(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、ポールは、種々の目的で広く用いられているが、重量があるものを支持し、かつ所定の長さを有するために強度が要求される。しかも、ポールの製作工場から設置現場に自動車で搬送されているが、長く、重く、しかも嵩張り容易に運搬することができなかった。
【0005】
この発明は、以上の問題点を解決するために、案出されたもので、軽量で、強度を有し、しかも嵩張らずに簡単に運搬することが可能な組立式ポール及び組立式ポールの組立方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる課題を解決するために、この発明は、以下のように構成した。
【0008】
請求項
1に記載の発明は、
中空のポール本体を、周方向において複数に分割した分割ポール体とし、
前記分割ポール体には、長手方向に延びる空洞部が形成され、
前記分割ポール体は、
長手方向の一方の側部に雄嵌合部を有し、
長手方向の他方の側部に雌嵌合部を有し、
前記複数のうち一方の分割ポール体の雄嵌合部と、前記複数のうち他方の分割ポール体の雌嵌合部とを、嵌合して組み立てる構成であり、
前記雄嵌合部は、
厚み方向の中央位置または内外方向にずれた位置に周方向に延びる連結リブを有し、内周側位置に周方向に延びる係合凸部を有し、
前記雌嵌合部は、
厚み方向の中央位置または内外方向にずれた位置に周方向に延びる連結リブを有し、内周側位置に周方向に延びる係合凹部を有し、
前記複数のうち一方の分割ポール体の前記雄嵌合部の連結リブと、前記複数のうち他方の分割ポール体の前記雌嵌合部の連結リブとを重ね合わせ、かつ係合凸部と係合凹部とを係合し、
前記重ね合わせた前記雄嵌合部の連結リブと前記雌嵌合部の連結リブとにリベット貫通孔を形成し、
前記リベット貫通孔にリベットを挿入して締結して組み立てることを特徴とする組立式ポールである。
【0009】
請求項
2に記載の発明は、
中空のポール本体を、周方向において複数に分割した分割ポール体とし、
前記分割ポール体には、長手方向に延びる空洞部が形成され、
前記分割ポール体は、
長手方向の一方の側部に雄嵌合部を有し、
長手方向の他方の側部に雌嵌合部を有し、
前記複数のうち一方の分割ポール体の雄嵌合部と、前記複数のうち他方の分割ポール体の雌嵌合部とを、嵌合して組み立てる構成であり、
前記雄嵌合部は、
厚み方向の中央位置または内外方向にずれた位置に周方向に延びる連結リブを有し、内周側位置に周方向に延びる係合凸部を有し、
前記雌嵌合部は、
厚み方向の中央位置または内外方向にずれた位置に周方向に延びる連結リブを有し、内周側位置に周方向に延びる係合凹部を有し、
前記複数のうち一方の分割ポール体の前記雄嵌合部の連結リブと、前記複数のうち他方の分割ポール体の前記雌嵌合部の連結リブとを重ね合わせ、かつ係合凸部と係合凹部とを係合し、
前記重ね合わせ部と前記係合部との間に形成される空洞を埋める棒材を挿入し、
前記重ね合わせた前記雄嵌合部の連結リブと前記雌嵌合部の連結リブとをカシメて締結して組み立てることを特徴とする組立式ポールである。
【0010】
請求項
3に記載の発明は、前記分割ポール体は、
長手方向の両方の側部に凹み部を有し、
前記複数のうち一方の分割ポール体の雄嵌合部と、前記複数のうち他方の分割ポール体の雌嵌合部とを嵌合して組み立てた状態で、前記凹み部同士により長手方向に延びる部材取付溝を形成し、
前記部材取付溝の所定位置に部材を取り付け、
前記部材にボルトによりアタッチメントを取付可能にしたことを特徴とする請求項1
または請求項
2に記載の組立式ポールである。
【0011】
請求項
4に記載の発明は、前記分割ポール体は、
外側部に長手方向に延びる部材取付溝を形成し、
前記部材取付溝の所定位置に部材を取り付け、
前記部材にボルトによりアタッチメントを取付可能にしたことを特徴とする請求項1
または請求項
2に記載の組立式ポールである。
【0012】
請求項
5に記載の発明は、複数に分割した少なくとも1個の分割ポール体は、外側部が平面であり、
両側部に長手方向に延びる部材取付溝を形成し、
