(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記充電ユニットが有線接続を介して、前記第1のオーディオチャンネルのオーディオ信号を出力する、前記オーディオレンダラのオーディオ出力に結合し、前記充電ユニットは、前記第1のオーディオチャンネルの前記オーディオ信号に従って、前記取り付けられたスピーカユニットの前記オーディオトランスデューサを駆動するように構成されている、請求項1に記載のマルチチャンネルオーディオレンダリングシステム。
前記第1のスピーカベースは、前記第3のカップリングを介して受け取った、前記スピーカベースに取り付けられたスピーカユニットのバッテリーの電力を用いて、前記第1のスピーカベースに電力供給する電力回路を有する、請求項3に記載のマルチチャンネルオーディオレンダリングシステム。
前記第1のスピーカベースは、前記オーディオレンダラから前記第2のオーディオチャンネルのオーディオ信号を受け取る無線受信器と、前記第2のオーディオチャンネルの前記受け取ったオーディオ信号に応じて、前記スピーカベースに取り付けられたスピーカユニットを駆動するオーディオドライバとを有する、
請求項4に記載のマルチチャンネルオーディオレンダリングシステム。
前記複数のオーディオチャンネルの各オーディオチャンネルは、充電ユニットとスピーカベースとのうち一方にリンクされている、請求項3に記載のマルチチャンネルオーディオレンダリングシステム。
充電ユニットに取り付けられていない少なくとも一スピーカユニットは、充電ユニットに関連づけられていない前記複数のオーディオチャンネルのうちの一オーディオチャンネルと関連づけられ、
前記マルチチャンネルオーディオレンダリングシステムは、さらに、前記充電ユニットに取り付けられているスピーカユニットの変化の検出に応じて、前記少なくとも一スピーカユニットと前記オーディオチャンネルとの間の関連付けを変更するように構成された構成回路を含む、
請求項1に記載のマルチチャンネルオーディオレンダリングシステム。
前記オーディオレンダラは、前記複数のオーディオチャンネルの少なくとも2つのオーディオチャンネルの少なくとも2つのオーディオ源からオーディオ信号を生成するように構成されている、
請求項1に記載のマルチチャンネルオーディオレンダリングシステム。
【背景技術】
【0002】
マルチチャンネルオーディオレンダリング及び特にマルチチャンネルスペーシャルサウンドレンダリングは、単純なステレオを超えて、サラウンドサウンドホームシネマシステムなどのアプリケーションでは普通のことになった。一般的に、かかるシステムは、リスニング位置に対して特定の空間的位置に配置されたラウドスピーカを用いる。例えば、5.1ホームシネマシステムは、5台のラウドスピーカを介して空間的サウンドを提供する。5台のラウドスピーカのうち、1台のスピーカはリスニング位置のすぐ前にあり(センターチャンネル)、1台のスピーカはリスニング位置の左前にあり、1台のスピーカはリスニング位置の右前にあり、1台のスピーカはリスニング位置の左後にあり、1台のスピーカはリスニング位置の右後にある。また、非空間的低周波数スピーカが設けられる。
【0003】
このような従来システムは、リスニング位置に対して特定の名目的位置におけるオーディオ信号の再生に基づく。一般的には、各オーディオチャンネルに対して1台のスピーカが設けられ、それゆえスピーカはシステムの所定のまたは名目的な位置に対応するロケーションに配置されなければならない。
【0004】
(5.1システムなどの)マルチチャンネルラウドスピーカシステムの主要な欠点(detracting factor)は、すべてのスピーカに対しワイヤが必要だということである。ラウドスピーカの位置の制約により、一般的に、部屋のある側から他の側へワイヤを設けることになる。ワイヤを例えば壁の中に組み込んで隠すのに必要な時間とお金を費やそうと思う人はほとんどいない。また、かかる解決策では、例えば、新しい家具レイアウトに調節する時に、構成を後で変更することを制約し妨げる。
【0005】
それゆえ、スピーカワイヤを避けるために無線技術を用いるシステムが開発されている。しかし、かかる無線スピーカは、電力を必要とし、そのために外部の電源(幹線電源出力(mains power outlets)など)に接続したり、バッテリーを組み込んだりしなければならない。しかし、スピーカを電源出力に接続しないとならないことは、ほとんどの人が現実的ではなく不便であると考える。ある意味で、スピーカを電源出力に接続する必要性は、有線のスピーカ接続の目的を変えて、駆動ユニットではなく最寄りの電源出力に終端させるだけに過ぎない。しかし、それではまったく、基本的なワイヤの必要性を無くすことにはならない。
【0006】
結局、無線技術が、オーディオをロスレス品質で部屋(または家)中にブロードキャストできる成熟レベルに達するにつれ、真の無線ラウドスピーカへ向けての主要な障害は、電源である。バッテリー技術はここ数年向上し続けると期待されるが、一般的に、比較的頻繁な時間間隔で充電する必要がある。
【0007】
充電過程において主に不快なことは、充電中に製品(本願の場合、ラウドスピーカ)を所望のロケーションで使用できないことである。一般的に、充電のため、電源出力の近くに置く必要があり、またはラウドスピーカを通常の利用ロケーションから充電位置に動かさねばならない。このように、充電する必要が生じると、例えば、消費者が映画を見ている間に、体験が中断され、ユーザはバッテリーが充電されるまで待ってからシステムを利用する必要がある。
【0008】
他の充電オプションは、消耗したバッテリーを充電済みバッテリーと交換することである。しかし、これは、バッテリーと充電過程の技術的側面を公にすることになり、不便で手間がかかると考えられることが多い。さらに、充電するため、バッテリーを無線スピーカから取り外さないとならない場合、充電中の連続的操作をするには、最初のバッテリーを充電している間は、別のバッテリーを挿入する必要がある。しかし、これは、無線スピーカより多くのバッテリーがシステムで利用できなければならない。
【0009】
よって、空間的オーディオレンダリングシステムを改良できれば都合がよく、特に、柔軟性が高く、操作が容易で、ワイヤリングの必要性が少なく、実用性が高く、バッテリー充電が容易で、及び/またはユーザエクスペリエンスが向上するシステムであれば都合がよい。
【発明の概要】
【0010】
従って、本発明は、好ましくは、単独でまたは組み合わされて、上記の1つ以上の不利な点を緩和もしくは解消するものである。
【0011】
本発明の第1の態様によると、マルチチャンネルオーディオレンダリングシステムが提供される。該レンダリングシステムは、次の要素を有する:複数のオーディオチャンネルのオーディオ信号を生成して、前記オーディオ信号を送信するオーディオレンダラと、複数の互換性のあるスピーカユニットであって、各スピーカユニットは、バッテリーと、前記複数のオーディオチャンネルのリンクされたオーディオチャンネルのオーディオ信号をレンダリングするオーディオトランスデューサと、前記スピーカユニットを充電ユニットに結合する第1のカップリングと、前記第1のカップリングと前記バッテリーとに結合し、取り付けられた充電ユニットから前記第1のカップリングに供給電力を受け取ったとき、前記バッテリーに充電するように構成された電力制御回路とを有する、複数の互換性のあるスピーカユニットと、少なくとも1つの充電ユニットであって、前記衣服数のオーディオチャンネルの第1のオーディオチャンネルに関連づけられ、前記複数の互換性のあるスピーカユニットの一スピーカユニットである、取り付けられたスピーカユニットの第1のカップリングに結合する第2のカップリングと、前記取り付けられたスピーカユニットの前記第1のカップリングに電力を供給する電源と、前記取り付けられたスピーカユニットを前記第1のオーディオチャンネルにリンクするリンク回路とを有する、少なくとも1つの充電ユニットとを有する。
【0012】
本発明は、より柔軟及び/または実用的なマルチチャンネルオーディオレンダリングシステムを提供する。本システムは、内部バッテリーを用いて回路に電源供給できる互換性のあるスピーカユニットを用いることができる。これにより、幾つかの完全にワイヤレスのスピーカ位置を設けることができ、それにより一以上のスピーカ位置におけるワイヤの必要性を無くし、それと同時に充電に対するユーザフレンドリーなアプローチを提供する。充電ユニットと互換的スピーカユニットの機能的分割及び相互作用により、充電が容易になり、システムの連続的利用が可能になる。具体的に、追加バッテリーは必要なく、多くの実施形態では充電中にスピーカユニットを使える。
