(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
少なくとも一つの車線が両側走行車線である交差点十字路であり、かつ右折専用車線を有する交差点十字路において、前記右折車線を移動することを特徴とする、請求項5または6に記載のポストコーン移動システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
A1レーンにおける車が混雑してくると、レーンA1−2およびレーンA1−3において、交差点十字路120のかなり手前から右折車と直進車が交錯し渋滞が始まる。一度渋滞が起きると渋滞の列はどんどん長くなっていき、A1レーンにおける車の数がかなり減るまで続くことになる。時々は車同士の接触事故が起きれば。その渋滞は増々ひどくなる。また、交差点の近くではなくても、普通の道路でも車が少し多くなると自然に渋滞が発生する場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、専用右折レーン1車線を含み2車線以上の片側車線を有する交差点において、渋滞を発生さないか、解消する手段および方法を提供するものである。また、交差点以外の道路においても道路レーンの進行車線を切り換えて渋滞を発生させないか、または解消するシステムを提供するものである。具体的には以下の特徴がある。
(1)本発明は、両側走行車線および両側走行車線の間に分離線を有し、前記分離線に両側走行車線の間を識別する分離線標識体を有する道路において、道路に設置された渋滞センサーと連動して、前記分離線を移動して道路レーンを切り換える道路レーン切換えシステムであり、さらに、少なくとも一つの車線が両側走行車線である交差点十字路であり、かつ右折専用車線を有する交差点十字路において、前記右折車線を移動することを特徴とする道路レーン切換えシステムである。
(2)本発明は、両側走行車線および両側走行車線の間に分離線を有し、前記分離線に両側走行車線の間を識別する分離線標識体を有する道路において、前記分離線を移動して道路レーンを切り換えるシステム(道路レーン切換えシステム)であって、移動前の分離線(移動前分離線)と移動後の分離線(移動後分離線)との間の道路下にレールが配置された空間(レール配置道路下空間)を設置するとともに、移動前分離線と移動後分離線との間の道路に前記レール配置道路下空間に接続する溝(標識体移動溝)が形成され、分離線標識体がレールに移動可能に設置されて、前記分離線標識体がレール上を標識体移動溝に沿って移動することによって、前記分離線標識体を移動前分離線および移動後分離線に配置可能とした道路レーン切換えシステムであり、前記標識体は、道路表面より飛び出していることを特徴とする。
【0008】
(3)本発明は、両側走行車線を有する道路において、前記両側走行車線の間に分離線を有し、前記分離線に前記両側走行車線の間を識別する複数の分離線標識体を有する道路において、道路に設置された渋滞センサーと連動して、前記分離線を移動して道路レーンを切り換える道路レーン切換えシステムであって、前記分離線標識体は昇降方式の標識体であり、前記分離線標識体の設置される道路下に分離線標識体を収納する分離線標識体収納空間があり、前記分離線標識体が前記分離線標識体収納空間から昇降することによって前記分離線を移動して道路レーンを切り換える道路レーン切換えシステムである。
(4)本発明は、上記に加えて、分離線標識体は中空の柱状体であり、分離線標識体収納空間に配置された昇降用レールが分離線標識体の中空部分に入り込んで分離線標識体が昇降することを特徴とし、また分離線標識体は中空の伸縮自在の柱状体であり、分離線標識体の中空部分にエアーを出し入れして分離線標識体が昇降することを特徴とし、さらに分離線標識体は中空の伸縮自在の柱状体であり、分離線標識体の中空部分に配置されたXリンク式昇降機構またはパンタグラフ式昇降機構により、分離線標識体が昇降することを特徴とする。
(5)本発明は、上記に加えて、分離線標識体上部には上部道路蓋が設置されており、分離線標識体が分離線標識体収納空間に収納されたときに分離線標識体が出入する道路穴を上部道路蓋で閉じ、また、分離線標識体下部には下部道路蓋が設置されており、分離線標識体が道路上に配置されたときに分離線標識体が出入する道路穴を下部道路蓋で閉じることを特徴とする。さらに、分離線標識体および分離線標識体を昇降するシステムはモジュール化されており、前記モジュールは交換可能であることを特徴とする。
【0009】
(6)本発明は、さらに、車線の道路上に表示される標示を移動可能なマットに表示することによって、標識を表示されたマット(標識標示マット)を移動させることによって、分離線移動による車線変更を表示させ、また車線の道路上に表示される標識を移動可能なマットに表示することによって、標識を表示されたマット(標識標示マット)を移動させることによって、分離線移動による車線変更を表示させることを特徴とする。
(7)本発明は、車線の道路表面から道路下に形成された複数の空間に電気的にON/OFF可能なLED灯{発光体(表示灯)}を配置し、LED灯{発光体(表示灯)}を点滅させることによって、分離線移動による車線変更を表示させることを特徴とし、また、前記表示灯が配置された空間の上部は透明体で蓋をされており、前記透明体の上面は道路表面より飛び出していないことを特徴とし、前記LED灯は上面が透明体である容器モジュールに収納されており、前記容器モジュールを車線の道路表面から道路下に形成された前記空間に配置され、前記容器モジュールは交換可能であることを特徴とする。さらに、道路上に設置される信号機または交通標識板により、分離線移動を表示する場合において、前記信号機または交通標識板に配置される複数のLED灯を電気的にON/OFFすることによって、分離線移動による車線変更を表示させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
