(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6089328
(24)【登録日】2017年2月17日
(45)【発行日】2017年3月8日
(54)【発明の名称】ネット体又はシート体、及び該ネット体又はシート体の吊り張り方法
(51)【国際特許分類】
A63B 71/02 20060101AFI20170227BHJP
E04B 2/74 20060101ALI20170227BHJP
【FI】
A63B71/02 E
E04B2/74 541P
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-47593(P2016-47593)
(22)【出願日】2016年2月23日
【審査請求日】2016年4月1日
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】592206156
【氏名又は名称】東田商工株式会社
(72)【発明者】
【氏名】東 捷俊
【審査官】
砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−235068(JP,A)
【文献】
特開2014−161711(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 69/36
A63B 71/00−71/16
E04B 2/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋内外の空間部に応じて形成されたネット又はシートと、該ネット又はシートの上下・左右両端側に沿ってそれぞれ取り付けられた補強用ロープとから構成されたネット体又はシート体において、前記ネット体又はシート体には、吊り張り方向に沿って架け渡されたロープ体を挿通するリング環を有し、前記ロープ体の吊り張り方向に沿って略直線状に所望の間隔で設ける連結挿通体を後から取り付けるための紐状体が予め所望の間隔で、及び、所望の方向に沿って前記補強用ロープを利用し、且つ前記ネット又はシートに交差して縫い込むことで複数本取り付けられていることを特徴とするネット体又はシート体。
【請求項2】
屋内外の空間部の形状に応じて形成されたネット又はシートの上下・左右両端部に沿って補強用ロープを取り付けることで構成されたネット体又はシート体を、吊り張り方向に沿って架け渡されたロープ体に沿って移動するネット体又はシート体の吊り張り方法において、前記ネット又はシートに予め取り付けた前記補強用ロープを利用するとともに、ネット又はシートに予め交差して縫い込むことで、前記ロープ体を挿通するリング環の設けられた連結挿通体を複数個取り付けるための紐状体を所望の間隔で複数本取り付けてネット体又はシート体を形成し、前記紐状体より前記ロープ体の設置位置に応じて所望の紐状体を選択して複数個の連結挿通体を交差部分に略直線状、又はハの字状に取り付けた後、前記連結挿通体に前記ロープ体を挿通し、ネット体又はシート体を前記ロープ体に沿って移動することで空間部に吊り張りすることを特徴とするネット体又はシート体の吊り張り方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、主に屋内外の空間部の防球用(間仕切り用)として吊り張りするネット体、又は屋外空間の上部側の被覆用として使用するシート体を、ウインチで移動する移動用のロープ体を用いて開閉移動するネット体又はシート体、及び該ネット体又はシート体の吊り張り方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、屋内の空間部にネット体又はシート体を吊り張りする場合は、使用目的に応じて所望の位置にネット体又はシート体を吊り張りすべく、空間部の側面側(両側面側、又は一方の側面側)に設置されたウインチを駆動し、該ウインチに直接、又は間接的に巻回された移動用のロープ体を天井側に取り付けられた滑車を介して引き出し移動し、該引き出し移動した移動用のロープ体をネット体又はシート体に取り付けられた連結挿通体に挿通するとともに、該ネット体又はシート体の下端側で固定し、前記移動用のロープ体を引き出し移動することでネット体又はシート体を空間部に吊り張りする。
【0003】
また、前記ウインチを逆方向に駆動して移動用のロープ体を巻き取り移動することで、ネット体又はシート体を移動用のロープ体の先端側を固定した下端側より折り畳みながら天井側に収納移動する。
