特許第6090869号(P6090869)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6090869
(24)【登録日】2017年2月17日
(45)【発行日】2017年3月8日
(54)【発明の名称】共押出しされた極薄フィルム
(51)【国際特許分類】
   B29C 47/06 20060101AFI20170227BHJP
   B32B 27/00 20060101ALI20170227BHJP
   B32B 27/30 20060101ALI20170227BHJP
   C08J 5/22 20060101ALI20170227BHJP
   C08J 7/12 20060101ALI20170227BHJP
【FI】
   B29C47/06
   B32B27/00 Z
   B32B27/30 D
   C08J5/22 101
   C08J7/12 ACEW
【請求項の数】12
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-546250(P2014-546250)
(86)(22)【出願日】2012年12月19日
(65)【公表番号】特表2015-507551(P2015-507551A)
(43)【公表日】2015年3月12日
(86)【国際出願番号】CA2012001173
(87)【国際公開番号】WO2013091073
(87)【国際公開日】20130627
【審査請求日】2015年11月13日
(31)【優先権主張番号】61/577,138
(32)【優先日】2011年12月19日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595006223
【氏名又は名称】ナショナル リサーチ カウンシル オブ カナダ
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(74)【代理人】
【識別番号】100148596
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 和弘
(72)【発明者】
【氏名】モクリーニ, アスマエ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァション, フランソワ
(72)【発明者】
【氏名】デュフール, ジャックス
【審査官】 辰己 雅夫
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−071361(JP,A)
【文献】 特表2005−507804(JP,A)
【文献】 特開2002−231269(JP,A)
【文献】 特開昭57−095417(JP,A)
【文献】 特開昭62−169622(JP,A)
【文献】 特表昭58−501630(JP,A)
【文献】 国際公開第83/002462(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C47/00−47/96
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
イオン交換前駆体樹脂膜を製造するためのプロセスであって、
イオン交換前駆体樹脂を非相溶性ポリマーと共押出しして、前記非相溶性ポリマーの層に支持された前記イオン交換前駆体樹脂の層を有する多層フィルムを形成するステップと、
前記イオン交換前駆体樹脂の層から前記非相溶性ポリマーの層を除去して前記イオン交換前駆体樹脂膜をもたらすステップと
を含むプロセス。
【請求項2】
前記共押出しがブローフィルム押出し又はメルトブローによって実現される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記イオン交換前駆体樹脂がペルフルオロスルホン酸(PFSA)樹脂の非イオン形態を含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項4】
前記PFSA樹脂がスルホン化テトラフルオロエチレン系フルオロポリマー−コポリマーを含む、請求項3に記載のプロセス。
【請求項5】
前記PFSA樹脂が式(I)のペルフルオロスルホン酸−ポリテトラフルオロエチレンコポリマーを含む、請求項3に記載のプロセス。
【化1】

(式中、x、y及びzは各部分の部分重量組成を表わし、及び0と1の間の数であり、x+y+z=1である)
【請求項6】
