(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記画像データを前記プロセッサに送信するように構成された画像ソースモジュールをさらに備え、前記画像ソースモジュールが、受信機、トランシーバ、および送信機のうちの少なくとも1つを備える、請求項4に記載の装置。
前記第3の側壁が複数のU字型の部分を含み、前記第2の部分を形成するステップが、前記第3の側壁の前記複数のU字型の部分に沿って前記第2の部分内に複数のU字型のセグメントを形成するステップをさらに含み、それによって、前記複数のU字型のセグメントに沿った前記第2の部分の厚さが、前記複数のU字型のセグメントに隣接する前記第2の部分の厚さと異なる、請求項8に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0017】
様々な図面中の同様の参照番号および名称は、同様の要素を示す。
【0018】
以下の説明は、本開示の発明的態様を説明するためのいくつかの実装形態を対象とする。しかしながら、本明細書の教示は、多数の様々な方法で適用され得ることを、当業者は容易に認識するであろう。説明する実装形態は、動いている(ビデオなど)か静止している(静止画像)かにかかわらず、またテキストか、グラフィックか、図かにかかわらず、画像を表示するように構成され得る任意のデバイス、装置またはシステム内に実装され得る。より詳細には、説明する実装形態は、限定はしないが、携帯電話、マルチメディアインターネット対応携帯電話、モバイルテレビジョン受信機、ワイヤレスデバイス、スマートフォン、Bluetooth(登録商標)デバイス、パーソナルデータアシスタント(PDA)、ワイヤレス電子メール受信機、ハンドヘルドまたはポータブルコンピュータ、ネットブック、ノートブック、スマートブック、タブレット、プリンタ、コピー機、スキャナ、ファクシミリデバイス、全地球測位システム(GPS)受信機/ナビゲータ、カメラ、デジタルメディアプレーヤ(MP3プレーヤなど)、カムコーダ、ゲームコンソール、腕時計、時計、計算機、テレビジョンモニタ、フラットパネルディスプレイ、電子読み取りデバイス(電子書籍など)、コンピュータモニタ、自動車ディスプレイ(走行距離計および速度計のディスプレイなどを含む)、コックピット制御機器および/またはディスプレイ、カメラビューディスプレイ(車両内のリアビューカメラのディスプレイなど)、電子写真、電子掲示板または看板、プロジェクタ、建築構造物、電子レンジ、冷蔵庫、ステレオシステム、カセットレコーダまたはプレーヤ、DVDプレーヤ、CDプレーヤ、VCR、ラジオ、ポータブルメモリチップ、洗濯機、乾燥機、洗濯/乾燥機、パーキングメータ、(マイクロ電気機械システム(MEMS)用途を含む電気機械システム(EMS)用途ならびに非EMS用途などにおけるような)パッケージ化、美的構造(aesthetic structure)(一片の宝石または衣服の上への画像の表示など)、および多様なEMSデバイスなど、多様な電子デバイスに含まれ得るかまたは関連付けられ得ることが考えられる。本明細書の教示はまた、限定はしないが、電子スイッチデバイス、無線周波数フィルタ、センサ、加速度計、ジャイロスコープ、動作検知デバイス、磁力計、家庭用電子機器のための慣性コンポーネント(inertial component)、家庭用電子機器製品のパーツ、バラクタ、液晶デバイス、電気泳動デバイス、ドライブ方式(drive scheme)、製造プロセス、および電子試験機器など、非ディスプレイ用途において使用され得る。したがって、教示は、図に示される実装形態だけに限定されることを意図されているのではなく、当業者に容易に明らかとなる広い利用可能性を有することを意図されている。
【0019】
電気機械システム(EMS)静電アクチュエータの2つの対向するビーム電極間の最小分離距離は、ビームの1つの上に機械的応力を導入し、そのビームをその対向するビームの方に屈曲させることによって低減され得る。いくつかの実装形態では、ビーム電極の1つは、細長いループの形状に形成される。すなわち、第1の部分がアンカから離れて延び、ある距離の後、後方に曲がり、それによって第2の部分がアンカの方に戻って延びてアンカに結合する。第2の部分(すなわち、対向するビームから先の部分)に応力または応力勾配を導入することによって、ビームは、対向するビームの方に屈曲させられ得る。
【0020】
