(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態に係る印刷装置100の外観の概略を
図1に示す。印刷装置100は、例えばはがきのデザインを作成し、作成したデザインのはがきを印刷する印刷装置である。印刷装置100によれば、はがきのデザイン作成と印刷とを1台の機械で行うことができる。
図1に示されるように、印刷装置100は、本体としての箱形の筐体192と、表示パネル194と、キーボード150と、を備える。
【0013】
キーボード150は、筐体192の前方に配置されている。キーボード150は、筐体192の前面下端近傍に設けた取付軸152により筐体192に対してキーボード150が回動するように装着されている。キーボード150は、使用される状態では
図1に示されるように前方に倒され、使用されない状態では筐体192の前面と対向した状態で収納される。
【0014】
表示パネル194は、筐体192の上面に設けられている。表示パネル194は、例えば液晶表示素子を含む表示部130と、表示部130の表示面に設けられたタッチパネル140と、を備える。表示部130は、印刷する例えばはがきの画像や、メニュー画面等の各種画像を表示する。タッチパネル140は、スタイラスペンやユーザの指等による接触の位置を検出する。また、表示パネル194には、スピーカを含む音声出力部160も備えられている。
【0015】
表示パネル194は、その手前側の端部において図示しない支持軸により筐体192の上面の手前側の端部に対して回動可能に取り付けられている。印刷装置100が使用される状態では、表示パネル194の筐体192の上面に対する傾斜角度θは、自由な角度に調整される。印刷装置100が使用されない状態では、表示パネル194は、筐体192の上面と平行にされる。
【0016】
筐体内には、はがき等の印刷を行う印刷機構が設けられている。筐体192の上面には、印刷用紙が供給される供給口174が設けられている。筐体192の前面には、印字や写真印刷等が完了したはがき等の印刷用紙が排出される排紙口172が設けられている。
【0017】
また、筐体192の前面には、可搬型記憶媒体が挿入される複数種類の記憶媒体挿入口182が設けられている。印刷装置100は、記憶媒体挿入口182を備えることにより、可搬型記憶媒体からデジタルカメラで撮影された写真の画像データ等を取り込むことができる。また、印刷装置100は、編集したデータを可搬型記憶媒体に保存できる。また、印刷装置100には、印刷用のインクカートリッジが設置されるインクカートリッジ交換口176等が設けられている。
【0018】
筐体192には、コ字型の取っ手196が設けられている。取っ手196は、筐体192の後方側から筐体192の上方までの間を回動可能に装着されている。取っ手196は、印刷装置100の運搬時等に把持されて使用される。
【0019】
印刷装置100の構成例の概略を
図2のブロック図に示す。この図に示されるように、印刷装置100は、制御部110を備える。制御部110は、例えばCPUを有する。制御部110は、制御プログラムに従って各種演算を行い、印刷装置100の各部を制御する。制御部110には、記憶部120が接続されている。記憶部120は、ROMやRAM等を含む。ROMには、例えば制御プログラムが記録されている。ROMには、例えば文書編集時に使用する文字フォントや印刷の字体のデータ、編集する印刷用紙の規格データ、その他の制御プログラム等が記憶されている。他のプログラムには、例えば、画像データを印刷データに変換する印刷データ生成プログラムや、印刷データに従って印刷ヘッド等を制御する印刷制御プログラム等が含まれる。また、RAMは、例えばワークメモリとして用いられる。
【0020】
制御部110には、表示制御部132が接続されている。表示制御部132は、制御部110の制御下で、表示部130の動作を制御し、表示部130に各種画像を表示させる。また、制御部110には、タッチパネル制御部142が接続されている。タッチパネル制御部142は、制御部110の制御下で、タッチパネル140の動作を制御する。タッチパネル制御部142は、ユーザによるタッチパネル140上のタッチの位置を取得し、その位置を制御部110に出力する。また、制御部110には、キーボード150が接続されており、キーボード150によってユーザによる入力が制御部110に対して行われる。
