(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の発光素子が整列形成されるとともに前記複数の発光素子の少なくとも1つから発光された光をモニタするためのモニタ光を受光する少なくとも1つの受光素子が形成された光電変換装置と、光伝送体との間に配置され、前記複数の発光素子と前記光伝送体の端面とを光学的に結合可能とされたレンズアレイであって、
レンズアレイ本体における前記光電変換装置側の第1の面に、前記複数の発光素子に対応する所定の整列方向に整列するように形成され、前記複数の発光素子ごとに発光された光がそれぞれ入射する複数の第1のレンズ面と、
前記第1の面に前記整列方向に直交する方向において隣位する前記レンズアレイ本体における前記光伝送体側の第2の面に、前記整列方向に沿って整列するように形成され、前記複数の第1のレンズ面にそれぞれ入射した前記複数の発光素子ごとの光を、前記光伝送体の端面に向けてそれぞれ出射させる複数の第2のレンズ面と、
前記第1の面における前記複数の第1のレンズ面に対して前記第2の面側の位置に形成され、前記レンズアレイ本体の内部側から入射した前記モニタ光を前記受光素子に向けて出射させる少なくとも1つの第3のレンズ面と、
前記レンズアレイ本体における前記第1の面と反対側の第3の面に前記複数の第1のレンズ面に対向するように凹入形成された凹部の内斜面であって、前記複数の第1のレンズ面に対向するように形成され、前記複数の第1のレンズ面に入射した前記複数の発光素子ごとの光を前記複数の第2のレンズ面側に向けて全反射させる全反射面と、
前記第3の面における前記全反射面が形成されている前記凹部の前記第2の面側の隣の位置であって前記第3のレンズ面に対向する位置に、前記複数の第1のレンズ面と前記複数の第2のレンズ面とを結ぶ光路上に位置するように凹入形成されたプリズム配置用凹部と、
このプリズム配置用凹部内に配置され、前記複数の第2のレンズ面側に向かって進行する前記複数の発光素子ごとの光の光路を形成するプリズムと、
このプリズムにおける前記複数の発光素子ごとの光の入射面上に配置され、前記全反射面によって全反射された前記複数の発光素子ごとの光を、所定の反射率で前記第3のレンズ面側に反射させるとともに所定の透過率で前記第2のレンズ面側に透過させ、その際に、前記複数の発光素子ごとの光の少なくとも1つを前記モニタ光として反射させる反射/透過層と、
前記プリズム配置用凹部と前記プリズムとの間に充填され、前記プリズムを前記プリズム配置用凹部内に接着する透光性の接着剤と、
前記第3の面に、前記プリズム配置用凹部に対して前記整列方向の一方において連通されるとともに、前記複数の発光素子ごとの光の光路上から逸脱するように凹入形成され、前記プリズムの接着時における前記プリズム配置用凹部と前記プリズムとの間の前記複数の発光素子ごとの光の光路上への前記接着剤の気泡の滞留を防止するための第1の気泡滞留防止用凹部と、
前記第3の面に、前記プリズム配置用凹部に対して前記整列方向の他方において連通されるとともに、前記複数の発光素子ごとの光の光路上から逸脱するように凹入形成され、前記接着剤の気泡の滞留を防止するための第2の気泡滞留防止用凹部と、
前記第3の面に、前記プリズム配置用凹部、前記第1の気泡滞留防止用凹部および前記第2の気泡滞留防止用凹部のそれぞれの開口を包囲するように凹入形成されるとともに前記全反射面が形成されている凹部の開口に到達しない形状に形成され、前記プリズムの接着時における前記接着剤の前記全反射面上への流入を防止するための接着剤流入防止用凹縁部と
を備えたことを特徴とするレンズアレイ。
請求項1に記載のプリズム配置用凹部内に、請求項1に記載のプリズムを請求項1に記載の接着剤を介して接着することによって、請求項1に記載のレンズアレイを製造すること
を特徴とするレンズアレイの製造方法。
前記プリズム配置用凹部内に前記プリズムを配置した状態で、前記接着剤を、請求項1に記載の第1の気泡滞留防止用凹部および第2の気泡滞留防止用凹部の一方から注入して他方に向かって流動させながら、前記プリズム配置用凹部と前記プリズムとの間に充填させること
を特徴とする請求項2に記載のレンズアレイの製造方法。
前記プリズム配置用凹部内に前記接着剤を配置した状態で、前記プリズムを前記プリズム配置用凹部内に配置することによって、前記接着剤を、前記第1の気泡滞留防止用凹部および第2の気泡滞留防止用凹部に向かって流動させながら、前記プリズム配置用凹部と前記プリズムとの間に充填させること
を特徴とする請求項2に記載のレンズアレイの製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係るレンズアレイおよびその製造方法の実施形態について、
図1〜
図21を参照して説明する。
【0023】