【0004】
屋外の空間部にネット体又はシート体を吊り張りする場合は、空間部の外周に沿って所望の間隔で立設した複数本の支柱と、該支柱に取り付けられ、支柱の上下方向に沿ってエンドレス状に移動し、ネット体又はシート体の上端側に連結した移動用のロープ体を駆動するウインチと、支柱の上下方向で固定され、ネット体又はシート体に取り付けられた連結挿通体に挿通されたガイド用のロープ体とから構成され、前記ウインチを駆動して移動用のロープ体を上下方向に移動することで、ガイド用のロープ体に沿ってネット体又はシート体を昇降移動する。
【0005】
屋外の空間部の上方側で水平方向に吊り張りするシート体は、該空間部の形状に応じて形成され、該シート体に取り付けられた連結挿通体を、空間部の吊り張り方向の前後に立設された水平方向の支柱間に所望の間隔で架け渡された複数本のガイド用のロープ体に挿通することで吊り張りし、前記支柱間に取り付けられ、ウインチで移動する移動用のロープ体に先端側を連結することで、空間部を開閉移動する。
【0006】
上記屋内、又は屋外の空間部で使用するネット体又はシート体は、空間部の形状に応じて1枚又は複数枚で形成されたネット又はシートと、該ネット又はシートの対向する上下・左右の両端側に沿ってそれぞれ取り付けられた補強用ロープから構成され、しかも前記補強用ロープには複数個の連結挿通体を移動自在に設けた取付用ロープが取り付けられている。
特開2013−146520号
特開2014−134088号
【0007】
しかしながら、上記従来のネット体又はシート体は、ロープ体を挿通するために、別体で連結挿通体の設けられた取付用ロープをネット又はシートに取り付けられた補強用ロープに取り付ける工程を必要とし、その取り付け作業が煩雑であり、作業効率が悪いという欠点があった。
【0008】
また、取付用ロープの両端側をネット又はシートの対向する端部側の補強用ロープに連結することで取り付けているために、取付用ロープの中途部部分はネット又はシートとの連結がされておらず、このため連結挿通体とネット又はシートとが離間しやすく、スムーズな連結挿通体への移動用ロープ、又はガイド用ロープの移動ができないという問題点があった。
【0009】
また、連結挿通体の取り付けの強度を上げる場合は、前記取付用ロープの強度を上げる必要があり、強度を上げた取付用ロープがネット又はシートと擦れて摩耗等の原因となるという欠点があった。
【0010】
また、取付用ロープの補強用ロープへの取り付け後の微調整ができなく、ネット体又はシート体の荷重による撓み等が発生し易く、その後の頻繁なメンテナンス作業を必要とするという欠点があった。
【0011】
そこで、本発明は連結挿通体の取り付けが容易であり、また容易に取り付け位置の微調整が行え、頻繁なメンテナンス作業を必要としないネット体又はシート体、及び該ネット体又はシート体の吊張方法を提供することを課題とする。
【0012】
上記課題を解決する本発明の解決手段としてのネット体又はシート体は、請求項1に記載のように、屋内外の空間部に応じて形成されたネット又はシートと、該ネット又はシートの上下・左右両端側に沿ってそれぞれ取り付けられた補強用ロープとから構成されたネット体又はシート体の吊り張り方法において、前記ネット体又はシート体には、吊り張り方向に沿って架け渡されたロープ体を挿通するリング環を有し、前記ロープ体の吊り張り方向に沿って略直線状に所望の間隔で設ける連結挿通体を
後から取り付けるための紐状体が予め所望の間隔、及び、所望の方向に沿って前記補強用ロープを利用し、且つ前記ネット又はシートに
交差して縫い込むことで複数本取り付けられていることを特徴とする。
【0013】
また、本願発明の上記課題を解決する手段としてのネット体又はシート体の吊り張り方法は、請求項2に記載のように、屋内外の空間部の形状に応じて形成されたネット又はシートの上下・左右両端側に沿って補強用ロープを取り付けることで構成されたネット体又はシート体を、吊り張り方向に治って架け渡されたロープ体に沿って移動するネット体又はシート体の吊り張り方法において、前記ネット又はシートに予め
取り付けた前記補強用ロープを利用するとともに、前記ネット又はシートに
