特許第6089194号(P6089194)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6089194装置、及びカード型装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6089194
(24)【登録日】2017年2月17日
(45)【発行日】2017年3月8日
(54)【発明の名称】装置、及びカード型装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/03 20060101AFI20170227BHJP
   G06K 7/08 20060101ALI20170227BHJP
   G06K 19/06 20060101ALI20170227BHJP
【FI】
   G06F3/03 400Z
   G06K7/08 010
   G06K19/06 037
【請求項の数】86
【全頁数】228
(21)【出願番号】特願2016-145848(P2016-145848)
(22)【出願日】2016年7月25日
【審査請求日】2016年8月5日
(31)【優先権主張番号】特願2015-186144(P2015-186144)
(32)【優先日】2015年9月21日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2016-28444(P2016-28444)
(32)【優先日】2016年2月17日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2016-57723(P2016-57723)
(32)【優先日】2016年3月22日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】507296883
【氏名又は名称】株式会社I・Pソリューションズ
(72)【発明者】
【氏名】吉田 健治
【審査官】 佐藤 匡
(56)【参考文献】
【文献】 特表2015−507270(JP,A)
【文献】 特開2011−134298(JP,A)
【文献】 特開2015−035051(JP,A)
【文献】 特開2012−256246(JP,A)
【文献】 特開2010−044730(JP,A)
【文献】 特開2015−005275(JP,A)
【文献】 特開2015−207837(JP,A)
【文献】 特開2015−191629(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 7/08,7/14,19/06
G06F 3/03,3/041,3/048
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物理量を検知するセンサを備えるパネルに作用する装置であって、
前記装置の対向面から前記パネルが検知可能な前記物理量の変化が生じる作用面を有し、
前記作用面に形成された1以上の素子と、
前記1以上の素子のそれぞれに前記物理量の変化を生じさせる物理量制御部と、
前記1以上の物理量制御部を駆動して前記物理量の変化によって第1の所定の情報を出力させる情報出力部と、を備え、
前記情報出力部は、
前記作用面が前記パネルに接触又は近接された状態で、第1の所定の情報を出力させ、
前記物理量制御部は、前記素子からの物理量の出力をOFFにした場合に浮遊する物理量を前記パネルが認識しないように、前記浮遊した物理量が抑制された半導体スイッチを用いて、前記浮遊する物理量が抑制されている、装置。
【請求項2】
前記物理量制御部は、端子間の寄生容量が1.6pF以下、好ましくは0.8pF以下、さらに好ましくは0.5pF以下に抑制された半導体スイッチを有する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記半導体スイッチは、スイッチOFFのときの抵抗値が800キロオーム以上であって、接合容量が2.1ピコファラッド以下となるように逆バイアスが設定される請求項2に記載の装置。
【請求項4】
物理量を検知するセンサを備えるパネルに作用する装置であって、
前記装置の対向面から前記パネルが検知可能な前記物理量の変化が生じる作用面を有し、
前記作用面に形成された1以上の素子と、
前記1以上の素子のそれぞれに前記物理量の変化を生じさせる物理量制御部と、
前記1以上の物理量制御部を駆動して前記物理量の変化によって第1の所定の情報を出力させる情報出力部と、
前記パネルを有する相手装置から、到来するエネルギーを基に電気エネルギーを供給する電力供給回路と、を備え、
前記情報出力部は、
前記作用面が前記パネルに接触又は近接された状態で、第1の所定の情報を出力させ、
前記到来するエネルギーは、前記パネルに備えられたディスプレイから発光される光または、前記相手装置から出力される電磁波であり、
前記電力供給回路は、前記到来するエネルギーから電気エネルギーを発生する変換部を有する装置。
【請求項5】
前記ディスプレイから発光される光から電気エネルギーを発生する前記変換部はソーラーである、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
物理量を検知するセンサを備えるパネルに作用する装置であって、
前記装置の対向面から前記パネルが検知可能な前記物理量の変化が生じる作用面を有し、
前記作用面に形成された1以上の素子と、
前記1以上の素子のそれぞれに前記物理量の変化を生じさせる物理量制御部と、
前記1以上の物理量制御部を駆動して前記物理量の変化によって第1の所定の情報を出力させる情報出力部と、を備え、
前記複数の素子は、パネルが同時に認識できる素子の最大個数を超える個数が配置され、
前記情報出力部は、同時に前記物理量の変化が生じる素子の個数が、前記最大個数以下となるように、前記物理量制御部を駆動する、装置。
【請求項7】
物理量を検知するセンサを備えるパネルに作用する装置であって、
前記装置の対向面から前記パネルが検知可能な前記物理量の変化が生じる作用面を有し、
前記作用面に形成された1以上の素子と、
前記1以上の素子のそれぞれに前記物理量の変化を生じさせる物理量制御部と、
前記1以上の物理量制御部を駆動して前記物理量の変化によって第1の所定の情報を出力させる情報出力部と、
前記作用面または、他の面の少なくともいずれかに設けられた画像センサと、を備え、
前記画像センサは、前記装置に入力される入力情報であるバーコード、ドットコード、2次元コードまたはカラーコードの少なくともいずれかを撮像する、装置。
【請求項8】
前記画像センサは、さらに人体の部位の少なくとも一部または該一部の表面の凹凸部による模様を撮像する請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記入力情報は、所定の媒体に形成されているか、またはディスプレイに表示されているかのいずれかである、請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記ディスプレイは前記パネルに備えられた、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記画像センサは、前記所定の媒体または前記ディスプレイのいずれかに載置された状態で、外光が入射されないように設けられ、
前記入力情報に対して、所定の波長の光を照射する照射部と、
をさらに備え、
前記所定の媒体に載置された場合は、前記所定の媒体に照射された光の反応を撮像し、
前記ディスプレイに載置された場合は、該ディスプレイが表示した画像を撮像する、請求項9または10に記載の装置。
【請求項12】
前記照射部から前記所定の波長を照射した際の光の反応を、前記画像センサが検知することにより、前記所定の媒体に載置されたか、前記ディスプレイに載置されたかを認識する、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記画像センサが撮像した情報に基づく情報処理を実行する処理部を、さらに備え、
前記情報出力部は、前記情報処理の結果を含む前記第1の所定の情報を出力する請求項7から12までのいずれか1項に記載の装置。
【請求項14】
前記パネルを有する相手装置から、到来する光または電磁波によるエネルギーの到来量を検出する1または複数の検出部と、
前記検出部により検出された前記エネルギーの到来量の時間変化を基に第2の所定の情報を取得する情報入力部を、さらに備える、請求項1から請求項13までのいずれか1項に記載の装置。
【請求項15】
物理量を検知するセンサを備えるパネルに作用する装置であって、
前記装置の対向面から前記パネルが検知可能な前記物理量の変化が生じる作用面を有し、
前記作用面に形成された1以上の素子と、
前記1以上の素子のそれぞれに前記物理量の変化を生じさせる物理量制御部と、
前記1以上の物理量制御部を駆動して前記物理量の変化によって第1の所定の情報を出力させる情報出力部と、
前記パネルを有する相手装置から、到来する光または電磁波によるエネルギーの到来量を検出する1または複数の検出部と、
前記検出部により検出された前記エネルギーの時間変化を基に第2の所定の情報を取得する情報入力部と、を備え、
前記情報入力部は、時間変化する前記エネルギーの到来量によって、前記検出部が同期信号を検出し、前記素子からの物理量を同期信号に同期させて時間変化させることによって、前記パネルに第1の所定の情報を送信する、装置。
【請求項16】
前記情報出力部は、前記同期信号が前記検出部の検出可能な値以上のONである所定時間および前記検出部の検出可能な値未満のOFFである所定時間に同期させて、前記物理量制御部を駆動し前記パネルに第1の所定情報を送信する、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
物理量を検知するセンサを備えるパネルに作用する装置であって、
前記装置の対向面から前記パネルが検知可能な前記物理量の変化が生じる作用面を有し、
前記作用面に形成された1以上の素子と、
前記1以上の素子のそれぞれに前記物理量変化を生じさせる物理量制御部と、
前記1以上の物理量制御部を駆動して前記物理量の変化によって第1の所定の情報を出力させる情報出力部と、
前記パネルを有する相手装置から、到来する光または電磁波によるエネルギーの到来量を検出する1または複数の検出部と、
前記検出部により検出された前記エネルギーの時間変化を基に第2の所定の情報を取得する情報入力部と、を備え、
前記情報出力部は、複数の前記素子のうち、少なくとも1以上の同期用の素子からの物理量を時間変化させることによって、同期信号を出力し、
前記情報入力部は、前記エネルギーの到来量の変化を前記同期信号に同期させて検出することによって、前記第2の所定の情報を取得する、装置。
【請求項18】
前記情報入力部は、前記同期用の素子からの物理量の出力が前記パネルの検出可能な値以上のONである所定時間および前記パネルの検出可能な値未満のOFFである所定時間に同期させて、前記パネルから前記第2の所定の情報を取得する、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記情報出力部は、前記作用面が前記パネルに接触又は近接された状態で、前記物理量の変化によって、前記1以上の物理量制御部を駆動して第1の所定の情報を出力させる、請求項6から請求項18までのいずれか1項に記載の装置。
【請求項20】
前記情報入力部は、前記作用面が前記パネルに接触又は近接された状態で、前記エネルギーの到来量または到来量の時間変化の少なくともいずれかを基に第2の所定の情報を取得する、請求項15から請求項18までのいずれか1項に記載の装置。
【請求項21】
前記物理量制御部は、前記素子からの物理量の出力をOFFにした場合に浮遊する物理量を前記パネルが認識しないように、前記浮遊する物理量が抑制されている、請求項4から請求項18までのいずれか1項に記載の装置。
【請求項22】
前記パネルを有する相手装置から、到来するエネルギーを基に電気エネルギーを供給する電力供給回路を備える、請求項1から請求項3または請求項6から請求項18までのいずれか1項に記載の装置。
【請求項23】
前記パネルが同時に認識できる素子の最大個数を超える個数の素子が配置され、
前記情報出力部は、同時に前記物理量の変化が生じる素子の個数が、前記最大個数以下となるように、前記物理量制御部を駆動する、請求項1から5または請求項7から請求項18までのいずれか1項に記載の装置。
【請求項24】
前記情報出力部は、複数の前記素子のうち、少なくとも1以上の同期用の素子からの物理量を時間変化させることによって、同期信号を出力し、複数の前記素子のうち、情報出力用の素子からの物理量を同期信号に同期させて時間変化させることによって、前記パネルに情報を送信する、請求項1から18までのいずれか1項に記載の装置。
【請求項25】
前記情報出力部は、前記同期用の素子からの物理量の出力が前記パネルの検出可能な値以上のONである所定時間および前記パネルの検出可能な値未満のOFFである所定時間に同期させて、前記物理量制御を駆動し前記パネルに第1の所定情報を送信する、請求項24に記載の装置。
【請求項26】
前記同期用の素子は、2個以上設けられ、所定の方法で該素子から物理量の時間変化をそれぞれ異ならせ、前記パネルを有する相手装置が、他の素子の配置を認識させる、請求項24または25のいずれかに記載の装置。
【請求項27】
前記情報出力部は、前記物理量制御部を駆動して、所定の前記素子の少なくとも一部に物理量の変化を生じさせるか、1または複数個による所定の前記素子の組み合わせで、該素子の物理量の変化を複数回生じさせることにより、前記パネルを有する相手装置が前記素子のすべての配置を認識させる、請求項1から18までのいずれか1項に記載の装置。
【請求項28】
前記素子からの物理量の変化の制御を、所定の時間間隔で他と異ならせて特定できる物理量の変化を生じさせることにより、前記第1の所定の情報の出力を繰り返す場合の該所定の情報の区切りを示す、請求項1から18までのいずれか1項に記載の装置。
【請求項29】
前記作用面には、素子が配置された領域とは異なる領域の一部または全部に形成された非導電層と、
前記作用面の素子が配置された領域反対面には、前記素子への導電性の経路を有する、導電性の材料で一部または全部に形成された導電層または、非導電層が上層に形成された該導電層のいずれかと、
前記作用面の非導電層の反対面に形成された操作部と、を備え、
前記導電層または前記非導電層が上層に形成された導電層のいずれに、人体の部位または導電体でタッチすると、前記1以上の物理量制御部を駆動して第1の所定の情報を出力させ、さらに、前記操作部に人体の部位または導電体でタッチすると前記パネルにタッチ位置を認識させる、請求項1から18までのいずれか1項に記載の装置。
【請求項30】
前記操作部は非導電層を含み、該非導電層の下層に、前記導電層が前記操作部も含んで一体として設けられた、請求項29に記載の装置。
【請求項31】
前記操作部の下層に設けられた前記導電層と、前記作用面に設けられた前記非導電層との間に、人体の部位または導電体によるタッチによる押圧で圧縮されてタッチ位置を認識可能な空気層が設けられた、請求項30に記載の装置。
【請求項32】
前記操作部の反対面に設けられた前記非導電層は、人体の部位または導電体によるタッチによる押圧で圧縮されてタッチ位置を認識可能な空隙を含む、請求項31に記載の装置。
【請求項33】
前記非導電層は、ハニカム構造または、スポンジ状の材料で形成された、請求項32に記載の装置。
【請求項34】
前記操作部および該操作部の下層を形成する一部または全ての層が透明である、請求項29から33のいずれか1項に記載の装置。
【請求項35】
少なくとも前記操作部には、一部または全部にグラフィックや文字が形成された、請求項29から34のいずれか1項に記載の装置。
【請求項36】
前記パネルはディスプレイを備え、
前記素子は3個以上配置されるか、前記操作部への人体の部位または導電体によるタッチにより、前記パネルを有する相手装置が前記操作部の透明領域の位置を認識し、前記ディスプレイにより前記透明領域内に所定の画像が表示される、請求項34または35のいずれか1項に記載の装置。
【請求項37】
前記作用面または、他の面の少なくともいずれかに設けられた画像センサを備える、請求項1から6または請求項14から請求項18までのいずれか1項に記載の装置。
【請求項38】
人体の部位または導電体でタッチまたはなぞることにより入力操作を受け付けるタッチパネルを備える、請求項1から18までのいずれか1項に記載の装置。
【請求項39】
少なくとも前記タッチパネルには、一部または全部にグラフィックや文字が形成された、請求項38に記載の装置。
【請求項40】
少なくとも前記タッチパネルには、人体の部位または導電体でなぞった軌跡を認識する文字認識手段が備えられた、請求項38または39のいずれかに記載の装置。
【請求項41】
前記人体の部位の表面の凹凸部による模様を認識する生体認識手段が備えられた、請求項38から40までのいずれか1項に記載の装置。
【請求項42】
前記タッチパネルで取得した情報に基づく情報処理を実行する処理部を、さらに備え、
前記情報出力部は、前記情報処理の結果を含む前記第1の所定の情報を出力する請求項38から41までのいずれか1項に記載の装置。
【請求項43】
前記情報入力部は、少なくとも1以上の検出部が時間変化する前記エネルギーの到来量によって、同期信号を検出し、他のエネルギーの到来量の変化を同期信号に同期させて検出することによって、前記第2の所定の情報を取得する、請求項14から18までのいずれか1項に記載の装置。
【請求項44】
前記物理量の変化とエネルギーの到来量の検出が、少なくとも1部が重複する時間で実施される、請求項14から18までのいずれか1項に記載の装置。
【請求項45】
前記情報入力部は、時間変化する前記エネルギーの到来量によって、前記検出部が同期信号を検出し、前記素子からの物理量を同期信号に同期させて時間変化させることによって、前記パネルに第1の所定の情報を送信する、請求項14、17、18のいずれか1項に記載の装置。
【請求項46】
前記情報出力部は、複数の前記素子のうち、少なくとも1以上の同期用の素子からの物理量を時間変化させることによって、同期信号を出力し、
前記情報入力部は、前記エネルギーの到来量の変化を前記同期信号に同期させて検出することによって、前記第2の所定の情報を取得する、請求項14から16までのいずれか1項に記載の装置。
【請求項47】
前記検出部が、前記エネルギーの到来量の変化を所定の時間間隔で他と異なり、特定できる到来量の変化を検出することにより、前記第2の所定の情報の出力を繰り返す場合の該所定の情報の区切りを示す、請求項14から18までのいずれか1項に記載の装置。
【請求項48】
前記所定の区切りを示す所定の時間間隔で他と異ならせて特定できる到来量の変化には、前記第2の所定の情報のエラーチェックが含まれる、請求項47に記載の装置。
【請求項49】
前記情報入力部は、前記第1の所定の情報を形成する前記素子の物理量の変化による情報パターンのうち、所定数の情報パターンが出力される毎に、取得した該所定数の情報パターンに定義されたコードを含む前記到来エネルギーが到来し、前記検出部が検知した該コードと、該当する所定数の情報パターンに定義されたコードとを、前記情報入力部が正誤判定を実施し、両者が一致しない場合は、該当する所定数の情報パターンを再出力する、請求項14から18までのいずれか1項に記載の装置。
【請求項50】
前記情報出力部は、前期第2の所定の情報を形成する前記到来エネルギーの変化による情報パターンのうち、所定数の情報パターンが到来される毎に、取得した該所定数の情報パターンに定義されたコードを含む前記物理量を出力し、該当する所定数の情報パターンに定義されたコードと、前記検出部が検知した該コードとを、前記相手装置が正誤判定を実施し、両者が一致しない場合は、該当する所定数の情報パターンを取得する、請求項14から18までのいずれか1項に記載の装置。
【請求項51】
前記到来量には、前記パネルの位置情報を含み、
前記情報入力部は、前記検出部により検出した前記到来量から前記位置情報を取得する、請求項14から18までのいずれか1項に記載の装置。
【請求項52】
前記情報出力部は、前記位置情報に対応した第1の所定の情報を、前記物理量制御部を駆動して前記複数の素子のそれぞれに前記物理量の変化を生じさせる、請求項51に記載の装置。
【請求項53】
少なくとも1以上の前記検出部は、前記素子の内部または該素子を中心とする円環状の領域の少なくともいずれかに配置される、請求項14から18までのいずれか1項に記載の装置。
【請求項54】
前記装置を他の装置と識別する識別情報を計数する計数手段をさらに備え、
前記計数手段は、前記情報入力部が取得した前記第2の所定の情報を基に符号化情報を計算し、
前記情報出力部は、前記符号化情報を含む前記第1の所定の情報を出力する、請求項14から18のいずれか1項に装置。
【請求項55】
前記装置を他の装置と識別するIDを記録するID記憶手段を、さらに備え、
前記計数手段は、少なくとも、前記情報入力部が取得した前記第2の所定の情報と前記IDを基に符号化情報を計数する、請求項54に記載の装置。
【請求項56】
所定の初期時刻から所定のクロックサイクルでクロック信号を発生するクロック信号発生部を、さらに備え、
前記計数手段は、少なくとも、前記情報入力部が取得した前記第2の所定の情報と前記クロック信号を基に符号化情報を計数する、請求項54または55に記載の装置。
【請求項57】
外部からの標準時刻信号を検出する検出回路を、さらに備え、
前記計数手段は、少なくとも、前記情報入力部が取得した前記第2の所定の情報と前記標準時刻信号を基に符号化情報を計数する、請求項54から56のいずれか1項に記載の装置。
【請求項58】
前記第2の所定の情報の一部または全部は所定時間毎に変化する情報であって、
前記第2の所定の情報は、前記パネルを有する相手装置が自ら発生する情報か、または該パネルを有する相手装置にクラウドから送信される情報を含むかのいずれかである、請求項54から57のいずれか1項に記載の装置。
【請求項59】
前記第1の所定の情報を元に、前記パネルを有する相手装置または前記パネルを有する相手装置から識別情報が送信された前記クラウドが識別情報を認識し、前記装置を識別する、請求項58に記載の装置。
【請求項60】
前記情報入力部は、前記センサを備えるパネルが前記物理量の変化を検知した検知結果を基に適正な該物理量の変化に補正するための指示である、前記第2の所定の情報を取得し、
前記情報出力部は、前記第2の所定の情報を基に、前記1以上の物理量制御部を駆動して前記物理量の変化の調整を実施し、前記第1の所定の情報を出力させる、請求項14から18までのいずれか1項に記載の装置。
【請求項61】
前記物理量制御部は半導体スイッチであり、
前記物理量の変化の調整を、前記半導体スイッチを導通状態にする駆動信号の信号振幅と、前記半導体スイッチを遮断状態にする駆動信号の信号振幅によって実施する、請求項60に記載の装置。
【請求項62】
前記検出部は、前記パネルが物理量を検知した複数の素子の配置から一意に認識される位置に配置される、請求項14から請求項18までのいずれか1項に記載の装置。
【請求項63】
前記物理量は静電容量または電界強度であって、
前記1以上の素子は導電性の材料で形成された、
請求項1から62のいずれか1項に記載の装置。
【請求項64】
前記作用面には、素子が配置された領域とは異なる領域の一部または全部に形成された非導電層と、
前記作用面の素子が配置された領域の反対面には、前記素子への導電性の経路を有する、導電性の材料で一部または全部に形成された導電層または、非導電層が上層に形成された該導電層のいずれかと、を備え、
前記導電層または前記非導電層が上層に形成された導電層のいずれに、人体の部位または導電体でタッチすると、前記1以上の物理量制御部を駆動して第1の所定の情報を出力させる、請求項1〜63のいずれかに記載の装置。
【請求項65】
前記作用面に対する反対面に、外部からの近接または接触を受ける導電性材料で形成された接触導体をさらに備え、
前記1以上の物理量制御部は、前記1以上の素子のそれぞれから前記接触導体への経路を形成するかまたは前記経路を遮断するかを制御するスイッチを含む、請求項1から18のいずれか1項に記載の装置。
【請求項66】
前記接触導体の表面に保護・印刷層として非導電層を設けた、請求項65に記載の装置。
【請求項67】
前記素子は、前記作用面に形成した薄膜導体である、請求項1から18のいずれか1項に記載の装置。
【請求項68】
前記装置はパネルに作用するスタンプ型装置またはカード型装置である、請求項1から18のいずれか1項に記載の装置。
【請求項69】
前記パネルを有する相手装置は、スマートフォンまたはタブレットのいずれかである、請求項1から18のいずれか1項に記載の装置。
【請求項70】
少なくとも1以上の前記検出部は、前記素子が配置される位置の近傍に配置される、請求項14から請求項18のいずれか1項に記載の装置。
【請求項71】
前記検出部は、1または複数色の光を検知する受光部であり、
前記情報入力部は、前記1または複数色のそれぞれの光量または光量の時間変化の少なくもいずれかを基にした光信号で前記第2の所定の情報を取得する、請求項14から請求項18のいずれか1項に記載の装置。
【請求項72】
前記受光部は、
前記複数色のうちの少なくとも一色を同期用の光信号として検知する、
請求項71に記載の装置。
【請求項73】
前記複数色の光信号はR,G,Bである、請求項71または72に記載の装置。
【請求項74】
前記検出部は、前記対向面から画像を読み取り、
前記情報入力部は、読み取った画像を基に前記第2の所定の情報を取得する、請求項14から請求項18のいずれか1項に記載の装置。
【請求項75】
前記第1の所定の情報と前記第2の所定の情報とは、受信した情報に対する送信する情報、または送信した情報に対する受信する情報の関係にある、
請求項14から請求項18のいずれか1項に記載の装置。
【請求項76】
前記情報入力部が取得した前記第2の所定の情報に基づく情報処理を実行する処理部を、さらに備え、
前記情報出力部は、前記情報処理の結果を含む前記第1の所定の情報を出力する、請求項14から請求項18までのいずれか1項に記載の装置。
【請求項77】
前記情報出力部は、無線による情報送信、音声出力、発光または振動のいずれかによって所定の第3の情報を出力する、請求項76に記載の装置。
【請求項78】
物理量を検知するセンサを備えるパネルに作用する装置の製造方法であって、
前記装置の対向面から前記パネルが検知可能な前記物理量の変化が生じる作用面を設けることと、
前記作用面に1以上の素子を形成することと、
前記1以上の素子のそれぞれに前記物理量の変化を生じさせる物理量制御部を設けることと、
前記物理量の変化によって、前記1以上の物理量制御部を駆動して第1の所定の情報を出力させる情報出力部を設けることと、
によって製造され、
前記情報出力部は、
前記作用面が前記パネルに接触又は近接された状態で、第1の所定の情報を出力させ、
前記物理量制御部は、前記素子からの物理量の出力をOFFにした場合に浮遊する物理量を前記パネルが認識しないような半導体スイッチを用いて、前記浮遊する物理量が抑制されている、製造方法。
【請求項79】
物理量を検知するセンサを備えるパネルに作用する装置の製造方法であって、
前記装置の対向面から前記パネルが検知可能な前記物理量の変化が生じる作用面を設けることと、
前記作用面に1以上の素子を形成することと、
前記1以上の素子のそれぞれに前記物理量の変化を生じさせる物理量制御部を設けることと、
前記1以上の物理量制御部を駆動して前記物理量の変化によって第1の所定の情報を出力させる情報出力部を設けることと、
前記パネルを有する相手装置から、到来するエネルギーを基に電気エネルギーを供給する電力供給回路を設けることと、
によって製造され、
前記電力供給回路に、前記到来するエネルギーから電気エネルギーを発生する変換部を設け、
前記到来するエネルギーは、前記パネルに備えられたディスプレイから発光される光または、前記相手装置から出力される電磁波である、
製造方法。
【請求項80】
物理量を検知するセンサを備えるパネルに作用する装置への電力供給方法であって、
前記装置は、
前記装置の対向面から前記パネルが検知可能な前記物理量の変化が生じる作用面を有し、
前記作用面に形成された1以上の素子と、
前記1以上の素子のそれぞれに前記物理量の変化を生じさせる物理量制御部と、
前記1以上の物理量制御部を駆動して前記物理量の変化によって第1の所定の情報を出力させる情報出力部と、
前記装置に電気エネルギーを供給する電力供給回路と、を備え、
前記電力供給回路は、変換部によって、前記パネルを有する相手装置から到来するエネルギーを電気エネルギーに変換し、該電気エネルギーを前記装置に供給し、
前記到来するエネルギーは、前記パネルに備えられたディスプレイから発光される光または、前記相手装置から出力される電磁波である、
電力供給方法。
【請求項81】
物理量を検知するセンサを備えるパネルに作用する装置の製造方法であって、
前記装置の対向面から前記パネルが検知可能な前記物理量の変化が生じる作用面を設けることと、
前記作用面に1以上の素子を形成することと、
前記1以上の素子のそれぞれに前記物理量の変化を生じさせる物理量制御部を設けることと、
前記1以上の物理量制御部を駆動して前記物理量の変化によって第1の所定の情報を出力させる情報出力部を設けることと、
前記作用面または他の面の少なくともいずれかに画像センサを設けることと、
によって製造され、
前記画像センサは、前記装置に入力される入力情報であるバーコード、ドットコード、2次元コードまたはカラーコードの少なくともいずれかを撮像する、
製造方法。
【請求項82】
物理量を検知するセンサを供えるパネルに作用する装置を用いた通信方法であって、
前記装置は、
前記装置の対向面から前記パネルが検知可能な前記物理量の変化が生じる作用面を有し、
前記作用面に形成された1以上の素子と、
前記1以上の素子のそれぞれに前記物理量の変化を生じさせる物理量制御部と、
前記1以上の物理量制御部を駆動して前記物理量の変化によって第1の所定の情報を出力させる情報出力部と、
前記パネルを有する相手装置から、到来する光または電磁波によるエネルギーの到来量を検出する1または複数の検出部と、
前記検出部により検出された前記エネルギーの時間変化を基に第2の所定の情報を取得する情報入力部と、を備え、
前記検出部は、時間変化する前記エネルギーの到来量によって同期信号を検出し、
前記情報出力部は、前記素子からの物理量を前記同期信号に同期させて時間変化させることによって、前記パネルに第1の所定の情報を送信する、
通信方法。
【請求項83】
物理量を検知するセンサを供えるパネルに作用する装置を用いた通信方法であって、
前記装置は、
前記装置の対向面から前記パネルが検知可能な前記物理量の変化が生じる作用面を有し、
前記作用面に形成された1以上の素子と、
前記1以上の素子のそれぞれに前記物理量の変化を生じさせる物理量制御部と、
前記1以上の物理量制御部を駆動して前記物理量の変化によって第1の所定の情報を出力させる情報出力部と、
前記パネルを有する相手装置から、到来する光または電磁波によるエネルギーの到来量を検出する1または複数の検出部と、
前記検出部により検出された前記エネルギーの時間変化を基に第2の所定の情報を取得する情報入力部と、を備え、
前記物理量制御部は、複数の前記素子のうち、少なくとも1以上の同期用の素子からの物理量を時間変化させ、
前記情報出力部は、前記物理量の時間変化によって同期信号を出力し、
前記情報入力部は、前記エネルギーの到来量の変化を前記同期信号に同期させて検出することによって、前記第2の所定の情報を取得する、
通信方法。
【請求項84】
物理量を検知するセンサを備えるパネルに作用する装置に対する処理を実行させるためのプログラムであって、
物理量制御部が、作用面に形成された1以上の素子のそれぞれに前記物理量の変化を生じさせることと、
情報出力部が、前記1以上の物理量制御部を駆動して前記物理量の変化によって第1の所定の情報を出力させることと、
前記作用面または他の面の少なくともいずれかに設けられた画像センサが、前記装置に入力される入力情報であるバーコード、ドットコード、2次元コードまたはカラーコードの少なくともいずれかを撮像することと、
を実行させるためのプログラム。
【請求項85】
物理量を検知するセンサを供えるパネルに作用する装置に対する処理を実行させるためのプログラムであって、
物理量制御部が、作用面に形成された1以上の素子のそれぞれに前記物理量の変化を生じさせることと、
情報出力部が、前記1以上の物理量制御部を駆動して前記物理量の変化によって第1の所定の情報を出力させることと、
1または複数の検出部が、前記パネルを有する相手装置から、到来する光または電磁波によるエネルギーの到来量を検出することと、
情報入力部が、前記検出部により検出された前記エネルギーの時間変化を基に第2の所定の情報を取得することと、
を実行させ、
さらに、
前記検出部が、時間変化する前記エネルギーの到来量によって同期信号を検出することと、
前記情報出力部が、前記素子からの物理量を前記同期信号に同期させて時間変化させることによって、前記パネルに第1の所定の情報を送信することと、
を実行させるためのプログラム。
【請求項86】
物理量を検知するセンサを供えるパネルに作用する装置に対する処理を実行させるためのプログラムであって、
物理量制御部が、作用面に形成された1以上の素子のそれぞれに前記物理量の変化を生じさせることと、
情報出力部が、前記1以上の物理量制御部を駆動して前記物理量の変化によって第1の所定の情報を出力させることと、
1または複数の検出部が、前記パネルを有する相手装置から、到来する光または電磁波によるエネルギーの到来量を検出することと、
情報入力部が、前記検出部により検出された前記エネルギーの時間変化を基に第2の所定の情報を取得することと、
を実行させ、
さらに、
前記物理量制御部が、複数の前記素子のうち、少なくとも1以上の同期用の素子からの物理量を時間変化させることと、
前記情報出力部が、前記物理量の時間変化によって同期信号を出力することと、
前記情報入力部が、前記エネルギーの到来量の変化を前記同期信号に同期させて検出することによって、前記第2の所定の情報を取得することと、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置、及びカード型装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、導体および非導体の配置パターンに応じた認証コードが記録されたプリペイドカードを、タッチパネルを搭載した電子機器(例えばスマートフォン)にかざすことで、導体および非導体の配置パターンがタッチパネルにより検出され、その検出結果に基づいて認証コードが電子機器で認識される技術が存在する(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−035051号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、コードを逐次変化させてスマートフォン等の電子機器で認識させたいという要望が挙げられているが、特許文献1を含め従来の技術では当該要望に応えられない状況であった。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、コードを逐次変化させてもスマートフォン等の電子機器で認識可能にさせることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様の装置は、
外部から到来する外部エネルギーの単位時間当たりの到来量を検出する到来量検出部と、
前記単位時間当たりの到来量の変化を基に所定形式の入力情報を取得する情報取得回路と、
対向面から検知可能な物理量変化が生じる1以上の素子が配列された作用面と、
前記1以上の素子のそれぞれに前記物理量変化を生じさせる1以上の物理量制御部と、
前記1以上の物理量制御部に、前記1以上の素子から前記物理量変化によって所定形式の出力情報を出力させる情報出力部と、を備える。
【0007】
また、上記目的を達成するため、本発明の他の一態様の装置は、
例えば上述の本発明の一態様の装置を他の装置と識別する識別情報を記憶する識別情報記憶部と、
前記識別情報と前記取得した入力情報とに基づく符号化情報を発生する符号化情報発生回路とをさらに備え、
前記情報出力部は、前記符号化情報を含む出力情報を出力する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、コードを逐次変化させてもスマートフォン等の電子機器で認識可能にさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理システムの外観的構成の一例を示す図である。
図2図1の情報処理システムの処理のうち、所定情報を読取って、当該所定情報に関するコードを発生するまでの一連の処理の概略を示す図である。
図3図1の情報処理システムの処理のうち、出力されたコードを認識するまでの一連の処理の概略を示す図である。
図4図1の情報処理システムのうち、コード発生装置の構成の一例を示す模式図である。
図5図1の情報処理システムのうち、コード認識装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
図6】タッチパネルが1点のみを検出可能な場合における、ドットの配置パターンの具体例を示す図である。
図7】タッチパネルが多点を検出可能な場合における、ドットの配置パターンの具体例を示す図である。
図8】ペンタイプのコード発生装置の構成の一例を示す模式図である。
図9】ペンタイプのコード発生装置の構成別一例を示す模式図である。
図10】シンボルの出力時間の間隔でパターンコード(情報)を出力する場合の具体例を示す図である。
図11】シンボルの空隙時間の間隔でパターンコード(情報)を出力する場合の具体例を示す図である。
図12】シンボルの出力時間及び空隙時間の間隔でパターンコード(情報)を出力する場合の具体例を示す図である。
図13】シンボルの出力強度でパターンコード(情報)を出力する場合の具体例を示す図である。
図14】シンボルの形態を可変する制御として矩形分割導電体制御を採用したコード出力部の例を示す図である。
図15】シンボルの形態を可変する制御として円形分割導電体制御を採用したコード出力部の例を示す図である。
図16】シンボルの形態でパターンコード(情報)を出力する場合の具体例を示す図である。
図17】ディスプレイに表示されたドットコード(情報)をコード発生装置が取得する様子を示す模式図である。
図18】コード認識装置のタッチパネルに表示されたドットコード(情報)をコード発生装置1が取得する様子を示す模式図である。
図19】静電容量制御システムの構成例を示す模式図である。
図20A図19の静電容量制御システムに採用可能な各種半導体スイッチの構成例を示す図である。
図20B図20Aの半導体スイッチをOFFにした場合の静電容量の極少化の概要についての説明図である。
図21】電源を設けないでトランジスタでスイッチを構成する回路の例である。
図22】情報読取装置を備えたコード発生装置1に構成の一例を示す模式図である。
図23】情報読取装置を備えたコード発生装置1に構成の一例を示す模式図である。
図24】情報読取装置を備えないコード発生装置1に構成の一例を示す模式図である。
図25】情報読取装置を備えないコード発生装置1に構成の一例を示す模式図である。
図26】タッチパネル31が多点を検出可能な場合における、シンボルの配置パターン(以下、「シンボルパターン」と呼ぶ)の具体例を示す図である。
図27】タッチパネル31が多点を検出可能な場合における、シンボルパターンの具体例を示す図である。
図28】ドット13−1乃至13−5を非回転対象に配置したシンボルパターンの具体例を示す図である。
図29】ドット13−1乃至13−5を非回転対象に配置したことに加えて、ユーザが読取位置を認識し易くするために情報読取装置を端部に配置したシンボルパターンの具体例を示す図である。
図30】タッチパネル31が多点を検出可能な場合における、ドットコードの読取が無いシンボルパターンの具体例を示す図である。
図31】入力媒体シンボルパターンの位置認識について示した図である
図32】本願発明を用いた個人認証サービスの実施例を表す図である。
図33】本願発明を用いたチケット購入・クーポン獲得サービスの実施例を表す図である。
図34】本願発明を用いたチケット購入。クーポン獲得サービス(ドット表示)を表す図である。
図35】本願発明を用いたチケット・クーポン印刷出力サービスを表す図である。
図36】本願発明を用いたクーポン・ポイント集客サービスを表す図である。
図37】本願発明を用いた電子ポイントカードサービスを表す図である。
図38】本願発明を用いた印刷メディアによる情報サービスを表す図である。
図39】本願発明を用いた印刷メディアによる通販サービスを表す図である。
図40】本願発明を用いたエンターテインメントサービスを表す図である。
図41】本願発明を用いた情報転送サービスを表す図である。
図42】本願発明を用いたドットコード形成媒体情報リンクを表す図である。
図43】情報ドットの実施の形態を説明するためのものであり、同図(A)は第1の例、同図(B)は第2の例、同図(C)は第3の例、同図(D)は第4の例、同図(E)は第5の例をそれぞれ示すものである。
図44】ドットコード割り当てフォーマットの実施の形態を説明するためのものであり、同図(A)は第1の例、同図(B)は第2の例、同図(C)は第3の例をそれぞれ示すものである。
図45】ドットパターンの第1の例(「GRID0」)の実施の形態を説明するためのものであり、同図(A)は第1の汎用例、同図(B)は第2の汎用例、同図(C)は第3の汎用例をそれぞれ示すものである。
図46図45に対応し、ドットパターン(GRID0)の変形例を説明するためのものであり、同図(A)は第1の変形例、同図(B)は第2の変形例、同図(C)は第3の変形例をそれぞれ示すものである。
図47】ドットパターン(GRID0)の変形例を説明するためのものであり、同図(A)は第4の変形例であり、同時にドットパターンの第2の例(「GRID1」)の実施の形態を説明するためのものであり、同図(B)は第5の変形例、同図(C)は第6の変形例をそれぞれ示すものである。
図48】ドットパターン(GRID0、1)の連結例ないし連接例を説明するためのものであり、同図(A)はドットパターン(GRID0、1)の連結例、同図(B)はドットパターン(GRID0)の第1の連接例をそれぞれ示すものである。
図49図28に続き、同図はドットパターン(GRID0)の第2の連接例を示すものである。
図50】ドットパターンの第2の例(「GRID5」の実施の形態を説明するためのものであり、同図(A)は第1の汎用例、同図(B)は第2の汎用例、同図(C)は第3の汎用例をそれぞれ示すものである。
図51】ドットパターン(GRID5)の変形例を説明するためのものであり、同図(A)は第1の変形例、同図(B)は第2の変形例をそれぞれ示すものである。
図52】ドットパターン(GRID5)の基準ドットまたは仮想点の配置について説明するためのものである。
図53】ドットパターンの読み取りを説明するためのものであり、同図(A)は第1の読み取り例、同図(B)は第2の読み取り例をそれぞれ示すものである。
図54図52に続き、ドットパターンの読み取りを説明するためのものであり、同図は第3の読み取り例を示すものである。
図55】カード型装置の使用例を示す図である。
図56】装置の裏側の構成の一例を示す模式図である。
図57】装置の表側の構成の一例を示す模式図である。
図58】装置の構成の一例を示す模式図である。
図59】表側に導電性フィルムを備える装置の表側の構成の一例を示す模式図である。
図60】表側に導電性フィルムを備える装置の構成の一例を示す模式図である。
図61A】装置の情報機器との接触面の構成の一例を示す模式図である。
図61B】パターンコードの出力例を示す図である。
図61C】パターンコードの出力例を示す図である。
図62】装置が情報機器に対して情報を出力する処理例のフローチャートである。
図63】情報機器が装置に対して情報を出力する処理例のフローチャートである。
図64】光電変換により電力供給を受ける装置の内部の構成の一例を示す模式図である。
図65】電磁波により電力供給を受ける装置の内部の構成の一例を示す模式図である。
図66】圧電変換により電力供給を受ける装置の内部の構成の一例を示す模式図である。
図67A】熱電変換により電力供給を受ける装置の内部の構成の一例を示す模式図である。
図67B】時刻により暗号化された識別情報を送信する処理例のフローチャートである。
図67C】情報機器からの入力情報により暗号化された識別情報を送信する処理例のフローチャートである。
図68A】複数色の光の到来量の変化を基に入力情報を取得する装置の内部の構成の一例を示す模式図である。
図68B】検出情報に基づき情報機器との通信を開始する処理例のフローチャートである。
図68C】情報機器からの入力情報に応じて処理を実行する例のフローチャートである。
図69A】カード型装置の裏面の構成の一例を示す模式図である。
図69B】カード型装置の表面の構成の一例を示す模式図である。
図69C】カード型装置のハードウェア構成の一例を示す模式図である。
図70A図69Aのカード型装置によるパターンコードの出力例を示す図である。
図70B】パターンコードの出力例の変形例を示す図である。
図71A】タッチ入力パネルを備えるカード型装置の裏面の構成の一例を示す模式図である。
図71B】タッチ入力パネルを備えるカード型装置の表面の構成の一例を示す模式図である。
図71C】タッチ入力パネルを備えるカード型装置のハードウェア構成の一例を示す模式図である。
図71D】省電力表示装置を備えるカード型装置の裏面の構成の一例を示す模式図である。
図71E】省電力表示装置を備えるカード型装置の表面の構成の一例を示す模式図である。
図71F】省電力表示装置を備えるカード型装置のハードウェア構成の一例を示す模式図である。
図71G】RGBの3つの波長ごとに光電変換を行う光電変換素子の配列と、光電変換素子配列が検知する光量の変化の時間変化による入力情報を例示する図である。
図71H】3チャンネルで入力される入力情報の情報コードを例示する図である。
図72A】光コードの発光領域を例示する図である。
図72B】素子内にRGBフォトダイオードが組み込まれた例を示す図である。
図72C】RGBフォトダイオードで検知される光コードを例示する図である。
図72D】光コードの発光領域の変形例を例示する図である。
図72E】情報機器が装置のRGBフォトダイオードの位置を特定して光コードを発光する処理例のフローチャートである。
図72F】装置がRGBフォトダイオードごとに情報機器からの光コードを受光する処理例のフローチャートである。
図72G】パターンコードの出力例を示す図である。
図72H】カード型装置の受光面の構成の一例を示す模式図である。
図72I】RGBフォトダイオードに入力される光コードを例示する図である。
図72J】装置の裏面の構成要素の他の配置例と、この配置例によって出力されるパターンコードの例である。
図72K】素子と情報入力装置(光センサ)に含まれるフォトダイオードの他の構成を例示する図である
図72L】装置の裏面の構成要素の他の配置例と、この配置例によって出力されるパターンコードの例である。
図72M】スタンプ型のコード発生装置の底面、あるいは、カード型の装置の裏側の面(タッチパネルに接触する側)に設けられる前方ボタンと、後方ボタンを例示する図である。
図72N】特殊パターンを例示する図である。
図72O】変形例の装置と、装置の物理量変化を検知するタッチパネルを例示する図である。
図72P】タッチパネルの検出用の交流信号源に対して、逆相の交流信号を発生する交流信号源B構成を例示する図である。
図73A】画像読み取り装置の表側の構成の一例を示す模式図である。
図73B】画像読み取り装置110Jの画像センサ160側の平面図である。
図74】画像読み取り装置110Jのハードウェア構成を例示する図である。
図75】画像センサの構成を例示する図である。
図76図75におけるA−A間の断面図および開口を含まないB−B間の断面図を例示する図である。
図77】導光層の上面と光反射層との間のシボを例示する図である。
図78】第1の変形例に係る画像センサの構成を例示する図である。
図79】第2の変形例に係る画像センサの構成を例示する図である。
図80】第2の変形例に係る画像センサの構成を例示する図である。
図81】第3の変形例に係る画像センサの構成を例示する図である。
図82】実施形態10の画像センサの撮像面から見た平面図である。
図83】画像センサの断面図である。
図84】画像センサの断面図である。
図85】実施形態11の画像センサの撮像面から見た平面図である。
図86】画像センサの断面図である。
図87】画像センサの断面図である。
図88】実施形態12の画像センサの撮像面から見た平面図である。
図89】画像センサの断面図である。
図90】画像センサの断面図である。
図91】実施形態13の画像センサの断面図である。
図92】ドットパターンに含まれる1つのドットを例示する図である。
図93】ドットとCMOSセンサ素子の関係を例示する図である。
図94】画素値の出力を例示する図である。
図95】光センサの受光面から見た平面図である。
図96】6個のフォトダイオードを有する光センサの受光面から見た平面図である。
図97】光センサの断面図である。
図98】光センサの断面図である。
図99】光センサの断面図である。
図100】デジタルスタンプと情報機器との接触面の構成の一例を示す模式図である。
図101】デジタルスタンプによるパターンコードの出力例を示す図である。
図102】デジタルスタンプによるパターンコードの出力例を示す図である。
図103】現行のクレジットカードを例示する図である。
図104A】カード型装置の使用例を示す図である。
図104B】カード型装置の使用例を示す図である。
図105】個人認証を実行するタブレットに対するG−Cardの使用例を示す図である。
図106】個人認証を実行するスマートフォンに対するG−Cardの使用例を示す図である。
図107】製品保証に用いられるG−Cardの使用例を示す図である。
図108】G−Cardによる真贋判定の例を示す図である。
図109】G−Cardおよびセキュリティコードの入力による真贋判定の例を示す図である。
図110】G−Cardモジュールの使用例を示す図である。
図111】G−Cardによる決済の例を示す図である。
図112】G−Cardによるチケット・クーポン使用時の例を示す図である。
図113】G−Cardの使用履歴を表示する例を示す図である。
図114】G−Cardによるポイント等の提供サービスの例を示す図である。
図115】G−Cardによるポイントサービスのステータスを表示する例を示す図である。
図116】G−Cardによるクーポン等のサービス内容を表示する例を示す図である。
図117】G−Cardを特定の店舗の専用ポイントカードとして利用する例を示す図である。
図118】G−Cardを複数店舗で共通のポイントカードとして利用する例を示す図である。
図119】G−Cardに記録されたスタンプやポイントの加算・消込みをする例を示す図である。
図120】G−Cardが載置する向きによって異なる処理を実行する例を示す図である。
図121】カード型の装置によるゲームの例を説明する図である。
図122】カード型の装置によるゲームの例を説明する図である。
図123】カード型の装置によるゲームの例を説明する図である。
図124】他の形状の装置によるゲームの例を説明する図である。
図125】ゲーム用のカードの裏面の構成を例示する図である。
図126】ゲーム用のカードの表面の構成を例示する図である。
図127】タブレット端末でのカードの使用例を示す図である。
図128A】ゲーム用のカードの断面図である。
図128B】ゲーム用のカードの断面図である。
図129】ゲーム用のカードの下面図である。
図130】ゲーム用のカードの変形例の断面図である。
図131】ゲーム用のカードの例である。
図132】ゲーム用のカードの例である。
図133】ゲーム用のカードの断面図である。
図134】ゲーム用のカードの断面図である。
図135】変形例に係るゲーム用の他のカードの断面図である。
図136】変形例に係るゲーム用の他のカードの断面図である。
図137】ゲーム用のカードの例である。
図138】ゲーム用のカードで描画アプリケーションの処理を実行した例である。
図139】ゲームプログラムの処理例である。
図140】情報伝達処理を例示する図である。
図141】情報伝達処理を例示する図である。
図142】情報伝達処理を例示する図である。
図143】実施形態18に係る光センサの平面図である。
図144】実施形態18に係る光センサの平面図である。
図145】実施形態18に係る光センサの断面図である。
図146】実施形態18に係る光センサにより色コードを取得する処理例である。
図147】実施形態19に係るパターンコードの配置例を示す図である。
図148】実施形態19に係るパターンコードの配置例を示す図である。
図149】実施形態20に係る装置の裏面から見た平面図である。
図150】実施形態20に係る装置の裏面から見た平面図である。
図151】電気機構領域の構成を例示する図である。
図152】実施形態21に係る装置の回路構成の詳細を例示する図である。
図153】実施形態21におけるフォトダイオードと素子の配置例である。
図154】装置と情報機器との間の通信手順を例示する図である。
図155】同期用光コードとパターンコードの関係を例示するタイミングチャートである。
図156】実施形態21におけるエラーチェック方法の一例である。
図157】パターンコードが再度出力される他の例である。
図158】同期用光コードとパターンコードの関係を例示するタイミングチャートである。
図159】装置の裏面の他の構成を例示する図である。
図160】パターンコードを例示する図である。
図161】パターンコードを例示する図である。
図162】タッチムーブを誤検出する例である。
図163】タッチムーブの誤検出を低減するための処理を例示する図である。
図164A】パターンコード出力処理(装置側同期通信)を例示する図である。
図164B】情報機器が同期用光コードを出力する代わりに装置が同期用パターンコードを出力する処理を例示する図である。
図164C】同期パターンコードと同期させて情報パターンを情報機器に入力する装置の処理を例示する
図165】情報パターン同期出力処理の詳細を例示する図である。
図166】情報パターン同期出力処理の詳細の他の例を示す図である。
図167】装置が同期用のパターンコードにつづいて情報パターンを出力する処理を例示する図である。
図168】エラーチェックがパターンコード列出力後に実行される処理例である。
図169】エラーチェックが1回のパターンコード出力時より遅らせて実行される処理のフローチャートである。
図170A】情報機器側の同期通信処理を例示するフローチャートである。
図170B】基準パターンの検知の有無に拘わらず、パターンコードを入力する情報機器200の処理を例示する図である。
図171】情報パターン同期入力処理の詳細を例示する処理のフローチャートである。
図172】情報機器が装置同期用パターンコードを入力する場合の情報機器の処理例である。
図173】装置からのパターンコードの出力に応じて情報機器がタッチパネル上の位置座標を送信する処理例である。
図174】位置座標受信処理のフローチャートである。
図175】装置が出力する物理量の出力値を情報機器との間で調整する処理を例示する図である。
図176】試験パターン検知に基づく適正ケース決定処理を例示するフローチャートである。
図177】実施形態22に係る装置のタッチパネルに接触する裏面の構成を例示する図である。
図178】実施形態22に係る装置のタッチパネルに接触する裏面の構成の変形例である。
図179】実施形態23に係る情報機器のタッチパネルに接触させる装置の裏面の外観を例示する。
図180】装置のA断面の断面図である。
図181】装置のB断面の断面図である。
図182】装置のC断面の断面図である。
図183】装置のA断面の変形例である。
図184】装置のB断面の変形例である。
図185】ハニカム構造と呼ばれる断面が六角形状の場合を例示する図である。
図186A】実施形態23に係る装置の変形例である。
図186B】実施形態23に係る装置の変形例である。
図187】実験治具の構成と実験手順を例示する図である。
図188】素子の直径が7mmの場合の実験結果である。
図189】素子の直径が7.5mmの場合の実験結果である。
図190】素子の直径が7.5mmの場合の実験結果である。
図191】SWのON抵抗の限界値についての実験治具の構成と実験手順を例示する図である。
図192】SWのON抵抗の限界値についての実験結果である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
【0011】
<実施形態0>
[情報処理システムの概要]
図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理システムの外観的構成の一例を示す図である。
図1に示す情報処理システムは、コードを発生するコード発生装置1と、当該コードに関する所定情報が付されたカード等の媒体2と、当該コードを認識するコード認識装置3と、当該コードに関する所定の処理を実行するサーバ4とを備えている。
コード認識装置3とサーバ4は、インターネット等の所定のネットワークNを介して接続されている。
【0012】
図2は、図1の情報処理システムの処理のうち、所定情報を読取って、当該所定情報に関するコードを発生するまでの一連の処理の概略を示す図である。
【0013】
図2(A)に示す様に、カード等の媒体2には、コードに関する所定情報Cが付されている。
ここで、所定情報Cは、コード発生装置1が読取り可能な情報であって、当該コード発生装置1においてコードの発生が可能な情報であれば足り、その形態等は特に限定されない。例えば、QRコード(登録商標)やバーコード、カラーコード等を所定情報Cとして採用することもできる。
【0014】
ただし、本実施形態では、所定情報Cとしてはドットコードが採用され、当該ドットコードを表すドットパターンが媒体2に形成されている。
ここで、「ドットパターン」とは、複数のドットの配置アルゴリズムにより情報コードを符号化したものをいう。
なお、上記のドットパターンを読み取って求めた数値情報(コード)がドットコードであり、総称してドットコードとしで表記することを含む。以降も同様である。
ドットパターンによる情報コードの符号化アルゴリズムについては、グリッドマーク社のGrid Onput(登録商標)、Anoto社のアノトパターン等の、周知のアルゴリズムを用いることができる。
なお、ドットパターンのうちグリッドマーク社のGrid Onput(登録商標)については、後で詳述する。
ドットパターンの符号化アルゴリズム自体は、可視光により読み取る場合と、赤外線により読み取る場合と、で共通するため、特に限定されない。
ドットパターンはこの他にも、視認できないか、視認できたとしても単なる模様として認識される程度のものであれば足り、どのようなドットパターンであっても採用可能である。
また、ドットパターンは、座標値を定義することにより、その読み取り位置により異なる情報コードを符号化することができる。さらに、ドットパターンには、情報コードを符号化および復号化するための基準となる向きを有し、その向きを読み取ることにより、ドットパターンに対するコード発生装置1の回転角を取得することができる。一方、コード発生装置1をドットパターン形成媒体に対して、傾けると撮像画像の明るさの変化によってどの方向に、どの程度、発生装置1を傾けたかも取得できる。
【0015】
図2(B)に示すように、コード発生装置1は、情報読取部11を有している。
情報読取部11は、媒体2に形成されたドットパターン(所定情報C)を撮像し、その結果得られる、ドットパターンの画像データに基づいて、ドットコードを認識する。
なお、情報読取部11は、媒体2に付された所定情報Cを読取る機能を有しているものであり、上述した様に所定情報Cの形態におうじて、各種各様な形態を取ることができる。
【0016】
図2(C)に示すように、コード発生装置1は、情報読取部11に加えてさらに、コード発生部12と、コード出力部13と、を備えている。
【0017】
コード発生部12は、所定情報Cに関するコードであって、1以上のシンボルの空間方向と時間方向の少なくとも一方の配置パターンで表すコードを、パターンコードとして発生する。ここで、シンボルは、文字、図形、模様又はこれらの組合せであり、本実施形態ではドットが採用されている。
即ち、コード発生部12は、読取情報部11により新たな所定情報Cが読み取られる毎に、パターンコードを夫々発生する。
コード出力部13は、パターンコードが発生する毎に、1以上のドットの夫々について、静電容量式の位置入力センサ(タッチパネル)の反応可否を、当該パターンコードを示す配置パターンに従って変化させることで、当該パターンコードを出力する。
なお、パターンコードやその出力の具体例については、図6図7、及び図10乃至図13を参照して後述する。
【0018】
図3は、図1の情報処理システムの処理のうち、出力されたコードを認識するまでの一連の処理の概略を示す図である。
【0019】
図3(A)に示す様に、コード認識装置3は、タッチパネル31を有するスマートフォン等で構成される。タッチパネル31は、表示部(後述の図5の表示部57)と、当該表示部の表示面に積層される静電容量式の位置入力センサ(後述の図5のタッチ操作入力部56)とから構成される。タッチパネル31には、コード発生装置1により出力されたパターンコードを示すドット群を検出する領域SP(以下、「コード検出領域SP」と呼ぶ)が表示される。
【0020】
図3(B)に示す様に、コード認識装置3は、機能ブロックとして、検出部32と、認識部33とを備えている。
なお、機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいが、本実施形態ではソフトウェアとハードウェア(後述する図5のCPU51)とにより構成されるものとする。つまり、検出部32と認識部33は、ソフトウェアとハードウェアとが協働することにより、次のような機能を発揮するものとする。
【0021】
検出部32は、タッチパネル31のコード検出領域SPに対して、コード発生装置1のコード出力部13により位置入力センサの反応可否が変化した1以上のドットが接触又は近接した場合、位置入力センサの検出結果に基づいて、当該1以上のドットの配置パターンを検出する。
認識部33は、検出された1以上のドットの配置パターンに基づいて、コード発生装置1のコード発生部12により発生されたパターンコードを認識する。
このパターンコードは、必要に応じてサーバ4に送信される。
サーバ4は、当該パターンコードに基づいて各種処理を実行し、その実行結果をコード認識装置3に送信する。コード認識装置3は、当該実行結果を示す画像をタッチパネル31に表示する。
【0022】
図4は、コード発生装置1の構成の一例を示す模式図である。
具体的には、図4(A)は、コード発生装置1の外観構成の一例を示す側面図である。図4(B)は、コード発生装置1の外観構成の一例を示す下面図である。図4(C)は、コード発生装置1の表面の内部構成の一例を示す図である。図4(D)は、コード発生装置1の裏面の内部構成の一例を示す図である。
なお、後述する図8図9の例と区別すべく、図4の例のコード発生装置1を特に「スタンプタイプのコード発生装置1」と呼ぶ。
なお、以下、図4中下方、即ち、媒体2やコード認識装置3に対して対向させる方向を、「下」として説明する。
【0023】
図4に示す様に、スタンプタイプのコード発生装置1は、上述した情報読取部11と、コード発生部12と、コード出力部13とに加えてさらに、操作ボタン14と、電源ボタン15と、スタンプ部16と、CPU(Central Processing Unit)17と、内部メモリ18と、PCBA19と、USB端子20と、スピーカ21と、ボタンスイッチ22と、自重スイッチ23と、無線デバイス24と、電源部25とを備える。
【0024】
図4(A)において、操作ボタン14は、コード発生装置1の上端に設けられており、所定情報Cの読取り指示、パターンコードの出力ON/OFFの指示等、コード発生装置1の各種制御に対する指示操作をするためのボタンである。具体的には、操作ボタン14が押下されると、図4(C)に示す様に、コード発生装置1の内部に配置されるボタンスイッチ22が、ON又はOFFの状態のうち一方から他方の状態に切り替わる。なお、操作ボタン14の内部にLEDを設け、当該LEDの発光色や発光パターンで各種状態を表現してもよい。なお、操作ボタン14は、コード発生装置1にとって必須な構成ではない。また、操作ボタン14は、側面に設けてもよい。
電源ボタン15は、コード発生装置1の側面に設けられており、コード発生装置1に対する電源のON/OFFを切替えるためのボタンである。
【0025】
スタンプ部16は、図4(A)に示す様に、コード発生装置1の下端に設けられている。スタンプ部16は、図4(B)に示す様に、複数のドットが所定のパターンで配置されて構成されるコード出力部13が設けられ、その中央部には孔があけられている。この孔の部分が、情報読取装置11により所定情報Cが読み取られる情報読取領域IAとなっている。
複数のドット周辺には、コード認識装置3のタッチパネル31等のディスプレイを傷付けないように、ゴムやシリコン等の保護部材を設けてもよい。なお、スタンプ部16をディスプレイ上に移動させるならば、スタンプ部16の底面(保護部材があるならば、当該保護部材も含む)は、摩擦係数の低いシリコン等の材料を採用すると好適である。しかし、スタンプ部16をディスプレイ上で移動させないのであれば、摩擦係数の高いゴム等の材料を採用すると好適である。
所定情報Cの読取りの際には、図2(B)に示す様に、スタンプ部16は媒体2のドットパターン(所定情報C)の上に配置される。これにより、図4(C)に示す様に、所定情報Cは、読取領域IAを介して情報読取部11により読み取られる。
また、パターンコードを出力する際には、図3(B)に示す様に、スタンプ部16は、コード認識装置3のタッチパネル31のコード検出領域SPに接触又は近接する。より正確には、スタンプ部16に設けられたコード出力部13の複数のドットが、コード認識装置3のタッチパネル31のコード検出領域SPに接触又は近接する。ここで、複数のドットは、導電体等で構成され、パターンコードに応じて、タッチパネル31の反応可否(導通有無)が制御されている。即ち、タッチパネル31は、複数のドットのうち、反応可とされたドット(その位置座標)のみを検出する。このようにして検出されたドットの配置パターン等に基づいて、パターンコードが認識される。
なお、複数のドットによるパターンコードの認識の具体例については、図6及び図7を参照して後述する。
【0026】
図4(C)において、CPU17は、コード発生装置1の全体の制御処理、例えば所定情報Cの読取り、パターンコードの出力、プログラム更新、入出力デバイスの制御等に関する各種処理を実行する。CPU17は、所定のソフトウェアと協働することで、図2(C)のコード発生部12等の各種機能ブロックを機能させる。
内蔵メモリ18は、CPU17によって実行されるプログラムや、CPU17に使用される各種データ等が記憶される。
PCBA19は、コード発生装置1が図2に示す各種処理を実行するために必要な各種回路が実装された基盤である。
USB端子20は、コード発生装置1のプログラム更新、データ入出力、充電等時が行われる際に、図示せぬ他の装置とUSB接続する。なお、USB端子20は、コード発生装置1にとって必須な構成ではない。
スピーカ21は、所定情報C(ドットパターン)が読み取られた時、各種操作指示が行われた時、音声を含むコンテンツが再生される時等において、各種音声を出力する。
ボタンスイッチ22は、上述した様に、操作ボタン14の押下操作に応じて、ONとOFFの状態のうち一方から他方へ切り替えるスイッチである。
自重スイッチ23は、パターンコード出力部16を自重で起動させるスイッチである。ここで、起動させるとは、パターンコード出力部16を構成する複数のドット毎に、パターンコードに応じて、タッチパネル31への反応可否(導通/非導通)の状態を確立させることである。また、図2(B)に示す様に、スタンプ部16は媒体2のドットパターン(所定情報C)の上に配置された際に、自重スイッチ23が自重で起動され、所定情報Cは、読取領域IAを介して情報読取部11により読み取られる。自重スイッチ23が自重で起動する機構は、電力を要するパターンコードの出力やドットパターンの読取を、タッチパネル31および/または媒体2にコード発生装置1を載置した場合にのみに起動させることによって、大幅な省電力を図ることができる。なお、自重スイッチ23は、コード発生装置1にとって必須な構成ではない。
【0027】
図4(D)において、無線デバイス24は、サーバ4と無線通信して、読み取られた所定情報Cに対して、サーバ4等に照合する処理、様な出力等の制御処理に用いられる各種情報を授受するデバイスである。
電源部25は、乾電池等、コード発生装置1に対して電力を供給する部である。従って、電源部25は、乾電池である必要は特に無く、充電池でもよい。この場合、充電の手法は、特に限定されず、USB端子20でのUSB接続による充電の手法を採用してもよいし、それ以外の手法を採用してもよい。
【0028】
図5は、コード認識装置3のハードウェア構成例を示すブロック図である。
コード認識装置3は、CPU51と、ROM(Read Only Memory)52と、RAM(Random Access Memory)53と、バス54と、入出力インターフェース55と、タッチ操作入力部56と、表示部57と、入力部58と、記憶部59と、通信部60と、ドライブ61と、を備えている。
【0029】
CPU51は、ROM52に記録されているプログラム、又は、記憶部59からRAM53にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM53には、CPU51が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0030】
CPU51、ROM52及びRAM53は、バス54を介して相互に接続されている。このバス54にはまた、入出力インターフェース55も接続されている。入出力インターフェース55には、タッチ操作入力部56、表示部57、入力部58、記憶部59、通信部60及びドライブ61が接続されている。
【0031】
タッチ操作入力部56は、例えば表示部57の表示面に積層される静電容量式の位置入力センサにより構成され、タッチ操作がなされた位置の座標を検出する。
ここで、タッチ操作とは、タッチ操作入力部56に対する物体の接触又は近接の操作をいう。タッチ操作入力部56に対して接触又は近接する物体は、一般的にはユーザの指やタッチペン等であり、本実施形態ではコード発生装置1のコード出力部13を構成する複数のドットである。なお、以下、タッチ操作がなされた位置を「タッチ位置」と呼び、タッチ位置の座標を「タッチ座標」と呼ぶ。
表示部57は、液晶等のディスプレイにより構成され、図2図3に示す画像等、各種画像を表示する。
このように、本実施形態では、タッチ操作入力部56と表示部57とにより、上述したタッチパネル31が構成されている。
【0032】
入力部58は、各種ハードウェア釦等で構成され、プレイヤーの指示操作に応じて各種情報を入力する。
記憶部59は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。
通信部60は、インターネットを含むネットワークNを介して他の装置(図1の例ではサーバ4)との間で行う通信を制御する。
【0033】
ドライブ61は、必要に応じて設けられる。ドライブ61には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア71が適宜装着される。ドライブ61によってリムーバブルメディア71から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部59にインストールされる。また、リムーバブルメディア71は、記憶部59に記憶されている各種データも、記憶部59と同様に記憶することができる。
【0034】
次に、図6及び図7を参照して、スタンプタイプのコード発生装置1のパターンコードの出力形態(ドットの配置パターン)の具体例について説明する。
図6は、タッチパネル31が1点のみを検出可能な場合における、ドットの配置パターン(以下、「シングルドットパターン」と呼ぶ)の具体例を示している。
【0035】
図6の例では、同図(A)に示す様に、コード出力部13は、10個のドットが円周状に等間隔で配置されて構成されている。ここで、各ドットの符号を、13と、図中丸印内の数字を用いて表す。例えば、図6中最上方に存在するドットは、丸印内の数字が1であるので、ドット13−1と呼ぶ。
このように、ドットの配置パターンを決定するに際し、ドット13−1乃至13−10の夫々が空間方向に予め規定された位置に配置されたパターンが、基本となる。このような基本となるドットの配置パターンを、以下、「基本パターン」と呼ぶ。つまり、図6の例では、図6(A)に示すパターンが、基本パターンである。
なお、基本パターンは、図6(A)の円形状にドット13−1乃至13−10を配置させるパターンに特に限定されず、例えば矩形状等の任意の形状にドット13−1乃至13−10を配置させるパターンを採用することができる。また、ドットの個数も、図6(A)の例に特に限定されず、任意でよい。
【0036】
また、図6(B)に示す様に、図6(A)の基本パターンに含まれるドット13−1乃至13−10の夫々について、相対的な時刻t1乃至t21のうち所定時刻(所定の時間タイミング)において、タッチパネル21の反応可否が定義されている。
ここで、タッチパネル21が反応する状態を、即ち導通状態を、「ON」又は「出力」と呼ぶ。逆に、タッチパネル21が反応しない状態を、即ち非導通状態を、「OFF」と呼ぶ。
なお、本実施形態では、ドット13−1乃至13−10の夫々のON/OFFの切換えは、図4(C)のCPU17の制御により実現される。ドット13−1乃至13−10のうち所定のドットを順次切り替えて出力(ON)する手法は、特に限定されず、例えば本実施形態では、図4(A)の操作ボタン14の押下操作を繰り返す手法を採用してよいし、載置面にスタンプ部16の自重で作動する自重ボタン23の出力を用いる手法を採用してもよい。
【0037】
図6の例では、タッチパネル31が1点のみを検出可能であるため、時刻t1乃至t21の何れのタイミングでも、「出力(ON)」は、ドット13−1乃至13−10のうち、所定の1つのみが許可される。
ここで、図6(C)においては、時刻t1乃至t21の夫々のタイミングにおいて、図6(A)の基本パターンのうち、「出力(ON)」のドットのみが黒く塗られたパターンが描画されている。このようなパターンを、「単位パターン」と呼ぶ。例えば時刻t2の単位パターンとは、基本パターンのうち、ドット13−1のみが「出力(ON)」となるパターンをいう。
このような単位パターンを複数種類用意し(図6(C)の例では、21種類用意し)、時間方向の各位置(時刻t1乃至t21の各タイミング)に、各種単位パターンを1つずつ配置していくことで、発生対象のパターンコードが定義される。
【0038】
コード発生装置1のスタンプ部16がタッチパネル31面に接触又は近接(以下、「載置」とも呼ぶ)された時刻(相対的な時刻)を、時刻t1とする。時刻t1の単位パターンは、図6(B)及び図6(C)に示す様に、ドット13−1乃至13−10の何れもOFFとなるパターンである。
ここで、時刻t1から時刻t2の間隔は任意でよい。即ち、コード発生装置1が所定情報Cを読み取ってパターンコードを発生させた後にタッチパネル31に載置した場合、所定のドット(図6の例ではドット13−1)を即座に「出力(ON)」してもいいし、所定の時間をあけて「出力(ON)」してもよい。
【0039】
ここで、図6の例では、ドット13−1乃至13−10のうち基準となるドット(以下、「基準ドット」を2個以上定義し、それ以外を「情報ドット」として定義する。
このように、2個以上の基準ドットを順に「出力(ON)」することにより、即ち、相異なる位置の基準ドットのみを「出力(ON)」した単位パターンを2個以上時間方向に連続して配置することにより、ドット13−1乃至13−10のタッチパネル31に対する向きと、基準シンボルから相対的に他の情報シンボルの位置を認識することが可能になる。
【0040】
このように、各ドットを順に「出力(ON)」する場合、コード認識装置3側の性能に応じて、次のドットの出力までの空隙時間、即ち単位パターンの時間方向の配置間隔を任意に決めることができる。また、コード認識装置3側で認識が可能であれば、前のドットの出力中に、次のドットを出力すること、即ち、所定の時間帯に2個以上の単位パターンを重複配置することもできる。
【0041】
図6の例では、タッチパネル31は、1個のドットしか認識できないため、前のドットの出力が終了した後に次のドットが認識されるか、または、前のドットが出力中であっても、新たな次のドットが出力された際に認識されることも考えられる。
【0042】
より具体的には、10個のドット13−1乃至13−10が存在する図6の例では、先ず、基準ドット13−1,13−6がその順に「出力(ON)」する。換言すると、基準ドット13−1が「出力(ON)」する単位パターンが時刻t2に配置され、次の時刻t3に、基準ドット13−6が「出力(ON)」する。
コード認識装置3の認識部33は、2個の基準ドット13−1,13−6の位置から相対的に、他の情報ドットの位置とドットの配置パターン(単位シンボルの組合せ)の空間的な方向を認識し、これらの情報を記憶する。
なお図示はしないが、認識時間に十分な余裕があれば、ドット13−1乃至13−10の全てを順次「出力(ON)」していうことにより、タッチパネル31が各ドット13−1乃至13−10を正常に検出したことを認識することができる。これにより、コード認識装置3が正常稼働できるか否かを確認できる。
【0043】
ここで、上述した様に、第1ドットを「出力(ON)」にした単位パターンを配置した後、時間方向に次の位置(次の時刻)に、第2ドットを「出力(ON)」にした単位パターンを配置することは、第1ドットを「出力(ON)」にした後、第2ドットを「出力(ON)」にすることを意味する。
そこで以下、説明の便宜上、特に断りの無い限り、ドットの「出力(ON)」の時間的関係のみで説明する。ただし、この説明は、単位パターンを時間方向に配置している説明と等価である。
【0044】
さて、2個の基準ドット13−1,13−6を「出力(ON)」した場合、残りは、8個の情報ドット13−2乃至13−5,13−7乃至13−10である。これらの8個の情報ドット13−2乃至13−5,13−7乃至13−10のうち、何れか1個の情報ドットを「出力(ON)」する組合せは、8通りである。従って、1回の「出力(ON)」では、3bitのコードを出力することができる。換言すると、所定の1タイミング(1時刻)には、8種類の単位パターンを配置することができるので、所定の1タイミング(1時刻)では、3bitのコードを出力することができる。
従って、図6に示す様に、時刻t4乃至t9の夫々のタイミングで、情報ドットを順次に「出力(ON)」することで、換言すると単位パターンを6回配置することで、6回×3bit/回=18bit(26144コード)を出力することができる。
【0045】
ここで、情報ドットの出力回数(単位パターンの時間方向の配置回数)は多くすることは可能である。しかしながら、タッチパネル31において、スタンプ部16が滑動して誤認する可能性があるため、できるだけ情報ドットの出力回数を低減することが望ましい。
そこで、本実施形態では、図6(B)に示す様に、2個の基準シンボルの出力(2回の出力)を情報のインデックスとして用い、1つの情報(コード)を複数の情報に区分して、区分した情報を1ブロックとして、ブロック単位で出力していくことで、大容量の情報(コード)の出力を実現している。
具体的には本例では、最初の情報のインデックスでは、基準シンボル13−1,13−6がその順に「出力(ON)」され、その後に続く6個の情報シンボルが「出力(ON)」されることにより、これらの組合せにより表される18bitの第1のブロック(第1の情報)が出力される。
次の情報のインデックスでは、基準シンボル13−1,13−6、13−6がその順に「出力(ON)」され、その後に続く6個の情報シンボルが「出力(ON)」されることにより、これらの組合せにより表される18bitの第2のブロック(第2の情報)が出力される。
これにより、36bit(約600億コード)を出力できる。
【0046】
このようにして出力される大量の情報(コード)を、コード認識装置3側で確実に認識するためには、タッチパネル31の表面とスタンプ部16の底面(図4(B)に示される面)とが滑らないように、ドット(導電体)の周辺に摩擦係数の高いゴムなどを使用するとよい。
このようなゴムは、本実施形態のようにタッチパネル31の表示面(ディスプレイ)の場合、スタンプ部16が押下された際の衝撃を緩衝することもできる。なお、滑らないように工夫することは、タッチパネル31の表面でスタンプ部16を移動したり回転させることにとっては不適である。その場合は、摩擦係数の低いシリコンなどを使用するとよい。
【0047】
図6の例のシングルドットパターンは、タッチパネル31側で同時に1個のドットしか認識できないことを前提としたものである。従って、マルチタッチの認識(ドット間距離10〜15mm前後)の制限が少ないため、基準パターン内での各ドット間の空間的な距離を短くできる、その結果、スタンプ部16の底面(図4(B)に示される面)の面積を小さくできる。
【0048】
ここで、本実施形態では、コード発生装置1から出力されたコードを取得した旨を、コード認識装置3からコード発生装置1に対して送信できない。従って、コード発生装置1は、パターンコードの出力(複数の単位パターンの時間方向の配置)を繰り返し実行することで、パターンコードを確実に送信できる。
また、本実施形態は例示にしか過ぎないので、図示せぬ無線、音、光等の様々な手法で、コード認識装置3からコード発生装置1に対して、パターンコード(情報)の取得完了を通知してもよい。これにより、コード発生装置1側での繰り返しの出力が不要になる。
このようなパターンコード(情報)の取得完了の通知の一般的な手法としては、タッチパネル31や別途用意するディスプレイに、パターンコード(情報)の取得完了を示す画像を表示させる手法がある。さらに、一方、コード認識装置3がパターンコード(情報)の取得完了を示すドットパターン等の2次元コードやカラーコードを表示して、スタンプ部16の読取領域IAを介して情報読取部11により読み取ってもよい。
