り取り物の後方斜め移送部も重複する重複部を有する配置にしたものである。
これにより、刈り取り物の刈り残しが生じないようにすると共に、前方位置の刈り刃による前方寄せ刈り作用と後方位置の刈り刃の後方寄せ刈り作用で、刈り取り物の集束を円滑にして消費馬力の軽減と機体の小型化を図り、更に刈り取り能率の向上を図ることができる。
【0011】
第四に、
前記左右一対の縦方向の伝動ケースは側面視で互いが重複する位置に配置され、前記左右の
縦方向の伝導ケースの直下に、
上記刈り取り跳ね出し装置を
それぞれ装着
し、
該左右の刈り取り跳ね出し装置の刈り刃を上面視で進行方向に対して前後を略同位置にしてほぼ平行に並べたものである。
これにより、前記一側の刈り取り跳ね出し装置と他側の刈り取り跳ね出し装置は、左右に前後関係なく略同位置に配置されているものであり、刈り取り物を左右の刈り刃で同時的に刈り取り処理して効率よく作業ができる。また、門形フレームの左右の伝導ケースの直下に、一側位置と他側位置の刈り取り跳ね出し装置を装着する構成であるので、構造が簡単にできると共に機体の前後長さも短くしてより軽量化が図れる利点がある。
【発明の効果】
【0012】
本構造の刈り取り機により、長尺な立桿姿勢の草、雑木などの刈り取り物であっても、刈り取り物の株元を刈ると同時的に後方に向けて裾払い状に跳ね出すことにより、刈り取り物が左右より機体中央に寄せられて、機体中央から後方にかけて刈り取り物が集束されて、刈り取り物の上部が前方向きになるように倒し作用させて倒伏処理させることができて、短い丈の短桿材の刈り取り作業は勿論のこと、長桿材の刈り取り作業も詰まり無く円滑に出来る。本構造では刈り取り物が絡み付きのない状態で刈り取り作業が円滑に出来るので、消費馬力が少なくなり原動機を小馬力化にして機体を小型化にしても高能率に刈り取りが出来る。機体の小型化は、機体重量の軽量化、製造コストの安価化、機体操作の取り扱い容易さに寄与する要因となる効果がある。また、刈り取り物は株元のみ切断されて、刈り取り物の上部が前方向きになるように倒し作用させて倒伏処理されるので、刈り取り後に家畜飼料などの牧草に利用したい時などには、整列状に倒伏された刈り取り物の収集を円滑にして牧草利用を便ならしめる利点がある。
【0013】
次に、本構造の門形フレームを有する刈り取り機により、長尺な立桿姿勢の草、雑木などの刈り取り物であっても、刈り取り物の株元を刈ると同時的に後方に向けて裾払い状に跳ね出すことにより、刈り取り物が左右より機体中央に寄せられて、機体中央から後方にかけて刈り取り物が集束されて、門形フレームの中間空間部を潜り抜けながら、刈り取り物の上部を前方向きに下部を後方向きに押し倒し作用させて倒伏処理させることができて、短い丈の短桿材の刈り取り作業は勿論のこと、長桿材の刈り取り作業も詰まり無く円滑に出来る。
【0014】
次に、一方の刈り取り跳ね出し装置に対して、他方の刈り取り跳ね出し装置を後位に位置させる構成にして刈り刃の回転軌跡を重複するようにしたことにより、刈り取り物の刈り残しが生じないようにすると共に、前方位置の刈り刃による前方寄せ刈り作用と後方位置の刈り刃の後方寄せ刈り作用で、刈り取り物の集束を円滑にして消費馬力の軽減と機体の小型化を図り、更に刈り取り能率の向上を図ることができる。
【0015】
また、一側の刈り取り跳ね出し装置と他側の刈り取り跳ね出し装置は、左右に前後関係なく略同位置に配置されている構成にすると、刈り取り物を左右の刈り刃で同時的に刈り取り処理して効率よく作業ができる。また、門形フレームの左右の伝導ケースの直下に、一側位置と他側位置の刈り取り跳ね出し装置を装着する構成となるので、構造が簡単にできると共に機体の前後長さも短くしてより軽量化が図れる利点がある。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、本発明の刈り取り機1は、走行機体2の前部に正面視で逆Uの字状の門形に形成された門形フレーム3を配置する刈り取り部4を設け、中央のミッションケース5に設けた車軸6の左右に走行車輪7,7と、該ミッションケース5を操作する変速レバー8を配設し、後部にエンジンや電動機などの原動機9と走行機体2を走向操作する操縦用のハンドル10を設ける構成とされている。走行機体2のフレーム構成は、前後中央に前高後低状に斜めに配置したミッションケース5と、その上部に前後方向に配置された機体上部フレーム2Aと、ミッションケース5の後部に支持されて上方に延びる機体縦フレーム2Bとにより、側面視で三角形のトラス構成にしたものとされ、構造はシンプルであるが頑丈にされており、この三角形トラス構成にしたフレームの前部に門形フレームが強固に支持されている。