【0021】
制御部110には、音声出力部160が接続されており、制御部110の制御下で音声を出力する。また、制御部110には、印刷部170が接続されている。印刷部170は、制御部110の制御下で、例えばはがきに文書や写真を印刷する。制御部110には、記憶媒体接続部180が接続されている。記憶媒体接続部180には、可搬型記憶媒体184が接続され、可搬型記憶媒体184からのデータの読み出しや、可搬型記憶媒体184へのデータの書き込みが行われる。
【0022】
本実施形態に係る印刷装置100は、文書を作成したり、その文書に取り込んだ写真をレイアウトしたり、差出人の氏名や住所を挿入したりして、例えばはがきのデザインを作成することに用いられる。印刷装置100は、作成されたデザインに基づいて、例えばはがきの印刷を行う。印刷装置100によれば、例えば
図3のようなはがきが作成される。また、印刷装置100は、宛先人の宛名を印刷することもできる。
【0023】
本実施形態に係る印刷装置100は、特に差出人と宛先人とが適切であるか否かを判断し、判断結果をユーザに提示する。このため、印刷装置100は、その記憶部120に、差出人に係るデータベース(DB)である差出人DB122と、宛先人に係るデータベース(DB)である宛先人DB124と、を記憶している。差出人DB122及び宛先人DB124は、印刷装置100によって印刷された文書等に基づいて情報が更新される。
【0024】
差出人DB122は、例えば
図4のような構造を有する。差出人DB122は、複数の差出人の情報を含む。各差出人の情報には、例えば印刷物の種別、キーワード、ジャンル、フォーマット、顔写真データ、宛先等が含まれる。印刷物の種別として、案内状、挨拶状等の情報が含まれる。キーワードとして、印刷物に登場したキーワードが抽出されて記録される。ジャンルとして、例えば抽出したキーワードに基づいて、作成文書のジャンルが決定されて記録される。フォーマットとして、例えば文書が縦書きであるか横書きであるか、写真が含まれているか含まれていないか等が記録される。顔写真データは、ユーザが当該差出人の顔写真データを登録する。また、各差出人について、宛先として、印刷した宛先人の情報が記録される。上述の各種データは、差出人DB122に含まれる情報の一例であり、他の情報が含まれてもよいし、これらのうちの一部のみが含まれるものでもよい。これら情報は、差出人を特定するために有益な情報である。
【0025】
宛先人DB124は、例えば
図5のような構造を有する。宛先人DB124は、複数の宛先人の情報を含む。各宛先人の情報には、宛先人の名前、住所、送付した文書の種別、キーワード、ジャンル、フォーマット、顔写真データ、差出人の情報等が含まれる。上述の各種データは、宛先人DB124に含まれる情報の一例であり、他の情報が含まれてもよいし、これらのうちの一部のみが含まれるものでもよい。これら情報は、宛先人を特定するために有益な情報である。
【0026】
上述のような差出人と宛先人とが適切であるか否かを判断し、判断結果をユーザに提示する処理を行うため、制御部110は、文書作成部112と、特徴抽出部114と、判定部116と、情報更新部118と、を含む。文書作成部112は、ユーザの指示に従って動作して、差出人及び/又は宛先人と関係づけられたはがき等の文書を作成する。特徴抽出部114は、文書作成部112によって作成された文書に含まれる文書の情報としての特徴データを抽出する。判定部116は、特徴抽出部114によって抽出された特徴データと差出人DB122及び/又は宛先人DB124に含まれる情報とを比較して、文書と関係づけられた差出人及び/又は宛先人の相関を判定して、差出人及び/又は宛先人が適切であるか否かを判定する。情報更新部118は、特徴抽出部114によって抽出された特徴データに基づいて、差出人DB122及び/又は宛先人DB124の更新を行う。
【0027】
本実施形態に係る印刷装置100の動作について図面を参照して説明する。
図6は、印刷装置100の動作の一例を示すフローチャートである。ステップS101において、制御部110は、ユーザがデータベース(DB)の編集を要求しているか否かを判定する。DBの編集を要求していないと判定されてとき、処理はステップS103に進む。一方、DBの編集を要求していると判定されたとき、処理はステップS102に進む。