【0049】
また、図6の例のシングルドットパターンでは、複数種類の単位パターンの時間方向への配置(ドットを順次「出力(ON)」)することで、パターンコードを構成していた。つまり、ドットのON/OFFの繰り返し回数を増加させることで、パターンコード(情報)の情報量を増加させていた。
ここで、さらに、ドットのON/OFFの時間間隔の長短を組合せると(単位パターンの時間方向の配置の距離組合せると)、より一段と膨大な量のパターンコード(情報)を出力することができる。
【0050】
なお、図6の例では、ドットを用いて説明したが、当然にドット以外の任意のシンボルを採用しても同様である。
また、認識できるシンボルの大きさ、シンボルとシンボルの空間的な配置間隔、シンボルの出力時間、シンボルの出力終了と次のシンボルの出力開始時間までの空隙時間(タッチパネル31の性能によっては空隙時間を設けなくてもよいし、次のシンボルの出力が重複してもよい。)は、コード認識装置3の性能や処理プログラムの速度等を勘案し、任意に設定することができる。
【0051】
また、図6の例のシングルドットパターンを採用することで、最初に入力した所定情報Cとは別の情報に関するパターンコードを所定の方法で新たに出力する場合や、コード出力装置1から出力されるパターンコードが、無線等によって随時変化する場合であっても、容易に対応可能である。即ち、コード出力装置1は、可変的に情報を出力することもできる。
【0052】
図7は、タッチパネル31が多点を検出可能な場合における、ドットの配置パターン(以下、「マルチドットパターン」と呼ぶ)の具体例を示している。
【0053】
図7の例では、同図(A)に示す様に、5個のドット13−1乃至13−5が円周状に等間隔で配置されたパターンが、基本パターンとして採用されている。
なお、基本パターンは、図7(A)の円形状にドット13−1乃至13−5を配置させるパターンに特に限定されず、例えば矩形状等の任意の形状にドット13−1乃至13−5を配置させるパターンを採用することができる。また、ドットの個数も、図7(A)の例に特に限定されず、任意でよい。
【0054】
また、図7(B)に示す様に、図7(A)の基本パターンに含まれるドット13−1乃至13−5の夫々について、相対的な時刻t1乃至t25のうち所定時刻(所定の時間タイミング)において、「出力(ON)」又は「OFF」が定義されている。
図7の例では、タッチパネル31が複数点を検出可能であるため、時刻t1乃至t25の何れのタイミングでも、「出力(ON)」は、ドット13−1乃至13−5のうち、任意の個数の任意の組合せが許可される。
ここで、図7(C)においては、時刻t1乃至t25の夫々のタイミングにおいて、図7(A)の基本パターンのうち、「出力(ON)」のドットのみが黒く塗られた単位パターンが描画されている。図6(C)の単位パターンと比較すると、図7(C)の単位パターンは、タッチパネル31がマルチドット検出を可能であるため、複数のドットが「出力(ON)」になっていることがわかる。
このような単位パターンを複数種類用意し(図7(C)の例では、25種類用意し)、時間方向の各位置(時刻t1乃至t25の各タイミング)に、各種単位パターンを1つずつ配置していくことで、発生対象のパターンコードが定義される。
なお、本実施形態では、ドット13−1乃至13−5の夫々のON/OFFの切換えは、図4(C)のCPU17の制御により実現される。図7(C)の各単位パターンを順次切り替える手法は、特に限定されず、例えば本実施形態では、図4(A)の操作ボタン14の押下操作を繰り返す手法を採用してよいし、載置面にスタンプ部16の自重で作動する自重ボタン23の出力を用いる手法を採用してもよい。
【0055】
コード発生装置1のスタンプ部16がタッチパネル31に載置された時刻(相対的な時刻)を、時刻t1とする。時刻t1の単位パターンは、図7(B)及び図7(C)に示す様に、ドット13−1乃至13−5の何れもOFFとなるパターンである。
ここで、時刻t1から時刻t2の間隔は任意でよい。即ち、コード発生装置1が所定情報Cを読み取ってパターンコードを発生させた後にタッチパネル31に載置した場合、所定の1以上のドット(図7の例ではドット13−1乃至13−7)を即座に「出力(ON)」してもいいし、所定の時間をあけて「出力(ON)」してもよい。
【0056】
5個のドット13−1乃至13−5が存在する図7の例では、時刻t2に、ドット13−1乃至13−5の全てが「出力(ON)」する。換言すると、基準ドット13−1乃至13−5の全てが「出力(ON)」する単位パターンが時刻t2に配置される。
コード認識装置3の認識部33は、これらのドット位置を認識し、基準パターンを記憶する。なお、全てのドット13−1乃至13−5が「出力(ON)」されたことにより、タッチパネル31が各ドット13−1乃至13−5を正常に検出したことを認識することができる。これにより、コード認識装置3が正常稼働できるか否かを確認できる。
【0057】
次の時刻t3で、ドット13−1乃至13−5の何れもOFFとなる。
時刻t4で、ドット13−1,13−3,13−5が「出力(ON)」になる。
コード認識装置3の認識部33は、この3個のドット13−1,13−3,13−5で、単位パターンの向きを認識する。ここでは、認識部33は、ドット13−1が頂点であり、ドット13−1乃至13−5の中心からドット13−1を正の向きとして認識する。
【0058】
次の時刻t5で、頂点のドット13−1以外のドット13−2乃至13−5がOFFとなる。
その後、頂点のドット13−1のみが基準として「出力(ON)」が継続され、ドット13−2乃至13−5のON/OFFで情報(パターンコードの一部の情報)が出力される。
【0059】
スタンプ部16が載置されたタッチパネル31では、スタンプ部16が載置表面で滑って直線移動する場合がある。この場合でも、認識部33は、頂点のドット13−1の移動に応じて、各単位パターンの他のどのドットが「出力(ON)」しているかを認識できる。
通常、意識的に回転動作を加えない限り、載置した瞬間にスタンプ部16が回転することは極めて少ないと考えられることから、直線移動による誤認識が発生しないように認識精度を確保すれば足りる。この単位パターンの向きは、タッチパネル31の面に対して、当然、スタンプ部16がどのような回転角で載置されかも認識できる。
【0060】
ドット13−2乃至13−4のON/OFFにより、1個のドットで1bit、空間的に所定の距離を空けて配置された4個のドットで情報を定義することで、1つの単位パターンで4bitを定義することができる。従って、単位パターンを時間方向に8コ配置することで(単位パターンを8回ON/OFF)すると、32bit(約40億コード)の情報を出力することができる。
【0061】
ここで、本実施形態では、コード発生装置1から出力されたコードを取得した旨を、コード認識装置3からコード発生装置1に対して送信できない。従って、コード発生装置1は、パターンコードの出力(複数の単位パターンの時間方向の配置)を繰り返し実行することで、パターンコードを確実に送信できる。
また、本実施形態は例示にしか過ぎないので、図示せぬ無線、音、光等の様々な手法で、コード認識装置3からコード発生装置1に対して、パターンコード(情報)の取得完了を通知してもよい。これにより、コード発生装置1側での繰り返しの出力が不要になる。
このようなパターンコード(情報)の取得完了の通知の一般的な手法としては、タッチパネル31や別途用意するディスプレイに、パターンコード(情報)の取得完了を示す画像を表示させる手法がある。さらに一方、コード認識装置3がパターンコード(情報)の取得完了を示すドットパターン等の二次元コードやカラーコードを表示して、スタンプ部16の読取領域IAを介して情報読取部11により読み取ってもよい。
【0062】
また、単位パターンのON/OFFの時間間隔の長短を組合せると(単位パターンの時間方向の配置の距離組合せると)、より一段と膨大な量のパターンコード(情報)を出力することができる。
【0063】
コード認識装置3によりパターンコードが読み取られた後、スタンプ部16をタッチパネル31上で移動させて操作を行いたい場合がある。この場合、パターンコードの出力完了後、ドット13−1,13−3,13−4を「出力(ON)」にすることにより、コード認識装置3の認識部33は、スタンプ部16の位置(中心位置やスタンプ部16の外形等)とスタンプ部16の回転角を認識することができる。これにより、タッチパネル31に表示された画像に基づく操作が可能になる。
ここで、繰り返し単位パターンによる情報が出力されている場合、ユーザが任意に終了したいときは、コード発生装置1に備えられた操作ボタン14を押下する。これにより、ドット13−1,13−3,13−4のみが「出力(ON)」となる。ユーザがスタンプ部16を所定の位置に移動させて、操作ボタン14を押下することにより、当該位置に配置された指示を選択することができる。これにより、ゲームから教育、ショッピング、通常のスマートフォンやPCの操作が容易にできる。
【0064】
なお、図7の例では、ドットを用いて説明したが、当然にドット以外の任意のシンボルを採用しても同様である。
また、同時に認識できるシンボルの数、認識できるシンボルの大きさ、シンボルとシンボルの空間的な配置間隔、シンボルの出力時間、シンボルの出力終了と次のシンボルの出力開始時間までの空隙時間(タッチパネル31の性能によっては空隙時間を設けなくてもよいし、次のシンボルの出力が重複してもよい。)は、コード認識装置3の性能や処理プログラムの速度等を勘案し、任意に設定することができる。
【0065】
例えば7個以上のシンボルを用いて、3個以上のシンボルを基準シンボルとして継続して常に「出力(ON)」とすることにより、スタンプ部16がタッチパネル31上で滑動や回転する場合であっても、コード認識装置3の認識部33は、「出力(ON)」している他の情報シンボルを正確に認識できる。その結果、コード発生装置1は、図7の例と同一の32bit(約40億コード)を出力することができる。
【0066】
また、図7の例のマルチドットパターンを採用することで、最初に入力した所定情報Cとは別の情報に関するパターンコードを所定の方法で新たに出力する場合や、コード発生装置1から出力されるパターンコードが、無線等によって随時変化する場合であっても、容易に対応可能である。即ち、コード発生装置1は、可変的に情報を出力することもできる。
【0067】
以上、図4のスタンプタイプのコード発生装置1について説明したが、特にこれに限定されない。
そこで以下、ペンタイプのコード発生装置1について説明する。
【0068】
図8は、ペンタイプのコード発生装置1の構成の一例を示す模式図である。
具体的には、図8(A)は、コード発生装置1の外観構成の一例を示す側面図である。図8(B)は、コード発生装置1の外観構成の一例を示す下面図である。図8(C)は、コード発生装置1の表面の内部構成の一例を示す図である。図8(D)は、コード発生装置1の裏面の内部構成の一例を示す図である。
【0069】
図9は、ペンタイプのコード発生装置1の構成の一例であって、図8とは異なる例を示す模式図である。
具体的には、図9(A)は、コード発生装置1の外観構成の一例を示す側面図である。図9(B)は、コード発生装置1の外観構成の一例を示す下面図である。図9(C)は、コード発生装置1の表面の内部構成の一例を示す図である。図9(D)は、コード発生装置1の裏面の内部構成の一例を示す図である。
なお、以下、図8及び図9中下方、即ち、媒体2やコード認識装置3に対して対向させる方向を、「下」として説明する。
【0070】
図8に示す様に、ペンタイプのコード発生装置1は、情報読取部11と、コード発生部12と、コード出力部13と、操作ボタン14と、電源ボタン15と、CPU17と、内部メモリ18と、PCBA19と、USB端子20と、スピーカ21と、無線デバイス24と、電源部25とを備える。これらの構成要素は、配置の違いはあるが、図4の同一符号のものと同様の機能と構成を有している。従って、これらの構成要素の説明は、ここでは省略する。
【0071】
ペンタイプのコード発生装置1の下端には、コード出力部13が設けられている。
図8の例では、円状の情報読取領域IAを覆うように、同心円状の1つのシンボルが、コード出力部13として設けられている。
図9の例では、円状の情報読取領域IAとは離間して、ドット状の1つのシンボルが、コード出力部13として設けられている。このシンボルは、ボールペンやスタイラスペンのペン先部としても機能する。つまり、図9の例のペンタイプのコード発生装置1は、手書き機能を有している。
【0072】
ペンタイプのコード発生装置1にはまた、ペン先スイッチ81が設けられている。
ペン先スイッチ81は、コード出力部31が押圧されるとON状態になり、押圧が解放されるとOFF状態になるスイッチである。
例えば、コード出力部31が媒体2に対して押圧されると、ペン先スイッチ81がON状態となり、情報読取装置11による所定情報Cの読み取りが開始される。
例えば、コード出力部13がタッチパネル31に対して押圧されると、ペン先スイッチ81がON状態となり、コード出力部13はパターンコードの出力を開始する。
なお、ペン先スイッチ81は、ペンタイプのコード発生装置1にとって必須な構成ではない。
【0073】
ペンタイプのコード発生装置1のコード出力部31は、1つのシンボルを有しているため、当該シンボルの時間方向の配置の組合せにより、パターンコードを出力している。
ここで、シンボルの時間方向の配置の組合せとは、単なる「出力(ON)」の時間方向の配置有無の組合せのみならず、「出力(ON)」の時間(以下「出力時間」と呼ぶ)を可変として、当該出力時間による組合せや、「出力(ON)」と「出力(ON)」の間の時間間隔(以下、「空隙時間」と呼ぶ)を可変として、当該空隙時間による組合せや、「出力(ON)」の強度(以下、「出力強度」と呼ぶ)を可変として、当該強度による組合せを採用することができる。
【0074】
以下、このようなペンタイプのコード発生装置1のパターンコードの出力形態(シンボルの配置パターン)の具体例について説明する。
【0075】
図10は、シンボルの出力時間の間隔でパターンコード(情報)を出力する場合の具体例を示している。
【0076】
図10(A)に示すように、複数種類の出力時間の間隔を設定する。具体的には例えば、50m秒、100m秒、150m秒、200m秒のT1〜T4を出力時間の4種(2bit)として、8回出力することにより、ペンタイプのコード発生装置1のように1つのシンボル出力の時間変化だけで65536個(16bit)のパターンコードを出力することができる。
シンボルの空隙時間・出力強度やシンボルの形状・大きさ・配置パターンなどと組み合わせることにより、膨大なパターンコード(情報)を出力することができる。
上記出力時間は、各々を判別できれば任意の時間間隔でよく、種類・出力回数も任意であり、パターンコード数を自由に設定できる。なお、図10(A)の例では、シンボル出力間の空隙時間は一定としている。
なお、毎回出力されるシンボルの大きさや配置、強度が異なる場合は、シンボル出力間の空隙はなくてもよい。
【0077】
また例えば、図10(B)に示すように、基準となる出力時間(以下、「基準出力時間」と呼ぶ)で先頭に「出力(ON)」をし、その基準出力時間から、他のシンボルの出力時間を認識することもできる。
ここでは、基準出力時間を250m秒とし、その1/5(50m秒),2/5(100m秒),3/5(150m秒),4/5(200m秒)のT1〜T4を出力時間の4種(2bit)として、シンボルを8回出力することにより、65536個(16bit)のパターンコードを出力できる。
シンボルの認識欠落や誤認を防ぐため、基準出力時間250m秒以降の情報出力を複数回繰り返してもよい。
【0078】
また例えば、図10(C)に示すように、基準出力時間での「出力(ON)」を先頭に1回以上行い、その基準出力時間での「出力(ON)」の個数をインデックスとして、パターンコードをブロック化して出力することもできる。ここでは、2個の異なるパターンコードのインデックスとして、基準出力時間T1でシンボルを1回および2回出力した後、2個のブロック化したパターンコードを出力する。これにより、ペンタイプのコード発生装置1のように1つのシンボル出力の時間変化だけで、4294967296個(32bit)の情報を出力することができる。インデックスは昇順にする必要もなく、任意に設定でき、パターンコードでシンボルを出力する回数も任意に設定できる。
【0079】
図11は、シンボルの空隙時間の間隔でパターンコード(情報)を出力する場合の具体例を示している。
【0080】
図11(A)に示すように、複数種類の空隙時間の間隔を設定する。具体的には例えば、50m秒、100m秒、150m秒、200m秒のT1〜T4を空隙時間の4種(2bit)として、8回出力することにより、ペンタイプのコード発生装置1のように1つのシンボル出力の時間変化だけで65536個(16bit)のパターンコードを出力することができる。
シンボルの出力時間・出力強度やシンボルの形状・大きさ・配置パターンなどと組み合わせることにより、膨大なパターンコード(情報)を出力することができる。
上記空隙時間は、各々を判別できれば任意の時間間隔でよく、種類・出力回数も任意であり、パターンコード数を自由に設定できる。なお、図11(A)の例では、シンボルの出力時間は一定としている。
【0081】
また例えば、図11(B)に示すように、基準となる空隙時間(以下、「基準空隙時間」と呼ぶ)で先頭に「出力(ON)」をし、その基準空隙時間から、他のシンボルの空隙時間を認識することもできる。
ここでは、基準空隙時間を250m秒とし、その1/5(50m秒),2/5(100m秒),3/5(150m秒),4/5(200m秒)のT1〜T4を空隙時間の4種(2bit)として、シンボルを8回出力することにより、65536個(16bit)のパターンコードを出力できる。
シンボルの認識欠落や誤認を防ぐため、基準空隙時間250m秒以降の情報出力を複数回繰り返してもよい。
【0082】
また例えば、図11(C)に示すように、基準空隙時間での「出力(ON)」を先頭に1回以上行い、その基準出力時間での「出力(ON)」の個数をインデックスとして、パターンコードをブロック化して出力することもできる。ここでは、2個の異なるパターンコードのインデックスとして、基準空隙時間T1でシンボルを1回および2回出力した後、2個のブロック化したパターンコードを出力する。これにより、ペンタイプのコード発生装置1のように1つのシンボル出力の時間変化だけで、4294967296個(32bit)の情報を出力することができる。インデックスは昇順にする必要もなく、任意に設定でき、パターンコードでシンボルを出力する回数も任意に設定できる。
【0083】
図12は、シンボルの出力時間と空隙時間の間隔でパターンコード(情報)を出力する場合の具体例を示している。
【0084】
図12(A)に示すように、複数種類の出力時間と空隙時間の間隔を設定する。具体的には例えば、50m秒、100m秒、150m秒、200m秒のT1〜T4を出力時間と空隙時間の4種(2bit)として、8回出力することにより、ペンタイプのコード発生装置1のように1つのシンボル出力の時間変化だけで65536個(16bit)のパターンコードを出力することができる。
シンボルの出力強度やシンボルの形状・大きさ・配置パターンなどと組み合わせることにより、膨大なパターンコード(情報)を出力することができる。
上記出力時間と空隙時間は、各々を判別できれば任意の時間間隔でよく、種類・出力回数も任意であり、パターンコード数を自由に設定できる。
【0085】
また例えば、図12(B)に示すように、基準出力時間で先頭に「出力(ON)」をし、その基準空隙時間から、他のシンボルの出力時間と空隙時間を認識することもできる
ここでは、基準出力時間を250m秒とし、その1/5(50m秒),2/5(100m秒),3/5(150m秒),4/5(200m秒)のT1〜T4を出力時間と空隙時間の4種(2bit)として、シンボルを8回出力することにより、65536個(16bit)のパターンコードを出力できる。
シンボルの認識欠落や誤認を防ぐため、基準出力時間250m秒以降の情報出力を複数回繰り返してもよい。
【0086】
また例えば、図12(C)に示すように、基準出力時間での「出力(ON)」を先頭に1回以上行い、その基準出力時間での「出力(ON)」の個数をインデックスとして、パターンコードをブロック化して出力することもできる。ここでは、2個の異なるパターンコードのインデックスとして、基準出力時間T1でシンボルを1回および2回出力した後、2個のブロック化したパターンコードを出力する。これにより、ペンタイプのコード発生装置1のように1つのシンボル出力の時間変化だけで、4294967296個(32bit)の情報を出力することができる。インデックスは昇順にする必要もなく、任意に設定でき、パターンコードでシンボルを出力する回数も任意に設定できる。
【0087】
図13は、シンボルの出力強度でパターンコード(情報)を出力する場合の具体例を示している。
【0088】
図13(A)に示すように、複数種類の出力強度を設定する。具体的には例えば、静電容量を5ピコ、10ピコ、15ピコ、20ピコのP1〜P4をシンボル出力強度レベルの4種(2bit)として、8回出力することにより、ペンタイプのコード発生装置1のように1つのシンボル出力の時間変化だけで65536個(16bit)のパターンコードを出力することができる。
シンボルの出力時間・空隙時間やシンボルの形状・大きさ・配置パターンなどと組み合わせることにより、膨大なパターンコード(情報)を出力することができる。
上記強度レベルは、各々を判別できれば任意の強度でよく、種類・出力回数も任意であり、パターンコード数を自由に設定できる。
なお、毎回出力されるシンボルの大きさや配置、強度が異なる場合は、シンボル出力間の空隙はなくてもよい。
【0089】
また例えば、図13(B)に示すように、基準となる出力強度(以下、「基準出力強度」と呼ぶ)で先頭に「出力(ON)」をし、その基準出力強度から、他のシンボルの出力強度を認識することもできる
ここでは、基準出力強度を25ピコとし、その1/5( 5ピコ),2/5(10ピコ),3/5( 15ピコ),4/5(20ピコ)のP1〜P4を出力強度の4種(2bit)として、シンボルを8回出力することにより、65536個(16bit)のパターンコードを出力できる。
シンボルの認識欠落や誤認を防ぐため、基準出力強度25ピコ以降の情報出力を複数回繰り返してもよい。
【0090】
また例えば、図13(C)に示すように、基準出力強度での「出力(ON)」を先頭に1回以上行い、その基準出力強度での「出力(ON)」の個数をインデックスとして、パターンコードをブロック化して出力することもできる。ここでは、2個の異なるパターンコードのインデックスとして、基準出力強度P1でシンボルを1回および2回出力した後、2個のブロック化したパターンコードを出力する。これにより、ペンタイプのコード発生装置1のように1つのシンボル出力の時間変化だけで、4294967296個(32bit)の情報を出力することができる。インデックスは昇順にする必要もなく、任意に設定でき、パターンコードでシンボルを出力する回数も任意に設定できる。
【0091】
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0092】
例えば、コードを発生するためのシンボルの大きさや形状等の形態は、上述の実施形態においては固定とされたが、可変とされてもよい。
即ち、シンボルの形態を可変として、当該形態の組合せでパターンコードを定義することもできる。
図14は、シンボルの形態を可変する制御として矩形分割導電体制御を採用したコード出力部の例を示す図である。
図15は、シンボルの形態を可変する制御として円形分割導電体制御を採用したコード出力部の例を示す図である。
図14に示す格子状や、図15に示す撮影孔(情報読取領域IA)周辺でのドーム状に、複数の5mm程度の大きさの導電セルが隣あうように配置され、これらの導電セルを任意の個数の任意の組合せで「出力(ON)」できるように制御することで、シンボルの形態を可変にすることが実現される。その結果、シンボルの形態に基づいて、パターンコードを出力することができる。
【0093】
図16は、シンボルの形態でパターンコード(情報)を出力する場合の具体例を示す図である。
【0094】
図16(A)に示すように、導電セルを隣接して複数配置した状態で、各導電セルの出力のON/OFFのパターンを可変することで、ONの導電セルから形成されるシンボルの大きさや形状等の形態をユニークになるように制御することができる。そして、この制御により、パターンコードを出力することができる。
【0095】
例えば、図16(A)に示すように、5×5=25の導電セルを配置したものを例に考える。
例えば、図16(B)に示すように、4個のコーナーの内、所定の3個の導電セルを常時ONとし、1個を常時OFF(ここには導電セルを配置しなくてもよい)にして、他の導電セル25-4=21個の夫々のON/OFFを制御することにより、1回のシンボルの出力により、21bit(209715個)のコードを出力できる。この場合、パッチ模様となる。
ここで、情報量を多少減らして、ONする導電セルの集合の中に、OFFする導電セルを含まないようにしてもよい。
【0096】
図16(A)、(B)の例では、正方形の導電セルを正方形となるように配置したものが採用されたが、特にこれに限定されない。例えば、図16(C)のように、導電セルの形状は任意であり、どのような形状になるように配置してもよい。
また、図16の例では、基準となる導電セルを3個常時ONするようなシンボルを採用したが、形態がユニークとなるように導電体をONしたシンボルを採用して、このシンボルに基づいてパターンコードを出力してもよい。
さらに、これらの形態を変化させるシンボルを複数配置して、情報量を増大させてもよい。さらにまた、時間方向に複数回出力することにより、さらに情報量を増大させてもよい。
【0097】
ところで、コードに関する所定情報Cは、上述の実施形態ではカード等の媒体2に付されていたが、特にこれに限定されず、任意の場所に付すことができる。
例えば、コード認識装置3として機能する場合も含むスマートフォン、パーソナルコンピュータ、テレビジョン受像機等のディスプレイに、コードに関する所定情報Cが表示されてもよい。
【0098】
図17は、ディスプレイに表示されたドットコード(所定情報C)をコード発生装置1が取得する様子を示す模式図である。
図17(A)に示すように、ディスプレイ100の所定の表示領域には、ドットコード(所定情報C)を示すドットパターンが表示される。
図17(B)に示すように、ディスプレイ100の表示面(ドットコード(所定情報C)を示すドットパターンが表示されている表示領域)にコード発生装置1が載置されると、当該コード発生装置1の情報読取部11は、ドットコード(所定情報C)を読み取る。
【0099】
ここで、ドットコード(所定情報C)が表示されるディスプレイは、特に限定されず、コード認識装置3として機能するスマートフォンのタッチパネル31のものであっても良い。
【0100】
図18は、コード認識装置3のタッチパネル31に表示されたドットコード(所定情報C)をコード発生装置1が取得する様子を示す模式図である。
図18(A)に示すように、コード認識装置3のタッチパネル31の所定の表示領域には、ドットコード(所定情報C)を示すドットパターンが表示される。
図18(B)に示すように、コード認識装置3のタッチパネル31の表示面(ドットコード(所定情報C)を示すドットパターンが表示されている表示領域)にコード発生装置1が載置されると、当該コード発生装置1の情報読取部11は、ドットコード(所定情報C)を読み取る。
【0101】
図18の例の場合、次のような一連の処理をすることで、データの出力と受信の確認ができる。
先ず、ドットコード(所定情報C)を示すドットパターンが形成された媒体2から、コード発生装置1の情報読取部11は、ドットコード(所定情報C)を読み取る。
コード発生装置1のコード出力部13は、ドットコード(所定情報C)を所定のパターンコードとして、コード認識装置3として機能するスマートフォンのタッチパネル31に出力する。
当該スマートフォンのタッチパネル31は、認識したドットコード(所定情報C)を示すドットパターンを表示する。
コード発生装置1の情報読取部11は、スマートフォンのタッチパネル31から発する光を撮影することで、ドットコード(所定情報C)を読み取る。これにより、コード発生装置1のコード出力部13が出力したパターンコードから、認識したドットコード(所定情報C)を示すドットパターンを表示して、コード発生装置1の情報読取部11が読取、同一の所定情報Cであれば、誤認を完全に排除でき、極めてセキュリティ性の高い認証システムが実現できる。
他の実施例としては、ドットコード(所定情報C)を示すドットパターンが形成された媒体2から、ドットコード(所定情報C)を読み取る必要はなく、コード認識装置3として機能するスマートフォンのタッチパネル31に、グラフィックやテキストと共に表示した所定のドットパターンを、ユーザが選択して、コード発生装置1をその個所に載置して情報読取部11が読み取り、コード認識装置3から情報を読み取ることができる。この一連の操作により、ドットコード(所定情報C)を示すドットパターンが形成された媒体2を使用することなく、スマートフォンのタッチパネル31上に表示された、ドットパターンと共に表示されたアイコンやグラフィックやテキストを選択して、ショッピングやゲーム、学習等、様々なコンテンツをインタラクティブに操作できる。これらは、指によるタッチと比較し、コード発生装置1から出力されるパターンコードを認識し、誰が操作しているかを特定することができる。これにより、ショッピングでは、購入するユーザを特定し何を購入したかを認識することができ、ゲームでは、複数人が参加している場合、誰が操作したかを特定し、対戦ゲームなどを容易に実現できる。さらに、操作ボタンを操作したり、コード発生装置1を移動・回転させることによって、それらの情報もコード認識装置3が認識し、インタラクティブに楽しめるな無限のコンテンツを実現できる。
このような一連の処理をすることで、データの出力と受信の確認ができる。
また、スマートフォンのタッチパネル31上のコード発生装置1の載置位置を、当該コード発生装置1が取得でき、さらにそれに対応するパターンコードも出力することができる。
【0102】
この場合、媒体2において、印刷物に赤外線吸収インクでドットを重畳印刷して、情報読取部11が赤外線領域でドットのみを抽出する場合、赤外線LEDにて媒体2を照射する必要がある。コード発生装置1がペンタイプならば、周辺から太陽光が入り込むおそれがあるので、赤外線透過フィルターは必要となる。一方、コード発生装置1がペンスタンプタイプならば、周辺から太陽光が入り込むおそれが無いので、赤外線に反応するインクで印刷されたドットだけを撮像することができるため、赤外線透過フィルターは不要となる。なお、照射する赤外線は紫外線でもよく、紫外線に反応するインクでドットを印刷すればよい。
【0103】
また、スマートフォンのタッチパネル31等のディスプレイに表示されたドットパターンを情報読取部11が読み取る場合、可視光領域で読み取ることになる。
赤外線LEDから照射された赤外線は、ディスプレイでは反射して戻ってくることは無いため、情報読取部11は、反射する赤外線を撮影しない。
一方、スタンプタイプのコード発生装置1ならば、上述の如く、赤外線透過フィルターを設けていないので、情報読取部11は、ディスプレイからの可視光を撮影することができる。即ち、情報読取部11は、ディスプレイに表示されたドットパターンから、ドットコード(所定情報C)を読み取ることができる。
このように、情報読取部11は、ディスプレイ赤外線吸収インクで印刷されたドットパターンも、ディスプレイに表示された(可視光で発光する)ドットパターンも撮影して、ドットコード(所定情報C)を読み取ることができ、どのような媒体に形成されたドットパターンであっても、正確にドットコードを読み取ることができる。さらに、コード発生装置1が2個または3個以上の導電体から連続して出力していれば、どのようにコード発生装置1をディスプレイ上で移動・回転させても、それらの位置および操作状況を認識することができ、回転を認識しづらいユーザの指の操作を遥かに超える情報をコード認識装置3が認識することができる。そもそも、指の操作では、誰の指か、どの指かを認識することはできない。
ただし、2個の導電体の出力の場合は、コード認識装置3において、方向と配置を認識するために2個の導電体からの出力が始点か終点であるかを追跡して、移動・回転中に常時認識し続ける必要がある。3個以上の場合は、ユニークな配置(360度回転しないと同じ配置にならない配置)であれば、コード認識装置3において、コード発生装置1がどのように位置しているかを一意に認識できる。
【0104】
換言すると、情報読取部11は、上述の実施形態に限定されず、所定情報Cが読み取れるものであれば任意のものを採用することができる。
例えば、ドットコード等の2次元コード(所定情報C)を読み取る光学読み取りセンサ、電磁波読み取り装置等を、情報読取部11として採用することができる。
スタンプタイプのコード発生装置1の情報読取装置11として光学読み取りセンサを採用した場合、上述の如く、IRLEDで照射することで、印刷媒体では赤外線領域で、ディスプレイでは可視光領域で、ドットコード等の2次元コード(所定情報C)を読み取ることができる。
【0105】
例えば、スタンプタイプのコード発生装置1のスタンプ部16の大きさや形状等の形態は、上述の実施形態に特に限定されない。
例えば、スタンプ部16は、ケースを覆うように大きくして、ドット(導電体)の配置の自由度を高めてもよい。これにより、載置時のコード発生装置1の安定を図ることもできる。
【0106】
また例えば、コード発生装置1は、スマートフォン等のコード認識装置3に対してパターンコードを送信するのみならず、当該コード認識装置3からの情報を受信できるようにしてもよい。この場合の通信の方式は特に限定されず、無線通信、音声感知、光感知等を採用することができる。
【0107】
また、例えば、コード認識装置3による、コード出力部11のシンボルの「出力(ON)」の検出方式は、上述の実施形態の方式、即ち静電容量式のタッチパネル31を用いた方式に限定されず、光センサ、圧力センサ等任意のセンサを用いる方式でよい。
【0108】
以上まとめると、本発明が適用されるコード発生装置及びコード認識装置は、次のような構成を取れば足り、上述の実施形態を含め各種各様な実施の形態をとることができる。
【0109】
即ち、本発明が適用されるコード発生装置は、
所定情報を読取る情報読取部と、
前記所定情報に関するコードであって、1以上のシンボルの空間方向と時間方向の少なくとも一方の配置パターンで表すコードを、パターンコードとして発生するコード発生部と、
前記パターンコードが発生する毎に、前記1以上のシンボルの夫々について、センサの反応可否に基づく出力有無を、前記パターンコードを示す前記配置パターンに従って変化させることで、当該パターンコードを出力するパターンコード出力部と、
を備える。
【0110】
前記センサは、タッチパネルに含まれる、静電容量式の位置入力センサであり、
前記パターンコード出力部は、
前記パターンコードが発生する毎に、前記1以上のシンボルの夫々について、前記静電容量式の位置入力センサの反応可否に基づく出力有無を、前記パターンコードを示す前記配置パターンに従って変化させることで、当該パターンコードを出力する、
ようにすることができる。
【0111】
前記パターンコードは、
複数のシンボルの夫々が空間方向に予め規定された位置に配置されたパターンを、基本パターンとして、
前記基本パターンに含まれる前記複数のシンボルの夫々について、前記センサの反応可否が定義されたパターンを、単位パターンとして、
前記単位パターンに基づいて定義されている、
ようにすることができる。
【0112】
前記パターンコードは、
複数種類の前記単位パターンの時間方向の配置の組合せに基づいて定義されている、
ようにすることができる。
【0113】
前記パターンコードは、前記シンボルの時間方向の配置の組合せに基づいて定義されている、
ようにすることができる。
【0114】
前記シンボルの時間方向の配置の組合せは、前記シンボルの出力時間を可変とした場合における、当該出力時間による組合せである、
ようにすることができる。
【0115】
前記シンボルの時間方向の配置の組合せは、前記シンボルの出力の間の空隙時間を可変とした場合における、当該空隙時間による組合せである、
ようにすることができる。
【0116】
前記シンボルの時間方向の配置の組合せは、前記シンボルの出力時間及び空隙時間を可変とした場合における、当該出力時間及び当該空隙時間による組合せである、
ようにすることができる。
【0117】
前記シンボルの時間方向の配置の組合せは、前記シンボルの出力強度を可変とした場合における、当該出力強度による組合せである、
ようにすることができる。
【0118】
前記パターンコードは、前記シンボルの形態を可変とした場合における、当該形態に基づいて定義されている、
ようにすることができる。
【0119】
前記センサの検出面に前記コード発生装置が載置された状態で前記検出面とは反対側に配置される、ユーザにより操作される操作部をさらに備える、
ようにすることができる。
【0120】
前記操作部による操作は、少なくとも前記情報読取部又は前記パターンコード発生部を起動させる操作を含む、
ようにすることができる。
【0121】
前記センサの検出面に前記コード発生装置が載置されたことを条件に、少なくとも前記情報読取部又は前記パターンコード発生部を起動させる起動部をさらに備える、
ようにすることができる。
【0122】
前記起動部は、前記センサの検出面への前記コード発生装置の載置がなされた場合にON状態となり、当該載置が解除された場合にOFF状態となるスイッチを含む、
ようにすることができる。
【0123】
前記コード発生装置を操作するユーザの生体情報を検出し、その検出結果を用いて当該ユーザを認証する生体認証部をさらに備える、
ようにすることができる。
【0124】
発生された前記パターンコードに関する情報をユーザに提示する提示部をさらに備える、
ようにすることができる。
【0125】
前記コード発生装置は、前記パターンコードの消去が指示された場合、前記複数のシンボルの全てを前記センサが反応しないように変化させるコード消去部をさらに備える、
ようにすることができる。
【0126】
前記情報読取部により読み取られる前記所定情報は、2次元コードである、
ようにすることができる。
【0127】
前記2次元コードはドットコードである、
ようにすることができる。
【0128】
前記情報読取部により読み取られる前記所定情報は、所定の表示デバイスに表示された情報である、
ようにすることができる。
【0129】
前記情報読取部により読み取られる前記所定情報は、所定の波長の光に反応する情報であり、
前記所定情報に対して、前記所定の波長の光を照射する照射部と、
前記表示デバイスの表示面に前記コード発生装置が載置された状態で、外光を遮断する遮断部と、
をさらに備えるようにすることができる。
【0130】
本発明が適用されるコード認識装置は、
上記記載のコード発生装置から発生された前記パターンコードを認識するコード認識装置であって、
前記所定情報を表示する前記表示デバイスと、
前記所定のセンサと、
前記コード発生装置の前記パターンコード出力部により前記センサの反応可否が変化した前記1以上のシンボルに対する、前記センサの検出結果に基づいて、当該1以上のシンボルの前記配置パターンを検出する検出部と、
検出された前記1以上のシンボルの前記配置パターンに基づいて、前記コード発生装置の前記コード発生部により発生された前記パターンコードを認識する認識部と、
を備える。
【0131】
前記表示デバイスと、前記センサとしての、当該表示デバイスの表示面に積層される静電容量式の位置入力センサとを含むタッチパネルを備える、
ようにすることができる。
【0132】
前記認識部は、前記パターンコードに加えてさらに、前記タッチパネルに対して接触又は近接させた前記コード発生装置の向き、移動の軌跡、若しくは前記タッチパネルに対して前記コード発生装置を接触又は近接させた回数、又はこれらのうち2以上の組合せを認識する、
ようにすることができる。
【0133】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えば汎用のパーソナルコンピュータであってもよい。
【0134】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布されるリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成される。リムーバブルメディアは、例えば、磁気ディスク(フロッピディスクを含む)、Blu−ray Disc(ブルーレイディスク)(登録商標)、光ディスク、又は光磁気ディスク等により構成される。光ディスクは、例えば、CD−ROM(Compact Disk−Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)等により構成される。光磁気ディスクは、MD(Mini−Disk)、等により構成される。また、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体は、例えば、プログラムが記録されているROMや、ハードディスク等で構成される。
【0135】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする。
【0136】
以上説明した本発明が適用されるコード発生装置は、コード認識装置側のセンサに応じた構成を取れば足り、特に限定されない。
例えば、コード発生装置がスタンプタイプであり、コード認識装置側のセンサが、タッチパネルに含まれる、静電容量式の位置入力センサである場合、パターンコード出力部は、図19乃至図21に示すように実現することができる。
なお、パターンコード出力部とタッチパネルとをあわせて、以下、「静電容量制御システム」と呼ぶ。
また、パターンコード出力部が、所定シンボルについて、センサの反応可否に基づく出力有無を、前記パターンコードを示す前記配置パターンに従って変化させ、タッチパネル(位置入力センサ)が、出力されたシンボルを検出することを実現する制御を、以下「スタンプ導電体のタッチパネル静電容量検出制御」と呼ぶ。
【0137】
換言すると、図19乃至図21は、スタンプ導電体のタッチパネル静電容量検出制御の原理を説明する図である。
【0138】
図19は、静電容量制御システムの構成例を示す模式図である。
コード認識装置は、静電容量検出型タッチパネルを有するスマートフォンやタブレットPCで構成されているものとする。
この場合、静電容量検出型タッチパネルは、所定の量の静電容量を有する導電体の接近により静電容量をタッチ操作として検出する。タッチパネルは、数ピコファラド(pF)以下の僅かな静電容量を検出してタッチ位置を取得する。
ここで、図19の静電容量制御システムでは、タッチパネルが検出することができない程度の、小さな静電容量の導電体をタッチパネルに接近させ、所定の方法で、大きな静電容量を有する導電体を電気的に接続させると、小さな静電容量の導電体が大きな静電容量を有する導電体となり、タッチパネルが検出することができる。この原理を用いて、1以上の静電容量の小さい導電体をシンボルの少なくとも一部として、下部に配置したコード発生装置のパターンコード出力部において、導電体の大きな静電容量の配置または時間方向の静電容量の変化の少なくともいずれかが制御されることで、コード認識装置側のタッチパネルが当該静電容量を検出し、当該コード認識装置の認識部は、パターンコードを認識する。
【0139】
図20Aは、図19の静電容量制御システムに採用可能な各種半導体スイッチの構成例を示している。
なお、半導体スイッチの他、様々なスイッチを用いてよい。
【0140】
次に、図20Bを参照して、図20Aの半導体スイッチをOFFにした場合の静電容量の極少化の概要について説明する。
図20Bは、図20Aの半導体スイッチのOff時の電流低減システムを説明するための模式図である。
半導体スイッチは、OFFにした場合でも僅かな電流が流れるため、その結果、導電体は、タッチパネルが検出する程度の静電容量を保有し続ける場合がある。
タッチパネルにコード発生装置を載置したまま、静電容量を時間方向に変化させてパターンコードを出力する場合や、コード発生装置を載置したまま所定の方法(操作ボタンの操作やディスプレイに表示された2次元コードの取得、プログラムによる自働制御)で新たなパターンコードを出力する場合、それまでに導電を検出していた導電体を継続して検知してはならない。そのためには、静電容量を検知しない程度に電流量を極小に抑えるために、各スイッチで十分に高いインピーダンスを確保することが必要となる。一つの方策としては、図20Bのように、半導体(トランジスタ、FET)を2段に直列に配置して、電流量を低減させ静電容量をタッチパネルの検出量以下にして、タッチパネルが導電体を検出しないようすることができる。2段の直列では、十分でない場合、段数をさらに増やしてもよい。さらに、高周波用として作られたトランジスタ、FET、MOS FETなどは電流を大幅に低下させることができ、静電容量を極小にすることができる。
以上に記述した、パターンコード出力部16を構成する複数のドット毎に、パターンコードに応じる、タッチパネル31への反応可否は、導通/非導通と説明しているが、導電体等の導通/非導通または静電容量の変化によることを含んでいる。また、パターンコード出力部16を構成する複数のドットは、面積の無い点ではなくタッチパネル31への反応可否が可能な所定の面積を有するシンボルである。このシンボルは任意の形状のシンボルである。同一形状、同一面積である必要もない。なお、上記ドットは、前記情報読取部が読み取るドットパターンやドットコードのドットとは全く異なることは言うまでもない。なお、ドットパターンは媒体(あらゆる造形物を含む)に形成(印刷や刻印、ディスプレイ表示等の光学的に形成されるものも含む)された複数のドットから構成される2次元コードである。この2次元コードはドットパターンを読み取って(撮影や撮像を含む)求めた数値情報(コード)であるドットコードである。所定情報Cは、バーコードやQRコード(登録商標)、ドットコード、カラーコード等の二次元コードや無線情報記録媒体に記録された数値情報(コード)を含んでいる。上記は、以降の実施例でも同様の意味を示す。
図20A(A)のバイポーラトランジスタのコレクタ回路、図20A(B)(C)のMOSトランジスタ(FET)のドレイン回路には電源を接続した。しかし、これらをスイッチとして用いる場合には、電源を設けなくてもよい。図21(A)に電源を省略してバイポーラトランジスタをスイッチとして用いる回路の構成を例示する。また、21(B)に電源を省略してMOSトランジスタ(FET)をスイッチとして用いる回路の構成を例示する。なお、すでに図20Bで述べた通り、図21(A)(B)のように、トランジスタを2段縦続接続することにより、コレクタ・ベース間の接合容量、エミッタ・ベース間の接合容量、ドレイン容量、ソース容量等の容量を低減できる。また、トランジスタを縦続接続する段数は、2段に限定される訳ではない。
【0141】
次に、図22以降の図面を参照して、コード発生装置1の上述の構成とは別の例について説明する。
【0142】
図22は、情報読取装置を備えたコード発生装置1の構成の一例を示す模式図である。
具体的には、図22(A)は、コード発生装置1の外観構成の一例を示す側面図である。図22(B)は、コード発生装置1の外観構成の一例を示す下面図である。図22(C)は、コード発生装置1の表面の内部構成の一例を示す図である。図22(D)は、コード発生装置1の裏面の内部構成の一例を示す図である。図22(E)は、コード発生装置1のスタンプ部16を拡大した外観構成の一例を示す側面図である。図22(F)は、コード発生装置1のスタンプ部16を拡大した表面の内部構成の一例を示す図である。
【0143】
図22に示す様に、スタンプタイプのコード発生装置1は、上述した情報読取部11と、コード発生部12と、コード出力部13とに加えてさらに、操作ボタン14と、電源ボタン15と、スタンプ部16と、CPU17と、内部メモリ18と、PCBA19と、USB端子20と、スピーカ21と、ボタンスイッチ22と、自重スイッチ23と、無線デバイス24と、電源部25とを備える。
【0144】
図22(A)において、操作ボタン14は、コード発生装置1の上端に設けられており、所定情報Cの読取り指示、パターンコードの出力ON/OFFの指示等、コード発生装置1の各種制御に対する指示操作をするためのボタンである。具体的には、操作ボタン14が押下されると、図22(C)に示す様に、コード発生装置1の内部に配置されるボタンスイッチ22が、ON又はOFFの状態のうち一方から他方の状態に切り替わる。なお、操作ボタン14の内部にLEDを設け、当該LEDの発光色や発光パターンで各種状態を表現してもよい。なお、操作ボタン14は、コード発生装置1にとって必須な構成ではない。また、操作ボタン14は、側面に設けてもよい。
電源ボタン15は、コード発生装置1の側面に設けられており、コード発生装置1に対する電源のON/OFFを切替えるためのボタンである。
【0145】
スタンプ部16は、図22(A)及び(E)に示す様に、コード発生装置1の下端に設けられている。スタンプ部16は、図22(B)に示す様に、複数のドットが所定のパターンで配置されて構成されるコード出力部13が設けられ、その中央部には孔があけられている。この孔の部分が、情報読取装置11により所定情報Cが読み取られる情報読取領域IAとなっている。情報読取装置11は、所定情報Cが形成された媒体面に接面して所定情報C読み取ってもよいし、当該媒体面から一定の距離を離して読み取ってもよい。
複数のシンボル周辺またはシンボルの載置側の表面には、コード認識装置3のタッチパネル31等のディスプレイを傷付けないように、非導電のゴムやシリコン、PET等の保護部材を設けてもよい。なお、スタンプ部16をディスプレイ上に移動させるならば、スタンプ部16の底面(保護部材があるならば、当該保護部材も含む)は、摩擦係数の低い材料を採用すると好適である。しかし、スタンプ部16をディスプレイ上で移動させないのであれば、摩擦係数の高い材料を採用すると好適である。コード認識装置3が、載置した際に滑らないようにして、瞬時に、確実にシンボルを認識できるようにするためである。
所定情報Cの読取りの際には、図2(B)に示す様に、スタンプ部16は媒体2のシンボルパターン(所定情報C)の上または上方に配置される。これにより、図22(C)に示す様に、所定情報Cは、読取領域IAを介して情報読取部11により読み取られる。
また、パターンコードを出力する際には、図3(B)に示す様に、スタンプ部16は、コード認識装置3のタッチパネル31のコード検出領域SPに接触又は近接する。より正確には、スタンプ部16に設けられたコード出力部13の複数のシンボルが、コード認識装置3のタッチパネル31のコード検出領域SPに接触又は近接する。ここで、複数のシンボルは、導電体等で構成され、パターンコードに応じて、タッチパネル31の反応可否(が制御されている。即ち、タッチパネル31は、複数のシンボルのうち、反応可とされたシンボル(その位置座標)のみを検出する。このようにして検出されたシンボルの配置パターン等に基づいて、パターンコードが認識される。
なお、複数のシンボルによるパターンコードの認識の具体例については、図6及び図7を参照して説明しているため省略する。
【0146】
図22(C)において、CPU17は、コード発生装置1の全体の制御処理、例えば所定情報Cの読取り、パターンコードの出力、プログラム更新、入出力デバイスの制御等に関する各種処理を実行する。CPU17は、所定のソフトウェアと協働することで、図2(C)のコード発生部12等の各種機能ブロックを機能させる。
内蔵メモリ18は、CPU17によって実行されるプログラムや、CPU17に使用される各種データ等が記憶される。
PCBA19は、コード発生装置1が図2に示す各種処理を実行するために必要な各種回路が実装された基盤である。
USB端子20は、コード発生装置1のプログラム更新、データ入出力、充電等が行われる際に、図示せぬ他の装置とUSB接続する。なお、USB端子20は、コード発生装置1にとって必須な構成ではない。
スピーカ21は、所定情報Cが読み取られた時、各種操作指示が行われた時、音声を含むコンテンツが再生される時等において、各種音声を出力する。
ボタンスイッチ22は、上述した様に、操作ボタン14の押下操作に応じて、ONとOFFの状態のうち一方から他方へ切り替えるスイッチである。ボタンスイッチ22は、シーソーボタンとしてどちらかを独立して異なる操作を指示するために独立して機能してもよい。
自重スイッチ23は、パターンコード出力部13を自重で起動させるスイッチである。ここで、起動させるとは、パターンコード出力部13を構成する複数のドット毎に、パターンコードに応じて、タッチパネル31への反応可否の状態を確立させることである。また、図2(B)に示す様に、スタンプ部16は媒体2のドットパターン(所定情報C)の上または上方に配置された際に、自重スイッチ23が自重で起動され、所定情報Cは、読取領域IAを介して情報読取部11により読み取られる。自重スイッチ23が自重で起動する機構は、電力を要するパターンコードの出力やドットパターン等の読取を、タッチパネル31および/または媒体2にコード発生装置1を載置した場合にのみに起動させることによって、大幅な省電力を図ることができる。さらに、自重ではスイッチが入らず、コード発生装置1を押し込むようにしてスイッチが入るようにしてもよい。なお、自重スイッチ23は、コード発生装置1にとって必須な構成ではない。
【0147】
図22(D)において、無線デバイス24は、サーバ4と無線通信して、読み取られた所定情報Cに対して、サーバ4等に照合する処理の様な出力等の制御処理に用いられる各種情報を授受するデバイスである。無線デバイス24は、パターンコードを無線で取得することもできる。なお、無線デバイス24は、コード発生装置1にとって必須な構成でない。
電源部25は、乾電池等、コード発生装置1に対して電力を供給する部である。従って、電源部25は、乾電池である必要は特に無く、充電池でもよい。この場合、充電の手法は、特に限定されず、USB端子20でのUSB接続による充電の手法を採用してもよいし、それ以外の手法を採用してもよい。また、外部の電力供給装置から電力を供給してもよい。電力の供給は上記を組み合わせてもよい。
【0148】
図22(F)に示すように、コード発生装置1のスタンプ部16の上方の内部にゴムやリング状のバネを設ける。コード発生装置1を多少斜めに載置しても、導電体配置面と、媒体入力装置面がぴったり接触できるようにするためである。また、コード発生装置1が、離反する際も、全ての導電体が同時に離反することで、パターンコードの誤認を抑えることができるためである。
なお、コード発生装置1のスタンプ部16の上方の内部にゴムやリング状のバネを設けることは、コード発生装置1にとって必須な構成ではない。
また、コード発生装置1は、コード発生装置1自体をケースで覆うように大きくして、導電体の配置の自由度を高めてもよい。また、コード発生装置1自体の大きさをおおきくすることにより、載置時のコード発生装置1の安定も図ることができる。
【0149】
図23は、情報読取装置を備えたコード発生装置1の構成の一例を示す模式図である。
具体的には、図23(A)は、コード発生装置1の外観構成の一例を示す側面図である。図23(B)は、コード発生装置1の外観構成の一例を示す下面図である。図23(C)は、コード発生装置1の表面の内部構成の一例を示す図である。
【0150】
図23に示す様に、スタンプタイプのコード発生装置1は、上述した情報読取部11と、コード発生部12と、コード出力部13とに加えてさらに、操作ボタン14と、電源ボタン15と、スタンプ部16と、CPU17と、内部メモリ18と、PCBA19と、USB端子20と、スピーカ21と、ボタンスイッチ22と、自重スイッチ23と、無線デバイス24と、電源部25と、情報読取指示切欠き部26と、フレキ27とを備える。
【0151】
図23(A)において、操作ボタン14は、コード発生装置1の上端に設けられており、所定情報Cの読取り指示、パターンコードの出力ON/OFFの指示等、コード発生装置1の各種制御に対する指示操作をするためのボタンである。具体的には、操作ボタン14が押下されると、図23(C)に示す様に、コード発生装置1の内部に配置されるボタンスイッチ22が、ON又はOFFの状態のうち一方から他方の状態に切り替わる。なお、操作ボタン14の内部にLEDを設け、当該LEDの発光色や発光パターンで各種状態を表現してもよい。また、操作ボタン14は、シーソーボタンとして、2種の操作機能を独立して与えてもよい。なお、操作ボタン14は、コード発生装置1にとって必須な構成ではない。また、操作ボタン14は、側面に設けてもよい。
電源ボタン15は、コード発生装置1の側面に設けられており、コード発生装置1に対する電源のON/OFFを切替えるためのボタンである。
【0152】
スタンプ部16は、図23(A)に示す様に、コード発生装置1の下端に設けられている。スタンプ部16は、図23(B)に示す様に、複数のシンボルが所定のパターンで配置されて構成されるコード出力部13が設けられ、その中央部より上方には孔があけられている。この孔の部分が、情報読取装置11により所定情報Cが読み取られる情報読取領域IAとなっている。所定情報Cが形成された媒体に接面して読み取ってもよいし、当該媒体から一定の距離を離して読み取ってもよい。
複数のシンボル周辺またはシンボルの載置側の表面には、コード認識装置3のタッチパネル31等のディスプレイを傷付けないように、非導電のゴムやシリコン、PET等の保護部材を設けてもよい。なお、スタンプ部16をディスプレイ上に移動させるならば、スタンプ部16の底面(保護部材があるならば、当該保護部材も含む)は、摩擦係数の低い材料を採用すると好適である。しかし、スタンプ部16をディスプレイ上で移動させないのであれば、摩擦係数の高い材料を採用すると好適である。コード認識装置3が、載置した際に滑らないようにして、瞬時に、確実にシンボルを認識できるようにするためである。
所定情報Cの読取りの際には、図2(B)に示す様に、スタンプ部16は媒体2のドットパターン(所定情報C)の上または上方に配置される。これにより、図23(C)に示す様に、所定情報Cは、読取領域IAを介して情報読取部11により読み取られる。
また、パターンコードを出力する際には、図3(B)に示す様に、スタンプ部16は、コード認識装置3のタッチパネル31のコード検出領域SPに接触又は近接する。より正確には、スタンプ部16に設けられたコード出力部13の複数のシンボルが、コード認識装置3のタッチパネル31のコード検出領域SPに接触又は近接する。ここで、複数のシンボルは、導電体等で構成され、パターンコードに応じて、タッチパネル31の反応可否が制御されている。即ち、タッチパネル31は、複数のシンボルのうち、反応可とされたシンボル(その位置座標)のみを検出する。このようにして検出されたシンボルの配置パターン等に基づいて、パターンコードが認識される。
なお、複数のシンボルによるパターンコードの認識の具体例については、図6及び図7を参照して説明しているため省略する。
【0153】
また、図23(A)に示すように、コード発生装置1のスタンプ部16の上方の外周にゴムやリング状のシリコンやゴムなどの緩衝材を設ける。コード発生装置1をディスプレイ面に強く設置しても、ショックを和らげ、多少斜めに載置しても、導電体配置面と、媒体入力装置面がぴったり接触できるようにするためである。また、コード発生装置1が、離反する際も、全ての伝導体が同時に離反することで、パターンコードの誤認を抑えることができるためである。
なお、コード発生装置1のスタンプ部16の上方の外周にゴムやリング状のシリコンやゴムなどの緩衝材を設けることは、コード発生装置1にとって必須な構成ではない。
また、コード発生装置1は、コード発生装置1自体をケースで覆うように大きくして、導電体の配置の自由度を高めてもよい。また、コード発生装置1自体の大きさをおおきくすることにより、載置時のコード発生装置1の安定も図ることができる。
【0154】
情報読取指示切欠き部26は、図23(B)に示すように、スタンプ部16の外周上に設けられている。情報読取指示切欠き部27は、コード発生装置1をコード認識装置3のディスプレイに載置して、小さなアイコンや文字、グラフィック等の対象画像を選択する場合に、対象画像の指示ポイントを正確に指示して所定情報Cを読取る。情報読取指示切欠き部27は、光学的な指示(例えば、レーザーポインター等)に代えてもよいし、それらを組み合わせてもよい。なお、具体的な指示ポイントの算定方法については、図32において後述する。
【0155】
図23(C)において、CPU17は、コード発生装置1の全体の制御処理、例えば所定情報Cの読取り、パターンコードの出力、プログラム更新、入出力デバイスの制御等に関する各種処理を実行する。CPU17は、所定のソフトウェアと協働することで、図2(C)のコード発生部12等の各種機能ブロックを機能させる。
内蔵メモリ18は、CPU17によって実行されるプログラムや、CPU17に使用される各種データ等が記憶される。
PCBA19は、コード発生装置1が図2に示す各種処理を実行するために必要な各種回路が実装された基盤である。
USB端子20は、コード発生装置1のプログラム更新、データ入出力、充電等が行われる際に、図示せぬ他の装置とUSB接続する。なお、USB端子20は、コード発生装置1にとって必須な構成ではない。
スピーカ21は、所定情報Cが読み取られた時、各種操作指示が行われた時、音声を含むコンテンツが再生される時等において、各種音声を出力する。
ボタンスイッチ22は、上述した様に、操作ボタン14の押下操作に応じて、ONとOFFの状態のうち一方から他方へ切り替えるスイッチである。ボタンスイッチ22は、シーソーボタンとしてどちらかを独立して異なる操作を指示するために独立して機能してもよい。
自重スイッチ23は、パターンコード出力部13を自重で起動させるスイッチである。ここで、起動させるとは、パターンコード出力部13を構成する複数のシンボル毎に、パターンコードに応じて、タッチパネル31への反応可否の状態を確立させることである。また、図2(B)に示す様に、スタンプ部16は媒体2のドットパターン(所定情報C)の上または上方に配置された際に、自重スイッチ23が自重で起動され、所定情報Cは、読取領域IAを介して情報読取部11により読み取られる。自重スイッチ23が自重で起動する機構は、電力を要するパターンコードの出力やドットパターン等の読取を、タッチパネル31および/または媒体2にコード発生装置1を載置した場合にのみに起動させることによって、大幅な省電力を図ることができる。さらに、自重ではスイッチが入らず、コード発生装置1を押し込むようにしてスイッチが入るようにしてもよい。なお、自重スイッチ23は、コード発生装置1にとって必須な構成ではない。
【0156】
図23(C)において、無線デバイス24は、サーバ4と無線通信して、読み取られた所定情報Cに対して、サーバ4等に照合する処理の様な出力等の制御処理に用いられる各種情報を授受するデバイスである。無線デバイス24は、パターンコードを無線で取得することもできる。なお、無線デバイス24は、コード発生装置1にとって必須な構成でない。
電源部25は、乾電池等、コード発生装置1に対して電力を供給する部である。従って、電源部25は、乾電池である必要は特に無く、充電池でもよい。この場合、充電の手法は、特に限定されず、USB端子20でのUSB接続による充電の手法を採用してもよいし、それ以外の手法を採用してもよい。また、外部の電力供給装置から電力を供給してもよい。電力の供給は上記を組み合わせてもよい。
フレキ27は、コード発生装置1を斜めに載置しても、情報読取部11を設けたPCBA19が機能するように、PCBA19とフレキシブルに配線される。
【0157】
図24は、情報読取装置を備えないコード発生装置1の構成の一例を示す模式図である。
具体的には、図24(A)は、コード発生装置1の外観構成の一例を示す側面図である。図24(B)は、コード発生装置1の外観構成の一例を示す下面図である。図24(C)は、コード発生装置1の表面の内部構成の一例を示す図である。図24(D)は、コード発生装置1の裏面の内部構成の一例を示す図である。図24(E)は、コード発生装置1のスタンプ部16を拡大した外観構成の一例を示す側面図である。図24(F)は、コード発生装置1のスタンプ部16を拡大した表面の内部構成の一例を示す図である。
【0158】
図24に示す様に、スタンプタイプのコード発生装置1は、上述したコード発生部12と、コード出力部13とに加えてさらに、操作ボタン14と、電源ボタン15と、スタンプ部16と、CPU17と、内部メモリ18と、PCBA19と、USB端子20と、スピーカ21と、ボタンスイッチ22と、自重スイッチ23と、無線デバイス24と、電源部25と、パターンコード入力装置301と、スピーカーダクト302と、パターンコード表示装置303と、パターンコード認識装置304と、電源スイッチ305とを備える。
【0159】
図24(A)において、操作ボタン14は、コード発生装置1の上端に設けられており、所定情報Cの読取り指示、パターンコードの出力ON/OFFの指示等、コード発生装置1の各種制御に対する指示操作をするためのボタンである。具体的には、操作ボタン14が押下されると、図24(C)に示す様に、コード発生装置1の内部に配置されるボタンスイッチ22が、ON又はOFFの状態のうち一方から他方の状態に切り替わる。なお、操作ボタン14の内部にLEDを設け、当該LEDの発光色や発光パターンで各種状態を表現してもよい。また、操作ボタン14は、第三者にパターンコードを設定させないように、目隠しのキャップを設けてもよい。なお、操作ボタン14は、コード発生装置1にとって必須な構成ではない。また、操作ボタン14は、側面に設けてもよい。
電源ボタン15は、コード発生装置1の側面に設けられており、コード発生装置1に対する電源のON/OFFを切替えるためのボタンである。
パターンコード入力装置301は、コード発生装置1の表面の上方に設けられており、パターンコードを設定するための装置である。具体的には、パターンコード入力装置301の数字が描かれたリングを回して、数字を所定の位置に合わせてパターンコードを設定する。パターンコード入力装置301の設定を開始する場合、パターンコード入力装置301は、通常使用しないような各種操作ボタンの操作の組み合わせで、数字の設定を複数回実施して記憶し、パターンコードを出力する。ここでは、図示しないが、パターンコード入力装置301は、数字が描かれたリングを回転鍵のように複数段配置してもよい。また、パターンコード入力装置301は、数字ボタンを複数配置してもよい。さらに、パターンコード入力装置301は、必要回数操作ボタンを押して設定してもよい。
スピーカーダクト302は、スピーカ21から出力された各種音声を排出する。
パターンコード表示装置303は、パターンコード入力装置301により設定されたパターンコードを確認するための表示装置である。パターンコード表示装置303は、例えば、液晶モニターを採用することができる。また、パターンコード表示装置303に、タッチパネルを設け、数字を表示させ、パターンコードをタッチして設定するようにすることもできる。
【0160】
スタンプ部16は、図24(A)及び(E)に示す様に、コード発生装置1の下端に設けられている。スタンプ部16は、図24(B)に示す様に、複数のシンボルが所定のパターンで配置されて構成されるコード出力部13が設けられている。
複数のシンボル周辺またはシンボルの載置側の表面には、コード認識装置3のタッチパネル31等のディスプレイを傷付けないように、非導電のゴムやシリコン、PET等の保護部材を設けてもよい。なお、スタンプ部16をディスプレイ上に移動させるならば、スタンプ部16の底面(保護部材があるならば、当該保護部材も含む)は、摩擦係数の低い材料を採用すると好適である。しかし、スタンプ部16をディスプレイ上で移動させないのであれば、摩擦係数の高い材料を採用すると好適である。コード認識装置3が、載置した際に滑らないようにして、瞬時に、確実にシンボルを認識できるようにするためである。
パターンコードを出力する際には、図3(B)に示す様に、スタンプ部16は、コード認識装置3のタッチパネル31のコード検出領域SPに接触又は近接する。より正確には、スタンプ部16に設けられたコード出力部13の複数のシンボルが、コード認識装置3のタッチパネル31のコード検出領域SPに接触又は近接する。ここで、複数のシンボルは、導電体等で構成され、パターンコードに応じて、タッチパネル31の反応可否が制御されている。即ち、タッチパネル31は、複数のシンボルのうち、反応可とされたシンボル(その位置座標)のみを検出する。このようにして検出されたシンボルの配置パターン等に基づいて、パターンコードが認識される。
なお、複数のシンボルによるパターンコードの認識の具体例については、図6及び図7を参照して説明しているため省略する。
【0161】
図24(C)において、CPU17は、コード発生装置1の全体の制御処理、例えばパターンコードの出力、プログラム更新、入出力デバイスの制御等に関する各種処理を実行する。CPU17は、所定のソフトウェアと協働することで、図2(C)のコード発生部12等の各種機能ブロックを機能させる。
内蔵メモリ18は、CPU17によって実行されるプログラムや、CPU17に使用される各種データ等が記憶される。
PCBA19は、コード発生装置1が図2に示す各種処理を実行するために必要な各種回路が実装された基盤である。
USB端子20は、コード発生装置1のプログラム更新、データ入出力、充電等が行われる際に、図示せぬ他の装置とUSB接続する。なお、USB端子20は、コード発生装置1にとって必須な構成ではない。
スピーカ21は、各種操作指示が行われた時、音声を含むコンテンツが再生される時等において、各種音声を出力する。
ボタンスイッチ22は、上述した様に、操作ボタン14の押下操作に応じて、ONとOFFの状態のうち一方から他方へ切り替えるスイッチである。ボタンスイッチ22は、シーソーボタンとしてどちらかを独立して異なる操作を指示するために独立して使用してもよい。
自重スイッチ23は、パターンコード出力部13を自重で起動させるスイッチである。ここで、起動させるとは、パターンコード出力部13を構成する複数のシンボル毎に、パターンコードに応じて、タッチパネル31への反応可否の状態を確立させることである。自重スイッチ23が自重で起動する機構は、電力を要するパターンコードの出力やドットパターンの読取を、タッチパネル31および/または媒体2にコード発生装置1を載置した場合にのみに起動させることによって、大幅な省電力を図ることができる。さらに、自重ではスイッチが入らず、コード発生装置1を押し込むようにしてスイッチが入るようにしてもよい。なお、自重スイッチ23は、コード発生装置1にとって必須な構成ではない。
パターンコード認識装置304は、パターンコード入力装置301から設定されたパターンコードを認識する装置である。具体的には、数字が描かれたリングの裏側に数字を認識できる材料や抵抗などを配置して、数字を認識する。また、パターンコード認識装置304は、他のどのような方法でも数字を認識できればよい。
【0162】
図24(D)において、無線デバイス24は、サーバ4と無線通信して、読み取られた所定情報Cに対して、サーバ4等に照合する処理の様な出力等の制御処理に用いられる各種情報を授受するデバイスである。無線デバイス24は、パターンコードを無線で取得することもできる。なお、無線デバイス24は、コード発生装置1にとって必須な構成でない。
電源部25は、乾電池等、コード発生装置1に対して電力を供給する部である。従って、電源部25は、乾電池である必要は特に無く、充電池でもよい。この場合、充電の手法は、特に限定されず、USB端子20でのUSB接続による充電の手法を採用してもよいし、それ以外の手法を採用してもよい。また、外部の電力供給装置から電力を供給してもよい。電力の供給は上記を組み合わせてもよい。
【0163】
図24(F)に示すように、コード発生装置1のスタンプ部16の上方の内部にゴムやリング状のバネを設ける。コード発生装置1を多少斜めに載置しても、導電体配置面と、媒体入力装置面がぴったり接触できるようにするためである。また、コード発生装置1が、離反する際も、全ての導電体が同時に離反することで、パターンコードの誤認を抑えることができるためである。
なお、コード発生装置1のスタンプ部16の上方の内部にゴムやリング状のバネを設けることは、コード発生装置1にとって必須な構成ではない。
また、コード発生装置1は、コード発生装置1自体のケースで覆うように大きくして、導電体の配置の自由度を高めてもよい。また、コード発生装置1自体の大きさをおおきくすることにより、載置時のコード発生装置1の安定も図ることができる。
【0164】
図25は、情報読取装置を備えないコード発生装置1の構成の一例を示す模式図である。
具体的には、図25(A)は、コード発生装置1の外観構成の一例を示す側面図である。図25(B)は、コード発生装置1の外観構成の一例を示す下面図である。図25(C)は、コード発生装置1の上方に造形物のカバーを被せた外観構成の一例を示す側面図である。図25(D)は、コード発生装置1のパターンコード設定リングの上面の一例を示す図である。図25(E)は、コード発生装置1のパターンコード設定リングの下面の一例を示す図である。図25(F)は、コード発生装置1のパターンコード設定・出力装置上面の一例を示す図である。図25(G)は、図25(D)とは異なるコード発生装置1のパターンコード設定リングの上面の一例を示す図である。図25(H)及び(I)は、図25(E)とは異なるコード発生装置1のパターンコード設定リングの下面の一例(真下を基準ドットとして右回りにパターンコードを設定した場合)を示す図である。
【0165】
図25に示す様に、スタンプタイプのコード発生装置1は、コード出力部13と、電源ボタン401と、パターンコード設定リング402と、パターンコード設定・出力装置403と、接点スイッチ404とを備える。なお、パターンコード設定リング402は、パターンコード設定リング上面402aとパターンコード設定リング下面402bから構成される。
【0166】
図25(A)において、電源ボタン401は、コード発生装置1の側面に設けられており、コード発生装置1に対する電源のON/OFFを切替えるためのボタンである。
また、パターンコード設定リング上面402aは、図25(D)の示すところ、設定番号が設けられている。この数字が描かれたリングを回して、数字を所定の位置(例えば、マークや刻印)に合わせてパターンコードを設定する。コード発生装置1は、設定を開始する場合、通常使用しないような各種操作ボタンの操作の組み合わせで設定を開始し、数字の設定を複数回実施して記憶しパターンコードを出力する。なお、コード発生装置1は、パターンコード設定用の専用のボタンを配置してもよい。
さらに、パターンコード設定リング下面402bは、図25(E)の示すところ、導電体が設けられている。
【0167】
パターンコード設定・出力装置403は、図25(B)に示す様に、コード発生装置1の下端に設けられている。
パターンコード設定・出力装置403の上面には、図25(F)に示すように、2個で1組の接点スイッチ404が8個設けられている。
パターンコード設定・出力装置403の下面には、図25(B)に示す様に、複数のシンボルが所定のパターンで配置されて構成されるコード出力部13が設けられている。
また、パターンコード設定・出力装置403の下面には、少なくとも1個(連続して隣り合う複数個でも7個以内であれば可能)に導電体が設けられ、 リングを回転することによって、所定の接点スイッチ8個のいずれかに接触し、当該接点スイッチをONにして、パターンコードを構成する1つの数値を定義することができる。例えば、4回の回転操作を行うと、12bit(4096コード)のパターンコードが設定できる。スイッチの個数は任意である。最初に、リングを取り付けたら、直ぐに回転操作を行い、数字を所定の位置に合わせた際に、所定の時間(例えば、1.0秒前後)を経過してから、次の回転操作を行えば、他のボタン操作をして設定(開始・終了)をしなくても、容易に番号を設定できる。同じ番号が続く場合は、一旦、回転させて、再度、同じ数字を所定の位置に合わせて所定期間を経過させればよい。必要な個数の番号を設定して自動的に終了となる。
【0168】
図25(C)において、フィギアや造形物の下部にパターンコード設定リングを固定して、スタンプの所定の位置に被せるように設置(取り外し可能)して、パターンコードを出力することができる。これにより、様々なフィギアや造形物を入力媒体面に載置することにより、対応するコンテンツを操作・閲覧できる。更に、フィギアや造形物を回転させて、新たなパターンコードを出力することもできる。また、パターンコード設定リングを取り替えることもできる。なお、接点スイッチ404は、光学スイッチ等、どのようなスイッチを使用しても構わない。
【0169】
図25(G)に示すように、パターンコードの設定後、第三者にパターンコードを設定させないように、目隠しのリングを上から取り付けてもよいし、パターンコード設定リング402を外して、さらに目隠しのリングを取り付けてもよい。また、パターンコード設定リング402を取り付けただけで、パターンコードを設定する場合、本実施例では、8個の接点スイッチにより、8bit(256コード)のパターンコードが設定できる。つまり、パターンコード設定リング下面402bには、様々な位置に導電体(通電体)が設けられ、その導電体により8個の接点スイッチでON/OFFによりパターンコードが設定できる。但し、三角マークや刻印をパターンコード設定リング上面402aに設け、それらを合わせる必要がある。この場合は、パターンコード設定リング上面402aに設定番号を設ける必要はない。
【0170】
以上、4種類のスタンプタイプを説明したが、これらに含まれる機構、機能を、適宜組み合わせて製品化してもいいことは言うまでもない。
【0171】
図26及び図27は、タッチパネル31が多点を検出可能な場合における、シンボルの配置パターン即ち、シンボルパターンの具体例を示している。
【0172】
図26及び図27の例では、同図(A)に示す様に、5個のシンボル13−1乃至13−5が円周状に等間隔で配置されたパターンが、基本パターンとして採用されている。
なお、基本パターンは、図26及び図27(A)の円形状にドット13−1乃至13−5を配置させるパターンに特に限定されず、例えば矩形状等の任意の形状にシンボル13−1乃至13−5を配置させるパターンを採用することができ、シンボルの大きさや形状が異なっても構わない。また、シンボルの個数も、図26及び図27(A)の例に特に限定されず、任意でよい。
【0173】
また、図26及び図27(B)に示す様に、図26及び図27(A)の基本パターンに含まれるシンボル13−1乃至13−5の夫々について、相対的な時刻t1乃至t18のうち所定時刻(所定の時間タイミング)において、「出力(ON)」又は「OFF」が定義されている。
図26及び図27の例では、タッチパネル31が複数点を検出可能であるため、時刻t1乃至t18の何れのタイミングでも、「出力(ON)」は、シンボル13−1乃至13−5のうち、任意の個数の任意の組合せが許可される。
ここで、図26及び図27(C)においては、時刻t1乃至t18の夫々のタイミングにおいて、図26及び図27(A)の基本パターンのうち、「出力(ON)」のシンボルのみが黒く塗られた単位パターンが描画されている。図6(C)の単位パターンと比較すると、図26(C)の単位パターンは、タッチパネル31がマルチシンボル検出を可能であるため、複数のシンボルが「出力(ON)」になっていることがわかる。
このような単位パターンを複数種類用意し(図26及び図27(C)の例では、25種類用意し)、時間方向の各位置(時刻t1乃至t18の各タイミング)に、各種単位パターンを1つずつ配置していくことで、発生対象のパターンコードが定義される。
なお、本実施形態では、シンボル13−1乃至13−5の夫々のON/OFFの切換えは、図4(C)のCPU17の制御により実現される。図26及び図27(C)の1つのパターンコードを出力する手法は、特に限定されず、例えば本実施形態では、図4(A)の操作ボタン14の押下操作を繰り返す手法を採用してよいし、載置面にスタンプ部16の自重で作動する自重ボタン23を設けてコード認識装置3に載置された際に自動で出力を用いる手法を採用してもよい。同じパターンコードを所定回数繰り返し出力する設定もできる。
【0174】
コード発生装置1のスタンプ部16がタッチパネル31に載置された時刻(相対的な時刻)を、時刻t1とする。時刻t1の単位パターンは、図26及び図27(B)並びに図26及び図27(C)に示す様に、シンボル13−1乃至13−5の何れもOFFとなるパターンである。
ここで、時刻t1から時刻t2の間隔は任意でよい。即ち、コード発生装置1が所定情報Cを読み取ってパターンコードを発生させた後にタッチパネル31に載置した場合、所定の1以上のシンボル(図7の例ではシンボル13−1乃至13−7)を即座に「出力(ON)」してもいいし、所定の時間をあけて「出力(ON)」してもよい。
【0175】
5個のシンボル13−1乃至13−5が存在する図26及び図27の例では、時刻t2に、シンボル13−1乃至13−5の全てが「出力(ON)」する。換言すると、基準シンボル13−1乃至13−5の全てが「出力(ON)」する単位パターンが時刻t2に配置される。
コード認識装置3の認識部33は、これらのシンボル位置を認識し、基準パターンを記憶する。なお、全てのシンボル13−1乃至13−5が「出力(ON)」されたことにより、タッチパネル31が各シンボル13−1乃至13−5を正常に検出したことを認識することができる。これにより、コード認識装置3が正常稼働できるか否かを確認できる。
【0176】
次の時刻t3で、シンボル13−1乃至13−5の何れもOFFとなる。
または、時刻t3で、シンボル13−2及び13−5のみをOFFとすることもできる。
時刻t4で、シンボル13−1,13−3,13−4が「出力(ON)」になる。
コード認識装置3の認識部33は、この3個のシンボル13−1,13−3,13−4で、単位パターンの向きを認識する。ここでは、認識部33は、シンボル13−1が頂点であり、シンボル13−1乃至13−5の中心からシンボル13−1をシンボルパターンの正の向きとして認識する。
【0177】
次の時刻t5で、頂点のシンボル13−1のみがONになり、シンボル13−2乃至13−5がOFFとなる。
その後、頂点のシンボル13−1のみが基準として「出力(ON)」が継続され、シンボル13−2乃至13−5のON/OFFで情報(パターンコードの一部の情報)が出力される。