【0018】
前記の通り、刈り取り機1は、原動機9の駆動を受けて走行する走行車輪7,7を有しハンドル10で走向操作される走行機体2の前部に刈り取り部4を設けている。そして、該刈り取り部4は、左右横方向の伝導ケース3Aの両側に縦方向の伝導ケース3B,3Cを有する正面視で逆Uの字状の門形に形成された門形フレーム3を配設し、該縦方向の伝導ケースの一方側(機体前方に向かって左側)の伝導ケース3Bに、前方に延出する補助伝導ケース3B1を接続し、該伝導ケース3B1の下部に、機体の一方側(左側)から機体の中央側に向けて、平面視で時計回り方向に回転する刈り刃11と該刈り刃11の上部に跳ね出し体12を有する一側位置の刈り取り跳ね出し装置13を門形フレーム3の前位に配設する。そして、該一側位置の刈り取り跳ね出し装置13に対向させて、前記縦方向の伝導ケースの他方側(機体前方に向かって右側)の伝導ケース3Cの下部に、機体の他側(右側)から機体の中央側に向けて平面視で反時計回り方向に回転する刈り刃14と該刈り刃14の上部に跳ね出し体15を有する他側位置の刈り取り跳ね出し装置16を配設する。
【0019】
これにより、一方の刈り取り跳ね出し装置13を門形フレーム3の前位に配設し、該一方の刈り取り跳ね出し装置13に対して、他方の刈り取り跳ね出し装置16を門形フレーム3直下の後位に位置させ、
図7に示されるように両刈り取り跳ね出し装置13,16の刈り刃11,14の先端回転軌跡K1,K2は走行機体2の進行方向に沿わせた方向に対しては前後に若干重複し、且つ平面視においても刈り取り物の後方斜め移送部も重複する重複部17を有する配置にされている。これにより刈り取り物の刈り残しが生じないようにされている。
そして、一側位置と他側位置の刈り取り跳ね出し装置13,16の刈り刃11,14で、刈り取り物の株元を刈ると同時的に、刈り取り跳ね出し装置13,16で刈り取り物の株元を後方に向けて裾払い状に跳ね出すことにより、刈り取り物が左右より走行機体2の中央に寄せられて、走行機体2の中央から後方にかけて刈り取り物が集束されて、前記門形フレーム3の中間空間部3Aを潜り抜けながら、走行機体2の前進と共に、刈り取り物の先端上部を前方向きに下部株元を後方向きに押し倒し作用させて、車軸6の下方を通過して地面上に整列させて倒伏処理させる構成とされている。このときミッションケース5は正面視で門形フレーム3を構成する他方の縦方向の伝導ケース3Cの背部に遮蔽される位置に機体中央より他方側に偏寄させて配置されているので刈り取り物の後方排出の邪魔にならないものである。
【0020】
次に、伝動の概略は
図6で説明する、原動機9からの伝導軸18は、門形フレーム3の伝導ケース3A内に入力されている。伝導軸18の回転はベベルギヤ−19,20を介して分配軸21を回動駆動するよう連結されている。車軸6の回動は分配軸21からベベルギヤ−22,23を介してミッションケース5内の軸24に伝導され、軸24からハイポイドギヤ−25、26を介して中間軸27に伝達される。そして、中間軸27に、変速レバー8で切り替え操作される変速ギヤー28を軸方向に移動可能に回転方向に固定して位置させ、該変速ギヤー28の両側に遊転自在に軸架したクラッチギヤー29,30を介して、さらに第二中間軸31に遊転自在に軸架された親子ギヤ−32を介して、車軸6に固設された車軸ギヤ33に伝達されて車軸6と共に走行車輪7,7が回転して走行機体2が走行する。変速レバー8を操作して変速ギヤー28をクラッチギヤー29,30のいずれかに接続することにより走行車輪7,7の回転が高速走行、低速走行に切り替えられる。
【0021】
