(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6089323
(24)【登録日】2017年2月17日
(45)【発行日】2017年3月8日
(54)【発明の名称】差厚材のレーザ溶接方法
(51)【国際特許分類】
B23K 26/21 20140101AFI20170227BHJP
【FI】
B23K26/21 F
【請求項の数】3
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-197162(P2014-197162)
(22)【出願日】2014年9月26日
(65)【公開番号】特開2016-68092(P2016-68092A)
(43)【公開日】2016年5月9日
【審査請求日】2016年8月1日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】714003416
【氏名又は名称】日新製鋼株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082429
【弁理士】
【氏名又は名称】森 義明
(74)【代理人】
【識別番号】100162754
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 真樹
(73)【特許権者】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082429
【弁理士】
【氏名又は名称】森 義明
(72)【発明者】
【氏名】細見 和昭
(72)【発明者】
【氏名】小川 健司
(72)【発明者】
【氏名】仲子 武文
(72)【発明者】
【氏名】山本 敬司
【審査官】
篠原 将之
(56)【参考文献】
【文献】
特開2014−121714(JP,A)
【文献】
特開平04−367304(JP,A)
【文献】
特開2007−237216(JP,A)
【文献】
特開平10−015680(JP,A)
【文献】
特開平09−216078(JP,A)
【文献】
特開2000−158163(JP,A)
【文献】
特開平11−033760(JP,A)
【文献】
特開昭63−168286(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 26/21
WPI
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
厚みの異なる薄板(10)と厚板(12)とを、それらの一表面が面一となるように突合せた後、その突合せ面にレーザビーム(14)を照射して溶接する差厚材のレーザ溶接方法であって、
前記レーザビーム(14)を、薄板(10)の前記面一とした表面側から厚板(12)の突合せ端面(12a)に向けて斜めに入射させ、当該レーザビーム(14)の狙い位置(P)を上記厚板(12)の突合せ端面(12a)にすると共に、前記レーザビーム(14)入射側板材表面からの狙い位置深さDを下記(1)式の範囲にする、ことを特徴とする差厚材のレーザ溶接方法。
t/3≦D≦t …(1)
(但し、tは薄板(10)の突合せ端面(10a)面方向の厚みであり、D,t共に単位はmm。)
【請求項2】
請求項1に記載の差厚材のレーザ溶接方法において、
前記レーザビーム(14)の入射角(θ)が前記厚板(12)の突合せ端面(12a)に対して5°〜30°薄板(10)側に傾斜させたものであることを特徴とする差厚材のレーザ溶接方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の差厚材のレーザ溶接方法において、
前記厚板(12)と前記薄板(10)との突合せ間隔(C)が1.0mm以下であることを特徴とする差厚材のレーザ溶接方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶接強度に優れた差厚材の突合せレーザ溶接方法と差厚溶接部材に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザは、高エネルギー密度熱源であることから、種々の分野に利用されている。特に、溶接分野においては、高速かつ低入熱溶接であることから被照射物の熱歪みや変質が少ないという特徴があり、鋼材や各種金属材料の溶接に利用されている。
【0003】
レーザ溶接方法では、アーク溶接方法等の他の溶接方法と同様に、重ね隅肉溶接継手、T字継手、突合せ継手等の溶接継手を得ることができる。このうち、レーザビームを溶接面の鉛直方向から照射するレーザ溶接方法を用いて突合せ継手を得る場合、レーザビームの狙い位置や、互いに溶接する材料(被溶接材)の突合せ間隔などを厳密に管理する必要がある。
