(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6089269
(24)【登録日】2017年2月17日
(45)【発行日】2017年3月8日
(54)【発明の名称】誤装着防止部材、直管形LEDランプ、ソケット及び照明器具
(51)【国際特許分類】
H01R 33/08 20060101AFI20170227BHJP
H01R 31/06 20060101ALI20170227BHJP
F21V 19/00 20060101ALI20170227BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20170227BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20170227BHJP
【FI】
H01R33/08
H01R31/06 Z
F21V19/00 110
F21S2/00 231
F21Y115:10
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-255553(P2012-255553)
(22)【出願日】2012年11月21日
(65)【公開番号】特開2014-103040(P2014-103040A)
(43)【公開日】2014年6月5日
【審査請求日】2015年11月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161322
【弁理士】
【氏名又は名称】白坂 一
(72)【発明者】
【氏名】高橋 真也
【審査官】
松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−009392(JP,A)
【文献】
特開2011−198709(JP,A)
【文献】
特開2012−119134(JP,A)
【文献】
特開2012−104337(JP,A)
【文献】
特開2012−164514(JP,A)
【文献】
特開2011−171225(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0003366(US,A1)
【文献】
特開2014−067499(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 33/08
F21S 2/00
F21V 19/00
H01R 31/06
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
LEDを実装した直管形LEDランプにおいて、
少なくとも一方の口金における一対のピンに着脱可能に取り付けられ、前記一対のピンの側面部のうち少なくとも一部が外側に露呈するように前記一対のピンの間に挟持されている、誤装着防止部材。
【請求項2】
前記一対のピンに取り付けられた際に当該一対のピンの間に収められる本体部と、
前記本体部の両側面に形成され、前記ピンの外形に対応した断面半円形状を有する口金ピン係入部と、
を備え、
前記口金ピン係入部に前記ピンが係入することによって挟持されている、請求項1に記載の誤装着防止部材。
【請求項3】
対応する形状を有する口金のピンのみ取付可能に構成されたソケットに適用され、
前記本体部における前記両側面の側面同士を連結する部位のうち前記ピンの先端側に位置する部位から突設される突部を有し、
前記一対のピンに取り付けられた状態で前記突部が前記ソケットの一部を押圧して押込むことにより前記一対のピンが前記ソケットに装着可能となる、請求項2に記載の誤装着防止部材。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の誤装着防止部材を有する、直管形LEDランプ。
【請求項5】
直管形LEDランプの口金ピンが装着可能なソケットを有する照明器具であって、
前記ソケットは、
本体と、
前記本体に回転自在に取付けられた回転子と、
前記回転子の内部で移動可能に保持された装着解除部材と、
前記回転子及び装着解除部材の回転を規制する回転規制リブと、
前記本体に収容された一対の給電用接触子と、
を備え、
前記装着解除部材は、移動した位置によって前記回転子及び装着解除部材が前記回転規制リブと干渉して回転が規制されるか、あるいは前記回転子及び装着解除部材が前記回転規制リブと干渉せずに回転が許容され、
前記回転子及び装着解除部材の回転が許容されて前記回転子及び装着解除部材が所定角度回転した際に前記給電用接触子と前記一対のピンとが接触して前記直管形LEDランプに給電可能となる、照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直管形LEDランプを光源として使用する照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、直管形蛍光ランプはG13口金を両端に有するものが使われ、同時に直管形蛍光ランプを使用する照明器具はG13口金に対応したソケットが配置される。一方、既設の照明器具に、直管形蛍光ランプの代わりに使用可能な光源として、低消費電力で長寿命である直管形LEDランプがある。直管形LEDランプは、直管形蛍光ランプと外形寸法が同じで、両側にG13口金が設けられているため、既設の照明器具に配置されたソケットに装着が可能であった。
