(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明について詳細に説明する。
着色組成物
以下、本発明着色組成物の構成成分について詳細に説明する。
【0016】
−(A)着色剤−
本発明における(A)着色剤としては特に限定されることなく使用することが可能であり、カラーフィルタ等の用途に応じて色彩や材質を適宜選択することができる。具体的には着色剤として顔料、染料及び天然色素を挙げることができ、これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。中でも、輝度、コントラスト及び色純度の高い画素を得るという点から、顔料及び染料よりなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
【0017】
上記有機顔料の好ましい具体例としては、カラーインデックス(C.I.)名でC.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド224、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36、C.I.ピグメントグリーン58、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントブルー80、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー211、C.I.ピグメントオレンジ38、C.I.ピグメントバイオレット23等を挙げることができる。無機顔料の好ましい具体例としては、カーボンブラック、チタンブラック等を挙げることができる。
【0018】
顔料としてはレーキ顔料も好ましく、具体的には、トリアリールメタン系染料やキサンテン系染料をイソポリ酸やヘテロポリ酸でレーキ化したものを挙げることができる。トリアリールメタン系レーキ顔料は、例えば、特開2011−186043号公報等に開示されている。キサンテン系レーキ顔料は、例えば、特開2010−191304号公報等に開示されている。
【0019】
また、上記染料としては、キサンテン系染料、トリアリールメタン系染料、シアニン系染料、アントラキノン系染料、アゾ系染料等が好ましい。より具体的には、特開2010−32999号公報、特開2010−254964号公報、特開2011−138094号公報、国際公開第10/123071号パンフレット、特開2011−116803号公報、特開2011−117995号公報、特開2011−133844号公報、特開2011−174987号公報等に記載の有機染料を挙げることができる。
【0020】
本発明において顔料及び染料は、それぞれ単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
【0021】
本発明においては、顔料を、再結晶法、再沈殿法、溶剤洗浄法、昇華法、真空加熱法又はこれらの組み合わせにより精製して使用することもできる。また、顔料は、所望により、その粒子表面を樹脂で改質して使用してもよい。また、有機顔料は、いわゆるソルトミリングにより、一次粒子を微細化して使用することができる。ソルトミリングの方法としては、例えば、特開平08−179111号公報に開示されている方法を採用することができる。
【0022】
本発明において着色剤として顔料を使用する場合、所望により、分散剤、分散助剤と共に使用することができる。上記分散剤としては、例えば、カチオン系、アニオン系、ノニオン系等の適宜の分散剤を使用することができるが、ポリマー分散剤が好ましい。具体的には、アクリル系共重合体、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン等を挙げることができる。
【0023】
このような分散剤は商業的に入手することができ、例えば、アクリル系分散剤として、Disperbyk−2000、Disperbyk−2001、BYK−LPN6919、BYK−LPN21116、BYK−LPN21324(以上、ビックケミー(BYK)社製)等、ウレタン系分散剤として、Disperbyk−161、Disperbyk−162、Disperbyk−165、Disperbyk−167、Disperbyk−170、Disperbyk−182(以上、ビックケミー(BYK)社製)、ソルスパース76500(ルーブリゾール(株)社製)等、ポリエチレンイミン系分散剤として、ソルスパース24000(ルーブリゾール(株)社製)等、ポリエステル系分散剤として、アジスパーPB821、アジスパーPB822、アジスパーPB880、アジスパーPB881(以上、味の素ファインテクノ株式会社製)等を、それぞれ挙げることができる。
【0024】
また、上記顔料誘導体としては、具体的には、銅フタロシアニン、ジケトピロロピロール、キノフタロンのスルホン酸誘導体等を挙げることができる。
【0025】
(A)着色剤の含有割合は、輝度が高く色純度に優れる画素、あるいは遮光性に優れるブラックマトリックスを形成する点から、通常、着色組成物の固形分中に5〜70質量%、好ましくは5〜60質量%である。ここでいう「固形分」とは、着色組成物に含まれる溶媒以外の成分をいう。なお、本発明の着色組成物は、着色剤濃度が高い場合であっても現像性に優れ、カラーフィルタを高い製品歩留まりで形成することができるという効果を有するが、例えば、固形分中の着色剤濃度を30質量%以上、更に35質量%以上、特に40質量%以上とすることが可能である。
【0026】
−(B)バインダー樹脂−
本発明の着色組成物は、バインダー樹脂として下記式(1)又は(2)で表される側鎖を有する樹脂(以下、「特定重合体」とも称する。)を含む。本発明の着色組成物は、特定重合体を含有することにより、現像性に優れ、高い製品歩留まりでカラーフィルタを形成することを可能とする。
【0028】
〔式(1)において、
R
1は、飽和脂肪族基、飽和脂環式基、芳香族基、又は飽和複素環基を示し、
Gは、水素原子又は1価の有機基を示し、
Xは、−OCO−、−NR
10−、−S−、−SiR
11R
12−又は−O−を示し、
R
10、R
11及びR
12は、相互に独立に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、
sは、1又は2を示し、
*は、結合手を示す。〕
【0030】
〔式(2)において、
R
1、G、X及び*は、式(1)におけるR
1、G、X及び*と同義であり、
環Z
1は、炭素数3〜20の脂環式炭化水素環を示し、炭素数1〜4のアルキル基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。〕
【0031】
R
1における飽和脂肪族基としては、炭素数1〜20の飽和脂肪族炭化水素基が好ましく、より具体的には、炭素数1〜20のアルキル基が挙げられ、直鎖状でも、分岐鎖状でもよい。当該アルキル基としては、炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、炭素数1〜8のアルキル基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基が更に好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、ドデシル基等を挙げることができる。
飽和脂肪族基は、水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置換されていてもよいが、現像性の観点から、非置換であることが好ましい。なお、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等を挙げることができる。
【0032】
R
1における飽和脂環式基としては、飽和脂環式炭化水素基が好ましく、より好ましくは炭素数3〜18の飽和脂環式炭化水素基、更に好ましくは炭素数4〜12の飽和脂環式炭化水素基である。飽和脂環式炭化水素基には、シクロアルキル基、縮合多環炭化水素基、橋かけ環炭化水素基、スピロ炭化水素基等が包含される。
【0033】
このような飽和脂環式基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、t−ブチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、トリシクロデカニル基、デカヒドロ−2−ナフチル基、トリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカン−8−イル基、ペンタシクロペンタデカニル基、イソボルニル基、アダマンチル基、ジシクロペンタニル基、トリシクロペンタニル基等を挙げることができる。
【0034】
飽和脂環式基は、置換基としてアルキル基、ハロゲン原子、カルボキシ基、カルボニル基等を有することもできる。前記アルキル基及びハロゲン原子の具体例としては、前述と同様のものを挙げることができる。アルキル基としては、中でも、炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。
これらの飽和脂環式基のうち、シクロアルキル基、縮合多環炭化水素基、橋かけ環炭化水素基が好ましく、置換又は非置換のシクロヘキシル基、置換又は非置換のアダマンチル基、置換又は非置換のジシクロペンタニル基、置換又は非置換のトリシクロペンタニル基がより好ましい。なお、置換基の位置及び数は任意であり、置換基を2以上有する場合、当該置換基は同一でも異なっていてもよい。
【0035】
R