【0013】
実際、本レンダリングシステムは、ユーザがバッテリーだけでなくスピーカユニットを交換できるので、バッテリー充電の全過程を促進できる。また、本アプローチにより、すべてのスピーカ位置が電源出力に近くなければならないという要件を回避できる。本システムは、充電中に、すべてのスピーカがその名目的位置にあっても使用できる。
【0014】
各充電ユニットは、複数のオーディオチャンネルのうち一チャンネルに(準)永続的に関連づけまたはリンクされ得る。スピーカユニットは、特定のどの空間的オーディオチャンネルに永続的に関連づけられなくてもよく、実際、特定のどの充電ユニットとも関連づけられなくてもよい。むしろ、ほとんどの実施形態では、スピーカユニットは、異なる充電ユニット、スピーカ位置及び/またはオーディオチャンネルの間で自由に交換することができる。スピーカユニットは、充電ユニット(またはスピーカベース)との取り付け(attachment)により、特定のオーディオチャンネルにリンクされるだけである。
【0015】
幾つかの実施形態では、本システムは、複数のスピーカベースを有し、充電ユニットもその中の1つであってもよい。スピーカベースのうち少なくとも1つは、取り付けられた(attached)スピーカユニットに電力供給するように構成されていなくてもよい。本システムは、複数のオーディオチャンネルの各々に対してリンク回路を含む。各リンク回路は、複数のオーディオチャンネルの一オーディオチャンネルを一スピーカユニットにリンクするように構成され、オーディオチャンネルはスピーカユニットが取り付けられたスピーカベースに関連するオーディオチャンネルである。少なくともお一リンク回路は、無線通信により、オーディオレンダラからのオーディオチャンネルを受信するように構成された無線リンク回路である。少なくとも一(無線)リンク回路は、関連づけられたスピーカユニットのバッテリーにより電力供給される。各リンク回路は、スピーカベースに含まれても、スピーカユニットに含まれてもよい。
【0016】
幾つかの実施形態では、取り付けられたスピーカユニットに電力供給するように構成されたスピーカベースの数は、少なくともスピーカユニットの数の半分である。
【0017】
幾つかの実施形態では、本システムは、各スピーカユニットに対して電力増幅器を有していてもよく、具体的に、各スピーカユニットは電力増幅器を有しても良い。
【0018】
幾つかの実施形態では、本システムは、各スピーカベースに対して電力増幅器を有していてもよく、具体的に、各スピーカベースが電力増幅器を有しても良い。
【0019】
一以上のスピーカユニットは複数のオーディオトランスデューサを有する。例えば、スピーカユニットは、(ウーファ及びツイータドライバのように)高周波オーディオトランスデューサと低周波オーディオトランスデューサとを有しても良い。また、スピーカユニットは、パッシブまたはアクティブなクロスオーバーフィルタ機能、オーディオトランスデューサ用の一体のまたは分離の電力増幅器などを含んでいてもよい。
【0020】
各ラウドスピーカが、一般的には、供給信号をレンダリングするセパレート型の統合的かつ完備したユニットである先行技術と対照的に、本発明によるスピーカユニットは、少なくとも一スピーカ位置について、完備かつ首尾一貫したものではない。このように、少なくとも1つのオーディオチャンネルに対して、スピーカユニットの動作は、充電ユニットへの取り付け(attachment)に依存する。
【0021】
本発明の任意的特徴によると、前記充電ユニットが有線接続を介して、前記第1のオーディオチャンネルのオーディオ信号を出力する、前記オーディオレンダラのオーディオ出力に結合している。前記充電ユニットは、前記第1のオーディオチャンネルの前記オーディオ信号に従って、前記取り付けられたスピーカユニットの前記サウンドトランスデューサを駆動するように構成されている。
【0022】
これにより、多くのシナリオにおいてユーザ体験が改善され、レンダリングシステムの設定が容易になり、及び/または複雑性及び/またはコストが低減できる。
【0023】
例えば、サラウンドサウンドセットアップのフロントスピーカ位置は、一般的には、オーディオレンダラを含むメインユニットの位置の近くである。したがって、これらの位置には容易に有線接続を設けることができる。かかる有線接続により、これらの位置にあるスピーカユニットのオーディオトランスデューサに対して駆動信号を直接提供でき、それにより無線技術の必要性はない。リアスピーカ位置は無線でサポートできる。
【0024】
幾つかの実施形態では、有線接続により、充電ユニットに取り付けられたスピーカユニットのオーディオトランスデューサに対してオーディオ駆動信号を提供できる。
【0025】
幾つかの実施形態では、有線接続により充電ユニットに電力供給できる。幾つかの実施形態では、有線接続により、充電ユニットに取り付けられたスピーカユニットのオーディオトランスデューサに対してオーディオ駆動信号を提供でき、充電ユニットに電力供給することもできる。
【0026】
本発明の任意的な一特徴によると、マルチチャンネルオーディオレンダリングシステムはさらに、少なくとも第1のスピーカベースを有し、前記第1のスピーカベースは、前記複数のオーディオチャンネルの第2のオーディオチャンネルに関連づけられ、前記第1のスピーカベースは、前記複数の互換性のあるスピーカユニットの一スピーカユニットである、スピーカベースに取り付けられたスピーカユニットの第1のカップリングに結合する第3のカップリングと、前記スピーカベースに取り付けられたスピーカユニットを前記第2のオーディオチャンネルにリンクするリンク回路とを有する。
【0027】
これにより、多くのシナリオにおいてユーザ体験が改善し、システムが非常に柔軟かつユーザフレンドリーとなり、ユーザは充電ユニットとスピーカベースとの間でスピーカユニットを自由に動かすことができる。
【0028】
ある実施形態では、すべての充電ユニット/スピーカベース、またはすべてのスピーカユニットは、リンク/関連付けされたオーディオチャンネルのオーディオ信号を受信する無線受信器を有してもよい。
【0029】
本アプローチにより、スピーカベース/充電ユニットとスピーカユニットとの間で機能を分割することにより、構成を改善できる。スピーカベース/充電ユニットの各々は一オーディオチャンネルと関連づけまたはリンクしている。スピーカユニットは、特定のどの空間的オーディオチャンネルに本質的に関連づけられなくてもよく、実際、特定のどのスピーカベースまたは充電ユニットとも関連づけられなくてもよい。むしろ、ほとんどの実施形態では、スピーカユニットは、スピーカベース/充電ユニットの間で自由に交換できる。スピーカユニットは、取り付けられたスピーカベース/充電ユニットにより提供されるリンクを介してオーディオチャンネルのチャンネルにのみとリンクされる。
【0030】
スピーカベースは、スピーカユニットのバッテリーに充電する機能を有さない。充電ユニットは、(外部電力が供給されれば)バッテリーに充電する機能を追加的に有するスピーカベースであるとも見なせる。
【0031】
本システムは、使用時、スピーカユニットを充電できる充電ユニットとして機能するスピーカベースの一サブセットと、取り付けられたスピーカユニットのバッテリーのみが電源であるスピーカベースである他の一サブセットとを有する。このように、外部電力は、充電ユニットとしても用いられるスピーカベースのサブセット(例えば、ホームシネマシステムのフロントスピーカ)に対してのみ必要であり、他のスピーカベースは完全に無線であり、電力やオーディオ信号を供給するためのワイヤを必要としない。
【0032】
多くの実施形態において、各スピーカユニットは、スピーカベース/充電ユニットのどれにでも取り付けることができる。このように、スピーカユニットは、スピーカベース/充電ユニットのどれの間でも自由に動かすことができる。各スピーカベース/充電ユニットは、一オーディオチャンネルと関連づけまたはリンクされており、一方、スピーカユニットはどれも、(取り付けられたスピーカベース/充電ユニットを介して以外は)どのオーディオチャンネルとも関連づけまたはリンクされていない。オーディオレンダラの通信回路は、少なくとも幾つかのスピーカベース/充電ユニットまたは少なくとも幾つかのスピーカユニットの無線受信器と通信する無線通信手段を有する。
【0033】
オーディオレンダラは通信回路を有してもよい。この通信回路は、幾つかの実施形態では、一以上のスピーカベース/充電ユニットまたはスピーカユニットの無線受信器と通信する無線通信手段を有する。オーディオレンダラは、通信回路を有しても良い。この通信回路は、幾つかの実施形態では、有線通信リンクを通して少なくとも1つのスピーカベース/充電ユニットと通信する有線通信手段を有する。