【0003】
しかしながら、直管形LEDランプは電源回路を内蔵し、既設の照明器具の直管形蛍光ランプ用の点灯回路でそのまま点灯可能なものもあるが、直管形蛍光ランプ用の点灯回路では点灯できず、直管形LEDランプ用の点灯回路と交換の必要があるものもある。そのため、直管形蛍光ランプを用いる既設の照明器具で、専用の点灯回路を必要とする直管形LEDランプを使用できるように改造する場合、点灯回路をLEDランプ用のものと交換するなどの改造工事が必要であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−335426号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のように直管形蛍光ランプと、その代替光源である直管形LEDランプが同じ口金を使用している場合、直管形蛍光ランプ用の照明器具を直管形LEDランプ用に改造した後でも、再び直管形蛍光ランプが装着されたり、他メーカーのLEDランプが装着される可能性がある。また、直管形蛍光ランプ用の点灯回路を備えた照明器具に、蛍光ランプ用の点灯回路では点灯できない直管形LEDランプが、誤って接続される可能性もあった。
【0006】
また、誤って接続されないように口金形状を新規格のものにするには、専用の製造設備が必要であった。
【0007】
本発明は上記課題に鑑みて為されたものであり、直管形蛍光ランプ用の照明器具への誤装着を防止できる直管形LEDランプとソケット、及びそれらを配置する照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る誤装着防止部材は、LEDを実装した直管形LEDランプにおいて、少なくとも一方の口金における一対のピンに着脱可能に取り付けられ、一対のピンの側面部のうち少なくとも一部が外側に露呈するように一対のピンの間に挟持されている。
【0009】
また、一対のピンに取り付けられた際に当該一対のピンの間に収められる本体部と、本体部の両側面に形成され、口金ピンの外形に対応した断面半円形状を有する口金ピン係入部と、を備え、口金ピン係入部に前記ピンが係入することによって挟持されていてもよい。
【0010】
さらに、対応する形状を有する口金のピンのみ取付可能に構成されたソケットに適用され、本体部における両側面の側面同士を連結する部位のうちピンの先端側に位置する部位から突設される突部を有し、口金の一対のピンに取り付けられた状態で突部がソケットの一部を押圧して押込むことにより口金の一対のピンがソケットに装着可能となるようにしてもよい。
【0011】
そして、本発明に係る直管形LED照明装置は、前述した誤装着防止部材を有している。
【0012】
また、本発明に係る照明器具は、直管形LEDランプの口金ピンが装着可能なソケットを有する照明器具であって、ソケットは、本体と、本体に回転自在に取付けられた回転子と、回転子の内部で移動可能に保持された装着解除部材と、回転子及び装着解除部材の回転を規制する回転規制リブと、本体に収容された一対の給電用接触子と、を備え、装着解除部材は、移動した位置によって回転子及び装着解除部材が回転規制リブと干渉して回転が規制されるか、あるいは回転子装着及び解除部材が回転規制リブと干渉せずに回転が許容され、回転子及び装着解除部材の回転が許容されて回転子及び装着解除部材が所定角度回転した際に給電用触子と前記一対のピンとが接触して直管形LEDランプに給電可能となる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、
直管形LEDランプのその直管形LEDランプに対応していない器具への誤装着を防止することができる。
【0017】
また、口金ピンはG13規格のため、口金の製造には従来の設備がそのまま使用可能であり、既設設備の有効利用と新規の設備投資が不要である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の直管形LEDランプ及びソケットの外観斜視図であり、(a)(b)は同直管形LEDランプの長さ方向の一方向及び他方向から見た状態をそれぞれ示している。
【
図2】同上の直管形LEDランプ及び装着解除部材の外観斜視図である。
【
図3】同上の直管形LEDランプに用いる装着解除部材を示し、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は外観斜視図である。
【
図4】同上の給電用ソケットの図であり、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は同図記載のB−B’の線断面図、(d)は同図記載のC−C’の線断面図、(e)は外観斜視図である。