なお、13−2乃至13−5の出力がいずれもOFFとなり、13−1のシンボルのみONが続く場合、何個の情報出力があったかを認識するには出力時間の認識が必要である。
そこで、図27では、13−2乃至13−5のON/OFFで情報を出力して13−1はOFFとする。次にシンボル13−1のみをONにして、13−1の情報と13−2乃至13−5の情報のON/OFFを繰り返すことにより、13−1の情報は、時間方向の情報出力のタイムスタンプの役割を担い、時間方向に変化する情報の取得を確実に実施できる。
【0178】
スタンプ部16が載置されたタッチパネル31では、スタンプ部16が載置表面で滑って直線移動する場合がある。この場合でも、認識部33は、頂点のシンボル13−1の移動に応じて、各単位パターンの他のどのシンボルが「出力(ON)」しているかを認識できる。
通常、意識的に回転動作を加えない限り、載置した瞬間にスタンプ部16が回転することは極めて少ないと考えられることから、直線移動による誤認識が発生しないように認識精度を確保すれば足りる。この単位パターンの向きは、タッチパネル31の面に対して、当然、スタンプ部16がどのような回転角で載置されるかも認識できる。
なお、コード発生装置1の使用において、コード発生装置1の回転や移動を行わない場合は、摩擦係数の高い材料を導電体周辺に配置すれば、載置した際に滑らず認識精度を確保できる。
さらに、時間方向の各位置を正確に認識できれば、頂点のシンボル13−1のONは、方向を認識する最初の一度だけで、その後は頂点のシンボル13−1をOFFにして、パターンコードの出力を連続的に実施してもよい。
加えて、頂点のシンボル13−1も、ON/OFFで情報(パターンコードの一部の情報)が出力されることとしてもよい。
【0179】
シンボル13−2乃至13−4のON/OFFにより、1個のシンボルで1bit、空間的に所定の距離を空けて配置された4個のシンボルで情報を定義することで、1つの単位パターンで4bitを定義することができる。従って、単位パターンを時間方向に8コ配置することで(単位パターンを8回ON/OFF)すると、32bit(約40億コード)の情報を出力することができる。
なお、図27のように、最後の時刻t18をパリティチェック(4bit)にすると、認識精度は格段に向上するが、情報量は、28bit(2.7億コード)に減少する。
【0180】
ここで、本実施形態では、コード発生装置1から出力されたコードを取得した旨を、コード認識装置3からコード発生装置1に対して送信できない。従って、コード発生装置1は、パターンコードの出力(複数の単位パターンの時間方向の配置)を繰り返し実行することで、パターンコードを確実に送信できる。
また、本実施形態は例示にしか過ぎないので、図示せぬ無線、音、光等の様々な手法で、コード認識装置3からコード発生装置1に対して、パターンコード(情報)の取得完了を通知してもよい。これにより、コード発生装置1側での繰り返しの出力が不要になる。
このようなパターンコード(情報)の取得完了の通知の一般的な手法としては、タッチパネル31や別途用意するディスプレイに、パターンコード(情報)の取得完了を示す画像を表示させたり、音や振動を出力してユーザに伝える手法がある。さらに一方、コード認識装置3がパターンコード(情報)の取得完了を示すドットパターン等の二次元コードやカラーコードを表示して、スタンプ部16の読取領域IAを介して情報読取部11により読み取ってもよい。
【0181】
また、図6のような1個のシンボルのように、単位パターンのON/OFFの時間間隔の長短を組合せると(単位パターンの時間方向の配置の距離組合せると)、より一段と膨大な量のパターンコード(情報)を出力することができる。
【0182】
コード認識装置3によりパターンコードが読み取られた後、スタンプ部16をタッチパネル31上で移動させて操作を行いたい場合がある。この場合、パターンコードの出力完了後、シンボル13−1,13−3,13−4を「出力(ON)」にすることにより、スタンプ部16をどのように滑動・回転させても、コード認識装置3の認識部33は、スタンプ部16の位置(中心位置やスタンプ部16の外形等)とスタンプ部16の回転角を認識することができる。これにより、タッチパネル31に表示された画像に基づく操作が可能になる。
ここで、図26及び図27において、繰り返し単位パターンによる情報が出力されている場合、ユーザが任意に終了したいときは、コード発生装置1に備えられた操作ボタン14を押下する。これにより、シンボル13−1,13−3,13−4のみが「出力(ON)」となる。
また、2次元コード読取装置を備えれば、情報の取得完了をスタンプ部16が読み取り自動でシンボル13−1,13−3,13−4のみが「出力(ON)」となる。
さらに、ユーザがスタンプ部16を情報読取装置3の所定の指示が表示された位置に移動させて、操作ボタン14を押下することにより、当該位置に配置された指示を選択することができる。これにより、ゲームから教育、ショッピング、通常のスマートフォンやPCの操作が容易にできる。
【0183】
また、同時に認識できるシンボルの数、認識できるシンボルの大きさ、シンボルとシンボルの空間的な配置間隔、シンボルの出力時間、シンボルの出力終了と次のシンボルの出力開始時間までの空隙時間(タッチパネル31の性能によっては空隙時間を設けなくてもよいし、次のシンボルの出力が重複してもよい。)は、コード認識装置3の性能、処理プログラムの速度、アプリケーション等を勘案し、任意に設定することができる。
【0184】
例えば7個以上のシンボルを用いて、3個以上のシンボルを基準シンボルとして継続して常に「出力(ON)」とすることにより、スタンプ部16がタッチパネル31上で滑動や回転する場合であっても、コード認識装置3の認識部33は、「出力(ON)」している他の情報シンボルを正確に認識できる。その結果、コード発生装置1は、図7の例と同一の32bit(約40億コード)を出力することができる。
【0185】
また、図7の例のマルチシンボルパターンを採用することで、最初に入力した所定情報Cとは別の情報に関するパターンコードを所定の方法で新たに出力する場合や、コード発生装置1から出力されるパターンコードが、無線等によって随時変化する場合であっても、容易に対応可能である。即ち、コード発生装置1は、可変的に情報を出力することもできる。
なお、図27では、時刻t1乃至t18で情報出力するスタンプコードを2回繰り返している。
ここで、コード発生装置1はスタンプが適正に載置される前にパターンコードの出力を開始したり、アプリケーションの起動が遅れたり、他の理由で、時刻t1乃至t18の途中から認識したとしても、時刻t1乃至時刻t3を時間方向のどこかで認識できれば、その前後を含み18個の時刻tを記憶して、スタンプコードを正確に認識できる。
【0186】
図28は、シンボル13−1乃至13−5を非回転対象に配置したシンボルパターンを示した図である。
【0187】
図28は、シンボル13−1乃至13−5を非回転対象に配置したシンボルパターンの具体例を示している。
図28(A)は基本パターンを示している。図28(B)に示す様に、図28(A)の基本パターンに含まれるシンボル13−1乃至13−5の夫々について、相対的な時刻t1乃至t18のうち所定時刻(所定の時間タイミング)において、「出力(ON)」又は「OFF」が定義されている。
図28の例では、タッチパネル31が複数点を検出可能であるため、時刻t1乃至t18の何れのタイミングでも、「出力(ON)」は、シンボル13−1乃至13−5のうち、任意の個数の任意の組合せが許可される。
ここで、図28(C)においては、時刻t1乃至t18の夫々のタイミングにおいて、図28(A)の基本パターンのうち、「出力(ON)」のシンボルのみが黒く塗られた単位パターンが描画されている。図6(C)の単位パターンと比較すると、図28(C)の単位パターンは、タッチパネル31がシンボル検出を可能であるため、複数のシンボルが「出力(ON)」になっていることがわかる。
このような単位パターンを複数種類用意し(図28(C)の例では、25種類用意し)、時間方向の各位置(時刻t1乃至t18の各タイミング)に、各種単位パターンを1つずつ配置していくことで、発生対象のパターンコードが定義される。
なお、本実施形態では、シンボル13−1乃至13−5の夫々のON/OFFの切換えは、図4(C)のCPU17の制御により実現される。図28(C)の1つのパターンコードを出力する手法は、特に限定されず、例えば本実施形態では、図4(A)の操作ボタン14の押下操作を繰り返す手法を採用してよいし、載置面にスタンプ部16の自重で作動する自重ボタン23を設けてコード認識装置3に載置された際に自動で出力を用いる手法を採用してもよい。同じパターンコードを所定回数繰り返し出力する設定もできる。
【0188】
図28に示す基本的な構成は、図26及び図27のシンボルパターンと同様であるが、以下の点が異なっている。
図28のように、シンボル13−1乃至13−5を非回転対象に配置することにより、図7図26図27のようにシンボル13−1乃至13−5をONした後にシンボル13−1のみをONにしなくても、シンボルパターンの正の向きを認識できる。
ここで、非回転対象とは、360度を除く回転角でシンボル13−1乃至13−5を回転させた場合、幾何学的に同一のパターンにはならないため、シンボル13−1乃至13−5の向きを認識できる。
従って、取得したシンボル13−1乃至13−5の向きを認識することが可能となる。スタンプ部16の移動や回転によって情報を示す導電体の位置が変化するが、コード認識装置3で高速に導電体の位置を認識して、その軌跡を追跡することによって時刻t1乃至t18を取得できる。
さらに、シンボル13−1の継続出力により、シンボル13−2乃至13−5の配置の変化を相対的に把握して認識精度を向上できる。
また、その非回転対象の幾何学的配置により、変化した情報を示す導電体の位置および回転を把握できる。ここでは、シンボル13−1を情報出力時にも継続してONとしているが、図27と同様に、シンボル13−1の出力の際には、シンボル13−2乃至13−5のON/OFFで情報を出力してシンボル13−1はOFFとする。次にシンボル13−1のみをONにして、シンボル13−1とシンボル13−2乃至13−5のON/OFFを繰り返すことにより、シンボル13−1は、時間方向の情報出力のタイムスタンプの役割を担い、時間方向に変化する情報の取得を確実に実施できる。
【0189】
図29は、図28の非回転対象の配置に加えて、ユーザが読取位置を認識し易くするために情報読取装置を端部に配置して、コード発生装置1の底面に切欠き部を設けることにより、情報読取領域IAを指示し易くしたシンボルパターンの具体例を表す図である。
【0190】
図29は、シンボル13−1乃至13−5を非回転対象に配置したことに加えて、ユーザが読取位置を認識し易くするために情報読取装置を端部に配置して、コード発生装置1の底面に切欠き部を設けることにより、情報読取領域を指示し易くしたシンボルパターンの具体例を示している。
図29(A)は、基本パターンを示している。また、図29(B)に示す様に、図29(A)の基本パターンに含まれるシンボル13−1乃至13−5の夫々について、相対的な時刻t1乃至t18のうち所定時刻(所定の時間タイミング)において、「出力(ON)」又は「OFF」が定義されている。
図29の例では、タッチパネル31が複数点を検出可能であるため、時刻t1乃至t18の何れのタイミングでも、「出力(ON)」は、シンボル13−1乃至13−5のうち、任意の個数の任意の組合せが許可される。
ここで、図29(C)においては、時刻t1乃至t18の夫々のタイミングにおいて、図29(A)の基本パターンのうち、「出力(ON)」のシンボルのみが黒く塗られた単位パターンが描画されている。図6(C)の単位パターンと比較すると、図29(C)の単位パターンは、タッチパネル31がシンボル検出を可能であるため、複数のシンボルが「出力(ON)」になっていることがわかる。なお、シンボル13−1と、他のシンボルの少なくとも1つががONとなり、タッチパネル31が、シンボル同志が近傍にあり検出不能である場合は、シンボル13−1と他のシンボルを同時にONにしてはならない。
このような単位パターンを複数種類用意し(図29(C)の例では、22種類用意し)、時間方向の各位置(時刻t1乃至t18の各タイミング)に、各種単位パターンを1つずつ配置していくことで、発生対象のパターンコードが定義される。
なお、本実施形態では、シンボル13−1乃至13−5の夫々のON/OFFの切換えは、図4(C)のCPU17の制御により実現される。図29(C)の1つのパターンコードを出力する手法は、特に限定されず、例えば本実施形態では、図4(A)の操作ボタン14の押下操作を繰り返す手法を採用してよいし、載置面にスタンプ部16の自重で作動する自重ボタン23を設けてコード認識装置3に載置された際に自動で出力を用いる手法を採用してもよい。同じパターンコードを所定回数繰り返し出力する設定もできる。
【0191】
図29の基本的な構成は、図26及び図27のシンボルパターンと同様であるが、以下の点が異なっている。
シンボル13−2乃至13−5をONにすれば、シンボルパターンの正の向きを認識できる。これに限らず、シンボル13−1乃至13−5のうち、非軸回転対象となるように3個のシンボルをONにしてもよい。なお、シンボル13−1と、他のシンボルの少なくとも1つががONとなり、タッチパネル31が、シンボル同志が近傍にあり検出不能である場合は、シンボル13−2乃至13−5のうち、非軸回転対象となるように3個のシンボルをONにしなければならない。
従って、取得したシンボルパターンで向きを認識することが可能となり、導電体の位置および回転を認識できる。
正の向きを確認する方法として、シンボル13−2乃至13−5をONにした後に、シンボル13−1のみをONにする。このシンボル13−1の役割は、スタンプ部16のシンボル13−2乃至13−4の中央または近傍を示す基準シンボルとし、直接的にスタンプ部16のシンボル13−2乃至13−4の中央または近傍の位置を容易に認識し、スタンプ部16が移動しても、スタンプ部16の位置を正確に認識できる。
時刻t1乃至時刻t18の出力の際には、シンボル13−2乃至13−5のON/OFFの組み合わせで情報を出力して、その間は、シンボル13−1はOFFとする。次にシンボル13−1のみをONにして、シンボル13−1とシンボル13−2乃至13−5のON/OFFを繰り返すことにより、シンボル13−1は、時間方向の情報出力のタイムスタンプの役割を担い、時間方向に変化する情報の取得を確実に実施できる。また、スタンプの底面積を小さくするために、シンボル13−1と他のシンボルまでの距離を短くしてもよい。なぜなら、本実施例では、同時にシンボル13−1と他のシンボルがONとならないため、タッチパネル31が、シンボル同志が近傍にあり検出不能となる場合が発生しないからである。もちろん、シンボル13−2乃至13−6同士は、タッチパネル31が検出可能な位置に配置されることは言うまでもない。
実施例では、8回情報シンボルを出力することにより、32bitのスタンプコードが出力できる。なお、最後の時刻t18をパリティチェック(4bit)にすると、認識精度は格段に向上するが、情報量は、28bit(2.7億コード)に減少する。
【0192】
コード認識装置3によりパターンコードが読み取られた後、スタンプ部16をタッチパネル31上で移動させて操作を行いたい場合がある。この場合、パターンコードの出力完了後、シンボル13−2乃至13−5(又はシンボル13−2乃至13−5のいずれか3つ)を「出力(ON)」にすることにより、スタンプ部16をどのように滑動・回転させても、コード認識装置3の認識部33は、スタンプ部16の位置(中心位置やスタンプ部16の外形等)とスタンプ部16の回転角を認識することができる。これにより、タッチパネル31に表示された画像に基づく操作が可能になる。
【0193】
ここで、シンボル13−1は、シンボル13−2乃至13−5に近接しており、コード発生装置1のシンボルの配置間隔の制限によって、同時に認識できない場合であっても、シンボル13−1と、シンボル13−2乃至13−5とは、同時にONとしないことにより、双方を認識可能となる。また、シンボル13−2乃至13−5の少なくとも1つをONとした後、当該シンボルをOFFにしても、コード出力部13に浮遊容量が残り、コード認識装置3がONのままとして認識し続けた場合、シンボル13−1がONになったら、コード認識装置3は認識しているシンボルを無効にすれば、シンボル13−1がOFFとなった後、ONになるシンボル13−2乃至13−5をコード認識装置3は確実に認識できる。シンボル13−1は浮遊容量が残らないように、静電容量を少なくするようにしてもよい。静電容量を少なくするには、電気的に少なくしたり、導電体の面積を小さくしたり、出力時間を短くするなど様々な方法がある。
【0194】
図30は、タッチパネル31が多点を検出可能な場合における、シンボルコードの読取が無いシンボルパターンの具体例を示す図である。
図30は、シンボル13−1を中心に配置し、13−2乃至13−6を等間隔に配置したシンボルパターンの具体例を示している。
図30(A)は、基本パターンを示している。また、図30(B)に示す様に、図30(A)の基本パターンに含まれるシンボル13−1乃至13−6の夫々について、相対的な時刻t1乃至t18のうち所定時刻(所定の時間タイミング)において、「出力(ON)」又は「OFF」が定義されている。
図30の例では、タッチパネル31が複数点を検出可能であるため、時刻t1乃至t18の何れのタイミングでも、「出力(ON)」は、シンボル13−1乃至13−6のうち、任意の個数の任意の組合せが許可される。
ここで、図30(C)においては、時刻t1乃至t18の夫々のタイミングにおいて、図30(A)の基本パターンのうち、「出力(ON)」のシンボルのみが黒く塗られた単位パターンが描画されている。図6(C)の単位パターンと比較すると、図30(C)の単位パターンは、タッチパネル31がシンボル検出を可能であるため、複数のシンボルが「出力(ON)」になっていることがわかる。なお、シンボル13−1と、他のシンボルの少なくとも1つががONとなり、タッチパネル31が、シンボル同士が近傍にあり検出不能である場合は、シンボル13−1と他のシンボルを同時にONにしてはならない。
このような単位パターンを複数種類用意し(図30(C)の例では、23種類用意し)、時間方向の各位置(時刻t1乃至t18の各タイミング)に、各種単位パターンを1つずつ配置していくことで、発生対象のパターンコードが定義される。
なお、本実施形態では、シンボル13−1乃至13−6の夫々のON/OFFの切換えは、図4(C)のCPU17の制御により実現される。図30(C)の1つのパターンコードを出力する手法は、特に限定されず、例えば本実施形態では、図4(A)の操作ボタン14の押下操作を繰り返す手法を採用してよいし、載置面にスタンプ部16の自重で作動する自重ボタン23を設けてコード認識装置3に載置された際に自動で出力を用いる手法を採用してもよい。同じパターンコードを所定回数繰り返し出力する設定もできる。
【0195】
図30の基本的な構成は、図29のシンボルパターンと同様であるが、以下の点が異なっている。
シンボル13−3乃至13−6をONにすれば、シンボルパターンの正の向きを認識でき、他のシンボルの配置も推定して認識できる。これに限らず、シンボル13−1乃至13−6のうち、非軸回転対象となるように3個のシンボルをONにしてもよい。なお、シンボル13−1と、他のシンボルの少なくとも1つががONとなり、タッチパネル31が、シンボル同士が近傍にあり検出不能である場合は、シンボル13−2乃至13−6のうち、非軸回転対象となるように3個のシンボルをONにしなければならない。
従って、取得したシンボルパターンで向きを認識することが可能となり、導電体の位置および回転を認識できる。
正の向きを確認する方法として、シンボル13−3乃至13−6をONにした後に、シンボル13−1のみをONにする。このシンボル13−1の役割は、スタンプ部16のシンボル13−2乃至13−4の中央または近傍を示す基準シンボルとし、直接的にスタンプ部16のシンボル13−2乃至13−6の中央の位置を容易に認識し、スタンプ部16が移動しても、スタンプ部16の位置を正確に認識できる。
時刻t1乃至時刻t18の出力の際には、シンボル13−2乃至13−6のON/OFFの組み合わせで情報を出力して、その間は、シンボル13−1はOFFとする。次にシンボル13−1のみをONにして、シンボル13−1とシンボル13−2乃至13−6のON/OFFを繰り返すことにより、シンボル13−1は、時間方向の情報出力のタイムスタンプの役割を担い、時間方向に変化する情報の取得を確実に実施できる。また、スタンプの底面積を小さくするために、シンボル13−1と他のシンボルまでの距離を短くしてもよい。なぜなら、本実施例では、同時にシンボル13−1と他のシンボルがONとならないため、タッチパネル31が、シンボル同士が近傍にあり検出不能となる場合が発生しないからである。もちろん、シンボル13−2乃至13−6同士は、タッチパネル31が検出可能な位置に配置されることは言うまでもない。
実施例では、8回情報シンボルを出力することにより、40bitのスタンプコードが出力できる。なお、最後の時刻t18をパリティチェック(5bit)にすると、認識精度は格段に向上するが、情報量は、35bit(343.6億コード)に減少する。
【0196】
コード認識装置3によりパターンコードが読み取られた後、スタンプ部16をタッチパネル31上で移動させて操作を行いたい場合がある。この場合、パターンコードの出力完了後、シンボル13−2、13−4、13−5(又はシンボル13−2乃至13−6のいずれか3つ)を「出力(ON)」にすることにより、スタンプ部16をどのように滑動・回転させても、コード認識装置3の認識部33は、スタンプ部16の位置(中心位置やスタンプ部16の外形等)とスタンプ部16の回転角を認識することができる。これにより、タッチパネル31に表示された画像に基づく操作が可能になる。
【0197】
ここで、シンボル13−1は、シンボル13−2乃至13−6に近接しており、コード発生装置1のシンボルの配置間隔の制限によって、同時に認識できない場合であっても、シンボル13−1と、シンボル13−2乃至13−6とは、同時にONとしないことにより、双方を認識可能となる。また、シンボル13−2乃至13−6の少なくとも1つをONとした後、当該シンボルをOFFにしても、コード出力部13に浮遊容量が残り、コード認識装置3がONのままとして認識し続けた場合、シンボル13−1がONになったら、コード認識装置3は認識しているシンボルを無効にすれば、シンボル13−1がOFFとなった後、ONになるシンボル13−2乃至13−6をコード認識装置3は確実に認識できる。シンボル13−1は浮遊容量が残らないように、静電容量を少なくするようにしてもよい。静電容量を少なくするには、電気的に少なくしたり、導電体の面積を小さくしたり、出力時間を短くするなど様々な方法がある。
以上、図28図29図30は、図7図26図27とは、異なるシンボルパターンで説明したが、同様な効果を得ることができるができ、図7図26図27図28図29図30は、それぞれの特徴を選択的に採用した組合せでシンボルパターンを出力してもよい。
なお、載置面はどのような外形でもよい。
【0198】
図31は、入力媒体シンボルパターンの位置認識について示した図である
図31(A)は、コード認識装置3を表している。また、図31(B)には、コード発生装置1及びコード認識装置3が表されている。コード発生装置1をコード認識装置3に載置して、小さなアイコンや文字、グラフィック等の対象画像を選択する場合、コード発生装置1は一定の底面積を要するために指示しづらい。
そこで、図31(C)に示すように、コード発生装置1に指示マークや突起、コード発生装置1の底面に設けた切り欠き、光学的な指示(例えば、レザーポインター等)により、対象画像の指示領域を正確に指示する。コード認識装置3の位置情報におけるコード発生装置1の端部の指示ポイントP0(X0,Y0)の算定方法を以下に示す。
【0199】
導電している導電体の中心座標値をP1(X1、Y1)、P3(X3、Y3)、P4(X4、Y4)とすると、右回りを正とするスタンプの回転角θは、θ=−ARK tan ((Y3−Y4)/(X3−X4))で求まる。導電体13−1の中心座標値P1(X1,Y1)から指示ポイントP0(X0、Y0)までの距離をLとすると、
X0=X1+Lsinθ
Y0=Y1+Lcosθ で、指示ポイントP0(X0、Y0)が求まる。なお、所定の方法で指示ポイントが決まれば、その後は、移動する座標値を連続的に追跡することにより、認識する導電体は2個でもよい。このようにして、指示ポイントが定まることになる(図31(D)及び(E)参照)。
【0200】
以下、図32図37を参照して、コード発生装置1による認証システムの各例を説明する。
その次に、図38図42を参照して、コード発生装置1による情報プラットフォームシステムの各例を説明する。
これらのシステムでは、コード認識装置3では、所定のアプリケーションが実行される。所定のアプリケーションは、コード発生装置1から発生されるコードを用いる各種各様なサービスや処理を一元的に取り扱うことができるものである。つまり、図32図37の実施例は、たった1つの所定のアプリケーション(スタンプコード処理アプリケーション)により、コード発生装置1で出力された様々なスタンプコード(前述のパターンコード)をコード認識装置3が読み取り、コード認識装置3に設定されたアプリケーションを稼働させたり、サーバやクラウドに設定されたスタンプコードに対応するアプリケーションを実行することができるプラットホームを実現することもできる。
【0201】
図32は、本願発明を用いた個人認証サービスの実施例を表す図である。
ここで、以下本願発明と呼ぶ場合、明細書中に記載の上述した各種発明を意味するものとする。
【0202】
購入代金の支払いやネット上での契約、本人および家族の個人情報を取得する際等には、身分証明書の提示や専用の印刷物に必要な情報を本人が記載し、捺印する必要があった。
しかし、図32(A)において、コード発生装置1を本人のデジタル印鑑として使用することにより、利便性とセキュリティを大きく向上させることができる。なお、コード発生装置1の使用者が本人であることを証明するために、コード発生装置1に指紋認証センサを設けてもよい。また、指紋認証センサにの代わりに、静脈認証センサ、網膜認証センサ、虹彩認証センサ等を設けてもよい。
図32(B)において、様々なシーンで、本人確認や承認・契約を実施する際に、所定のアプリケーションが起動されたコード認識装置3に、本人が保有するコード発生装置1でタッチし、本人を特定するスタンプコードを出力して、本人確認を行う。その際に、本人のパスワードの入力や、指紋認証によりセキュリティ性を高めることができる。なお、指紋認証は、コード発生装置1で本人の指紋情報を所定の方法で登録し、コード発生装置1の指紋認証センサに登録された指で触れた後、あるいは触れながらコード認識装置3にタッチすることにより、対応するスタンプコードを出力して実施する。本人でなければ、本人ではないことを示すスタンプコードを出力してもよいし、一切、スタンプコードを出力しないようにしてもよい。指紋情報の登録の方法は、登録の手順を示すドットコードが形成された媒体またはドットコードを表示したコード認識装置3にタッチすることにより、コード発生装置1でドットコードを読み取ることにより登録してもよいし、コード発生装置1に備えられた操作ボタンにより登録してもよい。また、家族などの複数のユーザの指紋情報を登録して、複数のユーザが使用できるようにしてもよい。コード発生装置1には、時計機能を設け誰がいつ使用したかも記録(ログ)してもよい。それらの情報は、他の情報処理装置がUSBまたは無線で取得することができる。また、コード認識装置3にタッチしてログに対応するスタンプコードを出力してもよい。他の方法としては、コード発生装置1の指紋認証センサに指で触れた後、あるいは触れながら指紋情報を取得して、コード認識装置3にタッチすることにより、取得した指紋情報に対応するスタンプコードを出力してもよい。スタンプコードにより出力した指紋情報は、コード認識装置3またはコード認識装置3に無線または優先で接続される記憶媒体(サーバー等も含む)に登録された指紋情報と照合してもよい。
図32(C)において、偽造されたコード発生装置1や有効期限を過ぎたコード発生装置1を、排除するために、コード発生装置1から出力されたスタンプコードを暗号処理したドットコードをコード認識装置3のディスプレイに表示し、コード発生装置1で読取り、そのドットコードに対応する暗号スタンプコードを出力して、再度の高度な承認をしてもよい。コード発生装置1は、時計機能を設けており、その時間に応じたスタンプコードを出力し、コード認識装置3も、押印時間に基づくスタンプコードの認証を行って、セキュリティ性を高めてもよい。
図32(B)及び(C)では、最初にコード発生装置1が出力するスタンプコードをコード認識装置3が読み取るものとしたが、図32(D)及び(E)に示すように、最初にコード認識装置3がドットコードを表示し、コード発生装置1が、ドットコードを読取り、暗証スタンプコードを出力して、コード認識装置3が認証してもよい。図32(C)と同様に、押印時間に基づくスタンプコードの認証により、セキュリティ性を高めてもよい。また、コード発生装置1毎にドットコードに対応する暗証スタンプコードはユニークなアルゴリズムで出力すれば、更にセキュリティ性が高まる。
【0203】
図33は、本願発明を用いたチケット購入・クーポン獲得サービスの実施例を表す図である。
【0204】
図33(A)において、所定のアプリケーションにより、チケットを購入したり、クーポンを獲得する。対応するスタンプコードが割り当てられる。
図33(B)において、入場時やクーポン使用時に所定のアプリケーションを起動させ、承認画面を表示する。
図33(C)において、入場時やクーポン使用時に係員がコード発生装置1でコード認識装置3にタッチする。コード発生装置1は、当該チケットやクーポンに対応するスタンプコードを出力するように予め設定する。
図33(D)において、コード発生装置1が出力するスタンプコードをコード認識装置3が読取り、入場やクーポンの使用が承認される。再入場する際は、この画面を見せればよい。
【0205】
図34は、本願発明を用いたチケット購入・クーポン獲得サービス(ドット表示)を表示する図である。
【0206】
図34(A)において、所定のアプリケーションにより、チケットを購入したり、クーポンを獲得する。対応するドットコードが割り当てられる。
図34(B)において、入場時やクーポン使用時に所定のアプリケーションを起動させ、承認画面で当該チケットやクーポンに対応するドットコードを表示する。
図34(C)において、入場時やクーポン使用時に係員がコード発生装置1でコード認識装置3にタッチしてドットコードを読取る。コード発生装置1内に、予め、チケットやクーポン対応ドットコードを登録しておき認証する。 なお、コード発生装置1に無線機能を搭載し、サーバ4でドットコードを承認してもよい。
図34(D)において、コード発生装置1がドットコードを読取った後、対応するスタンプコードを出力し、コード認識装置3が読取り、入場やクーポンの使用が承認される。無線搭載の場合、その都度、サーバ4から承認用スタンプコードが送信されてもよい。
【0207】
図35は、本願発明を用いたチケット・クーポン印刷出力サービスを表す図である。
【0208】
図35(A)において、所定のアプリケーションにより、チケットを購入したり、クーポンを獲得する。対応するドットコードが割り当てられる。
図35(B)において、所定のアプリケーションを起動させ、プリント出力画面で当該チケットやクーポンに対応するドットコードを表示する。
図35(C)において、無線機能を搭載したコード発生装置1でコード認識装置3にタッチする。コード発生装置1は、ドットコードを読取り、サーバ4で認証し、さらに、無線接続(例えば、BTやWIFI等)されたプリンターから、チケットやクーポンが出力される。なお、コード発生装置1内に、予め、チケットやクーポン対応ドットコードを登録しておき認証してもよい。
図35(D)において、コード発生装置1がドットコードを読取った後、対応するスタンプコードを出力して、コード認識装置3が読取り、プリント済みとされ、その後は、プリントできなくなる。
【0209】
図36は、本願発明を用いたクーポン・ポイント集客サービスを表す図である。
【0210】
図36(A)において、クーポンやポイントのサービスを提供するチラシやDM、新聞、雑誌など様々な印刷物をユーザが取得する。
図36(B)において、ユーザは、クーポンやポイント提供する印刷物を持ってサービスカウンターに行く。クーポンやポイントの提供側は、集客が必要な場所にサービスカウンターを設置して集客を図る。
図36(C)において、所定のアプリケーションを起動させて、持ち込んだクーポンやポイント提供のドット印刷物にコード発生装置1でタッチした後、コード認識装置3の押印マーク領域にタッチする。コード発生装置1内に、予めドットコードに対応するスタンプコードを設定しておく。コード発生装置1に無線が搭載されていれば、逐次、スタンプコード等の情報を更新したり、サーバ4に情報を送信できる。スタンプを押すのは、ユーザでも提供者側のどちらでもよい。所定のアプリケーションを起動させて、印刷物にタッチして、コード認識装置3にタッチすると、印刷物に対応したクーポンやポイント画面が表示される。
図36(D)において、コード発生装置1が読み取ったドットコードに対応するスタンプコードを出力して、コード認識装置3が読取り、当該クーポンやポイントを獲得する。コード認識装置3がスタンプコードを読み取った後に、コード認識装置3のディスプレイに所定の情報が定義されたドットコードを表示して、コード発生装置1がドットコードを読取り、コード認識装置3から既に押印された情報や個人情報等の情報を読み取ってもよい。当該情報は、無線などを使って送信してもよい。コード発生装置1で押印領域をタッチすると、コード認識装置3において、印刷物に対応したポイントカードやスタンプラリーの画像が表示されて、ポイントやスタンプが付与される。さらに、ポイント、スタンプの獲得情報や個人情報に対応したドットコードをコード認識装置3の画面に表示して、コード発生装置1で読み取ってもよい。当該情報は、無線などを使って送信してもよい。
【0211】
図37は、本願発明を用いた電子ポイントカードサービスを表す図である。
【0212】
従来においては、図37(A)に示すように、店舗にて、料金を支払った場合、紙のポイントカードにポイント印を押してくれたり、プラスティックのポイントカードにポイントが貯まる。しかし、ユーザにとっては、ポイントカードが増えて管理が大変であり、プラスティックのカードでは、どれくらいポイントが貯まっているか、いつまで有効かも分からない。
そこで、図37(B)〜(D)に示すような、本願発明を用いた電子ポイントカードサービスが提供される。図37(B)に示すように、所定のアプリケーションを起動させて、店舗にてコード発生装置1でコード認識装置3にタッチすると、当該店舗のポイントカードが表示される。
図37(C)において、店員は、レジで使った金額やクーポンに応じて、ドット印刷されたペーパーコントローラーの数字やアイコンをコード発生装置1でタッチしてポイント数や日付をコード発生装置1に一時記録する。なお、ペーパーコントローラーを使用しないで、ポイントを付与・消し込みを実施してもよい。
図37(C)において、コード発生装置1に記録されたポイント数や日付はスタンプコードに変換されて、ユーザのコード認識装置3にタッチすることにより、コード認識装置3内に当該店舗のポイントが加算される。なお、コード発生装置1の操作ボタンを必要回数押したり、 コード発生装置1をタップまたは回転して、ポイントを加算してもよい。ユーザは、 所定のアプリケーションで店舗ごとのポイントを何時でも知ることができ、使うことができる。所定のアプリケーションを起動して、押印領域にコード発生装置1でタッチすると、当該店舗のポイントカードが表示される。
図37(D)に示すように、ポイントを使用する際には、レジで使用するポイント数をドット印刷された数字やアイコンをコード発生装置1でコード認識装置3にタッチしてポイント数を消し込む。なお、コード発生装置1の操作ボタンを必要回数押したり、コード発生装置1をタップまたは回転して、ポイントの消し込みを行ってもよい。操作を間違っても、同様な操作でポイントの修正を行えばよい。各店舗は、ポイントやクーポンを提供するような所定のサービスに加盟することによって、キャンペーン等の様々な広告情報をコード認識装置3に送信し、店舗の利用を促進させることができる。
当該店舗のポイントカードを登録する際に、コード発生装置1でコード認識装置3をタッチした後に、ディスプレイに「店舗からの情報配信をしてもよろしいですか−」等の表示がなされ、所定の方法でユーザ自身が承認する。所定の方法としては、ドットコードを表示させて、コード発生装置1で当該ドットコードを読み取ってもらって、承認の了解とする。当該ドットコードには、コード認識装置3のIDや個人情報などを含んでおり、当該情報を無線などで送信してもよい。
コード発生装置1をタッチして表示されたポイントカード画面に、当該コード発生装置1で、加算・消し込みの操作を行うと、加算・消し込みができる。他の店舗のコード発生装置1では、操作できない。
【0213】
図38は、本願発明を用いた印刷メディアによる情報サービスを表す図である。
【0214】
図38(A)において、ドットコードを印刷した新聞、会員誌、雑誌、カタログ、教材、絵本、観光マップなど各種印刷物の提供者等がコード発生装置1をプラットホームとして配布する。印刷物とセットで販売してもよい。
図38(B)において、ユーザがドット印刷物にコード発生装置1をタッチしてドットコードを読取る。次にコード認識装置3にタッチすると、ドットコードに対応するスタンプコードを出力して、コード認識装置3がスタンプコードを読み取る。会員専用であれば、ドット印刷部をタッチする前に、ドット付会員カードをタッチしてユーザがログインしてもよい。パスワードの入力は、 コード発生装置1を所定回数、所定方向に回転して入力してもよいし、コード認識装置3に指でタッチして入力してもよい。Gスタンプ自身がIDを発行してもよい。コード発生装置1で様々なドット印刷物をタッチして、コード認識装置3にタッチするとコンテンツの閲覧やゲームを開始できる。
図38(C)において、コード認識装置3がスタンプコードを読み取ると、スタンプコード(ドットコードに対応)に対応する、コンテンツの閲覧やプログラムの起動・操作指示が、コード認識装置3で実行される。コード認識装置3内のメモリにスタンプコード(ドットコードに対応)が登録されていなければ、サーバ4からスタンプコード(ドットコードに対応)に対応する処理やコンテンツがコード認識装置3にダウンロードまたはストリーミングされる。なお、コンテンツによっては、さらにコード認識装置3画面上でコード発生装置1を、滑動させて、次のアクションを操作ボタンで決定することもできる。ゲームの進行や物品の購入、観光経路案内なども可能となる。コード認識装置3は、コード発生装置1の 回転角を認識できることから、 コード発生装置1を回転させ、コード認識装置3に表示されたMAPや図面・写真上の所定方向のスクロールや360度パノラマを閲覧することができる。コード認識装置3に表示された文字やアイコン、グラフィックを、コード発生装置1で選択したり、回転させたり、移動したりすると、次のコンテンツや操作指示が表示され、さらにコード発生装置1で操作することができる。
【0215】
図39は、本願発明を用いた印刷メディアによる通販サービスを表す図である。
【0216】
図39(A)において、ドットコードを印刷した通販カタログとドット付会員カード、コード発生装置1を会員に配布する。ドット付会員カードをタッチしてユーザがログインする。パスワードの入力は、 コード発生装置1を所定回数、所定方向に回転して入力してもよいし、コード認識装置3に指でタッチして入力してもよい。コード発生装置1自身がIDを発行してもよい。
図39(B)において、ユーザが通販カタログの商品の写真や「解説アイコン」、「バスケットアイコン」、「数量アイコン」にタッチしてドットコードを読取る。次にコード認識装置3にタッチすると、ドットコードに対応するスタンプコードを出力して、コード認識装置3がスタンプコードを読み取る。
図39(C)において、コード発生装置1でカタログをタッチして、コード認識装置3にタッチすると、商品の解説が表示される。さらに、操作ボタンを押したり、コード発生装置1でタップしたり、回転させると、注文画面が表示される。コード認識装置3がスタンプコードを読み取ると、スタンプコード(ドットコードに対応)に対応する、商品の解説や注文内容が、コード認識装置3で表示される。コード認識装置3内のメモリにスタンプコード(ドットコードに対応)が登録されていなければ、サーバ4からスタンプコード(ドットコードに対応)に対応する処理やコンテンツがコード認識装置3にダウンロードまたはストリーミングされる。コード認識装置3の注文内容で問題なければ、コード認識装置3のディスプレイの「注文アイコン」をコード発生装置1でタッチして操作ボタンを押して商品を注文する。もし、取りやめたい場合は、 「中止アイコン」をタッチして操作ボタンを押して注文を中止する。コード発生装置1を「注文」、「中止」いずれかに移動して操作ボタンを押して、選択する。操作ボタンを押さないでタップ等、他の方法で選択してもよい。
【0217】
図40は、本願発明を用いたエンターテインメントサービスを表す図である。
【0218】
図40(A)において、ドットコードを印刷したゲームカードやトレーディングカード、ボードゲームを、ゲームプラットホームとして、 所定のアプリケーションで展開する。ドット印刷は、カード、ボードの全面でも一部のみでもよい。
図40(B)において、ユーザは所定のアプリケーションを起動して、コード発生装置1でカードやボードをタッチしてドットコード(ゲーム識別コード値)を読み取る。次に、 コード発生装置1をコード認識装置3にタッチして、ドットコードに対応するスタンプコードを出力して、コード認識装置3がスタンプコードを読み取ると、当該ゲームが開始される。カードをタッチして、コード認識装置3をタッチするだけで、当該ゲームを開始できる。
図40(C)において、収集したキャラクター、アクション、アイテムカードに印刷されたコード発生装置1でドットコードを読取り、コード認識装置3にタッチしてドットコードに対応するスタンプコードを出力して、ゲームを進行する。ボードゲームでは、XY座標値も印刷されており、 コード発生装置1をボードに載置すると、その位置の座標値とコード発生装置1の向きを読み取ることができる。その情報を対応するスタンプコードに変換して、その後、コード発生装置1でコード認識装置3をタッチすることにより、コード認識装置3に情報を入力することができる。コード認識装置3は、コード発生装置1の
回転角を認識できることから、 コード発生装置1を回転させ、コード認識装置3に表示されたゲーム画面の所定方向のスクロールや360度パノラマを閲覧することができる。また、ボタン操作で、ミサイル発射やコード認識装置3に表示されたアイコンを選択できる。さらに、コード認識装置3にドットコードを表示して、コード発生装置1で読み取ることにより、新たなスタンプコードを出力して、さらに高度なゲームを楽しめる。コード認識装置3に表示された文字やアイコン、グラフィックを、コード発生装置1で選択したり、回転させたり、移動したりしてゲームを進行する。ボードに形成されたXY座標値や、所定領域のコードをコード発生装置1で読取り、コード認識装置3にタッチして、ゲームを進行する。
【0219】
図41は、本願発明を用いた情報転送サービスを表す図である。
【0220】
図41(A)において、コード認識装置3―1で、所定のアプリケーションを起動させ、写真や動画を撮影したり、様々なコンテンツを表示する。
図41(B)において、コード認識装置3−1で、所定のアプリケーションの情報転送モードを選択すると、表示の一部または全領域に、表示されたコンテンツを特定するドットコードが表示される。同時にドットコードに対応するスタンプコードと、紐付されたコンテンツがクラウドまたはサーバ4にアップされる。事前にアップされていてもよい。クラウドにスタンプコードに対応するコンテンツをアップする。
図41(C)において、情報を受け取るコード認識装置3―2で、所定のアプリケーションを起動して、情報受信モードを選択すると、コード認識装置3−2の押印マークが表示される。コード発生装置1内で、コード認識装置3−1で表示されたドットコードを読取り、対応するスタンプコードに変換される。次に、コード認識装置3−2に表示された押印マーク領域(どのようなグラフィックでもよい)にコード発生装置1でタッチして、スタンプコードを出力して、コード認識装置3−2がスタンプコードを読み取る。
図41(D)において、コード認識装置3−2が読み取ったスタンプコードをクラウドまたはサーバ4に送信し、既に登録されているスタンプコードに対応するコンテンツをダウンロードまたはストリーミングして、コード認識装置3−2に記録・閲覧できる。この大きな利点は、相手にアドレスを伝えることなく、容易にコンテンツを転送できることである。転送されたコンテンツは、再転送不可とする設定もできる。クラウドからスタンプコードに対応するコンテンツをダウンロードするか、またはストリーミングを行う。
【0221】
図42は、本願発明を用いたドットコード形成媒体情報リンクを表す図である。
【0222】
図42(A)において、コード認識装置3−1で、コード発生装置1を所定のアプリケーションを起動させ、写真や動画を撮影したり、様々なコンテンツ(コード認識装置3で撮影したライブ映像や音声なども含む)を表示する。コンテンツ紐付用のスタンプコードを読み取った後に、コンテンツを表示してもよい。
図42(B)において、所定のアプリケーションの情報リンクモードを設定し、ドットコードが形成されたシールや様々な媒体に、コード発生装置1をタッチして、ドットコードを読取り、対応するスタンプコードに変換される。次に、コード認識装置3−1に表示された押印マーク領域(どのようなグラフィックでもよい)にコード発生装置1でタッチして、スタンプコードを出力して、コード認識装置3−1がスタンプコードを読み取る。なお、コード発生装置1で、ドットコードを読取り、スタンプコードを出力した後に、情報リンクモードを設定してもよい。情報リンクモードの設定は、コード認識装置3−1側で設定してもよいし、コード発生装置1で専用の情報リンクモードを指示するドットコードを読み取ってもいいし、コード発生装置1本体のボタン操作で行ってもよい。さらに、シールや様々な媒体に形成されたドットコードには、情報リンクモードの設定指示も含まれており、コード発生装置1で、当該ドットコードを読取り、コード認識装置3−1にタッチしてスタンプコードを読み取るだけで、情報リンクモードになり、当該スタンプコードとコンテンツが紐付される。ドットコードに対応するスタンプコードと、図42(A)で表示されたコンテンツを紐付し、当該コンテンツがクラウドまたはサーバ4にアップされる。コンテンツは、事前にアップされていてもよい。クラウドにスタンプコードに対応するコンテンツをアップする。スタンプコード-コンテンツ名テーブルも登録してよい。
図42(C)において、その後、図42(B)のコンテンツが紐付されたドットコードが形成されたシールや様々な媒体にコード発生装置1でタッチし、ドットコードを読取り、対応するスタンプコードに変換し、コード認識装置3−1にタッチすると、当該コンテンツを閲覧・実行できる。その後、再度、所定のアプリケーションを起動しても、同様に閲覧・実行できる。更に、コード認識装置3−2でも閲覧・実行できる。コンテンツが紐付されたドットコードが形成された媒体をタッチして、コード認識装置3−2にタッチしてスタンプコードを出力してもよい。
図42(D)において、他の方法として、所定のアプリケーションを起動させて、表示されたコンテンツに紐付されたスタンプコードに対応する第1のドットコードを表示し、
コード発生装置1で読取り、第2のドットコードが形成された媒体をタッチして、第2のドットコードとスタンプコードを紐付し、その後、当該媒体をタッチしてコード認識装置3−2にタッチし、スタンプコードを出力することにより、コンテンツを閲覧・実行できる。クラウドからスタンプコードに対応するコンテンツをダウンロードするか、またはストリーミングする。
【0223】
<ドットパターンの説明>
つぎに、上記で言及したドットパターンの一例について、図43〜52を用いて以下に説明する。
【0224】
図43の情報ドットのとらえ方>
情報ドットのとらえ方は、図43(A)〜(E)に示す通りである。
【0225】
なお、情報ドットのとらえ方は、図43(A)〜(E)の例に限定されない。
【0226】
すなわち、図43(A)に示すように、情報ドットを仮想点の上下左右、斜めに配置するほか、情報ドットを配置しない場合、仮想点に情報ドットを配置するか、配置しない場合も含めて情報量を増やすことが可能である。 図43(B)は、2行×2列の計4個の仮想領域内に情報ドットを配置したものであるが、境界付近に情報ドットを配置すると誤認識が発生する可能性があるので、図43(C)は、一定の間隔をおいて隣り合う仮想領域を配置した実施例である。 なお、4個の仮想領域内に複数個の情報ドットを配置したり、情報ドットを配置しない場合も含めて情報量を増やすことが可能である。
【0227】
図43(D)は、3行×3列の計9個の仮想領域内に情報ドットを配置したものである。なお、9個の仮想領域内に複数個の情報ドットを配置したり、情報ドットを配置しない場合も含めて情報量を増やすことが可能である。
【0228】
図43(E)は、正方形の中点および対角線を全て直線あるいは仮想線で結び、計8個の仮想領域内に情報ドットを配置したものである。なお、8個の仮想領域内に複数個の情報ドットを配置したり、情報ドットを配置しない場合も含めて情報量を増やすことが可能である。
【0229】
図43(B)〜(E)の仮想領域は矩形または三角形であるが、図43(C)のように、仮想領域が互いに接する必要もなく、円形や他の多角形など、どのような形状であっても構わない。さらに、その仮想領域の数を増やすことによって情報量を増大できる。なお、仮想領域への情報ドットの配置は、図43(A)で示された、仮想点から所定の方向に所定の距離だけずれて配置される情報ドットの配置方法と同一である。なぜなら、印刷データを作成するに当たって、どのような仮想領域に配置する場合も、いずれかの位置を示す座標データで配置位置を決定する必要があり、仮想点からずれて配置するために座標データを算定することと何ら変わりがない。また、ドットを読み取る際も、いずれの配置方法であっても、ドットパターンを撮像した画像において、情報ドットが配置される可能性のある複数の配置位置を中心に円形かまたは矩形等のドット認識判定領域を設定し、そのドット認識判定領域内にドットがあるかどうかを判定してドットを認識することからも、同一の情報ドット読み取り方法と言える。
【0230】
図44の情報ドットのコードの割り当て>
情報ドットのコードの割り当ては、図44(A)〜(C)に示す通りである。
【0231】
すなわち、図44(A)に示すように、例えばカンパニーコードなどの「コード値」に全て割り当ててもよいし、同図(B)に示すように、1つのコードフォーマットとして「X座標値」と「Y座標値」の2つのデータ領域に割り当ててもよいし、あるいは同図(C)に示すように、「コード値」、「X座標値」、「Y座標値」の3つのデータ領域に割り当ててもよい。長方形の領域に座標値を割り当てる場合は、データ量を削減するために「X座標値」、「Y座標値」のデータ領域は異なってもよい。さらに、図示しないが位置座標における高さを定義するために「Z座標値」をさらに割り当ててもよい。なお、「X座標値」、「Y座標値」を割り当てた場合は、位置情報のため、X、Y座標の+方向に座標値が所定量だけ増分するため、全てのドットパターンは同一ではなくなる。また、図24(A)〜(C)から明らかなように、割り当てるコードの種類を増やすほど、ドット認識判定領域が小さくなり、情報ドットの配置位置を正しく認識しづらくなる。
【0232】
<第1の例(「GRID0」)、図45〜48>
ドットパターンの第1の例は、本出願人は「GRID0」との仮称で呼んでいる。
【0233】
「GRID0」の特徴は、キードットを用いることで、ドットパターンの範囲や方向の少なくとも一つを認識できるようにしたものである。
【0234】
「GRID0」は、図45〜48に示すように、次の構成を備える。
【0235】
(1)情報ドット
情報ドットは、情報を記憶するためのものである。
【0236】
なお、情報ドットのとらえ方は、図43(A)〜(E)に示した通りであり、また、情報ドットのコードの割り当ては図44(A)〜(C)に示した通りである。
【0237】
なお、情報ドットを配置しない場合、仮想点に情報ドットを配置するか、配置しない場合も含めて情報量を増やすことが可能である。
【0238】
(2)基準ドット
基準ドットは、予め設定された複数の位置に配置されたものである。
【0239】
基準ドットは、後述する仮想点あるいは仮想領域の位置を特定するためのものである。
【0240】
(3)キードット
キードットは、基準ドットをずらして配置されるか、または図46に示すように、基準ドットの配置位置からずれた位置に加えて配置されるものである。つまり、基準ドットをずらして配置される場合は、基準ドットがずれるため元の基準ドットの配置位置には基準ドットがなくなる。そこで、キードットは元の基準ドットの役割も担うことになり、元の基準ドットの位置を他の基準ドットの配置から推定できるようにすることが望ましい。基準ドットの配置位置からずれた位置に加えて配置された場合は、基準ドットとキードットの2つが近傍に配置されることになる。
【0241】
キードットは、基準ドットと仮想点に対する情報ドット、あるいは基準ドットと仮想領域中に配置する情報ドットの基準となる方向を特定するものである。この基準となる方向が定まることにより、仮想点に対する情報ドットの方向で情報を与え、読み取ることが可能となる。さらに1つのデータを複数の情報ドットで定義するドットパターンの範囲を特定することもできる。これにより、ドットパターンが上下左右に並べられていても、ドットパターンの範囲を読み取りデータを復号化することができる。
【0242】
(4)仮想点あるいは仮想領域
仮想点あるいは仮想領域は、基準ドットの配置により特定されるものである。図47に仮想点からの距離と方向の少なくともいずれかで情報を定義する場合、方向については、前述したキードットによるドットパターンの方向を基準として情報を定義すればよい。距離については、所定の基準ドット間の距離を基準にすればよい。なお、仮想領域を配置して情報を定義する場合は、情報を1個付与するための複数の仮想領域の中心もしくは代表点を仮想点として、上記と同様に基準ドットの配置で仮想点の位置を特定し、さらに仮想点からの距離と方向で仮想領域を定義してもよい。また、基準ドットの配置から、全ての仮想領域の配置位置を直接特定してもよい。なお、隣り合う仮想領域は連結してもよいが、その場合境界付近に情報ドットを配置すると誤認識が送る可能性があるので、一定の間隔を置いて仮想領域を配置した方が望ましい。
【0243】
図45は、「GRID0」のドットパターンの汎用例を示すものであり、同(A)は基準ドットを略プラスの文字形に配置した例、同(B)は情報ドットの配置個数を増加した例、同(C)は基準ドットを六角形に配置した例をそれぞれ示すものである。
【0244】
なお、ドットパターンの汎用例は、図45(A)〜(C)に例示した略プラスの文字形や略六角形に限定されない。
図46は、図45の変形例を示し、キードットを基準ドットの配置位置からずれた位置に加えて配置したものであり、その結果、基準ドットとキードットの2つが近傍に配置されることになる。
【0245】
図47は、「GRID0」のドットパターンの変形例を示すものであり、同(A)は基準ドットを略方形に配置した例、同(B)は基準ドットを略L字形に配置した例、同(C)は基準ドットを略十字架形あるいは略プラス形に配置した例をそれぞれ示すものである。
【0246】
なお、ドットパターンの変形例は、図47(A)〜(C)に例示した略方形、略L字形、あるいは略十字架形あるいは略プラス形に限定されない。
【0247】
図48図49は、「GRID0」のドットパターンの連結例ないし連接例を示すものであり、同図(A)は基準ドットを略方形に配置したドットパターンを、その基準ドットの一部が共通するように隣接させて複数配置した連結例である。連結ができる条件は、1つのドットパターンの上下および/または左右の両端のドットの位置が必ず同一位置とならなければならない。なお、上下または左右のみ連結してもよい。同図(B)は基準ドットを略L字形に配置したドットパターンを相互に独立させて複数配置した第1の連接例をそれぞれ示すものである。図49(A)は、基準ドットをプラス形に配置したドットパターンを相互に独立させて複数配置した第2の連接例を示すものである。なお、連接とは、ドットパターンを所定の間隔をおいて上下左右に並べる方法である。図49(B)は、基準ドットを六角形に配置したドットパターンを、その基準ドットの一部が共通するように隣接させて複数配置した連結例である。
【0248】
また、ドットパターンの連結例ないし連接例は、図48(A)および(B)ならびに図49に例示した配置に限定されない。
【0249】
<第2の例(「GRID5」)>
ドットパターンの第2の例は、本出願人は「GRID5」との仮称で呼んでいる。
【0250】
「GRID5」は、「GRID0」のキードットに代えて、「基準ドットの配置の仕方」によって、ドットパターンの範囲および方向を認識できるようにしたものである。「基準ドットの配置の仕方」でドットパターンの方向を認識するためには、基準ドットの配置がどのような点を中心にどれだけ回転(360°を除く)させても、回転前の配置と同一にならない非軸対称でなければならない。さらに、ドットパターンを上下および/または左右に複数繰り返し並べて連接または連結した場合にも、ドットパターンの範囲および向きが認識できる必要がある。
なお、「GRID5」では、パターン認識を用いてドットパターンの方向を認識している。すなわち、基準ドットにより形成されたドットパターンの形状を記憶手段に記憶しておく。そして、読み取ったドットパターンの画像と記憶手段に記憶された形状とを照合することにより、ドットパターンの方向が分かる。
【0251】
なお、「GRID0」として、キードットを含んでいても、キードットを基準ドットとして認識させ、「基準ドットの配置の仕方」により、キードットが無い「GRID5」のドットパターンとして、その範囲や方向を認識できる。
【0252】
図50は、「GRID5」のドットパターンの汎用例を示すものであり、同(A)は基準ドットを上下方向に非対称な略ハウス形に配置した例、同(B)は基準ドットを上下方向に非対称な略十字架形に配置した例、同(C)は基準ドットを上下方向に非対称な略二等辺三角形に配置した例をそれぞれ示すものである。
【0253】
なお、ドットパターンの汎用例は、図50(A)〜(C)に例示した略ハウス形、略十字架形あるいは略三角形に限定されない。
【0254】
図51は、「GRID5」のドットパターンの変形例を示すものであり、同(A)は基準ドットを上下に非対称な略方形に配置した例、同(B)はキードットを併用し、基準ドットを上下に非対称な略L字形に配置した例、同(C)はキードットを併用し、基準ドットを上下に非対称な略十字架形に配置した例をそれぞれ示すものである。
【0255】
なお、ドットパターンの汎用例は、図51(A)〜(C)に例示した上下に非対称な略方形、略L字形形あるいは略十字架形に限定されない。また、図51では、ドットパターンが格子状に描かれているが、非軸対称であれば、基準ドットを全く任意に配置すればよい。
つまり、「GRID5」では、基準ドットはどのような配置でもよく、パターン認識できるドットの配置であればよい。
【0256】
図52は、「GRID5」において、基準ドットまたは仮想点を任意に配置した場合について説明する図である。
図52(A)では、基準ドットのパターンは非軸対称のユニークな配置であり、仮想点の配置パターンを認識できる。但し、仮想点の配置パターンから基準ドットの配置パターンが、パターン認識(仮想点の配置パターンと照合)により認識される場合は、基準ドットの配置パターンは非軸対称のユニークな配置パターンでなくてもよい。
図52(B)では、仮想点のパターンは非軸対称のユニークな配置であり、基準ドットの配置パターンを認識できる。但し、基準ドットの配置パターンから仮想点の配置パターンが、パターン認識(基準ドットの配置パターンと照合)により認識される場合は、仮想点の配置パターンは非軸対称のユニークな配置パターンでなくてもよい。
図52(C)では、基準ドットのパターンと仮想点のパターンが関連付けられて配置されている。
図52(D)では、仮想点を始点として情報ドットを配置している。仮想点の配置パターンから基準ドットの配置パターンが、パターン認識により認識される場合は、仮想点の配置パターンは、情報ドットの配置パターンを認識することにより、近傍領域に仮想点が存在することで認識でき、仮想点のパターンと照合(パターン認識)することにより、仮想点の配置パターンを認識できる。
【0257】
<ドットパターンの読み取り>
以上の「GRID0」、「GRID5」のドットパターンが所定の領域内で同じコード値が定義され、上下左右に繰り返し並べて配置される場合、図53のように、当該ドットパターンの範囲と同じ大きさの範囲で任意の領域を読み取れば、本来のドットパターンを構成する情報ドットが、(1)〜(16)(図中は「丸1〜丸16」と記載している。)あるいは(1)〜(9)(図中は「丸1〜丸9」と記載している。)まで全て充足され、定義されたコード値全てが読み取ることができる。このように、情報ドットの配置はドットパターンの向きと範囲によって確定できるため、コード値として構成される情報ドットの配置法則も特定できる。さらに、図54のように、任意の領域で読み取るドットパターンの範囲において、当該範囲を超えて左右どちらかの情報ドットを読み取った場合、当該情報ドットと反対側端部に位置する情報ドットとは、定義される数値が同一であり、仮想点に対して同一の方向に同一距離だけずれた位置に配置される。この2つの情報ドットを繋ぐ線分は水平線となり、この水平線を平行移動することにより、仮想点を通る水平線を正確に認識できる。平行移動量は、対応する基準ドットが存在すれば、基準ドットが水平線上に位置するまでの距離となる。さらに、上下方向に対しても同様な手順で垂直線を認識すれば、水平線と垂直線の交点の位置を求めることにより、正確に仮想点を求めることができる。この方法によれば、光学読み取り装置を傾けてドットパターンを撮像し、ドットの配置が大きく変形しても仮想点を正確に求めることができ、情報ドットが示す数値を正確に認識できる。
【0258】
以上説明した本発明が適用されるコード発生装置及びコード認識装置は、各種各様な分野や用途に用いることができる。以上の説明は、本発明が適用されるコード発生装置及びコード認識装置に関するものであるが、以下、さらに、本発明の様々な側面における実施形態を以下の実施形態1から実施形態17にしたがって説明する。したがって、以上で述べた「実施形態」の構成に含まれる構成要素は、以下の実施形態1から実施形態23のいずれにも組み合わせることができる。また、以下の実施形態1から実施形態23で述べる構成要素は、上記「実施形態」の構成要素と組み合わせることができるのは、いうまでもない。
【0259】
<実施形態1>
以下、実施形態1に係るカード型装置110を説明する。本カード型装置は、上記実施形態0のコード発生装置の構成をカード型にしたものである。ただし、本発明の実施がカード型の装置に限定される訳ではない。図55は、カード型装置110の使用例を示す。カード型装置110は、プラスティック製の板状部材に、電子回路その他の素子が埋め込まれた構成を有する。
【0260】
図55のように、カード型装置110は、携帯電話、スマートフォン、携帯情報端末、パーソナルコンピュータ、車載器等の情報機器200が有するタッチパネルとの間で、情報を授受する。例えば、カード装置110は、ディスプレイを有するタッチパネルの画面から発せされる光を受光し、電気エネルギーに変換する。カード型装置110は、単位時間あたりに受光した光のエネルギー(発生する電気エネルギー)の変化から、デジタルデータを生成する。したがって、情報機器200は、デジタルデータ(ビット列)にしたがって、画面の光量を時間変化させることで、カード型装置110にデジタルデータを引き渡すことができる。カード装置110は、タッチパネルに接触あるいは近接してもよいが、必要な電気エネルギーへの変換および/またはデジタルデータの取得に必要な距離で対面してもよい。情報機器200のハードウェア構成は、実施形態0で説明したコード認識装置3と同様であるので、その説明を省略する(図5参照)。したがって、以下の実施形態においても、情報機器200は、図3のコード認識装置3と同様の構成を有するものとして、説明がなされる。なお、情報機器200は、例えば、スマートフォン、携帯情報端末、タブレット端末等である。
【0261】
一方、カード型装置110は、タッチパネルに対して、静電容量等の物理量の変化を与えることで、タッチパネルを介して、情報機器200のCPU(Central Processing Unit)に情報を出力できる。情報機器200は、例えば、トリガとなる特定の静電容量の変化を検知した場合に、カード型装置110との通信プログラムを起動し、カード型装置110とタッチパネルを介した通信を開始する。
【0262】
カード型装置110は、タッチパネルと接触あるいは、タッチパネルに近接する面に、静電容量等の物理量の変化を生じる導体端子(素子ともいう)を複数配列している。それぞれの素子は、スイッチを介して、カード型装置110に接触する人の指と接続可能となっている。したがって、スイッチがオンのとき、例えば、素子とタッチパネルとの間の相互静電容量が基準値より大きくなり、タッチパネルは、素子の接触または近接を検知する。カード型装置110を近接させる場合、カード型装置110が近接した状態で、カード型装置110とタッチパネルとの間にガラスや他の保護シートが空隙無く張られているのが望ましい。なお、カード型装置110とタッチパネルとの間に空隙が有る場合は、タッチパネルはカード型装置110の近接を検知しにくくなる。
【0263】
どのスイッチをオンにするかによって、タッチパネルが検知する素子の配列パターンが異なるものとなる。例えば、情報機器200のCPUがトリガパターンと呼ばれる所定の素子の配列パターンを検知することで、情報機器200は、カード型装置110との通信を開始する。カード型装置110は、例えば、指紋センサで検知した指紋が、メモリに格納されたユーザの指紋データと合致した場合に、トリガパターンが素子からタッチパネルに検知されるように、スイッチを制御すればよい。また、指紋認証センサにの代わりに、静脈認証センサ、網膜認証センサ、虹彩認証センサ等を用いてもよい。指紋センサ、静脈認証センサ、網膜認証センサ、虹彩認証センサは、生体認証手段と呼ぶこともできる。
【0264】
なお、本実施形態において、本件発明を例示する装置は、カード型の装置に限られない。ただし、本件発明を例示する装置は、タッチパネルに対して、情報を出力するための素子が配列された作用面を有する装置であることが望ましい。そこで、以下、カード型装置を単に装置110と呼ぶ。また、装置110と情報機器200とが通信を開始する契機は、指紋センサで検知した指紋が、メモリに格納されたユーザの指紋データと合致し、トリガパターンが装置110から情報機器200に送信された場合に限定されない。例えば、情報機器200において、所定のコンピュータプログラムが所定の条件を満たしたときに、情報機器200からタッチパネル等を介して装置110にトリガ信号が送信されるようにしてもよい。所定のコンピュータプログラムが所定の条件を満たしたときとは、例えば、所定のコンピュータプログラムが起動されたとき、所定のコンピュータプログラムがユーザから所定の操作を受けたとき、等をいう。情報機器200からタッチパネル等を介して装置110に送信されるトリガ信号は、例えば、タッチパネルの光量の変化、タッチパネル上の色の組み合わせ、タッチパネル上の色の組み合わせの遷移、タッチパネル上の所定の画像、情報機器200から放射される電磁波エネルギーの変化等によって装置110に伝達可能である。すなわち、装置110がタッチパネルの光量の変化、タッチパネル上の色の組み合わせ、タッチパネル上の色の組み合わせの遷移、タッチパネル上の所定の画像、情報機器200から放射される電磁波エネルギーの変化等を検知したときに、装置110が上記導体端子からタッチパネルへの静電容量等の物理量の変化を通じて、情報機器200との通信を開始するようにしてもよい。また、情報機器200は、情報機器200で稼働するコンピュータプログラムによって、情報機器200に搭載されたWIFIやブルーツース等の各種無線装置を起動することで、または、各種無線装置から出力される電磁波エネルギーを制御することで、通信を実施することができる。
【0265】
[装置構成]
図56から図58は、実施形態1における装置の構成例を示す。また、図59および図60は、装置の上地に透明導電性フィルムを有する装置の構成例を示す。本実施形態における装置構成は一例であり、以下に限られず、実施の形態に応じて適宜構成要素の省略や置換、追加が可能である。また、各構成要素の配置は、実施の形態に応じて適宜変更が可能である。
【0266】
図56は、装置110の裏側の構成の一例を示す模式図である。装置110の裏側は、情報機器200のタッチパネルが接触または近接する側である。装置110は、裏面に1以上の素子111、および1以上の光電変換素子を含む光電変換素子配列112を備える。光電変換素子配列112は、例えば、ソーラーパネルである。1以上の素子111が配置された裏面は、対向面から検知可能な物理量変化が生じる1以上の素子が配列された作用面の一例である。
【0267】
素子111は、導体の端子であり、静電容量等の物理量の変化によって、情報機器200のタッチパネルに対し、所定形式の情報を出力する。光電変換素子配列112は、1以上の光電変換素子を含み、電気エネルギーの供給を受ける。光電変換素子配列112は、「外部から到来する外部エネルギーの到来量を検出する到来量検出部」の一例である。
【0268】
図57は、装置110の表側の構成の一例を示す模式図である。なお、図58に、装置110の構成を例示する。装置110の表側は、ユーザの指等が接触または近接する側である。装置110は、表面に指紋センサ113、接触導体114(導体パッドともいう)を備える。指紋センサ113は、指紋等の人体の一部表面の凹凸による模様を検出する。一方、接触導体114に指が接触または近接することで、静電容量等の物理量の変化がタッチパネルによって検出される。装置110の表側は検出面の一例である。接触導体114は、外部からの接触を受ける導電性の被接触材料部の一例であり、ユーザが接触導体114に指を接触させることで、SW15を介して、ユーザの人体が素子111に接続される。接触導体114は、ユーザの人体をSW115に電気的に接続する役割を有する。例えば、ユーザの指が接触導体114に指を接触している状態で、SW15がON/OFFすると、タッチパネルで十分に検知可能な静電容量の変化が生じる。
【0269】
指紋センサ113は、指が接触または近接することで、静電容量の空間分布から、指紋の画像データを生成し、図示しないバス(入出力バス等)を通じてCPU116(図58)に生成した画像データを転送する。CPU116は、指紋センサ113から転送された指紋の画像データをメモリ117(図58)の作業領域に保存する。そして、CPU116は、メモリ117の作業領域に保存された指紋センサ113からの指紋の画像データと、元々メモリ117の不揮発性領域(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory(EEPROM)、フラッシュメモリ等)に保存されていたユーザの指紋の画像データとを照合する。そして、指紋センサ113からの指紋の画像データと、メモリ117の不揮発性領域に保存されていた指紋の画像データが一致すると、CPU116は、指紋センサ113からの指紋の画像データにより、ユーザの認証が正しく実行されたと判定する。CPU116は、指紋の画像データそのもので認証を実行する代わりに、指紋の画像データから指紋を特定するための特徴点データを求め、容量の少ない特徴点データで照合と認証を実行してもよい。すなわち、メモリ117の不揮発性領域に、ユーザの指紋の画像データから指紋を特定するための特徴点データを格納しておいてもよい。また、指紋センサはカードの裏面に配置してもよい。そして、CPU116は、トリガパターンにしたがってスイッチを制御する。このスイッチの制御により、素子111からの物理量の変化が、装置110が近接し、あるいは載置された情報機器200のタッチパネルに伝達される。なお、指紋センサ113は、指紋の代わりに絶縁性の媒体表面に導電性のインク等を印刷した直径0.5mm未満のドットを複数含むドットパターン、絶縁性の媒体表面に導電性材料を固着することによって形成した直径0.5mm未満のドットを複数含むドットパターン等の形状を認識できる。なお、指紋センサ113が十分な精度があれば、直径0.05〜0.2mm程度のドットを認識することもできる。したがって、指紋センサ113に指紋を認識させることによって認証を行う代わりに、ドットによる認証を実施できる。例えば、実施形態1のコード発生装置1と同様のスタンプ部の底面、あるいは、様々な形状をした三次元形状物等を絶縁材料で形成し、スタンプ部の底面、あるいは、様々な形状をした三次元形状物等の表面に導電性インク、導電性材料によって情報をコード化したドットパターンを形成することで、人の指による認証に代えて、情報入力手段が形成される。また、紙面に、導電性インク、導電性材料によって情報をコード化したドットパターンを形成して、指紋センサ113に対する情報入力手段としてもよい。ドットパターンの代わりに、バーコード、2次元バーコード等を用いてもよい。また、ドットパターン、バーコード、2次元バーコード等の代わりに、導電性インク、導電性材料によって媒体面に文字列を形成し、指紋センサ113に対する情報入力手段としてもよい。指紋センサ113で読み取った文字列をOptical Character Recognition(OCR)の技術で認識すればよい。
【0270】
ただし、ユーザの指紋の認証は、CPU116の処理に限定される訳ではない。上記CPU116の少なくとも一部の処理は、CPU116以外のプロセッサ、例えば、Digital Signal Processor(DSP)、Graphics Processing Unit(GPU)、数値演算プロセッサ、ベクトルプロセッサ、画像処理プロセッサ等の専用プロセッサで行われても良い。また、上記CPU116の少なくとも一部の処理は、集積回路(IC)、その他のデジタル回路によって実行されても良い。また、上記CPU116の少なくとも一部の処理は、アナログ回で実行されても良い。集積回路は、LSI,Application Specific Integrated Circuit(ASIC),プログラマブルロジックデバイス(PLD)を含む。PLDは、例えば、Field-Programmable Gate Array(FPGA)を含む。上記CPU116の機能は、プロセッサと集積回路との組み合わせで実現されても良い。組み合わせは、例えば、マイクロコントローラ(MCU),SoC(System-on-a-chip),システムLSI,チップセットなどと呼ばれる。
【0271】
図58は、装置110の構成の一例を示す模式図である。図58は、図55に例示したプラスティック製の板状部材を省略して、板状部材に埋め込まれる部品の関係を模式的に例示する。装置110は、表側(ユーザの指が接触する側)に、指紋センサ113、接触導体114を備える。指紋センサ113および接触導体114は、図57に示される指紋センサ113、接触導体114と同一であるため、その説明は省略される。
【0272】
また、装置110は、裏側(タッチパネルが接触または近接する側)に、1以上の素子111および光電変換素子配列112を備える。素子111および光電変換素子配列112は、図56に示される素子111および光電変換素子配列112と同一であるため、その説明は省略される。
【0273】
さらに、装置110は、1以上のSW(スイッチ)115、CPU116、メモリ117、コンパレータ118、駆動回路121、電池122を備える。装置110の各構成要素は、制御ライン119によりCPU116に接続される。また、装置110の各構成要素は、電源ライン120を介して電池122から電力エネルギーの供給を受ける。電池122は、例えば、フィルム型リチウムイオン電池である。光電変換素子配列112以外に、装置110の表側に光電変換素子配列(ソーラーパネル)を設け、電池122を充電するようにしてもよい。
【0274】
SW115は、接触導体114を介して検出される静電容量の変化を、素子111からタッチパネルに出力するか否かを切り替える。すなわち、SW115がONの場合には、接触導体114を介して接触する人体を含む静電容量が素子111を介してタッチパネルとの間で形成される。一方、SW115がOFの場合には、素子111からSW115に至る配線等の静電容量が素子111を介してタッチパネルとの間で形成される。SW115は、「物理量制御部」の一例である。CPU116は、メモリ117に記憶された各種プログラムを実行することにより、装置110の各構成要素の処理を実行する。メモリ117は、各種プログラムをロードするための記憶領域、及びプログラムを実行するための作業領域を提供する。また、メモリ117は、各種プログラムおよびプログラムの実行に使用されるデータを記憶する。メモリ117は、例えば、Read Only Memory(ROM)、Random Access Memory(RAM)等の半導体メモリである。ROMには、書き換え可能な不揮発性のメモリを含む。
【0275】
コンパレータ118は、光電変換素子配列112等の発電部に並列して設けられる回路である。コンパレータ118は、発電部により検出される端子電圧が所定の基準値を超えるか否かを判定し、外部エネルギーの到来量の時間変化をデジタルデータに変換する。光電変換素子配列112の複数箇所の光電変換素子(光センサ、フォトダイオード、フォトトランジスタ等)から信号を検出する場合には、コンパレータ110は、複数箇所の光電変換素子と同数並列に設けられる。この複数の光電変換素子と複数のコンパレータ118の組み合わせによって、複数チャネルの入力信号を取得する回路が形成される。また、コンパレータの代わりにアナログ/デジタル変換器(A/D変換器)を用いてもよい。A/D変換器を用いることで、各チャンネルで3ビット以上の多値の信号を1回の入力で実現できる。コンパレータ118(あるいはA/D変換器)は、「到来量の時間変化を基に所定形式の入力情報を取得する情報取得回路」の一例である。
【0276】
駆動回路121は、情報機器200に送信する出力情報に応じて、SW115のオンオフを切り替える。なお、駆動回路121が実行する処理は、CPU116により制御されてもよい。電池122は、素子111、SW115、CPU116、駆動回路121等のハードウェア回路を駆動するための電源を供給する。ただし、電池122を設けず、光電変換素子配列112による電力によって、ハードウェア回路に電力を供給してもよい。駆動回路121は、物理量変化によって所定形式の出力情報を出力させる情報出力部の一例である。
【0277】
図59に、装置110の変形例の外観を例示する。図59は、表側に導電性フィルムを備える装置110Aの表側の構成の一例を示す模式図である。装置110Aは、図57に示される装置110の指紋センサ113および導体パッド114に代えて、指紋検出用画像センサ113Aおよび透明導電性フィルム114Aを備える。図59の構成であっても、図57に示される装置110と同様の機能を提供できる。
【0278】
指紋検出用画像センサ113Aは、例えば、CCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等のイメージセンサである。指紋検出用画像センサ113Aは、例えば、プラスチックカードの上に配置される。透明導電性フィルム114Aは、指紋検出用画像センサ113Aの上に重ねて配置される。指紋検出用画像センサ113Aに指が透明導電性フィルム114Aを介して接触または近接すると、指紋検出用画像センサ113Aは指の表面の指紋の画像データを取得する。指紋検出用画像センサ113Aは、取得した指紋の画像データを図示しないバス(入出力バス等)を通じてCPU116に転送する。CPU116は、指紋検出用画像センサ113Aから転送された指紋の画像データをメモリ117の作業領域に保存する。指紋の画像データをメモリ117の作業領域に保存した後のCPU116の処理は、図57(静電容量の変化によって指紋を検出する指紋センサを用いた例)の装置110と同様であるので、その説明を省略する。
【0279】
図60は、表側に導電性フィルム114Aを備える装置110Aの構成の一例を示す模式図である。図60は、図59に例示したプラスティック製の板状部材を省略して、板状部材に埋め込まれる部品の関係を模式的に例示する。装置110Aは、図58に示される装置110の指紋センサ113および導体パッド114に代えて、指紋検出用画像センサ113Aおよび透明導電性フィルム114Aを備える。図60の構成では、指紋検出用画像センサ113A上の透明導電性フィルムにユーザの指が接触すると、ユーザの人体はSW115を介して素子111に接続される。したがって、透明導電性フィルムにユーザの指が接触した状態で、CPU116が駆動回路121を制御してSW115をON/OFFすることで、静電容量等の物理量の変化を素子111からタッチパネルに検知させることができる。その他の構成要素は、図58に示される装置110と同じであるため、その説明は省略される。指紋センサ113は、「センサ」の一例である。
【0280】
[パターンコード出力]
図61Aは、装置110の情報機器200のタッチパネルとの接触面の構成の一例を示す模式図である。装置110は、光電変換素子配列112および5つの素子111(パターンコード出力装置ともいう)を備える。
【0281】
光電変換素子配列112は、ソーラー電力の供給および情報入力のためのパネルである。図61Aの例では、光電変換素子配列112は、縦20〜30mm、横20mm程度の大きさであれば、パターンコード出力装置を稼働させるための電力の供給等が可能である。指紋認証やドットコード等の読取を実施するには、大きめのソーラー電力、充電池の搭載が望ましい。また、光電変換素子配列112は、各素子111との間の距離が1〜2mm離れていればよい。
【0282】
