特許第6089243号(P6089243)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6089243
(24)【登録日】2017年2月17日
(45)【発行日】2017年3月8日
(54)【発明の名称】接合構造体の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/34 20060101AFI20170227BHJP
   B23K 1/00 20060101ALI20170227BHJP
   B23K 1/20 20060101ALI20170227BHJP
   B23K 35/22 20060101ALI20170227BHJP
   B23K 35/26 20060101ALI20170227BHJP
   B23K 35/30 20060101ALI20170227BHJP
   C22C 9/02 20060101ALN20170227BHJP
   B22F 1/00 20060101ALN20170227BHJP
   B23K 101/42 20060101ALN20170227BHJP
【FI】
   H05K3/34 505F
   H05K3/34 507C
   H05K3/34 512C
   B23K1/00 330E
   B23K1/00 310B
   B23K1/00 K
   B23K1/20 J
   B23K35/22 310A
   B23K35/26 310A
   B23K35/30 310C
   !C22C9/02
   !B22F1/00 L
   B23K101:42
【請求項の数】9
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-181870(P2015-181870)
(22)【出願日】2015年9月15日
(65)【公開番号】特開2016-219769(P2016-219769A)
(43)【公開日】2016年12月22日
【審査請求日】2015年10月15日
(31)【優先権主張番号】特願2015-104909(P2015-104909)
(32)【優先日】2015年5月22日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000143215
【氏名又は名称】株式会社弘輝
(74)【代理人】
【識別番号】100074332
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100114432
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 寛昭
(74)【代理人】
【識別番号】100171310
【弁理士】
【氏名又は名称】日東 伸二
(72)【発明者】
【氏名】大谷 怜史
(72)【発明者】
【氏名】山本 佑樹
(72)【発明者】
【氏名】古澤 光康
【審査官】 中島 昭浩
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−094242(JP,A)
【文献】 特開2002−261105(JP,A)
【文献】 特開2007−313548(JP,A)
【文献】 特開2009−224700(JP,A)
【文献】 特許第5626373(JP,B2)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0005247(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 3/34
B23K 1/00 − 3/08
B23K 35/22
B23K 35/26
B23K 35/30
H01L 21/92
H01L 23/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
Cuを60質量%以上100質量%以下含有するCu金属粒子及びSnを80質量%以上100質量%以下含有するSn金属粒子を含む金属粒子混合物とフラックスとを含むCuSnはんだペーストを、基板の表面に塗布して加熱した後に冷却することにより、前記基板の表面に第一はんだ層を形成する第一はんだ層形成工程と、
Snを含有するSn金属粒子を含む金属粒子とフラックスとを含むSnはんだペーストを前記基板に接合する接合部品の表面に塗布することにより、第二はんだ層を形成する第二はんだ層形成工程であって、前記第二はんだ層に含まれる金属粒子は、Snを80質量%以上100質量%以下含有するSn金属粒子及びCuを60質量%以上100質量%以下含有するCu金属粒子を、質量比でSn金属粒子がCu金属粒子よりも多くなるように含む第二はんだ層形成工程と、
前記第一はんだ層と前記第二はんだ層とを接触させて、該接触させた部分を加圧しながら加熱することにより、前記基板と前記接合部品とを前記第一はんだ層と前記第二はんだ層とからなる接合部を介して接合する接合工程とを備える接合構造体の製造方法。
【請求項2】
前記Snはんだペーストに含まれる金属粒子は、質量比がCu金属粒子:Sn金属粒子=0:100〜40:60となるように、Cu金属粒子とSn金属粒子とを含む請求項1記載の接合構造体の製造方法。
