(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1、2、3または4記載の通信装置であって、 前記案内ポイントは、少なくとも、前記誘導ルートの終点と、前記誘導ルートに従って走行した場合の進路変更地点とを含むことを特徴とする通信装置。
各時点において、移動通信網の無線基地局のうちの、当該時点において無線通信可能な無線基地局に接続する移動通信装置を備えたコンピュータによって読み取られ実行されるコンピュータプログラムであって、
前記移動通信装置は、接続した無線通信可能な前記無線基地局から当該無線基地局の位置を表す基地局座標を取得するものであり、
当該コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、
経路案内を行うナビゲーション機能部と、
ナビゲーション機能省電力化処理部として機能させ、
前記ナビゲーション機能部は、当該通信装置の現在位置を算出し、前記経路案内で誘導するルートである誘導ルート上に設定した要案内地点である案内ポイントに前記現在位置が接近したときに、当該接近した案内ポイントに関する案内を出力し、
前記ナビゲーション機能省電力化処理部は、前記誘導ルートに従って走行した場合に次に到達する前記案内ポイントまでの距離が予め設定した距離である停止基準距離以上である場合に、前記次に到達する前記案内ポイントもしくは当該次に到達する前記案内ポイント手前の地点を当該案内再開ポイントとして設定して、前記ナビゲーション機能部の動作を停止し、その後、前記移動通信装置が取得した前記基地局座標と、前記案内再開ポイントとの距離が所定の距離である再開基準距離以内となったときに、前記ナビゲーション機能部の動作を再開させることを特徴とするコンピュータプログラム。
各時点において、移動通信網の無線基地局のうちの、当該時点において無線通信可能な無線基地局に接続する移動通信装置を備えたコンピュータによって読み取られ実行されるコンピュータプログラムであって、
前記移動通信装置は、接続した無線通信可能な前記無線基地局から当該無線基地局の位置を表す基地局座標を取得するものであり、
当該コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、
経路案内を行うナビゲーション機能部と、
ナビゲーション機能省電力化処理部として機能させ、
前記ナビゲーション機能部は、当該通信装置の現在位置を算出し、前記経路案内で誘導するルートである誘導ルート上に設定した要案内地点である案内ポイントに前記現在位置が接近したときに、当該接近した案内ポイントに関する案内を出力し、
前記ナビゲーション機能省電力化処理部は、前記誘導ルートに従って走行した場合に次に到達する前記案内ポイントに至るまでの所要時間の推定値が所定時間長以上である場合に、前記次に到達する前記案内ポイントもしくは当該次に到達する前記案内ポイント手前の地点を当該案内再開ポイントとして設定して、前記ナビゲーション機能部の動作を停止し、その後、前記移動通信装置が取得した前記基地局座標と、前記案内再開ポイントとの距離が所定の距離である再開基準距離以内となったときに、前記ナビゲーション機能部の動作を再開させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
さて、経路案内を行うナビゲーション機能を備えた装置において、上述の技術のように、経路案内の必要の無い期間の開始時に、ナビゲーション機能の実行を終了し、経路案内の必要の無い期間の終了時直前の時点において、ナビゲーション機能を再起動する場合、以下のような問題が生じる。
【0007】
すなわち、ナビゲーション機能を再起動する時点を、次に経路案内の必要が生じる予測時刻とした場合には、実際に経路案内の必要が生じる時刻を前もって予想することは困難であるために、経路案内の必要が生じた時点において経路案内を行えなくなることがある。
【0008】
また、ナビゲーション機能を再起動する時点を、次に経路案内の必要が生じる地点周辺に当該装置が到達した時点とする場合には、次の問題が生じる。
すなわち、上述のように、ナビゲーション機能の停止期間中、当該装置において自身の現在位置を算出し続けて外部のシステムに通知する場合には、ナビゲーション機能の停止期間中も、その現在位置の算出のための装置の電力消費が、ナビゲーション機能のためだけの電力消費として生じることとなる。また、特段の外部のシステムを新たに設置する必要もある。
【0009】
また、上述のように、外部のシステムにおいて、移動電話端末である装置に対して移動電話網を運営する通信事業者が管理している当該装置の位置と通知を受ける場合にも、そのような特段の外部のシステムを新たに設置する必要が生じる。また、通常、当該移動電話端末である装置以外は、当該装置の位置の情報の提供を、当該通信事業者より直接受けることはできないため、そのような外部のシステムを実現することは、現実的には困難である。
