(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述した発電装置には次のような問題点がある。フロートを浮かべることができる水深の深い所で適用する発電装置であり、浅い所では使用出来ない。目的の水流(一般的に水流の速い流れの中央部)の中にスクリューを配置するために、水面を占有するフロートを必要としている。また、河川では雨期や台風時には増水して、極めて速い流速で水が流れるため、基本的には流水面に物体(フロート)を浮かべることは不可能となる。
また前述の小型水力発電機には次のような問題点がある。河川や水路の底に配設するスクリューと発電機であるが、河床は勾配や凹凸がある。水流に対してスクリューを最適な方向に設置する必要があるため、設置に手間と時間がかかる作業であり、水深の深い所では特殊装備が必要な潜水作業が必要である。発電効率のよい速い流れ中に機器を設置することは、困難であるばかりか、危険を伴う作業である。河川の増水時には発電機が流水の障害となるため、あるいは機器が流されないために、事前に発電機を撤去する必要がある。また、一度河川が増水して機器を水流から取出した場合には、水位が下がる一、二週間は、機器の再配設は望めないため、発電休止期間が長い問題がある。
【0005】
社会的な意味で、前記発電装置は水面上を占有するための許可や権利が必要となる。また水辺がもたらす景観上の問題も生じる。また前記小型水力発電機の方式は、河川の河床に配置するが、河川の流水を阻害する異物として予め考慮する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記のような課題を解決するために本願発明の水力発電装置は、
発電用の回転軸を有した発電機本体を水流の外に設置し、回転軸の先端と水流に浸るスクリューとを自在継手で接続する構成とした装置である。そしてスクリュー軸を、自在継手を中心に先端を揺動可能にして、スクリューの回転が自在継手を介して回転軸に伝達することを特徴とする装置である。
また、前記回転軸が水流と概直角方向に向くように発電機本体を設置固定し、回転軸にギアを介して直角方向に接続する補助回転軸を装着した水力発電装置である。
また、スクリュー羽根が側壁や河床と接触することを防ぐ目的の回転自由なホイールを、スクリュー軸と直交する平面上に位置するように装着して、浅い水路や狭いトレンチでもスクリューの回転を妨げない水力発電装置とした。
また、スクリュー軸が逆回転継手を挟んで直列に複数に分割されたスクリュー軸として、水流の中にあって、スクリュー軸がより水流の方向に近づくような装置とした。
本願水力発電装置を河床に設置する場合には、スクリューが河床に設けた発電トレンチ内の水流に浸るように配置され、発電機本体は前記発電トレンチに隣接する河床に設けた発電機凹部に設置固定されて、発電機本体が河川の水流を阻害しないような構成とした。
【発明の効果】
【0007】
本願水力発電装置は前記説明した構成であるから、以下のような効果を得ることが出来る。
本願発明の水力発電装置は、発電機本体を水流の外に配置し、スクリューのみが水流に浸るように配置する。スクリューは自在継手によって先端部が上下左右に揺動可能であるため、水流の押し流す力によってスクリュー軸は自然と水流と同じ方向を向き、結果としてスクリューは水流から効率よい回転力を得ることができる装置である。また、自在継手部分でスクリュー軸が折れ曲がることで、スクリューのより多くの部分を水流に浸すことができる。
【0008】
上記のような理由で本願水力発電装置は以下のような具体的利点がある。
・フロートを使わずに、発電機本体の有する長い回転軸と自在継手とで、スクリューを目的の水流の中に配置することができる。そのため、水面上を占有することもなく、水辺の景観への影響が少ない。
・フロートを使わないため、スクリューのみが水没する程度の浅い流れや狭い水路やトレンチであっても発電が可能である。
・自在継手の角度変化の許容範囲内で、スクリュー軸は角度可変である。発電機本体を大まかな(上記許容範囲の範囲内で)位置と高さと方向で設置しても、スクリュー軸は水流と同方向を向くため、発電機本体の設置作業が容易である。同じ理由で、スクリュー軸を意図的に流水の方向に向けて設置する必要がない。
