(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明のワークフローシステムの構成の一例を示すシステム構成図である。
【0015】
図1は、1又は複数のワークフロー起票端末101、1又は複数のワークフロー承認端末102、1又は複数のワークフロー参照端末103、1又は複数の発行版参照端末104、および1又は複数のワークフローサーバ105がローカルエリアネットワーク(LAN)を介して接続される構成となっている。
【0016】
ワークフロー起票端末101、ワークフロー承認端末102、ワークフロー参照端末103、発行版参照端末104はユーザIDとパスワードによって認証用テーブルを用いて認証処理を行う。
【0017】
ワークフロー起票端末101は、ワークフローサーバ105にログインして、承認者設定や参照者設定を行ってワークフロー(ジョブ)を作成、登録する端末である。ワークフロー承認端末102は、ワークフロー起票端末101により登録されたワークフロー(ジョブ)を承認するユーザ(ジョブに設定された承認者)の端末であり、ワークフロー承認端末102は、ワークフローサーバ105にログインしてユーザの操作によって承認処理をする端末である。ワークフロー参照端末103は、ワークフロー(ジョブ)を参照可能なユーザの端末であり、ワークフローサーバ105にログインし、ジョブを参照できる。また、発行版参照端末104は、製造現場等においてある端末であり、ワークフロー(ジョブ)が最終承認され、ワークフロー(ジョブ)が承認された時に公開された文書(ジョブに関連付く承認された文書)を参照(ダウンロードや閲覧等)可能な端末である。発行版参照端末104もワークフローサーバ105にログインして参照する。
【0018】
ワークフローサーバ105は、登録されたワークフロー(ジョブ)を管理し、各端末からのアクセス可能な装置である。ワークフロー(ジョブ)が承認された場合に、ワークフロー(ジョブ)に関連する公開文書がある場合には、他の端末から参照可能に表示する装置である。
すなわち、本実施形態におけるワークフローシステムは、文書の承認と、承認された文書を管理する文書管理システムである。
【0019】
以下、
図2を用いて、
図1に示したワークフロー起票端末、ワークフロー承認端末、ワークフロー参照端末、発行版参照端末、ワークフローサーバに適用可能な情報処理装置のハードウェア構成について説明する。
【0020】
図2は、
図1に示したワークフロー起票端末101、ワークフロー承認端末102、ワークフロー参照端末103、発行版参照端末104、ワークフローサーバ105に適用可能な情報処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0021】
図2において、201はCPUで、システムバス204に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。また、ROM202あるいは外部メモリ211には、CPU201の制御プログラムであるBIOS(Basic Input / Output System)やオペレーティングシステムプログラム(以下、OS)や、各サーバ或いは各PCの実行する機能を実現するために必要な後述する各種プログラム等が記憶されている。
【0022】
203はRAMで、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をROM202あるいは外部メモリ211からRAM203にロードして、該ロードしたプログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
【0023】
また、205は入力コントローラで、キーボード(KB)209や不図示のマウス等のポインティングデバイス等からの入力を制御する。206はビデオコントローラで、CRTディスプレイ(CRT)210等の表示器への表示を制御する。なお、
図2では、CRT210と記載しているが、表示器はCRTだけでなく、液晶ディスプレイ等の他の表示器であってもよい。これらは必要に応じて管理者が使用するものである。
【0024】
207はメモリコントローラで、ブートプログラム,各種のアプリケーション,フォントデータ,ユーザファイル,編集ファイル,各種データ等を記憶する外部記憶装置(ハードディスク(HD))や、フレキシブルディスク(FD)、或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ等の外部メモリ211へのアクセスを制御する。