【0028】
ステップS102において、制御部110は、DB編集処理を行う。すなわち、制御部110は、ユーザの指示に従って、例えば差出人DBにおける差出人の追加や削除を行ったり、宛先人DBにおける宛先人の追加や削除を行ったりする。また、制御部110は、ユーザの指示に従って、各差出人や各宛先人に含まれる特徴データを編集する。DB編集処理の後、処理はステップS103に進む。例えば差出人DBの編集においては、制御部110は、表示部130に
図7に示されるような画面を表示させる。ユーザは、表示部130に表示された画像を見ながら、編集を行う。
【0029】
ステップS103において、制御部110は、ユーザがはがき作成を要求しているか否かを判定する。はがき作成を要求していないと判定されたとき、処理はステップS109に進む。一方、はがき作成を要求していると判定されたとき、処理はステップS104に進む。
【0030】
ステップS104において、制御部110は、ユーザの入力に従って、差出人選択に係る処理を行う。すなわち、例えば制御部110は、差出人DBに基づいて、表示部130に
図7のような選択画面を表示させ、キーボード150又はタッチパネル140からの入力を取得し、差出人を決定する。この差出人は、作成されるはがきに挿入される。すなわち、作成されるはがきに差出人の氏名と、ユーザの選択に応じて住所等が挿入される。
【0031】
ステップS105において、制御部110は、ユーザの入力に従って、はがき作成に係る処理を行う。すなわち、制御部110は、ユーザがキーボード150やタッチパネル140を用いて行う入力に従って、はがきに含まれる文書の作成や写真の挿入やそれらのレイアウトの変更等を行う。
【0032】
ステップS106において、制御部110は、宛先人選択に係る処理を行う。すなわち、差出人選択の場合と同様に、ユーザが宛先人DBから宛先人を選択できるように、制御部110は、表示部130に例えば登録されている宛先人の一覧を表示させ、キーボード150やタッチパネルからユーザの選択を取得する。
【0033】
以上のステップS104乃至ステップS106の処理によって、本文、差出人、宛先人等が含まれるはがきのデータが作成される。なお、ステップS104乃至ステップS106の処理の順序は任意である。ステップS104乃至ステップS106で作成されるはがきのデータを「作成はがきデータ」と称することにする。作成はがきデータは、記憶部120に記憶される。
【0034】
ステップS107において、制御部110は、差出人・宛先人チェック処理を行う。作成はがきデータに含まれる差出人と宛先人を確認する本実施形態に係る差出人・宛先人チェック処理について、
図8に示されるフローチャートを参照して説明する。ステップS201において、制御部110は、作成はがきデータを記憶部120から読み込む。ステップS202において、制御部110は、読み込んだ作成はがきデータについて特徴データを抽出する。特徴データには、例えば、写真、キーワード、ジャンル、フォーマット、宛先等が含まれる。ステップS203において、制御部110は、差出人確認処理を行う。
【0035】
差出人確認処理について
図9に示されるフローチャートを参照して説明する。ステップS301において、制御部110は、作成はがきデータに写真が含まれるか否かを判定する。写真が含まれると判定されたとき、処理はステップS302に進む。ステップS302において、制御部110は、写真に基づく差出人候補選択処理を行う。
【0036】
写真に基づく差出人候補選択処理について
図10に示されるフローチャートを参照して説明する。ステップS401において、制御部110は、作成はがきデータに含まれる写真に、人物の写真が含まれているか否かを判定する。人物が含まれていないと判定されたとき、処理はステップS406に進む。一方、人物が含まれていると判定されたとき、処理はステップS402に進む。
【0037】