【請求項3】
Cuを60質量%以上100質量%以下含有するCu金属粒子及びSnを80質量%以上100質量%以下含有するSn金属粒子を含む金属粒子混合物とフラックスとを含むCuSnはんだペーストを基板の表面に塗布して加熱した後に冷却することにより、前記基板の表面に第一はんだ層を形成する第一はんだ層形成工程と、
Snを含有するSn金属粒子を含む金属粒子とフラックスとを含むSnはんだペーストを前記基板に接合する接合部品の表面に塗布することにより、第二はんだ層を形成する第二はんだ層形成工程であって、前記Snはんだペーストに含まれる金属粒子は、Snを80質量%以上100質量%以下含有するSn金属粒子を含み、Cuを含有するCu金属粒子を含まない第二はんだ層形成工程と、
前記第一はんだ層と前記第二はんだ層とを接触させて、該接触させた部分を加圧しながら加熱することにより、前記基板と前記接合部品とを前記第一はんだ層と前記第二はんだ層とからなる接合部を介して接合する接合工程とを備える接合構造体の製造方法。
【請求項4】
前記CuSnはんだペーストに含まれる金属粒子混合物は質量比でCu金属粒子をSn金属粒子よりも多く含む請求項1乃至3のいずれか一項に記載の接合構造体の製造方法。
【請求項5】
前記CuSnはんだペーストに含まれる金属粒子混合物はCu金属粒子を60質量%以上90質量%以下含み、
前記金属粒子はSn金属粒子を60質量%以上100質量%以下含む請求項1乃至4のいずれか一項に記載の接合構造体の製造方法。
【請求項6】
前記第一はんだ層形成工程において、230℃以上270℃以下で加熱した後に0℃以上40℃以下になるまで冷却する請求項1乃至5のいずれか一項に記載の接合構造体の製造方法。
【請求項7】
前記接合工程において、0.05MPa以上2.0MPa以下の力で加圧する請求項1乃至6のいずれか一項に記載の接合構造体の製造方法。
【請求項8】
前記接合工程において、230℃以上270℃以下で加熱する請求項1乃至7のいずれか一項に記載の接合構造体の製造方法。
【請求項9】
前記第一はんだ層形成工程及び前記第二はんだ層形成工程において、前記接合部に含まれるCuの合計の質量に対するSnの質量比が0.4以上3.0以下となるように、前記CuSnはんだペースト及び前記Snはんだペーストを塗布する請求項1乃至8のいずれか一項に記載の接合構造体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接合構造体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子部品等の接合部品が基板に接合された接合構造体を製造する方法としては、はんだ合金とフラックスとを含むはんだペーストを基板の表面の電極部等に塗布し、接合部品の電極部を前記基板の電極部に接触させて加熱することで、はんだペーストからなる接合部を介して基板と接合部品とを接合することが知られている。
近年、かかる接合構造体に用いられるはんだ合金としては、環境への配慮から鉛を含まない鉛フリーはんだ合金が要望されている。鉛フリーはんだ合金として、例えば、特許文献1には、Sn又はSn合金からなるSn系の金属粒子と、Cu又はCu合金からなるCu系の金属粒子と混合された金属フィラーを用いることが記載されている。
【0003】
特許文献1に記載の金属フィラーは、加熱すると、まずCuよりも融点の低いSnが溶融し、該溶融したSnがCu系の金属粒子表面のCuと反応してCu系金属粒子の表面にCu-Sn合金の層を形成するため、かかるCu-Sn合金の層によってCu系金属粒子同士を連結することではんだ接合部を形成するものである。
さらに、Cu-Sn合金はSnよりも融点が高い金属であるため、かかるはんだ接合部は再度加熱した場合でも溶融しにくくなる。部品内蔵基板のように内部にはんだ接合部を有する電子部品をコア基板に実装する場合等では内部のはんだ接合部は再度加熱されることになるが、該再加熱時にもCu-Sn合金は再溶融しにくい。よって、前記金属フィラーをはんだ合金として用いることで、電気的な接続信頼性を損なうことが少ない接合構造体が得られる。
【0004】
しかしながら、融点が異なる金属粒子が混合された金属フィラーを用いたはんだは、ボイドが発生しやすいという問題がある。すなわち、加熱時にははんだに含まれるフラックス等の揮発成分によってガスが発生し、溶融したSn系金属中に気泡として存在する場合があるが、Cu系の金属粒子は溶融しにくく粒子として存在するため、ガスが金属粒子周囲に付着して溜まりやすくなり、溶融金属から抜けにくくなる。よって、そのままはんだが冷却されて接合部が形成されるとガスの部分がボイドとして接合部に残存する。