【0010】
そこで、本発明は、新たな外部のシステムを必要とすることなしに、経路案内を行うナビゲーション機能を備えた装置の、さらなる省電力化を図ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題達成のために、本発明は、ナビゲーション機能と移動通信機能とを備えた通信装置に、各時点において、移動通信網の無線基地局のうちの、当該時点において無線通信可能な無線基地局に接続する移動通信装置と、経路案内を行うナビゲーション機能部と、ナビゲーション機能省電力化処理部とを設けたものである。ここで、前記移動通信装置は、接続した無線通信可能な前記無線基地局から当該無線基地局の位置を表す基地局座標を取得するものであり、前記ナビゲーション機能部は、当該通信装置の現在位置を算出し、前記経路案内で誘導するルートである誘導ルート上に設定した要案内地点である案内ポイントに前記現在位置が接近したときに、当該接近した案内ポイントに関する案内を出力するものであり、前記ナビゲーション機能省電力化処理部は、前記誘導ルートに従って走行した場合に次に到達する前記案内ポイントまでの距離が第1の所定距離以上である場合に、前記次に到達する前記案内ポイントもしくは当該次に到達する前記案内ポイント手前の地点を当該案内再開ポイントとして設定して、前記ナビゲーション機能部の動作を停止し、その後、前記移動通信装置が取得した前記基地局座標と、前記案内再開ポイントとの距離が所定の第2の距離以内となったときに、前記ナビゲーション機能部の動作を再開させるものである。
【0012】
ここで、以上のような通信装置のナビゲーション機能省電力化処理部は、前記動作に代えて、前記誘導ルートに従って走行した場合に次に到達する前記案内ポイントに至るまでの所要時間の推定値が所定時間長以上である場合に、前記次に到達する前記案内ポイントもしくは当該次に到達する前記案内ポイント手前の地点を当該案内再開ポイントとして設定して、前記ナビゲーション機能部の動作を停止し、その後、前記移動通信装置が取得した前記基地局座標と、前記案内再開ポイントとの距離が所定の第2の距離以内となったときに、前記ナビゲーション機能部の動作を再開させる動作を行うようにしてもよい。
【0013】
また、以上の通信装置は、前記ナビゲーション機能省電力化処理部において、前記ナビゲーション機能部の動作を停止した後、前記移動通信装置が取得した前記基地局座標と、前記誘導ルートとの距離が所定の第3の距離超となったときに、前記ナビゲーション機能部の動作を再開させるように構成してもよい。
【0014】
また、以上の通信装置は、前記ナビゲーション機能省電力化処理部において、前記ナビゲーション機能部の動作を停止した後、所定の期間が経過したならば、前記ナビゲーション機能部の動作を再開させるように構成してもよい。
なお、以上の通信装置において、前記案内ポイントは、少なくとも、前記誘導ルートの終点と、前記誘導ルートに従って走行した場合の進路変更地点とを含むものとすることが好ましい。
ところで、以上の通信装置は、前記ナビゲーション機能部を、前記経路案内を行う処理が記述されたナビゲーションアプリケーションプログラムを当該通信装置上で実行することによって実現するものとして構成することもでき、この場合、前記ナビゲーション機能省電力化処理部は、前記ナビゲーションアプリケーションプログラムの実行を終了することにより、前記ナビゲーション機能部の動作の停止を行い、前記ナビゲーションアプリケーションプログラムを起動することにより、前記ナビゲーション機能部の動作の再開を行うようにする。
【0015】
また、この場合において、通信装置が、前記ナビゲーション機能部が前記現在位置の算出に用いるGPS受信機を備えるものである場合には、前記ナビゲーション機能省電力化処理部において、前記ナビゲーション機能部の動作の停止を行う際に、前記GPS受信機の動作も停止し、前記ナビゲーション機能部の動作の再開を行う際に前記GPS受信機の起動も行うようにしてもよい。
【0016】
なお、このような記載の通信装置においては、前記ナビゲーション機能省電力化処理部の前記ナビゲーション機能部の動作を停止する機能は、前記ナビゲーションアプリケーションプログラムに、当該ナビゲーションアプリケーションプログラムの機能の一つとして組み込むようにしてもよい。
【0017】
以上のような通信装置によれば、案内を行わない区間/時間が長くなる場合には、次に案内を行う時点の手前の時点まで、現在位置の算出の機能を含むナビゲーション機能を停止するので、ナビゲーション機能の実行に必要な電力消費を、より抑制することができるようになる。
