(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、ヘッドフォンはそのインピーダンスや効率により、同じ出力であっても大きなレベル差が生じる可能性があり、ボリュームを上げたままヘッドフォンを差し替えると、過大音量が出力されるおそれがある。特許文献1では、ヘッドフォン抜き出し時に電子ボリュームの音量を自動的にゼロに設定する(電気的に信号出力レベルをゼロに設定する)ことで過大音量を防止することが可能であるが、アナログボリュームの場合に問題となり得る。また、電源ON/OFF時のミュート制御については特に記載されておらず、ヘッドフォンを挿入したまま電源をOFFからONにすると、ボリュームの設定状況によっては過大音量が出力される可能性がある。
【0007】
一方、特許文献2では、ボリューム設定がなされるまでミュート状態が維持されることから、ボリューム設定が完了するまで音声出力を確認できない問題がある。また、ボリューム設定を間違えると、ミュートが解除された時に過大音量が出力される問題がある。
【0008】
以上のような問題は、ヘッドフォンを差し替えた場合のみならず、入力ソースを切り替えた場合にも生じ得る。
【0009】
本発明の目的は、ヘッドフォンを差し替えた場合や入力ソースを切り替えた場合における過大音量出力を防止するとともに、電源OFFから電源ONに移行した場合の過大音量出力も防止できるオーディオ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のミュート機能を備えるオーディオ装置は、ヘッドフォンの挿入を検出する第1検出手段と、ボリューム位置を検出する第2検出手段と、電源ON状態であって、前記第1検出手段でヘッドフォンの挿入が検出されない場合に音声信号を出力しないミュート状態に移行し、前記第1検出手段でヘッドフォンの挿入が検出された場合であって前記第2検出手段でボリューム位置が無音状態または無音状態近傍まで設定されたことを検出しない場合にミュート状態を維持し、前記第1検出手段でヘッドフォンの挿入が検出された場合であって前記第2検出手段でボリューム位置が無音状態または無音状態近傍まで設定されたことを検出した場合にミュート状態を解除する制御手段を備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、入力ソースの切替を検出する第1検出手段と、ボリューム位置を検出する第2検出手段と、電源ON状態であって、前記第1検出手段で入力ソースの切替が検出された場合に音声信号を出力しないミュート状態に移行し、前記第1検出手段で入力ソースの切替が検出されない場合であって前記第2検出手段でボリューム位置が無音状態または無音状態近傍まで設定されたことを検出しない場合にミュート状態を維持し、前記第1検出手段で入力ソースの切替が検出されない場合であって前記第2検出手段でボリューム位置が無音状態または無音状態近傍まで設定されたことを検出した場合にミュート状態を解除する制御手段を備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、ヘッドフォンの
抜き出し及び再挿入を検出する第1検出手段と、ボリューム位置を検出する第2検出手段と、電源ON状態であって、前記第1検出手段でヘッドフォンの
抜き出し及び再挿入が検出されない場合に音声信号を出力しないミュート状態に移行し、前記第1検出手段でヘッドフォンの
抜き出し及び再挿入が検出された場合であって前記第2検出手段でボリューム位置が無音状態または無音状態近傍まで設定されたことを検出しない場合にミュート状態を維持し、前記第1検出手段でヘッドフォンの
抜き出し及び再挿入が検出された場合であって前記第2検出手段でボリューム位置が無音状態または無音状態近傍まで設定されたことを検出した場合にミュート状態を解除する制御手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ヘッドフォンを差し替えた場合や入力ソースを切り替えた場合、ヘッドフォンの挿抜の場合に一旦ミュート状態に移行し、ボリューム位置が無音状態又は無音状態近傍まで設定されない限りミュート状態が維持され、ボリューム位置が無音状態又は無音状態近傍まで設定されてミュート状態が解除されて音声出力が可能となるので、意図しない過大音声出力を確実に防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。
【0016】