かかるボイドが接合部中に多く存在すると、基板と接合部品との接触面積が減少するため電気抵抗が増加し、発熱の原因等になり好ましくない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−149185号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記のような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、再加熱しても溶融しにくく、且つ、ボイドが少ない接合部を有する接合構造体の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、Cuを60質量%以上100質量%以下含有するCu金属粒子及びSnを80質量%以上100質量%以下含有するSn金属粒子を含む金属粒子混合物とフラックスとを含むCuSnはんだペーストを、基板の表面に塗布して加熱した後に冷却することにより、前記基板の表面に第一はんだ層を形成する第一はんだ層形成工程と、Snを含有するSn金属粒子を含む金属粒子とフラックスとを含むSnはんだペーストを前記基板に接合する接合部品の表面に塗布することにより、第二はんだ層を形成する第二はんだ層形成工程であって、前記第二はんだ層に含まれる金属粒子は、Snを80質量%以上100質量%以下含有するSn金属粒子及びCuを60質量%以上100質量%以下含有するCu金属粒子を、質量比でSn金属粒子がCu金属粒子よりも多くなるように含む第二はんだ層形成工程と、前記第一はんだ層と前記第二はんだ層とを接触させて、該接触させた部分を加圧しながら加熱することにより、前記基板と前記接合部品とを前記第一はんだ層と前記第二はんだ層とからなる接合部を介して接合する接合工程とを備える。
また、本発明は、Cuを60質量%以上100質量%以下含有するCu金属粒子及びSnを80質量%以上100質量%以下含有するSn金属粒子を含む金属粒子混合物とフラックスとを含むCuSnはんだペーストを、基板の表面に塗布して加熱した後に冷却することにより、前記基板の表面に第一はんだ層を形成する第一はんだ層形成工程と、
Snを含有するSn金属粒子を含む金属粒子とフラックスとを含むSnはんだペーストを前記基板に接合する接合部品の表面に塗布することにより、第二はんだ層を形成する第二はんだ層形成工程であって、前記Snはんだペーストに含まれる金属粒子は、Snを80質量%以上100質量%以下含有するSn金属粒子を含み、Cuを含有するCu金属粒子を含まない第二はんだ層形成工程と、前記第一はんだ層と前記第二はんだ層とを接触させて、該接触させた部分を加圧しながら加熱することにより、前記基板と前記接合部品とを前記第一はんだ層と前記第二はんだ層とからなる接合部を介して接合する接合工程とを備える。
【0008】
本発明によれば、Cuを含有するCu金属粒子及びSnを含有するSn金属粒子を含む金属粒子混合物とフラックスとを含むCuSnはんだペーストを基板の表面に塗布して加熱した後に冷却することにより、前記基板の表面に第一はんだ層を形成する第一はんだ層形成工程を備えるため、Cu-Sn合金(Cu及びSnを含む合金)層を有する第一はんだ層を基板表面に形成することができる。また、Snを含有するSn金属粒子を含む金属粒子とフラックスとを含むSnはんだペーストを前記基板に接合する接合部品の表面に塗布することにより、第二はんだ層を形成する第二はんだ層形成工程と、前記第一はんだ層と前記第二はんだ層とを接触させて、該接触させた部分を加圧しながら加熱することにより、前記基板と前記接合部品とを前記第一はんだ層と前記第二はんだ層とから成る接合部を介して接合する接合工程とを備えるため、第一はんだ層において空隙が発生していた場合でも、接合工程において第二はんだ層のSn金属が溶融し、加圧によって空隙中に溶融したSn金属が入り込み空隙を埋めることができる。よって、接合部におけるボイドの発生を抑制することができる。
【0009】
前記CuSnはんだペーストの金属粒子混合物は質量比でCu金属粒子をSn金属粒子よりも多く含んでいてもよい。
【0010】
前記金属粒子混合物はCu金属粒子を60質量%以上90質量%以下含んでいてもよい。
【0011】
前記金属粒子混合物がCu粒子を前記含有量で含んでいる場合には、第一はんだ層においてCu-Sn合金層をより形成させやすくなる。よって、接合部が再加熱してもより溶融しにくくなる。
【0013】
前記Snはんだペーストの金属粒子はCu金属粒子をさらに含み、質量比でSn金属粒子をCu金属粒子よりも多く含んでいる場合には、第一はんだ層において空隙が発生していた場合でも、空隙中に溶融したSn金属がより入り込みやすくなる。よって、接合部におけるボイドの発生をより抑制しやすくなる。
【0014】
前記金属粒子はSn金属粒子を60質量%以上100質量%以下含んでいてもよい。
【0015】
前記第一はんだ層形成工程において、230℃以上270℃以下で加熱した後に0℃以上40℃以下になるまで冷却してもよい。
【0016】
前記第一はんだ層形成工程において、前記温度の範囲で加熱した後に前記温度の範囲になるまで冷却した場合には、Cu-Sn合金層をより形成させやすくなる。よって、接合部は再加熱してもより溶融しにくくなる。
【0017】
前記接合工程において、0.05MPa以上2.0MPa以下で加圧してもよい。
【0018】
前記接合工程において、前記範囲の圧力で加圧した場合には、第一はんだ層において空隙が発生していた場合でも、第二はんだ層のSn金属がより空隙を埋めやすくなる。よって、接合部におけるボイドの発生をより抑制することができる。
【0019】