ステップS402において、制御部110は、作成はがきデータに含まれている人物の写真の顔部分を切出して、この顔部分を所定のサイズにリサイズし、「写真顔データ」を作成する。ステップS403において、制御部110は、写真顔データと、差出人DBに含まれる顔のデータと、を比較する。ステップS404において、制御部110は、ステップS403の比較において、写真顔データと顔認識として一致する差出人が検出されたか否かを判定する。顔認識として一致する差出人がないと判定されたとき、処理はステップS406に進む。一方、顔認識として一致する差出人があると判定されたとき、処理はステップS405に進む。
【0038】
ステップS405において、制御部110は、写真顔データとその顔データが顔認識として一致した差出人を差出人候補として決定する。その後、処理は、差出人候補を戻り値として、差出人確認処理に戻る。ステップS406において、制御部110は、写真顔データに基づいて選択される差出人候補はないと決定する。その後、処理は差出人確認処理に戻る。
【0039】
例えば、ユーザによって
図3に示されるようなはがきが作成されたとする。このとき、ステップS401において、写真に人物が含まれていると判定され、処理はステップS402に進む。ステップS402において、
図11Aの長方形によって示されるように、写真の顔部分が特定されて切出され、例えば
図11Bに示されるような写真顔データが作成される。続いて、ステップS403において、写真顔データと差出人DBに含まれる例えば
図11Cのような各顔写真データとが比較される。ステップS404において顔認識として一致する顔写真が見つかったとき、例えばここで示す例では、
図11Bの写真顔データと
図11Cの「加藤さき」の顔写真データとが顔認識として一致したとき、ステップS405で差出人候補は「加藤さき」であると決定される。
【0040】
図9に戻って、差出人確認処理を説明する。写真に基づく差出人候補選択処理の後、処理はステップS303に進む。また、ステップS301において、写真が含まれないと判定されたとき、処理はステップS303に進む。
【0041】
ステップS303において、制御部110は、特徴データと差出人DBとを比較し、差出人候補を選択する。例えば、
図3に示したはがきの例では、ステップS202において、特徴データとして、例えば「挨拶状」という種別や、「謹賀新年」というキーワードや、「横書き」「写真あり」というフォーマット等が抽出される。したがって、ステップS303において、これら特徴データと差出人DBとを比較することで、差出人候補として「加藤さき」が選択される。この差出人候補の選択には、いわゆるあいまい検索が用いられ得る。
【0042】
ステップS304において、制御部110は、選択された差出人候補は1つだけであるか否かを判定する。差出人が1つでないと判定されたとき、処理はステップS306に進む。一方、差出人候補が1つだけであると判定されたとき、処理はステップS305に進む。ステップS305において、制御部110は、差出人候補と現在指定されている差出人とが一致しているか否かを判定する。差出人候補と現在指定されている差出人とが一致していないと判定されたとき、処理はステップS306に進む。ここで、差出人が選択されていない場合にも、一致していないと判定される。これにより差出人の選択忘れも防止され得る。一方、差出人候補と現在指定されている差出人とが一致していると判定されたとき、処理はステップS308に進む。
【0043】
ステップS304で差出人候補が複数であると判定されたとき、又はステップS305で差出人候補と現在指定されている差出人とが一致していないと判定されたとき、ステップS306の処理が行われる。すなわち、ステップS306において、制御部110は、差出人候補を表示部130に表示することでユーザに提示する。その後、制御部110は、ユーザによる選択を待つ。ユーザは、表示部130に表示された差出人候補を見て、例えばキーボード150やタッチパネル140を操作して、差出人を選択する。提示される差出人候補は、1つでも複数でもよい。また、差出人候補が選択されなかったときは、差出人候補が選択されなかった旨が提示されてもよい。ステップS307において、制御部110は、ユーザによる差出人の選択結果を取得する。すなわち、制御部110は、キーボード150やタッチパネル制御部142から、ユーザの入力を取得する。
【0044】
ステップS308において、制御部110は、ステップS305で一致したと判定された差出人、又はステップS307においてユーザによって選択された差出人を、差出人として決定する。以上により、差出人確認処理は終了し、決定された差出人を戻り値として、差出人・宛先人チェック処理に戻る。