機体2前部の刈り取り部4への駆動について説明する。前方の刈り取り跳ね出し装置13の駆動は、分配軸21に連結された伝導ケース3A内の中継軸34から、ベベルギヤ−35,36を介して伝導ケース3B内の伝達軸37に伝えられる。そして、伝達軸37からベベルギヤ−38,39を経由して補助伝導ケース3B1内の横軸40に伝達され、ベベルギヤ−41,42を介して伝動軸43が駆動され、該伝動軸43の下端に設けた刈り刃11と跳ね出し体12を有する刈り取り跳ね出し装置13が回動する構成とされている。
後方の刈り取り跳ね出し装置16の駆動は、分配軸21からベベルギヤ−44,45を介して伝導ケース3C内の伝達軸46を経由して、該伝動軸46の下端に装着した刈り刃14と跳ね出し体15を有する刈り取り跳ね出し装置16が回動する構成とされている。
【0022】
図7に、一側位置の刈り取り跳ね出し装置13と他側位置の刈り取り跳ね出し装置16の平面配置が示されている。両刈り取り跳ね出し装置13,16の刈り刃11,14は中央の刈り取り合流点付近でお互いの回転軌跡が重複するようにされており、お互いの刃部分が衝突しないように位相がずらしてある。そして刈り刃11,14の先端回転軌跡K1,K2は、走行機体2の進行方向に沿わせた方向に対しては前後に若干重複し、且つ平面視においても刈り取り物の後方斜め移送部も重複する重複部17を有する配置にされている。そして、刈り刃11,14は、両先端を細幅に形成した左右対称の帯板からなる両刃剣先状の刈り刃11,14に構成されたもの2枚が、直交状に重ねられて円周に同一間隔(図示では90度間隔)をもって刈り刃部11A,14Aが4個突出するように装備され、該剣先状の刈り刃部11A,14Aは先端部が先端に行くほど後方に後退する傾斜後退角を有して、正逆回転方向に刈り取り可能に構成されている。また、刈り刃11,14の上部に跳ね出し体12,15を重合配置するのに、跳ね出し体12,15も円周に同一間隔(図示では90度間隙)をもって刈り刃11,14と同数の4個にすると共に跳ね出し部12D,15Dを左右対称にして正逆回転方向に跳ね出し可能に構成し、刈り刃11,14と跳ね出し体12,15の位置関係は、刈り刃11,14の中央に跳ね出し体12,15の跳ね出し部12D,15Dの中央が位置する構成にして、刈り刃11,14と跳ね出し体12,15を、後述するようにボルトとナットで一体的に構成している。
【0023】
図8に示される、上記伝動軸46への刈り刃14と跳ね出し体15を有する刈り取り跳ね出し装置16の取り付けについて説明する。伝動軸46は、刈り刃伝動軸46に延長刈り刃伝動軸46−1が溶着され、刈り刃伝動軸46−1の下端周辺の軸外周にスプライン若しくはスプライン状のセレーション46Aが刻設されている。そして伝導ケース3Cの下部の大径筒部(刃固定メタル)3C1に嵌装するベアリングBBを介して刈り刃伝動軸46−1を支持する。そして、大径筒部(刃固定メタル)3C1の先端に固定座となるラビリンス構成47Aを有する巻き付け防止体47が位置して、該巻き付け防止体47の中心に穿設した中央ブローチ孔部47Bが勘合して伝導軸46−1に軸架される。刈り刃14は、両先端を細幅に形成した左右対称の帯板からなる両刃剣先状の刈り刃14に構成されたもの2枚が、直交状に重ねられて円周に同一間隔(90度間隔)をもって刈り刃部14Aが4個突出するように装備され、刈り刃14の上部に平面視で回転方向に4ヶ所の跳ね出し部15Dを有するスターホイール状の跳ね出し体15が重合される。該跳ね出し部15Dは上下に立壁状に厚みのある面に構成されて刈り取り物の株元を跳ね出しやすくしてある。該跳ね出し体15は表面側の上殻体となる排出促進体15−1と、この排出促進体15−1の裏面に嵌合する凹凸リブの強度面を有する下殻体となる排出促進体補強板15−2とで構成されており、この排出促進体15−1と排出促進体補強板15−2とを上下に合わせた状態で、スターホイール状の突出箇所(羽根部)の溶接部15Wと中心箇所のボス周辺の溶接部15Uで溶接してスターホイール状(ヒトデ状)の厚みのある殻体を形成する。溶接部15Wは円周に4箇所、溶接部15Uは円周360度上に5箇所にある。刈り刃14の下部に刈り高さ調節板の機能を有する円盤状の橇皿48が添設されて、これら刈り刃14,14と跳ね出し体15と橇皿48の3部材が重合されて、ボルト15Aとナット15Bで4ヶ所で一体的に固定されて刈り取り跳ね出し装置16を構成している。