【0018】
また、本発明は、ナビゲーション機能の再開に必要な現在位置の算出を、移動通信装置が通常備えている、接続した無線基地局から当該無線基地局の位置を表す基地局座標を取得する機能を利用して行うので、特段に新たな外部のシステムを必要とすることもない。
【0019】
なお、以上のような、基地局座標は、移動通信装置の移動通信機能の維持のための処理に伴って、ナビゲーション機能の有無や実行の如何に関わらずに取得されるものであるので、ナビゲーション機能の停止中に行う基地局座標の取得に要する電力消費は、通信装置の消費電力を増加させものとはならない。
【発明の効果】
【0020】
以上のように、本発明によれば、新たな外部のシステムを必要とすることなしに、経路案内を行うナビゲーション機能を備えた装置の、さらなる省電力化を図ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態についてスマートフォン(多機能型携帯電話)への適用を例にとり説明する。
図1に、本第1実施形態に係るスマートフォンの構成を示す。
スマートフォン1は、ユーザによって携帯されるモバイル装置であり、内蔵したバッテリを動作電力として動作する。
また、スマートフォン1は、図示するように、移動電話網にアクセスするための移動通信装置101、ジャイロセンサ102、GPS受信機103、記憶装置104、ディスプレイ105の表示を制御する表示制御部106、ディスプレイ105の表示面上に重ねて配置されたタッチパネルと操作ボタンよりなる操作部107、マイク108やスピーカ109を用いた音声入出力を行う音声入出力部110、外部装置と有線または近距離無線による相互通信を行う外部インタフェース111、スマートフォン1のオペレーティングシステム112、オペレーティングシステム112によって管理されオペレーティングシステム112上で稼働する複数のアプリケーションを備えている。
【0023】
そして、本スマートフォンは、オペレーティングシステム112上で稼働するアプリケーションとして、移動電話アプリケーション121、ナビゲーションアプリケーション122、省電力コントロールアプリケーション123、その他のアプリケーション124を備えている。
【0024】
また、各アプリケーションは、オペレーティングシステム112を介して、移動通信装置101やジャイロセンサ102やGPS受信機103や記憶装置104や表示制御部106や操作部107や音声入出力部110や外部インタフェース111の機能を利用することができる。
【0025】
ただし、スマートフォン1は、ハードウエア的には、CPUやメモリなどを備えたコンピュータを用いて構成されるものあり、オペレーティングシステム112や、各アプリケーションなどは、当該コンピュータが、所定のコンピュータプログラムを実行することにより実現されるものである。
【0026】
ここで、
図2に示すように、移動通信装置101は、各地に設置されている移動電話網200の無線基地局300のうち、スマートフォン1の位置を通信エリア内に含む無線基地局300と無線通信を行うことにより移動電話網200に接続することができる。また、移動通信装置101は、自身がどの無線基地局300の通信エリア内に存在するかを移動電話網200に通知するためなどに、定期的に、または、自身がその内に位置する通信エリアが変化したときに、自身がその内に位置する通信エリアの無線基地局300と接続し情報を交換する。また、この際に、移動通信装置101は、接続した無線基地局300から、当該無線基地局300の経緯度座標である基地局座標(xi、yi)を簡易位置情報として取得することができる。なお、移動通信装置101は、たとえば、最も電波の受信状態が良好な無線基地局300の通信エリアを、自身がその内に位置する通信エリアとして決定する。
【0027】
ここで、移動通信装置101が無線基地局300より簡易位置情報として取得する基地局座標(xi、yi)は、簡易的に移動通信装置101の現在位置の座標として用いることができ、その精度は、各無線基地局300の通信エリアの大きさに依存し、およそ、数百mから数kmとなる。
【0028】
また、外部インタフェース111は、たとえば、自動車に搭載された車載システム400と無線接続するためのインタフェースであり、車載システム400と接続時には、この外部インタフェース111を介して、スマートフォン1のオペレーティングシステム112や各アプリケーションは、表示制御部106を介してディスプレイ105に表示する画像を、車載システム400が備える表示装置に表示したり、音声入出力部110を介してスピーカ109から出力する音声を車載システム400が備える音声出力装置から出力することができる。