なぜなら、レーザビームのビーム径は、レーザの発振方式やレンズ等によって異なるが、一般的に0.5mm以下と小さい。このため、後述のようにレーザビームの狙い位置がずれた場合には、溶接部分に溶け込み不良が発生し、互いに溶接する材料の突合せ間隔がレーザビーム径よりも広い場合には、鉛直方向に進むレーザビームが当該間隔を突き抜けて溶接できなくなるからである。
【0004】
特に、被溶接材の厚みが互いに異なる差厚材を突合せてレーザビームで溶接する、いわゆる差厚溶接では、レーザビームの狙い位置と被溶接材の突合せ間隔を厳密に管理する必要がある。厚みが極端に異なる材料の組合せでは、例えば
図1に示すように、レーザビーム3の焦点位置が薄板1側にずれると、薄板1は溶融して溶融部4ができるが、厚板2は入熱不足で溶融しないといった溶接不良が発生する。また、被溶接材を切断する際に使用されるシャーやチップソー、バンドソー等の切断方法では、溶接面となる切断面を隣接する面に対して直角に、しかも一直線に切断することが困難で、ダレや変形も発生する。このような場合、
図2に示すように、突合せ部5がレーザビーム3のビーム径よりも広くなり、レーザビーム3が突き抜けて溶接不良が発生する。かかる不具合を防止するためには、切断面に機械研磨仕上げを施して突合せ間隔を狭くするか、あるいは溶加材を用いて隙間を埋めることが必要となり、共にコストアップになる。
【0005】
以上のような差厚溶接の問題点を解決するため、下記の特許文献1及び2には、レーザビームを被溶接材の突合せ面に対して斜めに照射する溶接方法が開示されている。これは
図3に示すように、厚みが異なる二つの被溶接材のレーザビーム照射側の表面と反対側の表面(
図3における底面)を面一とし、レーザ狙い位置を厚板2の角6から内側にオフセットし、厚板2側から斜めにレーザビーム3を照射して厚板2の角6を薄板1側に溶け込ませるレーザ溶接方法である。かかる方法によれば、厚板2の角6の部分、すなわち厚板2の薄板1との差厚部分を重点的に溶け込ませるものであることから、レーザ狙い位置の設定をシビアに行なう必要がなく、また、被溶接材の突合せ端面に機械加工を施したり、溶加材を使用したりしなくても良好な突合せ継手を高効率に得ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7−132386号公報
【特許文献2】特開平9−216078号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来の差厚溶接では、溶接強度を上げるためには、厚板2の角6の部分をしっかりと溶かし込んで厚板2と薄板1との突合せ面(界面)に供給する必要が有るが、そうすると、その突合せ面に溶かし込んだ厚板2の溶解部分のうち余剰な部分が不所望な裏ビードとなって継手表面(
図3における底面側)に現れ、溶接品質を低下させてしまうと言った問題が生じ得る。ここで、裏ビードとは、熱源照射面の反対側の面に露出した溶接金属(ビード)のことである。
また、厚板2側からレーザビーム3を斜めに入射させた場合、熱伝導性の高い金属材料からなる厚板2にレーザビーム3の熱が吸収されるので、厚板2の角6の部分は溶融できたとしても、レーザビーム3の熱ロスが大きく効率的に溶接が出来ているとは言い難い。
本発明は、このような現状に鑑み、厚板の厚みにかかわらず、効率的に、優れた溶接強度と仕上がりとが得られる差厚材のレーザ溶接方法を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明者らの詳細な研究の結果、厚みが異なる二つの板材の溶接面を、該溶接面に隣接する表面が面一となるように突合せた後、面一とした表面の薄板側から上記の溶接面に向けて斜めにレーザビームを入射させるレーザ溶接方法の有用性を見出すと共に、レーザ狙い位置、入射角、突合せ間隔を適正範囲内に制御することで、厚板の厚みにかかわらず優れた溶接強度が得られるという知見を得て本発明を完成したものである。
なお、本発明では、厚みが異なる2つの被溶接材の一表面が面一(ツライチ)となるように突合せた突合せ面を後に溶接して構成した溶接継手において、その面一となった面(
図4における上面)を「溶接継手の表面」、段差が生じる面(
図4における下面)を「溶接継手の裏面」と称する場合もある。
【0009】
すなわち本発明は、厚みの異なる薄板10と厚板12とを、それらの一表面が面一となるように突合せた後、その突合せ面にレーザビーム14を照射して溶接する差厚材のレーザ溶接方法であって、前記レーザビーム14を、薄板10の前記面一とした表面側から厚板12の突合せ端面12aに向けて斜めに入射させ、当該レーザビーム14の狙い位置Pを上記厚板12の突合せ端面12aにすると共に、前記レーザビーム14入射側板材表面からの狙い位置深さDを下記(1)式の範囲にすることを特徴とする。
t/3≦D≦t …(1)
(但し、tは薄板10の突合せ端面10a面方向の厚みであり、D,t共に単位はmm。)