いくつかの実装形態では、この応力または応力勾配は、第2の部分の厚さがその長さに沿って変化するようにビームを形成することによって導入され得る。いくつかの実装形態では、ビームの第2の部分の厚さの変化は、基板上に構築された型の側壁上に第2の部分を形成することによって達成される。型のいくつかの側壁は、型の残りの側壁によって形成される角度より浅い、基板に対する角度を有するように構成される。これは、これらの浅い角度の側壁上に形成された第2の部分の一部が、第2の部分の残りの部分より薄くなる結果をもたらす。厚さのこの変化により、第2の部分は、一定量の応力または応力勾配を発生する(develop)ことができる。その結果、ビームが型から解放されると、この応力または応力勾配は、ビームを対向するビームの方に屈曲させる。
【0021】
いくつかの他の実装形態では、ビームの第2の部分は、1つまたは複数の概ねU字型のビーム領域を含む。これらの概ねU字型のビーム領域に沿ったビーム材料は、これらのU字型のビーム領域に隣接するビーム材料より薄い。これは、U字型のビーム領域の膨張をもたらし得る応力または応力勾配を結果としてもたらす。U字型のビーム領域の膨張は、対向するビームの方にビームの端部が屈曲する結果をもたらす。
【0022】
いくつかの他の実装形態では、応力または応力勾配は、ビームの第2の部分の一部を機械的応力を受けている別の表面に結合することによって導入される。たとえば、いくつかの製造プロセスでは、下にある基板に平行な表面上に堆積された材料が、表面の平面内に機械的応力または応力勾配を発生し得る。この応力または応力勾配は、表面を、基板に平行な方向に膨張させ得る。表面をビームの第2の部分に結合することによって、表面の膨張が、ビームを対向するビームの方に屈曲させ得る。
【0023】
本開示で説明する主題の特定の実装形態は、以下の潜在的な利点のうちの1つまたは複数を実現するように実装され得る。アクチュエータの駆動ビーム電極の一部分の中に機械的応力または応力勾配を導入することによって、駆動ビーム電極と対向するロードビーム電極との間の先端ギャップが、低減され得る。先端ギャップのこの低減は、アクチュエータを含むシャッターアセンブリを作動させるのに必要な作動電圧の低減を可能にする。いくつかの実装形態では、作動電圧の低減は、最大約50%であり得る。作動電圧の低減は、シャッターアセンブリを動作させるのに必要な電力の低減を可能にする。
【0024】
図1Aは、直視型MEMS方式ディスプレイ装置100の概略図を示している。ディスプレイ装置100は、行および列に配列された複数の光変調器102a〜102d(全体として「光変調器102」)を含む。ディスプレイ装置100において、光変調器102aおよび102dは開状態にあり、光を通させる。光変調器102bおよび102cは閉状態にあり、光の通過を妨げる。光変調器102a〜102dの状態を選択的にセットすることによって、ディスプレイ装置100は、1つのランプまたは複数のランプ105で照射された場合、バックライト付きディスプレイ用の画像104を形成するのに利用することができる。別の実装形態では、装置100は、装置の前面から発する周辺光の反射によって、画像を形成することができる。別の実装形態では、装置100は、ディスプレイの前面に配置された1つのランプまたは複数のランプからの光の反射によって、すなわちフロントライトを使用して、画像を形成することができる。
【0025】
いくつかの実装形態では、各光変調器102は、画像104中の画素106に対応する。いくつかの他の実装形態では、ディスプレイ装置100は、複数の光変調器を利用して、画像104中の画素106を形成することができる。たとえば、ディスプレイ装置100は、3つの色固有光変調器102を含み得る。特定の画素106に対応する色固有光変調器102のうちの1つまたは複数を選択的に開くことによって、ディスプレイ装置100は、画像104中のカラー画素106を生成することができる。別の例では、ディスプレイ装置100は、画像104中のルミナンスレベルを提供するために、画素106ごとに2つ以上の光変調器102を含む。画像に関して、「画素」は、画像の解像度によって定義される最も小さいピクチャ要素に対応する。ディスプレイ装置100の構造構成要素に関して、「画素」という用語は、画像の単一画素を形成する光を変調するのに使用される、機械構成要素と電気構成要素との組合せを指す。
【0026】
ディスプレイ装置100は、投影型アプリケーションで通常見出される結像光学素子を含まなくてよいという点で、直視型ディスプレイである。投影型ディスプレイでは、ディスプレイ装置の表面に形成される画像は、スクリーンまたは壁に投影される。ディスプレイ装置は、投影画像よりもかなり小さい。直視型ディスプレイでは、ユーザは、光変調器を含み、場合によってはディスプレイ上で見られる輝度および/またはコントラストを増強するためのバックライトまたはフロントライトを含むディスプレイ装置を直接見ることによって、画像を見る。
