特許第6089758号(P6089758)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6089758
(24)【登録日】2017年2月17日
(45)【発行日】2017年3月8日
(54)【発明の名称】情報描画装置、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 11/60 20060101AFI20170227BHJP
【FI】
   G06T11/60 100A
【請求項の数】6
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-29218(P2013-29218)
(22)【出願日】2013年2月18日
(65)【公開番号】特開2014-157569(P2014-157569A)
(43)【公開日】2014年8月28日
【審査請求日】2016年1月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000549
【氏名又は名称】株式会社大林組
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】金子 智弥
(72)【発明者】
【氏名】堀内 英行
【審査官】 真木 健彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−114013(JP,A)
【文献】 特開平07−282074(JP,A)
【文献】 特開平05−265171(JP,A)
【文献】 仁田 亮,引き出し線を用いた地図の外側へのラベル配置問題,情報処理学会研究報告 平成21年度 2 [CD-ROM],日本,社団法人情報処理学会,2009年 8月15日,Vol.2009-AL-125 No.3,P.1-3,ISSN 1884-0930
【文献】 大塚 善仁,引出し線を用いたラベル配置問題,情報処理学会研究報告 Vol.2001 No.79,日本,社団法人情報処理学会,2001年 7月27日,アルゴリズム 79-9,P.53-58,ISSN 0919-6072
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 11/60
G06T 11/80
G06F 17/50
G09B 29/00 − 29/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像上の複数の対象箇所に関連する関連情報を前記画像とともに描画するための装置であって、
前記対象箇所を記憶する対象箇所記憶部と、
前記関連情報の描画可能な位置である描画可能位置を記憶する描画可能位置記憶部と、
各前記対象箇所とこれに対応する前記描画可能位置との間の距離の合計が最小となるように、前記各対象箇所に対応する前記描画可能位置を、前記関連情報を描画するべき位置として決定する描画位置決定部と、
前記関連情報の前記画像における配置可能位置を設定する形状の指定を受け付ける描画可能位置形状受付部と
前記関連情報を千鳥配置で描画するか否かの入力を受け付ける配置態様受付部と、
前記描画可能位置形状受付部で受け付けた形状に応じて前記描画可能位置を決定し、その際、前記画像の側端部における間隔よりも前記画像の上下端部における間隔が大きくなるように前記描画可能位置を決定して前記描画可能位置記憶部に記憶する配置可能位置登録部と、
を備え
前記配置可能位置登録部は、前記配置態様受付部が、前記関連情報を千鳥配置で描画する旨の入力を受け付けた場合には、前記画像の上下端部において、隣り合う前記描画可能位置が互いに上下方向にずれるように前記描画可能位置を決定することを特徴とする情報描画装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報描画装置であって、
前記描画可能位置および前記対象箇所の全ての組み合わせについて、前記描画可能位置および前記対象箇所の間の距離を記憶する距離表を備え、
前記描画位置決定部は、前記距離表から前記描画可能位置および前記対象箇所の間の距離を読み出し、
前記描画可能位置および前記対象箇所の全ての組み合わせについて、前記描画可能位置および前記対象箇所の間の距離を計算して前記距離表に登録し、前記距離表を前記距離の順にソートする距離算出部をさらに備えること、
を特徴とする情報描画装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の情報描画装置であって、
前記対象箇所と前記関連情報を描画するべき位置とを対応付けて記憶するための対応表をさらに備え、
前記描画位置決定部は、前記各対象箇所について1つの前記描画可能位置を対応付けて前記対応表に登録する初期化処理を実行し、
前記描画位置決定部は、第1の前記対象箇所のそれぞれについて、
前記第1の対象箇所に対応する前記描画可能位置である第1位置を前記対応表から特定し、
前記第1の対象箇所と前記第1位置との間の距離である第1現在距離を算出し、
前記第1位置よりも前記第1の対象箇所に近い前記描画可能位置である第2位置を選択し、
前記第1の対象箇所と前記第2位置との間の距離である第1新距離を算出し、
前記第2位置に対応する前記対象箇所である第2の対象箇所を前記対応表から特定し、
前記第2の対象箇所と前記第2位置との間の距離である第2現在距離を算出し、
前記第2の対象箇所と前記第1位置との間の距離である第2新距離を算出し、
前記第1現在距離と前記第2現在距離との合計よりも、前記第1新距離と前記第2新距離との合計が短い場合に、前記第1の対象箇所と前記第2位置とを対応付けて前記対応表に記憶するとともに、前記第2の対象箇所と前記第1位置とを対応付けて前記対応表に記憶する最適化処理を実行し、