5つの素子111は、導体であり、光電変換素子配列112の周囲に配置される。5つの素子111は、例えば、タッチパネルとの間で相互静電容量等の物理量の変化を引き起こし、タッチパネルを有する電子機器に情報を出力する。素子111の出力情報は、シンボルとも呼ばれる。各素子の径が8mm以上であれば、タッチパネル上に0.5〜0.66mmの保護ガラスを装着しても、タッチパネルは素子111からの出力情報を読み取ることが可能である。また、隣り合う素子111の端部から端部までの距離は、4mm以上であれば認識することが可能である。図61Aの例では、各素子111からの出力される情報をシンボル1からシンボル5のように呼ぶことにする。図61Aでは、丸形状の素子111内に、数字でシンボル1からシンボル5を例示している。なお、上記の各種サイズは、タッチパネル側の性能や静電容量の変化を起こさせる電気回路によって異なってくることは言うまでもない。シンボル1は、光電変換素子配列112の上側の素子111から出力される。シンボル2およびシンボル3は、光電変換素子配列112の右側の2つの素子111から出力され、上側がシンボル2、下側がシンボル3である。シンボル4およびシンボル5は、光電変換素子配列112の左側の2つの素子111から出力され、下側がシンボル4、上側がシンボル5である。シンボルは、信号であり、情報シンボルと呼ぶこともできる。シンボルは、素子111と情報機器200のタッチパネル等の物理量を検出可能なセンサ(物理量センサという)との相互作用により、物理量センサが検出する信号である。タッチパネル等の物理量センサは、素子111との相互作用により、物理量、例えば、静電容量、あるいは、タッチパネル等の物理量センサ表面の電界強度等を検知する。検知された物理量が閾値以上の(または、超えた)場合をONの信号とし、物理量が閾値を未満の(または、以下の)場合をOFFの信号とする。シンボルは、このようなONとOFFの信号列ということができる。
【0283】
シンボル1は、基準シンボルであり、所定の時間間隔でON/OFFを繰り返す信号である。シンボル2から5までは、情報を出力するために用いられる信号である。装置110は、各情報シンボルのON/OFFを切り替えて、平面上に配置され、空間的広がりを有する複数の素子111から様々な配列パターン(以下、単にパターンとも呼ばれる)を出力することによって、情報機器200に送信する情報(パターンコード)を出力する。すなわち、パターンコードとは、複数の素子111から出力されるシンボルのONとOFFとの組み合わせを時間軸上で変化させることで表現される情報をいう。また、ある時刻における複数の素子111から出力されるシンボルのONとOFFとの組み合わせをパターンと呼ぶ。そして、シンボルのONとOFFとは、それぞれの素子111とタッチパネルとの間の静電容量の変化によって、装置110からタッチパネルに伝達される。すなわち、情報機器200は、筐体表面に組み込まれたタッチパネルに載置または近接する装置110裏面のそれぞれ素子111とタッチパネルとの間の静電容量等の物理量の変化、および素子110の位置を検知することで、装置110からパターンコードを取得する。
【0284】
図61Bは、パターンコードの出力例を示す図である。パターンコード出力装置は、各シンボルのON/OFFを切り替えることにより、様々なパターンを出力する。図61Bでは、各配列パターンに左から通し番号を付している。0番目(通し番号0)のパターンは、シンボル1から5に対応する素子111がOFFの状態の場合である。素子111がOFFの状態は白丸で例示されている。装置110および装置110内の回路等は、電池112からも電力の供給を受ける。ただし、装置110および装置110内の回路等が、情報機器200のタッチパネルに載置されることにより、タッチパネルからの光を受光する光電変換素子配列112(ソーラー電力と同様の半導体のP/N接合の配列)により電力供給を受けるようにしてもよい。
【0285】
装置110は、タッチパネルからソーラー電力の供給が開始されると、1番目(通し番号1)のパターンで示すように、シンボル1から5に対応する素子111をONの状態とする。シンボル1から5に対応する素子111がONまたはOFFの状態にあることを単にシンボル1から5がONまたはOFFの状態にあるという。また、ONの状態とは、例えば、タッチパネルが素子111から基準以上の物理量を検知できる状態をいい、OFFの状態とは、例えば、タッチパネルが素子111から基準以上の物理量を検知できない状態をいう。シンボル1から5までONの状態であるパターン(以下、区切りパターン、基準シンボルパターンとも呼ばれる)は、パターンコードの開始または区切りを示す。区切りパターンは、タイムスタンプの開始時刻を示す役割を果たす。基準シンボルと情報シンボルが同時に出力されないようにすることで、パターンコードは誤認のないように認識される。
【0286】
2番目(通し番号2)のパターンは、シンボル3およびシンボル5がON、他のシンボルはOFFの状態である。2番目のパターンは、情報を出力するためのパターンである。
【0287】
3番目(通し番号3)のパターンは、他の基準シンボルの1つであるシンボル1がON、他のシンボルはOFFの状態(以下、タイムスタンプパターンとも呼ばれる)である。タイムスタンプパターンは、所定の時間間隔で出力される。図61Bの例では、3番目以降の奇数番目(通し番号奇数)に出力されるパターンは、タイムスタンプパターンとなっている。偶数番目の各パターンにおいて、装置110は、シンボル2からシンボル5のON/OFFを切り替えることにより、出力情報に応じたパターンコードを出力する。
【0288】
18番目(通し番号18)のパターンは、シンボル2からシンボル5を用いて、2から16番目の間に出力される情報シンボルパターンに対するパリティチェックビットとしてもよい。18番目のパターンの次に、1番目(通し番号1)のパターンと同様に、パターンコードの開始または区切りを示す区切りパターンが出力される。パターンコード出力装置は、区切りパターンが出力されることにより、パターンコードの終了を検知することができる。パターンコード出力装置は、1番目(通し番号1)から18番目(通し番号18)のパターンを繰り返し出力することで、情報機器200に送信する新たなパターンコードを出力することができる。
【0289】
なお、装置110は、区切りパターンが2回連続で出力されることにより、パターンコードの終了を情報機器200に検知させるようにしてもよい。装置110は、区切りパターンが2回連続で出力された後、新たなパターンコードを出力するようにしてもよい。ただし、以上の説明は例示であり、パリティチェックビットのパターンが18番目のパターンに限定される訳ではない。また、区切りパターンが19番目(次の1が付されたパターン)に限定される訳ではない。
【0290】
また、シンボルの数は5個に限られず、5個より多くてもよい。さらに、タイムスタンプパターンにおける基準シンボルの数は、1個に限られず複数としてもよい。基準シンボルを複数とすることで、情報機器200は、各基準シンボルの位置関係より、情報機器200に対する装置110の向きの変化を認識することができる。一方、装置110とタッチパネルとの相互変位が平行移動に限定される場合には、タイムスタンプパターンにおける基準シンボルが1個の場合でも、情報機器200は、装置110の平行移動を認識し、移動後の装置110の素子111の配置を特定できる。タッチパネル等に載置されるカード型の装置110は、平行移動しやすい。したがって、タイムスタンプパターンにおける基準シンボルが1個の場合でも、タッチパネル上で移動する素子111の配置を特定できる可能性は高い。
【0291】
図61Bの例では、タイムスタンプパターンは、情報シンボルによるパターンと交互に出力されることで、タイムスタンプの役割を果たしている。これに限らず、基準シンボルは、常にONの状態としてもよい。この場合、タイムスタンプパターンは出力されなくてもよい。
【0292】
図61Cは、パターンコードの他の出力例を示す図である。図61Cの例は、図61Bに示す出力例に対応し、各シンボルのON/OFFを時系列で示す。例えば、装置110が情報機器200のタッチパネルに載置または近接されると、情報機器200等から電力供給を受け、基準シンボルパターン(区切りパターン)を出力し、パターンコードの出力を開始する。
【0293】
図61Cで、シンボル1の素子111は、所定の間隔でON/OFFの物理量変化を繰り返す。シンボル2からシンボル5に対応する素子111は、出力されるパターンごとにON/OFFが切り替えられる。シンボル2からシンボル5のONの状態は、点線で示される。図61Cにおいても、各シンボル1からシンボル5に対応する導体111のON/OFF状態の組み合わせである各パターンには1から18の通し番号が付されている。図61Cにおいて、1から18の通し番号は、時間経過を示すとも理解できる。例えば4番目(通し番号4)のパターンは、シンボル2およびシンボル4がONの状態となっている。パターンコード出力装置は、17番目にタイムスタンプパターンを出力し、18番目にはパリティチェックビットを出力する。次に、装置111は、基準シンボルパターン(通し番号1のパターン)を出力し、新たなパターンコードの出力を開始する。なお、装置110は、実施形態1におけるシンボルの出力においても、実施形態0で述べたパターンコード発生装置1と同様、シンボルのON/OFFの時間間隔の長短を組合せてシンボルを形成してもよい(例えば、図10図13図26図27参照)。また、装置110は、シンボルの出力強度を複数段階に設定して、シンボル出力強度レベルに応じて、情報を出力するようにしてもよい(図13参照)。
【0294】
[処理の流れ]
図62は、装置110が情報機器200に対して情報を出力する処理例のフローチャートである。図62に示される処理は、例えば、装置110が情報機器200のタッチパネルに載置または近接されることにより開始される。ここで、近接とは、タッチパネルが装置110のそれぞれの素子111から静電容量等の物理量の変化を検知可能な距離の範囲に近づくことをいう。また、図62に示される処理は、情報機器200のタッチパネルに載置した装置110の指紋センサ113が、指紋またはドットコード等を検知することにより開始されてもよい。さらに、図62に示される処理は、装置111が光電変換素子配列112を介して、情報機器200からの入力情報を受信することにより開始されてもよい。
【0295】
OP10では、装置110のCPU116は、光電変換素子配列112により、情報機器200からの光を受光する。OP11では、光電変換素子配列112は、情報機器200から受光した光のエネルギーを電気エネルギーに変換する。ただし、光電変換素子配列112が1個のフォトダイオード、1個のフォトトランジスタ等の光電変換素子であってもよい。
【0296】
OP12では、CPU116は、コンパレータ118により情報機器200から受光した光量の変化に伴う、光電変換素子112の端子電圧の変化をデジタルデータに変換し、入力情報として取得する。ただし、コンパレータ118は、光電変換素子配列112が出力する電流値の変化に伴う、基準抵抗値の抵抗の両端の端子電圧をデジタルデータに変換し、入力情報として取得してもよい。CPU116は、入力情報を取得すると、OP13に制御を進める。CPU116は、各SW115をONにすることで、基準シンボルパターンを情報機器200に出力する。OP14では、CPU116は、各SW115のON/OFFを切り替えることにより、情報機器200への出力情報をパターンコードとして出力し、処理が終了する。情報機器200への出力情報に応じて、OP13およびOP14の処理が繰り返されてもよい。出力情報は、例えば、装置110のメモリ117に記憶される装置110の識別情報(シリアル番号、クレジットカード番号等)である。
【0297】
図63は、情報機器200が装置110に対して情報を出力する処理例のフローチャートである。図63に示される処理は、例えば、情報機器200のタッチパネルに対する操作、情報機器200で実行されるアプリケーションからの入力要求等により開始される。
【0298】
OP20では、情報機器200は、装置110に送信する情報を光量の変動パターンを示すコードに変換する。OP21では、情報機器200は、変換された変動パターンを示すコードに対応する光量の光を、装置110の光センサ(光電変換素子配列112)に対して照射する。より具体的には、情報機器200は、タッチパネル下側の液晶ディスプレイに光を供給するバックライトの光量を変換された変動パターンにしたがって時間変化させる。情報機器200は、バックライトの光源である発光ダイオードの動作電流値を時間変化させればよい。装置110は、情報機器200からの光を受光し、図62に示される処理を開始することができる。
【0299】
[実施形態1の効果]
実施形態1の装置110および装置110Aは、情報機器200からの受光する光の光量の変化を基に、所定形式の入力情報を取得することができる。また、装置110および装置110Aは、導体パッド114または透明導電性フィルム114Aに指が接触した状態で、各SW115がON/OFFの間で切り替えることによる物理量変化を発生させる。装置110および装置110Aは、この物理量変化を情報機器200に検知させることで、所定形式の出力情報を情報機器200に出力することができる。なお、実施形態1では、物理量変化は、情報機器200のタッチパネルが検知する装置110と各素子111との間の静電容量の変化である。静電容量の変化は、情報機器200のタッチパネルの座標とともに検知される。また、図58に示される装置110は、電池122を備えることにより、安定した電源供給を行うことができる。
【0300】
[実施形態1の変形例]
実施形態1では、装置110、110Aが有する各ハードウェア回路等は、電池122から電気エネルギーの供給を受けて駆動される。ただし、装置110、110Aの電源が電池122に限定される訳ではない。すなわち、実施形態1の変形例では、各ハードウェア回路等は、外部エネルギーを基に発生する電気エネルギーの供給を受けて駆動される。外部エネルギーを電気エネルギーに変換する方法は、例えば、光電変換、電磁波、圧電変換、熱電変換が挙げられる。上記の内、情報機器200から発生される外部エネルギーについては、情報機器200で稼働するコンピュータプログラムによって、情報機器200に搭載されたWIFIやブルーツース等の各種無線装置の起動および出力される電磁波エネルギーを制御して、装置110に供給することができる。
【0301】
<<光電変換>>
図64は、光電変換により電力供給を受ける装置110Bの内部の構成の一例を示す模式図である。図58と同一の構成要素については、同一の符号を付して、その説明は省略される。
【0302】
装置110Bは、表側(ユーザの指が接触または近接する側)に、指紋センサ113、接触導体114および光電変換素子配列112Bを備える。ただし、装置110Bは、指紋センサ113および接触導体114に変えて、図59の装置110Aと同様、表側に指紋センサ113A、および透明導電性フィルム114Aを備えるようにしてもよい。また、装置110Bは、裏側(タッチパネルが接触または近接する側)に、1以上の素子111および光電変換素子配列112Aを備える。光電変換素子配列112Aおよび光電変換素子配列112Bは、図58に示される光電変換素子配列112と同一であるため、その説明は省略される。
【0303】
さらに、装置110Bは、1以上のSW115、CPU116、メモリ117、コンパレータ118、コンデンサ123を備える。装置110Bの各構成要素は、制御ライン119によりCPU116に接続される。また、装置110Bの各構成要素は、電源ライン120を介して電力エネルギーの供給を受ける。コンデンサ123は、光電変換素子配列112Aおよび光電変換素子配列112Bで発生した電気エネルギーを蓄えたり放出したりする。例えば、光電変換素子配列112Aがタッチパネルから受光するエネルギーが十分でない場合でも、光電変換素子配列112Bが外光、照明等の光を受光し、装置110に十分な電力を供給できる。すなわち、光電変換素子配列112Bが提供する電力により、CPU116等の立ち上がり時間を短縮し、SW115等の駆動速度を速めることが可能となる。光電変換素子配列112Aおよび光電変換素子配列112Bは、「電力供給回路」、「光電変換部」の一例である。光電変換素子は、p型半導体とn型半導体を接合した構造を有するフォトダイオード、フォトトランジスタ等であり、太陽電池の素子と同様の構造である。コンデンサ123、光電変換素子配列112Aおよび光電変換素子配列112Bは、電力供給回路の一例である。光電変換素子配列112Aおよび光電変換素子配列112Bは、光を受光して電気エネルギーを発生する光電変換部の一例である。
【0304】
<<電磁波>>
図65は、電磁波により電力供給を受ける装置110Cの内部の構成の一例を示す模式図である。図58図60図64と同一の構成要素については、同一の符号を付して、その説明は省略される。
【0305】
装置110Cは、表側(ユーザの指が接触または近接する側)に、指紋センサ113、接触導体114およびアンテナ124を備える。アンテナ124は、情報機器から電磁波を受信する。ただし、装置110Bは、指紋センサ113および接触導体114に変えて、図59の装置110Aと同様、表側に指紋センサ113A、および透明導電性フィルム114Aを備えるようにしてもよい。装置110Cの裏側(タッチパネルが接触または近接する側)の構成は、図58と同一であるため、その説明は省略される。
【0306】
さらに、装置110Cは、1以上のSW115、CPU116、メモリ117、コンパレータ118、コンデンサ123および電力変換回路125を備える。装置110Cの各構成要素は、制御ライン119によりCPU116に接続される。また、装置110Cの各構成要素は、電源ライン120を介して電力エネルギーの供給を受ける。アンテナ124は、到来した電磁波、例えば、情報機器200が有する無線LANからの電磁波により起電力を発生する。電力変換回路125は、アンテナ124において、電磁誘導で発生した起電力によりコンデンサ123を充電する。コンデンサ123は、光電変換素子配列112および電力変換回路125により充電された電気エネルギーを装置110Cの各部に供給する。アンテナ124および電力変換回路125「電力変換部」の一例である。光電変換素子配列112、電力変換回路125コンデンサ123は「電力供給回路」の一例である。
【0307】
<<圧電変換>>
図66は、圧電変換により電力供給を受ける装置110Dの内部の構成の一例を示す模式図である。図58と同一の構成要素については、同一の符号を付して、その説明は省略される。
【0308】
装置110Dは、表側(ユーザの指が接触または近接する側)に、指紋センサ113、接触導体114および圧電素子126を備える。ただし、装置110Bは、指紋センサ113および接触導体114に変えて、図59の装置110Aと同様、表側に指紋センサ113A、および透明導電性フィルム114Aを備えるようにしてもよい。圧電素子126は、装置110Dに対する押圧、カード型の装置110Dの曲げ等による圧力を電気エネルギーに変換する。圧電素子126は、例えば、圧電性セラミックまたはピエゾフィルム等の部材により構成される。圧電性セラミックまたはピエゾフィルム等の部材は、加圧されると材料内で電荷が発生し、上下面の間に交流電圧を生じる。生じた交流電圧は整流回路127に送られる。装置110Dの裏側(タッチパネルが接触または近接する側)の構成は、図58と同一であるため、その説明は省略される。
【0309】
さらに、装置110Dは、1以上のSW115、CPU116、メモリ117、コンパレータ118、コンデンサ123および整流回路127を備える。装置110Dの各構成要素は、制御ライン119によりCPU116に接続される。また、装置110Dの各構成要素は、電源ライン120を介して電力エネルギーの供給を受ける。
【0310】
整流回路127は、圧電素子126で発生した交流電圧を直流電圧に変換し、コンデンサ123に直流電流を出力する。コンデンサ123は、整流回路127により出力される直流電流を蓄電する。
【0311】
なお、圧電素子126に対する1回の加圧が十分な電力が得られる場合、装置110Dは、必ずしも整流回路127を要しない。例えば、1回の圧電による電力をコンデンサ123に蓄積して、装置110Dの各構成要素に電力を供給すればよい。圧電素子126は、「圧電変換部」の一例である。圧電素子126、整流回路127、およびコンデンサ123は電力供給回路の一例である。
【0312】
<<熱電変換>>
図67Aは、熱電変換により電力供給を受ける装置110Eの内部の構成の一例を示す模式図である。図58と同一の構成要素については、同一の符号を付して、その説明は省略される。
【0313】
装置110Eは、表側(ユーザの指が接触または近接する側)に、指紋センサ113、接触導体114および熱電素子128を備える。熱電素子128は、情報機器のタッチパネルに触れた指等の人体の一部の熱を、電気エネルギーに変換する。熱電素子128は、例えば、ゼーペック素子であり、両端に備えられた高温熱電端子128Aと低温熱電端子128Bとに温度差を与えると電圧が発生する。熱電素子128の高温熱電端子128Aに指が触れることで、室温を示す低温熱電端子128Bとの間に温度差が生じる。この温度差により熱電素子128は、ハードウェア回路を駆動するための電力エネルギーを発生させることができる。装置110Eの裏側(タッチパネルが接触または近接する側)の構成は、図58と同一であるため、その説明は省略される。
【0314】
さらに、装置110Eは、1以上のSW115、CPU116、メモリ117、コンパレータ118、コンデンサ123を備える。コンデンサ123は、熱電素子128で発生した電圧による電気エネルギーを蓄電する。装置110Eの各構成要素は、制御ライン119によりCPU116に接続される。また、装置110Eの各構成要素は、電源ライン120を介して電力エネルギーの供給を受ける。熱電素子128は、「熱電変換部」の一例である。高温熱電端子128Aおよび低温熱電端子128Bは、「第1熱電端子」「第2熱電端子」の一例である。熱電素子128、コンデンサ123は、「電力供給回路」の一例である。
【0315】
[実施形態1の変形例の効果]
図64から図67Aに示される装置110Bから装置110Eは、外部エネルギーを電気エネルギーに変換することで、電気を発生させながら稼働されるため、電池または充電池を備えなくてもよい。
【0316】
図64の装置110は、2つの光電変換素子配列112Aおよび光電変換素子配列112Bを備える。光電変換素子配列112Aは、情報機器200の画面からの光を受光して電気エネルギーを発生する。光電変換素子配列112Aが発生させる電気エネルギーが不足する場合には、装置110Bは、光電変換素子配列112Bから外光を受光して電気エネルギーを発生させることができる。また、装置110Bは、光電変換素子配列112Aを介して情報機器200から情報を受信する場合、光電変換素子配列112Bから受光した外光等による電気エネルギーにより電源の供給を受けてもよい。
【0317】
図65の装置110Cは、情報機器200と非接触の状態であっても、情報機器200から受信した電磁波を電気エネルギーに変換することにより電源の供給を受けることができる。図66の装置110Dは、指による押圧等の簡単な操作によって得られる外部からの圧力を電気エネルギーに変換することにより、電源の供給を受けることができる。図67Aの装置110Eは、指を触れるといった簡単な操作によって得られる熱を電気エネルギーに変換することにより、電源の供給を受けることができる。
【0318】
<実施形態2>
実施形態2において、装置110の構成および作用は、図57から図67Aで説明した装置110から装置11Eと同様である。実施形態2における装置構成は、実施形態1と同じであるため、その説明は省略される。ただし、実施形態においては、装置110は、他の装置と識別する識別情報を保持する。他の装置と識別する識別情報は、メモリ117(書き換え可能な不揮発性のメモリ、ROM等)に記憶されてもよい。装置110は、情報機器200に識別情報をパターンコードの形式で送信する(図61B図61C参照)。情報機器200は、装置110から、パターンコードの形式で受信した識別情報により、装置110を認証する認証処理を実行することができる。メモリ117(書き換え可能な不揮発性のメモリ、ROM等)は装置を他の装置と識別する識別情報を記憶する識別情報記憶部の一例である。
したがって、装置110は、クレジットカード、キャッシュカード、ポイントカード等の代わりに用いることが可能となる。装置110をクレジットカード、キャッシュカード、ポイントカード等として用いる場合には、装置110は、素子110と情報機器200の有するタッチパネルとの間の物理量変化、例えば、静電容量変化により、パターンコードの形式で情報を情報機器200に伝達できる。したがって、情報機器200は、従来のクレジットカード、キャッシュカード、ポイントカード等に設けられた接触型の電気インターフェース、磁気読み取りインターフェースを介しないで、情報機器200の有するタッチパネルから装置110の有するカード番号を読み取ることが可能となる。
例えば、情報機器200は、タッチパネルの光量変化により、入力情報を装置110に伝達することで、装置110にトリガを送信し、装置110に情報機器200との通信を開始させるようにしてもよい。また、情報機器200は、タッチパネルの光を装置110の光電変換素子配列112に受光させ、電力供給を開始させることで、装置110にトリガを伝達し、装置110に情報機器200との通信を開始させるようにしてもよい。また、指紋センサ113、113A等が指紋認証に成功した場合に、装置110がパターンコードによって、トリガを情報機器200に送信し、装置110と情報機器200との通信を開始してもよい。
【0319】
[実施形態2の変形例1]
実施形態2の変形例1では、装置110は、情報機器200との共通の時刻と識別情報とに基づく符号化情報を生成し、情報機器200に出力する。装置110は、実施形態1の装置構成の他、クロック信号発生部、計数回路を備える。また、装置110は、クロック信号発生部、計数回路を動作させるための電池を備える。
【0320】
クロック信号発生部(図示せず)は、情報機器200との共通の時刻を取得するため、所定の時刻から所定のクロックサイクルでクロック信号を発生する。計数回路(図示せず)は、クロック信号発生部が発生するクロック信号に基づき現在の時刻を計数する。装置110は、計数された時刻と識別情報とに基づいて符号化情報(ワンタイムパスワード)を生成する。装置110は、生成した符号化情報を情報機器200に出力する。情報機器200は、現在時刻と情報機器200で保持する装置110の識別情報とに基づいて符号化情報を生成し、装置110から受信した符号化情報と合致すれば、装置110を認証する。
【0321】
装置110は、計数回路で計数される時刻を補正するための計数回路補正信号を検出するアンテナを備えてもよい。例えば、CPU116は、アンテナからセシウム原子時計を基に定められた標準時刻がデジタル化された標準電波を受信するようにしてもよい。上記標準時刻は、公衆接続回線を介して配信されるものでもよい。CPU116は、受信した標準電波を時刻に変換し、計数回路で計数された時刻と比較し、計数された時刻を補正する。CPU116は、補正回路の一例である。アンテナは検出回路の一例である。また、装置110は、タッチパネルの光量の変化に基づく通信により、情報機器200から標準時刻、あるいは、情報機器の現在時刻を受信し、時刻を補正するようにしてもよい。
【0322】
[処理の流れ]
図67Bは、時刻により暗号化された識別情報を送信する処理例のフローチャートである。図67Bの処理は、例えば、情報機器200から識別情報の送信要求を受信することにより開始される。
【0323】
OP30では、CPU116は、クロック信号発生部が発生するクロック信号に基づき、現在時刻を計数する。現在時刻は、計数値0を、例えば、過去の基準時点(1970年1月1日午前0時)に対応させた年月日時間分秒ミリ秒を含む時刻情報であってもよい。なお、計数された現在時刻は、補正回路により補正された時刻としてもよい。OP31では、CPU116は、現在時刻とメモリ117に記憶された識別情報とに基づき、符号化情報を生成する。また、経過する時間を所定の時間間隔で時分割して、時分割した時間を現在時刻としてもよい。つまり、時間の分解能を所定の時間間隔とする。このようにすることで、情報機器200と、装置110とは、この分解能において誤差のないように時間を同期すればよい。
【0324】
OP32では、CPU116は、生成した符号化情報を情報機器200に送信する。情報機器200は、装置111と同一形式(例えば、上記年月日時間分秒ミリ秒を含む時刻情報形式)の現在時刻を用いて符号化情報を復号し、装置110から送信された識別情報の認証処理を実行し、認証結果を装置110に送信する。OP33では、装置110は、情報機器200から認証結果を受信し、識別情報を送信する処理は終了する。
【0325】
[実施形態2の変形例2]
実施形態2の変形例2では、情報機器200は、一時的な暗号鍵、例えば乱数をタッチパネルの光量の変化、色相の変化、あるいは色相別の光量の変化に変換し、装置110に入力情報として伝達する。装置110のCPU116は、情報機器200からの光等の外部エネルギーの到来量の変化を基に得られた入力情報と、識別情報とに基づく符号化情報を生成し、情報機器200に出力する。情報機器200は、装置110に送信済みの一時的な暗号鍵により、符号化情報を復号する。このような手順により、共通鍵方式の暗号化通信の安全生を高めて、装置110から情報機器200に、装置110の識別情報を伝達できる。CPU116は入力情報とに基づく符号化情報を発生する符号化情報発生回路の一例である。なお、情報機器200と装置110との間の暗号化方式は、共有鍵方式に限定される訳ではない。
【0326】
[処理の流れ]
図67Cは、情報機器200からの入力情報により暗号化された識別情報を送信する処理例のフローチャートである。図67Cの処理は、例えば、情報機器200から、入力情報を受信することにより開始される。
【0327】
OP40では、CPU116は、光電変換素子配列112等を介して、情報機器200からの入力情報を取得する。入力情報は、例えば、情報機器200で発生させた乱数等の一時的な値であり、暗号鍵として使用される。なお、情報機器200では、発生させた乱数等は、装置110への入力情報として、メモリ等に保存しておく。OP41では、CPU116は、取得した入力情報とメモリ117に記憶された識別情報とに基づき、符号化情報を生成する。
【0328】
OP42では、CPU116は、生成した符号化情報を情報機器200に送信する。情報機器200は、装置110に送信済みの入力情報をメモリ等から読み出し、符号化情報を復号し、装置110から送信された識別情報の認証処理を実行し、認証結果を装置110に送信する。OP43では、装置110は、情報機器200から認証結果を受信し、識別情報を送信する処理は終了する。なお、情報機器200が認証結果を表示などして、OP43を省いてもよい。また、識別情報が例えば、クレジットカード番号、キャッシュカード番号、ポイントカード番号等である場合には、情報機器200は、装置110に送信済みの入力情報をメモリ等から読み出し、符号化情報を復号することで、識別情報を取得すればよい。
【0329】
[実施形態2の効果]
実施形態2の変形例1では、装置110は、情報機器200との共通の時刻と識別情報とに基づく符号化情報を情報機器200に送信する。これにより、情報機器200における認証処理の安全性は向上する。
【0330】
実施形態2の変形例2では、装置110は、情報機器200の画面からの光または電磁波等の外部エネルギーを電気エネルギーに変換し、外部エネルギーの到来量の変化を基に所定形式の入力情報を取得する。装置110は、取得した入力情報と識別情報とに基づく符号化情報を情報機器200に送信する。情報機器200から得られる入力情報に連動した出力情報を情報機器200に送信することにより、情報機器200における認証処理の安全性は向上する。
【0331】
<実施形態3>
実施形態3では、装置110は、複数色の光の到来量(光量)の変化を基に所定形式の入力情報を取得する。図68Aは、複数色の光の到来量の変化を基に入力情報を取得する装置110Fの内部の構成の一例を示す模式図である。図58図60図64から図67Aと同一の構成要素については、同一の符号を付して、その説明は省略される。
【0332】
装置110Fは、表側(ユーザの指が接触または近接する側)の構成は、図64と同一であるため、その説明は省略される。ただし、図64の指紋センサ113および導体パッド114に代えて、図60のように、指紋センサ113Aと透明導電性フィルム114Aを用いてもよい。また、装置110Fは、裏側(タッチパネルが接触または近接する側)に、1以上の素子111、光電変換素子配列112Aおよび1以上の光量測定素子を含む光量測定素子配列129を備える。光量測定素子配列129の光量測定素子は、例えば、PN接合を有するフォトダイオード、フォトトランジスタ等である。
【0333】
さらに、装置110Fは、1以上のSW115、CPU116、ROM117、コンデンサ123を備える。装置110Fの各構成要素は、制御ライン119によりCPU116に接続される。また、装置110Fの各構成要素は、電源ライン120を介して電力エネルギーの供給を受ける。
【0334】
光量測定素子配列129は、光量測定素子配列129とカラーフィルタとを組み合わせて、光の色、すなわち波長ごとに光量を測定してもよい。CPU116は、情報機器200から受光する複数色の光に対し、光の色ごとの光量の変化を基に所定形式の入力情報を取得すればよい。ただし、装置110Fが光の色、すなわち波長ごとに光量を測定しない場合には、光量測定素子配列129の代わりに単独の光量測定素子(フォトダイオード、フォトトランジスタ等)を用いてもよい。光量測定素子配列129は、「受光部」の一例である。光量測定素子配列129、あるいは、単独の光量測定素子(フォトダイオード、フォトトランジスタ等)は、外部から到来する外部エネルギーの到来量を検出する到来量検出部の一例である。
【0335】
[実施形態3の効果]
装置110Fは、情報機器200から受光する複数色の光に対し、光の色ごとの光量の変化を基に所定形式の入力情報を取得する。光の色ごとの光量の変化を検出することで、装置110Fは、単独の光量測定素子を用いる場合より、一度に多くの情報を受信できる。一方、装置110Fは、単独の光量測定素子を用いる場合には、簡素な構造で、情報機器200からの入力情報を取得できる。
【0336】
<実施形態4>
実施形態4では、装置110は、図60で例示した指紋検出用画像センサ113Aにより、情報機器200の表示装置から読み取った画像を基に所定形式の入力情報を取得する。実施形態4における装置110の構成は、実施形態1における装置構成と同一であるため、その説明は省略される。装置110が情報機器の表示装置から読み取る画像は、例えば、表示面に形成された直径0.5mm未満のドットを複数含むドットパターン、バーコード、2次元バーコード等であってもよい。なお、指紋センサ113が十分な精度があれば、直径0.05〜0.2mm程度のドットを認識することもできる。
【0337】
[実施形態4の効果]
装置110は、情報機器200から読み取った画像またはドットパターンを基に所定形式の入力情報を取得するため、より安全性の高い情報の送受信を実現することができる。
【0338】
<実施形態5>
実施形態5では、装置110は、指紋センサ113から、人体の少なくとも一部表面の凹凸部による模様、例えば指紋を検知する。指紋センサ113は、検出面とも呼ばれる当該凹凸部を検出する面と、検出対象の間の静電容量に基づき、人体の少なくとも一部の凹凸を検知する。実施形態5における装置110の構成は、実施形態1における装置構成と同一であるため、その説明は省略される。装置110は、検出された指紋等の模様が装置110により認証された場合に、情報機器200との情報の送受信を開始する。
【0339】
[実施形態5の変形例]
指紋センサ113は、人体の少なくとも一部表面の他、読み取り対象の媒体面に形成された直径0.5mm未満のドットを複数含むドットパターンを検出し、検出されたドットパターンが装置110により認証された場合に、情報機器200との情報の送受信を開始してもよい。なお、指紋センサ113が十分な精度があれば、直径0.05〜0.2mm程度のドットを認識することもできる。
【0340】
<<イメージセンサ>>
指紋センサ113は、例えばCCD、CMOS等のイメージセンサであってもよい。指紋センサ113は、人体の少なくとも一部表面が検出面に近接した場合、人体の少なくとも一部表面の凹凸部の画像を取得すればよい。また、指紋センサ113は、光の反射により媒体と識別可能な材料によるドットを複数含むドットパターンが形成された媒体が検出面に近接した場合、当該ドットパターンの形状を検出すればよい。
【0341】
指紋センサ113は、導光媒体および受光素子を備えたバックライト型のセンサであってもよい。指紋センサ113は、導光媒体から読み取り対象の媒体に対して光を照射する。指紋センサ113は、受光素子により、媒体から反射される反射光を受光することで、指紋やドットパターンを検出することができる。なお、本実施形態において、指紋センサ113として、実施形態9、10で詳述される画像センサ160が適用されてもよい。
【0342】
<<静電容量センサ>>
指紋センサ113は、静電容量センサであってもよい。指紋センサ113は、人体の少なくとも一部表面が検出面に近接した場合、検出面と人体の一部表面の凹凸部との間の静電容量を計測することで凹凸を検出することができる。また、指紋センサ113は、導電性材料によるドットを複数含むドットパターンが形成された非導電性の媒体が近接した場合、当該ドットとの間の静電容量を計測することでドットパターンの形状を検出することができる。
【0343】
[処理の流れ]
図68Bは、検出情報に基づき情報機器200との通信を開始する処理例のフローチャートである。検出情報は、指紋センサ113により検出された検出対象の画像等の情報である。図68Bの処理は、例えば、検出対象の指紋またはドットパターン等が検出面に近接することにより開始される。
【0344】
OP50では、CPU116は、指紋センサ113により、指紋またはドットパターン等の検出対象を検出する。OP51では、CPU116は、検出対象をメモリ117等に記憶される認証情報と比較する。認証情報は、例えば、予め登録された装置110の所有者の指紋、認証を要するカードやシール等の媒体に形成された装置110の識別子を示すドットパターン等である。コンテンツに対応する印刷物に形成されたドットパターン等の2次元コードを読み取った場合に、その二次元コードに対応するパターンコードを情報機器200に出力して、コンテンツの取得や情報機器200の操作等に使用してもよい。
【0345】
OP52では、CPU116は、検出対象が認証されたか否かを判定する。検出対象が認証された場合には(OP52:Yes)、処理がOP53に進む。検出対象が認証されなかった場合には(OP52:No)、処理が終了する。OP53では、CPU116は、情報機器200との通信を開始する。
【0346】
[実施形態5の効果]
装置110は、指紋センサ113により検出された指紋等またはドットパターンを認証することにより、情報機器200との情報の送受信を開始する。これにより、より安全性の高い装置110の認証が可能となる。
【0347】
<実施形態6>
実施形態6では、装置110は、情報機器200から取得した入力情報に基づく情報処理を実行する処理部を備える。実施形態6における装置110の構成は、実施形態1から5における装置構成と同一であるため、その説明は省略される。CPU116は、コンピュータプログラムにより、処理部の処理を実行する。処理部の処理、またはその一部がハードウェア回路により実行されてもよい。
【0348】
[処理の流れ]
図68Cは、情報機器200からの入力情報に応じて処理を実行する例のフローチャートである。図68Cの処理は、例えば、情報機器200から、入力情報を受信することにより開始される。
【0349】
OP60では、CPU116は、情報機器200から受信した入力情報を取得する。入力情報は、情報機器200からの処理要求または指令等を含む。OP61では、CPU116は、入力情報に応じた情報処理を実行する。情報処理の例として、以下の場合が挙げられる。
【0350】
例えば、装置110がクレジットカード、あるいはキャッシュカードとして利用される場合を例示する。ここで、入力情報は、例えば、数字の入力要求であり、情報処理は、例えば、数字の送信処理である。例えば、情報機器200のブラウザを介したインターネット上のウェブサイトからのクレジットカード番号等の送信要求(入力情報)に対して、情報機器200は、クレジットカード番号の送信要求(入力情報)をタッチパネルの光量の時間変化によって符号化して、装置110に引き渡せばよい。装置110は、ROM等に記憶されたクレジットカード番号を素子111等からパターンコードに符号化して送信すればよい。
例えば、情報機器200がタッチパネルを有する端末、携帯電話等であって、インターネットショッピングを行う場合に、ウェブサイトでクレジットカード番号を入力する際に、情報機器200が装置110からクレジットカード番号を取得してもよい。この場合に、情報機器200によるパスワード入力による認証成功を前提とした処理でもよいし、指紋センサ113等による認証成功を前提として処理により、情報機器200が装置110からクレジットカード番号を取得してもよい。
同様にインターネットバンキングを行う場合に、情報機器200がタッチパネルを有する端末、携帯電話等であって、インターネットショッピングを行う場合に、ウェブサイトで口座番号を入力する際に、情報機器200が装置110から口座番号を取得してもよい。この場合に、情報機器200によるパスワード入力による認証成功を前提とした処理でもよいし、指紋センサ113による認証成功を前提として処理により、情報機器200が装置110からクレジットカード番号を取得してもよい。
【0351】
また、装置110が電子マネーカードとして利用される場合を例示する。ここで、入力情報は、例えば、電子マネーカードに対する金額の支払い要求である。情報機器200は、電子マネーサーバからの支払い要求をタッチパネルの光量の時間変化、色相の時間変化、あるいは色相別の光量の時間変化によって符号化して、装置110に引き渡せばよい。装置110は、書き換え可能な不揮発性のメモリ等に記憶された電子マネーの金額から要求された金額が減額された金額を装置110の指令(入力情報)にしたがって、書き換え可能な不揮発性のメモリ等に書き込めばよい。
【0352】
OP62では、CPU116は、実行した情報処理の結果を情報機器200に送信し、情報機器200からの入力情報に応じて処理を実行する処理が終了する。
【0353】
[実施形態6の効果]
装置110は、情報機器200から取得した入力情報に基づく処理を実行する。また、装置110は、実行結果に応じた出力情報を情報機器200に出力する。これにより、装置110は、情報機器200との間で、様々な情報の送受信を実現することができる。CPU116は、入力情報に基づく情報処理を実行する処理部の一例である。
【0354】
<実施形態7>
実施形態7では、実施形態1から6における装置110および装置110Aから装置110Fは、カード型装置として実現される。実施形態7におけるカード型装置の構成は、カード型装置のサイズを除いて、各実施形態1から6における構成と同一であるため、その説明は省略される。カード型装置の裏面のサイズを、例えば、ISO/JIS規格で定められた85.60×53.98mmとした場合であっても、図61Aのようなパターンコード出力装置の配置が可能である。
【0355】
[実施形態7の効果]
カード型とすることで、携帯に便利であり、他の情報機器200との間で安全な情報の送受信が求められる種々のカードに適用することができる。
【0356】
<実施形態8>
実施形態8では、実施形態7のカード型装置のより具体的な構成を例示する。ただし、実施形態8のカード型装置に、実施形態1から実施形態6で述べた装置110等の構成を組み合わせてもよい。また、実施形態8のカード型装置に、実施形態0で説明したスタンプ型のコード発生装置1の構成の一部、あるいは、制御手順を採用してもよい。図69Aは、カード型の装置110Gの裏面の構成の一例を示す模式図である。図69Aの上側の図において、カード型装置110Gは、8個の素子111および光センサ130を備える。各素子111は、1つの素子111の周囲に円形に配置されている。現行のスマートフォンの素子111の認識数は同時に5か所が一般的であるが、増加する可能性もある。タブレットPCでは、既に10か所を認識できる機器が多い。また、6か所以上に素子111を配置しても、同時に出力できる個数を5個以内とすれば、現行のスマートフォンでも使用できる。
【0357】
光センサ130は、情報機器200のディスプレイから出力される光を受光する。光センサ130は、例えばフォトダイオードである。ただし、光センサ130が複数チャンネルの光信号の受信が可能な光センサであってもよい。図69Aの下側に、光センサ130の変形例を示す。図69Aの下側の図では、カード型装置110Gは、異なる波長の光(RGB)を受光する3チャンネルの光センサ130を備える。3チャンネルの光センサ130は、それぞれ、異なる波長の光(RGB)を透過するカラーフィルタと、フォトダイオードとの組み合わせを有する。ただし、これらの3チャンネルの光センサは同一または重複波長領域の光を受光するものでもよい。すなわち、3つのチャンネルに設けられるフォトダイオード等の受光素子に、ディスプレイに異なる発光領域を設け、発光領域ごとに異なる強度の光信号を発光させ、各チャンネルの受光素子に受光させればよい。また、光センサ130のチャンネル数は3チャンネルに限定される訳ではなく、2チャンネル以下でも、4チャンネル以上でもよい。光センサ130が、情報機器200のディスプレイから受光することによって情報機器200からカード型装置110Gに授受される情報のコードは光コードとも呼ばれる。
【0358】
図69Bは、カード型装置110Gの表面の構成の一例を示す模式図である。カード型装置110Gは、光電変換素子配列(ソーラーパネル)112および指紋センサ113を備える。カード型装置110Gは、光電変換素子配列112から電力の供給を受けることができる。
【0359】
指紋センサ113は、例えば、CMOS等のイメージセンサまたは静電容量センサである。カード型装置110Gの電源をON/OFFする場合、指が触れたことを検知して電源をON/OFFしてもよい。CMOS等のイメージセンサは、実施形態9で詳述する。なお、カード型装置110Gは、指紋センサ113を備えなくてもよい。カード型装置110Gは、指紋センサ113の変わりにドットコード等の2次元コードを読み取るセンサを備えてもよく、当該センサと指紋センサ113とを兼用してもよい。
【0360】
図69Cは、カード型装置110Gの機構(ハードウェア構成)の一例を示す模式図である。カード型装置110Gは、CPU116、メモリ117、パターンコード出力装置131、情報入力装置132、電力供給装置133、指紋認証装置134を備える。
【0361】
CPU116は、メモリ117に展開された様々なプログラムを実行する。CPU116は、プログラムを実行することにより、情報入力装置132から得られたコード値に対応するパターンコードを求めて出力したり、所定のパターンコードを出力したりする。所定のパターンコードは、例えば、メモリ117に記憶されたパターンコード、指紋認証装置134で取得したコードに対応するパターンコード、内蔵されたクロックから生成される時間情報(または、例えば、年月日時間分秒ミリ秒や、経過する時間を所定の時間間隔で時分割して時分割した時間を含む時刻情報、すなわち所定の時間間隔の分解能による時間)に対応するパターンコードである。CPU116は、物理量変化によって所定形式の情報であるパターンコードを出力させるパターンコード発生部の一例である。
【0362】
メモリ117は、CPU116で実行される各種プログラム、所定のパターンコードおよび各種コード値等のデータを記憶する記憶装置である。メモリ117が記憶するプログラムおよびデータは、情報入力装置132により更新可能としてもよい。メモリ117は、例えば、揮発性メモリ、および不揮発性メモリの両方を含む。
【0363】
パターンコード出力装置131は、実施形態1の駆動回路121と素子111とを含む。また、パターンコード出力装置131は、例えば、実施形態1のSW15を有し、CPU116で実行されるプログラムの指示に基づいて、素子111において、物理量(静電容量、電界強度等)の変化を引き起こし、複数チャンネルの出力情報として、ON/OFFの信号(シンボル)を出力する。情報入力装置132は、図69Aの光センサ130を含む受光回路である。ただし、情報入力装置12は、実施形態1の光電変換素子112及びコンパレータ118と同様の構成であってもよい。情報入力装置132は、受光した光の強弱や発光時間、間欠時間の段階を認識(デジタル化)して、当該段階を示す情報を順次、CPU116に送信する。CPU116は、メモリ117上のプログラムにしたがい、情報入力装置132からの段階を示す情報をコード値に復号化する。ただし、情報入力装置132が複数チャンネルの光信号の受信が可能な光センサ(複数のフォトダイオード等の受光素子を含むセンサ)を含むものでもよい。図69Cの下側に、光センサ130の変形例を示す。図69Cの下側の図において、複数の光センサ130が異なる波長の光を受光する場合、情報入力装置132は、受光した光の波長毎の強弱や発光時間、間欠時間の段階を認識(デジタル化)して、当該段階を示す情報を順次、CPU116に送信する。本明細書においては、パターンコード出力装置131は、素子111と素子を駆動する実施形態1のSW15を含む回路をいう。また、情報入力装置132は、光センサ130と受光した信号を処理する回路と含む受光回路いう。
【0364】
電力供給装置133は、光電変換素子配列(ソーラーパネル)112等から得られた光エネルギーを電力に変換し、各電気回路に供給する。光電変換素子配列(ソーラーパネル)112は裏面に配置し、情報機器200から発光される光を光電変換してもよい。なお、光電変換素子配列(ソーラーパネル)112を換えて電池でもよい。電力供給装置133は、例えば、図68Aのコンデンサ123である。また、電力供給装置133には、充電できる構成にしてもよい。指紋認証装置134は、指紋センサ113から得られた画像を基に、指紋を特定するコードを生成する。指紋認証装置134は、ドットコード等の2次元コードを読み取ってコード値(座標値を含んでもよい)を出力してもよい。指紋認証装置134は、CPU116以外の他のCPU、DSP等を含み、コンピュータプログラムにしたがって画像処理を実行するものであってもよい。
【0365】
[パターンコード出力]
図70Aは、図69Aのカード型装置110Gによるパターンコードの出力例を示す図である。カード型装置110Gにおいて、上部には光センサ(情報入力センサ)130が配置される。光センサ130から右回りに配置される素子111は、それぞれシンボル2からシンボル8を出力するものとする。中央に配置された素子111は、シンボル1を出力するものとする。シンボル1からシンボル8がONの状態であるパターン(以下、区切りパターン、基準シンボルパターンとも呼ばれる)は、パターンコードの開始または区切りを示す。なお、図70Aの左側において、○印は、素子111の物理的配置を例示して、○内の数字は、素子111から出力される情報(シンボル)を示している。図70Aの左側の素子111の配置は、中心のシンボル1と、その周囲で出力されるシンボル2からシンボル8を示している。また、図70Aの右側において、各素子111がONの場合を黒丸、OFFの場合を白丸で示すことで、シンボル1からシンボル8に対応する各素子111のONとOFFの組み合わせによるパターンを例示する。図70Aでは、各パターンの下には通し番号0から8が付与されている。
【0366】
<<パターンA>>
カード型装置110Gは、CPU116およびパターンコード出力装置131等の制御により、1番目(通し番号1)のパターンとして基準シンボルパターンを出力し、シンボルの配置を図55に例示した情報機器200のタッチパネル等に認識させる。その後、カード型装置110Gは、2番目(通し番号2)から7番目(通し番号7)で、シンボル2からシンボル8の素子111から、ONとOFFとを出力することで、情報を伝達する6個のパターンを出力し、8番目(通し番号8)でパリティチェックパターンを出力する。基準シンボルパターンとパリティチェックパターンに挟まれたパターン(パターンAでは、2回出力される通し番号2から通し番号7のパターン)のそれぞれが表す情報をパターンコードという。パリティチェック以外のエラーチェックや誤り訂正を実施する場合は、カード型装置110Gは、基準シンボルパターンで挟まれる2番目(通し番号2)から8番目(通し番号8)のパターンで情報を伝達するパターンを出力してよい。ここで、情報を伝達するパターンとは、基準シンボルパターンのような区切りパターン、パリティチェックパターンのようなエラーチェック、エラー訂正のパターン以外のパターンである。以下、情報を伝達するパターンを単に情報パターンという。区切りパターンと情報パターンの組み合わせをデータブロックと呼ぶ。図70Aでは、「パターンA」の文字列が付されたパターンの並び(パターンA)のデータブロックには、パリティチェックパターンも含まれる。この図では、通し番号1から通し番号8のパターンを2回含むデータブロックが例示されている。このうち、通し番号2から通し番号7のパターンの組み合わせが情報を表すパターンの組み合わせである。以下、本明細書では、1つのデータブロックに含まれる一連の情報パターン(例えば、図70A通し番号2から通し番号7のパターンの組み合わせ)を静電容量コードと呼ぶ。静電容量コードは、カード型装置110G等の装置110が出力する情報コードということができる。
【0367】
カード型装置110Gは、基準シンボルパターンでは、シンボル1からシンボル8のすべてをONで出力するが、その他の情報シンボルによるパターンでは、シンボル1をONで出力しないことによってパターンコードの開始や区切りを認識できるようにする。カード型装置110Gは、読取の開始時またはエラーの発生時においても、基準シンボルパターンを所定数繰り返すことによって、情報機器200等が確実に正しいパターンコードを認識できるようにする。情報機器200のタッチパネルがパターンコード読取の完了を確認すると、タッチパネルが読取完了の光信号を出力することで、カード型装置110Gは、読取の可否を認識できる。以上の結果、カード型装置110Gは、パリティチェック使用時で7bit×6=42bitを出力できる。1回の出力時間を50msとすると、パターンコード出力装置は、概ね400msで42bitを出力できる。ただし、最近の機種のスマートフォンは12msの間隔でタッチを認識できることから、安全率を考慮して、カード型装置110Gが32ms毎にパターンコードを出力すれば、最短で250ms程度でパターンコード42bitを認識することができる。情報パターンの出力回数を増加させれば、膨大な量のパターンコードが出力され、タッチパネルによって認識される。なお、図70AのパターンAでは、通し番号1の番号で例示する区切りを認識することにより、区切りの前後でパターンの列を区切ってデータブロックを認識できる。
【0368】
<<パターンB>>
図70Aにおいて、「パターンB」の文字列が付されたパターンの並び(パターンB)には、通し番号1から通し番号8のパターンが例示されている。カード型装置110Gは、1番目のパターンとして基準シンボルパターン(シンボル1からシンボル8のすべて)をONで出力し、情報機器200がシンボルの配置を認識できるようにする。その後、カード型装置110Gは、2番目から7番目で、シンボル1、シンボル3からシンボル7を情報シンボルとして6回のパターンを出力し、8番目でパリティチェックコードを出力する。パリティチェック以外のエラーチェックや誤り訂正を実施する場合は、パターンコード出力装置131は、2番目(通し番号2)から8番目(通し番号8)で情報を伝達するパターンを出力してよい。2番目(通し番号2)から8番目(通し番号8)によるパターンコードが情報を伝達するパターンコードとなる。
【0369】
パターンBの場合には、装置110Gは、基準シンボルパターンでは、シンボル2とシンボル8をONで出力するが、その他の情報パターンおよびパリティチェックパターン(通し番号2から8)では、シンボル2またはシンボル8のいずれかをONで出力しない。この出力方法により装置110Gは、タッチパネルがパターンコードの開始や区切りを認識できるようにする。さらに、パターンBの場合には、装置110Gは、ONとOFFの組み合わせのパターンを所定の時間間隔毎に出力する際に、所定間隔毎にシンボル2とシンボル8を交互に出力する。この出力方法によって、カード型装置110Gは、情報機器200が当該時間間隔を確実に把握することができるようにする。すなわち、パターンBにおいて、シンボル2とシンボル8がタイムスタンプの役割を担う。カード型装置110Gは、読取の開始時またはエラーの発生時においても、基準シンボルパターンを所定数繰り返すことによって、情報機器200がより確実に正しいパターンコードを認識できるようにする。情報機器200のタッチパネルがパターンコード読取の完了を確認すると、タッチパネルが読取完了の光信号を出力することで、カード型装置110GのCPU116は、読取の可否を認識できる。以上の結果、カード型装置110Gは、パリティチェック使用時で6bit×6=36bitを出力できる。1回の出力時間を50ms程度とすると、カード型装置110Gは、概ね400msで36bitを出力できる。ただし、最近の機種のスマートフォンは12msの間隔でタッチを認識できることから、安全率を考慮して、カード型装置110Gが32ms毎にパターンコードを出力すれば、最短で250ms程度でパターンコード36bitを認識することができる。カード型装置110Gがパターンの出力回数を増加させれば、膨大な量のパターンコードを出力でき、情報機器200に認識させることができる。なお、情報機器200は、パターンコードの図70AのパターンBで1番の番号で例示する区切りを認識することにより、区切りの前後でパターンの列を区切ってデータブロックを認識できる。
【0370】
<<パターンコードの変形例>>
図70Bは、カード型装置110G(パターンコード出力装置)のパターンコードの出力の変形例を示す図である。パターンコードを電子決済などに用いるためには、情報機器200は、所定時間内の送受信で128bitのパターンコード(静電容量コード)を認識することが望ましい。一方、現行のスマートフォンでは、同時に認識できるタッチ位置の数(即ち、素子111の数)が5個に制限されている場合が多い。そこで、同時にONにする素子111の数は5個以下であるが、装置110Gに設ける素子111の数を6個以上に増やすことにより、コード数を増加させることができる。図70Bの例では、10個のパターンコード出力導体である素子111を設けて説明する。なお、他のアプリケーションにおいては、複数回の送受信よって所定時間内に128bit程度の情報が送信されるようにしてもよい。なお、ここでは、情報機器200のタッチパネルが同時に認識できるタッチ位置の数(即ち、素子111の数)が5個であることを想定して説明するが、本発明の実施は、タッチパネルが同時に認識できるタッチ位置の数(即ち、素子111の数)が5個である場合に限定されるわけではない。すなわち、タッチパネルが同時に認識できるタッチ位置の数(即ち、素子111の数)がN(整数)個である場合ついて、一般に以下の手順を適用できる。
【0371】
図70Bでは、数字1から10を囲む丸印が素子111の配置を例示している。以下に説明する実施形態では、図70Bの数字1から10を付与した素子111は、それぞれシンボル1からシンボル10を出力するものとする。図70Bでは、下部に配置され、シンボル1を出力する素子111から時計回りに、それぞれシンボル2からシンボル8を出力する素子111が配置されている。シンボル1を出力する素子からシンボル8を出力する素子に囲まれた領域の中央に上からシンボル10およびシンボル9を出力する2つの素子111が配置される。
【0372】
図70Bのパターンコード出力例では、丸印に囲まれた数字は省略されるが、各素子111から出力される情報は、図70Aの場合(シンボル1からシンボル8)と同様、シンボル1からシンボル10のように呼ぶことにする。また、シンボル1からシンボル10に対応するそれぞれの素子111において、OFFまたはONに対応する物理量変化を発生させることをシンボル1からシンボル10を出力する、ということにする。また、ある時点におけるシンボル1からシンボル10に対応する素子111のONとOFFとの組み合わせをパターンと呼ぶことにする。図70Bにおいて、塗りつぶされた丸印はONの状態の素子111を例示し、白抜きの丸印はOFFの状態の素子111を例示する。図70Bでは、それぞれのパターンコードに通し番号0から11が付与されている。そこで、これらのパターンをパターン0からパターン11のように呼ぶことにする。図70Bでは、上段にパターン0から11が例示され、下側にパターン1からパターン11が再度例示されている。図70Bでは、時間の経過にしたがって、カード型装置110Gがパターン0からパターン11を出力し、さらに、パターン1からパターン11を出力することを例示している。また、パターン0から11は、それぞれ10ビットの情報を表している。パターン1からパターン11により出力される一連のデータはデータブロックとも呼ばれる。データブロックは、区切りパターンと、情報を伝達する情報パターンが含まれる。データブロックに含まれるそれぞれの情報パターンによって表される情報は、パターンコードとも呼ばれる。
【0373】
パターン1(通し番号1)でシンボル4、5、6、9、10、パターン2(通し番号2)でシンボル2、3、7、8、9、パターン3(通し番号3)では、少なくともシンボル1がONになると、配置される各シンボルの出力により、タッチパネルは、各素子111の配置位置を認識できる。ここで、例えば、カード型装置110Gがパターン1およびパターン2において、シンボル1の素子111をOFFとし、シンボル9の素子111を除く他の素子111は、パターン1とパターン2とで、出力状態(ONまたはOFF)が異なっている。パターン1およびパターン2の組合せは、情報を出力するためのパターン3からパターン11と区別されるユニークなパターンの出力配置となり、1個のパターンコードが定義されるデータブロックの区切りを示すことができる。
【0374】
ここで、カード型装置110G(パターンコード出力装置)がパターン1とパターン2との組み合わせを連続して出力する場合のように、シンボル9の素子111からONを連続して出力すると、タッチパネルは、シンボル9のONに相当する物理量が検出される素子111の位置が同一位置かを認識することにより、カードを載置した際のずれやその他の不具合を検出することができる。その後、カード型装置110Gは、パターン3からパターン11では、パターン3から11によって定義される9個の情報パターンの出力時間間隔に同期して、それぞれの素子111からの出力(物理量)をON/OFFする。すると、タッチパネルは、ONとOFFとで変化するパターンを正確に検知し、パターンコードを認識できる。ここで、出力(物理量)をON/OFFするとは、実施形態1で述べたように、素子111がタッチパネルに及ぼす電界強度、あるいは静電容量等の物理量に対して、所定時間間隔で強弱を発生させることをいう。なお、パターンコード読取の開始時期やエラーが発生した場合でも、カード型装置110Gがパターンコードを所定数繰り返すことによって、情報機器200のタッチパネルは確実にパターンコードを認識できる。タッチパネルがパターンコード読取の完了を確認したら、タッチパネルを制御するCPU等の制御装置は読取完了の光コードをディスプレイから出力する。すると、カード型装置110Gは、読取の完了を認識できる。図70Bでは、第1のデータブロックは、パターン1およびパターン2の区切りパターン、およびパターン3からパターン11の情報パターンにより出力される。情報パターンの数は、出力されるパターンコードによって異なり、情報機器200のアプリケーション側で情報パターンの出力数を認識している場合には、アプリケーションは、データブロックの区切りの前後において、情報パターンの出力数分のパターンを取得することでパターンコードを復号することができる。すなわち、情報機器200は、データブロックの区切りパターンから次の区切りパターンまでの間のすべての情報パターンを取得しなくてもよい。情報機器200は、例えば、開始を示す区切りパターンから次の区切りパターンまでの第1のデータブロック中で一部の情報パターンを取得し、さらにその次の区切りパターンまでの第2のデータブロック中で残りの情報パターンを取得する場合に、第2のデータブロック中では、不足している情報パターンが取得できた段階で復号を終了すればよい。このような手順により、情報機器200は復号時間を短縮することができる。
【0375】
図70Bでは、情報、すなわち、パターン3から11を出力する素子111は9個例示されている。ここで、例えば、タッチパネルが同時に認識できる導体の数が5個の場合、シンボル1がONとなるパターン(パターン3,5,7,9,11)では、9個の素子111のうち0〜4個の導体がONとなる組み合わせによって、+1=126+84+36+9+1=256(8bit)の情報量が出力される。一方、シンボル1がOFFであるパターン(パターン4,6,8,10)では、9個の素子111のうち0〜5個の導体がONとなる組み合わせによって、+1=126+126+84+36+9+1=382(8.577bit)の情報量が出力される。従って、図70Bの例では、8bit×5+8.577bit×4=約74bitの情報が出力される。1回の素子111からの信号の出力時間を50msとすると、カード型装置110Gは、550msで約74bitを出力できる。1秒間では、カード型装置110Gは、19個のパターン(2個の区切りパターンと17個の情報パターン)を出力できる。17パターンのうち、シンボル1の素子111がONの場合が9個、OFFの場合が8となる。したがって、1秒間では、8bit×9+8.577bit×8=約140bitの情報が出力される。この内、12bitをパリティチェック等のエラーチェックに使用すれば、128bitが有効となり、図70Bによるパターンコードは、十分な伝送レートで電子決済に用いることができる。なお、最近の機種のスマートフォンでは、12msの間隔でタッチを認識できることから、安全率を考慮して、カード型装置110Gが32ms毎にパターンコードを出力すれば、0.6秒間で約140bitの情報を出力することも可能である。以上述べたように、タッチパネルにおいて、同時に認識可能な素子111の数(すなわち、タッチ位置)が5個に限定される場合でも、カード型装置110Gは、タッチパネルへの情報伝達において、電子決済のための最低限度以上の情報伝達能力を有する。
【0376】
なお、装置110は、実施形態8におけるシンボルの出力においても、実施形態0で述べたパターンコード発生装置1と同様、シンボルのON/OFFの時間間隔の長短を組合せてシンボルを形成してもよい(例えば、図10図13図26図27参照)。また、装置110は、シンボルの出力強度を複数段階に設定して、シンボル出力強度レベルに応じて、情報を出力するようにしてもよい(図13参照)。
【0377】
[実施形態8の変形例]
上述の図70Bについて述べたように、タッチパネルが同時に認識可能なタッチ位置の数に制限がある場合がある。しかし、装置110において、素子111の配置の仕方、あるいは配置の数に限定がある訳ではない。図71Aは、タッチ入力パネル135を備えるカード型装置110Hの裏面の構成の一例を示す模式図である。図71Aの上側の図において、カード型装置110Hは、8個の素子111および光センサ130を備える。各素子111(以下、パターンコード出力装置とも呼ばれる)は、1つの素子111の周囲に矩形枠状に配置されている。
【0378】
光センサ130は、情報機器200のディスプレイから出力される光を受光する。光センサ130は、例えばフォトダイオードである。図71Aの下側に、カード型装置110Hの変形例を示す。図71Aの下側の図では、カード型装置110Gは、異なる波長の光(RGB)を受光する光センサ130を備える。ただし、これらの3チャンネルの光センサは同一または重複波長領域の光を受光するものでもよい。光センサ130の構成は、実施形態8(図69A)の光センサ130と同様である。
【0379】
図71Bは、タッチ入力パネル135を備えるカード型装置110Hの表面の構成の一例を示す模式図である。カード型装置110Hは、光電変換素子配列(ソーラパネル)112およびタッチ入力パネル135を備える。カード型装置110Hは、光電変換素子配列112から電力の供給を受けることができる。画像読み取り装置110Hは単に装置110Hとも呼ばれる。
【0380】
タッチ入力パネル135は、例えば、静電容量センサまたは圧力センサである。カード型装置110Hは、ユーザの指やスタイラスペンが触れたことを検知して、電源をON/OFFしてもよい。カード型装置110Hは、タッチ入力パネル135としては、図71Bにおいて、枠に囲まれた数字0から9で示されるボタンのように、入力する値ごとに異なる複数枚のパネルを備えてもよい。また、カード型装置110Hは、1枚パネルとして、タッチ時の位置情報を取得し、ディスプレイ上のグラフィックスオブジェクトと対付けることにより、入力値を認識してもよい。さらに、タッチ入力パネル135は、指やスタイラスペンで数字や文字・記号を描くことにより、入力情報を認識してもよい。カード型装置110Hは、タッチ入力パネル135とドットコード等の2次元コードを読み取るセンサとを兼用してもよい。
【0381】
図71Cは、タッチ入力パネル135(図71B参照)を備えるカード型装置110Hの機構(ハードウェア構成)の一例を示す模式図である。カード型装置110Hは、CPU116、メモリ117、パターンコード出力装置131、情報入力装置132、電力供給装置133、コード変換装置136を備える。ただし、図71Cでは、タッチ入力パネル135は省略されている。これらのうち、CPU116、メモリ117、パターンコード出力装置131、情報入力装置132、電力供給装置133については、図69Cと同様であるので、その説明を省略する。コード変換装置136は、図71Bに例示したタッチ入力パネル135から入力された数値、またはタッチ入力パネル135に描かれた数字・文字・記号の軌跡情報を基にコード値を生成する。ただし、図71Cの変形例2に例示したタッチ位置を検出できる1枚のタッチパネル135Aを設けてもよい。コード変換装置136は、ドットコード等の2次元コードを読み取ってコード値を出力してもよい。コード変換装置136は、プロセッサ、DSP等を有し、コンピュータプログラムによりこれらの処理を実行すればよい。
【0382】
[実施形態8の変形例2]
図71Dは、省電力表示装置を備えるカード型装置画像読み取り装置110Iは単に装置110Iとも呼ばれる。の裏面の構成の一例を示す模式図である。カード型装置110Iは、5個の素子111、光センサ130および光電変換素子配列(ソーラーパネル)112を備える。横一列に3個の素子111が配置され、それぞれの下側に、素子111、光センサ130、素子111が配置されている。ただし、カード型装置110Iにおいて、パターンコードを電子決済などに用いるためには、所定時間内に授受される情報量が128bit以上であることが望ましい。したがって、そのようなアプリケーションの場合には、図70Bに例示したように、シンボル1から10に対応する10個程度、あるいはそれ以上の数の素子111を設け、パターンコードによる伝送レートを高くしてもよい。
【0383】
図71Dにおいて、光電変換素子配列(ソーラーパネル)112は、素子111および光センサ130を囲むコの字型の形状を有するが、これに限定されず、電力生成が可能であれば、どのような形状であってもよい。
【0384】
光センサ130は、情報機器200のディスプレイから出力される光を受光する。光センサ130は、例えばフォトダイオードである。光センサ130は、異なる波長の光(RGB)を受光するフォトダイオード等の組み合わせであってもよい。このような構成の場合には、光センサ130は、同じタイミングで波長ごとに異なる光の強さ、あるいは異なる色相を検知し、光コードに復号できるセンサということができる。ただし、これらの3チャンネルの光センサは同一または重複波長領域の光を受光するものでもよい。光センサ130の構成は、実施形態8(図69A)の光センサ130と同様である。
【0385】
図71Eは、省電力表示装置を備えるカード型装置110Iの表面の構成の一例を示す模式図である。カード型装置110Iは、表示装置137を備え、表面に表示装置137の表示部が配置されている。表示装置137は、有機EL(Electroluminescence)や磁性体を用いた電子ノート等、超薄型の省電力の表示装置である。表示装置137は、クレジットカードやメンバーズカードで使用する場合は、カード番号や有効期限、名前、セキュリティコードを表示してもよい。これらの情報は、ユーザがカード型装置110Iをスマートフォンにかざし、所定の認証を得た時のみ、表示されてもよい。さらに、表示装置137は、パスワードなどを表示してもよい。また、表示装置137は、ポイントカードや、ゲーム、教育用のカードでは、カード内に記憶されたポイントやアイテム、パワー、採点結果等を表示してもよく、その他どのような情報を表示してもよい。表示装置137が2次元コードなどを表示すれば、ユーザはスマートフォンで読み取ることもできる。
【0386】
図71Fは、省電力表示装置を備えるカード型装置110Iの機構(ハードウェア構成)の一例を示す模式図である。カード型装置110Iは、CPU116、メモリ117、パターンコード出力装置131、情報入力装置132、電力供給装置133、表示装置137を備える。
【0387】
CPU116、メモリ117、パターンコード出力装置131、情報入力装置132、電力供給装置133については、図71Cと同様であるため、その説明は省略される。表示装置137は、CPU116が実行するプログラムから指示を受けて、文字やグラフィックを生成し、表示装置137の表示部に表示する。
【0388】
<本実施の形態の情報コード>
本実施形態1から実施形態8では、タッチパネルの光量の変化によって、装置110等に情報を入力した。ここでは、装置110等に入力される情報の規約を情報コードとして定義する。情報コードは、装置110等に到来するエネルギーの時間変化のパターンが定義する情報フォーマットということができる。なお、以下の説明において、実施形態1から実施形態8で説明した装置110、カード型装置110Aから110H等を単に装置110等という。また、以下の情報コードは、光センサ130を含む情報入力装置132に入力される。したがって、この情報コードは光コードとも呼ばれる。
また、以下では、素子111を含むパターンコード出力装置131から出力されるパターンコードについても規定する。以下のパターンコードのフォーマットは実施形態0のスタンプ型のコード発生装置1にも適用可能である。さらに、実施形態0のコード発生装置1が、以下に述べる光センサ130(情報入力装置132)を備える場合には実施形態0のコード発生装置1は、以下の光コードを認識し、入力可能である。
【0389】
図71Gは、RGBの3つの波長ごとに光電変換を行う光電変換素子の配列(以下、RGB光電変換素子配列)と、RGB光電変換素子配列が検知する光量の変化の時間変化による入力情報(RGBの光量変化パターン)を例示する。すなわち、図71Gは、例えば、実施形態8で説明した異なる波長の光(RGB)を受光する光センサ130で受光される受光信号のフォーマットを例示する。ただし、以下の説明は、実施形態8に限定される訳ではなく、装置110が受光する光量変化パターンによる情報入力時のフォーマットの例として説明する。図でRGB光電変換素子配列は、実施形態8の情報入力装置132(光センサ130)に相当する。
RGB光電変換素子配列として、丸印に数字1から3を付したものとしては、R、G、B3色に対応するカラーフィルタを付与したフォトダイオード(またはフォトトランジスタ)が例示される。図では、1から3の丸印は、それぞれR、G、Bに対応する情報入力センサ(以下、それぞれ、情報入力センサPD1、PD2、PD3と呼ぶ)を例示する。このような情報入力センサの列をタッチパネルに接触または近接する面(裏面)に設けることにより、装置110等は、タッチパネルを有する情報機器200等から、3チャンネルの入力情報を受信できる。ただし、本実施形態1から8において、光の波長ごとの情報入力センサの数、すなわち、チャンネル数は3に限定される訳ではない。装置110等は、2チャンネル以下、または4チャンネル以上の波長に対応するカラーフィルタ(波長選別フィルタ)を用いて情報入力をすればよい。また、装置110は、波長を分離しないで、情報入力センサPD1、PD2、PD3にそれぞれ対応するタッチパネルのディスプレイの領域からそれぞれ異なる光量の光を受光することこで、3チャンネルの情報入力が可能である。
装置110等は受光した明るさの段階を認識する。明るさの段階は、1個の閾値を設けON/OFFの2段階(1bit)でもよい。閾値を複数段階にすることで、フォトダイオード1個当たり得られる情報量を2bit以上に増大させてもよい。この図では、段階数は、ON/OFFの2段階とする。図で黒色はOFFであり、光を受光していないか、または受光した光が所定の閾値以下の明るさである場合とする。また、白色はONであり、光を受光したか、または受光した光が所定の閾値以上の明るさである場合とする。
【0390】
[パターンA]
図71GでパターンAは、3チャンネルで入力される入力情報の情報コードを例示する。図71GでパターンAでは、情報入力センサPD1〜PD3の組を示す3つの丸印の下に通し番号0から14が付与されている。また、通し番号の下にそのときのタッチパネルのディスプレイの発行色が黒(BK)、白(W)、赤(R)、緑(G)、青(B)、シアン(C)、マゼンタ(M)、黄(Y)で例示されている。また、図で、情報入力センサD1〜D3が白丸の場合に、当該情報入力センサがオン、すなわち、光の入射による電流が基準値を超えたこと、あるいは、光の入射による端子電圧が基準値を超えたことを例示する。一方、情報入力センサD1〜D3が黒丸の場合に、当該情報入力センサがオフ、すなわち、光の入射による電流が基準値未満であること、あるいは、光の入射による端子電圧が基準値未満であることを例示する。
【0391】
情報入力状態で情報機器200のディスプレイ(パネル)は、通し番号0で黒色(BK)となり、したがって装置110の情報入力センサD1〜D3がOFFとなっている。ディスプレイに装置110の情報入力センサPD1〜PD3の面を接面または近接し、例えば、装置110等から所定のパターンコードを出力すると、情報機器200のディスプレイは、通し番号1で白色(W)となり情報入力センサPD1〜PD3がONとなる。次にディスプレイは、通し番号2で赤色(R)となり情報入力センサPD1のみがONとなる。この通し番号0〜2で検知されたRGBの組の系列が情報コードの出力開始および区切りを示す。その後、通し番号3〜13において、ディスプレイは情報入力センサPD2(G)とPD3(B)の2色で情報コードを11回出力し、14でパリティチェックを行う。パリティチェック以外のエラーチェックや誤り訂正を実施する場合には、情報機器200等のディスプレイは通し番号3〜14の時点で情報コードを出力してよい。
【0392】
ここで、ディスプレイは、通し番号1、2の時点で情報入力センサD1の検出値をONする。その後、ディスプレイは、所定の時間間隔で情報入力センサD1の検出値がOFFとONを交互に繰り返すように発光を繰り返すことでタイムスタンプの役割を果たす。このようなディスプレイの通し番号0〜2の時点の発光よって、装置110は、情報コードの開始や区切りを認識できるようにする。ここで、情報コードとは、ディスプレイのから光量、光の波長(色)等の変化により、ディスプレイから装置110に伝達される情報をいう。上述のように、装置110は、通し番号1、2によって読取の開始時期を認識すればよい。また、情報伝達時にエラーが発生した場合でも、ディスプレイが情報コードを必要数繰り返して出力することによって、装置110は、確実に正しい情報コードを認識できる。情報入力装置132が情報コード読取の完了を確認したら、装置110は読取完了のパターンコードを素子111から出力する。読取完了のパターンコードによって、情報機器200は読取の可否を認識できる。なお、タイムスタンプとして、情報入力センサD2(G)またはD3(B)を使用してもよい。
【0393】
以上の結果、パリティチェック使用時で2bit×11=22bitを出力できる。1回の出力時間は1/30秒程度であり、概ね500msで情報コード22bitを出力できる。性能の良いディスプレイでは、1/60秒程度で出力できることから、最短で250ms程度で情報コード22bitが認識可能である。情報コードの出力回数を増加させれば、膨大な量の情報コードを出力・認識できることは言うまでもない。なお、装置110は、情報コードの区切り0〜2を認識することにより、前後のパターンで情報コードを認識できる。従って、情報入力状態でディスプレイは、通し番号0〜14の発光を繰り返せばよく、情報機器200は装置110の接面または近接を示す所定のパターンコード(例えば、トリガパターン)を読み取らなくてもよい。すなわち、情報機器200は、装置110の接面または近接とは無関係に、通し番号0〜14の発光を繰り返すことで、装置110に情報コードを入力してもよい。すなわち、装置110は、通し番号0〜14の発光の繰り返しを検知して、情報を入力すればよい。ただし、情報コードの入力は、通し番号0〜14のどれから開始してもよい。例えば、情報コードの区切り以外の通し番号3〜14のいずれかから情報コードの入力が開始された場合でも、装置110は、情報コードの区切りの前後で認識したパターンを統合して、情報コードを特定すればよい。例えば、通し番号5から開始し、6,7、8、9、10、11、12、13、14、0、1、2、3、4と入力された場合には、装置110は、情報コードの区切り0から2の前後の通し番号5から14をまず認識し、次に、情報コードの区切り0から2を認識し、さらに、通し番号3、4のパターンを認識することで、通し番号5から14および3、4を含む情報コードを認識することができる。
【0394】
[パターンB]
