(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2摺動枠は、前記第2カム筒とともに周方向に回転するとともに、回転を前記第1カム筒に伝達し、これにより、前記ズームリングの回転が、前記第2カム筒及び前記第2摺動枠を介して、前記第1カム筒に伝達される、ことを特徴とする請求項1又は2に記載されたズームレンズ鏡筒。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで高倍率ズームレンズ鏡筒には、広い焦点距離をカバーすることができるとともに、携帯性を向上するためにコンパクト化することが求められている。しかしながら、引用文献1記載のズームレンズ鏡筒のようにレンズを繰り出すための筒を複数段重ねると、鏡筒の径が大きくなってしまい、コンパクト化という課題を達成することができない。
【0007】
さらに、多くの筒を重ねてレンズを繰り出すと、上述したように多数の筒を介してレンズ群を移動させることとなり、広角から望遠へレンズを繰り出す場合と、望遠から広角へレンズを退行させる場合との繰り出し精度の差(すなわち、レンズの繰り出し距離の差)が大きくなってしまう。
【0008】
本願発明は、上記の課題に鑑みなされたものであり、広い焦点距離をカバーすることができながら、コンパクトなズームレンズ鏡筒を提供することを目的とする。さらに、本願発明は、多くの筒を重ねて構成された鏡筒において、繰り出し精度を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のズームレンズ鏡筒は、複数のレンズ群を有するズームレンズ鏡筒であって、固定筒と、前記固定筒の外側に配置されたズームリングと、前記固定筒の内側に配置され、前記ズームリングが回転されると前記複数のレンズ群を光軸方向に移動させるレンズ繰出筒群とを備え、前記レンズ繰出筒群は、外筒と、第1摺動枠と、第2カム筒と、第2摺動枠と、フォーカスカム筒と、直進筒と、第1カム筒と、を含むことを特徴とする。
【0010】
また、本発明において、好ましくは、レンズ繰出筒群は、外側から内側に向かって外筒、第1摺動枠、第2カム筒、第2摺動枠、フォーカスカム筒、直進筒、第1カム筒の順序で配置されている。
【0011】
上記構成の本発明によれば、9層の筒体から構成されており、広い焦点距離をカバーしつつ、コンパクトな構成とすることができる。
【0012】
また、本発明において、好ましくは、ズームレンズ鏡筒は第1〜第5レンズ群を有し、外筒と直進筒とは直進筒連動コマにより連結されており、第1カム筒は直進筒に対して光軸方向の移動が拘束されており、ズームリングが回転されると、ズームリングが固定筒に対して回転されることにより、直進筒は回転することなく外筒とともに光軸方向に移動し、ズームリングの回転が第1カム筒に伝達され、第1カム筒は回転しながら外筒及び直進筒とともに光軸方向に移動し、第3〜第5レンズ群は、直進筒に対して第1カム筒が回転することにより、直進筒に対して光軸方向に相対移動し、これにより、第3〜第5レンズ群が光軸方向にズーム移動する。
【0013】
また、本発明において、好ましくは、第2摺動枠は、第2カム筒とともに周方向に回転するとともに、回転を第1カム筒に伝達し、これにより、ズームリングの回転が、第2カム筒及び第2摺動枠を介して、第1カム筒に伝達される。
【0014】
上記構成の本発明によれば、外筒と直進筒とが一体となって光軸方向に移動するため、従来に比べて、広角から望遠へレンズを繰り出す場合と、望遠から広角へレンズを退行させる場合との繰り出し精度の差を減らすことができる。
【0015】
また、本発明において、好ましくは、ズームリングが回転されると、第2摺動枠が、直進筒に対して回転することにより光軸方向に移動し、フォーカスカム筒は第2摺動枠とともに光軸方向に移動し、第2レンズ群はフォーカスカム筒とともに光軸方向にズーム移動する。
【0016】