1における芳香族基としては、芳香族炭化水素基が好ましく、より好ましくは炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、更に炭素数6〜20の芳香族炭化水素基、更に炭素数6〜10の芳香族炭化水素基が好ましい。具体的には、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、アズレニル基等を挙げることができる。これらの芳香族基はさらに置換基を有することができ、置換基としては前記飽和脂環式基の場合と同様のものを挙げることができる。なお、置換基の位置及び数は任意であり、置換基を2以上有する場合、当該置換基は同一でも異なっていてもよい。
【0036】
R
1における飽和複素環基としては、炭素数3〜10の飽和複素環基が好ましく、例えば、イミダゾリジニル基、ピラゾリジニル基、ピペリジル基、ピペリジノ基、ピペラジニル基、ホモピレラジニル基、モルホリニル基、テオモルホリニル基等の飽和脂環式複素環基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、キノリル基、イソキノリル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、チエニル基、フリル基、ピラニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、トリアゾイル基、テトラゾリル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、インドリル基、インダゾリル基、ペンゾイミダゾリル基、プリニル基等の芳香族複素環基を挙げることができる。
【0037】
Xは−OCO−、−NR
10−、−S−、−SiR
11R
12−又は−O−を示すが、−OCO−、−NR
10−、−S−、−SiR
11R
12−が好ましく、−OCO−、−NR
10−、−S−がより好ましく、−OCO−、−NR
10−が更に好ましく、−OCO−が特に好ましい。
【0038】
sは1又は2を示すが、1がより好ましい。
R
10、R
11及びR
12における炭素数1〜4のアルキル基の具体例としては、前述と同様のものを挙げることができる。
【0039】
環Z
1は炭素数3〜20の脂環式炭化水素環を示すが、このような脂環式炭化水素環としては、飽和脂環式炭化水素環、不飽和脂環式炭化水素環を挙げることができる。中でも、飽和脂環式炭化水素環が好ましい。脂環式炭化水素環の炭素数は3〜20であるが、4〜12が好ましく、5〜10がより好ましく、5〜8が更に好ましい。このような飽和脂環式炭化水素環の具体例としては、前記飽和脂環式基の説明において例示したものと同様の炭化水素環を挙げることができる。これらの脂環式炭化水素環のうち、シクロアルキル環、縮合多環炭化水素環、橋かけ環炭化水素環が好ましく、シクロアルキル環がより好ましく、置換又は非置換のシクロペンタン、置換又は非置換のシクロヘキサンが更に好ましい。なお、置換基の位置及び数は任意であり、置換基を2以上有する場合、当該置換基は同一でも異なっていてもよい。
【0040】
環Z
1は、炭素数1〜4のアルキル基又はハロゲン原子で置換されていてもよいが、その具体例としては、前述と同様のものを挙げることができる。なお、置換基の位置及び数は任意であり、置換基を2以上有する場合、当該置換基は同一でも異なっていてもよい。
【0041】
Gにおける1価の有機基としては特に限定されるものではないが、カルボキシ基を有する基であることが現像性の点で好ましい。前記有機基におけるカルボキシ基の結合数や結合位置は任意である。
【0042】
中でも、Gとしては、下記式(3)で表される基が好ましい。
【0044】
〔式(3)において、
R
2aは、アルカンジイル基、アルケニレン基、置換若しくは非置換のフェニレン基、置換若しくは非置換のシクロアルキレン基、又は置換若しくは非置換のシクロアルケニレン基を示し、
*は、結合手を示す。〕
【0045】
式(3)のR
2aにおいて、アルカンジイル基は直鎖状でも分岐鎖状でもよい。アルカンジイル基の炭素数は、2〜10が好ましく、2〜8がより好ましく、2〜6が更に好ましい。具体的には、メチレン基、エチレン基、エタン−1,1−ジイル基、プロパン−1,1−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−2,2−ジイル基、ブタン−1,2−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、オクタン−1,8−ジイル基、デカン−1,10−ジイル基等を挙げることができる。
【0046】
式(3)のR
2aにおいて、アルケニレン基は直鎖状でも分岐鎖状でもよい。アルケニレン基の炭素数は、2〜10が好ましく、2〜8がより好ましく、2〜6が更に好ましい。具体的には、エテン−1,1−ジイル基、エテン−1,2−ジイル基、1−メチリデン−エチレン基(−C(=CH
2)CH
2−)、プロペン−1,2−ジイル基、1−プロペン−1,3−ジイル基、1−ブテン−1,2−ジイル基、1−ブテン−1,3−ジイル基、1−ブテン−1,4−ジイル基、ペンタ−1−エン−1,3−ジイル基、2−ペンテン−1,5−ジイル基、ヘキサ−1−エン−1,3−ジイル基、3−ヘキセン−1,6−ジイル基等を挙げることができる。
【0047】
式(3)のR
2aにおけるフェニレン基は、o−フェニレン基、m−フェニレン基、p−フェニレン基を包含するものであるが、o−フェニレン基が好ましい。
【0048】
式(3)のR
2aにおいて、シクロアルキレン基の炭素数は、3〜10が好ましく、4〜8がより好ましく、5又は6が更に好ましい。具体的には、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基が挙げられ、中でも、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基が好ましい。
【0049】
式(3)のR
2aにおいて、シクロアルケニレン基の炭素数は、3〜10が好ましく、3〜6が更に好ましい。具体的には、シクロブテニレン基、シクロペンテニレン基、シクロヘキセニレン基が挙げられ、中でも、シクロヘキセニレン基が好ましい。
なお、R
2aにおける、フェニレン基、シクロアルキレン基、及びシクロアルケニレン基の置換基としては、前記飽和脂環式基の場合と同様のものを挙げることができる。置換基の位置及び数は任意であり、置換基を2以上有する場合、当該置換基は同一でも異なっていてもよい。
【0050】
中でも、R
2aとしては、アルケニレン基、置換若しくは非置換のシクロアルケニレン基が好ましい。このような態様は、本発明の特定重合体が、露光及びポストベーク工程の際に架橋反応し、塗膜の硬化性を向上させることを可能にする点から好ましい。
【0051】
本発明の特定重合体は上記の要件を満たす限り特に限定されるものではないが、例えば、下記式(4)又は(5)で表される側鎖を有する樹脂に、下記式(6)で表される化合物を反応させて得られる樹脂であることができる。
【0053】
〔式(4)において、R
1、X、s及び*は、式(1)におけるR
1、X、s及び*と同義である。〕
【0055】
〔式(5)において、R
1、X、環Z
1及び*は、式(2)におけるR
1、X、環Z
1及び*と同義である。〕
【0057】
〔式(6)において、R
2aは、式(3)におけるR
2aと同義である。〕
【0058】
式(4)又は(5)で表される側鎖を有する樹脂としては、例えば、オキシラニル基及びオキセタニル基から選ばれる少なくとも1種を有する重合体(以下、「前駆樹脂」とも称する。)に、式(7)で表される化合物を反応させて得られる重合体を挙げることができる。
【0060】
〔式(7)において、R
1及びXは、式(1)におけるR
1及びXと同義である。〕
【0061】
前駆樹脂としては、特に限定されるものではないが、(b1)オキシラニル基を有する重合性不飽和化合物及び(b2)オキセタニル基を有する重合性不飽和化合物から選ばれる少なくとも1種と、(b3)他の重合性不飽和化合物との共重合体を好ましく用いることができる。
【0062】
以下、(b1)オキシラニル基を有する重合性不飽和化合物、(b2)オキセタニル基を有する重合性不飽和化合物、(b3)他の重合性不飽和化合物を、それぞれ「化合物(b1)」、「化合物(b2)」、「化合物(b3)」ということがある。
【0063】
化合物(b1)としては、例えば、
(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−メチルグリシジル、(メタ)アクリル酸3,4−エポキシブチル、(メタ)アクリル酸6,7−エポキシヘプチル、(メタ)アクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸2−グリシジルオキシエチル、(メタ)アクリル酸3−グリシジルオキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−グリシジルオキシブチルの如きオキシラニル基を有する(メタ)アクリル酸エステル;
α−エチルアクリル酸グリシジル、α−n−プロピルアクリル酸グリシジル、α−n−ブチルアクリル酸グリシジル、α−エチルアクリル酸6,7−エポキシヘプチルの如きオキシラニル基を有するα−アルキルアクリル酸エステル;
1−ビニル−2,3−エポキシシクロヘキサン、1−ビニル−3,4−エポキシシクロヘキサン、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテルの如きオキシラニル基を有するビニル化合物等を挙げることができ、これらは単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0064】
