(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1の資金繰り管理システムでは、依然として取引入力の際に、複式簿記の知識を必要とする仕訳入力が行われ、さらに、このような仕訳入力によって提供されるのは資金繰り表の情報のみである。
【0007】
したがって、本発明の目的は、上記特許文献1の資金繰り管理システムや従来技術の構成における問題を解決する会計管理システムを提供することにある。すなわち、本発明の目的は、複式簿記に関する十分な知識がなくても簡略化された形式で容易に取引等の入力を行うことができ、当該入力から自動的に仕訳データが生成される会計管理システムを提供することにある。
【0008】
また、本発明の他の目的は、従来の、複式簿記による複雑な仕訳入力を必要とせず、ユーザの入力負担を軽減するとともに、誤入力の防止をはかるインタフェースを備えた会計管理システムを提供することにある。
【0009】
さらに、本発明の目的は、入出金の管理だけでなく、非資金取引を含めた財務管理を実現することができる会計管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の実施態様は、仕訳入力でない簡素化された形式で、ユーザから取引の入力を受け付ける取引入力手段と、入力された取引の内容に基づいて仕訳データを自動的に生成し、仕訳データを仕訳データ記憶手段に記憶する仕訳データ生成手段と、ユーザに、取引を入力するための取引入力画面を表示するよう制御する表示制御手段を備え、表示制御手段が、少なくとも取引に関する取引金額を入力するための入力エリアを含む取引入力画面を表示するよう制御し、仕訳データ生成手段が、取引入力画面で入力された取引の内容に対応する仕訳ロジックに基づいて仕訳データの生成を行い、さらに、入力された取引が、事前に登録された決済条件に対応付けられる場合に、決済条件により指定される決済期間および決済手段に応じて貸借ごとに勘定科目を決定することにより、仕訳データの生成を行い、決済条件が、複数の決済期間のそれぞれについて1つまたは複数の決済手段が対応付けられるよう指定されるように構成された会計管理システムである。
【0011】
本発明の第2の実施態様は、第1の実施態様において、取引入力の内容に基づいて、複数の集計項目を含む有高データを生成し、有高データを有高データ記憶手段に記憶する有高データ生成手段をさらに備え、仕訳データ生成手段が、集計項目に応じて貸借ごとに勘定科目を決定することにより、仕訳データの生成を行うように構成される。
【0012】
本発明の第3の実施態様は、第2の実施態様において、表示制御手段がさらに、取引入力画面に、取引数量を入力するための入力エリアを表示し、取引入力画面の表示と同時に、または表示切替可能な形態で有高データを示す有高情報表示エリアを表示するよう制御し、取引数量および取引金額を入力するための入力エリアに値が入力された場合に、当該値の入力に応じて有高情報表示エリアの有高データの表示が変化するよう制御するように構成される。
【0013】
本発明の第4の実施態様は、第1の実施態様において、表示制御手段がさらに、案分売上の取引に関しては、決済に関する入力エリアと同時に、または表示切替可能な形態で収益に関する入力エリアを表示するよう制御し、案分仕入の取引に関しては、決済に関する入力エリアと同時に、または表示切替可能な形態で費用に関する入力エリアを表示するよう制御するように構成される。
【0014】
本発明の第5の実施態様は、第1の実施態様において、表示制御手段がさらに、仕訳データ記憶手段に記憶された仕訳データに基づいて、取引区分ごとに、複数の項目について集計値を表示するとともに、債権・債務の修正額または顛末額を入力可能な入力エリアを表示するよう制御し、仕訳データ生成手段が、入力エリアの値について、取引区分、および項目に応じて貸借ごとに勘定科目を決定することにより、仕訳データの生成を行うように構成される。
【0015】
本発明の第6の実施態様は、第1の実施態様において、表示制御手段がさらに、入力された勘定科目について月ごとに、増加資金取引と減少資金取引の集計値、および残高を表示し、かつ、相手方勘定科目を指定した増加取引または減少取引が入力された場合に、当該取引について取引金額を入力するための入力エリアを表示するよう制御するとともに、入力エリアに金額が入力された場合に、対応する月について再計算された残高を再表示するよう制御し、仕訳データ生成手段が、入力された勘定科目と相手方勘定科目、および増加取引と減少取引の別に応じて貸借および勘定科目を決定することにより、仕訳データの生成を行うように構成される。
【0016】
本発明の第7の実施態様は、第1の実施態様において、決済条件が、ユーザの入力によって指定され、あるいは、入力された取引の取引先、商品、および勘定科目の少なくとも1つに基づいて対応付けられるように構成される。
【0017】
本発明の第8の実施態様は、第3ないし第6の実施態様のいずれかにおいて、表示制御手段が、月別の取引金額を入力するための入力エリアが、少なくとも複数の月について同時に表示される取引入力画面を表示するよう制御するように構成される。
【0018】
本発明の第9の実施態様は、仕訳入力でない簡素化された形式で、ユーザから取引の入力を受け付ける取引入力手段と、入力された取引の内容に基づいて仕訳データを自動的に生成し、仕訳データを仕訳データ記憶手段に記憶する仕訳データ生成手段と、ユーザに、取引を入力するための取引入力画面を表示するよう制御する表示制御手段を備え、表示制御手段が、少なくとも取引に関する取引金額を入力するための入力エリアを含む取引入力画面を表示するよう制御し、さらに、案分売上の取引に関しては、決済に関する入力エリアと同時に、または表示切替可能な形態で収益に関する入力エリアを表示するよう制御し、案分仕入の取引に関しては、決済に関する入力エリアと同時に、または表示切替可能な形態で費用に関する入力エリアを表示するよう制御し、仕訳データ生成手段が、取引入力画面で入力された取引の内容に対応する仕訳ロジックに基づいて仕訳データの生成を行うように構成された会計管理システムである。
【0019】
本発明の第10の実施態様は、仕訳入力でない簡素化された形式で、ユーザから取引の入力を受け付ける取引入力手段と、入力された取引の内容に基づいて仕訳データを自動的に生成し、仕訳データを仕訳データ記憶手段に記憶する仕訳データ生成手段と、ユーザに、取引を入力するための取引入力画面を表示するよう制御する表示制御手段と、取引入力の内容に基づいて、複数の集計項目を含む有高データを生成し、有高データを有高データ記憶手段に記憶する有高データ生成手段を備え、表示制御手段が、少なくとも取引に関する取引金額を入力するための入力エリアを含む取引入力画面を表示するよう制御するとともに、仕訳データ生成手段が、取引入力画面で入力された取引の内容に対応する仕訳ロジックに基づいて仕訳データの生成を行い、さらに、集計項目に応じて貸借ごとに勘定科目を決定することにより、仕訳データの生成を行うように構成された会計管理システムである。
【0020】
本発明の第11の実施態様は、仕訳入力でない簡素化された形式で、ユーザから取引の入力を受け付ける取引入力手段と、入力された取引の内容に基づいて仕訳データを自動的に生成し、仕訳データを仕訳データ記憶手段に記憶する仕訳データ生成手段と、ユーザに、取引を入力するための取引入力画面を表示するよう制御する表示制御手段を備え、表示制御手段が、少なくとも取引に関する取引金額を入力するための入力エリアを含む取引入力画面を表示するよう制御し、さらに、仕訳データ記憶手段に記憶された仕訳データに基づいて、取引区分ごとに、複数の項目について集計値を表示するとともに、債権・債務の修正額または顛末額を入力可能な入力エリアを表示するよう制御し、仕訳データ生成手段が、取引入力画面で入力された取引の内容に対応する仕訳ロジックに基づいて仕訳データの生成を行い、さらに、入力エリアの値について、取引区分、および項目に応じて貸借ごとに勘定科目を決定することにより、仕訳データの生成を行うように構成された会計管理システムである。
【0021】
本発明の第12の実施態様は、仕訳入力でない簡素化された形式で、ユーザから取引の入力を受け付ける取引入力手段と、入力された取引の内容に基づいて仕訳データを自動的に生成し、仕訳データを仕訳データ記憶手段に記憶する仕訳データ生成手段と、ユーザに、取引を入力するための取引入力画面を表示するよう制御する表示制御手段を備え、表示制御手段が、少なくとも取引に関する取引金額を入力するための入力エリアを含む取引入力画面を表示するよう制御し、さらに、入力された勘定科目について月ごとに、増加資金取引と減少資金取引の集計値、および残高を表示し、かつ、相手方勘定科目を指定した増加取引または減少取引が入力された場合に、当該取引について取引金額を入力するための入力エリアを表示するよう制御するとともに、入力エリアに金額が入力された場合に、対応する月について再計算された残高を再表示するよう制御し、仕訳データ生成手段が、取引入力画面で入力された取引の内容に対応する仕訳ロジックに基づいて仕訳データの生成を行い、さらに、入力された勘定科目と相手方勘定科目、および増加取引と減少取引の別に応じて貸借および勘定科目を決定することにより、仕訳データの生成を行うように構成された会計管理システムである。
【0022】
本発明の第13の実施態様は、第9の実施態様において、取引入力の内容に基づいて、複数の集計項目を含む有高データを生成し、有高データを有高データ記憶手段に記憶する有高データ生成手段をさらに備え、仕訳データ生成手段が、集計項目に応じて貸借ごとに勘定科目を決定することにより、仕訳データの生成を行うように構成される。
【0023】
本発明の第14の実施態様は、第10または第13の実施態様において、表示制御手段がさらに、取引入力画面に、取引数量を入力するための入力エリアを表示し、取引入力画面の表示と同時に、または表示切替可能な形態で有高データを示す有高情報表示エリアを表示するよう制御し、取引数量および取引金額を入力するための入力エリアに値が入力された場合に、当該値の入力に応じて有高情報表示エリアの有高データの表示が変化するよう制御するように構成される。
【0024】
本発明の第15の実施態様は、第9または第10の実施態様において、表示制御手段がさらに、仕訳データ記憶手段に記憶された仕訳データに基づいて、取引区分ごとに、複数の項目について集計値を表示するとともに、債権・債務の修正額または顛末額を入力可能な入力エリアを表示するよう制御し、仕訳データ生成手段が、入力エリアの値について、取引区分、および項目に応じて貸借ごとに勘定科目を決定することにより、仕訳データの生成を行うように構成される。
【0025】