前記部材取付溝の所定位置に部材を取り付け、
前記部材にボルトによりアタッチメントを取付可能にしたことを特徴とする請求項1
または請求項
2に記載の組立式ポールである。
【0013】
請求項
6に記載の発明は、請求項1乃至請求項
5のいずれか1項に記載の組立式ポールを複数用い、
前記複数の組立式ポールの径を変えて多段に伸縮可能とし、
外側に位置する組立式ポールは内径方向に突出するように付勢する位置決めストッパーを有し、
前記位置決めストッパーを、内側に位置する組立式ポールで外径方向へ押動するように組付け、
前記内側に位置する組立式ポールを前記外側に位置する組立式ポールに対して伸張させ、
前記内側に位置する組立式ポールの端部で前記位置決めストッパーの押動が解除されると、前記位置決めストッパーで前記内側に位置する組立式ポールの端部を止め、
前記内側に位置する組立式ポールと前記外側に位置する組立式ポールの端部との間に連結ブロックを差し込み、
さらに、前記連結ブロックと前記内側に位置する組立式ポールとの間に楔を差し込み、
前記楔を覆うように、前記内側に位置する組立式ポールと前記連結ブロックの端部との間をコーキング材でシールして組み付けることを特徴とする組立式ポールの組立方法である。
【発明の効果】
【0014】
前記構成により、この発明は、以下のような効果を有する。
【0016】
請求項
1に記載の発明では、複数のうち一方の分割ポール体の雄嵌合部の連結リブと、複数のうち他方の分割ポール体の雌嵌合部の連結リブとを重ね合わせ、かつ係合凸部と係合凹部とを係合し、重ね合わせた雄嵌合部の連結リブと雌嵌合部の連結リブとにリベット貫通孔を形成し、リベット貫通孔にリベットを挿入して締結することで、簡単、かつ強固に組み立てることができる。
【0017】
請求項
2に記載の発明では、複数のうち一方の分割ポール体の雄嵌合部の連結リブと、複数のうち他方の分割ポール体の雌嵌合部の連結リブとを重ね合わせ、かつ係合凸部と係合凹部とを係合し、重ね合わせ部と係合部との間に形成される空洞を埋める棒材を挿入し、重ね合わせた前記雄嵌合部の連結リブと雌嵌合部の連結リブとをカシメて締結することで、簡単、かつ強固に組み立てることができる。
【0018】
請求項
3に記載の発明では、分割ポール体は、長手方向の両方の側部に凹み部を有し、複数のうち一方の分割ポール体の雄嵌合部と、複数のうち他方の分割ポール体の雌嵌合部とを嵌合して組み立てた状態で、凹み部同士により長手方向に延びる部材取付溝を形成し、部材取付溝の所定位置に部材を取り付けることで、アタッチメントを簡単、かつ確実に取付けることができる。
【0019】
請求項
4に記載の発明では、分割ポール体は、外側部に長手方向に延びる部材取付溝を形成し、部材取付溝の所定位置に部材を取り付けることで、アタッチメントを簡単、かつ確実に取付けることができる。
【0020】
請求項
5に記載の発明では、複数に分割した少なくとも1個の分割ポール体は、外側部が平面であり、両側部に長手方向に延びる部材取付溝を形成し、部材取付溝の所定位置に部材を取り付けることで、アタッチメントを簡単、かつ確実に取付けることができる。
【0021】
請求項
6に記載の発明では、請求項1乃至請求項
5のいずれか1項に記載の組立式ポールを複数用い、複数の組立式ポールの径を変えて多段に伸縮可能とし、軽量で、強度を有し、しかも嵩張らずに簡単に運搬することが可能な組立式ポールを簡単に組立てることができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、この発明の組立式ポール及び組立式ポールの組立方法の実施の形態について説明する。この発明の実施の形態は、発明の最も好ましい形態を示すものであり、この発明はこれに限定されない。
【0024】
[組立式ポールの構成]
(第1の実施の形態)
この実施の形態の組立式ポールを、
図1乃至
図8に基づいて説明する。
図1は組立式ポールの平面図、
図2は分割ポール体の平面図、
図3は分割ポール体をリベットで連結する構成を説明する図、
図4は分割ポール体をカシメで連結する構成を説明する図、
図5は分割ポール体にアタッチメントを取り付ける断面図、