図71HでパターンBは、3チャンネルで入力される他の入力情報の情報コードを例示する。情報入力状態で情報機器200のディスプレイ(パネル)は、通し番号0で情報入力センサPD1〜PD3をOFFにして黒色(BK)となっている。ディスプレイに装置110を接面または近接し、装置110から所定のパターンコードを出力すると、ディスプレイは通し番号1で情報入力センサPD1〜PD3をONにして白色(W)となり、次に、情報コードの出力を開始する。上記の通し番号0、1時点での発光が情報コードの出力開始および区切りを示す。その後、通し番号2、4、6、8、10、12、14の時点において、ディスプレイは情報入力センサPD1(R)、PD2(G)、PD3(B)、PD1+PD2(Y)、PD2+PD3(C)、PD3+PD1(M)の6色で情報コードを7回出力する。一方、通し番号1、3、5、7、9、11、13の時点で情報入力センサPD1〜PD3をONにして白色(W)とすることにより、タイムスタンプの役割を果たす。また、ディスプレイは、通し番号0の黒色(BK)よって、装置110が情報コードの開始や区切りを認識できるようにする。装置110において、読取のエラーが発生した場合でも、ディスプレイが情報コードを必要数繰り返すことによって、装置110は確実に正しい情報コードを認識できる。装置110が情報コード読取の完了を確認したら、素子111から読取完了のパターンコードを出力する。情報機器200は、読取完了のパターンコードをタッチパネルで検出することで、読取の可否を認識できる。なお、タイムスタンプとして、情報入力センサPD1〜PD3をOFFにして黒色(BK)としてもよい。この場合、情報入力状態でディスプレイは0で情報入力センサPD1〜PD3をONにして白色(W)とすればよい。
【0395】
以上の結果、ディスプレイは、タイムスタンプ(白色)を除く6色7回の発光で6の7乗の情報コードを出力できる。1回の出力時間は1/30秒程度であり、概ね500msで情報コード6の7乗を出力できる。性能の良いディスプレイでは、1/60秒程度で出力できることから、最短で250ms程度で情報コード6の7乗が認識可能である。情報コードの出力回数を増加させれば、膨大な量の情報コードを出力・認識できることは言うまでもない。なお、装置110は、情報コードの区切り0を認識することにより、前後のパターンで情報コードを認識できる。従って、情報入力状態でディスプレイは、通し番号0〜14の発光を繰り返せばよく、情報機器200は装置110の接面または近接を示す所定のパターンコード(例えば、トリガパターン)を読み取らなくてもよい。すなわち、情報機器200は、装置110の接面または近接とは無関係に、通し番号0〜14の発光を繰り返すことで、装置110に情報コードを入力してもよい。装置110は、通し番号0〜14の発光の繰り返しを検知して、情報を入力すればよい。なお、装置110が所定の精度で時間の認識ができれば、タイムスタンプを外して、6の14乗を出力してもよい。
【0396】
[パターンC]
図72Aは、光コードの発光領域を例示する図である。光コードのコード量を増加させるには、情報機器200のディスプレイと装置110との間で、対面する複数の位置にそれぞれ発光領域(ディスプレイ側)と、光センサ(装置110側のフォトダイオード)を設ければよい。すなわち、情報機器200のディスプレイ上で光コード発光領域の数を増やし、各発光領域に対面する装置110の位置にRGBフォトダイオード144を配置すればよい。情報機器200のタッチパネルは、各素子111の位置情報を認識できるため、カードに設けられた複数のフォトダイオード144の位置も認識できる。したがって、情報機器200のタッチパネルは、カードがかざされた都度ディスプレイ上のRGBフォトダイオード144の位置に対応するディスプレイ上の位置に発光領域を設定し、光コードを発光すればよい。各発光領域内からの発光は、例えば、1色の光を発光するものとする。なお、光コードの発光と導体111のパターン出力は並行して実施してもよい。つまり、情報機器200と装置110とは、ディスプレイからの発光とRGBフォトダイオード144による受光、素子111からの物理量変化とタッチパネルによる検知とにより、同時に双方向通信(いわゆる全二重通信)を実行してもよい。また、認証等の時間を短縮するために、所定の時間内に取得した光コードを記憶して使用してもよい。RGBフォトダイオード144は、光センサ130に相当する。
【0397】
図72Aは、情報機器200のディスプレイの発光領域LE1からLE3と、ディスプレイに対面する装置110の素子111及びRGBフォトダイオード144と、を重畳して表示している。なお、図では、ディスプレイは点線で例示されている。図72Aの例では、ディスプレイの発光領域LE1から発光領域LE3に対応する装置110の領域には、それぞれRGBフォトダイオード144−1からRGBフォトダイオード144−3を有する。また、発光領域LE1に対応する装置110の領域には、シンボル1を出力する素子111(数字1を囲む丸印)が配置される。素子111は、パターンコード出力導体とも呼ばれる。発光領域LE2に対応する装置110の領域には、右側にシンボル2、左側にシンボル5を出力する素子111(それぞれ、数字2、5を囲む丸印)が配置される。発光領域LE3に対応する装置110の領域には、右側にシンボル3、左側にシンボル4を出力する素子111(それぞれ、数字3、4を囲む丸印)が配置される。なお、RGBフォトダイオード144−1から144−3は、図72Bに示されるように素子111に組み込まれてもよい。なお、RGBフォトダイオード144−1から144−3を総称して、RGBフォトダイオード144という。ただし、図72Aの構成は例示であり、素子111とRGBフォトダイオード144の位置関係が図72Aに限定されるわけではない。
【0398】
図72Cは、情報機器200のディスプレイの発光による、装置110のRGBフォトダイオードのON/OFF状態を模式的に例示する図である。図72Cの例では、RGBフォトダイオード144は、左から赤(R)、緑(G)、青(B)の順に配置されるフォトダイオードにより構成される。各色のフォトダイオードは、対応する光の発光を検知した場合にはONとし、図中では白色で示される。また、各色のフォトダイオードは、対応する光の発光を検知しない場合OFFとし、図中では黒色で示される。図で各光コードに対応するRGBフォトダイオード144のON/OFF状態の組み合わせをパターンと呼ぶ。各パターンには、通し番号0から8が付与されている。また、図72Cでは、例えば、各通し番号のパターンは時間軸上に所定間隔で出力される。
【0399】
図72Cには、RGBフォトダイオード144で検知される光コードが例示される。各パターンでは、情報機器200のディスプレイの発光領域LE1から発光領域LE3に対応するRGBフォトダイオード144−1からRGBフォトダイオード144−3の出力が上から順に並ぶ。0番目のパターン(通し番号0)では、各RGBフォトダイオード144の出力はすべてOFFである。なお、以下の説明において、n番目(通し番号n)のパターンはパターンnと呼ばれる。また、図72Cでは、RGBフォトダイオード144−1からRGBフォトダイオード144−3のそれぞれにおいて、RGBがONとなる組み合わせに対して、色コードが明示されている。図では、色コードは、赤(R)、緑(G)、青(B)の他、黒(BK)、白(W)、黄(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)の8色彩つまり3bitを表現できる。これは、赤(R)、緑(G)、青(B)がそれぞれ2階調とした結果である。ただし、本明細書において、色コードとは、色相の他、明度、階調等で表現できるデジタル情報をいう。赤(R)、緑(G)、青(B)をそれぞれ4階調にすると、1回の発光で6bitを表現できる。
【0400】
RGBフォトダイオード144−1の役割は、以下の通りである。RGBフォトダイオード144−1の赤(R)用のフォトダイオードと緑(G)の用フォトダイオードは、データブロックの区切り、及び、同期のための光信号を受光する。一方、RGBフォトダイオード144−1の青(B)用のフォトダイオードはパリティチェックのための光信号を受光する。パターン1において、ディスプレイの発光領域LE1が 黄(Y)(RとGのみ発光)または白(W)(R、G、B全て発光)を発光するときのパターンは、パターン1から8において完全にユニークである。黄(Y)、白(W)成分は、少なくとも、RおよびGのフォトダイオードの両方によって検知される。したがって、ディスプレイの発光領域LE1が、黄(Y)(RとGのみ発光)または白(W)(R、G、B全て発光)を発光するときのパターンによって区切り部分が定義される。この区切り部分は、1連の光コードの組み合わせが定義されるデータブロックの区切りを示す。すなわち、パターン1からパターン8では、独立した区切りパターンは存在せず、区切りパターン部分と情報パターン部分とが組み合わせられている。すなわち、RGBフォトダイオード144−1の赤(R)用のフォトダイオードと緑(G)の用フォトダイオードが区切りパターン部分を受光する。また、RGBフォトダイオード144−2、144−2が情報パターン部分を受光する。
【0401】
一方、RGBフォトダイオード144−2、144−3の役割は、以下の通りである。パターン2〜9では、発光領域LE2、LE3が光コードを定義する情報パターンの発光時間間隔に同期して発光する。すなわち、発光領域LE1は、RGBフォトダイオード144−1の赤(R)用ダイオードと、緑(G)用ダイオードを交互にONにする。ただし、パリティチェック用の青(B)用ダイオードをONにするか、OFFにするかによって、発光領域LE1の発光色は以下のようになる。パリティチェック用の青(B)成分がONのときには、発光領域LE1の発光では、マゼンタ(M)(R+BがON)と、シアン(C)(G+BがON)とが交互に発光する。一方、パリティチェック用の青(B)成分がONのときには、発光領域LE1の発光では、赤(R)と緑(G)とが交互に発光する。
【0402】
ディスプレイの発光領域LE1が上記のように発光することにより、RGBフォトダイオード144−1から144−3が適正に時間毎に発光される情報パターンを検知し、装置110は、光コードを認識できる。発光領域LE2、LE3で発光される情報パターンのパリティチェックとして、発光領域LE1で発光される青(B)成分が、青(B)用のフォトダイオードで検知される。本実施形態では、パリティチェックは、偶数パリティでも奇数パリティでもよい。また、パリティチェックは、同期のための光信号を含めたパリティとしてもよいし、同期のための光信号を含めないで情報コードを定義する光信号だけのパリティとしてもよい。したがって、例えば、偶数パリティの場合で情報コードだけでパリティを生成する場合には、情報コードの各発光成分のONの数が奇数であれば、ディスプレイの発光領域LE1は青(B)成分を含む発光をする。なお、すでに、図72Bで説明したように、素子111に受光素子であるフォトダイオードを組み込んでもよい。
【0403】
情報パターンを形成する光成分は、R、G、Bの3成分あり、各光成分をフォトダイオード144が検知するかどうかのON/OFFで1bitを有する。各発行領域は、R、G、Bの3成分からなる情報パターンにより3bitを検知し、2つの発光領域では、6bitを検知できる。従って、パターン光コードを定義できる。これを電子決済などに用いるためには、128bit以上の光コードが認識されることになる。現行のスマートフォンでは、1/60sの時間間隔で発光できることから、安全率を考慮し、1/30s時間間隔で発光して、1秒間に30個のパターンを認識できる。これにより、データブロックの区切りパターンで1個を含む情報パターンが22個で6bit×22=132bitの光コードを約0.7〜0.8秒程度の間に出力・認識できる。情報パターンの出力数をカード側で認識している場合には、カード型装置110は、データブロックの区切りの前後において、情報パターンの出力数分のパターンを取得することで光コードを復号することができる。すなわち、カード型装置110は、データブロックの区切りパターンから次の区切りパターンまでの間のすべての情報パターンを取得しなくてもよい。カード型装置110は、例えば、開始を示す区切りパターンから次の区切りパターンまでの第1のデータブロック中で一部の情報パターンを取得し、さらにその次の区切りパターンまでの第2のデータブロック中で残りの情報パターンを取得する場合に、第2のデータブロック中では、不足している情報パターンが取得できた段階で復号を終了すればよい。このような手順により、カード型装置110は復号時間を短縮することができる。
【0404】
図72Dは、光コードの発光領域の変形例を例示する図である。図72Dの例では、5か所の発光領域LE11から発光領域LE15が設けられる。各発行領域LE11から発光領域LE15は、それぞれRGBフォトダイオード144−11からRGBフォトダイオード144−15を有する。1個の情報パターンで12bitを有し、データブロックの区切りパターン1個を含む情報パターンが11個で12bit×11=132bitの光コードを約0.44秒間に出力・認識できる。
【0405】
[処理の流れ]
図72Eは、情報機器200が装置110のRGBフォトダイオード144の位置を特定して光コードを発光する処理例のフローチャートである。この処理例では、情報機器200は、装置110に対して通信開始要求を送信する(OP70)。通信開始要求は、例えば、図72HのパターンBで示した、通し番号0の黒(BK、未発光)と、通し番号1の白(W)の組み合わせである。黒(BK)と白(W)の組合わせでは、すべてのRGBフォトダイオード144が同一色で受光するため、情報機器200は、ダイオードの領域を特定する必要がない。すると、装置110は、例えば、実施形態1のSW15のON/OFF状態を変更することにより、素子111における物理量変化を情報機器200のタッチパネルに検出させる。すると、情報機器200のタッチパネルは、物理量変化を検出した位置から、素子111の配置位置を特定する(OP71)。次に、情報機器200は、各素子111の配置位置から特定されるRGBフォトダイオード144の位置にRGBのパターンを出力する(OP72)。なお、図では省略されているが、OP72において、データ送信に必要な複数のデータブロックが出力されるようにしてもよい。
【0406】
そして、情報機器200は、RGBのパターンによる出力(通信)が完了したか否かを判定する(OP73)。パターン出力(通信)の完了とは、例えば、情報機器200から装置110へ送信すべき一連のデータ送信の完了をいう。情報機器200は、一連のデータ送信完了まで、OP72の処理を繰り返す。そして、一連のデータ送信が完了すると、情報機器200は、エラーの有無を判定する(OP74)。エラー有りの場合とは、例えば、機器110から、素子111を通じて、完了応答が受信できない場合をいう。また、エラーありの場合とは、例えば、機器110から、素子111を通じて、通信エラー発生が通知された場合をいう。エラーありの場合、情報機器200は、OP72に戻り、所定のリトライ回数に達するまで、RGBのパターンの出力を再実行する。そして、エラーなしの場合に、情報機器200は、処理を終了する。
なお、図72Eでは、情報機器200から装置110に対して、RGBのパターンによる出力(通信)を開始した。しかし、本発明の実施はこのような手順に限定される訳ではない。例えば、情報機器200のタッチパネルが装置110からの素子111を通じた物理量変化を検知することで、出力(通信)を開始してもよい。情報機器200が先に素子111を通じたパターンコードを検知する場合には、情報機器200は、素子111の配置およびRGBフォトダイオード144を認識できる。したがって、図72Fのように、黒(BK)と白(W)の組み合わせのように、すべてのRGBフォトダイオード144に同一色で発光しなくもよい。したがって、情報機器200は、例えば、図72Gのように、通し番号0〜2で検知されたRGBの組の系列(通し番号0で黒色(BK)、通し番号1で白色(W)、通し番号2で赤色(R))等によって、装置110に対する情報コードの出力開始を要求できる。
【0407】
図72Fは装置110がRGBフォトダイオード144ごとに情報機器200からの光コードを受光する処理例のフローチャートである。この処理では、装置110は、情報機器200からの通信開始要求を検出する(OP80)。送信開始要求は、例えば、情報機器200のディスプレイの全面において、領域を限定することなく発せされる光量の変化によって、装置110の複数のRGBフォトダイオード144に受光される。装置110は、いずれかのRGBフォトダイオード144が送信開始要求を検出すると、素子111からパターンコードを出力する(OP81)。そして、装置110は、RGBフォトダイオード144による受光待ちとなる(OP82)。装置110は、受光したRGBパターンから情報機器200の送信データを復号する(OP83)。そして、装置110はRGBのパターンによる通信が完了したか否かを判定する(OP84)。RGBのパターンによる通信の完了とは、例えば、情報機器200から装置110へ送信すべき一連のデータ送信の完了をいう。送信完了時、情報機器200は、例えば、送信完了を装置110にRGBのパターンにより通知する。なお、情報機器200は、一連のデータ送信完了まで、RGBのパターンによる送信を繰り返す。そして、一連のデータ送信が完了すると、情報機器200は、エラーの有無を判定する(OP85)。エラー有りの場合とは、例えば、例えば、機器110において、パリティチェック等でエラーが検出された場合をいう。エラーありの場合、機器110は、OP82に戻り、所定のリトライ回数に達するまで、RGBのパターンの受光と復号を繰り返す。そして、エラーなしの場合に、機器110は、処理を終了する。
なお、図72Fでは、情報機器200から装置110に対して、RGBのパターンによる通信を開始した。しかし、本発明の実施はこのような手順に限定される訳ではない。例えば、装置110が情報機器200のタッチパネルに対して素子111を通じた物理量変化を検知させることで、出力通信を開始してもよい。
【0408】
[パターンコードおよび光コードの他の例]
図72Gから図72Kは、パターンコードを出力し、光コードを受信するカード型装置の他の仕様を説明する。
【0409】
図72Gは、パターンコードの出力例を示す図である。なお、パターンの区切りを点線で示している。図72Gの例では、6個の導体(素子)111のうち、中央にシンボル6を出力する素子111(数字6を囲む丸印)が配置される。シンボル6を出力する素子111の上側に、シンボル1を出力する素子111(数字1を囲む丸印)が配置される。シンボル6を出力する素子111の右上、右下、左下、左上には、それぞれシンボル2から4を出力する素子111(それぞれ、数字2から4を囲む丸印)が配置される。また、各シンボルの下側にには、それぞれフォトダイオードWPD1〜WPD6が配置される。各素子111は、略円形の端面の直径を7mmとした場合、各素子111の中心間の距離は12mm程度あるが、最新の機種では10mm程度あれば、スマートフォンは各素子111から出力されるパターンを確実に認識することができる。略円形の端面の直径は、さらに小さくできるが、隣り合う素子間の距離は4mm程度以上離すことが望ましい。
【0410】
現行のスマートフォンでは、5個のマルチタッチのみ認識可能である。そこで、ここでは、5個のマルチタッチ可能なタッチパネルへの素子111による出力を例示する。なお、図72Gにおいて、各素子111のONは黒色、OFFは白色で示される。ここでは、ONの素子111とOFFの素子111の組み合わせをパターンと呼ぶ。また、図では、各パターンに0から9の通し番号が付与されている。初期状態であるパターン0は、各素子111がいずれもOFFの状態となっている。各素子111は、パターン1からパターン9の順にON/OFFが切り替えられ、パターンコードを出力する。
【0411】
パターン1は、パターン0と区別されるように、シンボル6がONの状態となっている。パターン1およびパターン2は、データブロックの区切りとして、連続してシンボル1をOFFの状態とする。パターン1のシンボル2からシンボル5は、パターン2と判別可能にするため、パターン2とON/OFFを逆転させて出力する。パターン2のシンボル2からシンボル5は、情報パターン3から9の対応するシンボルのパリティチェックbitとして、ON/OFFの状態に設定される。情報パターン3から9の出力は、パターン出力の間隔を認識するために、シンボル1のON/OFFを繰り返す。シンボル1は、情報パターン3においてONとし、情報パターン9においてもONで終了するようにする。すなわち、シンボル1は、ONとなるパターンが2回連続しないようにする。
【0412】
シンボル1がONとなるパターン3、5、7、9において、各パターンによる情報は、シンボル2からシンボル6の5個から0〜4個を選択する組み合わせにより定義される。従って、定義可能な情報量は、+1=31(4.95bit)となる。一方、シンボル1がOFFとなるパターン4、6、8において、各パターンによる情報は、シンボル2からシンボル6の5個から0〜5個を選択する組み合わせにより定義される。従って、定義可能な情報量は、+1=32(5bit)となる。
【0413】
パターン9が出力された後、区切りパターンであるパターン1およびパターン2が出力され、情報パターン3から9が出力される。
【0414】
図72Hは、図72Gの素子111の配列を有する装置110の受光面の構成の一例を示す模式図である。なお、図72Hでは、発光領域LE1からLE6がディスプレイの領域であることを明示するため、破線で仮想的にディスプレイを描いている。装置110の受光面は、6個の素子111(図にはそれぞれ丸印に、シンボルを例示する数字1から6のラベルを付与して例示した)と、フォトダイオードWPD1からWPD6と、ソーラーパネルである光電変換素子配列SCP1とを有する。素子111の配置は、図72Gで例示したものと同様である。
フォトダイオードWPD1からWPD6は、それぞれ、情報機器200のディスプレイの光コード発光領域LE1からLE6に対応する破線で囲まれた位置に配置される。この例では、フォトダイオードWPD1からWPD6は、フィルターを設けずに、情報機器200のディスプレイからの光をそのまま受光する。このような構成によって、フォトダイオードWPD1からWPD6は、ディスプレイから受光する光に対して光電変換により十分な感度で電流(または所定の抵抗に対する端子電圧)を発生し、光信号から情報(光コード)を入力できる。したがって、フォトダイオードWPD1からWPD6については、特に波長の制限を設けない。フォトダイオードWPD1からWPD6は、例えば、白色光を受光可能である。なお、装置110は、厚さが1mm未満の薄型のカード形状である。一方、ディスプレイは、発光領域LE1からLE6がそれぞれ独立した光量で発光し、対応するフォトダイオードWPD1からWPD6に受光させる。このような構成によって、波長を制限しないで、ディスプレイの発光領域を区切ることで、ディスプレイから装置110に複数チャンネルの情報入力が可能となる。
【0415】
図72Iは、フォトダイオードに入力される光コードを例示する。この図では、受光信号サンプルに例示するように、発光領域LE1からLE6がそれぞれ独立した光量で受光するダイオードWPD1からWPD6それぞれの受光素子(フォトダイオードWPD1からEPD6)を2行3列で例示する。そして、2行3列のうち、上側の行は、フォトダイオードWPD1からWPD3の3つの受光素子を例示する。また、2行3列のうち、下側の行は、フォトダイオードWPD4からWPD6の3つの受光素子を例示する。
【0416】
この図では、白色で塗りつぶされた矩形領域は、フォトダイオードWPD1からWPD6にそれぞれ含まれる3個の受光素子がON、つまり受光中であることを示す。一方、黒で塗りつぶされた面取りされた矩形領域はフォトダイオードWPD1からWPD6にそれぞれ含まれる3個の受光素子がOFF、つまり受光中でないことを示す。この図においても、フォトダイオードWPD1からWPD6にそれぞれ含まれる受光素子のONとOFFとの組み合わせによって光コードが例示される。また、各光コードには、通し番号1から9が付されている。
【0417】
この光コードでは、データブロックの区切りとして、ディスプレイの発光領域LE1で白色光を2回連続して発光する。データブロックに区切られた一連の光コードを情報コードという。なお、静電容量コードも、情報コードと呼ぶ場合がある。したがって、この光コードでは、初期状態の発光については、ディスプレイの光コードの発光領域LE1が発光しなければ、発光領域LE2からLE6は、どのような色で発光してもよいし、発光しなくてもよい。また、この光コードでは、ディスプレイの光コード発光領域LE1は、通し番号2から9のパターンで白色光を交互に発光することで、受光する装置110に発光側との同期を取らせている。すなわち、ディスプレイの光コード発光領域LE1は通し番号2から9のパターンで白色光を交互に発光する。さらに、ディスプレイの光コード発光領域LE2は、パリティチェックに使用される。したがって、ディスプレイの光コードの他の発光領域LE3からLE6は、合わせて1回の発光で4ビットの伝達(出力)が可能である。また、フォトダイオードWPD3からWPD6は、両方合わせてディスプレイの対応領域から、1回の受光で4ビットの受信(入力)が可能である。以下、フォトダイオードWPD3からWPD6は、情報コードダイオードと呼ばれる。なお、パリティチェックでエラーとなった場合には、装置110は、素子111により、再発光の指示を情報機器200のタッチパネルに入力すればよい。
【0418】
パターン1からパターン9で光コード発光時間間隔を1/30sとすると、情報機器200のディスプレイと装置110との間で授受される情報量は、300msで4bit×9=36bitとなる。光コード発光時間隔を1/60sに設定できれば、 授受される情報量は550msで4bit×33=132bit となり、情報機器200のディスプレイと装置110とは、金融決済に必要な128bitを授受できる。なお、ディスプレイが32パターン目の発光領域LE1のR成分も含めて3回連続0Nとして区切りを出力すれば、フォトダイオードWPD1からWPD6は、533msで4bit×32=128bit(240ビット/秒)程度の伝送レートで光コードを認識できる。図72Iに例示した仕様では、光コードの授受に白色光を使用する場合、装置110は、白色の明るさを多段階で認識してもよい。例えば、1個のダイオードが4階調から16階調程度まで認識可能であるので、1回の発光で8bitから16bitの光コードを出力でき、上記伝送レートは480〜960ビット/秒となる。
【0419】
図72Jは、装置110の裏面の構成要素の他の配置例と、この配置例によって出力されるパターンコードの例である。図では、素子111を7個含むパターンコード出力装置131と、情報入力装置132(光センサ130)とが例示されている。また、パターンコード出力装置131の各素子111は、それぞれシンボル1から7を例示する数字を囲む丸印で例示さている。パターンコード出力装置131において、すべての隣り合う素子111間の距離は同一である。このような構成では、装置110が情報機器200に作用する静電容量(電界強度)等の物理量のON/OFFを電気的に制御する場合、静電容量がタッチパネルに作用する程度(あるいは電界強度)がいずれの素子111でも安定する。また、タッチパネルは素子111の中心位置を正確に認識できる。
【0420】
また、パターンコードの各パターンには、0から10の通し番号が付されている。実施形態8等と同様、通し番号nのパターンをパターンnと呼ぶ。また、各パターンにおいて、黒丸はシンボルのON、白丸はシンボルのOFFを示す。ONとOFFは、実施形態1で説明したように、SW15のONとOFFに対応する。また、ここでも、情報機器200が現行のスマートフォンと同様、5個のマルチタッチしか認識できない場合を想定する。
【0421】
パターン1では、装置110は、シンボル1から5をONにすることにより、タッチパネルにパターンコード出力装置131における素子111の配置の向きを認識させる。すなわち、タッチパネルは、パターン1でシンボル1から5のONを検出することで、素子111の配置の向きを認識する。その認識の結果、情報機器200は、認識したシンボル1から5に対応する素子111の位置関係からシンボル6、7に対応する素子111の位置も正確に推定できる。
【0422】
パターン2では、でシンボル1、2をOFFし、その後、パターン3からパターン10でシンボル1、シンボル2が交互にONとOFFとを繰り返す。パターン1から10が終了したら、再びパターン1から10を繰り返す。このような出力パターンはユニークであり、データブロックの区切りを認識できる。
【0423】
パターン3からパターン10でシンボル1とシンボル2が交互にONとOFFとを繰り返すことにより、タッチパネルは変化するシンボル3からシンボル7の情報パターンと同期する同期信号を認識し、正確に、装置110から出力されるパターンを認識できる。さらに、常に、シンボル1と2の位置情報を認識できるため、タッチパネル上で実施形態0のスタンプ、実施形態1から8の装置110等が滑動・回転しても、タッチパネルを有する情報機器200は、情報パターン(シンボル1から7)を出力する素子111の位置の変化を容易に推定でき、正確にパターンコードを認識できる。情報パターンの情報量は、シンボル3からシンボル7の5個から0〜4個を選択する組み合わせとなる。1回の出力で、5C4+5C3+5C2+5C1+1=31(4.95bit)を定義できる。なお、パターン3からパターン10の情報パターンに対するパリティチェックビットとして、パターン2のシンボル3からシンボル7を用いてもよい。
【0424】
以上のシンボル1からシンボル7の組み合わせによるパターン1からパターン10のデータブロックで、シンボル出力時間間隔を50msとすると500msで4.95bit×8=39.6bitの情報量が授受される。電子機器200が現行のスマートフォンの高速のタッチパネルと同等である場合、電子機器200認識時間間隔は12msと仮定できる。ただし、ここでは、素子111からのシンボル1からシンボル7の認識の安全率を3倍とし、シンボル出力時間間隔を36msとして設計すると、1秒で、導体認識の安全率を2倍とし、素子出力時間間隔を24msに設定できれば672msで、 4.95bit×26=128.7bitの情報量を定義できる。いずれにしても、0.6秒から1秒程度の期間で、金融決済に必要な128bitを出力できる。
【0425】
図72Kは、素子111と情報入力装置132(光センサ130)に含まれるフォトダイオードの他の構成を例示する図である。図のように、フォトダイオードと素子111とを同心円状に構成してもよい。例えば、装置110裏面上で、円環状の領域(筒状領域)にフォトダイオードの受光部を形成し、内部の円形(円筒内部の円柱状領域)に導体の素子111を形成してもよい。また、逆に、装置110裏面上で、円環状の領域(筒状領域)に導体の素子111を形成し、内部の円形(円筒内部の円柱状領域)にフォトダイオードの受光部を形成してもよい。
【0426】
なお、スマートフォン等の情報機器200のタッチパネルが導体である素子111による物理量(静電容量、電界強度等)を認識する際に、隣り合う導体中心間の距離や、隣り合う導体端部間の距離に制限がある場合がある。しかし、導体の大きさについては、所定の静電容量による作用、あるいは電界強度の発生があれば問題ない。したがって、電子機器200のタッチパネルが素子111からの物理量を認識できる程度に、導体の大きさを小さくしてもよい。ただし、いずれにしても、情報機器200で実行されるアプリケーションプログラムが様々な制限を設定して場合は、その限りではない。
【0427】
図72Lは、装置110の裏面の構成要素の他の配置例と、この配置例によって出力されるパターンコードの例である。この配置は、例えば、実施形態0で説明したスタンプ型のコード発生装置1、実施形態1から8出説明した装置110に適用できる。図では、素子111を6個含むパターンコード出力装置131と、情報入力装置132(光センサ)とが例示されている。また、パターンコード出力装置131の各素子111は、それぞれシンボル1から6を例示する数字を囲む丸印で例示されている。図72Jと同様、パターンコード出力装置131において、すべての隣り合う素子111間の距離は同一である。
【0428】
また、パターンコードの各パターンには、0から10の通し番号が付されている。また、各パターンにおいて、黒丸はシンボルのON、白丸はシンボルのOFFを示す。パターン1では、コード発生装置1、装置110は、シンボル1から5をONにすることにより、タッチパネルにパターンコード出力装置131における素子111の配置の向きを認識させる。すなわち、タッチパネルは、パターン1でシンボル1から5のONを検出することで、素子111の配置の向きを認識する。その認識の結果、情報機器200は、認識したシンボル1から5に対応する素子111の位置関係からシンボル6に対応する素子111の位置も正確に推定できる。
【0429】
パターン2からパターン10でシンボル1、シンボル2が交互にONとOFFとを繰り返す。このシンボルの繰り返しにより、タッチパネルは変化するシンボル3からシンボル7の情報パターンと同期する同期信号を認識し、正確に、装置110から出力されるパターンを認識できる。さらに、常に、シンボル1と2の位置情報を認識できるため、タッチパネル上で実施形態0のスタンプ型のコード発生装置1、実施形態1から8の装置110等が滑動・回転しても、タッチパネルを有する情報機器200は、情報パターン(シンボル1から6)を出力する素子111の位置の変化を容易に推定でき、正確にパターンコードを認識できる。
【0430】
以上のシンボル1からシンボル6の組み合わせによるパターン1からパターン10のデータブロックで、シンボル出力時間間隔を50msとすると500msで4bit×8=32bitの情報量が授受される。最近の機種のスマートフォンは12msの間隔でタッチを認識できることから、安全率を考慮して、スタンプ型のコード発生装置1が32ms毎にパターンコードを出力すれば、最短で320msでパターンコード32bitが授受される。なお、コード発生装置1、装置110がドットコードを読み取り可能な情報読取装置を有する場合には、情報読取装置で読み取ったドットコードをそのまま、パターンコード出力装置131からタッチパネルに出力してもよい。
<<特殊パターンコード仕様>>
【0431】
図72Mに、実施形態0で説明したスタンプ型のコード発生装置1の底面、あるいは、実施形態1から8で説明した装置110の裏側の面(タッチパネルに接触する側)に設けられる前方ボタンと、後方ボタンを例示する。ユーザがスタンプ型のコード発生装置1の上側の前方と後方、装置110の表面の前方と後方を押下すると、コード発生装置1の底面、装置110の裏面のボタンがONになる。前方ボタンと後方ボタンは、コード発生装置1、あるいは、装置110における割り込み操作に使用される。割り込み操作では、コード発生装置1、あるいは、装置110から、情報機器200のタッチパネルに特殊パターンと呼ばれるパターンを出力することで、情報機器200上のパターンコード処理プログラムに特殊パターンを認識させ、いわゆる割り込み処理を実行させることができる。ここで、特殊パターンとは、パターンコード出力装置131から出力される、いわば予約パターンであり、図72Lに例示したデータブロックのパターンとは明確に区別できるパターンである。
【0432】
コード発生装置1、あるいは、装置110に応答するアプリケーションプログラムを実行する情報機器200は、事前に特殊パターンを記憶しておき、コード発生装置1、あるいは、装置110から特殊パターンを受け付けた際に、他の処理より優先してコンテンツの一時停止・再生やポイント・スタンプの再発行を制御する。情報機器200は、コード発生装置1、あるいは、装置110が情報機器200のタッチパネルから離反しても、特殊パターンの記憶を維持しておく。
また、例えば、コード発生装置1、あるいは、装置110は、ドットコード読取装置でドットコードを読み取ることで、特殊パターンを記憶する。そして、コード発生装置1、あるいは、装置110は、前方ボタン、あるいは、後方ボタンがごとに、対応するパターンコードを出力する。コード発生装置1、あるいは、装置110は、新たに、ドットコード読取装置で特殊パターンを読み取った際に、以前に記憶した特殊パターンをクリアする。
特殊パターンは底面の前方スイッチまたは後方スイッチがONになった際に出力される。図72Nに、特殊パターンを例示する。特殊パターンは、図のように、前方ボタン短押し(例えば、1秒未満の押下)、後方ボタン短押し、前方ボタン長押し(例えば、1秒未以上の押下)、後方ボタン長押し等のボタン操作にしたがって、パターンコード出力装置131から出力される。以下に、コード発生装置1、あるいは、装置110における前方ボタンと、後方ボタンによる操作仕様を例示する。
【0433】
(1)前方ボタン短押し(1秒未満)
前方ボタンが1秒未満ONになり、その後OFFになったら、パターンコード出力装置131は、シンボル1、2を2秒ONで出力する(パターンSPEC1)。このとき、パターンコード出力装置131は、以前の操作によるすでに実行中のシンボル出力を中止する。情報機器200のアプリケーションプログラムは、パターンSPEC1を検出すると、画面上のアイコン選択を受け付ける。但し、情報機器200のアプリケーションプログラムは、誤認回避のため、例えば、同一の特殊パターンを連続して2回認識した場合に処理を行うようにすればよい。
【0434】
(2)後方ボタン短押し(1秒未満)
後方ボタンが1秒未満ONになり、その後OFFになったら、パターンコード出力装置131は、シンボル1、2、4を2秒出力する(SPEC2)。このとき、パターンコード出力装置131は、以前の操作によるすでに実行中のシンボル出力を中止する。情報機器200のアプリケーションプログラムは、パターンSPEC2を検出すると、映像再生等のコンテンツでは一時停止・再生を受けつける。また、情報機器200のアプリケーションプログラムは、ポイントやスタンプの処理では、再発行を実行する。但し、情報機器200のアプリケーションプログラムは、誤認回避のため、例えば、同一の特殊コードを連続して2回認識した場合に処理を行うようにすればよい。
【0435】
(3)前方ボタン長押し(1秒以上)
前方ボタンが1秒以上ONになったら、コード発生装置1、あるいは、装置110が離反し、前方ボタンがOFFになるか、他のボタンが押されるまで、パターンコード出力装置131は、シンボル1、2、6を連続出力する(SPEC3)。情報機器200のアプリケーションプログラムは、コード発生装置1、あるいは、装置110の移動・回転の際に使用に、この特殊パターンを認識する。但し、誤認回避のため、同一のパターンコードを連続して2回認識して処理を行う。一方、ユーザは、装置110をタッチパネル上で移動・回転等する場合には、前方ボタン長押し状態に維持する。情報機器200のアプリケーションプログラムは、一旦他の特殊パターンを認識して、その後、SPEC3のパターンを2回認識すれば、そのままSPEC3のパターンを認識する処理を継続する。これによって、情報機器200のアプリケーションプログラムは、コード発生装置1、あるいは、装置110の移動・回転に追従する。
【0436】
(4)後方ボタン長押し(1秒以上)
後方ボタンが1秒以上ONになったら、パターンコード出力装置131は、シンボル1、2、4、6を2秒出力する(SPEC4)。他の操作が実施されれば、SPEC4の出力は中止される。情報機器200のアプリケーションプログラムは、コンテンツを終了し、待機画面に戻る。但し、情報機器200のアプリケーションプログラムは、誤認回避のため、同一の特殊コードを連続して2回認識して処理を行う。
【0437】
ただし、以上のような情報コードの定義は例示であって、本発明の実施が情報コードの定義に限定される訳ではない。例えば、情報入力装置132が1チャンネルの場合には、図10から図13で例示されるペンタイプのコード発生装置のパターンコード(素子111からの物理量変化による情報列)を本実施形態1から8における光コード(光量変化基づくタッチパネル、ディスプレイ等からの装置110へに入力される情報コード)に流用してもよい。また、1チャンネルの場合には、イーサネット(登録商標)、無線LAN等のフレームで規定さされるプリアンブル、フレーム開始識別等のビット列、あるいは、これらのビット列を簡略化したもの、時間軸方向に引き延ばしたもの等を本実施形態1から8における情報コードに流用してもよい。また、装置110は、実施形態1から実施形態8におけるシンボルの出力においても、実施形態0で述べたパターンコード発生装置1と同様、シンボルのON/OFFの時間間隔の長短を組合せてシンボルを形成してもよい(例えば、図10図12図26図27参照)。また、装置110は、シンボルの出力強度を複数段階に設定して、シンボル出力強度レベルに応じて、情報を出力するようにしてもよい(図13参照)。さらに、情報機器200は、装置110へのディスプレイの発光による光コードの授受において、装置110のシンボルによるパターンコードと同様、ON/OFFの時間間隔の長短を組合せて光コードを形成してもよい。また、情報機器200は、光の強度を複数段階で発光することにより、光の強度レベルを組み合わせて光コードを形成してもよい。
【0438】
<物理量変化の変形>
上記実施形態、実施形態1から実施形態8では、SW15を介して、素子111と接触導体との間を接続することで、タッチパネルが検知可能な静電容量を大きくした。しかし、このような構成に代えて、素子111にパルス信号(または交流信号)を付与することにより、タッチパネルが検知する素子111の実効的な静電容量を大きくしてもよい。
【0439】
図72Oは、本変形例の装置110Yと装置110Yの物理量変化を検知するタッチパネルを例示する。図のように、タッチパネルは、接触検知部(透明電極)と交流信号源Aと、検出回路とを有する。なお、交流信号源Aは、交流信号(サイン波形)またはパルス信号の電圧を接触検知部に供給する。接触検知部(透明電極)は、交流電流源Aにつながるものと、検出回路につながるものが対となったものを複数対有する。対となる接触検知部(透明電極)の間で、電気力線が発生する。すなわち、対となる接触検知部(透明電極)の間でコンデンサが形成される。すなわち、接触検知部(透明電極)は、いわゆる相互静電容量型のタッチパネルのセンサと類似の対象物検出動作を実行する。検出回路は、交流信号源Aからの信号に対する接触検知部(透明電極)間のコンデンサに充電放電される電荷の量、あるいは、接触検知部(透明電極)間の電界強度により、接触検知部(透明電極)に接触または近接する導体、誘電体等の存在を検知する。
【0440】
例えば、装置110Yがタッチパネルの接触検知部に近接または絶縁性フィルム等を介して接触すると、交流信号源Aに接続される接触検知部の電気力線の一部が装置110Yの素子111に向かうことになる。その結果、対となる接触検知部(透明電極)の間の電気力線の数が減少し、電界強度が弱くなる。検出回路はこの電界強度の変化から、素子111が接触検知部に接近したこと、および接近した位置を検知する。
【0441】
ところで、素子111の面積が小さい場合には、交流信号源Aに接続される接触検知部からの電気力線を十分に受け入れることができない。つまり、素子111は、交流信号源Aに接続される接触検知部との間で十分に大きな静電容量を生成できない。したがって、検出回路は、装置110Yの素子111の存在を検知できないことになる。このような対策として、実施形態1から実施形態8では、SW15と接触導体114により人の指および人体を素子111に接続することで、素子111の見かけの静電容量を増加させた。
【0442】
本変形例では、SW15と接触導体114により人の指および人体を素子111に接続する代わりに、素子111に、交流信号源Aと逆相の信号を素子111に付与する。図72Oは、ある時点T1における接触検知部および素子111の電荷の状態を例示している。この時点T1において、交流信号源Aに接続される接触検知部(+の箇所)には正の電圧(正のパルス)が加わり、正の電荷が充電されていると仮定する。一方、素子111には、交流信号源と逆相の交流信号源Bが設けられている。したがって、この時点T1において、負の電圧(正のパルス)が加わり、負の電荷が充電されることになる。すると、素子111の面積が小さい場合であっても、負の電荷によって、逆相の交流信号源Bによる電圧がない場合と比較して、より多くの電気力線を交流信号源Aに接続される接触検知部から引き寄せることができる。その結果、対となる接触検知部(透明電極)の間の電気力線の数が減少し、電界強度が弱くなる。したがって、逆相の交流信号源Bによる電圧により、素子111の面積が小さくなった場合でも、検出回路が素子111の存在を検知可能となる。
【0443】
このような交流信号発生源Bを装置110Yに設け、素子111に交流信号を加えることで、上記実施の形態1から8よりも、さらに小さな面積、例えば、直径4mm、3mm、2mm、1mm、あるいは1mm未満の素子であっても、タッチパネルに静電容量の変化、すなわち、物理量変化に基づく素子111の存在および素子111の近接位置、あるいは絶縁フィルム(またはガラス等)を介した接触位置を検知させることができる。
【0444】
図72Pにタッチパネルの検出用の交流信号源Aに対して、逆相の交流信号を発生する交流信号源Bの構成を例示する。交流信号源Bは、電気力線の変化(電界強度の変化)を検知する検出器と、検出器で検出された検出信号を増幅するアンプ AMP1と、アンプ
AMP1の出力信号を基準電圧と比較するコンパレータと、コンパレータの出力を増幅するアンプ AMP2とを有する。
検出器には、タッチパネルの交流信号源Aに接続される接触検知部から電気力線が入る。電気力線の方向(正負)および電気力線の密度、すなわち、電界強度は、交流信号源Aからの信号に応じて正負の値で変化する。ところで、検出器は、静電誘導の原理にしたがうものとすると、タッチパネルの交流信号源Aに接続される接触検知部が正の場合に、検出器は負に帯電する。したがって、検出器には、タッチパネルの交流信号源Aに接続される接触検知部に投入される交流信号と逆相の信号が発生する。
【0445】
アンプ AMP1は、反転増幅器であるとする。すると、アンプ AMP1は、検出器の信号を反転して増幅し、コンパレータに入力する。したがって、コンパレータに入力される信号は、タッチパネルの交流信号源Aに接続される接触検知部と同相の信号となる。
【0446】
コンパレータは、アンプ AMP1の出力電圧と基準電圧とを比較することで、正負のパルスを発生する。今、仮に、アンプ AMP1からの出力信号が基準電圧を超える場合に、コンパレータは正の出力信号を発生するとする。また、アンプ AMP2は、反転増幅器であるとする。すると、アンプ AMP2は、コンパレータの出力を反転するので、素子111には、いずれも、検出器で検出された信号と逆相の信号が発生することになる。
【0447】
以上のような回路構成によって、タッチパネルの交流信号源A(パルス信号源)と逆相の信号を素子111に付与することができる。したがって、素子111の寸法が小さいものであっても、タッチパネルに検知させることができる。
【0448】
なお、図72O図72Pでは、相互静電容量タイプのタッチパネルについて、素子111に対する感度を向上させる構成例を示した。自己静電量タイプのタッチパネルについても、上記同様に、タッチパネルの検出用の交流信号源(あるいはパルス信号源)と逆相の信号を発生し、素子111に付与すればよい。自己静電量タイプのタッチパネルは、素子111との間で形成する静電容量によって素子111の位置を認識するため、逆相の信号を素子111に加えることで、上記と同様、タッチパネルの交流信号源Aに接続される接触検知部(+の箇所)の電荷と逆の電荷を素子111に送り込むことができ、実効的にタッチパネルの感度を上げることができる。図72Pの構成により、素子111の面積を小さくしても、十分な感度でタッチパネルが検知する物理量変化、例えば、接触検知部間の電界強度の変化等を引き起こすことができる。その結果、検出回路は、接触検知部への導体、誘電体等の面積が実施形態1から実施形態8の素子111よりも小さい場合でも、導体、誘電体等の接近、接触等を検知できる。本装置110Yの構成は、実施形態1から実施形態8に適用してもよい。
<実施形態9>
【0449】
図73Aから図74により、実施形態9に係る画像読み取り装置110Jを説明する。画像読み取り装置110Jは単に装置110Jとも呼ばれる。本画像読み取り装置110Jは、カード型のパッケージの一方の面に、光電変換素子配列(いわゆる太陽電池)112と指紋センサ113を有し、他方の面に、画像センサ160を有する。ただし、指紋センサ113は必須の構成ではなく、設けなくてもよい。また、光電変換素子配列112の代わりに、薄型のボタン電池、フィルム型の電池を設けてもよい。カード型のパッケージは、例えば、厚みが5mm未満の薄型のプラスティック製の板材である。カード型のパッケージは、例えば、図55図56図57図61A図69Aから図69C図71Aから図71C図73A図73B等と同様の外観である。
【0450】
図73Aは、画像読み取り装置110Jの表側、つまり、画像センサ160が設けられる面の裏面の平面図である。図73Bは、画像読み取り装置110Jの画像センサ160側の平面図である。図74は、画像読み取り装置110Jのハードウェア構成を例示する図である。画像読み取り装置110Jは、CPU116、メモリ117、画像センサ160、光電変換素子配列112およびコンデンサ123を備える。画像読み取り装置110JのCPU116は、は、メモリ117に実行可能に展開されたコンピュータプログラムを実行し、画像センサ160に接触または接近する媒体面から寸法0.5mm以下のドットを複数含むドットパターンの画像を取得し、取得した画像から情報を取得する。なお、指紋センサ113が十分な精度があれば、直径0.05〜0.2mm程度のドットを認識することもできる。取得する情報は、例えば、媒体面の位置を示す座標、アプリケーションプログラムが処理するコード情報等である。CPU116は、画像に対する処理を実行する処理部の一例である。
【0451】
[画像センサ]
図75は、画像センサ160の構成を例示する図である。図75で下側は、画像センサ160の撮像面を見た平面図であり、上側は、平面図のA−A間を切断した断面図である。また、図76は、A−A間の断面図とともに、図75において開口を含まないB−B間の断面図を例示する図である。
【0452】
A−A間の断面図から明らかなように、画像センサ160は、半導体センサ配列152と、半導体センサ配列152の受光部を露出させる開口を有し、半導体センサ配列152に接触して形成される光反射層151と、半導体センサ配列152の受光部を露出させる開口を有し、光反射層151に接触して形成される導光層150と有する。光反射層151は、光反射板151と呼ぶこともできる。導光層150は導光板150と呼ぶこともできる。導光層150は、「導光媒体」の一例である。半導体センサ配列152は、「受光素子」の一例である。
【0453】
半導体センサ配列152は、例えば、CMOSイメージセンサ、あるいは、CCD(電荷結合素子)等である。半導体センサ配列152は、入射した光信号を電気信号に変換するダイオードの配列と、ダイオードの配列から画像の水平方向および垂直方向に電気信号を読み出す駆動回路と、を有する。なおダイオードに変えて、いわゆるフォトトランジスタを用いてもよい。また、駆動回路は、例えば、増幅器、Analog/Digital(A/D)変換器等を含む。ダイオードの配列から読み出された画像の水平方向および垂直方向に電気信号は、例えば、デジタルデータに変換されてメモリに格納される。半導体センサ配列152と駆動回路は、一般的なMOSプロセスによって形成される。
【0454】
半導体センサ配列152は、図示しない絶縁性のカラーフィルタ層で被覆されるようにしてもよい。カラーフィルタ層は赤、緑、青の3色が1組となって配列される。カラーフィルタ層の表面側(ダイオードの配列に対する反対側)に、透明の保護膜またはレンズ層を形成してもよい。
【0455】
光反射層151は、例えば、金属であり、それぞれのダイオードP/N接合部分およびその前面のカラーフィルタ層を露出させる開口を有する。半導体センサ配列152と駆動回路が形成されたのち、真空蒸着、スパッタ等の方法により形成し、フォトレジスト工程とエッチング工程とによって開口が形成される。
【0456】
導光層150は、例えば、アクリル、ポリカーボネート、ガラス等である。なお、光反射層151と導光層150との接着部にポリイミド系材料を用いてもよい。
導光層150の側部には、発光ダイオードが設けられ、導光層150に光を照射する。導光層150に照射された光のうち、導光層150の上面(光反射層151側の面)と下面(撮像対象物側の面)とに、全反射の臨界角以上で入射した光は、全反射を繰り返しつつ、導光層150内に広がる。また、導光層150の上面(光反射層151側の面)と下面(撮像対象物側の面)とに、全反射の臨界角未満で入射した光は、導光層150の下面(撮像対象物側の面)から外部に放射される。一方、導光層150の上面(光反射層151側の面)には、光反射層151が形成されているため、入射した光は、入射角に依存せず、反射される。
【0457】
なお、導光層150の上面(光反射層151側の面)と光反射層151との間に複数の溝状パターンであるシボを形成してもよい。シボを形成することによって、導光層150の上面(光反射層151側の面)に入射する光は、複数方向に拡散、あるいは散乱され、導光層150の下面(撮像対象物側の面)に導かれる。図77に、導光層150の上面(光反射層151側の面)と光反射層151との間のシボを例示する。シボは、例えば、光反射層151に、フォトリソグラフィー工程と、エッチング工程とによって溝を形成し、当該に溝に、導光層150の材料を充填することで形成できる。
【0458】
図75から図77の構成によれば、半導体センサ配列152に、光反射層151および導光層150を積層し、導光層150から撮像対象に光源の光を照射し、導光層150および光反射層151に設けた開口に撮像対象からの反射光を導くことできる。したがって、撮像対象の形状、特徴的な寸法が、半導体センサ(ダイオード)の配列間隔よりも十分に大きい場合には、撮像対象に画像センサを密着、接触、あるいは、近接した状態でも、撮像対象の画像を取得できる。例えば、半導体センサの配列間隔、すなわち,画素ピッチを1マイクロメートルとすれば、撮像対象表面で10マイクロメートル程度の形状の画像を取得することは十分に可能である。
【0459】
<<第1の変形例>>
図78は、第1の変形例に係る画像センサ160Aの構成を例示する図である。図75から図77では、導光層150によって、光源からの光を撮像対象に照射する画像センサ160の構成を例示した。しかし、例えば、導光層150に、光拡散材料を用いて、光を拡散させるようにしてもよい。例えば、導光層150に、微粒子(微粉体)を混入させたアクリル樹脂を用いればよい。このような光拡散層150Aの光拡散特性は、基材となる樹脂と微粒子との屈折率差と、微粒子の粒子径に依存することが知られている。微粒子としては、サブミクロン〜数十ミクロンの球状微粒子ポリマ、セラミックス微粒子などが使用できる。
【0460】
光拡散層150Aに光源から光を入射することで、入射光は放射状に拡散する。光拡散層150Aにより、効率よく、かつ、光量のムラを低減して、撮像対象に光を照射できる。その結果、図78の画像センサ160Aは、図75から図77よりも光量のムラの少ない画像を取得できる。
【0461】
ただし、光拡散層150Aを用いると、光拡散層150Aから出射され、撮像対象で反射されていない直接光が開口からダイオード配列に進入し易くなる。このような直接光は、撮像対象で反射された反射光に対して、バックグランドのノイズとなる。そこで、本変形例では、図78のように、開口内壁に、光反射材料の膜153を形成し、直接光の半導体センサ配列152への進入を低減する。
【0462】
<<第2の変形例>>
図79および図80は、画像センサ160の第2の変形例である画像センサ160Bの構成を例示する。図79は、本変形例の撮像面側(撮像対象に向く開口側)から見た平面図と、撮像面を下に配置した正面図を例示する。図80は、図79におけるA−A間の断面図(開口を横断する平面で切断)、およびB−B間の断面図(開口を横断しない平面で切断)である。
【0463】
図79および図80のように、本変形例の画像センサ160Bは、半導体センサ配列152と、それぞれの半導体センサの受光部を露出させる開口を有する光反射層151と、それぞれの半導体センサの受光部を露出させる開口を有する導光層150と、それぞれの半導体センサの受光部を露出させる開口を有する光拡散層150Aと、導光層150に光を導入する光源と、を有する。また、上記光反射層151は、導光層と半導体センサ配列152との間に設けられ、導光層150から半導体センサ配列に臨界角未満で入射する直接光を反射する。一方、光拡散層150Aは、導光層150から臨界角以上で導光層150と光拡散層150Aとの界面に入射する光を導光するとともに、放射状に拡散する。また、半導体センサ配列152受光部前面、すなわち、撮像対象側の開口内壁面には、光反射材料の膜153が形成されている。半導体センサ配列152は、それぞれ入射する光信号に応じた電気信号を出力する画素センサの配列の一例である。
【0464】
以上の構成によれば、光拡散層150Aを通る光のうち、半導体センサ配列152に直接入射する直接光が低減される。すなわち、導光層150の上面(光反射層151側の面)には、光反射層151が形成されているため、入射した光は、入射角に依存せず、反射される。また、導光層150を通る光のうち、開口面に全反射の臨界角未満で入射した光は、開口内壁面に形成せれた光反射材料の膜153によって反射される。すなわち、開口に入射した光も、開口面法線との入射角に依存せず、反射される。光反射材料の膜153は、開口界面に入射する光を導光層内へ反射する光反射材料の一例である。
【0465】
一方、導光層150の下面(撮像対象物側の面)に、全反射の臨界角未満で入射した光は、導光層150の下面(撮像対象物側の面)から光拡散層150Aに入射し、放射状に拡散され,撮影対象に照射される。その結果、本変形例の画像センサ160Bは、導光層150によって透過率を低下させないで光源からの光を導くとともに、撮影対象にムラを低減して光を照射できる。したがって、本変形例の画像センサ160Bは、効率的に撮像対象から画像を取得できる。
<<第3の変形例>>
【0466】
図81は、第3の変形例に係る画像センサ160Cの構成を例示する図である。図81は、図78において、開口内壁に、光反射材料の膜153を形成する代わりに、光吸収材料の膜155を形成している。このような光吸収材料によって、光拡散材料から放射状に出射される光のうち、半導体センサ配列152に直接進入する直接光を低減できる。
【0467】
画像センサ160および各変形例における画像センサ160Aから160Cは、各実施形態1から8で使用される指紋センサ、2次元コード読み取り用の画像センサとして適用可能である。以上説明した実施形態の構成は、適宜組み合わせることができる。
<実施形態10>
【0468】
図82から図84を参照して、本発明の実施形態10に係る画像センサ160Dを説明する。実施形態10に係る画像センサ160Dは、実施形態1における指紋検出用画像センサ113A(図60)、実施形態5の変形例で説明したイメージセンサ、実施形態8の指紋センサ113、実施形態9の画像センサ160、指紋センサ113等、本実施の形態で例示した画像センサとして使用可能なセンサである。
【0469】
図82は、画像センサ160Dの撮像面から見た平面図であり、図83は、図82の「A断面」の文字が付された矢印に沿って切断したときの断面図であり、図84は、図82の「B断面」の文字が付された矢印に沿って切断したときの断面図である。
【0470】
画像センサ160Dは、半導体基板上にCMOSセンサ素子252を、所定間隔を空けて格子状に配置される。格子状に配置されたCMOSセンサ素子252は、それぞれ入射する光信号に応じた電気信号を出力する画素センサの配列の一例である。図82の紙面側、図83の紙面に対して下側は、CMOSセンサ素子252の受光部である。受光部に光が入射すると、CMOSセンサ素子252が画素値となる電気信号を出力する。
なお、図82は、CMOSセンサ素子252の配列の一部を例示する図である。したがって、図82では、6×6のCMOSセンサ素子252の配列が例示されているが、画像センサ160Dが有するCMOSセンサ素子252の数が36個ということではない。また、図83図84で、CMOSセンサ素子252の紙面に向かって下側に、撮像対象の媒体面(撮像対象面ともいう)が置かれる。さらに、CMOSセンサ素子252の上面(撮像対象側と反対の面)に導光板250が設けられる。さらに、導光板250に隣接して、導光板250内に向けて光を照射する照射装置201が設けられている。照射装置201は、例えば、発光ダイオードである。また、照射装置201は、光源の一例である。図82から図84に例示する導光板250は、撮像対象面に光を照射する導光層の一例である。また、図82から図84に例示する導光板250は、画素センサの受光部の反対面側に設けられ、隣接する前記画素センサの間から光を前記撮像対象面に導入する導光層の一例である。
【0471】
図83のように、導光板250として、基材となる樹脂に微粒子(微粉体)を混入させた光拡散材料を用いてもよい。導光板250に拡散反射材料を使用する場合には、拡散反射材料の層を光反射材料の層と組み合わせて、拡散反射板256とするのが望ましい。例えば、光拡散材料を含む導光板250の上面(撮像対象側と反対の面)側には、光反射材料の層(あるいは膜、板)が設けられる。光反射材料層と光拡散材料層とを組み合わせた複合材料の基板を拡散反射板256ということにする。拡散反射板256は、撮像対象面方向に光を拡散反射する光拡散反射層の一例である。図82では、光拡散効果を有する微粒子(微粉体)は、導光板250の上面側に混入されている。したがって、図82では、最上層から、例えば、金属膜である光反射材料層、微粒子(微粉体)を混入させ樹脂である光拡散材料層、および微粒子(微粉体)の混入が少ない、または微粒子(微粉体)がない導光層250によって、導光路が形成される。ただし、導光板250全体に微粒子(微粉体)を混入させ、導光板250全体が光拡散材料層となるようにしてもよい。
【0472】
照射装置201から発せられた光は、導光板250に入射し、その一部の光は、光拡散材料層で拡散される。また、光拡散材料層の上層に接合される金属層で、光は全反射される。全反射した光は拡散しながら、CMOSセンサ素子252の方向に進行する。したがって、導光板250に入射される光が拡散反射板256の作用によって、拡散反射して、撮像対象の媒体面に均一に照射される。このようにして、導光板250は、隣接するCMOSセンサ素子252間の基板余白領域を通して、所定の波長を有する光を媒体面に照射する。例えば、隣接するCMOSセンサ素子252間の基板余白領域は、光を透過する部材で形成する。また、余白領域には、エッチングによる間隙を形成してもよい。なお、上述のように、図83では、最上層近傍にのみ微粒子(微粉体)が混入され、光拡散材料層となっている。しかし、導光板250の全体に、微粒子(微粉体)が混入させてもよい。例えば、導光板250が、拡散反射する乳白色のアクリル材料でもよい。
【0473】
さらに、図82から図84に例示するように、CMOSセンサ素子252の層、およびCMOSセンサ素子252の層から下側(撮像対象の媒体面側)の層には、隣接するCMOSセンサ素子252間には、光反射板251が形成されている。光反射板251は、画素センサが形成される基板上の画素センサ境界から前記撮像対象面側に延伸して設けられる遮光部の一例である。
【0474】
したがって、基本的には、図83のM2矢印で示すように、C-2で例示されるCMOSセンサ素子252直下の撮影領域の媒体面で反射される光のみがC-2の素子に入射される。ただし、図83のM1矢印で示すように、C-1で例示されるCMOSセンサ素子252直下の撮影領域の媒体面から反射される光が光反射板251で再反射して、C-1の素子に入射する場合がある。ただし、光反射板251での光の再反射は、撮像画像を平均的に明るくするものであり、画像認識に大きな影響は生じない。
【0475】
図83のように、CMOSセンサ素子252は、CMOSセンサ素子252の直下近傍の領域、すなわちCMOSセンサ素子252の撮像面中心に対向する撮像対象の媒体面上の位置を中心とする矩形状領域の反射光を当該CMOSセンサ素子252で受光し、撮像する。すなわち、配列されたCMOSセンサ素子252は、それぞれ媒体面に隙間なく設定される、対向する矩形状領域から反射光を受光し、画素として出力する。そのため、撮像する矩形状領域以外からの反射光が当該センサ素子に極力入射しないように、隣接するCMOSセンサ素子252間の境界に光反射板251を格子状に配置する。CMOSセンサ素子252に対向する撮像対象の媒体面上の矩形状領域からの少なくとも一部の反射光が直上に配置された当該CMOSセンサ素子252に入射する。なお、光反射板251で囲まれたCMOSセンサ素子252前面(撮像対象の媒体側)の空間は光を透過する保護膜の材料で充填されていてもよい。また、媒体面に接面する層には、所定の波長を有する光が通過する保護シートやプレートを配置してもよい。光反射板251の層は、画素センサのそれぞれに入射する光を、画素センサの受光部に対向する撮像対象面上で前記画素センサに対向する範囲に制限する遮光部の一例である。
【0476】
図82から図84で例示した画像センサ160Dの製造方法は、以下の通りである。まず、通常の半導体プロセスで、CMOSセンサ素子252の駆動回路、検出回路、およびCMOSセンサ素子252の配列の層を形成する。次に、CMOSセンサ素子252の受光面側を取り囲む光反射板251を形成する。例えば、CMOSセンサ素子252の層を形成後に、CMOSセンサ素子252の撮像面を、光を透過する保護膜の材料で被覆する。そして、フォトリソグラフィとエッチングで、光反射板251を形成する位置に、溝を形成し、金属をスパッタリングすることで、シード(種)となる膜を成膜し、さらに、メッキ工程により溝に金属を埋め込み、光反射板251の層を形成すればよい。なお、金属を埋め込んだ後、CMOSセンサ素子252の撮像面側の保護膜をエッチングで除去してもよいし、光を透過する保護膜として残したままとしてもよい。さらに、光反射板251の層の化層(撮像対象の媒体面側)に、所定の波長を有する光が通過する保護シートやプレートの層を形成すればよい。光反射板251を埋め込む、光を透過する保護膜の層、保護シート、あるいはプレートの層は、例えば、通常のCMOSセンサにおけるカラーフィルタ層、レンズ層と同様の工程で形成できる。
<実施形態11>
【0477】
図85から図87を参照して、本発明の実施形態11に係る画像センサ160Eを説明する。実施形態11に係る画像センサ160Eも、実施形態1における指紋検出用画像センサ113A(図60)、実施形態5の変形例で説明したイメージセンサ、実施形態8の指紋センサ113、実施形態9の画像センサ160、指紋センサ113等、本実施の形態で例示した画像センサとして使用可能なセンサである。
【0478】
図85は、画像センサ160Eの撮像面から見た平面図であり、図86は、図85の「A断面」の文字が付された矢印に沿って切断したときの断面図であり、図86は、図85の「B断面」の文字が付された矢印に沿って切断したときの断面図である。なお、図85も、図82と同様、CMOSセンサ素子252の配列の一部を例示する。
【0479】
図85のように、CMOSセンサ素子252は、撮像面の上下左右に格子状に配置される。
【0480】
図86図87に例示するように、画像センサ160Eは、CMOSセンサ素子252の層と、CMOSセンサ素子252の下層(撮像面側の層)である光吸収板255の層と、導光板250の層を有する。
【0481】
光吸収板255に囲まれた空間(CMOSセンサ素子252の撮像面直下)は、光を透過する保護膜の材料が充填されてもよい。すなわち、光吸収板255は、保護膜に形成された溝を充填する構造であってもよい。例えば、CMOSセンサ素子252の層を形成後、保護膜で被覆する。そして、フォトリソグラフィとエッチングにより、光吸収板255を埋め込む溝を形成する。そして、溝に黒鉛等をスパッタで埋め込んで、光吸収板255を形成すればよい。そして、光吸収板255を形成後、CMOSセンサ素子252の撮像面直下の保護膜をエッチングで除去してもよい。また、光吸収板255ともに保護膜を残してもよい。なお、光吸収板255は、カーボンナノチューブであってもよい。カーボンナノチューブは、例えば、周知のCVD法で形成できる。
【0482】
光吸収板255の層の下側(CMOSセンサ素子252の反対側、撮影対象の媒体面側)には、導光板250の層が形成される。導光板250は、実施形態10と同様に、上部側が金属等の光反射膜で被覆された拡散反射板256であってもよい。また、導光板250全体が、微粒子(微粉体)を混入させた光拡散材料であってもよい。例えば、導光板250が、拡散反射する乳白色のアクリル材料でもよい。さらに、導光板250には、開口が形成され、媒体面からの反射光がCMOSセンサ素子252の方向に入射する。
【0483】
図86の矢印M3のように、C-1で例示されるCMOSセンサ素子252直下の撮影領域以外の媒体面で反射される光は、光吸収板255で吸収され、C-1で例示されるCMOSセンサ素子252以外の素子に入射しない。また、矢印M4のように、C-2で例示されるCMOSセンサ素子252直下の撮影領域の媒体面で反射される光のみがC-2で例示されるCMOSセンサ素子252に入射する。さらに、矢印M5で例示される拡散反射板256および導光板250の層では、導光板250に入射される光が、光拡散反射板256によって拡散反射して、撮像対象の媒体面を均一に照射する。
【0484】
CMOSセンサ素子252は、CMOSセンサ素子252の直下近傍の領域、すなわちCMOSセンサ素子252の撮像面中心に対向する撮像対象の媒体面上の位置を中心とする矩形状領域の反射光のみを当該CMOSセンサ素子252で撮像する。すなわち、配列されたCMOSセンサ素子252は、それぞれ媒体面に隙間なく設定される、対向する矩形状領域から反射光を受光し、画素として出力する。それぞれのCMOSセンサ素子252に対向する矩形状領域以外の領域からの反射光がCMOSセンサ素子252に入射しないように、CMOSセンサ素子252の下方に各CMOSセンサ素子252の境界に格子状に光吸収板255が配置されている。したがって、各CMOSセンサ素子255は、直下の矩形状領域の反射光のみを受光して撮像する。光吸収板255の層は、画素センサのそれぞれに入射する光を、画素センサの受光部に対向する撮像対象面上で前記画素センサに対向する範囲に制限する遮光部の一例である。光吸収板255の層は、画素センサが形成される基板上の画素センサ境界から前記撮像対象面側に延伸して設けられる遮光部の一例である。
【0485】
CMOSセンサ素子252の下面直下に穴を有する導光板250を設け、照射装置201から所定の波長を有する光を媒体面に照射して、媒体面での反射光をCMOSセンサ素子252で撮像する。以上により、それぞれのCMOSセンサ素子252直下の矩形状領域から、少なくとも一部の反射光が直上に配置されたCMOSセンサ素子252に入射される。なお、上述のように、格子状に配置された光吸収板255間の空隙と、導光板250の穴の空隙部分の少なくともいずれかを、所定の波長の光を透過する材料で充填して導光板としてもよい。
<実施形態12>
【0486】
図88から図90を参照して、本発明の実施形態12に係る画像センサ160Fを説明する。実施形態12に係る画像センサ160Fも、実施形態1における指紋検出用画像センサ113A(図60)、実施形態5の変形例で説明したイメージセンサ、実施形態8の指紋センサ113、実施形態9の画像センサ160、指紋センサ113等、本実施の形態で例示した画像センサとして使用可能なセンサである。
【0487】
図88は、画像センサ160Fの撮像面から見た平面図であり、図89は、図88の「A断面」の文字が付された矢印に沿って切断したときの断面図であり、図90は、図88の「B断面」の文字が付された矢印に沿って切断したときの断面図である。なお、図88も、図82図85と同様、CMOSセンサ素子252の配列の一部を例示する。
【0488】
図89図90のように、画像センサ160Fは、図85から図87に例示した画像センサ160Eと同様、CMOSセンサ素子252の層と、CMOSセンサ素子252の下層(撮像面側の層)である光吸収材255Aの層と、導光板250の層を有する。
ただし、実施形態12の光吸収材255Aは、実施形態11の光吸収板255のような板状ではなく、CMOSセンサ素子252の層から離れるにしたがって、断面の幅が拡がる形状である。また、光吸収材255Aで囲まれたCMOSセンサ素子252前面の空間はCMOSセンサ素子252から離れるにしたがって断面が狭くなるすり鉢状の形状(空間がテーパ状)である。すなわち、光吸収材255Aの層は、CMOSセンサ素子252から見た場合に、平板に複数のすり鉢の穴の皿穴が形成され、その皿穴の底部に撮像対象媒体面に至る開口を有する構造である。なお、すり鉢の穴の皿穴は、CMOSセンサ素子252前面の対応する位置で格子状に形成されている。光吸収材255Aは、実施形態11と同様、黒鉛、カーボンナノチューブ等である。このすり鉢の穴の皿穴には、光を透過する保護膜の材料が充填されてもよい。光吸収材255Aの層は、画素センサが形成される基板から前記撮像対象面側に延伸するにしたがって断面寸法が大きくなる遮光部の一例である。
【0489】
図89のようにCMOSセンサ素子252から離れるにしたがって空間が狭くなる光吸収材255Aは、例えば、ウェットエッチング等の等方性エッチングで形成した面をCMOSセンサ素子252に側向けて重ね合わせて接合、あるいは貼り合わせすればよい。すなわち、導光板250(および拡散反射板256)上に黒鉛の層(またはカーボンナノチューブの膜)を形成し、黒鉛の層(またはカーボンナノチューブ)にフォトリソグラフィと等方性エッチングにより、黒鉛の層(またはカーボンナノチューブの膜)の形状を形成する。エッチングは、鉢状の凹部を形成し、さらに底部で開口して、導光板250(および拡散反射板256)を露出させるまで行い、黒鉛の層(またはカーボンナノチューブの膜)を除去すればよい。そして、CMOSセンサ素子252が開口で露出するように位置合わせして、エッチングした黒鉛の層(またはカーボンナノチューブの膜)の面をCMOSセンサ素子252の面に重ね合わせて、接合すればよい。
【0490】
図89の矢印M6のように、C-1で例示されるCMOSセンサ素子252直下の撮影領域以外の媒体面で反射される光は光吸収材255Aで吸収され、C-1CMOSセンサ素子252以外の素子に入射しない。また、矢印M7のように、C-2で例示されるCMOSセンサ素子252直下の撮影領域の媒体面で反射される光のみがC-2の素子に入射される。さらに、矢印M8で例示される拡散反射板256および導光板250の層では、導光板250に入射される光が、光拡散反射板256によって拡散反射して、撮像対象の媒体面を均一に照射する。拡散反射板256および導光板250の層は、遮光部と前記撮像対象面との間に形成される導光層の一例である。
【0491】
すなわち、図89のように、CMOSセンサ素子252は、CMOSセンサ素子252の直下近傍の領域、すなわちCMOSセンサ素子252の撮像面中心に対向する撮像対象の媒体面上の位置を中心とする矩形状領域の反射光のみを当該CMOSセンサ素子252で撮像する。すなわち、配列されたCMOSセンサ素子252は、それぞれ媒体面に隙間なく設定される、対向する矩形状領域から反射光を受光し、画素として出力する。各CMOSセンサ素子252に対向する矩形状領域以外の領域からの反射光がCMOSセンサ素子252に入射しないように、CMOSセンサ素子252の下方に格子状にテーパー状の穴が空いた光吸収材255Aで形成された層(光吸収プレート)が配置されている。したがって、各CMOSセンサ素子252は、直下の矩形状領域の反射光のみを受光して撮像する。光吸収材255Aの層は、画素センサのそれぞれに入射する光を、画素センサの受光部に対向する撮像対象面上で前記画素センサに対向する範囲に制限する遮光部の一例である。光吸収材255Aの層は、画素センサが形成される基板上の画素センサ境界から前記撮像対象面側に延伸して設けられる遮光部の一例である。
【0492】
光吸収材255Aの層の下面に導光板250を設け、所定の波長を有する光を媒体面に照射して、媒体面での反射光をCMOSセンサ素子252で撮像する。以上により、当該矩形状領域から、少なくとも一部の反射光が直上に配置されたCMOSセンサ素子252に入射される。なお、光吸収材255Aのテーパ状の下部の開口部の直下の導光板に同等の開口部(穴)を設けてもよい。穴の形状は円筒状などのような形状でもよいが、下部が広がるテーパー状にして当該ブロックの全領域からの反射光が、空隙を通してセンサ素子に入射するようにしてもよい。なお、上述のように、光吸収プレートで囲まれたCMOSセンサ素子252前面の空間に光を透過する保護膜を埋め込んでもよい。
<実施形態13>
【0493】
図91を参照して、本発明の実施形態13に係る画像センサ160Gを説明する。実施形態13に係る画像センサ160Gも、実施形態0における指紋検出用画像センサ113A(図60)、実施形態5の変形例で説明したイメージセンサ、実施形態8の指紋センサ113、実施形態9の画像センサ160、指紋センサ113等、本実施の形態で例示した画像センサとして使用可能なセンサである。
【0494】
図91は、画像センサ160GのCMOSセンサ素子252の部分を切断した断面図である。画像センサ160Gは、光吸収材255Bの層で囲まれた空間が、図89のように、テーパー面を形成せず、概ね画像センサ160Gを露出させる垂直な円筒面を形成している点で実施形態12と相違する。図91の光吸収材255Bの層は、黒鉛の層(あるいはカーボンナノチューブの層)を形成し、さらにフォトリソグラフィと非等方性ドライエッチングをすることによって形成できる。なお、光吸収材255Bの層で囲まれた空間に光を透過する保護膜(透明な導光材料)を埋め込んでもよい。また、光吸収材255Bの層には、導光板250の層が設けられる。導光板250の層は、実施形態10から12と同様であり、上側(CMOSセンサ素子252の側)に、拡散反射板256の層を設けてもよい。
【0495】
図91の矢印M9のように、C-1で例示されるCMOSセンサ素子252直下の撮影領域以外の媒体面で反射される光は光吸収材255Bで吸収され、C-1で例示されるCMOSセンサ素子252以外の素子に入射しない。また、矢印M10のように、C-2で例示されるCMOSセンサ素子252直下の撮影領域の媒体面で反射される光のみがC-2で例示されるCMOSセンサ素子252に入射する。さらに、さらに、矢印M11で例示される拡散反射板256および導光板250の層では、導光板250に入射される光が、光拡散反射板256によって拡散反射して、撮像対象の媒体面を均一に照射する。
【0496】
なお、光吸収材255Bの層の穴の形状は円筒状などのような形状でもよいが、下部が広がるテーパー状にして当該ブロックの全領域からの反射光が、空隙を通してセンサ素子に入射するようにしてもよい。光吸収材255Bの層は、画素センサのそれぞれに入射する光を、画素センサの受光部に対向する撮像対象面上で前記画素センサに対向する範囲に制限する遮光部の一例である。光吸収材255Bの層の層は、画素センサが形成される基板上の画素センサ境界から前記撮像対象面側に延伸して設けられる遮光部の一例である。
【0497】
<実施の形態の画像センサ等で撮像されるドットパターンの例>
図92に、本実施の形態の画像センサ等で撮像されるドットパターンに含まれる1つのドットを例示する。本実施の形態の画像センサ等とは、実施形態1における指紋検出用画像センサ113A(図60)、実施形態5の変形例で説明したイメージセンサ、実施形態8の指紋センサ113、実施形態9の画像センサ160、指紋センサ113等、本実施の形態で例示した画像センサ等である。
ドット印刷は、紙面の場合は、600dpi(0.042mm)で印刷されるが、ドットゲインや紙質、インクの特性、印刷機の精度によって、ドットサイズが0.05mm程度以上になる、さらに、ラベル印刷などでは精度が低く300dpi(0.085mm)で印刷されるが、同様な要因で、ドットサイズが0.1mm程度になる。さらに、解像度の低いディスプレイでは、ドットは2mm程度で表示される。
【0498】
実施形態10から実施形態13では、(1)600dpi(実寸0.05mm程度)で印刷されたドットを読み取る場合、1個のドットが2〜4×2〜4pixel(4〜16
pixel)程度以上で読み取るのが望ましい(図93参照)。なぜなら、印刷状況が悪く、薄く印刷された場合には、ドットが小さくなったり、また、ドットの一部が欠落して0.02mm程度で印刷される場合がある。そのような場合でも、ドットを正確に認識するために、1個のドットを複数のセンサ素子で撮像することが望ましい。
【0499】
(2)印刷媒体面を矩形状に分割(以下、ブロック化という)して、その直上にセンサ素子が配置されるが、実施形態10から実施形態13では、印刷媒体面に光が照射し、その反射光の少なくとも光の一部が直上に配置されるセンサ素子に入射する。従って、当該矩形状領域全体にドットが形成されていれば、照射光は全てドットで吸収され反射光を発生しない。したがって、CMOSセンサ素子252からの出力は、極めて小さい(図94にSQ1の黒色で示す)。矩形状領域の一部だけにドットが形成されていれば、残りの媒体面からだけ反射され、CMOSセンサ素子252には一部の領域からの反射光だけが入射される。したがって、CMOSセンサ素子252は比較的低い輝度値に対応する電流を出力する(図94にSQ2の灰色(図では斜線および点で示す)で示す)。一方、ブロック内にドットが形成されていなければ、当該ブロック(CMOSセンサ素子252直下の矩形状領域)の全領域から、反射光の少なくとも一部がCMOSセンサ素子252に入射される。したがって、CMOSセンサ素子252は比較的高い輝度値に対応する電流を出力する(図94にSQ3の白色で示す)。
【0500】
(3)図85から図91の実施形態11から実施形態13では、印刷媒体面に光を照射すると、照射された領域の直上に配置されたCMOSセンサ素子252には、直下の矩形状領域以外からの反射光が入射されないように、光を吸収する機構となっている。しかし、他の領域で媒体面からの反射光がドットを認識するのに影響を及ぼさない程度であれば、直下のブロック以外からの反射光が当該センサ素子に所定量入射してもよい。十分な光学的なシミュレーションや実験により、光吸収材料を光反射材料に代えてもよい。
【0501】