前記接合工程において、230℃以上270℃以下で加熱してもよい。
【0020】
前記接合工程において、前記範囲の温度で加熱した場合には、第二はんだ層のSn金属が溶融しやすく、より空隙を埋めやすくなる。よって、接合部におけるボイドの発生をより抑制することができる。
【0021】
前記第一はんだ層形成工程及び前記第二はんだ層形成工程において、前記接合部に含まれるCuの合計の質量に対するSnの質量比が0.4以上3.0以下となるように、前記CuSnはんだペースト及び前記Snはんだペーストを塗布してもよい。
【0022】
前記第一はんだ層形成工程及び前記第二はんだ層形成工程において、前記接合部に含まれるCuの合計の質量に対するSnの質量比が前記範囲となるように前記CuSnはんだペースト及び前記Snはんだペーストを塗布した場合には、より再溶融しにくい接合部が得られる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、再加熱しても溶融しにくく、且つ、ボイドが少ない接合部を有する接合構造体の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】実施例の接合構造体の断面を示す顕微鏡写真。
図2】比較例の接合構造体の断面を示す顕微鏡写真。
図3】実施例の接合構造体の断面を示す顕微鏡写真。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に、本発明に係る接合構造体の製造方法について説明する。
本実施形態の接合構造体の製造方法(以下、単に製造方法ともいう)は、Cuを含有するCu金属粒子及びSnを含有するSn金属粒子を含む金属粒子混合物とフラックスとを含むCuSnはんだペーストを基板の表面に塗布して加熱した後に冷却することにより、前記基板の表面に第一はんだ層を形成する第一はんだ層形成工程と、Snを含有するSn金属粒子を含む金属粒子とフラックスとを含むSnはんだペーストを前記基板に接合する接合部品の表面に塗布することにより、第二はんだ層を形成する第二はんだ層形成工程と、前記第一はんだ層と前記第二はんだ層とを接触させて、該接触させた部分を加圧しながら加熱することにより、前記基板と前記接合部品とを前記第一はんだ層と前記第二はんだ層とから成る接合部を介して接合する接合工程とを備えている。
【0026】
(第一はんだ層形成工程)
本実施形態の製造方法は、基板の表面に第一はんだ層を形成する第一はんだ層形成工程
を備える。
尚、第一はんだ層形成工程と、第二はんだ層形成工程とは、並行して同時に実施してもよく、順番に実施してもよい。順番に実施する場合、第一はんだ層形成工程と第二はんだ層形成工程とはいずれを先に実施してもよく実施する順序は問わない。
【0027】
本工程では、まずCuを含有するCu金属粒子及びSnを含有するSn金属粒子を含む金属粒子混合物とフラックスとを含むCuSnはんだペーストを基板の表面に塗布する。
金属粒子混合物のCu金属粒子としては、Cuを100質量%からなる金属銅粒子、あるいは、Cuと、In、Ag、Sn、及びBiからなる群から選ばれる一種以上の他の金属とからなる合金粒子等が挙げられる。
Cu金属粒子としては好ましくはCu100質量%である金属銅粒子、Cu−Ag−Sn−Bi−In合金からなる金属粒子等が挙げられる。
【0028】
CuSnはんだペーストの金属粒子混合物のCu金属粒子としては、Cuの質量比が、60質量%以上100質量%以下であることが望ましい。60質量%以下であるとCu-Sn合金が形成されにくく、再溶融防止効果が低減する。
尚、本実施形態においてCu-Sn合金とは、Cu及びSnを含む合金、すなわちCu及びSnを合金の主な構成金属として含む合金を意味するが、Cu及びSn以外の金属を合金の構成金属として含む合金であってもよい。
【0029】
Cu金属粒子の粒径は特に限定されるものではないが、例えば、平均粒径D50が1μm以上40μm以下、好ましくは1μm以上30μm以下であって、90%粒子径D90が、40μm以下であるような粒子が挙げられる。
Cu金属粒子が前記範囲の平均粒径、及び、粒度分布である場合には、60μm厚以下薄い印刷が可能であり、接合層を薄くすることができる。接合層が薄い方が放熱性を向上させることができ望ましく、それを実現するために、Cu金属粒子の粒径は上記粒径範囲であることが好ましい。
【0030】
金属粒子混合物のSn金属粒子としては、Sn100質量%からなる金属スズ粒子、あるいは、SnとIn、Ag、Cu、及びBiからなる群から選ばれる一種以上の他の金属とからなる合金粒子等が挙げられる。
Sn金属粒子としては好ましくはSn100質量%である金属スズ粒子、Sn−Ag,Sn−Cu,Sn−Ag−Cu合金からなる金属粒子等が挙げられる。
【0031】
金属粒子混合物のSn金属粒子としては、Snの質量比として、80質量%以上100質量%以下、より好ましくは、90質量%以上100質量%未満からなることが望ましい。80質量%未満である場合、融点が高くなり、Cu-Sn合金が形成されにくくなる。
【0032】
Sn金属粒子の粒径は特に限定されるものではないが、例えば、平均粒径D50が、1μm以上40μm以下、好ましくは1μm以上30μm以下であって、90%粒子径D90が、40μm以下であるような粒子が挙げられる。