前記PFSA樹脂の非イオン形態がハロゲン化スルホニルによって保護された酸基を含む、請求項3に記載のプロセス。
【請求項7】
前記非相溶性ポリマーがポリオレフィンを含む、請求項1〜のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項8】
前記多層フィルムが3つの層を含み、前記イオン交換前駆体樹脂からなる第1の層が、前記非相溶性ポリマーからなる第2及び第3の層によって挟まれており、
前記第2及び第3の層が同一の又は異なる前記非相溶性ポリマーを含む、請求項1〜のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項9】
請求項1〜のいずれか一項に記載のプロセスに従って製造された前記イオン交換前駆体樹脂膜からイオン交換樹脂膜を製造するためのプロセスであって、
前記イオン交換前駆体樹脂膜を塩基を用いて若しくは用いずに加水分解するステップ、又は前記イオン交換前駆体樹脂膜を加水分解するステップ及び加水分解された前記イオン交換前駆体樹脂膜を酸を用いてプロトン化形態に変換するステップ、を含むプロセス。
【請求項10】
25ミクロン以下の厚み及び1.5以下の配向比を有するイオン交換樹脂膜又はイオン交換前駆体樹脂膜。
【請求項11】
厚みが5〜25ミクロンの範囲にあり、二軸配向されており、配向比が1〜1.5の範囲にあり、湿潤/乾燥体積変化として表わされる寸法安定性が75%以下である、請求項10に記載の膜。
【請求項12】
エネルギー変換電気化学デバイスにおける使用に適用され、前記エネルギー変換電気化学デバイスが、燃料電池、プロトン交換膜燃料電池(PEMFC)、電解槽、分離プロセス及びセンサの総称である、請求項10又は11に記載の膜。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、2011年12月19日出願の米国特許仮出願第61/577138号の利益を主張する。
【0002】
[発明の分野]
本発明はポリマーの薄膜フィルム、薄膜フィルムを製造するためのプロセス、及び特にイオン交換膜における薄膜フィルムの使用に関する。
【0003】
[発明の背景]
イオン交換膜は燃料電池等の電気化学的エネルギー変換デバイスにおいて、電解槽において、分離プロセスにおいて、センサにおいて、及びその他の多くの用途において、固体電解質として用いられている。ペルフルオロ化イオン交換膜は、燃料電池のための電解質として用いられる最新技術のプロトン交換膜(PEM)である。効率的に発電するため、PEM燃料電池のポリマー電解質膜は薄く、強固で、プロトン電導性が高く、ガス不透過性でなければならない。そのような膜は一般に、酸形態のイオノマーの溶液若しくは分散液をキャストすることによって、又はハロゲン化スルホニル保護基を含む前駆体ポリマーを溶融押出しすることによって調製される。この保護基は溶融加工の後で加水分解され、酸に交換されなければならない。
【0004】
押出し膜は燃料電池において溶液キャスト膜よりも極めて高い機械的及び化学的耐久性を有することが既に証明されている(Lai、2009)。溶融プロセスは大量生産のために拡張することができ、製造コストの大幅な低減を示し、強固な自己補強性膜を提供する。溶融キャストによる押出しはプロトン交換膜を調製するために用いられており、これらの膜はナフィオン(Nafion)(商標)N−117、ナフィオン(商標)N−115、ナフィオン(商標)N−1135、ナフィオン(商標)N−112、及びナフィオン(商標)111−IPとして市販されていて、その厚みはそれぞれ183、127、89、51及び25ミクロンである。これらの押出し膜はまた、その一般特性において異方性の問題があり、そのため燃料電池における湿度サイクリングに供した際に初期故障を起こす恐れがある。押出し膜は、機械方向(machine direction)に強い配向をもたらす溶融キャストプロセスによって試作されており、この配向が異方性の原因となる。さらに、溶融キャストによる押出しプロセスでは、厚みの均一性を犠牲にすることなしに25ミクロンよりも薄い膜を製造することはできない。
【0005】
燃料電池におけるオーム抵抗を低減し、全体の性能を改善することができる、厚みが低減された、耐久性のある低コストのプロトン交換膜に対するニーズが残っている。
【0006】
[発明の概要]