渋滞時に右折レーンを反対車線にずらすので、その車線は一車線増えるので、渋滞の発生が起こらないか、解消する。しかもその右折レーンの変更は簡単な手段および方法で行なうことができるので、その変更による渋滞等の問題も最小限に抑えることができる。また、本発明は右折レーンだけでなく通常の車線レーンも自動的に切り換え(移動)できるので、渋滞の他にスクールゾーンや事故時の車線変更などに対応できる。また必要であれば左折レーンの切換えにも対応できる。渋滞解消のためには道路(全体)幅を拡張したり、新しい道路を作ったりする方法があるが、本発明の道路レーン切換えシステムを用いることによって、このような全体の道路幅などを変えずに既存道路を用いて安価に車の通行量を増やすことができ、渋滞を解消または緩和することができる。渋滞センサーと連動させて、完全自動で路レーン切換えシステムを行なうこともできる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、本発明の右折レーンを変更した交差点90の状態を示す図である。通常交差点(
図2に示す交差点100を通常交差点と称する。)におけるAレーンの交差点に近い中央分離帯104を反対側の車線である107に移動させる。(107−2−1と称する)すなわち、A1レーンと反対レーンであるA2レーンの一部のレーン、レーンA2−3の交差点十字路120付近はA1レーンに変更される。交差点十字路120からある程度離れた所では、元のレーンに戻る。(中央分離帯104−1と称する。これは元の中央分離帯104と同じである。)従って、中央分離帯は107−2−1から104−1に接続するが、その接続する中央分離帯を107−2−Sとすると、接続中央分離帯を107−2−SはレーンA−2−3を斜めに横切る。この結果、A1レーンは左折・直進レーンA1−1および直進レーンA1−2は変わらず、右折レーンA1−3は直進レーンに変更され、反対車線である直進レーンA2−3はA1レーンに入り右折ライン専用となり、交叉点十字路120付近のA1レーンは4車線となり、1車線増える。従って、車の混雑がかなり緩和される。
【0013】
尚、この右折レーンの変更を行なうには、レーンA2−3の交差点をはさんで対向する車線レーンB2−3が右折専用レーンである必要がある。何故なら、レーンB2−3が直進レーンであると、そのまま直進するとレーンA2−3に入ってしまうからである。右折レーンが混雑する場合は、右折レーンを移動するだけでは渋滞が解消しないので、通常の右折レーンはそのまま右折レーンとして利用して、右折レーンを2つにすれば、右折レーン側の混雑も解消される。この場合、3車線×2の道路(
図1や
図2に示す道路)では、A1レーンは4車線でかつ右折レーンが2車線、直進レーンが1車線、直進・左折レーンが1車線となる。A2レーンは直進レーンが2車線となる。A2レーンは2車線となっても交通量は変わらないので特に問題はない。
【0014】
このようなレーン移動(切換え)システムを上下線ともに採用しておけば、B2レーンの右折レーン(レーンB2−3)が渋滞してきたときも同時に右折レーンを増やして2本の右折レーン(すなわち、Bレーンの中央分離帯も移動させて、右折レーンはレーンB1−3およびB2−3となる)にすることができる。このとき、B1レーンの直進レーンは3車線から2車線(レーンB1−1およびB1−2)になるが、A1レーンの直進ラインは2車線であるから特に問題はない。この結果、上り線(A1レーン)も下り線(B2レーン)も右折レーンは2車線となる。
【0015】
交叉点十字路120でレーン移動(切換え)を行なう場合、交叉点十字路120やA1レーンの停止線手前の道路内または道路上(頭上)の表示、信号機(たとえばS−B)の表示等を切り換える必要があるので、交叉点十字路120のA1レーンの停止線の所で車を止めただけでは種々困難な課題がある。たとえば道路標識マットを使用するときなどは車が邪魔で交換できないし、各種標識の切り替えも問題を引き起こす可能性がある。そこで、交叉点十字路120のA1レーン(の右折ライン)が混雑し、A1レーン付近に設置した渋滞センサーが作動し、右折レーン移動(切換え)をするという信号が出たら、A1レーンにおいて、交叉点十字路120よりも1つ手前(車の進行方向からすれば1つ後)の信号を赤にして、そこで車を止めるようにする。ここで、渋滞センサーとは、車両(数)検知センサーとも言い、道路の頭上や道路端等に取り付けた走行自動車数を検知して自動車数の数が多くなり渋滞したこと(または渋滞が解消したこと)を知らせるセンサーであり、たとえば画像認識センサーやレーザー等と演算処理用LSI等で構成されている。
【0016】
その結果、交叉点十字路120の近くのA1レーンには車がなくなるので、各種表示切り変えやシステム変更を問題なく行なうことができる。切り換えるレーンについては、青信号になって交差点内に車両が無くなったことを車両検知器が確認した上で、切り替えをするのが望ましい。切り換えが完了した上で、1つ後の赤信号を青に変える。また、交叉点十字路120に設置された信号をすべて赤にしておくことにより、交差点十字路120の道路内の表示や信号機の表示、その他の表示の切り替えをスムーズに行なうことができる。特に、A2レーンも車がなくなるので、中央分離線の移動(切換え)を問題なく行なうことができる。切換え(移動)が終わったら信号機等も通常動作とする。このように、渋滞センサーと交差点十字路の信号機およびその1つ手前の信号機は連動し自動的に動くようにする。このような機能は電子回路やそれを動かすプログラムを設定すれば実現でき、その結果道路レーン切換えシステムは渋滞センサーと連動させて自動的に動作させることができる。