・発電機本体は水流の影響を受けない外部に設置するため、河川の増水時にも発電機本体を撤去や移動する必要はない。また、スクリューは自在継手で連結されているため、容易にスクリューの先端を引き上げて水流から出すことができる。
・スクリューを水流の中から引き上げることや水流に入れることが容易なため、河川や水路の維持管理が容易に出来る。また、増水の直前にスクリューを引き上げ、増水終了の直後にスクリューを水流に戻すことができ、より長い時間、発電を継続することができる。・本願発電装置を河床に設置する場合には、トレンチや凹部に装置を納める。よって、本願装置は河川の流水の障害とならないばかりか、装置を増水時に撤去する必要がない。
【0009】
また、本願発明の水力発電装置で次のような二次的な効果を得ることができる。
本願発明の発電装置は、安価で既に一般的工業製品として普及している水中ポンプのスクリューを逆回転させて水中発電機として使用することでも可能な安価な発電装置である。そして簡便で価格の安い連結具である自在継手を付加した程度の装置であるため経済的である。また、発電機本体の設置作業が容易で位置決めも大まかでよいことから、設置適用場所も多く、多数の発電機を並べて設置することができる。発電装置の数に対して陸上に設置する電気設備や送電線も少なくて済み効率が良い。
【0010】
自然エネルギーを利用しての風力発電は、風向きや風力が不安定である。太陽光発電は夜間や曇天日には発電ができないなどの欠点がある。本願発明の水力発電装置は、水流の中にスクリューを設置する装置であるが、発電機本体が水流の外にあるため、比較的安定的に昼夜、増水時であっても発電を継続できる特徴がある。そして何より本願装置は、空気の1000倍の質量がある水の流れを利用して、小さなスクリューから大きな風車に匹敵するエネルギーを取り出すことができる装置である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下図面を参照にしながら本願発明の好適な実施の形態を詳細に説明する。実施例の説明に先立って本願発明を構成する部材と装置に関して説明する。
【0012】
<スクリュー>
スクリュー1はプロペラのようなスクリュー羽根1bが複数枚スクリュー軸1aに取付けられた公知のものでよい。あるいはネジのように長い羽根を螺旋状にスクリュー軸1aに取付けられたものでもあってもよい。
スクリュー軸1aはスクリュー羽根1bの旋回円の直径より長く構成するとよい。スクリュー軸1aを長く構成することで、発電機本体2が水流11の外に固定されるにかかわらず、自在継手3と相まって、スクリュー1のより多くの部分が水流に浸ることが可能となる。スクリュー軸1aの後端(回転軸側端部)は、別途説明する自在継手に接続する構造とする。
【0013】
<ホイール>
ホイール4は自転車の前輪のようにリム4aとスポーク4bとハブ4cで構成される。リムの回転の中心であるハブはスクリュー軸もしくはスクリュー軸周りに設けられた回転を許す軸である。ホイールのリムはスクリュー軸1aに対して、直交平面上で、少なくとも一方方向に自由に回転する構造とするとよい。ホイール4の直径はスクリュー羽根1bが回転する外周円の直径よりも大きく構成する。
ホイール4の外周の形状は円形であっても多角形であってもよい。スクリュー軸1aへのホイール4の取付け位置はスクリュー軸1aの先端部分が最適である。しかし、スクリュー軸1aの後端や中央部分に複数取付けてもよい。
【0014】
ここで、ホイールは
図6で表すように回転軸(ハブ)と周囲のリム部を連結する部材であるスポークの形状を棒状とせずに板状とすることがよい。スクリューは自在継手の位置(スクリュー後端)を不動点として、スクリュー軸は軸回転しながら、水流の中でスクリューの先端は揺動する。その揺動は時に上下や左右に振れる場合や、犬の尾のように先端を回転させる場合がある。
板状のスポークは飛行機の水平翼と垂直翼のようにスクリュー軸が水流の中で真っ直ぐに進む(この場合スクリューは止まって水が流れる)作用をする。つまり翼の働きをする板状のスポークは、スクリュー軸が自在継手の位置を不動点として水流の方向と平行になるように作用するとともに、前記のような無駄な上下左右や回転の揺動を減少させる役割をする。スポークはハブを中心に放射状に三つ以上あるとよい。またこの場合、ホイールはスクリュー軸の軸回転方向及びその逆方向の双方向に自由に回転する構造がよい。
【0015】
<発電機本体>