【0045】
例えば
図3の例では、写真に基づく差出人候補選択処理において、差出人候補として「加藤さき」が決定され、ステップS303においても差出人候補として「加藤さき」が選択される。差出人候補が1つであり(ステップS304の判定においてYes)、この差出人候補と、
図3に示されるように現在の差出人と、が一致している(ステップS305の判定においてYes)ので、ステップS308において、差出人は「加藤さき」で問題ないと決定される。
【0046】
一方、ユーザによって
図12Aのようなはがきが作成されたとする。このとき、ステップS202において、例えば、種別が「案内状」であり、キーワードが「ゴルフ」であり、ジャンルが「スポーツ」であり、フォーマットが「縦書き」「写真なし」であるというように、特徴データが抽出される。ステップS303では、これらの特徴データと差出人DBとを比較することで、差出人候補として「鈴木武史」が選択される。ステップS305では、差出人候補「鈴木武史」と、現在の差出人「加藤さき」と、が一致していないので、処理はステップS306に進む。ステップS306では、例えば
図12Bのように、差出人が「鈴木武史」ではないかという旨をユーザに提示する。ユーザが、差出人が「鈴木武史」である旨を入力したとき、ステップS307ではその旨が取得される。その結果、ステップS308において、差出人は「鈴木武史」であると決定される。その結果、例えば
図12Cのように、作成したはがきの差出人は「鈴木武史」に修正される。
【0047】
なお、上述の例では、作成した文書の中に差出人の氏名が含まれているが、差出人の氏名等は文書の中に含まれていなくても、例えば裏面に印刷されるものとして、作成した文書と関連付けられている場合に同様に適用されることは勿論である。また、上述の例では、表示部130に差出人候補等の情報が表示されることでユーザに提示されるが、これに限らず、例えば音声出力部160から音声として差出人候補等の情報がユーザに提示されてもよい。
【0048】
図8に戻って、差出人・宛先人チェック処理について説明を続ける。差出人確認処理の後、処理はステップS204に進む。ステップS204において、制御部110は、宛先人確認処理を行う。宛先人確認処理は、上述の差出人確認処理に類似する。
【0049】
宛先人確認処理について、
図13に示されるフローチャートを参照して説明する。ステップS501において、制御部110は、作成はがきデータに写真が含まれるか否かを判定する。写真が含まれると判定されたとき、処理はステップS502に進む。ステップS502において、制御部110は、写真に基づく宛先人候補選択処理を行う。写真に基づく宛先人候補選択処理は、上述の写真に基づく差出人候補選択処理に類似する。
【0050】
写真に基づく差出人候補選択処理について
図14に示されるフローチャートを参照して説明する。ステップS601において、制御部110は、作成はがきデータに含まれる写真に、人物の写真が含まれているか否かを判定する。人物が含まれていないと判定されたとき、処理はステップS606に進む。一方、人物が含まれていると判定されたとき、処理はステップS602に進む。
【0051】
ステップS602において、制御部110は、作成はがきデータに含まれている人物の写真の顔部分を切出して、この顔部分を所定のサイズにリサイズし、「写真顔データ」を作成する。ステップS603において、制御部110は、写真顔データと、宛先人DBに含まれる顔のデータと、を比較する。ステップS604において、制御部110は、ステップS603の比較において、写真顔データと顔認識として一致する宛先人が検出されたか否かを判定する。顔認識として一致する宛先人がないと判定されたとき、処理はステップS606に進む。一方、顔認識として一致する宛先人があると判定されたとき、処理はステップS605に進む。
【0052】
ステップS605において、制御部110は、写真顔データと顔認識として一致した宛先人を宛先人候補として決定する。その後、処理は、宛先人候補を戻り値として、宛先人確認処理に戻る。ステップS606において、制御部110は、写真顔データに基づいて選択される宛先人候補はないと決定する。その後、処理は宛先人確認処理に戻る。
【0053】