中でも、オキシラニル基を有する(メタ)アクリル酸エステルが好ましく、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル2−メチルグリシジル、(メタ)アクリル酸4−グリシジルオキシブチル又は(メタ)アクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチルが、所望の効果が得られやすいという点から好ましい。
【0065】
また、化合物(b2)としては、例えば、特開2010−044365号公報の段落〔0035〕〜〔0041〕等に記載されているものを挙げることができ、これらは単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0066】
中でも、3−(ビニルオキシメチル)−3−エチルオキセタンの如き(ビニルオキシアルキル)アルキルオキセタン、3−〔(メタ)アクリロイルオキシメチル〕オキセタン、2−〔(メタ)アクリロイルオキシメチル〕オキセタンの如き(メタ)アクリロイルオキシアルキルオキセタン、3−〔(メタ)アクリロイルオキシメチル〕−3−エチルオキセタンの如き〔(メタ)アクリロイルオキシアルキル〕アルキルオキセタン、3−〔(メタ)アクリロイルオキシメチル〕−2−トリフルオロメチルオキセタン、2−〔(メタ)アクリロイルオキシメチル〕−4−トリフルオロメチルオキセタンの如き[(メタ)アクリロイルオキシアルキル]フルオロアルキルオキセタン、3−〔(メタ)アクリロイルオキシメチル〕−2−フェニルオキセタンの如き〔(メタ)アクリロイルオキシアルキル〕フェニルオキセタンが好ましい。
【0067】
また、化合物(b3)としては、例えば、
(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、p−ビニル安息香酸の如き1個以上のカルボキシ基を有するエチレン性不飽和単量体(以下、「不飽和単量体(b3−1)」という。);
マレイミド;
N−フェニルマレイミド、N−o−ヒドロキシフェニルマレイミド、N−m−ヒドロキシフェニルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−スクシンイミジル−3−マレイミドベンゾエート、N−スクシンイミジル−4−マレイミドブチレート、N−スクシンイミジル−6−マレイミドカプロエート、N−スクシンイミジル−3−マレイミドプロピオネート、N−(アクリジニル)マレイミドの如きN−位置換マレイミド;
スチレン、α−メチルスチレン、o−ビニルトルエン、m−ビニルトルエン、p−ビニルトルエン、p−クロルスチレン、o−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン、p−メトキシスチレン、o−ビニルフェノール、m−ビニルフェノール、p−ビニルフェノール、o−ビニルベンジルメチルエーテル、m−ビニルベンジルメチルエーテル、p−ビニルベンジルメチルエーテルの如き芳香族ビニル化合物;
アセナフチレン、5−クロロアセナフチレンの如きアセナフチレン類;
インデン、1−メチルインデンの如きインデン類;
【0068】
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートの如き(メタ)アクリル酸アルキルエステル;
フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートの如き(メタ)アクリル酸アリールエステル;
2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、パラクミルフェノールのエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシロキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートの如きアルキレンオキサイド構造を有する(メタ)アクリル酸エステル;
アリル(メタ)アクリレート;
【0069】
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニルの如きカルボン酸ビニルエステル;
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテルの如き不飽和エーテル;
(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、シアン化ビニリデンの如きシアン化ビニル化合物;
(メタ)アクリルアミド、α−クロロアクリルアミドの如き不飽和アミド;
1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレンの如き脂肪族共役ジエン;
ポリスチレン、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリ−n−ブチル(メタ)アクリレート、ポリシロキサンの如き重合体分子鎖の末端にモノ(メタ)アクリロイル基を有するマクロモノマー;
等を挙げることができる。これらは単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0070】
化合物(b1)及び化合物(b2)から選ばれる少なくとも1種と、化合物(b3)との共重合体を製造する際、化合物(b1)の共重合割合は、全繰り返し単位中、通常0.1〜80質量%であるが、5〜70質量%が好ましく、10〜65質量%がより好ましく、15〜60質量%が更に好ましい。また、化合物(b2)の共重合割合は、全繰り返し単位中、通常0.1〜80質量%であるが、5〜70質量%が好ましく、10〜65質量%がより好ましく、15〜60質量%が更に好ましい。また、化合物(b3)の共重合割合は、通常0.1〜99質量%であるが、1〜70質量%が好ましく、5〜55質量%がより好ましく、10〜45質量%が更に好ましい。
化合物(b1)〜(b3)の共重合割合を上記の範囲に設定することにより、ゲル化することなく所望の転化率で前駆樹脂が合成可能となり、また本発明の着色組成物において所望の効果が得られやすいという点から好ましい。
【0071】
前駆樹脂との反応に用いられる式(7)で表される化合物としては、例えば、
酢酸、プロピオン酸、トリフルオロプロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、ノナン酸、デカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸等の飽和脂肪族カルボン酸、
シクロヘキシルカルボン酸、1−メチルシクロヘキシルカルボン酸等の飽和脂環式カルボン酸、
安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヒドロキシ安息香酸等の芳香族カルボン酸、
シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミン等の飽和脂環式アミン、
アニリン等の芳香族アミン、
シクロペンタンチオール等の飽和脂環式基を有するチオール、
チオフェノール等の芳香族基を有するチオール、
メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール等の飽和脂肪族基を有するアルコール、
シクロヘキサノール等の飽和脂環式基を有するアルコール、
フェノール等の芳香族基を有するアルコール
等を挙げることができる。
【0072】
中でも、式(7)で表される化合物としては、飽和脂肪族カルボン酸、飽和脂環式カルボン酸、芳香族カルボン酸、飽和脂環式アミンが好ましく、炭素数2〜8の飽和脂肪族カルボン酸、炭素数4〜12の飽和脂環式カルボン酸、炭素数7〜12の芳香族カルボン酸が好ましい。
【0073】
上記式(4)又は(5)で表される側鎖を有する樹脂との反応に用いられる、式(6)で表される化合物としては、例えば、
無水マロン酸、無水コハク酸、無水グルタル酸の如き飽和脂肪族ジカルボン酸の無水物;
無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水グルタコン酸、無水イタコン酸の如き不飽和脂肪族ジカルボン酸の無水物;
フタル酸無水物、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸二無水物の如き置換又は非置換の芳香族ジカルボン酸の無水物;
ヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、シクロヘキサン−1,2,4−トリカルボン酸無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物の如き置換又は非置換のシクロアルカンジカルボン酸の無水物;
4−シクロへキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、メチルテトラヒドロフタル酸無水物の如き置換又は非置換のシクロアルケンジカルボン酸の無水物;
を挙げることができる。
これらは単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。なお、芳香族ジカルボン酸の無水物、シクロアルカンジカルボン酸の無水物、シクロアルケンジカルボン酸の無水物における置換基としては、前述のR
2aにおいて例示した基を挙げることができる。
【0074】
中でも、不飽和脂肪族ジカルボン酸の無水物、置換又は非置換のシクロアルケンジカルボン酸の無水物が好ましく、無水マレイン酸、無水イタコン酸、4−シクロへキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、メチルテトラヒドロフタル酸無水物がより好ましい。