発電機本体はモーターの中心に回転軸を有した一般的な水中ポンプのような構造でよい。ただし、ポンプを発電機として利用する場合は逆の利用形態になる。つまりスクリューの回転がモーターの中心の回転軸を回転させ、磁石とコイルの電磁誘導によって発電がおこなわれる構成となる。この場合、スクリューの形状や羽根の数を変えて、発電機として水流(流水の水圧と流速)をより効率よくとらえる形状にした方がよい。また、付帯装置としてスクリューの回転数を変えて発電機の回転軸を回す装置があってもよい。
つまり、本願発明の発電機本体は、防水機能も効率も耐久性も実績のある一般的な水中ポンプの製造技術で製作可能であり、安く大量に製作可能な発電機本体であると言える。
現在一般的に使われている水中ポンプには様々なタイプやサイズがある。本願発明の発電装置を人力やクレーンで容易に設置や撤去するのに適当なサイズは、スクリューの直径10〜100センチメートル程度が適当であろう。このサイズであれば本願水力発電装置のスクリューが水没する水深の水路や河川が日本国内でもいたるところに存在する。
また、実施例5で記述する土木工作物である発電トレンチと一体となった河床の発電機凹部に発電機本体を設置して用いる場合には、発電機本体は完璧な防水性が必要である。しかし、従来の水中ポンプの防水技術を利用することで難しいことはない。
【0016】
<自在継手>
自在継手は発電機の回転軸(又は補助回転軸)とスクリュー軸とを直列に連結して、二つの軸の角度の変化を自由に(自在継手の許容角度変化の範囲内で)許しながら、回転力を伝達する継手である。
自在継手は公知の自在継手であってよいが、水辺もしくは水中で使用するため、防錆性の優れた素材で構成されるものがよい。
図7のA図とB図に自在継手の一例を表している。またC図(別の形態の自在継手)で表すように、単体の自在継手の一方の軸が回転軸の先端
と接続し、他方の軸がスクリュー軸の後端と接続する構成であってもよい。
【0017】
<ギア>
回転軸と補助回転軸を直角方向に接続するギアは公知のものであってよい。
例えば、ギアは発電機の回転軸と補助回転軸との間に二つのかさ歯車を配置して、二つの軸を直角方向に連結して、回転力を伝達する継手であってよい。
二つの回転軸とかさ歯車の角度や間隔を固定するためや、ギアの潤滑性や耐水性を確保するためにギアはギアボックス内に収納されているのがよい。ギアにおいて、かさ歯車の直径や歯数を違えて、回転軸と補助回転軸の回転速度を違えることも可能である。
【0018】
<逆回転継手>
逆回転継手は、逆回転継手の一方のスクリュー軸部分の回転力を他方のスクリュー軸部分に逆回転を伝達する継手であり、
図9にその逆回転継手の一例を表す。
図9の説明
図1は、逆回転継手の断面図を表している。入力側の正回転スクリュー1cが回転すると、逆回転継手6によって出力側の逆回転スクリュー1dに逆回転が伝わる構造である。
図9の説明
図2は逆回転継手の歯車部分を分解して、入力側と出力側の回転軸が逆回転することを説明する図である。矢印はそれぞれのかさ歯車の正面側の回転方向を表している。入力側回転軸に固定されたかさ歯車が一方に回転すると、補助かさ歯車を介して出力側回転軸に固定されたかさ歯車が逆回転することが図で表されている。逆回転継手は別な構造の逆回転を伝える継手であってもよい。
水流の力で、正回転スクリューにはスクリュー軸が正回転するようなスクリュー羽根が取付けられ、逆回転スクリューにはスクリュー軸が逆回転するようにスクリュー羽根が取付けられる。逆回転継手の存在で、双方のスクリュー軸は相互に逆回転しながら、その回転力を消し合うことにならず、その回転力を助け合う働きをする。つまり逆回転継手は、スクリュー軸の回転に抵抗する発電機本体の回転軸に、自在継手で接続している正回転スクリュー軸部分の回転を、その先端部に逆回転継手で接続する逆回転のスクリュー軸部分の逆回転が、正回転スクリューの回転力を補助する役割をする継手である。
【0019】
<発電トレンチ>
発電トレンチ7は河川の河床に設ける河川水を流すトレンチであり、本願水力発電装置の一部をなす土木工作物である。河川の中にあって、乾期であっても水流が確保される低部に構築すると都合がよい。河川の増水時には流水に水没する土木工作物である。