本発明の1つの態様においては、イオン交換前駆体樹脂膜を製造するためのプロセスであって、イオン交換前駆体樹脂を非相溶性ポリマーと共押出しして、非相溶性ポリマーの層に支持されたイオン交換前駆体樹脂の層を有する多層フィルムを形成するステップと、イオン交換前駆体樹脂の層から非相溶性ポリマーの層を除去してイオン交換前駆体樹脂膜を提供するステップとを含むプロセスが提供される。
【0007】
本発明の別の態様においては、非相溶性ポリマーの層に支持されたイオン交換前駆体樹脂の層を含む多層膜が提供される。
【0008】
本発明の別の態様においては、イオン交換樹脂膜はイオン交換前駆体樹脂膜をイオン交換樹脂膜に変換することによって製造され得る。
【0009】
本発明の別の態様においては、25ミクロン以下の均一な厚み及び1.5以下の配向比を有するイオン交換樹脂膜又はイオン交換前駆体樹脂膜が提供される。
【0010】
イオン交換樹脂(イオノマー)は中性ユニット及びイオン化ユニットの部分(15%以下であることが多い)の両方の繰返しユニットを含むポリマーである。イオノマーはイオン電導性等のユニークな物理的性質を有し、そのため種々の電気化学的、化学的及び検出の用途に有用である。イオン交換樹脂は強酸性であることが好ましく、ペルフルオロスルホン酸(PFSA)樹脂、ポリスチレンスルホネート(PSS)樹脂等がより好ましい。PFSA樹脂が好ましく、PFSA樹脂の特に好ましい種類はスルホン化テトラフルオロエチレン系フルオロポリマー−コポリマーである。スルホン化テトラフルオロエチレン系フルオロポリマー−コポリマーとしては式(I)のペルフルオロスルホン酸−ポリテトラフルオロエチレンコポリマーが好ましく、ここでx、y及びzは各部分の部分重量組成を表わし、及び0と1の間の数であり、x+y+z=1である。式(I)のコポリマーは商品名ナフィオン(商標)として知られている。
【化1】
【0011】
イオン交換樹脂はイオン化ユニットの部分を有している。イオン化ユニットは一般には1又は複数の酸基、たとえばスルホン酸基、リン酸基、カルボン酸基等を含む。酸基はスルホン酸基であることが好ましい。イオン交換前駆体樹脂はイオン交換樹脂の非イオン形態であり、その中で酸基は保護基によって保護されている。保護基としては、たとえばハロゲン化スルホニル(たとえばフッ化スルホニル、塩化スルホニル、臭化スルホニル)が挙げられる。イオン交換前駆体樹脂膜は加水分解によってイオン交換樹脂膜に変換され得る。塩基(たとえばNaOH、KOH)による加水分解によって保護基を除去することが好ましく、所望であれば引き続いて酸(たとえばHNO、HCl、HSO)で処理することによって酸性化し、プロトン化形態の製造を実現することができる。イオン交換樹脂膜のプロトン化形態の活性化は、公知の方法で実現することができる。
【0012】
イオン交換前駆体樹脂は、プロセス中においてそのままで使用することもでき、イオン交換前駆体樹脂とフィラーとの複合体、イオン交換前駆体樹脂と他のポリマー又はイオノマーとのブレンド、又は上記のいずれかを組み合わせた多層構造として処方することができる。フィラーを含む複合体を使用する場合には、フィラーはたとえば金属酸化物(たとえばTiO、SiO等)等の無機フィラー、マンガン系化合物、セリウム系化合物、1又は複数の官能性部分がグラフトされた無機フィラー、又はそれらの混合物であってよい。フィラーは好ましくはナノスケールフィラーであり、複合体はナノ複合体である。ナノスケールフィラーの平均粒子サイズは約1nm〜約900nmの範囲である。多層構造を使用する場合は、層は一般には相溶性であり、プロセスの間にイオン交換前駆体樹脂の層から非相溶性ポリマーの層を除去する際に層剥離を避けることができる程度に十分に強い層間結合を形成する。
【0013】
イオン交換前駆体樹脂のレオロジー的及び固有の特性のため、一般には直接押出しによって(たとえばメルトブローによって)薄膜を作ることができないので、イオン交換前駆体樹脂と非相溶性の第2のポリマーが共押出しプロセスにおける支持材料として用いられる。非相溶性ポリマーはイオン交換前駆体樹脂と強い結合を形成しないポリマー材料である。このため、2つの層が強い層間結合を形成しないので、共押出し多層フィルムを形成した後でイオン交換前駆体樹脂の層から非相溶性ポリマーの層を容易に除去することができる。非相溶性ポリマーの少なくとも1つの層は、イオン交換前駆体樹脂の層を支持するために用いられる。非相溶性ポリマーの2つの層を使用する場合には、イオン交換前駆体樹脂の層を非相溶性ポリマーの2つの層の間に挟むことができる。これによって3層構造が形成されることになる。2層以上のイオン交換前駆体樹脂を有することが可能であり、その場合にはイオン交換前駆体樹脂の層を分離し支持するために2層以上の非相溶性ポリマーが必要になる。2層以上の非相溶性ポリマーを使用する場合には、個々の層を形成する非相溶性ポリマーは同一であっても異なっていてもよい。さらに、2層以上のイオン交換前駆体樹脂を使用する場合には、個々の層を形成するイオン交換前駆体樹脂は同一であっても異なっていてもよい。