【0025】
208は通信I/Fコントローラで、ネットワーク(例えば、
図1に示したLAN400)を介して外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いた通信等が可能である。
【0026】
なお、CPU201は、例えばRAM203内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、CRT210上での表示を可能としている。また、CPU201は、CRT210上の不図示のマウスカーソル等でのユーザ指示を可能とする。
【0027】
本発明を実現するための後述する各種プログラムは、外部メモリ211に記録されており、必要に応じてRAM203にロードされることによりCPU201によって実行されるものである。さらに、上記プログラムの実行時に用いられる定義ファイル及び各種情報テーブル等も、外部メモリ211に格納されており、これらについての詳細な説明も後述する。
【0028】
次に、
図3を用いて、本発明におけるワークフローシステムの機能ブロック図について説明する。なお、
図3では、基本的な機能について説明するものとし、各機能部が処理する詳細な制御については、後述するフローチャートにて説明する。
【0029】
ワークフローシステムは、機能部として公開設定部301、履歴記憶部302、参照ユーザ取得部303、文書生成部304、登録部305、通知部306を有している。また、ワークフローシステムは、ワークフロー起票端末101、ワークフロー承認端末102、ワークフロー参照端末103、発行版参照端末104としてのクライアント端末とワークフローサーバ105とを含む文書管理システムで、文書の承認と、承認された前記文書を管理するシステムである。
【0030】
公開設定部301は、ユーザから閲覧可能にするべく、承認された文書を公開設定する機能部である。また、履歴記憶部302は、公開された文書を参照したユーザの履歴を記憶制御する機能部である。
【0031】
また、参照ユーザ取得部303は、公開された文書を利用した新たな申請文書を生成する場合、前記履歴記憶部302で記憶したユーザの履歴から、利用元の文書を参照したユーザを取得する機能部である。すなわち、公開された文書の情報を利用した新たな申請に応じて前記履歴記憶部302で記憶したユーザの履歴から、利用元である前記公開された文書を参照したユーザを取得する機能部である。
また、文書生成部304は、参照ユーザ取得部303で取得したユーザを申請文書の参照者にするように、申請文書を生成する機能部である。
【0032】
また、登録部305は、文書生成部304で生成された申請文書の承認処理を開始するべく、申請文書を登録する機能部である。また、通知部306は、参照ユーザ取得部303で取得したユーザに対して、参照した文書が変更されることを通知する機能部である。また、通知部306は、登録部305による申請文書の登録に従って、参照ユーザ取得部303で取得したユーザに対して、参照した文書が変更されることを通知する機能部である。
【0034】
本処理はワークフロー起票端末、ワークフロー承認端末、ワークフロー参照端末、発行版参照端末とワークフローサーバ間で行われる。なお、後述する各ステップは各装置のCPU201が実行する。また、各ステップを説明する際に利用する
図5〜
図7は、ワークフロー起票端末のRAM203で記憶するメモリのイメージ図である。また
図8〜
図12はワークフローサーバのRAM又は外部メモリで記憶するデータのイメージ図である。なお、
図5の項目は、
図9の項目と同じであってもよい。
【0035】
なおワークフローとは、一連の処理の流れが定義されたものである。特に管理対象となるビジネスプロセスを表現する雛形になっており、本実施形態では文書の承認から、文書を公開するまでのプロセスである。またプロセスは、アクティビティとアクティビティ間の遷移から構成れており、それぞれのアクティビティに処理を定義することが可能となっている。このワークフローを用いてユーザが入力して申請データの承認処理が実行される。
【0036】
まず
図4Aにおいて、ステップS401では、ワークフロー起票端末で、承認をしてもらうための申請データを作成するために、承認を得る設計図面(文書)の情報を受け付ける。受け付けた情報はワークフロー起票端末の
図5の文書メモリの文書名、文書コメント、添付文書に格納する。文書IDはS405で採番するために、新規起票時はNULLである。入力は