本発明の第16の実施態様は、第9ないし第11の実施態様のいずれかにおいて、表示制御手段がさらに、入力された勘定科目について月ごとに、増加資金取引と減少資金取引の集計値、および残高を表示し、かつ、相手方勘定科目を指定した増加取引または減少取引が入力された場合に、当該取引について取引金額を入力するための入力エリアを表示するよう制御するとともに、入力エリアに金額が入力された場合に、対応する月について再計算された残高を再表示するよう制御し、仕訳データ生成手段が、入力された勘定科目と相手方勘定科目、および増加取引と減少取引の別に応じて貸借および勘定科目を決定することにより、仕訳データの生成を行うように構成される。
【0026】
本発明の第17の実施態様は、第9ないし第16の実施態様のいずれかにおいて、表示制御手段が、月別の取引金額を入力するための入力エリアが、少なくとも複数の月について同時に表示される取引入力画面を表示するよう制御するように構成される。
【0027】
本発明の第18の実施態様は、仕訳入力でない簡素化された形式で、ユーザから取引の入力を受け付ける取引入力ステップと、入力された取引の内容に基づいて仕訳データを自動的に生成し、仕訳データを仕訳データ記憶手段に記憶する仕訳データ生成ステップと、ユーザに、取引を入力するための取引入力画面を表示するよう制御する表示制御ステップを備え、表示制御ステップが、少なくとも取引に関する取引金額を入力するための入力エリアを含む取引入力画面を表示するよう制御し、仕訳データ生成ステップが、取引入力画面で入力された取引の内容に対応する仕訳ロジックに基づいて仕訳データの生成を行い、さらに、入力された取引が、事前に登録された決済条件に対応付けられる場合に、決済条件により指定される決済期間および決済手段に応じて貸借ごとに勘定科目を決定することにより、仕訳データの生成を行い、決済条件が、複数の決済期間のそれぞれについて1つまたは複数の決済手段が対応付けられるよう指定されるように構成された、会計管理システムで実現される会計管理方法である。
【0028】
本発明の第19の実施態様は、仕訳入力でない簡素化された形式で、ユーザから取引の入力を受け付ける取引入力ステップと、入力された取引の内容に基づいて仕訳データを自動的に生成し、仕訳データを仕訳データ記憶手段に記憶する仕訳データ生成ステップと、ユーザに、取引を入力するための取引入力画面を表示するよう制御する表示制御ステップを備え、表示制御ステップが、少なくとも取引に関する取引金額を入力するための入力エリアを含む取引入力画面を表示するよう制御し、さらに、案分売上の取引に関しては、決済に関する入力エリアと同時に、または表示切替可能な形態で収益に関する入力エリアを表示するよう制御し、案分仕入の取引に関しては、決済に関する入力エリアと同時に、または表示切替可能な形態で費用に関する入力エリアを表示するよう制御し、仕訳データ生成ステップが、取引入力画面で入力された取引の内容に対応する仕訳ロジックに基づいて仕訳データの生成を行うように構成された、会計管理システムで実現される会計管理方法である。
【0029】
本発明の第20の実施態様は、仕訳入力でない簡素化された形式で、ユーザから取引の入力を受け付ける取引入力ステップと、入力された取引の内容に基づいて仕訳データを自動的に生成し、仕訳データを仕訳データ記憶手段に記憶する仕訳データ生成ステップと、ユーザに、取引を入力するための取引入力画面を表示するよう制御する表示制御ステップと、取引入力の内容に基づいて、複数の集計項目を含む有高データを生成し、有高データを有高データ記憶手段に記憶する有高データ生成ステップを備え、表示制御ステップが、少なくとも取引に関する取引金額を入力するための入力エリアを含む取引入力画面を表示するよう制御するとともに、仕訳データ生成ステップが、取引入力画面で入力された取引の内容に対応する仕訳ロジックに基づいて仕訳データの生成を行い、さらに、集計項目に応じて貸借ごとに勘定科目を決定することにより、仕訳データの生成を行うように構成された、会計管理システムで実現される会計管理方法である。
【0030】
本発明の第21の実施態様は、仕訳入力でない簡素化された形式で、ユーザから取引の入力を受け付ける取引入力ステップと、入力された取引の内容に基づいて仕訳データを自動的に生成し、仕訳データを仕訳データ記憶手段に記憶する仕訳データ生成ステップと、ユーザに、取引を入力するための取引入力画面を表示するよう制御する表示制御ステップを備え、表示制御ステップが、少なくとも取引に関する取引金額を入力するための入力エリアを含む取引入力画面を表示するよう制御し、さらに、仕訳データ記憶手段に記憶された仕訳データに基づいて、取引区分ごとに、複数の項目について集計値を表示するとともに、債権・債務の修正額または顛末額を入力可能な入力エリアを表示するよう制御し、仕訳データ生成ステップが、取引入力画面で入力された取引の内容に対応する仕訳ロジックに基づいて仕訳データの生成を行い、さらに、入力エリアの値について、取引区分、および項目に応じて貸借ごとに勘定科目を決定することにより、仕訳データの生成を行うように構成された、会計管理システムで実現される会計管理方法である。
【0031】
本発明の第22の実施態様は、仕訳入力でない簡素化された形式で、ユーザから取引の入力を受け付ける取引入力ステップと、入力された取引の内容に基づいて仕訳データを自動的に生成し、仕訳データを仕訳データ記憶手段に記憶する仕訳データ生成ステップと、ユーザに、取引を入力するための取引入力画面を表示するよう制御する表示制御ステップを備え、表示制御ステップが、少なくとも取引に関する取引金額を入力するための入力エリアを含む取引入力画面を表示するよう制御し、さらに、入力された勘定科目について月ごとに、増加資金取引と減少資金取引の集計値、および残高を表示し、かつ、相手方勘定科目を指定した増加取引または減少取引が入力された場合に、当該取引について取引金額を入力するための入力エリアを表示するよう制御するとともに、入力エリアに金額が入力された場合に、対応する月について再計算された残高を再表示するよう制御し、仕訳データ生成ステップが、取引入力画面で入力された取引の内容に対応する仕訳ロジックに基づいて仕訳データの生成を行い、さらに、入力された勘定科目と相手方勘定科目、および増加取引と減少取引の別に応じて貸借および勘定科目を決定することにより、仕訳データの生成を行うように構成された、会計管理システムで実現される会計管理方法である。
【0032】
なお、第18ないし第22の実施態様は、上述した第1、第9ないし第12の実施態様(会計管理システムの実施態様)にそれぞれ対応する会計管理方法であり、対応する会計管理システムの実施態様と同様に、構成要素等を付加して、さらなる実施態様を構成することができる。
【0033】
本発明の第23の実施態様は、コンピュータに、仕訳入力でない簡素化された形式で、ユーザから取引の入力を受け付ける取引入力手段、入力された取引の内容に基づいて仕訳データを自動的に生成し、仕訳データを仕訳データ記憶手段に記憶する仕訳データ生成手段、および、ユーザに、取引を入力するための取引入力画面を表示するよう制御する表示制御手段として機能させるプログラムであって、表示制御手段が、少なくとも取引に関する取引金額を入力するための入力エリアを含む取引入力画面を表示するよう制御し、仕訳データ生成手段が、取引入力画面で入力された取引の内容に対応する仕訳ロジックに基づいて仕訳データの生成を行い、さらに、入力された取引が、事前に登録された決済条件に対応付けられる場合に、決済条件により指定される決済期間および決済手段に応じて貸借ごとに勘定科目を決定することにより、仕訳データの生成を行い、決済条件が、複数の決済期間のそれぞれについて1つまたは複数の決済手段が対応付けられるよう指定されるように構成される。
【0034】
本発明の第24の実施態様は、コンピュータに、仕訳入力でない簡素化された形式で、ユーザから取引の入力を受け付ける取引入力手段、入力された取引の内容に基づいて仕訳データを自動的に生成し、仕訳データを仕訳データ記憶手段に記憶する仕訳データ生成手段、および、ユーザに、取引を入力するための取引入力画面を表示するよう制御する表示制御手段として機能させるプログラムであって、表示制御手段が、少なくとも取引に関する取引金額を入力するための入力エリアを含む取引入力画面を表示するよう制御し、さらに、案分売上の取引に関しては、決済に関する入力エリアと同時に、または表示切替可能な形態で収益に関する入力エリアを表示するよう制御し、案分仕入の取引に関しては、決済に関する入力エリアと同時に、または表示切替可能な形態で費用に関する入力エリアを表示するよう制御し、仕訳データ生成手段が、取引入力画面で入力された取引の内容に対応する仕訳ロジックに基づいて仕訳データの生成を行うように構成される。
【0035】
本発明の第25の実施態様は、コンピュータに、仕訳入力でない簡素化された形式で、ユーザから取引の入力を受け付ける取引入力手段、入力された取引の内容に基づいて仕訳データを自動的に生成し、仕訳データを仕訳データ記憶手段に記憶する仕訳データ生成手段、ユーザに、取引を入力するための取引入力画面を表示するよう制御する表示制御手段、および、取引入力の内容に基づいて、複数の集計項目を含む有高データを生成し、有高データを有高データ記憶手段に記憶する有高データ生成手段として機能させるプログラムであって、表示制御手段が、少なくとも取引に関する取引金額を入力するための入力エリアを含む取引入力画面を表示するよう制御するとともに、仕訳データ生成手段が、取引入力画面で入力された取引の内容に対応する仕訳ロジックに基づいて仕訳データの生成を行い、さらに、集計項目に応じて貸借ごとに勘定科目を決定することにより、仕訳データの生成を行うように構成される。
【0036】
本発明の第26の実施態様は、コンピュータに、仕訳入力でない簡素化された形式で、ユーザから取引の入力を受け付ける取引入力手段、入力された取引の内容に基づいて仕訳データを自動的に生成し、仕訳データを仕訳データ記憶手段に記憶する仕訳データ生成手段、および、ユーザに、取引を入力するための取引入力画面を表示するよう制御する表示制御手段として機能させるプログラムであって、表示制御手段が、少なくとも取引に関する取引金額を入力するための入力エリアを含む取引入力画面を表示するよう制御し、さらに、仕訳データ記憶手段に記憶された仕訳データに基づいて、取引区分ごとに、複数の項目について集計値を表示するとともに、債権・債務の修正額または顛末額を入力可能な入力エリアを表示するよう制御し、仕訳データ生成手段が、取引入力画面で入力された取引の内容に対応する仕訳ロジックに基づいて仕訳データの生成を行い、さらに、入力エリアの値について、取引区分、および項目に応じて貸借ごとに勘定科目を決定することにより、仕訳データの生成を行うように構成される。
【0037】