【0075】
上記式(4)又は(5)で表される側鎖を有する樹脂と式(6)で表される化合物との反応において、式(6)で表される化合物の使用量は、式(4)又は(5)で表される側鎖を有する樹脂が有する水酸基の合計に対して、好ましくは10〜100モル%、より好ましくは30〜90モル%である。触媒としては、例えばテトラブチルアンモニウムブロミド、トリエチルアミン等の塩基を使用することができる。
【0076】
本発明の特定重合体の酸価は、10〜200mgKOH/gであることが好ましく、より好ましくは30〜170mgKOH/g、更に好ましくは60〜150mgKOH/g、特に好ましくは80〜100mgKOH/gである。ここで、本発明において「酸価」とは、特定重合体溶液の溶媒を除いた不揮発分1gを中和するのに必要なKOHのmg数である。
【0077】
特定重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC、溶出溶媒:テトラヒドロフラン)で測定したポリスチレン換算重量平均分子量(以下、「Mw」という。)は、好ましくは3,000〜50,000、より好ましくは5,000〜30,000である。
【0078】
また、特定重合体のMwとゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC、溶出溶媒:テトラヒドロフラン)で測定したポリスチレン換算数平均分子量(以下、「Mn」という。)の比(Mw/Mn)は、好ましくは1〜5、より好ましくは1〜4である。Mwを上記範囲内とすることで、未露光部の基板上あるいは遮光層上での地汚れや膜残りの発生を抑制しやすくなる。
【0079】
本発明において、特定重合体は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
【0080】
本発明の着色組成物には、(B)バインダー樹脂として特定重合体以外の樹脂を含有せしめることができる。これにより、着色組成物のアルカリ可溶性、基板への結着性、保存安定性等を高めることができる。特定重合体以外の樹脂としては、上記特定重合体に該当しない限り特に限定されるものではないが、カルボキシ基、フェノール性水酸基等の酸性官能基を有する樹脂であることが好ましい。中でも、カルボキシ基を有する重合体(以下、「カルボキシ基含有重合体」という。)が好ましく、例えば、1個以上のカルボキシ基を有するエチレン性不飽和単量体(以下、「不飽和単量体(e1)」という。)と他の共重合可能なエチレン性不飽和単量体(以下、「不飽和単量体(e2)」という。)との共重合体を挙げることができる。
【0081】
不飽和単量体(e1)としては、上記不飽和単量体(b3−1)と同様のものを挙げることができ、これらは、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
【0082】
また、不飽和単量体(e2)としては、上記化合物(b3)の説明において例示したマレイミド、N−位置換マレイミド、芳香族ビニル化合物、アセナフチレン類、インデン類、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸アリールエステル、アルキレンオキサイド構造を有する(メタ)アクリル酸エステル、アリル(メタ)アクリレート、カルボン酸ビニルエステル、不飽和エーテル、シアン化ビニル化合物、不飽和アミド、脂肪族共役ジエン、重合体分子鎖の末端にモノ(メタ)アクリロイル基を有するマクロモノマー等を挙げることができる。これらの不飽和単量体(e2)は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
【0083】
不飽和単量体(e1)と不飽和単量体(e2)の共重合体の具体例としては、例えば、
特開平7−140654号公報、特開平8−259876号公報、特開平10−3130
8号公報、特開平10−300922号公報、特開平11−174224号公報、特開平
11−258415号公報、特開2000−56118号公報、特開2004−1017
28号公報等に開示されている共重合体を挙げることができる。
【0084】
本発明において、特定重合体以外の樹脂は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
【0085】
本発明において、(B)バインダー樹脂の含有量は、(A)着色剤100質量部に対して、通常、5〜800質量部、好ましくは10〜500質量部である。また、特定重合体と共に、特定重合体以外の樹脂を併用する場合、(B)バインダー樹脂の合計含有量に対する特定重合体の含有割合は20〜99質量%が好ましく、30〜95質量%がより好ましく、40〜90質量%が更に好ましい。このような態様とすることで、薄膜にしたときに所望の色濃度を達成しやすくなる。
【0086】
−(C)重合性化合物−
本発明において重合性化合物(但し、(B)成分を除く。)とは、2個以上の重合可能な基を有する化合物をいう。重合可能な基としては、例えば、エチレン性不飽和基、オキシラニル基、オキセタニル基、N−アルコキシメチルアミノ基等を挙げることができる。本発明において、重合性化合物としては、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物、又は2個以上のN−アルコキシメチルアミノ基を有する化合物が好ましい。
【0087】
2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物の具体例としては、脂肪族ポリヒドロキシ化合物と(メタ)アクリル酸を反応させて得られる多官能(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性された多官能(メタ)アクリレート、アルキレンオキサイド変性された多官能(メタ)アクリレート、水酸基を有する(メタ)アクリレートと多官能イソシアネートを反応させて得られる多官能ウレタン(メタ)アクリレート、水酸基を有する(メタ)アクリレートと酸無水物を反応させて得られるカルボキシ基を有する多官能(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
【0088】
ここで、脂肪族ポリヒドロキシ化合物としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールの如き2価の脂肪族ポリヒドロキシ化合物;グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールの如き3価以上の脂肪族ポリヒドロキシ化合物を挙げることができる。上記水酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、グリセロールジメタクリレート等を挙げることができる。上記多官能イソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等を挙げることができる。酸無水物としては、例えば、無水こはく酸、無水マレイン酸、無水グルタル酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸の如き二塩基酸の無水物、無水ピロメリット酸、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物の如き四塩基酸二無水物を挙げることができる。
【0089】
また、カプロラクトン変性された多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、特開平11−44955号公報の段落〔0015〕〜〔0018〕に記載されている化合物を挙げることができる。上記アルキレンオキサイド変性された多官能(メタ)アクリレートとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドから選ばれる少なくとも1種により変性されたビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドから選ばれる少なくとも1種により変性されたイソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドから選ばれる少なくとも1種により変性されたトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドから選ばれる少なくとも1種により変性されたペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドから選ばれる少なくとも1種により変性されたペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドから選ばれる少なくとも1種により変性されたジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドから選ばれる少なくとも1種により変性されたジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
【0090】
また、2個以上のN−アルコキシメチルアミノ基を有する化合物としては、例えば、メラミン構造、ベンゾグアナミン構造、ウレア構造を有する化合物等を挙げることができる。なお、メラミン構造、ベンゾグアナミン構造とは、1以上のトリアジン環又はフェニル置換トリアジン環を基本骨格として有する化学構造をいい、メラミン、ベンゾグアナミン又はそれらの縮合物をも含む概念である。2個以上のN−アルコキシメチルアミノ基を有する化合物の具体例としては、N,N,N’,N’,N’’,N’’−ヘキサ(アルコキシメチル)メラミン、N,N,N’,N’−テトラ(アルコキシメチル)ベンゾグアナミン、N,N,N’,N’−テトラ(アルコキシメチル)グリコールウリル等を挙げることができる。