前記初期化処理において、前記描画位置決定部は、前記対象箇所のそれぞれについて、前記描画可能位置のうち前記対応表において他の対象箇所に対応付けられていないものの中から、当該対象箇所に最も近い前記描画可能位置を選択し、前記選択した描画可能位置を当該対象箇所に対応付けて前記対応表に登録していくこと、
を特徴とする情報描画装置。
【請求項4】
画像上の複数の対象箇所に関連する関連情報を前記画像とともに描画するためのプログラムであって、
前記対象箇所を記憶する対象箇所記憶部と、前記関連情報の描画可能な位置である描画可能位置を記憶する描画可能位置記憶部と、を備えるコンピュータに、
各前記対象箇所とこれに対応する前記描画可能位置との間の距離の合計が最小となるように、前記各対象箇所に対応する前記描画可能位置を、前記関連情報を描画するべき位置として決定する描画位置決定ステップと、
前記関連情報の前記画像における配置可能位置を設定する形状の指定を受け付ける描画可能位置形状受付ステップと、
前記関連情報を千鳥配置で描画するか否かの入力を受け付ける配置態様受付ステップと、
前記描画可能位置形状受付ステップで受け付けた形状に応じて前記描画可能位置を決定し、その際、前記画像の側端部における間隔よりも前記画像の上下端部における間隔が大きくなるように前記描画可能位置を決定して前記描画可能位置記憶部に記憶する配置可能位置登録ステップと、を実行させ、
前記配置可能位置登録ステップでは、前記配置態様受付ステップが、前記関連情報を千鳥配置で描画する旨の入力を受け付けた場合には、前記画像の上下端部において、隣り合う前記描画可能位置が互いに上下方向にずれるように前記描画可能位置を決定する
プログラム。
【請求項5】
請求項4に記載のプログラムであって、
前記コンピュータは、前記描画可能位置および前記対象箇所の全ての組み合わせについて、前記描画可能位置および前記対象箇所の間の距離を記憶する距離表を備え、
前記描画位置決定ステップは、前記距離表から前記描画可能位置および前記対象箇所の間の距離を読み出し、
前記描画可能位置および前記対象箇所の全ての組み合わせについて、前記描画可能位置および前記対象箇所の間の距離を計算して前記距離表に登録し、前記距離表を前記距離の順にソートする距離算出ステップをさらに前記コンピュータに実行させる
プログラム
【請求項6】
請求項4又は5に記載のプログラムであって、
前記コンピュータは、前記対象箇所と前記関連情報を描画するべき位置とを対応付けて記憶するための対応表をさらに備え、
前記描画位置決定ステップは、前記各対象箇所について1つの前記描画可能位置を対応付けて前記対応表に登録する初期化処理を実行し、
前記描画位置決定ステップは、第1の前記対象箇所のそれぞれについて、
前記第1の対象箇所に対応する前記描画可能位置である第1位置を前記対応表から特定し、
前記第1の対象箇所と前記第1位置との間の距離である第1現在距離を算出し、
前記第1位置よりも前記第1の対象箇所に近い前記描画可能位置である第2位置を選択し、
前記第1の対象箇所と前記第2位置との間の距離である第1新距離を算出し、
前記第2位置に対応する前記対象箇所である第2の対象箇所を前記対応表から特定し、
前記第2の対象箇所と前記第2位置との間の距離である第2現在距離を算出し、
前記第2の対象箇所と前記第1位置との間の距離である第2新距離を算出し、
前記第1現在距離と前記第2現在距離との合計よりも、前記第1新距離と前記第2新距離との合計が短い場合に、前記第1の対象箇所と前記第2位置とを対応付けて前記対応表に記憶するとともに、前記第2の対象箇所と前記第1位置とを対応付けて前記対応表に記憶する最適化処理を実行し、
前記初期化処理において、前記描画位置決定部は、前記対象箇所のそれぞれについて、前記描画可能位置のうち前記対応表において他の対象箇所に対応付けられていないものの中から、当該対象箇所に最も近い前記描画可能位置を選択し、前記選択した描画可能位置を当該対象箇所に対応付けて前記対応表に登録していく
プログラム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報描画装置、情報描画方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像を描画するにあたり注記等の関連情報を画像に重ねて描画することが求められることがある。たとえば、特許文献1では、ナビゲーション装置において地図上の施設に関する表示データを表示するにあたり、施設の密集したブロックの近くの表示ブロックに引き出しにより表示することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−267955号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のナビゲーション装置では、密集したブロックに含まれる施設について、1つずつ順次近い表示ブロックに施設名を表示していくため、施設の選択順序によって必ずしも見やすい引き出し表示となるとは限らない。
【0005】
本発明は、このような背景を鑑みてなされたものであり、画像上の場所に関連する情報を見やすく描画することのできる、情報描画装置、情報描画方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明の主たる発明は、画像上の複数の対象箇所に関連する関連情報を前記画像とともに描画するための装置であって、前記対象箇所を記憶する対象箇所記憶部と、前記関連情報の描画可能な位置である描画可能位置を記憶する描画可能位置記憶部と、各前記対象箇所とこれに対応する前記描画可能位置との間の距離の合計が最小となるように、前記各対象箇所に対応する前記描画可能位置を、前記関連情報を描画するべき位置として決定する描画位置決定部と、を備え前記関連情報の前記画像における配置可能位置を設定する形状の指定を受け付ける描画可能位置形状受付部と