【0017】
本発明の道路レーン切換えシステムは、上記した3車線×2の交差点道路だけでなく、様々なケースに応用できる。たとえば、片側5車線(右折2、直進2、左折・直進1)の道路の場合、直進レーンが混んできて、右折レーンは余り混んでいないことを道路の頭上等に設置された渋滞センサーが感知したら、直進レーンを増やし右折レーンを減らして、5車線(右折1、直進3、左折・直進1)にすることも容易にできる。たとえば、渋滞センサーが感知した道路の後方(車の進行方向に対して)の信号機が赤になったときに、信号機に車線の進行方向が変わった旨の表示や、通行区分標示標識のLED表示を変更後に切り替えておき、さらに道路内の進行表示も渋滞センサーと連動して自動的に変更しておけば良い。また、渋滞が発生したときに、その発生原因を分析し、その発生原因に合わせて車線変更(切換え)や信号機表示や通行区分標示標識等の変更や、道路面表示変更などを行なう。たとえば、渋滞の先頭の交差点において有効であり、その交差点の後(進行方向に対して)が赤のときに、交差点の表示等や車線変更(切換え)や道路面表示の切り替えを行なうようにする。また、交差点近くの道路だけでなく、通常の両車線を有する道路において、一方の車線(Aレーン)が混雑し他方の車線(Bレーン:2車線以上必要)がすいている時に、Bレーンの車線の一部の車線(レーン)をAレーンの車線に加えて、Aレーンの車線を増やすときに、上記説明した本発明を適用することができる。
【0018】
このように、交差点十字路120付近の車線変更を行なうには、中央分離帯の移動、道路に表示された指示表示の変更、信号の表示変更、交差点手前に配置される表示板の進行表示の変更等を行なう必要がある。道路に表示される指示表示の変更に関して述べる。通常車線の場合のレーンA1−3における右折表示113は直進表示113−2に変更する必要があるが、直進表示113−2を記載したゴムマットを右折表示113の上に敷けば良い。ゴムマットに限らず通常道路(マットが無い時の道路)の摩擦係数と同じか近似した摩擦係数を持つ材料からなるマットや板材、鋼板等の金属板でも良い。マットは車が載って動いても移動しないように、道路との摩擦が大きい材料や重量が重い材料が望ましく、たとえば、ゴムや鋼板等の金属板が良い。交差点十字路120内にある右折表示117はなくす必要があるので、無表示のマット等を敷いて右折表示117を消す。同時に、レーンA2−3の延長にある場所に右折表示117−2を表示したマット等を敷く。レーンA2−3の反対側への直進表示116の上に、右折表示116−2を表示するマット等を敷く。また、レーンD1−3からの交差点内の右折標示117をレーンA2−2へ右折する表示117−3へ変更する。この変更はマット等を敷いて変更することもできるし、
図4に示すような道路に埋め込んだLED灯などの発光体表示を適用することもできる。中央分離帯104−1から接続中央分離帯を107−2−Sへ入る部分に対応したレーンA1−3に右折・直進表示122のマット等を敷く。またレーンA1−2にある右折・直進表示123は無表示のマット等を敷いて消す。その他、不要な表示があれば無表示のマット等を敷けば良いし、変更するならば必要な表示のマットを敷けば良い。このように、マット等を用いることにより、自由な表示が可能になり、適応力が高く安価に対応できる。
【0019】
道路自体に表示された印を自由に自動的に変更できると、切換え時間もが短くでき、労力も減る。マット等で表示を切換える方法は、車の通行を一時的に止める時間が長くなり、しかも人間(またはそれに準じたロボット等)が行なうと労力も大きい。
図4は、道路に発光体を埋め込み自動的に表示を変更できる機構を示す図である。
図4(a)は、道路に埋め込んだ発光体の断面構造を示す図である。道路141に空間(穴)142を形成し、その中に発光体144を入れる。この発光体は、表示灯であり、電灯、LED灯、有機EL等であり、電気配線を通じで電気を流して発光させる。すなわち、発光体を電気的にON/OFFして表示させる。空間142の道路に相当する部分に透明ガラスや透明プラスチック等の透明体(板)を配置する。透明体の表面に蛍光塗料等の発光材料145で表示しておき、発光体から光を照射すると蛍光体等の発光材料が光り、表示が見えるようになる。光が当たらないとき(たとえば、光のスイッチを切ったとき)には蛍光表示が道路表面と識別できないか識別困難にしておけば良い。発光体のON/OFFは電気を流すか流さないかであるから、自動的に行なうことができる。適切な電子回路を有するICやトランジスタとそれらを動かすプログラムを設定することによって、適切な時間に、あるいは外部からの信号等で発光体のスイッチングが可能である。渋滞センサーと組み合わせて、または渋滞センサーと連動して発光体の自動点滅も可能である。また、空間142の周囲は耐湿性強化プラスチック、各種耐湿性セラミック、鉄やアルミニウム等の金属からなる枠体にしておけば、地面から水分等が侵入することはない。
【0020】