予め交差して縫い込むことで、前記ロープ体を挿通するリング環の設けられた連結挿通体を複数個取り付けるための紐状体を所望の間隔で複数本取り付けることでネット体又はシート体を形成し、前記紐状体より前記ロープ体の設置位置に応じて所望の紐状体を選択して複数個の連結挿通体を
交差部分に略直線状
、又はハの字状に取り付けた後、前記連結挿通体に前記ロープ体を挿通し、ネット体又はシート体を前記ロープ体に沿って移動することで、空間部に吊り張りすることを特徴とする。
【0014】
次に、本願発明のネット体又はシート体、及び該ネット体又はシート体の吊り張り方法の作用効果を説明する。
【0015】
先ず、請求項1に記載のネット体又はシート体は、空間部の形状に応じて形成されたネット又はシートと、該ネット又はシートの上下・左右端部側に沿って取り付けられた補強用ロープと、該補強用ロープを利用して所望の方向に沿って
、ネット又はシートに縫い込まれた複数本の紐状体と
、該紐状体に所望の間隔で設けられ、吊り張り方向に沿って架け渡されたロープ体を挿通するリング環を有する連結挿通体とから構成されている。
【0016】
前記紐状体は、前記ネット又はシートに補強用ロープを利用し、且つネット又はシートに
予め交差して縫い込まれているために、連結挿通体はリング環を介して挿通するロープ体(ウインチで移動する移動用ロープ体、又は空間部に架け渡されたガイド用ロープ体)の設置位置に応じて
前記縫い込まれた紐状体の内適切な紐状体を選択し、該紐状体に連結挿通体を吊り張り方向に沿って略直線状
、又はハの字状に取り付けることで、ロープ体に応じて(ロープ体の移動方向、又はロープ体の架け渡された方向に沿って)連結挿通体に挿通することができる。
【0017】
このように、本発明のネット体又はシート体は、連結挿通体を取り付ける紐状体が予めネット又はシートに取り付けられているために、吊り張りする空間部に応じて最適な連結挿通体の取り付けができる。
【0018】
また、所望の紐状体を選択することで、ロープ体の位置に応じて連結挿通体にスムーズにロープ体を挿通でき、頻繁な微調整を必要としない。
【0019】
さらに、紐状体の取り付け方向を選択することで、連結挿通体の取り付け方向を微調整することができる。
【0020】
また、前記紐状体はネット又はシートと一体的に取り付けられているために紐状体に取り付けられた連結挿通体がネット又はシートから離反することなく、適切に取り付けできる。
【0021】
さらに、複数本の紐状体を利用(交差部分、2本)して連結挿通体を取り付けることで、連結挿通体の取り付け強度を上げることができる。
【0022】
次に、本願発明の請求項2に記載のネット体又はシート体の吊り張り方法は、空間部の形状に応じてネット又はシートを形成し、該ネット又はシートの上下・左右両端側に沿って補強用ロープを取り付け、該補強用ロープを利用するとともに、ネット又はシートに
交差して縫い込んで、予め吊り張り方向に沿って複数本の紐状体を所望の間隔で取り付けることで、ネット体又はシート体を形成する。
【0023】
その後、前記紐状体のうち、ロープ体の設置位置に応じて所望の紐状体を選択し、該選択した紐状体に沿って、リング環の設けられた複数個の連結挿通体を吊り張り方向に沿って
連結部分に略直線状
、又はハの字状に取り付ける。
【0024】
このため、摩耗等した連結挿通体の交換作業も該当する連結挿通体のみを交換することで容易に行え、また適切な交換作業を安全に行うことができる。
【0025】
次に、前記ネット体又はシート体を空間部に吊り張りする場合(間仕切り用として昇降移動する場合、上方側で水平移動する場合)は、前記連結挿通体にロープ体を挿通し、該ロープ体に沿って移動することでネット体又はシート体を空間部に吊り張りすることができる。
【0026】
そして、ロープ体に沿ってネット体又はシート体を移動することで、ネット体又はシート体の吊り張り、又は収納移動を自在に行うことができる。
【0027】
このように、本願発明のネット体又はシート体の吊り張り方法は、ロープ体の設置位置に対応して最適にネット又はシートに連結挿通体を取り付け、ネット体又はシート体を空間部に吊り張り移動することができる。
【0028】
このため、ネット体又はシート体の摩耗等が少なく、従来のような頻繁なメンテナンス作業を必要としない。
【0029】
さらに、ネット体又はシート体は吊り張り時に連結挿通体を取り付けるために、ネット体又はシート体の搬送工程でネット体又はシート体が摩耗等の損傷がなく適切な搬送が容易に行える。
【0030】