図13に戻って、宛先人確認処理を説明する。写真に基づく宛先人候補選択処理の後、処理はステップS503に進む。また、ステップS501において、写真が含まれないと判定されたとき、処理はステップS503に進む。ステップS503において、制御部110は、特徴データと宛先人DBとを比較し、宛先人候補を選択する。
【0054】
ステップS504において、制御部110は、宛先人候補と現在指定されている宛先人とが一致しているか否かを判定する。宛先人候補と現在指定されている宛先人とが一致しないと判定されたとき、処理はステップS505に進む。ここで、宛先人が選択されていない場合にも、一致していないと判定される。これにより宛先人の選択忘れを防止できる。一方、宛先人候補と現在指定されている宛先人とが一致していると判定されたとき、処理はステップS507に進む。宛先人候補と現在指定されている宛先人とは、1つでも複数でもよい。宛先人候補又は現在指定されている宛先人が複数であるとき、これらの一致については、完全に一致しているときに一致していると判定されてもよいし、宛先人候補が現在指定されている宛先人に含まれるとき、一致していると判定されてもよい。
【0055】
ステップS504で宛先人候補と現在指定されている宛先人とが一致していないと判定されたとき、ステップS505の処理が行われる。すなわち、ステップS505において、制御部110は、宛先人候補をユーザに提示する。すなわち、ステップS505において、制御部110は、宛先人候補を表示部130に表示することでユーザに提示する。その後、制御部110は、ユーザによる選択を待つ。ユーザは、表示部130に表示された宛先人候補を見て、例えばキーボード150やタッチパネル140を操作して、宛先人を選択する。ステップS506において、制御部110は、ユーザによる宛先人の選択結果を取得する。すなわち、制御部110は、キーボード150やタッチパネル制御部142から、ユーザの入力を取得する。その後処理はステップS507に進む。
【0056】
ステップS507において、制御部110は、ステップS504で一致したと判定された宛先人、又はステップS506においてユーザによって選択された宛先人を、宛先人として決定する。以上により、宛先人確認処理は終了し、決定された宛先人を戻り値として、差出人・宛先人チェック処理に戻る。このようにして、宛先人確認処理では、宛先人の確認が行われる。以上によって、差出人・宛先人チェック処理は終了する。
【0057】
図6に戻って説明を続ける。ステップS107の差出人・宛先人チェック処理の後、ステップS108において、制御部110は、差出人・宛先人チェック処理が済んだはがきデータの特徴データ等に基づいて、差出人DB及び宛先人DBを更新する。その後、処理はステップS109に進む。
【0058】
ステップS109において、制御部110は、ユーザが印刷処理を要求しているか否かを判定する。ユーザが印刷処理を要求していないと判定されたとき、処理はステップS111に進む。一方、ユーザが印刷処理を要求していると判定されたとき、処理はステップS110に進む。ステップS110において、制御部110は、作成されたはがきデータに基づいて、はがきの印刷を行う。このはがきデータは、直前に作成されたはがきデータでもよいし、以前に作成され、記憶部120に記憶されたはがきデータでもよい。その後処理はステップS111に進む。ステップS111において、制御部110は、処理の終了の入力がなされたか否かを判定する。処理の終了が入力されていないとき、処理はステップS101に戻る。一方、処理の終了が入力されたとき、処理は終了する。
【0059】
本実施形態によれば、印刷装置100は、差出人DB及び宛先人DBに含まれる登録されている差出人及び宛先人についてのキーワードやジャンル・フォーマットの嗜好、印刷しようとしている写真等情報に基づいて、差出人や宛先人に間違いがないかを判定できる。印刷装置100は、判定結果に基づいて、誤りがある可能性があればその旨や、正しいと推定される差出人や宛先人をユーザに提示する。このような差出人・宛先人確認処理により、印刷装置100は、差出人や宛先人の誤りを低減させることができる。その結果、誤印刷や誤送付が防止される。
【0060】
また、印刷装置100によれば、差出人を選択しなくても適切な差出人が提示され得るので、ユーザによる選択の手間を削減され得る。