【
図5】同上の直管形LEDランプの給電ソケットの部品構成図である。
【
図6】同上の給電用ソケットに給電側の口金を嵌合させるときの動作を説明するための、
図1記載のA−A’線断面図であり、(a)は装着前の状態、(b)は装着開始時の状態、(c)は装着完了時の状態、(d)は誤装着解除部材を備えない口金が給電用ソケットに挿入された状態を示す。
【
図7】同上の保持用ソケットの図であり、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は平面図、(d)は外観斜視図である。
【
図8】同上の保持用ソケットの図であり、(a)は部品構成図、(b)は
図7記載のD−D’の線断面図である。
【
図9】同上の保持用ソケットに保持側の口金を嵌合させるときの動作を説明するための、
図7記載のE−E’線断面図であり、(a)は装着前の状態、(b)は装着開始時の状態、(c)は装着完了時の状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明に係る直管形LEDランプ及びこの直管形LEDランプが装着されるソケットの実施形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
図1に直管形LEDランプ1の外観斜視図を示す。該直管形LEDランプ1は、透光性を有する合成樹脂材料により直管状に形成されたカバー11を備えている。カバー11の軸方向一端側には給電用口金12が設けられ、カバー11の軸方向他端側には保持用口金13が設けられている。給電用口金12側には給電用ソケット2が配置され、保持用口金13側には保持用ソケット3が配置されている。
図1(b)に示すように、給電用口金12の端面に突設された一対の給電用口金ピン12a、12aには、誤装着防止部材14が挟持されている。カバー11の内部には、複数のLEDを実装したLED基板(図示せず)が収納されている。
【0021】
一対の給電用口金ピン12a、12aは、金属等の剛性の高い材料で円筒形に形成され、カバー11の内部で例えばリード線を介して上記のLED基板に電気的に接続されている。
【0022】
誤装着防止部材14は、
図2、
図3に示すように、合成樹脂などの絶縁材料で一体成形された略直方形の板体であり、その前面部には突部14bが突設され、上下両面部には給電用口金ピン12a、12aの係入部14a、14aが形成されている。係入部14a,14aは、給電用口金ピン12a、12aの直径と略同等の曲率で半円筒形状に形成されており、これら係入部14a、14aの間に一対の給電用口金ピン12a、12aが軽圧入されることにより、誤装着部材14が着脱可能に挟持される。誤装着防止部材14は、前述のように絶縁材料で形成されているので、一対の給電用口金ピン12a、12aの絶縁性は維持される。
【0023】
給電用ソケット2は、
図4、
図5に示すように、本体21と、本体21に回転自在に取付けられた回転子41と、回転子41の内部に軸方向に移動可能に保持された装着解除部材42と、本体21内に収納された一対の給電用接触子5、5を備えている。尚、給電用ソケット2の説明では、
図4(a)に示す向きにおいて上下左右の方向を規定し、
図4(b)の左側を前方、右側を後方として説明を行う。
【0024】
本体21は絶縁性を有する合成樹脂製の筐体であり、後面部が後面板24で塞がれている。本体21の前面には丸穴状に開口部23が開口し、その開口部23に回転子41が本体21に対して回転自在に収納されている。なお、回転子41の前面と本体21の前面は略同じ位置(略同一平面上)にある。本体21の上面の中央部には前方に切り欠かれた案内溝22が開口部23と連通して形成されている。本体21の内面部には、
図4(d)に示すように、下端部近くに、開口部23を挟んだ左右両側部に給電用接触子5、5を固定する断面コ字状の固定部27、27が形成され、中央部には、後述するように装着解除部材42と干渉してその回転を阻止する一対の規制リブ25、25が突設されている。
【0025】
回転子41は絶縁性を有する合成樹脂製で、前面となる円盤部41aと、該円盤部41aと同軸の筒部41bを有している。円盤部41aと筒部41bの直径方向には溝部41cが形成されており、筒部41bの溝部41cに装着解除部材42が軸方向に移動可能な状態で保持されている。
【0026】
装着解除部材42は、
図5に示すように、バネ挿入筒部42eの前端部を閉塞する前面部42dと、前面部42dと段差を設けてバネ挿入筒部42eの上下方向に突設された略T字状の段差面部42aと、その段差面部42aに立設され前面部42d方向にL字状に屈折した形状の規制端部42bが一体成形されている。装着解除部材42は回転子筒部41bの溝部41cに挿入された状態で、バネ挿入筒部42aにバネ43が挿入され、バネ43の後端部は後面板24の内面部に突設された係入ピン26に係入されている。これにより、装着解除部材42は、回転子前面部42b方向に付勢され、段差面部42aが回転子前面部42bの背面部に当接した状態となる。尚、バネ43は、ピアノ線等の金属線により形成されている。
