(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の実施形態を添付図面を参照して詳細に説明するが、特に断りがなければ一つの実施形態に関する説明は他の実施形態にも適用される。また下記説明は限定的ではなく、本発明の技術的思想の範囲内で種々の変更を施しても良い。
【0020】
[1] 第一の実施形態
図2〜
図4に示すように、本発明の第一の実施形態による微多孔プラスチックフィルムの製造装置は、パターンロール1及びアンビルロール2と、固定フレーム11及び左右一対の可動フレーム21と、固定フレーム11が固定された土台4と、各可動フレーム21が固定された台車22と、台車22を移動させるために土台4の表面に設けられたレール12と、各台車22を移動させるために土台4の表面に固定された第一の駆動手段15と、パターンロール1を回転させるための第二の駆動手段13と、アンビルロール2を回転させるための第三の駆動手段23と、アンビルロール2を昇降させるための一対の第四の駆動手段24とを具備する。
【0021】
(1) 固定フレーム
図5に示すように、固定フレーム11が固定された土台4は、各台車22を移動させるための二対のレール12,12が固定された領域(レール領域)41と、第二及び第三の駆動手段13,23に連結された駆動機構5を有する領域(駆動領域)42とからなる。各レール12は、後述する第一の固定フレーム部11aに回転自在に支持されたパターンロール1の中心軸線に対して直交する方向(プラスチックフィルムFの走行方向に直交する方向)に延在している。
【0022】
図6及び
図7に示すように、固定フレーム11はパターンロール1を回転自在に支持する第一の固定フレーム部11aと、第一の固定フレーム部11aを支える第二の固定フレーム部11bとからなる。第二の固定フレーム部11bは土台4に固定されているとともに、天井部を構成する第三の固定フレーム部11cに連結しており、第二及び第三の固定フレーム部11b,11cにより門型のフレームを構成している。第一の固定フレーム部11aは第三の固定フレーム部11cから垂下している。
【0023】
(2) 台車及び可動フレーム
図8から明らかなように、各台車22の底面にガイド部材25,25が固定されており、各ガイド部材25は土台4に固定された各レール12に沿って摺動自在である。そのため、各台車22は一対のレール12,12に沿って、パターンロール1の中心軸線に対して直交する方向に移動自在である。それぞれの台車22が別々のレール12,12に沿って独立に移動自在であるので、(1) 一方の台車22が停止し、他方の台車22が前方に移動する場合、(2) 一方の台車22が停止し、他方の台車22が後方に移動する場合、及び(3) 一方の台車22が前方に移動し、他方の台車22が後方に移動する場合のいずれも可能である。各台車22は中央部に、アンビルロール2を昇降させるとともに、パターンロール1に対して下からアンビルロール2を押圧させるための第四の駆動手段24を収容する開口部22aを有する。
【0024】
図3及び
図8(a) から明らかなように、土台4に固定された各第一の駆動手段15により、各台車22はレール12に沿って移動する。各第一の駆動手段15は、モータ151と、モータ151の回転軸に連結する減速機152と、減速機152の回転軸にカップリング装置153を介して連結する雄ねじ部材154と、台車22に固定され、雄ねじ部材154に螺合する雌ねじ部材155とを具備する。モータ151が駆動されると、雄ねじ部材154が回転し、それに応じて雌ねじ部材155が固定された各台車22はレール12に沿って移動する。台車22,22は第一の駆動手段15,15により独立して移動させられるので、
図8(b) に示すように、台車22,22に固定された可動フレーム21,21に支持されたアンビルロール1の軸受20a,20aの位置は、パターンロール1の中心軸線に対して直交する方向(プラスチックフィルムFの走行方向)にΔLだけずれる。その結果、
図1の(b) に示すように、アンビルロール1の中心軸線はパターンロール1の中心軸線に対して角度θだけ傾斜する。
【0025】
図9から明らかなように、各台車22に固定された可動フレーム21は上端部に垂直なレール21aを有する。レール21aに沿ってアンビルロール2を昇降させる第四の駆動手段24は、
図10〜
図12に示すように、雄ねじ部材26aが開口部22aを貫通することにより台車22に取り付けられたスクリュージャッキ26と、スクリュージャッキ26にリンク機構27を介して連結するモータ28と、アンビルロール2の軸受20aを押圧するために雄ねじ部材26aの上端に設けられた弾性手段29とを有する。弾性手段29はコイルバネ等の弾性部材を具備し、アンビルロール2の軸受20aに過大な衝撃がかかるのを防止する。