光の照射により光る物質には、蛍光材料の他にフォトクロミック材料などの光機能性材料が挙げられる。尚、発光材料145は透明体143の下部に塗布しても良いし、透明体143の中に配置しても良い。発光材料145を透明体143の表面に塗布したときには、車のタイヤ等に接触したり、環境雰囲気(雨、雪、風等)に晒されたりして、発光材料145が削れたり消されたりするので、定期的に塗布し直すなどのメンテナンスが必要である。これに対して発光材料145を透明体143の中や下部に配置したときには、発光材料145の寿命も長くなり、長期的な使用が可能である。透明体143はたとえば強化ガラス、強化透明プラスチックや強化透明セラミックである。
【0021】
図4(b)は道路141に発光体144を配置した状態を示す図である。ここでは、全体に発光材料145が塗布された矩形状になっているが、円形状や三角形状や多角形状や閉曲線状等の形状にしても良いし、字や数字や図形などを記載することもできる。
図4(c)は、
図4(b)に示す矩形状パターンを並べて直進矢印および右折矢印を表示した場合を示す例である。直進・右折表示の場合は146、147、148のすべてのパターンを光らせれば良く。直進だけなら146、147を光らせ、右折の場合は147、148を光らせれば良い。透明体143およびはその上に塗布等する発光材料145の上面位置は道路141の表面より少し(5mm〜30mmが望ましい)低くしておけば、透明体143や発光材料145が車のタイヤ等に接触して消耗することが少なくなる。
【0022】
また、発光体144、透明体143(発光材料145を含む)からなる容器モジュールを作成し、この容器モジュールを道路の空間142に入れておき、不具合が出たらこの容器モジュールごと交換できるようにしておけば、交換時間も短くでき交換コストも小さくできる。容器モジュールは、たとえば、直方体状や角柱(三角柱や多角柱)や円柱状の形状で、上面が透明ガラスや透明プラスチック等の透明体板で覆われ、他の周囲(4側面、底面)が鉄やアルミニウム製等の金属板、またはプラスチック等で覆われた箱体であり、内部にLED灯などの発光体が備わっている。このように、道路内に発光体を埋め込むことによって種々の道路標示が可能となり、しかも電気配線を組み込むことによって自動で操作もできるので、道路表示変更を短時間で行なうことができ、またマット配置も不要になるので、労力も大幅に低減化できる。蓄電器を組み込んだ容器モジュールならば、外部からの電気供給は不要になり、道路内への給電用電気配線も不要になる。さらに容器モジュールに電磁誘導による発電機と蓄電器を組み込んでおけば、定期的に外側から電磁波を送って発電や蓄電器に充電できるので、交換の頻度も少なくなり交換時間も長くできる。表示の切り替えも外部からの電磁波の信号により動作するシステム(電子回路)を容器モジュールへ組み込んでおけば、道路内への表示切り替えの電気配線も不要になる。
【0023】
次に、中央分離帯の変更方法について説明する。
図3は、中央分離帯変更方法の一実施形態を示す図である。
図3(a)は道路面(中央分離帯、変更中央分離帯、レーンA2−3を含む)の平面図であり、
図3(b)は、中央分離帯指示ポール移動溝に沿った道路断面図であり、
図3(c)は、1つの中央分離帯指示ポール移動溝の平面図を拡大して示す図である。通常中央分離帯104と変更中央分離帯107−2−1および107−2−Sの間に移動レール134を配置して中央分離帯指示ポール132を移動させる。中央分離帯104、変更分離帯107−2−1、107−2−S、レーンA2−3を含む道路の135の下部は空間136が形成されており、その空間136の中に移動レール134が配置される。中央分離帯指示ポール132は道路135の下部空間136から道路135に形成された中央分離帯指示ポール移動溝(貫通しているが溝と呼ぶ)131を通って道路135の表面上(すなわち、外側)へ出ている。
【0024】
中央分離帯指示ポール132は支持台133に取り付けられ、支持台133は移動レール134を移動可能に取り付けられている。(
図3(b))
図3bにおいて、道路135の輪郭を破線で示しているのは、中央分離帯指示ポール132の移動部分は中央分離帯指示ポール移動溝131であるので、空間であることを示すとともにその前後(紙面に対して)は道路135が存在することを示すためである。中央分離帯指示ポール移動溝は中央分離帯指示ポール132が移動できる程度の幅を有する。この中央分離帯指示ポール移動溝131の上は車が通るので、余り大きな溝を形成することはできず、溝幅は10mm〜50mmが良い。溝幅が小さすぎるとポールが移動しにくい。溝幅が大きすぎると道路がでこぼこして車の振動が大きくなるとともに、ごみや埃、雨などが道路135下空間136へ入り易くなる。ごみや埃、雨などが入らないようにゴム膜で覆い、そのゴム膜には中央分離帯指示ポール132の移動方向に切れ目を入れて、中央分離帯指示ポール132が移動可能にしても良い。また、空間136へ雨などが入った場合に雨水や埃やゴミが出やすいように、空間136の下部に排水口を設けることもできる。
【0025】
中央分離帯指示ポール132は道路135表面より出ているが、中央分離帯であることが分かれば、それほど大きく出ている必要はない。従って、10mm以上出ていれば良い。もっと見易くするには100mm〜500mm以上出ていても良い。表示を見易くするために、蛍光塗料を塗布したり、黄色や赤など視認しやすい色付けをしても良い。LEDや有機ELなどの表示素子をつけて、中央分離帯指示ポール132の中を配線して電気を通せるようにして(特に夜間に)光らせるようにしても良い。また、中央分離帯は基本的には車が通らない所ではあるが、誤って車が通っても中央分離帯指示ポール132が損傷しないように、ゴム等のやわらない材料でできていると良い。特に20mm以上の長いポールの場合は、ゴム等のやわらない材料が良い。また、20mm以下であれば、比較的硬い材料、たとえば硬質プラスチック、アルミ、鉄等の金属製でも良い。