図13の1300の文書コメント、添付文書入力欄1301で入力される。なお、ウェブシステムの場合には、新規申請データを作成するために、ワークフローサーバにログインし、新規申請指示をワークフロー起票端末で申請すると、空の申請データが生成され、ワークフロー起票端末に送信されるものとする。ログインの際には、
図8のユーザマスタを参照してワークフローサーバはログインを許可、不許可を決定するものとする。以下でログインする処理についても同様である。
【0037】
ステップS402では、受け付けた設計図面の承認を得る承認先のユーザIDとその承認順をユーザの操作に従って受け付ける。なお、承認先のユーザは予め決められたユーザで、固定されたユーザであってもよい。承認先のユーザIDを入力する際には、承認者ボタン1302の押下に従って、
図13の1310が表示される。1310の承認者欄1311でユーザIDが入力される。
【0038】
受け付けた承認者情報は、
図6承認者メモリの承認順と承認者IDに設定された承認者の数だけ格納する。このとき、文書IDはS405で採番し、S407の承認の入力により登録されるのでNULLで登録する。
【0039】
ステップS403では、ワークフロー(申請データ)が承認され、ワークフローに登録した設計図面が発行されたたときに参照して欲しいユーザを参照者として登録するべく、参照者のユーザIDをユーザの操作に従って受け付ける。受け付けた情報は
図7参照者メモリに入力された参照者の数だけ格納する。このとき、文書IDはS405で採番するためNULLである。参照者のユーザIDを入力する際には、
図13の1310の参照者欄1312でユーザIDが入力される。
【0040】
ステップS404では、ユーザによる
図13の登録ボタン1303の押下に従って、ワークフロー起票端末は文書メモリ、承認者メモリ、参照者メモリを申請データとして、ワークフローサーバに送信する。
【0041】
ステップS405では、情報を受け付けたワークフローサーバは文書IDを採番し、受け付けた各メモリの文書IDに設定する。文書IDを登録した文書メモリは
図9の文書テーブルに保存する。文書IDを登録した承認者メモリは、
図10承認者テーブルに保存する。文書IDを登録した参照者メモリは
図11参照者テーブルに保存する。これにより、登録した情報(申請データ)の承認フローがスタートする。すなわち、ステップS401からステップS405の処理は、クライアント端末で、公開された文書を利用しない申請文書の生成指示があった場合に、前記参照ユーザ取得手段でユーザを取得した通知をせず、また、ユーザの参照履歴を参照することなく、申請文書が生成される処理である。
【0042】
ステップS406では、ステップS405で保存した承認者テーブルから次の承認先のユーザIDを読み込み、ユーザIDに紐づいた承認端末に承認依頼の通知として該当する文書IDの文書テーブル、承認者テーブル、参照者テーブルの情報を送信する。この場合、事前に承認を促すために、申請データにアクセス可能なURLを含むメールを送信する。そしてこのURLに対して承認者が指示することで、申請データの情報がワークフロー承認端末に送信される。URLを指示することで、ワークフロー承認端末のウェブブラウザが立ち上がり、ワークフローサーバから申請データの承認画面が送信される。
【0043】
ステップS407では、ワークフローサーバから情報(申請データ)を受信し、承認者から承認を得るべく、ワークフロー承認端末の表示部(ウェブブラウザ等)に情報(申請データ)を表示する。承認者は添付文書(例えば、設計書)や申請内容を確認し、表示画面上で承認ボタンを押下する。この承認ボタンの押下(承認入力)を受け付ける、承認者IDを含む承認情報(命令)をワークフローサーバに送信する。
【0044】
ステップS408−1では、ワークフローサーバは受け取った文書IDを含む承認情報(命令)から
図10の承認者テーブルを検索し、承認者ID(例えば、ワークフロー承認端末から文書の承認のためにログインしたユーザのID)が一致するテーブルに承認日を登録する。登録後、ステップS408−2では、文書IDの単位で最後の承認者まで承認されたか否かを
図10の承認者テーブルから判断する。最後の承認者になるまでステップS406からの処理を継続し、最後の承認者の承認が完了した場合ステップS409に処理を進める。
【0045】
ステップS409では、最終承認のあった文書IDのデータを
図9の文書テーブルから検索し、発行フラグを発行済に設定する。これにより、承認者や参照者以外のユーザ、つまり、承認された文書を用いて業務を遂行するユーザや部門が閲覧できる状態となる。すなわち、ユーザから文書の閲覧を可能にするべく、承認された文書を公開設定する処理である。