図12(a) に示すように、アンビルロール2の軸受20aにガイド部材2bが設けられており、弾性手段29にガイド部材29aが設けられているので、アンビルロール2の軸受20a及び弾性手段29は可動フレーム21のレール21aに沿って昇降自在である。
【0026】
(3) パターンロール及びアンビルロール
(i) 使用するプラスチックフィルムの材質及び厚さ、(ii) 形成する微細孔の深さ、開口径及び密度、及び(iii) アンビルロールに凹部を設けるか否かに応じて、パターンロール1のロール面1aに固着させる微粒子の粒径分布は異なる。
図13はパターンロール1と平坦なロール面を有するアンビルロール2との組合せを示し、
図14はパターンロール1とロール面に多数の凹部を有するアンビルロール2との組合せを示す。
【0027】
(a) パターンロール
パターンロール1は、金属製ロール本体のロール面1aに多数の高硬度微粒子1bをニッケルめっき等のめっき層1cによりランダムに固着したロールが好ましい。このようなパターンロール1の具体例は、例えば特開平5-131557号、特開平9-57860号及び特開2002-59487号に記載されている。
【0028】
高硬度微粒子1bは鋭い角部を有するとともに、5以上のモース硬度を有する。鋭い角部を有する高硬度微粒子1bはダイヤモンド微粒子であるのが好ましく、特にダイヤモンドの粉砕微粒子が好ましい。高硬度微粒子1bのアスペクト比は3以下が好ましく、2以下がより好ましく、1.5以下が最も好ましい。アスペクト比が小さくなると高硬度微粒子1bは球体に近い多角体形状となる。
【0029】
形成する微細孔の深さ及び開口径に応じて、10〜500μmの範囲内の粒径分布を有する高硬度微粒子1bを使用するのが好ましい。高硬度微粒子1bは種々の形状及び粒径を有するので、均一な形状及び粒径とするために、分級処理を施すのが好ましい。
【0030】
パターンロール1のロール面における高硬度微粒子1bの面積率(高硬度微粒子1bがパターンロール表面を占める割合)は10〜70%が好ましい。高硬度微粒子1bの面積率が10%未満であると、プラスチックフィルムに十分な密度で微細孔を形成することができない。一方、パターンロール1のロール面に高硬度微粒子1bを70%超の面積率で固着させることは事実上困難である。高硬度微粒子1bの面積率の下限は20%がより好ましく、上限は60%がより好ましい。
【0031】
プラスチックフィルムの穿孔中にパターンロール1が撓むのを防止するために、パターンロール1のロール本体1aは硬質金属により形成するのが好ましい。硬質金属としては、SKD11のようなダイス鋼が挙げられる。
【0032】
(b) アンビルロール
パターンロール1と組合せるアンビルロール2は、プラスチックフィルムにパターンロール1の微粒子が十分に進入できるとともに、穿孔工程での負荷に対して十分な耐変形性を発揮するために、高強度で硬質の金属により形成するのが好ましい。そのため、アンビルロール2を高強度の耐食性ステンレススチール(SUS440C,SUS304等)により形成するのが好ましい。また、アンビルロール2を、ダイス鋼のような硬質金属の内層と、SUS304のような高強度の耐食性ステンレススチールからなる外層との二層構造にしても良い。外層の厚さは実用的には20〜60 mm程度で良い。
【0033】
(c) パターンロールとロール面に多数の凹部を有するアンビルロールとの組合せ
図14に示すようにパターンロール1とロール面に多数の凹部2aを有するアンビルロール2とを組合せる場合、
図16〜
図18に示すように、パターンロール1とアンビルロール2との間を通るプラスチックフィルムFは高硬度微粒子1bに押されて塑性変形し、アンビルロール2の凹部2aに進入する。このように、高硬度微粒子1bと凹部2aとの狭い隙間でプラスチックフィルムFが部分的に延ばされると、プラスチックフィルムFは部分的に破断する。また、プラスチックフィルムFは、高硬度微粒子1bがアンビルロール2の凹部2aに接触する領域で切断される。その結果、パターンロール1の高硬度微粒子1bに押されてアンビルロール2の凹部2aに進入したプラスチックフィルムFの部分は凹部Faの形状に変形するとともに、凹部Faに切断部(裂け目)Fbが形成される。裂け目Fbは主に凹部Faの底面周辺部(側面部と底面部との境界域)に形成されるが、勿論限定的でなく、高硬度微粒子1bの形状及び凹部2aの形状の組合せに応じて別の箇所にも裂け目Fbが形成されることがある。
【0034】
ロール面に凹部を有するアンビルロール2に組合せるパターンロール1では、高硬度微粒子1bの粒径分布は80〜500μmの範囲内であるのが好ましい。高硬度微粒子1bの粒径が80μm未満であると、プラスチックフィルムFに形成される凹部Faの開口径が不十分であり、十分な裂け目Fbができない。一方、高硬度微粒子1bの粒径が500μm超であると、プラスチックフィルムFに形成される凹部Faの開口径が大きすぎ、過大な裂け目Fbが形成される。高硬度微粒子1bの粒径の下限は100μmが好ましく、120μmがより好ましい。また、高硬度微粒子1bの粒径の上限は450μmが好ましく、400μmがより好ましい。
