(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
通信回線を介して接続された複数の端末間にて、各端末のプレイヤに対応する各プレイヤオブジェクトの移動に使用されるゲームフィールドをゲームの進行に利用するゲームシステムに適用され、前記複数の端末の一つとして機能することが可能なゲーム機であって、
前記ゲームフィールド内における各プレイヤオブジェクト間の距離を判別する距離判別手段と、
前記距離判別手段の判別結果に基づいて、いずれか一のプレイヤオブジェクトを基準として当該一のプレイヤオブジェクトを含む少なくとも2つのプレイヤオブジェクトが所定の距離内に存在している場合に満たされる所定の距離条件を満たしているか否か判別する距離条件判別手段と、
前記距離条件判別手段の判別結果に基づいて、前記所定の距離条件を満たす場合に、前記ゲームの進行に所定の特典を付与する特典付与手段と、を備え、
前記所定の距離内は、前記一のプレイヤオブジェクトからの距離に応じて複数の領域に分類され、
前記距離条件判別手段は、前記所定の距離条件を満たす各プレイヤオブジェクトのうち前記一のプレイヤオブジェクトとは別の他のプレイヤオブジェクトが位置する領域と前記一のプレイヤオブジェクトが位置する領域との間の位置関係を判別し、
前記特典付与手段は、前記所定の距離条件を満たす場合に、前記位置関係に応じて、前記所定の特典の内容を変更し、
前記距離条件判別手段は、前記ゲームフィールド内に存在する全てのプレイヤオブジェクトが前記所定の距離内に存在している場合に前記所定の距離条件を満たしたと判別する、ゲーム機。
前記特典付与手段は、前記他のプレイヤオブジェクトが位置する領域が前記一のプレイヤオブジェクトが位置する領域に近いほど、前記所定の特典の利益が高まるように、前記位置関係に応じて前記所定の特典の内容を変更する、請求項1に記載のゲーム機。
前記ゲームとして、前記ゲームフィールド中に攻撃対象のオブジェクトが出現し、各プレイヤオブジェクトによる前記攻撃対象のオブジェクトへの攻撃を進行に含むゲームが利用され、
前記特典付与手段は、前記所定の特典として、前記所定の距離条件を満たす各プレイヤオブジェクトの前記攻撃対象のオブジェクトに対する攻撃力が向上する特典を付与する、請求項1又は2に記載のゲーム機。
通信回線を介して接続された複数の端末間にて、各端末のプレイヤに対応する各プレイヤオブジェクトの移動に使用されるゲームフィールドをゲームの進行に利用するゲームシステムに適用され、前記複数の端末の一つとして機能することが可能なゲーム機に組み込まれるコンピュータに、
前記ゲームフィールド内における各プレイヤオブジェクト間の距離を判別する距離判別工程と、
前記距離判別工程の判別結果に基づいて、いずれか一のプレイヤオブジェクトを基準として当該一のプレイヤオブジェクトを含む少なくとも2つのプレイヤオブジェクトが所定の距離内に存在している場合に満たされる所定の距離条件を満たしているか否か判別する距離条件判別工程と、
前記距離条件判別工程の判別結果に基づいて、前記所定の距離条件を満たす場合に、前記ゲームの進行に所定の特典を付与する特典付与工程と、を実行させ、
前記所定の距離内は、前記一のプレイヤオブジェクトからの距離に応じて複数の領域に分類され、
前記距離条件判別工程では、前記所定の距離条件を満たす各プレイヤオブジェクトのうち前記一のプレイヤオブジェクトとは別の他のプレイヤオブジェクトが位置する領域と前記一のプレイヤオブジェクトが位置する領域との間の位置関係が判別され、
前記特典付与工程では、前記所定の距離条件を満たす場合に、前記位置関係に応じて、前記所定の特典の内容が変更され、
前記距離条件判別工程では、前記ゲームフィールド内に存在する全てのプレイヤオブジェクトが前記所定の距離内に存在している場合に前記所定の距離条件を満たしたと判別される、制御方法。
通信回線を介して接続された複数の端末間にて、各端末のプレイヤに対応する各プレイヤオブジェクトの移動に使用されるゲームフィールドをゲームの進行に利用するゲームシステムに適用され、前記複数の端末の一つとして機能することが可能なゲーム機に組み込まれるコンピュータを、