【0027】
直視型ディスプレイは、透過モードまたは反射モードのいずれかで動作し得る。透過型ディスプレイでは、光変調器は、ディスプレイの後ろに配置された1つのランプまたは複数のランプから発する光をフィルタリングし、または選択的に遮断する。場合によっては、各画素を均一に照明できるように、ランプからの光は、光ガイドまたは「バックライト」に注入される。透過直視型ディスプレイは、光変調器を含む一方の基板がバックライトのすぐ上に配置されるサンドイッチアセンブリ配列を円滑にするように、透明基板またはガラス基板の上に構築されることが多い。
【0028】
各光変調器102は、シャッター108および開口109を含むことができる。画像104中の画素106を照明するために、シャッター108は、見ている人に向かって光が開口109を通るように配置される。画素106を未点灯のまま保つために、シャッター108は、光が開口109を通過するのを妨げるように配置される。開口109は、各光変調器102中の反射材料または光吸収材料を通じてパターニングされた開きによって画定される。
【0029】
ディスプレイ装置は、シャッターの移動を制御するための、基板と、光変調器とに接続された制御マトリクスも含む。制御マトリクスは、画素の行ごとに、少なくとも1つの書込み許可相互接続110(「スキャンライン相互接続」とも呼ばれる)と、各画素列に対する1つのデータ相互接続112と、すべての画素に、または少なくとも、ディスプレイ装置100中の複数の列と複数の行の両方にある画素に共通電圧を与える1つの共通相互接続114とを含む、一連の電気相互接続(相互接続110、112および114など)を含む。適切な電圧(「書込み許可電圧、VWE」)の印加に応じて、所与の画素行に対する書込み許可相互接続110は、行中の画素を、新規シャッター移動命令を受諾するように準備する。データ相互接続112は、新規移動命令を、データ電圧パルスの形で伝達する。データ相互接続112に印加されるデータ電圧パルスは、いくつかの実装形態において、シャッターの静電的な移動に直接寄与する。いくつかの他の実装形態では、データ電圧パルスは、トランジスタ、または、データ電圧よりも通常、規模が高い別個の作動電圧の、光変調器102への印加を制御する他の非線形回路要素などの、スイッチを制御する。次いで、これらの作動電圧を印加した結果、シャッター108の静電駆動移動が生じる。
【0030】
図1Bは、ホストデバイス120(すなわち、セルフォン、スマートフォン、PDA、MP3プレーヤ、タブレット、電子リーダー、ネットブック、ノートブックなど)のブロック図の一例を示している。ホストデバイス120は、ディスプレイ装置128、ホストプロセッサ122、環境センサ124、ユーザ入力モジュール126、および電源を含む。
【0031】
ディスプレイ装置128は、複数のスキャンドライバ130(「書込み許可電圧源」とも呼ばれる)、複数のデータドライバ132(「データ電圧源」とも呼ばれる)、コントローラ134、共通ドライバ138、ランプ140〜146、ランプドライバ148、および、
図1Aに示す光変調器102などの表示素子のアレイ150を含む。スキャンドライバ130は、スキャンライン相互接続110に書込み許可電圧を印加する。データドライバ132は、データ相互接続112にデータ電圧を印加する。
【0032】
ディスプレイ装置のいくつかの実装形態において、データドライバ132は、特に画像104のルミナンスレベルがアナログ方式で導出されるべきである場合、表示素子のアレイ150にアナログデータ電圧を提供するように構成される。アナログ動作において、光変調器102は、ある範囲の中間電圧がデータ相互接続112を通して印加されると、シャッター108における、ある範囲の中間開状態が生じ、その結果、ある範囲の中間照明状態または画像104におけるルミナンスレベルが生じるように設計される。他の場合には、データドライバ132は、2つ、3つまたは4つのデジタル電圧レベルの縮小セットのみをデータ相互接続112に印加するように構成される。これらの電圧レベルは、デジタル方式で、シャッター108の各々に対して、開状態、閉状態、または他の不連続状態(discrete state)をセットするように設計される。
【0033】
スキャンドライバ130およびデータドライバ132は、デジタルコントローラ回路134(「コントローラ134」とも呼ばれる)に接続される。コントローラはデータを、行および画像フレームでグルーピングされた、いくつかの実装形態では所定であり得るシーケンスに編成されて、ほぼ直列方式でデータドライバ132に送る。データドライバ132は、直列並列データコンバータと、レベルシフティングと、一部のアプリケーション向けにはデジタルアナログ電圧コンバータとを含み得る。