図1に、本実施形態におけるオーディオ装置の回路構成を示す。
【0017】
オーディオ装置は、ミュート(MUTE)制御回路10を備え、このミュート制御回路10でミュートのON/OFFを制御する。
【0018】
ミュート制御回路10は、アナログボリューム13のボリューム位置を検出するボリューム位置検出スイッチ12と、ヘッドフォンジャックにヘッドフォンのプラグが挿入されたことを検出するヘッドフォン検出スイッチ14と、ORゲート16と、ANDゲート20と、電源回路18を備える。ミュート制御回路10の出力、すなわちANDゲート20の出力は、ミュートスイッチ24に供給されてミュートのON/OFFを制御する。
【0019】
ミュートスイッチ24は、音声信号を増幅するアンプ22の出力をヘッドフォン26に出力するか(ミュートOFF:ミュートの解除状態)、あるいはアンプ22の出力を遮断するか(ミュートON)を切り替えるスイッチである。ミュートスイッチ24がONのときにミュート解除状態となって音声信号がヘッドフォン26に出力され、ミュートスイッチ24がOFFのときにミュート状態となって音声信号はヘッドフォン26に出力されない。
【0020】
ボリューム位置検出スイッチ12は、アナログボリューム13の位置を検出するスイッチであり、具体的にはアナログボリューム13の位置が−∞(無音状態)位置にあることを検出する。アナログボリューム13の位置が−∞位置のときに、検出スイッチがOFFとなり、インバータで反転されてHi信号を出力する。アナログボリューム13の位置が−∞位置以外のときに、検出スイッチがONとなり、インバータで反転されてLow信号を出力する。ボリューム位置検出スイッチ12からの検出信号は、ORゲート16に供給される。
【0021】
ヘッドフォン検出スイッチ14は、ジャックにヘッドフォンプラグが挿入されたことを検出するスイッチであり、ヘッドフォンプラグが挿入されたときにHi信号を出力し、それ以外のときにLow信号を出力する。ヘッドフォン検出スイッチ14からの検出信号は、ANDゲート20に供給される。
【0022】
ORゲート16の一方の端子には、ボリューム位置検出スイッチ12からの検出信号が供給され、他方の端子にはANDゲート20からの出力信号が供給される。ORゲート16は、2つの入力信号の論理和を演算してANDゲート20に出力する。
【0023】
電源回路18は、ACプラグと、整流回路と、電源電圧検出回路と、遅延回路と、電源断検出回路と、インバータとを備える。
【0024】
電源電圧検出回路及び遅延回路は、電源がONされたことを検出し、回路が安定するまでの一定の時間を遅延時間として確保してHi信号を出力する。また、電源断検出回路及びインバータは、電源がOFFされたことを検出してLow信号を出力する。言い換えれば、電源がOFFされていないことを検出してHi信号を出力する。電源回路18からの2つの信号(電源がONされたことを検出する信号、及び電源がOFFされていないことを検出する信号)は、ANDゲート20に供給される。
【0025】
ANDゲート20は、ORゲート16からの出力と、ヘッドフォン検出スイッチ14からの出力と、電源回路18からの2つの出力の4つの出力の論理積を演算し、演算結果をミュートスイッチ24に供給してミュートのON/OFFを制御する。ANDゲート20は、ORゲート16からの出力と、ヘッドフォン検出スイッチ14からの出力と、電源回路18からの出力の全てがHiの場合に出力がHiとなり、この場合にミュートスイッチ24がONとなってミュートが解除される。一方、ANDゲート20は、ORゲート16からの出力と、ヘッドフォン検出スイッチ14からの出力と、電源回路18からの出力のいずれかがLowの場合に出力がLowとなり、この場合にミュートスイッチ24がOFFとなってミュート状態となる。
【0026】
また、ANDゲート20の出力は、既述したように、ORゲート16の一方の端子にも供給される。従って、ANDゲート20の出力がHiとなれば、ボリューム位置検出スイッチ12からの検出信号がLowであったとしても、ORゲート16からはHi信号が出力される。この状態は、ANDゲート20の出力がLowとなるまで保持される。
【0027】
このような構成において、次に、本実施形態におけるミュート制御回路10の動作について具体的に説明する。
【0028】
(1)電源OFF状態
電源OFF状態では、電源回路18からの信号はLow信号であるためANDゲート20の出力はLowであり、ミュートスイッチ24はOFFとなってミュート状態が維持される(電源OFF状態は通電されていない状態であるため、全ての出力状態がLowであるといえる)。