【0046】
ステップS410では、最終承認のあった文書IDから
図10承認者テーブル、
図11の参照者テーブルを検索し、登録されているユーザIDを取得して、各ユーザの端末に発行通知を行う(例えば、メール通知)。
【0047】
ステップS411では、各端末で発行通知のメール等で受信をする。なお、
図4のフローチャートでは、ワークフロー起票端末、ワークフロー承認端末、ワークフロー参照端末全てに発行通知が送信され、受信される構成となっているが全てに送信されることに限定されるものではない。また、ステップS411は各装置で同じ処理であるため、同じステップ番号を付して説明を省略する。
【0048】
ステップS412では、ユーザから閲覧したい文書の文書IDを含む参照指示を受け付け、ワークフローサーバに対して文書の参照要求を送信する。参照要求する際には、ワークフローサーバにログインするため、ログインユーザIDがワークフローサーバでは管理される。なお、参照要求にユーザIDを含める構成であってもよい。
【0049】
参照要求を受けたワークフローサーバは、公開された文書が添付されている画面を、参照要求のあった、端末に送信する。また、参照要求を指示した端末では、画面を介して、添付されている文書をダウンロード可能とする。なお、ダウンロードだけでなく、画面上で文書を閲覧できるような構成であってもよい。
【0050】
また、ステップS412の参照指示は、各端末からワークフローサーバにログインして、公開されている文書を検索し、検索した結果から参照指示することも可能である。
【0051】
ステップS413では、各ユーザからの参照要求をワークフローサーバが受け付けた場合に、或いは、各端末に参照要求のあった文書IDの文書を送信した場合には、
図12の発行版参照者履歴テーブルに、文書を参照したユーザを記録するために対象の文書IDとユーザIDを登録する。なお、単に文書を検索したり、文書が添付した画面を表示した場合には、
図12の発行版参照者履歴テーブルにユーザIDを登録せず、実際に文書がダウンロードされたり、文書が参照、閲覧された場合に登録するものとする。すなわち、公開された文書を参照したユーザの履歴を記憶する処理である。
【0052】
次に、
図4B、
図4Cのフローチャートを用いて、例えば、
図4Aで承認処理がされ、公開された文書が設計変更等により変更が発生した場合の承認処理について説明する。
【0053】
ステップS414では、設計変更等により文書を変更し、変更した文書を再度承認させるべく、ワークフローサーバにログインし、文書を検索する画面から、例えば設計担当のユーザが元の設計情報(変更前の)の文書(設計図面)の検索条件を入力する。検索条件は、キーワード検索や、文書名、文書IDなど様々な検索条件方法で検索できるものとする。ワークフロー起票端末はワークフローサーバに検索条件を含む検索要求を送信する。
【0054】
ステップS415では、ワークフローサーバが受け付けた検索要求に含まれる検索条件に従って
図9の文書テーブルを検索し、検索結果を要求元のワークフロー起票端末に返す。この時
図9の文書IDを含む情報の一覧をワークフロー起票端末に送信するものとする。
ステップS416では、ワークフロー起票端末は、ユーザの操作に応じて、検索結果から再発行対象の文書を含む情報を選択する。
【0055】
ステップS417では、ワークフロー起票端末は、選択された文書を含む情報の再発行入力をユーザから受け付け、文書IDを含む再発行要求をワークフローサーバに送信する。
【0056】
ステップS418では、ワークフローサーバは、受け付けた文書IDから
図9の文書テーブルを検索し、検索したデータを新しく採番した文書IDをセットした状態で、文書テーブルをコピーし、
図9の文書テーブルに新たに登録する。このとき、発行フラグは未発行とし、再発行元文書IDにはコピー元の文書IDを登録する。また、元の文書に対して再発行処理が開始されたため、元の文書(コピー元)の文書テーブルの再発行処理日時にワークフローサーバで管理しているシステム時間を記憶する。すなわち、クライアント端末からの公開された文書を利用した新たな申請文書を生成する要求に従って、申請文書を生成することになる。
ステップS419では、ステップS418で登録したデータの添付文書を
図9の文書テーブルから削除する。
【0057】
ステップS420では、ステップS418で文書テーブルに登録したデータの再発行元文書IDの文書IDを元に、