【0024】
そして、該刈り取り跳ね出し装置16の跳ね出し体15の中心に穿設した中央ブローチ部15Cが伝導軸46のセレーション46Aに勘合されて軸架され、単一のボルト49で伝導軸46に一体的に固定されている。したがって、刈り刃14,14と跳ね出し体15と橇皿48の3部材を一体的に重合した刈り取り跳ね出し装置16は、単一のボルト49の締緩操作で伝導軸46への取り付け固定、取り外し分解の着脱操作が簡単にできる。
図面符号50は伝導ケース3Cに取り付け固定されている刈り取り跳ね出し装置16の上部を覆う被覆カバーである。この被覆カバー50により刈り取り跳ね出し装置16により飛散される固形物、石などを受け止めて保護するようにされている。
【0025】
上記には、他方の刈り取り跳ね出し装置16について説明したが、一方の刈り取り跳ね出し装置13の構成並びに取り付け構成も刈り取り跳ね出し装置16と同様にされている。すなわち、一方の刈り刃11と跳ね出し体12と橇皿(図示省略)の3部材が重合されて刈り取り跳ね出し装置13を構成し、補助伝導ケース3B1に内装される伝動軸43の下端に単一のボルト49で着脱自在に取り付けられている。
伝動軸43の下端に取り付けられる一方の刈り取り跳ね出し装置13と、伝導軸46の下端に取り付けられる他方の刈り取り跳ね出し装置16の取り付け構成が全く同じにされているので、両者の取り付けには互換性があり単一のボルト49の弛緩操作で取り付けを交換することができる。
なお、走行機体2の後方には、後部保護カバー51と、保護カバーの下端に垂設されて後方へ揺動退避可能なゴム垂れ52が設けてあり、地面に倒伏した刈り取り物を後方へ逃がしながら、刈り取り跳ね出し装置16から後方へ飛散されてくる不側な飛散物を受け止めて作業者を保護するようになっている。53は後部の安全カードであり、作業者の足下が原動機などに触れないようにされている。
【0026】
図9〜
図11に示すものは、本発明第2実施形態の刈り取り機である。
この第2実施形態の刈り取り機は、走行機体2の前部に正面視で逆Uの字状の門形に形成された門形フレーム3が設けられ、該門形フレーム3の左右横方向の伝導ケース3Aの両側に縦方向に設けた左右の伝導ケース3B,3Cの直下に、一側位置と他側位置の刈り取り跳ね出し装置13,16を装着して、一側位置と他側位置の刈り取り跳ね出し装置13,16の刈り刃11,14を上面視で進行方向に対して前後を略同位置にしてほぼ平行に並べたことを特徴とするものである。
これにより、前記一側の刈り取り跳ね出し装置13と他側の刈り取り跳ね出し装置16は、左右に前後関係なく略同位置に配置されているものであり、刈り取り物を左右の刈り刃11,14で同時的に刈り取り処理して効率よく作業ができる。また、門形フレーム3の左右の伝導ケース3B,3Cの直下に、一側位置と他側位置の刈り取り跳ね出し装置13,16を装着する構成であるので、第1実施形態の刈り取り機で必要であった補助伝導ケース3B1や内部の横軸や伝導軸、およびベベルギヤーなどが不要になって、構造が簡単にできると共に機体の前後長さも短くしてより軽量化が図れる利点がある。
この第2実施形態の刈り取り機におけるその他の構成は、第1実施形態の刈り取り機と構成が同じであるので説明は省略する。
【0027】
この構成により、刈り取り機1は、原動機9の駆動を受けて走行車輪7,7により前進走行し、刈り取り部4で刈り取りされると、該一側位置(前進方向の左側)と他側位置(前進方向の右側)の前方刈り取り跳ね出し装置13と後方刈り取り跳ね出し装置16により、刈り取り物が左右より機体2の中央に寄せられて、機体2中央から後方にかけて刈り取り物が集束されて、刈り取り物の株元を後方に飛ばされるようにして倒伏処理される構造で、前方刈り取り跳ね出し装置13と後方刈り取り跳ね出し装置16には先端を細幅に形成された帯板状構成からなる4本の剣先状の刈り刃部11,14が設けられており、該剣先状刈り刃は先端部11A,14Aが、先端に行くほど後方に後退する傾斜後退角を有しており、刈り刃11,14の上部に跳ね出し体12,15を具備し、刈り刃11,14と跳ね出し体12,15の位置関係は同一位置にあり、該剣先状刈り刃11,14は円周に同一間隔をもって90度位相で4枚装備され、跳ね出し体12,15も円周に同一間隔をもって90度位相で4枚の構造をもつ。