発電トレンチは河川の増水時に破壊されない強度を確保するため、底部や側壁をコンクリート製とすることがよい。発電トレンチの内空は予定のスクリューが入る高さと深さ以上であり、トレンチの断面形状は清掃や異物除去の作業が容易に出来るように矩形もしくは逆台形とすることがよい。発電トレンチ延長は長いほどよい。発電トレンチが長いほど本願発電装置を数多く設置することが出来て効率的に利用することができる。発電トレンチの流入口に、コンクリートや金属製の柵や網状の異物除去設備を設けると、スクリューの回転を阻害する異物の侵入を防ぐことができる。また同様に、発電トレンチの上に柵や網状の蓋を設けるとよい。
【0020】
<発電機凹部>
発電機凹部8は本願発明の発電機本体を収納する凹部であり、発電トレンチに隣接して河床に構築するコンクリート製の土木工作物である。発電機本体の回転軸が発電トレンチに突き出すように、発電機本体を発電機凹部内に設置固定する。
河川の増水時にはこの発電機凹部は水没するが、凹部であるため、凹部内部は水流の外部であり、発電機本体が流水を阻害することはない。発電機凹部には、コンクリートもしくは金属製の蓋を設けると、河川や河川敷の管理や利用に際して、人が穴に落ちるような危険がなくなる。
尚、発電機本体2はこの発電機凹部の蓋8aに設置固定することがよい。蓋を開けることで発電機本体を水の溜まった発電機凹部から取出すことができ、また蓋に固定して蓋を閉めることで発電機本体の設置固定ができる。水の溜まった凹部に発電機本体を設置するというやりにくい作業を避けることができる。
【0021】
発電機本体によって発電された電気は電気ケーブルによって陸上にある電気設備に送電され、公知の電機装置により蓄電、変圧等の処置をし、電力消費設備や商用電力系統に送電する。電気ケーブルはケーブルダクトの中を配線するとよい。河川の流下物による損傷を防ぐことができる。
ケーブルボックスは、発電機本体からの電気ケーブルとケーブルダクト内の電気ケ-ブル
をケーブルボックス内で接続することで、電気ケーブル接続の機能性と防水性を保つためのものでるが、別な形式のケーブル接続方法であってもよい。
【実施例1】
【0022】
図1は本願発明の実施例1を説明する図であり、平面、側面、断面からの説明図である。以下
図1を参照にして説明する。
本願第一の発明の水力発電装置は、水流11の外に設置固定される、発電用の回転軸2aを有した発電機本体2と、スクリュー軸1aにスクリュー羽根1bが固定された前記水流11に浸るスクリュー1と、前記回転軸2aの先端と前記スクリュー軸1aの後端とを直列に接続する自在継手3とで構成される水力発電装置である。
そして、前記スクリュー1の前記スクリュー軸1aを、前記自在継手3を中心に先端を揺動可能にして、前記スクリュー1の回転が前記自在継手3を介して前記回転軸2aに伝達されることを特徴とする水力発電装置である。
図1で表すように本願の水力発電装置は、発電機本体2を水流11の外に設置固定している。そのため、発電機本体2が水流を阻害して流速を下げることなく発電効率を下げることがない。また、発電機本体2が増水時の水流の障害とならない利点がある。
スクリュー1は水流11に浸るように配置される。スクリュー1は自在継手3によって後端は位置的に固定されるが、先端は自在継手の角度変化の許容範囲3a内で上下左右に揺動可能であり、スクリュー軸1aは軸回転が可能である。吹き流しが風の中で風上から風下の方向を示すように、スクリュー1を水流11に浸したとき、水流11がスクリュー羽根1bを押し流す力によって、スクリュー軸1aには自然と水流の方向11aと平行方向になろうとする力が作用する。結果としてスクリュー1は水流の方向11aと平行方向に近づき、水流11から効率よい回転力を得ることができる装置である。
また、自在継手3部分でスクリュー軸1aと回転軸2aが折れ曲がることで、スクリュー1のより多くの部分を水流11に浸すことができる利点がある。また、長い回転軸2aを用いることで、スクリュー1をより離れた水流11の速い場所に配置することもできて、発電効率を上げることができる。
さらに、自在継手3があることで、発電機本体2を大まかな高さや方向に設置しても、前述の理由でスクリュー軸1aは水流の方向11aとほぼ同じ方向を向く。つまり、自在継手3の角度変化の許容範囲3a内で、発電機本体2の設置精度を許容できるため、発電機本体2の設置が容易であるという利点がある。また、スクリュー1の設置作業も水流の方向に合わせて設置する必要はない。スクリューを、自在継手を中心として旋回させながら水流の中に投入するだけの簡単な作業で、スクリュー軸を水流の方向と平行方向に近づけて配置することができるメリットがある。