図10の承認者テーブルと
図11の参照者テーブルから承認者IDと参照者IDを抽出し、ステップS418で新しく採番した文書IDを設定してそれぞれのテーブルに新規に登録する。また、ここで、本実施形態の特徴として、再発行元文書IDの文書IDを元に、
図12の発行版参照者テーブルから元の文書を参照したユーザを抽出する。抽出された参照者IDを
図11の参照者テーブルから抽出した参照者IDと共に、ステップS418で新しく採番した文書IDの参照者テーブルに登録する。この時、
図12の発行版参照者テーブルから抽出した参照者IDか、
図11の参照者テーブルから抽出された、ステップS403で設定された参照者IDかを識別するための情報(フラグ)を保持するものとする。これは後述する参照者を表示する際に用いられる。なお、発行版参照者は、再発行元文書IDから特定できるため、
図11の参照者テーブルから抽出した参照者IDと共に登録しない構成をとることも可能である。
【0058】
すなわち、公開された文書を利用した新たな申請文書を生成する場合、公開された文書を参照したユーザの履歴から、利用元の文書を参照したユーザを取得する処理である。また、取得したユーザを申請文書の参照者にするように、申請文書を生成する処理である。また、履歴から取得したユーザを申請文書の参照者に設定する処理である。
【0059】
ステップS421では、ステップS418からステップS420で登録された文書テーブルと承認者テーブルと参照者テーブルの情報をワークフロー起票端末に送信する。すなわち、生成された履歴から取得したユーザが設定された申請文書をクライアント端末に送信する処理である。
【0060】
つまり、新たに発行された文書IDで添付文書がなく、承認者と参照者が引き継がれたデータが生成されワークフロー起票端末に送信される。これにより、ユーザが一からデータを入力することなく、再承認が容易になる。
【0061】
ここで、本実施形態の特徴である、参照者について説明する。参照者は、ステップS420で説明したように、ステップS403で設定された参照者と、ステップS413で登録された参照者が含まれる。
【0062】
この参照者は、ステップS424で
図13の1302が押下された場合に表示され、例えば、ステップS403で設定された参照者は、1402に表示される。また、ステップS413で登録された参照者は、1403に表示される。このように確定版(公開版)の文書を参照したユーザを抽出して自動で参照者に設定してくれるため、設計変更等で新たな文書が公開される前、つまり承認がスタートするタイミングで新たな文書が参照することができるようになるため、公開された文書を利用している作業の手戻りなどが減る。
なお、承認者は、
図14では1401に設定される。つまり、元の文書と同じ承認者が設定される。
【0063】
また、
図14の画面は、ワークフロー起票端末で作成されてもよいし、ワークフローサーバで作成されてもよい。なお、ワークフロー起票端末がウェブブラウザを用いて画面を表示する構成の場合には、ワークフローサーバでHTML形式の画面を生成するようにする。
【0064】
ステップS422では、ワークフロー起票端末が文書テーブルと承認先テーブルと参照先テーブルの情報を受信し、
図13の1300の画面を表示部に表示する。なお、文書コメントはコピー元の文書にデータがあれば、文書テーブルにコピーされるため、同じ内容が表示される。添付文書は削除されているため、空欄となっている。
【0065】
ステップS423では、表示された情報に対して、ユーザは新しい文書を登録(添付)する。なお、
図13の1301のように、文書コメントなど他の項目も存在する。この文書コメントに新たな内容を入力することも可能な構成となっている。また、入力した情報をRAM203に記憶する。
【0066】
ステップS424では、
図13の1300の承認者ボタン1302の押下に従って、
図14の承認者確認画面を表示する。ここでは、1401ではコピー元の情報のステップS402で設定された承認者が表示され、1402ではコピー元の情報のステップS403で設定された参照者が表示される。また、1403ではコピー元の情報において、文書が参照されたユーザ、つまりステップS413で登録された参照者(再発行通知者)が表示される。そして、登録ボタン1404を押下して
図13の1300の画面に戻る。また、新しい文書が承認された場合に使用可能とする効力日を効力日1405で設定可能にする。
【0067】