【0026】
中央分離帯指示ポール132は、通常の中央分離帯104に配置された状態(132−1)から、変更中央分離帯107−2−1や107−2−Sに配置された状態(132−2)の間で移動するが、その間に配置されたレール134を支持台133が移動する。支持台133は手動で動かすこともできるし、支持台133にモーターを取り付けて自動で動かしても良い。支持台133はレール134にベアリングを介して取り付ければ、ベアリングの回転によりスムーズに動かすことができる。支持台133をレール134に固定して、レール134を動かして支持台134を移動させることもできる。自動で動かす場合には、外部からの信号で動作させることもできるし、渋滞センサーと連動して自動的に動かすこともできる。
【0027】
接続中央分離帯107−2−Sは短い溝とレールで良い。(
図3(a))尚、レールを配置せずに、人が中央分離帯指示ポール132を中央分離帯104、107−2−1や107−2−Sに配置し移動することもできる。その場合は、中央分離帯指示ポール132としてポストコーンやA型バリケード等も使用できる。また、それらの配置場所に目印(たとえば、×印等の表示、道路の一部に窪みを形成)をつけておけば作業効率が上がる。これらを小型にすれば、レール移動でも可能である。指示ポール132の頭部に蛍光材料等の光に対して発光する発光材料を塗布しておけば、特に夜間に車のライトで光るので中央分離帯を認識しやすい。あるいは、頭部にLEDランプ等の電気的に発光する発光体を取り付けても良い。中央分離帯指示ポール132はその他車の通行に支障が無いような形状やサイズを取ることができ、一般には分離線標識体や分離線表示体と呼んでも良い。分離線とは、車線(レーン)同士の境界線を意味する。中央分離帯指示ポール(または分離線標識体や分離線表示体)が通る溝は標識体移動溝と呼んでも良い。
【0028】
これまで中央分離帯または中央分離線の移動について記載したが、一般の道路分離線の移動にも本発明は適用できることは言うまでもない。発光体の標示機能も一般の道路分離線にもあらかじめ設置しておけば簡単に分離線移動に適用できる。
【0029】
図5は、交差点手前に配置される標識板の進行表示の変更について説明する図である。通常この表示板は、道路の上に配置されており、比較的遠くからでも分かるようになっている。
図5(a)の表示板は、通常3車線道路における表示である。各レーンは破線でしきられており、各レーンに車の進行方向が矢印で示される。左側のレーン151は左折・直進表示、中央のレーン152は直進レーンで直進表示、右側のレーン153は右折レーンで右折表示となっている。これらの表示は、固定されているので、通常は青い表示板に白字で記載されている。右折レーンを変更する場合は、このような固定表示は使用できない。
【0030】
図5は、本発明で使用する交通標識板である。右折レーンが変更されると車線は4レーンになるので、
図5(a)に比較して1レーン(レーン154)分増え、その分標識板の大きさも大きくなる。その他に漢字で記載も付加される。さらにこの標識板の印や文字はLEDによるドット表示になる。レーン151の左折・直進表示およびレーン152の直進表示は固定されているので、通常の塗布表示でも良いが、他の表示と見え方を同じにした方が良い場合は、LEDによるドット表示にする。この表示は常に点灯することになる。レーン153は、直進・右折表示のLEDによるドット表示である。通常は右折専用であるから、右折表示のLEDによるドット表示156が点灯する。
【0031】
右折レーンがレーン154に変更すると直進表示のLEDによるドット表示155が点灯し、右折表示のLEDによるドット表示156は消えるようにする。右折ライン154に変更すると、右折ライン154における右折表示LEDによるドット表示157が点灯する。また、車線表示161もLEDドット表示にして、それを点灯させるようにして、車線154が増えたことが分かるようにする。他のレーンの車線表示もLEDドット表示にして常時点灯させても良いが、識別が容易であればLED表示にせず、塗布表示でも良い。またレーン153の下に表示される直進・右折の漢字表示158、159やレーン154の右折の漢字表示160もLED等の光表示にしておき、切り替えて点灯するようにする。LEDが点灯しないときは、見えないようにすることは当然である。このように、本発明の進行方向別通行区分標識をLEDドット表示等の光表示にすることによって、右折レーン変更に伴う通行区分の変更が短時間で自動的に可能となる。
【0032】
図6は、信号機の進行区分表示の変更について説明する図である。
図6(a)は従来の3車線方式の信号機である。
図6(b)は本発明の車線変更に対応した信号機である。進行方向区分表示171、172は固定されるので、LED表示でも良いし、塗布方式でも良い。右折レーン表示であった173は直進表示にも変更されるので、両方の表示176(直進)および177(右折)のLED表示として、右折専用のときは、直進表示176のLED点灯をしないで、右折表示177のLEDを点灯させる。右折レーンが174に変更したら、直進表示176のLED点灯をして、、右折表示177のLEDを点灯させないようにすれば良い。右折レーンが174に変更したら、右折表示178のLEDを点灯させる。右折レーンが173に変更したら、右折表示178のLEDは点灯させないようにする。また、右折レーンが174の枠179についてもLEDドット表示するようにすればレーンが増えたことが分かるのでより識別しやすくなる。このように、本発明の進行方向別通行区分標識を信号機に適用でき、それらの進行区分表示をLEDドット表示等の光表示にすることによって、右折レーン変更に伴う通行区分の変更が短時間で自動的に可能となる。尚、上記の