図1は、本実施形態におけるレンズアレイ1の縦断面図(
図2のA−A断面図)を、これを備えた光モジュール2の概要とともに示したものである。また、
図2は、
図1に示すレンズアレイ1における後述するレンズアレイ本体4の平面図である。さらに、
図3は、
図1に示すレンズアレイ1におけるレンズアレイ本体4の左側面図である。さらにまた、
図4は、
図1に示すレンズアレイ1におけるレンズアレイ本体4の下面図である。
【0024】
図1に示すように、本実施形態におけるレンズアレイ1は、光電変換装置3と、光伝送体としての光ファイバ5との間に配置されるようになっている。
【0025】
ここで、光電変換装置3は、半導体基板6におけるレンズアレイ1に臨む面に、この面に対して垂直方向(
図1における上方向)にレーザ光Lを出射(発光)する複数の発光素子7を有しており、これらの発光素子7は、垂直共振器面発光レーザ(VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting Laser)を構成している。なお、
図1において、各発光素子7は、
図1における紙面垂直方向に沿って整列形成されている。また、光電変換装置3は、半導体基板6におけるレンズアレイ1に臨む面であって、各発光素子7に対する
図1の左部近傍位置に、各発光素子7からそれぞれ出射されたレーザ光Lの出力(例えば、強度や光量)をモニタするためのモニタ光Mを受光する発光素子7と同数の複数の受光素子8を有している。なお、受光素子8は、発光素子7と同方向に整列形成されており、互いに対応する素子7,8同士の間で、整列方向における位置が互いに一致している。すなわち、受光素子8は、発光素子7と同一ピッチで形成されている。この受光素子8は、フォトディテクタであってもよい。さらに、図示はしないが、光電変換装置3には、受光素子8によって受光されたモニタ光Mの強度や光量に基づいて発光素子7から発光されるレーザ光Lの出力を制御する制御回路が接続されている。このような光電変換装置3は、例えば、半導体基板6におけるレンズアレイ1への当接面をレンズアレイ1に当接させるようにして、レンズアレイ1に対して対向配置されるようになっている。そして、この光電変換装置3は、公知の固定手段によってレンズアレイ1に取り付けられるようになっている。
【0026】
また、本実施形態における光ファイバ5は、発光素子7および受光素子8と同数配設されており、
図1において、各光ファイバ5は、
図1における紙面垂直方向に沿って整列形成されている。また、光ファイバ5は、発光素子7と同一ピッチで整列されている。各光ファイバ5は、その端面5a側の部位が多芯一括型のコネクタ10内に保持された状態で公知の固定手段によってレンズアレイ1に取り付けられるようになっている。
【0027】
そして、レンズアレイ1は、このような光電変換装置3と光ファイバ5との間に配置された状態で、各発光素子7と各光ファイバ5の端面5aとを光学的に結合させるようになっている。
【0028】
このレンズアレイ1についてさらに詳述すると、
図1に示すように、レンズアレイ1は、透光性の樹脂材料(例えば、ポリエーテルイミド等)からなるレンズアレイ本体4を有しており、このレンズアレイ本体4は、略直方体形状の板状に形成されている。
【0029】
図1および
図4に示すように、レンズアレイ本体4は、これの第1の面としての光電変換素装置3が取り付けられる
図1の下端面4aに、発光素子7と同数の複数(12個)の平面円形状の第1のレンズ面(
図1においては凸レンズ面)11を有している。なお、
図1に示すように、下端面4aにおける各第1のレンズ面11が形成された領域(以下、第1のレンズ形成領域と称する)4a’は、下端面4aにおける第1のレンズ形成領域4a’の外側の領域よりも上方に凹入されたザグリ面となっているが、これら第1のレンズ形成領域4a’と外側の領域とは、互いに平行な平面に形成されている。
図1に示すように、複数の第1のレンズ面11は、発光素子7に対応する所定の整列方向(
図1における紙面垂直方向、
図4における縦方向)に整列するように形成されている。また、各第1のレンズ面11は、発光素子7と同一ピッチで形成されている。さらに、
図1に示すように、各第1のレンズ面11上の光軸OA(1)は、各第1のレンズ面11にそれぞれ対応する各発光素子7から発光されるレーザ光Lの中心軸に一致している。
【0030】
このような各第1のレンズ面11には、
図1に示すように、各第1のレンズ面11にそれぞれ対応する各発光素子7ごとに出射されたレーザ光Lが入射する。そして、各第1のレンズ面11は、入射した各発光素子7ごとのレーザ光Lを、レンズ面11のパワーに応じた方向に屈折(例えば、コリメート)させた上でレンズアレイ本体4の内部へと進行させる。
【0031】
また、
図1および