【0035】
高硬度微粒子1bは2以下のアスペクト比を有するのが好ましい。アスペクト比が2以下であることにより、高硬度微粒子1bは球体に近い多角体形状を有する。高硬度微粒子1bのアスペクト比は1.6以下が好ましく、1.4以下がより好ましい。
【0036】
高硬度微粒子1bの約1/2〜2/3はめっき層1cに埋設されているので、めっき層1cの表面から突出する高硬度微粒子1bの高さ分布は20〜200μmの範囲である。高硬度微粒子1bの高さが20μm未満であると、プラスチックフィルムFに形成される凹部Faの深さが不十分であり、十分な裂け目Fbができない。一方、高硬度微粒子1bの高さが200μm超であると、プラスチックフィルムFに形成される凹部Faが深かすぎ、過大な裂け目Fbが形成される。高硬度微粒子1bの高さ分布の下限は30μmが好ましく、40μmがより好ましい。また、高硬度微粒子1bの高さ分布の上限は170μmが好ましく、150μmがより好ましい。
【0037】
高硬度微粒子1bの平均粒径は150〜400μmが好ましく、平均高さは50〜150μmが好ましい。高硬度微粒子1bの平均粒径の下限は180μmがより好ましく、200μmが最も好ましい。また、高硬度微粒子1bの平均粒径の上限は370μmがより好ましく、330μmが最も好ましい。高硬度微粒子1bの平均高さの下限は60μmがより好ましく、70μmが最も好ましい。また、高硬度微粒子1bの平均高さの上限は130μmがより好ましく、110μmが最も好ましい。
【0038】
後述するように、パターンロール1の高硬度微粒子1bはアンビルロール2の凹部2aに嵌合することにより、プラスチックフィルムFに凹部Faを形成するので、高硬度微粒子1bと凹部2aとはサイズ及び形状ができるだけ近い必要がある。そのためには、高硬度微粒子1bの粒径分布の幅はできるだけ狭いのが好ましい。ここで、「粒径分布の幅」は最大粒径と最小粒径との差を意味する。勿論、凹部2aの開口径分布の幅(最大開口径と最小開口径との差)もできるだけ狭いのが好ましい。狭い粒径分布の高硬度微粒子1bと狭い開口径分布の凹部2aとは、任意に組み合わされても、十分に嵌合する確率が高く、もってプラスチックフィルムFに十分な大きさの凹部Faが形成されるだけでなく、凹部Faの多くに裂け目Fbが形成される。
【0039】
上記理由により、高硬度微粒子1bの粒径分布の幅は120μm以下であるのが好ましく、100μm以下であるのがより好ましい。粒径分布が80〜500μmでその幅が120μm以下とは、例えば、高硬度微粒子1bの粒径の上限が500μmであると、下限は380μm以上であり、粒径の上限が400μmであると、下限は280μm以上であることを意味する。従って、プラスチックフィルムFに比較的大きな凹部Faを形成する場合には、80〜500μmの粒径分布範囲内で、大粒径範囲(120μm以下の幅)の高硬度微粒子1bを使用し、比較的大きな凹部Faを形成する場合には、小粒径範囲(120μm以下の幅)の高硬度微粒子1bを使用する。同様に、高硬度微粒子1bの高さ分布の幅(最大高さと最小高さとの差)は50μm以下であるのが好ましく、40μm以下であるのがより好ましい。
【0040】
アンビルロール2の凹部2aは70〜350μmの範囲の開口径分布及び15〜150μmの範囲の深さ分布を有する。凹部2aの開口径が70μm未満であるか深さが15μm未満であると、プラスチックフィルムFに形成される凹部Faが小さすぎ、十分な裂け目ができない。一方、凹部2aの開口径が350μm超であるか深さが150μm超であると、プラスチックフィルムFに形成される凹部Faが大きすぎ、過大な裂け目が形成される。凹部2aの開口径の下限は80μmが好ましく、90μmがより好ましい。また、凹部2aの開口径の上限は300μmが好ましく、250μmがより好ましい。さらに、凹部2aの深さの下限は20μmが好ましく、30μmがより好ましい。また、凹部2aの深さの上限は120μmが好ましく、100μmがより好ましい。
【0041】
アンビルロール2の凹部2aは110〜300μmの平均開口径及び25〜120μmの平均深さを有する。凹部2aの平均開口径が110μm未満であるか平均深さが25μm未満であると、プラスチックフィルムFに形成される凹部Faが小さすぎ、十分な裂け目ができない。一方、凹部2aの平均開口径が300μm超であるか平均深さが120μm超であると、プラスチックフィルムFに形成される凹部Faが大きすぎ、過大な裂け目が形成される。凹部2aの平均開口径の下限は120μmが好ましく、140μmがより好ましい。また、凹部2aの平均開口径の上限は280μmが好ましく、230μmがより好ましい。さらに、凹部2aの平均深さの下限は35μmが好ましく、40μmがより好ましい。また、凹部2aの平均深さの上限は100μmが好ましく、80μmがより好ましい。
