(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
過給機と、燃料を燃焼室内に直接噴射する筒内燃料噴射手段と、排気弁閉弁時期及び吸気弁開弁時期のうち少なくとも一方を調整するバルブタイミング可変手段とを有する内燃機関の加速の際、前記バルブタイミング可変手段により、前記排気弁閉弁時期と前記吸気弁開弁時期とが重なるバルブオーバーラップ期間を増大するように構成された内燃機関の制御装置において、
アクセル開度の変化速度の検出値を、第1閾値及び前記第1閾値よりも大の第2閾値と比較する判定手段と、
前記判定手段による比較の結果、前記検出値が前記第1閾値以上前記第2閾値未満である第1の場合に、前記バルブタイミング可変手段により、前記排気弁閉弁時期及び前記吸気弁開弁時期のうち少なくとも一方を第1変化率で変化させる一方、前記検出値が前記第2閾値以上である第2の場合に、前記バルブタイミング可変手段により、前記排気弁閉弁時期及び前記吸気弁開弁時期のうち少なくとも一方を、前記第1変化率よりも大の第2変化率で変化させ、前記バルブオーバーラップ期間を増大させるバルブタイミング制御手段とを有し、
前記バルブタイミング制御手段は、前記第2の場合に、排気弁閉弁時期及び吸気弁開弁時期のうち少なくとも一方の目標値が加速最適値となるように、当該目標値を前記第2変化率で変化させるとともに、
直近の前記アクセル開度の検出値が加速要求終了判定用閾値未満となる、又は前記内燃機関への加速要求からの経過時間が加速時間判定用閾値を超えると、前記バルブオーバーラップ期間を増大させるバルブタイミング制御を終了し通常のバルブタイミング制御へ移行するように構成され、
前記制御装置は、吸気行程及び圧縮行程の両行程で前記筒内燃料噴射手段により前記燃焼室内に燃料を噴射する分割噴射を行わせる分割噴射制御手段を有し、前記アクセル開度の変化速度の検出値が第1閾値未満の場合に前記吸気行程で前記筒内燃料噴射手段に燃料を噴射させ、前記第1及び前記第2の場合に前記分割噴射制御手段に前記分割噴射を実行させることを特徴とする内燃機関の制御装置。
前記バルブタイミング制御手段は、前記第2の場合に、排気弁閉弁時期及び吸気弁開弁時期のうち少なくとも一方の目標値を前記加速最適値にステップ的に変化させるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態を例示的に詳しく説明する。但しこの実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
【0020】
(第1
基本形態)
図1は、第1
基本形態に係る内燃機関10、及び、内燃機関10の制御装置12の概略的な構成を示している。内燃機関10及び制御装置12は図示しない車両に搭載されている。
【0021】
内燃機関10は、クランクケース14及びシリンダブロック16を有し、シリンダブロック16の内部には一つ以上のシリンダ18が区画されている。クランクケース14内にはクランク軸20が回転可能に配置され、各シリンダ18内にはピストン22が往復動可能に配置されている。ピストン22は連接棒24を介してクランク軸20に連結されている。
【0022】
シリンダブロック16には、シリンダヘッド26が取り付けられている。シリンダヘッドは、シリンダ18の開口端を閉塞するように配置され、ピストン22とシリンダヘッド26との間に燃焼室28が形成される。
【0023】
シリンダヘッド26には、燃
焼室28に連通する吸気ポート30及び排気ポート32が設けられ、吸気ポート30及び排気ポート32には、吸気弁34及び排気弁35がそれぞれ設けられている。吸気弁34は吸気カム36によって往復動させられ、吸気ポート30を開閉する。排気弁35は排気カム37によって往復動させられ、排気ポート32を開閉する。
【0024】
吸気カム36には、吸気VVT(可変バルブタイミング)機構38が設けられ、制御装置12は、吸気弁34のバルブタイミング可変手段である吸気VVT機構38を制御することによって、吸気弁34の開閉時期を調整することができる。吸気VVT機構38は、例えば、油圧又は電磁力を用いて、吸気カム36を回転させるカムシャフトの位相をクランク軸20の位相に対して変化させることによって、吸気弁34の開閉時期(作用角)を調整することができる。
【0025】
一方、排気カム37には、排気VVT(可変バルブタイミング)機構39が設けられ、制御装置12は、排気弁35のバルブタイミング可変手段である排気VVT機構39を制御することによって、排気弁35の開閉時期を調整することができる。排気VVT機構39は、例えば、油圧又は電磁力を用いて、排気カム37を回転させるカムシャフトの位相をクランク軸20の位相に対して変化させることによって、排気弁35の開閉時期(作用角)を調整することができる。
