(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記稜線部の基端側のパウチ片上に、ノズル部を稜線部の基端側に引く引張成分を有する引張歪を残して外側に凸の引張凸状部を形成し、この引張凸状部で開封されたノズル部の空所を引っ張るようにしてパウチ片同士の開口を促進可能に構成したことを特徴とする請求項1記載のノズル付き包装用パウチ。
前記引張凸状部は、前記稜線部の基端側中央部が凹状の曲線状に形成されるとともに、最稜線部側の引張凸状部は、その両端部を結ぶ直線が前記稜線部と交差するように配置されて構成されていることを特徴とする請求項2記載のノズル付き包装用パウチ。
少なくとも最内面の柔らかい内面フィルムと外面側の強度の高い外面フィルムとがラミネートされた積層合成樹脂フィルムからなるパウチ片を重ね合わせて側縁部が側部シールされ、下縁部を底部シールして上縁部が開口された内容物充填用の空所を形成するとともに、開封予定位置に向かって当該空所の幅を狭めた注出用のノズル部が周縁部をシールして形成されたノズル付き包装用パウチを製造するに際し、
前記パウチ片を冷間で厚み方向に圧縮成形し、当該圧縮成形部を外面側に張り出させるようにしたノズル付き包装用パウチの製造方法であって、
前記シールの施されたシール部と前記空所とを跨ぐように冷間で厚み方向に圧縮成形し、前記シール部際の空所に伸び歪を生成して少なくとも一方のパウチ片に外側に凸の凸状部を形成することを特徴とするノズル付き包装用パウチの製造方法。
周縁部がシールされた前記ノズル部の基端側のパウチ片上に、外側に凸の引張凸状部を冷間で圧縮成形して形成するようにし、ノズル部を基端側に引く引張成分を有する引張歪を生成するようにしたことを特徴とする請求項7記載のノズル付き包装用パウチの製造方法。
【背景技術】
【0002】
液体や粉体などの流動性を有する内容物を密封包装し、ノズル部を介して別の容器に移し替えて使用するためなどの詰め替え用としてノズル付き包装用パウチが用いられている。
このノズル付き包装用パウチは、例えばスタンディングパウチとされ、プラスチックフィルム状の表面パウチ片と裏面パウチ片の間に底部パウチ片を折り重ねて挟み込んで周縁部をヒートシールして展開可能な底部を備えた内容物充填用の空所が形成されるとともに、注出用のノズル部がパウチの上方のコーナー部に形成されたり、上方の中央部等に形成される。
この注出用のノズル部は、例えば易開封加工部などの開封予定位置に向かって空所の幅を狭めるように形成され、先端部に開封用のタブが設けられて周縁部がヒートシールされて形成される。
【0003】
このようなノズル付き包装用パウチでは、ノズル部の重なった表面パウチ片と裏面パウチ片同士が密着して内容物が流出し難くいという課題があり、流路を確保するため種々の提案がなされている。
例えば特許文献1に開示された注出機能付き包装袋では、包装用パウチの開封後に注出口となる部分に開口補助機構とこれに隣接あるいは併設して折れ曲がり防止機構をエンボス加工して形成するようにし、注出口を容易に形成することができ、注出口の折れ曲がりを防止して流れを保ちながら容易に内容物を取り出すことができるようにしている。
【0004】
また、特許文献2に開示されたパウチ容器では、重ね合わされたパウチ素材がシールされて胴部とそれに連通するノズルとが構成されて内容液を収容するパウチ容器で、パウチ素材が構成するパウチの壁のうちノズルの壁の少なくとも一部分またはノズルの壁の少なくとも一部分とこれに連続する胴部の壁の少なくとも一部分からなる領域にパウチの壁上のノズルの中心線に関して線対称または非対称である面状、点状および/または線状の形状からなるパウチの壁を外側に張り出し加工をした張り出し加工部を形成するようにし、これら面状、点状、または線状の形状からなる張り出し加工部によってノズルに所望の剛性を持たせ、開口状態を維持することができるようにしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、このようなノズル付き包装用パウチでは、予め2枚のパウチ片をヒートシールしてパウチの状態とした後に、注出口となる部分に開口補助機構とこれに隣接あるいは併設して折れ曲がり防止機構をエンボス加工することはできず、同様に、予め2枚のパウチ素材をヒートシールしてパウチの状態とした後に、パウチの壁を外側に張り出す張り出し加工で面状、点状、または線状の形状からなる張り出し加工部を加工することができず、それぞれのパウチ片やパウチ素材の段階で予めエンボス加工や張り出し加工を施す必要があり、工数の増大を招くという問題がある。
また、小口径の容器に詰め替えたい場合などのようにノズル部を細くしようとすると、張り合わせのためのずれを考慮しなければならず、ノズル部の周縁部のヒートシール部の幅は、シール性確保のため一定幅以下にはできないため、流路となる空所の幅が狭くなって相対的にヒートシール部の幅が広くなってしまう。