【0091】
これらの重合性化合物のうち、3価以上の脂肪族ポリヒドロキシ化合物と(メタ)アクリル酸を反応させて得られる多官能(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性された多官能(メタ)アクリレート、多官能ウレタン(メタ)アクリレート、カルボキシ基を有する多官能(メタ)アクリレート、N,N,N’,N’,N’’,N’’−ヘキサ(アルコキシメチル)メラミン、N,N,N’,N’−テトラ(アルコキシメチル)ベンゾグアナミンが好ましい。3価以上の脂肪族ポリヒドロキシ化合物と(メタ)アクリル酸を反応させて得られる多官能(メタ)アクリレートの中では、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートが、カルボキシ基を有する多官能(メタ)アクリレートの中では、ペンタエリスリトールトリアクリレートと無水こはく酸を反応させて得られる化合物、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートと無水こはく酸を反応させて得られる化合物が、着色層の強度が高く、着色層の表面平滑性に優れ、かつ未露光部の基板上及び遮光層上に地汚れ、膜残り等を発生し難い点で特に好ましい。
【0092】
本発明において、(C)重合性化合物は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
【0093】
本発明における(C)重合性化合物の含有量は、(A)着色剤100質量部に対して、10〜1,000質量部が好ましく、更に20〜700質量部、更に30〜500質量部が好ましい。このような態様とすることで、十分な硬化性が得られるとともに、アルカリ現像性に優れ、未露光部の基板上あるいは遮光層上に地汚れ、膜残り等が発生し難くなる。
【0094】
−(D)光重合開始剤−
本発明の着色組成物には、光重合開始剤を含有せしめることができる。これにより、着色組成物に感放射線性を付与することができる。本発明に用いる光重合開始剤は、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等の放射線の露光により、上記重合性化合物の重合を開始しうる活性種を発生する化合物である。
【0095】
このような光重合開始剤としては、例えば、チオキサントン系化合物、アセトフェノン系化合物、ビイミダゾール系化合物、トリアジン系化合物、O−アシルオキシム系化合物、オニウム塩系化合物、ベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、α−ジケトン系化合物、多核キノン系化合物、ジアゾ系化合物、イミドスルホナート系化合物等を挙げることができる。
【0096】
本発明において、光重合開始剤は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。光重合開始剤としては、チオキサントン系化合物、アセトフェノン系化合物、ビイミダゾール系化合物、トリアジン系化合物、O−アシルオキシム系化合物の群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
【0097】
本発明における好ましい光重合開始剤のうち、チオキサントン系化合物の具体例としては、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等を挙げることができる。
【0098】
また、上記アセトフェノン系化合物の具体例としては、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、2−(4−メチルベンジル)−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン等を挙げることができる。
【0099】
また、上記ビイミダゾール系化合物の具体例としては、2,2'−ビス(2−クロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニル−1,2'−ビイミダゾール、2,2'−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニル−1,2'−ビイミダゾール、2,2'−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニル−1,2'−ビイミダゾール等を挙げることができる。
【0100】
なお、光重合開始剤としてビイミダゾール系化合物を用いる場合、水素供与体を併用することが、感度を改良することができる点で好ましい。ここでいう「水素供与体」とは、露光によりビイミダゾール系化合物から発生したラジカルに対して、水素原子を供与することができる化合物を意味する。水素供与体としては、例えば、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール等のメルカプタン系水素供与体、4,4'−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のアミン系水素供与体を挙げることができる。本発明において、水素供与体は、単独で又は2種以上を混合して使用することができるが、1種以上のメルカプタン系水素供与体と1種以上のアミン系水素供与体とを組み合わせて使用することが、さらに感度を改良することができる点で好ましい。
【0101】
また、上記トリアジン系化合物の具体例としては、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔2−(フラン−2−イル)エテニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−n−ブトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等のハロメチル基を有するトリアジン系化合物を挙げることができる。
【0102】
また、O−アシルオキシム系化合物の具体例としては、1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)フェニル〕−,2−(O−ベンゾイルオキシム)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)、エタノン,1−〔9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロフラニルメトキシベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−,1−(O−アセチルオキシム)、エタノン,1−〔9−エチル−6−{2−メチル−4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラニル)メトキシベンゾイル}−9H−カルバゾール−3−イル〕−,1−(O−アセチルオキシム)等を挙げることができる。O−アシルオキシム系化合物の市販品としては、NCI−831、NCI−930(以上、株式会社ADEKA社製)等を使用することもできる。
【0103】
本発明において、アセトフェノン系化合物等のビイミダゾール系化合物以外の光重合開始剤を用いる場合には、増感剤を併用することもできる。このような増感剤としては、例えば、4,4'−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−ジエチルアミノアセトフェノン、4−ジメチルアミノプロピオフェノン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、2,5−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)シクロヘキサノン、7−ジエチルアミノ−3−(4−ジエチルアミノベンゾイル)クマリン、4−(ジエチルアミノ)カルコン等を挙げることができる。
【0104】
本発明において、光重合開始剤の含有量は、(C)重合性化合物100質量部に対して、0.01〜120質量部が好ましく、特に1〜100質量部が好ましい。この場合、光重合開始剤の含有量が少なすぎると、露光による硬化が不十分となるおそれがあり、一方多すぎると、形成された着色層が現像時に基板から脱落しやすくなる傾向がある。
【0105】
−(F)溶媒−
本発明の着色組成物は、上記(A)〜(C)成分、及び任意的に加えられる他の成分を含有するものであるが、通常、溶媒を配合して液状組成物として調製される。
(F)溶媒としては、硬化性組成物を構成する(A)〜(C)成分や他の成分を分散又は溶解し、かつこれらの成分と反応せず、適度の揮発性を有するものである限り、適宜に選択して使用することができる。
【0106】
このような溶媒としては、例えば、
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート;
酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、ぎ酸n−ペンチル、酢酸i−ペンチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート等の酢酸エステル;
プロピオン酸n−ブチル、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル等のプロピオン酸エステル
等を挙げることができる。
【0107】
本発明において、(F)溶媒は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