図3に示すように、レンズアレイ本体4は、これの第2の面としての光ファイバ5が取り付けられる
図1の左端面4b(平面)に、第1のレンズ面11と同数の複数の第2のレンズ面(
図1においては凸レンズ面)12を有している。なお、
図1に示すように、左端面4bにおける各第2のレンズ面12が形成された領域(以下、第2のレンズ形成領域と称する)4b’は、左端面4bにおける第2のレンズ形成領域4b’の外側の領域よりも右方に凹入されたザグリ面となっているが、これら第2のレンズ形成領域4b’と外側の領域とは、互いに平行な平面に形成されている。また、
図1から分かるように、左端面4bは、下端面4aに対して第1のレンズ面11の整列方向(以下、レンズ整列方向と称する)に直交する方向において隣接している。
図1に示すように、複数の第2のレンズ面12は、レンズ整列方向と同方向に整列するように形成されている。各第2のレンズ面12は、第1のレンズ面11と同一ピッチで形成されている。なお、各第2のレンズ面12上の光軸OA(2)は、各第2のレンズ面12に対応する各光ファイバ5の端面5aの中心軸と同軸上に位置されていることが望ましい。
【0032】
このような各第2のレンズ面12には、
図1に示すように、各第2のレンズ面12に対応する各第1のレンズ面11にそれぞれ入射してレンズアレイ本体4の内部の光路を進行してきた各発光素子7ごとのレーザ光Lが、その中心軸を各第2のレンズ面12上の光軸OA(2)と一致させた状態でそれぞれ入射する。そして、各第2のレンズ面12は、入射した各発光素子7ごとのレーザ光Lを、各第2のレンズ面12に対応する各光ファイバ5の端面5aに向けてそれぞれ出射させる。
【0033】
このようにして、各発光素子7と各光ファイバ5の端面5aとが各第1のレンズ面11および各第2のレンズ面12を介して光学的に結合されるようになっている。
【0034】
さらに、
図1および
図4に示すように、第1のレンズ形成領域4a’における第1のレンズ面11に対する左方近傍位置には、受光素子8と同数(本実施形態においては、発光素子7、光ファイバ5、第1のレンズ面11および第2のレンズ面12とも同数)の第3のレンズ面13が形成されている。各第3のレンズ面13は、受光素子8に対応する所定の整列方向すなわちレンズ整列方向と同方向に整列するように形成されている。また、各第3のレンズ面13は、各受光素子8と同一ピッチで形成されている。なお、各第3のレンズ面13上の光軸OA(3)は、各第3のレンズ面13にそれぞれ対応する各受光素子8の受光面の中心軸に一致することが望ましい。
【0035】
このような各第3のレンズ面13には、
図1に示すように、レンズアレイ本体4の内部側から各第3のレンズ面13にそれぞれ対応する各発光素子7ごとのモニタ光Mが入射する。そして、各第3のレンズ面13は、入射した各発光素子7ごとのモニタ光Mを、各第3のレンズ面13に対応する各受光素子8に向けてそれぞれ出射させる。
【0036】
さらにまた、
図1および
図2に示すように、レンズアレイ本体4は、第3の面としての
図1の上端面4c(下端面4aと反対側の面)における各第1のレンズ面11に対向する位置に、全反射面14を有している。なお、
図1に示すように、上端面4cは、下端面4aに対して平行に形成されている。また、
図1に示すように、全反射面14は、上端面4cに凹入形成された縦断面略五
角形状の凹部15の内斜面14からなる。すなわち、
図1に示すように、全反射面14は、その上端部がその下端部よりも
図1における左側(後述するプリズム配置用凹部16側)に位置するような傾斜面に形成されている。この全反射面14は、第1のレンズ面11と後述するプリズム配置用凹部16の右内側面16aとの間の各発光素子7ごとのレーザ光Lの光路上に配置されている。なお、全反射面14の傾斜角は、下端面4aを基準(0°)として
図1における時計回りに45°であることが望ましい。
【0037】
このような全反射面14には、
図1に示すように、各第1のレンズ面11にそれぞれ入射した後の各発光素子7ごとのレーザ光Lが、
図1における下方から臨界角よりも大きな入射角で入射する。そして、全反射面14は、入射した各発光素子7ごとのレーザ光Lを、各第2のレンズ面12側となる
図1における左側に向かって全反射させる。
【0038】
また、
図1および
図2に示すように、レンズアレイ本体4の上端面4cにおける全反射面14に対する左方(左端面4b側)位置であって、各第3のレンズ面13に対向する位置には、縦断面形状が矩形状とされるとともに平面形状がレンズ整列方向に長尺な矩形状とされたプリズム配置用凹部16が凹入形成されている。このプリズム配置用凹部16の深さは、少なくとも各第1のレンズ面11と各第2のレンズ面12とを結ぶ光路上に位置する深さに形成されている。また、プリズム配置用凹部16は、レンズアレイ本体4よりもレンズ整列方向の幅が小さい。