このヒートシール部は表裏面パウチ片が重なった状態で一体化されていることから剛性が高く、特にノズル部先端近傍は、空所の先端および両側を取り囲んでヒートシール部が形成されることから一層剛性が高く、ノズル部を平坦な状態に維持しようとする作用が大きく、通常の幅のノズル部に比べて広がり難く安定して内容物を取り出すことができないという問題がある。
また、ノズル部の空所を円形断面などに立体成形することで流路を確保することも提案されているが、外側からの力で一方側のパウチ片が押しつぶされると、復元することができず、内容物の取り出しが困難になるという問題もある。
一方、ノズル部の流路を確保するため、ノズル部の空所にパイプを予め挿入して組み込んだパイプ式包装用パウチもあるが、オールフィルムのノズル付き包装用パウチに比べ、製造工程が増大したり、内容物の充填前の保管や輸送の際にノズル部分のパイプが重なると積み上げ難く、スペース効率が悪いという問題がある。
【0007】
この発明はかかる従来技術の有する課題を解決するためになされたもので、ノズル部にパイプを組み込まなくても、内容物の注出用のノズル部の開口を促すことができ安定した注出性を確保できるとともに、容易に製造できるノズル付き包装用パウチおよびその製造方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記従来技術が有する課題を解決するため鋭意研究開発を進めたところ、包装用パウチに用いられる積層合成樹脂フィルムは、通常、最内面がヒートシール性を有する柔らかいフィルム、例えばポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルムなどで、外面側に強度の高い延伸フィルム、例えばポリアミドフィルムやポリエステルフィルムなどが積層された多層フィルムである。このような多層フィルムに対し、冷間で立体成形したい部位を厚み方向に圧縮成形すると、圧力が解放された後に、圧縮した部位が強度の高いフィルム側に張り出す現象が生じることを見出した。
また、この冷間での立体成形法は、複数枚の多層フィルムを重ねた状態で圧縮成形することもでき、それぞれの多層フィルムの強度の高いフィルム側に張り出すようにしたり、一方の多層フィルムだけに張り出すようにすることも可能であることも見出した。
これにより、2枚のパウチ片をヒートシールしたパウチ状態での加工が可能となり、ヒートシール前に加工する場合のようにヒートシール時には加工歪が解放されるのとは異なり、パウチ片に伸び歪や引張歪を残した状態のまま加工を終えてパウチとすることができ、これらの加工歪をノズル部の開口に利用することを見出し、この発明を完成したものである。
一方、ノズル付き包装用パウチのノズル部では、2枚のフィルムが重ねられて空所の周縁部がヒートシールされており、空所の先端部を開封位置として開封した際に流路を開口した状態で確保しようとすると、2枚の開口部の両側(例えば上下など)のヒートシール部を接近させるようにして、これと交差する方向(例えば左右など)にフィルムが広がるように変形させる必要があり、このために上記の立体成形法による加工歪を利用して押すようにしたり、あるいは引っ張るように変形させることが有効であることが分かり、このような変形を与える歪をパウチ片などに予め残してノズルの開口部を広げるようにして課題を解決しようとするものであり、完成したこの発明の具体的な構成は、以下のとおりである。
【0009】
すなわち、この発明の請求項1記載のノズル付き包装用パウチは、
少なくとも最内面の柔らかい内面フィルムと外面側の強度の高い外面フィルムとがラミネートされた積層合成樹脂フィルムからなるフィルム状のパウチ片を重ね合わせ
て側縁部
が側部シール
され、下縁部が底部シールされて上縁部が開口された内容物充填用の空所が形成されるとともに、開封予定位置に向かって
前記空所の幅を狭めた注出用のノズル部が周縁部をシールして形成されたノズル付き包装用パウチであって、
前記ノズル部の重なった前記パウチ片には
、
それぞれ
前記ノズル部の中心軸線に沿って
形成された外側に凸の稜線部
と、
少なくとも一方に冷間で厚み方向に圧縮成形された圧縮成形部と、
前記圧縮成形部を外面側に張り出させるようにして伸び歪を残して
形成された外側に凸の凸状部
と、を備えており、
前記凸状部
に残された前記伸び歪で、開封予定位置で開封されたノズル部空所を両側縁から
前記稜線部に向けて押すようにして
前記ノズル部の開口を促進可能に構成したことを特徴とするものである。
【0010】