【0029】
(2)電源ON状態でヘッドフォンプラグがジャックに挿入されていない状態
電源がONされると、電源回路18から一定の遅延時間後にHi信号が出力される。但し、ヘッドフォン検出スイッチ14からはヘッドフォンプラグがジャックに挿入されていないためLow信号が出力されるためANDゲート20の出力はLowであり、ミュートスイッチ24はOFFとなってミュート状態が維持される。
【0030】
(3)電源ON状態でヘッドフォンプラグがジャックに挿入された状態
電源がONされ、ヘッドフォンプラグがジャックに挿入されると、ヘッドフォン検出スイッチ14からHi信号が出力される(LowからHiに切り替わる)。従って、ミュートのON/OFFは、ボリューム位置検出スイッチ12からの信号により決定される。
【0031】
すなわち、アナログボリューム13が−∞位置以外の場合、例えばアナログボリューム位置が一定のレベル位置(−∞位置以外の任意のレベル位置)にある場合には、ボリューム位置検出スイッチ12からLow信号が出力されるため、ANDゲート20の出力はLowであり、たとえヘッドフォンプラグがジャックに挿入されていてもミュートスイッチ24はOFFとなってミュート状態が維持される。
【0032】
一方、アナログボリューム13が−∞位置の場合、ボリューム位置検出スイッチ12からHi信号が出力されるため、ANDゲート20の出力はHiとなり、ミュートスイッチ24はONとなってミュートが解除される。但し、ミュートが解除されても、この状態はアナログボリューム13が−∞位置にあるため、直ちに音声信号が出力されることはない。この状態からユーザがアナログボリューム13を操作して一定のレベルまで上げると、ボリューム位置検出スイッチ12からLow信号が出力されるが、ORゲート16の他方端子にはANDゲート20の出力のHi信号が供給されるため、ORゲート16の出力はHiのまま保持され、ANDゲート20の出力もHiのまま維持される。従って、ミュートスイッチ24もONのままで、ミュートが解除された状態が維持され、アナログボリューム13で設定されたレベルの音声信号がヘッドフォン26から出力される。
【0033】
図2及び
図3に、電源ON状態でヘッドフォンプラグがジャックに挿入された場合の、ANDゲート20の入出力状態とミュートスイッチ24の状態を示す。
【0034】
図2は、アナログボリューム13の位置が−∞以外の位置の場合の状態である。ANDゲート20の入力のうち、ボリューム位置検出スイッチ12からの信号がLow信号(図ではLで示す)であるため、ANDゲート20の出力はLowとなり、ミュートスイッチ24はOFFとなってミュート状態となる。従って、アナログボリューム13が一定のレベルに設定されていても、音声信号は出力されない。
【0035】
図3は、ユーザがアナログボリューム13を−∞位置まで回した場合の状態である。ANDゲート20の入力のうち、ボリューム位置検出スイッチ12からの信号もHi信号(図ではHで示す)となるため、ANDゲート20の出力はHiとなり、ミュートスイッチ24はONとなってミュート解除となる。従って、この状態からユーザがアナログボリューム13を回して一定のレベルに設定すると、そのレベルで増幅された音声信号が出力される。
【0036】
(4)電源ON状態でヘッドフォンを差し替えるためにヘッドフォンプラグをジャックから抜き出し、その後に再挿入した状態
ヘッドフォンプラグをジャックから抜き出すと、ヘッドフォン検出スイッチ14からLow信号が出力されるため、ANDゲート20の出力はLowとなり、ミュートスイッチ24はOFFとなってミュート状態に移行する。
【0037】
図4に、この場合のANDゲート20の入出力状態とミュートスイッチ24の状態を示す。ANDゲート20の入力のうち、ヘッドフォン検出スイッチ14からの信号がLow信号(図ではLで示す)であるため、ANDゲート20の出力はLowとなり、ミュートスイッチ24はOFFとなってミュート状態となる。従って、アナログボリューム13が一定のレベルに設定されていても、音声信号は出力されない。
【0038】
ヘッドフォンプラグをジャックに再挿入すると、ヘッドフォン検出スイッチ14からHi信号が出力される。従って、ミュートのON/OFFは、(2)の場合と同様に、ボリューム位置検出スイッチ12からの信号により決定される。
【0039】