また、紐状体のネット又はシートへの取り付け方向、取り付け間隔を選択することで、連結挿通体の取り付け強度を上げることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
本願発明のネット体又はシート体、及び該ネット体又はシート体の吊り張り方法について図面を用いて説明する。
【0032】
図1は本願発明のネット体又はシート体の一実施例を示す概略説明平面図であり、
図2は
図1のネット体又はシート体に連結挿通体を取り付けた状態を示概略説明平面図であり、
図3は
図2のネット体又はシート体の昇降移動を示す概略説明平面図であり、
図4は
図2のネット体又はシート体の昇降移動を示す概略説明側面図であり、
図5、
図6、
図7及び
図8は本願発明のネット体又はシート体の他実施例を示す概略説明平面図であり、
図9は本願発明のネット体又はシート体の吊り張り方法のフローチャートである。
【実施例1】
【0033】
本願発明のネット体1(シート体)は、空間部の形状に応じて縦方向、及び横方向を1枚又は複数枚組み合わされたネット2(シート)と、該ネット2の縦方向又は横方向の長さに応じて取り付けられた複数本の紐状体3とから構成されている。
【0034】
前記紐状体3には、直線状に所望の間隔で連結挿通体6が取り付けられる。
【0035】
前記紐状体3は、ネット2の対向する両端側にそれぞれ設けられたネット2を補強するための補強用ロープ4(上下方向は4a、4b、左右方向は4c、4d)に両端側をそれぞれ連結するとともに、ネット2の網目に沿って縫い込まれている。
【0036】
前記紐状体3のネット2への取り付けは、連結挿通体6の上下方向の調整のみ可能な場合は上記縦方向(4a,4b)のみ、連結挿通体6が左右方向で微調整移動する場合、例えば略ハの字状に取り付ける場合は横方向(4c,4d)のみ取り付ける。
【0037】
また、連結挿通体6に負荷が係る場合、例えば大空間部でネット2の面積が大きくネットの荷重が大きな場合は、縦方向と横方向との紐状体3を交差して組み合わせ、又はそれぞれ斜め方向に交差するように組み合わせ、該交差部分に連結挿通体6を取り付けることで強度を上げることも可能である。
【0038】
また、ネット2の荷重がかかる連結挿通体6を前記紐状体3の形状は帯状の幅を有するように形成し、ネット2と一体的に取り付けることで、強固に連結挿通体6をネット2に取り付けることも可能である。この場合、帯状部分にワイヤーロープ等を入れることで、さらに、強度を上げる事ができる
【0039】
また、前記ネット体1の形状、特に上部側を円弧状に形成された場合は、前記紐状体3を略直線状である下端側をハの字状に広げて形成することで、該紐状体3に沿って連結挿通体6を取り付け、ロープ体7(7A又は7B)を連結挿通体6に挿通することで、円弧状の天井側に沿ってネット体1の下端側をスムーズに昇降移動することができる。
【0040】
前記連結挿通体6は、ネット体1を昇降移動、又は並行移動する移動用のロープ体7A、又はネット体1に並行に架け渡されたガイド用のロープ体7Bを挿通するリング環(図示せず)が形成されていれば、その形状は特に問うものでない。
【0041】
本願発明のネット体1は上記のように構成され、次に該ネット体1で屋内空間部を間仕切りする場合について説明する。
【0042】
先ず、間仕切りする空間部の設置位置の縦方向、及び横方向に応じて1枚又は複数枚で間仕切り用のネット2を形成する。
【0043】
次に、前記ネット2の上下の両端側、及び左右の両端側に沿ってそれぞれ補強用ロープ4を取り付ける。
【0044】
次に、基本構成として、前記上下方向の補強用ロープ4a、4bに所望の間隔でネット2に縫い付けるようにして取り付けることで、ネット体1を構成する。
【0045】
このため、ネット体1には連結挿通体6が取り付けられていないために、その搬送工程で連結挿通体6によるネット体1の摩耗等がなく、適切に搬送することができる。
【0046】
そして、空間部の側面側、又は床面側に設置したウインチ5で移動する複数本の移動用のロープ体7Aを天井側より滑車を介して引き出し移動した位置に対応して、前記空間部に搬送されたネット体1の所望の紐状体3に連結挿通体6をそれぞれ取り付ける。
【0047】
その後、前記ネット体1の上端側を空間部の天井側に固定(平行状態に架け渡されたロープ等を介して)するとともに、前記各移動用のロープ体7Aを連結挿通体6のリング環(図示せず)に挿通しその先端側をネット体1の下端側で固定する。