【0027】
一対の給電用接触子5、5は、その下端部に、外側に屈折した固定端部5a、5aが形成されており、前記ソケット本体21内の固定部27、27に、その固定端部5a、5aを軽圧入して止着している。給電用接触子5、5の保持片5b、5bは弾力性を有しており、本体21内部の上面部近くまで延びて前記回転子筒部41bの外周面部を左右両側から挟んでいる。
【0028】
上述の給電ソケット2は、口金ピン12a、12aを装着する前は、装着解除部材42が回転子41の前面部41a方向にバネ43によって押圧され、装着解除部材42の段差面部42a、42(T字の上端部分)が回転子前面部41aの背面部に当接するとともに(段差面部42a、42aがストッパとなる)、回転子規制端部42b、42bがソケット本体21の内部に設けられた規制リブ25、25と干渉して回転子41が回転できない状態となっている。そして、口金ピン12a、12aを回転子41の前面部41aの溝部41cに挿入すると、装着解除部材42の段差面部42a、42aを押圧し、装着解除部材42をバネ43の押圧力に抗して回転子筒部41bの後端部まで移動させることができる。この状態から、後述するように、口金ピン12a、12aに誤装着防止部材14を装着した場合のみ、直管形LEDランプ1の回転に伴って回転子41が所定角度回転し、口金ピン12a、12aと給電用接触子5、5が接触することになる。
【0029】
次に、誤装着防止部材14を備えた口金12が給電用ソケット2に装着される状態について
図6を用いて説明する。
図6(a)は装着開始前の状態であり、前述したように、装着解除部材42は、両端に設けられた規制端部42b、42bが、給電用ソケット本体21の内部に設けられた規制リブ25と干渉しているため、装着解除部材42を挟持している回転子41とともに回転できない。
【0030】
図6(b)は、給電用口金ピン12a、12aの間に誤装着防止部材14を装着して給電ソケット2の回転子円盤部41aの溝部41c(案内溝44)から差し込んだときの状態である。誤装着防止部材14の突部14bは、装着解除部材42の前面部42aと当接してバネ43の弾性力に抗して押圧することにより、装着解除部材42は回転子筒部41bの溝部に沿って移動し、後面板24に当接するまで押し込まれる。このとき、装着解除部材42の両端に設けられた規制端部42b、42bが、給電用ソケット本体21の内部に設けられた規制リブ25から外れるため、装着解除部材42を挟持している回転子41が回転可能となる。
【0031】
回転子41が回転可能となったため、直管形LEDランプ1のカバー11を所定角度(90度)回転させる。このとき、誤装着防止部材14の係入部14a,14aに係入された口金ピン12a,12aは、外面側が係入部14a,14aから露呈しているため、一対の給電用接触子5、5の保持片5b、5bと弾性的に接触し、誤装着防止部材14とで口金ピン12a、12aが挟持され、口金ピン12a,12aから給電が可能となる。これにより、
図6(c)に示すように口金12の給電用ソケット2への装着が完了する。
【0032】
一方、誤装着防止部材14を備えない口金12が給電用ソケット2に装着しようとした状態について
図6(d)を用いて説明する。口金12の口金ピン12a、12aを回転子41の前面部41aの溝部41cに挿入すると、回転子41に保持されている装着解除部材42は、バネ43により回転子前面部41aに押接されている状態から、一対の口金ピン12a、12aにより回転子筒部41bの溝部41cに沿って後面板24の方向へ移動する。しかし、口金ピン12a、12aに誤装着防止部材14が装着されていないため、該誤装着防止部材14の突部14bの長さだけ、装着解除部材42の押し込みのストロークが短くなる。このため、装着解除部材規制部材42a、42aと給電用ソケット本体21の規制リブ25、25との干渉が解除されないため、口金12を回転させようとしても、装着解除部材42を保持している回転子41の回転が阻止される。したがって、誤装着防止部材14を備えない口金12の場合、給電用ソケット2に装着することはできない。
【0033】
一方、
図1(a)に示すように、保持用口金13の端面には端面の中心部から直管形LEDランプ1の軸方向に向かって突出する一対の保持用口金ピン13a、13aが設けられている。保持用口金ピン13a、13aは、金属等の剛性の高い材料を用いて、軸方向に細長い円筒形や矩形に形成される。
なお、保持用口金ピン13a、13aは、カバー11の内部に収納される前述のLED基板と電気的な接続はなされていない。
【0034】
保持用ソケット3について、
図7、
図8、
図9を参照して説明する。なお、保持用ソケット3の説明では、
図7(a)に示す向きにおいて上下左右の方向を規定し、
図7(b)の左側を前方、右側を後方として説明を行う。
【0035】