すなわち、アナログボリューム13が−∞位置以外の場合、ボリューム位置検出スイッチ12からLow信号が出力されるため、ANDゲート20の出力はLowであり、たとえヘッドフォンプラグがジャックに挿入されていてもミュートスイッチ24はOFFとなってミュート状態が維持される(
図2参照)。従って、差し替え前のヘッドフォン26と差し替え後のヘッドフォン26のインピーダンスが異なっていても、過大音量が出力されることを有効に防止できる。
【0040】
一方、アナログボリューム13が−∞位置の場合、ボリューム位置検出スイッチ12からHi信号が出力されるため、ANDゲート20の出力はHiとなり、ミュートスイッチ24はONとなってミュートが解除される。ユーザがアナログボリューム13を操作して一定のレベルまで上げると、アナログボリューム13で設定されたレベルの音声信号がヘッドフォン26から出力される(
図3参照)。
【0041】
このように、本実施形態では、オーディオ装置の電源がON状態とされた後は、一定の時間(遅延回路での遅延時間)が経過するまでミュート状態を維持し、その後に、ミュート解除が可能な状態となるが、へッドフォン26がジャックに挿入され、かつ、アナログボリューム13が−∞位置に設定されない限り、ミュートが維持され続けるため、電源ONした後にアナログボリューム13が一定のレベルに設定されていることによる予期しない過大音量が出力される事態を防止できる。
【0042】
また、ヘッドフォン26をインピーダンスの異なる別のヘッドフォン26に差し替えたとしても、ヘッドフォン26を抜き出した時点で自動的にミュート状態となり、別のヘッドフォン26を挿入してもアナログボリューム13が−∞位置に設定されない限りミュート状態が維持されるため、インピーダンスの相違により過大音量が出力される事態を防止できる。
【0043】
なお、オーディオ装置に習熟したユーザは、ヘッドフォン26を差し替える際には、一旦、アナログボリューム13を−∞位置まで回して無音状態とした後に、ヘッドフォン20を抜き出して別のヘッドフォン26を挿入し、しかる後にアナログボリューム13を−∞位置から所望の位置まで回して所望のレベルに設定するのが一般的であるが、本実施形態のミュート制御回路10は、このような操作と整合性があるといえる。すなわち、このようなユーザにとっては、ヘッドフォン26の差し替え時にはアナログボリューム13を−∞位置から所望の位置まで回して所望のレベルに設定するから、このタイミングでミュート状態が解除され、ユーザは何らの違和感を覚えることなく別のヘッドフォン26での音質等を楽しむことができる。
【0044】
もちろん、オーディオ装置に習熟していないユーザにとっても、ヘッドフォン26の差し替え時にアナログボリューム13が一定のレベルのままであったとしてもミュート状態が維持されるため、過大音量が確実に防止される。
【0045】
本実施形態は、不特定多数のユーザが、種々のヘッドフォンを装着して視聴し得る環境において特に有効であろう。
【0046】
本実施形態において、ANDゲート20の出力をLEDに供給することで、ミュートのON/OFFをLEDで視認可能に表示することもできる。例えば、ANDゲート20の出力がLowのときにミュートのLEDを点灯させてミュート状態にあることをユーザに知らせる等である。アナログボリューム13を一定のレベルに設定したままユーザがヘッドフォン26を別のヘッドフォン26に差し替えると、ミュートのLEDが点灯し、ユーザにミュート状態に移行したことを報知する。ユーザが、アナログボリューム13を−∞位置まで回すとミュートのLEDが消灯し、ユーザに音声出力可能であることを報知する。
【0047】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
【0048】
例えば、本実施形態では、アナログボリューム13の位置が−∞位置に設定された場合にミュート状態を解除しているが、必ずしも厳密に−∞位置ではなく、−∞近傍に設定された場合にミュート状態を解除してもよい。あるいは、アナログボリューム13が、少なくとも−∞位置またはその近傍に向けて有意に操作されたことを検出してミュート状態を解除してもよい。要するに、たとえヘッドフォン26のインピーダンスや効率が異なっていたとしても、過大音量とはならない程度のレベルまでアナログボリュームのレベルが小さく設定されたことをトリガとしてミュート状態を解除すればよい。
【0049】