【0034】
ディスプレイ装置は、場合によっては、共通電圧源とも呼ばれる1組の共通ドライバ138を含む。いくつかの実装形態において、共通ドライバ138は、たとえば、一連の共通相互接続114に電圧を供給することによって、表示素子のアレイ150内のすべての表示素子にDC共通電位を提供する。いくつかの他の実装形態では、共通ドライバ138は、コントローラ134からのコマンドに従って、表示素子のアレイ150に対し電圧パルスまたは信号、たとえば、アレイ150の複数の行および列中のすべての表示素子の同時作動を駆動および/または開始することが可能であるグローバル作動パルスを出す。
【0035】
異なるディスプレイ機能のためのドライバ(スキャンドライバ130、データドライバ132、および共通ドライバ138など)はすべて、コントローラ134によって時間同期される。コントローラからのタイミングコマンドが、ランプドライバ148と、表示素子のアレイ150内の特定の行の書込み許可およびシーケンシングと、データドライバ132からの電圧の出力と、表示素子作動を可能にする電圧の出力とにより、赤、緑および青および白色ランプ(それぞれ140、142、144、および146)の照明を調整する。いくつかの実装形態では、ランプは発光ダイオード(LED)である。
【0036】
コントローラ134は、シャッター108の各々が、新規画像104に適した照明レベルにリセットされ得るためのシーケンシングまたはアドレス指定方式を決定する。新規画像104は、周期的間隔でセットされ得る。たとえば、ビデオディスプレイの場合、カラー画像104またはビデオフレームは、10〜300ヘルツ(Hz)の範囲の周波数でリフレッシュされる。いくつかの実装形態において、アレイ150への画像フレームの設定は、交替画像フレームが、赤、緑および青など、交替する一連の色で照射されるように、ランプ140、142、144、および146の照明と同期される。それぞれの色のための画像フレームは、カラーサブフレームと呼ばれる。フィールド順次式カラー方法と呼ばれるこの方法では、カラーサブフレームが、20Hzを超過する周波数で交替される場合、人間の脳は、交替するフレーム画像を、広い連続する範囲の色を有する画像の知覚に平均する。代替実装形態では、原色をもつ4つ以上のランプが、ディスプレイ装置100において利用されてよく、赤、緑、および青以外の原色を利用する。
【0037】
ディスプレイ装置100が、開状態と閉状態との間のシャッター108のデジタル切替えのために設計されるいくつかの実装形態において、コントローラ134は、前述のように、時分割グレースケールの方法によって画像を形成する。いくつかの他の実装形態では、ディスプレイ装置100は、画素ごとに複数のシャッター108を使用することによって、グレースケールを提供することができる。
【0038】
いくつかの実装形態において、画像状態104についてのデータは、コントローラ134によって、表示素子アレイ150に、スキャンラインとも呼ばれる個々の行の順次アドレス指定によりロードされる。シーケンス中の行またはスキャンラインごとに、スキャンドライバ130は、アレイ150のその行について、書込み許可相互接続110に書込み許可電圧を印加し、続いて、データドライバ132が、選択された行中の各列について、所望のシャッター状態に対応するデータ電圧を供給する。このプロセスは、アレイ150中のすべての行についてデータがロードされるまで繰り返す。いくつかの実装形態において、データローディングのための選択された行のシーケンスは、線形であり、アレイ150中の上から下に進む。いくつかの他の実装形態では、選択された行のシーケンスは、視覚的アーティファクトを最小限にするために擬似ランダム化される。また、いくつかの他の実装形態では、シーケンシングはブロックで編成され、この場合、ブロックに対して、画像状態104の特定の一部のみについてのデータが、たとえば、シーケンス中のアレイ150の5行おきにのみアドレス指定することによってアレイ150にロードされる。
【0039】
いくつかの実装形態において、アレイ150に画像データをロードするためのプロセスは、アレイ150中の表示素子を作動させるプロセスとは、時間的に分離される。これらの実装形態において、表示素子アレイ150は、アレイ150中の各表示素子に対するデータメモリ要素を含むことができ、制御マトリクスは、メモリ要素に記憶されたデータに従って、シャッター108の同時作動を開始するためのトリガ信号を、共通ドライバ138から搬送するためのグローバル作動相互接続を含み得る。