【0014】
非相溶性ポリマーは、イオン交換前駆体樹脂の溶融温度よりも低い溶融温度を有することが好ましい。好ましい非相溶性ポリマーは、非常に低い表面エネルギーを有する疎水性ポリマー又は化学的に不活性なポリマーである。ポリオレフィンが特に好ましい。ポリオレフィンとしては、たとえばポリエチレン、ポリプロピレン及びポリイソプレンが挙げられる。
【0015】
共押出しは任意の適切な方法によって実現できる。当技術においてたとえばブローフィルム押出し(たとえばメルトブロー)及びシートフラットダイ押出し等のいくつかの方法が知られている。共押出しはメルトブローによって実現することが好ましい。1つの実施形態においては、連続多層円筒をメルトブローし、次いでこれを平坦化して、ニップロールを経て巻取り機に引き取るプロセスが可能である。巻取りの前に切断デバイスを用いて円筒を2枚のシートに分離し、次いでこれを巻き取って最終フィルムロールを製造することができる。イオン交換前駆体樹脂層からの非相溶性ポリマー層の除去は任意の適切な方法によって実現することができる。非相溶性ポリマー層をイオン交換前駆体樹脂層から剥離することが好ましい。本発明のプロセスにより有利に均一な多層フィルムを連続的に試作することができ、非相溶性ポリマーの層(単数又は複数)は容易に除去され、イオン交換前駆体樹脂膜が回収される。さらに、ゲージの一貫性が悪い場合にエッジを除去するためのエッジトリミング等の端部効果によって無駄になる材料が低減される。それはフラットダイフィルム押出しに起因し得る厚みの変動が本プロセスによって低減されるからである。
【0016】
本プロセスによってイオン交換前駆体樹脂の非常に薄い均一な膜が得られ、したがって、イオン交換前駆体樹脂膜がいったん変換されると、現在市販されている材料と比べて非常に薄い均一なイオン交換樹脂の膜が得られる。200ミクロン超から約3ミクロンまでの範囲の、たとえば3〜200ミクロン、又は5〜100ミクロンの膜厚が可能である。本発明の具体的な利点は、約25ミクロン未満の、たとえば3〜25ミクロン、又は5〜25ミクロンの厚みを有する均一な膜が可能であることである。25ミクロン未満の厚みを有するイオン交換樹脂膜はこれまで市販されていなかった。さらに、本発明のプロセスによって、良好な寸法安定性、低減された異方性及び低減された気体透過性を有する本発明の大面積の二軸配向膜が得られる。寸法安定性は湿潤/乾燥体積変化として表わされ、本発明の膜は約75%以下、たとえば約27%〜約75%の範囲、又は約27%〜約35%の範囲の湿潤/乾燥体積変化を有し得る。異方性は配向比(OR)として表わされ、本発明の膜は1.5以下、たとえば1〜1.5の範囲、又は1〜1.2の範囲の配向比を有し得る。さらに、膜は非相溶性ポリマーの層を除去することによって影響を受けず、膜の形態によって燃料電池に用いる際の膜中の燃料のクロスオーバーが低減されることが有利である。
【0017】
本発明のイオン交換樹脂膜はエネルギー変換電気化学デバイス(たとえば燃料電池)において、電解槽(たとえば水素産生)において、分離プロセスにおいて、センサにおいて、及びイオン交換膜が関与する他の多くの用途において用いられる。膜はプロトン交換膜燃料電池(PEMFC)における電解質として特に有用である。
【0018】
本発明のさらなる特徴を述べ、以下の詳細な説明の中で明らかにする。
【0019】
本発明のより明瞭な理解のため、ここで添付した図面を参照して、その実施形態を例として詳細に述べる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の共押出しプロセスにおいて用いる多層ダイの概略図である。
図2】乾燥窒素雰囲気下、240℃における周波数掃引によるダイナミックモードで回転レオメータを用いてPFSA前駆体(ナフィオン(商標)R−1000)について測定したレオロジーデータを示すグラフである。
図3】乾燥窒素雰囲気下、240℃における周波数掃引によるダイナミックモードで回転レオメータを用いてPFSA前駆体(ナフィオン(商標)R−1000)と6wt%の親水性シリカとのナノ複合体ブレンドについて測定したレオロジーデータを示すグラフである。