また、本発明において、好ましくは、第1レンズ群は、第1摺動枠に固定され、ズームリングが回転されると、ズームリングの回転は第2カム筒に伝達され、外筒が固定筒に対して回転することなく光軸方向に移動し、さらに、第2カム筒が外筒に対して回転することにより、第1摺動枠が光軸方向に移動され、これにより、第1レンズ群は光軸方向にズーム移動する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、広い焦点距離をカバーすることができながら、コンパクトなズームレンズ鏡筒を提供できる。さらに、本発明によれば、多くの筒を重ねて構成された鏡筒において、繰り出し精度を向上することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明のズームレンズ鏡筒の一実施形態を図面を参照しながら説明する。本実施形態では、オートフォーカス機構及び手振れ補正機構を備えた5レンズ群構成のズームレンズ鏡筒について説明する。
【0020】
(構成)
図1及び
図2は、それぞれ、本発明の一実施形態のズームレンズ鏡筒の光軸を通る面の断面図であり、それぞれ、広角時及び望遠時における断面を示す。
インナーフォーカスズームレンズ1は、
図1及び
図2に示すように、光軸O上に配置された第1レンズ群A、フォーカスレンズ群である第2レンズ群B、第3レンズ群C、第4レンズ群D、及び第5レンズ群Eを有する。また、第4レンズ群Dは手振れ補正用の補正レンズ群を構成している。各レンズ群におけるレンズはほぼ等しい径を有し、第1レンズ群Aから第5レンズ群Eに進むに従って小径なレンズが用いられている。第1〜5レンズ群A〜Eは、それぞれ、円環状に形成された第1〜5レンズ群枠2、3、4、5、6に保持されている。
【0021】
ズームレンズ鏡筒1は、マウント7から順に、第1基部筒8、第2基部筒9が設けられている。また、第1基部筒8の半径方向中心側には、縦溝筒20(固定筒)が固着されている。
【0022】
縦溝筒20の径方向外側には、ズームリング10が光軸方向の移動を拘束された状態で回転可能に設けられている。また、第2基部筒9の結像側の端部の径方向外側には、フォーカスリング100が回転可能に設けられている。
【0023】
縦溝筒20の径方向内側には、径方向中心に向かって順番に、外筒30と、第1摺動枠40と、第2カム筒50と、第2摺動枠60と、フォーカスカム筒70と、直進筒80と、第1カム筒90とが配置されている。これら外筒30、第1摺動枠40、第2カム筒50、第2摺動枠60、フォーカスカム筒70、直進筒80、及び、第1カム筒90が、ズームリング10が回転されると第1〜5レンズ群A〜Eを光軸方向に移動させるレンズ繰出筒群を構成する。
【0024】
また、第1カム筒90の内側には、対物側から接眼側に向かって順に、第2群摺動枠110、第3群摺動枠120、第4群摺動枠130、及び第5群摺動枠140が設けられている。第2レンズ群枠3、第3レンズ群枠4、及び第5レンズ群枠6は、それぞれ第2摺動枠110、第3群摺動枠120、及び第5群摺動枠140と一体に固定されている。また、第4群レンズ枠5は、手振れ補正機構150を介して第4群摺動枠130の支持されている。また、第3群レンズ枠4の対物側には絞り機構160が取り付けられている。
【0025】
また、第2基部筒9内の結像側の空間には、光軸を中心として回転可能なフォーカスギアリング170と、フォーカスギアリング170を回転させる、例えば、超音波モータからなる合焦用モータ180とが配置されている。これらフォーカスギアリング170及び合焦用モータ180は、例えば、赤外線などを利用した被写体までの距離を測定する測距手段と、合焦用モータにフォーカスギアリング170の回転角度に応じた制御信号を送る制御手段と、ともにオートフォーカス機構を構成する。制御手段は、測距手段により測定された被写体までの距離に基づき、合焦に必要な第2レンズ群Bの移動距離に応じたフォーカスギアリング170の回転角を算出する。
【0026】
フォーカスギアリング170は、フォーカス連動板190が接続されている。このフォーカス連動板190は縦溝筒20の結像側に形成された開口を挿通し、縦溝筒20の内側かつフォーカスカム筒70の外側を光軸方向に延びている。フォーカス連動板30の先端には、フォーカス連動コマ191が取り付けられている。
【0027】
また、マニュアルフォーカスを行うため、フォーカスリング100の回転は合焦用モータ180の減速機を介してフォーカスギアリング170に伝達可能となっている。
【0028】
第4レンズ群Dを保持する第4レンズ群枠5は手振れ補正機構150により保持されており、この手振れ補正機構はジャイロ(図示せず)によりズームレンズ鏡筒1の加速度を検出し、検出した加速度に応じて第4レンズ群Dを光軸に対して垂直な平面内で並進及び回動移動させる。