ここでは、承認者、参照者、再発行通知者が確認できるようになっており、修正はできない構成となっている。修正が必要な場合には、新規に申請データを作るようになっているが、
図14の画面で承認者、参照者、再発行通知者を修正できる構成にするようにしてもよい。
【0068】
ユーザが文書を添付し、承認者と参照者と再発行通知者を確認した後、ステップS425では、ユーザの登録ボタン1303の押下に従って、再発行となる情報(文書)をワークフローサーバに送信する。再発行となる情報は、文書ID、文書名、コメント、承認者と参照者と再発行通知者を含む登録要求である。また、効力日が設定された場合には、登録要求には効力日も含むものとする。
【0069】
ステップS426では情報を受け付けたワークフローサーバは、受け付けた情報を文書IDに従って、
図9の文書テーブルに保存する。ステップS418で説明したように、再発行元文書IDが記憶されている。また、効力日がある場合には、効力日が記憶される。すなわち、生成された申請文書の承認処理を開始するべく、申請文書を登録する処理である。また、登録は、クライアント端末からの申請指示に従って、登録されるものである。
【0070】
また、承認者と参照者と再発行通知者に変更できる場合で、変更があった場合には、文書IDに従って、
図10の承認者テーブルを更新する。また、
図11の参照者テーブルも同様に更新する。
【0071】
ステップS427では
図9の文書テーブルに登録されている、再発行元文書IDを取得して、再発行元文書IDの文書テーブルを検索する。検索された再発行元文書IDの情報の発行フラグを再発行中に設定する。
【0072】
ステップS428では、再発行元文書IDで
図12の発行版参照履歴テーブルから参照者IDを抽出する、或いは、ステップS420で説明したように、
図12の発行版参照者テーブルから抽出した参照者IDを特定するためのフラグに従って、
図11の参照者テーブルから参照者IDを抽出する。そして、参照者IDの発行版参照端末に、文書の再発行がされる申請がなされたことを通知する。なお、この通知は、メール等で行う。すなわち、公開された文書を参照したユーザの履歴から、利用元の文書を参照したユーザを取得する処理である。また、申請文書の登録に従って、取得したユーザに、公開された文書を利用した新たな申請文書が登録されたことを通知する処理である。
【0073】
この際に、ワークフロー参照端末に送信するメールの内容とは異なる内容のメールを送信することも可能である。なお、ワークフロー参照端末にも通知することも可能であるが、ここでは説明を省略する。ステップS429では、発行版を参照したユーザはメール等で、通知を受信する。通知の受信に従って、申請されたワークフローを参照可能となる。
これにより、確定版が発行される前に文書を参照できるため、文書を用いて作業をする部署において手戻りを減らすことが可能となる。
【0074】
ステップS430ではS426で保存した承認者テーブルから次の承認先のユーザIDを読み込み、ユーザIDに紐づいた承認端末に承認依頼の通知として該当する文書IDの文書テーブルから読みだした文書名、文書コメント、添付文書、承認者、参照者を含む情報(承認すべき情報)を承認者のワークフロー承認端末に送信する。
【0075】
ステップS431では、送信された承認するための情報を表示し、承認入力(承認指示)を受け付け、文書IDを含む承認要求をワークフローサーバに送信する。なお、承認要求に承認IDを含んでもよいが、ワークフローサーバにユーザはログインすることで承認可能であるため、ワークフローサーバで保持している承認IDを利用することも可能である。
【0076】
ステップS432−1では、ワークフローサーバは受け取った文書IDと承認者IDから
図10の承認者テーブルを検索し、対象のデータに対して承認日を登録する。ステップS432−2では、登録後、文書IDの単位で最後の承認者まで承認されたかを
図10の承認者テーブルから判断する。最後の承認者になるまでステップS430からの処理を継続し、最後の承認者の承認が完了したと判断された場合には、ステップS432に処理を進める。
【0077】
ステップS433では、対象の文書IDの情報を文書テーブルから検索し、発行フラグを発行済に設定する。これにより、承認者や参照者以外のユーザ、つまり、承認された文書を用いて業務を遂行するユーザや部門が閲覧できる状態となる。
【0078】
ステップS434では、再発行元文書IDに従って、情報を文書テーブルから検索し、発行フラグを廃棄に設定する。すなわち、生成された新たな申請文書の承認がされた場合、当該新たな申請文書に対応する利用元の文書を非公開設定とする処理である。