前記関連情報を千鳥配置で描画するか否かの入力を受け付ける配置態様受付部と、
前記描画可能位置形状受付部で受け付けた形状に応じて前記描画可能位置を決定し、その際、前記画像の側端部における間隔よりも前記画像の上下端部における間隔が大きくなるように前記描画可能位置を決定して前記描画可能位置記憶部に記憶する配置可能位置登録部と、を備え、前記配置可能位置登録部は、前記配置態様受付部が、前記関連情報を千鳥配置で描画する旨の入力を受け付けた場合には、前記画像の上下端部において、隣り合う前記描画可能位置が互いに上下方向にずれるように前記描画可能位置を決定することとする。
【0008】
また、本発明の情報描画装置は、前記描画可能位置および前記対象箇所の全ての組み合わせについて、前記描画可能位置および前記対象箇所の間の距離を記憶する距離表を備え、前記描画位置決定部は、前記距離表から前記描画可能位置および前記対象箇所の間の距離を読み出し、前記描画可能位置および前記対象箇所の全ての組み合わせについて、前記描画可能位置および前記対象箇所の間の距離を計算して前記距離表に登録し、前記距離表を前記距離の順にソートする距離算出部をさらに備えるようにしてもよい
【0009】
また、本発明の情報描画装置は、前記描画可能位置および前記対象箇所の全ての組み合わせについて、前記描画可能位置および前記対象箇所の間の距離を計算して前記距離表に登録し、前記距離表を前記距離の順にソートする距離算出部をさらに備えるようにしてもよい。
【0010】
また、本発明の情報描画装置は、前記対象箇所と前記関連情報を描画するべき位置とを対応付けて記憶するための対応表をさらに備え、前記描画位置決定部は、前記各対象箇所について1つの前記描画可能位置を対応付けて前記対応表に登録する初期化処理を実行し、前記描画位置決定部は、第1の前記対象箇所のそれぞれについて、前記第1の対象箇所に対応する前記描画可能位置である第1位置を前記対応表から特定し、前記第1の対象箇所と前記第1位置との間の距離である第1現在距離を算出し、前記第1位置よりも前記第1の対象箇所に近い前記描画可能位置である第2位置を選択し、前記第1の対象箇所と前記第2位置との間の距離である第1新距離を算出し、前記第2位置に対応する前記対象箇所である第2の対象箇所を前記対応表から特定し、前記第2の対象箇所と前記第2位置との間の距離である第2現在距離を算出し、前記第2の対象箇所と前記第1位置との間の距離である第2新距離を算出し、前記第1現在距離と前記第2現在距離との合計よりも、前記第1新距離と前記第2新距離との合計が短い場合に、前記第1の対象箇所と前記第2位置とを対応付けて前記対応表に記憶するとともに、前記第2の対象箇所と前記第1位置とを対応付けて前記対応表に記憶する最適化処理を実行し、前記初期化処理において、前記描画位置決定部は、前記対象箇所のそれぞれについて、前記描画可能位置のうち前記対応表において他の対象箇所に対応付けられていないものの中から、当該対象箇所に最も近い前記描画可能位置を選択し、前記選択した描画可能位置を当該対象箇所に対応付けて前記対応表に登録していくようにしてもよい。
【0017】
また、本発明の他の態様は、画像上の複数の対象箇所に関連する関連情報を前記画像とともに描画するためのプログラムであって、前記対象箇所を記憶する対象箇所記憶部と、前記関連情報の描画可能な位置である描画可能位置を記憶する描画可能位置記憶部と、を備えるコンピュータに、各前記対象箇所とこれに対応する前記描画可能位置との間の距離の合計が最小となるように、前記各対象箇所に対応する前記描画可能位置を、前記関連情報を描画するべき位置として決定する描画位置決定ステップと、前記関連情報の前記画像における配置可能位置を設定する形状の指定を受け付ける描画可能位置形状受付ステップと、前記関連情報を千鳥配置で描画するか否かの入力を受け付ける配置態様受付ステップと、前記描画可能位置形状受付ステップで受け付けた形状に応じて前記描画可能位置を決定し、その際、前記画像の側端部における間隔よりも前記画像の上下端部における間隔が大きくなるように前記描画可能位置を決定して前記描画可能位置記憶部に記憶する配置可能位置登録ステップと、を実行させ、前記配置可能位置登録ステップでは、前記配置態様受付ステップが、前記関連情報を千鳥配置で描画する旨の入力を受け付けた場合には、前記画像の上下端部において、隣り合う前記描画可能位置が互いに上下方向にずれるように前記描画可能位置を決定することとする。
【0018】
その他本願が開示する課題やその解決方法については、発明の実施形態の欄及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、画像上の場所に関連する情報を見やすく描画することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本実施形態の図面描画装置10が表示する画面1の一例を示す図である。
図2】図面描画装置10のハードウェア構成例を示す図である。
図3】図面描画装置10のソフトウェア構成例を示す図である。
図4】配置可能位置記憶部132に記憶される配置可能位置情報の構成例を示す図である。
図5】関心場所情報記憶部133に記憶される関心場所情報の構成例を示す図である。
図6】距離表134の構成例を示す図である。
図7】対応表135の構成例を示す図である。
図8】図面描画装置10における処理を説明するための図である。
図9】初期化処理の流れを説明する図である。