本発明の第27の実施態様は、コンピュータに、仕訳入力でない簡素化された形式で、ユーザから取引の入力を受け付ける取引入力手段、入力された取引の内容に基づいて仕訳データを自動的に生成し、仕訳データを仕訳データ記憶手段に記憶する仕訳データ生成手段、および、ユーザに、取引を入力するための取引入力画面を表示するよう制御する表示制御手段として機能させるプログラムであって、表示制御手段が、少なくとも取引に関する取引金額を入力するための入力エリアを含む取引入力画面を表示するよう制御し、さらに、入力された勘定科目について月ごとに、増加資金取引と減少資金取引の集計値、および残高を表示し、かつ、相手方勘定科目を指定した増加取引または減少取引が入力された場合に、当該取引について取引金額を入力するための入力エリアを表示するよう制御するとともに、入力エリアに金額が入力された場合に、対応する月について再計算された残高を再表示するよう制御し、仕訳データ生成手段が、取引入力画面で入力された取引の内容に対応する仕訳ロジックに基づいて仕訳データの生成を行い、さらに、入力された勘定科目と相手方勘定科目、および増加取引と減少取引の別に応じて貸借および勘定科目を決定することにより、仕訳データの生成を行うように構成される。
【0038】
なお、第23ないし第27の実施態様は、上述した第1、第9ないし第12の実施態様(会計管理システムの実施態様)にそれぞれ対応するプログラムであり、対応する会計管理システムの実施態様と同様に、構成要素等を付加して、さらなる実施態様を構成することができる。
【発明の効果】
【0039】
本発明の会計管理システムによって、複式簿記に関する十分な知識がなくても、仕訳入力(借方および貸方の勘定科目を判断し、これらを入力すること)でない簡素化された形式で容易に取引等の入力を行うことができ、当該入力から自動的に仕訳データが生成される。そのため、前受金や前払金等を伴う複合的な取引や、複数のタイミングで支払や入金・回収が行われる取引でも、債権債務の勘定科目を判断して自動的に仕訳データが生成される。また、決済、損益科目や他勘定科目への振替、収支を伴わない会計上の取引などについても、自動的に仕訳データが生成される。
【0040】
さらに、本発明の会計管理システムによって、高度で洗練されたGUIが提供される。ユーザは、従来の、複式簿記による複雑な仕訳入力を必要とせず、その分、入力負担が軽減されるとともに、このようなインタフェースが誤入力の防止にもつながる。ユーザは、多くの入力画面および表示画面において、こうした好適なGUIの提供を受ける。
【0041】
また、本発明の会計管理システムによって、入出金の管理だけでなく、非資金取引を含めた財務管理を実現することができる。
【発明を実施するための形態】
【0043】
本発明の一実施形態に係る会計管理システムは、ユーザによる取引等の入力に基づいて、資金繰り表や貸借対照表などの帳票を出力する。また、ユーザは、最初に、年度の事業計画に基づいて予算作成を行い、次いで、事業の実績または見込みに基づいて実績・見込作成を行う。
【0044】
最初に、
図1Aを参照して、本発明の一実施形態に係る会計管理システムのネットワーク構成について説明する。
図1Aに示す会計管理システム1は、たとえば、ASP(Active
Server Pages)の仕組みを利用して各ユーザにサービスを提供する。ユーザは、クライアント端末10に実行されるWEBブラウザによって表示された入力画面に取引の入力等を行う。入力されたデータは、たとえばインターネットのようなネットワーク11を介してWEBサーバ12に送信され、そこからさらに、会計管理サーバ13に送信される。
【0045】
会計管理サーバ13は、入力されたデータに基づいて、データサーバ14に記憶された関連するデータを更新し、次いで、更新結果や帳票等を画面表示するためのデータ(たとえば、HTMLデータ)を生成し、WEBサーバ12に送信する。クライアント端末10は、WEBサーバ12から受信したHTMLデータをWEBブラウザによって解釈することで、入力データの更新結果や帳票等を表示装置上に表示する。
【0046】
このように、会計管理システム1では、ユーザからの取引入力やその他リクエストの入力は、アプリケーションサーバである会計管理サーバ13で処理される。この例では、WEBサーバ12、会計管理サーバ13、およびデータサーバ14をインターネットやその他のネットワークで接続しているが、これらの機能を集約して1または2つのサーバで実現するようにできる。また、逆に、これらの機能を3つ以上のサーバに分散して行うこともできる。
【0047】
図1Aでは、ASPによってサービスが提供されるので、クライアント端末10を識別することによって、複数の企業に対して(同じ、または個別のバージョンの)会計管理アプリケーションを提供することができる。しかしながら、各社のローカルコンピュータにプログラムをインストールして、(ネットワーク11によるデータ送信を伴わない)スタンドアローンタイプの会計管理システムを提供することもできる。
図1Aに示す会計管理システム1は一例に過ぎず、他の様々な既知の構成をとることができる。
【0048】
図1Bは、本発明の一実施形態に係る会計管理システムを利用して実現される一般的な業務フローを示している。まず、この会計管理システムを導入し、最初に運用を開始する年度において、ステップS10で自社の会社情報を会社マスタに登録する。たとえば、業種や消費税設定(申告区分、経理方式)などを登録する。次に、ステップS12において、基本設定を行う。たとえば、取引の対象となる商品を商品マスタに登録したり、取引先を取引先マスタに登録する。
【0049】
会計管理システムを導入した年度の次の年度においては、ステップS14で、次決算期の作成を行い、ステップS16で、繰越情報の更新(直前期のデータから当決算期の前期繰越値(期首残高)と当決算期以降の年月に該当する決済データを取得)を行う。
【0050】
ステップS18ないしステップS30の処理は、各年度で共通のものである。ステップS18ないしステップS22は、予算についての処理である。ステップS18では、売上取引や仕入取引の予算を入力し、さらに、売上取引および仕入取引以外の予算、ならびに資金の動き(収入・支出)を伴わない会計上の取引の予算を入力する(予算作成フェーズ)。ステップS20では、ステップS18で入力された取引から生成した決済予算データの集計値を表示させ、必要に応じて修正額等の入力を行う(決済予算フェーズ)。ステップS22では、当期の決済予算データから必要データを抽出した後に集計し、資金繰り表や貸借対照表などを作成する(予算集計フェーズ)。
【0051】
次に、ステップS24において、上記ステップS18およびステップS20で作成された予算データを、実績・見込データにコピーする。
【0052】
その後、ステップS26ないしステップS30で、実績・見込についての処理を行う。この処理は、入力および管理の対象が予算ではなく、実績または見込みになるだけで、処理内容自体は、上述したステップS18ないしステップS22と同様のものである。
【0053】
図2は、本発明の一実施形態に係る会計管理システムの、入力処理(または表示処理)とデータとの関連を示した図である。前述の通り、予算管理と実績・見込管理とで2系統の画面およびデータを有するが、ここでは、予算管理に関する画面およびデータを表している。なお、実績・見込管理についても同様に
図2のように表すことができる。
【0054】
会社情報マスタ、取引先マスタ、勘定科目マスタ、決済条件マスタ、および消費税区分マスタといったマスタ類は、予算管理および実績・見込管理で共通である。一方、仕入テーブル、売上テーブル、案分売上仕入テーブル、商品有高テーブル、収益費用等テーブル、非資金等その他テーブル、および仕訳テーブルは、予算管理に関する予算データと実績・見込管理に関する実績・見込データのそれぞれの系統が用意される。実績・見込データを独自に作成することもできるが、入力負荷軽減等のため、予算データの各テーブルを所定のタイミングで実績・見込データの各テーブルにコピーすることができる。
【0055】
売上入力は、物品またはサービスの提供などを基準に決済される売上取引の予算を入力するもので、入力データは、売上テーブルに記憶される。仕入入力は、物品またはサービスの受領などを基準に決済される仕入取引の予算を入力するもので、入力データは、仕入テーブルに記憶される。案分売上入力は、先に一括して入金されたのち数回に分けて物品またはサービスを提供するような売上取引などの予算を入力し、入力データは、案分売上仕入テーブルに記憶される。案分仕入入力は、先に一括して支払ったのち数回に分けて物品またはサービスを受けるような仕入取引などの予算を入力し、入力データは、案分売上仕入テーブルに記憶される。
【0056】
商品有高入力は、表示された商品有高情報について、月末棚卸金額の修正入力等を行う。入力データは、商品有高テーブルに記憶されているデータを更新する。このほか、商品有高テーブルに関しては、上記の売上入力、仕入入力、案分売上入力、案分仕入入力においてもデータが追加(または更新)され、このとき、必要に応じて商品マスタやセット商品マスタが参照される。
【0057】
収益等入力は、物品またはサービスの提供などを基準に決済される、売上取引以外の予算を入力するもので、入力データは、収益費用等テーブルに記憶される。費用等入力は、物品またはサービスの受領などを基準に決済される、仕入取引以外の予算を入力するもので、入力データは、収益費用等テーブルに記憶される。案分収益入力は、先に一括して入金されたのち数回に分けて物品またはサービスを提供するような、売上取引以外の予算を入力し、入力データは、収益費用等テーブルに記憶される。案分費用入力は、先に一括して支払ったのち数回に分けて物品またはサービスを受けるような、仕入取引以外の予算を入力し、入力データは、収益費用等テーブルに記憶される。
【0058】
非資金等入力は、資金の動きを伴わない会計上の取引(たとえば、勘定科目の振替等)の予算を入力するもので、入力データは、非資金等その他テーブルに記憶される。
【0059】
上述した各種入力に応じて、仕訳データが自動的に生成され、仕訳テーブルに記憶される。たとえば、売上入力の場合、売上取引の予算を入力すると、上述のように、商品有高テーブルが更新され、さらに、仕訳ロジックにより自動的に仕訳データが生成され、その仕訳データが仕訳テーブルに記憶される。このとき、必要に応じて、会社情報マスタや取引先マスタなどのマスタ類が参照される。またさらに、商品有高テーブルの内容に応じて、仕訳ロジックにより自動的に仕訳データが生成され、その仕訳データも仕訳テーブルに記憶される。
【0060】
また、仕訳データが記憶された仕訳テーブルを参照して、資金繰り表や月次推移貸借対照表などの帳票が表示、出力される。また、決済予算フェーズでの収益等決済や費用等決済の表示画面では、仕訳データに基づいて決済予算データの集計値の表示が行われ、ここで、必要に応じて修正額や為替差損、裏書手形等の計上額を入力すると、これが反映され、仕訳データが更新され、仕訳テーブルに記憶される。
【0061】
この他、商品有高テーブルと商品マスタ、事業セグメントマスタを参照して、事業別売上損益集計表が表示、出力される。
【0062】
なお、