保持用ソケットの本体31の上面から前面にかけては、直管形LEDランプ1の保持用口金ピン13a、13aが挿入されるS字状案内溝32が本体前方まで連続し、本体前方では略S字型に形成されており、保持用口金ピン13a、13aが所定の位置で保持されるように、両端には係止片33、33が備えられている。
【0036】
保持用ソケット3は
図8(a)に示すように本体31とフタ35で構成されている。S字状案内溝32は本体31と一体で成形されるが、本体31の内部には、
図9に示すように、S字状案内溝32に沿って一対の環枠状の係合部34b、34bが形成されており、その係合部34b、34bの外端部に係合凹部34e、34eが形成されている。また、本体31の内面部には、係合部34b、34bと対応して挟持用舌片34a、34aが立設されており、その舌片34a、34aに前記係合凹部34e、34eと対応する係合凹部34f、34fが形成されている。尚、この舌片34a、34aは、保持用口金ピン13a、13aの移動方向に弾性を発生できるように本体の内壁から分離し形成している。
図8(b)は、
図7(b)内の線D−D´での断面図であり、舌片34a、34a、係合部34b、34bが本体31から分離して形成されている状態がわかる。本体31とフタ35は絶縁性を有する合成樹脂で形成される。
【0037】
図9を用いて直管形LEDランプ1が装着されるときの、保持用口金ピン13a、13aの保持用ソケット3内での作動について説明する。尚、
図9は、
図7(c)記載のE−E’線での断面斜視図である。直管形LEDランプ1を給電用ソケット2及び保持ソケット3に装着する場合、給電用口金12a、12aを給電用ソケット2側、保持用口金13を保持用ソケット3側にして、前述の通り、給電用ソケット2に給電用口金ピン12a、12aを挿通させるとともに、
図9(a)に示すように保持用ソケット3のS字状案内溝32内に保持用口金ピン13a、13aを挿入する。保持用口金ピン13a、13aを
図9(b)に示すようにS字状案内溝32内に挿入した後、光源であるLEDが床側を向くようにカバー11を90度回転すると、保持用口金ピン13a、13aは、S字状案内溝32の係止爪33、33及び保持用ソケット3内に設けられた舌片34a、34a、係合部34b、34bの各係止凹部34f、34eの間に挟持される。これにより、保持用口金ピン13a、13aは保持用ソケット3に保持される。
【0038】
一方、直管形LEDランプ1を給電用ソケット2及び保持用ソケット3から取外す際には、カバー11を90度回転させると、給電用口金ピン12a,12aは、
図6(b)に示した状態からバネ43により装着解除部材42が回転子筒部41bの溝部41cに沿って前面部41a方向に押し出され(
図6(a)の状態に戻る)、段差面部42a、42aに先端部が当接している給電用口金ピン12a、12aを給電用ソケット2の外側に取り外すことができる。
【0039】
一方、保持用口金ピン13a,13aは、保持用ソケット3における舌片34a、34aと係合部34b、34bによる係止と、案内溝33の係止爪33、33による係止が解除され、S字状案内溝案内溝32に沿って回転し、
図7(a)、
図9(b)のように、S字状案内溝32と本体31の上面部に形成された溝部が一致した状態となったとき、保持用口金ピン13a、13aを本体31の上面部に形成された溝部を通して取り外すことができる。
【0040】
以上説明したように、給電用ソケット2には装着解除部材42が設けられ、給電用口金ピン12a、12aに絶縁性材料で形成された誤装着防止部材14が挟持された直管形LEDランプ1のみ、給電用ソケット2に設けられた装着解除部材42を解除することができ、照明器具6に装着することができる。したがって、本発明の照明器具6には、専用の直管形LEDランプしか装着することはできず、誤ってG13口金の直管形LEDランプが装着されるのを防止することができる。
【0041】
また、本実施形態の直管形LEDランプ1は、カバー11の軸方向の一端側に給電用口金12を、他端側に保持用ソケット13を備えている。給電用口金12には給電用口金ピン12a、12aが設けられ、給電用ソケット2を介して通電されるが、保持用口金13に設けられた保持用口金ピン13a、13aはLED基板や電源回路と電気的に接続されていない。これにより、照明器具へ直管形LEDランプ1を装着する際、給電用口金ピン12a、12aが給電用ソケット2に先に装着されても、直管形LEDランプ1のもう一端の保持用口金ピン13a、13aは通電されないので、誤ってその口金ピンに接触しても感電の虞がなく、安全に簡便に装着作業が行える。逆に、照明器具から直管形LEDランプ1を外す際、給電用口金ピン12a、12aが給電用ソケット2に装着されたまま、先に保持用口金3を保持用ソケット3から外そうとしても、保持用口金ピン13a、13aは通電されないので、誤ってその口金ピンに接触しても感電の虞がなく、安全に簡便に装着作業が行える。
【符号の説明】
【0042】
1 直管形LEDランプ
2 給電用ソケット
5 給電用接触子
12 給電用口金
14 誤装着防止部材
25 規制リブ
41 回転子
42 装着解除部材