図10】初期化処理後の対応表135における対応付けを説明する図である。
図11】初期化処理後の対応表135における対応付けに従って配置可能位置と関心場所との間に矢印5を描画した図面2の一例を示す図である。
図12】ラベル位置最適化処理の流れを説明する図である。
図13】更新処理の流れを説明する図である。
図14】ラベル位置最適化処理を行った後の対応表135の状態を示す図である。
図15】最適化処理後の対応表135における対応付けを説明する図である。
図16】最適化処理後の対応表135における対応付けに従って配置可能位置と関心場所との間に矢印5を描画した図面2の一例を示す図である。
図17】配置可能位置登録部112が配置可能位置を自動設定する場合に表示するパラメータを設定する画面40の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態に係る図面描画装置10について説明する。本実施形態の図面描画装置10は、たとえば、マンション建築後の検査により発見された修繕の必要な場所のそれぞれについて、修繕場所と修繕内容とを見取り図上に描画することにより、ユーザに対して修繕場所および修繕事項を提示しようとするものである。
【0022】
図1は本実施形態の図面描画装置10が表示する画面1の一例を示す図である。画面1には、図面2が描画される。図面2は、たとえばマンションの部屋の見取り図である。図面2の中におけるユーザが関心を有する関心場所3(本発明の「対象箇所」に該当する。)に関連付けて、関心場所3に関する情報(以下、ラベル情報という。本発明の「関連情報」に該当する。)を表すラベル4が描画される。関心場所3はたとえば修繕場所であり、ラベル4が表すラベル情報はたとえば修繕内容である。ラベル4から関心場所3には矢印5(本発明の「引き出し線」に該当する。)が描画される。これにより、ラベル4と関心場所3との関係がより把握し易いようになっている。
【0023】
本実施形態の図面描画装置10は、図面2上にラベル4を描画するべき位置(以下、ラベル位置という。)を決定しようとするものである。本実施形態では、関心場所とラベル位置との間の距離(以下、ラベル距離という。)の合計が最小となるようにラベル位置が決定される。
【0024】
==図面描画装置10の構成==
図2は図面描画装置10のハードウェア構成例を示す図である。図面描画装置10は、CPU101、メモリ102、記憶装置103、通信インタフェース104、入力装置105、出力装置106を備える。記憶装置103は、各種のデータやプログラムを記憶する、例えばハードディスクドライブやソリッドステートドライブ、フラッシュメモリなどである。CPU101は記憶装置103に記憶されているプログラムをメモリ102に読み出して実行することにより各種の機能を実現する。通信インタフェース104は、通信ネットワーク30に接続するためのインタフェースであり、例えば、イーサネット(登録商標)に接続するためのアダプタ、公衆電話回線網に接続するためのモデム、無線通信網に接続するための無線通信機などである。入力装置105は、データの入力を受け付ける、例えばキーボードやマウス、トラックボール、タッチパネル、マイクロフォンなどである。出力装置106は、データを出力する、例えばディスプレイやプリンタ、スピーカなどである。図面描画装置10は複数の入力装置105及び出力装置106を備えるようにすることもできる。
【0025】
図3は図面描画装置10のソフトウェア構成例を示す図である。図面描画装置10は、図面登録部111、配置可能位置登録部112、関心場所情報入力部113、距離算出部114、ラベル位置決定部115、図面描画部116、図面記憶部131、配置可能位置記憶部132、関心場所情報記憶部133、距離表134および対応表135を備える。
【0026】
なお、図面登録部111、配置可能位置登録部112、関心場所情報入力部113、距離算出部114、ラベル位置決定部115および図面描画部116は、図面描画装置10が備えるCPU101が記憶装置103に記憶されているプログラムをメモリ102に読み出して実行することにより実現され、図面記憶部131、配置可能位置記憶部132、関心場所情報記憶部133、距離表134および対応表135は、図面描画装置10が備えるメモリ102および記憶装置103の提供する記憶領域の位置部として実現される。
【0027】
図面記憶部131は、図面2を表示するための画像情報(以下、図面情報という。)を記憶する。図面情報は、たとえば、ビットマップなどの静止画像を表示するためのデータであってもよいし、動画像を表示するためのデータであってもよい。本実施形態では、図面情報に基づいて二次元の図面2を表示することが可能であるものとする。
【0028】
図面登録部111は、図面情報を図面記憶部131に登録する。図面登録部111は、たとえば、ユーザから図面情報の入力を受け付けるようにしてもよいし、図面情報を管理している他のコンピュータにアクセスして図面情報を取得するようにしてもよい。図面登録部111は、入力を受け付け、または、取得した図面情報を、図面記憶部131に登録する。本実施形態では、説明を簡単にするため、図面情報は1つのみ図面記憶部131に登録されるものとする。
【0029】
配置可能位置記憶部132は、ラベル4を表示するためのラベル位置の候補(以下、配置可能位置という。)に関する情報(以下、配置可能位置情報という。)を記憶する。図4は配置可能位置記憶部132に記憶される配置可能位置情報の構成例を示す図である。配置可能位置情報には、配置可能位置を特定する情報(以下、配置可能位置IDという。)、および配置可能位置(X座標およびY座標の座標値で表される。)が含まれる。本実施形態では、配置可能位置記憶部132に記憶される配置可能位置情報の数をMとし、配置可能位置IDは1,2,…,Mの数字により表現されるものとする。