【0026】
また、シリンダヘッド26には、各シリンダ18に対応して、筒内噴射弁(筒内燃料噴射弁)42が取り付けられている。筒内噴射弁42は、燃焼室28内に燃料を直接噴射する筒内燃料噴射手段を構成している。燃料はガソリンであり、筒内噴射弁42には、図示しないけれども、フィードポンプ及び高圧ポンプを介して燃料タンクから燃料が供給される。筒内噴射弁42は、制御装置12からの指令に従って開閉作動し、所定の噴射量にて燃焼室28内に燃料を噴射する。
更に、シリンダヘッド26には、各シリンダ18に対応して点火プラグ44が取り付けられ、点火プラグ44は、燃焼室28内の燃料を含む混合気に点火して燃焼させる。
【0027】
吸気ポート30には吸気通路46が接続されている。吸気通路46は、燃焼室28に空気を供給するための通路であり、配管等によって構成される。吸気通路46には、空気を浄化するためのエアフィルタ48、空気を圧縮するためのコンプレッサ50、圧縮された空気を冷却するためのインタークーラ52、及び、空気の流量を調整するためのスロットルバルブ54が設けられている。
スロットルバルブ54は、例えば、開度を電子的に制御可能な電子制御バルブ(ETV)であり、スロットルバルブ54はスロットルバルブアクチュエータ55によって駆動される。
【0028】
排気ポート32には、排気通路56が接続されている。排気通路56は、燃焼室28から排気を排出させるための通路であり、配管等によって構成される。排気通路56には、排気によって駆動される排気タービン58、排気を浄化するための触媒60、及び、消音のためのマフラー62が設けられている。
【0029】
排気タービン58はコンプレッサ50に連結されており、排気によって駆動された排気タービン58の動力は、コンプレッサ50が空気を圧縮するための動力として利用される。つまり、コンプレッサ50及び排気タービン58は、排気ターボチャージャからなる過給機64を構成しており、内燃機関10は、過給機64を有する直噴ガソリンエンジンである。
【0030】
また、内燃機関10は、複数種類のセンサを有している。
具体的には、内燃機関10は、空気流量センサ66、スロットルバルブ開度センサ、空燃比センサ67、クランク回転角センサ68、及び、アクセル開度センサ69を有している。
空気流量センサ66は、エアフィルタ48よりも下流の吸気通路46の部分に設けられ、吸気の流量を検出する。
【0031】
スロットルバルブ開度センサは、スロットルバルブ54の開度を計測するためのセンサであり、本実施形態ではスロットルバルブアクチュエータ55が、スロットルバルブ開度センサを兼ねている。そこで以下では、スロットルバルブ開度センサ55ともいう。
空燃比センサ67は、排気
通路56に設けられ、酸素濃度を検出する。酸素濃度は、空燃比(A/F)を演算により求めるために用いられる。
【0032】
クランク回転角センサ68は、クランク軸20の近傍に設けられ、クランク軸20の回転角を検出する。
アクセル開度センサ69は、アクセルペダルの近傍に設けられ、アクセル開度、及び、アクセル開度の単位時間当たりの変化量、即ちアクセル開度の変化速度を検出することができる。
【0033】
空気流量センサ66、スロットルバルブ開度センサ55、空燃比センサ67、クランク回転角センサ68、及び、アクセル開度センサ69によって連続的又は断続的に検出された、吸気流量、スロットルバルブ開度、酸素濃度、クランク軸の回転角、アクセル開度、及びアクセル開度の変化速度の検出値は、制御装置12に連続的又は断続的に入力される。
【0034】
制御装置12は、例えばECU(電子中央制御装置)によって構成され、CPU(中央演算処理装置)、メモリ、外部記憶装置、及び、入出力装置等によって構成される。
制御装置12は、内燃機関10を含め、車両全体の制御を統括するコントロールユニットである。
【0035】
制御装置12は、入力されたアクセル開度、アクセル開度の変化速度の検出値、及び、酸素濃度に応じて、筒内噴射弁42によって燃焼室28内に供給される燃料の量、及び、スロットルバルブ54を通じて燃焼室28内に供給される吸気の量を調整する。また、制御装置12は、入力されたクランク軸20の回転角の検出値に基づいて、燃料の供給時期(噴射時期)、及び、点火プラグ44の点火時期も制御している。
【0036】
ここで、
図1は、本実施形態の制御装置12の機能的な構成を概略的に示している。制御装置12は、加速要求判定部(判定手段)70、加速レベル判定部(判定手段)72、バルブタイミング制御部(バルブタイミング制御手段)74、加速要求終了判定部76、及び、加速時間判定部78を有する。