【0108】
(F)溶媒の含有量は、特に限定されるものではないが、得られる着色組成物の塗布性、安定性等の観点から、当該着色組成物の溶媒を除いた各成分の合計濃度が、5〜50質量%となる量が好ましく、特に10〜40質量%となる量が好ましい。
【0109】
−添加剤−
本発明の着色組成物は、必要に応じて、種々の添加剤を含有することもできる。
添加剤としては、例えば、ガラス、アルミナ等の充填剤;ポリビニルアルコール、ポリ(フロオロアルキルアクリレート)類等の高分子化合物;フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤等の界面活性剤;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等の密着促進剤;2,2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチルフェノール等の酸化防止剤;2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノン類等の紫外線吸収剤;ポリアクリル酸ナトリウム等の凝集防止剤;マロン酸、アジピン酸、イタコン酸、シトラコン酸、フマル酸、メサコン酸、2−アミノエタノール、3−アミノ−1−プロパノール、5−アミノ−1−ペンタノール、3−アミノ−1,2−プロパンジオール、2−アミノ−1,3−プロパンジオール、4−アミノ−1,2−ブタンジオール等の残渣改善剤;こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕、フタル酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等の現像性改善剤等を挙げることができる。
【0110】
本発明の着色組成物は、適宜の方法により調製することができ、その調製方法としては、例えば、特開2008−58642号公報、特開2010−132874号公報等に開示されている方法を挙げることができる。着色剤として染料と顔料の両方を使用する場合、特開2010−132874号公報に開示されているように、染料溶液を第1のフィルタに通した後、第1のフィルタを通過した染料溶液を、別途調製した顔料分散液等と混合し、得られた着色組成物を第2のフィルタに通すことにより調製する方法を採用することができる。また、染料と、上記(B)〜(C)成分、並びに必要に応じて使用する他の成分を溶媒に溶解し、得られた溶液を第1のフィルタに通した後、第1のフィルタを通過した溶液を、別途調製した顔料分散液と混合し、得られた着色組成物を第2のフィルタに通すことにより調製する方法を採用してもよい。また、染料溶液を第1のフィルタに通した後、第1のフィルタを通過した染料溶液と、上記(B)〜(C)成分、並びに必要に応じて使用する他の成分を混合・溶解し、得られた溶液を第2のフィルタに通し、更に第2のフィルタを通過した溶液を、別途調製した顔料分散液と混合し、得られた着色組成物を第3のフィルタに通すことにより調製する方法も採用することができる。
【0111】
着色硬化膜及びその製造方法
本発明の着色硬化膜は、本発明の着色組成物を用いて形成されたものであり、具体的には、カラーフィルタに用いられる各色画素、ブラックマトリックス、ブラックスペーサー等を意味する。
【0112】
以下、カラーフィルタに用いられる着色硬化膜及びその形成方法について説明する。
カラーフィルタを製造する方法としては、第一に次の方法が挙げられる。まず、基板の表面上に、必要に応じて、画素を形成する部分を区画するように遮光層(ブラックマトリックス)を形成する。次いで、この基板上に、例えば、青色の本発明の感放射線性着色組成物の液状組成物を塗布したのち、プレベークを行って溶媒を蒸発させ、塗膜を形成する。次いで、この塗膜にフォトマスクを介して露光したのち、アルカリ現像液を用いて現像して、塗膜の未露光部を溶解除去する。その後、ポストベークすることにより、青色の画素パターン(着色硬化膜)が所定の配列で配置された画素アレイを形成する。
【0113】
次いで、緑色又は赤色の各感放射線性着色組成物を用い、上記と同様にして、各感放射線性着色組成物の塗布、プレベーク、露光、現像及びポストベークを行って、緑色の画素アレイ及び赤色の画素アレイを同一基板上に順次形成する。これにより、青色、緑色及び赤色の三原色の画素アレイが基板上に配置されたカラーフィルタが得られる。但し、本発明においては、各色の画素を形成する順序は、上記のものに限定されない。
【0114】
また、ブラックマトリックスは、スパッタや蒸着により成膜したクロム等の金属薄膜を、フォトリソグラフィー法を利用して所望のパターンとすることにより形成することができるが、黒色の顔料が分散された感放射線性着色組成物を用いて、上記画素の形成の場合と同様にして形成することもできる。
【0115】
カラーフィルタを形成する際に使用される基板としては、例えば、ガラス、シリコン、ポリカーボネート、ポリエステル、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド等を挙げることができる。
また、これらの基板には、所望により、シランカップリング剤等による薬品処理、プラズマ処理、イオンプレーティング、スパッタリング、気相反応法、真空蒸着等の適宜の前処理を施しておくこともできる。
【0116】
感放射線性着色組成物を基板に塗布する際には、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法(スピンコート法)、スリットダイ塗布法(スリット塗布法)、バー塗布法等の適宜の塗布法を採用することができるが、特に、スピンコート法、スリットダイ塗布法を採用することが好ましい。
【0117】
プレベークは、通常、減圧乾燥と加熱乾燥を組み合わせて行われる。減圧乾燥は、通常50〜200Paに到達するまで行う。また、加熱乾燥の条件は、通常70〜110℃で1〜10分程度である。
【0118】
塗布厚さは、乾燥後の膜厚として、通常、0.6〜8μm、好ましくは1.2〜5μmである。
【0119】
画素及びブラックマトリックスから選ばれる少なくとも1種を形成する際に使用される放射線の光源としては、例えば、キセノンランプ、ハロゲンランプ、タングステンランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、中圧水銀灯、低圧水銀灯等のランプ光源やアルゴンイオンレーザー、YAGレーザー、XeClエキシマーレーザー、窒素レーザー等のレーザー光源等を挙げることができる。露光光源として、紫外線LEDを使用することもできる。波長は、190〜450nmの範囲にある放射線が好ましい。
【0120】
放射線の露光量は、一般的には10〜10,000J/m
2が好ましい。
また、上記アルカリ現像液としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等の水溶液が好ましい。
【0121】
アルカリ現像液には、例えば、メタノール、エタノール等の水溶性有機溶剤や界面活性剤等を適量添加することもできる。なお、アルカリ現像後は、通常、水洗する。
現像処理法としては、シャワー現像法、スプレー現像法、ディップ(浸漬)現像法、パドル(液盛り)現像法等を適用することができる。現像条件は、常温で5〜300秒が好ましい。
【0122】
ポストベークの条件は、通常180〜280℃で10〜60分程度である。
このようにして形成された画素の膜厚は、通常0.5〜5μm、好ましくは1.0〜3μmである。
【0123】
また、カラーフィルタを製造する第二の方法として、特開平7−318723号公報、特開2000−310706号公報等に開示されている、インクジェット方式により各色の画素を得る方法を採用することができる。この方法においては、まず、基板の表面上に、遮光機能も兼ねた隔壁を形成する。次いで、形成された隔壁内に、例えば、青色の本発明の熱硬化性着色組成物の液状組成物を、インクジェット装置により吐出したのち、プレベークを行って溶媒を蒸発させる。次いで、この塗膜を必要に応じて露光したのち、ポストベークすることにより硬化させ、青色の画素パターンを形成する。
【0124】
次いで、緑色又は赤色の各熱硬化性着色組成物を用い、上記と同様にして、緑色の画素パターン及び赤色の画素パターンを同一基板上に順次形成する。これにより、青色、緑色及び赤色の三原色の画素パターンが基板上に配置されたカラーフィルタが得られる。但し、本発明においては、各色の画素を形成する順序は、上記のものに限定されない。
【0125】
なお、隔壁は、遮光機能のみならず、区画内に吐出された各色の熱硬化性着色組成物が混色しないための機能も果たしているため、上記した第一の方法で使用されるブラックマトリックスに比べ、膜厚が厚い。したがって、隔壁は、通常、黒色感放射線性組成物を用いて形成される。
【0126】
カラーフィルタを形成する際に使用される基板や放射線の光源、また、プレベークやポストベークの方法や条件は、上記した第一の方法と同様である。このようにして、インクジェット方式により形成された画素の膜厚は、隔壁の高さと同程度である。
【0127】
このようにして得られた画素パターン上に、必要に応じて保護膜を形成した後、透明導電膜をスパッタリングにより形成する。透明導電膜を形成した後、更にスペーサーを形成してカラーフィルタとすることもできる。スペーサーは、通常、感放射線性組成物を用いて形成されるが、遮光性を有するスペーサー(ブラックスペーサー)とすることもできる。この場合、黒色の着色剤が分散された着色感放射線性組成物が用いられるが、本発明の着色組成物は、かかるブラックスペーサーの形成にも好適に使用することができる。
【0128】