【0030】
配置可能位置登録部112は、配置可能位置情報を配置可能位置記憶部132に登録する。配置可能位置登録部112は、たとえば、ユーザから配置可能位置の指定を受け付けて、指定された配置可能位置を設定した配置可能位置情報を配置可能位置記憶部132に登録することができる。
【0031】
関心場所情報記憶部133は、関心場所に関する情報(以下、関心場所情報という。)を記憶する。図5は関心場所情報記憶部133に記憶される関心場所情報の構成例を示す図である。関心場所情報には、関心場所を示す情報(以下、関心場所IDという。)、関心場所(X座標およびY座標の座標値で表される。)、ラベル情報、ならびに、ラベル4を表示するラベル位置が含まれる。本実施形態では、関心場所IDはアルファベットにより表現されるものとする。ラベル情報は文字列であることを想定するが、画像など出力装置106に出力可能な情報であれば文字列に限られない。ラベル位置は、後述するように配置可能位置の中から決定される。すなわち、ラベル位置は配置可能位置を示す1〜Mの数字となる。
【0032】
関心場所情報入力部113は、関心場所情報の入力を受け付ける。関心場所情報入力部113は、たとえば、画面1に図面2を表示し、マウスやタッチパネル、キーボードなどの入力装置105から図面2上の関心場所となる座標の指定を受け付け、画面1にテキストボックスなどの入力欄(不図示)を表示し、ここに入力された文字列をラベル情報として受け付けるようにすることができる。なお、関心場所情報入力部113は、たとえば検査者が操作するパーソナルコンピュータ、タブレットコンピュータ、携帯電話端末、PDA(Personal Digital Assistant)などのコンピュータから関心場所情報を受信するようにしてもよい。また、関心場所情報入力部113は、関心場所の座標とラベル情報とを別々に受け付けるようにしてもよい。
【0033】
距離表134は、各関心場所と配置可能位置との間の距離を記憶する。図6は距離表134の構成例を示す図である。同図に示すように、距離表134は、関心場所IDと配置可能位置IDとに対応付けて、関心場所IDが示す関心場所と、配置可能位置IDが示す配置位置との間の距離を記憶する。
【0034】
距離算出部114は、関心場所と配置可能位置との間の距離を計算し、計算した距離を距離表134に登録する。距離算出部114は、関心場所情報記憶部133に登録されている関心場所と、配置可能位置記憶部132に登録されている配置位置との全ての組み合わせについて、関心場所と配置可能位置との間の距離を計算し、関心場所を示す関心場所IDと配置可能位置を示す配置可能位置IDとに対応付けて、計算した距離を距離表134に登録する。
【0035】
対応表135は、関心場所に対応するラベル位置となる配置可能位置を記憶する。図7は対応表135の構成例を示す図である。同図に示すように、対応表135には、全ての配置可能位置IDに対応付けて、当該配置可能位置IDが示す配置可能位置がラベル位置となる関心場所を示す関心場所IDが記憶される。配信可能位置の数Mは、関心場所の数N以上である(M≧N)ことを想定しており、M>Nである場合には、対応表135では、配置可能位置IDに対応付けて空(null)の関心場所IDが設定されることもあり得る。後述するように、対応表135を更新しながら最終的なラベル位置が決定される。
【0036】
ラベル位置決定部115は、配置可能位置の中から最適なラベル位置を決定する。ラベル位置決定部115は、ラベル距離の合計が最小となるようにラベル位置を決定する。本実施形態におけるラベル位置決定部115によるラベル位置の決定処理については後述する。
【0037】
図面描画部116は、図面2とラベル4とを描画する。図面描画部116は、図面記憶部131に記憶されている図面情報に基づいて図面2を画面1に描画するとともに、関心場所情報記憶部133に記憶されている関心場所情報のそれぞれについて、図面2上のラベル位置を基準としてラベル4を描画する。また、図面描画部116は、ラベル位置から関心場所3に向けた矢印5を描画する。これにより、図1に示すような画面1が描画されることになる。
【0038】
==処理==
以下、本実施形態の図面描画装置10において実行される処理について説明する。図8では、図面2について、12箇所の配置可能位置(1〜12)が設定され、8箇所の関心場所(A〜H)が設定されていることが示されている。なお、図8は、図面描画装置10における処理を説明するための図であり、画面1の図面2においては配置可能位置および関心場所は表示しないようにすることができる。
【0039】
==初期化処理==
図9は、初期化処理の流れを説明する図である。
図面登録部111は、図面情報の入力を受け付けて図面記憶部131に登録する(S201)。なお、メモリ102または記憶装置103に予め複数の図面情報を記憶しておき、図面登録部111は、この中から使用する図面情報の指定を受け付けるようにしてもよい。配置可能位置登録部112は配置可能位置の座標の指定を受け付けて配置可能位置記憶部132に登録し(S202)、関心場所情報入力部113は関心場所の座標の指定を受け付けて関心場所情報記憶部133に登録する(S203)。たとえば、図面2を表示しておき、配置可能位置登録部112および関心場所情報入力部113は、マウスなどにより図面2上の座標の指定を受け付けるようにすることができる。また、関心場所情報入力部113はここで、指定された関心場所に対応するラベル情報の入力を受け付けるようにしてもよい。
【0040】