前記ゲームフィールド内における各プレイヤオブジェクト間の距離を判別する距離判別手段、前記距離判別手段の判別結果に基づいて、いずれか一のプレイヤオブジェクトを基準として当該一のプレイヤオブジェクトを含む少なくとも2つのプレイヤオブジェクトが所定の距離内に存在している場合に満たされる所定の距離条件を満たしているか否か判別する距離条件判別手段、及び、前記距離条件判別手段の判別結果に基づいて、前記所定の距離条件を満たす場合に、前記ゲームの進行に所定の特典を付与する特典付与手段として機能させるとともに、
前記所定の距離内は、前記一のプレイヤオブジェクトからの距離に応じて複数の領域に分類され、
前記距離条件判別手段を、前記所定の距離条件を満たす各プレイヤオブジェクトのうち前記一のプレイヤオブジェクトとは別の他のプレイヤオブジェクトが位置する領域と前記一のプレイヤオブジェクトが位置する領域との間の位置関係を判別する手段として、前記特典付与手段を、前記所定の距離条件を満たす場合に、前記位置関係に応じて、前記所定の特典の内容を変更する手段として、前記距離条件判別手段を、前記ゲームフィールド内に存在する全てのプレイヤオブジェクトが前記所定の距離内に存在している場合に前記所定の距離条件を満たしたと判別する手段として、それぞれ更に機能させるように構成されたゲーム機用のコンピュータプログラム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のゲーム装置では、プレイヤオブジェクトとして、各プレイヤに対応するプレイヤキャラクタを利用したアクションゲームが提供される。また、このアクションゲームでは、各プレイヤは協力して敵キャラクタを攻撃する。このような協力プレイは、各プレイヤオブジェクトが出来るだけ近くに配置されている場合に演出効果を高めることができる。例えば、互いに支え合って敵キャラクタと対決するという演出が可能だからである。一方で、このように近い距離に複数のプレイヤオブジェクトが配置されている場合には、アクションゲームでは敵キャラクタからの集中攻撃を受けやすい。従って、複数のプレイヤオブジェクトが比較的近い場所に集中して集まることは不利益にもなり得るため、避けられる場合が多い。
【0005】
また、このような協力プレイが可能なゲームがネットワークを通じて提供される場合もあり得る。このような場合、各プレイヤは、互いに相手のことを知らない場合も多く、また、プレイ中に近くにいない場合も多い。このため、同じゲームをプレイしていても一体感の構築が比較的難しい。一方で、協力プレイは、演出次第では各プレイヤ間の一体感の向上に寄与し得る。
【0006】
そこで、本発明は、各プレイヤに対応する各プレイヤオブジェクトを所定の距離内に集めることができるゲーム機、それに用いる制御方法及び、コンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のゲーム機は、通信回線(5)を介して接続された複数の端末間にて、各端末のプレイヤに対応する各プレイヤオブジェクト(PC)の移動に使用されるゲームフィールド(GF)をゲームの進行に利用するゲームシステム(1)に適用され、前記複数の端末の一つとして機能することが可能なゲーム機(GM)であって、前記ゲームフィールド内における各プレイヤオブジェクト間の距離を判別する距離判別手段(10)と、前記距離判別手段の判別結果に基づいて、いずれか一のプレイヤオブジェクトを基準として当該一のプレイヤオブジェクトを含む少なくとも2つのプレイヤオブジェクトが所定の距離内に存在している場合に満たされる所定の距離条件を満たしているか否か判別する距離条件判別手段(10)と、前記距離条件判別手段の判別結果に基づいて、前記所定の距離条件を満たす場合に、前記ゲームの進行に所定の特典を付与する特典付与手段(10)と、を備え
、前記特典付与手段は、前記所定の距離条件を満たす場合に、当該所定の距離条件を満たす各プレイヤオブジェクト間の距離に応じて、前記所定の特典の内容を変更するものである。
【0008】
本発明によれば、所定の距離条件を満たした場合に所定の特典が付与される。また、所定の距離条件は、一のプレイヤオブジェクトを基準として、当該一のプレイヤオブジェクトを含む少なくとも2つのプレイヤオブジェクトが所定の距離内に存在している場合に満たされる。つまり、所定の特典を利用して、少なくとも二人のプレイヤに対応する各プレイヤオブジェクトを所定の距離内に集めることができる。また、各プレイヤオブジェクトを所定の距離内に集めることにより、協力プレイの演出効果を高めることができる。これにより、各プレイヤ間の一体感を高めることができるので、ゲームの興趣性を向上させることができる。