【0040】
代替実装形態では、表示素子のアレイ150と、表示素子を制御する制御マトリクスとが、方形の行および列以外の構成で配列され得る。たとえば、表示素子は、六角形アレイまたは曲線をなす行および列で配列され得る。概して、本明細書で使用するスキャンラインという用語は、書込み許可相互接続を共有する、任意の複数の表示素子を指すものである。
【0041】
ホストプロセッサ122は全般的に、ホストの動作を制御する。たとえば、ホストプロセッサ122は、ポータブル電子デバイスを制御するための汎用または専用プロセッサであり得る。ホストデバイス120内に含まれるディスプレイ装置128に対して、ホストプロセッサ122は、画像データならびにホストに関する追加データを出力する。そのような情報は、環境センサからのデータ、たとえば周辺光もしくは温度、ホストに関する情報、たとえば、ホストの動作モードもしくはホストの電源に残っている電力量、画像データの内容に関する情報、画像データのタイプに関する情報、および/または画像を選択する際に使用するディスプレイ装置に関する指示を含み得る。
【0042】
ユーザ入力モジュール126は、ユーザの個人的好みをコントローラ134に直接、またはホストプロセッサ122を介して伝える。いくつかの実装形態では、ユーザ入力モジュール126は、ユーザが「色をより濃く」、「コントラストをより良好に」、「電力をより低く」、「輝度を増して」、「スポーツ」、「生のアクション」、または「アニメーション」などの個人的好みをプログラムしているソフトウェアによって制御される。いくつかの他の実装形態では、これらの好みは、スイッチまたはダイヤルなどのハードウェアを使用して、ホストに入力される。コントローラ134への複数のデータ入力はコントローラに対し、最適な画像化特性に対応する様々なドライバ130、132、138および148にデータを提供するように指示する。
【0043】
環境センサモジュール124も、ホストデバイス120の一部として含まれ得る。環境センサモジュール124は、温度および/または周辺の採光条件など、周辺環境に関するデータを受信する。センサモジュール124は、デバイスが屋内またはオフィス環境で動作しているのか、明るい昼光の中の屋外環境で動作しているのか、夜間の屋外環境で動作しているのかを区別するようにプログラムされ得る。センサモジュール124は、コントローラ134が周辺環境に応答して表示条件を最適化できるように、この情報をディスプレイコントローラ134に通信する。
【0044】
図2は、例示的なシャッター式光変調器200の例示的な透視図を示している。シャッター式光変調器200は、
図1Aの直視型MEMS方式ディスプレイ装置100への組込みに適している。光変調器200は、アクチュエータ204に結合されたシャッター202を含む。アクチュエータ204は、2つの別個のコンプライアント電極ビームアクチュエータ205(「アクチュエータ205」)から形成され得る。シャッター202は、一方では、アクチュエータ205に結合する。アクチュエータ205は、基板203に対して実質的に平行である運動面における基板203の上方で、シャッター202を横方向に移動する。シャッター202の反対側は、アクチュエータ204によって加えられる力に対向する復元力を与えるスプリング207に結合する。
【0045】
各アクチュエータ205は、シャッター202をロードアンカ208に接続するコンプライアントロードビーム206を含む。ロードアンカ208は、コンプライアントロードビーム206とともに、機械的サポートとして働き、シャッター202を、基板203に近接して懸架されたまま保つ。基板203は、光を通過させるための1つまたは複数の開口穴211を含む。ロードアンカ208は、コンプライアントロードビーム206とシャッター202とを基板203に物理接続し、ロードビーム206を、バイアス電圧、一部の事例ではグランドに電気接続する。
【0046】
基板203がシリコンのような不透過性のものである場合、基板203を通して穴アレイをエッチングすることによって、基板203に開口穴211が形成される。基板203がガラスやプラスチックのような透明なものである場合、基板203に堆積された遮光材料の層に開口穴211が形成される。開口穴211は概して、円形、楕円、多角形、蛇状、または形状が不規則でよい。
【0047】
