特許第6089300号(P6089300)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6089300
(24)【登録日】2017年2月17日
(45)【発行日】2017年3月8日
(54)【発明の名称】車両用ドアラッチ装置
(51)【国際特許分類】
   E05B 77/04 20140101AFI20170227BHJP
   B60J 5/00 20060101ALI20170227BHJP
【FI】
   E05B77/04
   B60J5/00 M
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-122699(P2013-122699)
(22)【出願日】2013年6月11日
(65)【公開番号】特開2014-240555(P2014-240555A)
(43)【公開日】2014年12月25日
【審査請求日】2016年3月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000148896
【氏名又は名称】三井金属アクト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100060759
【弁理士】
【氏名又は名称】竹沢 荘一
(74)【代理人】
【識別番号】100087893
【弁理士】
【氏名又は名称】中馬 典嗣
(72)【発明者】
【氏名】野澤 秀晶
(72)【発明者】
【氏名】長岡 智治
【審査官】 家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭62−79064(JP,U)
【文献】 特開2005−330689(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 1/00−85/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドア内に固定されるベース部材と、
車体側のストライカと噛合し前記ドアを閉位置に保持可能な噛合機構と、
前記ドアのアウタパネルに配置されるアウトサイドハンドルの開操作に基づいてリリース方向へ回転可能なアウトサイドレバーと、
前記アウトサイドレバーのリリース方向への回転が伝達されることで前記噛合機構の噛合を解除させる方向へ移動可能なリリースレバーと、
常時は非検知位置に保持され、前記アウタパネルの変形を伴って前記非検知位置から車内方向へ変位した検知位置に移動可能な検知レバーとを備え、
前記アウトサイドレバーは、前記ベース部材に支軸により支持され、前記検知レバーが非検知位置にある場合、前記アウトサイドハンドルの開操作に基づいて前記支軸を中心にリリース方向へ回転して当該回転を前記リリースレバーに伝達可能であり、前記検知レバーが検知位置へ移動した場合には、前記リリースレバーとの連結部位を中心に回転し当該回転を前記リリースレバーに伝達しないことを特徴とする車両用ドアラッチ装置。
【請求項2】
前記検知レバーは、前記アウタパネルに対峙する端部に、前記アウタパネルが車内側へ変形した場合、前記アウタパネルに接触可能な検知部を有することを特徴とする請求項1記載の車両用ドアラッチ装置。
【請求項3】
前記支軸を、前記ベース部材に設けられた長孔に移動可能に支持したことを特徴とする請求項1または2記載の車両用ドアラッチ装置。
【請求項4】
前記検知レバーは、常時はスプリングの付勢力により非検知位置に保持され、前記スプリングの付勢力に抗して非検知位置から検知位置に移動することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の車両用ドアラッチ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のドア内に配置されるドアラッチ装置に係り、特に、側面衝突等によりドアのアウタパネルが変形した際でも、閉状態が維持されるようにした車両用ドアラッチ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な車両用ドアラッチ装置は、ドア内に固定されるベース部材と、車体側のストライカに噛合しドアを閉位置に保持可能な噛合機構とを備え、ベース部材には、ドアのアウタパネルに設けられるアウトサイドハンドルにロッド等の操作力伝達部材を介して連結されるアウトサイドレバー、及びその他の各種可動要素が設置される。
【0003】