【0034】
本発明の任意的な一特徴によると、前記第1のスピーカベースは、前記第3のカップリングを介して受け取った、前記スピーカベースに取り付けられたスピーカユニットのバッテリーの電力を用いて、前記第1のスピーカベースに電力供給する電力回路を有する。
【0035】
これにより、多くのシナリオにおいてユーザ体験を改善でき、システムが非常に柔軟かつユーザフレンドリーになる。このアプローチにより、具体的に、完全に無線のスピーカベースを完全に無線のスピーカユニットと用いることができ、それにより、完全に無線の音源実装ができ、例えば、充電が容易になり、充電中にシステムを実質的に中断せずに利用できる。
【0036】
第1のスピーカベースは、外部電力が供給されていない充電ユニットであり得る。
【0037】
本発明の任意的な一特徴によると、前記第1のスピーカベースは、前記オーディオレンダラから前記第2のオーディオチャンネルのオーディオ信号を受け取る無線受信器と、前記第2のオーディオチャンネルの前記受け取ったオーディオ信号に応じて、前記スピーカベースに取り付けられたスピーカユニットを駆動するオーディオドライバとを有する。
【0038】
これにより、多くの実施形態において、非常に実際的であり、複雑性が低く、及び/または効率的なシステムを提供できる。本アプローチにより、多くのシナリオにおいて、複雑でない低コストスピーカユニットを利用できる。本アプローチにより、多くのシナリオにおいて、スピーカユニットの、取り付けられるスピーカベース/充電ユニットのオーディオチャンネルへのリンクが容易になる。
【0039】
第1のスピーカベースは充電ユニットであり得る。無線受信器は、第1のスピーカベースがリンクされたオーディオチャンネルに対応する無線通信の識別子と関連付けできる。
【0040】
本発明の任意的な一特徴によると、スピーカユニットはパッシブスピーカユニットである。
【0041】
これにより、多くの実施形態において、非常に実際的であり、複雑性が低く、及び/または効率的なシステムを提供できる。本アプローチにより、多くのシナリオにおいて、複雑でない低コストスピーカユニットを利用できる。スピーカユニットは、スピーカユニットによりレンダリングされるオーディオ信号を増幅する機能を有さず、または実際にはこの信号を処理するいかなる機能も有さない。幾つかの実施形態では、スピーカユニットは一以上のオーディオトランスデューサとバッテリーを有する。
【0042】
本発明の任意的な一特徴によると、前記複数のオーディオチャンネルの各オーディオチャンネルは、充電ユニットとスピーカベースとのうち一方にリンクされている。
【0043】
これにより、多くのシナリオにおいてユーザ体験を改善でき、システムが非常に柔軟かつユーザフレンドリーになり、具体的にユーザは、ユーザフレンドリーな充電操作をできる。
【0044】
本発明の任意的な一特徴によると、前記第1のスピーカベースと第1の充電ユニットとのうち少なくとも一方は、スピーカユニットが取り付けられていない場合、前記オーディオレンダラに表示を送信するように構成され、前記オーディオレンダラは、前記表示に応じて、オーディオレンダリング過程を適応するように構成されている。
【0045】
これにより、柔軟性が高くなり、具体的に、ユーザは、スピーカユニットを動かす(または取り除く)ことにより、レンダリング構成を動的に変更できる。具体的に、本アプローチにより、システムは、スピーカベース/充電ユニットを合わせた数よりも少ないスピーカユニットで用いることができる。
【0046】
本発明の任意的な一特徴によると、第1の充電ユニットは、外部電源から電力を受け取る電力入力と、外部電力が前記外部電源から前記電力入力に提供されているかに応じて、スピーカユニット電力充電モードとスピーカユニット電力消耗モードとを切り替える切り替え回路とを有し、前記第1の充電ユニットは、前記スピーカユニット電力充電モードの時、前記取り付けられたスピーカユニットのバッテリーに充電し、前記スピーカユニット電力消耗モードの時、前記取り付けられたスピーカユニットのバッテリーの電力を用いて前記第1の充電ユニットに電力供給するように構成されている。
【0047】
これにより、構成がより柔軟かつ一般的にはよりユーザフレンドリーとなる。代替的または追加的に、同じユニットを充電機能を有する及び有さないスピーカベースとして使えるので、生産コストが安くなる。特に、幾つかの実施形態では、すべてのスピーカベース/充電ユニットは同じ機能を有しても良い。
【0048】
本発明の任意的な一特徴によると、各スピーカユニットは、前記オーディオレンダラから前記オーディオチャンネルのオーディオ信号を受け取る無線受信器と、前記受信するオーディオ信号に応じて、前記スピーカユニットのオーディオトランスデューサを駆動するオーディオドライバとを有する。
【0049】
これにより、幾つかのシナリオにおいて、システムがより実用的になり、及び/または複雑でなくなる。具体的に、本アプローチにより、充電ユニット/スピーカベースは、スピーカ位置のサブセットに対してのみ設けられても良い。実際、本アプローチにより、充電ユニットが1つだけでスピーカベースを有さないシステムを使うこともできる。
【0050】
本発明の任意的な一特徴によると、前記リンク回路は、前記取り付けられたスピーカユニットに、前記第1のオーディオチャンネルの表示を伝達するように構成され、前記取り付けられたスピーカユニットの無線受信器は、前記表示に応じて、どのオーディオ信号を受信するか判断するように構成されている。
【0051】
これにより、実装及び/または動作が特に有利になり、及び/または複雑性が低くなる。
【0052】
本発明の任意的な一特徴によると、充電ユニットに取り付けられていない少なくとも一スピーカユニットは、充電ユニットに関連づけられていない前記複数のオーディオチャンネルのうちの一オーディオチャンネルと関連づけられ、前記マルチチャンネルオーディオレンダリングシステムは、さらに、前記充電ユニットに取り付けられているスピーカユニットの変化の検出に応じて、前記少なくとも一スピーカユニットと前記オーディオチャンネルとの間の関連付けを変更するように構成された構成回路を含む。
【0053】
これにより、実装及び/または動作が特に有利になり、及び/または複雑性が低くなる。
【0054】
本発明の任意的な一特徴によると、前記オーディオレンダラは、前記複数のオーディオチャンネルの少なくとも2つのオーディオチャンネルの少なくとも2つのオーディオ源からオーディオ信号を生成するように構成されている。
【0055】
本システムにより、機能が改善され、よりよい体験となる。例えば、複雑性を高めずに、2ゾーンオーディオシステムをサポートできる。
【0056】
本発明の任意的な一特徴によると、前記充電ユニットは、前記充電ユニットの、前記複数のオーディオチャンネルの一オーディオチャンネルへの関連を入力するユーザ入力を有する。これによりユーザ体験が改善される。
【0057】
本発明の一態様では、上記のマルチチャンネルオーディオレンダリングシステムを有するホームシネマシステムが提供される。
【0058】
本発明の上記その他の態様、特徴、及び利点を、以下に説明する実施形態を参照して明らかにして説明する。
【発明を実施するための形態】
【0060】
以下の説明では、空間的オーディオレンダリングシステムに適用かのうな、特にサラウンドサウンドホームシネマシステムに適用可能な本発明の実施形態にフォーカスする。しかし、言うまでもなく、本発明はこのアプリケーションに限定されず、他の多数のマルチチャンネルオーディオレンダリングシステムに適用可能である。
【0061】
ホームシネマサラウンドサウンドシステムは、リスニング位置に対して名目的位置に配置されたスピーカから空間的オーディオチャンネルをレンダリングすることにより、空間的体験を発生する。一般的に、サラウンドサウンドシステムは、5つまたは7つのオーディオチャンネル/スピーカを用いるが、別の構成も可能である。
【0062】
図1は、本発明の実施形態によるオーディオレンダリングシステムの一例を示す図である。オーディオレンダリングシステムは、具体的には、5チャンネルサラウンドサウンドシステムであり、リスニング位置111の周りに配置された5つのスピーカユニット101,103,105,107,109を含む。使用時、5つのスピーカユニット101,103,105,107,109はそれぞれ空間的オーディオチャンネルをレンダリングし、それによりほぼ名目的リスニング位置にいるリスナに空間的体験を提供する。