【0028】
本構造にすると、刈り刃11,14で切断した刈り取り物の株元を機体の一側から中央側に裾払いしながら跳ね飛ばすようにして刈り取り物の株元を後方に飛ばされるようにして倒伏処理されることを促進するので、刈り刃11,14付近での刈り取り物の滞留、詰まりがないこととなり、刈り取り物の後方への移送とさばきが良くなる。
このように、長尺な立桿姿勢の草、雑木などの刈り取り物であっても、刈り取り物の株元を刈り刃11,14で刈ると同時的に刈り取り跳ね出し装置13,16で後方に向けて裾払い状に跳ね出すことにより、刈り取り物が左右より機体中央に寄せられて、機体中央から後方にかけて刈り取り物が集束されて、門形フレーム3の中間空間部3Aを潜り抜けながら、刈り取り物の上部を前方向きに下部を後方向きに押し倒し作用させて機体の片側に偏寄させて配置したミッションケース5の脇を通り抜けて車軸6の下方を通過して倒伏処理させることができて、短い丈の短桿材の刈り取り作業は勿論のこと、長桿材の刈り取り作業も詰まり無く円滑に出来る。本構造では刈り取り物が絡み付きのない状態で刈り取り作業が円滑に出来るので、消費馬力が少なくなり原動機を小馬力化にして機体を小型化にしても高能率に刈り取りが出来る。
【0029】
機体の小型化は、機体重量の軽量化、製造コストの安価化、機体操作の取り扱い容易さに寄与する要因となる効果がある。機体重量の軽量化と機体操作の取り扱い容易さが図れることから、30°位の傾斜面を有する傾斜地や、頂部が狭幅の畦面の畦草刈りも能率的に刈れる等の応用性に優れた良さがある。
また、刈り取り物は株元のみ切断されて、刈り取り物の上部を前方向きに下部を後方向きに押し倒し作用させて倒伏処理されるので、刈り取り後に家畜飼料などの牧草に利用したい時などには、整列状に倒伏された刈り取り物の収集を円滑にして牧草利用を便ならしめる利点がある。
【0030】
跳ね出し体12,15の両排出促進面12A,15Aは刈り取り物の株元を跳ね出して排出促進する強力な放出力があるので、刈り取り条件の悪い倒伏材、軟弱材、枯れ草等の刈り取り物は塊が発生し易いが、例え、塊が発生しそうになっても跳ね出し体12,15で塊が強力に放出されて株元を裾払いされて後方に排出促進される。また、門形フレーム3の中間空間部3Aは大きな空間となっており、後方のミッションケース5も門形フレーム3の縦方向の伝導ケース3Cの陰に正面から見て遮蔽する位置で機体の片側に偏寄されているので、門形フレーム3の中間空間部3Aの後方が開放されている結果、集束された刈り取り物が、門形フレーム3の中間空間部3Aを潜り抜けながら、刈り取り物の上部を前方向きに下部を後方向きに押し倒し作用させて倒伏処理させることができて、刈り取り物の後方移送を円滑にする。これにより、刈り刃部への停滞が防止されて詰まりのない状態が維持されて小馬力でも高能率で刈り取りが可能となる。
【0031】
また、門形フレーム3は走行機体2の前部に配置されているが、該門形フレーム3は左右横方向の伝導ケース3Aの両側に縦方向の伝導ケース3B,3Cを有する正面視で逆Uの字状の門形に形成されており、該門形フレーム3は、機体の前後中央に前高後低状に斜めに配置したミッションケース5と、その上部に配置された機体上部フレーム2Aと、ミッションケース5の後部に支持されて上方に延びる機体縦フレーム2Bとにより、側面視で三角形のトラス構成にしたフレーム構成の前部に支持されているので、強度的に強固で頑丈な構成になり、門形フレーム3の効果を長年月に亘って発揮できることになる。
そして、走行機体2の下部はミッションケース5が片側に偏寄されて大きな空間部が形成されており、刈り取り物は車軸6の下方を通過して、後部保護カバー51の下端に垂設されゴム垂れ52を潜り抜けながら地面に列状に集束されて倒伏される。したがって走行機体2の後方の作業者は、刈り刃から飛散されてくる不側な飛散物を後部保護カバー51やゴム垂れ52で保護されて安全に作業をすることができる。