この発明の請求項2記載のノズル付き包装用パウチは、請求項1記載の構成に加え、前記稜線部の基端側のパウチ片上に、ノズル部を稜線部の基端側に引く引張成分を有する引張歪を残して外側に凸の引張凸状部を形成し、この引張凸状部で開封されたノズル部の空所を引っ張るようにしてパウチ片同士の開口を促進可能に構成したことを特徴とするものである。
【0011】
この発明の請求項3記載のノズル付き包装用パウチは、請求項2記載の構成に加え、前記引張凸状部は、前記稜線部の基端側中央部が凹状の曲線状に形成されるとともに、最稜線部側の引張凸状部は、その両端部を結ぶ直線が前記稜線部と交差するように配置されて構成されていることを特徴とするものである。
【0012】
この発明の請求項4記載のノズル付き包装用パウチは、請求項2または3記載の構成に加え、前記引張凸状部は、間隔をあけて複数条形成して構成されていることを特徴とするものである。
【0013】
この発明の請求項5記載のノズル付き包装用パウチは、請求項1〜4のいずれかに記載の構成に加え、開封予定位置より先端側の前記ノズル部のシール部を折り重ねて折り重ね部を形成したことを特徴とするものである。
【0014】
この発明の請求項6記載のノズル付き包装用パウチは、請求項1〜5のいずれかに記載の構成に加え、パウチ片の周縁部の側部シール部を折り重ねて側部折り重ね部を形成したことを特徴とするものである。
【0015】
この発明の請求項7記載のノズル付き包装用パウチの製造方法は、少なくとも最内面の柔らかい内面フィルムと外面側の強度の高い外面フィルムとがラミネートされた積層合成樹脂フィルムからなるパウチ片を重ね合わせて側縁部が側部シールされ、下縁部を底部シールして上縁部が開口された内容物充填用の空所を形成するとともに、開封予定位置に向かって当該空所の幅を狭めた注出用のノズル部が周縁部をシールして形成されたノズル付き包装用パウチを製造するに際し、前記パウチ片を冷間で厚み方向に圧縮成形し、当該圧縮成形部を外面側に張り出させるようにしたノズル付き包装用パウチの製造方法であって、前記シールの施されたシール部と前記空所とを跨ぐように冷間で厚み方向に圧縮成形し、前記シール部際の空所に伸び歪を生成して少なくとも一方のパウチ片に外側に凸の凸状部を形成することを特徴とするものである。
【0016】
この発明の請求項8記載のノズル付き包装用パウチの製造方法は、請求項7記載の構成に加え、周縁部がシールされた前記ノズル部の基端側のパウチ片上に、外側に凸の引張凸状部を冷間で圧縮成形して形成するようにし、ノズル部を基端側に引く引張成分を有する引張歪を生成するようにしたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0017】
この発明の請求項1記載のノズル付き包装用パウチによれば、ノズル付き包装用パウチのノズル部の
少なくとも最内面の柔らかい内面フィルムと外面側の強度の高い外面フィルムとがラミネートされた積層合成樹脂フィルムからなるフィルム状の重なったパウチ片に
は、それぞれノズル部の中心軸線に沿って形成された外側に凸の稜線部と、少なくとも一方に冷間で厚み方向に圧縮成形された圧縮成形部と、圧縮成形部を外面側に張り出させるようにして伸び歪を残して形成された外側に凸の凸状部と、を備えることで、開封予定位置で開封されたノズル部空所を凸状部の伸び歪を利用して両側縁から
稜線部に向けて押すようにすることができ、ノズル部の開口を促進し、確実に開口することができる。
【0018】
この発明の請求項2記載のノズル付き包装用パウチによれば、稜線部の基端側のパウチ片上に、ノズル部を稜線部の基端側に引く引張成分を有する引張歪を残して外側に凸の引張凸状部を形成したので、この引張凸状部で、開封されたノズル部の空所をパウチ表面に沿って引っ張るようにすることができ、重なっているパウチ片同士の稜線部を引き離すようにして開口を促進し、確実に開口することができる。
【0019】
この発明の請求項3記載のノズル付き包装用パウチによれば、引張凸状部は、稜線部の基端側中央部が凹状の曲線状に形成してあるので、引張歪の稜線方向の成分で引っ張って開口を促進することができるとともに、最も稜線部に近い引張凸状部の両端部を結ぶ直線が稜線部と交差するように配置してあるので、引張凸状部によってノズル基端部にノズルが倒れる谷線などの直線部ができず、ノズルの倒れを防止することもできる。
【0020】
この発明の請求項4記載のノズル付き包装用パウチによれば、引張凸状部は、間隔をあけて複数条形成してあるので、複数の引張凸状部それぞれから引張歪が生じて加算され、一層確実にノズルを開口することができる。
【0021】
この発明の請求項5記載のノズル付き包装用パウチによれば、開封予定位置より先端側のノズル部のシール部を折り重ねて折り重ね部を形成したので、パウチ片の端面が外側に露出せず、剛性を向上することができ、開封操作がやり易くなる。