【0037】
加速要求判定部70は、入力された直近のアクセル開度の変化速度の検出値ΔAPSと、所定の加速要求判定用閾値(第1閾値)ΔAPSth1とを比較する。そして、加速要求判定部70は、検出値ΔAPSが加速要求判定用閾値ΔAPSth1以上になると、運転者が加速を要求していると判定し、検出値ΔAPSが所定の加速要求判定用閾値ΔAPSth1未満であれば、運転者が加速を要求していないと判定する。
【0038】
加速レベル判定部72は、加速要求判定部70が判定を行うのと同時に、又はその直後に、入力された直近のアクセル開度の変化速度ΔAPSを予め設定された加速レベル判定用閾値(第2閾値)ΔAPSth2と比較する。加速レベル判定用閾値ΔAPSth2は、加速要求判定用閾値ΔAPSth1よりも大である。
なお、制御装置12は、加速要求判定部70及び加速レベル判定部72を有しているが、検出値ΔAPSを加速要求判定用閾値ΔAPSth1及び加速レベル判定用閾値ΔAPSth2と比較する判定部を有していればよい。
【0039】
バルブタイミング制御部74は、入力された直近のアクセル開度の変化速度ΔAPSが加速レベル判定用閾値ΔAPSth2未満である場合には、通常通り吸気VVT機構38及び排気VVT機構39をそれぞれ制御する。
一方、バルブタイミング制御部74は、入力された直近のアクセル開度の変化速度ΔAPSが加速レベル判定用閾値ΔAPSth2以上である場合には、所定の間、吸気弁34の開弁時期を最も進角させるよう吸気VVT機構38を制御し、且つ、排気弁35の閉弁時期を最も遅角させるよう排気VVT機構39を制御する。
【0040】
具体的には、入力された直近のアクセル開度の変化速度ΔAPSが加速レベル判定用閾値ΔAPSth2以上になった場合、バルブタイミング制御部74は、吸気弁34のVVTの目標位相を最進角(加速最適値)となるようにステップ的に変更し、排気弁35のVVTの目標位相を最遅角(加速最適値)となるようにステップ的に変更する。
【0041】
ここで、検出値ΔAPSが加速要求判定用閾値ΔAPSth1以上であり、加速レベル判定用閾値ΔAPSth2未満である場合に、通常通り吸気VVT機構38が制御されると、所定の変化率にて吸気弁34の開弁時期が進角され、且つ、所定の変化率にて排気弁35の閉弁時期が遅角される。
【0042】
加速要求終了判定部76は、入力された直近のアクセル開度の検出値APSを所定の加速要求終了判定用閾値APSthと比較する。加速要求終了判定部76は、検出値APSが加速要求終了判定用閾値APSth未満になると、運転者による加速の要求が終了したと判定する。
【0043】
加速時間判定部78は、加速時間Tacを所定の加速時間判定用閾値Tacthと比較する。加速時間Tacは、加速要求判定部70によって加速の要求があったと判定されたときからの経過時間である。加速時間判定部78は、加速時間Tacが加速時間判定用閾値Tacthを超えると、加速時間が終了したと判定する。
【0044】
バルブタイミング制御部74は、運転者による加速の要求が終了したと判定されるか、又は、加速時間が終了したと判定されると、吸気弁34の開弁時期を最進角に維持する制御を解除するとともに、排気弁35の閉弁時期を最遅角に維持する制御を解除し、通常通りの吸気VVT機構38及び排気VVT機構39の制御を実行する。
【0045】
次に、内燃機関10の制御装置12が実行するVVT(可変バルブタイミング)制御方法について
図2を参照して説明する。
図2は、VVT制御方法の概略的な手順を示すフローチャートである。
図2の制御方法は、内燃機関10の運転中繰り返し実行される。
【0046】
VVT制御方法では、まず、加速要求判定工程S10が行われる。加速要求判定工程S10では、入力された直近のアクセル開度の変化速度の検出値ΔAPSが、予め設定された加速要求判定用閾値ΔAPSth1と比較される。
【0047】
加速要求判定工程S10での比較の結果、検出値ΔAPSが加速要求判定用閾値ΔAPSth1以上であれば、加速レベル判定工程S12が実行される。加速レベル判定工程S12では、入力された直近のアクセル開度の変化速度の検出値ΔAPSが、予め設定された加速レベル判定用閾値ΔAPSth2と比較される。
【0048】
加速レベル判定工程S12での比較の結果、検出値ΔAPSが加速レベル判定用閾値ΔAPSth2以上であれば、吸気弁34のVVT(吸気VVT)の目標位相が最進角に設定される(S14)とともに、排気弁35のVVT(排気VVT)の目標位相が最遅角に設定される(S16)。