各アクチュエータ204は、各ロードビーム206に隣接して配置されたコンプライアント駆動ビーム216も含む。駆動ビーム216は、一方の端部において、駆動ビーム216の間で共有される駆動ビームアンカ218に結合する。各駆動ビーム216の他端は、自由に移動する。各駆動ビーム216は、駆動ビーム216の自由端と、ロードビーム206の固定端との近くのロードビーム206に最接近するように湾曲される。
【0048】
動作時、光変調器200を組み込むディスプレイ装置は、駆動ビームアンカ218を介して駆動ビーム216に電位を印加する。第2の電位が、ロードビーム206に印加され得る。駆動ビーム216とロードビーム206との間の得られる電位差は、駆動ビーム216の自由端を、ロードビーム206の固定端の方に引き付け、ロードビーム206のシャッター端を、駆動ビーム216の固定端の方に引き付け、そうすることによって、シャッター202を、駆動ビームアンカ218に向かって横に駆動する。コンプライアントロードビーム206は、ビーム206および216の電位にわたる電圧が除去されたとき、ロードビーム206がシャッター202をその初期位置に押し戻すように、スプリングとして働き、ロードビーム206に蓄えられた応力を解放する。
【0049】
光変調器200などの光変調器は、電圧が除去された後にシャッターをその休止位置に戻すための、スプリングなどの受動復元力を組み込む。他のシャッターアセンブリは、「開」および「閉」アクチュエータの2種セット、ならびにシャッターを開状態または閉状態のいずれかに移動させるための「開」および「閉」電極の別個のセットを組み込むことができる。
【0050】
制御マトリクスによりシャッターおよび開口のアレイを制御して、画像が生じるようにし、多くの場合、適切なルミナンスレベルで画像を移動させるための様々な方法がある。一部のケースでは、制御は、ディスプレイの周囲にあるドライバ回路に接続された行および列相互接続の受動マトリクスアレイを用いて遂行される。他のケースでは、速度、ディスプレイのルミナンスレベルおよび/または電力消散性能を向上させるために、切替えおよび/またはデータ記憶要素を、アレイ(いわゆるアクティブマトリクス)の各画素中に含めることが適切である。
【0051】
図3Aは、制御マトリクス300の例示的な概略図を示している。制御マトリクス300は、
図1AのMEMS方式ディスプレイ装置100に組み込まれた光変調器を制御するのに適している。
図3Bは、
図3Aの制御マトリクス300に接続されたシャッター式光変調器アレイ320の例示的な透視図を示している。制御マトリクス300は、画素アレイ320(「アレイ320」)をアドレス指定することができる。各画素301は、アクチュエータ303によって制御される、
図2のシャッターアセンブリ200などの弾性シャッターアセンブリ302を含み得る。各画素は、開口324を含む開口層322も含み得る。
【0052】
制御マトリクス300は、シャッターアセンブリ302が形成される基板304の表面に、拡散または薄膜堆積電気回路として組み立てられる。制御マトリクス300は、制御マトリクス300中の画素301の各行に対するスキャンライン相互接続306と、制御マトリクス300中の画素301の各列に対するデータ相互接続308とを含む。各スキャンライン相互接続306は、書込み許可電圧源307を、対応する画素301の行中の画素301に電気接続する。各データ相互接続308は、データ電圧源309(「Vdソース」)を、対応する画素の列中の画素301に電気接続する。制御マトリクス300中で、Vdソース309は、シャッターアセンブリ302の作動に使用されるエネルギーの大部分を提供する。このように、データ電圧源、Vdソース309は、作動電圧源としても働く。
【0053】
図3Aおよび
図3Bを参照すると、画素アレイ320中の各画素301または各シャッターアセンブリ302に対して、制御マトリクス300は、トランジスタ310とキャパシタ312とを含む。各トランジスタ310のゲートは、画素301が置かれているアレイ320中の行のスキャンライン相互接続306に電気接続される。各トランジスタ310のソースは、それに対応するデータ相互接続308に電気接続される。各シャッターアセンブリ302のアクチュエータ303は、2つの電極を含む。各トランジスタ310のドレインは、対応するキャパシタ312の1つの電極、および対応するアクチュエータ303の電極のうちの1つと並列に電気接続される。シャッターアセンブリ302内のキャパシタ312の他方の電極およびアクチュエータ303の他方の電極は、共通または接地電位に接続される。代替実装形態では、トランジスタ310は、半導体ダイオードおよび/または金属絶縁体金属サンドイッチ型スイッチ素子で置き換えることができる。