【0079】
ステップS435では、対象の文書IDの承認先テーブル、参照者テーブルからユーザIDを取得しワークフローで設定された各ユーザの端末に確定版が発行された発行通知を行う(例えば、ユーザIDをキーにして、ユーザマスタを参照して、登録されているメールアドレスにメールを送信する)。
【0080】
ステップS436では、発行通知をメール等で受信して、ワークフローサーバにログインすることで、確定版の公開された(再発行された)文書を閲覧可能に表示する。
【0081】
ステップS437では、確定版(再発行)文書の文書テーブル(
図9)を参照し、再発行元文書IDを取得する。この再発行元文書IDに従って、元の文書の文書テーブルを特定する。特定された文書テーブルから再発行処理日時を取得する。
【0082】
ステップS438では、元文書を参照したユーザのうち、再発行文書の回覧(承認)で参照設定されていないユーザを特定するために、再発行処理日以降に元文書を参照したユーザを再発行参照履歴テーブルから検索する。
【0083】
ステップS439では、ステップS438で検索したユーザIDに対応するユーザに確定版が発行された発行通知を行う(例えば、ユーザIDをキーにして、ユーザマスタを参照して、登録されているメールアドレスにメールを送信する)。これにより、再発行して承認中となった後に、元の文書を参照したユーザにも再発行がされたことを通知できるため、前の文書を誤って使用することを防ぐことが可能となる。
【0084】
その後、ステップS440では、ワークフローサーバは、確定版の効力日を所定のタイミングで(発行通知のタイミングや日付が変わったタイミング)、効力日になったか否かを判定する。効力日になった場合には、ステップS441へ処理を移し。効力日なっていない場合には、次のタイミングまで待機する。なお、効力日に値が入っていない場合には、ステップS433で公開された日が効力日となるものとする。
【0085】
ステップS441では、上述のステップS435、ステップS438で通知したユーザに対して、再発行された文書が使用可能な日を示す効力日となったことをメール等で通知する。なお、上述のステップS435、ステップS438で通知したユーザ情報を不図示のファイルやDBで管理しているものとする。
また、効力日となった文書がある場合に、例えば、ユーザが文書を参照するために文書検索し、検索結果一覧を発行版参照端末に表示した際に、再発行され、効力日となったことを表示する構成としてもよい。
なお、ユーザの端末側での受信は、ステップS436と同様のため、説明を省略する。
【0086】
次に、
図4Cのフローチャートを用いて、発行版を参照した場合の処理について説明する。
【0087】
ステップS442では、ワークフローサーバに保存されている、確定文書(発行済文書)を検索し、検索結果から選択された文書の参照要求を発行版参照端末からワークフローサーバに送信する。参照要求には、文書IDが含まれる。また、ユーザIDを含んでもよいが、セッション管理されている場合には、ワークフローサーバでセッションとログインしているユーザを管理できるため、参照要求にはユーザIDを含まない構成であってもよい。 ステップS443では、ワークフローサーバが参照要求を受信する。ステップS44では、参照要求に含まれる文書IDに従って、文書テーブルを検索する。
【0088】
ステップS445では、参照要求に含まれる文書IDに従って、
図12の発行版参照履歴テーブルを取得する。取得した発行版参照履歴テーブルのユーザIDを参照し、参照要求のあったユーザが初めて参照した文書か否かを判定する。初めて参照した文書であった場合には、ステップS446へ処理を移し、以前に参照している場合にはステップS447へ処理を移す。
【0089】
ステップS446では、ステップS445で取得した発行版参照履歴テーブルに参照者情報(参照日時、参照ID)を記録する。なお、本実施形態では参照者の記録をこのタイミングで行うようにしたが、関連文書を参照する場合には、後述のステップS454で記録するものとする。
【0090】
ステップS447では、参照要求のあった文書IDを、再発行元文書IDにもつ文書テーブルを検索し、関連文書があるか否かを判定する。なお、本実施形態では、最終承認があった場合に参照可能に公開されるため、関連文書は再発行文書であり、承認中の文書である。関連文書がありと判定された場合には、ステップS448へ処理を移し、関連文書がないと判定された場合には、参照要求の文書を送信するためにステップS453へ処理を移す。