【0009】
また、この場合、各プレイヤオブジェクト間の距離がより意識されるため、より効果的に各プレイヤオブジェクト間の距離を利用することができる。
【0010】
本発明のゲーム機の一態様において、前記特典付与手段は、前記所定の距離条件を満たす各プレイヤオブジェクト間の距離が近くなるほど、前記所定の特典の利益が高まるように、前記所定の特典の内容を変更してもよい。この場合、各プレイヤオブジェクト間の距離が近くなるほど、所定の特典の利益が高まる。これにより、各プレイヤオブジェクト間の距離をより近づけることができる。
【0011】
本発明のゲーム機の一態様において、前記距離条件判別手段は、前記ゲームフィールド内に存在する全てのプレイヤオブジェクトが前記所定の距離内に存在している場合に前記所定の距離条件を満たしたと判別してもよい。この場合、ゲームフィールド内に存在する全てのプレイヤオブジェクトを所定の距離内に集めることができる。
【0012】
所定の特典として、どのような特典が付与されてもよい。例えば、本発明のゲーム機の一態様において、前記ゲームとして、前記ゲームフィールド中に攻撃対象のオブジェクト(AC)が出現し、各プレイヤオブジェクトによる前記攻撃対象のオブジェクトへの攻撃を進行に含むゲームが利用され、前記特典付与手段は、前記所定の特典として、前記所定の距離条件を満たす各プレイヤオブジェクトの前記攻撃対象のオブジェクトに対する攻撃力が向上する特典を付与してもよい。或いは、前記特典付与手段は、前記所定の特典として、前記ゲーム中で選択可能なオプションが増加する特典を付与してもよい。
【0013】
本発明の制御方法は、通信回線(5)を介して接続された複数の端末間にて、各端末のプレイヤに対応する各プレイヤオブジェクト(PC)の移動に使用されるゲームフィールド(GF)をゲームの進行に利用するゲームシステム(1)に適用され、前記複数の端末の一つとして機能することが可能なゲーム機(GM)に組み込まれるコンピュータ(10)に、前記ゲームフィールド内における各プレイヤオブジェクト間の距離を判別する距離判別工程と、前記距離判別工程の判別結果に基づいて、いずれか一のプレイヤオブジェクトを基準として当該一のプレイヤオブジェクトを含む少なくとも2つのプレイヤオブジェクトが所定の距離内に存在している場合に満たされる所定の距離条件を満たしているか否か判別する距離条件判別工程と、前記距離条件判別工程の判別結果に基づいて、前記所定の距離条件を満たす場合に、前記ゲームの進行に所定の特典を付与する特典付与工程と、を実行させ
、前記特典付与工程では、前記所定の距離条件を満たす場合に、当該所定の距離条件を満たす各プレイヤオブジェクト間の距離に応じて、前記所定の特典の内容が変更されるものである。
【0014】
また、本発明のゲーム機用のコンピュータプログラムは、通信回線(5)を介して接続された複数の端末間にて、各端末のプレイヤに対応する各プレイヤオブジェクト(PC)の移動に使用されるゲームフィールド(GF)をゲームの進行に利用するゲームシステム(1)に適用され、前記複数の端末の一つとして機能することが可能なゲーム機(GM)に組み込まれるコンピュータ(10)を、前記ゲームフィールド内における各プレイヤオブジェクト間の距離を判別する距離判別手段、前記距離判別手段の判別結果に基づいて、いずれか一のプレイヤオブジェクトを基準として当該一のプレイヤオブジェクトを含む少なくとも2つのプレイヤオブジェクトが所定の距離内に存在している場合に満たされる所定の距離条件を満たしているか否か判別する距離条件判別手段、及び、前記距離条件判別手段の判別結果に基づいて、前記所定の距離条件を満たす場合に、前記ゲームの進行に所定の特典を付与する特典付与手段として機能させ
るとともに、前記特典付与手段を、前記所定の距離条件を満たす場合に、当該所定の距離条件を満たす各プレイヤオブジェクト間の距離に応じて、前記所定の特典の内容を変更する手段として更に機能させるように構成されたものである。本発明の制御方法或いは、コンピュータプログラムを実行することにより、本発明のゲーム機を実現することができる。