【0054】
動作時、画像を形成するために、制御マトリクス300は、各スキャンライン相互接続306にVweを順に印加することによって、シーケンス中のアレイ320中の各行を書込み可能にする。書込み可能にされた行に対して、行中の画素301のトランジスタ310のゲートへのVweの印加により、トランジスタ310を通してデータ相互接続308に電流が流れて、シャッターアセンブリ302のアクチュエータ303に電位が印加される。行が書込み可能にされている間、データ電圧Vdが、データ相互接続308に選択的に印加される。アナロググレースケールを与える実装形態では、各データ相互接続308に印加されるデータ電圧は、書込み可能にされたスキャンライン相互接続306とデータ相互接続308との交差に置かれた画素301の所望の輝度との関係で変えられる。デジタル制御方式を提供する実装形態では、データ電圧は、比較的低規模の電圧(すなわち、グランドに近い電圧)になるように、またはVat(作動閾電圧)を満たし、もしくは超えるように選択される。データ相互接続308へのVatの印加に応答して、対応するシャッターアセンブリ内のアクチュエータ303が作動し、シャッターアセンブリ302内のシャッターを開く。データ相互接続308に印加された電圧は、制御マトリクス300が行にVweを印加するのをやめた後でも、画素301のキャパシタ312に蓄えられたまま留まる。したがって、シャッターアセンブリ302が作動するのに十分な程長い時間、行において電圧Vweを待ち、保持する必要はなく、そのような作動は、書込み許可電圧が行から除去された後も進行し得る。キャパシタ312は、アレイ320内のメモリ要素としても機能し、画像フレームの照明のために作動命令を記憶する。
【0055】
アレイ320の画素301ならびに制御マトリクス300は、基板304上に形成される。アレイ320は、基板304上に配設された開口層322を含み、開口層322は、アレイ320中のそれぞれの画素301に対する1組の開口324を含む。開口324は、各画素中のシャッターアセンブリ302と整列される。いくつかの実装形態では、基板304は、ガラスまたはプラスチックなどの透明材料から作られる。いくつかの他の実装形態では、基板304は、不透過性材料から作られるが、この場合、穴がエッチングされて開口324を形成する。
【0056】
シャッターアセンブリ302は、アクチュエータ303とともに、双安定にされ得る。すなわち、シャッターは、いずれかの位置にシャッターを保持するための電力がほとんどまたはまったく要求されることなく、少なくとも2つの均衡位置(開または閉など)に存在し得る。より具体的には、シャッターアセンブリ302は、機械的に双安定であり得る。シャッターアセンブリ302のシャッターが正しい位置でセットされると、その位置を維持するのに、電気エネルギーまたは保持電圧は要求されない。シャッターアセンブリ302の物理要素に対する機械的圧力が、シャッターを所定の場所で保持し得る。
【0057】
シャッターアセンブリ302はまた、アクチュエータ303とともに、電気的に双安定にされ得る。電気的に双安定のシャッターアセンブリでは、シャッターアセンブリの作動電圧を下回る電圧範囲が存在し、この電圧範囲は、(シャッターが開または閉のいずれかの状態で)閉アクチュエータに印加されると、シャッターに対向力が加えられたとしても、アクチュエータを閉のまま、かつシャッターを所定の位置で保持する。対向力は、
図2に示すシャッター式光変調器200内のスプリング207などのスプリングによって加えることができ、または対向力は、「開」もしくは「閉」アクチュエータなどの対向アクチュエータによって加えることができる。
【0058】
光変調器アレイ320は、画素ごとに単一のMEMS光変調器を有するものとして示されている。各画素中に複数のMEMS光変調器が設けられる他の実装形態も可能であり、そうすることによって、各画素中の単なる2進「オン」または「オフ」光学状態以上のものを可能にする。画素中の複数のMEMS光変調器が設けられ、光変調器の各々に関連付けられた開口324が不等面積をもつ符号化面積分割グレースケールのいくつかの形が可能である。
【0059】
図4Aおよび
図4Bは、二重アクチュエータシャッターアセンブリ400の例示的な図を示している。
図4Aに示す二重アクチュエータシャッターアセンブリ400は、開状態にある。