この発明では、レーザビーム14を、薄板10の面一とした表面側から厚板12の突合せ端面12aに向けて斜めに入射させているので、溶かし込んだ厚板12の溶解部分のうち余剰な部分が不所望な裏ビードとなって溶接継手の裏面に現れたとしても、この裏ビードは厚板12の差厚部分によって段差が生じた溶接継手の裏面に形成されるため、外観上違和感を生じさせることはなく、溶接品質を低下させることはない。
【0010】
また、本発明においては、前記レーザビーム14の入射角θが前記厚板12の突合せ端面12aに対して5°〜30°薄板10側に傾斜させたものであることが好ましく、前記厚板12と前記薄板10との突合せ間隔Cが1.0mm以下であることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、厚板の厚みにかかわらず、効率的に、優れた溶接強度と仕上がりとが得られる差厚材のレーザ溶接方法、並びに該方法を用いた溶接品質に優れる差厚溶接部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】従来技術においてレーザ狙い位置が薄板側にずれた場合の溶接部断面を示した図である。
【
図2】従来技術において突合せ間隔が広い場合の溶接部断面を示した図である。
【
図4】本発明の差厚材のレーザ溶接方法を模式的に示す図であって、レーザ狙い位置、レーザ照射角、突合せ間隔を定義する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しつつ本発明を説明する。
図4は、本発明の差厚材のレーザ溶接方法を模式的に示す図である。なお、
図4では薄板10の端面10aの凹凸、厚板12の端面12aの凹凸、及び薄板10と厚板12との突合せ間隔Cを誇張して描いている。
本発明では、薄板10と厚板12とを、それらの一表面が面一となるように突合せた後、その突合せ面にレーザビーム14を照射して溶接する差厚材のレーザ溶接方法である。とりわけ、前記レーザビーム14を、薄板10の前記面一とした表面側から厚板12の突合せ端面12aに向けて斜めに入射させ、当該レーザビーム14の狙い位置Pを上記厚板12の突合せ端面12aにすると共に、前記レーザビーム14入射側板材表面からの狙い位置深さDを後述する所定の範囲にすることを特徴としている。
以下に、本発明の突合せレーザ溶接条件を詳述する。
【0015】
本発明では、
図4に示すように、薄板10と厚板12とを、それらの一表面が面一となるように突合せた後、レーザビーム14を、薄板10の前記面一とした表面側から厚板12の突合せ端面12aに向けて斜めに照射するので、厚板12の厚みの制約を受けない。
また、本発明では、レーザビーム14の狙い位置Pを厚板12の突合せ端面12aとしたことにより、薄板10の突合せ端面10aの位置が変動しても溶け込みにおよぼす影響が小さい。ちなみに、レーザの狙い位置Pを薄板10の突合せ端面10aあるいは当該端面10aの角部10bにした場合、狙い位置検出器が必要となるため設備が高額となり、また、突合せ部16の間隔が変動すると溶け込みが不安定になる。
【0016】
狙い位置深さDは、レーザビーム14入射側板材表面(すなわち薄板10の面一表面)から厚板12の突合せ端面12aにおけるレーザビーム14の狙い位置Pまでの深さを表すもので、下記(1)式の範囲とするのが好ましい。
t/3≦D≦t …(1) (但し、tは薄板10の突合せ端面10a面方向の厚みであり、D,t共に単位はmm。)
狙い位置深さDが薄板10の厚みtの1/3よりも浅い場合には、被溶接材の溶け込み量が少なくなり、逆に、狙い位置深さDがtよりも深い場合には、薄板10のみが溶融して厚板12が溶融不足となるからである。
【0017】
レーザビーム14の入射角θは、
図4に示すように、厚板12上面角12bの鉛直線とレーザビーム14中心の間の角度と定義されるものであり、具体的にその角度は、厚板12の突合せ端面12aに対して5°〜30°薄板10側に傾斜させたものとするのが好ましい。このレーザビーム14の入射角θが5°未満の場合には、突合せ間隔Cが広くなるとレーザビーム14の突き抜ける量が増えて入熱不足となり、逆に、同入射角θが30°を超えると薄板10にのみレーザビーム14が照射されて厚板12が溶融不足となるからである。
【0018】
本発明における突合せ間隔Cは、薄板10の突合せ端面10aと厚板12の突合せ端面12aとの間に生じる隙間のことであり、溶接開始位置から終了位置までの間におけるこの突合せ間隔Cの最大値を1.0mm以下に制限するのが好ましい。突合せ間隔Cが1.0mmを超えると溶接部分が薄く粗密となって溶接強度不足となるからである。また、レーザビーム14の入射角θが小さい場合にはレーザビーム14の突き抜けが発生して溶接できなくなる虞があるからである。
【0019】
本発明の差厚材のレーザ溶接方法においては、前記以外のレーザ溶接条件、例えばレーザの波長、レーザ出力、レーザビーム径、溶接速度等の条件は特に限定されない。後述する被溶接材の種類、厚み等によって適宜選択される。
【0020】
