【実施例】
【0030】
次に、本発明を実施例及び比較例を挙げて説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0031】
実施例及び比較例で得た接合体を、以下の項目について評価した。
<熱融着性の評価>
実施例及び比較例で作成した接合体について、突き合わせ部位を中央とし、幅3cm×
長さ30cmの試験片(
図9参照)を3点採取し、引張試験機((株)東洋精機製作所
製:ストログラフV10−C)にて、引張速度200mm/分で、接合部が破断するま
で引張を行い、破断部分を観察して以下の様に評価した。なお、3点の内1点でも評
価2であった場合、その接合体の熱融着性の評価は2とした。
1、樹脂被覆膜材の本体もしくは膜材接合用部材の本体が破壊して切断した
2、接合部において、樹脂被覆膜材の表面と、熱融着性樹脂層との界面で、部分的、
或いは全体的に剥がれて切断していた
<融着強度の評価>
上述の熱融着性評価と同様にして試験片を3点採取し、クリープ試験機((株)東洋精
機製作所製:100LDR型)を使用して60℃の温度条件で樹脂被覆膜材の破断荷重
の1/10の荷重をかけて、24時間の接合部の状態を観察し、以下の通り評価した。
1、接合部に剥がれは見られず、充分な強度で融着していた
2、接合部において、樹脂被覆膜材の表面と、熱融着性樹脂層との界面で、部分的、
或いは全体的に剥がれており、融着強度が不充分であった
<接合部周辺のゆがみ>
実施例及び比較例で作成した接合体について、
図10の様に、突き合わせ部位を中央と
し、熱融着部の端から左右2cmの部分の樹脂被覆膜材を含んで長さ10cmの試験片
(9)を採取し、この試験片を水平で平坦な台の上に、樹脂被覆膜材側を下にして静
置し、膜材周囲の浮き上がりを観察して、台の面から最も浮き上がった部分の高さを、
ノギスを用いて測定し、以下の基準で評価した。
1、浮き上がりが1mm以下であり、接合部のゆがみはほとんど見られない
2、浮き上がりが1mmを超えるが2mm以下であり、接合部のゆがみは許容範囲
3、浮き上がりが2mmを超え、接合部のゆがみにより外観が損なわれる
<透過光に対する膜材接合用部材の影の視認性>
実施例・比較例で作成した接合体について、暗室内にて、膜材接合用部材を配した側の面から10cmの位置に設置した20Wの蛍光灯で照らした状態で、樹脂被覆膜材側から1m離れて観察し、接合部に影が視認できるかどうかについて以下の様に評価した。
1、膜材接合用部材の影はほとんど視認されない
2、膜材接合用部材の影がわずかに視認されるが、意匠性は損なわれない
3、膜材接合用部材の影がはっきり視認される
【0032】
実施例および比較例において、樹脂被覆膜材として以下の2種の膜材を用いた。
樹脂被覆膜材1
○基布1
1111dtexのポリエステルマルチフィラメント糸条を、1インチあたり11本
平行に並べた経糸と、1インチ当たり11本平行に並べた緯糸とを、直交するように
重ね、これらを、117dtexのナイロン絡み糸で結合した、幅220cmの絡み
織織布。
○樹脂被覆層の形成
下記配合1および2から、それぞれカレンダー成型法により成型した厚さ0.22m
mの軟質ポリ塩化ビニル樹脂フィルムの中間に基布1を挿入し、熱ラミネート法によ
り積層して長尺広幅で乳白外観の樹脂被覆膜材1を得た。
(配合1)
ポリ塩化ビニル樹脂(重合度1300) 100質量部
フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(可塑剤) 40質量部
リン酸トリクレジル(難燃可塑剤) 15質量部
三酸化アンチモン(難燃剤) 10質量部
Ba−Zn系安定剤 2質量部
紫外線吸収剤:ベンゾトリアゾール系 0.5質量部
酸化チタン粒子(白色顔料) 2質量部
(配合2)
ポリ塩化ビニル樹脂(重合度1300) 100質量部
フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(可塑剤) 40質量部
リン酸トリクレジル(可塑剤) 15質量部
三酸化アンチモン(難燃剤) 10質量部
Ba−Zn系安定剤 2質量部
紫外線吸収剤:ベンゾトリアゾール系 0.5質量部
樹脂被覆膜材2
○基布2
750dtexのガラスマルチフィラメント糸条を、経糸及び緯糸として、1インチ
あたりそれぞれ40本×30本の密度で製織した平織織布。