距離算出部114は、関心場所情報記憶部133に登録されている関心場所情報のそれぞれについて以下の処理を行う。
【0041】
距離算出部114は、配置可能位置記憶部132に登録されている配置可能位置情報のそれぞれについて、関心場所情報に含まれる関心場所と、配置可能位置情報に含まれる配置可能位置との間の距離を計算してDとし(S204)、関心場所情報に含まれる関心場所ID、配置可能位置情報に含まれる配置可能位置IDおよびDを対応付けて対応表135に登録する(S205)。距離算出部114は、距離表134において、関心場所IDに対応する距離(および配置可能位置IDの組み合わせ)をソートする(S206)。
【0042】
以上の処理を各関心場所情報について行った後、ラベル位置決定部115は、各配置可能位置IDに対応付けてnull値(対応する関心場所がないことを示す値)を設定した対応表135を作成する(S207)。ラベル位置決定部115は、関心場所情報記憶部133に登録されている関心場所情報のそれぞれについて、配置可能位置記憶部132に登録されている配置可能位置情報のうち、配置可能位置IDに対応する関心場所IDがnull値であるものの中で、関心場所情報に含まれる関心場所から配置可能位置までの距離が最も短いものを読み出し(S208)、読み出した配置可能位置情報に含まれる配置可能位置IDに対応する対応表135の関心場所IDを、関心場所情報に含まれると関心場所IDに更新する(S209)。
【0043】
上記初期化処理後の対応表135は図7に示すような状態となる。図10は、上記初期化処理後の距離表134を関心場所IDごとに対応する配置可能位置IDおよび距離を並び替えたものである。すなわち、対応表135において、関心場所A〜Eまでは最も近い距離の配置可能位置が対応付けられるが、関心場所Fについては、配置可能位置11,10,12,5のいずれもが関心場所A〜Eに対応付けられていることから、5番目に近い配置可能位置6が対応付けられることになる。同様に関心場所Gについては2番目に近い配置可能位置4が、関心場所Hについては4番目に近い配置可能位置1が対応付けられる。図10の距離表134において、対応表135に登録されている配置可能位置をラベル位置とした場合のラベル距離の合計は1253.50となっている。図11は、初期化処理後の対応表135における対応付けに従って配置可能位置と関心場所との間に矢印5を描画した図面2の一例を示す図である。
【0044】
==ラベル位置の最適化処理==
図12は、ラベル位置最適化処理の流れを説明する図である。
ラベル位置決定部115は、改善フラグに「偽」を設定し(S301)、関心場所情報記憶部133に登録されている関心場所情報の関心場所IDのそれぞれをP1として以下の処理を行う。
【0045】
ラベル位置決定部115は、P1に対応する配置可能位置IDを対応表135から読み出してL1とする(S302)。ラベル位置決定部115は、P1およびL1に対応する距離を距離表134から読み出してD1とする(S303)。すなわち、D1は、P1が示す関心場所についての現在のラベル距離である。
【0046】
ラベル位置決定部115は、距離表134からP1に対応する配置可能位置IDのうち、P1およびL1に対応する距離よりも短い距離に対応するものを検索し(S304)、検索した配置可能位置IDのそれぞれをL2として、図13に示す更新処理を行う(S305)。
【0047】
たとえば図7の対応表135において関心場所「A」に対応する配信可能位置IDは「5」であり、図10の距離表134において関心場所「A」に対応する配置可能位置IDで次に距離の短い配置可能位置IDは存在しないため更新処理は行われない。これに対して、図7の対応表135において関心場所「F」に対応する配置可能位置IDは「6」であり、図10の距離表134において関心場所「F」に対応する配置可能位置IDのうち、「6」に対応する距離「296.4」よりも短い距離のものである、配置可能位置ID11,10,12,5のそれぞれをL2として更新処理が行われることになる。
【0048】
ラベル位置決定部115は、以上の処理を各関心場所IDについて繰り返した後、更新処理によって改善フラグが「真」となった場合には(S307:YES)、ステップS301からの処理を繰り返す。
【0049】
==更新処理==
図13は更新処理の流れを説明する図である。ラベル位置決定部115は、P1とL2に対応する距離を距離表134から読み出してND1とする(S321)。ND1は、ラベル位置をL2が示す配置可能位置に変更した場合のラベル距離である。
【0050】
ラベル位置決定部115は、対応表135からL2に対応する関心場所IDを読み出してP2とする(S322)。
【0051】
P2がnull値であった場合(S323:NO)、ラベル位置決定部115は、P1に対応する対応表135の配置可能位置IDをL2に更新する(S324)。これにより、他の関心場所に対応付けられていない配置可能位置のうち、P1が示す関心場所に対応付けられているラベル位置よりも近いものがP1に対応付けられることになる。
【0052】
P2がnull値でなければ(S323:YES)、ラベル位置決定部115は、距離表134から、P2およびL2に対応する距離を読み出してD2とし(S325)、P2およびL1に対応する距離を読み出してND2とする(S356)。P2が示す関心位置について、D2は現在のラベル距離であり、ND2は、ラベル位置をL1が示す配置可能位置に変更した場合のラベル距離である。ラベル位置決定部115は、D1とD2との合計が、ND1とND2との合計よりも大きいかどうかを比較する(S327)。すなわち、ラベル位置決定部115は、P1およびP2が示す関心場所のラベル位置を交換した場合にラベル距離が短くなるかどうかを判定する。ラベル位置を交換した場合にラベル距離が短くなるときには(S327:YES)、ラベル位置決定部115は、P1に対応する対応表135の配置可能位置IDをL2に更新し(S328)、P2に対応する対応表135の配置可能位置IDをL1に更新する(S329)。すなわち、P1およびP2が示す関心場所のラベル位置を交換する。