【0029】
図3〜
図11は、それぞれ、
図1に示すズームレンズ鏡筒1におけるズームリング10、縦溝筒20、外筒30、第1摺動枠40、第2カム筒50、第2摺動枠60、フォーカスカム筒70、直進筒80、及び第1カム筒90の展開図である。各図において、上側が被写体側、下側が結像側である。
【0030】
図3に示すように、ズームリング10には、その内面側に1本の第2カム筒ガイド溝11と、3本の外筒カム溝12が形成されている。第2カム筒ガイド溝11は光軸方向に延びており、外筒カム溝12は光軸方向に対して周方向に傾斜している。第2カム筒ガイド溝11内には、第2カム筒50の外周面に植設され、縦溝筒20に形成された第2カム筒コマ挿通開口22を挿通したた第2カム筒連動コマ51の先端が係合している。また、外筒カム溝12内には、外筒30の外周面に植設され、縦溝筒20の外筒コマ直進溝21を挿通した外筒コマ31が係合している。
【0031】
図4に示すように、縦溝筒20には、表裏を貫通するように、3本の外筒コマ直進溝21と、1本の第2カム筒コマ挿通開口22とが形成されている。外筒コマ直進溝21は、光軸方向に延びており、第2カム筒コマ挿通開口22は光軸に対して周方向に傾斜している。なお、第2カム筒コマ挿通開口22の幅は、第2カム筒連動コマ51の径よりも大きく、また、光軸方向に対してズームリング10に形成された外筒カム溝12とは逆方向に傾斜している。外筒コマ直進溝21には、外筒30の外周面に植設された外筒コマ31が挿通し、外筒コマ31の側面が外筒コマ直進溝21の縁に当接している。また、第2カム筒コマ挿通開口22には、第2カム筒50の外周面に植設された第2カム筒連動コマ51が挿通している。
【0032】
図5に示すように、外筒30には、その内周面に3本の第1摺動枠直進溝32が形成されている。第1摺動枠直進溝32には、第1摺動枠40の外周面に植設された第1群ガイドコマ41の先端部が係合している。また、外筒30の外周面の接眼側の縁部には、3つの外筒コマ31が植設されており、外筒30から接眼側に突出するように形成された突出部30Aには円形の穴が形成されており、この穴に直進筒80の外周面に植設された直進筒連動コマ33の先端が係合している。外筒コマ31は、上述した通り縦溝筒20の外筒コマ直進溝21を挿通し、ズームリング10の外筒カム溝12と係合している。また、直進筒連動コマ33の先端は直進筒80に植設されている。
【0033】
図6に示すように、第1摺動枠40の外周面の接眼側の縁部には、第1群ガイドコマ41が植設されており、また、内周面の接眼側の縁部には、第1群摺動コマ42が植設されている。上述した通り、第1群ガイドコマ41の先端部は、外筒30に形成された第1摺動枠直進溝32と係合している。また、第1群摺動コマ42の先端部は、第2カム筒50に形成された第1群カム溝52と係合している。
【0034】
図7に示すように、第2カム筒50には、外周面に3本の第1群カム溝52が形成され、内周面に3本の第2摺動枠直進溝53が形成されている。第1群カム溝52は光軸に対して周方向に傾斜しており、第1摺動枠40に形成された第1群摺動コマ42が係合している。また、第2摺動枠直進溝53は、光軸方向に延びており、第2摺動枠60の外周面に植設された第2摺動枠連動コマ61が係合している。また、第2カム筒の接眼側端部には、第2カム筒連動コマ51が径方向外周に向かって植設されている。第2カム筒連動コマ51は、縦溝筒20に形成された第2カム筒コマ挿通開口22を挿通し、先端がズームリング10に形成された第2カム筒ガイド溝11と係合している。
【0035】
図8に示すように、第2摺動枠60には、外周面に3本の第2摺動枠連動コマ61が植設されており、また、内周面には3本の第2群コマ62が植設されている。第2摺動枠連動コマ61は、第2カム筒50に形成された第2摺動枠直進溝53と係合している。また、第2群コマ62は、フォーカスカム筒70に形成された第2群フォーカス溝71、及び、直進筒80の第2群コマガイド溝82を挿通し、第1カム筒90に形成された第2群直進溝91に係合している。
【0036】