図6に示す信号機の変更は必要がないときは行なわなくても良い。
【0033】
図7は、中央分離帯変更方法の
図3に示した場合とは別の実施形態を示す図であり、昇降方式の分離線標識体を示す図である。
図7に示す方式ではレールを使わずにリフトアップ(ダウン)(昇降)式の(中央)分離線標識体(以下、リフトアップ式中央分離線標識体と称する)を使用する。リフトアップ式中央分離線標識体も分離線標識体の1つである。
図7(a)はリフトアップ式中央分離線標識体200が道路上に出ている状態を示す図である。道路222下の地面等221に穴(空間)(リフトアップ式中央分離線標識体収納室)210を設けてその中に支持台209、支持台上に標識体の表示部201を昇降させるときのガイドとなる昇降用ガイドレール208が備わる。表示部201の上部および下部に上部道路蓋206および下部道路蓋207が取り付けられている。リフトアップ式中央分離線標識体収納室210上の道路222にはリフトアップ式中央分離線標識体200を出し入れするための穴(リフトアップ式中央分離線標識体出入用穴)213が空いているが、リフトアップ式中央分離線標識体200の表示部201が道路上に出ているときには、下部道路蓋207がこのリフトアップ式中央分離線標識体出入用穴213に嵌まるようになっている。水や埃等がこの穴213から入ってリフトアップ式中央分離線標識体収納室210を汚さないように下部道路蓋207とリフトアップ式中央分離線標識体出入用穴213との隙間が小さい方が望ましい。あるいは、
図7(a)に示すようにシール材212を穴213の道路212側面に配置して、下部道路蓋207とシール材212を密着させて、水や埃等がリフトアップ式中央分離線標識体収納室210へ入らないようにすることができる。あるいは、下部道路蓋207と道路222との接触面において、両方または片方に弾性部材(たとえば、ゴムやウレタン等の高分子材料)を取り付けておけば、下部道路蓋207と道路222との接触面に隙間をなくすことができるので、水や埃等が侵入しにくくできる。収納室210の周囲は耐湿性強化プラスチック、各種耐湿性セラミック、鉄やアルミニウム等の金属からなる枠体にしておけば、地面から水分等が侵入することはない。
【0034】
リフトアップ式中央分離線標識体200の表示部201は断面が円形、矩形(長方形、正方形)、三角形、多角形、楕円形等の曲線形状等の柱状である。表示部201の上部202はたとえば、走行車線を示す矢印等203を表示することができ、表示部201の下部204はたとえば文字等205を表示することができる。この矢印や文字等は蛍光塗料で記載すれば夜間でも車のライトや交差点や道路等に取り付けられている照明によって識別できる。あるいは、LED等で標示すれば、夜間でも識別可能である。電源はリフトアップ式中央分離線標識体200に備える蓄電池や、外部から供給できる。上部道路蓋206にも蛍光塗料を塗布したり、LED等の標示灯を取り付けることもできる。LEDは夜間は白色や黄色等が見やすい。昼間は赤や青が見易い。両方を組み込んで夜間と昼間など時間によって、または雨や雪等の天候によって切り替えて良い。また、白色ポストコーンタイプにすれば昼夜識別しやすい。
図7の左側の文字が記載された標識体200は分離線の先頭の方に配置する先頭標識体でたとえば中央線であることを明示している。
図7の右側の文字が記載されていない標識体200は先頭標識体の後に配置する通常標識体である。
【0035】
リフトアップ式中央分離線標識体200を道路上に配置しないときには、柱状の表示部201を昇降用ガイドレール208を使って下げて、
図7(b)に示すように、標識体収納室210へ収納する。柱状の表示部201を下降させる方法は種々の方法を採用できる。たとえば、昇降用ガイドレール208自体を下降させる方法がある。これはたとえば、支持台209に取り付けたモーターで昇降用ガイドレール208を下方に動かして実現できる。また、昇降用ガイドレール208を入れ子型にしてモーターで長さを縮める方法がある。また、柱状の表示部を内部が空洞の筒状にして昇降用ガイドレール208を柱状の表示部の内側に入れる方法がある。たとえば、柱状の表示部内部にモーター車を配置して昇降用ガイドレール208に沿ってモーター車を移動させれば良い。昇降用ガイドレールではなく、たとえば、伸縮自在のパンタグラフ方式を使用して昇降することもできる。
図7(b)はリフトアップ式中央分離線標識体200を標識体収納室210へ収納した状態を示す図である。上部道路蓋206がリフトアップ式中央分離線標識体出入用穴213に嵌まり、道路222と上部道路蓋206の上面がほぼ平坦となる。従って、この上を車が問題なく走行できる。このときも、シール材212を配置しておけば、水や埃が標識体収納室210へ入り込むことはない。昇降途中で水等が入り込む場合があるので、標識体収納室210下部に排水溝等を設けておくことが望ましい。
【0036】