【0063】
レンダリングシステムは、オーディオレンダラ113を有する。オーディオレンダラ113は、好適な内部または外部ソースから、異なるスピーカユニット101,103,105,107,109のオーディオ信号を生成する。オーディオレンダラ113は、例えば、ハードディスクなどの内部ストレージから、DVDディスクなどのポータブルメディアからデジタル符号化されたサラウンドサウンドを受け取るか、または外部ソースからサラウンドサウンド信号を受け取るレシーバを有する。
【0064】
従来のサラウンドサウンドシステムでは、各スピーカは、一般的に、有線接続により、オーディオレンダラ113のオーディオ出力に(半)恒久的に接続されている。従来のシステムのオーディオレンダラ113は、各オーディオチャンネルの出力を有し、各出力はワイヤを介して対応する名目的接続に配置されたスピーカに接続されている。しかし、あるロケーションに配置されたスピーカまでのワイヤの必要性は、非常に不都合であると考えられる。それゆえ、無線スピーカを用いる幾つかの従来システムが開発されている。しかし、完全な無線スピーカの場合、電力はスピーカ自体により準備されねばならず、それゆえ無線スピーカはバッテリーを含む。バッテリーの容量は比較的小さいので、バッテリーは比較的頻繁に充電する必要がある。これは従来の無線システムの主な欠点と考えられ、充電中はスピーカをコンセント(mains power)に接続しなければならない。しかし、これでは完全な無線スピーカという目的に反する。充電のためにバッテリーを取り外すのは不便であり現実的ではなく、充電過程がめんどうになる。さらに、そのために、充電プロセス中はスピーカが動作せず、別のバッテリーが利用できねばならない。
【0065】
このように、従来の充電過程における主な不都合は、ラウドスピーカが常時所望のロケーションで利用できず、電源出力の近くに配置され、または通常の利用ロケーションから充電ステーションまで動かされなければならない。このように、充電する必要が生じると、例えば、消費者が映画を見ている間に、体験が中断され、ユーザはバッテリーが充電されるまで待ってからシステムを利用する必要がある。
【0066】
図1のシステムは、一般的にはずっとユーザフレンドリーであり、充電操作によるインパクトを最小化してレンダリングシステムを中断されずに利用できるようにする、改善されたまたは容易になった充電動作をサポートするレンダリングシステムを提供する。
図1のシステムは、具体的に、複数のスピーカユニット101,103,105,107,109を用いる。複数のスピーカユニット101,103,105,107,109はどのスピーカ位置でも用いることができ、どの位置でも動的かつ交換可能に用いることができる。このように、スピーカユニット101,103,105,107,109の各々を用いて、どの空間的チャンネルもレンダリングできる。本例では、所望のスピーカ位置の各々に、充電ユニット/スピーカベース115−123を導入することにより実現する。充電ユニットとスピーカベース115−123は、スピーカユニットを受け入れ、結合することができる。このように、スピーカユニット101−109のどれかを充電ユニット/ベースステーション115−123のいずれにも取り付けられる。スピーカユニット101−109は、さらに、無線スピーカセットアップに電力供給できるバッテリーを含む。例えば、スピーカベース上に配置されると、スピーカユニット101−109はその装置に電力供給できる。対称的に、充電ユニット上に配置されると、充電ユニットはスピーカユニット101−109のバッテリーに充電できる。
【0067】
このように、本システムでは、スピーカユニット101−109は、スピーカユニットを充電できない(が、スピーカユニット101−109から電力を取れる)スピーカベース117−123と、スピーカユニット101−109に充電できる充電ユニット115との間を、自由に動かすことができる。さらに、本システムでは、充電ユニット115とスピーカベース117−123の各々は、空間的オーディオチャンネルのうちの1つの名目的スピーカ位置に(現実的にその近くに)配置されている。スピーカベース117−123と充電ユニット115の各々は、このように、1つの空間的オーディオチャンネルに関連している。スピーカユニット101−109がある充電ユニット/スピーカベース115−123に取り付けられているとき、スピーカユニット101−109が取り付けられている充電ユニット/スピーカベース115−123と関連するオーディオチャンネルをそのスピーカユニット101−109がレンダリングするように、システムが構成される。これにより、スピーカユニット101−109は、サービスの大幅な中断をすることなく、充電ユニット/スピーカベース115−123の間を自由に動け、かつ交換可能になる。
【0068】
図1の例では、1つの充電ユニット115のみを示した。しかし、多くの実施形態では、2台以上の充電ユニットを有すると都合がよく、実際、多くの実施形態において、充電ユニットの数がスピーカユニットの数の少なくとも半分でれば都合がよい。例えば、
図1のシステムでは、フロントポジションスピーカベース115,117,121はすべて充電ユニットであってもよい。
【0069】
このアプローチは、よりユーザフレンドリーな充電過程を提供する。実際、充電は、充電を要するスピーカユニット101−109が充電ユニット115上に配置されるように、単にスピーカユニットを交換することにより行える。充電ユニット115に取り付けられているスピーカユニット101−109は、前に取り付けられていたスピーカベース117−123に動かすことができる。このスピーカユニット101−109は、充電ユニット115に取り付けられていたので、充電されており、必要に応じて自分とスピーカベース117−123を電力供給できる。
【0070】
このように、スピーカユニット101−109は、充電する必要があるとき、充電ユニット115に現在取り付けられているスピーカユニット101−109と交換するだけでよい。2つのスピーカユニット101−109が交換されると、システムは、各スピーカユニット101−109によりレンダリングされているオーディオチャンネルを交換する。これらは、スピーカユニット101−109ではなく充電ユニット/スピーカベース115−123にリンクされているからである。よって、システムは、同じオーディオをレンダリングし、変更点は、充電を要するスピーカユニット101−109が充電ユニット115上に配置され、充電されることだけであり、一方、その前に充電されたスピーカユニット101−109は、スピーカベース117−123上に配置され、スピーカユニット101−109のバッテリーがオーディオチャンネルのレンダリングのための電力を供給する。
【0071】
このように、
図1のシステムにおける充電は、ユーザがスピーカユニット101−109のうち2つを交換することにより実現され、システムはすぐに利用準備ができ、すべてのオーディオチャンネルが適当な位置からレンダリングされる。
【0072】
図1のシステムは、具体的には、一組のクレードルを用い、スピーカユニットはその上に置くことができる。スピーカユニットがクレードルの上に置かれると、クレードルとスピーカユニット101−109との間でカップリングが行われる。このカップリングにより、クレードルとスピーカユニット101−109との間の取り付け(attachment)が形成される。このように、2つが結合されると、クレードル(充電ユニット/スピーカベース)は、スピーカユニット101−109に取り付けられ、その逆も起こる。このように取り付けは電子的/情報的取り付けである。一般的に、これは、充電ユニット/スピーカベースとスピーカユニット101−109との物理的取り付けにも対応するが、言うまでもなくこれは本質的なことではない。
【0073】
クレードルの各々は、オーディオレンダラにより生成されるオーディオチャンネルとリンクする。あるクレードル上に配置されたスピーカユニットは、そのクレードルに関連する/リンクされたオーディオチャンネルのオーディオ信号をレンダリングするために自動的に用いられる。このように、スピーカユニットは、どのオーディオチャンネルとも直接的にリンクされてなく、それが配置されているクレードルを介して間接的にリンクされている。結果として、スピーカユニットは、どのクレードル上に自由に配置してもよく、自動的に適当な空間的チャンネルのオーディオをレンダリングする。
【0074】