【0023】
図2は、スクリューの後端に自在継手3があることで、スクリュー1の先端を引き上げて、スクリュー1を水流11の外に出すことも出来ることを説明する平面説明図と側面説明図と断面説明図である。スクリュー1先端にホイール4を装着した場合は、ホイール4を吊上げる方法で、簡単にスクリューを水流から引き上げ、地上部14にあずけるだけで、水路11bからスクリューを撤去することが可能である。つまり、増水時の水路11bの管理や流路の清掃時に障害とならない発電装置である。
【0024】
図3は、本願発明の発電装置の実施例1の別の形態の説明図である。自在継手3をスクリュー軸1aとスクリュー軸1aとの連結に採用した実施例を表している平面説明図と側面説明図である。スクリューの配置が水路の上下左右の形状に追随して、大きな力の軸回転力を得ることができる。
【実施例2】
【0025】
図4は本願第二の発明の水力発電装置の説明図である。
本願第二の発明の水力発電装置は前記第一の発明の水力発電装置に加えて、回転軸2aが水流11と概直角方向に向くように前記発電機本体2を設置固定し、前記回転軸2aと前記自在継手3との間に、前記回転軸2aとギア5を介して直角方向に接続する補助回転軸2bを装着して、前記補助回転軸2bの先端と前記スクリュー軸1aの後端とを直列に自在継手3で接続したことを特徴とする水力発電装置である。
回転軸2aが水流11と概直角方向に向くことは、発電機本体2から目的とする水流(流れの速い部分)まで概最短距離を選ぶことであり、回転軸2aの長さを最短にすることができる利点がある。回転軸2aとギア5を介して直角方向に接続する補助回転軸2bを装着して、補助回転軸2bの先端と前記スクリュー軸1aの後端とを直列に自在継手で接続することで、前述と同様にスクリュー軸1aは自然と水流の方向11aとほぼ同じ方向を向く装置を構成することができる。
河川や水路の幅が広い場合や、岸に発電機本体2を設置できる場合に効果のある発電装置であるとともに、発電機本体2が陸上部にあるため維持管理が容易にできるメリットがある。
尚、ここでは発電機本体と回転軸及びギアの位置を固定するために、水路を跨ぐ補強部材9aを用いている。補強部材を用いることで、より設置条件の悪い水路や河川の岸辺に発電機本体を設置することが可能となる。
【実施例3】
【0026】
図1、2、3及び4で表しているように、本願第三の発明の水力発電装置は前記第一又は第二の発明の水力発電装置に加えて、スクリュー軸1aに、スクリュー羽根1bが側壁や河床と接触することを防ぐ目的の回転自由なホイール4を、前記スクリュー軸1aと直交する平面上に位置するように装着し、該ホイール4は前記スクリュー軸1aを中心軸として、前記スクリュー羽根1bの旋回半径より大きい半径を有していることを特徴とする水力発電装置である。
前述のホイール4はいわばスクリュー1周りのスペーサーの役割をする。このホイールの存在によって本願水力発電装置はスクリュー羽根1bが概ね水に浸かる程度の浅い水流や、ホイール4が入る程度の狭い水路であっても、スクリュー1が回転して発電することが可能となる。ホイールはスクリュー軸に対して回転自由であり、ホイールが河床等に接触して動かなくなっても、スクリューは回転を続けることができる効果がある。また水深が深い場合や水路の幅が広い場合には、ホイール4のスポーク4bは前述のように翼の役割をする板状のスポークを採用することが効率的である。前述のように板状のスポークは飛行機の水平、垂直翼と同様の働きをして、スクリュー軸の無駄な揺動を抑えると同時に、スクリュー軸を水流の方向と平行方向により一層近づける作用をする。
【実施例4】
【0027】
本願第四の発明の水力発電装置は前記第一、二又は第三の発明の水力発電装置に加えて、前述の逆回転継手を装着した水力発電装置である。
図8は逆回転継手を装着したスクリューの説明図である。
本願第四の水力発電装置は、スクリュー軸1aが逆回転継手6を挟んで直列に複数に分割されたスクリュー軸1aである。そして、前記逆回転継手6は該逆回転継手6の一方のスクリュー軸部分の回転力を該逆回転継手の他方のスクリュー軸部分に逆回転を伝達する継手である。前記一方のスクリュー軸部分に固定されるスクリュー羽根と前記他方のスクリュー軸部分に固定されるスクリュー羽根は、水流によってそれぞれのスクリュー軸部分を逆回転させる形状でスクリュー軸部分に固定されていることを特徴とする水力発電装置である。