そして、アウトサイドレバーは、その車外側端部の連結部がアウトサイドハンドルに操作力伝達部材を介して連結される関係上、連結部は、アウタパネルへ向けてベース部材よりも突出している。そのため、側面衝突等によりアウタパネルが車内側へ向けて変形した際、変形したアウタパネルが連結部に接触し、アウトサイドレバーに対して回転方向、すなわちドアを開ける方向であるリリース方向への力が作用すると、噛合機構とストライカとの互いの噛合が外れドアが不意に開く虞がある。
【0004】
また、特許文献1に記載された車両用ドアラッチ装置は、噛合機構とストライカとの噛合を解除し得るようにリリース方向へ回転可能なリフトレバーを備え、側面衝突等によりアウタパネルに変形が生じた際、リフトレバーをその回転軸方向へ傾斜させる等して、リフトレバーのリリース方向への回転を阻止することで、ドアを閉状態に維持するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特公昭60−55671号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載のドアラッチ装置は、アウタパネルの車内側への変形により、リフトレバーに対してその回転軸方向の力が作用した場合には、リフトレバーのリリース方向への回転を有効的に阻止可能であるが、リフトレバーに対してその回転方向への力が作用した場合にはリフトレバーの回転を阻止することはできない。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑み、ドアが変形した際でもドアの閉状態を維持可能にした車両用ドアラッチ装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
第1の発明は、ドア内に固定されるベース部材と、車体側のストライカと噛合し前記ドアを閉位置に保持可能な噛合機構と、前記ドアのアウタパネルに配置されるアウトサイドハンドルの開操作に基づいてリリース方向へ回転可能なアウトサイドレバーと、前記アウトサイドレバーのリリース方向への回転が伝達されることで前記噛合機構の噛合を解除させる方向へ移動可能なリリースレバーと、常時は非検知位置に保持され、前記アウタパネルの変形を伴って前記非検知位置から車内方向へ変位した検知位置に移動可能な検知レバーとを備え、前記アウトサイドレバーは、前記ベース部材に支軸により支持され、前記検知レバーが非検知位置にある場合、前記アウトサイドハンドルの開操作に基づいて前記支軸を中心にリリース方向へ回転して当該回転を前記リリースレバーに伝達可能であり、前記検知レバーが検知位置へ移動した場合には、前記リリースレバーとの連結部位を中心に回転し当該回転を前記リリースレバーに伝達しないことを特徴とする。
【0009】
第2の発明は、第1の発明において、前記検知レバーは、前記アウタパネルに対峙する端部に、前記アウタパネルが車内側へ変形した場合、前記アウタパネルに接触可能な検知部を有することを特徴とする。
【0010】
第3の発明は、第1または2の発明において、前記支軸を、前記ベース部材に設けられた長孔に移動可能に支持したことを特徴とする。
【0011】
第4の発明は、第1〜3のいずれかの発明において、前記検知レバーは、常時はスプリングの付勢力により非検知位置に保持され、前記スプリングの付勢力に抗して非検知位置から検知位置に移動することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、ドアのアウタパネルが車内側へ変形した際、検知レバーがアウタパネルの変形に伴って検知位置に移動することにより、アウトサイドレバーの回転中心を変位させて、アウトサイドレバーの回転をリリースレバーに対して伝達不能とするため、アウトサイドレバーに対してリリース方向への力が作用してもドアの閉状態を維持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明を適用したドアラッチ装置の正面図である。
図2】同じく、ドアラッチ装置の背面図である。
図3図1におけるIII矢視方向から見たドアラッチ装置の側面図である。
図4】通常状態にあるときの要部の説明図である。
図5】アウトサイドハンドルが開操作されたときの要部の作動説明図である。
図6】ドアのアウタパネルが車内側へ変形した状態の要部の作動説明図である。
図7】ドアのアウタパネルが車内側へさらに変形した状態の要部の作動説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態を、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、図1の左側及び図2の右側を「車内側」とし、図1の右側及び図2の左側を「車外側」とし、図1の図面手前側及び図2の図面奥側を「後側」とし、図1の図面奥側及び図2の図面手前側を「前側」とする。
【0015】