*ヒートクリーニングの後メタクリロキシプロピルトリメトキシシランにより
シランカップリング処理
○樹脂被覆層の形成
上記配合1から、カレンダー成型法により成型した厚さ0.15mmの軟質ポリ塩化
ビニル樹脂フィルムを、基布2の両面に熱ラミネート法により積層して、長尺広幅で
乳白外観の樹脂被覆膜材2を得た。
【0033】
[実施例1]
<膜材接合用部材の作成>
555dtexのポリエステルマルチフィラメント糸条を経糸及び緯糸として、1インチあたりそれぞれ18本×19本の密度で製織した粗目状の平織織布(
単位面積当たり質量70g/m
2)を繊維製編織布とし、下記配合3の加工液中に浸漬してからマングルで絞り、180℃×2分間加熱して、繊維製編織布内部に含浸し、かつ、繊維表面を被覆した
付着量100g/m
2の、軟質ポリ塩化ビニル樹脂からなる含浸被覆樹脂層を形成して、実施例1の基材とした。この基材において、繊維の屈折率と含浸被覆樹脂層の屈折率の差は、0.01であった。次いで、下記配合4から、カレンダー成型法により厚さ0.2mmの軟質ポリ塩化ビニル樹脂フィルムを成型し、先に得た基材の1面上に、熱融着性樹脂層として熱ラミネートし、基材の一方の面上に、
付着量240g/m
2の熱融着性樹脂層を有する積層体を得た。次にこの積層体を経糸方向に平行に40mm幅にスリットし、実施例1の膜材接合用部材を得た。この膜材接合体において、基材の充実率は61%、膜材接合用部材の厚さと、空隙部における熱融着性樹脂層の厚さとの比は、4.8:2であった。
(配合3)
乳化重合ポリ塩化ビニル樹脂(重合度1700) 100質量部
リン酸トリクレジル(可塑剤) 30質量部
リン酸クレジルフェニル(可塑剤) 40質量部
ステアリン酸亜鉛(安定剤) 2質量部
ステアリン酸バリウム(安定剤) 2質量部
(配合4)
ポリ塩化ビニル樹脂(重合度1300) 100質量部
フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(可塑剤) 40質量部
リン酸トリクレジル(可塑剤) 30質量部
三酸化アンチモン(難燃剤) 5質量部
Ba−Zn系安定剤 2質量部
紫外線吸収剤:ベンゾトリアゾール系 0.5質量部
<接合体の作成>
樹脂被覆膜材1より、長さ方向(経糸方向)30cm×幅方向(緯糸方向)15cmのサンプルを6枚カットし、その内2枚の膜材を、配合2から成型したフィルムの側を上にして長さ方向に平行に並べ、その端面を突き合わせて配列し、この突き合わせ部位に跨って左右均等になる様、先に作成した膜材接合用部材を熱融着性樹脂層側を下にして配置し、熱融着により貼着して、実施例1の接合体を得た。なお、熱融着には、4cm幅×30cm長で圧着面が平坦なウエルド金型を装着した高周波ウエルダー融着機(山本ビニター(株)製YF−7000型:出力7KW)を用い、圧着した状態で陽極電流0.8Aで4秒間高周波融着接合を行い、更に出力を切ってから4秒間圧着状態を保った後、圧着を解除して接合を完了した。残りのサンプルについても同様にして接合を行い、都合3点の接合体を得た。この内1点は熱融着性および融着強度の評価に供し、1点は接合部周辺のゆがみ評価に供し、残りの1点は透過光に対する膜材接合用部材の影の視認性評価に供した。その結果を表1に示す。
【0034】
[実施例2]
高周波ウェルダーの陽極電流を1.0Aとした以外は実施例1と同様にして、実施例2の接合体を3点作成し、各種評価に供した。結果を表1に示す。
【0035】
[実施例3]
<膜材接合用部材の作成>
750dtexのガラスマルチフィラメント糸条を経糸及び緯糸として、1インチあたりそれぞれ20本×20本の密度で製織した粗目状の平織織布(
単位面積当たり質量110g/m
2:ヒートクリーニングの後、メタクリロキシプロピルトリメトキシシランによりシランカップリング処理)を繊維製編織布とし、下記配合5(接着剤および架橋剤を含む)の加工液中に浸漬してからマングルで絞り、180℃×2分間加熱して、繊維製編織布内部に含浸し、かつ、繊維表面を被覆した
付着量100g/m
2の含浸被覆樹脂層を形成して、実施例3の基材とした。この基材において、繊維の屈折率と含浸被覆樹脂層の屈折率の差は、0.04であった。次いで、配合4から、カレンダー成型法により厚さ0.2mmの軟質ポリ塩化ビニル樹脂フィルムを成型し、先に得た基材の1面上に、熱融着性樹脂層として熱ラミネートし、基材の一方の面に