図2では、売上入力や仕入入力など、取引等の入力について説明したが、ユーザの操作によって、既に入力した取引等の修正や削除も行われる。また、ここで示したマスタやテーブルは、一例に過ぎず、他の様々な態様で本発明の会計管理システムを構成することができる。たとえば、商品有高テーブルや仕訳テーブルを対象の商品や取引ごとに複数テーブルに細分化したり、中間ファイルを設定したりすることもできる。
【0063】
図3は、本発明の一実施形態に係る会計管理システムのメニュー構成を示した図である。大きくは、ファイルメニュー、基本設定メニュー、予算管理メニュー、および実績・見込管理メニューからなる。ファイルメニューには、前述した会社情報登録、繰越情報更新、および予算データコピーの処理を行うためのメニュー選択があるが、その他に、アプリケーション起動の際に用いるパスワードを設定するためのパスワード設定、処理対象の会社や決算期を選択する会社・決算期選択、データベース等のバックアップファイルを作成するデータバックアップ等がある。
【0064】
基本設定メニューには、会社名や経理方式を修正するための会社情報設定、商品マスタ等、各種マスタ情報を登録するマスタ管理などがある。予算管理メニューには、予算作成フェーズ、決済予算フェーズ、予算集計フェーズに分けて、各入力・表示処理を行うためのメニュー選択が設定されている。実績・見込管理メニューの内容は、予算管理メニューの内容と同様のものである。
【0065】
図4は、本発明の一実施形態に係る会計管理システムの構成を示したブロック図である。会計管理サーバ13は、取引入力部13A、マスタ等入力管理部13B、有高データ生成部13C、仕訳データ生成部13D、表示制御部13E、およびネットワークインタフェース(I/F)部13Fを含む。取引入力部13Aは、取引入力画面を介してユーザから入力された取引データ等を受信し、当該取引データを売上テーブルや仕入テーブル等に記憶する。マスタ等入力管理部13Bは、ユーザの要求に応じて、マスタ登録画面をクライアント端末10の表示装置に表示するよう制御し、マスタ登録画面でユーザから入力されたデータを受信して、各種マスタのデータを更新する。また、マスタ等入力管理部13Bは、必要に応じて、予め準備されたデータ等からマスタのデータを取得するように制御することもできる。
【0066】
有高データ生成部13Cは、ユーザから入力された取引データを受信した場合等に、商品の有高について集計した有高データを生成し、生成された有高データを商品有高テーブルに記憶する。有高データ生成処理は、必要に応じて、商品マスタ等のマスタ類を参照する。なお、この実施形態では、商品の有高について管理するよう構成されているが、たとえば、製造業向けの製造原価予算や実績・見込管理の機能を有するように構成し、この際に、製品に関する有高データと材料や部品、仕掛品などに関する有高データの作成および管理機能を実装するようにできる。
【0067】
仕訳データ生成部13Dは、売上テーブル等に記憶された取引データや商品有高テーブルに記憶された集計項目(有高データ)から、仕訳ロジックに基づいて自動的に仕訳データを生成し、生成された仕訳データを仕訳テーブルに記憶する。こうした仕訳データ生成処理は、必要に応じて、決済条件マスタ等のマスタ類を参照する。また、途中で取引の修正や追加がされた場合は、既に存在する同じキー(たとえば、取引年月、取引区分、取引先、借方勘定科目、借方消費税区分、貸方勘定科目、および貸方消費税区分)の仕訳データが上書きされる。
【0068】
表示制御部13Eは、ユーザからの指示に応じて、取引入力画面や更新結果表示画面等をクライアント端末10の表示装置に表示するよう制御する。また、表示制御部13Eは、ユーザが所定の取引入力を行う際に、その取引入力を複数回に亘って対話式に入力できるように入力画面を表示するよう制御する。ユーザは、このように、異なる入力画面の表示が関連性を持って遷移していくことによって(すなわち、入力内容が、次に表示される入力画面の表示態様に反映されることによって)、結果的に簡略化された効率的な入力が可能となる。この例では、入力画面が2段階に表示されるよう制御されるが、1つの入力画面で(1段階で)入力するようにもできるし、3段階以上の段階で入力するようにもできる。
【0069】
表示制御部13Eは、表示制御を行うために、たとえば、取引入力画面や更新結果表示画面等を表示するためのHTMLデータやHTMLデータを作成するためのデータを生成し、後述のネットワークインタフェース(I/F)部13Fを介してWEBサーバ12にHTMLデータ等を送信する。HTMLデータ等はその後、WEBサーバ12のWEBアクセス制御部12Aの制御の下、クライアント端末10に送信され、そこで、WEBブラウザ10Aにより解釈され表示装置に画面が表示される。
【0070】
会計管理システムがスタンドアローンで構成される場合、表示制御部13Eは、HTMLデータ等の生成および解釈を行い、そのコンピュータの表示装置に各種画面を表示させるようにすることができる。ネットワークインタフェース部13Fは、インターネットを含むネットワークを介したデータの送受信を制御する。
【0071】
WEBサーバ12は、WEBアクセス制御部12A、およびネットワークインタフェース(I/F)部12Bを含む。WEBアクセス制御部12Aは、ユーザの指示をクライアント端末10のWEBブラウザ10Aから受け取り、この指示に応じて、ローカルまたは会計管理サーバ13を含む他のコンピュータからHTMLデータ等を取得(場合によってはHTMLデータを生成)し、これをクライアント端末10に提供する。ネットワークインタフェース部12Bは、インターネットを含むネットワークを介したデータの送受信を制御する。
【0072】
クライアント端末10は、WEBブラウザ10A、およびネットワークインタフェース(I/F)部10Bを含む。WEBブラウザ10Aは、一般的なWEBブラウザアプリケーションであり、HTMLデータや画像等のデータを受信して、表示装置に取引入力画面や更新結果表示画面等を表示する。一方、取引入力画面や更新結果表示画面からユーザが入力したデータ等を受信して、それをWEBサーバ12に送信する。ネットワークインタフェース部10Bは、インターネットを含むネットワークを介したデータの送受信を制御する。
【0073】
この例では、一般的なASPの仕組みにより、会計管理サーバ13で生成されたHTMLデータ等がWEBサーバ12を経由してクライアント端末10に提供されるが、その他の様々な方法によって、本発明の会計管理システムに係る機能および画面をユーザに提供するようにできる。また、ここでは、WEBブラウザによってユーザに取引入力画面等を表示し、入力を受け付けているが、他の既存のアプリケーションや専用のアプリケーションを用いて、同様の機能および画面をユーザに提供することができる。
【0074】
データサーバ14は、仕入テーブル14Aや売上テーブル14Bなどの取引関連テーブルと、会社情報マスタ15Aや取引先マスタ15Bなどのマスタ類を記憶、格納する。取引関連テーブルは、前述した予算データコピーにより、予算に関するテーブル群のデータを、実績・見込に関するテーブル群にコピーすることができる。これらの取引関連テーブルとマスタ類は、RDBをはじめ様々な形式のデータベースやデータファイルで構成することができる。
【0075】
なお、本発明の一実施形態に係る会計管理システムは、予算管理および実績・見込管理を行う会計管理システムとして説明されるが、個別の機能に限定してカスタマイズすることも可能で、たとえば、予算管理、実績管理、および見込管理のうち少なくとも1つの機能を実現するシステムとして構成することもできる。
【0076】
以下、本発明の一実施形態に係る会計管理システムの予算(
図3の予算管理メニューから起動される処理)に関して代表的な処理を説明する。なお、実績・見込(
図3の実績・見込管理メニューから起動される処理)についても同様の処理となっている。
【0077】
図5は、売上予算作成について、クライアント端末10の表示装置に表示される取引入力画面である。
図5Aの取引入力画面100は、
図3の予算管理メニューの予算作成で、売上予算を選択した場合に表示される。このとき、取引入力画面100には、取引先入力エリア101、タイトル表示エリア102、取引追加ボタン103、および取引削除ボタン104が表示される。
【0078】
図5Bの取引入力画面110には、ユーザが取引先の指定をする場合に表示されるプルダウンリスト115が表示されている。プルダウンリスト115には、選択可能な取引先の取引先コードと、それに対応する取引先名(または取引先略称)が表示され、ユーザが、そのうちの1つを選択すると、取引先入力エリア111に取引先コードが入力され、取引先名には、入力された取引先コードに対応する取引先略称が自動的にセットされる。このようなプルダウンリストの情報は、取引先マスタ15Bから取得される。
【0079】
ここで、
図6を参照して、マスタ登録画面の一例について説明する。マスタ類へのデータの登録は、主に、
図1Bの会社情報登録や基本設定のタイミングで行われるが、その後必要に応じて随時、追加や修正を行うことができる。
図6Aは、決済条件マスタ登録画面120を示しており、ユーザは、この画面に決済条件コードや決済条件名を入力し、登録ボタン123を(クライアント端末10のマウス等で)押下することにより、そのデータを決済条件マスタ15Dに登録する。また、決済条件には、対応する取引が収入か支出であるかを指定することができ、さらに、決済手段入力エリア121に、決済期間ごとに、割合および1つまたは複数の決済手段が指定される。また、必要に応じてサイト情報を入力することができる。
【0080】
たとえば、
図6Aの例は、収支区分が「売上」のような収入についての決済条件であり、売上収益の計上基準が販売基準の場合、販売月の1ヶ月前(決済期間=−1)のタイミングで、売上代金の10%分(税込み金額)が現金で入金され、販売月(決済期間=0)に売上代金の20%分(税込み金額)を手形で受け入れ、その手形が3ヶ月で現金化される(手形サイト=3)。以下、同様に、販売月(決済期間=0.1)で、売上代金の20%分(税込み金額)が現金で入金され(ここで、決済期間に指定された小数点以下の数字は掛取引の存在を示している)、販売月の1ヶ月後(決済期間=1)に売上代金の25%分(税込み金額)をそれぞれ現金と手形で受け入れ、手形は3ヶ月で現金化される(手形サイト=3)。
【0081】
このようにユーザは、売上代金または支払代金がどのような条件で決済されるかを決済条件コード等と関連付けて、収支ごとに事前に登録しておくことができる。これによって、多く用いられる決済条件については、これを登録しておき、取引入力の際に、その決済条件コードを入力すれば、複雑な決済手段による複雑な仕訳入力を省略することができ、また、誤入力を防止することもできる。
【0082】
また、特定の取引先、商品、および勘定科目のそれぞれ、またはこれらのうち少なくとも2つの組み合わせについて、採用されている決済条件が決まっていれば、この関係を設定しておき、取引入力の際に、入力された取引先、商品、および勘定科目に基づいて、関係付けられた決済条件を自動的に呼び出すように制御することもできる。