【0042】
アンビルロール2の凹部2aも均一な形状及びサイズを有するのが好ましい。そのため、凹部2aの開口径分布の幅は100μm以下であり、深さ分布の幅(最大深さと最小深さとの差)は50μm以下であるのが好ましい。開口径分布が70〜350μmでその幅が100μm以下とは、例えば、凹部2aの開口径の上限が350μmであると、下限は250μm以上であり、開口径の上限が250μmであると、下限は150μm以上であることを意味する。従って、プラスチックフィルムFに比較的大きな凹部Faを形成する場合には、70〜350μmの開口径分布範囲内で、大開口径範囲(100μm以下の幅)の凹部2aを使用し、比較的大きな凹部Faを形成する場合には、小開口径範囲(100μm以下の幅)の凹部2aを使用する。凹部2aの開口径分布の幅は80μm以下であるのがより好ましい。同様に、凹部2aの開口径分布の幅は50μm以下であるのが好ましく、40μm以下であるのがより好ましい。
【0043】
アンビルロール2のロール面における凹部2aの面積率(凹部2aがアンビルロール表面を占める割合)は10〜70%が好ましい。凹部2aの面積率が10%未満であると、プラスチックフィルムFに凹部を十分な密度で形成することができず、十分な透湿度が得られない。一方、アンビルロール2のロール面に凹部2aを70%超の面積率で形成するのは事実上困難である。凹部2aの面積率の下限は20%がより好ましく、上限は60%がより好ましい。
【0044】
パターンロール1の高硬度微粒子1bが進入する凹部2aを形成するアンビルロール2用の金属ロールは十分な耐食性を有する必要がある。勿論、プラスチックフィルムFの穿孔中の撓みを防止するために、アンビルロール2は十分な機械的強度を有する必要がある。そのため、アンビルロール2を高強度の耐食性ステンレススチール(SUS440C,SUS304等)により形成するのが好ましい。また、アンビルロール2を、ダイス鋼のような硬質金属の内層と、SUS304のような高強度の耐食性ステンレススチールからなる外層との二層構造にしても良い。外層の厚さは実用的には20〜60 mm程度で良い。
【0045】
ロール面に多数の凹部2aがランダムに形成されているアンビルロール2は、
図19に示すように、平坦なロール面を有する金属ロール6に、ロール本体7aのロール面に多数の高硬度微粒子7bがめっき層7cによりランダムに固着された凹部形成用パターンロール7を押圧することにより作製する。パターンロール1と同様に、凹部形成用パターンロール7における高硬度微粒子7bは鋭い角部を有するとともに、5以上のモース硬度、2以下のアスペクト比、80〜500μmの範囲の粒径分布、及び20〜200μmの範囲の高さ分布(めっき層7cの表面から)を有するのが好ましい。
【0046】
凹部形成用パターンロール7の高硬度微粒子7bはさらに、150〜400μmの平均粒径及び50〜150μmの平均高さを有するのが好ましい。高硬度微粒子7bの平均粒径の下限は180μmがより好ましく、200μmが最も好ましい。また、高硬度微粒子7bの平均粒径の上限は370μmがより好ましく、330μmが最も好ましい。高硬度微粒子7bの平均高さの下限は60μmがより好ましく、70μmが最も好ましい。
【0047】
高硬度微粒子7bのアスペクト比は1.6以下がより好ましく、1.4以下が最も好ましい。また、高硬度微粒子7bの面積率は好ましくは10〜70%であり、その下限は20%がより好ましく、その上限は60%がより好ましい。
【0048】
上記の通り、凹部形成用パターンロール7はパターンロール1と同じ高硬度微粒子分布を有しても良いので、パターンロール1を凹部形成用パターンロール7として用いても良い。
【0049】
高硬度微粒子(例えば、ダイヤモンド微粒子)7bは金属ロール6より十分に硬いので、凹部形成用パターンロール7の押圧により金属ロール6のロール面に高硬度微粒子7bに対応する凹部2aが形成される。金属ロール6のロール面に形成された凹部2aの周囲に形成されたバリは研摩等により除去する。凹部2aが形成された金属ロール6はアンビルロール2として機能する。
【0050】
金属ロール6に対する凹部形成用パターンロール7の押圧力が大きくなると、凹部2a及びその面積率も大きくなる。凹部形成用パターンロール7の高硬度微粒子7bにより金属ロール6のロール面に70〜350μmの範囲の開口径分布及び15〜150μmの範囲の深さ分布を有する多数の凹部2aを形成するのに要する押圧力は、線圧で