図6は分割ポール体に溝カバーを取り付けた状態の断面図、
図7は部材の第1の実施の形態を示す図、
図8は部材の第2の実施の形態を示す図である。
【0025】
この実施の形態の組立式ポール1は、中空のポール本体2を、周方向において4個の複数に分割した分割ポール体3としている。この分割ポール体3は、アルミニウムを押し出し成形したものであり、分割ポール体3には、長手方向に延びる2個の空洞部8が隔壁8aによって区画されて形成されている。
【0026】
この分割ポール体3は、長手方向の一方の側部に雄嵌合部3aを有し、長手方向の他方の側部に雌嵌合部3bを有し、4個の複数のうち一方の分割ポール体3の雄嵌合部3aと、複数のうち他方の分割ポール体3の雌嵌合部3bとを、嵌合して組み立てる。
【0027】
雄嵌合部3aは、厚み方向の中央位置に周方向に延びる連結リブ3a1を有し、内周側位置に周方向に延びる係合凸部3a2を有する。この実施の形態では、厚み方向の中央位置に連結リブ3a1が形成されているが、中央位置にから内外方向にずれた位置に形成してもよい。連結リブ3a1は、直線状に延び、中央部3a11が凹み薄肉になっている。係合凸部3a2は、先端部3a21が連結リブ3a1の方向に曲がっている。この連結リブ3a1と係合凸部3a2との間に、凹み部3a3が形成される。
【0028】
雌嵌合部3bは、厚み方向の中央位置に周方向に延びる連結リブ3b1を有し、内周側位置に周方向に延びる係合凹部3b2を有する。この実施の形態では、厚み方向の中央位置に連結リブ3b1が形成されているが、中央位置にから内外方向にずれた位置に形成してもよい。連結リブ3b1は、直線状に延び、中央部3b11が凸で薄厚になっている。係合凹部3b2は、先端部3b21が内周方向に開口している。この連結リブ3b1と係合凹部3b2との間に、凹み部3b3が形成される。
【0029】
また、分割ポール体3は、長手方向の両方の側部に凹み部3e,3fを有し、この凹み部3eは雄嵌合部3a側に形成され、凹み部3fは雌嵌合部3b側に形成されている。凹み部3eには長手方向に延びる突起3e1が形成され、凹み部3fには長手方向に延びる突起3f1が形成されている。また、分割ポール体3の外側部には、長手方向に延びる部材取付溝3kと溝カバー取付溝3lが、突条3m,3nによって形成されている。
【0030】
また、分割ポール体3は、長手方向の両方の側部に締め付け部材を螺着する取付部3o,3pが形成されている。
【0031】
この分割ポール体3を用いて組立式ポール1を組み立てるが、リベットで連結する構成と、カシメで連結する構成がある。
【0032】
分割ポール体3をリベットで連結する構成を、
図3に基づいて説明する。複数のうち一方の分割ポール体3の雄嵌合部3aの連結リブ3a1と、複数のうち他方の分割ポール体3の雌嵌合部3bの連結リブ3b1とを重ね合わせ、かつ係合凸部3a2と係合凹部3b2とを係合する(
図3(a),(b))。重ね合わせた雄嵌合部3aの連結リブ3a1と雌嵌合部3bの連結リブ3b1とにドリル100によって連結リブ3a1にリベット貫通孔3c1を、連結リブ3b1にリベット貫通孔3c2を形成する(
図3(c))。そして、リベット貫通孔3c1,3c2にブラインドリベット101を挿入し(
図3(d))、雄嵌合部3aの連結リブ3a1と雌嵌合部3bの連結リブ3b1とをブラインドリベット101によって締結して組み立てる(
図3(e))。
図1において、分割ポール体3の4個の組付けは、リベットで固定する前に4個の分割ポール体3を内管治具上でセットし、分割ポール体3の4個を
図3(a),(b)に示すようにプリセントしてから、
図3(c)〜(e)に示すようにリベットを打って固定する。
【0033】
このように、重ね合わせた雄嵌合部3aの連結リブ3a1と雌嵌合部3bの連結リブ3b1とにリベット貫通孔3c1,3c2を長手方向に所定間隔で形成し、それぞれのリベット貫通孔3c1,3c2にブラインドリベット101を挿入して締結することで、簡単、かつ強固に組み立てることができる。
【0034】
分割ポール体3をカシメで連結する構成を、