【0032】
これらの構成により、本構造で1mもある長桿材や、倒伏材、枯れ草等の軟弱材の刈り取り物の排出が可能である。本構造は跳ね出し体12,15に排出促進面となる跳ね出し部12D,15Dを有する構造にし、更に跳ね出し部12D,15Dが約100mmと長く、上下方向の厚みが20〜27mmの高さがある為に、刈り取られた刈り取り物の株元は瞬時に跳ね出し部12D,15Dで高速回転力が作用し、強力な周速度も加わるので長桿材でも裾払いして放出、排出するので刈り取りが詰まり無く出来る。倒伏材、軟弱材、枯れ草等は直立材に比較して桿の乱れで数倍の嵩となる、従来機はこれらの草を刈ると刈り取り困難を誘発することがたびたびあるが、本発明はこれらの草を刈り取りと同時的に瞬時に裾払いして放出、排出するので安定的な刈り取りが出来るので消費馬力も少ない。
【0033】
刈り取り作業を続けていると、刈り刃11,14は刈り取り作業により摩耗したり、又は石やコンクリートへの衝突や材木の切断等で摩耗と損傷が発生する。このような場合に、刈り取り跳ね出し装置13,16に設ける刈り刃11,14と跳ね出し体12,15の構造が左右同一傾斜に対称となって、正逆回転方向に刈り取りと跳ね出しが可能に構成されているので、刈り刃11,14が摩耗や損傷の事態が生じた際には、刈り取り跳ね出し装置13,16の一側位置と他側位置の刈り取り跳ね出し装置13,16のそれぞれを伝動軸43の下端に取り付けられる一方の刈り取り跳ね出し装置13と、伝導軸46の下端に取り付けられる他方の刈り取り跳ね出し装置16の取り付け構成が全く同じにされているので、両者の取り付けには互換性があり単一のボルト49の弛緩操作で位置交換自在に着脱することにより、新たな刈り刃部が使用できることになる。
このように刈り刃11,14の回転方向前後の両刃部が使えるので、2倍の耐久性があることになる。
【0034】
これらを含めて、本発明の実施形態は、原動機の駆動を受けて走行する走行車輪を有しハンドルで走向操作される走行機体の前部に、左右横方向の伝導ケースの両側に縦方向の伝導ケースを有する正面視で逆Uの字状の門形に形成された門形フレームを配設し、該縦方向の伝導ケースの一方側に、機体の一方側から機体の中央側に向けて回転する刈り刃と該刈り刃の上部に跳ね出し体を有する一側位置の刈り取り跳ね出し装置を配設すると共に、該一側位置の刈り取り跳ね出し装置に対向させて、前記縦方向の伝導ケースの他方側に、機体の他側から機体の中央側に向けて回転する刈り刃と該刈り刃の上部に跳ね出し体を有する他側位置の刈り取り跳ね出し装置を配設させ、該一側位置と他側位置の刈り取り跳ね出し装置で、刈り取り物の株元を刈ると同時的に後方に向けて裾払い状に跳ね出すことにより、刈り取り物が左右より機体中央に寄せられて、機体中央から後方にかけて刈り取り物が集束されて、前記門形フレームの中間空間部を潜り抜けながら、刈り取り物の上部を前方向きに下部を後方向きに押し倒し作用させて倒伏処理させる構造にしたことを特徴とする刈り取り機。の構成としたものである。
【0035】
これにより、該一側位置と他側位置の刈り取り跳ね出し装置で、長尺な立桿姿勢の草、雑木などの刈り取り物でも、刈り取り物の株元を刈ると同時的に後方に向けて裾払い状に跳ね出すことにより、刈り取り物が左右より機体中央に寄せられて、機体中央から後方にかけて刈り取り物が集束されて、前記門形フレームの中間空間部を潜り抜けながら、刈り取り物の上部を前方向きに下部を後方向きに押し倒し作用させて倒伏処理させることを特徴とする刈り取り機で、長桿材の刈り取り作業が詰まり無く円滑に出来る。また、刈り取り物は株元のみ切断されて、刈り取り物の上部を前方向きに下部を後方向きに押し倒し作用させて倒伏処理されるので、刈り取り後に家畜飼料などの牧草に利用したい時などには、整列状に倒伏された刈り取り物の収集を円滑にして牧草利用を便ならしめる利点がある。
【0036】
本発明について前記に説明したが、更に補足して説明する。
先ず、1.門形フレームの下部を刈り取り草が通過する点について、補足説明する。
〔1〕構成・作用