【0049】
なお、
図2では、加速要求判定工程S10と加速レベル判定工程S12とが相互に区別されているが、加速要求判定工程S10及び加速レベル判定工程S12は同時に実行されてもよい。つまり、検出値ΔAPSを加速要求判定用閾値ΔAPSth1及び加速レベル判定用閾値ΔAPSth2と比較する判定工程があればよい。
【0050】
ステップS14にて吸気VVTの目標位相が最進角に設定され、ステップS16にて排気VVTの目標位相が最遅角に設定された後、加速要求終了判定工程S18が実行される。
加速要求終了判定工程S18では、入力された直近のアクセル開度の検出値APSが、加速要求終了判定用閾値APSth以上であるか否かが判定される。判定の結果、検出値APSが加速要求終了判定用閾値APSth以上であれば、加速時間判定工程S20が実行される。
【0051】
加速時間判定工程S20では、加速時間Tacが加速時間判定用閾値Tacth以下であるか否かが判定される。判定の結果、加速時間Tacが加速時間判定用閾値Tacth以下であれば、再び、加速要求終了判定工程S18が実行される。
【0052】
一方、加速時間判定工程S20の判定の結果、加速時間Tacが加速時間判定用閾値Tacthを超えている場合、通常のVVT制御が実行される(S22)。則ち、吸気VVTを最進角に維持している状態、及び、排気VVTを最遅角に維持している状態が解除され、通常のVVT制御が実行される。
【0053】
なお、加速要求判定工程S10の判定結果、検出値ΔAPSが加速要求判定用閾値ΔAPSth1未満の場合、加速レベル判定工程S12の判定結果、検出値ΔAPSが加速レベル判定用閾値ΔAPSth2未満の場合、及び、加速要求終了判定工程S18の判定の結果、検出値APSが加速要求終了判定用閾値APSth未満の場合の場合にもステップS22の通常のVVT制御が実行される。
【0054】
図3は、制御装置12が
図2のVVT制御方法を実行する場合のタイミングチャートの一例である。
図3(a)に実線で示したように、運転者がアクセルペダルを踏み込み、アクセル開度の変化速度の検出値ΔAPSが加速レベル判定用閾値ΔAPSth2以上になると速やかに又は同時に、
図3(b),(c)にそれぞれ実線で示したように、吸気VVTの目標位相が最進角値にステップ的に変更・設定され、排気VVTの目標位相が最遅角値にステップ的に変更・設定される。
【0055】
一方、
図3(a)に一点鎖線で示したように、運転者がアクセルペダルを踏み込み、アクセル開度の変化速度の検出値ΔAPSが加速要求判定用閾値ΔAPSth1以上加速レベル判定用閾値ΔAPSth2未満になると速やかに又は同時に、
図3(b),(c)にそれぞれ一点鎖線で示したように、時間の経過につれて、吸気VVTの目標位相が最進角値に向かって徐々に変更され、排気VVTの目標位相が最遅角値に向かって徐々に変更される。
【0056】
そして、
図3(d)に実線で示した検出値ΔAPSが加速レベル判定用閾値ΔAPSth2以上である場合のトルク(急加速時のトルク)は、
図3(d)に一点鎖線で示した検出値ΔAPSが加速要求判定用閾値ΔAPSth1以上加速レベル判定用閾値ΔAPSth2未満である場合のトルク(通常加速時のトルク)に比べてΔTだけ大きくなる。
【0057】
上述した第1
基本形態の内燃機関10の制御装置12では、アクセル開度の変化速度の検出値ΔAPSが、加速レベル判定用閾値(第2閾値)ΔAPSth2以上であると判定された第2の場合に、検出値ΔAPSが加速要求判定用閾値(第1閾値)ΔAPSth1以上加速レベル判定用閾値ΔAPSth2未満の第1の場合の変化率(第1変化率)に比べてそれぞれ大の変化率(第2変化率)で、排気弁35の閉弁時期が遅角され、且つ、吸気弁34の開弁時期が進角される。変化率は変化速度ということもできる。
【0058】
ここで、第1の場合は通常の加速の場合であり、第2の場合は、通常の加速よりも大の加速(急加速)の場合である。従って、この制御装置12によれば、急加速の場合、通常の加速時に比べて、バルブオーバーラップ期間が急速に増大される。そして、バルブオーバーラップ期間の急速な増大により、急加速の際にも良好な掃気効率が維持され、トルクが向上する。
【0059】
そして、上述した第1
基本形態の内燃機関10の制御装置12では、バルブタイミング制御部74が、第2の場合に、排気弁35の閉弁時期及び吸気弁34の開弁時期の目標値(位相目標)を加速最適値にステップ的に変化させるので、バルブオーバーラップ期間が確実に急速に増大する。
【0060】
(第2
基本形態)
以下、第2
基本形態について説明する。なお、後述する実施形態の説明において、先行する