0.002〜1.47 kN/cm(0.2〜150 kgf/cm)の範囲内であるのが好ましい。
【0051】
パターンロール1の各高硬度微粒子1bの粒径はそれと同じ面積を有する円の直径(円相当径)により表し、アンビルロール2の各凹部2aの開口径はそれと同じ面積を有する円の直径(円相当径)により表す。同様に、高透湿性微多孔プラスチックフィルムFの凹部Faの開口径も円相当径により表す。
【0052】
プラスチックフィルムFに裂け目Fbを有する多数の凹部Faを形成するために、アンビルロール2の凹部2aはパターンロール1の高硬度微粒子1bを僅かな隙間Gで受承する程度の大きさを有する必要がある。そのため、(a) パターンロール1の高硬度微粒子1bは80〜500μmの範囲の粒径分布及び20〜200μmの範囲の高さ分布を有するのが好ましく、(b)アンビルロール2の凹部2aは70〜350μmの範囲の開口径分布及び15〜150μmの範囲の深さ分布を有するのが好ましく、(c) 高硬度微粒子の粒径分布の幅は120μm以下で高さ分布の幅(最大高さと最小高さとの差)は50μm以下であるのが好ましく、(d) 凹部2aの開口径分布の幅は100μm以下で深さ分布の幅は50μm以下であるのが好ましく、(e) 高硬度微粒子1bは150〜400μmの平均粒径及び50〜150μmの平均高さを有し、(f) 凹部2aは110〜300μmの平均開口径及び25〜120μmの平均深さを有するのが好ましい。
【0053】
さらに、凹部2aは高硬度微粒子1bを僅かな隙間Gで受承するのが好ましいので、凹部2aの平均開口径と高硬度微粒子1bの平均粒径との差は100μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましい。また、凹部2aの平均深さと高硬度微粒子1bの平均高さとの差は50μm以下が好ましく、30μm以下がより好ましい。なお、第一及び第二のパターンロールを同じにすれば、凹部2aの平均開口径と高硬度微粒子1bの平均粒径との差をできるだけ小さくすることができる。凹部2aのアスペクト比及び高硬度微粒子1bのアスペクト比についても、第一及び第二のパターンロールを同じにすれば、ほぼ同じにすることができる。
【0054】
上記の通りパターンロール1とロール面に多数の凹部2aを有するアンビルロール2とを組合せることにより、異なる開口径及び深さを有する多数の凹部Faがランダムに形成され、凹部Faに裂け目Fbが形成されている高透湿性微多孔プラスチックフィルムであって、凹部Faが60〜300μmの範囲の開口径分布及び10〜100μmの範囲の深さ分布を有し、裂け目Fbの50%以上が凹部Faの底部と側部との境界域に形成されており、もって100〜7000 g/m
2・24hr・40℃90%RHの透湿度を有する高透湿性微多孔プラスチックフィルムF’を形成することができる。
【0055】
(4) パターンロール及びアンビルロールの駆動機構
図2及び
図4に示すように、パターンロール1及びアンビルロール2を駆動する第二及び第三の駆動手段13,23は、モータ51と、モータ51の回転軸にカップリング装置52を介して連結する減速機53と、減速機53の回転軸にカップリング装置54を介して連結する変速機55と、変速機55に連結するスプロケット56と、スプロケット56にチェーン57を介して連結するスプロケット58と、スプロケット58に連結する歯車装置59とを具備する駆動機構5を具備する。歯車装置59から延びる2本の回転軸61,62は、噛み合った同じ歯数の歯車に連結しているので、同じ回転数nで回転する。歯車装置59の一方の回転軸61はカップリング装置63を介して第二の駆動手段13に連結し、他方の回転軸62はユニバーサルジョイント64を介して第三の駆動手段23に連結している。
【0056】
第二の駆動手段13は、一対の第一の固定フレーム部11a,11aに固定された軸受10a,10aに回転自在に支持されたパターンロール1の一方の軸部に連結しており、駆動機構5により回転数nで回転する。第三の駆動手段23も同じ回転数nで回転するが、アンビルロール2が一対の第四の駆動手段24,24により昇降するのを可能にするために、ユニバーサルジョイント64を介して回転軸62は連結している。
【0057】
(5) 歪み取りロール
相対的に傾斜したパターンロール1とアンビルロール2との隙間Gを通過して多数の微細孔が形成されたプラスチックフィルム(微多孔プラスチックフィルム)F’には歪みが生じているので、そのまま巻き取ると破断等の不具合が生じるおそれがある。そのため、パターンロール1とアンビルロール2との隙間Gのすぐ下流の位置に、歪み取りロール8を設けるのが好ましい。歪み取りロール8の両端を回転自在に支持する軸受8a,8aは、それぞれ一対の第一の固定フレーム部11a,11aに固定された駆動手段(例えば、油圧シリンダー)18に取り付けられているので、油圧シリンダー18を独立に駆動することにより歪み取りロール8の両端の高さを変更することができる。すなわち、歪み取りロール8は水平軸(パターンロール1の中心軸線と平行)に対して所望の角度で傾斜することができる。