図4に基づいて説明する。複数のうち一方の分割ポール体3の雄嵌合部3aの連結リブ3a1と、複数のうち他方の分割ポール体3の雌嵌合部3bの連結リブ3b1とを重ね合わせ、かつ係合凸部3a2と係合凹部3b2とを係合する(
図4(a),(b))。この重ね合わせ部と係合部との間に形成される空洞3dを埋める棒材102を挿入し(
図4(c))、係合部をダイ103に当てがい、重ね合わせ部側から重ね合わせた雄嵌合部3aの連結リブ3a1と雌嵌合部3bの連結リブ3b1とをパンチ104によりカシメて締結して組み立てる(
図4(d))。棒材102は、カシメ溝102aと係合溝102bが形成されており、空洞3dに隙間なく挿入され、パンチ104のパンチングにより雄嵌合部3aの連結リブ3a1と雌嵌合部3bの連結リブ3b1がカシメ溝102aに入り込みカシメられる。リベットで連結する構成と同様に、
図1において、分割ポール体3の4個の組付けは、カシメて固定する前に4個の分割ポール体3を内管治具上でセットし、分割ポール体3の4個を
図4(a),(b)に示すようにプリセントしてから、
図4(c),(d)に示すようにカシメて固定する。
【0035】
このように、重ね合わせ部と係合部との間に形成される空洞3dを埋める棒材102を挿入し、重ね合わせた雄嵌合部3aの連結リブ3a1と雌嵌合部3bの連結リブ3b1とをパンチ104により所定間隔で連続してパンチングしてカシメて締結することで、短時間に簡単、かつ強固に組み立てることができる。この実施の形態では、パンチ104によりカシメているが、カシメの方法はパンリングによるカシメに限定されず、加圧ローラでの連続プレスによっても可能である。
【0036】
複数のうち一方の分割ポール体3の雄嵌合部3aと、複数のうち他方の分割ポール体3の雌嵌合部3bとを嵌合して組み立てた状態で、凹み部3eの突起3e1と凹み部3fの突起3f1とにより長手方向に延びる部材取付溝3gと溝カバー取付溝3hが形成される。部材取付溝3gの所定位置に部材を取り付ける。この実施の形態としては、部材としてナット部材10を用いており、このナット部材10にボルト11によりアタッチメント12を取付可能にする。このように、ナット部材10によりアタッチメント12を簡単、かつ確実に取付けることができる。
【0037】
ナット部材10を取り付けた部分以外では、溝カバー取付溝3hに溝カバー13を係合可能とし、アタッチメント12を取り付けた以外の部分は、溝カバー13によって塞ぐために体裁がよい。
【0038】
また、分割ポール体3の外側部に、長手方向に延びる部材取付溝3kと溝カバー取付溝3lが形成されており、この部材取付溝3kの所定位置にナット部材10を取り付け、このナット部材10にボルト11によりアタッチメント12を取付可能にし、ナット部材10を取り付けた部分以外の溝カバー取付溝3lに溝カバー13を係合可能にすることができる(
図5,
図6)。
【0039】
ナット部材10を部材取付溝3gや部材取付溝3kに取り付ける構造は、分割ポール体3の端部から挿入してもよいし、所定位置に形成された広幅部分からナット部材10を挿入して取付ける。溝カバー13を溝カバー取付溝3hや溝カバー取付溝3lに係合する構造は、溝カバー13を弾性を有する部材で形成し、係合脚部を曲げて挿入して係合する。
【0040】
ナット部材10は、
図7に示すように、部材取付溝に沿って延びるナットピースで構成され、左右に部材取付溝に係合するガイド部10a1を有し、ねじ孔10a2とビス孔10a3が形成されており、ビス孔10a3にビスをねじ込んでナット部材10を位置決めし、ねじ孔10a2にボルト11を螺着してアタッチメント12の取付とナット部材10の固定を行う。
【0041】
また、ナット部材10は、
図8に示すように、部材取付溝に係合する形状の四角ナットで構成され、ねじ孔10a4が形成されており、ねじ孔10a4にボルト11を螺着してアタッチメント12の取付とナット部材10の固定を行う。
【0042】
このように、中空のポール本体2を、周方向において複数に分割した分割ポール体3としたことで、嵩張らずに簡単に工場から設置場所に運搬することができる。また、複数のうち一方の分割ポール体3の雄嵌合部3aと、複数のうち他方の分割ポール体3の雌嵌合部3bとを、嵌合して簡単に組み立てることができ、かつ分割ポール体3には、長手方向に延びる空洞部8が形成されており、軽量で強固な構造である。また、空洞部8には、配線や発泡材などを配置することができ、組立式ポール1の使用例に応じて利用することができる。