Sn金属粒子が前記範囲の平均粒径及び粒度分布である場合には、60μm厚以下薄い印刷が可能であり、接合層を薄くすることができる。接合層が薄い方が放熱性を向上させることができ望ましく、それを実現するために、Sn金属粒子の粒径は上記粒径範囲であることが好ましい。
【0033】
尚、本実施形態において「平均粒径D50」および「90%粒子径D90」とは、レーザー回折式粒度分布測定装置で測定される値をいう。
【0034】
CuSnはんだペーストに含まれる金属粒子混合物はCu金属粒子及びSn金属粒子が混合されている。Cu金属粒子とSn金属粒子との混合比率は特に限定されるものではないが、例えば、質量比でCu金属粒子:Sn金属粒子=60:40〜90:10等が挙げられ、より好ましくは、Cu金属粒子:Sn金属粒子=80:20〜90:10である。
かかる範囲の組成と混合比率でCu金属粒子および及びSn金属粒子を含むことでCu金属粒子間にCu-Sn合金を十分に形成できる。このようにCu-Sn合金を十分に形成することで、接合部を形成した際により再溶融しにくく且つボイドを低減することができる。
【0035】
CuSnはんだペーストに含まれる金属粒子混合物は、Cu金属粒子及びSn金属粒子の他にさらに別の金属粒子を含んでいてもよい。
別の金属粒子としては、例えば、Ni等を含有する金属粒子が挙げられる。
これらの別の金属粒子を含む場合には、金属粒子混合物中に1質量%以上20質量%以下程度の含有量であることが好ましい。
【0036】
本実施形態のCuSnはんだペーストは、金属粒子混合物とフラックスとを含む。
金属粒子混合物と混合するフラックスとしては、特に限定されるものではなく、例えば、ロジン系、合成樹脂系、有機酸系の公知のフラックス等が挙げられる。
【0037】
CuSnはんだペーストにおける金属粒子混合物とフラックスとの混合比率は特に限定されるものではないが、例えば、質量比で金属粒子混合物:フラックス=85:15〜95:5等が挙げられる。残留フラックスを減らすことにより、ボイドの生成を抑制できることから、質量比で金属粒子混合物:フラックス=90:10〜95:5であることが、より好ましい。
【0038】
上述のようなCuSnはんだペーストを基板の表面に塗布する。本実施形態で用いる基板は、プリント配線板等のように電子部品等の接合部品を接合して電気回路を形成するための基板が挙げられる。本実施形態の第一はんだ層を形成する基板表面としては、プリント配線板上の電極部等が挙げられる。
該電極部には、CuSnはんだペーストを塗布する前に、プリフラックスやNi/Auめっき、Snめっき、Agめっき、はんだレベラー処理等の表面処理を行ってもよい。
【0039】
CuSnはんだペーストを基板の表面に塗布する塗布方法としては、公知のはんだ塗布方法、例えば、はんだ印刷装置による印刷等が挙げられる。
さらに、CuSnはんだペーストの塗布厚みとしては特に限定されるものではないが、例えば20μm以上200μm以下、好ましくは20μm以上60μm以下等が挙げられる。
【0040】
CuSnはんだペーストを塗布した後は、前記基板を加熱する。加熱温度としては、例えば、230℃以上270℃以下、好ましくは230℃以上255℃以下等が挙げられる。より具体的な加熱条件としては、加熱温度が上記範囲であって、昇温速度が1℃/分以上4℃/分以下、ピーク温度230℃以上255℃以下が30秒から1分間保持される温度条件等が挙げられる。
加熱処理時には、金属の酸化を抑制するために、窒素ガスなどを用いて不活性ガス雰囲気下で加熱してもよい。あるいは、ガスの放出を促進させるために、真空ポンプを用いて雰囲気を減圧し或いは真空で加熱を行ってもよい。また、不活性ガス雰囲気下で減圧或いは真空加熱を行ってもよい。
【0041】
さらに、前記基板を加熱した後に冷却する。冷却条件は、例えば降温速度1℃/分以上5℃/分以下で温度を低下させて、0℃以上40℃以下まで冷却すること等が挙げられる
【0042】
上述のようにして基板の表面に第一はんだ層が形成される。
第一はんだ層はCu金属粒子の表面同士がCu-Sn合金層によって連結された状態になっている。すなわち、SnはCuよりも溶融する温度が低いためSn金属粒子がCu金属粒子よりも先に溶融する。そして、Cu金属粒子の表面において、該Cu金属粒子の表面のCuと溶融したSnが反応して、Cu-Sn合金層が形成される。つまり、Cu金属粒子同士がCu-Sn合金層によって連結された状態になっている。
さらに、第一はんだ層においては、CuSnはんだペーストに含まれるフラックスの揮発成分が揮発するため加熱中にガスが発生するが、粒子として残存しているCu金属粒子の周囲にはガスが溜まりやすく、その結果冷却後に第一はんだ層に空隙が存在することがある。すなわち、第一はんだ層形成工程の実施によって形成された第一はんだ層は空隙が存在している場合がある。
【0043】
(第二はんだ層形成工程)
第二はんだ層形成工程は、Snを含有するSn金属粒子を含む金属粒子とフラックスとを含むSnはんだペーストを前記基板に接合する接合部品の表面に塗布することにより、第二はんだ層を形成する。
【0044】