【0015】
なお、以上の説明では本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記したが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0016】
以上に説明したように、本発明によれば、所定の特典を利用して、各プレイヤオブジェクトを所定の距離内に集めることができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係るゲーム機の一形態について説明する。
図1は、本発明の一形態に係るゲーム機が適用されたゲームシステムを示す図である。ゲームシステム1においては、複数のゲーム機GMと、センターサーバ3とがルータ4を介して通信回線としてのネットワーク5にそれぞれ接続されている。センターサーバ3は、一台の物理的装置によって構成されている例に限らない。例えば、複数の物理的装置としてのサーバ群によって一台の論理的なセンターサーバ3が構成されていてもよい。各ゲーム機GMは、ネットワーク5に接続されることにより、ゲームシステム1の端末装置(或いは、クライアント)として機能する。ネットワーク5としては、インターネットが使用されている。なお、ネットワーク5は、通信回線を使用したものであればよく、インターネットに限定されるものではない。また、通信回線は、有線及び、無線のいずれであってもよい。
【0019】
各ゲーム機GMは、プレイ料金(所定の対価)の支払いと引き換えに所定範囲のゲームのプレイを許可する業務用のゲーム機として構成されている。ゲーム機GMは、店舗6等の商業施設に適当な台数ずつ設置される。ルータ4は、各店舗6及びセンターサーバ3に対応付けて設置される。同一店舗のゲーム機GMは、共通のルータ4を介してネットワーク5に接続されている。なお、ゲーム機GMと店舗6のルータ4との間にローカルサーバが設置され、そのローカルサーバを介してゲーム機GMがセンターサーバ3と通信可能に接続されていてもよい。
【0020】
センターサーバ3には、制御ユニット(不図示)が設けられている。制御ユニットは、マイクロプロセッサと、そのマイクロプロセッサにて実行されるべきオペレーティングシステム等のプログラムが記録されたROM、及びマイクロプロセッサに対する作業領域を提供するRAM等の内部記憶装置(不図示)とを備えたコンピュータとして構成されている。また、センターサーバ3には、外部記憶装置(不図示)が接続されている。外部記憶装置には、制御ユニットにて実行されるべき各種サーバ用プログラム及び、そのプログラムが参照する各種データがそれぞれ記憶されている。
【0021】
図2を参照して、ゲーム機GMに構成を更に説明する。
図2は、ゲーム機GMの機能ブロック図である。
図2に示すように、ゲーム機GMは、コンピュータとしての制御ユニット10が設けられている。制御ユニット10には、入力装置11、モニタ12及び、スピーカ13が接続されている。入力装置11として、例えば、選択或いは決定をするためのボタン等が設けられたコントロールパネルが使用されてよい。また、ゲーム機GMには、その他にも電源スイッチ、ボリューム操作スイッチ、電源ランプといった通常の業務用のゲーム機が備えている各種の入力装置及び出力装置が設けられていてよい。
【0022】
制御ユニット10は、制御主体としてのゲーム制御部15と、そのゲーム制御部15からの出力に従って動作する表示制御部16及び、音声出力制御部17と、を備えている。ゲーム制御部15は、マイクロプロセッサと、そのマイクロプロセッサの動作に必要な内部記憶装置(一例としてROM及びRAM)等の各種の周辺装置とを組み合わせたユニットとして構成されている。表示制御部16は、ゲーム制御部15から与えられる画像データに応じた画像をフレームバッファに描画し、その描画した画像に対応する映像信号をモニタ12に出力することにより、モニタ12上に所定の画像を表示させる。音声出力制御部17は、ゲーム制御部15から与えられる音声再生データに応じた音声再生信号を生成してスピーカ13に出力することにより、スピーカ13から所定の音声(楽音等を含む)を再生させる。
【0023】