【0039】
ここで、
図1に示すように、プリズム配置用凹部16の内面の一部をなす右内側面16aは、第2のレンズ形成領域4b’に平行に形成されている。この右内側面16aには、
図1に示すように、全反射面14によって全反射された各発光素子7ごとのレーザ光Lが垂直入射する。
【0040】
また、
図1に示すように、プリズム配置用凹部16の内面の一部をなす左内側面16bも、第2のレンズ形成領域4b’に平行に形成されている。この左内側面16bには、
図1に示すように、右内側面16aに入射した後に各第2のレンズ面12側に向かって進行した各発光素子7ごとのレーザ光Lが垂直入射する。そして、左内側面16bは、入射した各発光素子7ごとのレーザ光Lを垂直に透過させる。
【0041】
さらに、
図1に示すように、プリズム配置用凹部16がなす空間内には、各第2のレンズ面12側に向かって進行する各発光素子7ごとのレーザ光Lの光路を形成するための透光性材料からなる縦断面略五
角形状のプリズム18が配置されている。なお、プリズム18の上部には、板状の鍔部19が一体形成されているが、この鍔部19は、小型のプリズム18の取り扱い(プリズム配置用凹部16内への配置)やプリズム配置用凹部16内への異物(埃等)の混入防止等の便宜のために設けられている。
【0042】
ここで、
図1に示すように、プリズム18は、プリズム配置用凹部16の右内側面16aに左方から臨む位置に、各発光素子7ごとのレーザ光Lの入射面18aを有している。この入射面18aは、
図1に示すように、その下端部がその上端部よりも左側に位置するような傾斜面に形成されている。なお、入射面18aの傾斜角は、下端面4aを基準として
図1の反時計回りに45°であることが望ましい。
【0043】
また、
図1に示すように、プリズム18は、入射面18aに左方において対向する位置に、各発光素子7ごとのレーザ光Lの出射面18bを有している。この出射面18bは、
図1に示すように、第2のレンズ形成領域4b’に平行に形成されているとともに、プリズム配置用凹部16の左内側面16bに密接配置されている。
【0044】
さらに、
図1に示すように入射面18aの下端部と出射面18bの下端部との間に接続されたプリズム18の底面18cは、プリズム配置用凹部16の内底面16cに接触している。
【0045】
このようなプリズム18は、入射面18aから入射した各発光素子7ごとのレーザ光Lを、出射面18bから垂直に出射させるようになっている。
【0046】
さらに、
図1に示すように、プリズム18の入射面18a上には、厚みが薄い反射/透過層17が配置されている。
【0047】
さらにまた、
図1に示すように、プリズム配置用凹部16とプリズム18との間の空間には、プリズム18との屈折率差が所定値(例えば、0.05)以下とされた透光性の接着剤20が充填されており、この接着剤20によって、プリズム18がプリズム配置用凹部16内に安定的に接着されている。この接着剤20は、紫外線硬化樹脂としてのアクリレート系接着剤やエポキシ系接着剤であってもよい。なお、プリズム18を帝人化成社製のポリカーボネートであるSD1414によって形成する場合には、接着剤20を大阪ガス化学社製のEA−F5003によって形成してもよい。この場合には、プリズム18および接着剤20の屈折率を、いずれも波長850nmにおいて1.59(屈折率差0.00)とすることができる。
【0048】
ここで、
図1に示すように、全反射面14側からプリズム配置用凹部16の右内側面16aに垂直入射した各発光素子7ごとのレーザ光Lは、その直後に接着剤20に垂直入射して、この接着剤20の内部の光路上を屈折されずに各第2のレンズ面12側に向かって直進した後に反射/透過層17に入射する。
【0049】
そして、反射/透過層17は、このようにして入射した各発光素子7ごとのレーザ光Lを、所定の反射率で第3のレンズ面13側に反射させるとともに、所定の透過率でプリズム18の入射面18a側(換言すれば、各第2のレンズ面12側)に透過させる。なお、反射/透過層17の反射率および透過率としては、レーザ光Lの出力をモニタするために十分とみなされる光量のモニタ光Mを得ることができる限度において、反射/透過層17の材質や厚み等に応じた所望の値を設定することができる。例えば、反射/透過層17を、Ni、CrまたはAl等の単一の金属からなる単層膜によって形成する場合には、その厚みにもよるが、反射/透過層17の反射率を20%、透過率を60%(吸収率20%)とすることもできる。また、例えば、反射/透過層17を、互いに誘電率が異なる複数の誘電体(例えば、TiO
2とSiO