付着量240g/m
2の熱融着性樹脂層を有する積層体を得た。次にこの積層体を経糸方向に平行に40mm幅にスリットし、実施例3の膜材接合用部材を得た。この膜材接合体において、基材の充実率は70%、膜材接合用部材の厚さと、空隙部における熱融着性樹脂層の厚さとの比は、3.4:2であった。
(配合5)
乳化重合ポリ塩化ビニル樹脂(重合度1700) 100質量部
リン酸トリクレジル(可塑剤) 100質量部
フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(可塑剤) 80質量部
ステアリン酸亜鉛(安定剤) 2質量部
ステアリン酸バリウム(安定剤) 2質量部
ウレタン系樹脂(接着剤:固形分30質量%) 15質量部
(日本ポリウレタン工業(株)製、商標;ニッポラン5111)
ポリイソシアネート(架橋剤:固形分75質量%) 1質量部
(日本ポリウレタン工業(株)製、商標;コロネートHL)
<接合体の作成>
樹脂被覆膜材2より、長さ方向(経糸方向)30cm×幅方向(緯糸方向)15cmのサンプルを6枚カットし、その内2枚の膜材を長さ方向に平行に並べ(上にする面は任意)、その端面を突き合わせて配列し、この突き合わせ部位に跨って左右均等になる様、膜材接合用部材を熱融着性樹脂層側を下にして配置し、実施例1と同様の条件で熱融着により貼着して、実施例3の接合体を3点作成し、各種評価に供した。結果を表1に示す。
【0036】
[実施例4]
<膜材接合用部材の作成>
配合5の代わりに、下記配合6(蛍光増白剤含有)を用いた以外は実施例3と同様にして、実施例4の膜材接合用部材を得た。繊維の屈折率と含浸被覆樹脂層の屈折率の差は、実施例3と同様0.04であった。
(配合6)
乳化重合ポリ塩化ビニル樹脂(重合度1700) 100質量部
リン酸トリクレジル(可塑剤) 100質量部
フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(可塑剤) 80質量部
ステアリン酸亜鉛(安定剤) 2質量部
ステアリン酸バリウム(安定剤) 2質量部
ウレタン系樹脂(接着剤:固形分30質量%) 15質量部
(日本ポリウレタン工業(株)製、商標;ニッポラン5111)
ポリイソシアネート(架橋剤:固形分75質量%) 1質量部
(日本ポリウレタン工業(株)製、商標;コロネートHL)
蛍光増白剤(BASF社製、商標:Uvitex OB) 0.3質量部
※含浸被覆樹脂層に対して、0.1質量%
<接合体の作成>
実施例4の膜材接合用部材を用いた以外は実施例3と同様にして、実施例4の接合体を3点作成し、各種評価に供した。結果を表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】
実施例1から4の膜材接合用部材は、何れも、粗目状の繊維製編織布と、この繊維製編織布内部に含浸し、かつ、繊維製編織布を構成する繊維表面を被覆した含浸被覆樹脂層とからなる基材と、この基材の一方の面上のみに積層された熱融着性樹脂層とを有しており、基材の充実率が45〜75%を満たし、積層体の厚さと、基材の空隙部における熱融着性樹脂層の厚さとの比が、3:2〜5:2を満たすものであった。実施例1は、透過光によって膜材接合用部材の影がわずかに視認されたが意匠性を損なうほどではなく、また、接合部にゆがみを生じる事無く充分な強度で接合する事ができた。接合後の膜材接合用部材の表面を観察したところ、基材の充実部と空隙部において若干の凹凸が確認されたことから、接合部にわずかに生じた影は、この凹凸に起因するものであったと考えられる。実施例2は、高周波ウェルダーの陽極電流を0.8Aから1.0Aに上げた以外は実施例1と同様であるが、透過光による膜材接合用部材の影がほとんど視認されなかった。これは、融着条件を強くした事で、基材の空隙部がより充填され、膜材接合用部材側の凹凸がほとんどなくなり、影の発生が抑制されたものと考えられる。しかも、実施例1より融着条件を強くしても、接合部にゆがみを生じることはなかった。実施例3は、透過光によって膜材接合用部材の影がわずかに視認されたが意匠性を損なうほどではなく、また、接合部にゆがみを生じる事無く充分な強度で接合する事ができた。影の発生は、繊維の屈折率と含浸被覆樹脂層の屈折率の差が、実施例1および2に比べてやや大きかったことで、繊維と樹脂の界面で光が散乱したためであると思われるが、実施例4で、含浸被覆樹脂層に蛍光増白剤を含むことで、影はほとんど視認できなくなった。なお、実施例3および実施例4について、接合後の膜材接合用部材の表面を観察したところ、融着条件は実施例1と同じであるにもかかわらず、基材の充実部と空隙部における凹凸はほとんど確認されなかった。実施例3および実施例4は、含浸被覆樹脂層に架橋剤を含むため、熱融着による接合の際に加熱状態で加わる圧力に対して基材の変形が抑制され、より効果的に基材の充実部を食い込ませる事ができた事によると考えられる。