【0083】
なお、
図6Aの決済条件マスタ登録画面120では、行追加ボタン122を押下することによって、決済手段入力エリア121に新たな行が追加され、決済期間と、これに対応する決済手段を追加登録することができる。その他、最終行のいずれかのセルにデータを入力した場合に、自動的に新たな入力用の行が追加されるといった、様々な追加方法を採用することができる。また、この例では、現金、手形、ファクタリングの決済手段が用意されているが、これらを、仕様にしたがって限定または拡張することができる。さらに、収支区分、すなわち、収入か支出かに応じて、これらの決済手段のバリエーションをそれぞれ異なるように設定することもできる。登録ボタン123が押下された場合、各決済手段に指定された割合が100%になるかどうかチェックする。
【0084】
図6Bは、取引先マスタ登録画面130を示しており、ユーザは、この画面に取引先コードや取引先名を入力し、登録ボタン131を押下することにより、そのデータを取引先マスタ15Bに登録する。
【0085】
図6Cは、商品マスタ登録画面140を示しており、ユーザは、この画面に商品コード、商品名、商品略称等を入力し、登録ボタン141を押下して、これらのデータを商品マスタ15Fに登録する。
【0086】
再び取引入力画面の説明に戻る。
図7は、
図5Bの取引入力画面110の取引先入力エリア111に取引先が入力された後、取引追加ボタン113を押下した場合に表示される取引内容入力エリア150を表しており、この例では、このエリアが1画面としてポップアップ表示される。
図7Aの取引内容入力エリア150は、ポップアップ表示された直後の初期状態を表している。ここでユーザは、商品、売上科目、消費税区分、決済条件の各入力エリアに、たとえば、プルダウンリストから所望のリストを選択することによって取引内容を入力する。その他、備考を必要に応じて入力する。
【0087】
図7Bの取引内容入力エリア160は、ユーザによって各入力エリアに取引内容が入力された状態を示している。決済条件入力エリア161には、プルダウンリスト162が展開され、ユーザがそこから、決済条件コード=100(決済条件名=決済条件A)を選択し、所望の決済条件を入力する。プルダウンリスト162にリストされた決済条件は、
図6Aの決済条件マスタ登録画面120によって決済条件マスタ15Dに登録されたものである。前述のように、決済条件を、取引先や商品等の組み合わせで関連付けている場合は、入力されている取引先や商品に関連付けられた決済条件だけがプルダウンリスト162にリストされるよう制御できる。また、決済条件が1つに特定される場合は、プルダウンリスト162の表示がされずにそのまま決済条件入力エリア161にセットされてもよい。ここで、OKボタン163が押下されると、
図5Bの取引入力画面110に示されたタイトル表示エリア112の下に、取引詳細入力エリアが表示され、
図8Aのような表示となる。
【0088】
図8Aの取引入力画面170には、上述のように、
図7Bの取引内容入力エリア160により指定された1つの取引が、取引詳細入力エリア175として表示されている。取引詳細入力エリア175には、左端部に、商品や売上科目等、
図7Bの取引内容入力エリア160で入力された各データが3行×2列で表示される。これらのデータは、タイトル表示エリア172に示されたタイトル項目に対応している。また、取引詳細入力エリア175には、月単位に(この例では1月から12月)入力エリアが展開され、それぞれの月について、3行のエリアが配置されている。これらのデータは、タイトル表示エリア172に示されたタイトル項目(売上数(取引数量)、売上単価、金額)に対応している。この段階では、
図7Bの取引内容入力エリア160で入力された商品コードに対応付けられた売上単価(売上単価は、商品マスタとセット商品マスタを参照して求められる)が、各月について表示されている。売上数の項目は、この状態からユーザによって入力される。
【0089】
図8Bの取引入力画面180は、ユーザが取引詳細入力エリア175にデータを入力した状態を示している。この例では、3月と9月にそれぞれ取引数量として売上数(=100)が入力され、金額の項目に、売上数×売上単価が計算され、自動的にセットされる。また、ここでは、売上単価を修正することもでき、
図8Bの例では、9月の売上単価が999に修正され、この売上単価を用いて金額が計算されている。この例では、左端部の商品や売上科目等が表示されているセルは、データを表示するのみで、ユーザによる入力ができないため、(取引詳細入力エリアに含まれているものの)厳密には表示エリアということができる。
【0090】
さらに、金額のセルに値を入力することができる。たとえば、小売業のように多岐多数の商品を取り扱っている場合などで、売上数×売上単価による予算作成は煩雑すぎて現実的でないため、月間の売上予算額を金額のセルに直接入力する。また、一部値引きがある場合など、必ずしも売上予算額=売上数×売上単価にならないケースに対応するため、金額のセルに表示された売上数×売上単価の計算結果を上書き入力して変更することができる。
【0091】
ここで、登録ボタン187を押下すると、入力された取引のデータが売上テーブルに登録されるとともに商品有高テーブルが更新され、さらに、仕訳データが生成されるとともに、当該データが仕訳テーブルに登録される。
【0092】
図8Bの取引入力画面180には、金額計表示エリア186も示されており、月単位に金額の合計が表示され、さらに全体の合計が当期計として右端に表示される。
【0093】
図5および
図8の取引入力画面は、いわゆる表形式の入力兼表示画面となっているが、本発明の会計管理システムがこのような特定の入力表示形式を用いるよう限定されるわけではない。また、それぞれのデータの入力および表示を行う「セル」は、システムの仕様に応じて入力可能とするか入力禁止(すなわち、表示のみ)とするかを適宜コントロールすることができる。
【0094】
このように、本発明の会計管理システムにおける取引入力では、
図5Aや
図5Bの取引入力画面に配置される取引先入力エリアから、
図7Aや
図7Bに示す(ポップアップ表示の)取引内容入力エリア、
図8Aや
図8Bの取引詳細入力エリアがそれぞれ段階的に表示され、これらの入力エリアに、順次ユーザが取引に関する入力を行うことで取引の入力が行われる。上記のように、この例では、3つの入力エリアへの入力、すなわち3段階の入力を経て1つの取引(1月〜12月のひとまとまりの取引)が入力されることになるが、必要に応じて、より多い段階またはより少ない段階の入力ステップを踏むように構成できる。
【0095】
また、この例では、
図7Bの取引内容入力エリア160で入力された商品コードに対応付けられた売上単価(売上単価は、商品マスタとセット商品マスタを参照して求められる)が、
図8Aの取引詳細入力エリア175の各月の売上単価として展開されるので、ユーザは、各月について、この売上単価を入力し直す必要はなく、変更がある場合は、その月の分だけを修正すればよく、ユーザの入力負担が軽減される。
【0096】
また、取引詳細入力エリア(175、185)は、
図8に示すように、1月から12月といった、会社の決算対象期間に応じて展開され、これらの月について一斉に入力および確認ができるように、同時に表示され得る。ただし、1〜3ヶ月や半期の単位で表示することもできる。また、表示装置のウインドウ幅の制限により、対象のすべての月が表示できない場合は、スクロールバーを使ってこれらの一部を表示するようにできる。
【0097】
図9は、
図5Bの取引入力画面110において取引先が指定された後で、取引追加ボタン113が押下された以降の処理について概要を示したフローチャートである。最初に、ステップS40で、取引入力画面110においてユーザにより取引追加ボタン113が押下されたかどうかが判定される。取引追加ボタン113が押下された場合(ステップS40のYES)、ステップS42において、
図7Aに示す取引内容入力エリア150を、たとえば
図5Bの取引入力画面110の上に重ねてポップアップ表示する。取引追加ボタン113が押下されない場合は(ステップS40のNO)、ステップS40の判定を繰り返す。このようなループ処理は、イベントドリブン型のプロセスでは(取引追加ボタン113が押下されたときにプロセスが発生するため)存在しないが、処理を簡潔に説明するため、便宜上、このような表記とする。以下、同様のループ処理については説明を省略する。
【0098】
次に、
図7Bに示す取引内容入力エリア160のように、ユーザによる取引データの入力が行われ、ステップS44でOKボタン163の押下が判定されると(ステップS44のYES)、ステップS46で、
図8Aに示すように、取引入力画面170において、入力された取引データに対応して取引詳細入力エリア175が表示される。
【0099】
ステップS48で、それぞれの月の売上数等のセルにユーザから入力があったことが判定されると(ステップS48のYES)、ステップS50において、売上金額の計算(再計算)が行われ、
図8Bに示す取引入力画面180のように、更新された数値が対応するセル内に表示される。売上単価が変更可能である場合は、売上単価の修正入力があった場合にも、売上金額の再計算が行われ、対応するセルに表示される。
【0100】
次に、ステップS52において、登録ボタン187の押下が判定されると、ステップS54に進み、そこで、売上データが生成され、売上テーブルに登録される。売上テーブル14Bは、たとえば、
図11Aに示すように、取引No、取引年月、商品、取引区分、取引先、決済条件、売上科目、および消費税区分(またはさらに備考)ごとに、1レコードが構成され、そこで、売上数、単価、および金額が管理され記憶される。
【0101】
次に、ステップS56において、売上テーブル14Bの売上データ(または上記生成された売上データ)を元に、決済条件マスタ15Dを参照して、仕訳データを作成し、仕訳テーブル14Dに登録する。たとえば、
図11Bに示すように、決済No、取引年月、決済区分、取引区分、取引先、借方勘定科目、借方消費税区分、貸方勘定科目、貸方消費税区分、および金額が1つの仕訳レコードとして生成され、このレコードが仕訳テーブル14Dに記憶される。ここで、仕訳ロジックにより、取引データ(売上データ)を仕訳レコードとして展開し生成するが、仕訳ロジックは、処理ロジックとしてプログラムに埋め込まれていてもよいし、このロジックを定義する情報を記憶しておき、これを参照して処理を行ってもよい。
【0102】
次に、ステップS58において、売上テーブル14Bの売上データ(または上記作成された売上データ)を元に、商品マスタ15Fを参照して、商品有高データを作成し、商品有高テーブル14Cに登録する。たとえば、
図12Aに示すように、年月および商品ごとに、月初棚卸、当月受入、当月払出、月末棚卸のそれぞれについての数量と金額やその他、商品の有高に関するデータが集計され、これが1レコードとして商品有高テーブル14Cに記憶される。なお、