スクリュー1は、後端は自在継手3によって位置的に固定されているが、先端は自由に揺動する構造である。水流11の中で一方向に回転する一本のスクリュー軸1aは、若干ではあるが水流11と斜めの方向になる傾向がある。逆回転継手6は一本のスクリュー1を直列に分割して正回転スクリュー1cと逆回転スクリュー1dを適度の割合で連結することで、その傾向を緩和する装置である。例えば、正回転スクリューがスクリューを左に傾けようとする場合、逆回転スクリューはスクリューを反対の右に傾けようとする。その相反する傾向を双方のスクリューが一本のスクリューとなることで、互いの傾向を消し合う作用をすることができる。しかし前述したように、軸回転力を互いに消し合うことはない。
水深や水路幅が大きい場合に、スクリュー軸が斜めに傾くことは、水流の力を十分に利用しないことで効率が下がる。また前述したように、スクリューの揺動は状況によって、上下や左右に振れる場合や、犬の尾のように先端を回転させる場合がある。この逆回転継手6はそのような現象を抑える役割をする。また公共の河川や水路において、スクリューが水流と同一方向により近づくことで、社会的に許容された水流部分をはみ出さないように措置する装置である。
【実施例5】
【0028】
本願第五の発明の水力発電装置は前記第一、二、三又は四の発明の水力発電装置を使って、水位変化のある河川において増水時であっても発電が可能ならしめる水力発電装置である。
図5は本願第五の発明の実施例5を説明する図である。
本願第五の発明の水力発電装置は、スクリュー1が河床に設けた発電トレンチ7内の水流11に浸るように配置され、発電機本体2は前記発電トレンチ7に隣接する河床に設けた発電機凹部8に設置固定されていて、発電機本体2が河川の水流11を阻害しないように構成されていることを特徴とする水力発電装置である。
本願第五の発明の水力発電装置は、スクリューは河床に設けた発電トレンチ内部に収納されるため、河川の流れの障害とならない。また発電機本体も発電トレンチの脇であり、河床に設けた発電機凹部に収納されるため、河川の流れの障害とならない。
本願装置は発電トレンチと発電機凹部という土木工作物の構築を必要する。しかしこれらの工作物は、ダム式発電装置や落差を利用した水路式発電装置の土木工作物と比較して格段に安価である。本願発明のこれら土木工作物は乾期や渇水期に一般的に実施する河川改修工事である堤防や堰堤、護岸工事と同様に容易に構築可能な工作物である。
前記したように、発電機本体の耐久性や防水性は水中ポンプで実績のある工業製品であり、長期間水中に在っても問題はない。発電トレンチは河床を掘り下げることにより、水量の少ない乾期であっても水流の確保が可能である。発電機本体の点検は、乾期に行うことで容易である。また発電トレンチに発生する堆砂や異物の堆積には、スクリューの先端を持上げることで、容易にトレンチ内の清掃や異物を除去することが可能である。
スクリュー、発電トレンチ、発電機本体、発電機凹部、自在継手で構成された本願第五の発明の発電装置は、河川の増水期や水量の少ない乾期であっても昼夜を通じて発電を継続することが可能であり、運転時間の長い効率の良い装置であるということが出来る。
また、増水時には本願発電装置は水面下でいっさい見えることはない。また乾期にあっても、発電機本体は発電機凹部の中に隠れ、またスクリューは発電機トレンチの中に隠れるため、河川の景観にほとんど影響しない土木工作物であり発電装置である。また河川の水面上にフロート等を浮かべる必要もないので、水面の占拠や景観等の問題もない。
【0029】
以上説明したように本願発明の水力発電装置は、個々の発電機本体は小さく、発電量も少ないが、多数を一つの水路やトレンチに並べて設置することが出来る。多数の発電機を連続して設置可能であるため、電気ケーブル、蓄電池装置、電力計測装置や送電設備が集約でき、コスト低減となる。また維持管理の効率がよい。
【0030】
本願発明の発電装置は、国土のいたるところにある河川の中流域や用水の流れという、未利用のエネルギーを利用するものである。水の質量は空気の質量の約1000倍であり、もし流速と風速が同じという条件で発電した場合、現在海岸や丘陵に設置されている風力発電装置の1000分の一の規模の装置で、同程度の発電が可能な水力発電装置である。