2)を交互に積層した誘電体多層膜によって形成する場合には、その厚みや層数にもよるが、反射/透過層17の反射率を10%、透過率を90%とすることもできる。さらに、反射/透過層17は、前述した金属の単層膜や誘電体多層膜を、入射面18a上にコーティングすることによって形成してもよい。コーディングには、インコーネル蒸着等の公知のコーティング技術を用いることができる。このようにすれば、反射/透過層17を極めて薄く(例えば、1μm以下に)形成することができる。
【0050】
そして、このような反射または透過の際に、反射/透過層17は、
図1に示すように、反射/透過層17に入射した各発光素子7ごとのレーザ光Lのそれぞれの一部(反射率分の光)を、各発光素子7にそれぞれ対応する各発光素子7ごとのモニタ光Mとして各モニタ光Mに対応する各第3のレンズ面13側に向かって反射させる。
【0051】
そして、このようにして反射/透過層17によって反射された各発光素子7ごとのモニタ光Mは、各第3のレンズ面13側に向かって接着剤18の内部を進行した後に、第1のレンズ形成領域4a’に平行なプリズム配置用凹部16の内底面16cに入射する。そして、内底面16cに入射した各発光素子7ごとのモニタ光Mは、レンズアレイ本体4の内部を進行した後に、各第3のレンズ面13からこれらに対応する各受光素子8に向けてそれぞれ出射される。
【0052】
一方、反射/透過層17によって透過された各発光素子7ごとのレーザ光Lは、透過の直後にプリズム18の入射面18aに入射して、プリズム18の内部の光路上を各第2のレンズ面12側に向かって進行する。
【0053】
このとき、反射/透過層17の厚みが極めて薄いことによって、各発光素子7ごとのレーザ光Lが反射/透過層17を透過する際における屈折は、無視できる程小さい。また、プリズム18と接着剤20との屈折率差が非常に小さいことによって、各発光素子7ごとのレーザ光Lが入射面18aに入射する際における各レーザ光Lの屈折も、無視できる程小さい。これにより、プリズム18の内部の光路上を進行した各発光素子7ごとのレーザ光Lは、プリズム18の出射面18bからプリズム18の外部に垂直に出射されることになる。
【0054】
このようにしてプリズム18から垂直に出射された各発光素子7ごとのレーザ光Lは、出射の直後に、前述のようにプリズム配置用凹部16の左内側面16bに垂直入射する。そして、左内側面16bに垂直入射した各発光素子7ごとのレーザ光Lは、左内側面16b以後のレンズアレイ本体4の内部の光路上を各第2のレンズ面12側に向かって進行した後に、各第2のレンズ面12によって、これらに対応する各光ファイバ5の端面5aに向けてそれぞれ出射される。
【0055】
以上の構成によれば、各第1のレンズ面11に入射した各発光素子7ごとのレーザ光Lを、反射/透過層17によって各第2のレンズ面12側および各第3のレンズ面13側にそれぞれ分光し、各第3のレンズ面13側に分光されたモニタ光Mを、各第3のレンズ面13によって各受光素子8側に出射させることができる。この結果、モニタ光Mを確実に得ることができ、また、このようなモニタ光Mを得るための構成として、ある程度の面積を有する形成が容易な反射/透過層17を採用することによって、レンズアレイ1を容易に製造することができる。また、プリズム配置用凹部16の右内側面16aにおける垂直入射(屈折防止)と、プリズム18への入射時における屈折の抑制とによって、プリズム18内での各発光素子7ごとのレーザ光Lの光路を第2のレンズ形成領域4b’に対して垂直(換言すれば、第2のレンズ面12の光軸OA(2)に平行)に維持することができる。さらに、このようなプリズム18の内部の光路上を進行した各発光素子7ごとのレーザ光Lを、プリズム配置用凹部16の左内側面16bに垂直入射させることができる。これにより、レンズアレイ本体4の内部における各発光素子7ごとのレーザ光Lの光路を、右内側面16aに対する入射側(
図1における全反射面14と右内側面16aとの間)と、左内側面16bに対する出射側とで互いに同一線上に位置させることができる。この結果、例えば、製品検査の際に、各第2のレンズ面12に入射する各発光素子7ごとのレーザ光Lが各2のレンズ面12の中心からずれていることが確認された場合に、これを解消するための寸法調整(金型形状の変更等)を要する箇所を少なくすることができる。
【0056】
また、
図4に示すように、第1のレンズ形成領域4a’に対してレンズ整列方向(
図4における縦方向)における両外側位置には、平面円形状の穴部22がそれぞれ形成されており、これらの穴部22は、半導体基板6側に形成された不図示のピンに嵌合することによって、レンズアレイ1に光電変換素装置3を固定する際の光電変換素装置3の機械的な位置決めに用いられるようになっている。さらに、
図3に示すように、第2のレンズ形成領域4b’に対してレンズ整列方向(
図3における横方向)における両外側位置には、平面円形状のピン23が形成されており、これらのピン23は、光ファイバ5のコネクタ10側に形成された不図示の穴部に挿入されることによって、レンズアレイ1に光ファイバ5を固定する際の光ファイバ5の機械的な位置決めに用いられるようになっている。