図1〜3に示すように、本発明に係るドアラッチ装置1は、車体の側面に開閉自在に支持されるサイドドア(以下、ドアと略称する)2内に取り付けて使用されるものであって、ベース部材3と、ベース部材3に設置され車体に固着されるストライカ4と噛合することによりドア2を閉状態に保持可能な噛合機構5と、ベース部材3に設置される後述する各種可動要素とを備える。
【0016】
ドア2は、車外側のアウタパネル2aと車内側のインナパネル2bとから形成される。アウタパネル2aには、車外からドア2を開けるときに開操作されるアウトサイドハンドル6が設けられ、また、インナパネル2bには、車内からドア2を開けるときに開操作される図示略のインサイドハンドル及び車内からドアラッチ装置1をロック状態及びアンロック状態に切り替えるときに操作される図示略のロックノブが設けられる。
【0017】
ベース部材3は、図示略のボルトによりドア2内におけるインナパネル2bの後端面に固定され、後面が開口した箱状の合成樹脂製のボディ31と、ボディ31の開口を閉塞してボディ31と共にインナパネル2bに固定される金属製のカバープレート32と、ボディ31の前面に固定される金属製のベースプレート33と、ボディ31の前面側に設置される各種可動要素を覆うようにボディ31に固定される合成樹脂製のケーシング34とを含む。なお、ベースプレート33及び/またはケーシング34は、必要に応じて省略可能なものであって、必ずしも必要とするものではない。したがって、本実施形態においては、後述の支軸17を支持するための長孔33aをベースプレート33に設け、各種可動要素をベースプレート33またはケーシング34に設置する構成について以下に説明するが、当該説明のボディ31またはカバープレート32の形状を適宜変更して、長孔33aまたは各種可動要素を、ボディ31またはカバープレート32に設けたり設置しても良い。また、図2は、各種可動要素を明示するため、ケーシング34を省略して示している。
【0018】
図1に示すように、噛合機構5は、ボディ31とカバープレート32間に前後方向のラッチ軸7により枢支され、車体側のストライカ4に噛合可能なラッチ8と、ボディ31とカバープレート32間に前後方向のラチェット軸9により枢支され、ラッチ8の外周縁に係合することによりラッチ8の回転を阻止可能なラチェット10とを備える。なお、ラッチ8は、図示略のスプリングにより図1において時計方向のオープン方向へ付勢され、また、ラチェット10は、図示略のスプリングにより図1において反時計方向の係合方向へ付勢されている。
【0019】
ドア2が閉じられると、ストライカ4がカバープレート32に設けられた左右方向のストライカ進入溝32aに図1に示す矢印方向から進入してラッチ8に係合する。これにより、ラッチ8は、オープン位置(図1に示すフルラッチ位置から時計方向へほぼ90度回転した位置)からフルラッチ位置に回動し、ラチェット10がラッチ8の外周縁に係合することで、ラッチ8のオープン方向(図1において時計方向)への回動を阻止して、ドア2は閉状態に保持される。
【0020】
各種可動要素としては、ベースプレート33に前後方向、すなわちアウタパネル2aの面に対してほぼ平行な支軸17により支持されるアウトサイドレバー12及び検知レバー13、アウトサイドレバー12に連結されるリリースレバー14、ラチェット10と一体的に回転可能なオープンレバー15、ケーシング34に支持され、インサイドハンドルに連結される図示略のインサイドレバー及びロックノブに連結されるロックレバー16(図3参照)等がある。
【0021】
図2に示すように、ベースプレート33は、ボディ31の前面に固定されると共に、下部に支軸17を回転かつ下方へ移動可能に支持するための上下方向の長孔33aを有する。長孔33aは、アウトサイドレバー12とリリースレバー14とを互いに連結する部位である連結点Oをほぼ中心とする円弧状に形成される。
【0022】
検知レバー13は、ケーシング34に設けた上下一対のガイド部34a、34aにより車内外方向へ移動可能に支持され、常時は支軸17に巻装されたスプリング18の付勢力により例えば図4に示す非検知位置に保持され、側面衝突等によりアウタパネル2aが車内側に向けて変形した場合には、当該変形に伴ってスプリング18の付勢力に抗して非検知位置から車内側(図4において右側)へ変位した図6に示す検知位置に移動することが可能である。
【0023】
検知レバー13におけるアウタパネル2aに対峙する車外側端部には、車内側に向けて変形したアウタパネル2aに接触可能な検知部13aが設けられ、同じく車内側端部寄りには、長孔33aに支持された支軸17に対して車内側から係合可能な保持溝13bが設けられる。
【0024】