【0022】
この発明の請求項6記載のノズル付き包装用パウチによれば、パウチ片の周縁部の側部シール部を折り重ねて側部折り重ね部を形成したので、パウチの側部のパウチ片の端面の露出を防止して剛性を高めることができ、安定した状態で移し替えなどを行うことができる。
【0023】
この発明の請求項7記載のノズル付き包装用パウチの製造方法によれば、ノズル付き包装用パウチを製造するに際し、シールの施されたシール部と空所とを跨ぐように冷間で厚み方向に圧縮成形し、シール部際の空所に伸び歪を生成してパウチ片に外側に凸の凸状部を形成するようにしたので、シール状態のパウチに対して、パウチ片に伸び歪を残して凸状部を形成することができ、開封予定位置で開封されたノズル部空所を両側縁から押してノズル部の開口を促進し、確実に開口するパウチを簡単に製造することができる。
【0024】
この発明の請求項8記載のノズル付き包装用パウチの製造方法によれば、周縁部がシールされたノズル部の基端側のパウチ片上に、外側に凸の引張凸状部を冷間で圧縮成形して形成するようにし、ノズル部を稜線部の基端側に引く引張成分を有する引張歪を生成するようにしたので、引張凸状部をシール後のパウチに対して簡単に成形することができ、この引張凸状部で開封されたノズル部の空所を引っ張るようにしてパウチ片同士の開口を促進し、確実に開口させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、この発明のノズル付き包装用パウチおよびその製造方法の実施の形態について図面に基づき詳細に説明する。
この発明のノズル付き包装用パウチでは、伸び歪ないし引張歪が残った状態となるように凸状部が形成されているのが大きな特徴なので、まず、この発明のノズル付き包装用パウチの製造方法に用いる積層フィルムの立体成形法について説明する。
【0027】
この発明に用いる積層フィルムの立体成形法は、積層フィルムを冷間で厚み方向に圧縮成形することで、圧力を解放した後、圧縮成形部を外面側に張り出させるように立体成形することができるものであり、この積層フィルムの立体成形法では、単体(1枚)の積層フィルムだけでなく、ヒートシールなどで貼り合わせた積層フィルムにも重ね合わせたままで適用できるもので、重ねた積層フィルムの両側への張り出しや片側だけの張り出しも可能なものである。
【0028】
この積層フィルムの立体成形法では、積層フィルムとして、例えば包装用パウチに用いられている積層合成樹脂フィルム10が用いられ、少なくとも最内面の柔らかい内面フィルム11と外面側の強度の高い外面フィルム12とがラミネートされた積層フィルムが用いられる。
包装用パウチの積層合成樹脂フィルム10は、最内面の柔らかい内面フィルム11としてヒートシール性を有するフィルム、例えばポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルムなどが用いられ、外面側の強度の高い外面フィルム12として、例えば延伸フィルムが用いられ、ナイロンフィルムやPETフィルムなどのポリアミドフィルムやポリエステルフィルムなどが用いられる。
なお、内面フィルムと外面フィルムの間、あるいは外面フィルムの外側に、さらに他の合成樹脂フィルムが積層されていても良い。
また、包装用パウチの積層合成樹脂フィルム10では、通常、内面フィルムの厚さが60〜200μm程度とされ、外面フィルムの厚さが10〜20μm程度とされてラミネートされ、内面フィルムの方が外面フィルムより3〜20倍程度厚くなっている。また、積層フィルムの総厚みが、他の層を含む場合は、それも含めて70〜300μm程度となっている。
【0029】
このような積層合成樹脂フィルム10の立体成形法では、
図8に示すように、冷間で立体成形したい部位13を厚み方向に圧縮成形すると、圧縮した部位13が圧力を解放した後に強度の高いフィルム12側に張り出す現象が生じ張出し部14となることを立体成形の原理とするものである。
この圧縮成形による強度の高いフィルム12側への張り出し現象は、積層合成樹脂フィルム10を総厚みの30%程度圧縮した際に出現し、そのメカニズムは必ずしも明らかではないが、厚み方向に圧縮すると、変形するのは、専ら強度の弱い柔軟な内面フィルム11であって、圧縮された面から押し出されるように大きく伸び、強度の高い外面フィルム12はラミネートされていることから内面フィルム11の伸びに応じて伸ばされるが、圧縮力を取り除いた後、内外面フィルム11,12の厚みが復元する際の挙動において、内面フィルム11の復元が大きく、外面フィルム12の復元はわずかで、外面フィルム12に剪断変形的な伸びの影響が伸び歪として残るなど内外面フィルム11,12の間で何らかの違いがあるためと考えられる。