基本形態と同一又は類似の構成については、同一の名称又は符号を付して説明を省略又は簡略化する。
【0061】
図4は、第2
基本形態の制御装置80の機能的な構成を概略的に示している。制御装置80も内燃機関10の制御に適用可能である。
制御装置80は、種々のパラメータの目標値を設定するための複数のマップデータを記憶する記憶部(記憶手段)82を有する。具体的には、記憶部82は、マップデータとして、通常VVTマップデータ(第1弁位相マップデータ)84、急加速VVTマップデータ(第2弁位相マップデータ)86、通常噴射時期マップデータ(第1噴射時期マップデータ)88、急加速噴射時期マップデータ(第2噴射時期マップデータ)90、通常点火時期マップデータ(第1点火時期マップデータ)92、急加速点火時期マップデータ(第2点火時期マップデータ)94、通常A/Fマップデータ(第1空燃比マップデータ)96、及び、急加速A/Fマップデータ(第2空燃比マップデータ)98を予め記憶している。
【0062】
図5は、制御装置80が実行するVVT制御方法の概略的な手順を示すフローチャートである。
図5に示したように、制御装置80は、アクセル開度の変化速度の検出値ΔAPSが加速要求判定用閾値ΔAPSth1以上加速レベル判定用閾値ΔAPSth2未満である第1の場合、通常VVTマップデータ84を用いて通常のVVT制御を行って(S22)、吸気弁34及び排気弁35の開閉時期を制御する。つまり、初期設定では、通常VVTマップデータ84を用いるように設定されている。
なお、アクセル開度の変化速度の検出値ΔAPSが加速要求判定用閾値ΔAPSth1未満の場合も、通常VVTマップデータ84を用いて通常のVVT制御が行われる。
【0063】
一方、制御装置80は、アクセル開度の変化速度の検出値ΔAPSが加速レベル判定用閾値ΔAPSth2以上である第2の場合、マップデータ切り替え工程S30を実行し、使用するマップデータを通常用から急加速用に切り替える。具体的には、マップデータ切り替え工程S30では、通常VVTマップデータ84から急加速VVTマップデータ86に、通常噴射時期マップデータ88から急加速噴射時期マップデータ90に、通常点火時期マップデータ92から急加速点火時期マップデータ94に、通常A/Fマップデータ96から急加速A/Fマップデータ98に切り替えられる。
【0064】
そして、制御装置80は、急加速VVTマップデータ86を用いて、急加速用のVVT制御を行って(S32)、吸気弁34及び排気弁35の開閉時期を制御する。また、制御装置80は、急加速用のVVT制御を行っている間、急加速噴射時期マップデータ90を用いて、筒内噴射弁42による燃料噴射時期を制御し、急加速点火時期マップデータ94を用いて、点火プラグ44の点火時期を制御し、急加速A/Fマップデータ98を用いて、筒内噴射弁42による燃料噴射量及びスロットルバルブ54の開度を制御する。
【0065】
それから、制御装置80は、アクセル開度の検出値APSが加速要求終了判定用閾値APSth未満になるか、又は、加速時間Tacが加速時間判定用閾値Tacthを超えると、マップデータ切り替え工程S34を実行し、使用するマップデータを急加速用から通常用に切り替える。具体的には、マップデータ切り替え工程S34では、急加速VVTマップデータ86から通常VVTマップデータ84に、急加速噴射時期マップデータ90から通常噴射時期マップデータ88に、急加速点火時期マップデータ94から通常点火時期マップデータ92に、急加速A/Fマップデータ98から通常A/Fマップデータ96に切り替えられる。
【0066】
そして、マップデータ切り替え工程S34の後、制御装置80は、通常VVTマップデータ84を用いて、通常のVVT制御を行って(S22)、吸気弁34及び排気弁35の開閉時期を制御する。また、制御装置80は、通常のVVT制御を行っている間、通常噴射時期マップデータ88を用いて、筒内噴射弁42による燃料噴射時期を制御し、通常点火時期マップデータ92を用いて、点火プラグ44の点火時期を制御し、通常A/Fマップデータ96を用いて、筒内噴射弁42による燃料噴射量及びスロットルバルブ54の開度を制御する。
【0067】
図6は、制御装置80が
図5のVVT制御方法を実行する場合のタイミングチャートの一例である。
図6(a)に実線で示したように、運転者がアクセルペダルを踏み込み、アクセル開度の変化速度の検出値ΔAPSが加速レベル判定用閾値ΔAPSth2以上になると速やかに又は同時に、
図6(b),(c)にそれぞれ実線で示したように、急加速VVTマップデータ86を用いて、吸気VVTの目標位相が最進角値にステップ的に変更・設定され、排気VVTの目標位相が最遅角値にステップ的に変更・設定される。