検知レバー13の検知部13aは、変形していないアウタパネル2aに所定量離間して対峙すると共に、アウトサイドレバー12の後述の操作力伝達部材連結部12aよりもアウタパネル2aに向けて突出する。これにより、図6、7に示すように、アウタパネル2aが車内側へ大きく変形した場合には、アウタパネル2aがアウトサイドレバー12の操作力伝達部材連結部12aよりも先に検知部13aに接触して検知レバー13を車内側へ押し込むことで、検知レバー13は、アウトサイドレバー12に外力が直接作用する以前にスプリング18の付勢力に抗して検知位置へ移動することが可能となる。
【0025】
なお、検知部13aは、アウタパネル2aに向けて凸円弧状に形成される。これにより、検知部13aに対して真正面からのアウタパネル2aの変形はもとより、斜め上方及び斜め下方からのアウタパネル2aの変形に対しても対応することが可能となり、検知レバー13は、アウタパネル2aの変形に対応して、非検知位置から検知位置に確実に移動することができる。また、検知部13aを球面状とした場合には、さらに斜め前方及び斜め後方からのアウタパネル2aの変形にも対応可能となる。
【0026】
保持溝13bは、検知レバー13が図4に示す非検知位置に保持されている場合、スプリング18の付勢力により支軸17に対して車内側から係合することで、支軸17を長孔33aの上端に位置する常時位置に保持し、また、検知レバー13が図6に示す検知位置に移動した場合には、支軸17から外れることで支軸17の下方への移動を可能にする。
【0027】
アウトサイドレバー12は、左右方向のほぼ中央部が支軸17によりベースプレート33に支持されると共に、車外側端部には上端部がアウトサイドハンドル6に連結される金属製のロッドにより形成される操作力伝達部材11の下端部が連結される車外側連結部12aが形成され、車内側端部にはリリースレバー14に連結される車内側連結部12bが形成される。
【0028】
さらに、アウトサイドレバー12は、検知レバー13が非検知位置にあって、かつ支軸17が常時位置に保持されている場合には、図4に示す待機位置に保持された状態において、スプリング18の付勢力に抗して支軸17を中心にリリース方向(図4において反時計方向)へ回転可能であり、また、検知レバー13が検知位置に移動し、かつ支軸17が保持溝13bから外れた場合には、連結点Oを中心に下方へ回転可能となる、
【0029】
スプリング18は、支軸17に巻装されると共に、一端が弾性力を付与した状態でベースプレート33に設けた掛止片33b及び検知レバー13に車内側から掛止され、他端がアウトサイドレバー12に掛止されることによって、アウトサイドレバー12に対して図4において時計方向への付勢力を付与すると共に、検知レバー13を非検知位置に保持する付勢力を付与する。なお、アウトサイドレバー12における図4に示す待機位置から時計方向への回転は、ベースプレート33またはケーシング34に設けたストッパ等により阻止される。
【0030】
操作力伝達部材11は、アウトサイドハンドル6の開操作に伴って下方へ所定量移動し、当該移動をアウトサイドレバー12の車外側連結部12aに伝達する。
【0031】
アウトサイドレバー12は、常時、すなわち検知レバー13が非検知位置にあって、支軸17が検知レバー13の保持溝13bに係合して常時位置に保持されている図4に示す状態においては、アウトサイドハンドル6が開操作されて操作力伝達部材11が下方へ移動した場合には、支軸17を中心にリリース方向(図4において反時計方向)へ回転することで、当該回転をリリース作動としてリリースレバー14に伝達可能であり、検知レバー13が検知位置に移動して支軸17が検知レバー13の保持溝13bから外れた状態においては、アウタパネル2aの変形の影響を受けてリリース方向へ回転させられるような力が作用した場合には、連結点Oをほぼ中心に回転し、当該回転をリリース作動としてリリースレバー14に伝達しない。
【0032】
図3に示すように、ロックレバー16は、支軸19によりケーシング34に枢支されると共に、ボーデンケーブル等の操作力伝達部材を介してロックノブに連結され、ロックノブの操作に基づいて、図3に示すアンロック位置及び当該アンロック位置から時計方向へほぼ所定角度回転したロック位置に移動可能である。
【0033】
リリースレバー14は、下部に設けた連結孔14aにアウトサイドレバー12の車内側連結部12bが挿入されることによってアウトサイドレバー12に連結され、ロックレバー16のアンロック位置及びロック位置への移動に連動して、アンロック位置(図3に示す位置)及び車内側連結部12bを支点にして当該アンロック位置から時計方向へ所定角度回転したロック位置に移動可能であって、アンロック位置にある場合には、アウトサイドハンドル6のリリース作動により上方へ移動し、当該移動によりオープンレバー15を図4に示す位置から図5に示す位置に回転させることで、ラチェット10をラッチ8から外れる解除方向へ回転させてドア2の開きを可能にする。