【0043】
(第2の実施の形態)
この実施の形態を、
図9乃至
図12に基づいて説明する。
図9は組立式ポールの平面図、
図10は分割ポール体の平面図、
図11は分割ポール体にアタッチメントを取付可能にする構成の平面図、
図12は蓋体の平面図である。
【0044】
複数に分割した少なくとも1個の分割ポール体4は、板状に形成され、外側部が平面である。この分割ポール体4は、長手方向の一方の側部に雄嵌合部4aを有し、長手方向の他方の側部に雌嵌合部4bを有し、他の複数の分割ポール体3は、第1の実施の形態のように構成され、同じ符号を付して説明を省略する。
【0045】
雄嵌合部4aは、厚み方向の中央位置に周方向に延びる連結リブ4a1を有し、内周側位置に周方向に延びる係合凸部4a2を有する。この実施の形態では、厚み方向の中央位置に連結リブ4a1が形成されているが、中央位置にから内外方向にずれた位置に形成してもよい。連結リブ4a1は、直線状に延び、中央部4a11が凹み薄肉になっている。係合凸部4a2は、先端部4a21が連結リブ4a1の方向に曲がっている。この連結リブ4a1と係合凸部4a2との間に、凹み部4a3が形成される。
【0046】
雌嵌合部4bは、厚み方向の中央位置に周方向に延びる連結リブ4b1を有し、内周側位置に周方向に延びる係合凹部4b2を有する。この実施の形態では、厚み方向の中央位置に連結リブ4b1が形成されているが、中央位置にから内外方向にずれた位置に形成してもよい。連結リブ4b1は、直線状に延び、中央部4b11が凸で薄厚になっている。係合凹部4b2は、先端部4b21が内周方向に開口している。この連結リブ4b1と係合凹部4b2との間に、凹み部4b3が形成される。
【0047】
分割ポール体4は、長手方向の両方の側部に凹み部4e,4fを有し、凹み部4eは雄嵌合部4a側に形成され、凹み部4fは雌嵌合部4b側に形成されている。凹み部4eには長手方向に延びる突起4e1が形成され、凹み部4fには長手方向に延びる突起4f1が形成されている。
【0048】
また、分割ポール体4の両側部には、長手方向に延びる部材取付溝4kと溝カバー取付溝4lが、突条4m,4nによって形成されている。また、分割ポール体4は、長手方向の両方の側部に締め付け部材を螺着する取付部4o,4pが形成されている。
【0049】
分割ポール体4をリベットで分割ポール体3に連結する構成は、
図3において説明した通りであり、分割ポール体4をカシメで分割ポール体3に連結する構成は、
図4において説明した通りであるから説明を省略する。
【0050】
分割ポール体4の雄嵌合部4aと、複数のうち他方の分割ポール体3の雌嵌合部3bとを嵌合して組み立てた状態で、凹み部4eの突起4e1と凹み部3fの突起3f1とにより長手方向に延びる部材取付溝4gと溝カバー取付溝4hが形成され、第1の実施の形態と同様にアタッチメント12を取付可能にし、溝カバー13を係合可能としている。
【0051】
分割ポール体4の両端部には、蓋体5を当てがい、スクリュウビス6によって固定する。スクリュウビス6の先端部は、分割ポール体4の両端部において両側部に形成されている取付部4o,4pにねじ込み固定される。
【0052】
このように、分割ポール体4は、外側部に長手方向に延びる部材取付溝4kを形成し、部材取付溝4kの所定位置に部材としてナット部材10を取り付けることで、アタッチメント12を簡単、かつ確実に取付けることができる。
【0053】
(第3の実施の形態)
この実施の形態を、
図13及び
図14に基づいて説明する。
図13は組立式ポールの平面図、
図14は分割ポール体の平面図である。複数に分割した2個の分割ポール体7は、板状に形成され、外側部が平面である。この分割ポール体7は、平面において長手方向の一方の側部に雄嵌合部7aを有し、長手方向の他方の側部に雌嵌合部7bを有し、他の複数の分割ポール体3は、第1の実施の形態のように構成され、同じ符号を付して説明を省略する。