スピーカユニットは、さらに、バッテリーを含み、スピーカユニット自体及び/またはスピーカユニットが配置されているクレードルに電源供給できる。これにより、ある位置にあるクレードルとスピーカユニットの両方が、外部電力の供給無しに動作できる、完全な無線セットアップができる。電力供給を受けないクレードルやスピーカユニットは無線受信器を有し、この無線受信器は、オーディオレンダラから無線送信された適当なオーディオチャンネルを受信できる。このように、いくつかのスピーカ位置に対して、完全な無線セットアップを実現できる。
【0075】
さらに、少なくとも1つのクレードルは、スピーカユニットのバッテリーを充電する機能を有する。
図1の例では、1つのクレードルは、充電ユニット115であり、外部電源125に接続されている。外部電源125は、具体的には、電源出力から供給される幹線電力である。このように、充電ユニット115は、取り付けられたスピーカユニット101−109のバッテリーにより電力供給されず、外部から電力供給される。実際、バッテリーから電力を取るのではなく、バッテリーが充電されるように、取り付けられたスピーカユニット101−109のバッテリーに電力を供給するように構成されている。
【0076】
図1の例では、すべてのクレードルは、オーディオレンダラ113から無線で対応するオーディオチャンネルを受信し、スピーカユニット101−109のオーディオトランスデューサに対して、対応する駆動信号を発生する無線受信器を有する。このように、本例では、オーディオレンダラ113とどのスピーカ位置との間にも、有線接続はない。実際、唯一の有線接続は、充電ユニット115として機能するクレードルの外部電源125への接続である。実際、充電機能がない受動スピーカベース117−123として機能するクレードルはすべて、取り付けられたスピーカユニット101−109のバッテリーにより電力供給される。したがって、これらのクレードルは完全に無線である。
【0077】
このように、
図1のシステムは、配線が最小となる非常に簡単なセットアップを提供する。具体的に、オーディオレンダラ113からクレードルまたはスピーカ位置までの配線は必要ない。さらに、個々の位置においてサウンドをレンダリングする機能の電力供給は、スピーカユニット101−109のバッテリーを用いて行われる。
【0078】
また、非常にユーザフレンドリーな充電プロセスをシステムに実現できる。実際、バッテリーの充電は、対応するスピーカユニットを充電ユニット115に現在取り付けられている(すでに充電された)スピーカユニットと交換することにより、簡単に実現される。オーディオチャンネルは充電ユニット/スピーカベースにリンクされているので、本システムは、すぐに利用でき、充電動作の開始により生じる中断が非常に少ない。
【0079】
図2は、幾つかの実施形態によるスピーカユニット101−109の要素の一例を示す図である。
【0080】
スピーカユニット101−109は、カップリング201を有し、このカップリング201は、スピーカユニット101−109を充電ユニット/スピーカベース115−123に結合する。
【0081】
この結合により、様々な信号及び/または情報が、スピーカユニット101−109が取り付けられた充電ユニット/スピーカベース115−123と交換される。具体的に、結合により、スピーカユニット101−109との間で電力を送ることができる。さらに、結合により、オーディオ信号及び/または制御データが、スピーカユニット101−109とクレードルとの間で交換できる。スピーカユニット101−109は、結合201を介して充電ユニット/スピーカベース115−123と信号/データ及び/または電力を交換できるとき、充電ユニット/スピーカベース115−123に取り付けられていると考えられる。
【0082】
結合201は、例えば、スピーカユニット101−109がクレードル上に置かれた時に、このクレードル上の補完コネクタに電気的に接続する単純な電気的コネクタであってもよい。他の実施形態では、結合201は部分的にまたは完全に無線であってもよい。具体的に、結合201は、隣接したクレードルの対応する無線通信インタフェースに接続する短距離無線通信インタフェースであってもよい。このインタフェースは、オーディオ信号及び/または制御データを交換するのに用いられる。例えば、無線の電磁的結合を用いて電力信号を送ることができる。
【0083】
結合201は電力制御回路203に結合され、電力制御回路203はさらにバッテリー205に結合されている。バッテリー205は再充電可能バッテリーであり、電力制御回路203は、結合201から充電電流を受け取ると、バッテリー205に充電するように構成されている。よって、スピーカユニット101−109がスピーカユニット101−109に電力を供給するアクティブな充電ユニット115に取り付けられると、電力制御回路203はバッテリーに充電する。
【0084】
電力制御回路203は、幾つかの実施形態では、結合201に電力を供給できる。具体的に、スピーカベースの機能がスピーカユニット101−109から電力供給されているシステムでは、電力制御回路203は、バッテリー205を結合201に接続することにより、この電力を結合201に供給できる。実際、幾つかの実施形態では、電力制御回路203は、単に、バッテリー205と、結合201を形成している電気的コネクタとの間に電気的接続を提供するワイヤであってもよい。他の実施形態では、電力制御回路203は、例えばトリクル充電、供給電力の電流制御などを含むインテリジェント充電など、もっと複雑な電力処理を実行できるように構成できる。
【0085】
スピーカユニット101−109は、さらに、現在サポートしているオーディオチャンネル、すなわちスピーカユニット101−109が現在取り付けられているクレードルに関連するオーディオチャンネルに対応するオーディオをレンダリングできるオーディオトランスデューサ207を有する。オーディオトランスデューサ207は、スピーカドライバまたは複数のスピーカドライバのアレンジメントなどの任意の好適なオーディオトランスデューサであってもよい。
【0086】
図1の例では、オーディオトランスデューサ207は、スピーカユニット101−109が(充電ユニット/スピーカベースを介して)オーディオトランスデューサ207に現在リンクしているオーディオチャンネルに対応する駆動信号を提供するように供給されたオーディオドライバ209に結合している。オーディオドライバ209は、結合201に結合し、この結合により、スピーカユニット101−109が取り付けられた充電ユニット/スピーカベース115−123のオーディオチャンネルにリンクされている。スピーカユニットは、適当なクロスオーバーネットワークを有する複数のドライバ(例えば、ウーファとツイータ)よりなっていてもよい。複数のドライバは、別々の増幅器により信号供給され得る。
【0087】
幾つかの実施形態では、リンクは、充電ユニット/スピーカベース115−123がスピーカユニット101−109に直接的に適当なオーディオチャンネルのオーディオ駆動信号を供給することにより行われる。そして、スピーカユニット101−109はオーディオ駆動信号をオーディオトランスデューサ207に直接供給する。実際、かかる場合、スピーカユニット101−109は、オーディオドライバ209を含まない(または、結合201をオーディオトランスデューサ207に接続するワイヤは、オーディオドライバ209に対応すると考えてもよい)。他の実施形態では、オーディオドライバ209は、結合201から適当なチャンネルのアイデンティティの識別情報を受け取るだけでよく、対応チャンネルを受信して対応する駆動信号を発生するように自動的に再構成される。例えば、オーディオドライバ209は、結合を介して、充電ユニット/スピーカベース115−123からアドレスまたは識別情報に対応するオーディオデータを受信するように再構成できる無線レシーバを含み得る。
【0088】
図3は、幾つかの実施形態による充電ユニット115の要素の一例を示す図である。
【0089】
充電ユニット115は、取り付けられたスピーカユニット101−109のカップリング201に結合するカップリング301を有する。
【0090】
カップリング301により、取り付けられたスピーカユニット101−109と様々な信号及び/または情報を交換できる。具体的に、カップリングにより、スピーカユニット101−109に電力を送ることができる。さらに、カップリングにより、オーディオ信号及び/または制御データを、スピーカユニット101−109に送ることができる。充電ユニット115は、結合301を介してスピーカユニット101−109と信号/データ及び/または電力を交換できるとき、スピーカユニット101−109に取り付けられていると考えられる。
【0091】