また、本実施形態では、特にヘッドフォン26の差し替え時のミュートについて説明したが、入力ソースの切替、例えば入力ソースをCDからPCに切り替える場合にも同様に適用することができる。この場合、ヘッドフォン検出スイッチ14に代えて、入力ソースの切替検出スイッチを用いることができる。
【0050】
図5に、この場合の構成を示す。入力ソースの切替検出スイッチ15は、入力ソースの切替に連動し、切替が生じたタイミングでLow信号をANDゲート20に出力し、それ以外はHi信号をANDゲート20に出力する。入力ソースの切替が生じた場合に、入力ソース切替検出スイッチ15からの信号が一時的にLow信号となるためANDゲート20の出力はLowとなり、ミュートスイッチ24をOFFにして一旦ミュート状態に移行する。その後は(入力ソースが新たなソースに切り替わった後であって切替が検出されない場合に)、アナログボリューム13が−∞位置またはその近傍に設定されない限り、ボリューム位置検出スイッチ12からの信号はLow信号のままであるためミュート状態が維持される。これにより、たとえアナログボリューム13の位置が一定のレベル(−∞位置またはその近傍位置以外の任意のレベル)のまま入力ソースを切り替えても、過大音量を防止できる。なお、ヘッドフォンの差し替えと入力ソースの切替によるミュートを使用してもよいことは言うまでもない。
【0051】
また、本実施形態では、ヘッドフォンアンプを想定して説明したが、スピーカ出力が可能なアンプにも適用可能である。スピーカ出力が可能なアンプの場合、
図1の回路ではヘッドフォンプラグがジャックから抜き出されている場合、ヘッドフォン検出スイッチ14がLow信号を出力した状態のままになるため、アナログボリューム13を−∞位置またはその近傍に設定してもミュートが解除されず、スピーカから音声が出力されない。よって、
図6に示すように、例えば、ヘッドフォン出力検出信号をEXORゲート(排他的論理和回路)の一方の入力端子に供給し、遅延回路を介してスピーカ出力検出信号をEXORゲートの他方の入力端子に接続する。EXORゲートの出力信号は、ANDゲート20の入力端子に接続する。ヘッドフォンプラグがジャックに挿入されている場合、ヘッドフォン出力検出信号はHiであり、スピーカ出力検出信号はLowであるため、EXORゲートの出力はHiとなる。この状態でヘッドフォンプラグがジャックから抜き出されると、ヘッドフォン出力検出信号はLowになり、スピーカ出力検出信号はHiとなるが、遅延回路によってスピーカ出力検出信号であるHi信号の入力が遅れるため、遅延回路による遅延時間の間、EXORゲートの入力はともにLowとなる。そのため、EXORゲートの出力は一時的にLowとなり、ANDゲート20の出力をLowとすることができる。遅延時間が経過すると、EXORゲートに入力されるスピーカ出力検出信号がHiとなり、EXORゲートの出力がHiとなるため、ボリューム位置検出スイッチ12からの信号によりミュートのON/OFFを制御することが可能になる。ヘッドフォンプラグをジャックに挿入した場合も同じである。すなわち、ヘッドフォンプラグがジャックから抜き出されている場合、ヘッドフォン出力検出信号はLowであり、スピーカ出力検出信号はHiであるため、EXORゲートの出力はHiとなる。この状態でヘッドフォンプラグがジャックに挿入されると、ヘッドフォン出力検出信号はHiとなり、スピーカ出力検出信号はLowとなるが、遅延回路によってスピーカ出力検出信号であるLow信号の入力が遅れるため、遅延回路による遅延時間の間、EXORゲートの入力はともにHiとなる。そのため、遅延時間の間は、EXORゲートの出力は一時的にLowとなり、ANDゲート20の出力をLowとすることができる。遅延時間が経過すると、EXORゲートに入力されるスピーカ出力検出信号がLowとなり、EXORゲートの出力がHiとなるため、ボリューム位置検出スイッチ12からの信号によりミュートのON/OFFを制御することが可能になる。
【0052】
なお、遅延回路はスピーカ出力検出しん号の供給ライン側ではなくヘッドフォン出力検出信号の供給ライン側に設けてもよい。
【0053】
また、スピーカ出力検出信号及び/又はヘッドフォン出力検出信号の変化を検出し、モノマルチバイブレータ等によってANDゲート20の入力端子にLowレベルのワンショットパルス信号を供給するようにしてもよい。
【0054】
また、本実施形態では、
図1あるいは
図5に示す回路構成でミュート制御を実現しているが、各種スイッチの検出及びミュート制御をマイコンで実現することも可能である。