【0057】
そして、このような構成を備えた上で、本実施形態におけるレンズアレイ1には、プリズム18を接着剤20によってプリズム配置用凹部16内に接着する際に、接着剤20が各発光素子7ごとのレーザ光Lおよびモニタ光Mの光路上に光学特性を損ねる異物として形成されることを防止するための手段が講じられている。
【0058】
すなわち、
図2および
図5に示すように、上端面4cにおけるプリズム配置用凹部16に対してレンズ整列方向(
図2における縦方向)における一方側(
図2における下方側)の位置には、プリズム18の接着時におけるプリズム配置用凹部16とプリズム18との間の各発光素子7ごとの光L、Mの光路上への接着剤20の気泡の滞留を防止するための第1の気泡滞留防止用凹部25が凹入形成されている。
図2に示すように、第1の気泡滞留防止用凹部25は、プリズム配置用凹部16に、これのレンズ整列方向における一端部(
図2における下端部)を介して連通されている。また、第1の気泡滞留防止用凹部25は、プリズム配置用凹部16に対してレンズ整列方向における外側に位置することによって、プリズム配置用凹部16とプリズム18との間の各発光素子7ごとの光L、Mの光路上から逸脱している。さらに、
図2において、第1の気泡滞留防止用凹部25は、プリズム配置用凹部16よりも
図2における左右に大きな矩形状に形成されている。
【0059】
また、
図2および
図5に示すように、上端面4cにおけるプリズム配置用凹部16に対してレンズ整列方向における他方側(
図2における上方側)の位置には、第1の気泡滞留防止用凹部25とともにプリズム配置用凹部16とプリズム18との間の各発光素子7ごとの光L、Mの光路上への接着剤20の気泡の滞留を防止するための第2の気泡滞留防止用凹部26が凹入形成されている。
図2に示すように、第2の気泡滞留防止用凹部26は、プリズム配置用凹部16に、これのレンズ整列方向における第1の気泡滞留防止用凹部25と反対側の端部(
図2における上端部)を介して連通されている。また、第2の気泡滞留防止用凹部26も、第1の気泡滞留防止用凹部25と同様に、プリズム配置用凹部16に対してレンズ整列方向における外側に位置することによって、プリズム配置用凹部16とプリズム18との間の各発光素子7ごとの光L、Mの光路上から逸脱している。さらに、
図2において、第2の気泡滞留防止用凹部26は、第1の気泡滞留防止用凹部25と同様に、プリズム配置用凹部16よりも
図2における左右に大きな矩形状に形成されている。
【0060】
さらに、
図2および
図5に示すように、プリズム配置用凹部16、第1の気泡滞留防止用凹部25および第2の気泡滞留防止用凹部26は、上端面4c上において、各凹部16、25、26のそれぞれの開口が互いに一体の形状(
図2においてはH形状)を呈している。また、
図2に示すように、各凹部16、25、26の開口を全体として包囲する上端面4cにおける所定範囲の開口外周縁部27は、これの周辺(外側)の上端面4cよりも所定の寸法だけ
図5における下方に凹入されている。そして、この開口外周縁部27は、プリズム18の接着時における接着剤20の全反射面14上への流入を防止するための接着剤流入防止用凹縁部27とされている。
【0061】
このような構成によれば、プリズム18を接着剤20によってプリズム配置用凹部16内に接着する際に、第1の気泡滞留防止用凹部25および第2の気泡滞留防止用凹部26によって、プリズム配置用凹部16とプリズム18との間の各発光素子7ごとの光L、Mの光路上への接着剤20の気泡の滞留を防止することができる。また、このとき、仮に、接着剤20がプリズム配置用凹部16の開口から溢れたとしても、溢れた接着剤20を接着剤流入防止用凹縁部27上に貯留させることができるので、接着剤20が毛細管現象によって上端面4cを伝って全反射面14上に流入することを防止することができる。このようにして、接着剤20が各発光素子7ごとの光L、Mの光路上に光学特性を損ねる異物として形成されることを回避することができる。
【0062】