【0034】
次に、図4〜7に基づいて、本実施形態に係るドアラッチ装置1の作用、特に側面衝突時等でアウタパネル2aが車内側へ変形した場合の各種可動要素の動きについて説明する。
図4は、アウタパネル2aが変形していない通常状態にあって、ドアラッチ装置1の噛合状態(ドア2が閉じた状態)を示し、ストライカ4はラッチ8に噛合し、ラチェット10はラッチ8の外周縁に係合し、検知レバー13は非検知位置に保持され、支軸17は常時位置に保持され、アウトサイドレバー12は待機位置にある。
【0035】
図4に示す状態において、リリースレバー14がアンロック位置にある場合、アウトサイドハンドル6が開操作されて操作力伝達部材11が下方に移動すると、アウトサイドレバー12は、スプリング18の付勢力に抗して、検知レバー13の保持溝13bに係合して常時位置に保持されている支軸17を中心にリリース方向(図4において反時計方向)へ所定角度回転し、当該回転をリリース作動としてリリースレバー14に伝達する。そして、リリースレバー14は、上方へ移動することで、オープンレバー15を下方から当接してリリース方向(図4において反時計方向)へ回転させる。これにより、図5に示すように、ラチェット10は、オープンレバー15と一体に回転しラッチ8から外れてラッチ8のオープン方向への回転を許可してドア2の開きを可能にする。
【0036】
図6に示すように、ドア2が閉じている状態において、側面衝突等により、ドア2のアウタパネル2aが車内側に大きく変形した場合には、アウタパネル2aが検知レバー13の検知部13aに接触して検知レバー13を車内側へ押し込む。これにより、検知レバー13は、スプリング18の付勢力に抗して、非検知位置から検知位置に移動し、支軸17は、保持溝13bから外れて下方への移動が可能となる。さらにアウタパネル2aの車内側への変形が進んで、アウトサイドレバー12の車外側端部12aを下方へ変位させるような力が作用したり、操作力伝達部材11を下方へ変位させるような力が作用した場合には、支軸17の下方への移動が自由となっていることから、アウトサイドレバー12は、回転中心を支軸17から連結点Oに変位した状態で下方へ回転するため、当該回転はリリース作動してリリースレバー14に対して伝達されない。したがって、車内側へ変形したアウタパネル2がアウトサイドレバー12に接触し、アウトサイドレバー12に対してその回転方向への外力が作用しても、リリースレバー14にはリリース作動が伝達されないため、ドア2が予期せず開いてしまうことを確実に防止することができる。
【0037】
以上、本発明を上記実施形態について説明したが、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、本実施形態に対して、次のような変形や変更を施すことが可能である。
(a)支軸17をベース部材3(ボディ31、カバープレート32、ベースプレート33またはケーシング34)に固定し、長孔33aをアウトサイドレバー12に設ける。
【0038】
(b)アウトサイドレバー12を待機位置に付勢するスプリングと、検知レバー13を非検知位置に付勢するスプリングとを別々のスプリングとする。
(c)検知レバー13を非検知位置に保持する構成として、上記実施形態のようにスプリングの付勢力により保持するものに代えて、合成樹脂等により検知レバー13を非検知位置に保持するための保持部を形成し、アウタパネル2aが車内側へ変形して検知レバー13に対して車内方向への力が作用した場合には、保持部を破壊することで、検知レバー13の検知位置への変位を可能なものとする。
(d)ドアを車両のスライドドアまたはバックドアとする。
【符号の説明】
【0039】
1 ドアラッチ装置 2 ドア
2a アウタパネル 2b インナパネル
3 ベース部材 4 ストライカ
5 噛合機構 6 アウトサイドハンドル
7 ラッチ軸 8 ラッチ
9 ラチェット軸 10 ラチェット
11 操作力伝達部材 12 アウトサイドレバー
12a 車外側連結部 12b 車内側連結部
13 検知レバー 13a 検知部
13b 保持溝 14 リリースレバー
14a 連結孔 15 オープンレバー
16 ロックレバー 17 支軸
18 スプリング 19 支軸
31 ボディ31 32 カバープレート
32a ストライカ進入溝 33 ベースプレート
33a 長孔 33b 掛止片
34 ケーシング 34a ガイド部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7