本発明で、被溶接材、すなわち差厚材である薄板10と厚板12の種類は特に限定されない。なお、この被溶接材として、低炭素鋼、ステンレス鋼およびこれらの鋼材にZn系めっき、Al系めっき、Zn−Al系合金めっき、Al−Si系合金めっき、Zn−Al−Si系合金めっき、Zn−Al−Mg系合金めっき、Zn−Al−Mg−Si系合金めっき等を施したものを例示することができる。また、上記の鋼材に限らずAl等の非鉄金属同士および鋼材と非鉄金属との差厚溶接にも本発明は適用できる。さらに、被溶接材の切断方法も限定されない。シャー、チップソー、バンドソー等の一般的な切断方法を用いればよい。また、切断後、機械研磨仕上げしてもよい。
【0021】
本発明では、上述したように厚板12の厚みは限定されない。ちなみにこの厚板12の形状は、板状に限られず、ブロック状であってもよい。
一方、薄板10は厚みtは6mm以下が好適である。薄板10は厚みtがこの6mmより厚くなると大出力のレーザ溶接機が必要となり、設備が高額となるからである。また、薄板10がこのように厚くなると、溶接速度が遅くなるため生産性が低下するからである。
【0022】
以上のような差厚材のレーザ溶接方法を用いて製造される差厚溶接部材は、突合せ面における面積の50%以上で溶け込みが生じているのが好ましい。溶接の際に溶け込んだ部分はレーザビーム14の高熱によって焼き入れされた状態となるため、硬さや引張強度が向上する。その結果、突合せ面における面積の50%以上で溶け込みが生じていれば、差厚溶接部材の薄板10と厚板12とを離間させる方向に力を加えた場合、薄板10が材破壊するほどの溶接強度を得ることができるからである。
【実施例】
【0023】
以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
【0024】
先ず始めに、表1に示す低炭素鋼、SUS304、Al(アルミニウム)合金を供試材として準備した。このうち低炭素鋼は、めっき無しのものと、溶融Zn−6質量%Al−3質量%Mgめっきを片面当りの付着量が90g/m
2施したものをそれぞれ準備した。そして、厚み6mm以下の供試材はシャー、チップソー、バンドソーで切断し、厚み10mm以上の供試材はバンドソーで切断して幅100mm、長さ100mmのサイズに切り出した。また、一部の供試材については切断端面を機械研磨仕上げした。
ここで、表1中の材料種記号は、表2−1〜表2−3における薄板及び厚板それぞれの材料種を表すために用いる記号である。
【0025】
【表1】
【0026】
続いて、レーザ溶接前に隙間ゲージで突合せ部の幅100mmの間の最大突合せ間隔を測定した。なお、厚み0.1mmの隙間ゲージが突合せ部に入らない場合は最大突合せ間隔0.1mm以下とした。得られた結果は表2−1〜表2−3に示す。
そして、最大出力7kWのファイバーレーザ溶接機を用いて、後述する様々な条件で突合せレーザ溶接を行なった。
突合せレーザ溶接したサンプルから幅30mmの引張試験用サンプルを採取し、JIS Z−2241に準拠した引張試験を行った。また、突合せレーザ溶接したサンプルの溶接中間部の断面を光学顕微鏡観察し、溶け込み状態を観察した。引張試験結果と溶け込み状態の観察結果からレーザ溶接部の総合評価を行った。この総合評価の基準を以下に示す。
◎:引張試験において薄板1側で母材破断、且つ溶接部の溶融部の厚みが薄板の板厚の70〜100%。
○:引張試験において薄板1側で母材破断、且つ溶接部の溶融部の厚みが薄板の板厚の60〜69%。
△:引張試験において薄板1側で母材破断、且つ溶接部の溶融部の厚みが薄板の板厚の45〜59%。
×:引張試験で溶接部が破断。
かかる総合評価の結果、溶融部が厚くなる程、引張強度や疲労強度が高く、また溶接部が引張変形を受けた時の口開きが小さくなるので好ましいことが明らかとなった。
【0027】
表2−1〜表2−3にレーザ溶接条件、最大突合せ間隔および総合評価結果を示す。なお、レーザ狙い位置深さDの欄のtは、薄板10の厚みである。
【0028】
【表2-1】
【0029】
【表2-2】
【0030】
【表2-3】
【0031】
表2−1のNo.1〜5,16〜20、表2−2の31,32,37及び38に示すように、レーザ狙い位置深さD、レーザ入射角、突合せ間隔のいずれもが本発明の範囲内の実施例は総合評価が◎で良好な溶接強度と溶け込みが得られた。また、その他の実施例も溶け込み浅くなるものの、良好な溶接強度が得られた。
【0032】
それに対して、レーザ狙い位置深さD、レーザ入射角、突合せ間隔のいずれもが本発明の範囲外である表2−3のNo.43〜54に示した比較例では、溶け込み不足のため引張試験で溶接部が破断した。
【符号の説明】
【0033】
10…薄板
10a…(薄板)の突合せ端面
12…厚板
12a…(厚板)の突合せ端面
14…レーザビーム
C…(厚板と薄板との)突合せ間隔
D…狙い位置深さ
P…レーザビームの狙い位置
t…薄板の突合せ端面面方向の厚み
θ…レーザビームの入射角