【0053】
ラベル位置決定部115は、P2がnull値であった場合(S323:NO)と、P1およびP2が示す関心場所のラベル位置を交換した場合にラベル距離が短くなる場合(S327:YES)には、改善フラグを「真」に設定する(S330)。
【0054】
以上のようにして、更新処理によりラベル距離が短くなる間(改善フラグが「真」である間)は図12のステップS301〜S305の処理が繰り返されることになり、これにより関心場所と配置可能位置との間の距離の合計が最短となるようにラベル位置を決定することができる。
【0055】
図14は、ラベル位置の最適化処理を行った後の対応表135の状態を示す図である。図15に示すように、対応表135に登録されている配置可能位置をラベル位置とした場合のラベル距離の合計は1031.50となっており、図10に示す処理前のラベル距離の合計1253.50に比べて距離は短くなっている。また、最適化処理後の図14の対応表135における対応付けに従って配置可能位置と関心場所との間に矢印5を描画したものを図16に示す。
【0056】
同図に示すように、本実施形態の図面描画装置10によれば、最適化処理によって、関心場所3からなるべく近いところにラベル4を表示することが可能となり、ユーザは関心場所3に関するラベル情報を把握し易くなる。
【0057】
また、本実施形態の図面描画装置10によれば、関心場所とラベル位置との距離の合計が最小となるようにラベル位置が決定される。したがって、関心場所3とラベル4とを結ぶ矢印5が交差しなくなる。これにより図面2上に関心場所とラベル4とを対応付ける矢印5を見やすく描画することが可能となり、ユーザは矢印5により関心場所に関するラベル情報を容易に把握することが可能となる。
【0058】
また、本実施形態の図面描画装置10によれば、配置可能位置を任意の場所に設定することができる。したがって、図面2上においてラベルを表示させたくない場所がある場合には、ユーザはそこに配置可能位置を設定しなければよい。また、図面2上に情報が描画されている場合であっても、当該情報に重ねてラベルを表示しても構わないような状況においては、情報上であっても任意に配置可能位置を設定すれば、必要に応じてそこにラベルが表示される。たとえば、マンションの室内の検査を行った場合に、図面2には室外の共用部分についても含まれているような場合には、共用部分に配置可能位置を設定してラベルが表示されるようにすることもできる。このように、本実施形態の図面描画装置10によれば、ユーザが恣意的に配置可能位置を設定することができるので、自動的に画面上の空いた場所にラベル等を描画する従来技術に比べて、図面2上の必要な情報がラベルで隠されないようにしつつ、一方で図面2上の不要な情報の上にはラベルが配置可能とすることができるので、より見やすいラベルの配置を行うことが可能となる。
【0059】
また、本実施形態の図面描画装置10によれば、配置可能位置および関心場所はユーザが任意の場所を指定するいことができるので、図面情報としてはビットマップなど、図面2内に描画される内容についての情報が含まれない画像情報であっても、見やすくラベルを描画することができる。
【0060】
また、本実施形態の図面描画装置10によれば、全ての関心場所および配置可能位置の組み合わせについて予めその間の距離を距離表134に登録しているので、距離の計算に係る時間を低減し、最適化処理を迅速に実行することが可能となる。
【0061】
また、本実施形態の図面描画装置10によれば、距離表134は関心場所ごとに距離順に予めソートするようにしている。したがって、図12のステップS304において、L1よりも距離の近い配置可能位置IDを容易に検索することが可能となり、最適処理の処理速度を高めることができる。
【0062】
==変形例==
本実施形態では、配置可能位置はユーザからの指定を受け付けるものとしたが、たとえば図面2の端部に自動的に配置するようにしてもよい。また、たとえば図面の大きさ、ラベル4に表示可能なラベル情報の最大文字数、ならびに、ラベル4を表示するためのフォントおよびフォントサイズなどを予め設定しておき、配置可能位置登録部112は、これらの設定情報に基づいて、所定のルールに従って自動的に配置可能位置を計算し、計算した配置可能位置を設定した配置可能位置情報を配置可能位置記憶部132に登録するようにすることができる。
【0063】
図17は配置可能位置登録部112が配置可能位置を自動設定する場合に表示するパラメータを設定する画面40の一例を示す図である。
【0064】
画面40のプルダウンリスト41は、配置可能位置を設定する形状を指定するものである。プルダウンリスト41では、「長方形」「円」「楕円」が選択可能である。
【0065】
プルダウンリスト41において「長方形」が選択された場合、配置可能位置登録部112は、長方形の形状に配置可能位置を設定する。画面40には図面2の水平方向端部からのオフセットを設定する入力欄411および412と、垂直方向端部からのオフセットを設定する入力欄413および414とが表示されており、配置可能位置登録部112は、これら入力欄411ないし414に指定されたオフセットだけ図面2の端部から内側に、長方形状に配置可能位置を設定する。すなわち、入力欄411および412に入力されたX座標値をX1およびX2とし、入力欄413および414に入力されたY座標値をY1およびY2として、左上座標を(X1,Y1)、右下座標を(X2,Y2)とした長方形の辺上に所定間隔(たとえば当該長方形の辺の長さを配置可能位置の数Mで割った長さ)で配置可能位置を設定することができる。