図4】本発明のプロセスによって得られた易剥離性多層フィルムの概略図である。
図5】酢酸鉛染色膜のTEM画像を示す図であり、図5A及び図5Bは溶液キャストNRE−211膜について、図5C及び図5Dは溶融押出しナフィオン(商標)R−1000膜について、図5E及び図5Fはメルトブローナフィオン(商標)R−1000膜についてのものである。
図6】A)高配向R−1000−CS−E、B)R−1000−CS−MB、及びC)NRE−211について得られた透過XRDパターンを示す図である。
図7】溶液キャストNRE−211膜、並びに押出し及びメルトブローナフィオン(商標)R−1000膜について、入射角90°及び室温で得られた透過X線散乱パターンの積算によって得られたスペクトルを示す図である。
図8】溶液キャストNRE−211膜、並びに押出し及びメルトブローナフィオン(商標)R−1000膜について、水中、室温で測定したプロトン電導度を示すグラフである。
図9】溶液キャストNRE−211膜、押出し及びメルトブローナフィオン(商標)R−1000膜、並びに実施例2のメルトブローナノ複合体膜について測定した乾燥/湿潤吸水率(WU)及び体積変化(VC)を示すグラフである。
図10】溶液キャストNRE−211膜、25ミクロン及び18ミクロンのメルトブローナフィオン(商標)R−1000膜(フィルム2及びフィルム3)について測定した、80℃/100%相対湿度(RH)及び95℃/30%RHで操作した水素/空気燃料電池において得られた分極カーブを表わすグラフである。
図11】溶液キャストNRE−211膜、メルトブローナフィオン(商標)R−1000膜(フィルム2)、及びメルトブローナノ複合体膜(フィルム6)について測定した、95℃及び30%RHで操作した水素/空気燃料電池において得られた分極カーブを示すグラフである。
【0021】
[好ましい実施形態の説明]
材料:
本明細書に記載した実施例については、イオン交換容量IEC=1mmol/gである、ナフィオン(商標)の前駆体形態であるフッ化スルホニル形態のペルフルオロスルホン酸(PFSA)コポリマーをイオノマー材料として用いた(Ion Power社より購入したグレードR−1000)。ナノ複合体システムについては、表面積380m/gのフュームドシリカナノ粒子を無機フィラーとして用いた(Cabot社より購入したグレードCAB−O−SIL EH−5)。190℃/2.16kgにおけるMFI=0.75g/10分の分枝低密度ポリエチレンLDPE(Novapol(商標)LF−Y918−A)が、外部層の支持材料として用いた非相溶性ポリマーである。
【0022】
レオロジー:
ポリマー材料の溶融粘度を決定するため、ARES(アドバンス レオメトリック エキスパンジョン システム)回転レオメータを動的モードで用いて動的レオロジー測定を実施し、T=240℃、乾燥窒素雰囲気下、振動せん断モードで直径25mmの平行プレートを用いた。試験に先立ち、試料を60℃で24時間、積極的に減圧にして乾燥した。試験には100〜0.1rad/sの範囲にわたる周波数掃引が含まれている。材料の構造にいかなる非可逆的損傷を与えることも避けるために、全ての時間及び周波数掃引について小変形(10%又は15%)振動運動を試料に加えた。測定によって弾性又は保存モジュラス(G’)、粘性又は損失モジュラス(G”)、及び動的複素粘性(η)に関する試験材料の応答を評価することができる。
【0023】
本明細書に記載した実施例において用いたイオノマー材料の粘弾性特性を特徴付けるために、レオロジー測定を行なった。測定によって振動周波数の関数としての弾性又は保存モジュラス(G’)、粘性又は損失モジュラス(G”)、及び動的複素粘性(イータ又はη)に関する試験材料の応答を評価することができる。240℃における周波数掃引試験の結果を、PFSA前駆体ナフィオン(商標)R−1000については図2に、6wt%のEH−5フィラーを含むPFSAナノ複合体については図3に示す。ナフィオン(商標)R−1000については、せん断速度が減少するとともに粘度が増加したが、充分に低いせん断速度においては、粘度はせん断速度に依存せず、ニュートン融液に典型的な水平直線となる。ナフィオン(商標)R−1000と6wt%のEH−5の混合物については、シリカフィラーを添加した結果、溶融粘度が増加し、低周波数において直線的粘弾性範囲から逸脱する。また、粘性又は損失モジュラス(G”)の寄与は、検討した周波数の範囲において両方のイオノマー材料のレオロジー挙動を明らかに支配している。