カップリング301は、例えば、取り付けられたスピーカユニット101−109上の補完的コネクタに電気的に接続された単純な電気的コネクタである。他の実施形態では、カップリング201は部分的にまたは完全に無線であってもよい。具体的に、カップリング301は、隣接したクレードルの対応する無線通信インタフェースに接続する短距離無線通信インタフェースであってもよい。このインタフェースは、オーディオ信号及び/またはデータを交換するのに用いられる。例えば、無線の電磁的結合を用いて電力信号を送ることができる。
【0092】
充電ユニット115は、さらに、電源回路303を有する。電源回路303は、供給パワーを提供し、具体的には、カップリング301を介してスピーカユニット101−109に充電電流を提供する。電源回路303は、一般的には、幹線電源出力などの外部電力源に接続される。いくつかの実施形態では、電源回路303は、トリクル充電などを含む複雑な充電機能を提供するように構成されている。他の実施形態では、電源回路303は、スピーカユニット101−109に単に電力を供給し、スピーカユニット101−109が充電を制御するように構成されていてもよい。
【0093】
充電ユニット115は、さらに、取り付けられたスピーカユニット101−109をオーディオチャンネルにリンクするリンキング回路305を有する。充電ユニット115は、オーディオチャンネルと関連している。リンキング回路305は、カップリング301と結合し、幾つかの実施形態では、カップリング301に適当なオーディオ信号を提供するように構成されている。取り付けられたスピーカユニット101−109は、単純に、この信号をレンダリングしてもよい。このように、単に適当なオーディオ信号をスピーカユニット101−109に提供する充電ユニット115により、リンクを実現できる。
【0094】
他の実施形態では、リンクは、例えば、リンキング回路305が適当なチャンネルの識別情報をスピーカユニット101−109に提供することにより実行され、識別された情報をレンダリングするため、これは後で再構成される。例えば、リンキング回路305は、オーディオレンダラ113から送信され、適当なオーディオチャンネルのオーディオデータを含む無線ブロードキャストメッセージのアドレスを提供する。
【0095】
幾つかの実施形態では、リンキング回路305は、単に、カップリング301を介して取り付けたスピーカユニット101−109により読み出されるパッシブセッティングにある。例えば、単純なスイッチは異なる位置の間のユーザ設定可能であり、各位置は、名目的空間的スピーカセットアップの一スピーカ一に対応する。スピーカユニット101−109は、カップリングを介してこのスイッチの設定を読み出すことができる。単純な例として、スイッチは5チャンネルサラウンド構成の5つの位置に対応する5つの位置を有する。充電ユニット115を配置するとき、ユーザは、スイッチを、充電ユニット115を利用する位置に対応するように設定できる。スイッチの5つの位置は、現在の位置に対応するピンでのみ電圧が発生するように、カップリング301を形成する電気的コネクタの5つのピンに結合される。かかるシステムでは、スピーカユニット101−109は、どのピンが、どのオーディオチャンネルをレンダリングすべきか決定するために印加された電圧であるか検出できる。
【0096】
スピーカベースは、スピーカベースには充電機能を含む必要がなく、そのため電源回路303を含む必要がないという点を除けば、充電ユニットと同じである。しかし、言うまでもなく、スピーカベースは充電回路を含んでいてもよいが、外部電力がなければ、スピーカユニットのバッテリーを充電することはできない。このように、充電ユニットはスピーカベースとしても使える。
【0097】
言うまでもなく、幾つかの実施形態では、スピーカベースは電力供給を必要とする機能を有さない。実際、スピーカベースは、極端な場合、クレードルに関連するチャンネルを示すユーザ設定可能スイッチを含む好適な単なるクレードルであってもよい。
【0098】
電力供給を受けなければならない機能をスピーカベースが有する実施形態では、スピーカベースは、さらに、カップリングの適当な入力を介して、スピーカユニット101−109のバッテリーからかかる回路に電力制御してもよい。
【0099】
スピーカベースの要素の一例を
図4に示す。
【0100】
システムの操作と異なるオーディオチャンネルのレンダリングとに必要な機能は、実施形態ごとに異なってもよい。
【0101】
例えば、オーディオトランスデューサの駆動に必要なオーディオ信号の電力増幅は、スピーカユニットにあっても、充電ユニット/スピーカベースにあってもよいし、幾つかのチャンネルでは例えばオーディオレンダラにあってもよい。同様に無線システムでは、無線受信器は充電ユニット/スピーカベースにあっても、スピーカユニットにあってもよい。
【0102】
幾つかの実施形態では、スピーカユニット101−109の機能をできるだけ縮小すると有利である。かかる実施形態では、各チャンネルの電力増幅機能は、充電ユニット/スピーカベース115−123にあっても、例えば幾つかのチャンネルのオーディオレンダラ113にあってもよい。同様に、かかるシステムでは、無線配信されたオーディオチャンネルを受信するのに用いられる無線受信器が充電ユニット/スピーカベース115−123にあってもよい。実際、かかる実施形態では、スピーカユニット101−109は、完全にパッシブな装置(entities)であり、パッシブなオーディオトランスデューサとバッテリーのみを含む。これらは、さらに、取り付けられた充電ユニット/スピーカベース115−123への結合を提供する電気的コネクタ上のピンに接続されている。
【0103】
図5は、スピーカユニット101−109がバッテリーに充電できないスピーカベース117−123に取り付けられている場合の、かかる装置の一例を示す。この例では、スピーカベース117−123は、(スピーカベース117−123の位置に対応する)空間的オーディオチャンネルのチャンネルを受信する無線受信器501を有する。受信されたオーディオデータはオーディオ信号に変換され、無線増幅器503に送られる。無線増幅器503は、(カップリング201、203を形成する)電気的コネクタ507を介して、スピーカユニット101−109のオーディオトランスデューサ505に接続されている。スピーカベース117−123の回路は、コネクタ507を介して、スピーカユニット101−109のバッテリー509により電力供給される。
【0104】
図6は、スピーカユニット101−109が充電ユニット115上に配置された場合の対応する例を示す。この場合、充電ユニット115は充電回路601を有する。充電回路601は、コネクタ605を介して、取り付けられたスピーカユニット101−109のバッテリー603に結合している。充電回路601は、スピーカユニット101−109のバッテリー603を充電する。さらに、充電ユニット115の増幅器607は、スピーカユニット101−109のオーディオトランスデューサ609に対する駆動信号を生成する。
【0105】
幾つかの実施形態では、オーディオチャンネルのオーディオ信号は、
図5の例と同様の無線受信器により供給される。しかし、幾つかの実施形態では、適当なオーディオチャンネルのオーディオ信号は、有線で直接供給してもよく、そのため増幅器607は、チャンネルのサブセットのワイヤにより、オーディオレンダラ113に接続されている。
【0106】
かかる一例を
図7に示す。
図7は、リアサラウンドオーディオチャンネルが無線オーディオ配信を用いること以外は、
図1の例と同じである。センターとフロントチャンネルでは、充電ユニット115とスピーカベース117−119は、適当なオーディオ信号を提供するワイヤを介して、オーディオレンダラ113の出力に直接接続されている。実際、かかるシステムでは、電力増幅はオーディオレンダラ113により提供される。オーディオレンダラ113は、(充電ユニット/スピーカユニット101−109を介して)スピーカユニット101−109のオーディオトランスデューサ207に直接有線接続している。
【0107】
かかるシステムは、複雑性が低く、充電ユニット115またはスピーカベース117−119の一部のコストが低いので、多くのシナリオで有利である。実際、多くの実施形態では、オーディオレンダラ113は、一般的に、フロントとセンターのスピーカ位置の近くにあり、これらをワイヤで接続するのは問題ない。しかし、ワイヤで接続すると不便なサラウンドチャンネルでは、無線接続を用いる。
【0108】