【0058】
歪み取りロール8の下流に一対のニップロール9があるので、微多孔プラスチックフィルムF’は、パターンロール1とアンビルロール2との隙間Gとニップロール9との間で、傾斜した歪み取りロール8により左右で異なる張力を受け、歪みが低減する。例えば、微多孔プラスチックフィルムF’の進行方向左側が右側より前方に出るようにアンビルロール2を傾斜させた場合、歪み取りロール8の左側端部が右側端部より高くなるように、一対の油圧シリンダー18のストロークを調整すると、相対的に傾斜したパターンロール1及びアンビルロール2により微細孔を形成してなる微多孔プラスチックフィルムF’から歪みが十分に除去され、巻き取り工程中に破断や皺等の不具合が生じるおそれが小さくなる。
【0059】
[2] 第二の実施形態
第二の実施形態の装置は、バックアップロール以外基本的に第一の実施形態の装置と同じ構成であるので、両者に共通の部材には同じ参照番号を付与し、バックアップロール以外の説明は省略する。
【0060】
図20及び
図21に示すように、穿孔工程中のパターンロール1の変形量を低減するために、第二の実施形態の装置はパターンロール1の上方にバックアップロール3を具備する。バックアップロール3は第三の固定フレーム部11cに取り付けられた一対の第五の駆動手段31により駆動され、パターンロール1を上方から押圧して、穿孔工程中のパターンロール1の変形を低減する。バックアップロール3はロール面に微粒子を有するパターンロール1に接触するので、ゴムロール等のようにロール面が比較的柔軟なロールであるのが好ましい。
【0061】
各第五の駆動手段31は、第三の固定フレーム部11cに取り付けられたスクリュージャッキ32と、スクリュージャッキ32を駆動するモータ33と、パターンロール1の軸受10aを押圧するためにスクリュージャッキ32の雄ねじ部材32aの下端に設けられた弾性手段34とを有する。弾性手段34はコイルバネ等の弾性部材を具備し、パターンロール1の軸受10aに過大な衝撃がかかるのを防止する。
【0062】
図22及び
図23に示すように第一の固定フレーム部11aに垂直なレール12aが設けられており、
図21に示すようにレール12aに沿ってバックアップロール3の軸受30aに固定されたガイド部材30bは上下方向に可動である。従って、モータ33の駆動によりスクリュージャッキ32の雄ねじ部材32aを下降させると、弾性手段34を介してバックアップロール3の軸受30aは下方に押圧される。その結果、バックアップロール3はパターンロール1を押圧し、穿孔工程中のパターンロール1の変形量を低減する。パターンロール1の変形量が低減すると、パターンロール1とアンビルロール2との相対的な傾斜角を小さくできるので、微多孔プラスチックフィルムF’に生じる歪みを小さくできるという利点がある。
【0063】
[3] 微多孔プラスチックフィルムの製造
(1) プラスチックフィルム
本発明の穿孔装置により微細孔を形成するプラスチックフィルムFは、パターンロール1の高硬度微粒子1bにより微細孔を形成し得る柔軟性と、相対的に傾斜したパターンロール1とアンビルロール2との隙間Gを通過する際に破断や皺等の不具合が生じるおそれがない程度に高い強度及び硬さを有する必要がある。このようなプラスチックとして、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル類、延伸ポリプロピレン(OPP)等のポリオレフィン類、ナイロン(Ny)等のポリアミド類、ポリ塩化ビニル類、ポリ塩化ビニリデン類、ポリスチレン類等の熱可塑性可撓性ポリマーが好ましい。
【0064】
パン類、菓子類、野菜類、納豆やキムチ等の発酵食品等の包装用微多孔プラスチックフィルムを形成するプラスチックフィルムFの厚さは10〜100μmの範囲内であるのが好ましい。プラスチックフィルムFの厚さが10μm未満であると、包装用フィルムとしての強度が不十分である。一方、プラスチックフィルムFの厚さが100μm超であると、包装用フィルムとして硬すぎる。プラスチックフィルムFの厚さはより好ましくは20〜80μmであり、最も好ましくは30〜60μmである。
【0065】
プラスチックフィルムFは、単層フィルムに限らず、積層フィルムでも良い。特にヒートシールを行う場合、内層にLLDPEやEVAcのような低融点樹脂からなるシーラント層を設けるのが好ましい。シーラント層の厚さは20〜60μm程度で良い。
【0066】
(2) プラスチックフィルムの穿孔
図2(b) に示す穿孔装置において、パターンロール1とアンビルロール2との大きな隙間GにプラスチックフィルムFを通し、第四の駆動手段24,24を作動させてアンビルロール2を上昇させた後、