【0024】
溶融加工:
PFSA前駆体ナフィオン(商標)R−1000ペレットは予め調製することなく直接メルトブローした。ナフィオン(商標)R−1000とフュームドシリカEH−5を含むナノ複合体は、二軸押出機Leistritz Nano−16mmを用いて240℃で予めコンパウンド化した。
【0025】
メルトブロー実験はフラットスパイラルダイシステムを取り付けたLabTech社の多層共押出しブローフィルムラインを用いて実施した。多層ダイは2個以上のスパイラル「層」を有しており、ダイにはいくつかの押出機から供給される。本明細書に記載した実施例については、3つの溶融流が供給されるダイを用いた。イオノマー材料の1つの溶融流は押出機(B)から供給され、他の2つの支持ポリマーの溶融流は個別の押出機(A及びC)から供給される。ダイは図1に示す4枚のプレートを有するパンケーキダイである。多層メルトブローフィルムラインには3個の単軸押出機LabTech12.5mm(LBE型12.5/30)が取り付けられている。
【0026】
加水分解:
メルトブローによって得られるPFSA前駆体薄膜は、以下のプロセスによって酸形態に変換される。1)15%KOH/35%DMSO/50%脱イオン(DI)水の溶液中80℃での加水分解、及びそれに続く微量の未反応KOHを全て除去するためのDI水による洗浄。2)10〜15%硝酸(HNO)溶液を用いるKのHイオンへの交換によるH形態への酸変換、及びそれに続くDI水洗浄。3)活性化:PFSA膜のH形態を80℃、1時間の7.5%H処理によって活性化し、DI水に80℃、1時間浸漬し、最後に15%HSOで80℃、1時間処理する。処理された膜はDI水で充分に洗浄する。
【0027】
プロトン電導度:
Solartron(商標)1260を用いて面内プロトン電導度を測定した。膜(H形態)のストリップを2個のPt電極の間にセットし、試料の面を通して交流電流を流した。室温及び液体水条件の場合、試料をミリポア水に浸漬した。室温は20℃〜22℃に変動した。5MHz〜10Hzの間のナイキストプロットを収集して、データの半円部分を等価回路にフィットさせることによって膜抵抗を外挿した。プロトン電導度は下式から計算した。
σ=d/RS
ここでσはプロトン電導度、dはPt電極間の距離、Rは膜抵抗であり、Sは試料の断面積である。
【0028】
吸水率(WU)及び体積変化(VC):
吸水率(WU)及び体積変化(VC)は以下のように決定した。湿潤及び乾燥膜(H形態)の質量を測定した後、WUを下式から計算した。
【数1】
【0029】
乾燥膜の質量は膜を真空オーブン中、80℃で一夜乾燥した後で得た。VCの測定のため、湿潤及び乾燥膜(H形態)の厚み、幅及び長さを決定した。湿潤/乾燥体積変化は下式から計算した。
【数2】
【0030】
乾燥膜の寸法は膜を真空オーブン中、80℃で一夜乾燥した後で得た。
【0031】
X線回折分光法(XRD):
広角透過X線分光分析により、結晶配向を決定した。用いた装置は、Hi−STAR(商標)2次元エリアデテクタを取り付けたBruker D8 Discover X線ゴニオメータであった。ジェネレータは45kV及び0.65mAにセットした。
【0032】
透過型電子顕微鏡(TEM):
酸形態の膜を予め飽和酢酸鉛溶液に室温で2時間浸漬してイオン性ドメインを染色した。試料をエポキシ樹脂でカプセル化した。次いで膜を含む硬化エポキシを室温でマイクロトームによりダイヤモンドナイフを用いて50nmの薄片にスライスした。Philips CM200装置を用いて、加速電圧200kVで試料の超薄切片のTEMを得た。
【0033】
調製例1:ナフィオン(商標)R−1000
ナフィオン(商標)R−1000をイオノマー材料として、またLDPEを支持材料として用いて、メルトブロー共押出しプロセスによって5種の異なった多層フィルムを調製した。本実施例において得られた構造は3層フィルムであり、ナフィオン(商標)R−1000が中間層、LDPEが外層である(図4B)。
【0034】
ナフィオン(商標)R−1000中間層用に用いた押出機(図1におけるB)の温度プロファイルは以下の通りである。
ゾーン1:220℃、ゾーン2:230℃、ゾーン3:240℃、ダイ温度:240℃。
【0035】
LDPE外層用に用いた2台の押出機(図1におけるA及びC)の温度プロファイルは以下の通りである。
ゾーン1:185℃、ゾーン2:190℃、ゾーン3:200℃、ダイ温度:200℃。
【0036】