【0054】
雄嵌合部7aは、厚み方向の中央位置に周方向に延びる連結リブ7a1を有し、内周側位置に周方向に延びる係合凸部7a2を有する。この実施の形態では、厚み方向の中央位置に連結リブ7a1が形成されているが、中央位置にから内外方向にずれた位置に形成してもよい。連結リブ7a1は、直線状に延び、中央部7a11が凹み薄肉になっている。係合凸部7a2は、先端部7a21が連結リブ7a1の方向に曲がっている。この連結リブ7a1と係合凸部7a2との間に、凹み部7a3が形成される。
【0055】
雌嵌合部7bは、厚み方向の中央位置に周方向に延びる連結リブ7b1を有し、内周側位置に周方向に延びる係合凹部7b2を有する。この実施の形態では、厚み方向の中央位置に連結リブ7b1が形成されているが、中央位置にから内外方向にずれた位置に形成してもよい。連結リブ7b1は、直線状に延び、中央部7b11が凸で薄厚になっている。係合凹部7b2は、先端部7b21が内周方向に開口している。この連結リブ7b1と係合凹部7b2との間に、凹み部7b3が形成される。
【0056】
分割ポール体7は、長手方向の両方の側部に凹み部7e,7fを有し、凹み部7eは雄嵌合部7a側に形成され、凹み部7fは雌嵌合部7b側に形成されている。凹み部7eには長手方向に延びる突起7e1が形成され、凹み部7fには長手方向に延びる突起7f1が形成されている。
【0057】
分割ポール体7をリベットで分割ポール体3に連結する構成は、
図3において説明した通りであり、分割ポール体7をカシメで分割ポール体3に連結する構成は、
図4において説明した通りであり、説明を省略する。
【0058】
分割ポール体7の雄嵌合部7aと、複数のうち他方の分割ポール体3の雌嵌合部3bとを嵌合して組み立てた状態で、凹み部7eの突起7e1と凹み部3fの突起3f1とにより長手方向に延びる部材取付溝7gと溝カバー取付溝7hが形成され、第1の実施の形態と同様にアタッチメント12を取付可能にし、溝カバー13を係合可能としている。
【0059】
このように、複数に分割した少なくとも1個の分割ポール体7は、外側部が平面であり、両側部に長手方向に延びる部材取付溝7gと溝カバー取付溝7hを形成し、アタッチメント12を簡単、かつ確実に取付けることができる。
【0060】
(第4の実施の形態)
この実施の形態は、円形状以外の組立式ポールの分割ポールを示し、
図15は四角形状の組立式ポールの分割ポール体の平面図、
図16は八角形状の組立式ポールの分割ポール体の平面図である。
【0061】
図15の実施の形態では、4個の分割ポール体70を組み立てて四角形状の組立式ポールとし、分割ポール体70は、平面において長手方向の一方の側部に雄嵌合部70aを有し、長手方向の他方の側部に雌嵌合部70bを有し、この雄嵌合部70a及び雌嵌合部70bは、第1乃至第3の実施の形態と同様に形成される。
【0062】
また、分割ポール体70は、長手方向の両方の側部に凹み部70e,70fを有し、この凹み部70e及び凹み部70fも第1乃至第3の実施の形態と同様に形成される。分割ポール体70をリベットで連結する構成は、
図3において説明した通りであり、分割ポール体70をカシメで連結する構成は、
図4において説明した通りであり、説明を省略する。
【0063】
図16の実施の形態では、4個の分割ポール体80を組み立てては八角形状の組立式ポールとし、分割ポール体80は、平面において長手方向の一方の側部に雄嵌合部80aを有し、長手方向の他方の側部に雌嵌合部80bを有し、この雄嵌合部80a及び雌嵌合部80bは、第1乃至第3の実施の形態と同様に形成される。
【0064】
また、分割ポール体80は、長手方向の両方の側部に凹み部80e,80fを有し、この凹み部80e及び凹み部80fも第1乃至第3の実施の形態と同様に形成される。分割ポール体80をリベットで連結する構成は、
図3において説明した通りであり、分割ポール体70をカシメで連結する構成は、
図4において説明した通りであり、説明を省略する。
【0065】
[組立式ポールの組立方法の構成]
この実施の形態の組立式ポールの組立方法を、
図17乃至
図25に基づいて説明する。