幾つかの実施形態では、異なる構成で動作できる一以上の充電ユニットを用いる。具体的に、充電ユニットは、前述の通り、スピーカユニットのバッテリーに電力供給できる充電ユニットとして動作可能である。しかし、充電機能を有するのに加えて、充電ユニットは、充電ユニットが、取り付けられたスピーカユニットのバッテリーには充電しないが、カップリングを介してバッテリーにより電力供給されるパッシブ電力消耗モードで動作することもできる。このように、充電ユニットは、かかるシステムにおいて、取り付けられたスピーカユニットに電力を供給するアクティブ電源と、スピーカユニットから電力供給を受ける機能を組み込んだパッシブ電力消耗との両方であり得る。このように、電力供給されねばならない充電ユニットの機能の少なくとも一部は、充電回路/外部電源により、または取り付けられたスピーカユニットにより、電力供給を受けることができる。
【0109】
充電ユニットは、さらに、充電ユニットが外部電源から電力供給を受けているか否かに応じて異なる動作モード間を切り替えるように構成されていてもよい。具体的に、外部電源が設けられたとき、充電ユニットはアクティブな電源として機能し、取り付けられたスピーカユニットのバッテリーに充電する。しかし、外部電力が供給されない場合、充電ユニットは、取り付けられたスピーカユニットのバッテリーから自分に電力供給する電力消耗モードに切り替わる。
【0110】
かかるアプローチは、アクティブな充電ユニットとして、及びパッシブなスピーカベースとして、同じユニットを用いることができるので、多くの実施形態において有利である。実際、ユーザには同じクレードルを用意して、名目的なスピーカ位置にランダムに配置できる(例えば、どの空間的チャンネルに関連しているか示すスイッチをそれぞれに設定できる)。一以上のクレードルは、電源出力に接続され、これらを用いてスピーカユニットのバッテリーを充電する。一方、残りのクレードルは、バッテリーを充電できない(バッテリーを放電する)パッシブクレードルである。多くのシナリオにおいて、かかるアプローチは、一タイプのクレードルのみが必要なので、コストを低減できる。
【0111】
幾つかの実施形態では、充電ユニット/スピーカベースは、(例えば、スピーカユニットのバッテリーから電力を供給するように割り当てられたコネクタピンに電力が供給されているかチェックすることにより、)取り付けられたスピーカユニットが無いことを検知する機能を有する。充電ユニット/スピーカベースは、例えば、スピーカが取り付けられておらず、ある期間が経過した後、さらに、オーディオレンダラにこれの表示を送信する。
【0112】
かかる表示を受け取ると、オーディオレンダラは、失われたスピーカユニットに対する補正をするようその動作を再構成する。例えば、
図1のセントラルスピーカベース117がスピーカユニットに取り付けられていないとの表示を送信したとき、オーディオレンダラ113は、セントラルオーディオチャンネルを2つのフロントチャンネルにわたって分配する。このように、かかるシナリオでは、オーディオレンダラ113は、センタオーディオ信号をレフトフロント及びライトフロントのオーディオチャンネルの信号とミックスする。このように、例えば、失われたスピーカユニットはどこか他で使われているため、システムは、失われたスピーカユニットに自動的に適応する。
【0113】
前述の例では、各オーディオチャンネルは、一充電ユニット/スピーカベース115−123に関連づけられ、各スピーカユニット101−109は、充電ユニット/スピーカベース115−123と使われていた。しかし、幾つかの実施形態では、スピーカユニット101−109は、充電ユニットまたはスピーカベースに独立に取り付けられたオーディオチャンネルの1つのオーディオをレンダリングするのに十分な機能を有する。
【0114】
具体的に、各スピーカユニットは、オーディオチャンネルのオーディオ信号を受け取ることができる無線受信器と、スピーカのオーディオトランスデューサを駆動できるオーディオドライバとを有する。例えば、
図2のオーディオドライバ209は、無線受信器と電力増幅器とを有する。かかるスピーカユニットは、独立に機能できるが、時々充電しなければならない。
【0115】
前述のアプローチでは、スピーカユニットは、新しい充電ユニットまたはスピーカベースに取り付けられることにより新しいチャンネルに対して再構成された。しかし、スピーカユニットを充電ユニット/スピーカベースとは離して用いることができる実施形態では、スピーカユニットの充電ユニット/スピーカベースへの取り付けに、新しいチャンネルにリンクさせることを要求するのは現実的ではない。例えば、システムは単一の充電ユニットのみを含んでも良い。
【0116】
しかし、幾つかの実施形態では、スピーカユニットの充電ユニットへの新しい取り付けにより、新しい関連づけが引き起こされ、これが他の充電ユニットやスピーカベースに取り付けられていない場合、これがさらに少なくとも他の1つのスピーカユニットの、具体的には、充電ユニットにリンクされたオーディオチャンネルと以前関連付けられていたスピーカユニットの新しい関連づけを開始する。
【0117】
かかる再構成の具体的な例を
図8乃至
図12を参照して説明する。この例では、システムは単一の充電ユニット115のみを有し、スピーカユニット101−109はすべてオーディオチャンネルを独立にレンダリングする十分な機能を有する。具体的に、すべてのスピーカユニット101−109は、少なくともオーディオレンダラ113と通信できる無線通信機能を有する。この例では、オーディオレンダラ113は、無線ネットワークのセンタノードを構成し、スピーカユニット101−109との間でメッセージを無線で送受信するように構成されている。異なるチャンネルのオーディオ信号は、システムにより現在レンダリングされているオーディオチャンネルのオーディオデータを有するメッセージを選択するために、スピーカユニット101−109の無線機能により検出できる具体的なアドレッシングを伴うメッセージで通信される。
【0118】
図8は最初の状態を示す。第1のスピーカユニット101は、充電ユニット115に取り付けられ、充電されている。充電ユニット115は、フロントレフトチャンネルの名目的位置にあり、このチャンネルに関連づけられている。したがって、第1のスピーカユニット101は、フロントレフトオーディオチャンネル(チャンネルA/CH.A)にリンクされ、フロントレフトチャンネル(CH.A)のアドレスに対応するアドレスを有するすべてのメッセージを検出する。第2のスピーカユニット105は、現在、リアレフトチャンネル(チャンネルB/CH.B)にリンクされ、対応するアドレスを有するすべてのメッセージを受信する。このように、このアドレスで構成されているので、第2のスピーカユニット105は、リアレフトチャンネルのオーディオをレンダリングでき、どの充電ユニット/スピーカベースに取り付けられる必要がない。
【0119】
第2のスピーカユニット105のバッテリーが充電を必要とし、ユーザが第1のスピーカユニット101と第2のスピーカユニット105とを物理的に交換することにより、すなわち、第2のスピーカユニット105を充電ユニット115に配置し、第1のスピーカユニット101をリアレフトチャンネルの位置に配置する(が、充電ユニットやスピーカベースには取り付けない)ことにより、充電を開始する。システムは自動的に再構成し、2つのスピーカユニット103、105によりレンダリングされるチャンネルを交換する。これは以下の方法で行われる。
【0120】
図9に示したように、最初に、第1のスピーカユニット101が充電ユニットから取り外される。次に、
図10に示したように、第2のスピーカユニット105が、第1のスピーカユニット101のクレードル上に配置される。このように、第2のスピーカユニット105は、充電ユニット115に取り付けられる。
【0121】
この取り付けに応じて、充電ユニット115は、相互接続を介して、第2のスピーカユニット105に、充電ユニット115がレフトフロントチャンネル(チャンネルA)とリンクされていることを表示する。
図11に示したように、これに応じて、第2のスピーカユニットは、レフトリアチャンネルからフロントレフトチャンネルに(すなわち、チャンネルBからチャンネルAに)リンクを変更する。これは、例えば、充電ユニット115が第2のスピーカユニット105の無線送信器が、レフトフロントチャンネルのメッセージのアドレスを提供することにより実現できる。
【0122】