図2(a) に示す状態でプラスチックフィルムFに微細孔を形成する。この際パターンロール1とアンビルロール2とが平行のままプラスチックフィルムFを介して圧接されると、変形により隙間Gの幅方向中央部は周辺部より大きくなるので、不均一な隙間Gで形成される微細孔の開口径及び深さは幅方向中央部と周辺部とで異なり、通気度が均一な微多孔プラスチックフィルムF’が得られない。
【0067】
この問題を解決するために、
図1に示すように、本発明ではパターンロール1とアンビルロール2とを相対的に傾斜させるので、僅かに湾曲したパターンロール1及びアンビルロール2は螺旋状に線接触する。その結果、プラスチックフィルムFに幅方向に均一な微細孔を形成することができる。
【0068】
パターンロール1に対してアンビルロール2を所望の角度θだけ相対的に傾斜させるには、
図8(b) に示すように、一方の第一の駆動手段15を駆動し、一方の台車22をレール12に沿って前方又は後方に所望の距離ΔLだけ移動させる。勿論、所望の距離ΔLだけ離隔するように、両方の台車22,22を逆方向に移動させても良い。
【0069】
駆動機構5のモータ51を駆動すると、減速機53、変速機55、スプロケット56,58に巻回されたチェーン57及び歯車装置59を介して、回転軸61,62は同じ回転数nで回転し、パターンロール1及びアンビルロール2は同じ回転数nで逆方向に回転する。そのため、パターンロール1とアンビルロール2との均一な螺旋状隙間Gを通過したプラスチックフィルムFには幅方向に均一な微細孔が形成される。
【0070】
パターンロール1とアンビルロール2との螺旋状隙間Gから出る微多孔プラスチックフィルムF’には歪みが生成しているので、一対の第一の固定フレーム部11a,11aに固定された一対の駆動手段(油圧シリンダー)18,18により歪み取りロール8の両端の高さを変え、微多孔プラスチックフィルムF’から歪みを除去する。プラスチックフィルムFの進行方向左側が右側より前方に出るようにアンビルロール2を傾斜させた場合、歪み取りロール8の左側端部が右側端部より高くなるように一対の駆動手段(油圧シリンダー)18,18を駆動する。
【0071】
上記実施形態において、パターンロール1は固定フレーム11に取り付けられ、アンビルロール2は可動フレーム21に取り付けられているが、この配置に限定されず、逆にパターンロール1を可動フレーム21に取り付け、アンビルロール2を固定フレーム11に取り付けても良い。従って、傾斜させられるロールはアンビルロール2に限定されず、パターンロール1でも良い。また、上記実施形態では台車22は土台4上を移動自在であるが、台車22を固定フレーム11の第三の固定フレーム部に沿って移動自在にしても良い。
【0072】
[4] 微多孔プラスチックフィルム
(1) アンビルロールが平坦なロール面を有する場合
プラスチックフィルムFに形成される微細孔F
1は比較的小さいので、微多孔プラスチックフィルムF’はほとんど変形しない。本発明の装着により製造した微多孔プラスチックフィルムF’は幅方向に非常に均一な通気度を有する。
【0073】
(2) アンビルロールがロール面に凹部を有する場合
図16及び
図17に示すように、所望の隙間Gに設定したパターンロール1とアンビルロール2との隙間GにプラスチックフィルムFを通すと、プラスチックフィルムFは高硬度微粒子1bに押されて塑性変形し、アンビルロール2の凹部2aに進入する。このように、高硬度微粒子1bと凹部2aとの狭い隙間GでプラスチックフィルムFが部分的に延ばされると、プラスチックフィルムFは部分的に破断する。また、プラスチックフィルムFは、高硬度微粒子1bがアンビルロール2の凹部2aに接触する領域で切断される。その結果、パターンロール1の高硬度微粒子1bに押されてアンビルロール2の凹部2aに進入したプラスチックフィルムFの部分は凹部Faの形状に変形するとともに、凹部Faに切断部(裂け目)11bが形成される。裂け目Fbは主に凹部Faの底面周辺部(側面部と底面部との境界域)に形成されるが、勿論限定的でなく、高硬度微粒子1bの形状及び凹部2aの形状の組合せに応じて別の箇所にも裂け目Fbが形成されることがある。
【0074】
プラスチックフィルムFに形成する凹部Fa(裂け目Fb)の数及びサイズは、パターンロール1及びアンビルロール2がプラスチックフィルムFにかける押圧力が高くなるに連れて増大する。プラスチックフィルムFにかける押圧力は線圧で
0.002〜1.47 kN/cm(0.2〜150 kgf/cm)であるのが好ましい。線圧が
0.002 kN/cm(0.2 kgf/cm)未満であると、十分な数及びサイズの凹部Fa(裂け目Fb)が形成されず、所望の透湿度が得られない。一方、パターンロール1の押圧力が