左刈り刃11と右刈り刃14は、それぞれ刃の外径軌跡は270?〜400?で、回転方向はそれぞれ機体の中央寄りに内向きに回転する。刈り取りは刈り刃11,14で、刈り取られた刈り取り物は門形フレーム3の中間空間部3Aを通って、車輪7,7の機体後方に搬送される。左刈り取り部13は左刈り刃伝動体ケース3Bに支えられ、右刈り取り部116は右刈り刃伝動体ケース3Cに支えられる。左刈り刃伝動体ケース3Bと右刈り刃伝動体ケース3Cは上部刈り刃伝動体ケース3Aにより繋がり、門柱型を構成される。
【0037】
〔2〕特徴・効果
これにより、刈り刃11,14で刈り取られ、刈り取られた刈り取り物は刈り刃11,14と同軸に装置された排出促進体12,15で強力に機体後方に搬送される、この刈り取り構造で、長尺な刈り取り物で、例えば80〜100cmの長いものでも刈り取りが可能で、左刈り取り部13,右刈り取り部16は左刈り刃伝動体ケース3Bと右刈り刃伝動体ケース3C、更に上部刈り刃伝動体ケース3Aの門柱型に構成される門形フレーム3に支えられているので、中間空間部3Aの空間が非常に広く、大量の刈り取り物が1度に刈り取られても、門柱(門形フレーム)で形成される中間空間部3Aの空間が広いので空間に詰まる事はない。空間構造は左刈り刃伝動体伝動体ケース3B、右刈り刃伝動体ケース3Cの距離は21〜36cmに幅広くされ、上部刈り刃伝動体ケース3Aの高さは30〜40cmに高く構成されているので、門形フレーム3の中間空間部3Aを潜り抜けながら、刈り取り物の上部を前方向きに下部を後方向きに押し倒し作用させて倒伏処理させることができる。
【0038】
この中間空間部3Aの空間が広いので刈り取り物は流れを邪魔されない、更に空間は門柱型構造であるので流れが邪魔されない。刈り取り物の後方への移送さばけが良い。
左右の刈り刃11,14の回転方向が互いに機体中央に向けて内向きに回転した構造で刈り取られるので、刈り取り物の草丈に関係なく、下端部の株元のみ1回切りしか刈り取りしない。その為に消費馬力が従来型に比較して約1/3位の消費馬力で刈り取りが可能である。そのため、草丈の長短に関係なく、1度切りの刈り取りが出来て、刈り取り草量にも関係なく刈り取りが出来る。
従来の機械は、一般的には刈り刃部の上部にカバーを配置していると刈り取り物を導入するところ空間高さは20cm位で、空間が狭いので刈り取られた草が空間にすぐ一杯になり、刈り刃部に草が充満するので、刈り刃部に刈り取り負荷の数倍の負荷が懸かるので、本発明のものより3倍位の負荷増になり、そのため、原動機の馬力が大きくなり、機体重量が重くなる。刈り取り負荷を最小限にする1つの方法は刈り取り物が空間部3Aを1度切りで通過できる構造にすることである、その為に全体負荷が軽くなり、小型化、安価、長い草が刈れる等の特徴が出る。
【0039】
次に、本発明第1実施形態の刈り取り機と本発明第2実施形態の刈り取り機で説明した、2.左右の刈り刃前後配置型(先行配置)と並列型(左右横並び)について補足説明する。
〔1〕構成・作用
本発明第1実施形態の刈り取り機は、左刈り取り部13が右刈り取り部16より前方に先行した位置にある。この構造の特徴は量の多い刈り取り物を刈り取りした時、刈り刃11,14に同時負荷が掛かると馬力が増大する可能性が高い。左右同時に大きい負荷が掛かると馬力が増大化するので、それを避ける為に前後にずらした先行構造にしている。
草などの刈り取り物の刈り取り量は、稲の様にコンスタントに同量ではなく、常に変化が大きい。大量の繁茂した草群とそうでもない草群が常時混ざりあっている傾向が強い。草量は品種や肥料、土地により大変に変化が大きい、その変化量に常に対応しながら刈り取りが出来なければならない。その為に本発明第1実施形態の刈り取り機は一方が先行している構造を採用している。
【0040】
本発明第2実施形態の刈り取り機では、左右ほぼ平行に横並びに配列した構造である。
本構造の特徴は、左刃駆動用の補助伝導ケース3B1がない構造で、コストが安価に出来る、その替わり、平地と傾斜地の2面同時刈り取り傾斜刃構造の採用が難しい課題はある。
例えば、稲刈り結束用の1条刈りバインダ−は、2条刈りバインダ−より稲の倒伏刈りが有利である。その理由は、稲は2条の場合には成育管理をしている関係で左右ほぼ同一量に成育しているが、野山に自然に繁茂する草量は一般的に常に変化が大きい。