図12AのNoは便宜上の番号である。また、ステップS58では、必要に応じてセット商品マスタ15Gも参照される。
【0103】
次に、ステップS60において、仕訳ロジックに基づいて商品有高テーブル14Cの商品有高データ(または、上記作成された商品有高データの月初棚卸や当月受入などの集計項目)から仕訳データを作成し、仕訳テーブル14Dに登録する。仕訳テーブル14Dは、上述した
図11Bに示すようなレイアウトである。仕訳ロジックは、処理ロジックとしてプログラムに埋め込まれていてもよいし、このロジックを定義する情報を記憶しておき、これを参照して処理を行ってもよい。
【0104】
このように、本発明の一実施形態に係る会計管理システムでは、売上といった取引の入力により生成された売上データ等から、決済条件マスタを参照して仕訳データが作成されるとともに、売上データを元に作成された商品有高データから仕訳データが作成される。
【0105】
ステップS52において、閉じるボタンの押下が判定されると、取引詳細入力エリア185に表示されたデータおよびそこで修正入力されたデータがキャンセルされ、
図8Bに示す取引入力画面180が閉じられる。なお、
図9のフローチャートで説明してきた処理では、各所で閉じるボタンを押下して処理をキャンセルすることができるが、説明を簡潔にするため適宜省略している。
【0106】
次に、
図10、
図12B、および
図12Cを参照して、
図9のステップS56の仕訳データ生成処理をさらに詳細に説明する。なお、ここでは、
図7Bの取引内容入力エリア160に示すように、勘定科目が、継続役務でない「売上高1」、消費税区分が「課売5%」、決済条件が「100:決済条件A」である取引(取引区分は「売上」)が入力された場合の処理について説明する。また、会社情報マスタ15Aより、消費税設定が申告区分=一般課税、経理方式が税抜経理となっており、決済条件Aは、決済条件マスタ15Dより、
図12Bに示すように設定されていることが把握されているものとする。取引年月は2013年6月である。なお、
図12Cに示す勘定科目と消費税区分は、説明を分かりやすくするために、コードではなくデコード結果を表示してある。
【0107】
最初に、ステップS70で、売上データのレコードから処理対象のレコードを選択し、取引年月、金額、および消費税区分が把握され(また、このレコードから、勘定科目および決済条件も把握される)、ここで、消費税等額、税込金額、および横計配賦金額を求める。たとえば、金額を123,450円とすると、消費税等額は、6,173円(円未満四捨五入)、税込金額は、129,623円(円未満四捨五入)と計算される。また、決済期間ごとの横計(%)と横計配賦金額(円未満四捨五入)は、
図12Bに示すように計算される。横計(%)は、全体の決済金額をどのような割合で、それぞれのどの決済手段で決済するかを表すため、通常は、合計すると100%になる。なお、この例では、円未満を四捨五入することによって横計配賦金額等を求めているが、こうした金額の求め方はユーザが任意に設定することができる。
【0108】
次に、ステップS72において、決済条件を決済期間ごとに1行ずつ読み込み、それぞれの決済条件に応じて、ステップS74ないしステップS94で仕訳データを生成する。ステップS74で、処理する決済条件の期間が残っている場合(ステップS74のNO)、ステップS76に進み、その決済期間の決済手段に現金が含まれるかどうかが判断される。
【0109】
次に、ステップS78において、現金決済における決済期間が判断される。決済期間がマイナスの場合は、ステップS80に進む。決済期間がマイナスの場合、販売月から、マイナスで表された数の月だけ前に、指定された割合(%で表された割合)の金額が、現金で入金されることを表す。したがって、この場合、入金月に前受金の計上を行い、販売月に前受金を売上科目に振り替える仕訳データが作成される。たとえば、これは、
図12Bの決済条件のNo1の場合であり、仕訳データは、
図12CのNo1およびNo2のようになる。
【0110】
決済期間がゼロの場合は、ステップS82に進む。決済期間がゼロの場合、販売月に、指定された割合(%で表された割合)の金額が、現金で入金されることを表す。したがって、この場合、販売月に現金預金の計上を行う仕訳データが作成される。
【0111】
決済期間がプラスの場合は、ステップS84に進む。決済期間がプラスの場合、販売月から、プラスで表された数の月だけ後に、指定された割合(%で表された割合)の金額が、現金で入金されることを表す。したがって、この場合、販売月に売掛金の計上を行い、翌月以降、すなわちプラスで表された数の月だけ後に現金による売掛金の回収をする仕訳データが作成される。たとえば、これは、
図12Bの決済条件のNo4の場合であり、仕訳データは、
図12CのNo7およびNo8のようになる。
【0112】
また、
図12Bの決済条件では、決済期間に0.1と指定されたレコード(No3)があるが、これは、当月決済(すなわち、販売月と入金月が同じ月)で、売掛金を計上する決済であることを示している。したがって、この場合、販売月に売掛金の計上を行い、同月に現金による売掛金の回収をする仕訳データが作成される。仕訳データは、
図12CのNo5およびNo6のようになる。なお、ここでは、0.1〜0.4を売掛金の計上を行う当月決済、−0.4〜−0.1を前受金の計上を行う当月決済としており、少数点部分にユーザ任意の意義を持たせたり、同じ月にその小数点以下の数字に対応する決済を登録することもできる。少数点の表現については、このような表現に限定されない。たとえば、0.1〜0.9、−0.9〜−0.1を用いてもよいし、少数点以下第1位以外の桁を利用することもできる。
【0113】
また、本発明の一実施形態に係る会計管理システムでは、このように、決済期間において、販売月の前後の月数を整数で表すほかに、少数点を用いて、掛取引のある当月決済を表すようにしているが、少数点以外の他の表現を用いたり、他の項目を設定したりしてこれらを区別できるようにすることもできる。
【0114】
次に、ステップS86において、その決済期間の決済手段に手形が含まれるかどうかが判断され、ステップS88で、手形決済における決済期間が判断される。決済期間がマイナスの場合は、ステップS90に進む。決済期間がマイナスの場合、販売月から、マイナスで表された数の月だけ前に、指定された割合(%で表された割合)の金額が、手形で決済されることを表す。したがって、この場合、受入月に前受金の計上を行い、販売月に前受金を売上科目に振り替え、さらに、手形サイトで指定された時期に現金の入金がされる仕訳データが作成される。
【0115】
決済期間がゼロの場合は、ステップS92に進む。決済期間がゼロの場合、販売月に、指定された割合(%で表された割合)の金額が、手形で決済されることを表す。したがって、この場合、販売月に手形受入(受取手形)の計上を行い、手形サイトで指定された時期に現金の入金がされる仕訳データが作成される。これは、
図12Bの決済条件のNo2の場合であり、仕訳データは、
図12CのNo3およびNo4のようになる。
【0116】
決済期間がプラスの場合は、ステップS94に進む。決済期間がプラスの場合、販売月から、プラスで表された数の月だけ後に、指定された割合(%で表された割合)の金額が、手形で決済されることを表す。したがって、この場合、販売月に売掛金の計上を行い、翌月以降、すなわちプラスで表された数の月だけ後に、手形受入による売掛金の回収を行い、さらに、手形サイトで指定された時期に現金の入金がされる仕訳データが作成される。たとえば、これは、
図12Bの決済条件のNo4の場合であり、仕訳データは、
図12CのNo9およびNo10のようになる(ただし、売掛金の計上は、No7の仕訳データに含まれている)。
【0117】
この例では、
図12Bの決済条件のNo4の場合のように、同じ決済期間について、現金と手形の決済が存在する場合に、それを1つのレコードで表しており、これに応じて、フローチャートも、現金に関する判断(ステップS76)をした後に、手形に関する判断(ステップS86)を行う、いわば直列的な処理を行っている。しかしながら、決済条件マスタ15Dのレコードはどのように構成してもよく、1レコードに1つの決済手段しか設定しないよう設計することもできる(フローチャートは、これに応じて並列的処理となる)。
【0118】
また、実務的には、
図6Aに示すように、ファクタリングといった他の決済手段も存在するが、ここでは、説明を簡潔にするため、ファクタリングについての項目を省略し、
図12Bのような決済条件とした。ファクタリングがある場合は、手形に関する判断(ステップS86)の後で同様の処理を行うことで対応できる。
【0119】
決済条件の各決済期間についてすべて処理が終了したら(ステップS74のYES)、ステップS96に進み、そこで、売上高1の計上を行うとともに、仮受消費税等の計上を行う仕訳データを作成する。この仕訳データは、
図12Cでは、No11およびNo12で表される。その後、ステップS98に進み、各決済期間の配賦額の合計と決済総額である税込金額との差額があれば(この例では0円)現金預金で調整するよう仕訳データを作成する。この仕訳データは、
図12CのNo13のデータに対応する。また、決済条件のNo4に関しては、各決済手段の配賦額の合計と当該決済期間の配賦額との差額が生じているため(32,406+32,406=64,812)、差額(この例では、1円)を現金預金に加減し調整をしている。
【0120】
最後に、ステップS100において、作成された仕訳データ(
図12CのNo1ないしNo13までのデータ)を仕訳テーブルに登録する。このように、仕訳データは、決済条件マスタを参照して仕訳ロジックによって作成される。ここでは、
図10に示す処理が仕訳ロジックに基づく処理に相当する。
【0121】
次に、
図13を参照して、
図9のステップS60の処理をさらに詳細に説明する。
図13Aの商品AAAについての月次商品有高情報は、
図12Aに示す商品有高テーブル14Cの内容を編集し表示したものである(数量および金額は、
図12Aの内容とは別に設定したものである)。
図13Aの月次商品有高情報のうち、3月分について作成した仕訳データは、
図13Bに示すようなデータとなる。仕訳データは、すべての商品の合計となるが、ここでは商品AAAのみが取引されたものとする。また、仕訳データのNoの項目は、説明のためのものである。なお、
図13Bに示す勘定科目と消費税区分は、説明を分かりやすくするために、コードではなくデコード結果を表示してある。
【0122】
仕訳データの作成は、仕訳ロジックに基づいて、月初棚卸や当月受入といった各項目に対応する対象月分の金額等を参照することによって行われる。
図13の例では、
図13Bの仕訳データのNo1のレコードは、月初棚卸の金額を元にして作成され、借方勘定は期末商品棚卸高、貸方勘定は商品となる。ただし、期間の最初の月(たとえば、1月)については、借方勘定が期首商品棚卸高、貸方勘定が商品となる。