なお、プリズム18を接着剤20によってプリズム配置用凹部16内に接着する方法は、大きく分けて二通りある。第一の方法は、プリズム配置用凹部16内に接着剤20の配置に先立ってプリズム18を配置した後に、プリズム配置用凹部16とプリズム18との間に接着剤20を充填して硬化(例えば、紫外線硬化)する方法である。第二の方法は、プリズム配置用凹部16内に接着剤20を配置した後に、プリズム18を配置して接着剤20を硬化する方法である。本発明は、いずれの方法を採用する場合においても、所期の作用効果を奏することができる。すなわち、第一の方法を採用する場合には、プリズム配置用凹部16内の所定位置にプリズム18を配置した状態で、接着剤20を、第1の気泡滞留防止用凹部25および第2の気泡滞留防止用凹部26の一方から注入して他方に向かって流動させながら、プリズム配置用凹部16とプリズム18との間に充填させることができる。このような方法によれば、一方の気泡滞留防止用凹部25、26を接着剤20の注入口として利用し、他方の気泡滞留防止用凹部26、25を接着剤20の気泡の追い出し場所として利用することができるので、接着剤20の充填を容易に行うことができるとともに、注入時における接着剤20の流動を利用して、接着剤20に発生した気泡の滞留を効率良く防止することができる。なお、接着剤20の注入には、公知の注入装置を用いることができる。一方、第二の方法を採用する場合には、接着剤20が配置されたプリズム配置用凹部16内にプリズム18を挿入する際の接着剤20の流動を利用して、接着剤20に発生した気泡を、第1の気泡滞留防止用凹部25および第2の気泡滞留防止用凹部26の双方に効率良く追い出すことができる。
【0063】
なお、本発明は、レンズアレイ1の縦断面形状として、以下に示すような種々の変形例を適用することができる。
【0064】
(レンズアレイの縦断面形状の変形例)
(第1の変形例)
例えば、
図6に示すように、プリズム18に連設されている鍔部19の右端部を、プリズム配置用凹部16の右内側面16aよりも右方に延出させることによって、プリズム18の配置の容易化および安定化を図るようにしてもよい。
【0065】
(第2の変形例)
また、
図7に示すように、接着剤20を、プリズム配置用凹部16とプリズム18との間に、満遍なく(凹部16の全内面にわたって)充填させるとともに、鍔部19と上端面4cとの間にも充填させることによって、プリズム18の接着力の増大を図ってもよい。
【0066】
(第3の変形例)
さらに、
図8に示すように、第1の変形例と第2の変形例を組み合わせてもよいことは勿論である。
【実施例1】
【0067】
次に、以下に説明する実施例1においては、レンズアレイ1の第1の気泡滞留防止用凹部25および第2の気泡滞留防止用凹部26の効果を確認するための実験を行った。なお、本実験には、
図9〜
図11に略示するように、各凹部25、26の平面形状が互いに異なる3つの試料(以下、第1の本発明品、第2の本発明品、第3の本発明品と称する)を用いた。また、本実験には、比較例として、
図12に略示するように、プリズム配置用凹部16のみを有する試料(以下、従来品と称する)を用いた。なお、各試料とも、凹部16、25、26の深さは同一とした。
【0068】
ここで、
図9に略示すように、第1の本発明品は、第1の気泡滞留防止用凹部25および第2の気泡滞留防止用凹部26が、ともに、プリズム配置用凹部16に対してレンズ整列方向に直交する方向において同幅とされた矩形状に形成されており、凹部16、25、26全体として、横一線状の形状を呈している。この試料は、従来品のプリズム配置用凹部16をレンズ整列方向に引き延ばしたものに相当する。このような形状の気泡滞留防止用凹部25、26は、金型形状が簡便となるといったメリットがある。
【0069】
また、
図10に略示すように、第2の本発明品は、第1の気泡滞留防止用凹部25が、プリズム配置用凹部16よりもレンズ整列方向に直交する方向における両方向(
図10における上下方向)に大きな矩形状に形成され、一方、第2の気泡滞留防止用凹部26については、プリズム配置用凹部16とレンズ整列方向に直交する方向において同幅の矩形状に形成されている。この試料は、第1の気泡滞留防止用凹部25から接着剤20を注入し易いといったメリットがある。
【0070】
さらに、
図11に略示すように、第3の本発明品は、第1の気泡滞留防止用凹部25および第2の気泡滞留防止用凹部26が、ともに、プリズム配置用凹部16よりもレンズ整列方向に直交する方向における両方向(
図11における上下方向)に大きな矩形状に形成されたものである。この第3の本発明品の平面形状は、
図2に示した構成に反映されている。
【0071】
そして、本実験においては、これら第1〜第3の本発明品および従来品の各試料をそれぞれ3つずつ作成し、作成された各試料に対して、プリズム配置用凹部16とプリズム18との間の接着剤20の気泡の有無を、外観検査によって評価した。この実験結果は、以下の表1に示すものとなった。
【0072】
【表1】
【0073】
表1に示すように、本発明品1〜3は、各3つずつの製品に、いずれも気泡が検出されなかったのに対して、従来品は、3つ製品のうちの1つに気泡が検出された。したがって、本発明品1〜3は、第1の気泡滞留防止用凹部25および第2の気泡滞留防止用凹部26によって接着剤20の気泡の滞留を確実に抑制していると言える。因みに、このように気泡が検出されなかった各本発明品は、全反射面14上への接着剤20の付着も外観上確認されなかった。これは、接着剤流入防止用凹縁部27が適切に機能していることに他ならない。