上部道路蓋206や下部道路蓋207の形状は、種々の形状を取ることができる。たとえば、三角形、矩形、多角形、円形、楕円形等の曲線形状であり、適宜選択できる。大きさは当然表示部のサイズより大きくなる。上部道路蓋206や下部道路蓋207の厚みは道路222と同程度かそれよりも厚くするのが良い。道路222と確実に重なるようにすることによって、水分等の侵入を抑えることができる。破線211で示すように標識体収納室210を含む箱型のモジュールにすれば、このモジュール毎に交換も可能であり、故障時に対応が容易である。表示部の大きさは、運転者が識別可能な程度の大きさがあれば良い。良く識別できるようにするには大きい方が良いが、電動で動かすには小型の方が良い。その目的や用途に合った大きさにすれば良い。良く識別できるようにするには、たとえば300mm〜200mmの高さで、横60mm、縦20mmの長方形状の白色ポストコーンは識別性が良い。道路蓋の材料は鉄ヤアルミ等の金属製、強化プラスチック、あるいはゴム等の弾力性を有する部材でも良い。(中央)分離線の移動が始まると、たとえば車両に対して先頭標識体からゆっくり順番に後方に向かいリフトアップしていく。(中央)分離線を前の(中央)分離線に戻す時には、後方から順番にリフトダウンしていき、先頭標識体をリフトダウンして収納室への格納をもって移動終了となる。
【0037】
図7(c)は、伸縮自在の表示部201を有する標識体を示す図であり、標識体収納室210に表示部201が収納されている状態を示す。表示部201が標識体収納室210に収納されているときは小さくできるので。標識体収納室210が小さくでき、またモジュール211も小型にできる。表示部201を伸縮自在にする方法も種々採用できる。たとえば、アコーディオンタイプにしてエアーで膨らませる方式がある。この場合、たとえば、標識体収納室210等にコンプレッサー等を設置してエアーを供給する。あるいは、表示部201の内部に伸縮自在のパンタグラフ式昇降機構やXリンク式昇降機構等を備えて電動で伸縮させるという方法もある。あるいは、ばねを用いて伸縮させる方法がある。その他の既知の伸縮方法も本発明に使用できる。表示部201の頭部に上部道路蓋206を載せておくと重くなる場合には、
図7(c)に示すように上部道路蓋206を開閉式にしておけば良い。(このときは、上部道路蓋と呼ばずに道路開閉蓋で良い。)開閉式上部道路蓋206も電動で開閉できる。リフトアップ式中央分離線標識体出入用穴213は塞いだ方が良いので、下部道路蓋207は昇降用ガイドレール208を使って昇降させるが、昇降用ガイドレール208の長さは
図7(a)で示す場合よりもかなり短くて良い。尚、
図5(a)、(b)で示す場合も開閉式上部道路蓋206を使用できる。
【0038】
図8は、Xリンク式昇降機構を示す図である。Xリンク式昇降機構の単位は平行プレートや平行フレーム231(231−1、2、3、4、5、6、7)の間に連結部(交叉軸)234で交叉するリンクアーム232および233で構成され、Xリンク式昇降機構は、これが1つまたは複数積み重なり作製される。たとえば、
図8に示すように、上部Xリンク式昇降機構229には上部道路蓋206と下部道路蓋207の間に3つの単位Xリンク式昇降機構が重なり、下部Xリンク式昇降機構230には下部道路蓋207と支持台209の間に2つの単位Xリンク式昇降機構が重なっている。上部Xリンク式昇降機構229の最上部の平行プレート231−1の上面に上部道路蓋206が取り付けられており、上部Xリンク式昇降機構229の最下部の平行プレート231−4の下面に下部道路蓋207が取り付けられている。
下部Xリンク式昇降機構230の最上部の平行プレート231−5の上面に下部道路蓋207が取り付けられており、下部Xリンク式昇降機構229の最下部の平行プレート231−7の下面は支持台209に取り付けられている。Xリンク式昇降機構は連結部(交叉軸)235を支点にしてリンクアーム232および233の両端が左右に移動して上下動できる。従って、リンクアーム232および233の両端の左右移動によって、各平行プレートや平行フレーム231(231−1、2、3、4、5、6、7)が上下し、それに伴い上部道路蓋206および下部道路蓋207も上下する。また、上部Xリンク式昇降機構は伸縮自在の表示部201の内側に収納されているので、表示部201も伸縮する。
図8(a)は標識体収納室210に表示部201が収納されている状態を示す図で、上部Xリンク式昇降機構229も下部Xリンク式昇降機構230も収縮している。この状態は、
図7(c)に示す状態である。
図8(b)は表示部201が道路上に出ている状態を示す図で、上部Xリンク式昇降機構229も下部Xリンク式昇降機構230も伸びている。リンクアーム232および233の両端の左右移動は電動モーターなどを取り付けて動かすことができる。また、各プレート231や連結部(交叉軸)などを電動モーターなどで上下動させることによってもリンクアーム232および233の両端を各プレート内で左右に動かすことができる。
【0039】
図8(c)および
図8(d)はパンタグラフ方式の単位昇降機構を示す図である。
平行プレート231の間にパンタグラフフレーム236が取り付けられている。パンタグラフフレーム236を伸縮させて平行プレート231を上下できる。
図8(c)はパンタグラフフレーム236が伸びている状態を示す図で、
図8(d)はパンタグラフフレーム236が収縮している状態を示す図である。
図8(a)および(b)から分かるように、平行プレート231はなくても良く、リンクアーム232および233の両端を連結して、その連結部が左右に動くようにしても良い。また、
図8(c)および(d)から分かるように、平行プレート231はなくても良く、パンタグラフフレーム236の上下端を連結しても良い。そうすると、Xリンク式昇降機構にもパンタグラフフレーム部分が存在するので、Xリンク式昇降機構とパンタグラフ方式の昇降機構は類似しているのが分かる。
図7および
図8に示すように、標識体の表示部201の内部に昇降機構等の可動部や電気系統を収納することによって、これらは標識体の表示部201の枠体によって囲まれているので、水分や埃等からこれらを防止することもできる。昇降用ガイドレール208や下部昇降機構等の可動部も伸縮自在の枠体で囲んでおけば同様の効果がある。