なお、内面フィルムが柔らかいことを示す指標としては様々あるが、例えば、弾性率やヤング率が外面フィルムより小さいこと、あるいは、降伏伸度や破壊伸度が外面フィルムより大きいことなどが挙げられる。
【0030】
この積層合成樹脂フィルム10の厚み方向への冷間での圧縮成形による強度の高い外面フィルム12側への張り出し現象は、
図9に示すように、包装用パウチのように、積層合成樹脂フィルム10の内面フィルム11,11同士を対向させて重ねた状態(少なくとも立体成形する部位は貼り合わせていない状態)で厚み方向に圧縮成形した場合であっても、それぞれの積層合成樹脂フィルムが、強度の高い外面フィルム側に張り出す現象が起こり、両側から厚み方向に圧縮成形する場合であっても、片側から厚み方向に圧縮成形する場合のいずれであっても、厚み方向に30%程度圧縮成形することで、同様に、それぞれの強度の高い外面フィルム側に張り出すように立体成形することができる。
【0031】
また、この積層合成樹脂フィルムの厚み方向への圧縮成形による立体成形法では、冷間で厚み方向に総厚みの30%程度圧縮することで、外面フィルム12、(12)側に張り出すようにできることから、
図10に示すように、圧縮成形装置としては、平面的に圧縮する平面プレス加工装置30や一対の成形ロールを用いて回転しながら圧縮するロータリー加工装置40を用いて立体成形することができる。
また、この立体成形法では、片側からの加工とすれば、必要な形状の金型や成形ロール等を片方だけ用意すれば良く、もう一方は平坦な形状のもので済み、圧縮成形を一層簡単に行うことが可能となる。
なお、平面プレス加工装置やロータリー加工装置のフレームやスライド機構、回転軸受機構、駆動機構などの構成は、従来から使用されているものを適用すれば良く、具体的な説明は省略する。
【0032】
特に、積層合成樹脂フィルム10、(10)を一対の成形ローラ41,42によるロータリー加工装置40で圧縮成形する場合には、成形ロール41,42による加工が点接触または線接触でなされることから、パンチ31とアンビル(受け台)32を面接触させて加工する平面プレス加工装置30に比べ、接触面積が非常に小さく、必要な成形力を簡単に加えることができるとともに、装置自体を小型化し、フレームなどの構造を簡素化することができ、省エネルギー化を図ることができる。さらに、プレスの間欠的な往復運動がなくロールの回転によって加工するので、フィルムを搬送しながら連続的に成形することができ、装置の振動を抑制することもできる。
【0033】
この積層合成樹脂フィルムの立体成形法では、冷間での厚み方向への圧縮成形割合が総厚みの30%程度となるように、
図11にロータリー加工装置40での例を示すように、成形ロール41の加工部43の成形ロール42に対する加工代を調整することで、2枚重ね合わせた積層合成樹脂フィルム10,10のそれぞれの外面フィルム12,12の外面側に張出し部14,14を確実に張り出させることができる。
なお,圧縮成形割合が50%程度を越えると、フィルムにクラックが生じたり破断したりするおそれが出てくる。
【0034】
ロータリー加工においては加工位置が逐次回転方向に移動するため、回転方向Rに沿ってフィルムを送り出す引張力が作用すると同時に、フィルムの噛み込み側にはフィルムを押し出す剪断作用が累積する。前述した原理から推定すると、圧縮成形部からフィルムを押し出そうとする力が大きいほど立体成形の張り出し量も大きくなると考えられ、この点でもロータリー加工による製造が好適である。
ただし、回転方向Rの噛み込み側にフィルムを押し出す作用の累積が大きくなりすぎると、フィルムに皺が生じることがあるので、回転方向Rに沿って加工と解放とが繰り返されるように、加工部を適宜の長さに区切って配置することが望ましい。なお、立体成形の際に、回転方向Rと直角方向に加工部を細分化することによっても、皺の発生を防止することができる。
【0035】
また、この積層合成樹脂フィルムの立体成形法では、加工部43表面の摩擦力が立体成形の張り出し量に影響し、加工部43を構成する金型や成形ロールが金属の平坦面のままよりも、金型や成形ロールの表面をサンドブラスト処理をしたり、金型や成形ロールの表面にセロハンテープ、紙ヤスリ、スポンジなどを貼り付けて摩擦力を増加させた方が、張り出し量が大きくなる。加工部43表面を凹凸形状に加工するなど直接粗面化すること(例えば
図12中に拡大して示す)によっても同様な効果が得られる。
このような作用の原理も詳細は不明だが、外面フィルム12の変形が表面側から拘束されることにより、内面フィルム11と外面フィルム12の間に生じる剪断力が大きくなるためではないかと推定される。
さらに、この積層合成樹脂フィルムの立体成形法では、一方の成形ロール41の加工部43表面の摩擦力を、他方の成形ロール42表面より大きくすることによって、