【0061】
本実施形態では、はがき作成の都度に差出人や宛先人に係る特徴データが抽出され、その特徴データに基づいて差出人DBや宛先人DBが更新される。したがって、ユーザは基本的にデータベースの作成や更新等の作業を行う必要がない。このため、印刷装置100は、ユーザに手間をかけさせることなく適切な差出人や宛先人を提示することができる。
【0062】
上述の実施形態では、印刷装置を例にあげて説明したが、この技術は、文書を作成する装置全般に用いられ得る。例えばパーソナルコンピュータやスマートフォンによる文書作成においても用いられ得る。このとき、上述の処理を行わせるプログラムに基づいて、例えばパーソナルコンピュータやスマートフォンは動作する。
【0063】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても、発明が解決しようとする課題の欄で述べられた課題が解決でき、かつ、発明の効果が得られる場合には、この構成要素が削除された構成も発明として抽出され得る。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0064】
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
差出人又は宛先人と関係付けられた文書を作成する文書作成部と、
前記文書の情報を抽出する特徴抽出部と、
少なくとも1つの前記差出人の情報を含む差出人データベースに含まれる前記差出人の情報、又は、少なくとも1つの前記宛先人の情報を含む宛先人データベースに含まれる前記宛先人の情報と、前記文書の情報と、を比較して、前記文書と前記差出人又は前記宛先人の相関を判定する判定部と、
を具備する、
ことを特徴とする文書作成装置。
[2]
前記判定部は、前記文書の情報に基づいて、前記差出人データベースに含まれる前記差出人の中から前記文書と前記相関が高い差出人候補を選択し、又は、前記宛先人データベースに含まれる前記宛先人の中から前記文書と前記相関が高い宛先人候補を選択し、
前記相関、前記差出人候補又は前記宛先人候補をユーザに提示する提示部をさらに具備する、
ことを特徴とする[1]に記載の文書作成装置。
[3]
作成された前記文書に含まれる前記文書の情報に基づいて、前記差出人データベースに含まれる前記差出人の情報、又は、前記宛先人データベースに含まれる前記宛先人の情報を更新する情報更新部をさらに具備する、
ことを特徴とする[1]又は[2]に記載の文書作成装置。
[4]
前記差出人の情報又は前記宛先人の情報は、前記文書の種別、前記文書に含まれるキーワード、前記文書のジャンル、前記文書のフォーマット及び顔写真のうちの少なくとも1つを含む、
ことを特徴とする[1]乃至[3]のうちの何れか1項に記載の文書作成装置。
[5]
作成した前記文書を印刷する印刷部をさらに具備する、
ことを特徴とする[1]乃至[4]のうちの何れか1項に記載の文書作成装置。
[6]
前記差出人データベース又は前記宛先人データベースを記憶する記憶部をさらに具備する、
ことを特徴とする[1]乃至[5]のうちの何れか1項に記載の文書作成装置。
[7]
前記相関、前記差出人候補又は前記宛先人候補を前記ユーザに提示する前記提示部は、表示部又は音声出力部である、
ことを特徴とする[2]に記載の文書作成装置。
[8]
差出人又は宛先人と関係付けられた文書を作成することと、
前記文書の情報を抽出することと、
少なくとも1つの前記差出人の情報を含む差出人データベースに含まれる前記差出人の情報、又は、少なくとも1つの前記宛先人の情報を含む宛先人データベースに含まれる前記宛先人の情報と、前記文書の情報と、を比較して、前記文書と前記差出人又は前記宛先人の相関を判定することと、
を具備する、
ことを特徴とする文書作成方法。
[9]
差出人又は宛先人と関係付けられた文書を作成することと、
前記文書の情報を抽出することと、
少なくとも1つの前記差出人の情報を含む差出人データベースに含まれる前記差出人の情報、又は、少なくとも1つの前記宛先人の情報を含む宛先人データベースに含まれる前記宛先人の情報と、前記文書の情報と、を比較して、前記文書と前記差出人又は前記宛先人の相関を判定することと、
をコンピュータに実行させる、
ことを特徴とする文書作成のためのプログラム。