ゲーム制御部15には、外部記憶装置20が接続されている。外部記憶装置20には、DVDROM、CDROM等の光学式記憶媒体、あるいはEEPROM等の不揮発性半導体メモリ装置といった、電源の供給がなくても記憶を保持可能な記憶媒体が使用される。
【0024】
外部記憶装置20には、ゲームプログラム21と、ゲームデータ22とが記憶されている。ゲームプログラム21は、ゲーム機GMにて所定の手順に従ってアクションゲームを実現するために必要なコンピュータプログラムである。ゲーム機GMが起動されると、ゲーム制御部15はその内部記憶装置に記憶されたオペレーションプログラムを実行することにより、ゲーム機GMとして動作するために必要な各種の初期設定を実行する。続いて、ゲーム制御部15は、外部記憶装置20からゲームプログラム21を読み込んでこれを実行することにより、ゲームプログラム21に従ってアクションゲームを実行するための環境を設定する。ゲーム制御部15は、所定のアクションゲームを実行するために必要な各種の処理を実行する。
【0025】
ゲームデータ22には、ゲームプログラム21に従ってアクションゲームを実行する際に参照されるべき各種のデータが含まれている。このような各種データとして、例えば、ゲームデータ22には、BGMを再生するためのBGMデータ、効果音を再生するための効果音データ及び、ゲーム画面内の背景画像、各種のオブジェクト、アイコン等を表示させるための画像データが含まれている。
【0026】
次に、ゲーム機GMにて実行されるアクションゲームについて説明する。ゲーム機GMは、所定の対価の消費と引き換えに、複数のプレイヤにて、プレイが可能なアクションゲームを提供する。複数のプレイヤとして、ネットワーク5を介して接続された各ゲーム機GMのプレイヤが参加可能である。つまり、各ゲーム機GMの各プレイヤは、ネットワーク5を介して、各プレイヤと共通のアクションゲームをプレイすることができる。
【0027】
各ゲーム機GMの各プレイヤが共通のアクションゲームをプレイするために、ゲームが開始される前に、各ゲーム機GMからセンターサーバ3に対して、ネットワーク5を介して、マッチング要求が送信される。センターサーバ3は、各ゲーム機GMからのマッチング要求に基づいて、共通のゲームに参加する各プレイヤをマッチングする。センターサーバ3のマッチング結果に基づいて、共通のゲームに参加する各プレイヤが決定されると、それらのプレイヤ間でゲーム機GM間の通信を利用したゲームが開始される。
【0028】
図3は、ゲーム機GMが提供するゲーム画面の一例を示す図である。
図3に示すように、ゲーム画面35には、プレイヤオブジェクトとしてのプレイヤキャラクタPCの画像と、攻撃対象のオブジェクトとしての敵キャラクタACの画像とが含まれる。各プレイヤキャラクタPCは、各ゲーム機GMの各プレイヤに対応して、ゲーム画面35中に出現する。プレイヤキャラクタPC及び敵キャラクタACは、仮想3次元空間として演出されたゲームフィールドGF内に配置される。そして、各プレイヤは、ゲーム画面35中のプレイヤキャラクタPCを介して仮想3次元空間のゲームフィールドGF内を移動しつつ、遭遇した敵キャラクタACとバトルを行う。バトルを通じて、プレイヤには得点等が与えられる。
図3の例では、4台のゲーム機GMが利用され、それらのゲーム機GMのプレイヤにそれぞれ対応する4つのプレイヤキャラクタPCが一つの敵キャラクタACとバトル中の状態を示している。
【0029】
一方、ゲーム画面35には、各プレイヤの情報、プレイヤキャラクタPCのステータス、使用可能なアイテム等を示す各種情報も含まれる。このような情報として、例えば、ゲーム画面35には、各プレイヤに対応するプレイヤアイコンPI、現在使用中の武器情報WIといった情報が表示される。プレイヤアイコンPIは、プレイヤキャラクタPCに対応するアイコン画像IMと、プレイヤの名称情報NIと、プレイヤがプレイ中の店舗6を示すプレイ店舗情報SIと、を含んでいる。
図3の例では、例えば、名称情報NIとして“ハンター1”等が、プレイ店舗情報SIとして“レジャーランドA”が、それぞれ表示されている。また、武器情報WIとして“MACHINE GUN”という情報が表示されている。なお、