図9に示すように、フォーカスカム筒70には、被写体側の縁部に形成された3本のフォーカス摺動コマガイド溝72と、接眼側の縁部に形成された3本の第2群フォーカス溝71と、接眼側に向かって延びる突出部70Aに形成されたフォーカス連動コマ溝73とが形成されている。フォーカス摺動コマガイド溝72は、一端から中間部までの部分が周方向に延び、中間部から多端までの部分が被写体側へ湾曲している。フォーカス摺動コマガイド溝72には、第2レンズ群枠3と一体となった第2摺動枠110の外周に植設されたフォーカス摺動コマ201が当接している。また、第2群フォーカス溝71は、一端から中間部までの部分が周方向に延び、中間部から多端までの部分が接眼側へ湾曲している。第2群フォーカス溝71には、第2摺動枠60に形成された第2群コマ62が挿通しており、第2群コマ62の側面が第2群フォーカス溝71の縁に当接している。また、フォーカス連動コマ溝73は、略光軸方向に延びており、フォーカス連動板190の先端に取り付けられたフォーカス連動コマ191が係合している。
【0037】
図10に示すように、直進筒80には、3本のフォーカス摺動コマカム溝81と、3本の第2群コマガイド溝82と、3本の第3群コマガイド溝83と、3本の第1カム筒摺動コマガイド溝84とが形成されている。フォーカス摺動コマカム溝81は、光軸方向に対して周方向に傾斜するように形成されており、第2レンズ群枠3と一体となった第2摺動枠110の外周に植設されたフォーカス摺動コマ201が挿通している。第2群コマガイド溝82は、光軸方向に対して周方向に傾斜するように形成されており、第2摺動枠60に形成された第2群コマ62が挿通しており、第2群コマ62の側面が第2群コマガイド溝82の縁に当接している。第3群コマガイド溝83は光軸方向に延びるように形成されており、第3レンズ群枠4の外周に植設された第3群コマ203が係合している。第1カム筒摺動コマガイド溝84は、周方向に延びるように形成されており、第1カム筒90の外周面に形成された第1カム筒摺動コマ92が係合している。また、直進筒80の外周面には直進筒連動コマ33が植設されており、この直進筒連動コマ33の先端は外筒30の突出部30Aに形成された穴に係合している。また、直進筒の接眼側の縁には、複数の凹部80Aが形成されており、この凹部80Aには、第4レンズ群枠5を支持する第4群摺動枠130の外周に植設された第4群コマが嵌合している。
【0038】
図11に示すように、第1カム筒90には、被写体側に突出する3つの突出部90Aに形成された第2群直進溝91と、被写体側の縁部に形成された3本の第3群コマカム溝93と、光軸方向中間部に形成された3本の第4群コマガイド溝94と、接眼側の縁部に形成された3本の第5群コマガイド溝95とが形成されている。第2群直進溝91は、光軸方向に延びるように形成されており、第2摺動枠60に植設された第2群コマ62が係合している。第3群コマカム溝93は、一端から中間部までの部分は周方向に延びるように形成され、中間部から他端までの部分が光軸方向に対して周方向に傾斜するように形成されている。第3群コマカム溝93は、第3レンズ群枠4の外周に植設された第3群コマ203が挿通しており、第3群コマ203の側面が第3群コマカム溝93の縁に当接している。第4群コマガイド溝94は周方向に延びるように形成されており、第4レンズ群枠5の外周に植設された第4群コマ204が挿通している。第5群コマガイド溝95は光軸方向に対して周方向に傾斜するように形成されており、第5レンズ群枠6と一体となった第5群摺動枠140の外周に植設された第5群コマ205が係合している。また、第1カム筒90の光軸方向中間部には、第1カム筒摺動コマ92が植設されている。第1カム筒摺動コマ92は、直進筒80に形成された第1カム筒摺動コマガイド溝84と係合している。
【0039】
第1レンズ群枠2は、第1摺動枠40の先端部に固定されている。
【0040】
第2レンズ群枠3と一体となった第2群摺動枠110の外周にはフォーカス摺動コマ201が植設されており、このフォーカス摺動コマ201は直進筒80に形成されたフォーカス摺動コマカム溝81を挿通し、フォーカスカム筒70に形成されたフォーカス摺動コマガイド溝72に係合している。
【0041】
第3レンズ群枠4の外周には第3群コマ203が植設されており、この第3群コマ203は第1カム筒90の第3群コマカム溝93を挿通し、直進筒80の第3群コマガイド溝83と係合している。
【0042】