(4)図82から図91の実施形態では、センサ素子1個に対して反射光を入射する媒体上の1個のブロック(CMOSセンサ素子252直下の矩形状領域)の境界に光反射材料や光吸収材料が配置されているが、CMOSセンサ素子252の解像度が十分高ければ、隣り合う複数のCMOSセンサ素子252に対して、対応する媒体上の直下のブロック領域をまとめて1個のブロックに設定し、その境界に光反射材料や光吸収材料を配置してもよい。すなわち、図82の光反射板251,図85の光吸収板255、図88の光吸収材255A、図91の光吸収材255B等をそれぞれのCMOSセンサ素子252の周囲に形成する代わりに、光吸収材255Aを複数のCMOSセンサ素子252の配列の周囲に形成してもよい。複数のCMOSセンサ素子252の配列の周囲に形成する図82の光反射板251,図85の光吸収板255、図88の光吸収材255A、図91の光吸収材255B等は、複数の画素センサを含む画素センサの部分配列に入射する光を、前記画素センサの受光部に対向する撮像対象面上で前記部分配列に対向する範囲からの光に制限する遮光部の一例である。
また、例えば、ドットの寸法と比較して、CMOSセンサ素子252の寸法が十分に小さく、分解能が高い場合には、図82の光反射板251,図85の光吸収板255、図88の光吸収材255A、図91の光吸収材255B等を設けないでもよい。図82の光反射板251,図85の光吸収板255、図88の光吸収材255A、図91の光吸収材255B等を設けない場合には、例えば、複数のCMOSセンサ素子252の配列(M行×N列、3×3以上)において、周囲の行と列(例えば、第1行と第M行、第1列と第N列)からの検出値を無視し、その内部の配列(例えば、M−2行×N−2行)からの出力値を基に、画素値を判定してもよい。周囲の行と列は、最も外の1行1列に限定されず、周囲近傍の数列からの検出値を無視してもよい。そして、内部の配列に属するCMOSセンサ素子252からの出力を平均、あるいは、多数決論理で、輝度を判定してもよい。このようにすることでも、撮像対象の媒体面からの距離に応じて、反射光のエネルギーは減衰するため、撮像面に、CMOSセンサ素子252のピッチよりも十分に大きな寸法のドットが十分に大きなドットピッチで形成されている場合には、十分分解能となる。このような画像センサは、図82の光反射板251,図85の光吸収板255、図88の光吸収材255A、図91の光吸収材255B等を設けないで、例えば、一般的なCMOS画像センサのプロセスを流用して、実施形態10から実施形態13に例示した画像センサを製造できる。内部の配列に属するCMOSセンサ素子252からの出力を平均、あるいは、多数決論理で、輝度を判定する画素センサが複数個組み合わせられて、単一の画素データを出力する画素センサの一例である。
【0502】
(5)図82から図91の実施形態では、センサ素子1個に対して反射光を入射する媒体上の1個のブロック(CMOSセンサ素子252直下の矩形状領域)の境界に光反射材料や光吸収材料が配置されて、CMOSセンサ素子252の撮影領域以外から入射される反射光を遮断するような構成になっているが、撮影領域に、図示しない特殊な構造のレンズを配置することにより、CMOSセンサ素子252の撮影領域以外から入射される反射光を遮断してもよい。
撮影領域とは、CMOSセンサ素子252直下の矩形状領域である。特殊な構造のレンズは、媒体面から鉛直方向に対して所定の角度以内で入射される光のみを透過させて、センサに検知させる。隣接する領域から入射される光、すなわち、所定の角度を超える角度で入射される光は、屈折または反射により排除される。
ここで、所定の角度とは、CMOSセンサ素子252の直下以外から入射される光が多少検知されても影響が無い程度の角度である。
なお、CMOSセンサ素子252の解像度が高い場合は、複数個のCMOSセンサ素子252に対して1個のレンズを配置するようにしてもよい。
【0503】
(6)図82から図91の実施形態では、全て導光板を使用しており拡散反射板を設けているが、周辺から照射装置により入射された光が導光板の面方向に照射する方法であれば、どのような方法でもよいことは言うまでもない。また、図85から図91では、導光板や光吸収材料の形状が異なるが、どのような形状の組み合わせでも構わない。
【0504】
(7)図82から図91の実施形態では、原則、印刷媒体面を矩形状領域からの反射光を想定し、その直上にCMOSセンサ素子252が配置される機構となっているが、センサの解像度が十分高ければ、矩形状流域の全領域から反射光がセンサ素子に入射されなくてもよく、1個のドット印刷領域からの反射光が無いことを所定の複数のセンサ素子で認識できればよい。つまり、各矩形状領域の一部(一般的には、CMOSセンサ素子252直下の矩形状領域の中心近傍)からの反射光を撮像してドットの存在の可否を認識できればよい。
【0505】
(8)上記実施形態10から実施形態13では、図82から図91のように、隣り合うセンサ素子が所定の間隔を置いて配置されているが、センサ素子の配列による感度を向上させるためには、センサ素子間の間隔は極力小さいほど望ましい。逆に、媒体面に印刷された1個のドットが2〜4×2〜4pixel(4〜16 pixel)程度以上のセンサ素子で認識できる程度の間隔でセンサ素子を配置してもよい。
【0506】
(9)使用するドットコードが2×2mmの領域に定義されている場合、4×4mmの領域を撮影すれば、一部のドット認識ができなくても、読み取れる領域(ドットが認識できる領域)のドットパターンを選択的に検索したり、さらに誤り訂正によってドットコードを正確に読み取ることができる。そのために、0.05mmの1個のドットを一方向3pixel で撮影すると、一方向に3pixel×4mm/0.05mm=240pixelが必要となり、CMOSセンサの解像度は240×240pixel で十分な認識率を確保できる。つまり、実寸で4mm/240pixel≒0.017mmの印刷媒体面のブロック領域からの反射光を1個のセンサ素子で撮像することになる。なお、印刷精度が確保できれば、3.5×3.5mmの領域を160×160pixelの解像度で撮像することが可能である。その場合、1素子当たり、実寸で3.5mm/160pixel≒0.022mmの領域を撮像すればよい。
なお、実施形態10〜13で説明した画像センサに通常のCMOSセンサのプロセスを採用し、例えば、1ミクロンピッチで画像センサを配置すれば、3ミクロン程度のドット(ドット間隔は、例えば、3ミクロン)を配置したドットパターンの読み取りが可能となる。したがって、実施形態10から13の画像センサによれば、従来のドットパターンとは、2桁程度細かなドットパターンの読み取りが可能となる。上記(4)で述べたように、図82の光反射板251,図85の光吸収板255、図88の光吸収材255A、図91の光吸収材255B等を設けないで、M行×N列のCMOSセンサ素子252、例えば、5行×5列から中央の3行×3列の出力を基に、平均値または多数決判定する場合でも、5行×5列の素子配列(5ミクロン×5ミクロン)に対して、15ミクロン程度の寸法のドットを検出できる。
【0507】
(10)ドットだけが所定の波長の光に反応するインクを使用することにより、ドットパターンをグラフィックに重畳印刷し、当該所定の波長を照射して反射光を撮像することによりドットを容易に認識し、TTコードを取得することが可能となる。実施形態10から実施形態13に例示したような、接触型平板ドットコード読取装置では、導光板で光を照射し、媒体面が接触するため、外光が入らない構造になっている。その結果、少なくとも特定の波長を透過し、他の特定の波長を遮断するフィルターが必要ない。これにより、ディスプレイから発光される可視光領域で表示されたドットパターンを撮影して、ドットコードも認識することができる。
一般に、紙媒体へのドット印刷は赤外線を吸収するカーボンブラックか、赤外線を吸収する透明インクや目立たない有色インクを使用する。この場合、赤外線を使用し当該赤外線の波長で光を照射するのが望ましい。もちろん、紫外線を使用して、紫外線を照射して可視光等の他の波長の光とは異なる反応を有するインクを使用してドットを印刷してもよい。
【0508】
(11)この接触型平板ドットコード読取装置は、指紋認証装置と兼用が可能となる。指紋認証の場合は、8×8mm程度の領域を撮像し、500×500pixel 程度以上(国際規格 ISO/IEC 19794−2 で推奨されている 508dpi)で認識すればよい。つまり、実寸で0.016mmの精度で画像を認識することになる。以上から、ドットコードの認識に必要な240pixelの2倍程度の500×500pixelで、 8×8mm程度の領域を撮影すればよいことになる。その結果、ドットを読み取る精度と概ね同等であり、指紋認証が可能となる。少なくとも8×8mm を実寸0.016mm( 500×500pixel 程度以上)以下で読み取れる接触型平板ドットコード読取装置は指紋認証の兼用が可能となる。
【0509】
(12)ドットコードの読取では、(3)で各ブロックの一部(一般的には中心近傍)を撮影してドットの存在の可否を認識できればよいとしたが、指紋認証等のように線分を撮影する場合は、点ではなく線として認識できる必要があり、所定の精度で線の太さを認識し、線が連続していることを認識することが重要であり、所定の媒体面(指)の領域全てからの反射光を撮像するのが望ましい。
【0510】
(13)上記実施形態10から13では、CMOSセンサ素子を含む構成を例示した。しかし、本発明の実施がCMOSセンサに限定される訳ではない。すなわち、撮像対象面からの光を受光し、電気信号に変換する素子配列によって画素信号を出力する画像センサ(フォトセンサともいう)であれば、本発明の実施は可能である。したがって、例えば、CCDによる画像センサでも、本発明の実施は可能である。
【0511】
(14)以上の実施形態10から13では、矩形状領域の反射光を受光する例を説明したが、CMOSセンサ素子252は、反射光に限定されず、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスパネルその他の表示装置における、画素を形成する素子、または素子配列のバックライトからの光を受光し、画素信号を出力することも可能である。この場合には、照射装置201からの光は不要である。また、このような表示装置専用の画素センサとしては、照射装置201、導光板250、拡散反射板256等は不要である。
【0512】
<実施形態14>
図95から図99を参照して、本発明の実施形態14に係る装置110の光センサを説明する。実施形態14に係る光センサは、実施形態8における光センサ130として使用可能である。装置110は、例えば、実施形態1等で説明したカード型装置等と同様である。
【0513】
実施形態14に係る光センサ130は、発光素子であるLEDと受光素子であるフォトダイオードとの組み合わせを有する。すなわち、光センサ130は、スマートフォンのタッチパネルやPCのディスプレイ(以下、タッチパネル等とも呼ばれる)から発光される光の波長や強さを検知できる受光素子を有し、時間方向に変化する光を受光して光コードを取得する。一方、光センサ130は、発光素子(照射装置ともいう)から印刷物の彩色部分に光が照射されたときに、反射光を受光して色コードを取得することもできる。この場合、光センサで検知する反射光が反射される印刷領域は、同一色であるものとする。装置110がカードである場合に、装置110を載置した位置で、各フォトダイオードが検知する範囲の印刷領域の色が異なる場合、カード型装置の載置の仕方で色の変化が生じ、色情報は異なって検出されてしまうからである。ここで、同一色の印刷領域とは、各フォトダイオードを含む光センサ130が移動されない状態で反射光を検知する印刷物の表面の範囲をいう。したがって、1枚の印刷媒体面において、異なる配色がなされた複数の印刷領域があってもよい。なお、装置110は、タッチパネル等または印刷物のいずれかに載置しているか否かをタッチパネル等から発光され光が時間変化して受光されるかどうかを判定することで容易に認識できる。また、発光素子による送信信号と、受光素子による受信信号が特定の関係を有するか否かで、印刷物からの反射光か否かも判定できる。例えば、発光素子から特定のパルス信号(HIとLOの発光信号)を照射した場合に、受光素子で同様のパルス信号が受信できた場合には、印刷物からの反射光であると判定できる。一方、発光素子から照射したパルス信号とは合致しない信号が受光素子で受光された場合には、印刷物からの反射光でない可能性が高いと判定できる。装置110がタッチパネル等に載置されていることを認識した場合は、光センサ130は、照射を停止すればよい。照射装置から照射される光がタッチパネル等から発光される光コードの認識に影響を与えない場合は、光センサ130は、照射を継続してもよい。
【0514】
図95は、光センサ130Aの受光面から見た平面図である。光センサ130Aの中央には、照射装置として白色LED140が配置される。白色LED140の周囲には、それぞれ異なる波長の光(RGB)を透過するカラーフィルタが設けられたRフォトダイオード141、Gフォトダイオード142、Bフォトダイオード143が、等間隔に配置される。Rフォトダイオード141、Gフォトダイオード142、Bフォトダイオード143は、各色の波長領域の光に対する感度を持つフォトダイオードが使用されてもよい。
【0515】
図96は、6個のフォトダイオードを有する光センサ130Bの受光面から見た平面図である。光センサ130Bは、中央に白色LED140が配置され、Rフォトダイオード141、Gフォトダイオード142、Bフォトダイオード143がそれぞれ2個ずつ、等間隔に配置される。図96の例では、各フォトダイオードは、白色LED140の上側から時計回りにR->G->B->R->G->Bの順に配置されている。
【0516】
白色LED140は、各フォトダイオードからほぼ同一の距離に位置する。概ね同程度の光量が印刷媒体面に照射されることから、Rフォトダイオード141、Gフォトダイオード142、Bフォトダイオード143が受光する光量は、同程度であると考えられる。しかし、各フォトダイオード下部の印刷状況が不均一の場合、色コードは、正確に復号されない可能性がある。従って、Rフォトダイオード141、Gフォトダイオード142、Bフォトダイオード143の位置をできる限り近接させることで、受光量は、若干の色の変化があっても、復号に影響する程度に異なることは無いと考えてよい。照射装置が印刷媒体面を均一に照射できるような形態になっていれば、白色LED140の位置に関係なく、Rフォトダイオード141、Gフォトダイオード142、Bフォトダイオード143の位置は、互いに近接しているのが望ましい。図95のようにフォトダイオードが3個配置される例では、各ダイオードは、三角形を構成するよう近接し、導光板などで色コード読取対象の印刷媒体面を均一に照射することが望ましい。
【0517】
Rフォトダイオード141、Gフォトダイオード142、Bフォトダイオード143は、それぞれ赤(R)、緑(G)、青(B)の光の強さを検知する。検知するレベルは、印刷精度にもよるが、少なくとも各8段階(3色×3bit=9bit、512色)〜16段階( 3色×4bit= 12bit、4096色)の検知は可能である。印刷精度が高ければさらに多くの段階を検知できる。
【0518】
ここで、誤認識を防ぐために、白色フォトダイオードを追加して、白色フォトダイオードで検知した光の強さとRフォトダイオード141、Gフォトダイオード142、Bフォトダイオード143で検知した光の強さとの関係(段階)が正常であるか否かにより、エラーチェックが実施されてもよい。その他の方法として、図96に示す光センサ130Bのように、Rフォトダイオード141、Gフォトダイオード142、Bフォトダイオード143は、それぞれ2個ずつ設けられ、同色の光を検知する2個のフォトダイオードが検知した光が同一段階であるか否かによりエラーチェックを実施してもよい。この場合、図96に示すように、同一色を検知するフォトダイオードは、近接しないように配置されることが望ましい。同色の色コードが取得される領域以外の領域の印刷面に載置しているか否かの判定も可能となるためである。なお、媒体には、シアン(C)、マゼンダ(M)、黄(Y)のインクで印刷されていることから、各フォトダイオードは、シアン、マゼンダ、イエローの波長の光を透過するフィルターを設け、各光の強さを検知するようにしてもよい。
【0519】
図97から図99は、図95の「A断面」の文字が付された矢印に沿って切断した光センサの断面図であり、光センサ130Aの変形例を示す。
【0520】
図97は、光センサ130Cの断面図である。光センサ130Cは、色コードの印刷領域に白色LED140からの照射光が照射され、各フォトダイオードが所定の反射光が受光できるように、所定の厚みを有する光透過板145を設置した形態である。白色LED140から点光源として照射した光は、Rフォトダイオード141、Gフォトダイオード142、Bフォトダイオード143の各表面で同量の反射光を受光する。反射光の光量は、白色LED140下部の印刷媒体面からの光量が高く、周辺に向かって低下するため、印刷された色情報が正確に取得されない場合がある。しかし、カード型の装置110に光透過板145が埋め込まれる場合、周辺側面が反射材料で成形されていれば、側面で光が反射するため、光量は、周辺部においてもそれほど低下しない。光透過板が埋め込まれない場合は、反射板は、周辺側面に設ければよい。
【0521】
図98は、光センサ130Dの断面図である。光センサ130Dは、白色LED140から面光源として多方向に拡散して照射するために、白色LED140直下に光拡散フィルター146を設けた形態である。これにより、光センサ130Dは、白色LED140が印刷媒体面を比較的均一に照射できる。白色LED140は、拡散反射加工が施されたものであってもよい。
【0522】
図99は、光センサ130Eの断面図である。光センサ130Eは、光透過板の代わりに光を拡散させる材料(白色アクリル等)で成形された光拡散板147を使用した形態である。これにより、白色LED140から照射される光は、ほぼ均一に印刷媒体面に照射され、反射光も拡散されて反射する。したがって、受光する位置の違いによる受光量の変化は減少する。印刷状況が悪く色コード読取印刷媒体面の色に変化があった場合でも、光センサ130Eは、平均化された反射光を受光することができる。
【0523】
実施形態14では、R、G、Bの異なる3種の波長の光を受光するようにしたが、波長は、R、G、Bに限らず、他の波長の光を使用して、同様の仕組みにより光コードを読み取ってもよい。なお、所定の波長のみを透過させるフィルターを設け、異なる波長の光を受光できる受光装置(フォトダイオード等)の数は限定されない。受光装置の数に応じて、読み取り可能な情報量は増加する。なお、照射装置は、異なる波長全てを含む波長の光を照射してもよいし、異なる波長毎に、所定の波長を照射する照射装置を設けてもよい。なお、上記の光センサ130A又は130Bを備えるコード読取装置は、スタンプのコード読取装置としても使用できる。また、装置110は、光センサとして、異なる波長の光を受光する受光素子に代えて,同色または一部重複する波長領域の光を受光する受光素子を用いてもよい。そのような同色または一部重複する波長領域の光を受光する受光素子を複数用いる場合には、それぞれの受光素子が受光する媒体面の光反射領域が分離され、それぞれの受光素子に入射する媒体面の反射領域からの反射光が混じらないように、受光素子の受光面を隔壁等で分離すればよい。
【0524】
<実施形態15>
図100から図102を参照して、本発明の実施形態15に係るデジタルスタンプが出力するパターンコードを説明する。実施形態15に係るデジタルスタンプは、実施形態0に示すコード発生装置1と同様の構成とすることができる。
【0525】
[パターンコード出力]
図100は、デジタルスタンプと情報機器200との接触面の構成の一例を示す模式図である。デジタルスタンプは、情報読取装置データ入力部(光電変換素子配列)112および5つの素子111(パターンコード出力装置とも呼ばれる)を備え、外周上に情報読取指示切欠き部26を有する。情報読取指示切欠き部26は、実施形態0におけるコード発生装置1に設けられる情報読取指示切欠き部26と同様である。
【0526】
5つの素子111は、導体であり、実施形態0と同様、各素子111からの出力される情報をシンボル1からシンボル5のように呼ぶことにする。シンボル1は、情報読取装置データ入力部112の下側の素子111から出力される。シンボル2およびシンボル3は、情報読取装置データ入力部112の右側の2つの素子111から出力され、上側がシンボル2、下側がシンボル3である。シンボル4およびシンボル5は、情報読取装置データ入力部112の左側の2つの素子111から出力され、下側がシンボル4、上側がシンボル5である。シンボルは、実施形態1で述べたように、素子111とタッチパネル等の物理量を検出可能なセンサ(物理量センサ)との相互作用により、タッチパネル等の物理量センサが検出する信号である。
【0527】
デジタルスタンプは、各シンボルのON/OFFを切り替えて、平面上に配置され、空間的広がりを有する複数の素子111から様々な配列パターン(以下、単にパターンまたは情報パターンとも呼ばれる)を出力することによって、情報機器200に送信する情報(パターンコード)を出力する。すなわち、パターンコードは、複数の素子111から出力されるシンボルのONとOFFとの組み合わせを時間軸上で変化させることで表現される情報をいう。また、ある時刻における複数の素子111から出力されるシンボルのONとOFFとの組み合わせは、パターンと呼ばれる。そして、シンボルのONとOFFとの状態は、それぞれの素子111とタッチパネルとの間の静電容量、あるいはタッチパネル表面の電界強度の変化によって、デジタルスタンプからタッチパネルに伝達される。すなわち、情報機器200は、筐体表面に組み込まれたタッチパネルに載置または近接するデジタルスタンプの接触面におけるそれぞれ素子111とタッチパネルとの間の静電容量の変化(あるいは,タッチパネル表面の電界強度の変化)、および素子110の位置を検知することで、デジタルスタンプからパターンコードを取得する。
【0528】
デジタルスタンプは変化する情報パターンを時間方向に変化させて多量のパターンコードを符号化し、欠落なく認識できるように当該パターンコードを繰り返し出力する。このため、デジタルスタンプは、1連のパターンコードをデータブロックとして、データブロックの区切りを情報機器200に認識させる。データブロックの区切りは、他のパターンに表れないユニークな1以上のパターンにより定義される。さらに、時間方向に変化する情報パターンでは、同一のパターンが連続して発生する場合もあり、パターンが発生している時間間隔を正確に認識する必要がある。タッチパネルのタッチの認識間隔は機種ごとに違いはあるものの、現行のスマートフォンのタッチパネルのタッチの認識間隔(静電容量や電界強度の変化の認識)は20ms 〜40ms前後である。しかし、どのような機種でも、スマートフォンやタブレット端末等の読み取り側で稼働するアプリケーションで素子111を検知する時間刻みと、デジタルスタンプから情報パターンが発生される際の情報パターンの発生間隔との間で、正確に同期を取るのは困難である。そこで、デジタルスタンプが同期を取るためのパターンを発生させて、情報機器200が情報パターンの発生間隔を認識できるようにすることが望ましい。同期を取るためのパターンは、すべてのシンボル1から5によって定義される訳ではなく、一部のシンボル、例えば、シンボル1によって形成できる。
【0529】
本実施形態では、デジタルスタンプは、個々の情報パターンの発生に合わせて交互にシンボル1のON/OFFを繰り返す。これにより、情報機器200のタッチパネル等は、情報パターンの発生間隔を認識し、デジタルスタンプから出力される情報パターンを復号することができる。
【0530】
図101は、パターンコードの出力例を示す図である。パターンコード出力装置111は、各シンボルのON/OFFを切り替えることにより、様々な情報パターンを出力する。図101では、各情報パターンは、左から通し番号が付されている。0番目(通し番号0)の情報パターンは、シンボル1から5までOFFの状態の場合である。すなわち、図101では、白丸で例示される素子はOFFを示し、黒丸で例示される素子はONを示す。ONとは、例えば、実施形態1の装置110と同様、素子111を他の導体、あるいは、人の指に接続スイッチ(実施形態1のSW15等)がONの場合をいう。OFFの定義についても、上述と同様である。デジタルスタンプは、情報機器200のタッチパネルに載置されることにより、例えば、実施形態1の装置110と同様、情報機器200等から電力供給を受け、動作を開始する。すなわち、1番目(通し番号1)の情報パターンで示すように、シンボル1から5までをONの状態とする。なお、デジタルスタンプは、電池またはタッチパネルからの光を受光する光電変換素子配列112による光電変換により電力供給を受けることができる。
【0531】
図101では、データブロックの区切りは、1番目の情報パターン1と2番目の情報パターン2の2個の情報パターンで定義されている。なお、以下の説明において、n番目の情報パターンはパターンnと呼ばれる。パターン1はシンボル1から5までをONとし、パターン2は、シンボル1、3、4をONとしている。時間方向に出力する情報パターンを定義するシンボル1から5では、シンボル1が交互にON/OFFを繰り返す。このことから、パターン1とパターン2では連続してシンボル1およびシンボル2から5のうち3個以下(0個でもよい)のONが出力される。このため、2回連続してシンボル1がONとなるパターン1とパターン2の組合せ(以下、基準シンボルパターンとも呼ばれる)は、データブロックの連続するパターンの組み合わせにおけるシンボル1の発生の仕方が異なる。したがって、基準シンボルパターンは、他の情報パターンと区別されるユニークな連続するパターンとなり、データブロックの区切りが認識される。
なお、シンボル1から5の配置が軸回転対称の場合、素子111の配置方向が定まらないため、シンボル2から5の配置順番は、認識されない場合がある。この場合、パターン2においてシンボル2から5のうち少なくとも1個とシンボル1をONで出力すれば、情報機器200のアプリケーションはシンボルの配置方向を認識可能である。パターンコードを認識するアプリケーションは、シンボル1とシンボル2から5の出力を検知して比較評価を実施し、連続する2以上のパターンでいずれもシンボル1がONであることを認識し、且つ、シンボル2から5のON/OFFの組み合わせが異なっていれば、データブロックの区切りであることを認識できる。なお、連続してONの状態とされるシンボルは、シンボル1に限定される訳ではなく、どのシンボルでもよく、3個以上のシンボルの組み合わせが連続してONとなるパターンの組であってもよい。但し、連続してONの状態とされるシンボルは、区切りとされるパターンの組以外の情報パターンを出力する際には、交互にON/OFFを繰り返すものとする。
また、区切りとなるパターンの組は、連続してOFFとなるシンボルを含むものであってもよい。つまり、交互にON/OFFを繰り返すシンボルが、当該シンボルを連続してOFFの状態にすることでデータブロックの区切りとすることもできる。この場合、他の素子111は、情報パターン毎に異なる位置のシンボルをONにするものとする。限られたシンボルの数で情報量を最大にするには、1個のシンボルのON/OFFにより時間間隔を検知することが望ましい。デジタルスタンプがデータブロックの区切りでは、パターン1またはパターン2のいずれかにおいて全てのシンボルをONにすれば、情報機器200のタッチパネルは載置されたシンボルの配置状況を認識できる。このため、情報機器200のタッチパネルはデータブロックの区切りを認識後、変化する情報パターンの出力の検知も容易にできる。
1つのデータブロックに含まれる情報パターンの個数は、出力されるパターンコードによって異なり、情報機器200のアプリケーション側で情報パターンの出力個数を認識している場合には、アプリケーションは、データブロックの区切りの前後において、情報パターンの出力数分のパターンを取得することでパターンコードを復号することができる。すなわち、情報機器200は、データブロックの区切りパターンから次の区切りパターンまでの間のすべての情報パターンを取得しなくてもよい。情報機器200は、例えば、開始を示す区切りパターンから次の区切りパターンまでの第1のデータブロック中で一部の情報パターンを取得し、さらにその次の区切りパターンまでの第2のデータブロック中で残りの情報パターンを取得する場合がある。このような場合に、情報機器200は、第2のデータブロック中では、不足している情報パターンが取得できた段階で復号を終了すればよい。このような手順により、情報機器200は復号時間を短縮することができる。
【0532】
図101では、パターン3からパターン9により、情報パターンが出力される。パターン9は、パターン3からパターン8までの各シンボルのON/OFF(1bit)を加算した2進の下一桁を、対応するパターン9のシンボルのON/OFF(1bit)に割り当て、パリティチェック(エラーチェック)コードを形成している。情報機器200側での誤検出防止のためには、どのようなエラーチェックや誤り訂正が用いられてもよい。以上の各パターンの出力を50ms間隔とすると、デジタルスタンプは、初期状態のパターン0のOFF状態を含め、データブロックに0.5秒でパリティチェックの情報パターンを付加しても、4bit×6パターン=24bit(1700万コード)が出力可能である。なお、この場合に、情報機器200は、0.5秒でパリティチェックを実行するものと仮定する。デジタルスタンプ側でのパリティチェックの情報パターンの付加のための時間(または、情報機器200側での処理時間)が1秒の場合には、48bit(約300兆コード)により膨大なパターンコードが出力可能である。このパターンコードを電子決済などに用いるためには、128bit以上のパターンコードが出力されることが望ましい。最近の機種のスマートフォンは、12msの間隔でタッチを認識できることから、25ms毎にパターンコードを出力すると、1秒間に40個のパターンを認識できる。これにより、スマートフォンは、データブロックの区切りで2個、128bitのパターンで32個、さらにエラーチェック用のパターンで6個の合計40個のパターンコードを1秒間に出力・認識できる。なお、デジタルスタンプは、エラーチェック用として、複数のパターンを用いてもよい。このようなシンボル1から5によるパターンコードの出力は、カード型装置にパターンコードの出力にも使用できる。その際に、シンボル1から5のON/OFFを切り替える各素子111は、どのように配置してもよい。
【0533】
なお、デジタルスタンプがパターン1からパターン9によるパターンコードの出力を複数回繰り返した後、情報機器200等で実行されるアプリケーションがパターンコードの認識を終了すると、デジタルスタンプは、移動・回転が可能となり、ユーザはアプリケーションを操作することができる。図101の例では、シンボル1、2、5をONの状態とするパターン11を複数回出力することで、パターンコードの出力が終了したことが認識され、デジタルスタンプは、移動・回転が可能となる。但し、パターン11は、通常の情報パターンとしても使用されるため、区切りのパターンとしてパターン10が出力される。区切りのパターン10は、シンボル1から5をONの状態とするパターンである。区切りのパターン10と、次に出力されるパターン11の組み合わせ(基準シンボルパターン)は、他の情報パターンとユニークに区別される。パターン10とパターン11の出力により、パターンコードの出力が終了したことが認識され、デジタルスタンプに対する回転・移動の操作は実施可能となる。
【0534】
図102は、パターンコードの他の出力例を示す図である。図102の例は、図101に示す出力例に対応し、各シンボルのON/OFFを時系列で示す。例えば、デジタルスタンプは、情報機器200のタッチパネルに載置または近接されると、例えば、実施形態1の装置110と同様、情報機器200等から電力供給を受け、基準シンボルパターンであるパターン1およびパターン2を出力し、パターンコードの出力を開始する。パターン1ではシンボル1から5は、ONの状態である。パターン2では、シンボル1がON、シンボル2から5はOFFの状態である。シンボル1が2回連続であることで、パターン1およびパターン2は、基準シンボルパターンであることが認識される。なお、パターン2は、シンボル1以外のシンボルをONとしても良く、図101の例は、シンボル1、3、4がONの状態であることを示す。シンボル1以外のシンボルをONとすることで、デジタルスタンプの方向が特定されることから、パターン2は方向パターンとも呼ばれる。
【0535】
シンボル1は、所定の時間間隔でON/OFFを繰り返す。シンボル2からシンボル5は、出力されるパターンごとにON/OFFが切り替えられる。シンボル2からシンボル5がONの状態であることは、点線で示される。例えばパターン4は、シンボル2およびシンボル4がONの状態となっている。パターンコード出力装置である素子111は、パターン3からパターン9までの情報シンボルパターンにより28ビットの情報の出力を繰り返す。なお、パターン3からパターン9までの情報シンボルパターンごとに、基準シンボルパターン(パターン1およびパターン2)が出力される。なお、基準シンボルパターン直前のパターン9による最終4bitはパリティチェックビットとして使用されてもよい。
【0536】
パターンコード出力装置111は、シンボル1からシンボル5がONの状態であるパターン10を出力し、シンボル1、2、5がONの状態であるパターン11の出力を繰り返すことで、パターンコードの出力が終了したことを示す。パターンコード出力の終了を示す基準シンボルパターンは、パターン10またはパターン10と方向パターン11との組合せである。パターンコードの出力終了後は、方向パターンであるパターン11の出力が繰り返される。
【0537】
以上説明したデジタルスタンプのパターンコードの仕様と、実施形態8で説明したデジタルカード(カード型装置110G等)のパターンコードの仕様とは、相互に使用することが可能である。すなわち、デジタルスタンプは実施形態8と同様のパターンコード仕様を採用してもよい。又、実施形態1から8において、本実施形態と同様のパターンコードを採用してもよい。また、デジタルスタンプおよびデジタルカードが有する機能は、双方から選択的にどのような機能を組み合わせて、デジタルスタンプまたはデジタルカードに設けてもよい。
【0538】
<その他の変形例>
発明者らによる実験では、上記実施形態のスタンプタイプのコード発生装置1、カード型の装置110等において、電源として単三乾電池2個を用いた場合に、コード発生装置1、カード型の装置110等による静電容量の変化が携帯電話等のタッチパネルから十分に認識可能な程度となることが分かっている。すなわち、電源として単三乾電池2個を用いた場合には、図57で例示した接触導体114に人の指が接触しなくても、携帯電話のタッチパネル等は、SW15のONとOFFとによる静電容量の変化を十分に検知できる。したがって、例えば、実施形態」の図1図22等で例示したコード発生装置1、実施形態1から実施形態9で説明した装置110等、あるいはカード型装置110H等において、装置表面あるいは、プラススティック製の板材内部に収容される金属の面積を単三乾電池2個程度に調整することで、接触導体114を用いなくても、タッチパネルに静電容量、あるいは電界強度等の物理量の変化を与えることができる。
【0539】
なお、タッチパネルに強化ガラスや保護シートを取り付ける場合が多く、最大厚1mm弱で、SW15のON/OFFによる物理量変化の検知に必要な1個の導電体の静電容量は、1.5Pf程度以上である。上述のように、直径7〜8mm程度の素子111を使用した場合、単4乾電池2本相当の導電体を備えれば、コード発生装置1のケース、あるいは、カード型の装置110等を非導電体にすることが可能である。一方、この静電容量を下回る場合は、コード発生装置1のケース、あるいは、装置110のプラスティックの板材の上側(表側面)を導電体にすること、装置110のプラスティックの板材内に金属層を設けて、SW15等でON/OFFできることが望ましい。上記の条件は、タッチパネル側の性能や静電容量の変化を起こさせる電気回路によって異なってくることは言うまでもない。
【0540】
また、上記実施形態1から実施形態9では、物理量変化として、静電容量、あるいはタッチパネル表面の電界強度の変化を例示した。しかし、本発明の実施において、物理量変化は、静電容量や電界強度の変化に限定されない。すなわち、情報機器200等が受け付ける情報の入力操作として変化を検知する物理量に応じて、装置110等は対応する変化を発生すればよい。
【0541】
<実施形態16>
図103から図106を参照して、本発明の実施形態16に係るデジタルカード(実施形態1から実施形態9の装置110、110Aから110J等)をカード型の装置とする場合の用途について説明する。実施形態16に係るカード型の装置は、G−Cardとも呼ばれる。実施形態16に係るデジタルカードは、例えば、個人認証または流通におけるセキュリティ管理等、様々な用途に使用することができる。また、G−Cardに、実施形態0で説明したスタンプ型のコード発生装置に含まれる回路、センサ、導体配置、制御手順を適用することができる。
【0542】
[個人認証システム]
図103から図106は、G−Cardを個人認証に利用する例を説明する。図103は、現行のクレジットカードを例示する図である。現行のクレジットカード等、様々なカードでの代金の支払いには、ICチップまたは磁気ストライブを読み取るための高価なカードリーダーが用いられる。さらに、非接触で情報の入出力が可能なカードのIDは、送信中にスキミングされる可能性が有り、特に磁気カードなどは、IDを容易にコピーされ偽造されるおそれがある。
【0543】
図104Aは、カード型装置(G−Card)の使用例を示す図である。図104Bは、カード型装置の変形例を示す図である。なお、G−Cardの裏面に配置される複数の素子及びセンサは、非導電シートで覆われている。図104Aの例では、G−Cardは、表面に指紋認証パネルを有する。ただし、指紋認証パネルはなくてもよい。また、図104Bの例では、G−Cardは、表面にパスワード入力タッチパネルを有する。また、G−Cardは、裏面にサイン入力タッチパネルを有する。ただし、パスワード入力タッチパネル及びサイン入力タッチパネルは省略してもよい。
【0544】
G−Cardは、クレジットカードやプリペイトカード、ポイントカード、各種メンバーズカードとして使用されることにより、利便性とセキュリティを大きく向上させることができる。G−Cardは、実施形態8等で説明したメモリ117等で例示される不揮発性のメモリに、カードのIDを格納する。また、G−Cardは、物理量を変化させるG−Cardとタッチパネルとの間の相互作用により、パターンコード出力装置131を介して情報機器200のタッチパネルにパターンコードを出力する。また、G−Cardは、情報入力装置132を介して、情報機器200のディスプレイ等から受光した光の光量の変化、波長毎の強弱や発光時間、間欠時間の段階を認識(デジタル化)して、情報を入力する。
【0545】
様々なシーンで、本人確認や承認・契約を実施する際に、スマートフォンやタブレット、専用認証器等の情報機器200において、G−Card認証アプリケーションが起動される。そして、スマートフォンやタブレット、専用認証器等の情報機器200は、タッチパネルが本人の保有するG−Cardでタッチされ、G−Cardを特定するパターンコードを受信することで、本人確認を行う。その際、G−Cardは、図104B図104Aに例示したタッチパネルからのパスワード入力または指紋認証等によりセキュリティ性を高めることができる。
【0546】
図104Bに例示のように、G−Cardは、ユーザによってタッチパネルに指やスタイラスペンで書き込まれるサインを認証してもよい。G−Cardは、サインの特徴点を取得してカードに記録された特徴点と比較して認証してもよい。G−Cardは、サインの軌跡をパターンコードとして情報機器200に送信し、情報機器200は、受信したサインの軌跡をクラウド等に送信することで、クラウド上で認証を実行してもよい。
【0547】
タッチパネルで取得したG−Cardからのパターンコードをスキミングして、当該G−Cardと同一のパターンコードを出力する偽造G−Cardなどが使用されないようにするため、G−Cardは、タッチパネルから発光される光コードを取得し、取得した光コードとG−Cardのメモリ117等に記憶された第1のIDを基に、所定のアルゴリズムで計算された第2のIDをパターンコードとして出力すればよい。これにより、情報機器200は、G−Cardの認証が可能となる。なお、G−Cardは、最初にG−Cardから情報機器200に対して第1のIDを出力し、情報機器200のタッチパネル(ディスプレイ)が第1のIDに対応する光コードを発光してもよい。さらに、情報機器200のタッチパネルから発光される光コードは、クラウドで生成されたワンタイムパスワードとするとともに、G−Cardの第1のIDを基に計算される第2のパスワードをワンタイムIDとして使用することで、より高度なセキュリティを実現できる。
【0548】
まず、ユーザがG−Cardを情報機器200のタッチパネルに載置する。すると、G−CardがID1をパターンコードにして、パターンコード出力装置131を介して情報機器200のタッチパネルに出力する。情報機器200は、受けとったパターンコードを復号し、クラウドに送信する。クラウドがID1を受信して、所定の時間間隔で1つの時間をパラメータにして、当該時間とID1をパラメータとして計算されたID2を情報機器200に送信する。情報機器200は、ID2を光コードに変換し、情報機器200のディスプレイ等の発光により、G−Cardに送信する。G−Cardは、情報入力装置132を介して光コードを受信し、所定のアルゴリズムでID3を生成し、パターンコード出力装置131を介してタッチパネルに出力する。情報機器200は、取得したID3を上述と同様の手順で、クラウドに送信して、ID1が正しいかを認証する。ただし、ID1は省略してもよい。ID1が用いられない場合には、クラウドは、時間をパラメータとして計算されたID2を情報機器200に送信し、同様の処理を実行すればよい。
【0549】
現在、インターネットで代金の決済を行う場合、クレジットカードやプリペイドカードに記載されている名前やカード番号、有効期限、セキュリティコードの入力により、決済が可能となる。そのため、図105に示すように、店舗等でクレジットカードを渡して決済する際に、カードに記載された情報をコピーされ、その情報を基にネットでの代金支払いに悪用される場合が増えている。G−Cardは、ネット決済する際に、G−Cardの利用者本人のスマートフォン等の情報機器200にかざすことで決済ができることから、G−Cardが盗まれない限り、他人のなりすましによってクレジットカード等の番号が入力され決済されることはない。
【0550】
さらに、スマートフォン等の情報機器200のIDとG−Cardを連動させることで、G−Cardは、本人のスマートフォンがなければ盗まれても使用されないようにすることができる。スマートフォンとG−Cardの両方を盗まれた場合でも、G−Cardを使用する際に指紋認証をしたり、図106に示すようにパスワードの入力により認証したりすることで安全な本人確認は可能となる。なお、図106に例示した処理は、例えば、図62図63図67B図67C図68B図68C図72E図72F等のフローチャートに例示した手順で実行できる。
【0551】
[セキュリティシステム]
発展途上国等で製造された偽造品や横流し品が横行している。特に、ブランド品等の高級品や、食品、薬品等の人の命に関わる侵害品を排除することは、世界的な課題となっている。図107から図110は、G−Cardを製品保証等のセキュリティシステムに利用する例を説明する。
【0552】
図107は、製品保証に用いられるG−Cardの使用例を示す図である。G−Cardは、製品保証のための保証カードとして、当該製品のパッケージに同梱して使用することができる。また、極薄のG−Cardモジュールが、当該製品のパッケージそのものに組み込まれたり、シール状にして出荷する際に製品に貼り付けられたりしてもよい。これにより、精度の高い真贋判定やトレーサビリティが実現できる。
【0553】
実施形態1から実施形態8等で述べたように、G−Cardの裏面およびG−Cardモジュールは、複数の素子および光コードの受信や電力供給のためのソーラーパネルを備える。なお、素子等はG−Cardに内蔵されており、非導電シートで覆われている。
【0554】
ユーザは、スマートフォン等の情報機器200で製品保証を行うためのG−Cardセキュリティアプリケーションを起動させるか、当該製品のWEBサイトのセキュリティページを開き、G−CardまたはG−Cardモジュールをかざす。この操作により、スマートフォン等の情報機器200のタッチパネルは、G−CardまたはG−Cardモジュールのパターンコード出力装置131を介してパターンコードを取得する。すると、スマートフォン等の情報機器200はタッチパネルを介してG−CardまたはG−Cardモジュールから製品の真贋判定や製造日、有効期間、製品内容等の様々な情報を取得し、ユーザに閲覧可能に表示することができる。
【0555】
図108は、G−Cardによる真贋判定の処理例を示す図である。G−Cardをスマートフォンにかざすと、コード番号がスマートフォンに表示され、ユーザは、G−Cardに記載されたユニークなセキュリティコードと表示されたコード番号とが一致する否かで製品等の真贋判定を容易に実施できる。
【0556】
図109は、G−Cardおよびセキュリティコードの入力による真贋判定の例を示す図である。ユーザがG−Cardをスマートフォンにかざす前に(またはかざした後に)、G−Cardに記載されたユニークなセキュリティコード(図109の例では、4541 5673)をスマートフォン等の情報機器200に入力する。一方、スマートフォン等の情報機器200は、対応する光コードを発光してG−Cardに引き渡してG―Cardの不揮発性メモリに記憶された情報と比較させるか、または、G−Cardから出力されるパターンコードとユーザから入力されたセキュリティコードとを比較することで関連付けが正しいかどうかにより、真贋判定ができる。したがって、真贋判定の判断が情報機器で実行される場合と、G−Cardで実行される場合があり得る。
【0557】
まず、情報機器200側で判定が行われる場合を説明する。情報機器200は、ディスプレイ等からの発光により、G−Cardの情報入力装置132を介して光コードをG−Cardに入力し、セキュリティコードの送信を要求する。すると、G−Cardは、G−Cardは、メモリ117等の不揮発性メモリからセキュリティコードを読み出し、パターンコード出力装置131を介して情報機器200のタッチパネルにパターンコードの形式で出力する。情報機器200は、タッチパネルを介して取得したパターンコードを復号し、入力されたセキュリティコードと比較することで、真贋判定の判断が実行される。情報機器200は、真贋判定の結果をディスプレイに表示すればよい。
【0558】
次に、G−Card側で判定が行われる場合を説明する。情報機器200は、入力されたセキュリティコードを光コードに変換し、ディスプレイ等からの発光により、G−Cardの情報入力装置132を介してG−Cardに入力する。G−Cardは、情報入力装置132から受光した光コードを復号し、セキュリティコードを取得する。そして、G−Cardは、復号したセキュリティコードとメモリ117等の不揮発性メモリに記憶されたセキュリティコードとを比較する。これによって、真贋判定の判断が実行される。G−Cardは、パターンコード出力装置131を介して真贋判定の結果を情報機器200のタッチパネルに出力する。情報機器200は、受けとった真贋判定の結果をディスプレイに表示すればよい。
【0559】
上記のユニークなセキュリティコードは、製品やパッケージ、保証書等のいずれか、または両方に印刷してもよい。セキュリティコードは、当日の日付や現在の時間などであってもよい。G−Cardは、当日の日付や現在の時間をワンタイムパスワードとしてパターンコードを出力し、認証が実行されるようにしてもよい。当日の日付や現在の時間をワンタイムパスワードとする場合、セキュリティコードは印刷されなくてもよい。セキュリティコードを用いない場合には、G−Card自体の真贋判定が行われる。例えば、まず、情報機器200は所定の情報をワンタイムパスワードで暗号化し、光コードに変換し、情報入力装置132を介してG−Cardに入力する。G−Cardは、受光した光コードを復号し、復号した結果をワンタイムパスワードによってさらに復号する。G−Cardは、復号した結果を、パターンコード出力装置131を介して情報機器200のタッチパネルにパターンコードの形式で送信する。情報機器200は、G−Cardから受け取ったパターンコードを復号し、最初に送信した所定の情報に一致した場合に、G−Cardが本物であると判定する。
【0560】
さらに、セキュリティを高めるためには、G−Cardセキュリティアプリケーションは、スマートフォン等の情報機器200のタッチパネルから発光された光コードを取得し、取得した光コードを基に、所定のアルゴリズムで計算されたパターンコードとしてパターンコード出力装置131をから出力する。スマートフォン等の情報機器200は、G−Cardから出力されるパターンコードを、G−Cardに対して発光した光コードの情報を用いて復号することにより、真贋判定やトレーサビリティを実施することができる。
【0561】
図110は、G−Cardモジュールの使用例を示す図である。物品等の受取において、本人確認の際に写真付きのカード等を提示することが考えられるが、当該カード等は、保有されていない場合が多々ある。G−Cardモジュールは、写真付きのカード等が無くても本人確認を実現できる。物品等を引き渡す際に、本人を確認するため、物品等や、本人に届いた受取書に貼り付けられたG−Cardモジュールを受け渡し側のスマートフォン等の情報機器200にかざすと、登録されている本人の個人情報が表示される。表示された個人情報により、本人確認が可能となる。G−Cardモジュールに登録されている本人の個人情報は、写真でなくても良く、生年月日、年齢、パスワード等、本人しか知らない情報を含んでもよい。本人しか知らない情報を確認したり、入力してもらったりすることで、本人確認が可能となる。
【0562】
この処理では、本人に届いた受取書に貼り付けられたG−Cardモジュールのメモリ117等の不揮発性メモリに、本人しか知らない情報等が記憶されている。例えば、配達者は、G−Cardモジュールをスマートフォン等の情報機器200にかざすと、図62図63図67B図67C図68B図68C図72E図72F等に例示した手順により、メモリ117の情報がパターンコード出力装置131を介して情報機器200のタッチパネルに出力される。情報機器200がG−Cardモジュールから取得した情報をディスプレイに表示することで、配達者は、本人しか知らない情報等を認識し、本人確認を行うことが可能となる。
【0563】
[チケット購入・クーポン獲得と認証]
図111から図113は、G−Cardをチケット購入・クーポン獲得およびチケット・クーポンの認証に利用する例を説明する。G−Cardをスマートフォンやタブレット等の情報機器200で利用するためのアプリケーションは、G−Cardアプリケーションとも呼ばれる。G−Cardアプリケーションによりチケットを購入したり、クーポンを獲得したりする場合、ユーザはG−Cardをスマートフォンやタブレット等の情報機器200のタッチパネルにかざす。この操作で、対応するパターンコード(チケット・クーポンコード)は、スマートフォン等のタッチパネルから光コードで出力され、情報入力装置132を介して、G−Cardに入力される。G−Cardは光コードを復号し、メモリ117に記録する。さらに、図111に示すように、クレジット機能を搭載したG−Cardは、決済も実行することができる。具体的には、G−Cardの素子が配置された面をタッチパネルに接触または近接させると、G−Cardは、G−Cardは、決済に使用される情報をスマートフォン等に出力する。なお、G−Cardは、図104と同様の構成とすることができる。
【0564】
なお、G−Cardの情報入力装置132(光センサ130)のフォトダイオード、例えば、図72Hに例示したフォトダイオードWPD1からWPD6と、ディスプレイの発光領域L1からLE6の位置を精度よく合わせるために、情報機器200のアプリケーションは、ディスプレイにカードの位置合わせのためマーク、例えば、枠状のグラフィクスオブジェクトを表示してもよい。図111の例では、情報機器200は、点線枠状のグラフィクスオブジェクトとともに、「(カード上)」「(カード下)」「ここにカード左裏面を合わせてください」等のガイダンスを表示している。情報機器200がこのようなガイダンスを表示することで、ユーザは、精度よくG−Cardをタッチパネルに合わせて接触させ、または近接させることができる。したがって、情報機器200がG−Cardのパターンコード出力装置131(素子111)の配置位置を認識しなくても、発光領域LE1からLE6のそれぞれから、対応するフォトダイオードWPD1からWPD6のそれぞれに対して光を入射させることができる。この場合には、情報機器200によるG−Cardの位置認識が不要であるので、パターンコード出力装置131は、例えば、素子111を1個、あるいは2個だけ有するものでもよい。情報機器200は、パターンコード出力装置の素子111によるONのシンボルを認識できたことをトリガに、発光領域LE1からLE6のそれぞれから発光すればよい。また、G−Cardは、対応するフォトダイオードWPD1からWPD6で光コードを受光でき、エラーがなかった場合に、確認応答をパターンコード出力装置(素子111)によるパターンコードで出力すればよい。
【0565】
購入したチケットによる入場時やクーポン使用時には、情報機器200は、チケット・クーポン認証用のタブレット、専用読み取り機の端末機等として動作する。ここでは、例えば、情報機器200は、G−Cardで購入したチケット・クーポンを確認するアプリケーションを起動しているものとする。図112に示すように、G−Cardをかざすと、チケットやクーポンに対応するパターンコードの出力要請が、端末機のタッチパネルのディスプレイから光コードで発光され、情報入力装置132を介して、G−Cardに入力される。光コードを受光したG−Cardは、光コードに対応するチケットやクーポンをメモリ117から読み出す。そして、G−Cardは、読み出したチケットやクーポンをパターンコードに変換し、パターンコード出力装置131を介して情報機器200のタッチパネルに出力する。
【0566】
端末機等は、G−Cardから出力されたパターンコードを読み取り、復号して、チケットやクーポンの情報を取得する。端末機等は、クラウドや端末機に記録されているパターンコードと同一であれば、会場への入場やクーポンの引き換え・使用を承認する。一度、使用されたチケットやクーポンは、再度使用されないように、G−Cardに記録された対応するパターンコードを消去してもよい。または、図113Cに示すように、チケットやクーポンの使用履歴は、G−Cardに記録され、G−Cardをユーザのスマートフォン等の情報機器200にかざすことで表示されるようにしてもよい。
【0567】
[コンテンツ・クーポン・ポイント集客サービス]
図114から図116は、G−Cardをコンテンツの視聴サービス、クーポン・ポイントの蓄積による集客サービスに利用する例を説明する。ユーザは、サービス提供者から所定の方法で、コンテンツ、クーポン、ポイント提供用のG−Cardを取得する。ユーザがG−Cardを取得した時点では、コンテンツ、クーポンまたはポイントを提供するためのIDは、G−Cardのメモリ117に記録されていない。なお、ユーザは、所定の方法として、G−Cardが同梱されたダイレクトメール(DM)、カタログ、雑誌、新聞、製品を受け取ったり、店舗や施設、街中で配られたりすることでG−Cardを取得することができる。
【0568】
図114は、G−Cardによるポイント等の提供サービスの例を示す図である。サービス提供者は、集客を図るため、所定の集客場所でG−Card向け光コード発光装置170をサービスカウンターに設置する。ユーザは、G−Cardを持ってサービスカウンターに行き、G−Cardを光コード発光装置170にかざす。G−Cardは、情報入力装置132を介して、光コード発光装置170から出力されるコンテンツ、クーポン、ポイントサービス用のIDを取得し、メモリ117等の不揮発性メモリに記録する。光コード発光装置170から出力される情報に応じて、各所のサービスカウンターは、それぞれ異なるサービスを提供することができる。なお、G−Cardは、ユーザからG−Cardを受取ったサービスカウンターの担当者によって、光コード発光装置170にかざされてもよい。また、光コード発光装置170は、サービスカウンターの担当者のスマートフォン等の情報機器200であってもよい。
【0569】
ユーザがG−Cardを取得した際には、G−Cardは、コンテンツやクーポン・ポイントサービス用のIDをメモリ117に記録しているが、使用されないように電子キーがかかっている状態になっていてもよい。この場合、G−Cardを光コード発光装置170にかざすと、G−Cardは、電子キーを解除して、所定のコンテンツやクーポン・ポイントサービス用IDの使用が可能な状態となるようにすればよい。G−Cardに複数の電子キーが設定されている場合、ユーザは、当該電子キーに対応するサービスが使用できる。この場合、ユーザは、スタンプラリーのように様々なサービスカウンターで異なるコンテンツやクーポン・ポイントを取得できる。
【0570】
図115は、G−Cardによるポイントサービスのステータスを表示する例を示す図である。ユーザは、G−Cardをスマートフォン等の情報機器200にかざすことで、例えば、ポイントの有効期限、ポイント獲得数を確認することができる。また、図116は、G−Cardによるクーポン等のサービス内容を表示する例を示す図である。ユーザは、G−Cardをスマートフォン等の情報機器200にかざすことで、例えば、コンサートチケットの購入等より取得したクーポンのサービス内容を確認することができる。
【0571】
ユーザは、G−Cardに記録されたクーポン・ポイントを、様々な店舗で使用できる。また、ユーザは、ユーザのスマートフォン等の情報機器200でG−Cardアプリケーションを起動してG−Cardをかざすことで、ネット上のサービスでもクーポン・ポイントを使用できる。また、ユーザは、図115および図1116に示すように、G−Card内に記録された現在のクーポンやポイントのサービス内容や有効期限等のステータスを閲覧することができる。さらに、ユーザは、スマートフォン等の情報機器200でG−Stamp(実施形態0の図4に示されるスタンプタイプのコード発生装置1)を使用するためのアプリケーションにクーポン・ポイントを移動させて使用してもよい。ユーザは、取得したコンテンツを楽しむ場合、G−Cardアプリケーションをスマートフォンやタブレット等の情報機器200で起動する。そして、ユーザがG−Cardをスマートフォンやタブレット等の情報機器200にかざせばゲームや写真、動画などの様々なコンテンツをG−Cardから情報機器200に転送できる。さらに、ユーザは、G−Cardをスマートフォンやタブレットに載置して移動・回転させることによって、ゲーム等のコンテンツを操作してもよい。ユーザがG−Cardアプリケーションを起動してG−Cardを使用した場合、サービス提供者は、ユーザのスマートフォン等の情報機器200で受信できる様々な通信手段を使用してさらにサービスを提供できるようにしてもよい。なお、G−Cardは、カードに限らず、コインや駒のようにどのような形状をしていてもよい。また、G−Cardは、サービスカウンターへの集客用に限らず、サービスカウンターに出向かなくても使用できるようにしてもよい。
【0572】
[スタンプ・ポイントカード発光システム]
図117から図120は、G−Cardをスタンプおよびポイントカードとして利用する例である。ここでは、情報機器200のディスプレイのG−Cardへの発光により、スタンプ押印およびポイントの加算・消込みをする例を説明する。
【0573】
店舗にて料金を支った場合、従来、スタンプは紙のスタンプカードに押印され、ポイントはプラスティックのポイントカードに記録されて貯められる。しかし、ユーザは、カードが増えて管理が大変となる。また、プラスティックのカードでは、どれくらいポイントが貯っているか、いつまで有効かがわからず、ユーザは、面倒なネット登録をして検索をしなければ、これらの情報を取得することができない。
【0574】
図117は、G−Cardを特定の店舗の専用ポイントカードとして利用する例を示す図である。また、図118は、G−Cardを複数店舗で共通のポイントカードとして利用する例を示す図である。
【0575】
図117の例では、G−Cardは、電子ノート171を備える。電子ノート171は、現状のスタンプまたはポイントの状況を表示し、可視化できるようにしてもよい。電子ノート171は、磁性体や有機EL等を使用し、カード内部の制御により文字や絵を描けるようにしてもよく、専用機を使用して外部から書き込みができるように制御してもよい。
【0576】
図119は、G−Cardに記録されたスタンプやポイントの加算・消込みをする例を示す図である。ユーザはG−Cardを店舗で提示する。ユーザは業務用として店舗に備えられたスマートフォンやタブレット等の情報機器200にG−Cardをかざす。すなわち、このサービスでは、店舗の業者は、専用機を使用しなくてもよい。この操作で、当該スマートフォンやタブレットは、POSとの連動やタッチ入力により光コードをG−Cardに発光し、G−Cardに対して、容易にスタンプ押印やポイントのメモリ117への加算・消込みを要求することができる。また、スマートフォンやタブレット等の情報機器200がメモリ117に記憶された情報の送信要求するための光コードをG−Cardに発光すると、G−Cardはメモリ117等の不揮発性メモリの情報をパターンコードにして出力する。このような手順よって、ユーザは、カードのIDや現在のスタンプやポイントの状況を、スマートフォンやタブレット(業務用G−Card)等の情報機器200のディスプレイで認識でき、ポイントの消し込みも可能となる。
【0577】
ユーザは、スマートフォン等の情報機器200によりG−Cardアプリケーションをダウンロードしたり、G−Cardのウェブサイトまたは所定のウェブサイトにアクセスしたりして、G−Cardの認識ページを表示させることができる。ユーザがG−Cardを認識ページ表示中の情報機器200にかざすと、情報機器200は、G−Cardの接近により、パターンコード出力装置131(素子111)による物理量変化を検知する。すると、認識ページ表示中の情報機器200は、ディスプレイから光コードを発光し、情報入力装置132を介して、情報の出力要請をG−Cardに入力する。すると、G−Cardは、記録されている店舗ID、当該店舗で獲得したポイント数、有効期限の日付等の情報を、パターンコードでパターンコード出力装置131を介して情報機器200のタッチパネルに出力する。出力されたパターンコードによる情報がスマートフォン等の情報機器200に表示されることで、ユーザは、店舗ごとのポイントを何時でもスマートフォン等の情報機器200で確認することができる。ここで、スマートフォンに対してG−Cardを所定の向きに載置すると、G−Cardに記録された情報は、スマートフォンに移動されるようにしてもよい。また、図120に示すように、G−Cardを所定の向き、例えば図119に示す向きとは異なる向きに載置すると、スマートフォン等の情報機器200は、G−Cardに記録された情報を表示するだけにしてもよい。スマートフォンに記録されたスタンプやポイントを使用する際には、スタンプの押印やポイントの加算・消込は、前述したG−Stampや店舗用のG−Cardにより実施してもよい。なお、図120の処理でも、スマートフォン等の情報機器200は、図111と同様の手順でユーザをガイドしてもよい。すなわち、情報機器200のアプリケーションは、ディスプレイにカードの位置合わせのためマーク、例えば、枠状のグラフィクスオブジェクトを表示しガイダンスを表示すればよい。
【0578】
ユーザは、ポイントを使用する際、レジで使用するポイント数をスマートフォンやタブレット等の情報機器200にタッチして入力し、G−Cardをスマートフォンやタブレット等の情報機器200にかざしてポイント数を消し込むことができる。ユーザがG−Cardアプリケーションまたは所定のサイトのG−Card認識ページ表示中の情報機器200にカード(G−Card)をかざす。すると、スマートフォン等の情報機器200は、G−Cardに記憶された店舗IDを読み取り、当該店舗IDに紐づけられた店舗から送信される情報を受信することができる。スマートフォン等の情報機器200は、店舗から送信される情報の受信を許諾すれば、店舗のキャンペーン(週末は3倍ポイント提供や○○をプレゼント)等の様々な広告情報をプッシュメール等によって受信する。ユーザが様々な広告情報を閲覧することで、店舗の利用は促進される。
【0579】
他の方法として、スマートフォン等の情報機器200は、読み取った店舗IDに紐づけられた店舗のサーバ等に情報を送信するように要求してもよい。なお、G−Cardは、共通のスタンプカードまたはポイントカードとしても利用可能である。G−Cardは、様々な店舗のIDや対応する情報を記録することができ、各店舗の端末として、情報機器200は当該店舗のIDに対応する光コードを共通カード(G−Card)に発光する。また、各店舗の情報機器200は、他の店舗の情報をカード(G−Card)から取得することはない。
[玩具・ゲーム]
【0580】
図121および図122に、カード型の装置によるゲームの例を説明する。ユーザはG−Cardによるゲームカードやトレーディングカードでは、G−Cardをタブレット等のタッチパネルを有する情報機器200に載置する。G−Cardは、タッチパネルにより特定されるので、ユーザは、G−Cardを移動・回転させながらゲームを楽しめる。さらに、獲得した得点やパワー、アイテム等はG−Cardに記録できるので、ユーザはG−Cardで対戦ゲームやゲームセンターと同様な楽しみ方でゲームを実施できる。なお、G−Cardに搭載するアプリケーションがゲーム情報をG−Cardのメモリ117(実施形態1参照)等に記録してもよい。
【0581】
また、ゲームセンターやショッピングモール等にG−Cardと送受信可能なゲーム機が設けられた場合には、G−Cardは、ゲームセンターやショッピングモール等でユーザに販売されるツールとなる。ユーザは、G−Cardで楽しむゲーム機が設置されたゲームセンターやショッピングモールでG−Cardを購入してゲームを行う。そして、ユーザが自宅に帰って、当該G−Cardで、自宅で所有するタブレット等でもゲームの続きを楽しむことができる。ユーザはG−CardのIDやゲーム情報を第三者のタブレット等にかざしてその一部または全部を提供することもできる。
【0582】
図121に例示のように、G−Card表面には、タッチパネルや各種スイッチ等による操作領域が設けられる。ユーザはG−Cardの操作領域を指でタッチしてゲームの操作ができる。タッチパネルを有するスマートフォン等の情報機器200やゲーム機は、G−Cardの載置位置を正確に認識できる。したがって、図122に例示のように、情報機器200やゲーム機は、G−Cardに設けた操作領域の配置も認識できる。操作領域はガラス等の非導電体(絶縁物)とすると、ユーザがG−Cardの操作領域を操作したときに、情報機器200やゲーム機のタッチパネルは、G−Card越しに指のタッチを直接認識できる。つまり、ユーザはG−Cardを操作するとともに、指とタッチパネルとの間にG−Cardが介在する場合でも、G−Card越しに情報機器200やゲーム機を操作できる。非導電体表面に操作を意味するアイコンを形成してもよい。その場合、同時にタッチする指の数は、G−Cardの素子111からの出力を含めて、同時に認識できるマルチタッチの制限を超えてはならない。操作領域にタッチした場合は、G−Cardは、一部または全部の素子111の出力をOFFするようにしてもよい。
【0583】
図123に、照射装置付きフォトダイオード(例えば、実施形態14、実施形態18の光センサ)を備えたG−Cardによるゲーム装置を例示する。ボードゲームやカード上に色コードを形成した領域に、照射装置付きフォトダイオードを備えたG−Cardを載置して色コードを取得しゲームを進行することができる。ここでは、色コードとは、色相、あるいは、明度、階調等で表現できるデジタル情報をいう。2か所にフォトダイオードを備えたG−Cardでは、左右2色の組み合わせで色コード数を増やすことができる。例えば、R,G,Bの各色のON/OFFで3bit、2か所の組み合わせで6bit、各色を4段階にして、12bitとなる。さらに、G−Cardを逆向きに置換えて載置すると、24bitの色コードを取得できる。なお、ドット読取装置を備えれば、ドットコードから位置情報も取得できる。
【0584】
図124は、他の形状の装置の例である。G−Cardは駒のように様々な形状とすることが可能である。様々な形状で構成されるG−Cardは、G−Pieceと呼ぶことができる。G−Pieceには、1または複数色を発光できるLEDや、音声出力装置を設けてもよい。G−Pieceをタブレット等のゲーム画面に載置すると、光コードを受光して駒が発色したり、音声出力したりする。豆電池等の電源を使用してもよい。G−Pieceにパターン導体を設けて、駒のステータスを出力したり、ゲーム情報を記録できる。G−Pieceから、素子111、光センサ130(あるいは、情報入力装置132)のいずれかが無くてもよい。ゲーム機のタッチパネル等が同時に認識可能なタッチ数に制限がある場合、G−Pieceが素子111の数を検出可能なタッチ数の制限以上に使用する場合は、例えば、光コードの発光後のみ素子111からタッチパネルへのON出力をすれば駒はいくつでも配置できる。図のように、G−Pieceは、例えば、3個の素子111を有する。3個の素子111の配置が点対称とならないように、それぞれの寸法を異なるものとすることで、G−Pieceを載置するタッチパネル等のデバイスは、G−Pieceの向きを認識できる。
【0585】
[サイン]
G−Cardの表面に、タッチパネルによる入力装置を用いた電子ノートを設けてもよい。電子ノートは、例えば、図104Bのサイン入力タッチパネル、図117の電子ノート171等である。ユーザはタッチパネル等の入力装置を用いてカードの表面に設けられた電子ノートにサインできる。例えば、ユーザは情報機器200のタッチパネルにG−Cardを載置して、電子ノートにサインする。電子ノートは、タッチパネルを設けた有機ELEや磁性体など、筆跡を表示してデータを取得できる形態であれば、どのような形態であってもよい。カード上にドットパターンを形成してもよい。ユーザは、専用ドット読み取りペンでサインを入力すればよい。
【0586】
G−Cardは、サインによる軌跡から特徴点を抽出し、メモリ117に記録されたサインの特徴点と比較することで認証してもよい。サインの軌跡をパターンコードで情報機器200に送信し、情報機器200は、受信したサインの軌跡をクラウド等に送信することで、クラウド上で認証を実行するようにしてもよい。
【0587】
[ゲーム用カード]
ゲームカードでは、電気的に導体をON/OFFしないで、ユニークなパターンで素子111(導体)を形成(印刷を含む)し、指で操作する領域を設けてもよい。なお、指で操作する領域は、導体がタッチパネルに対して、タッチパネルで検出出来る程度の静電容量あるいは電界による相互作用を与える構成とする。以下、G−Cardのうち、電気的に導体をON/OFFを有しないゲーム用カードを単にカードという。
【0588】
図125図126にゲーム用のカードの構成を例示する。図125は、カードの裏面(タッチパネルに接触する面)の構成を例示する。図126は、カードの表面の構成を例示する。このカードは、実施形態0のスタンプ型のコード発生装置1、あるいは実施形態1から実施形態8の装置110等において、電源を要する構成要素をすべて無くしている。一方、このカードには、素子111に相当する導体と、導体を接続するカード内部の導体板が設けられている。
【0589】
現在のスマートフォン等と同様、情報機器200のタッチパネルにおいて、マルチタッチによって同時認識可能な数は5か所であると想定する。このような場合、タッチパネル上に、4個の素子111(導体)を配置したカードを載せることで、例えば、指による操作を可能にしつつ、カードを用いたゲームプログラムを実行できる。例えば、ユーザが4個の素子111(導体)を配置したカードをタッチパネル載せると、素子111(導体)の配置パターンが非対称で、カードごとにユニークであると、カードがどのように回転しても、タッチパネルはユニークなパターンコードを認識して、カードの種類とタッチパネル上の配置を特定する。この場合、タッチパネルは後1箇所のタッチ認識が可能である。そこで、残りのタッチ認識は、カード越しに(つまりカード上側から)ユーザが指でタッチパネルを押さえたときになされるようにする。
例えば、カード表面に「○○対戦ゲーム △△キャラクター」のようなカードのタイトル、およびキャラクター名称とともに、「歩く」「走る」「止まる」「座る」「寝る」「起る」「回る」「飛ぶ」「戦う」等のラベルを付したアイコンのタッチ領域TC1を設ける。
【0590】
情報機器200は、裏面の素子111(導体)の配置パターンで、カードの種類と、配置を認識する。したがって、情報機器200は、タッチ領域TC1が押下される毎に、押下されたカード内のタッチ領域TC1の位置を認識し、ラベルを特定する。そして、例えば、「歩く」が押下された場合には、ゲームプログラムを実行する情報機器200は、カードの種類に対応する「△△キャラクター」が歩く動作をディスプレイ上で実行する。
【0591】
3個の導体を配置した場合は、2本の指で同時にタッチできるがパターンコード数は少なくなる。なお、タブレットでは、マルチタッチの認識は10か所まで可能であり、5個以上の導体を配置して多量のパターンコードを設定でき、さらに、複数の指で同時にタッチできる。図127にタブレット端末でのカードの使用例を示す。また、本明細書では、タッチパネルが同時に認識可能なタッチ数を5箇所、10箇所ように想定するが、これらの制限は例示である。したがって、本発明の実施が、タッチパネルが同時に認識可能なタッチ数自体によって、制限を受ける訳ではない。
【0592】
図128Aは、図125のA1矢印、A2矢印を結ぶ線を通り、紙面に垂直な面でカードを切断した断面図(以下、断面Aと呼ぶ)である。図128Bは、図125のB1矢印、B2矢印を結ぶ線を通り、紙面に垂直な面でカードを切断した断面図(以下、断面Bと呼ぶ)である。また、図129は、図125のカードを下(カードがタッチパネルに接触する裏側)から見た平面図(下面図と呼ぶ)である。図のように、カードは、表側の保護・印刷層CA1と、内部の導体板CA2と、裏側の絶縁体CA3(または弾性絶縁体CA4)とによって、概ね3層構造となっている。また、カードの周囲は絶縁性の枠で囲まれている。さらに、図128Aのように、断面A近傍では、裏側の絶縁体CA3には、素子111(導体)が埋め込まれ、内部の導体板CA2と接続されている。このようなカードを情報機器200等のタッチパネルに載せることで、タッチパネルは、カード裏面の素子111による物理量(静電容量、静電誘導に伴う電界強度)等を認識し、カードの載置を検知する。ただし、情報機器200等のタッチパネルは素子111(導体)のみの物理量を検知することは困難である。そこで、本実施形態では、カード表面またはカード内部に導体板CA2を配置し、ユーザがカードに触れたときに、素子111からタッチパネルに及ぼす、物理量(静電容量、電界強度等)が増大するようにしている。なお、図128Aの絶縁物CA3の部分は、タッチパネルによって物理量(静電容量、電界強度等)の存在あるいは変化が検出されない部分である。したがって、ユーザの指がカードに触れると、物理量(静電容量、電界強度等)の存在あるいは変化から、タッチパネルは、素子111(導体)の配置を検出する。素子111(導体)の配置が非対称であれば、情報機器200は、タッチパネルが検出した素子111(導体)の配置座標を取得する。したがって、複数のカードについて、個々のカード毎の素子111(導体)の配置がユニークであれば、情報機器200は、カードの種類を識別できる。
【0593】
この構成で、保護・印刷層CA1が導電性インク等の導電性材料で形成できる場合には、ユーザの指は、カード表面へのタッチにより、保護・印刷層CA1および導体板CA2を介して素子111(導体)に接続される。一方、保護・印刷層CA1が導電性材料でない場合であっても、厚みが十分に薄く0.5〜0.6mm程度であれば、ユーザが指を保護・印刷層CA1に接触させたときに、導体板CA2に静電誘導を引き起こし、導体板CA2を通じて、素子111(導体)から、タッチパネルに物理量(静電容量、静電誘導に伴う電界強度)等の存在、あるいは、変化を認識させることができる。また、カードの仕様がユーザにタッチ領域TC1(例えば、「歩く」「走る」等のラベルの付されたアイコン)だけをタッチさせるものであれば、タッチ領域TC1に導電性部分(例えば、導電性インクの薄膜)を設け、導電線ですべての素子111(導体)とこれらのタッチ領域TC1の導電性部分とを接続してもよい。
【0594】
図128Bに例示するように、タッチ領域TC1(例えば、「歩く」のラベル)直下で、導体板CA2の下層には、弾性絶縁体CA4の層と、絶縁体CA6の層が設けられる。また、弾性絶縁体CA4の層には、スペーサCA5が埋め込まれる。弾性絶縁体CA4は、空隙、すなわち、空気層であってもよい。また、弾性絶縁体CA4はハニカム構造または、スポンジ状の材料で形成された層であってもよい。スペーサCA5は、円柱状である必要はなく、タッチパネル面に対して、導電板CA2を支える構造であれば、どのような形状でもよい。スペーサCA5は、例えば、半球状、放物線等の2次曲線を回転した2次曲面でもよい。スペーサCA5は、弾力性のある材料であってもよい。スペーサCA5に弾力があると、ユーザが、タッチ領域TC1(例えば、「歩く」のラベル)を押下したとき、押下された位置の導電板CA2がタッチパネルに接触しやすくなり、ユーザの操作性が向上する。
ユーザが指でタッチ領域TC1を指または手に保持した導体でタッチ(押圧)すると、導電板CA2と裏面側の絶縁物TC6とが接面する。なお、絶縁物TC6はなくてもよい。したがって、指のタッチ領域TC1への押下によって、導電板CA2が絶縁物TC6またはタッチパネル表面に接触するので、タッチパネルは物理量(静電容量、静電誘導に伴う電界強度)等の存在、あるいは、変化を認識することができる。
【0595】
図129に例示するように、カードを下側(裏面)から見ると、カードは、枠CA0で囲まれており、素子111が4個設けられた領域と、スペーサCA5が多数設けられた領域が存在する。素子111の周囲には、絶縁物CA3が充填されている。また、スペーサCA5の周囲には、弾性絶縁物CA4が充填されている。ただし、弾性絶縁物CA4は、空気層であってもよい。弾性絶縁体CA4が例えば空隙の場合には絶縁率が極めて高い。例えば、0.2mm〜0.3mm程度の空隙の存在で、タッチパネルはタッチを検知しない。したがって、図128A、128B、129の構成によって、タッチパネルがカードを識別し、カードの種類に対応する「△△キャラクター」が歩く動作を実行するように、ゲーム機等の情報機器200は処理を実行することが可能である
【0596】
図130は、図125のB1矢印、B2矢印を結ぶ線を通り、紙面に垂直な面でカードを切断した断面Bの変形例である。図130に例示するように、断面B、すなわち、タッチ領域TC1(例えば、「歩く」のラベル)直下の部分には、弾性絶縁物CA4が埋め込まれる場合には、スペーサCA5は省略しても構わない。スペーサCA5を無くした構成では、弾性絶縁物TC4弾力性のある材料、例えば、スポンジ、弾性のハニカム構造等である。なお、図128に例示した素子111(導体)の周囲にも絶縁物CA3の代わりに弾性絶縁物CA4と同一の材料を用いて一体で形成してもよい。このような構成で、ユーザがタッチ領域TC1(例えば、「歩く」のラベル)を押下したときに、押下された導体板CA2の部分が多少陥没する。すると、この陥没部分とタッチパネルとの距離が他の部分よりも近くなり、タッチパネルは、タッチ領域TC1の押下に伴う物理量(静電容量、静電誘導に伴う電界強度)等の変化を検出できる。以上のように、図128A図130の構成では、裏面側(タッチパネルに向く側)には、絶縁物CA3と絶縁物CA4とによってタッチパネルに接触または近接する層が形成される。
【0597】
図131図132は、ゲーム用の他のカードの例である。図131は、他のカードの裏面(タッチパネルに接触する面)の構成である。図132のように、このカードは、タッチ領域TC2と、タッチ領域TC3を有する。タッチ領域TC2には、例えば、「○○語学習カード」のタイトルと絵が記載されており、裏面には、図131のように、素子111(導体)が5個設けられている。したがって、タッチ領域TC2は、パターンコード出力タッチ領域と呼ばれる。一方、タッチ領域TC3には、「英語」、「日本語」、「Q1」、「Q2」、「Q3」、「YES」、「NO」等のラベルがアイコンとして印刷されている。この意味で、タッチ領域TC3はアイコンタッチ領域と呼ばれる。また、このカードでは、タッチ領域TC2と、タッチ領域TC3は、相互に電気的な接続がない。また、タッチ領域TC2の下層には、導体板CA2が存在するが、タッチ領域TC3の下層には、導体板CA2が存在しない。
【0598】
例えば、ユーザがカードを情報機器200のタッチパネルに載置して、タッチ領域TC2にタッチすると、情報機器200が素子111(導体)の配置によるパターンコードを読み取りカードの種類と、素子111(導体)の配置位置を特定する。その結果、情報機器200は、タッチ領域TC2と情報機器200のタッチパネル上の座標位置を対応付ける。つまり、情報機器200は、タッチパネル上で、カードに印刷されたアイコン(「英語」「Q1」)の位置を特定する。
【0599】
その後、ユーザがタッチ領域TC3にタッチして操作指示を行う。すると、タッチ領域TC2から指が離れるので、素子111(導体)による物理量(静電量、電界等)のタッチパネルへの相互作用が不十分となり、情報機器200は、素子111(導体)を認識しなくなる。したがって、仮に、情報機器200が現在のスマートフォンのように、5点のタッチしか認識しない場合でも、指のタッチを認識可能となる。すなわち、ユーザが指でタッチ領域TC3に印刷されたアイコンを押下すると、情報機器200は、タッチパネルを介して、指のタッチ位置を認識する。この時点で、情報機器200は5か所のタッチを同時に認識できる。すなわち、図131、132のカードでは、パターンコード出力タッチ領域と、アイコンタッチ領域とで、導電性が遮断されているので、パターンコードとして導電体を5個配置でき、ユニークなパターンコードの数が増加される。