【0029】
そして、スマートフォン1の、移動電話アプリケーション121は、以上のような移動通信装置101や音声入出力部110や操作部107や表示制御部106の機能を利用しつつスマートフォン1を移動電話として機能させるアプリケーションである。
また、ナビゲーションアプリケーション122は、GPS受信機103やジャイロセンサ102を用いた現在位置や現在進行方向の算出を行う。また、ナビゲーションアプリケーション122は、以上のような移動通信装置101、移動電話網200を介してアクセス可能なナビゲーションサーバ500と通信を行い、ナビゲーションサーバ500が提供する、地図データを配信する地図データ提供サービスや、ルートの探索を行うルート探索サービスを利用しつつ、ユーザから設定された目的地までのユーザから設定された経由地を経由する誘導ルートの設定や、ユーザに対して当該地点への接近や当該地点の通過方向などを案内する地点である案内ポイントの設定を行う。ここで、設定した目的地や経由地や誘導ルートや案内ポイントの情報は誘導情報として記憶装置104に格納される。
【0030】
ここで、案内ポイントとしては、経由地、目的地、誘導ルートに従って走行した場合の進路変更地点(右左折など直進以外で通過する交差点)、誘導ルート上の道路の分岐地点(インタチェンジやY字交差点)などを設定する。
また、ナビゲーションアプリケーション122は、地図データが表す地図上に、現在位置や現在の進行方向を表す現在地マークや、誘導ルートを表したナビゲーション画面画像を生成し、表示制御部106を介してディスプレイ105に表示する処理なども行う。
【0031】
以下、このようなスマートフォン1において、ナビゲーションアプリケーション122が、誘導ルートが設定されている期間中行う経路案内処理について説明する。
図3に、この経路案内処理の手順を示す。
図示するように、この処理では、GPS受信機103やジャイロセンサ102を用いて算出されている現在位置の誘導ルートからの逸脱の発生と(ステップ302)と、現在位置の案内ポイントへの接近の発生(ステップ304)と、現在位置の案内不要区間始点への到達の発生(ステップ306)と、現在位置の目的地への到着の発生(ステップ308)とを監視する。
【0032】
ここで、ステップ306で現在位置の始点への到達を監視する案内不要区間とは、誘導ルート上の所定道程距離Lth(たとえば、3km)以上の連続した道路区間であって、当該道路区間内に案内ポイントが設定されていない区間である。当該案内不要区間には、たとえば、誘導ルートに沿って走行した場合に、所定道程距離Lth以上道なりに同じ道路を進むこととなる道路区間が該当する。そして、ステップ306では、現在位置から、誘導ルートに従って走行した場合に次に到達することになる案内ポイントまでの道程距離が所定道程距離Lth以上であるときに、現在位置の案内不要区間始点への到達の発生を検出する。
【0033】
ただし、案内不要区間は、誘導ルート上の所要走行時間が所定時間以上となる連続した道路区間であって、当該道路区間内に案内ポイントが設定されていない区間としてもよい。そして、この場合には、ステップ306では、現在位置から、誘導ルートに従って走行した場合に次に到達することになる案内ポイントまでの推定される所要走行時間が所定時間以上であるときに、現在位置の案内不要区間始点への到達の発生を検出する。なお、所要走行時間の推定は、現在位置から次に到達することになる案内ポイントまでの道程距離と、道路種別(たとえば、高速道や一般道)毎の平均的な走行速度や、現在の現在位置の移動速度などを考慮して行う。
【0034】
そして、現在位置の誘導ルートからの逸脱が発生していれば(ステップ302)誘導ルートと案内ポイントを再設定し(ステップ310)、ステップ302-308の監視に戻る。
ここで、ステップ310で行う誘導ルートと案内ポイントの再設定は、上述のようにナビゲーションサーバ500のルート探索サービスを利用して、取得した現在位置を始点として、未通過の経由地を経由して目的地に至る新たな誘導ルートと新たな誘導ルート上の案内ポイントを求め、記憶装置104に記憶されている誘導情報を更新することにより行う。
【0035】
次に、現在位置の案内ポイントへの所定距離(たとえば、300m)以内の接近が発生した場合には(ステップ304)、当該案内ポイントを案内する案内音声を音声入出力部110を介してスピーカ109から出力し(ステップ312)、当該案内ポイントの現在位置の通過を待って(ステップ314)、ステップ302-308の監視に戻る。ここで、ステップ314で出力する案内音声は、案内ポイントが経由地/目的地であれば、「300m先、経由地/目的地です」といった音声とし、案内ポイントが進路変更地点や分岐地点であれば、「300m先交差点、左方向です」といった音声とする。