【0068】
一方、
図6(a)に一点鎖線で示したように、運転者がアクセルペダルを踏み込み、アクセル開度の変化速度の検出値ΔAPSが加速要求判定用閾値ΔAPSth1以上加速レベル判定用閾値ΔAPSth2未満になると速やかに又は同時に、
図6(b),(c)にそれぞれ一点鎖線で示したように、通常VVTマップデータ84を用いて、時間の経過につれて、吸気VVTの目標位相が最進角値に向かって徐々に変更され、排気VVTの目標位相が最遅角値に向かって徐々に変更される。
【0069】
これにより、
図6(e)に実線で示した、アクセル開度の変化速度の検出値ΔAPSが加速レベル判定用閾値ΔAPSth2以上である第2の場合の吸気VVTの実位相は、
図6(e)に一点鎖線で示した、アクセル開度の変化速度の検出値ΔAPSが加速要求判定用閾値ΔAPSth1以上加速レベル判定用閾値ΔAPSth2未満である第1の場合の吸気VVTの実位相の変化率よりも大の変化率で変化する。
【0070】
同様に、
図6(f)に実線で示した、第2の場合の排気VVTの実位相は、
図6(f)に一点鎖線で示した、第1の場合の排気VVTの実位相の変化率よりも大の変化率で変化する。
【0071】
また、
図6(g)に実線で示した第2の場合の燃料噴射時期は、
図6(g)に一点鎖線で示した第1の場合の燃料噴射時期よりも遅角されている。
更に、
図6(h)に実線で示した第2の場合の点火時期は、
図6(h)に一点鎖線で示した第1の場合の点火時期よりも遅角されている。
【0072】
そして、
図6(d)に実線で示した第2の場合のトルク(急加速時のトルク)は、
図6(d)に一点鎖線で示した第1の場合のトルク(通常加速時のトルク)に比べてΔTだけ大きくなっている。
【0073】
上述した第2
基本形態の内燃機関10の制御装置80では、アクセル開度の変化速度の検出値ΔAPSが、加速レベル判定用閾値(第2閾値)ΔAPSth2以上であると判定された第2の場合に、検出値ΔAPSが加速要求判定用閾値(第1閾値)ΔAPSth1以上加速レベル判定用閾値ΔAPSth2未満の第1の場合の変化率(第1変化率)に比べてそれぞれ大の変化率(第2変化率)で、排気弁35の閉弁時期が遅角され、且つ、吸気弁34の開弁時期が進角される。
【0074】
従って、この制御装置80によれば、急加速の場合、通常の加速時に比べて、バルブオーバーラップ期間が急速に増大される。そして、バルブオーバーラップ期間の急速な増大により、急加速の際にも良好な掃気効率が維持され、トルクが向上する。
【0075】
また、上述した第2
基本形態の内燃機関10の制御装置80では、急加速VVTマップデータ86を通常VVTマップデータ84とは別に予め用意し、第2の場合に急加速VVTマップデータ86用いることにより、バルブオーバーラップ期間を確実に急速に増大させることができる。
【0076】
更に、上述した第2
基本形態の内燃機関10の制御装置80では、通常噴射時期マップデータ88、通常点火時期マップデータ92及び通常A/Fマップデータ96とは別に、急加速噴射時期マップデータ90、急加速点火時期マップデータ94、及び、急加速A/Fマップデータ98を予め用意し、第2の場合に急加速噴射時期マップデータ90、急加速点火時期マップデータ94、及び、急加速A/Fマップデータ98を用いることにより、急加速の際のトルクを更に向上させることができる。
【0077】
(第
1実施形態)
以下、第
1実施形態について説明する。
図7は、第
1実施形態の制御装置100の機能的な構成を、制御対象である内燃機関10の構成とともに概略的に示している。
【0078】
第
1実施形態の内燃機関10は、更に、ポート噴射弁(ポート燃料噴射手段)43を有する。ポート噴射弁43は、吸気ポート30内に燃料を噴射可能である。なお、ポート噴射弁43には、図示しないけれども、フィードポンプを介して燃料から燃料が供給される。
【0079】
一方、制御装置100は、加速時間判定部80を有さず、分割噴射制御部(分割噴射制御手段)102及びポート噴射制御部(ポート噴射制御手段)104を更に有する。
分割噴射制御部(筒内噴射制御部)102は、筒内噴射弁42の開閉を制御することによって、筒内噴射弁42から噴射される燃料の噴射量及び噴射時期を制御する。
【0080】
本実施形態では、分割噴射制御部102は、アクセル開度の変化速度の検出値ΔAPSが加速要求判定用閾値ΔAPSth1以上であると判定されると可及的速やかに若しくは同時に、筒内噴射弁42に分割噴射を実行させる。
一方、アクセル開度の変化速度の検出値ΔAPSが加速要求判定用閾値ΔAPSth1未満である場合、制御装置80は筒内噴射弁42に吸気噴射を実行させる。