本発明の着色組成物は、上記カラーフィルタに用いられる各色画素、ブラックマトリックス、ブラックスペーサー等のいずれの着色硬化膜の形成においても、好適に用いることができる。
【0129】
このようにして形成された本発明の着色硬化膜を含むカラーフィルタは、輝度及び色純度が極めて高いため、カラー液晶表示素子、カラー撮像管素子、カラーセンサー、有機EL表示素子、電子ペーパー等に極めて有用である。なお、後述する表示素子は、本発明の着色組成物を用いて形成された着色硬化膜を少なくとも1以上具備するものであればよい。
【0130】
表示素子
本発明の表示素子は、本発明の着色硬化膜を具備するものである。表示素子としては、カラー液晶表示素子、有機EL表示素子、電子ペーパー等を挙げることができる。
【0131】
本発明の着色硬化膜を具備するカラー液晶表示素子は、透過型でも反射型でもよく、適宜の構造を採ることができる。例えば、カラーフィルタを、薄膜トランジスター(TFT)が配置された駆動用基板とは別の基板上に形成して、駆動用基板とカラーフィルタを形成した基板とが、液晶層を介して対向した構造を採ることができ、さらに薄膜トランジスター(TFT)が配置された駆動用基板の表面上にカラーフィルタを形成した基板と、ITO(錫をドープした酸化インジュウム)電極あるいはIZO(酸価インジュウムと酸化亜鉛との混合物)電極を形成した基板とが、液晶層を介して対向した構造を採ることもできる。後者の構造は、開口率を格段に向上させることができ、明るく高精細な液晶表示素子が得られるという利点を有する。なお、後者の構造を採用する場合、ブラックマトリックスやブラックスペーサーは、カラーフィルタを形成した基板側、並びにITO電極あるいはIZO電極を形成した基板側のどちらに形成されていても良い。
【0132】
本発明の着色硬化膜を具備するカラー液晶表示素子は、冷陰極蛍光管(CCFL:Cold Cathode Fluorescent Lamp)の他、白色LEDを光源とするバックライトユニットを具備することができる。白色LEDとしては、例えば、赤色LEDと緑色LEDと青色LEDを組み合わせて混色により白色光を得る白色LED、青色LEDと赤色LEDと緑色蛍光体を組み合わせて混色により白色光を得る白色LED、青色LEDと赤色発光蛍光体と緑色発光蛍光体を組み合わせて混色により白色光を得る白色LED、青色LEDとYAG系蛍光体の混色により白色光を得る白色LED、青色LEDと橙色発光蛍光体と緑色発光蛍光体を組み合わせて混色により白色光を得る白色LED、紫外線LEDと赤色発光蛍光体と緑色発光蛍光体と青色発光蛍光体を組み合わせて混色により白色光を得る白色LED等を挙げることができる。
【0133】
本発明の着色硬化膜を具備するカラー液晶表示素子には、TN(Twisted Nematic)型、STN(Super Twisted Nematic)型、IPS(In−Planes Switching)型、VA(Vertical Alignment)型、OCB(Optically Compensated Birefringence)型等の適宜の液晶モードが適用できる。
【0134】
また、本発明の着色硬化膜を具備する有機EL表示素子は、適宜の構造をとることが可能であり、例えば、特開平11−307242号公報に開示されている構造を挙げることができる。
また、本発明の着色硬化膜を具備する電子ペーパーは、適宜の構造をとることが可能であり、例えば、特開2007−41169号公報に開示されている構造を挙げることができる。
【実施例】
【0135】
以下、実施例を挙げて、本発明の実施の形態をさらに具体的に説明する。但し、本発明は、下記実施例に限定されるものではない。
【0136】
<Mw及びMw/Mnの測定>
下記の各合成例で得た重合体のMw及びMnは、下記仕様のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、GPCと略す)により測定した。
装置 :GPC−104(昭和電工株式会社製)。
カラム:KD−G、KF−603、KF−602、KF−601(以上、昭和電工株式会社製)を結合して用いた。
移動相:テトラヒドロフラン。
【0137】
<特定重合体以外のバインダー樹脂の合成>
合成例1
冷却管と攪拌機を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート100質量部を仕込んで窒素置換した。80℃に加熱して、同温度で、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート50質量部、メタクリル酸20質量部、スチレン10質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート15質量部、2−エチルヘキシルメタクリレート28質量部、N−フェニルマレイミド12質量部、こはく酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)15質量部及び2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)6質量部の混合溶液を2時間かけて滴下し、この温度を保持して1時間重合した。その後、反応溶液の温度を90℃に昇温させ、さらに1時間重合することにより、樹脂(B−1)溶液(固形分濃度=40質量%)を得た。得られた樹脂(B−1)は、Mw=10500、Mn=5900、Mw/Mn=1.78であった。なお、樹脂(B−1)は特定重合体以外のバインダー樹脂に相当する。
【0138】
<特定重合体の合成>
合成例2
冷却管と攪拌機を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート1056質量部を仕込んで窒素置換した。80℃に加熱して、同温度で、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート544質量部、メタクリル酸ブチル160質量部、メタクリル酸メチル160質量部、メタクリル酸グリシジル480質量部、及び2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)7質量部を2時間かけて滴下し、この温度を保持して1時間重合した。その後、反応溶液の温度を90℃に昇温させ、さらに1時間重合することにより、樹脂(1)溶液(固形分濃度=33質量%)を得た。得られた樹脂(1)は、Mw=7200、Mn=4000、Mw/Mn=1.78であった。
【0139】
合成例3
冷却管と攪拌機を備えたフラスコに、樹脂(1)溶液を300.0質量部、テトラブチルアンモニウムブロミド2.00質量部、4−メトキシフェノール0.33質量部を仕込んで空気バブリングした。110℃に加熱して、同温度で酢酸24.8質量部(メタクリル酸グリシジルのモル数に対して100モル%)を15分かけて滴下し、この温度を保持して9時間付加反応を行なうことにより、樹脂(2)溶液(固形分濃度=37質量%)を得た。得られた樹脂(2)は、Mw=9800,Mn=5400、Mw/Mn=1.82であった。
冷却管と攪拌機を備えたフラスコに、樹脂(2)溶液を301.3質量部、無水イタコン酸26.6質量部を仕込んで空気バブリング条件下、100℃にて6時間加熱攪拌し、付加反応を行なうことにより、樹脂(B−2)溶液(固形分濃度=40質量%)を得た。得られた樹脂(B−2)は、Mw=15800、Mn=7100、Mw/Mn=2.23であった。
【0140】
合成例4
冷却管と攪拌機を備えたフラスコに、樹脂(1)溶液を307.0質量部、テトラブチルアンモニウムブロミド2.04質量部、4−メトキシフェノール0.34質量部を仕込んで空気バブリングした。110℃に加熱して、同温度でプロピオン酸31.3質量部(メタクリル酸グリシジルのモル数に対して100モル%)加え、樹脂(3)溶液(固形分濃度=37質量%)を得た。得られた樹脂(3)溶液は、Mw=9300、Mn=5500、Mw/Mn=1.71であった。
冷却管と攪拌機を備えたフラスコに、樹脂(3)溶液を306.6質量部、無水マレイン酸23.4質量部を仕込んで空気バブリング条件下、100℃にて6時間加熱攪拌し、付加反応を行なうことにより、樹脂(B−3)溶液(固形分濃度=40質量%)を得た。得られた樹脂(B−3)は、Mw=10800、Mn=6300、Mw/Mn=1.71であった。
【0141】
合成例5
冷却管と攪拌機を備えたフラスコに、合成例4で得られた樹脂(3)溶液を306.6質量部、無水イタコン酸26.6質量部を仕込んで空気バブリング条件下、100℃にて6時間加熱攪拌し、付加反応を行なうことにより、樹脂(B−4)溶液(固形分濃度=40質量%)を得た。得られた樹脂(B−4)は、Mw=10500、Mn=6200、Mw/Mn=1.67であった。
【0142】
合成例6
冷却管と攪拌機を備えたフラスコに、樹脂(1)溶液を429.8質量部、テトラブチルアンモニウムブロミド3.07質量部、4−メトキシフェノール1.03質量部を仕込んで空気バブリングした。110℃に加熱して、同温度でトリフルオロプロピオン酸74.4質量部(メタクリル酸グリシジルのモル数に対して100モル%)加え、(5)樹脂溶液(固形分濃度=37質量%)を得た。得られた樹脂(5)溶液は、Mw=10200、Mn=6000、Mw/Mn=1.70であった。
冷却管と攪拌機を備えたフラスコに、樹脂(5)溶液を412質量部、無水マレイン酸24.8質量部を仕込んで空気バブリング条件下、100℃にて6時間加熱攪拌し、付加反応を行なうことにより、樹脂(B−5)溶液(固形分濃度=40質量%)を得た。得られた樹脂(B−5)は、Mw=12100、Mn=7000、Mw/Mn=1.73であった。
【0143】
合成例7