【0036】
なお、ステップ314では案内音声の出力と共に、接近した案内ポイント周辺の拡大地図を当該案内ポイントにおける通過方向と共に表す案内画像などを、表示制御部106を介してディスプレイ105に表示する処理なども行うようにしてもよい。
次に、現在位置の案内不要区間始点への到達が発生した場合には(ステップ306)、設定されている案内ポイントのうち、誘導ルートに従って走行した場合に次に到達することになる案内ポイントから、誘導ルートに沿って所定道程距離(たとえば、1km)手前の地点の座標を案内再開ポイントとして記憶装置104に記憶する(ステップ316)。ただし、ステップ316では、誘導ルートに従って走行した場合に次に到達することになる案内ポイントを、案内再開ポイントとして記憶装置104に記憶するようにしてもよい。
【0037】
そして、オペレーティングシステム112を介してGPS受信機103の動作を停止し(ステップ318)、省電力コントロールアプリケーション123を起動する(ステップ320)。そして、ナビゲーションアプリケーション122の実行終了をオペレーティングシステム112に要求し(ステップ322)、経路案内処理を終了する。ただし、ステップ318の実行時にGPS受信機103を、ナビゲーションアプリケーション122以外のアプリケーションが使用中である場合には、当該ステップ318においてGPS受信機103の動作を停止しないようにしてもよい。
【0038】
ここで、ナビゲーションアプリケーション122の実行終了を要求されたオペレーティングシステム112は、要求に応答して、ナビゲーションアプリケーション122の実行を終了する。
次に、現在位置の目的地への到着が発生した場合には(ステップ308)、経路案内処理を終了する。
以上、ナビゲーションアプリケーション122が、誘導ルートが設定されている期間中行う経路案内処理について説明した。
次に、以上の経路案内処理のステップ320で起動された省電力コントロールアプリケーション123が行う省電力制御処理について説明する。
図4に、この省電力制御処理の手順を示す。
図示するように、この省電力制御処理では、まず、所定のタイムアウト時間(たとえば、5分)を持つタイマをスタートする(ステップ402)。
そして、オペレーティングシステム112を介して、移動通信装置101が、過去最後に無線基地局300から受信した最新の基地局座標(xi、yi)を取得する(ステップ404)。
そして、タイムアウトの発生と(ステップ406)、取得した基地局座標(xi、yi)と誘導ルートとの最短距離の所定距離Th1(たとえば、3km)の超への変化の発生と(ステップ408)、取得した基地局座標(xi、yi)と案内再開ポイントとの距離の所定距離Th2(たとえば、1km)未満への変化の発生と(ステップ410)を調べる。
【0039】
ここで、案内再開ポイントの座標は、記憶装置104に記憶されている案内再開ポイントの座標を用いる。また、誘導ルートの情報は記憶装置104に格納されている誘導情報から取得する。
そして、いずれも発生していない場合には、ステップ404からの処理に戻る。
一方、いずれかが発生している場合には、オペレーティングシステム112を介してGPS受信機103を起動した上で(ステップ412)、オペレーティングシステム112を介してナビゲーションアプリケーション122を起動し(ステップ414)、省電力制御処理を終了する。
【0040】
ここで、このようにして起動されたナビゲーションアプリケーション122は、記憶装置104に格納されている誘導情報を用いた、
図3の経路案内処理を再開し、以降、案内ポイントに接近したならば、当該案内ポイントを案内する案内音声を出力する。
【0041】
以上、電力コントロールアプリケーションが行う省電力制御処理について説明した。
以下、以上のような経路案内処理と省電力制御処理によるスマートフォン1の動作例について説明する。
まず、第1の動作例について説明する。
いま、
図5aに示すように、現在位置501から目的地502に至る誘導ルート503として、地点511で道路504に進入し地点512で道路504から退出する経路が設定されているものとする。また、道路504上の地点511から地点512までの道程距離D1は、所定道程距離Lth(たとえば、3km)以上あるものとする。
この場合、地点511と地点512は、進路変更地点/分岐地点となるため案内ポイントに設定される。一方、地点511と地点512の間は同じ道路をみちなりに走行する区間となるため、地点511と地点512の間には案内ポイントは設けられない。
また、誘導ルート503上の道路504上の地点511から地点512までの道程距離D1は、所定道程距離Lth(たとえば、3km)以上あるために、案内不要区間となる。