【0123】
図13Bの仕訳データのNo2のレコードは、他勘定振替の金額を元にして作成され、借方勘定は他勘定振替仮勘定、貸方勘定は他勘定振替高となる。No3のレコードは、月末棚卸の金額と月末棚卸金額修正の金額を加算した金額を元にして作成され、借方勘定は商品、貸方勘定は期末商品棚卸高となる。同様に、No4のレコードは、評価損等(原価)の金額を元にして作成され、借方勘定は評価損等(原価)仮勘定、貸方勘定は商品となり、No5のレコードは、評価損等(原価外)の金額を元にして作成され、借方勘定は評価損等(原価外)仮勘定、貸方勘定は商品となる。
【0124】
最終的に、こうして作成された仕訳データは、仕訳テーブルに登録される。このように、仕訳データは、上述のような処理ロジックにより作成される。
【0125】
次に、
図14および
図15を参照して、案分売上予算作成の処理について説明する。売上予算作成の取引入力画面は、
図3の予算管理メニューの予算作成で、案分売上予算を選択した場合に表示される。
図14Aには、案分売上予算の取引入力画面で取引追加ボタンを押下した場合にポップアップ表示される取引内容入力エリア190が示されている。取引内容入力エリア190には、
図7Aに示す、売上予算作成における取引内容入力エリア150と同様に、商品、売上科目、決済条件、消費税区分、および備考を入力するエリアを含み(売上単価は、商品コードを元に商品マスタとセット商品マスタを参照して求められ表示される)、さらに、決済科目を入力するエリアを備える(決済単価は商品マスタとセット商品マスタを参照して求められ表示される)。各項目を入力した後、OKボタン191を押下すると、売上予算作成における場合と同様に、取引入力画面に、入力された取引に対応する取引詳細入力エリアが表示される。
【0126】
図14Bは、入力された取引に対応する取引詳細入力エリア205が、「決済予算」のタブに関連付けられて表示された状態の取引入力画面200である。取引入力画面200には、決済予算に関するタイトル表示エリア202と取引詳細入力エリア205が表示されている。取引詳細入力エリア205には、左端部に、商品、決済科目、決済条件、および備考が表示され、商品コードを元に商品マスタとセット商品マスタを参照して求められた決済単価が月ごとに表示される。ユーザが、各月の決済数のセルに取引数量を入力すると、決済数と決済単価を掛けた数が金額のセルに表示される。ここでは、ユーザが、珈琲チケットを月に何冊販売する予定なのかを入力している。ユーザの決済数の入力に応じて決済数×決済単価が自動計算され、その結果が金額として表示されている。また、金額計表示エリア206には、各月の金額計が、それらを合計した当期計とともに表示されている。
【0127】
図15は、
図14Bの取引入力画面200の「収益予算」のタブ209を押下して、収益予算に関する表示に切り替えられた状態を表す取引入力画面210を示している。取引入力画面210の取引詳細入力エリア215には、左端部に、商品、売上科目、決済科目、数量単位、消費税区分、および備考が表示され、商品コードを元に商品マスタとセット商品マスタを参照して求められた売上単価が月ごとに表示される。ユーザが、各月の売上数のセルに取引数量を入力すると、売上数と売上単価を掛けた数が金額のセルに表示される。ここでは、ユーザが、珈琲チケットによる各月の売上予定数を入力している。ユーザの売上数の入力に応じて売上数×売上単価が自動計算され、その結果が金額として表示されている。また、金額計表示エリア216には、各月の金額計が、それらを合計した当期計とともに表示されている。
【0128】
ここで、「決済予算」のタブ218を押下すれば、
図14Bに示す取引入力画面200が再び表示される。このように、取引入力画面では、決済予算に関する表示と収益予算に関する表示をタブの押下により切り替えて表示することができるようになっている。決済予算に関する表示と収益予算に関する表示は、同時に並べて表示することもできるが、上記のような切替方式にすることによって、多くの取引を一度に表示する場合に、効果的に金額等の確認および入力をすることができる。
【0129】
なお、
図14および
図15は、案分売上予算作成の処理において利用される取引入力画面の構成例を示したものであるが、同様の構成は、案分仕入予算作成の処理でも実現することができ、このときのタブは、「決済予算」と「費用予算」となる。
【0130】
図14Bの取引入力画面200の登録ボタン207、または
図15の取引入力画面210の登録ボタン217を押下すると、
図9と同様の処理により、案分売上データが生成される(ここでは、売上データではなく、案分売上データが生成される)。その後、
図9と同様の処理により、案分売上データと仕訳ロジックおよび決済条件マスタから仕訳データが作成され(ステップS54、ステップS56)、さらに、商品有高データが生成され、その商品有高データと仕訳ロジックから仕訳データが作成される(ステップS58、ステップS60)。
【0131】
次に、
図16を参照して、
図6Aに示した決済条件の他の例について説明する。
図16Aは、決済条件コード=200の決済条件の内容を示している。この決済条件は、支出に関する決済条件であり、仕入予算作成や案分仕入予算作成等の決済条件として用いられる。この例では、決済手段としてファクタリングが設定されていないが、このように、収支区分に応じて、指定可能な決済手段の組み合わせを変化させることができる。
【0132】
図16Bは、決済条件コード=202の決済条件の内容を示している。この決済条件は、支出に関する決済条件であって、割賦購入に関して用いられるものである。商品等の受領の翌月から5回に亘って20%ずつ現金で支払うパターンを示している。このように、本発明の一実施形態に係る会計管理システムでは、収入および支出の決済手段について、様々なパターンを定義しておくことができ、取引入力時に、そのパターンを指定することによって簡単にその決済条件に応じた仕訳データを作成することができる。
【0133】
次に、
図17および
図18を参照して、仕入予算作成の処理について説明する。
図17の取引入力画面220は、
図3の予算管理メニューの予算作成で、仕入予算を選択した場合に表示される。ユーザがプルダウンリストの選択等により、商品入力エリア221に商品コードと商品名を入力すると(商品名には、商品コードの入力により商品略称が自動的にセットされる)、商品マスタ15Fから仕入単価が求められ、仕入単価表示エリア222にこれが表示される。取引入力画面220の上部に表示される有高情報表示エリア(月次商品有高情報表示エリア)223には、指定した商品に対応する有高が商品有高テーブル14Cから求められ、これらが月単位に表示される。
図17の例では、3月に商品Aを100個売り上げる売上予算が作成された状態で、3月に当月払出の数量が100となり、その取引に関連して、3月の月末棚卸の数量、および4月以降の月末棚卸の数量と月初棚卸の数量が−100となっている。また、売上高表示エリア226も示されており、月単位に当該商品の売上高が表示され(3月の売上高として100,000(売上数100×単価1,000)が示されている)、さらに全体の合計が当期計として右端に表示される。
【0134】
取引入力画面220の下部には、
図8Aの取引入力画面170や
図8Bの取引入力画面180に示されたものと同様の、タイトル表示エリア227と取引詳細入力エリア228が表示されている。
図17の例では、すでに1件の仕入取引が入力(取引追加ボタン224の押下により取引が追加)された状態となっている。また、
図8Bと同様に、金額計表示エリア229も示されており、月単位に金額の合計が表示され、さらに全体の合計が当期計として右端に表示される。
【0135】
ここで、ユーザは、取引詳細入力エリア228に各月の仕入数を入力する。その結果を表したのが、
図18の取引入力画面240である。取引入力画面240の取引詳細入力エリア248には、ユーザによって、商品Aの仕入れが、2月に110個、5月に120個、8月に130個、11月に140個、それぞれ行われるよう入力されている。この入力に応じて、有高情報表示エリア(月次商品有高情報表示エリア)243の内容がアップデートされる。たとえば、2月の当月受入の数量は110であり、これが、取引詳細入力エリア248に入力された2月の110個に対応する。その他、5月、8月、11月の仕入分がそれぞれその月の当月受入の数量や金額に反映され、さらに、当月受入の数量や金額の変化に応じて、当月払出の金額、月末棚卸の数量と金額、月初棚卸の数量と金額が変化する。
【0136】
ユーザはここでさらに、有高情報表示エリア243の他勘定振替や評価損等(原価)などのセルに、値を直接入力することができる。その点で、有高情報表示エリアは、一部において入力エリアを有することになる。
【0137】
実際の運用では、売上予測に応じて仕入計画を立てるので、最初に売上予算を作成し、その後、仕入予算を作成する。このとき、予定した販売数量がわからないと、各月にどのぐらい商品を仕入れれば良いのか、また、適正在庫はどの程度なのかといった判断ができない。そこで、仕入予算を作成する際に、売上計画(売上数と金額)を把握し、適正在庫も考慮しながら、無駄のない適切な仕入計画を策定できるように、本発明の一実施形態に係る会計管理システムの仕入予算作成画面では、商品有高情報を表示しながら仕入取引の入力ができるようになっており、仕入取引に関する個々のセルへの入力が即座に商品有高情報に反映されるよう(すなわち、両者が連動するように)構成される。
【0138】
図17および
図18の例では、有高情報表示エリアと取引詳細入力エリアが1つの画面上に同時に表示されているが、この2つのエリアを切替可能な態様で交互に表示させるよう構成することもできる。また、必要に応じて、案分仕入予算作成における取引入力画面のほか、他の画面についても同様に、取引入力と連動した有高情報表示を行うように構成することができる。
【0139】
次に、
図19および
図20を参照して、収益等決済予算および費用等決済予算の処理について説明する。このような決済画面の利便性は、通常は勘定科目別にしか確認できない債権・債務が、勘定科目や債権・債務の別に関わらず一表で確認できるとともに、修正額や貸倒損失などの決済顛末を入力できるところにある。
【0140】
図19の収益等決済予算画面260は、
図3の予算管理メニューの決済予算で、収益等決済予算を選択した場合に表示される。ユーザがプルダウンリストの選択等により、取引区分入力エリア261に取引区分(たとえば、売上)を入力し、さらにプルダウンリストの選択等により、取引先コードと取引先名を取引先入力エリア262に入力する(取引先名には、取引先コードの入力により取引先略称が自動的にセットされる)。そうすると、この時点で、仕訳テーブル14Dが参照され、指定された取引区分と取引先に対応する仕訳データを抽出して月ごとに集計し、その集計値を収益等決済入力エリア263の対応する項目のセルに表示する。項目は、たとえば、前受金決済の現金預金や、長期前受金決済の受取手形などである。