【0066】
プルダウンリスト41において「円」または「楕円」が選択された場合には、配置可能位置登録部112は、円形または楕円形の形状に配置可能位置を設定する。画面40には図面2の水平方向(X軸)の中心位置を設定するスライダ415と、垂直方向(Y軸)の中心位置を設定するスライダ416が表示されており、配置可能位置登録部112は、スライダ415および416に指定されたX座標およびY座標を中心とした図面2上の円または楕円(楕円のX軸およびY軸方向の径は入力欄411および412に指定されたオフセットから求める。)上に、たとえば、円または楕円の円周の長さをMで割った長さごとに配置可能位置を設定していくことができる。
【0067】
配置可能位置登録部112は、長方形状に配置可能位置を設定する場合には、水平方向(図面2の上下端部)と垂直方向(図面2の側端部)とで配置間隔および配置の仕方を変えるようにしてもよい。たとえば、画面40のプルダウンリスト42では水平方向の配置可能位置の密度が指定される。プルダウンリスト42では、一例として「垂直方向の2倍」または「垂直方向と同じ」のいずれかが選択可能である。「垂直方向の2倍」が選択された場合、配置可能位置登録部112は、上下端部に設定する配置可能位置の間隔が、側端部に設定する配置可能位置の間隔の2倍となるように配置可能位置を設定する。なお、2倍に限らず任意の倍数を指定するようにすることができる。これにより、水平方向の配置可能位置の配置は間隔が広く設定されるので、ラベル4に横書きのラベル情報を描画する場合に、ラベル4をより見やすく描画することが可能となる。
【0068】
画面40のチェックボックス43では、水平方向の配置可能位置をジグザグ(千鳥配置)に設置するかどうかが指定される。チェックボックス43がチェックされた場合、配置可能位置登録部112は、上下端部に設定する配置可能位置を交互に垂直方向にずらすように設定する。入力欄44には、配置可能位置をずらすオフセットが指定され、配置可能位置登録部112は、入力欄44に指定されたオフセットだけ交互に垂直方向にずらして配置可能位置を設定する。これにより、ラベル4に横書きのラベル情報を描画する場合、隣り合った配置可能位置にラベル位置が設定された場合でも、なるべくラベル情報が重ならないようにすることが可能となり、ラベル4をより見やすく描画することができる。
【0069】
==その他の変形例==
本実施形態の図面描画装置10では、図面2は建築図面であることを想定したが、図面2には建築図面に限らず任意の画像を用いることができる。
【0070】
また、本実施形態では、図面2は二次元画像であるものとしたが、これに限らず、三次元画像(三次元の立体物を二次元平面に投影した画像)であってもよい。この場合、関心場所および配置可能位置は三次元空間座標で指定するようにし、三次元空間における距離が最小となるラベル位置を決定するようにしてもよい。
【0071】
また、本実施形態では、静止画像である建築図面2を画面1に表示するものとしたが、これに限らず、動画像を画面1に表示するようにしてもよい。この場合、たとえば、動画を構成する各フレームについて、本実施形態と同様の処理を行うことができる。
【0072】
また、本実施形態の図面描画装置10では、図面2、ラベル4および矢印5は画面1に表示するものとしたが、プリンタ、プロッタ、プロジェクタなどの出力装置に出力するようにしてもよい。
【0073】
また、本実施形態では、ラベル位置から関心場所に矢印5を描画するものとしたが、これに限らず、ラベル位置と関心場所とを結ぶ線(引き出し線)を任意の形状で描画するようにしてもよい。また、本実施形態の図面描画装置10では関心場所のなるべく近い配置可能位置にラベル4が表示されることになるため、矢印5を描画しなくてもラベル4と関心場所との関係を把握可能であるため、矢印5を描画しなくてもよい。
【0074】
また、図面描画装置10は、ユーザが操作するユーザ端末からのリクエストに応じて、初期化処理および最適化処理を行ってラベル位置を決定し、図面2上にラベル4のみ、またはラベル4および矢印5を描画した画像をユーザ端末に送信するようにしてもよい。また、図面描画装置10は、関心場所ごとのラベル位置をユーザ端末に送信し、ユーザ端末において図面2上にラベル4および矢印5を描画するようにしてもよい。
【0075】
また、本実施形態では、説明を簡単にするため、図面記憶部131には1つの図面情報のみが登録されるものとしたが、図面情報を複数登録するようにしてもよい。この場合、図面情報ごとに、関心場所情報および配置可能位置情報を記憶することができる。
【0076】
また、本実施形態では、ラベル位置決定部115は、任意の組み合わせ最適化の手法を用いて、関心場所と配置可能位置との間の距離の合計が最小となる関心場所と配置可能位置との組み合わせを決定するようにすることもできる
以上、本実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
【符号の説明】
【0077】
10 図面描画装置
111 図面登録部
112 配置可能位置登録部
113 関心場所情報入力部
114 距離算出部
115 ラベル位置決定部
116 図面描画部
131 図面記憶部
132 配置可能位置記憶部
133 関心場所情報記憶部
134 距離表
135 対応表
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17