第4レンズ群枠5を支持する第4群摺動枠130の外周には第4群コマ204が植設されており、この第4群コマ204は第1カム筒90の第4群コマガイド溝94を挿通し、直進筒80に形成された凹部80Aと嵌合している。また、第4群摺動枠130の後部には、接眼側に延びる固定枠部210が形成されている。固定枠部210には光軸方向に延びる縦溝211が形成されている。
【0043】
第5レンズ群枠6の外周には第5群コマ205が植設されており、この第5群コマ205は第1カム筒90の第5群コマガイド溝95を挿通し、第4レンズ群枠5に接続された固定枠部210の縦溝211と係合している。
【0044】
(ズーム作動)
上述したズームレンズ鏡筒1はマウント7によりカメラ本体に固定され、これによりマウント7に対して固定された縦溝筒20はカメラ本体に対して固定される。ズーム操作時には、ズームリング10をカメラ本体に対して回転させる。
【0045】
−第1レンズ群−
ズームリング10が回転されると、外筒30に植設された外筒コマ31が、縦溝筒20に形成された外筒コマ直進溝21を挿通し、ズームリング10に形成された外筒カム溝12に係合しているため、外筒30が回転することなく光軸方向に被写体側に繰り出される。
【0046】
また、第2カム筒50の第2カム筒連動コマ51が、縦溝筒20の第2カム筒コマ挿通開口22を挿通し、ズームリング10の第2カム筒ガイド溝11に係合している。このため、ズームリング10が回転されると、第2カム筒50が外筒30及び直進筒80に対して光軸方向移動が拘束された状態で光軸方向に被写体側に繰り出されるととともに、光軸を中心として回転する。
【0047】
そして、第1摺動枠40の第1群ガイドコマ41が外筒30の第1摺動枠直進溝32に係合するとともに、第2カム筒50の第1群カム溝52と係合している。これにより、外筒30が回転することなく光軸方向に繰り出され、第2カム筒50が回転しながら光軸方向に繰り出されると、第1摺動枠40は回転することなく、外筒30に対して光軸方向に被写体側に繰り出される。このように、外筒30が光軸方向に繰り出され、さらに、外筒30に対して繰り出されることにより、第1レンズ群Aの光軸方向移動が行われる。
【0048】
−第2レンズ群−
直進筒80の外周面に植設された直進筒連動コマ33が、外筒30の突出部30Aに形成された穴に係合しているため、ズームリング10の回転により外筒30が回転することなく光軸方向に繰り出されると、直進筒80も外筒30に連動して回転することなく光軸方向に被写体側に繰り出される。
【0049】
また、第2摺動枠60の第2摺動枠連動コマ61が第2カム筒50の第2摺動枠直進溝53に係合しているため、第2カム筒50が回転すると、第2カム筒50の回転は、第2摺動枠60に伝達される。また、第2摺動枠60の第2群コマ62が直進筒80の第2群コマガイド溝82を挿通している。このため、第2摺動枠60が直進筒80に対して回転すると、第2摺動枠60は光軸方向に接眼側に移動する。
【0050】
また、フォーカス連動コマ191がフォーカスカム筒70のフォーカス連動コマ溝73と係合しているため、フォーカス時以外にはフォーカスカム筒の回転は所定の角度範囲に拘束されている。さらに、第2群コマ62がフォーカスカム筒70の第2群フォーカス溝71を挿通しているため、フォーカスカム筒70は第2摺動枠60に連動して、回転することなく光軸方向に接眼側へと移動される。そして、第2レンズ群枠3の外周に植設されたフォーカス摺動コマ201がフォーカスカム筒70のフォーカス摺動コマガイド溝72に係合しているため、フォーカスカム筒70が光軸方向に接眼側へと移動されると、第2レンズ群Bも光軸方向に移動される。
【0051】
−第3レンズ群−
また、第2摺動枠60に形成された第2群コマ62が第1カム筒90の第2群直進溝91と係合しており、第1カム筒90に形成された第1カム筒摺動コマ92が直進筒80に形成された第1カム筒摺動コマガイド溝84に係合している。このため、第2摺動枠60が回転すると、その回転は第1カム筒90に伝達され、第1カム筒90は回転しながら直進筒80とともに光軸方向に被写体側に移動する。
【0052】