図12に示すように、主として加工部43により圧縮成形した一方側(図示例では上側)の積層合成樹脂フィルム10の内外面フィルム11、12だけを張り出すように張出し部14を立体成形することができる。
具体的には、成形ロール42表面は金属のままとして、加工部43表面のみを、サンドブラスト処理などの前述した摩擦力を増大させる構成とすればよい。
【0036】
同様に、重ね合わせた積層合成樹脂フィルム10,10の向かい合う内面フィルム11,11間の摩擦力よりも、加工部43表面と一方の側の外面フィルム12の間の摩擦力が大きくなるようにすると、一方の側のみの張出し部14がより明瞭に成形される。
このような現象が起こる理由も定かではないが、他方の側の外面フィルム12と成形ロール42表面の摩擦が小さく、あるいは2枚の積層合成樹脂フィルム10,10間の摩擦が小さくなると、圧縮力が他方の側の積層合成樹脂フィルム10の内外面フィルム11、12間の剪断力に変換される際に滑りが生じて、有効に作用しないためではないかと思われる。
【0037】
さらに、この積層合成樹脂フィルムの立体成形法では、積層合成樹脂フィルム10,10を内面フィルム11,11を対向させて2枚重ねて圧縮成形する場合には、製袋後、内容物の充填前のノズル付き包装用パウチ60のように2枚の積層合成樹脂フィルム10,10で構成した表裏パウチ片61,62がヒートシールされ、両縁部をサイドシールしてサイドシール部(側部シール部)64,64を形成するとともに、底部に2つ折にした底部フィルム63を挟んで底部シールして底部シール部65,65を形成して、上縁部が開口した袋状とされた状態(
図1参照)であってもそのまま圧縮成形することができ、一度の加工で表裏両面10,10の内外面フィルム11,12にそれぞれ張り出し部14,14を加工することができる。
【0038】
この2枚重ねた積層合成樹脂フィルムに対する立体成形法によれば、2枚の積層合成樹脂フィルム10,10が予めヒートシール64,65が施されていることから、2枚の積層合成樹脂フィルム10,10の位置ずれのおそれは全くなく、前後・左右や加工伸びによる位置ずれを考慮する貼り合わせのためのマージンを設ける必要がなく、加工精度を向上することができる。
【0039】
さらに、このような積層フィルムの立体成形法では、積層フィルムの圧縮成形に加えて積層フィルムを切断するフルカット加工、積層フィルムを途中まで切り込むハーフカット加工などの加工を組み合わせて行うことができ、成形ロールによるロータリー加工では、1回転中にこれらの加工を組み合わせて行うことができる。
【0040】
このような積層フィルムの立体成形法および装置によれば、少なくとも最内面の柔らかい内面フィルム11と外面側の強度の高い外面フィルム12とがラミネートされた積層合成樹脂フィルム10を冷間で厚み方向に圧縮成形することで、圧縮成形部13を外面側に張り出させて張出し部14とすることができ、圧縮成形部13を立体成形することができる。
これにより、従来のような加熱や冷却の必要がなく、加工に要する電力などのエネルギを大幅に削減でき、加工時間を短縮して高速加工することができる。
【0041】
次に、積層フィルムの立体成形法を用いるこの発明のノズル付き包装用パウチ60は、
図1に示すように、例えばスタンディングパウチとされ、プラスチックフィルム状の表面パウチ片61と裏面パウチ片62の間に底部パウチ片63を折り重ねて挟み込んで周縁部をヒートシールして左右のサイドシール部(側部シール部)64,64と底部シール部65とを形成して、上辺部が開口し展開可能な底部を備えた袋状の内容物充填用の空所66が形成されるとともに、上方のコーナー部に注出用のノズル部67が形成してある。
この注出用のノズル部67は、両側に湾曲させて切り欠いたのど部68,69を形成することで、ノッチ70を備えた易開封加工部71などの開封予定位置に向かって空所66の幅を狭めるように形成され、周縁部がヒートシールされるとともに、易開封加工部71よりも先端側でノズル部67を閉じるシール部には開封用タブ72が設けてあり、易開封加工部71を越えて開封タブ72に達する空所66aが形成してある。
なお、このノズル付き包装用パウチ60には、上辺部の開口から内容物が充填された後、上辺部がヒートシールされて密封状態のスタンディングパウチとなる。
【0042】
このノズル付き包装用パウチ60では、ノズル部67からの注出を容易とするため、ノズル部67の重なった表裏面パウチ片61,62にそれぞれノズル部67の中心軸線に沿って外側に凸の稜線部73が直線状に形成され、稜線部73の両側は平坦面とされ(
図2(b)参照)、これまでの半円状の立体成形部とは異なっている。
【0043】