上記の状況であるが、左右の刈り刃並列型の構造では左右均等に刈り取り草量が掛かる率が高いので、左先行型のように左右で刈り取り草の引きがない、その為にスム−スに刈り刃部に刈り草が入る可能性が高い。
【0041】
〔2〕特徴・効果
本発明第2実施形態の刈り取り機は、左刃駆動用の補助伝導ケース3B1がない構造だからコストが安価、機体重量が軽く出来る。また、本発明第1実施形態の刈り取り機では左刈り取り部13が先行する構造のため、刈取られた刈り取り物が左車輪7の方に寄る傾向が見られるが、第2実施形態の刈り取り機に採用する平行の場合は、走行機体2の中央に集束されて堆積する。また、左刃駆動用の補助伝導ケース3B1がない構造のため、機体の長さが短くなるので回行が容易となる。
【0042】
さらに、3.刈り刃セット装置(左右交換切り替え)について補足説明する。
〔1〕構成・作用
本発明は左刃体13,右刃体16をアッシーで交互に交換できる構造で、単一のボルト49のみ、一本の弛緩操作で非常に容易に交換が確実に出来る。
左刃体13(右刃体16も同一構造であり左刃体13で説明をする)の構成は、排出促進体12と排出促進体補強板12−2、刈り刃11,11、刈り高さ調節板(橇皿)48,刈り高さ調節板ボルト(ボルト15A,ナット15B)で構成される。
排出促進体12と排出促進体補強板12−2は溶接部12Wと12U部で溶接される、溶接部12Wは円周に4箇所、溶接部12Uは円周360度上に5箇所にある。
左刃体13,右刃体16の交換は刃固定ボルト48で刈り刃伝動軸46に固着される。
刈り刃伝動軸46に延長刈り刃伝動軸46−1が溶着され、刈り刃伝動軸46−1は刃固定メタル(大径筒部)3C1,ベアリングBBを嵌装する、刈り刃伝動軸46−1にスプライン46Aを設け、固定座(巻き付け防止体)47を嵌装する。
単一の刃固定ボルト49の1本で固定するのは、刈り取り部の安全性の為と、刃体の交換を容易にするためである。刃固定ボルト49の左刃体11のネジは右ネジに、右刃体14は左ネジにされており、この構造により刈り刃の回転中に刃固定ボルト49のネジが緩まないようにしてある。しかし非常に大きい負荷、例えば刈り取り作業中にコンクリ−トや大きな石に当接した時には刃体全体が機体から瞬時に分離する。この作用は機械全体の安全の為に構成されている。
【0043】
〔2〕特徴・効果
刃の交換は刈り取り中には石、材木等様々な物が混ざっていて刃の摩耗、破損が発生する、その上にユ−ザ−は高齢者が多く交換性容易を要求される、それ等の為に刃の交換は容易で短時間に確実に出来ることが必要である。
本発明では、左刃体13,右刃体16を交互に交換できる構造で、非常に容易に交換が確実に出来る。このようにすると左刃体13,右刃体16の刃面の回転方向の正逆両側が使えるので刈り刃の使用時間を増やすことができる。
【0044】
最後に、4.刈り刃について補足説明する。
〔1〕構成・作用
刈り刃11,14は1〜2枚で構成される、刈り刃11,14は両傾斜状構造で、刃先端部の巾は5〜8mmで構成される。これ以下に巾が狭いと熱処理時に材料が融ける恐れがある。刃11,14の傾斜は先端部53が広いと前進時に刈草を前方に押し倒す原因となり、そのために消費馬力が大となる。そして、更に草を押し倒すことによると先端部で詰まりが発生する要因となる。詰まりが発生すると連続的に溜まりが発生する原因となり、最後は刈り取り不能となる。
刈り刃11,14の先端部が狭く形成されていると、比較的この現象が発生せず、消費馬力も低くなる。消費馬力が低いと重量も軽減される。
刈り刃11,14と排出促進体12,15との位置は刃11,14の傾斜角のほぼ延長線上にあることが望ましい。
【0045】
〔2〕特徴・効果
刈り刃は刈り取りにより摩耗、又石や材木の切断等で摩耗と破損が発生する、刃部の先端の構造が左右同一傾斜になっているので、左刃体13と右刃体16を交換することにより両刃部11,14の両方が使えるので、2倍の耐S久性がある、その為に左右刈り取り部13,16の刃部体11,14が交互に使用可能である。
刈り刃11,14の先端部の巾が5〜8mmと狭いので草刈り機が直進しても草を倒すこともなく、低馬力で刈り取りが出来る。