【0039】
[比較例1]
<膜材接合用部材の作成>
555dtexのポリエステルマルチフィラメント糸条を経糸及び緯糸として、1インチあたりそれぞれ18本×19本の密度で製織した粗目状の平織織布(
単位面積当たり質量70g/m
2)の両面に、配合4からカレンダー成型法により厚さ0.14mm(
単位面積当たり質量170g/m
2)に成型した軟質ポリ塩化ビニル樹脂フィルムを熱ラミネートして、平織織布の空隙部を介して相互にブリッジして融着した熱融着性樹脂層を有する積層体を得た。次に、この積層体を経糸方向に平行に40mm幅にスリットし、比較例1の膜材接合用部材とした。
<接合体の作成>
比較例1の膜材接合用部材を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例1の接合体を3点作成し、各種評価に供した。結果を表2に示す。
【0040】
比較例1の膜材接合用部材は、含浸被覆樹脂層を有さず、繊維製編織布の両面に熱融着性樹脂層を有するものである。含浸被覆樹脂層を有さないため、熱融着時に食い込ませる様に圧力をかけることができず、熱融着性および融着強度の評価において、実施例1と同じ熱融着条件では熱融着性が劣っていた。また、含浸被覆樹脂層を有さないことで、繊維表面での光の散乱を生じ、透過光によって膜材接合用部材の影がはっきり視認された。
【0041】
[比較例2]
<膜材接合用部材の作成>
555dtexのポリエステルマルチフィラメント糸条を経糸及び緯糸として、1インチあたりそれぞれ18本×19本の密度で製織した粗目状の平織織布(
単位面積当たり質量70g/m
2)を、配合3の加工液中に浸漬してからマングルで絞り、180℃×2分間加熱して、繊維製編織布内部に含浸し、かつ、繊維表面を被覆した
付着量100g/m
2の含浸被覆樹脂層を形成して、比較例2の基材とした。この基材において、繊維の屈折率と含浸被覆樹脂層の屈折率の差は、0.01であった。次いで、配合4から、カレンダー成型法により厚さ0.1mm(
単位面積当たり質量120g/m
2)の軟質ポリ塩化ビニル樹脂フィルムを成型し、先に得た基材の両面に熱ラミネートして、基材の空隙部を介して相互にブリッジして融着した熱融着性樹脂層を有する積層体を得た。この積層体において、基材の充実率は63%、基材の充実部における膜材接合用部材の厚さと、空隙部における熱融着性樹脂層の厚さとの比は、4.4:2であった。次にこの積層体を経糸方向に平行に40mm幅にスリットし、比較例2の膜材接合用部材を得た。
<接合体の作成>
比較例2の膜材接合用部材を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例2の接合体を3点作成し、各種評価に供した。結果を表2に示す。
【0042】
比較例2の膜材接合用部材は、繊維製編織布と、この繊維製編織布内部に含浸し、かつ、繊維表面を被覆した含浸被覆樹脂層を有する基材を含み、熱融着性樹脂層を基材の両面に有するものである。接合後の膜材接合用部材の表面を観察したところ、凹凸はほとんど観察されず、また、熱融着性樹脂層を有するため、透過光に対して膜材接合用部材の影はほとんど視認できなかった。しかし、熱融着性および融着強度の評価は劣る結果であった。これは、ウエルド金型と基材との間に熱融着性樹脂層が介在したため、基材の充実部による圧力を充分に伝える事ができなかったことによると考えられる。
【0043】
[比較例3]
高周波ウェルダーの陽極電流を1.0Aとした以外は比較例2と同様にして、比較例3の接合体を3点作成し、各種評価に供した。結果を表2に示す。
【0044】
比較例3の接合体は、高周波ウェルダーの陽極電流を0.8Aから1.0Aに上げることで、熱融着性および融着強度は向上したが、接合部周辺のゆがみが大きくなってしまった。
【0045】
[比較例4]
<膜材接合用部材の作成>