【0600】
図133は、図131のC1矢印、C2矢印を結ぶ線を通り、紙面に垂直な面でカードを切断した断面図(以下、断面Cと呼ぶ)である。図134は、図131のD1矢印、D2矢印を結ぶ線を通り、紙面に垂直な面でカードを切断した断面図(以下、断面Dと呼ぶ)である。図133の断面Cは、図128の断面Aと同様の構造である。一方、図134のように、断面Dには、図129とは異なり、導体板CA2が設けられていない。すなわち、図132のタッチ領域TC3直下には、導体板CA2がない。したがって、ユーザが、タッチ領域TC3に指を接触させても、タッチ領域TC2直下の素子111(導体)を介して、タッチパネルに、物理量(静電容量、電界強度等)による相互作用を検知させることはできない。一方、断面D部分には、絶縁物CA3が設けられる。絶縁物CA3は、断面C部分の素子111(導体)の周囲の絶縁物と同一のものでもよい。絶縁物CA3はある程度の誘電率を有するので、ユーザが保護・印刷層CA1の表面に指をタッチすると、タッチパネルが静電容量、電界強度等の物理量による相互作用を検知し、タッチ位置を特定する。なお、保護・印刷層CA1および絶縁物CA3を透明な材料で構成すると、ユーザがカードをタッチパネルに載置したときも、画面を閲覧してカードの上からタッチパネルを操作できる。この場合には、保護・印刷層CA1および絶縁物CA3は、例えば、ガラスやアクリル等の透明媒体とすればよい。なお、保護・印刷層CA1および絶縁物CA3は、透明、非透明に関わらず一体のものとしてもよい。
【0601】
図135は、図131のC1矢印、C2矢印を結ぶ線を通り、紙面に垂直な面でカードを切断した断面図の変形例(以下、断面CCと呼ぶ)である。例えば、素子111(導体)と、導体板CA2をいずれも、印刷で形成し、素子111A、導電板111Aとしてもよい。この場合には、素子111A、導電板111Aは、いずれも印刷された薄膜といえる。そして、素子111A、導電板111Aを導電線で接続してもよい。なお、素子111A、導電板111A、導電線以外の部分は、絶縁体CA3を埋め込めみ、カード型のハウジングを形成すればよい。ただし、素子111A、導電板111A、導電線以外の部分を一部空隙としてもよい。
【0602】
図136は、図131のD1矢印、D2矢印を結ぶ線を通り、紙面に垂直な面でカードを切断した断面図の変形例(以下、断面DDと呼ぶ)である。この例では、タッチ領域TC3で印刷されたそれぞれのアイコンの下に素子111(導体)が設けられる。ユーザが図132に例示したアイコン(「英語」等のラベル)にタッチすると、指による静電容量、電界強度等の物理量が直下の素子111(導体)を介して、タッチパネルに相互作用を与える。したがって、情報機器200は、どのアイコンが押下されたかを認識できる。
【0603】
なお、図132のようなカードに印刷されたアイコンによる操作が行われるとき、ユーザがアイコンをタッチしている際にカードが滑動・回転する場合がある。カードが滑動・回転すると、情報機器200は、タッチ領域とタッチ位置の対応を取れなくなる。そこで、カードが滑動・回転しないようにカード裏面に滑り止めの材料を塗布してもよい。
ただし、仮にカードが滑動・回転しても、導電領域(タッチ領域TC2)をタッチすれば、滑り止めの材料を塗布しなくても、問題無く所定のアイコンを選択することができる。
【0604】
図137は、ゲーム用の他のカードの例である。この例では、カードには、透明タッチ領域TC4が設けられる。透明タッチ領域TC4は、例えば、ガラスやアクリル等の透明の誘電体とすればよい。なお、タッチ領域TC2の裏面の構造は、図131図132の場合と同様であり、素子111(導体)が配置される。ユーザがこのような構成のカードを情報機器200の画面に載置すると、情報機器200のディスプレイに表示されたアイコン画像が透明タッチ領域TC4に表示される。カードを斜めに配置しても、透明枠内に収まるようにカードの方向に合わせて斜めにスマホ画面が表示される。しかし、カードが回転・移動しても同じ位置に表示された状態となる。そこで、再度導電領域をタッチすれば、アイコン画像は、透明タッチ領域TC4に収まるように表示される。ユーザは、透明タッチ領域TC4をタッチすると、指によるタッチパネルへの相互作用により、タッチパネルは、指のタッチ位置を検知し、タッチされた位置を特定できる。したがって、情報機器200で実行されるアプリケーションは、タッチされた位置に表示しているアイコンに対応する処理を実行すればよい。
なお、タッチ領域TC2と透明タッチ領域TC2を導電性の透明フィルムで被覆し、図133に例示した導体板CA2と接続しておけば、ユーザが透明タッチ領域TC4にタッチしている間、タッチ領域TC2裏面の素子111(導体)からタッチパネルへの十分な相互作用を与えることができ、情報機器200は、素子111(導体)の配置を認識できる。その場合に、ユーザは、透明タッチ領域TC4を介して、「英語」等のディスプレイ上のアイコン部分のタッチパネルに指による相互作用を与えることができ、ディスプレイ上のアイコンを選択できる。
【0605】
図138は、図137のカード上で、描画アプリケーションの処理を実行した例である。ユーザが透明タッチ領域TC4上を指でなぞると、情報機器200で実行される描画アプリケーションは、透明タッチ領域TC4からの指による相互作用により、タッチパネルを介して、指の移動軌跡を取得できる。描画アプリケーションは、軌跡にしたがって線をディスプレイに描画すればよい。したがって、ユーザは、例えば、情報機器200のタッチパネルに載置したカードの透明タッチ領域TC4の直下の描画アプリケーションの描画領域に文字を描くことができる。
【0606】
図139は、情報機器200が図125から図138に例示したようなカードを認識して実行するゲームプログラムの処理例である。この処理では、情報機器200のCentralProcessing Unit(CPU)は、ユーザ操作にしたがってゲームプログラムを起動する。例えば、まず、キャラクターがゲームの場面に登場する(S1)。そして、CPUはカードがタッチパネルに載置されるのを待つ(S2)。CPUは、カードがタッチパネルに載置されたことを検知すると(S2でYES)、素子111の配置から、カードの種類を特定するとともに、カードのタッチパネル上での相対位置(配置)を特定する。そして、CPUは、ユーザの指がカードのアイコンにタッチするのを待つ。なお、カードが透明タッチ領域TC4を有する場合には、CPUは、ユーザの指がディスプレイ上のアイコンにタッチするのを待つ(S4)。
そして、CPUが指のタッチを検知すると(S4でYES)、タッチされたアイコンがゲームプログラムの終了を指示するものか否かを判定する(S5)。タッチされたアイコンがゲームプログラムの終了を指示するものではない場合、CPUは、タッチ位置に応じた動作をキャラクターに実行させる。そして、CPUは、処理をS4に戻す。一方、S5の判定で、タッチされたアイコンがゲームプログラムの終了を指示するものである場合、CPUはゲームプログラムを終了する。
【0607】
以上述べたように、実施形態16によれば、G−Card等の装置110、実施形態0のコード発生装置1等から、電源を要する構成をなくして、絶縁物と、素子111と、導体板CA2等による簡易な構成で、ゲーム用のカードその他の物品(アイテム)を形成できる。その場合に、図125のように、タッチパネルが同時に検出可能なタッチ箇所の数(例えば、5箇所)よりも少ない数(例えば、4個)の素子111を用いることで、カード、あるいは物品をゲーム機、情報機器200等のタッチパネルに配置し場合も、指による接触操作を可能とする。また、図129のように、導体板CA2と弾性絶縁体CA4を組み合わせることで、導体板CA2の上から下層のタッチパネルに物理量による相互作用を及ぼし、タッチ位置を認識させることができる。また、図130のように、導体板CA2とスペーサCA5を配した弾性絶縁体CA4を用いた場合も同様である。図130の場合に、弾性絶縁体CA4を空隙とすることで、導体板CA2とタッチパネル表面との距離を0.2mm〜0.3mm程度としても、未押下状態ではタッチパネルに導体板CA2を検知させないで、ユーザが導体板CA2押下することでタッチパネルに押下位置を認識させることが可能となる。
また、図137の透明タッチ領域TC4を用いることで、ゲーム機、情報機器200等のディスプレイ上のアイコンと、カードとを併用し、ディスプレイ上のアイコン操作で、カードに対応するキャラクター等を動作させることが可能となる。
【0608】
<実施形態17>
図140から図142により、実施形態0のコード発生装置1、あるいは、実施形態1から実施形態9の装置110、110Aから110J等、実施形態15のデジタルスタンプ、実施形態16のG−Card等と、情報機器200との情報伝達処理を例示する。本実施形態では、情報機器200が例えば、図72Hに例示した装置110における素子111の配置を検知し、素子111の配置から特定されるフォトダイオードWPD1からWPD6等に対応する発光領域LE1からLE6に光コードを出力する処理例を説明する。また、本実施形態処理では、例えば、実施形態0のコード発生装置1、あるいは、実施形態1から実施形態8の装置110等、実施形態15のデジタルスタンプにおいて説明した構成を組み合わせて使用する。したがって、実施形態0のコード発生装置1、あるいは、実施形態1から実施形態8の装置110等、実施形態15のデジタルスタンプは、情報機器200からの受光するための複数のフォトダイオードを有することが想定されている。したがって、以下の図140から図142において説明する処理は、実施形態0のコード発生装置1、あるいは、実施形態1から実施形態8の装置110等、実施形態15のデジタルスタンプにそのまま適用することができる。
【0609】
図140の処理では、情報機器200のCPUは、例えば、装置110の素子111を介したタッチパネルへの相互作用による物理量変化としてパターンコードを取得する。そして、CPUは、取得したパターンコードがトリガパターンに対応するパターンコードであるか否かを検知する(S10)。トリガパターンは、例えば、図70Aに例示した基準シンボルパターンである。また、トリガパターンは、例えば、図72Gに例示したような、シンボル6が連続してONとなり、シンボル1が連続してOFFとなるパターン1、2の組み合わせである。ただし、このような基準シンボルパターン、あるいは、出力の開始を示すパターンの組み合わせの他、情報パターン(例えば、図72のパターン3からパターン9)によって、アプリケーションレベルで、トリガパターンを定めておいてもよい。トリガパターンが検知されると(S10でYES)、CPUは、タッチパネルで検出された素子配置を基に、装置110のフォトダイオードWPD1からWPD6に対応する発光領域LE1からLE6の位置をディスプレイ上で特定する(S11)。なお、装置110の発光領域は、例えば、装置110の機種ごとに決められていてもよい。情報機器200は、装置110の機種ごとに、素子111の配置から装置110の機種を決定してもよい。また、情報機器200は、トリガパターン検知後に、所定の手順で、素子111からのパターンコードにより、装置110から装置110の機種情報を取得するようにしてもよい。S10で、トリガパターンが検知されるのは、装置110の素子111を介したタッチパネルへの相互作用による物理量変化としてパターンコードを取得したときである。したがって、S10でYESとなる場合は、物体の一例である装置110が平板センサの一例であるタッチパネルに接触したときに相当する。また、タッチパネルは、透明な平板センサを搭載したディスプレイの一例である。
【0610】
そして、CPUは、ディスプレイ上の発光領域LE1からLE6(図72H参照)において、光コードにしたがって発光させることで、装置110に応答する(S12)。ディスプレイ上の発光領域LE1からLE6は、装置110上で受光素子(フォトダイオードWPD1からWPD6等)が設けられた位置に対応するディスプレイの部分領域の一例である。発光領域LE1からLE6の位置は、タッチパネルと装置1110との位置関係から決定される。CPUは、光コードにしたがって発光させるので、発光領域LE1からLE6の光量は、例えば、図72Iで説明したように時間変化する。そして、CPUは、イベント待ちとなる(S13)。イベントは、例えば、タッチパネルのドライバ、あるいは、CPUで実行中のコンピュータプログラム等の処理を基に、OSから発行される。
【0611】
例えば、イベントが装置110の移動を示すイベントの場合(S14でYES)、CPUは、タッチパネル上で、素子111の位置を検出し、素子111の移動に追従する処理を実行する(S15)。この処理によって、タッチパネル上で装置110が移動しても、CPUは、素子111の位置を再度検知できる(S15)。追従する処理が終了すると、CPUは処理をS13に戻す。
【0612】
また、例えば、イベントが素子111を介した装置110からのパターンコードの入力の場合、CPUは、パターンコード入力処理を実行する(S19)。パターンコード入力処理が終了すると、CPUは、処理をS13に戻す。パターンコード入力処理は、例えば、装置110がクレジットカード、キャッシュカード、ポイントカードなど場合に、カード番号などを取得する処理である。また、パターンコード入力処理は、例えば、電子マネーカードから電子マネーの残額を読み取る処理である。
【0613】
また、例えば、イベントが、CPUで実行中のアプリケーションからの発光要求の場合(S18でYES)、CPUは、光コード発光処理を実行する(S19)。光コード発行処理が終了すると、CPUは、処理をS13に戻す。光コード発行処理は、例えば、装置110がクレジットカード、キャッシュカード、ポイントカードなど場合に、カードへの応答を返す処理、キャッシュカードに振り込み先を記録する処理、ポイントカードにポイントを書き込む処理、電子マネーカードに残額を書き込む処理等である。ここで、S19の処理では、CPUは、装置110で受光素子(フォトダイオードWPD1からWPD6等)が設けられた位置に対応するディスプレイの部分領域(例えば、図72Hの発行領域LE1からLE6)の光量を例えば、図72Iに例示したように時間変化させる。そして、イベントが終了を示すコマンドである場合(S20でYES)、CPUはプログラムを終了する。
【0614】
図141は、装置110が素子111を介して、パターンコードを情報機器200に出力する処理を例示する。この処理では、装置110のCPUは、処理の起動のトリガを待つ(S30)。トリガは、例えば、情報機器200のディスプレイからフォトダイオードWPD1からWPD6に入力されるONの信号である。また、例えば、図72Iに例示したフォトダイオードWPD1に対する2回連続した受光である。また、装置110が実施形態1で説明した指紋センサを有する場合には、トリガは、例えば、実施形態1で説明した指紋センサでの認証成功である。また、装置110が実施形態1で説明した光電変換素子配列112を有する場合には、トリガは、例えば、光電変換素子配列112からの電力供給の開始である。
【0615】
装置110のCPUは、トリガを検出すると、素子111からパターンコードを出力する(S31)。そして、装置110は、光コードの応答を待つ。光コードは、例えば、フォトダイオードWPD1からWPD6に対応するディスプレイの発光領域LE1からLE6において発せられる。装置110は、フォトダイオードWPD1からWPD6を介して光コードの応答を検知すると、イベント待ちとなる(S33)。
【0616】
イベントは、例えば、情報機器200からフォトダイオードWPD1からWPD6を介した光コードの受光である(S34)。イベントが光コードの受光である場合、CPUは、受光した光コードを復号する。そして、CPUは処理をS33に戻す。
【0617】
また、イベントは、例えば、光コードから復号されたパターンコード出力要求である(S36)。イベントがパターンコード出力要求である場合、CPUは、パターンコード出力処理を実行する(S37)。そして、CPUは処理をS33に戻す。ここで、パターンコード出力処理は、例えば、装置110がクレジットカード、キャッシュカード、ポイントカードなど場合に、カード番号などをメモリ117(実施形態1参照)から取得し、情報機器200に引き渡する処理である。また、パターンコード出力処理は、例えば、電子マネーカードとして、電子マネー残額をメモリ117から読み出し、情報機器200に引き渡する処理である。
【0618】
また、イベントが、例えば、光コードから復号された情報のメモリ117(実施形態1参照)への格納要求である場合、CPUは、情報をメモリ117に格納するメモリ格納処理を実行する(S39)。ここで、装置110がポイントカードである場合に、メモリ格納処理は、ポイントを格納する処理である。また、装置110が電子マネーカードである場合に、メモリ格納処理は、電子マネーの残額をメモリ117に書き込む処理である。そして、イベントが終了を示すコマンドである場合(S20でYES)、CPUはプログラムを終了する。
【0619】
<<変形例>>
図140図141では、情報機器200は、装置110の装置111の配置を基に、発光領域LE1からLE6の配置を決定した。しかし、本発明の実施はこのような処理に限定される訳ではない。例えば情報機器200は、素子111の配置から発光領域LE1からLE6を決定する代わりに、図111に例示したように、ディスプレイにカード等の装置110を載置する枠を表示してもよい。そして、表示された枠にカードが載置されたことを示すトリガ信号を検知した場合に、情報機器200は、表示された枠から装置110のフォトダイオードWPD1からWPD6を特定し、発光領域LE1からLE6の配置を決定してもよい。
【0620】
この処理では、例えば、情報機器200は、例えば,アプリケーションから光コードの発光要求を検知する(S10A)。光コード発行要求は、例えば、ウェブブラウザからクレジットカード番号の取得要求である。光コードの発光要求を検知すると(S10AでYES)、情報機器200のCPUは、タッチパネルのディスプレイにカード枠を表示し、G―Card等の装置110を載置するようにユーザをガイドする(S12A)。そして、CPUはイベント待ちとなる(S13)。例えば、カード枠表示後、装置110が載置されると、載置イベントが発生する(S14A)。載置イベントは、例えば、タッチパネルが装置110の載置による素子111の検知により発生する。載置イベントが発生すると、CPUは、位置合わせ確認を実行する(S15A)。位置合わせ確認では、CPUは、発光領域LE1からLE6において発光し、受光応答を装置110の素子111から受けとる。位置合わせ確認ができない場合、例えばタイムアウトが発生し、CPUは、ガイダンスをディスプレイに表示し、リトライを実行すればよい。なお、位置合わせ確認が成功すると、CPUは、処理をS13に戻す。なお、S16以降の処理は、移動イベントに対する処理がない点を除いて、図140と同様である。この例では、CPUは、カード等の装置110を載置するようにユーザをガイドし、カード等の装置110のタッチパネルへの載置を確認する。さらに、CPUは、位置合わせを確認して、光コード発行処理を実行する(S19)。したがって、この処理でも、CPUは、物体が平板センサに接触したとき、平板センサと物体との位置関係から、物体面上で受光素子が設けられた位置に対応する前記ディスプレイの部分領域の光量を時間変化させると言える。
【0621】
図140図141の処理によれば、情報機器200は、装置110等の素子111の配置から、光センサ(例えば、図72HのフォトダイオードWPD1からWPD6)の配置を特定し、発光領域(例えば、同図の点線で描かれたディスプレイ側のいLE1からLE6)を決定する。したがって、情報機器200は、複数チャンネルで、装置110等に光量の変化等によって、情報を入力することができる。
【0622】
また、図142の処理によれば、ユーザがディスプレイ上のカード枠等のグラフィックスオブジェクトを用いてガイドされるので、情報機器200は、素子111の配置を検知する必要がない。このため、素子111の数が3未満の装置110、あるいは、素子111の配置が点対称で素子111の向きを特定できな場合であっても、情報機器200は、複数チャンネルで、装置110等に光量の変化等によって、情報を入力することができる。
【0623】
本実施の形態の処理は、例えば、記録媒体に格納されたコンピュータプログラムにしたがって、情報機器200のCPU等で実行される。このような記録媒体のうちコンピュータ等から取り外し可能なものとしては、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R/W、DVD、ブルーレイディスク、DAT、8mmテープ、フラッシュメモリなどのメモリカード等がある。また、コンピュータ等に固定された記録媒体としてハードディスク、ROM(リードオンリーメモリ)等がある。さらに、SSD(Solid State Drive)は、コンピュータ等から取り外し可能な記録媒体としても、コンピュータ等に固定された記録媒体としても利用可能である。
【0624】
<実施形態18>
図143から図147により、実施形態18の光センサ130F及び130Gを説明する。光センサ130F及び130Gは、実施形態14と同様、発光素子であるLEDと受光素子であるフォトダイオードとの組み合わせを有する。したがって、光センサ130F及び130Gは、印刷物等に光を照射し、その色を検出可能である。したがって、光センサ130F及び130Gは、実施形態8等における光センサ130として使用可能である。また、光センサ130F及び130Gは、実施形態0のスタンプ型のコード発生装置、あるいは、実施形態1から実施形態8等の装置110に組み込んで、使用可能である。
【0625】
図143は、光センサ130Fの受光面から見た平面図である。光センサ130Fの中央には、受光素子としてのフォトダイオード240が配置される。フォトダイオード240の周囲には、それぞれ異なる波長の光(RGB)を発光する発光ダイオード(LED)であるLED−R 241、LED−G 242、LED−B 243が、等間隔に配置される。この構成では、光センサ130Fの受光面に対向する面に、赤(R)の印刷面があった場合、LED−R 241が発光したときに、フォトダイオード240は、所定以上の受光量で印刷面から反射光を受光する。すなわち、フォトダイオード240は、LED−R 241から照射された赤の波長領域の反射光を受光する。一方、赤(R)の印刷面に対して、LED−G 242(緑の波長領域)、LED−B 243(青の波長領域)が、発光しても、フォトダイオード240は、所定未満の受光量でしか印刷面から反射光を受光できない。
同様に、緑(G)の印刷面に対して、LED−G 242が緑の波長領域で発光したときに、フォトダイオード240は、所定以上の受光量で印刷面から反射光を受光する。一方、緑(G)の印刷面に対して、LED−R 241(赤の波長領域)、LED−B 243(青の波長領域)が、発光しても、フォトダイオード240は、所定未満の受光量でしか印刷面から反射光を受光できない。
同様に、青(B)の印刷面に対して、LED−B 243が発光したときに、フォトダイオード240は、所定以上の受光量で印刷面から反射光を受光する。一方、青(B)の印刷面に対して、LED−R 241、LED−G 242が、発光しても、フォトダイオード240は、所定未満の受光量でしか印刷面から反射光を受光できない。
【0626】
図144は、6個のLEDを有する光センサ130Gの受光面から見た平面図である。光センサ130Gは、受光素子として中央にフォトダイオード240が配置される。そして、フォトダイオード240の周囲に、LED−R 241、LED−G 242、LED−B 243がそれぞれ2個ずつ、等間隔に配置される。図144の例では、発光ダイオードは、時計回りにR->G->B->R->G->Bの順に配置されている。
【0627】
図145は、光センサ130Fの断面図(図143「A断面」を付した矢印を通る紙面に垂直な平面で切断)である。光センサ130Fは、色コードの印刷領域にLED−R 241、LED−G 242、LED−B 243からの照射光が照射され、フォトダイオード240が所定の反射光が受光できるように、所定の厚みを有する光透過板145を設置した形態である。LED−R 241、LED−G 242、LED−B 243から点光源として照射した光は、フォトダイオード240の表面で各反射光を受光する。反射光の光量は、LED−R 241、LED−G 242、LED−B 243それぞれの直下の印刷媒体面からの光量が高く、各LEC直下から離れるにしたがって低下するため、印刷された色情報が正確に取得されない場合がある。しかし、カード型の装置110に光透過板145が埋め込まれる場合、周辺側面が反射材料で成形されていれば、側面で光が反射するため、光量は、各LEC直下から離れた位置においてもそれほど低下しない。光透過板145が埋め込まれない場合は、反射板を周辺側面に設ければよい。
【0628】
図146は、光センサ130Fあるいは光センサ130Gを搭載した装置110等のCPUが実行する光コード取得処理を例示するフローチャートである。ここで、光コードは、例えば、LED−Rを発光したときの受光量R、LED−Gを発光したときの受光量G、LED−Bを発光したときの受光量Bの組み合わせとして得られる。受光量R、G、Bのレベルが2段階(1ビット)の場合、装置110は、各LEDの発光1回で1ビットの情報を得ることができ、LED−R、LED−G、LED−Bによって、3ビット情報を取得可能である。一方、受光量R、G、Bを多段階とすることで、装置110は、印刷面等から、さらに多くの情報をR、G、Bの組み合わせとして取得できる。なお、受光量R、G、Bを多段階とする場合には、基準となる印刷面にLED−R、LED−G、LED−Bを事前に発光し、フォトダイオードのゲインを校正しておけばよい。この場合の基準となる印刷面には、多段階のR、G、Bの組み合わせに対応する基準となる色相、明度の色を単色で印刷しておけばよい。基準となる印刷媒体は、多段階のR、G、Bの組み合わせ数分だけ用意することになる。
【0629】
色コード取得処理では、装置110のCPUはLED−Rを発光し、フォトダイオードで受光し、受光量Rを保存する(S50)。次に、装置110のCPUはLED−Gを発光し、フォトダイオードで受光し、受光量Gを保存する(S51)。次に、装置110のCPUはLED−Bを発光し、フォトダイオードで受光し、受光量Bを保存する(S52)。なお、S50からS52の処理の順序に限定はない。すなわち、RGBのうち、どの発光色から先に発光するかについて限定はない。
【0630】
そして、CPUは、受光量R、G、Bを、例えば,アプリケーションプログラム(例えば、ゲームプログラム)がアクセスする領域に出力する。そして、CPUは、処理を終了するか否かを判定する(S54)。処理を終了しない場合には、CPUは、処理をS50に戻し、同様の処理を繰り返す。なお、図145では、RGBそれぞれ1回の発光ごとに、受光量RGBをアプリケーションプログラムがアクセスする領域に出力する。しかし、このような処理に代えて、CPUは、RGBを所定の組数取得し、配列の形式でアプリケーションプログラムに引き渡してもよい。
【0631】
以上で説明した実施形態18の光センサ130F、130Gは、異なる色(RGB)の印刷面から、色を検出することができる。したがって、光センサ130Fは、実施形態14の光センサ130Aから130Eと同様に、印刷面から色コードを取得できる。しかしながら、実施形態18の光センサの特徴は、発光素子として、LED−R 241、LED−G 242、LED−B 243を設ける一方、実施形態14のようにカラーフィルタを必要としない。すなわち、フォトダイオード240は、カラーフィルタなしに、印刷面からの反射光を検出する。したがって、光センサ130F、130Gでは、カラーフィルタによる光の減衰が生じることがない。つまり、光センサ130F、130Gは、印刷面から、実施形態14の光センサ130Aから130Eよりも高感度で色コードを読み取ることができる。
【0632】
<実施形態19>
図147〜148を参照して、実施形態19について説明する。
実施形態19は、電気的に導体の出力を可変にして出力するパターンコードの実施例とは異なり、固定したパターンコードの配置例を示すものである。本実施形態のパターンコードでは、基準導体と情報導体の2種類の導体を設け、基準導体と情報導体の位置関係により、パターンコードの方向とパターンコードを定義することを特徴とする。
【0633】
図147は、3〜4個の同じ大きさの導体を配置した場合について説明する図であり、(a)は基準導体間距離が43mmの場合、(b)は基準導体間距離が38mmの場合、(c)は基準導体間距離が33mmの場合、(d)は基準導体間距離が28mmの場合について示す図である。
【0634】
本実施形態のパターンコードは、2個の基準導体と1個または2個の情報導体を配置することにより、パターンコードの方向が定まり、ユニークなパターンコードを定義できる。
【0635】
2個の基準導体間の距離は、他のどの導体間(基準導体と情報導体との間、情報導体と情報導体との間)の距離に比べても大きくなるように、すなわち、あらゆる導体間の距離の中で、2個の基準導体間の距離が最大値になるように、2個の基準導体を配置する。これにより、導体間の距離が最大である2個の導体を検索すれば、その2個が基準導体であることが分かる。そして、残りの1個または2個が情報導体であることが分かり、基準導体と情報導体の位置関係から、パターンコードの方向が定まり、ユニークなパターンコードを定義できる。
【0636】
ここで、「導体間の距離」とは、ある導体の中心から、他の導体の中心までの距離である。
導体間の距離は、10mm程度とすることが好ましい。ただし、好ましい距離は、スマートフォンやタブレットの性能によって異なる。
【0637】
導体中心位置の最大認識誤差は±2mm程度(合計4mm程度)以内と想定した上で導体中心間隔距離を認識し、正確にパターンコードを取得できるように、導体を配置する。
【0638】
次に、(a)〜(d)の各場合について説明する。
【0639】
(a)は基準導体間距離が43mmの場合について示す図である。
同図の点線の円は、情報導体の配置候補(以下「配置候補」)である。配置候補は5mm間隔とする。認識誤差が少なければ、配置候補の間隔を短くして配置できる情報導体を増やし、多量のパターンコードを定義できる。
なお、隣接して配置する場合は、隣接する2個の導体を確実に認識できるように、10mm以上距離を離して配置する。
基準導体間距離が43mmの場合は、基準導体間の距離に対して、導体間距離が4mm以上短い(すなわち、導体間距離が39mm以下である)配置候補は38個存在する。
しかし、基準導体間に2個の情報導体が配置されると、基準導体と情報導体が一直線に配置されてしまい、パターンコードの方向を定めることができない。そのため、基準導体間には情報媒体は1個しか配置できない。そこで、まず、38個から基準導体間に位置する配置候補5個を除いた33個から、2個および1個を選択する組み合わせを以下の通り求める。
33+33=561通り・・・(A)
次に、導体間の距離が10mm未満となる2個の候補位置の組み合わせは、
9+15+21+27+33+28+5=138通り・・・(B)
である。
導体間の距離が10mm未満となるように導体を配置することはできない。隣接する2個を認識できなくなる可能性があるからである。したがって、10mm未満となる組み合わせは除かれる。
次に、基準導体間に位置する配置候補が1個選択され、他の導体と判別ができる場合の組み合わせは、
29×2+28×3=142通り・・・(C)
である。
以上から、(a)の場合における、配置可能な情報導体の配置組み合わせは、
(A)−(B)+(C)=561−138+142=565通り
である。
【0640】
(b)は、基準導体間距離が38mmの場合について示す図である。
この場合は、基準導体間の距離に対して、導体間距離が4mm以上短い(すなわち、導体間距離が34mm以下である)配置候補は29個存在する。
しかし、(a)の場合と同様、基準導体間には情報媒体は1個しか配置できない。そこで、まず、29個から基準導体間に位置する配置候補4個を除いた25個から、2個および1個を選択する組み合わせを以下の通り求める。
25+25=325通り・・・(A)
次に、導体間の距離が10mm未満となる2個の候補位置の組み合わせは、
5+21+27+27+18+3=101通り・・・(C)
である。
(a)の場合と同様、導体間の距離が10mm未満となる組み合わせは除かれる。
次に、基準導体間に位置する配置候補が1個選択され、他の導体と判別ができる場合の組み合わせは、
21×2+20×2=82通り・・・(C)
である。
以上から、(b)の場合における、配置可能な情報導体の配置組み合わせは、
(A)−(B)+(C)=325−101+82=306通り
である。
【0641】
(c)は、基準導体間距離が33mmの場合について示す図である。
この場合は、基準導体間の距離に対して、導体間距離が4mm以上短い(すなわち、導体間距離が29mm以下である)配置候補は21個存在する。
しかし、(a)(b)の場合と同様、基準導体間には情報媒体は1個しか配置できない。そこで、まず、21個から基準導体間に位置する配置候補3個を除いた18個から、2個および1個を選択する組み合わせを以下の通り求める。
18+18=171通り・・・(A)
次に、導体間の距離が10mm未満となる2個の候補位置の組み合わせは、
9+15+21+18+3=66通り・・・(B)
である。
(a)(b)の場合と同様、導体間の距離が10mm未満となる組み合わせは除かれる。
次に、基準導体間に位置する配置候補が1個選択され、他の導体と判別ができる場合の組み合わせは、
14×2+13=41通り・・・(C)
である。
以上から、(c)の場合における、配置可能な情報導体の配置組み合わせは、
(A)−(B)+(C)=171−66+41=146通り
である。
【0642】
(d)は、基準導体間距離が28mmの場合について示す図である。
この場合は、基準導体間の距離に対して、導体間距離が4mm以上短い(すなわち、導体間距離が24mm以下である)配置候補は10個存在する。
しかし、(a)〜(c)の場合と同様、基準導体間には情報媒体は1個しか配置できない。そこで、まず、10個から基準導体間に位置する配置候補2個を除いた8個から、2個および1個を選択する組み合わせを以下の通り求める。
+8=36通り・・・(A)
次に、導体間の距離が10mm未満となる2個の候補位置の組み合わせは、
3+9+8+1=21通り・・・(B)
である。
(a)〜(c)の場合と同様、導体間の距離が10mm未満となる組み合わせは除かれる。
次に、基準導体間に位置する配置候補が1個選択され、他の導体と判別ができる場合の組み合わせは、
4×2=8通り・・・(C)
である。
以上から、(d)の場合における、配置可能な情報導体の配置組み合わせは、
(A)−(B)+(C)=36−21+8=23通り
である。
【0643】
(a)〜(d)より、基準導体間の距離の異なる4種のパターンコードの合計コード数は、
565+306+146+23=1,040個
である。
【0644】
なお、基準導体間の距離は、上述の4通りに限られないことは勿論であり、パターンコードの向きを認識できれば、基準導体をどこに配置してもよい。なお、基準導体を配置しなくても、情報導体だけでユニークな配置を形成してパターンコードを定義してもよい。ユニークな配置とは、回転・移動しても同一のパターンが存在しない配置のことである。
【0645】
図148は、情報導体と異なる大きさの基準媒体を配置した場合について説明する図であり、合計3〜4個の導体が配置される。(a)は基準導体間距離が35mmの場合、(b)は基準導体間距離が30mmの場合、(c)は基準導体間距離が25mmの場合、(d)は基準導体間距離が20mmの場合について示す図である。
【0646】
本実施形態のパターンコードは、2個の基準導体と1個または2個の情報導体を配置することにより、パターンコードの方向が定まり、ユニークなパターンコードを定義できる。
【0647】
2個の基準導体を、タッチパネルを有する情報機器200が認識可能な程度に、情報導体と異なる大きさとする(同図では、基準導体を、情報導体よりも大きくする)。これにより、情報機器200は、導体の大きさを認識して、大きい導体が基準導体であることが分かる。そして、残りの1個または2個が情報導体であることが分かり、基準導体と情報導体の位置関係から、パターンコードの方向が定まる。
【0648】
導体間の距離(ある導体の中心から、他の導体の中心までの距離)は、10mm程度とすることが好ましい。ただし、好ましい距離は、スマートフォンやタブレットの性能によって異なる。
【0649】
導体中心位置の最大認識誤差は±2mm程度(合計4mm程度)以内と想定した上で導体中心間隔距離を認識し、正確にパターンコードを取得できるように、導体を配置する。
【0650】
次に、(a)〜(d)の各場合について説明する。
【0651】
(a)は基準導体間距離が35mmの場合について示す図である。
同図の点線の円は、情報導体の配置候補(以下「配置候補」)である。配置候補は5mm間隔とする。認識誤差が少なければ、配置候補の間隔を短くして配置できる情報導体を増やし、多量のパターンコードを定義できる。実際に配置する場合は、隣接する2個の導体を確実に認識できるように、10mm以上距離を離して配置する。
基準導体間距離が35mmの場合は、情報導体の配置候補は34個存在する。
しかし、基準導体間に2個の情報導体が配置されると、基準導体と情報導体が一直線に配置されてしまい、パターンコードの方向を定めることができない。そのため、基準導体間には情報媒体は1個しか配置できない。そこで、まず、34個から基準導体間に位置する配置候補3個を除いた31個から、2個および1個を選択する組み合わせを以下の通り求める。
31+31=496通り・・・(A)
次に、導体間の距離が10mm未満となる2個の候補位置の組み合わせは、
25+25+25+15+2=92通り・・・(B)
である。
導体間の距離が10mm未満となるように導体を配置することはできない。隣接する2個を認識できなくなる可能性があるからである。したがって、10mm未満となる組み合わせは除かれる。
次に、基準導体間に位置する配置候補が1個選択され、他の導体と判別ができる場合の組み合わせは、
29×2+28=86通り・・・(C)
である。
以上から、(a)の場合における、配置可能な情報導体の配置組み合わせは、
(A)−(B)+(C)=496−92+86=490通り
である。
【0652】
(b)は、基準導体間距離が30mmの場合について示す図である。
この場合、基準導体間距離が35mmの場合と全く同じく、情報導体の配置候補は34個存在する。
したがって、(a)の場合と全く同じ組み合わせが成り立つため、(b)の場合における、配置可能な情報導体の配置組み合わせは、490通りである。
【0653】
(c)は、基準導体間距離が25mmの場合について示す図である。
この場合は、情報導体の配置候補は32個存在する。
しかし、(a)(b)の場合と同様、基準導体間には情報媒体は1個しか配置できない。そこで、まず、32個から基準導体間に位置する配置候補1個を除いた31個から、2個および1個を選択する組み合わせを以下の通り求める。
31+31=496通り・・・(A)
次に、導体間の距離が10mm未満となる2個の候補位置の組み合わせは、
25+25+25+15+2=92通り・・・(B)
である。
(a)(b)の場合と同様、導体間の距離が10mm未満となる組み合わせは除かれる。
次に、基準導体間に位置する配置候補が1個選択され、他の導体と判別ができる場合の組み合わせは、
28通り・・・(C)
である。
以上から、(c)の場合における、配置可能な情報導体の配置組み合わせは、
(A)−(B)+(C)=496−92+28=432通り
である。
【0654】
(d)は、基準導体間距離が20mmの場合について示す図である。
この場合は、情報導体の配置候補は30個存在する。
しかし、(a)〜(c)の場合と同様、基準導体間には情報媒体は1個しか配置できない。そこで、まず、30個から基準導体間に位置する配置候補1個を除いた29個から、2個および1個を選択する組み合わせを以下の通り求める。
29+29=435通り・・・(A)
次に、導体間の距離が10mm未満となる2個の候補位置の組み合わせは、
25+25+25+9=84通り・・・(B)
である。
(a)〜(c)の場合と同様、導体間の距離が10mm未満となる組み合わせは除かれる。
次に、基準導体間に位置する配置候補が1個選択され、他の導体と判別ができる場合の組み合わせは、
28通り・・・(C)
である。
以上から、(d)の場合における、配置可能な情報導体の配置組み合わせは、
(A)−(B)+(C)=435−84+28=379通り
である。
【0655】
(a)〜(d)より、基準導体間の距離の異なる4種のパターンコードの合計コード数は、
490+490+432+379=1,791個
である。
【0656】
このように、基準導体と情報導体の大きさを異ならせた場合、同じ大きさとした場合よりも、より多くのパターンコードを出力することが可能となる。
【0657】
なお、基準導体間の距離は、上述の4通りに限られないことは勿論であり、パターンコードの向きを認識できれば、基準導体をどこに配置してもよい。
さらに、2個の基準導体の大きさを変えることにより、情報導体がどこに配置されていてもパターンコードの向きを認識できる。
【0658】
なお、上記では、実施形態0〜19について説明してきたが、本発明では、各実施形態の各パターンコード、装置等は、実施形態を超えて、適宜組み合わせて使用することができる。例えば、スタンプタイプのコード発生装置で用いたパターンコードを、カード型の装置に用いることや、カード型で用いた情報読取装置を、スタンプタイプの装置に用いることも可能である。もちろん、その逆も可能である。
【0659】
<実施形態20>
上記実施形態0のコード発生装置1、実施形態1から実施形態9のカード型の装置110から110G(以下単に装置110等)と、実施形態16の図125図138に例示した電源を要しないゲーム用のカードその他の物品(アイテム)とを組み合わせて1つの装置としてもよい。その場合に、本実施形態の装置に、実施形態10に例示した画像センサ160D、実施形態11に例示した画像センサ160E、実施形態12に例示した画像センサ160F、実施形態13に例示した画像センサ160G、実施形態14に例示した光センサ130を組み合わせてもよい。また、本実施形態の装置のパターンコードの出力手順として、実施形態15に例示した出力手順を適用してもよい。また、実施形態17に例示した装置と情報機器200との情報伝達処理を本実施形態の装置と情報機器200との情報伝達処理に適用してもよい。また、実施形態18に例示した光センサ130F及び130Gを本実施形態の装置に適用してもよい。また、本実施形態の装置のパターンコードとして、実施形態19のパターンコードの配置を適用してもよい。
【0660】
図149は、実施形態20に係る装置110Kの裏面から見た平面図である。ここで、裏面は、実施形態1等と同様、情報機器200のタッチパネルが接触または近接する側の装置110Kの面である。また、図150は、実施形態20に係る装置110Kの表面から見た平面図である。表面は、裏面の反対面であり、裏面が情報機器200のタッチパネルに接触しているときにユーザの指等の人体の一部によってタッチされる面である。
【0661】
図149図150のように、装置110Kの裏面、表面ともに、電気機構領域110K−1と、非電気機構領域110K−2に分かれる。電気機構領域110K−1は、電子回路部品、電力供給部品等を有し、電気回路、電子回路の作用により、ユーザの操作を受け付け、情報機器200のタッチパネルに物理作用を検知させる。電気機構領域110K−1は、例えば実施形態0のコード発生装置1、実施形態1から実施形態9のカード型の装置110から110G(以下単に装置110等)と同様の構成を有する。なお、タッチ領域TC2の下部には、図151で例示する接触導体114が埋め込まれている。
【0662】
図151に、電気機構領域110K−1の構成を例示する。具体的には、電気機構領域110K−1は、図68Aの装置110Fの構成と比較して、光電素子配列129をフォトダイオードWPD1からWPD6に変更したものとなっている。なお、図151において、すでに実施形態1から実施形態10で説明した構成要素と同一の構成要素については、実施形態1から実施形態10と同一の符号を付してその説明を省略する。なお、電気機構領域110K−1の部品の構成は、図151に限定される訳ではなく、実施形態0、実施形態1から実施形態10で説明した装置110等の使用できる。なお、図151では、コンパレータ118が1個例示されているが、光電変換素子配列112の複数箇所の光電変換素子(光センサ、フォトダイオード、フォトトランジスタ等)から信号を検出する場合には、コンパレータ110は、複数箇所の光電変換素子と同数並列に設けられる。この複数の光電変換素子と複数のコンパレータ118の組み合わせによって、複数チャネルの入力信号を取得する回路が形成される。また、コンパレータの代わりにアナログ/デジタル変換器(A/D変換器)を用いてもよい。A/D変換器を用いることで、各チャンネルで3ビット以上の多値の信号を1回の入力で実現できる。
【0663】
図149のように、装置110Kは、裏面に6個の素子111と、6個のフォトダイオードWPD1からWPD6を有する点で、[実施形態8の変形例2](図72G図72H)と同様である。さらに、装置110Kは、裏面に光電変化素子配列112A、タッチ領域SCP1を有する。また、図150のように、表面に光電変化素子配列112B、指紋センサ113、タッチ領域TC2およびタッチ領域TC4を有する。
裏面の6個の素子111と6個のフォトダイオードWPD1からWPD6の構成および作用は、図72Gおよび図72Hで説明した通りである。図72Gで説明したように、各素子111は、パターン1からパターン9の順にON/OFFが切り替えられ、パターンコードを出力する。装置110Kは、6個の素子111のうち例えば、5個の素子111による静電容量(電界強度)を情報機器200のタッチパネルに検知させる。情報機器200は、タッチパネル上で、6個の素子111のうち例えば、5個の素子111の出力パターンを認識することで、素子111の配置、したがって、フォトダイオードWPD1からWPD6の配置位置を認識する。
【0664】
一方、フォトダイオードWPD1からWPD6は、それぞれ、情報機器200のディスプレイの光コード発光領域LE1からLE6に対応する破線で囲まれた位置に配置される。情報機器200のディスプレイは、フォトダイオードWPD1からWPD6の配置位置に対応するディスプレイの光コード発光領域LE1からLE6をそれぞれ独立した光量で発光し、対応するフォトダイオードWPD1からWPD6に受光させる。このような構成によって、波長を制限しないで、ディスプレイの発光領域を区切ることで、ディスプレイから装置110に複数チャンネルの情報入力が可能となる。
【0665】
光電素子変換配列112Aは、いわゆるソーラーパネルであり、ディスプレイからの日光を受光し、電気エネルギーに変換し、装置110Kの各部に電力を供給する。ただし、光電素子変換配列112Aを設ける代わりに、フォトダイオードWPD1からWPD6が光電変換で電力を装置110Kに供給するようにしてもよい。すなわち、フォトダイオードWPD1からWPD6として、それぞれ十分な変換能力の受光素子を使用すればよい。フォトダイオードWPD1からWPD6のそれぞれが複数のフォトダイオードを含み、発電能力を高めてもよい。
【0666】
なお、表面の光電変換素子配列112Bは、裏面の光電素子変換配列112Aによる電力供給またはフォトダイオードWPD1からWPD6による電力供給を補強するために設けられている。すなわち、装置110Kは、表面の光電変換素子配列112B、裏面の光電素子変換配列112A、およびフォトダイオードWPD1からWPD6の組合わせまたはこれら少なくとも1つによって電力供給を受ける。ただし、裏面の光電素子変換配列112A、またはフォトダイオードWPD1からWPD6によって十分な電力が供給される場合には、表面の光電変換素子配列112Bはなくてもよい。
【0667】
指紋センサ113は、例えば、ユーザの認証に用いられる。実施形態1の装置110と同様、装置110Kは、例えば、指紋センサで検知した指紋が、メモリに格納されたユーザの指紋データと合致した場合に、トリガパターンが素子からタッチパネルに検知されるように、SW115を制御すればよい。
【0668】
なお、指紋センサ113を省略する場合には、装置110Kは、例えば、フォトダイオードWPD1からWPD6から所定の起動用の光パターンを受光したことをトリガに処理を開始すればよい。また、装置110Kは、例えば、タッチ領域TC2の接触導体114に、人の指、その他の導体が接触したことをトリガに、処理を開始すればよい。また、装置110Kは、例えば、指紋センサ113の代わりに、図59図60で例示した画像センサ113等を有するようにしてもよい。その場合には、装置110Kは、画像センサ113等が所定のパターンを読み取ったことをトリガに処理を開始すればよい。
【0669】
非電気機構領域110K−2は、電子回路部品、電力供給部品等を有せず、例えば、ユーザが装置110Kの表面を押圧したときに、装置110K形成する材料の機械的物理的変形により、ユーザの指の接近が情報機器200のタッチパネルによって検知される。非電気機構領域110K−2は、実施形態16に例示した電源を要しないゲーム用のカードその他の物品(アイテム)と同様の構造を有する。非電気機構領域110K−2としては、図128A図128B図130図133から図136のいずれの構造を用いてもよい。また、非電気機構領域110K−2のタッチ領域TC4として、図137のように、透明のタッチ領域があってもよい。
【0670】
以上述べたように、実施形態20の装置110Kによれば、実施形態0のコード発生装置1と実施形態16の電源を要しないゲーム用のカードその他の物品(アイテム)とを組み合わせて1つの装置とすることができる。また、実施形態1から実施形態9の装置110等と実施形態16の電源を要しないゲーム用のカードその他の物品(アイテム)とを組み合わせて1つの装置とすることができる。
【0671】
この場合に、ユーザは、タッチ領域TC2に指、あるいは導体等を接触させることで、情報機器200のタッチパネルに素子111の位置を検出させることでデータを情報機器200に入力する。また、ユーザは、タッチ領域TC4をタッチし、押圧することで、情報機器200のタッチパネルに押圧位置を検出させることができる。
【0672】
この場合に、タッチ領域TC2は、第1の操作部として、人体の部位または装置110K外の導電体に接触すると、情報出力部によって駆動された1以上の物理量制御部を介して第1の所定の情報を出力させる。また、タッチ領域TC4は、第2の操作部として、人体の部位または導電体に接触すると情報機器200のタッチパネルに該接触位置を認識させる。
【0673】
したがって、情報機器200は、素子111の位置を検出することで、装置110Kの位置を認識すると、ディスプレイ上の領域LE1からLE6を発光させることで、フォトダイオードWPD1からWPD6に光パターンを入力できる。また、情報機器200は、素子111の位置を検出することで、装置110Kの位置を認識すると、タッチ領域TC4の押圧位置を検出し、装置110Kの表面のどの場所が押圧されたかを認識できる。情報機器200は、例えば、図150の「日本語」「英語」「聞く(Listen)」、「読む(Read)」、「書く(Write)」等のラベルが付された領域が押圧されたことを認識し、これらのラベルに応じた処理を実行できる。
【0674】
また、タッチ領域TC4が図137のように透明のタッチ領域を有する場合には、ユーザは、透明領域に表示されるタッチパネル(ディスプレイ)に表示されたアイコン、その他のグラフィカルユーザインターフェース(GUI)部品を選択できる。したがって、情報機器200は、装置110Kの素子111からタッチパネルへの入力を受け付け、ディスプレイからフォトダイオードWPD1からWPD6に光パターンを入力することで、装置110Kと情報を授受し、様々な処理実行するとともに、タッチ領域TC4の透明領域を介してタッチパネルへの入力を受け付けることができる。
【0675】
<実施形態21>
図152から図175により、実施形態21に係る装置110Lの回路構成の詳細、制御、および情報処理について、説明する。
【0676】
なお、本実施形態で説明する装置110Lの構成は、上記実施形形態0のコード発生装置1、実施形態1から実施形態9、および実施形態20の装置110から110K(以下単に装置110等)に適用してもよい。また、上記実施形形態0のコード発生装置1、実施形態1から実施形態9、および実施形態20の装置110から110K(以下単に装置110等)の構成を本実施形態の装置110Lに適用してもよい。装置110Kの外観構成は、実施形態20の装置110Kと同様である(図149図150参照)。また、装置110Kの電気回路の構成は、装置110Kの電気機構領域110K−1の構成(図151)と同様である。そこで、図149図150は、実施形態21においてもそのまま参照する。
【0677】
図152は装置110Lの回路構成の詳細を例示する図である。装置110Lは、情報入力側に複数のフォトダイオードWPD1からWPD6と、複数のフォトダイオードWPD1からWPD6からのそれぞれの信号を検知する複数のコンパレータ118と、複数のコンパレータ118からの信号を保持するバッファ182が設けられる。なお、本明細書を通じて、フォトダイオードWPD1からWPDk(kは整数)を総称する場合には、単にフォトダイオードWPDフォトダイオードWPDという。
また、情報出力側には、2つの出力バッファ183A、183Bと、セレクタ184と、駆動回路180と、SW115と、素子111と、接触導体(導体パッド)114とが設けられる。上記実施形態の装置110等と同様、利用者が接触導体114に指等を接触させると、ON状態のSW115を介して、利用者の人体が有する静電容量が素子111と電気的に接続される。その結果、素子111と人体との間で静電気が移動し、タッチパネルは、パネルと素子111との間の静電容量の変化、あるいは、素子111からの電界強度の変化を検知する。
CPU116は、例えば、メモリ117に実行可能に展開されたコンピュータプログラム等にしたがって装置110Lを制御する。CPU116は、出力バッファ183Aと183Bとから交互に情報を出力し、セレクタ184を制御し、出力バッファ183Aと183Bから交互に情報を駆動回路180に出力する。駆動回路180は、出力バッファ183Aと183Bから交互に情報を取得し、取得した情報にしたがってSW115をONまたはOFFに制御することで、素子111から情報をパターンコードの形式で出力する。なお、図152では、省略されているが、駆動回路180は、各SW115とそれぞれ独立した配線(導電路)で接続されており、各SW115を独立にONまたはOFFにすることが可能である。そして、CPU116は、次の情報を出力バッファ183Aに出力する。CPU116と駆動回路180は、情報出力部の一例といえる。
すると、情報機器200は、同期用光信号とともに、検知したパターンコードのコード値をフォトダイオードWPD1からWPD6に向けて発光する。コンパレータ118は、フォトダイオードWPD1からWPD6で受光した信号から0または1のデジタル信号を生成し、バッファ182に保存する。すると、排他論理和(EXOR)回路181が出力バッファ183Bの保持された情報(コード値)とバッファ182に保存された情報(コード値)を比較する。排他論理和回路181がバッファ182のコード値と出力バッファ183Bのコード値とで不一致を検知すると、再送指示をセレクタ184に指令する。すると、セレクタ184は、出力バッファ183Bの情報を再度駆動回路180に出力する。一方、排他論理和回路181がバッファ182のコード値と出力バッファ183Bのコード値とで一致を検知すると、バッファ切り替え指示をセレクタ184に指令する。すると、セレクタ184は、出力バッファ183Aの情報を駆動回路180に出力する。このようにして、素子111から出力されるパターンコードのコード値と、同期用光コードに含まれるコード値のとの間でエラーチェックが実行される。
ただし、図152では、装置110Lは、2つの出力バッファ183A、183Bを有するが、出力バッファ数が2面に限定される訳ではない。例えば、実施形態21で説明するように、装置110Kは、区切りとなる基準パターンと、複数の情報パターンとを1まとめにしてパターンコード列としてパターンコードを出力する。このパターンコード列は、静電容量コード、あるいは情報コードと呼ばれる。その場合、基準パターンから次の基準パターンまでの情報パターンの数だけ出力バッファ183A等を設けてもよい。パターンコード列分の出力バッファを設けことで、出力されるパターンコードのエラーチェックを実行するタイミングを遅らせることができ、例えば、パターンコード列出力後に、エラーチェックを実行できる。
また、図152では、出力バッファ183A、183Bを切り替えるセレクタ184、駆動回路180、エラーチェックを実行する排他論理和回路181等のハードウェア回路がCPU116ともに、パターンコード出力処理、エラーチェック、再送処理等を実行した。しかし、CPU116がこれらの処理の一部またはすべてを実行してもよい。一方、CPU116の処理の一部をハードウェア回路で実行してもよい。
なお、図152では省略されているが、実施形態20(図151)と同様、CPU116、コンパレータ118、フォトダイオードWPD1からWPD6、バッファ182、出力バッファ183A、183B、駆動回路180、SW115等に、図151に例示の光電変換素子配列112A、112B等から電源が供給される。
また、図152では、フォトダイオードWPD1からWPD6と、複数の素子111は、離れて配置されている。しかし、図152は、電気回路上の接続関係を明示しているのであり、物理的な位置関係を限定している訳ではない。したがって、フォトダイオードWPD1からWPD6と、複数の素子111とは、図149図151のように、相互に隣接して配置されてもよいし、離れて配置されてもよい。また、フォトダイオードWPD1からWPD6の数と、複数の素子111の数とは、同数であってもよいし、異なってもよい。
図152に例示したように、装置110Lは、インターフェース(I/F)回路180Aと、I/F回路180Aに接続される発光部、音響部、振動部、無線通信部等を有するようにしてもよい。ここで、発光部は、例えば、発光ダイオード(LED)等である。また、音響部はデジタル/アナログ変換部を含む音(音、音声)発生部とスピーカ等である。また、振動部は、発振器と機械振動を引き起こすバイブレータ等である。また、無線通信部は、無線Local Area Ntwork(LAN)、Bluetooth規格等にしたがった通信インターフェースである。
そして、装置110L(CPU116)は、パターンコードによって第1の情報であるパターンコードのデータブロック(静電容量コード、情報コード)を出力するとともに、第2の情報である光コードのデータブロック(情報コード)を入力し、様々な情報処理を実行する。そして、装置110Lは、情報処理の結果にしたがって、I/F回路180Aを介して発光部からの発光、音響部からの音響、振動部からの振動、無線通信部からの無線通信により第3の情報を外部に報知してもよい。以上から、発光部、音響部、振動部、無線通信部の少なくとも1つとI/F回路180AとCPU116とは、情報出力部の一例といえる。ただし、実施形態21を含む本実施の形態において、発光部、音響部、振動部、無線通信部、およびI/F回路180Aは、必須の構成ではなく、省略されてもよい。
【0678】
図153は、実施形態21における5個のフォトダイオードWPD1からWPD5と、5個の素子111−1から111−5の配置例である。なお、以下の実施形態において、素子111−1等を個別に呼ぶ場合には、素子111−1等のように記述し、総称する場合には、単に素子111と呼ぶ。また、フォトダイオードWPD1からWPD5を総称する場合には、単に、フォトダイオードWPDという。ただし、複数のフォトダイオードWPD1等と、複数の素子111の個数が5個に限定される訳ではない。例えば、数のフォトダイオードWPD1等と、複数の素子111の個数が同数でなくてもよい。また、複数のフォトダイオードWPD1等と、複数の素子111の配置例が図152に限定される訳ではない。例えば、フォトダイオードWPD1からWPD6と、複数の素子111の配置は、実施形態8、実施形態9、実施例21の構成であってもよい。
図153の例では、5個の素子111と5個のフォトダイオードWPD1からWPD5が隣接して配置されている。また、図では、素子111のそれぞれに数字のラベルを付され、5個の素子111が図面上識別できるように例示されている。
すでに実施形態8で説明したように、情報機器200は、タッチパネル上で素子111からの物理量変化を検知し、素子111の配置を認識し、フォトダイオードWPD1からWPD5の該当位置においてディスプレイを発光させることで、装置110Lと通信する。なお、本明細書を通じて、素子111に接続されるSW115をONにして、素子111と接触導体114とを導通状態にすることを「素子111をONにする」と表現する。また、素子111に接続されるSW115をOFFにして、素子111と接触導体114との間を遮断状態にすることを「素子111をOFFにする」と表現する。
【0679】
図154に、装置110Lと情報機器200との間の通信手順を例示する。図では、上側から1行目と3行目にパターンコードが例示され、白丸はSE115がOFF時の状態、黒丸はSW115がON時の状態を示す。図では、点線で囲まれた部分が図153の配置に対応して出力される物理量変化による1回の出力に相当パターンコードである。また、図の上から2行目と4行目には光コードが例示されている。パターンコードと同様に、点線で囲まれた部分がフォトダイオードWPD1からWPD5に対して発光される1回の発光に相当する光コードである。図152では、例えば、黒の矩形がフォトダイオードWPD1からWPD6の受光状態を例示し、白の矩形がフォトダイオードWPD1からWPD6の無受光状態を例示する。
装置110Lは、タッチパネルを介して情報機器200に素子111からの物理量を変化させ、素子111のタッチパネル上の配置を情報機器200に認識させる。例えば、利用者が装置110Lをタッチパネルにかざして、素子111の位置を認識させるための基準パターン(すべての素子111につながるSW115をON)を出力する。ここでパターンコードの下に記載されている数字0から10は、パターンコードのインデックスである。インデックスは、基準パターンから次の基準パターン直前までの一連のパターンコードの出力順の位置を例示する。つまり、装置110Lは、1番目のパターンコードとして基準パターンを出力する。すると、タッチパネルが物理量変化を検知し、導体の位置を認識する。
すると、情報機器200は、素子111の配置を認識した後、同期用光コードを発光して、次のパターンコードの装置110Lからの出力タイミングを制御する。情報機器200は、同期用光コードによるタイミング制御により、タッチパネルを介したパターンコードの認識確率を高めることができる。なお、図154では、同期用光コードに装置111からパターンコードのインデックス(下記進数)を含めている。インデックスは図154では、0から10の数字で例示されている。同期用光コードにインデックスを付加することで、例えば、そのインデックスを指定した同期用光コードでのパターンコードのエラーが発生した場合に、装置110Lは、そのインデックスを指定してパターンコードを再送できる。
図の例では、情報機器200は、基準パターンを認識後、インデックス2の同期用光コードを出力する。インデックス2の同期用光コードを受光すると、装置110Lは、パリティチェックパターンを出力する。なお、パリティチェックパターンは、パターンコードの列の末尾に出力されるようにしてもよい。また、装置110Lからの物理量変化によるパターンコード出力において、パリティチェックは必須ではない。パリティチェックに代わるエラーチェックについては、図図155、および164から図170を用いて別途詳述する。
情報機器200は、パリティチェックパターンを検知後、インデックス3から10の同期用光コードを出力する。インデックス3から10の同期用光コードは、組み合わされて情報を表現するので、情報コードと呼ばれる。ただし、情報コードに含まれる光コード数が8に限定される訳ではない。装置110Lは、インデックス3から10の同期用光コードを受光すると、それぞれのインデックス3から10の光用同期コードの入力に対して所定のタイミングで8パターンのパターンコードをそれぞれ出力する。
その後、情報機器200は、区切り及び導体の配置パターンを示す基準パターンを出力制御する同期用光コード1を発光する。同期用光コード1は、インデックス1を含むコードである。装置110は、同期用光コード1を受光すると、再度基準パターンを出力する。さらに、情報機器200が、インデックス2から10の同期用光コードを出力すると、同期用光コードの受光に同期して装置110Lは、パリティチェックコード、および情報を伝達するパターンコード列を出力する。インデックス3から10の同期用光コード列に対応するパターンコード列も情報コードと呼ばれる。ただし、光コードと区別するために、パターンコード列を静電容量コードいう場合もある。
このように、情報機器200がタッチパネルを介して基準パターンを認識した後に、同期用光コードを発光して、次の導体パターンを出力制御することにより、確実にタッチパネルが導体パターンを認識することできる。このように、同期用光コードに装置110からのパターンコードの順序位置を示すインデックス(下記10進数)を含めた場合は、情報機器200側で認識することができなかったパターンコードに対して、同一のインデックスを含む同期用光コード1を再度、発光してパターンコードを再出力させることができる。さらに、情報機器200側で指定のインデックスに対応するパターンコードだけを出力させることができる。ただし、必ずしも同期用光コードにインデックスを含めなくてもよい。つまり、情報機器200は、単純に同期用光信号として、1種類のパターン、例えば、すべてのフォトダイオードWPD1からWPD6を受光させる光コードを発行してもよい。すべてのフォトダイオードWPD1からWPD6を受光させる光コードを同期用光コードとする場合には、素子111の認識が不完全でも構わない。情報機器200は、ディスプレイのうち装置110を含む領域全体を発光すればよいからである。その場合は、時間間隔ごとに、順次、パターンコードを出力することになる。しかし、インデックスを設けないと、どのパターンコードを出力しているか認識できなくなり、基準パターン(すべての素子111につながるSW115をON)と、他のパターンですべてのW115がONとなる場合には、基準パターンを認識できなくなる。そこで、すべての素子111がONとなるパターンは基準パターンに限定して用いることにより、情報機器200は基準パターンを認識することができる。さらに、装置110Lは、最初の基準パターンの出力の前や、全OFFとなるパリティチェックパターン、タッチパネルが導体パターンを認識できない場合(エラー等)、タッチムーブ現象(後述)を排除するためのすべての素子111をOFFとするパターンなどと、すべての素子111がOFFとなる情報パターンを区別して認識できない。このため、すべての素子111がOFFとなるパターンはパターンコードから省くことにより、情報機器200による情報パターンの認識が可能となる。その結果、実施形態21のように、3から10の8個の導体パターンが情報パターンとなる場合、本来であれば、5bit×8=40bit(約1100兆コード)の情報量を出力できるが、情報パターンで全ON、全OFFを除くと、記述可能な情報量は5bit=64であることから、(64−2)の8乗=約218兆コードとなる。情報パターンで全ON、全OFFを除くことで、除かない場合と比較して、情報量は1/5程となる。一方、基準パターンと情報パターンを区別するためのフラグを1bit使用すると、パターンコードが記述できる情報は4bit×8=32bit(約43億コード)となり、極端に情報量が減少する。したがって、特定のビット基準パターンと情報パターンを区別する手法に対して、本実施形態の手法は極めて合理的であり、他の実施形態で説明されるパターンコードでも利用できることは言うまでもない。
【0680】
図155は、情報機器200がディスプレイから出力する同期用光コードと、同期用光コードを受光した装置110Lが出力する物理量変化によるパターンコードの関係を例示するタイミングチャートである。まず、通信開始にあたり、装置110Lは、物理量変化による基準パターンを出力する。情報機器200は、タッチパネルで認識する最初のパターンコードが基準パターンであるので、基準パターンのインデックスは1になる。つまり、情報機器200は、基準パターンの認識によってインデックスを1に初期化する。
情報機器200が装置110Lから出力される基準パターンをタッチパネルによって認識した後に、同期信号として同期用光コードをディスプレイから発光する。図では、同期用光コードが表す通し番号(インデックス2〜10、および1)が表示されている。装置110Lは、同期用光コードを認識したら、直ちに当該インデックスのタイミングで出力する情報を表すパターンコードを出力する。
【0681】
図156は、実施形態21におけるエラーチェック方法の一例を示す。図154では、同期用光コードとして、1から10のインデックスを示す光コード、あるいは、単純に、同一の光コードが例示された。しかし、情報機器200は、同期用光コード発光において、当該同期用光コードの発光直前に検知した物理用変化によるパターンコードが表す値(コード値ともいう)をそのまま装置110Lに送り返してもよい。情報機器200が検知した物理用変化によるパターンコードから得られたコード値を次の同期用光コードに含めて装置110に送り返すことで、その都度、装置110はエラーチェックを実行できる。この場合には、装置110Lから情報機器200に出力されたパターンコードがそのまま情報機器200から装置110に送り返されるので、装置110は、物理量変化による出力結果の全ビットをチェックできる。
なお、情報機器200での処理速度と、装置110Lでの処理速度が異なることから、装置110Lは、情報機器200から光コードが送り返される度にエラー結果を情報機器200に通知する必要はなく、任意のタイミングで通知してもよい。
図156では、インデックス0の全SW115がOFFの状態から、インデックス1において、基準パターンが出力される。そして、インデックス1から9の同期用光コードに対して、インデックス2から10の物理量変化によるパターンコードが出力される。例えば、インデックス2の同期用光コードは、インデックス3の同期用光コードであるとともに、その直前に出力されたインデックス2のパターンコードのエラーをチェックするためのコード(以下、エラーチェック光コードという)となっている。
装置110Lは同期用光コードとしてエラーチェック用の光コードを認識した後に、次のパターンコードを出力する。フォトダイオードWPD1からWPD5のうち、少なくと1つが発光しないと、装置110Lは同期信号を受光できない。そこで、図156では、中央のフォトダイオードWPD5が同期用として使用される。すなわち、情報機器200は、すべての同期用光コードの発光時に中央のフォトダイオードWPD5に対してはディスプレイを発光させる。
このような通信手順により、図では、次のように誤り訂正が実現される。図のインデックス5において、装置110Lは物理量変化によるパターンコードCP1では、素子111−1、111−3、111−4をON、素子111−2、111−5をOFFで出力する(素子111の定義は図153のラベルを参照)。一方、インデックス5における装置110LによるパターンコードCP1の出力直後、情報機器200からの同期用光コードCP2は、フォトダイオードWPD3、WPD4、WPD5がON、フォトダイオードWPD1、WPD2がOFFとなっている。このうち、フォトダイオードWPD5は、上述のように同期のために常時ON出力されるビットである。したがって、インデックス5における情報機器200からの同期用光コードCP2は、フォトダイオードWPD1の値がその直前に装置110Lから情報機器200に送信されたパターンコードCP1と相違する。
インデックス5の同期用光コードCP2を受光した装置110Lは、当該光コードCP2のコード値と、自身の出力バッファ183Aまたは183Bに保持したインデックス5で送信済みのパターンコードCP1のコード値と比較し、素子111−1での出力値のエラーを検知する。そこで、装置110Lは、インデックス5で出力済みのパターンコードと同一のパターンコードCP3を再度出力する。図では、この再度出力されたパターンコードCP3のインデックスは5−2と例示されている。ただし、再度の出力時に、装置110Lは、中央の素子111−5をONにする。すると、情報機器200は、中央の素子111−5がONであることから、前回出力済みパターンコード(インデックス5のパターンコード)の再度出力であると認識する。そして、インデックス5Aにおいて、直前に受光したパターンコードCP3に対応する同期用光コードを発光する。以降、装置110Lと情報機器200は、通常の通信に復帰する。このように、情報機器200が直前に検知済みのパターンコードに対応する光コードを装置110Lに送り返すことで、エラーチェックが実現される。
【0682】
図157に、パターンコードが再度出力される他の例を示す。図では、インデックス3においてパターンコードCP4が装置110Lから情報機器200に出力される。パターンコードCP4は、素子111−1と素子111−3がONである。一方、インデックス3で情報機器200から装置110Lに送り返される同期用光コードCP5は、同期ビットであるフォトダイオードWPD5を除いて、フォトダイオードWPD3のみがONである。したがって、装置110Lは、パターンコードCP4のうち、素子111−1のビットがエラーであったと認識する。そして、装置110Lは、インデックス3Aにおいて、パターンコードCP4と同一のパターンコードCP6を再度出力する。以降、装置110Lと情報機器200との通信は通常状態に復帰する。
【0683】
図158は、図156図157における同期用光コードとパターンコードの関係を例示するタイミングチャートである。パターンコードおよび同期用光コードにインデックスがラベルで例示されている。図156図157で説明したように、図の上段(1行目と2行目)のインデックス5において装置110Lが出力するパターンコードを情報機器200が検知したときにエラーが発生している。そして、情報機器200から装置110Lに送り返された同期用光コードによって装置110Lがエラーを検知し、インデックス5Aで前回出力済みのパターンコード(中央の素子111−5がONであり、他の素子の出力は同一)を再度出力する。同様に、図の下段(3行目と4行目)のインデックス3においても、情報機器200から装置110Lに送り返された同期用光コードによって装置110Lがエラーを検知し、インデックス3Aで前回出力済みのパターンコードを再度出力する。
【0684】
[パターンコードの変形例]
図159は、装置110Lがタッチパネルに接触する裏面の他の構成を例示する図である。図のように、装置110Lは、素子111−1から素子111−5を有している。なお、装置110Lは、スイッチSWLを有してもよい。スイッチSWLは、装置110Lがタッチパネルその他の表面に載置されたときに、ONになるスイッチである。また、装置110Lは、スイッチSWLの位置に、情報読取装置を設けてもよい。情報読取装置は、例えば、実施形態9の画像センサ160、実施形態10から実施形態13で例示した画像センサ160D等である。この情報読取装置は、QRコード、ドットコード、カラーコード等の2次元コードや指紋等を読み取る機能を有する。2次元コードを読み取る際には、印刷物であれば、装置110Lから光を照射しない場合には、反射光がないため暗く撮像され、光を照射した場合は、反射光により明るく撮像される。一方、ディスプレイであれば、装置から光を照射しない場合には、ディスプレイが発光していない場合を除いて、明るく撮像される。光を照射した場合では、ディスプレイで照射光が反射しないため、撮像画像に変化がない。以上から、光の照射の有無の結果から、印刷物かディスプレイかを認識できる。一方、ディスプレイに表示される二次元コードは、印刷のような高解像度で表示することはできないため、印刷よりも拡大した二次元コードで表示して情報読取装置で読み取るように切り替えることが望ましい。例えば、二次元コードがドットコードである場合は、印刷では、ドットサイズが0.042mmで、基準ドット間隔は0.508mmであるが、ディスプレイでは、いずれも2倍程度以上にしないと正確にドットパターンを表示できず、読み取りが困難となる。従って、印刷物を撮像する場合とディスプレイを撮像する場合は、どちらかを情報読取装置で判断して、対応するソフトウェアに切り替えて適正に二次元コードを読み取ることができる。
【0685】
なお、図159では、フォトダイオードWPD1等は省略されている。光コードを受光しない場合、フォトダイオードは無くてよい。この例では、素子111−1から素子111−5が例示されている。また、この例では、素子111−1から素子111−5は、出力されるパターンコードのビット1から5に対応する。
【0686】
図160図161は、図159の素子111−1から素子111−5によって出力されるパターンコードを例示する図である。図において、素子111のONは黒色、OFFは白色で例示する。図ではパターンコードの下方に、インデックス1から10と、パターンコードが示すビット値が例示されている。なお、ビット値は、図159のビットの定義による。図において、インデックス1のすべての素子111がONのパターンは、装置110Lが情報機器200に素子111の配置を認識させるとともに、パターンコード列の区切りを示す基準パターンである。情報を示すパターン(情報パターンという)のパターンコードは、基準パターンを除外する必要がある。そこで、図159の例では、情報パターンでは、素子111−1(ビット5に対応)は、常時OFFである。また、インデクス2のパターンコードはパリティチェックパターンに使用使用される。したがって、装置110Lは、インデックス3〜10のパターンコードで、4bit×8=32bit(約43億コード)の情報量を出力できる。ここで、インデックス6の情報パターンは素子111が全てOFF(以下、全OFFパターン)であり、両隣のパターンコードも全OFFである。この場合、情報パターンを認識することが難しい。そこで、図154の同期用光コードにインデックスを含めない場合の説明のように、全ONとなるパターンは基準パターンに限定することにより、基準パターンを認識することができる。さらに、全OFFとなる情報パターンをパターンコードから省くことにより、必ずいずれかの素子がONとなることにより、情報パターンの認識が可能となる。その結果、本実施例のように、3から10の8個の導体パターンが情報パターンとなる場合、情報パターンで全ON、全OFFを除くと、5bit=64であることから、(64−2)の8乗=約218兆コードとなり、大幅に情報量が増加する。
なお、装置110Lは、様々なアプリケーションに対応する情報をパターンコードとして出力する。一例として、装置110LがCPU116等の情報読取装置を有する場合には、情報読取装置で読み取った情報、例えば、ドットコード(32bit)をそのまま出力してもよいし、出力する情報の一部に装置110Lの識別情報(ID)を含めてもよい。
【0687】
図160および図161の特徴は、インデックス1から10で示される基準パターン、パリティチェックパターン、および情報パターンの間にすべての素子111がOFFのパターンコードが挿入されていることが例示できる。全オフパターンは、第1のパターンコードの出力状態から第2のパターンコードの出力状態に変化するときに、タッチムーブの誤検知を抑制するために出力される。ここで、タッチムーブとは、利用者がタッチパネルでタッチ操作を行ったときに、利用者が現在指等をタッチしている位置から、指を離して近傍の位置に所定時間以内の短時間でタッチすると、タッチパネルは、指がタッチしたまま移動したものとみなして検知する操作である。タッチパネルがタッチ操作を検知すると、2つのタッチ操作の間の座標データを補間して出力する。タッチムーブは、例えば、スマートフォン等の機器で、特に近傍の位置を素早くタッチすると検知される。
このように、インデックス1の基準パターン、インデックス2のパリティチェックパターン、インデックス3から10の情報パターンの前にすべての素子111がOFFのパターンコードが挿入される場合には、このすべての素子111がOFFのパターンコードを同期パターンとして利用できる。情報機器200は、各素子111に対応する物理量出力をNOR論理で合成すればよい。すると、図159の素子111−1から111−5のすべての出力がOFFの場合に、情報機器は、論理1を検知し、この全ビットOFFの入力に同期して次の情報パターンと取り込むことができる。
また、この処理では、全ビットOFFのパターンコードをエラーパターンコードとして兼用できる。例えば、第1回目のパターンコードの入力で、あるパターンコードが情報機器200に入力され、次にそのパターンコードのコード値が情報機器200から同じ光コードで返される処理を想定する。そして、前回送信済みのパターンコードのコード値と光コードで返されるコード値が不一致であったとする。すると、装置110Lは、情報機器200にエラーを通知するために、(1)まず、同期パターンコード(全ビットOFF)を出力し、(2)次に、エラーパターンコード(全ビットOFF)を出力し、(3)次に、エラーが発生したパターンを再度出力すればよい。このようにパターンコードを出力することで、情報機器200は、(1)同期パターンの次に、(2)エラーエラーパターンコード(全ビットOFF)を検知し、さらに、パターンコード再度取得できる。
ただし、この処理は、装置110Lからのパターンコードの出力に対して、次の同期パターン出力の前に情報機器200からパターンコードに対応するコード値が光コードとして返信され、時間遅れなく処理できる場合である。なお、仮に、パターンを再度出力が次の同期パターンの発生までに間に合わない場合には、装置110Lは、上記に代えて、(1)の次に、(2)エラーエラーパターンコード(全ビットOFF)を出力し、(3)次に、どのパターンコードでエラーが発生したかを示すインデックスのパターンコードを出力し、(4)次に、次に、エラーが発生したパターンを再度出力すればよい。このようにすることで、情報機器200は、同期パターンの次に、(2)エラーエラーパターンコード(全ビットOFF)を検知し、(3)エラーが発生したインデックスを取得し、(4)パターンコード再度取得できる。