この場合、誘導ルート503に沿ってスマートフォン1の現在位置が進み、案内ポイントに設定されている地点511に接近すると、経路案内処理によって、地点511における進路変更方向である右折を案内する案内音声が出力される。
そして、その後、
図5bに示すように、スマートフォン1の現在位置が地点511を通過した位置となると、経路案内処理によって、案内不要区間の始点の到達が検出され、誘導ルート503に沿って走行した場合に次に通過する案内ポイントである地点512の、誘導ルート503上の所定道程距離(たとえば、1km)手前の地点521が案内再開ポイントとして記憶される。そして、経路案内処理によって、GPS受信機103の動作が停止され、省電力コントロールアプリケーション123が起動され、ナビゲーションアプリケーション122の実行は終了される。
【0042】
そして、このようにして案内不要区間の始点(地点511通過直後の地点)で起動された省電力コントロールアプリケーション123は、省電力制御処理によって、移動通信装置101が無線基地局531-534から順次受信する基地局座標(xi、yi)を監視する。そして、現在位置が誘導ルート503に沿って進み、
図5cに示すように、案内再開ポイントとして記憶された地点521からの距離D2が所定距離Th2(たとえば、1km)以内に位置する無線基地局535から、その基地局座標(xj、yj)を受信したならば、省電力制御処理によって、GPS受信機103とナビゲーションアプリケーション122が起動され、省電力コントロールアプリケーション123は、その動作を停止する。
【0043】
結果、現在位置が案内不要区間の始点(地点511通過直後の地点)に到達した時点から、案内再開ポイント周辺の無線基地局535から基地局座標を移動通信装置101が受信するまでの間、GPS受信機103とナビゲーションアプリケーション122の動作は行われず、これら動作に要する電力消費を抑止する省電力化が図られる。
【0044】
次に、このようにして起動されたナビゲーションアプリケーション122は、同様に起動されたGPS受信機103を用いながら経路案内処理を再開し、誘導ルート503に沿ってスマートフォン1の現在位置が進み、案内ポイントとして設定されている地点512に接近すると、経路案内処理によって、地点512における進路変更方向である右折を案内する案内音声を出力する。
【0045】
結果、上述したGPS受信機103とナビゲーションアプリケーション122の動作停止による省電力化を行いつつも、各案内ポイントにおける音声案内の出力は、これを担保することができる。
なお、この後、誘導ルート503に沿ってスマートフォン1の現在位置が進み、目的地502に接近すると、経路案内処理によって、目的地の接近を案内する案内音声が出力される。また、その後、目的地に到着したならば、経路案内処理が終了する。
次に、第2の動作例について説明する。
いま、第1の動作例と同様に、
図5aのように誘導ルート503や案内ポイント511、512が設定されている状態において、
図5bに示すように、スマートフォン1の現在位置が地点511を通過した位置となって、経路案内処理によって、案内不要区間の始点の到達が検出され、道路504上の地点521が案内再開ポイントとして記憶された上で、GPS受信機103の動作が停止され、省電力コントロールアプリケーション123が起動され、ナビゲーションアプリケーション122の実行は終了されたものとする。
【0046】
そして、その後、
図6aに示すように、スマートフォン1の現在位置が誘導ルート503から逸脱して、道路601上を進んでいったものとする。
この場合、地点511通過直後の地点で起動された省電力コントロールアプリケーション123は、省電力制御処理によって、移動通信装置101が無線基地局531-533から順次受信する基地局座標(xi、yi)を監視する。そして、現在位置が誘導ルート503から逸脱して道路601を進み、移動通信装置101が、誘導ルート503からの距離D3が所定距離Th1(たとえば、3km)超離れている無線基地局602から、その基地局座標(xk、yk)を受信するようになったならば、省電力制御処理は、現在位置が誘導ルート503から逸脱したものと判定し、GPS受信機103とナビゲーションアプリケーション122とを起動する。
【0047】
そして、その後、起動されたナビゲーションアプリケーション122の経路案内処理において、誘導ルート503からの逸脱が検出され、新たな誘導ルート、案内ポイントが設定され、以降、設定された新たな誘導ルート、案内ポイントに従った経路案内が行われることとなる。
【0048】
次に、第3の動作例について説明する。
第3の動作例は、