【0081】
ここで、吸気噴射とは、吸気行程中に燃焼室28内に燃料を噴射することである。
そして分割噴射とは、吸気行程で吸気噴射を行った後、更に、当該吸気行程に続く圧縮行程で燃焼室内28内に燃料を噴射する圧縮噴射を実行することである。つまり分割噴射は、吸気噴射と圧縮噴射の組合せである。
【0082】
分割噴射における吸気行程での燃料の噴射量と圧縮行程での燃料の噴射量の比率は、予め設定されている。例えば、吸気行程での燃料の噴射量と圧縮行程での燃料の噴射量の比率は7:3に設定される。また、吸気行程及び圧縮行程で噴射される燃料の合計噴射量は、吸気噴射のみの場合と同様に、アクセル開度の検出値APS、及び、車両の走行状態に基づいて、制御装置10によって決定される。
【0083】
なお、内燃機関10では、吸気行程、圧縮行程、燃焼行程及び排気行程の4つの行程が繰り返されており、ピストン22の位置についていえば、吸気行程では、ピストン22は上死点から下死点までの位置にあり、圧縮行程では、ピストン22は下死点から上死点までの位置にある。
【0084】
ポート噴射制御部104は、ポート噴射弁43の開閉を制御することによって、ポート噴射弁43から噴射される燃料の噴射量及び噴射時期を制御する。ポート噴射制御部104は、必要に応じて、筒内噴射弁42が行っている吸気噴射又は分割噴射と並行して、ポート噴射弁43から燃料を噴射させるポート噴射を実行する。
【0085】
ポート噴射が併用された分割噴射(ポート噴射併用分割噴射)では、燃料が、ポート噴射と、吸気噴射と、圧縮噴射とに分けて噴射される。ポート噴射併用分割噴射での燃料の合計噴射量は、吸気噴射のみの場合及び分割噴射のみの場合と同様に、アクセル開度の検出値APS、及び、車両の走行状態に基づいて、制御装置80によって決定される。
例えば、ポート噴射併用分割噴射では、ポート噴射弁43からの燃料の噴射量と筒内噴射弁からの燃料の噴射量の比は7:3に設定される。
【0086】
本実施形態では、ポート噴射制御部104は、アクセル開度の変化速度の検出値ΔAPSが加速要求判定用閾値ΔAPSth1以上加速レベル判定用閾値ΔAPSth2未満であると判定されると可及的速やかに若しくは同時に、ポート噴射弁43にポート噴射を実行させる。即ち、本実施形態では、アクセル開度の変化速度の検出値ΔAPSが加速要求判定用閾値ΔAPSth1以上加速レベル判定用閾値ΔAPSth2未満であると判定されると可及的速やかに若しくは同時に、ポート噴射を併用した分割噴射(ポート噴射併用分割噴射)が実行される。
【0087】
図8は、制御装置80が実行するVVT・分割噴射制御方法の手順を概略的に示すフローチャートである。
【0088】
VVT・分割噴射制御方法では、加速レベル判定工程S12の判定の結果、検出値ΔAPSが加速レベル判定用閾値ΔAPSth2以上である場合、分割噴射オン工程S40が実行され、筒内噴射弁42による分割噴射が開始される。従って、吸気弁34の開弁時期が最進角に設定され、且つ、排気弁35の閉弁時期が最遅角に設定された状態で、分割噴射が実行される。なおこのとき、ポート噴射弁43によるポート噴射は禁止されている。
【0089】
そして、加速要求終了判定工程S18の判定の結果、アクセル開度の検出値APSが加速要求終了判定用閾値APSth未満である場合、分割噴射オフ工程S42が実行され、分割噴射が停止される。
【0090】
一方、加速レベル判定工程S12の判定の結果、検出値ΔAPSが加速レベル判定用閾値ΔAPSth2未満である場合、ポート噴射併用分割噴射オン工程S44が実行され、筒内噴射弁42による分割噴射とポート噴射弁43によるポート噴射が開始される。
また、検出値ΔAPSが加速レベル判定用閾値ΔAPSth2未満である場合、通常のVVT制御が実行される(S46)。従って、通常のVVT制御下で、ポート噴射併用分割噴射が実行される。
【0091】
そして、ステップS46の後、加速要求終了判定工程S48が実行される。加速要求終了判定工程S48の判定の結果、アクセル開度の検出値APSが加速要求終了判定用閾値APSth未満である場合、ポート噴射併用分割噴射オフ工程S50が実行され、分割噴射が停止される。ポート噴射併用分割噴射オフ工程S50の実行後、筒内噴射弁42は吸気噴射を実行し、ポート噴射弁43は、ポート噴射を停止するか、又は必要に応じて噴射する燃料の比率を変更した上で、ポート噴射を継続してもよい。
【0092】
図9は、制御装置100が
図8のVVT・分割噴射制御方法を実行した場合のタイミングチャートの一例を示している。
図9(i)に示したように、検出値ΔAPSが加速要求判定用閾値ΔAPSth1以上であれば、分割噴射がオンにされる。