このノズル付き包装用パウチ60では、ノズル部67の稜線部73に加え、ノズル部67の空所66の周囲であるノズル部67の両側の側端縁と開封タブ72の先端縁との略U字状のシール端縁に、このシール端縁を跨いで空所66およびタブの空所66a側を冷間で圧縮成形して凸状部74が形成してある。
この凸状部74は、シール端縁を跨いで表裏面パウチ片61,62を冷間で圧縮成形することで成形されたものであり、シール状態のパウチ60に対して、パウチ片61,62に伸び歪を残して凸状部74が形成されている。
したがって、ノズル部67の横断面形状は、
図2(b)に示すように、のど部68,69のシール部64aの端縁からそれぞれ凸状部74が形成され、2つの凸状部74,74の中央部に稜線部73が形成されており、凸状部74と稜線部73との間は平坦面となっている。
【0044】
これら凸状部74,74に伸び歪みが生成される成形メカニズムは必ずしも明らかではないが、
図3に示すように、シール部と空所とを跨いで圧縮成形することで、先に説明した積層フィルムの立体成形法のとおり、空所側は張り出し加工されて凸状部74となるところ、シール部側はほとんど変形できず、シール部際に変形が集中することで大きな伸び歪が生成され、そのまま残った状態となると考えられる。
【0045】
これにより、ノズル部67の先端の開封用タブ62によって開封予定位置である易開封加工部71で開封すると、
図4に模式的に示すように、開封されたノズル部67の空所66の表裏面パウチ片61,62のそれぞれを両側縁から押すようにしてノズル部67の対向する稜線部73を引き離すように開口を促進し、確実にひし形状に開口させることができ、これまでのノズル部のように予め筒状の横断面形状に形成しておき、これを補強して形状を維持するものとは大きく異なるものである。
【0046】
また、このノズル付き包装用パウチ60では、ノズル部67の稜線部73に加え、パウチ胴部の表裏面パウチ片61,62にそれぞれ外側に凸となる曲線状の引張凸状部75が稜線部73の基端側から見て中央部が凹状に配置されて稜線部73を基端側に引く引張成分を有する引張歪を残して形成してあり、略同心円状に間隔を開けて複数条、図示例では、5条形成してある(
図2(c)参照)。
そして、この引張凸状部75によってノズル部67が表面パウチ片61または裏面パウチ片62のパウチ平面に対して先端がわずかに浮き上がるようになる。
【0047】
この引張歪を残して形成する引張凸状部75は、ノズル部67のシール端縁に形成する凸状部74と同様に、既にノズル部67周縁のシール部が形成されている表裏面パウチ片61,62を冷間で圧縮成形して凸状部を形成することで、シール部間のパウチ片を引き寄せるような引張歪を生成することができ、特にノズル部基端側中央部が凹となる曲線状の形状とすることで、稜線部73を基端側に引く引張成分を備える引張凸状部75とすることができる。
このような引張成分を有する引張凸状部75を形成したノズル付き包装用パウチ60では、ノズル部67の先端の開封用タブ72によって開封予定位置である易開封加工部71で開封すると、
図5に模式的に示すように、開封されたノズル部67の空所66の中央部の表裏面パウチ片61,62の稜線部73,73がそれぞれ基端側に引っ張られるようになり、ノズル部67の対向する稜線部73、73を引き離すように作用して開口を促進し、凸状部74と協働して一層確実にひし形状に開口させることができる。
【0048】
そして、これら引張凸状部75も、これまでのノズル部のように予め筒状の横断面形状に形成しておき、これを補強して形状を維持するものとは大きく異なるものであり、引張歪を残しておき、この引張力を利用することで、開口を促すものである。
この引張歪の残留については、成形後のノズル付き包装用パウチ60で引張凸状部75の間をカッターで切ったところ、引張凸状部75によってノズル部67が表面パウチ片61または裏面パウチ片62のパウチ平面に対して先端がわずかに浮き上がった状態から平面に戻った状態になったことからも引張歪の存在を確認している。
【0049】
このような稜線部73や引張凸状部75のパウチ面に対する外側への凸形状を一層増大するため、
図6に成形ロールの展開形状を示すように、図中、網掛け部として表示した部分はショットブラスト処理などにより摩擦力を増大するようにして圧縮成形するようにしている。
【0050】
このような引張凸状部75をノズル部67の基端部に形成すると、形状や配置によってはノズル部67の倒れの基線となる恐れがあることから、最も稜線部73の基端側に近い引張凸状部75の曲線の両端を結ぶ直線76と稜線部73とが交差するようにしてあり、ノズル部67の基端に一直線状の谷線が存在しないようにすることで、ノズル部67の基端での倒れを防止している。
【0051】
さらに、このノズル付き包装用パウチ60では、開封予定位置である易開封加工部71より先端側のノズル部67のシール部が折り重ねてあり、