1.47 kN/cm(150 kgf/cm)超であると、凹部Fa(裂け目Fb)が大きすぎる。より好ましい押圧力は
0.01〜0.98 kN/cm(1〜100 kgf/cm)である。
【0075】
その結果、
図25に示すように、異なる開口径Do及び深さDdを有する多数の凹部Faがランダムに形成され、凹部Faに裂け目Fbが形成された微多孔プラスチックフィルムF’が得られる。凹部Faは60〜300μmの範囲の開口径分布及び10〜100μmの範囲の深さ分布を有する。凹部Faの開口径が60μm未満であるか深さが10μm未満であると、十分な数及びサイズの裂け目Fbが形成されない。一方、凹部Faの開口径が300μm超であるか深さが100μm超であると、凹部Faが大きすぎ、凹部Faに形成される裂け目Fbも大きくなりすぎる。凹部Faの開口径Dodの下限は70μmが好ましく、80μmがより好ましい。凹部Faの開口径Dodの上限は250μmが好ましく、200μmがより好ましい。また、凹部Faの深さDdの下限は20μmが好ましく、30μmがより好ましい。凹部Faの深さDdの上限は80μmが好ましく、70μmがより好ましい。
【0076】
上記と同じ理由により、微多孔プラスチックフィルムF’はさらに100〜240μmの平均開口径Doav及び20〜80μmの平均深さDavを有するのが好ましい。凹部Faの平均開口径Doavの下限は110μmがより好ましく、120μmが最も好ましい。また、凹部Faの平均開口径Doavの上限は200μmがより好ましく、180μmが最も好ましい。凹部Faの平均深さDavの下限は30μmがより好ましく、35μmが最も好ましい。また、凹部Faの平均深さDavの上限は70μmがより好ましく、60μmが最も好ましい。
【0077】
裂け目Fbは凹部Faの少なくとも30%に形成されているのが好ましい。裂け目Fbが形成されている凹部Faの全凹部Faに対する割合が30%未満であると、凹部Faの割に裂け目Fbが少なすぎ、所望の透湿度が得られない。裂け目Fbは凹部Faの少なくとも40%に形成されているのが好ましく、少なくとも50%に形成されているのがより好ましい。
【0078】
裂け目Fbは大半(50%以上)が凹部Faの底部と側部との境界域に形成されている。これは高硬度微粒子1bにより延伸されたプラスチックフィルムFが主に凹部Faの底部と側部との境界域で破断するためであると考えられる。勿論、パターンロール1の高硬度微粒子1bとアンビルロール2の凹部2aとの形状及びサイズの組合せに応じて、プラスチックフィルムFが破断する位置は異なり、裂け目Fbは凹部Faの底部と側部との境界域以外の領域にも形成される可能性がある。
【0079】
裂け目Fbの大きさも高硬度微粒子1bと凹部2aとの形状及びサイズの組合せに応じて異なる。さらに、パターンロール1とアンビルロール2との押圧力が大きくなるに連れて、凹部Faも大きくなるとともに数が増え、それとともに裂け目Fbも大きくなるとともに数が増える。従って、裂け目Fbの大きさ及び数はパターンロール1とアンビルロール2との押圧力により調整できる。
【0080】
本発明の微多孔プラスチックフィルムは100〜7000 g/m
2・24hr・40℃90%RHの透湿度を有する。透湿度はJIS Z 0208の「防湿包装材料の透過湿度試験方法」に基づき測定する。パターンロール1とアンビルロール2との押圧力を調整することにより、裂け目Fbの大きさ及び数を制御し、もって微多孔プラスチックフィルムの透湿度を100〜7000 g/m
2・24hr・40℃90%RHの範囲内で適宜設定できる。透湿度が100 g/m
2・24hr・40℃90%RH未満であると、微多孔プラスチックフィルムはパン、野菜等の食品等に必要な透湿性を有さない。一方、透湿度が7000 g/m
2・24hr・40℃90%RH超であると、透湿性が高すぎる。微多孔プラスチックフィルムの透湿度は好ましくは200〜6000 g/m
2・24hr・40℃90%RHであり、より好ましくは300〜6000 g/m
2・24hr・40℃90%RHである。微多孔プラスチックフィルムの透湿度は、包装すべき内容物に応じて上記範囲内で適宜設定することができる。
【0081】
勿論、ロール面に凹部を有するアンビルロール2を使用する場合でも、微多孔プラスチックフィルムF’は幅方向に非常に均一な透湿度(通気度)を有する。
【解決手段】鋭い角部を有する多数の高硬度微粒子をロール本体のロール面にランダムに有するパターンロール1と、パターンロールに対向するように配置されたアンビルロール2と、パターンロールとアンビルロールとの隙間にプラスチックフィルムを通過させる搬送手段とを具備する微多孔プラスチックフィルムの製造装置において、パターンロール1の中心軸線に対してアンビルロール2の中心軸線を相対的に傾斜させる手段を具備させる。