調製した5種の異なった多層フィルムの制御パラメータを表1に示す。LDPEはPFSA前駆体と非相溶性であり、そのため溶融加工の間、層間のいかなる界面結合も阻止される。外層は容易に剥離され、PFSA前駆体の薄膜が得られる。30〜6ミクロンの範囲の異なった厚みを有する薄膜が得られた。用いたブローアップ比(BUR)は4.5〜5.5の間であり、ドローダウン比は1〜2の間であった。
【表1】
【0037】
調製例2:ナフィオン(商標)R−1000+6wt%シリカ
ナフィオン(商標)R−1000+6wt%シリカの複合体をイオノマー材料として、またLDPEを支持材料として用いて、メルトブロープロセスによって多層フィルムを調製した。この場合に得られた構造は3層フィルムであり、ナノ複合体PFSAが中間層、LDPEが外層である(図4B)。
【0038】
ナフィオン(商標)R−1000+6wt% EH−5中間層用に用いた押出機(図1におけるB)の温度プロファイルは以下の通りである。
ゾーン1:220℃、ゾーン2:230℃、ゾーン3:240℃、ダイ温度:240℃。
【0039】
LDPE外層用に用いた2台の押出機(図1におけるA及びC)の温度プロファイルは以下の通りである。
ゾーン1:185℃、ゾーン2:190℃、ゾーン3:200℃、ダイ温度:200℃。
【0040】
調製したナノ複合体PFSAイオノマーを含む多層フィルムに用いた制御パラメータを表2に示す。ナノ粒子を組み込んだ後の溶融粘度の増加と低周波数における直線粘弾性範囲からの逸脱がレオロジー測定によって示されるにも関わらず、パラメータは極めて類似していた。これは押出しが高周波数プロセスであるからである。
【表2】
【0041】
実施例3:多層フィルムの調製後加工
実施例1及び2に記載したプロセスによって連続多層円筒のメルトブローが可能である。いったん円筒が得られれば、これは平坦化され、ニップロールを経て巻取り機に引き取られる。巻取りの前に切断デバイスを用いて円筒を2枚のシートに分離し、次いでこれを巻き取って最終フィルムロールを製造するか、又は連続プロセスの場合には化学処理浴を通すことができる。
【0042】
PFSA層から1つのLDPE層を剥離し、上に概要を述べたプロセスによってメルトブローフィルムを加水分解した。極めて薄いフィルムの変形及び皺を避けるために、取扱い及び化学処理の間、第2のLDPE層を支持体として用いた。加水分解及び活性化のために用いた化学薬剤によってLDPEが影響されないことは前もって試験して確認しておいた。
【0043】
実施例4:比較
実施例1及び2より、イオン交換樹脂前駆体及びイオン交換樹脂前駆体の複合体から薄い均一なフィルムが製造できることが示される。実施例1(フィルム2)及び実施例2(フィルム6)のフィルムから製造されたメルトブローイオン交換樹脂膜の特性を、ナフィオン(商標)NRE−211(溶液キャストされた市販のイオン交換樹脂膜)及び5cm幅のフラットダイを取り付けたベンチトップ5ccマイクロ押出機(DSM)でナフィオン(商標)R−1000−CSから調製した押出し膜と比較した。ナフィオン(商標)R−1000−CS押出し膜はフラットダイから直接溶融キャストし、冷却ロールで急速に冷却して、単層膜を製造した。比較検討のために選択した膜の厚みは約25±5ミクロンである。
【0044】
透過型電子顕微鏡(TEM)を用いてイオノマー材料内の疎水性/親水性相分離の形態及び配置を検討した。溶液キャスト(ナフィオン(商標)NRE−211)、溶融押出し(ナフィオン(商標)R−1000)及びメルトブロー(フィルム2)によって調製した酢酸鉛染色膜の高解像度TEM画像を図5に示す。それぞれの膜について2通りの拡大を示す。PFSAイオノマーに特徴的な親水性及び疎水性ドメインの細かい相分離が全ての場合において見られる。NRE−211の溶液キャストフィルム(図5A及び図5B)については、疎水性のフルオロポリマーの薄い色の背景の中に埋め込まれた直径3〜10nmの範囲の暗色の球状に凝集した、整列した直線状のイオン性ドメインが観察される。極めて透明な領域は溶媒の蒸発によって残された自由体積を示唆していると思われる。溶融押出し膜(図5C及び図5D)の場合には、イオン性ドメインはより小さく、均一であり(4〜6nm)、あまり整列しておらず、より連通(interconnected)していた。メルトブロー膜(図5E及び図5F)は、高倍率画像に示されるように、さらに小さな寸法を有するイオン性ドメインを示している。
【0045】