接合部品としては、プリント配線板に搭載される電子部品等が挙げられる。
本実施形態の第二はんだ層を形成する接合部品の表面としては、電子部品のプリント配線板上の電極部に接続される電極部が挙げられる。
該電極部には、Snはんだペーストを塗布する前に、プリフラックスやNi/Auめっき、Snめっき、Agめっき、はんだレベラー処理等の表面処理を行ってもよい。
【0045】
Snはんだペーストに含まれる金属粒子のSn金属粒子としては、Sn100質量%からなる金属スズ粒子、あるいは、SnとIn、Ag、Cu及びBiからなる群から選ばれる一種以上の他の金属とからなる合金粒子等が挙げられる。
Sn金属粒子としては好ましくはSn100質量%である金属スズ粒子、Sn−Ag,Sn−Cu,Sn−Ag−Cu合金からなる金属粒子等が挙げられる。
【0046】
金属粒子に含まれるSn金属粒子としては、Snの質量比として、80質量%以上100質量%以下、より好ましくは、90質量%以上100質量%未満からなることが望ましい。Sn金属粒子中のSnの含有量が上記範囲である場合には、融点が高くなって第一はんだ層の空隙を充填しにくくなることが抑制できる。
【0047】
Snはんだペーストに含まれるSn金属粒子の粒径は特に限定されるものではないが、例えば、平均粒径D50が、1μm以上40μm以下、好ましくは1μm以上30μm以下、90%粒子径D90が40μm以下であるような粒子が挙げられる。
Snはんだペーストに含まれるSn金属粒子が前記範囲の平均粒径及び粒度分布である場合には、60μm厚以下薄い印刷が可能であり、接合層を薄くすることができる。接合層が薄い方が放熱性を向上させることができ望ましく、それを実現するために、Sn金属粒子の粒径は上記粒径範囲であることが好ましい。
【0048】
Snはんだペーストの金属粒子はCu金属粒子をさらに含んでいてもよい。
この場合Cu金属粒子としては、Cuを100質量%からなる金属銅粒子、あるいは、Cuと、In、Ag、Sn、及びBiからなる群から選ばれる一種以上の他の金属とからなる合金粒子等が挙げられる。
Cu金属粒子としては好ましくはCu100質量%である金属銅粒子、Cu−Ag−Sn−Bi−In合金からなる金属粒子等が挙げられる。
【0049】
Cu金属粒子としては、Cuの質量比が60質量%以上100質量%以下であるようなCu(Cu合金)粒子であることが望ましい。
Cu金属粒子中のCu含有量は前記範囲であると、Cu‐Sn合金が形成されやすく、再溶融防止効果が維持できる。
【0050】
Snはんだペーストに含まれる、Cu金属粒子の粒径は特に限定されるものではないが、例えば、平均粒径D50が、1μm以上40μm以下、好ましくは1μm以上30μm以下、90%粒子径D90が、40μm以下であるような粒子が挙げられる。
Snはんだペーストに含まれるCu金属粒子が前記範囲の平均粒径及び90%粒子径である場合には、60μm厚以下薄い印刷が可能であり、接合層を薄くすることができる。接合層が薄い方が放熱性を向上させることができ望ましく、それを実現するために、Cu金属粒子の粒径は上記粒径範囲であることが好ましい。
【0051】
Snはんだペーストに含まれる金属粒子にCu金属粒子が含まれる場合、Cu金属粒子とSn金属粒子との混合比率は特に限定されるものではないが、例えば、質量比でCu金属粒子:Sn金属粒子=0:100〜40:60等が挙げられ、より好ましくは、Cu金属粒子:Sn金属粒子=0:100〜20:80である。
【0052】
かかる範囲の組成と混合比率でCu金属粒子及びSn金属粒子を含むことで、溶融したSn金属合金が第一はんだ層のボイドを埋めることができ、且つ、第一はんだ層のCu−Sn合金との結合を行い、より再溶融しにくくすることができる。
【0053】
Snはんだペーストに含まれる金属粒子は、Cu金属粒子及びSn金属粒子の他にさらに別の金属粒子を含んでいてもよい。
別の金属粒子としては、例えば、Ni等を含有する金属粒子が挙げられる。
これらの別の金属粒子を含む場合には、金属粒子混合物中に1質量%以上20質量%以下程度の含有量であることが好ましい。
【0054】
本実施形態のSnはんだペーストは、前記金属粒子とフラックスとを含む。
フラックスとしては、特に限定されるものではなく、例えば、ロジン系、合成樹脂系、有機酸系の公知のフラックス等が挙げられる。
【0055】
Snはんだペーストを接合部品の表面に塗布する塗布方法としては、公知のはんだ塗布方法、例えば、印刷等が挙げられる。より具体的には、開口のあるメタルマスク上にペーストを塗布し、金属スキージによってペーストを開口の内部充填することで、接合部品の所定の表面にはんだペーストを塗布する方法が挙げられる。
Snはんだペーストの塗布厚みとしては特に限定されるものではないが、例えば20μm以上200μm以下、好ましくは20μm以上60μm以下等が挙げられる。
【0056】
Snはんだペーストの塗布量及び塗布厚みは特に限定されるものではないが、例えば、
前記第一はんだ層形成工程及び前記第二はんだ層形成工程において、前記接合部に含まれるCuの合計の質量に対するSnの質量比が0.4以上3.0以下となるように、前記CuSnはんだペースト及び前記Snはんだペーストを塗布することが挙げられる。