【0074】
なお、第1の気泡滞留防止用凹部25および第2の気泡滞留防止用凹部26の平面形状としては、以下に示すような種々の変形例を適用することができる。
【0075】
(気泡滞留防止用凹部の平面形状の変形例)
(第1の変形例)
例えば、
図13に示すように、第1の気泡滞留防止用凹部25および第2の気泡滞留防止用凹部26を、ともに、プリズム配置用凹部16よりもレンズ整列方向に直交する方向における一方(
図13における上方)に大きく形成するようにしてもよい。
【0076】
(第2の変形例)
また、
図14に示すように、第1の気泡滞留防止用凹部25を、プリズム配置用凹部16よりもレンズ整列方向に直交する方向における両方向(
図14における上下方向)に大きく形成し、一方、第2の気泡滞留防止用凹部26を、プリズム配置用凹部16よりも同方向に小さく形成してもよい。
【0077】
(第3の変形例)
さらに、
図15に示すように、第1の気泡滞留防止用凹部25および第2の気泡滞留防止用凹部26を、ともに、プリズム配置用凹部16よりもレンズ整列方向に直交する方向における両方向(
図15における上下方向)に小さく形成してもよい。
【実施例2】
【0078】
次に、以下に説明する実施例2においては、実施例1と同様に、レンズアレイ1の第1の気泡滞留防止用凹部25および第2の気泡滞留防止用凹部26の効果を確認するための実験を行った。ただし、
図16〜
図18に略示するように、本実験に用いた本実施例における第1〜第3の本発明品は、各凹部25、26の平面形状ではなく、横断面形状(
図2のB−B断面形状に相当)に違いを持たせたものである。また、
図19に略示するように、本実験においても、比較例として従来品を用いた。なお、各試料とも、凹部16、25、26の全体としての平面形状は同一(
図9に相当)とした。
【0079】
ここで、
図16に略示するように、本実施例における第1の本発明品は、第1の気泡滞留防止用凹部25および第2の気泡滞留防止用凹部26が、ともに、プリズム配置用凹部16と同じ深さに形成されたものである。この試料は、従来品のプリズム配置用凹部16をレンズ整列方向に引き延ばしたものに相当する。このような形状の気泡滞留防止用凹部25、26は、金型形状が簡便となるといったメリットがある。
【0080】
また、
図17に示すように、本実施例における第2の本発明品は、第1の気泡滞留防止用凹部25が、プリズム配置用凹部16よりも深く形成され、一方、第2の気泡滞留防止用凹部26については、プリズム配置用凹部16と同じ深さに形成されたものである。
【0081】
さらに、
図18に示すように、本実施例における第3の本発明品は、第1の気泡滞留防止用凹部25および第2の気泡滞留防止用凹部26が、ともに、プリズム配置用凹部16よりも深く形成されたものである。この第3の本発明品の横断面形状は、
図5に示した構成に反映されている。
【0082】
そして、本実験においては、これら本実施例における第1〜第3の本発明品および従来品に対して、実施例1と同じ要領で、プリズム配置用凹部16とプリズム18との間の接着剤20の気泡の有無を評価した。この実験結果は、以下の表2に示すものとなった。
【0083】
【表2】
【0084】
表2に示すように、本実施例における本発明品1〜3は、各3つずつの製品に、いずれも検出されなかったのに対して、従来品は、3つ製品のうちの1つに気泡が検出された。したがって、本実施例における本発明品1〜3も、第1の気泡滞留防止用凹部25および第2の気泡滞留防止用凹部26によって接着剤20の気泡の滞留を確実に抑制していると言える。
【0085】
なお、第1の気泡滞留防止用凹部25および第2の気泡滞留防止用凹部26の横断面形状としては、以下に示すような種々の変形例を適用することができる。
【0086】
(気泡滞留防止用凹部の横断面形状の変形例)
(第1の変形例)
例えば、
図20に示すように、第1の気泡滞留防止用凹部25および第2の気泡滞留防止用凹部26を、プリズム配置用凹部16よりも浅く形成してもよい。
【0087】
(第2の変形例)
また、
図21に示すように、第1の気泡滞留防止用凹部25を、プリズム配置用凹部16よりも深く形成し、一方、第2の気泡滞留防止用凹部26を、プリズム配置用凹部16よりも浅く形成してもよい。
【0088】
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の特徴を損なわない限度において種々変更することができる。
【0089】
例えば、実施例1に示した凹部25、26の平面形状と、実施例2に示した凹部25、26の横断面形状とを適宜組み合わせることによって、所望の立体形状の凹部25、26を構成してよいことは勿論である。