繊維製編織布として、750dtexのガラスマルチフィラメント糸条を経糸及び緯糸として、1インチあたりそれぞれ8本×8本の密度で製織した粗目状の平織織布(
単位面積当たり質量40g/m
2:ヒートクリーニングの後、メタクリロキシプロピルトリメトキシシランによりシランカップリング処理)を用いた以外は、実施例3と同様にして、比較例4の膜材接合用部材を得た。この膜材接合用部材について、含浸被覆樹脂層の
付着量35g/m
2、基材の1面上に形成された熱融着性樹脂層の
付着量240g/m
2、基材の充実率33%、基材の充実部における膜材接合用部材の厚さと、空隙部における熱融着性樹脂層の厚さとの比は、3.6:2であった。
<接合体の作成>
比較例4の膜材接合用部材を用いた以外は実施例3と同様にして、比較例4の接合体を3点作成し、各種評価に供した。結果を表3に示す。
【0046】
比較例4の膜材接合用部材は、基材の充実率が45%を下回り33%であったため、融着強度の評価において接合面で剥がれを生じた。剥がれた部分を観察すると、基材の充実部のみ融着しており、空隙部は樹脂被覆膜材の表面と、熱融着性樹脂層との界面で剥離しており、ほとんど融着していなかった。なお、熱融着性を評価するために行った引張試験において、膜材接合用部材本体が破壊して切断していたが、膜材接合用部材に含まれる繊維製編織布の強度が低かったため、接合面が剥離する前に膜材接合用部材が破壊したものと考えられる。
【0047】
[比較例5]
<膜材接合用部材の作成>
繊維製編織布として、750dtexのガラスマルチフィラメント糸条を経糸及び緯糸として、1インチあたりそれぞれ24本×24本の密度で製織した粗目状の平織織布(
単位面積当たり質量130g/m
2:ヒートクリーニングの後、メタクリロキシプロピルトリメトキシシランによりシランカップリング処理)を用いた以外は、実施例3と同様にして、比較例5の膜材接合用部材を得た。この膜材接合用部材について、含浸被覆樹脂層の
付着量120g/m
2、基材の1面上に形成された熱融着性樹脂層の
付着量240g/m
2、基材の充実率79%、基材の充実部における膜材接合用部材の厚さと、空隙部における熱融着性樹脂層の厚さとの比3.8:2であった。
<接合体の作成>
比較例5の膜材接合用部材を用いた以外は実施例3と同様にして、比較例5の接合体を3点作成し、各種評価に供した。結果を表3に示す。
【0048】
比較例5の膜材接合用部材は、基材の充実率が75%を超えて79%であったため、これを用いた接合体は、接合部にゆがみを生じ、意匠性を損なうものであった。
【0049】
[比較例6]
<膜材接合用部材の作成>
基材の1面上に熱ラミネートする軟質ポリ塩化ビニル樹脂フィルムの厚さを、0.2mmから0.4mmに変更した以外は、実施例3と同様にして比較例6の膜材接合用部材を得た。この膜材接合用部材について、基材の充実部における膜材接合用部材の厚さと、空隙部における熱融着性樹脂層の厚さとの比は2.6:2であった。
<接合体の作成>
比較例6の膜材接合用部材を用いた以外は実施例3と同様にして、比較例6の接合体を3点作成し、各種評価に供した。結果を表3に示す。
【0050】
比較例6の膜材接合用部材は、基材の充実部における膜材接合用部材の厚さと、空隙部における熱融着性樹脂層の厚さとの比が3:2を下回り、2.6:2であったため、実施例3に比べて、熱融着性および融着強度の評価において劣っていた。
【0051】
[比較例7]
基材の1面上に熱ラミネートする軟質ポリ塩化ビニル樹脂フィルムの厚さを、0.2mmから0.1mm(
単位面積当たり質量120g/m
2)に変更した以外は、実施例3と同様にして比較例7の膜材接合用部材を得た。この膜材接合用部材について、基材の充実部における膜材接合用部材の厚さと、空隙部における熱融着性樹脂層の厚さとの比は5.4:2であった。
<接合体の作成>
比較例7の膜材接合用部材を用いた以外は実施例3と同様にして、比較例7の接合体を3点作成し、各種評価に供した。結果を表3に示す。
【0052】
比較例7の膜材接合用部材は、基材の充実部における膜材接合用部材の厚さと、空隙部における熱融着性樹脂層の厚さとの比が5:2を超え、5.4:2であったため、接合後に基材による凹凸が大きく残り、透過光にはっきりとした影を生じていた。
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】