【0057】
第二はんだ層のSnの第一はんだ層のCu及びSnの合計に対する質量比を前記範囲に調整することで、再加熱時の溶融をより抑制することができ、且つ、第一はんだ層の空隙を十分に埋めることができボイドを抑制することができる。
【0058】
より具体的には、接合部に含まれる第二はんだ層のSn金属粒子と第一はんだ層のSn金属粒子との質量の合計が、第二はんだ層のCu金属粒子とSn金属粒子と、第一はんだ層のCu金属粒子とSn金属粒子の総質量に対して、30質量%以上80質量%以下となるようにとなるようにSnはんだペーストを塗布することが好ましい。
【0059】
(接合工程)
次に、前記第一はんだ層と前記第二はんだ層とを接触させて、該接触させた部分を加圧しながら加熱することで前記基板と前記接合部品とを前記第一はんだ層と前記第二はんだ層とから成る接合部を介して接合する接合工程を実施する。
本実施形態では、基板の表面に形成された第一はんだ層と、接合部品の表面に形成され第二はんだ層とを接触させた状態で固定して加熱する。
固定する方法としては、治具をボルトで固定することや、バネによる押圧で両者に圧をかけた状態で固定すること等が挙げられる。
具体的にはダイボンディング装置やパルスヒート加熱装置を用いることが挙げられる。
このように、前記基板と前記接合部品とを固定することで、第一はんだ層と第二はんだ層とを接触させた部分を加圧することができる。
【0060】
前記加圧は、例えば、0.05MPa以上2.0MPa以下、好ましくは0.05MPa以上1.5MPa以下、より好ましくは0.1MPa以上1.5MPa以下の力で加圧することが挙げられる。
かかる範囲の力で加圧することで、接合部におけるボイドの発生をより抑制することができる。
【0061】
前記加熱する条件は、例えば、230℃以上270℃以下、好ましくは230℃以上255℃以下等が挙げられる。より具体的な加熱条件としては、加熱温度が上記範囲であって、昇温速度が1℃/分以上4℃/分以下、ピーク温度230℃以上255℃以下が30秒から1分間保持される温度条件等が挙げられる。
加熱処理時には、金属の酸化を抑制するために、窒素ガスなどを用いて不活性ガス雰囲気下で加熱してもよい。あるいは、ガスの放出を促進させるために、真空ポンプを用いて雰囲気を減圧し或いは真空で加熱を行ってもよい。また、不活性ガス雰囲気下で減圧或いは真空加熱を行ってもよい。
【0062】
接合工程においては、Cu金属粒子同士がCu−Sn合金層によって連結された状態になっている第一はんだ層と、Snを比較的多く含む第二はんだ層とを加圧しつつ加熱する。また、第一はんだ層には上述のように空隙が生じている場合がある。
接合工程では、第二はんだ層の金属粒子中のSnはCu、及び、Cu−Sn合金よりも融点が低いため最も溶融しやすい。そして、加熱すると同時に第一はんだ層と第二はんだ層との接合部には前記のような力で加圧されているため、溶融したSnは第一はんだ層の空隙中に入り込み空隙を埋めることができる。よって、第一はんだ層と第二はんだ層とは一体化されて均一な金属成分分布である接合部を構成し、該接合部では空隙が低減され、ボイドの発生が抑制された接合構造体が得られる。
【0063】
本実施形態の製造方法で得られた接合構造体の接合部は、例えば、後述する実施例に示す測定方法で測定されるボイド率が10%以下、好ましくは7%以下であるような接合部である。
【0064】
さらに、本実施形態の製造方法で得られた接合構造体は、接合部が均一な金属成分分布に構成されているため、電気接続性が良好である。すなわち、本実施形態の製造方法で得られた接合構造体の接合部は、基板側の第一はんだ層と接合部品側の第二はんだ層とが別々に形成されるが、各はんだ層が十分に融合されているため、接合部は均一な金属成分分布になる。よって、部分的に電気特性が変化したり、接合強度が変化したりすることがなく、良好な電気接続性を確保できる。
【0065】
本実施形態にかかる接合構造体の製造方法は、以上のとおりであるが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は前記説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【実施例】
【0066】
次に、本発明の実施例について比較例と併せて説明する。なお、本発明は下記の実施例に限定して解釈されるものではない。
【0067】
(CuSnはんだペースト)
Cu金属粒子:Cu65質量%、Sn15質量%、Ag10質量%、In5質量%、Bi5質量%、平均粒径D50=11μm
Sn金属粒子:Sn100質量%、平均粒径D50=21μm、
フラックス:ペーストフラックス(RMAタイプ)、弘輝社製
前記Cu金属粒子とSn金属粒子とを質量比90:10で混合した金属粒子混合物を90質量%、前記フラックスを10質量%となるように混合してCuSnはんだペーストを得た。
尚、平均粒径、粒度分布は、日機装株式会社製マイクロトラックMT3100および、ベックマンコールター社製LS13 320で測定した。
【0068】
(Snはんだペースト)
Sn金属粒子:Sn100質量%、平均粒径D50=21μm