第3レンズ群枠4の外周に形成された第3群コマ203は、第1カム筒90の第3群コマカム溝93を挿通し、直進筒80の第3群コマガイド溝83に係合している。このため、直進筒80及び第1カム筒90が光軸方向に被写体側に移動すると、第3レンズ群Cは、これら直進筒80及び第1カム筒90とともに光軸方向に被写体側に移動する。さらに、直進筒80に対して第1カム筒90が回転することにより、第3レンズ群Cは、直進筒80及び第1カム筒90に対して光軸方向に移動する。このようにして、第3レンズ群Cは光軸方向に被写体側に移動する。
【0053】
−第4レンズ群−
第4レンズ群枠5を支持する第4群摺動枠130の外周に形成された第4群コマ204は、第1カム筒90の第4群コマガイド溝94を挿通し、直進筒80の凹部80Aに嵌合している。このため、直進筒80及び第1カム筒90が光軸方向に被写体側に移動すると、第4レンズ群枠5に固定された第4レンズ群Dは回転することなく光軸方向に被写体側へ移動する。
【0054】
−第5レンズ群−
第5レンズ群枠6の外周に形成された第5群コマ205は、第1カム筒90の第5群コマガイド溝95を挿通し、第4群摺動枠130の後部に形成された固定枠部210の縦溝211と係合している。このため、第1カム筒90が回転しながら光軸方向に移動すると、第5レンズ群Eは第1カム筒90に対して光軸方向に移動する。このようにして、第5レンズ群Eは光軸方向に移動する。
【0055】
以上説明したように、ズームリング10を回転させることにより、第1〜5レンズ群A〜Eは、それぞれ独立して光軸方向に移動することとなる。
【0056】
(フォーカス作動)
マニュアルフォーカス時には、フォーカスリング100が回転されると、その回転は合焦用モータ180の減速機を介して、フォーカスギアリング170へ伝達される。また、オートフォーカス時には、制御手段から被写体までの距離に応じた制御信号が合焦用モータ180に入力されると、合焦用モータ180は被写体までの距離に応じた角度だけ、フォーカスギアリング170を回転させる。
【0057】
フォーカスギアリング170が回転されると、フォーカス連動板190に植設されたフォーカス連動コマ191がフォーカスカム筒70に形成されたフォーカス連動コマ溝73に係合しているため、フォーカスカム筒70が回転される。また、第2レンズ群枠3の外周に植設されたフォーカス摺動コマ201が、直進筒80のフォーカス摺動コマカム溝81を挿通し、フォーカスカム筒70のフォーカス摺動コマガイド溝72に係合している。このため、フォーカスカム筒70が回転すると、第2群コマ62を基点として、フォーカスカム筒70が光軸方向に移動され、第2群コマ62と一緒に第2レンズ群Bが光軸方向に移動する。これにより、フォーカス作動が行われる。
【0058】
以上説明したように、本実施形態のズームレンズ鏡筒1は、縦溝筒20と、縦溝筒20の外側に配置されたズームリング10と、外側から内側に向かって順に配置された外筒30、第1摺動枠40、第2カム筒50、第2摺動枠60、フォーカスカム筒70、直進筒80、及び第1カム筒90からなるレンズ繰出筒群と、により構成されている。すなわち、本実施形態のズームレンズ鏡筒1は9層の筒体から構成されており、広い焦点距離をカバーしつつ、コンパクトな構成とすることができる。
【0059】
また、本実施形態によれば、外筒30と直進筒80とが直進筒連動コマ33により連結されている。このため、ズームリング10が回転されると、カム機構により外筒30が光軸方向に移動するが、外筒30と一体となって直進筒80も光軸方向に移動する。そして、直進筒80に対して第1カム筒90が回転されることにより、第3〜第5レンズ群C〜Eが光軸方向に移動する。このように、外筒30と直進筒80とが一体となって光軸方向に移動するため、従来に比べて、広角から望遠へレンズを繰り出す場合と、望遠から広角へレンズを退行させる場合との繰り出し精度の差を減らすことができる。
【0060】
なお、本実施形態では、第1〜5レンズ群を備えた鏡筒の場合について説明したが、本願発明はこれに限らず、例えば、4群のレンズを備えた鏡筒に適用することも可能である。すなわち、本願発明は複数のレンズ群を備えたズームレンズ鏡筒であれば適用することができる。
【0061】
また、本実施形態では、レンズ繰出筒群において、外側から内側に向かって外筒30、第1摺動枠40、第2カム筒50、第2摺動枠60、フォーカスカム筒70、直進筒80、第1カム筒90の順序で配置された場合について説明したが、本発明はこれに限らず、筒体の順序を変更してもよい。