図17は第1段目と第2段目とのポール組立を示す縦断面図、
図18は第1段目と第2段目の連結ブロックの組付け状態を示す平面図、
図19は
図18のXIX−XIX線に沿う断面図、
図20は
図18のXX−XX線に沿う断面図、
図21は第2段目と第3段目とのポール組立を示す縦断面図、
図22は第2段目と第3段目との連結部の横断面図、
図23は連結ブロックの固定部の断面図、
図24は連結ブロックの組付け部の断面図、
図25は第3段目の頂部の縦断面図である。
【0066】
この実施の形態の組立式ポールの組立方法では、第1の実施の形態の組立式ポールを3個の複数用いているが、これに限定されず2個でも、4個でもよく複数用い、複数の組立式ポール1の径を変えて多段に伸縮可能にする。
【0067】
まず、第1段目と第2段目とのポール組立は、
図17に示すように、外側に位置する第1段目の組立式ポール1Aは内径方向に突出するように付勢する位置決めストッパー20を有し、この位置決めストッパー20を、内側に位置する第2段目の組立式ポール1Bで外径方向へ押動するように組付ける。
【0068】
また、第1段目のポール組立1Aの頂部に、
図18乃至
図20に示すように、連結ブロック21を固定する。この連結ブロック21は、一対の内側挿入部21a、外側挿入部21b、中間挿入部21cを有し、第1段目のポール組立1Aの分割ポール体3を連結した部分において、上方位置から差し込み、スクリュウねじ22を連結ブロック21から分割ポール体3の端部にねじ込んで固定する。分割ポール体3の空洞部8に、外側挿入部21bと中間挿入部21cが挿入され、かつ内側挿入部21aと中間挿入部21cによって空洞部8を形成する内側壁が挟まれることで、分割ポール体3の連結部が補強される。
【0069】
次に、内側に位置する第2段目の組立式ポール1Bを外側に位置する第1段目の組立式ポール1Aに対して伸張させ、内側に位置する第2段目の組立式ポール1Bの下端部まで伸ばすと、位置決めストッパー20が下端部から外れて押動が解除される。これにより、位置決めストッパー20で内側に位置する第2段目の組立式ポール1Bの端部を止めすることができる。
【0070】
この状態で、連結ブロック21と内側に位置する第2段目の組立式ポール1Bとの間に楔23を差し込み、楔23を覆うように、内側に位置する第2段目の組立式ポール1Bと連結ブロック21の端部との間をコーキング材24でシールして組み付ける。
【0071】
第2段目と第3段目とのポール組立は、
図21乃至
図25に示すように、内側に位置する第3段目の組立式ポール1Cを外側に位置する第2段目の組立式ポール1Bに対して伸張させる。第2段目の組立式ポール1Bの頂部に、連結ブロック31の挿入部31aを第2段目の組立式ポール1Bに差し込み、スクリュウねじ32を連結ブロック31から第2段目の組立式ポール1Bの端部にねじ込んで固定し、かつボルト35を連結ブロック31から第2段目の組立式ポール1の端部にねじ込んで固定する。
【0072】
さらに、連結ブロック31と内側に位置する第3段目の組立式ポール1との間に楔33を差し込み、楔33を覆うように、内側に位置する第3段目の組立式ポール1と連結ブロック31の端部との間をコーキング材34でシールして組み付ける。
【0073】
第3段目の組立式ポール1の頂部に連結ブロック40を載せ、この連結ブロック40の上にキャップ41を載せ、取付ボルト42をキャップ41から連結ブロック40に挿通して第3段目の組立式ポール1の頂部にねじ込んで固定する。
【0074】
[組立式ポールの利用例]
この実施の形態の利用例を、
図26に基づいて説明する。
図26(a)は風力発電機の支柱、
図26(b)は照明機器の支柱、
図26(c)は時計台の支柱、
図26(d)は看板の支柱、
図26(e)はアンテナ装置の支柱、
図26(f)はサイン表示の支柱、
図26(g)はネットの支柱であるが、これに限定されず測定機器の支柱など種々な用途に用いられる。
【0075】
このように、組立式ポールを複数用い、複数の組立式ポールの径を変えて多段に伸縮可能にとし、軽量で、強度を有し、しかも嵩張らずに簡単に運搬することが可能な組立式ポールを簡単に組立てることができる。