図3の例では、各プレイヤが共通の“レジャーランドA”という店舗6でプレイしている場合を示している。しかし、共通のゲームに参加可能なプレイヤは、共通の店舗6でプレイするプレイヤに限定されない。例えば、異なる他の店舗6に設置されたゲーム機GMのプレイヤが参加してもよい。
【0030】
各プレイヤは、各プレイヤキャラクタPCをゲーム画面35中の任意の位置に配置可能である。
図3の例では、各プレイヤキャラクタPCは、互いに離れて配置されている。これにより、各プレイヤキャラクタPCは、プレイヤキャラクタPC毎に個別に敵キャラクタACを攻撃している。一方で、ゲームに参加中の複数のプレイヤキャラクタPCが協力して敵キャラクタACを攻撃する等、協力プレイを実行する場合もある。協力プレイは、例えば、各プレイヤキャラクタPC間の距離が所定の距離条件を満たした場合に実現される。そして、所定の距離条件は、一例として、全プレイヤキャラクタPCが所定の協力領域内に配置されている場合に満たされる。つまり、例えば、全プレイヤキャラクタPCが所定の協力領域内に存在している場合に、協力プレイが実現される。
【0031】
図4は、協力プレイを実現可能な場合のゲーム画面35の一例を示す図である。
図4の破線は、所定の協力領域DCの境界線Hを示している。
図4に示すように、この場合、全プレイヤキャラクタPCが所定の協力領域DC内に配置されている。所定の協力領域DCは、一例として、各プレイヤキャラクタPC間の距離に基づいて設定される。つまり、いずれか一のプレイヤキャラクタPCを基準として、その一のプレイヤキャラクタPCから所定の距離に境界線Hが設定され、その境界線Hよりも内側(その基準となる一のプレイヤキャラクタPC側)が所定の協力領域DCとして設定される。従って、所定の協力領域DCは、プレイヤキャラクタPC毎に設定される。そして、いずれかの所定の協力領域DC内(基準となる一のプレイヤキャラクタPCから所定の距離内)に全プレイヤキャラクタPCが存在している場合に、所定の距離条件が満たされる。
図4の例では、左から3番目のプレイヤキャラクタPCdが所定の協力領域DCの基準として利用された場合を示している。つまり、所定の距離条件を満たす所定の協力領域DCとして、基準となる左から3番目のプレイヤキャラクタPCdから所定の距離に設定された境界線Hの内側が利用されている。
【0032】
協力プレイが実現されると、ゲームの進行に所定の特典が付与される。所定の特典の一例として、
図4の例では、各プレイヤキャラクタPCの攻撃力が増加する場合を示している。
図4の例では、協力プレイの実現に伴って、武器情報WIに、攻撃力が倍化されたことを示す“×2”の表示が追加されている。
【0033】
また、所定の協力領域DCは、基準となるプレイヤキャラクタPCdからの距離に応じて、複数の領域に分類される。
図5は、所定の協力領域DCを説明するための図である。
図5に示すように、所定の協力領域DCは、例えば、基準となるプレイヤキャラクタPCdから近い順に、第1協力領域DC1と、第2協力領域DC2と、第3協力領域DC3と、第4協力領域DC4と、に分類される。また、第1協力領域DC1は第1境界線H1に、第2協力領域DC2は第2境界線H2に、第3協力領域DC3は第3境界線H3に、第4協力領域DC4は第4境界線H4に、それぞれ区分される。そして、これらの領域DC1〜DC4のいずれの領域内に全プレイヤキャラクタPCが配置されているかに応じて、協力プレイに伴う所定の特典の内容が変化する。
【0034】
協力プレイに伴う所定の特典の内容について、一例を示して具体的に説明する。例えば、全プレイヤキャラクタPCが第1協力領域DC1内に存在していれば、第1距離条件を満たしたとして、全プレイヤキャラクタPCの攻撃力が10倍になる。つまり、この場合、協力プレイに伴う所定の特典として、全プレイヤキャラクタPCの攻撃力が10倍になるという特典が提供される。一方、一つのプレイヤキャラクタPCでも第2協力領域DC2に存在していれば、第1距離条件を満たさない。但し、この場合、全プレイヤキャラクタPCが第2協力領域DC2内には存在しているので、第2距離条件を満たす。そして、この場合、協力プレイに伴う所定の特典として、全プレイヤキャラクタPCの攻撃力が5倍になるという特典が提供される。同様に、全プレイヤキャラクタPCが第3協力領域DC3内に存在する場合に第3距離条件が、第4協力領域DC4内に存在する場合に第4距離条件が、それぞれ満たされる。そして、所定の特典として、第3距離条件が満たされた場合には攻撃力が3倍になるという特典が、第4距離条件が満たされた場合には攻撃力が2倍になるという特典が、それぞれ提供される。つまり、所定の特典の内容は、基準となるプレイヤキャラクタPCdからの距離に応じて、その距離が近くなるほど各プレイヤキャラクタPCの攻撃力が高くなるように変化する。これにより、プレイヤには、各プレイヤキャラクタPCを近くに配置するようなプレイが促される。