図6bに示すように、第1の動作例において、案内不要区間の道程距離D1が長距離である場合についてのものである。
この場合、第1の動作例と同様に、スマートフォン1の現在位置が地点511を通過した位置となって、経路案内処理によって、案内不要区間の始点の到達が検出され、道路504上の地点521が案内再開ポイントとして記憶された上で、GPS受信機103の動作が停止され、省電力コントロールアプリケーション123が起動され、ナビゲーションアプリケーション122の実行は終了される。
【0049】
そして、その後、起動された省電力コントロールアプリケーション123は、省電力制御処理によって、移動通信装置101が各無線基地局から順次受信する基地局座標の監視と、タイマを用いた案内不要区間進入後の経過時間の計測を行う。そして、現在位置が案内不要区間内の地点621まで到達した時点で、経過時間が所定時間を超えたならば、無条件にGPS受信機103とナビゲーションアプリケーション122とが起動されることとなる。
【0050】
ここで、このようにGPS受信機103とナビゲーションアプリケーション122の動作停止を所定期間以上継続しないようにするのは、省電力制御処理による誘導ルート逸脱や案内再開ポイント接近の検出に検出漏れが発生した場合における、以降の長期間に渡るGPS受信機103とナビゲーションアプリケーション122の動作停止状態の継続の防止や、GPS受信機103とナビゲーションアプリケーション122の動作停止中の、各種状況の変化(たとえば、渋滞状況の変化)に対するナビゲーションアプリケーション122による対応(たとえば、渋滞状況の変化に応じた誘導ルートの変更)の遅れを抑制するためである。
【0051】
以上、本発明の実施形態について説明した。
以上のように本実施形態によれば、案内不要区間の始点から案内不要区間の終点手前地点の間において、GPS受信機103やナビゲーションアプリケーション122を停止するので、ナビゲーション機能のために必要な電力消費を、効果的に抑制することができるようになる。
また、本発明は、GPS受信機103やナビゲーションアプリケーション122の再開に必要な現在位置の算出を、移動通信装置101が通常備えている、接続した無線基地局300から当該無線基地局300の位置を表す基地局座標を取得する機能を利用して行うので、特段に新たな外部のシステムを必要とすることもない。
【0052】
また、以上のような、基地局座標は、移動通信装置101の移動通信機能の維持のための処理に伴って、ナビゲーション機能の有無や実行の如何に関わらずに取得されるものであるので、GPS受信機103やナビゲーションアプリケーション122の停止中に行う基地局座標の取得に要する電力消費は、モバイル装置の消費電力を増加させものとはならない。
【0053】
ところで、以上の実施形態では、
図3に示した経路案内処理のステップ322でナビゲーションアプリケーション122の実行を終了し、
図4に示した省電力制御処理のステップ414でナビゲーションアプリケーション122を起動するようにしたが、これは、ナビゲーションアプリケーション122の動作モードに、待ち受けモードの解除の受付の処理のみを行い他の処理を行わない待ち受けモードを設け、
図3に示した経路案内処理のステップ322でナビゲーションアプリケーション122を待ち受けモードに設定し、
図4に示した省電力制御処理のステップ414でナビゲーションアプリケーション122の待ち受けモードの解除を行うようにしてもよい。
【0054】
また、
図3に示した経路案内処理のステップ318では、GPS受信機103と共にジャイロセンサ102の動作を停止し、
図4に示した省電力制御処理のステップ412でGPS受信機103と共にジャイロセンサ102を起動するようにしてもよい。
また、以上の実施形態では、省電力制御処理をアプリケーションとしてスマートフォン1に設けた省電力コントロールアプリケーション123において行うようにしたが、当該省電力制御処理は、オペレーティングシステム112においてこれを行うようにしてもよい。
【0055】
または、省電力制御処理は、ナビゲーションアプリケーション122の機能ブロックの一つにおいて行うようにしてもよく、この場合には、
図3に示した経路案内処理のステップ322では、省電力制御処理を行う機能ブロック以外のナビゲーションアプリケーション122の機能ブロックの実行を終了し、
図4に示した省電力制御処理のステップ414では、経路案内処理のステップ322で実行を停止した各機能ブロックの実行を再開するようにする。
なお、以上では、スマートフォンへの適用を例にとり説明したが、本実施形態は、移動電話機(携帯電話)や、車載のナビゲーション装置など、移動通信機能とナビゲーション機能とを備えた任意の装置に同様に適用することができる。