第2のスピーカユニット105は、さらに、関連づけにおけるこの変更をオーディオレンダラ113に通知するメッセージを、オーディオレンダラ113に送信する。これに応じて、オーディオレンダラ113は、リアレフトチャンネルがどのスピーカユニット103、105とも関連づけられていないと判断する。オーディオレンダラ113は、さらに、第1のスピーカユニット101が置き換えられ、どのオーディオチャンネルとも関連づけされていないと判断する。したがって、オーディオレンダラ113は、第1のスピーカ101に、それ自体をリアレフトチャンネルとリンクする命令を有するメッセージを送信する。これは、例えば、第1のスピーカユニット101が、リアレフトチャンネルに対して使われるアドレスで送信されたオーディオ信号をレンダリングするとの命令を含むメッセージを送信することにより、実現される。
図11に示したように、第1のスピーカユニット101は、指定されたオーディオ信号をレンダリングするように自分を再構成する。
【0123】
このように、この例では、一スピーカユニットの関連づけの変更が検出され、どの充電ユニットやスピーカベースにも現在取り付けられていない他のスピーカユニットの関連づけの変更に使われる。
【0124】
この例では、関連づけの変更は、オーディオチャンネルのアドレスは一定のまま、各スピーカユニットに割り当てるアドレスを変更することにより行う。しかし、言うまでもなく、他の実施形態では、各スピーカユニットのアドレスを一定にして、オーディオチャンネルに対して用いるアドレスをオーディオレンダラにより変更してもよい。
【0125】
また、この例では、集中的通信トポロジを用いて、すべての無線通信はスピーカユニットとオーディオレンダラとの間で行われた。しかし、他の実施形態では、ピア・ツー・ピアトポロジを用いて、スピーカユニットが互いに直接通信できるようにしてもよい。
【0126】
前述の例では、複数のチャンネルを用いて、あるリスニング位置における空間的体験を生成するレンダリングシステムを参照してレンダリングシステムを説明した。しかし、このアプローチを他の多くのアプリケーションに対して代替的または追加的に用いてもよい。
【0127】
例えば、このアプローチは、異なるロケーション、例えば異なる部屋におけるオーディオの提供に用いることもできる。例えば、説明した空間的構成がリビングルームにあり、追加的スピーカベースが例えばキッチンにあってもよい。ユーザは、一スピーカをキッチンのクレードルに動かし、オーディオレンダラ113からオーディオを受信してもよい。かかるシナリオでは、キッチンのクレードルに関連するオーディオチャンネルは、リビングルームの充電ユニット/スピーカベースとは異なる信号源からのものであってもよい。
【0128】
このように、幾つかの実施形態では、ユーザは、スピーカユニットの1つを他の部屋に移動して、例えばキッチンでニュースを聞き続け、一方主要ルーム(例えば、リビングルーム)のシステムは空間的サウンドをレンダリングし続けることが可能となる。さらに、失われたスピーカユニットが検出され、オーディオレンダラが、リビングルームの残りのスピーカユニットにオーディオを配信する時、その失われたスピーカを補足することができる。これにより、同じコンテンツまたは異なるコンテンツが再生できる2つのゾーンが生じる。
【0129】
幾つかの実施形態では、スピーカユニットまたはスピーカベースは、取り付けられたスピーカユニットのバッテリーの充電が必要か検出する機能を有しても良い。それに応じて、例えば、点滅する光によりユーザ表示が提供される。他の例として、充電の必要性がオーディオレンダラ113に送り返され、オーディオレンダラ113が、充電しなければならないスピーカユニットからレンダリングされるビープ音などのオーディオ表示を発生してもよい。
【0130】
言うまでもなく、各スピーカ位置で利用される機能は、スピーカベースとスピーカユニットとの間で異なる分布をしていてもよい。
【0131】
図13は、あるスピーカ位置におけるスピーカベースとスピーカユニットの構成により利用される機能の一例を示す。
【0132】
この機能には、ID回路1301が含まれる。ID回路1301は、その位置に関連するオーディオチャンネルの識別情報を提供する。これはリンク回路1303に結合している。リンク回路1303は、オーディオレンダラから、識別されたオーディオリンクのオーディオを受信する。リンク回路は、無線または有線であるが、概して、システムの少なくとも1つの位置は無線である。リンク回路1303は、電力増幅器1305に結合し、電力増幅器1305はリンク回路1303からオーディオを受け取り、それに応じてオーディオトランスデューサ1307を駆動する。
【0133】
機能には、さらに、バッテリー1309(及び関連する電力制御及び充電機能)が含まれる。これは、本例では、リンク回路1303と電力増幅器1305に電力供給する。
図13は、さらに任意的電源1311を示す。電源1311は、バッテリー1309と電力制御機能に電力を供給できる。電源1311は、幾つかの位置(充電ユニットの位置)に対してのみ含まれ電力を供給する。
【0134】
図14は、スピーカベース1401とスピーカユニット1403との間の機能分配の一例を示す。この例では、スピーカユニット1403の機能は最小化され、ほとんどの機能はスピーカベース1401に含まれている。
【0135】
図15は、スピーカベース1501とスピーカユニット1503との間の機能分配の他の一例を示す。本例では、機能はスピーカユニット1503とスピーカベース1501との間でより均等に分配されている。
【0136】
図16は、スピーカベース1601とスピーカユニット1603との間の機能分配の一例を示す。この例では、スピーカベース1601の機能は最小化され、ほとんどの機能はスピーカユニット1603に含まれている。
【0137】
言うまでもなく、上記の説明では、明りょうにするため、異なる機能回路、ユニット、及びプロセッサを参照して本発明の実施形態を説明した。しかし、言うまでもなく、本発明から逸脱することなく、異なる機能回路、ユニット、及びプロセッサの間で機能を適宜分配して、用いることができる。例えば、別のプロセッサやコントローラにより実行される機能は、同じプロセッサやコントローラで実行してもよい。このように、具体的な機能ユニットや回路の参照は、説明した機能を提供する好適な手段の参照であり、論理的あるいは物理的に厳密な構造や組織を表しているわけではない。
【0138】
本発明は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアまたはこれらの組み合わせを含むいかなる好適な形式で実施することもできる。本発明は、任意的に、1つ以上のデータプロセッサ及び/またはデジタル信号プロセッサ上で実行されるコンピュータソフトウェアとして、少なくとも部分的に実施することができる。本発明の実施形態の構成要素は、いかなる好適な方法で物理的、機能的、論理的に実施してもよい。機能は単一のユニット、複数のユニット、または他の機能ユニットの一部として実施することもできる。このように、本発明は、単一ユニットで実施することもできるし、異なる複数のユニット、回路、及びプロセッサに物理的かつ機能的に分散して実施することもできる。
【0139】
実施形態に関して本発明を説明したが、ここに記載した具体的な形態に限定することを意図したものではない。むしろ、本発明の範囲は添付した請求の範囲のみにより限定される。また、具体的な実施形態に関して構成を説明したように見えるかも知れないが、当業者には言うまでもなく、説明した実施形態の様々な構成を、本発明により、組み合わせることができる。請求項では、「有する」という用語は他の要素やステップの存在を排除するものではない。
【0140】
さらに、個別的に列挙されていても、複数の手段、要素、回路、方法ステップは、例えば単一の回路、ユニット、またはプロセッサにより実施してもよい。また、個々の機能(feature)は異なる請求項に含まれていても、これらを有利に組み合わせることが可能であり、異なる請求項に含まれていても、機能を組み合わせられないとか、組み合わせても有利ではないということを示唆するものでもない。また、ある構成をあるカテゴリーのクレームに含めたとしても、そのカテゴリーに限定することを意味するのではなく、むしろその構成が必要に応じて他のクレームカテゴリーにも等しく適用できることを示すものである。
さらに、クレーム中の構成の順序は、その構成が機能しなければならない特定の順序を示すものではなく、特に、方法クレームにおける個々のステップの順序はそのステップがこの順序で実行されなければならないことを示すものではない。むしろ、ステップは任意の好適な順序で実行してもよい。また、単数扱いをしても複数の場合を排除するものではない。よって、「1つの」、「第1の」、「第2の」等は複数の場合を排除するものではない。請求項中の参照符号は、明りょうにするために設けており、請求項の範囲を限定するものと解してはならない。