【0035】
次に、協力プレイに伴って所定の特典を付与するために、ゲーム制御部15が実行する特典付与処理ルーチンについて説明する。
図6は、ゲーム制御部15が実行する特典付与処理ルーチンのフローチャートの一例を示す図である。ゲーム制御部15は、
図16のルーチンを所定の周期で繰り返し実行する。なお、ゲーム制御部15は、その他にもゲーム機GMがアクションゲームを実行するために必要な各種の周知な処理を実行するが、それらの詳細な説明は省略する。
【0036】
ゲーム制御部15は、
図6のルーチンを開始すると、まずステップS11で各プレイヤキャラクタPCの位置情報を取得する。ゲーム制御部15は、上述のようにアクションゲームを実行するために各種の処理を実行している。それらの処理には、各プレイヤキャラクタPCをゲームフィールドGF内の所定の位置に出現させるための処理、及び、その所定の位置から各プレイヤが入力する操作に従って各プレイヤキャラクタPCを移動させるための処理が含まれる。そして、各プレイヤキャラクタPCを移動させるための処理には、各プレイヤキャラクタPCの位置(ゲームフィールドGF内の座標)を算出するための処理が含まれている。従って、ゲーム制御部15は、このような処理結果を利用して、ステップS11にて、各プレイヤキャラクタPCの位置情報を取得する。なお、各プレイヤキャラクタPCを移動させるための処理等とは別に、同様の処理をステップS11にて、実行することにより、各プレイヤキャラクタPCの位置情報を取得してもよい。
【0037】
次のステップS12にて、ゲーム制御部15は、ステップS11で取得した各プレイヤキャラクタPCの位置情報に基づいて、各プレイヤキャラクタPCが所定の距離条件を満たすか否かを判別する。この判別は、例えば、次のようにして実行される。まず、ゲーム制御部15は、ステップS11で取得した各プレイヤキャラクタPCの位置情報に基づいて、プレイヤキャラクタPC毎の(各プレイヤキャラクタPCを基準とする)所定の協力領域DCを算出する。次に、ゲーム制御部15は、算出した各プレイヤキャラクタPCの所定の協力領域DC毎に、所定の距離条件が満たされているか否かを判別する。具体的には、所定の協力領域DC毎に、全プレイヤキャラクタPCの位置を含むように設定される所定の協力領域DCが存在するか否を判別する。また、この判別は、所定の協力領域DCに含まれる領域毎に行われる。つまり、
図5の例では、第1距離条件〜第4距離条件までの各条件を満たすか否かが判別される。このようにして、ゲーム制御部15は、ステップS12にて、所定の距離条件(第1距離条件〜第4距離条件等、領域毎の条件を含む)を満たすか否かを判別する。
【0038】
ステップS12の判別結果が否定的結果の場合、つまり所定の距離条件を満たさないと判別した場合には、ゲーム制御部15は、以降の処理をスキップして、今回のルーチンを終了する。一方、ステップS12の判別結果が肯定的結果の場合、つまり所定の距離条件を満たすと判別した場合には、ゲーム制御部15は、ステップS13に進む。
【0039】
ステップS13にて、ゲーム制御部15は、ゲームの進行に所定の特典を付与する。具体的には、
図5の例では、各プレイヤキャラクタPCの攻撃力が第1距離条件を満たす場合には10倍に、第2距離条件を満たす場合には5倍に、第3距離条件を満たす場合には3倍に、第4距離条件を満たす場合には2倍に、それぞれ向上するように特典を付与する。ステップS13の処理を終えると、ゲーム制御部15は、今回のルーチンを終了する。これにより、各プレイヤキャラクタPC間の距離に基づいて協力プレイが実現され、また、その協力プレイに伴う特典が各プレイヤキャラクタPC間の距離に応じて内容が変化するように付与される。
【0040】