【0040】
図7および
図8に示す昇降(リフトアップダウン)方式の標識体は、
図3に示すような道路面に溝を形成する必要はなく、また道路下にレールを配置する必要もない。モジュール化して道路に埋め込んでおけば良い。中央分離線を移動するときには、中央分離線を表示し道路表面から出ている標識体のある交差点や信号機(E交差点等)より一つ後(進行方向の後)の信号機や交差点(F交差点等)内の信号機のすべてを赤にして車を一時停止させる。次に、E交差点等の走行車線から全ての車がなくなったことを渋滞センサー等で検知した後で、E交差点等の信号をすべて赤にして反対車線の車が無いことを渋滞センサー等で検知する。次に中央分離線の道路表面から出ている標識体をダウンさせて、新たに中央分離線になる所の全ての昇降用標識体をリフトアップさせた後、E交差点等内やレーン内の道路面の車線標示(直進、右折、左折)を適正に切り替える。昇降用標識体をリフトアップダウンおよび道路面標示の切り替えがすべて完了したら、E交差点等の信号機を正常に戻すとともに、F交差点等の信号も正常な状態に戻す。また、昇降方式の標識体と
図3に示すレール式の標識体を組み合わせても良い。たとえば。交差点の先頭から5本目くらいまでの標識体をレール式とし、それらの後の標識体を昇降式にする。E交差点等の1つ後のF交差点等の信号を全て赤にし、反対車線に停止車なしを確認した上で、先頭標識体から順にレール式標識体をそれらの表示を発光させながら移動する。次にそれらの後の昇降式標識体をリフトアップする。全部の標識体の移動および昇降を完了した後で、F交差点等の信号を青にして車を進行させる。
【0041】
上記では右折レーンを有する交差点における右折レーンの切換えシステムについて説明してきたが、簡単に分かるように、左折レーンの切り替えや、一般の道路における車線位置の変更にも本発明の右折レーンの切換えシステムを応用できる。たとえば、一方向車線および反対方向車線を有する両車線道路において、一方向車線(A車線)だけが渋滞し、反対方向車線(B車線)が空いていることが良くある。B車線が2車線以上あれば、B車線のうちの1つをA車線に切り替えれば、A車線の車の流れが良くなる。本発明の切換えシステムを使用すれば簡単にその車線切換えができる。従って、本発明は一般に道路レーン切換えシステムと呼ぶことができる。
【0042】
すなわち、本発明は、上り車線および下り車線の両方の車線を有する両側走行車線および両側走行車線の間に分離線を有し、前記分離線に両側走行車線の間を識別する分離線標識体を有する道路において、前記分離線を移動して道路レーンを切り換えるシステム(道路レーン切換えシステム)でああり、さらに移動前の分離線(移動前分離線)と移動後の分離線(移動後分離線)との間の道路下にレールが配置された空間(レール配置道路下空間)を設置するとともに、移動前分離線と移動後分離線との間の道路に前記レール配置道路下空間に接続する溝(標識体移動溝)が形成され、分離線標識体がレールに移動可能に設置されて、前記分離線標識体がレール上を標識体移動溝に沿って移動することによって、前記分離線標識体を移動前分離線および移動後分離線に配置可能とした道路レーン切換えシステムである。
【0043】
本発明の道路レーン切換えシステムを適用することによって、渋滞が解消するので、渋滞に伴う莫大な損失を解消することができ、ドライバー等の精神的苦痛も解消できる。時間帯によって道路の進行方向を変更したり、車の通行を止めたり、土日祝日などに進入禁止、あるいは事故車線規制などを行なうときも本発明の道路レーン切換えシステムを適用することができる。たとえば、スクールゾーンが設定されている道路では、スクールゾーンの道路内や頭上や信号機や標識に上述した本発明の道路レーン切換えシステムに用いられる種々の装置を使用できる。本発明の道路レーン切換えシステムは道路レーンを変更するだけなので、全体の道路幅を広げて道路レーン(車線)を増やすことがなく、道路の全体面積の効率的な活用を行なうことができる。尚、本発明の道路レーン切換えシステムの実施者は道路管理者の資格持っている者または警察や自治体から許可を取っているものであることが望ましい。何故なら、道路は国・都道府県・市町村等の自治体の管理・監督になっているからである。尚、本明細書において、明細書のある部分に記載し説明した内容について記載しなかった他の部分においても矛盾なく適用できることに関しては、当該他の部分に当該内容を適用できることは言うまでもない。さらに、前記実施形態は一例であり、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施でき、本発明の権利範囲が前記実施形態に限定されないことも言うまでもない。
【解決手段】本発明は、両側走行車線および両側走行車線の間に分離線を有し、前記分離線に両側走行車線の間を識別する分離線標識体を有する道路において、前記分離線を移動して道路レーンを切り換えるシステム(道路レーン切換えシステム)であって、移動前の分離線(移動前分離線)と移動後の分離線(移動後分離線)との間の道路下にレールが配置された空間(レール配置道路下空間)を設置するとともに、移動前分離線と移動後分離線との間の道路に前記レール配置道路下空間に接続する溝(標識体移動溝)が形成され、分離線標識体がレールに移動可能に設置されて、前記分離線標識体がレール上を標識体移動溝に沿って移動することによって、前記分離線標識体を移動前分離線および移動後分離線に配置可能とした道路レーン切換えシステムである。