【0091】
ステップS448では、関連文書として判定された、参照要求を元にして再発行している文書テーブルから文書名と文書IDを取得する。そして、取得した文書名と文書IDと、参照要求のあった文書の文書名と文書IDを含む文書一覧を発行版参照端末に送信する。
ステップS449では、文書一覧を受信して、発行版参照端末の表示部に文書一覧を表示する。
ステップS450では、文書一覧で選択された文書の文書IDをワークフローサーバに送信する。
ステップS451では、選択された文書の文書IDを受信する。
【0092】
ステップS452では、受信した文書IDが、ステップS443で受信した文書IDの文書(すなわち、確定版の文書)が参照要求のあった文書か否かを判定する。参照要求のあった文書であった場合には、ステップS453へ処理を移し、参照要求のあった文書でない場合(すなわち関連文書であった場合)には、ステップS454へ処理を移す。
【0093】
ステップS453では、参照要求のあった文書を取得して、発行版参照端末へ送信する。また、ステップS454では、承認中(回覧中)の再発行文書を取得して、発行版参照端末へ送信する。再発行文書の場合には、効力日も送信してもよい。なお、文書一覧で参照要求した文書及び承認中の再発行文書が選択された場合には、それぞれの文書を送信することも可能である。
【0094】
ステップS455では、ワークフローサーバから文書を受信して、
図15のように表示する。なお、効力日が送信された場合には、表示部に効力日をユーザが識別可能に表示する。また、表示された文書は、ユーザの操作に応じて、発行版参照端末のローカルに保存することも可能である。
【0095】
以上、本実施形態の説明をしたが、本実施形態によれば、公開した文書を参照したユーザに、文書に変更があることを適切に通知できる。特に文書が公開される前に事前に参照できるため、先に公開された文書による作業の手戻りの発生を抑えることができる。
なお、上述した各種データの構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
【0096】
以上、一実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記録媒体等としての実施態様をとることが可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0097】
また、本発明におけるプログラムは、
図4A〜
図4Dに示すフローチャートの処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムであり、本発明の記憶媒体は
図4A〜
図4Dの処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムが記憶されている。なお、本発明におけるプログラムは
図4A〜
図4Dの各装置の処理方法ごとのプログラムであってもよい。
【0098】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するプログラムを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0099】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0100】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、DVD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、EEPROM、シリコンディスク、ソリッドステートドライブ等を用いることができる。
【0101】
また、コンピュータが読み出したプログラムを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0102】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0103】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0104】
さらに、本発明を達成するためのプログラムをネットワーク上のサーバ、データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
なお、上述した各実施形態およびその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。