以上に説明したように、この形態によれば、各プレイヤに対応するキャラクタとしてゲームフィールドGF中に配置される各プレイヤキャラクタPC間の距離に応じて、例えば、攻撃力が変化する。また、この攻撃力は、全プレイヤキャラクタPC間の距離が近ければ近いほど高くなるように変化する。従って、全プレイヤキャラクタPCを一か所等、狭い範囲に集めることができる。これにより、例えば、全プレイヤキャラクタPCが寄り添い、協力して、強力な敵キャラクタACを攻略する等、協力プレイを利用して映画的な演出を実現することができる。また、例えば、所定の距離条件を満たした場合に付与される特典がダメージの回復等であれば、弱っている仲間に寄り添うことにより仲間のダメージが回復する。これにより、弱っている仲間を他の仲間でかばい合い、助けるという感動的なシーンを作ることもできる。
【0041】
また、各プレイヤキャラクタPCに対応する各プレイヤは、ネットワーク5を介して接続された各ゲーム機GMの各プレイヤである。このようなプレイヤ間では、同一ゲーム機をプレイする第1プレイヤ及び第2プレイヤ間で共通のゲームをプレイする等の従来の場合と異なり、一体感が薄れ易い。この形態によれば、各プレイヤキャラクタPC間の距離を近づけ、協力プレイの演出を加えることにより、このような各プレイヤ間の一体感を向上させることができる。これにより、ゲームの興趣性を向上させることができる。
【0042】
以上の形態において、ゲーム制御部15を通じて
図6のルーチンを実行することにより、制御ユニット10が距離判別手段、距離条件判別手段及び、特典付与手段として機能する。
【0043】
本発明は上述の形態に限定されず、適宜の形態にて実施することができる。上述の形態では、所定の距離条件は、全てのプレイヤオブジェクトが所定の協力領域DC内(基準となるプレイヤオブジェクトから所定の距離内)に存在している場合に満たされる。しかし、所定の距離条件は、このような形態に限定されない。例えば、基準となる一のプレイヤオブジェクトを含む少なくとも2つのプレイヤオブジェクトが所定の距離内に存在している場合に、所定の距離条件は満たされてもよい。この場合、2つのプレイヤオブジェクトを所定の距離内に集めることができるので、2つのプレイヤオブジェクト間の協力プレイを演出することができる。同様に、所定の距離条件は、基準となる一のプレイヤオブジェクトを含む3つのプレイヤオブジェクト等、任意の数のプレイヤオブジェクトが所定の距離内に存在している場合に満たされてよい。
【0044】
上述の形態では、所定の特典の一例として、所定の距離条件を満たす各プレイヤオブジェクトの攻撃力が向上するという特典が付与されている。しかし、所定の特典は、このような形態に限定されない。例えば、所定の特典として、所定の距離条件を満たす各プレイヤオブジェクトの敵キャラクタ等から与えられたダメージが回復するという特典が付与されてもよい。この場合、所定の距離が近くなるほど、回復量が増加してもよい。或いは、所定の特典として、所定の距離条件を満たした場合に選択可能になるオプションが利用されてもよい。この場合、例えば、所定の距離が近くなるほど、選択可能なオプション数が増加してもよい。若しくは、より強力な武器(複数のプレイヤキャラクタPCでしか操作できない大型の武器等)がオプションとして用意される等、オプションの価値が増加してもよい。また、所定の特典は、このように所定の距離が近くなるほど、特典の利益が高くなる形態にも限定されない。単に、所定の距離に応じて、選択可能なオプションの内容が変化してもよい。
【0045】
上述の形態では、ゲーム機GMが実行するゲームとして、アクションゲームが採用されている。しかし、ゲーム機GMが実行するゲームは、このような形態に限定されない。例えば、例えば、その他にもロールプレイングゲーム、アクションゲーム、スポーツゲーム、シューティングゲーム等がゲームとして利用されてよい。また、上述の形態では、センターサーバ3がマッチング処理を実行している。しかし、センターサーバ3が省略され、マッチング処理をいずれか一のゲーム機が実行してもよい(いずれか一のゲーム機がセンターサーバとして機能してもよい)。更に、本発明のゲーム機は、商業施設に設置される業務用ゲーム機、家庭用の据置型ゲーム機、携帯型のゲーム機(ゲーム機として利用される携帯電話を含む)等、適宜の形態で実現されてよい。