【0093】
そして、
図9(j)に実線で示したように、検出値ΔAPSが加速レベル判定用閾値ΔAPSth2以上の場合、ポート噴射が禁止されて分割噴射のみ実行される。一方、
図9(j)に一点鎖線で示したように、検出値ΔAPSが加速要求判定用閾値ΔAPSth1以上加速レベル判定用閾値ΔAPSth2未満の場合、ポート噴射が併用される。
なお、ポート噴射比率とは、筒内噴射弁42及びポート噴射弁43から噴射される燃料の合計噴射量に対する、ポート噴射弁43から噴射される燃料の噴射量の比率である。
【0094】
上述した第
1実施形態の制御装置100によれば、アクセル開度の変化速度の検出値ΔAPSが加速要求判定用閾値ΔAPSth1以上になると、ポート噴射を併用せずに又は併用しながら、分割噴射が実行される。このため、加速性能が更に向上する。
【0095】
そして、上述した第
1実施形態の制御装置100によれば、変化速度の検出値ΔAPSが加速要求判定用閾値ΔAPSth1以上加速レベル判定用閾値ΔAPSth2未満であるときに、ポート噴射併用分割噴射(第1制御モード)が実行され、加速レベル判定用閾値以上であるときに分割噴射のみ(第2制御モード)が実行される。
【0096】
第1制御モードでは、筒内噴射と並行して、ポート噴射が併用されるので、排ガスに含まれる未燃焼成分等が低減される。このため、第1制御モードによれば、運転者の要求に応じた加速性能を確保しながら、環境に優しい制御が可能である。
一方、第2制御モードでは、ポート噴射の実行が禁止され、筒内噴射のみ実行されるので、更に良好な加速性能が得られる。
【0097】
(第
2実施形態)
以下、第
2実施形態について説明する。
図10は、第
2実施形態の制御装置110の機能的な構成を概略的に示している。
図11は、制御装置110が実行するVVT・分割噴射制御方法の概略的な手順を示すフローチャートである。
【0098】
図10及び
図11から明らかなように、制御装置110と第2実施形態の制御装置80との相違点は、第
1実施形態の制御装置100と第1
基本形態の制御装置12との相違点と同様であり、分割噴射及びポート噴射併用分割噴射を実行可能な点である。
【0099】
すなわち、制御装置110は、変化速度の検出値ΔAPSが加速要求判定用閾値ΔAPSth1以上加速レベル判定用閾値ΔAPSth2未満であるときに、通常のVVT制御と同時にポート噴射併用分割噴射を実行可能に構成され、加速レベル判定用閾値ΔAPSth2以上であるときに、加速用のVVT制御と同時に分割噴射のみを実行可能に構成されている。
【0100】
上述した第
2実施形態の制御装置110によれば、アクセル開度の変化速度の検出値ΔAPSが加速要求判定用閾値ΔAPSth1以上になると、ポート噴射を併用せずに又は併用しながら、分割噴射が実行される。このため、加速性能が更に向上する。
【0101】
そして、上述した第
2実施形態の制御装置110によれば、変化速度の検出値ΔAPSが加速要求判定用閾値ΔAPSth1以上加速レベル判定用閾値ΔAPSth2未満であるときに、ポート噴射併用分割噴射(第1制御モード)が実行され、加速レベル判定用閾値以上であるときに分割噴射のみ(第2制御モード)が実行される。
【0102】
第1制御モードでは、筒内噴射と並行して、ポート噴射が併用されるので、排ガスに含まれる未燃焼成分等が低減される。このため、第1制御モードによれば、運転者の要求に応じた加速性能を確保しながら、環境に優しい制御が可能である。
一方、第2制御モードでは、ポート噴射の実行が禁止され、筒内噴射のみ実行されるので、更に良好な加速性能が得られる。
【0103】
本発明は上述した第1
及び第2実施形態に限定されることなく、第1
及び第2実施形態の各々に変形を加えた形態を含む。
例えば、第1
及び第2実施形態では、内燃機関10が、吸気VVT機構38及び排気VVT機構39を有しており、吸気弁34及び排気弁35の開閉時期が制御されていたが、吸気弁34及び排気弁35のうち一方のみ開閉時期が制御されていてもよい。すなわち、吸気弁34の開弁時期と排気弁35の開弁時期とが重なるバルブオーバーラップ期間を調整可能であればよい。
【0104】
また例えば、
第1及び第2実施形態において、アクセル開度の変化速度の検出値ΔAPSの大きさに応じて、ポート噴射比率を変更するようにしてもよい。具体的には、アクセル開度の変化速度の検出値ΔAPSが加速レベル判定用閾値ΔAPSth2に近づくほど、すなわち、アクセル開度の変化速度の検出値ΔAPSが大きくなるほど、ポート噴射によって噴射される燃料の噴射量の比率が小さくなるようにしてもよい。