図7に示すように、開封用タブ72のパウチ側部側を折り重ねて折り重ね部77が形成してある。この開封用タブ72の折り重ね部77によって剛性が増し、切り取る場合の力を加えやすく、しかも表裏面パウチ片61,62の端面が露出しない折り曲げ状態とすることができる。
【0052】
さらに、ノズル付き包装用パウチ60の開封用タブ72側および反対側の側部シール部であるサイドシール部64、64にも側部折り重ね部78が形成してあり、これにより、のど部68部分の側部シール部を除くノズル付き包装用パウチ60の両側部が折り曲げられた状態となり、剛性が向上し、持ち易く移し替えをやり易くするとともに、表裏面パウチ片61,62の端面が露出しない折り曲げ状態となっている。
【0053】
このようなノズル付き包装用パウチ60の製造方法は、すでに説明した立体成形法を用いることで、簡単に成形することができる。
この発明のノズル付き包装用パウチ60(
図1など参照)では、外形の切断にフルカット加工が行われ、ノズル部67の易開封加工部71の加工にハーフカット加工52が行われる。
また、この発明のノズル付き包装用パウチ60の稜線部73、伸び歪を残した凸状部74、引張歪を残した引張凸状部75等は、立体成形による張出し部14を成形するための圧縮部位13の加工部43を厚み方向に30%程度圧縮成形するようにしたり、片側だけ張り出す場合は厚み方向に30%より少なく圧縮成形するように、それぞれの加工代を調整すればよく、稜線部73、伸び歪を残した凸状部74、引張歪を残した引張凸状部75等を有するノズル付き包装用パウチ60を成形ロールを用いて1回転中に簡単に成形することができる。
また、成形ロールの表面をブラスト処理などで梨地などの摩擦力を増大する表面とすれば、一層立体成形を確実かつ明瞭に成形することもできる。
【0054】
なお、上記実施の形態では、ノズル付き包装用パウチとして、スタンディングパウチを例に説明したが、これに限らず他の形状のパウチやノズル部の配置の異なるパウチにも適用することができるものである。
【0055】
このようなノズル付き包装用パウチ10に使用するプラスチックフィルム材としては特に制限はなく、通常、包装用パウチとして用いられるものはいずれも使用することができる。
フィルム材を構成するのに適した樹脂材料としては、例えば結晶性ポリプロピレン、結晶性プロピレン―エチレン共重合体、結晶性ポリブテン―1、結晶性ポリブテン4―メチルペンテン―1、低密度ポリエチレン、中密度―ポリエチレン、或いは高密度ポリエチレン、エチレン―酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン―アクリル酸エチル共重合体(EEA)、イオン架橋オレフィン共重合体(アイオノマー)等のポリオレフィン類;ポリスチレン、スチレン―ブタジエン共重合体等の芳香族ビニル共重合体;ポリ塩化ビニル、塩化ビリニデン樹脂等のハロゲン化ビニル重合体;アクリロニトリル―スチレン共重合体、アクリロニトリル―スチレン―ブタジエン共重合体の如きニトリル重合体;ナイロン6、ナイロン66、パラまたはメタキシリレンアジパミドの如きポリアミド類;ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート等のポリエステル類;各種ポリカーボネート;ポリオキシメチレン等のポリアセタール類等の熱可塑性樹脂等を挙げることができる。
また、これらの材料からなるフィルム材は、未延伸、一軸延伸、あるいは二軸延伸して用いられる。
さらに、ノズル付き包装用パウチ10に使用するフィルム材は、これらのフィルム材を単層で、或いは、二種以上を積層して構成することができ、また、これらのフィルム材の一種、あるいは、二種以上と、アルミニウム等の金属箔、金属又は金属酸化物の蒸着フィルム、紙、セロファン等を貼り合わせて構成することもできる。
好ましいフィルム材としては、例えば、延伸ナイロンフィルムを外層とし、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンフィルムを内層とする二層構成、延伸ポリエステルフィルムを外層とし、ポリオレフィンフィルムを内層とする二層構成、及びこれらの内、外層フィルム間にアルミニウム等の金属箔を積層した三層構成のフィルム等が挙げられ、これらの積層フィルムの製造に際しては、各層間に必要に応じて接着材、アンカー剤を介在させることもできる。
そして、上記フィルム材の層構成は、ノズル付き包装用パウチ10に充填する内容物の性状に応じて選択され、例えば、詰替洗剤用の包装用パウチのように低コストが要求される場合は、二層構成の積層フィルムを使用し、調味料のパウチ容器のように保存性が要求される場合は、アルミニウム箔を含む三層構成以上の積層フィルムを使用すれば良い。