Cu金属粒子:Cu65質量%、Sn15質量%、Ag10質量%、In5質量%、Bi5質量%、平均粒径D50=11μm
フラックス:ペーストフラックス(RMAタイプ)、弘輝社製
前記Sn金属粒子とCu金属粒子とを質量比90:10で混合した金属粒子混合物を、90質量%、前記フラックス10質量%となるように混合して、Snはんだペーストを得た。
【0069】
(比較はんだペースト)
以下のような比較はんだペーストを準備した。
Sn金属粒子:Sn100質量%、平均粒径D50=21μm
Cu金属粒子:Cu65質量%、Sn15質量%、Ag10質量%、In5質量%、Bi5質量%、平均粒径D50=11μm
フラックス:ペーストフラックス(RMAタイプ)、弘輝社製
前記Sn金属粒子とCu金属粒子とを質量比で42:58にて混合した金属粒子混合物を、90質量%、前記フラックス10質量%となるように混合して、比較はんだペーストを得た。
【0070】
(試験基板)
基板として50mm×50mm、厚み1.6mmのガラスエポキシ銅貼積層板を準備した。基板上には銅箔にて5.7×7.1mmのパターンを形成し、プリフラックス(商品名「タフエース」、四国化成社製)で処理した。
接合部品として5.7mm×7.1mm厚み0.5mmのリン脱酸素銅板を準備した。
【0071】
[試験1]
《実施例》
以下のような方法で実施例の接合構造体を作製した。
(第一はんだ層の作製)
前記基板にCuSnはんだペーストを厚み60μm、開口部5.7×7.1mmのメタルマスクを用いて塗布した。塗布厚みは60μmであった。その後、以下のような温度条件で加熱して第一はんだ層を作製した。
《温度条件》
昇温速度:2℃/秒、ピーク温度:245℃、230℃以上45秒、窒素雰囲気、残留酸素濃度500ppm以下
【0072】
(第二はんだ層の作製)
前記接合部品にSnはんだペーストを厚み40μm、開口部5.7×7.1mmのメタルマスクを用いて塗布した。塗布厚みは40μmであった。第二はんだ層を作製した。
尚、接合部に含まれる第二はんだ層のSn金属粒子と第一はんだ層のSn金属粒子との質量和は、第二はんだ層のCu金属粒子とSn金属粒子と、第一はんだ層のCu金属粒子とSn金属粒子の総質量和に対して、42%であった。
また、接合部に含まれるCuの合計の質量に対するSnの質量比はSn/Cu=1.3であった。
【0073】
(接合工程)
上記基板と接合部品とを、各はんだ層を接触させながら治具とバネ板で固定して加熱し、接合構造体を得た。固定による圧力は0.15MPaであった。
圧力の測定はバネ板の変位量から求めた。
加熱時の温度条件は以下のような条件である。
《温度条件》
昇温速度:2℃/秒、ピーク温度:245℃、230℃以上45秒、窒素雰囲気(残留酸素濃度500ppm以下)
【0074】
《比較例》
上記基板に、上記はんだペーストを厚み60μm、開口部5.7×7.1mmのメタルマスクを用いて塗布厚み60μmとなるよう塗布した。
さらに接合部品をはんだペーストが塗布された箇所に載置し治具とバネ板で固定して、上記実施例と同様の温度条件で加熱して、接合構造体を得た。
【0075】
上記実施例及び比較例の接合構造体の接合部の断面写真を撮影した。各撮影画像を図1及び図2に示す。尚、各接合構造体は、マルトー株式会社製MC−120で切断し、STRUERS社製TEGRAPOL−11を用いて樹脂埋め研磨して、該切断断面を撮影した。撮影装置はハイロックス社製デジタルマイクロスコープKH−8700を用いて撮影条件は以下のとおりである。
撮影条件:落射照明、倍率350倍
尚、切断断面の写真の撮影は、接合構造体の一断面を水平方向に10分割して1.0mm×0.75mmの断面視野を一枚の断面写真として撮影した。
【0076】
図1及び図2に示すように、実施例の接合構造体の接合部では比較例に比べてボイドは極めて少なかった。
【0077】
さらに、上記実施例及び比較例の接合構造体の接合部のボイド率を測定した。
測定方法は以下のとおりである。
《測定方法》
接合部の断面写真よりボイドを含む接合部の面積及び空隙の面積を測定し、接合部の面積で空隙の面積の総和を除した値を100分率(パーセント)で表す。測定方法は各接合構造体の一断面分の10枚の断面写真ごとにボイド率を測定し、各断面写真におけるボイド率をN1〜N10のボイド率として表1に示した。
【0078】
【表1】
【0079】
表1に示すとおり、実施例の接合構造体の接合部ではすべての断面視野においてボイド率は10%以下であったのに対し、比較例の接合構造体の接合部では25.6〜68.4%であった。
【0080】
[試験2]
接合工程の圧力及び加熱手段を変えた以外は上記実施例と同様の方法で接合構造体を得た。
加熱手段としてパルスヒート装置(商品名 PHU−35、日本アビオニクス社製)用いて、該装置のヒーター素子で基板と接合部品とを1.5MPaの圧力で押さえつけて加熱した。
加熱条件は上記実施例と同様である。
かかる接合構造体の接合部の断面写真(図3)から上記測定方法と同様にしてボイド率を測定した。結果を表2に示す。
【0081】
【表2】
【0082】
表2に示すとおり接合構造体の接合部はすべての断面視野においてボイド率は10%以下であった。
図1
図2
図3