【0048】
この状態で、ウインチ5を駆動して移動用のロープ体7Aを引き出し移動することで、ネット体1を空間部に吊り張りし空間部の間仕切りを行う。
【0049】
また、ウインチ5を駆動して移動用のロープ体7Aを巻き取り移動することでネット体1を天井側に折り畳んで収納し、空間部を開放する。
【0050】
このように、ネット体1には予め紐状体3が設けられているために、ロープ体7の設置位置に沿って所望の紐状体3を選択し、該紐状体3に連結挿通体6を取り付けることができ、ネット体1のスムーズな移動を可能とする。
【0051】
また、摩耗等した連結挿通体6があると、該連結挿通体6のみ紐状体3より取り外すことで、交換作業を行うことができ、メンテナンス作業の効率を格段に向上することができる。
【0052】
さらに、紐状体3の選択が自在に行え、前記連結挿通体6によるネット体1の摩耗等を減少することができる。
【0053】
また、ネット体1の搬送時の摩耗等がなく、該ネット体1の形成を工場で直接形成できる利点がある。
【実施例2】
【0054】
次に、本願発明のシート体1を屋外の空間部の上方側で水平方向に移動すべく設置する場合は、先ずシート体1を立設した支柱(図示せず)間の幅に沿って形成する。
【0055】
前記シート体1はその前後方向、及び左右方向の端部には、それぞれシート2を補強するための補強用ロープ4が取り付けられ、該左右方向の補強用ロープ4(4c,4d)に両端側を固定した複数本の紐状体3が予め取り付けられている。
【0056】
次に、前記支柱間にはシート体1の移動方向に沿って複数本のガイド用のロープ体7Bが固定状態で架け渡され、また、ウインチ5で移動する移動用のロープ体7Aがシート体1の移動方向に沿ってエンドレス状に架け渡されている。
【0057】
次に、前記シート体1のガイド用のロープ体7Bに対応した位置の紐状体3に連結挿通体6を取り付け、移動方向に沿って略直線状に前記連結挿通体6を微調整移動する。
【0058】
そして、シート体1の先端側を前記移動用のロープ体7Aに連結する。
【0059】
次に、前記移動用のロープ体7Aをウインチ5で移動することで、ガイド用のロープ体7Bに沿ってシート体1を移動し、空間部を閉塞、又は開放移動する。
【0060】
このように、本願発明のシート体1はガイド用のロープ体7Bに沿って自在に連結挿通体6を微調整することができ、スムーズなシート体1の移動を可能とする。
【0061】
また、ガイド用のロープ体7Bへの挿通時に連結挿通体6をシート体1の所望の紐状体3に取り付けでき、その取り付け作業効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【
図1】本願発明のネット体又はシート体を示す概略説明平面図
【
図2】
図1のネット体又はシート体に連結挿通体を取り付けた状態を示す概略説明平面図
【
図3】
図2のネット体又はシート体の昇降移動を示す概略説明平面図
【
図4】
図2のネット体又はシート体の昇降移動を示す概略説明側面図
【
図5】本願発明のネット体又はシート体の他実施例を示す概略説明平面図
【
図6】本願発明のネット体又はシート体の他実施例を示す概略説明平面図
【
図7】本願発明のネット体又はシート体の他実施例を示す概略説明平面図
【
図8】本願発明のネット体又はシート体の他実施例を示す概略説明平面図
【
図9】本願発明のネット体又はシート体の吊り張り方法のフローチャート
【符号の説明】
【0063】
1…ネット体、2…ネット、3…紐状体、4…補強用ロープ、5…ウインチ、6…連結挿通体
【要約】
【課題】空間部への設置が容易で、設置後のメンテナンス作業が少なく、且つ安全に架け渡すことができるネット体又はシート体、及び該ネット体又はシート体の吊り張り方法を提供することを課題とする。
【解決手段】屋内外の空間部に応じて形成されたネット又はシートと、該ネット又はシートの上下・左右端部側に沿ってそれぞれ取り付けられた補強用ロープとから構成された防球用等のネット体又はシート体において、前記ネット体又はシート体には、吊り張り方向に沿って架け渡された、吊り張り方向に沿って移動するロープ体を挿通し、且つ吊り張り方向に沿って略直線状に連結挿通体を取り付けるための紐状体が予め所望の間隔又は所望の方向に沿って補強用ロープを利用して複数本取り付けられていることである。
【選択図】
図1