【0141】
また、収益等決済入力エリア263には、上記各項目の一部について、表示された集計値の下に、修正額を入力するセルが設けられ、ユーザは、必要に応じて当該セルにその集計値の修正額を入力することができる。この他、外国為替の売掛金決済などで生じる為替差損益や、貸倒れが生じた際の貸倒引当金振替額などを入力するエリアも用意されている。このように、
図19の収益等決済予算画面260では、債権・債務の修正額または顛末額を入力可能な入力エリアが表示される。なお、この例では、修正額の入力エリア(入力セル)は、集計値のセルの下にある、異なるセルに配置されているが、集計値のセルに上書き入力する形で修正することもできる。
【0142】
ここで、登録ボタン265を押下すると、仕訳ロジックに基づき、集計値または入力された修正額や顛末額について仕訳データが作成される。この例では、基本的に、集計値に変更のない行(関連する修正額に入力のない集計値の行)については、仕訳データを作成しないが、そのような集計値の行についても、必要に応じて仕訳データを作成することができる。
【0143】
作成される仕訳データは、たとえば、前受金決済の現金預金について修正額が入力されている場合は、借方勘定が現金預金、貸方勘定が前受金と設定され、長期前受金決済の受取手形について修正額が入力されている場合は、借方勘定が受取手形、貸方勘定が長期前受金と設定される。
【0144】
図20の費用等決済予算画面270は、
図3の予算管理メニューの決済予算で、費用等決済予算を選択した場合に表示される。ユーザがプルダウンリストの選択等により、取引区分入力エリア271に取引区分(たとえば、仕入)を入力し、さらにプルダウンリストの選択等により、取引先コードと取引先名を取引先入力エリア272に入力する(取引先名には、取引先コードの入力により取引先略称が自動的にセットされる)。そうすると、この時点で、仕訳テーブル14Dが参照され、指定された取引区分と取引先に対応する仕訳データを抽出して月ごとに集計し、その集計値を費用等決済入力エリア273の対応する項目のセルに表示する。項目は、たとえば、前払金決済の現金預金や、長期前払金決済の支払手形などである。
【0145】
また、費用等決済入力エリア273には、上記各項目の一部について、表示された集計値の下に、修正額を入力するセルが設けられ、ユーザは、必要に応じて当該セルにその集計値の修正額を入力することができる。この他、外国為替の買掛金決済などで生じる為替差損益や、手形の裏書による決済額などを入力するエリアも用意されている。このように、
図20の費用等決済予算画面270では、債権・債務の修正額または顛末額を入力可能な入力エリアが表示される。なお、この例では、修正額の入力エリア(入力セル)は、集計値のセルの下にある、異なるセルに配置されているが、集計値のセルに上書き入力する形で修正することもできる。
【0146】
ここで、登録ボタン275を押下すると、仕訳ロジックに基づいて、集計値または入力された修正額や顛末額について仕訳データが作成される。この例では、基本的に、集計値に変更のない行(関連する修正額に入力のない集計値の行)については、仕訳データを作成しないが、そのような集計値の行についても、必要に応じて仕訳データを作成することができる。
【0147】
作成される仕訳データは、
図19の収益等決済予算画面260の場合と同様に作成される。すなわち、修正額等が入力されたセルに応じて、自動的に借方勘定および貸方勘定が設定される。
【0148】
次に、
図21および
図22を参照して、非資金等その他予算作成の処理について説明する。
図21の非資金等その他予算作成画面280は、
図3の予算管理メニューの予算作成で、非資金等その他予算を選択した場合に表示される。ユーザがプルダウンリストの選択等により、科目区分入力エリア281に科目区分(たとえば、資産)を入力し、さらにプルダウンリストの選択等により、勘定科目コードと勘定科目名を勘定科目入力エリア282に入力する(勘定科目名には、勘定科目コードの入力により勘定科目略称が自動的にセットされる)。貸借区分表示エリア283には、入力された勘定科目に応じた貸借区分が勘定科目マスタ15Cによって判定されセットされる。
【0149】
非資金等その他予算作成画面280の上段には、増加資金取引等集計値表示エリア286と増加表が表示され、増加表の上部には増加取引タイトル表示エリア287が表示される。一方、非資金等その他予算作成画面280の下段には、減少資金取引等集計値表示エリア288と減少表が表示され、減少表の上部には減少取引タイトル表示エリア289が表示される。増加資金取引等集計値表示エリア286には、入力された勘定科目について、他の入力画面で入力した取引で増加分があれば、その集計値が月単位に表示される。同様に、減少資金取引等集計値表示エリア288には、入力された勘定科目について、他の入力画面で入力した取引で減少分があれば、その集計値が月単位に表示される。
【0150】
また、非資金等その他予算作成画面280の最下段には、残高表示エリア290が配置され、入力された勘定科目についての残高が月単位に表示される。運用開始時は、前期繰越のセルに、前期繰越の値を入力する(次期以降は、前期末残高が自動で繰越される)。
【0151】
図21は、取引追加ボタン284が押下され、取引内容入力エリア292がポップアップ表示されている状態を表している。取引内容入力エリア292には、増加か減少かを指定する増減区分、相手方勘定科目、消費税区分、および備考を入力する。ここで、OKボタン293が押下されると、増減区分に応じて増加表または減少表に取引詳細入力エリアが表示される。
【0152】
図22は、
図21に示す取引内容入力エリア292で入力された取引(備品Aの取引)と他のもう1つの取引(器具Bの取引)が追加された非資金等その他予算作成画面300を表している。これらの追加された取引は、減少の取引であり、減少表の上部に表示される減少取引タイトル表示エリア309の下に、2つの取引詳細入力エリア(310、311)が表示されている。これらの取引詳細入力エリアに示されているように、8月から11月に亘って減少取引の金額が入力され、これに応じて、8月に800,000円存在した残高から、これらの金額が適宜減算され各月の残高として残高表示エリア312に表示される。
【0153】
ここで、登録ボタン313を押下すると、入力したデータが非資金等その他テーブル14Gに記憶されるとともに、仕訳ロジックに基づき、勘定科目入力エリア282に入力された勘定科目と取引内容入力エリア292で指定された相手方勘定科目、および取引内容入力エリア292で指定された増減区分(増加取引、減少取引の別)に応じて、仕訳データが生成され、それらが仕訳テーブル14Dに記憶される。
【0154】
このように、
図21および
図22に示す、非資金等その他予算作成の処理では、画面を表示させる段階で対象の勘定科目を選択した後、追加取引で相手方勘定科目を選択するだけで容易に取引を入力することができ、この取引に対応する仕訳データが自動的に作成される。
【0155】
次に、
図23を参照して、本発明の一実施形態に係る会計管理システムに含まれる会計管理サーバ13を構成するコンピュータの構成例について説明する。ただし、
図23のコンピュータ400は、会計管理サーバ13の各機能を実現するコンピュータの代表的な構成を例示したにすぎない。また、クライアント端末10、WEBサーバ12、およびデータサーバ14も同様の構成要素で構成される。
【0156】
コンピュータ400は、CPU(Central
Processing Unit)401、メモリ402、ディスプレイコントローラ405、ディスプレイ406、入力機器インタフェース408、キーボード409、マウス410、外部記録媒体インタフェース411、外部記憶装置412、ネットワークインタフェース413、およびこれらの構成要素を互いに接続するバス414を含んでいる。
【0157】
CPU401は、コンピュータ400の各構成要素の動作を制御し、OSの制御下で、各機能を実行する。たとえば、
図4に示す仕訳データ生成部13Dや表示制御部13Eなどの処理についての制御を行う。
【0158】
メモリ402は、たとえば、揮発性または不揮発性の半導体メモリである。メモリ402には、CPU401で実行される各機能(仕訳データ生成部13Dや表示制御部13Eなどの機能)を実現するためのプログラムがロードされ、当該プログラムに必要なデータ等が一時的に記憶される。
【0159】
ディスプレイコントローラ405は、CPU401等から送信される描画データを処理して、LCD(Liquid Crystal
Display)で構成される表示装置やタッチスクリーンなどを含むディスプレイ406に画面を表示する。この構成要素は、会計管理サーバ13には基本的に必要ないが、クライアント端末10に必須のものである。また、本発明の会計管理システムが単一のコンピュータで実現される場合にも必要とされる。
【0160】
入力機器インタフェース408は、ユーザが入力を行うために操作するキーボード409、マウス410、タッチスクリーンなどの入力装置から信号を受け取り、CPU401に送信する。この構成要素も会計管理サーバ13には基本的に必要ないが、ディスプレイコントローラ405と同様、クライアント端末10には必須のものである。また、本発明の会計管理システムが単一のコンピュータで実現される場合にも必要とされる。
【0161】
外部記録媒体インタフェース411は、外部記録媒体420にアクセスしてデータの送受信を制御する。たとえば、光ディスク421を駆動して記録面にアクセスし、記録されているデータを読み取り、または外部記憶装置412に記憶されたデータを光ディスク421に書き出す。また、可搬型のフラッシュメモリ422にアクセスし、コンピュータ400との間でデータをやりとりする。
【0162】
外部記憶装置412は、一般的には、ハードディスクのような記憶装置である。外部記憶装置412は、CPU401で実行される仕訳データ生成部13Dや表示制御部13Eの機能等を実現するためのプログラムを記憶するほか、当該プログラムが利用するデータなどが格納される。また、データサーバ14では、この外部記憶装置412(またはメモリ402)に仕入テーブルなどのテーブルや会社情報マスタのようなマスタ類を記憶する。
【0163】
ネットワークインタフェース413は、LANやインターネットを含むネットワーク430との接続を実現し、コンピュータ400とネットワーク430に接続された機器との間のデータの送受信を制御する。CPU401で実行され、本発明の各機能を実現するためのプログラムは、このネットワークインタフェース413や、上述の外部記録媒体インタフェース411を経由して、外部の装置からコンピュータ400に提供することができる。ネットワーク430は、たとえば、
図1のネットワーク11に対応する。