透過モードで得られた2D XRDパターンを図6に示す。ここで溶液キャストNRE−211及びメルトブローR−1000は等方性ハローを示す一方、押出しR−1000は異方性ハローを示す。入射角90°におけるXRDパターンを積算することによって図7のスペクトルが得られた。この図で押出し及びメルトブロー膜のスペクトルをNRE−211溶液キャスト膜と比較する。全ての試料は2シータ17.2°(100)及び39.6°(101)に2つの回折ピークを示し、これらはそれぞれPFSAのPTFE主鎖に帰属される5.5Å及び2.4Åのd−間隔に対応する。押出し膜については、メルトブロー及び溶液キャストNRE−211膜と比較して、より顕著な強度が見られ、これは機械方向軸を垂直方向とした際の水平方向の無定形ハローの強度が高いことから示されるように、NRE−211及びメルトブローR−1000(フィルム2)が押出しR−1000膜に比べて異方性が低いことを示している。異方性パターンは、必要な厚みを得るためのキャスト−押出しプロセスにおける機械方向の延伸から生じる高い配向によるものである。0°及び90°の入射角におけるハローの積算は、MD/TD面に関連する回折面に対する2つの法線を反映している。試料の等方性/異方性を定量化するため、我々は0°及び90°において積算した2シータ=17.2°(100)におけるピーク強度の比として定義される配向比(OR)を決定した。NRE−211、メルトブロー及び押出しR−1000について計算したORは、それぞれ1、1.1及び>1.5であった。
【0046】
既に述べたプロトコルによる加水分解の後、水和膜のプロトン電導度を室温、水中におけるインピーダンス分光法によって測定した。図8の結果は、室温(RT)における電導度は膜の製造に用いたプロセスには影響されず、7×10−2S/cm程度であったことを示す。しかし、シリカの組み込みによって水中の電導度は3×10−2S/cmに僅かに減少するように思われ、これはナノ複合体膜には典型的である。複合体膜は、フィラーが高温においてイオノマーポリマーよりも多い量の水を保持することができる低相対湿度(RH)において優れていると予想される。
【0047】
溶液キャストNRE−211膜、押出し膜、メルトブローナフィオン(商標)R−1000膜(フィルム2)、及びメルトブローナノ複合体膜(フィルム6)について測定した吸水率(WU)及び乾燥/湿潤体積変化(VC)を図9に示す。メルトブローによって調製した膜は、NRE−211溶液キャスト膜及び押出し膜に比べて低減した吸水率及び体積変化を示す。したがって、本発明のプロセスによって寸法安定性が増大したイオン交換膜が製造される。
【0048】
実施例5:膜−電極アセンブリ
2つの電極(カソードにおいて0.4mgPt/cm及びアノードにおいて0.1mgPt/cm)の間に膜を配置することによって膜−電極アセンブリ(MEA)を作成し、活性面積25cmとして燃料電池ハードウェアで試験した。試験はNRC−IFCIの設備でScribner Associatesのテストスタンドモデル:850Cを用いて行なった。メルトブローナフィオン(商標)R−1000膜(フィルム2)及びNRE−211溶液キャスト膜についてサイクリックボルタムメトリーにより水素のクロスオーバーを測定した。カソードにおいて決定された水素酸化の限界電流密度はそれぞれ1.89及び2.07mA/cmであり、本発明の膜が標準的な溶液キャスト膜よりも低い水素透過性を有することが示された。
【0049】
溶液キャストNRE−211膜、メルトブローナフィオン(商標)R−1000膜(フィルム2及び3)、及びメルトブローナノ複合体膜(フィルム6)について測定したI−V予備分極曲線を図10及び図11に示す。その結果、メルトブロー膜はNRE−211参照に比べると同様の寿命初期(BOL)性能を有し、薄いメルトブロー膜(18ミクロン)及び複合体膜については特に高温及び低RH条件(95℃、30%RH)においてやや改善された性能を示した。
【0050】
参考文献:それぞれの文献の全体の内容はこの参照によって組み込まれる。
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【0051】
この構造に特有のその他の利点は当業者には自明である。本明細書において実施形態は説明のために記載されており、特許を請求する本発明の範囲を限定するものではない。上記の実施形態の変形は当業者には明白であり、以下の特許請求の範囲に包含されることが本発明者によって意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図6
図7
図8
図9
図10
図11