【0688】
図162に、装置110Lによる素子111からのパターンコード出力時にタッチパネルがタッチムーブを誤検出する例を示す。図で出力変化前、素子111−1と111−2がONである。次に、所定時間以内の短時間で素子111−1がOFFとなり、素子111−4がONになったとする。素子111−2の出力は変化がない。今、素子111−1の位置を始点PS(X0,Y0)とし、素子111−2の位置を終点PE(XE,YE)とする。この場合に、タッチパネルは、始点PS(X0,Y0)から終点PE(XE,YE)に至る直線上の複数点PS(X0,Y0),P1(X1,Y1),P2(X2,Y2),...,PE(XE,YE)の座標値をアプリケーションプログラムに出力する。このようなタッチムーブの検出は、タッチパネルのデバイスドライバ等で実行されると考えられる。タッチパネルによっては、途中の座標を出力しないで、素子111−1をタッチの開始として、タッチしたまま素子111−4に移動させたタッチムーブとして、出力する場合もある。
【0689】
図163は、装置110Lからのパターンコードの出力時に、タッチムーブの誤検出を低減するための処理を例示する。すなわち、装置110Lは、第1の情報パターン出力後、第2の情報パターンを出力すときに、一旦すべての素子111がOFFの全OFFパターンを出力する。そして、次に、第2の情報パターンを出力する。試用したスマートフォンにおいて、情報パターンを70ms、同期パターンを100msとすることで、タッチムーブの誤検出は防止できている。なお、スマートフォンの機種によっても異なる。ここで、隣り合う素子111の間隔を広げる(例えば、15mm前後)とタッチムーブの現象の発生は低下する。また、タッチムーブの処理に対応したソフトウェアを開発することにより、本来の素子の位置を認識することが可能である。このような情報機器200の機種の設計値あるいは設定値による制限は、それぞれの機種ごとの設定で変更可能である。ただし、例えば、各機種において、オペレーティングシステム(OS)が実行するデバイスドライバを機種の設計値あるいは設定値に限定されないものに変更することで、このような制限を回避可能である。
【0690】
図160図161に戻り、処理例を説明する。図160のインデックス1では、データブロックの区切りと向きを定めるため、基準パターンが出力される。次に全OFFパターンが出力され、インデックス2では、パリティチェックパターンが出力される。さらに、全OFFパターンが出力され、インデックス3では、ビット列1011に対応する情報パターンが出力される。以降、インデックス10まで同様の処理が繰り返される。
図161により、実施形態21のパリティチェックについて説明する。図でインデックス2のパリティチェックパターンでは、素子111−1:OFF、素子111−2から111−4:ONとなっている。一方、インデックス3から10において、素子111−1は、インデックス3、4、5、8、9、10で1である。したがって、パリティはこれらのビット1を加算して、1+1+1+0+0+1+1+1=1である。したがって、奇数パリティを採用する場合には、パリティチェックパターンにおいて、素子111−1はOFFになる。
同様に、素子111−2について、インデックス3から10におけるビットの加算値は1+1+0+1+0+1+1+1+0=0である。奇数パリティの場合、パリティチェックパターンにおいて、素子111−1はONになる。また、素子111−3について、インデックス3から10におけるビットの加算値は0+1+1+0+0+1+1+1=1である。奇数パリティの場合、パリティチェックパターンにおいて、素子111−3はOFFになる。さらに、素子111−4について、インデックス3から10におけるビットの加算値は1+0+0+0+1+1+0+0=1である。奇数パリティの場合、パリティチェックパターンにおいて、素子111−4はOFFになる。
【0691】
[装置110Lと情報機器200との間の通信処理フロー]
図164Aに、装置110LのCPU116が実行するパターンコード出力処理(装置側同期通信)を例示する。ただし、図164A以下の処理をCPU116が実行する代わりに、ハードウェア回路が実行してもよい。そこで、以下の説明では、各処理フローは装置110Lが実行するものとして説明する。
この処理では、装置110Lは、まず、素子111から基準パターンを出力する(S60)。次に、装置110Lは、情報法機器200からの同期用光コードの受光を待つ。そして、同期用光コードを受光すると、装置110Lは、素子111からパリティチェックパターンを出力する(S61)。そして、装置110Lは、情報パターンの同期出力を実行する(S63)。
次に、装置110Lは、情報機器からの応答を待つ。そして、装置110Lは情報機器200から応答を受光する。そして、装置110Lは、情報機器200からの応答にパリティエラーが示されているか否かを判定する(S67)。なお、S67の処理は、応答が正常応答か否かを判定する処理であってもよい。S67の判定で、パリティエラーが示されている場合、装置110Lは、処理をS60に戻し、再度上記の処理を実行する。なお、S67のパリティエラーが同一のパターンコード列の送信で所定回数以上発生した場合には、装置110Lは、故障であると判定し、処理を終了してもよい。
S67の判定で、パリティエラーがない場合、装置110Lは、次に送信する情報が残っているか否かを判定する。次の情報が残っている場合、装置110Lは、処理をS60に戻し、次の情報を送信する。
なお、図164Aの処理では、装置110Lは、基準パターンを出力後(S60の後)、インデックス2のタイミングでパリティチェックパターンを出力するが、装置110Lは、情報パターンを出力後(インデックス10の後のタイミング)、パリティチェックパターンを出力してもよい。
【0692】
図165に、情報パターン同期出力処理(図164AのS63)の詳細を例示する。この例では、装置110Lは、光同期パターンの受光を待つ(S631)。そして、装置110Lは、同期用光パターンの受光があったか否かを判定する(S632)。そして、装置110Lは、光同期パターンを受光すると、その受光タイミングで次ぎのパターンコードを出力する(S635)。そして、装置110Lは、全パターンコード数分の出力を行ったか否かを判定する(S637)。全パターンコード数とは、例えば、上述の図156図157図160図161等の例では、インデックス3から10の合計8パターンである。そして、全パターンコード数分の出力を完了するまで、装置110Lは、S631からS637の処理を繰り返す。なお、装置をタッチパネルに載置した瞬間や装置を移動させた際には、誤認が発生しやすいため、全パターンコードを所定回数繰り返すのが望ましい。このような場合、基準パターン取得からパターンコードのエラーチャックを開始する必要はなく、タッチパネルで取得した最新の基準パターンを含む必要数のパターンコードを記憶させ、パリティチェックを実施すればよい。もし、パリティチェックエラーが生じた場合は、記憶された最初の情報パターンを省き、新たに取得した必要数の情報パターンで、エラーチェックを行い、エラーが発生しなくなるまで、この処理を繰り返せばよい。エラーチェックの結果、エラーの無い静電容量コードを取得後、光コードでパターンコードの出力を終了させてもよい。
【0693】
図166に、情報パターン同期出力処理(図164AのS63)の他の処理例を示す。図166の処理では、1回のパターンコード出力後にエラーチェックが実行される。この処理においても、装置110Lは、光同期パターンの受光を待つ(S631)。図166のS631の処理は、図165と同一の処理であるが、受光される対象である光同期パターンには、前回出力済みのパターンコードと同じコード値が含まれる。そして、装置110Lは、光同期パターンの受光があったか否かを判定する(S632)。そして、装置110Lは、同期用光パターンを受光すると、装置110Lは、前回出力パターンコードのコード値と同期用光パターンとのコード値を照合する。そして、2つのコード値が一致するか否か、つまりエラーの有無を判定する(S633)。なお、前回出力パターンコードは、例えば、図152に例示の出力バッファ183Aまたは183Bに保持されている。
S633の判定でエラーがない場合、装置110Lは、S632の判定による受光タイミングで次ぎのパターンコードを出力する(S635)。一方、S633の判定でエラーがあった場合、装置110Lは、前回出力パターンコードを再度出力する(S635)。そして、装置110Lは、全ターンコード数分の出力を完了するまで、S631からS637の処理を繰り返す。
【0694】
図165図166は、情報機器200が発光する同期用光コードに同期して装置110Lがパターンコードを出力する処理を例示した。図167では、装置110Lが同期用のパターンコードにつづいて、情報パターンを出力する処理を例示する。なお、この場合、図164Aの装置側同期通信処理のS62の処理では、装置110Lは、まず、同期用のパターンコードを出力し、その後、所定のタイミングでパリティチェックパターンを出力する。続いて、処理は、図167に移動する。この処理では、装置110Lは、まず、同期用パターンコードを出力する(S63F)。同期用パターンコードは、パターンコードで定義可能なパターンのうち、基準パターン、および情報パターンとして使用されないパターンを使用すればよい。例えば、図160の例では、素子111−1から素子111−4までを情報パターンに使用するので、合計16パターン使用可能である。 次に、装置110Lは、情報パターンを出力する(S63G)。次に、装置110Lは、光コードを受光する(S63H)。そして、装置110Lは、前回出力パターンと光コードを照合する(S633)。S633以下の処理は、図166と同様であるので、その説明を省略する。
【0695】
図166図167では、装置110Lがパターンコードを出力後、情報機器200が検知したパターンコードのコード値を同期光コードにコード化して装置110Lに送り返した。つまり、1回のパターンコードの出力に対して、次の同期用光コードによってエラーチェックが実行された。ただし、すでに図152で述べたように、出力バッファ183A等を3以上、例えば、基準パターンから次ぎの基準パターンまでのパターンコード数分用意することで、エラーチェックのタイミングを遅らせることができる。
【0696】
図168は、エラーチェックが基準パターンから次の基準パターンまでのパターンコード列出力後に実行される処理例である。この処理では、装置110Lは、光同期パターンの受光を待つ(S631)。図168のS631の処理は、図166と同一の処理である。そして、装置110Lは、光同期パターンの受光があったか否かを判定する(S632)。そして、装置110Lは、同期用光パターンを受光すると、装置110Lは、同期用光パターンに含まれる返信パターンのコード値をバッファ183等(図152参照)に保存し、次のパターンコードを出力する(S635A)。そして、装置110Lは、次の基準パターンまでのパターンコード列に含まれる全パターンコード数のパターンコードを出力したか否かを判定する(S637)。
装置110Lは、S637の判定で、全パターンコード数のパターンコードを出力した場合、S635の処理で保存した情報機器200からの返信コード値と、送信済みのパターンコードとを比較する(S638)。S638の処理は、全送信パターンコードに対して実行される。そして、装置110Lは、エラー、つまり、返信コード値と送信済みパターンコードの不一致があったか否かを判定する(S639)。
S639の判定で、エラーがあった場合、装置110Lは、例えば、エラーが検知されたパターンコードのインデックスを出力し、さらにエラーが検知されたパターンコードを出力する(S63A)。ここで、インデックスは、図156図157図160図160等で例示した情報パターンの順序位置を示す番号(例えば、図156のインデックス3から10)である。
したがって、この処理では、パターンコードによって定義可能な素子111のONとOFFの組み合わせのうち、一部のパターンコードは、情報パターンとして使用し、残りのパターンコードはインデックスとして使用される。例えば、図160の場合、素子111−1から素子111−4までの4つの素子111のONとOFFとの組み合わせによって16パターンの使用が可能である。
すでに、図159の説明で述べたように、装置110Lは、素子111がすべてONのパターンを基準パターンとして用い、素子111がすべてOFFのパターンコードをエラーパターンコードとして使用できる。また、エラーが発生したパターンコードの再度出力が次の同期のタイミングに間に合わない場合には、装置110Lは、光同期パターンを受けた後、まず、エラーパターンコードを出力し、続いて、インデックスを示すパターンコードを出力すればよい。すなわち、一例としては、S63Aの処理では、エラーパターンコードと、インデックスを示すパターンと、エラーが検知された情報パターン(再度出力)が組になって出力される。なお、1つのパターンコード内にエラービットを設ける場合で、光同期パターンを受けた後、エラーが発生したパターンコードの出力が間に合うのであれば、装置110Lは、インデックスを用いず、一回の出力で、エラービットと、再度出力されるパターンコードを出力してもよい。S63Aの処理は、S638の処理でエラーが検知されたすべてのパターンコードについて実行される。
さらに、装置110Lは、S63Aで出力したパターンコードについて、S638と同様処理、つまり返信パターンを受光し、返信パターンのコード値を送信済みパターンコードを比較する処理を実行する(S63B)。そして、S63Bの処理でエラーが検知されると、装置110Lは処理を63Aに戻し、再出力を繰り返す。ただし、エラー回数が許容限度を超えた場合には、装置110Lは、異常が発生したものとして、処理を終了してもよい。
一方、S63Cの判定でエラーがなかった場合には、装置110Lはパターンコード出力バッファ183A等をクリアして(S63D)、処理を終了する。なお、S639の判定でエラーがなかった場合も、装置110Lはパターンコードパターンコード出力バッファ183A等をクリアして(S63D)、処理を終了する。
図169の処理は、同期用光コードによって同期が取られる代わりに、装置110Lが出力する同期用パターンコードによって同期をとるとともに、エラーチェックが図168のように、1回のパターンコード出力時より遅らせて実行される処理のフローチャートである。図169に、S63F、S63Gの処理は、図167と同様である。次に、装置110Lは、返信された光コードを受光し、バッファ182等に保存する(S63I)。図169のS637以降の処理は、図168と同様である。以上のように、装置110Lが同期用パターンコードを出力する場合も、図168と同様に、一旦、基準パターンから次の基準パターンまでのパターンコード列を出力した後に、エラーチェックを実行できる。
なお、図168図168の処理では、装置110Lは、基準パターンから次の基準パターンまでのパターンコード列を出力した後にエラーチェックを実行し、エラーがある場合に再度エラーが検知されたパターンコードを出力した。しかし、装置110Lの処理が図168図169の例に限定される訳ではない。装置110Lが十分なバッファ183を有する場合には、基準パターンから次の基準パターンまでに含まれるパターンコード列(例えば、図154のインデックス3からインデックス10のパターンコード)の受光処理期間中のどのタイミングでエラーチェックを実行しても構わない。
【0697】
図164Bに、情報機器200が同期用光コードを出力する代わりに、装置110Lが同期用パターンコードを出力する処理を例示する。この素子でも、図164Aと同様、装置110Lは、まず、素子111から基準パターンを出力する(S60)。そして、装置110Lは、情報機器200からの応答が受光されるのを待つ。装置110Lは、情報機器200からの応答を受光し、情報機器200が基準パターンを認識した場合(S6AでYES)、装置110Lは素子111から同期パターンを出力する(S6B)。そして、同期パターンに同期して情報機器200からの光コードを入力する(S6C)。
ここで、S6B、S6Cの処理において、装置110Lは、同期パターンとして様々な形態を使用できる。例えば、装置110Lは同期パターンとして、インデックスを含まない固定のパターンコードを入力してもよい。その場合には、情報機器200は、その固定のパターンコードの入力とタイミングを合わせて、光コードを入力すればよい。
また、装置110Lは、同期パターンとして、インデックスを入力してもよい。その場合には、情報機器200は、入力されたインデックスに対応する光コードを入力するようにしてもよい。すなわち、光コードは、例えば、図72I図154から図158のように、各光コードにインデックスが付与されている。そこで、装置110Lが同期パターンコードを入力する場合に、同期パターンとしてインデックスを指定し、情報機器200は、指定されたインデックスの光コードを発光すればよい。この場合に、情報機器200は、入力された同期パターンコードの各ビット値のOR論理で同期信号を生成し、タイミングを調整して光コードを発光すればよい。
また、装置110Lは、同期パターンコードとして、情報機器200から直前に入力された光コードをそのまま返信してもよい。この場合に、情報機器200は、同期コードの各ビット値のOR論理で同期信号を生成し、タイミングを調整して光コードを発光すればよい。また、この場合に、情報機器200は、同期パターンコードとして入力されたコード値と、直前に光コードの発光で装置110Lに送信した光コードとを比較して、エラーチェックを行ってもよい。
次に、装置110Lは、1情報コード分(1データブロック内の情報を示す光コード)の光コードを取得したか否かを判定する(S6D)。ここで、1情報コード分とは、図72Iで説明したように、データブロックの区切りから次の区切りまでの一連の光コードをいう。1情報コード分の光コードの取得が完了していない場合、装置110Lは処理をS6Bに戻す。1情報コード分の光コードの取得が完了した場合には、装置110Lは、次の情報を取得するか否かを判定する(S6E)。
次の情報を取得する場合とは、予め決まった情報の光コードを入力する場合で、すべての情報コードを取得していない等である。次の情報を取得する場合には、装置110Lは、制御をS6Bに処理を戻す。
以上のように、情報機器200が同期用光コードを出力する代わりに、装置110Lが同期用パターンコードを出力する場合には、基準パターン取得からパターンコードのエラーチェックを開始する必要はない。情報機器200は、基準パターンに限定されるどのようなパターンコードからも座標値を取得し、蓄積でき、基準パターンを受け、かつ、静電容量コード(1つのデータブロック)のパターンコードが揃った時点で蓄積した座標値からパターンコードを特定すればよいからである。したがって、装置110Lは、タッチパネルで取得した最新の基準パターンを含む必要数のパターンコードを記憶させ、パリティチェックを実施すればよい。もし、パリティチェックエラーが生じた場合は、記憶された最初の情報パターンを省き、新たに取得した必要数の情報パターンで、エラーチェックを行い、エラーが発生しなくなるまで、この処理を繰り返せばよい。
装置110Lがインデックスと再度出力されるパターンコードを対にして出力することで、情報機器200にインデックスを検知させることができる。情報機器200は、インデックスを検知すると、エラーが発生したパターンコードの再度の出力であると認識し、取得済みのパターンコードを修正すればよい。
【0698】
図170Aは、情報機器200側の同期通信処理を例示するフローチャートである。なお、すでに述べたように、情報機器200のハードウェア構成は、実施形態0で説明したコード認識装置3と同様であるので、その説明を省略する(図5参照)。この処理では、情報機器200(図5のCPU51)は、タッチパネルで装置110Lの基準パターンを検知する(S70)。そして、情報機器200は、基準パターンが検知されたか否かを判定する(S71)。基準パターンが検知されない場合、情報機器200は、さらに、処理を終了するか否かを判定する(S72)。例えば、情報機器200は、所定時間以上基準パターンを検知できない場合には、処理を終了してもよい。一方、処理を終了しない場合、情報機器200は、処理をS70に戻す。なお、ユーザが判断して、終了してもよい。
S71の判定で情報機器200は、基準パターンを検知すると、フォトダイオードWPD1等の位置を特定し、光同期パターンを発光する。フォトダイオードWPD1等の位置の特定の仕方は、実施形態17(図140のS11)と同様である。すなわち、例えば、図153に例示のように、素子111−1から111−6の配置に対して、フォトダイオードWPD1からWPD6(図159の場合には、フォトダイオードWPD1からWPD5)の配置は、装置110L上で概ね固定されている。多少の移動は、基準パターンを検知した際に、各素子の検知位置を中心に所定の領域をバウンディングボックスとして設定し、若干の移動後に検知した素子の位置がバウンディングボックスに収まれば、パターンコードを認識できる。さらに、新たに検知した位置を中心に所定の領域をバウンディングボックスとして再設定すれば、装置が移動した分の補正が可能であり、それを繰り消すことにより、移動が継続中であっても正確にパターンコードの取得が可能となる。この処理は、装置110Lが他のパターンコードを認識する場合も使用できることは言うまでもない。したがって、装置110Lは、基準パターンを検知し、素子111の配置が特定できれば、フォトダイオードWPD1等の位置を一意に特定できる。もちろん、装置110Lが移動した場合の素子の配置の補正毎に、フォトダイオードWPD1等の位置を一意に特定できる。そして、情報機器200は、フォトダイオードWPD1等のそれぞれの位置に対応するディスプレイの位置で同期用光パターンを発光する(S73)。
次に、情報機器200は、タッチパネルによりパリティチェックパターンを検知する(S74)。そして、情報機器200は、情報パターン同期入力処理を実行する(S75)。そして、情報機器200は、S75で入力されたパターンコードのコード値に対するパリティチェックを実行し、応答信号を発光する(S76)。パリティチェックにエラーが生じた場合、再度、基準パターンから出力を再開する。なお、そして、情報機器200は、処理を終了するか否かを判定する(S77)。例えば、利用者がタッチパネル等のメニュー画面から処理の終了を選択した場合には、情報機器200は、処理を終了する。情報機器200は、処理を終了しない場合には、S70の処理に移動する。ここで、パリティチェックパターンでエラーを検出せず、情報機器200が正しい情報コードを取得した際に、情報コード取得終了を示す光コードを発光して、装置110Lからのパターンコードの出力を終了させてもよい。なお、基準パターン取得からパターンコードのエラーチェックを開始する必要はなく、タッチパネルで取得した最新の基準パターンを含む必要数のパターンコードを記憶させ、パリティチェックを実施すればよい。もし、パリティチェックエラーが生じた場合は、記憶された先頭の情報パターンを省き、新たに取得したパターンコードを含め必要数の情報パターンで、エラーチェックを行い、エラーが発生しなくなるまで、チェック対象のパターンコードをずらしながら当該処理を繰り返しせばよい。
【0699】
図171は、情報機器200による情報パターン同期入力処理(図170AのS75)の詳細を例示する処理のフローチャートである。この処理は、装置110Lでの情報パターン同期出力処理(図166)に対応する情報機器200側の処理である。
この処理では、情報機器200は、装置110Lから出力されたパターンコードから復号され、装置110Lに返信するコード値を含む同期用光パターンコードを作成する(S750)。そして、作成した同期用光パターンコードを発光する(S751)。
次に、同期用光パターンコードに同期して装置110Lからのパターンコードを入力する(S752)。そして、入力されたパターンコードにエラー指定があるか否かを判定する。エラー指定がある場合とは、例えば、図156のように、エラーを示す中央の素子111−5がONの場合である。エラーを示す中央の素子111−5がONの場合には、情報機器200は、S752の処理でエラーの指定と、再度入力されるパターンコードを同時に入力する。なお、エラー指定がある場合とは、例えば、情報パターン以外のインデックスが入力された場合であってもよい。情報パターン以外のインデックスが入力された場合には、情報機器200は、さらに、次の同期用光信号を出力して、次の再度出力されるパターンコードを入力する。
そして、エラーがなかった場合には、情報機器200はS752で入力されたパターンコードを新規パターンコードとして、コード値を保存する(S754)。一方、S753の判定で入力されたパターンコードにエラー指定があった場合には、エラーが指定された、すでに入力済みのパターンコードを修正する。例えば、図156のように、エラーを示す中央の素子111−5がONの場合には、情報機器200は、S752で入力されたパターンコードにより、直前に入力済みのパターンコードのコード値を修正する。また、例えば、インデックスでエラーが指定された場合には、インデックスに対応するパターンコードのコード値を修正する。そして、情報機器200は、基準パターンから次の基準パターンまでのパターンコード列の全数が入力されたか否かを判定する。全数が入力されていない場合に情報機器はS750の処理に戻る。
ここで、エラーを示す中央の素子111−5がONの場合とあるが、図154および図160の説明中に情報パターンから、全ONの基準パターンと全OFFのパターンを省くパターンコードで情報パターンを定義することを記載したが、さらに、エラーを示すパターン1個(例えば、5の素子のみON、他をOFFとしたパターン)を情報パターンから省き、当該パターンをエラーが発生したことを出力するエラーパターンとしてもよい。その後に、インデックスと情報パターンを再出力すればよい。これにより、5bit=64であることから、(64−3)の8乗=約191兆コードとなり、4bit×8=32bit(約43億コード)と比べて、大幅に情報量が増加する。
【0700】
図171の処理で、装置110Lから情報機器200にエラー指定のあるパターンコードが出力されるタイミングに制限はない。つまり、図166のように、装置110Lが1回のパターンコードの出毎にエラーをチェックし、エラーのあったパターンコードを再度出力場合でも図171にしたがって、情報機器200はエラーのあったパターンコードを修正できる。また、図168のように、装置110Lがパターンコード全数出力後にエラーをチェックし、エラーのあったパターンコードを再度出力場合でも、図171にしたがって情報機器200はエラーのあったパターンコードを修正できる。また、装置110Lが基準パターンから次の基準パターンまでの任意のタイミングでエラーのあったパターンコードを再度出力場合でも、図171にしたがって情報機器200はエラーのあったパターンコードを修正できる。
なお、図171の処理では、基準パターンから次の基準パターンまでのパターンコード列の最後パターンコードについてのエラーチェックが省略されている。最後のパターンコードのコード値は、情報機器200が装置110Lに次の基準パターンを出力させるときの同期用光パターンに含めることで、エラーチェックがなされる。
なお、装置110Lが図165のように、単純に同期用光パターンに同期するのみで、エラーチェックを実行しない場合には、図171のS750の処理を省略してもよい。S750の処理が省略される場合には、情報機器200側のエラーチェックとしては、図170Aのパリティチェック(S76)がだけ実行される。ただし、パリティチェックと、図171のS750、S751により、情報機器200に入力されたパターンコードを装置110Lに返信することによる装置110Lでのチェック処理の両方が行われてもよい。
【0701】
図172は、情報機器200が装置110Lから同期用パターンコードを入力する場合の情報機器200の処理例である。この処理では、情報機器200は、同期用パターンパターンコードを入力する(S752A)。次に、情報機器200は、同期用パターンパターンコードの入力から所定のタイミングで情報パターンを入力する(S752B)。S753以下の処理は、図171と同様である。
以上述べたように、実施形態21では、同期用光パターンにしたがって、装置110Lはパターンコードを出力し、情報機器200は、受信したパターンコードによるコード値を装置110Lにエラーチェック用の光コードを送信する。したがって、装置110Lと情報機器200とは、素子111からの物理量変化の出力と、情報機器200のディスプレイからの光コードの発光により、いわば双方向同時に通信可能である。また、装置110Lは、素子111からの物理量の変化によるパターンコード出力とフォトダイオードWPD1からWPD5等によるエネルギーの到来量の検出を、少なくとも1部が重複する時間で実施する。
【0702】
[タッチパネルの位置情報通知処理アプリケーション]
実施形態21では、情報機器200がタッチパネル上で素子111からの物理量変化を検知した位置の座標を装置110Lに通知する処理を例示する。このような処理によって、装置110Lは、素子111から物理量変化によるパターンコードを出力することで、情報機器200からタッチパネル上の座標を取得できる。その結果、装置110Lは、例えば、情報機器200のディスプレイ上に表示されたグラフィックスオブジェクトのレイアウト情報を有している場合には、グラフィックスオブジェクトに応じた処理を実行できる。例えば、装置110Lは、特定のボタン、メニュー、アイコン等が装置110Lの素子111によってアクセスしたことを認識できる。
ここで、装置110Lがどの特定のボタン、メニュー、アイコン等にアクセスしたかを認識するためには、情報機器200のタッチパネルからどの特定のボタン、メニュー、アイコン等にアクセスしたかを、光コードを発光して、装置110Lのフォトダイオードに検知させ認識させる必要がある。このように、装置110Lが特定のボタン、メニュー、アイコン等にアクセスしたかを認識することによって、アクセスした様々な情報を装置110Lに記憶(ログに記録)することができる。この様々な情報としては、クーポンやポイントなどの特典や、特定の情報にアクセスできる鍵、ゲーム等で獲得したアイテム・ポイント、購入したチケットや仮想通貨等、どのような情報であってもよい。これらを取得することによって、装置110Lは対応する操作・処理を情報コードで出力することができる。図示しないが、装置110Lにポインター(矢印や突起等)を設け、装置110Lから出力された基準パターンにより、ポインターが指示した情報機器200上の位置情報を取得することができ、どの特定のボタン、メニュー、アイコン等にアクセスしたかを視認し易くすることもできる。
図170Aでは、まず、基準パターンを取得し、最初にパリティチェックパターンを検知した後、情報パターンを同期入力する処理を例示した。しかし、そのような処理に代えて、基準パターンの検知の有無に拘わらず、情報機器200が装置11Lから入力される物理量変化の座標位置をとりあえず保存しておき、基準パターンと、パリティチェックパターンと、1つの静電容量コード(情報コード)分のパターンコードが入力されたときに、座標位置からパターンコードを特定してもよい。このような処理は、装置110Lが同期パターンコードとともに情報パターンを入力する場合に有効である。
図164Cに、同期パターンコードと同期させて情報パターンを情報機器200に入力する装置110Lの処理を例示する。この処理では、装置110Lは、まず、基準パターンを出力する(S60)。次に、装置110Lは、素子から同期パターンコードに同期してパリティチェックパターン同期出力する(S62A)。さらに、装置11Lは、素子から同期パターンコードに同期して情報パターンを所定数分だけ同期出力する(S63A)。そして、装置110Lは、情報機器200から応答の受光があったか否かを判定する(S6H)。所定の時間待っても、情報機器200から応答の受光がない場合、装置110Lは、この処理が所定回数内か否かを判定する(S67A)。
そして、所定回数内の場合、装置110Lは、制御をS60に戻し、同様の処理を繰り返す。すなわち、同期パターンコードと同期させて情報パターンを入力する場合に、情報機器200での物理量検知処理に対応して、基準パターン、パリティチェックパターン、および所定数の情報パターン(静電容量コード、情報コード)を含むデータブロックの出力を所定回数繰り返せばよい。一方、S6Hの判定で、情報機器200からの応答受光があった場合には、情報機器110Lは、次の情報コードを出力するか否かを判定する(S68A)。そして、さらに次の情報コードを出力する場合には、処理をS60に戻す。
以上のように、装置110Lが同期パターンに同期して情報パターンを入力する場合には、所定回数、基準パターン、パリティパターンコード(必要な場合以外は省略してもよい)、および所定個数の情報パターンを繰り返し出力すればよい。
【0703】
図170Bに、基準パターンの検知の有無に拘わらず、パターンコードを入力する情報機器200の処理を例示する。
この処理では、まず、情報機器200では、パターンコード入力のためのアプリケーションプログラム(Gアプリケーションともいう)が起動される(S80)。そして、情報機器200は、パターンコードを検知したか否かを判定する(S81)。パターンコードを検知できない場合、情報機器200は、処理をS81に戻し、パターンコードの入力を待つ。
一方、S81でパターンコードを検知できた場合、情報機器200は、基準パターンを検知したか否かを判定する(S82)。情報機器200は、基準パターンを検知した場合、座標の向きを決定する(S83)。次に、情報機器200は、パリティチェックパターンを入力する(S84)。一方、S82の判定で、情報機器200は、基準パターン以外のパターンコードを検知した場合、情報機器200は、とりあえず、物理量変化が検知された座標値をメモリ等に保存する(S85)。基準パターン以外のパターンの場合、座標の向き、つまり、装置110Lの素子の配置を特定できるとは限らないからである。
そして、情報機器200は、1情報コード(つまり1静電容量コード)の取得が完了したか否かを判定する(S86)。1情報コードの取得が完了していない場合、処理をS87に進める。そして、機器200は、同期パターンコードの入力を待つ(S87)。同期パターンコードが入力されると(S88でYES)、情報機器200は、同期パターンコードに合わせて所定のタイミングで情報パターンの座標値を入力する(S89)。そして、情報機器200は、情報パターン入力時に検知した座標値をメモリ等に保存する(S8A)。そして、情報機器200は、処理をS86に戻す。 以上のように、装置110Lが同期パターンに同期して情報パターンを入力する場合には、情報機器200側では、、装置110Lと連携するアプリケーションプログラム(Gアプリケーション等)を起動して、パターンコードの入力を待てばよい。この場合に、必ずしも、基準パターンが取得できなくても、基準パターン、パリティパターンコード(必要な場合以外は省略してもよい)、および所定個数の情報パターンのいずれかを順に取り込めばよい。そして、複数回のデータブロックの入力で、基準パターン、パリティパターンコード(必要な場合)、および所定個数の情報パターンが揃った時点で、情報機器200は、所定個数の情報パターンの座標値から情報パターンを特定すればよい。したがって、情報機器200は、基準パターン、パリティパターンコード(必要な場合)、および所定個数の情報パターンの順にパターンコードを入力する場合と比較して、高速処理が可能である。
一方、S86の判定で、1情報コードの取得が完了した場合,情報機器200は,メモリ等に保存してある座標値からパターンコードを決定する(S8B)。そして、情報機器200は、パリティチェック等を行い、応答信号の光コードを装置110Lに発光する(S8C)。そして、情報機器200は、処理を終了するか否かを判定する(S8D)。処理を終了しない場合、情報機器200は、処理をS81に戻し、次の情報コード取得処理に入る。
【0704】
図173は、装置110Lからのパターンコードの出力に応じて情報機器200がタッチパネル上の位置座標を送信する処理例である。この処理では、例えば、装置110Lは、上述のように、基準パターンを通知することで、素子111の位置を情報機器200に認識させ、同期用光コードを受光する。そして、装置110Lは、同期用光コードにしたがってパターンコードを出力し、情報機器200に種々の要求を送信する。また、装置110Lは、同期パターンコードを出力することにより、装置110L自身のパターンコードに同期して情報パターンを出力する。今、このような状態で、情報機器200が装置110Lからの座標送信要求待ちの状態にあるとする(S100)。
そして、情報機器200が装置110Lから座標送信要求を検知すると(S101でYES)、情報機器200は、座標送信要求が検知されたときのパターンコードの各素子111の座標を取得する(S102)。そして、情報機器200は、光コードを発光することで、取得した座標を装置110Lに送信する(S103)。次に、情報機器200は、処理を終了するか否かを判定する(S104)。例えば、利用者が本処理を実行するアプリケーションの終了を指示した場合には、情報機器200は処理を終了する。また、装置110Lからの情報コード出力で、情報機器200に処理を終了させてもよい。
【0705】
図174に、装置110Lによる位置座標受信処理のフローチャートを例示する。この状態では、すでに装置110Lは座標送信要求を情報機器200に送信し、その応答を待っているとする。この処理では、装置110Lは、情報機器200から光コードを受光する(S110)。そして、装置110Lは、光コードから座標値を取得する(S111)。取得する座標は、複数の素子111に対応して複数個あってもよい。
次に、装置110Lは、座標値に応じた処理を実行する(S112)。例えば、装置110Lは、情報機器200のディスプレイ上で座標値の位置にあるアイコンに応じたアプリケーションを実行する。例えば、アイコンが装置110Lからの情報取得要求を意味するアイコンの場合には、装置110Lは、メモリ117等から要求された情報を取得し、情報機器200にパターンコードのフォーマットにしたがって出力する。そして、装置110Lは、処理を終了するか否かを判定する(S113)。例えば、座標値が終了を意味するアイコンに包含される座標である場合には、装置110Lは、処理を終了する。ここで、装置110Lのフォトダイオードが光コードによる情報機器200上の位置情報を認識することにより、装置110Lが情報機器200上のどの位置、どの方向で載置されたかを認識できる。これにより、装置110Lは、その位置、方向に対応する操作・処理を情報コードで出力することができる。さらに、その位置、方向の情報を装置110Lに記憶(ログに記録)することができる。情報機器200上に表示された地図やゲーム画面に装置110Lを載置すると、図示しないが、その位置、方向から計算される装置110Lの一部であるポインター(矢印や突起等)の座標値により、ユーザがどの位置を指示したかが認識でき、その位置に対応する操作・処理を情報コードで出力することができる。このポインターにより、ユーザがどこを指示しているかを視認し易くできる。
【0706】
[物理量出力値の調整]
図175および図176により、装置110Lが出力する物理量の出力値を情報機器200との間で調整する処理を例示する。この処理は、装置110LのCPU116が調整プログラムを起動することによって実行される。この処理では、装置110LのCPU116は、SW115のON駆動信号およびOFF駆動信号を所定の範囲で走査し、素子111から物理量を出力し、情報機器200から物理量の検知結果を取得する。
装置110Lは、SW115のON駆動信号およびOFF駆動信号を所定値に設定する(S121)。ここで、SW115のON駆動信号とは、例えば、SW115に含まれるトランジスタをONにするためのゲート駆動信号である。SW115のOFF駆動信号とは、例えば、SW115に含まれるトランジスタをOFFにするためのゲート駆動信号である。
そして、装置110Lは、SW115を上記ON駆動信号およびOFF駆動信号で駆動して試験パターンのパターンコードを情報機器200のタッチパネルに出力する。そして、SW115のON駆動信号およびOFF駆動信号を所定範囲で走査して、処理を繰り返す(S122)。そして、所定範囲の走査が終了すると、装置110Lは、情報機器200から、上記操作範囲のうち、適正なON駆動信号振幅およびOFF駆動信号振幅を取得し、SW115のON駆動信号およびOFF駆動信号に設定する(S123)。S123の処理は、物理量の変化の調整を、前記半導体スイッチを導通状態にする駆動信号の信号振幅と、前記半導体スイッチを遮断状態にする駆動信号の信号振幅によって実施する処理例の1つである。
【0707】
図176は、情報機器での試験パターン検知に基づく適正ケース決定処理を例示するフローチャートである。この処理では、情報機器200は、装置110LからSW115のON駆動信号およびOFF駆動信号を所定範囲で走査した複数の試験ケースでの物理量出力をタッチパネルで検知する(S130)。そして、情報機器200は、検知したの試験パターンと正解パターンを比較する。情報機器200は、このような検知したの試験パターンと正解パターンの比較を上記複数の試験ケースで実行する。そして、情報機器200は、正解パターンが最も多い試験ケースの場合に対応するSW115のON駆動信号およびOFF駆動信号の設定値を装置110Lに通知する(S133)。
以上の手順によれば、装置110Lは、SW115のON駆動信号およびOFF駆動信号を適正値に設定できる。SW115のON駆動信号を適正値に設定することで、装置110Lは、SW115を確実にONにできる。一方、SW115のOFF駆動信号を適正値に設定することで、例えば、SW115に含まれるダイオード、トランジスタ等の空乏層の形成に伴う、接合容量の影響を軽減できる。
また、例えば、情報機器200のタッチパネルが交流信号によって装置110Lの素子111との間の静電容量、あるいは、素子111からの電界強度を検知する場合、SW115の接合容量を無視できない場合がある。例えば、SW115がOFFであるにも拘わらず、SW115の接合容量(寄生容量、浮遊容量ともいう)により、交流信号がSW115を流れる場合が想定される。上記図175および図176の処理によって、SW115の接合容量の影響が軽減され、情報機器200は、良好に装置110Lからの物理量または物理量変化を検知できるようになる。
【0708】
<実施形態22>
図177に実施形態22に係る装置110Mのタッチパネルに接触する裏面の構成を例示する図である。なお、本実施形態で説明する装置110Mの構成は、上記実施形形態0のコード発生装置1、実施形態1から実施形態9、実施形態20、および実施形態21の装置110から110L(以下単に装置110等)に適用してもよい。また、上記実施形形態0のコード発生装置1、実施形態1から実施形態9、実施形態20、および実施形態21の装置110から110L(以下単に装置110等)の構成を本実施形態の装置110Lに適用してもよい。
実施形態22の装置110Mは、タッチパネルに接触する円形状の裏面を有する。図のように、装置110Mは、裏面の中央付近に情報読取部11を有する。また、装置110Mは、情報読取部11の周囲に、円形状に配置された6個のフォトダイオードWPDを有する。さらに、装置110Mは、6個のフォトダイオードWPDの周囲に円形状に配置された素子111を有する。
図177の構成とすることで、円形状の裏面内で、素子111間の距離を可能な限り確保できる。そのため、情報機器200のタッチパネルが複数の素子111から静電容量、電界強度等の物理量を検知する際、素子111と素子111との相互作用による影響を軽減できる。素子111と素子111との相互作用により、例えば、1つの素子111がONになった場合に、隣接するOFFの状態の素子111によって、ONの状態の素子111からの物理量、例えば、静電容量あるいは電界強度が大きく検知される場合がある。素子111間の距離を装置110Mの底面内で可能な限り確保することで素子111間の相互作用による影響を低減できる。
【0709】
図178は、装置110Mの変形例である。図178のように、装置110Mは、情報読取部11の周囲に、円形状に交互に配置素子111とフォトダイオードWPDを配置してもよい。
【0710】
<実施形態23>
図179から図193により実施形態23に係る装置110Nについて説明する。本実施形態では、装置110Nの形状、構造、外観等の一例を説明する。なお、本実施形態で説明する装置110Nの構成は、上記実施形形態0のコード発生装置1、実施形態1から実施形態9、実施形態20から実施形態22の装置110から110M(以下単に装置110等)に適用してもよい。また、上記実施形形態0のコード発生装置1、実施形態1から実施形態9、実施形態20から実施形態22の装置110等の構成を本実施形態の装置110Nに適用してもよい。
実施形態23では、装置110Nは、カード型、つまり平板型の基材を用いて形成される。ただし、装置110Nがカード型に限定される訳ではなく、実施形態0のコード発生装置1ような筐体を有するものでもよいし、箱形等であってもよい。また、装置110Nが様々なキャラクター商品の一部に形成されてもよい。以下、カード型または平板型の筐体を例に説明する。ここで、筐体とは、一般には機器を納める箱をいうが、以下の実施形態23では、カードの基材の内部に電子部品、配線等が封入され、閉じ込められた場合、カードの基材と基材の間に挟み込まれた場合、あるいは、カードの基材に形成された凹部に取り付けられている場合も、カードの基材を筐体という。なお、筐体は、実施形態0のコード発生装置1の外形構造等であってもよい。
【0711】
図179は、装置110Nのうち、情報機器200のタッチパネルに接触させる裏面の外観を例示する。情報機器200の裏面には、筐体に複数、例えば、5個の素子111と、複数のフォトダイオードWPDと、光電変換素子配列112が設けられる。なお、他の図との関係を明示するため、5個の素子111のうち、2個を素子111−1、111−2としている。また、情報機器200の裏面に素子111が設けられる部分を除外して印刷可能なコーティング層で被覆される。
なお、コーティング材料が誘電率の高い非導電材料であれば、素子の表面にコーティングしてもよい。その際は、素子を目隠しするための印刷または有色のコーティングとする。また、コーティング層を2層構造とし、下地のコーティング層に印刷を行い、その上に印刷を被覆する透明のコーティング層を形成してもよい。コーティング層の材質に制限はなく、人体に無害で耐久性のある材料が望ましい。ただし、コーティング層は必須ではなく、露出したカード基材等の筐体表面に対して印刷を行ってもよい。コーティング材は、少なくとも光電変換素子配列112およびフォトダイオードWPDが設けられる部分は透明材料である。ただし、情報機器200の裏面を被覆するコーティング材全体が透明であってもよい。印刷がなされる場合には、光電変換素子配列112およびフォトダイオードWPDが設けられる部分以外の部分に印刷がなされる。なお、少なくともRGBのいずれかの光が透過するインクを用いればフォトダイオードWPDが設けられる部分に印刷しても構わない。
図179で点線は装置110Nの内部の構成を例示する。装置110Nの内部には、制御部が設けられ、素子111、フォトダイオードWPD、光電変換素子配列112等は制御部と配線で接続される。制御部には、例えば、図151のCPU116、メモリ117、コンデンサ123、コンパレータ118、図152のバッファ182、排他論理和回路181、出力バッファ183A、183B、駆動回路180、セレクタ184等が設けられる。
図179では、省略されているが、光電変換素子配列112とコーティング層との間に、コーティング層を支持する光が透過可能な支持構造M1(図182参照)が形成されている。また、フォトダイオードWPDは基材内部に設けられ、装置110Nの裏面の透明なコーティング材で被覆された開口から光がフォトダイオードWPDに入射する。薄型のカードでない他の形態では、装置110Nの裏面の光が入射する開口部分は、コーティングをしないで、開口したままにしておいてもよい。
【0712】
図180は、装置110Nを図179における「A断面」矢印を通り、紙面に垂直な平面で切断した断面(以下、A断面)の断面図である。図181は、装置110Nを図179における「B断面」矢印を通り、紙面に垂直な平面で切断した断面(以下、B断面)の断面図である。図181は、装置110Nを図179における「C断面」矢印を通り、紙面に垂直な平面で切断した断面(以下、C断面)の断面図である。図180から図182は、いずれも装置110Nの上側が表面であり、下側が裏面である。
図180のように、素子111を含む断面部分で、表面側のコーティング層の下または内側には、導電層114Aが設けられる。導電層114Aは、実施形態1等の接触導体114と同様の構造である。導電層114Aは、板状またはシート状の導電材料で形成されるが、導電インクで、印刷して形成してもよい。。コーティング層を設けないで、導電層114Aが装置110Nの表面に露出するようにしてもよい。
装置110Nには、筐体内部に素子111と同数のSW115が設けられる。なお、図180では、素子111−1、11−2、SW115−1、SW115−2が例示されている。導電層114Aと、SW115と、素子111とは配線で接続される。つまり、それぞれの素子111は、1以上の物理量制御部であるSW115を介して導電層114Aと導電路(配線)で接続されている。
したがって、利用者の人体の一部、例えば指が装置110Nの導電層114Aにコーティング層を通してタッチ操作すると、通電制御(ON)されたSW115および素子111を介して、静電容量、あるいは電界強度等の物理量の変化が装置110Nの裏面に生じる。情報機器200は、タッチパネルを介して装置110N裏面の物理量の変化を検知し、素子111の存在を検知する。したがって、利用者は、装置110Nの表面で導電層114Aが設けられる部分のどこをタッチ操作しても、タッチ操作による効果を情報機器200のタッチパネルに伝達できる。タッチ操作は、利用者の指で行ってもよいし、利用者が導体を手に保持し、導体によって行ってもよい。この意味で、装置110Nの筐体の裏面は、相手装置に作用させるための作用面の一例ということができる。

なお、表面のコーティング層は、導電性を有することが望ましいが、導電性が低い場合であっても、誘電率がある程度高い場合には、利用者のタッチ操作により、装置110N裏面に上記物理量の変化が生じる。ただし、上述で説明したように、コーティング層はなくてもよい。
【0713】
図180図181図182のように、装置110Nの基材の裏面側には、基材の側壁WW1、WW2で囲まれた凹部が形成されている。そして、図180図181のように、素子111およびフォトダイオードWPDを含む凹部内の領域には充填材料M2が充填される。また、図182のように、光電変換素子配列112の裏面側には支持構造M1が形成される。
上述のように、装置110N裏面側の凹部のうち、素子111、フォトダイオードWPDを含む領域には、充填材料M2が充填された層が形成されている。充填材料M2の層は、装置110Nのうち、素子111の周辺を含む部分で、導電層114A、素子111、SW115、コーティング層を除く基材の中空部分に非導電性(つまり、絶縁性)で、かつ、低誘電率の充填材料を充填して形成される層である。充填材料M2は、例えば、空隙を多数含むハニカム構造、空気を閉じ込めたナノカプセルを例示できる。このような充填材料M2は、空気を多く含むので、導電率および誘電率を極めて低く、例えば、空気に近い程度となるものもある。充填材料M2は、基材の中空部分に充填され、耐力面材を形成する。
このような充填材料の商品例として、帝人株式会社製のエアロカプセル(登録商標)を例示できる。エアロカプセル(登録商標)は、高中空構造糸とも呼ばれ、糸の中に大きな空洞を作り、繊維そのものの中に大量の空気を封じ込めたものである。高中空構造糸は、中空率を極限にまで高め、大量の空気を含む。ただし、充填材料M2がエアロカプセル(登録商標)、あるいは高中空構造糸に限定される訳ではない。充填材料M2は、装置110Nの厚さに大きく起因するもであり、一定の厚さ(2〜3mm程度)以上であれば、誘電率の比較的低い非導電体を使用すればよい。
ただし、充填材料M2がナノカプセルあるいは高中空構造糸に限定される訳ではない。誘電率が空気に近い2未満の材料として、いわゆるlow−k膜を例示できる。例えば、文献ULVAC TECHNICAL JOURNAL No.66 2007 pp.8-12)に例示されているように、様々な多孔質物質、例えば、多孔質シリカ材をベースにした物質で非誘電率が2未満の物質が提案されている。
充填材料M2により、装置110Nの表面および裏面を支持するとともに、利用者の指等の存在よる情報機器200のタッチパネルの物理量検出への影響を低減できる。つまり、SW115のONとOFFによって素子111に生じる物理量の変化を情報機器200が検知するときに、利用者の指等の影響がSW115のONとOFFによるの物理量の変化に重畳されることがある。これは、利用者の指等が装置11Nに接触することによる物理量の変動が原因と推定される。また、装置110Nの電気回路と情報機器200の電気回路とが相互に作用し、カップリングすることによる物理量の変動がSW115のONとOFFによって素子111に生じる物理量の変化に重畳すると推定される。基材に凹部を設け、基材を中空にすることによって、筐体裏面側から筐体表面側の導電層114、あるいは筐体内部に配置されるSW115、配線層、制御部等までに空気層を形成できる。経験的には、空気層が0.1〜0.2程度あれば、人体、あるいは、装置110Nの電気回路等と情報機器200との間の相互作用を無視出来る程度まで小さくできることが分かっている。つまり、基材に凹部あるいは空洞を設けることで、上記物理量の変動の影響等を低減できる。ただし、裏面側には、素子111を配置する作用面を形成することが望まれる。そこで、実施形態23では、カードの基材凹部に、低誘電率項絶縁性の充填材料M2が充填される。なお、充填材料M2としては、上記物理量の変動を抑制できる材料であればどのような材料でもよい。充填材料M2は、低誘電率絶縁材料の一例である。また、充填材料M2の層は支持層の一例である。
充填材料M2の充填により、SW115は、情報機器200のタッチパネル表面から所定以上の距離を維持し、かつ、SW115とタッチパネル表面との相互作用を抑止できる。SW115と情報機器200のタッチパネル表面との望ましい距離については、[静電容量の限界値]の節で説明する。なお、充填材料M2の層は露出してもよいが、コーティング材料で被覆されてもよい。したがって、充填材料M2の層の裏面側は、低誘電率絶縁材料が充填された支持層が露出またはコーティング材料によってコーティングされて作用面を形成している例といえる。
SW115は、導電層114Aに固定してもよいし、導電層から離間させてもよい。SW115を導電層114Aから離間させる場合には、SW115と導電層114Aとの間に充填材料M2を充填してもよい。この場合には、図180のA断面において、装置110Nは、表面(上)側から、(コーティング材料)、導電層114A、充填材料M2、SW115、充填材料M2、(コーティング材料)、素子111の順で階層を形成する。
また、SW115と導電層114Aとの間に装置110Nの基材(カードの基材、または、電子回路が形成されていない基板等)を挟み込んでもよい。すなわち、図180のA断面において、装置110Nは、表面(上)側から、(コーティング材料)、導電層114A、カードの基材、SW115、充填材料M2、(コーティング材料)、素子111の順で階層を形成するようにしてもよい。いずれにしてもSW115とタッチパネルに接触する裏面との間には、充填材料M2の層が挟み込まれるので、1以上の物理量制御部であるSW115は、支持層を介した作用面から離間する層に設けられているといえる。
【0714】
図181のように、素子111および情報機器200との干渉を低減させるために、フォトダイオードWPDは、装置110Nの基材の凹部内壁面(天井面)に固定される。上述のように、フォトダイオードWPDを含むB断面近傍は充填材料M2が充填されるが、充填材料M2の充填部分には、開口HL1が設けられるため、裏面からの光はフォトダイオードWPDに到達する。したがって、充填材料M2は透明である必要はない。ただし、充填材料M2として透明な材料を用いる場合には、開口HL1が形成されなくてもよい。フォトダイオードWPDの下部の開口HL1に、情報機器200が他のフォトダイオードWPD向けに発光した光が侵入しないような構造であることが望ましく、光を集光するために下部が広がるテーパー状の開口を設けてもよい。
上述のように、図181の充填材料M2には、開口HL1が設けられるため、透明である必要はない。ただし、充填材料M2が透明である場合には、支持構造M1は、情報機器200が他のフォトダイオードWPD向けに発光した光が侵入しないように光を遮断する光隔壁で開口HL1を覆う必要がある。。
【0715】
図182の支持構造M1は、図182の「D断面」矢印を通り、紙面に垂直な平面で切断した断面(以下、D断面)において格子状となる壁部であってもよい。この場合には、支持構造M1は、光電変換素子配列112から情報機器200のタッチパネルに接触する裏面まで、導電率の低い材料で形成される直方体状やハニカム状の井戸型に開口した空間を多数形成する。したがって、支持構造M1は、光の透過が可能に複数の開口が配列して形成される第2の支持層の一例ということができ、支持構造M1の裏面側は、作用面の少なくとも一部を形成する。
これにより、誘電率を低下させ、耐力面材として機能し、情報機器200からの発光エネルギーを低損失で受光できる構造となる。したがって、装置110Nの裏面がタッチパネルに接触または近接したときに、情報機器200のディスプレイからの光は、支持構造M1を透過し、光電変換素子配列112に入射し、電力を発生する。したがって、光電変換素子配列112は、支持構造M1を介した作用面(裏面)から離間する層において複数の開口から光を受光するといえる。
以上のように、光電変換素子配列112(ソーラパネルともいう)の裏面側には、光を透過可能で、かつ、裏面のコーティング材料を支持する支持構造M1(耐力面材の枠)が形成される。支持構造M1は、非導電体であり誘電率が低く、低損失で光を透過可能であれば、どのような構造でもよい。
平板型の筐体底面の上方に光電変換素子配列112を配置するのは、光電変換素子配列112に浮遊(寄生)する静電容量や、指で導電層をタッチした際の静電容量をタッチパネルが検出しないようにするためである。そのために光電変換素子配列112下方に空隙層を設け、光電変換素子配列112がタッチパネルから発光された光を無駄なく受光してエネルギーに変換できるようしている。
支持構造M1の形状は、断面が格子状に限定されず、三角形、五角形、六角形、あるいはそれ以上の多角形状であってもよい。図185は、支持構造M1としてハニカム構造と呼ばれる断面が六角形状の場合を例示する。ただし、図182の支持構造M1、あるいは図185のような断面が多角形の支持構造を設ける代わりに、タッチパネルが検知しない非導電層の誘電率の低い透明媒体を使用してもよい。
【0716】
図183は、図180のA断面の変形例である。図183では、導電性の金属の素子111の下側、すなわち、情報機器200のタッチパネルに接触する面に導電性ゴム111Aの層が形成されている。図180のように、導電性ゴム111Aがない場合には、利用者が装置110Nの裏面を情報機器200のタッチパネルに接触または近接したときのタッチパネルの物理量検出感度は素子111の下側の面の加工精度に依存する。すなわち、素子111の下側の面の加工精度に依存して、例えば、利用者が装置110Nの裏面を情報機器200のタッチパネルに接触したとき、素子111とタッチパネルとの間に隙間が生じる。その結果、SW115のONのときに、タッチパネルが素子111から検出する物理量の検出値が変動する場合があり得る。
そこで、図183のように、素子111のタッチパネルに接触する面に導電性ゴム111Aの層を形成すると、素子111とタッチパネルとの密着性を向上でき、タッチパネルが素子111から検出する物理量の検出値の変動を抑制できる。導電性ゴム111Aは、金属製の素子111よりも硬度が低い。
導電性ゴム111Aの種類に限定はないが、導電性は素子111に近い方が望ましい。例えば、信越化学工業株式会社のウェブサイト(https://www.silicone.jp/contact/qa/qa123.shtml)によれば、「シリコーンゴムに混入する導体(導電性充填剤)としては、カーボンブラックの他に、銀粉末、金メッキされたシリカやグラファイト、導電性亜鉛華などさまざまあり」と記述されている。そして、「得られる体積抵抗値は、カーボン系の場合が1×10-2〜1×10(Ω・m)、銀系の場合はさらに低くなり1×10-7〜1×10-4(Ω・m)を実現でき」ると記載されている。したがって、素子111が金属材料であっても、望ましい導電性の導電性ゴム111Aを選択できる。なお、このような形態は薄型のカードではない、他の形態で使用するのが望ましい。素子111は金属層であると言えるので、導電性ゴム111Aは、金属層の作用面側を被覆する、金属層より硬度が低い導電材料層ということができる。
【0717】
図184は、図181のB断面の変形例である。図181のように、充填材料M2を充填し、フォトダイオードWPD下方に開口HL1を設ける代わり、フォトダイオードWPDを取り囲む隔壁M3を設けてもよい。図184では、フォトダイオードWPDは、基板BD1に組み込まれて装置110Nの下側の凹部の天井部分に装着される。ただし、基板BD1を用いないで、フォトダイオードWPDを装置110Nの下側の凹部の天井部分(カード基材)に固定してもよい。
基板BD1には、光隔壁M3が基板BD1から下方(タッチパネルが接触される裏面方向)に立設されている。情報機器200が他のフォトダイオードWPD向けに発光した光が侵入しないように光を遮断する光隔壁M3で開口HL1を覆う必要がある。さらに、光を集光するために下部が広がるテーパー状の開口を設けてもよい。光隔壁M3は、図184の「E断面」を通り、紙面に垂直な平面で切断した断面(以下、E断面)において格子状となる壁部であってもよい。したがって、光隔壁M3は、基板BD1とともに、フォトダイオードWPDの周囲に断面矩形状の内壁空間を形成する。この内壁空間は図184のように、タッチパネルに接触する側に開口を有する。
したがって、装置110Nがタッチパネルに接触されたとき、光隔壁M3によって、各フォトダイオードWPDには、各フォトダイオードWPDが収容された内壁空間直下の情報機器200のディスプレイの光が入射する。つまり、図149のように、情報機器200がディスプレイを光コード発光領域LE1からLE6に区切って光コードを発光した場合、光コード発光領域LE1からLE6それぞれからの光を、発光領域LE1からLE6それぞれに対応するフォトダイオードWPD1からWPD6に受光させることができる。一方、光隔壁M3によって、各フォトダイオードWPDが収容された内壁空間直下以外の発光領域からの光コードが各フォトダイオードWPDに受光されるのを抑止できる。
また、光隔壁M3の間隔および厚みを適切に選択することで、光隔壁M3が装置110N裏面のコーティングを支持できる。ただし、光隔壁M3と図180から図183で用いた充填材料M2を併用してもよい。
底面の印刷層および/またはコーティング層は透明が望ましいが、フォトダイオードWPDが検知する光を透過させる印刷であればよい。なお、フォトダイオードWPDは白色を検知するものには限定されず、所定の光を検知すればよい。
図181図184のように、底面(タッチパネルとの接触面)より上方にフォトダイオードWPDを配置するのは、フォトダイオードWPDおよびフォトダイオードWPDに接続される導電体がタッチパネル等の情報機器200の電気回路と相互作用を生じるのを抑制するためである。
例えば、このような構造により、フォトダイオードWPDおよび導電体等とタッチパネルとのカップリングが抑制される。また、このような構造により、SW115等の電子部品に浮遊(寄生)する静電容量、指で導電層をタッチした際の静電容量をタッチパネルが検出することを低減できる。さらに、光隔壁間は、光コードを検知できるように開口HL1(図181参照)を確保した上で、上述した空気層を含む非導電層を形成する充填材料M2で充填されるのが望ましい。また、充填材料M2の代わりに、タッチパネルが検知しない誘電率の低い、非導電性の透明媒体を使用してもよい。なお、フォトダイオードWPDの配置は、素子111の配置により、タッチパネルが認識できることから、限定はなく、どのような配置であってもよい。
【0718】
図186A図186Bは、装置110Nの変形例を示す。図で制御部は、図179と同様の構成であり、CPU116等を含む。図186Aの例では、導電層114Aと素子111との間の接続をONまたはOFFにするSW115は、制御部に設けらている。その結果、素子111と制御部とを接続する部分(配線層という)には配線のみが設けられるようにしてもよい。つまり、作用面である裏面上で1以上の素子をすべて包含する第1部分領域を想定する。また、この第1部分領域に対応して、図186Aで平面方向には重複する位置の表面側(導電層114A側)に、第2部分領域を想定する。第2部分領域は、第1部分領域に対して筐体を挟み込む位置に特定される部分領域ということができる。この2つのとによって前記2つの部分領域に挟まれた部分には、電気回路となる要素としては、素子111と配線だけが含まれる。したがって、物理制御部としてのSW115は、2つの部分領域に挟まれた部分として特定される筐体部分外に配置されるということができる。なお、図186Aでは、表面および裏面のコーティング、印刷は省略されている。また、基材の側壁WW1、WWW2が形成する凹部、凹部の充填材料M2、支持構造M1等は、図180から図182と同様である。
一方、図186Bでは、図183の導電性ゴム111Aに代えて、導電インク111Bによって形成された印刷層が形成されている。印刷層は、金属層の作用面側を被覆する、金属層より硬度が低い導電材料層ということができる。また、印刷層は、印刷加工物の一例である。
図186Aの導電性ゴム111Aの層、あるいは、導電インク111Bの層は、素子111と情報機器200のタッチパネルのとの間に空気層ができることを抑制し、密着性を向上させる。したがって、導電性ゴム111Aの層、あるいは、導電インク111Bの層により、タッチパネルは、SW115のONとOFFにしたがって発生する物理量、あるいは物理量の変化を安定して検知できるようになる。つまり、タッチパネルは、SW115がONの場合の素子111と導電性ゴム111Aの存在、あるいは素子111と導電インク111Bの存在を示す静電容量や電界強度を安定して検知できる。
以上述べたように、実施形態23の装置110Nは、基材のタッチパネル側に凹部を有し、空気層を介して、素子111以外の構成要素をタッチパネルから所定以上離間させることができる。その結果、実施形態23の装置110Nは、素子111以外の構成要素によるタッチパネルとの相互作用を抑制できる。したがって、SW115がONとOFFとを切り替えて、タッチパネルによって素子111から検知される物理量を変化させた場合に、SW115がタッチパネルその他の情報機器の電気回路、電子部品(以下、情報機器200等)と相互作用を起こすこと、CPU116等の制御部が情報機器200等と相互作用を起こすこと、光電変換素子112が情報機器200等と相互作用を起こすこと、導電層114Aに指等の人体を触れた利用者が情報機器200等と相互作用を起こすことを低減できる。
また、実施形態23では、平板型の筐体の基材のタッチパネル側の凹部に空気あるいは空隙を含む充填材料M2の層が形成される。充填材料M2は、低誘電率、高絶縁率の材料であり、上記相互作用を抑制しつつ、装置110Nの裏面に作用面を形成できる。また、充填材料M2は、裏面をコーティングするコーティング層を支持できる。
また、装置110Nは、SW111を制御部に格納することで、SW115とタッチパネルとの相互作用を低減できる。また、装置110Nは、光電変換素子配列112のタッチパネル側に支持構造M1を有するので、光電変換素子配列112への受光量を維持した上で、光電変換素子配列112とタッチパネルとの相互作用を抑制できる。
以上のように、実施形態23の装置110Nは、タッチパネルが素子111からの物理量変化によるパターンコード入力時に、誤検出を抑制できる。
【0719】
[静電容量の限界値]
以下、図187から図190を参照して、タッチパネルが検出する物理量として、静電容量を仮定した場合の限界値についての実験結果を説明する。この実験では、タッチパネルが検知する素子111の物理量の限界値(静電容量の限界値)を調査するための実験を行った。
【0720】
図187は、実験治具の構成と実験手順を例示する。この実験では、素子111と、コンデンサCの一方の端子(電極)とを接続し、コンデンサの他方の端子(電極)を実験者の指が触れたときに、タッチパネルが素子111からの物理量変化をタッチ操作としてとして検知するか否かを調査した。
また、コンデンサCとして、特性インピーダンスが50オームの同軸ケーブルを使用した。同軸ケーブルの寸法および実測から、同軸ケーブルの長さL(mm)ついて、心線とシールド材との間の静電容量は、L=0.29*L(pF)と算出できることが分かっている。ここで、アスタリスク(*)は乗算を示す記号である。以下、同軸ケーブルをシールド線ともいう。
また、素子111は、直径7mm、7.5mm、8mmの真鍮製円形材料を用いた。さらに、タッチパネルとしては、米国アップル社製の iphone(登録商標)5s、iphone(登録商標)6を用いた。
ここで、人体がコンデンサCの端子に接触しない場合に、タッチパネルが検知する静電容量をCとする。また、素子の111の静電容量をC2とし、実験者の人体の静電容量をCmとすると,指がコンデンサCの端子に接触したときの合成容量1/CTOTAL=1/C+1/C2+Cmである。したがって、静電容量Cを変化させることで、タッチパネルが検知する合成容量の限界値を決定できる。また、人体の静電容量Cmを、静電容量Cおよび素子111を介してタッチパネルに検知させるための静電容量Cの限界値を特定できる。静電容量Cの限界値は、実施形態23で述べたようなSW115、フォトダイオードWPD、光電変換素子配列112、および制御部等(装置110Nの電気回路)と、情報機器200のタッチパネルとの相互作用を抑制するため、装置110Nの電気回路とタッチパネルとの間で設けるべき距離を決定する指針となる。また、静電容量Cの限界値は、SW115がOFFの時のSW115に含まれるトランジスタ等の半導体回路の接合容量の限界値を特定できる。
つまり、SW115、フォトダイオードWPD、光電変換素子配列112、制御部等の電気回路とタッチパネルとの間の静電容量がこの限界値未満にならないと、装置110Nの電気回路とタッチパネルとの間で相互作用が生じる可能性がある。また、SW115の接合容量がこの限界値未満にならないと、SW115をOFFにした場合でも、タッチパネルが交流信号で静電容量を検知する場合には、SW115がOFFとして機能しない場合が発生し、タッチパネルが素子111からの物理量出力OFF(SW115のOFF)を検知できない場合が生じる。
【0721】
実験結果を図188から図190に示す。図188は、素子111の直径が7mmの場合の実験結果である。図188では、シールド線の長さ5.3mm、静電容量C=1.54pFでiphone5s、iphone6ともに、素子111の存在(タッチ操作)を検知できない。一方、シールド線の長さ6.0mm以上、静電容量C=1.74pF以上では、iphone5s、iphone6ともに、素子111の存在(タッチ操作)を検知できる。そこで、素子111の直径が7mmの場合は、静電容量Cの限界値はiphone5s、iphone6ともに約1.64pFであると特定できる。いずれも、検知できた場合の静電容量と、検知できなかった場合の静電容量の中間値を採用した。以下同様である。
【0722】
図189は、素子111の直径が7.5mmの場合の実験結果である。図189では、シールド線の長さ6mm、静電容量C=1.74pFでiphone5s、iphone6ともに、素子111の存在(タッチ操作)を検知できない。一方、シールド線の長さ6.8mm以上、静電容量C=1.972pF以上では、iphone5sは、素子111の存在(タッチ操作)を検知できる。そこで、素子111の直径が7.5mmの場合にiphone5sでは、静電容量Cの限界値は、約1.86pFであると特定できる。また、シールド線の長さ7.8mm以上、静電容量C=2.262pF以上では、iphone6は、素子111の存在(タッチ操作)を検知できる。そこで、素子111の直径が7.5mmの場合にiphone6では、静電容量Cの限界値は、約2.12pFであると特定できる。
【0723】
図190は、素子111の直径が8mmの場合の実験結果である。図190では、シールド線の長さ6.8mm、静電容量C=1.972pFでiphone5s、iphone6ともに、素子111の存在(タッチ操作)を検知できない。一方、シールド線の長さ7.6mm以上、静電容量C=2.204pF以上では、iphone5s、iphone6ともに、素子111の存在(タッチ操作)を検知できる。そこで、素子111の直径が8mmの場合は、静電容量Cの限界値はiphone5s、iphone6ともに約2.09pFであると特定できる。
ところで、素子111がタッチパネルとの間で形成する静電容量C2は、以下の通りである。
ε:タッチパネルのセンサと導電体間の隙間(例えばタッチパネル表面のガラス)の比誘電率=7.5
d:隙間の距離(m)=0.2mm
S:導電体の面積(平方m)については、導電体もセンサも、直径8mmとする。
真空中の誘電率εo=8.854×10の-12乗から、
C2=6.64E-11×2×π×0.004m×0.004m/0.0002m=3.34E-10=33.4pFになる。
また、人体の静電容量は、Cm=100pFから150pFと報告されている(電子情報通信学会論文誌 B Vol.J84-B, no.10 pp.1841-1847 2001年10月)。
したがって、シールド線の静電容量Cと、素子111の静電容量と、人体の静電容量Cmの合成容量CTOTALとしては、素子111の静電容量C2、人体の静電容量Cmはほぼ無視できる。以上から、タッチパネルが検知できる限界の静電容量は、図188から図190のように、 1.6pFから 2.2pF程度であると特定できる。
OFFの際、あるいは、相互作用を抑制するための安全係数として、1/2を採用すると、タッチパネルが静電容量を検知しないようにするためには、SW115遮断時の接合容量は0.8pF以下が望ましい。また、素子111以外の部分、つまり、SW115、フォトダイオードWPD、光電変換素子配列112、制御部等とタッチパネルとの間の相互作用を抑制するためには、素子111以外の部分とタッチパネル等の間の静電容量が0.8pF以下となる距離を保つことが望ましい。
さらに、安全係数として、1/3採用すると、タッチパネルが静電容量を検知しないようにするためには、SW115遮断時の接合容量は0.5pF以下が望ましい。また、素子111以外の部分、つまり、SW115、フォトダイオードWPD、光電変換素子配列112、制御部等とタッチパネルとの間の相互作用を抑制するためには、素子111以外の部分とタッチパネル等の間の静電容量が0.5pF以下となる距離を保つことが望ましい。
例えば、直径8mmの円形底面を有する部品Pが制御部に存在し、タッチパネルに浮遊容量Cfによる作用を及ぼす場合を想定する。部品Pとタッチパネルとの間の静電容量は、空気比誘電率を1と仮定して、 Cf=εS/dで計算され、タッチパネルとの距離d=0.2mmで約0.45pFとなり、安全係数1/3の場合の静電容量の限界値を充足する。また、距離d=0.12mmで約0.75pFとなり、安全係数1/2の場合の静電容量の限界値を充足する。さらに、また、距離d=0.057mmで約1.58pFとなり、安全係数1の場合の静電容量の限界値を充足する。
一方、ONのときの安全係数を2とすると、タッチパネルが素子111の物理量として静電容量を検知するためには、ON時の静電容量は6.6pF以上が望ましい。この値は、SW115がONのときに、上記素子111の静電容量C2および人体の静電容量Cmによって十分に達成できる。
【0724】
[SWのON抵抗の限界値]
以下、図191から図192を参照して、SW115のON抵抗の限界値についての実験結果を説明する。図187は、実験治具の構成と実験手順を例示する。この実験では、素子111と、人体と間に種々の抵抗を挿入し、タッチパネルが素子111からの物理量変化をタッチ操作としてとして検知するか否かを調査した。このとき得られる抵抗値は、SW115のON抵抗の限界値ということができる。
【0725】
図192に実験結果を示す。この実験でも、抵抗値Rを変化させて、iphone(登録商標)5s、iphone(登録商標)6が上記抵抗を通じて人体が接続されている素子111を検知できるか否かを調査した。素子の直径は、静電容量の調査と同様、7mm、7.5mm、8mmである。図192のように、iphone(登録商標)5sでは、いずれの直径ついても、1200キロオーム程度以下で、検知可能であった。また、1500キロオーム程度以上で検知不可であった。以上から、iphone(登録商標)5sでの限界抵抗値は1350キロオーム程度と特定でできる。
一方、iphone(登録商標)6では、820キロオーム以下で検知可能であり、1000キロオーム以上で検知不可であった。以上から、iphone(登録商標)6での限界抵抗値は910キロオーム程度と特定でできる。
【符号の説明】
【0726】
1・・・コード発生装置、3・・・コード認識装置、11・・・情報読取部、12・・・コード発生部、13・・・コード出力部、31・・・タッチパネル、32・・・検出部、33・・・認識部
110・・・装置、カード型装置、200・・・情報機器、111・・・素子、112・・・光電変換素子配列、113・・・指紋センサ、114・・・接触導体(導体パッド)、114A・・・導電層、115・・・SW、116・・・CPU、117・・・メモリ、118・・・コンパレータ、119・・・制御ライン、120・・・電源ライン、121・・・駆動回路、122・・・電池、123・・・コンデンサ、124・・・アンテナ、125・・・電力変換回路、126・・・圧電素子、127・・・整流回路、128・・・熱電素子、129・・・光量測定素子配列
【要約】      (修正有)
【課題】コードを逐次変化させてもスマートフォン等の電子機器で認識可能にさせる。
【解決手段】外部から到来する外部エネルギーの単位時間当たりの到来量を検出する到来量検出部112、113、114と、前記単位時間当たりの到来量の変化を基に所定形式の入力情報を取得する情報取得回路116と、対向面から検知可能な物理量変化が生じる1以上の素子111が配列された作用面と、前記1以上の素子のそれぞれに前記物理量変化を生じさせる1以上の物理量制御部115と、前記1以上の物理量制御部に、前記1以上の素子から前記物理量変化によって所定形式の出力情報を出力させる情報出力部と、を備える装置とした。
【選択図】図58
図1
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図2
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図3
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図4
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図5
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図6
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図7
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図8
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図9
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図10
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図11
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図12
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図13
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図14
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図15
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図16
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図17
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図18
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図19
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図20A
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図20B
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図21
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図22
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図23
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図24
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