冷却管と攪拌機を備えたフラスコに、樹脂(1)溶液を921質量部、テトラブチルアンモニウムブロミド6.15質量部、4−メトキシフェノール1.04質量部を仕込んで空気バブリングした。110℃に加熱して、同温度でメタクリル酸109.2質量部(メタクリル酸グリシジルのモル数に対して100モル%)加え、樹脂(6)溶液(固形分濃度=37質量%)を得た。得られた樹脂(6)溶液は、Mw=9600、Mn=5300、Mw/Mn=1.81であった。
冷却管と攪拌機を備えたフラスコに、樹脂(6)溶液を412質量部、無水イタコン酸23.4質量部を仕込んで空気バブリング条件下、100℃にて6時間加熱攪拌し、付加反応を行なうことにより、樹脂(B−6)溶液(固形分濃度=40質量%)を得た。得られた樹脂(B−6)は、Mw=15600、Mn=7400、Mw/Mn=2.10であった。
【0144】
<分散剤の合成>
合成例9
特開2011−237769号公報の段落〔0132〕に記載の方法に従い、分散剤(1)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(固形分濃度=40質量%)を合成した。
【0145】
合成例10
特開2011−237769号公報の段落〔0140〕に記載の方法に従い、分散剤(2)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(固形分濃度=40質量%)を合成した。
【0146】
<顔料分散液の調製>
調製例1
着色剤としてC.I.ピグメントグリーン58を9.10質量部、C.I.ピグメントイエロー138を3.90質量部、分散剤(1)溶液10.74質量部(固形分濃度=40質量%)、分散助剤(キノフタロン系顔料誘導体)0.22質量部、樹脂(B−1)溶液を13.33質量部(固形分濃度=40質量%)、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート61.0質量部とプロピレングリコールモノメチルエーテル1.71質量部を用いて、ビーズミルにより混合・分散して緑色の顔料分散液(g−1)を調製した。
【0147】
調製例2
調製例1において、分散剤(1)に代えて分散剤(2)を用いた以外は調製例1と同様にして、緑色の顔料分散液(g−2)を調製した。
【0148】
<着色組成物の調製及び評価>
実施例1
着色組成物の調製
(A)着色剤として緑色顔料分散液(g−1)1192質量部、特定重合体として樹脂(B−2)溶液95質量部、(C)重合性化合物としてペンタエリスリトールペンタアクリレート(東亞合成株式会社製、アロニックスM−450)50質量部、光重合開始剤としてアデカアークルズNCI−831(ADEKA社製)10質量部、界面活性剤としてエマルゲンA−60(花王株式会社製)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート5質量%溶液を13質量部、及び溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート640質量部、3−メトキシブチルアセテート400質量部を混合して、固形分濃度約15質量%の緑色着色組成物(S−1)を調製した。
【0149】
現像速度及びパターン形状の評価
着色組成物(S−1)を、表面にナトリウムイオンの溶出を防止するSiO
2膜が形成された直径4インチのソーダガラス基板上に、スリットダイコーターを用いて塗布したのち、ホットプレートにて90℃で1分間プレベークを行って、膜厚2.5μmの塗膜を形成した。高圧水銀ランプを用い、100μmストライプパターンが形成されたフォトマスクを介し、各塗膜に365nm、405nm及び436nmの各波長を含む放射線を600J/m
2、基板とマスク間の距離を200μmとして露光した。その後、この基板に対して、23℃の0.04質量%炭酸ナトリウム水溶液からなる現像液を現像圧1kgf/cm
2(ノズル径1mm)で吐出することによりシャワー現像を行った。この際、未露光部の塗膜が完全に解離するまでの時間(抜け時間)を測定した。そして、抜け時間が25s未満の場合を「A」、25秒以上30s未満の場合を「B」、30s以上の場合を「C」とした。この時間が短いほど、現像速度が速く、カラーフィルタ製造のタクトタイムを短縮できるという利点がある。評価結果を表2に示す。
シャワー現像後の基板に対して、さらに230℃で20分間ポストベークを行って、基板上に100μm幅のストライプパターンを形成した。得られた基板について、走査型電子顕微鏡(SEM)にてパターン形状の観察を行い、ガラス界面に対してスロープ状に密着しているものを「○」、ガラス界面に対して垂直形状あるいは先端部が浮いているものを「×」とした。評価結果を表2に示す。
【0150】
耐溶剤性の評価
着色組成物(S−1)を、ガラス基板上に、スリットダイコーターを用いて塗布した後、90℃のホットプレートで1分間プレベークを行って、膜厚2.5μmの塗膜を形成した。
次いで、この基板を室温に冷却したのち、高圧水銀ランプを用い、フォトマスクを介さずに、各塗膜に365nm、405nm及び436nmの各波長を含む放射線を600J/m
2、基板とマスク間の距離を200μmとして露光した。その後、この基板に対して、23℃の0.04質量%炭酸ナトリウム水溶液からなる現像液を現像圧1kgf/cm
2(ノズル径1mm)で吐出することによりシャワー現像を行った。その後、これらの基板を超純水で洗浄し、風乾した後、更に230℃のクリーンオーブン内で20分間ポストベークを行うことにより、緑色の硬化膜を作製した。
得られた硬化膜について、カラーアナライザー(大塚電子(株)製MCPD2000)を用い、C光源、2度視野にて、CIE表色系における色度座標値(x,y)及び刺激値(Y)を測定した。
次に、ポストベーク後の硬化膜をN−メチルピロリドンに5分間、浸漬させた。この浸漬後の硬化膜について、カラーアナライザー(大塚電子(株)製MCPD2000)を用い、C光源、2度視野にて、CIE表色系における色度座標値(x,y)及び刺激値(Y)を測定し、浸漬前後での色変化、即ちΔEab
*を算出した。ΔEab
*が3以下の場合を「○」、ΔEab
*が3〜5の場合を「△」、ΔEab
*が5以上の場合を「×」とした。ΔEab
*が小さいほど、耐溶剤性が良好であると言える。評価結果を表2に示す。
【0151】
クラック耐性の評価
着色組成物(S−1)を、表面にナトリウムイオンの溶出を防止するSiO
2膜が形成された直径4インチのソーダガラス基板上に、スリットダイコーターを用いて塗布したのち、ホットプレートにて90℃で1分間プレベークを行って、膜厚2.5μmの塗膜を形成した。
次いで、この基板を室温に冷却したのち、高圧水銀ランプを用い、フォトマスクを介して、塗膜に365nm、405nm及び436nmの各波長を含む放射線を600J/m
2、基板とマスク間の距離を200μmとして露光した。その後、この基板に対して23℃の0.04質量%炭酸ナトリウム水溶液からなる現像液を現像圧1kgf/cm
2(ノズル径1mm)で吐出することにより、シャワー現像を行ったのち、さらに230℃で20分間ポストベークを行って、基板上に100μm幅のストライプパターンを形成した。
得られた基板を、25℃のN−メチルピロリドンにそれぞれ30分間浸漬し、浸漬後のストライプパターンを光学顕微鏡で観察し、クラックの個数が0〜1個である場合を「○」、2〜4個である場合を「△」、5個以上の場合を「×」とした。クラックの個数が少ないほど、クラック耐性が良好であると言える。評価結果を表2に示す。
【0152】
欠け耐性の評価
着色組成物(S−1)を、表面にナトリウムイオンの溶出を防止するSiO
2膜が形成された直径4インチのソーダガラス基板上に、スリットダイコーターを用いて塗布したのち、ホットプレートにて90℃で1分間プレベークを行って、膜厚2.5μmの塗膜を形成した。次いで、この基板を室温に冷却したのち、高圧水銀ランプを用い、100μm幅のストライプパターンを有するフォトマスクを介して、塗膜に365nm、405nm及び436nmの各波長を含む放射線を400J/m
2、基板とマスク間の距離を350μmとして露光した。その後、この基板に対して23℃の0.04質量%炭酸ナトリウム水溶液からなる現像液を現像圧1kgf/cm
2(ノズル径1mm)で吐出することにより、シャワー現像を行った。
光学顕微鏡にてストライプパターン5本を任意で抽出し、パターン欠けの個数を計測した。パターン欠けが0〜1個の場合を「○」、2〜10個の場合を「△」、11個以上の場合を「×」とした。パターン欠けが少ないほど、欠け耐性が良好であると言える。評価結果を表2に示す。
【0153】
実施例2〜5及び比較例1〜4
実施例1において、重合体溶液、溶媒の種類及び量を表1に示すように変更した以外は実施例1と同様にして、緑色着色組成物(S−2)〜(S−9)を調製した。そして、得られた緑色着色組成物(S−2)〜(S−9)について、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表2に示す。
【0154】
【表1】
【0155】
なお、表1において、各成分の略号の意味は下記の通りである。
C−1:ペンタエリスリトールペンタアクリレート(東亞合成株式会社製、アロニックスM−450)
D−1:アデカアークルズNCI−831(株式会社ADEKA製)
G−1:エマルゲンA−60(花王株式会社製)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート5質量%溶液
F−1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
F−2:メトキシブチルアセテート
F−3:3−エトキシプロピオン酸エチル
【0156】
【表2】