図4Bは、閉状態にある二重アクチュエータシャッターアセンブリ400を示している。シャッターアセンブリ200とは対照的に、シャッターアセンブリ400は、シャッター406の両側にアクチュエータ402および404を含む。各アクチュエータ402および404は、独立に制御される。第1のアクチュエータ、シャッター開アクチュエータ402は、シャッター406を開くのを担当する。第2の対向アクチュエータ、シャッター閉アクチュエータ404は、シャッター406を閉じるのを担当する。アクチュエータ402および404は両方とも、コンプライアントビーム電極アクチュエータである。アクチュエータ402および404は、シャッターがその上方で懸架されている開口層407に対して実質的に平行な平面にあるシャッター406を駆動することによって、シャッター406を開閉する。シャッター406は、アクチュエータ402および404に取り付けられたアンカ408によって、開口層407の少し上方で懸架される。シャッター406の移動軸に沿って、シャッター406の両端に取り付けられたサポートの含有により、シャッター406の面外運動が低減され、基板に対して実質的に平行な平面への運動が制限される。
図3Aの制御マトリクス300との類似性によって、シャッターアセンブリ400とともに使用するのに適した制御マトリクスは、対向するシャッター開アクチュエータ402およびシャッター閉アクチュエータ404の各々につき、1つのトランジスタおよび1つのキャパシタを含み得る。
【0060】
シャッター406は、光が通り得る2つのシャッター開口412を含む。開口層407は、3つの開口409からなるセットを含む。
図4Aにおいて、シャッターアセンブリ400は開状態にあり、したがって、シャッター開アクチュエータ402は作動しており、シャッター閉アクチュエータ404はその弛緩位置にあり、シャッター開口412の中心線が開口層の開口409のうちの2つの中心線と一致する。
図4Bにおいてシャッターアセンブリ400は閉状態に移されており、したがって、シャッター開アクチュエータ402はその弛緩位置にあり、シャッター閉アクチュエータ404は作動しており、シャッター406の遮光部分は今では、開口409(点線として示す)を通る光の透過を遮断するための所定の位置にある。
【0061】
各開口は、その周囲に、少なくとも1つの辺をもつ。たとえば、方形開口409は、4つの辺をもつ。円形、楕円、卵型、または他の湾曲開口が開口層407に形成される代替実装形態では、各開口は、単一辺のみを有し得る。いくつかの他の実装形態では、開口は、数学的な意味において分離され、または独立する必要はなく、連結されてよい。すなわち、開口の一部または成形断面が、各シャッターとの対応を維持し得る間、これらのセクションのいくつかは、開口の単一の連続外周が複数のシャッターによって共有されるように連結され得る。
【0062】
様々な出口角をもつ光を、開状態にある開口412および409に通すために、開口層407中の開口409の対応する幅またはサイズよりも大きい幅またはサイズをシャッター開口412に与えることが有利である。閉状態において光が漏れるのを効果的に阻止するために、シャッター406の遮光部分が開口409と重なるのが好ましい。
図4Bは、シャッター406内の遮光部分の端部と開口層407内に形成された開口409の一端との間の、あらかじめ規定され得る重複416を示す。
【0063】
静電アクチュエータ402および404は、その電圧変位挙動により、シャッターアセンブリ400に双安定特性が与えられるように設計される。シャッター開アクチュエータおよびシャッター閉アクチュエータの各々について、作動電圧を下回る電圧範囲が存在し、この電圧範囲は、そのアクチュエータが閉状態である(シャッターは開または閉のいずれかである)間に印加されると、対向アクチュエータに作動電圧が印加された後でも、アクチュエータを閉じたまま、かつシャッターを所定の位置に保持する。そのような対向力に対してシャッターの位置を維持するのに必要とされる最小電圧は、維持電圧Vmと呼ばれる。
【0064】
図5は、シャッター式光変調器(シャッターアセンブリ)502を組み込むディスプレイ装置500の例示的な断面図を示している。各シャッターアセンブリ502は、シャッター503とアンカ505とを組み込む。アンカ505とシャッター503との間で接続されると、表面の少し上でシャッター503を懸架するのを助けるコンプライアントビームアクチュエータについては図示していない。シャッターアセンブリ502は、プラスチックまたはガラスで作られた基板などの、透明基板504上に配設される。基板504上に配設された後ろ向き反射層または反射膜506が、シャッターアセンブリ502のシャッター503の閉位置の下に置かれた複数の表面開口508を画定する。反射膜506は、表面開口508を通らない光を、ディスプレイ装置500の後ろに向かって逆反射する。反射膜506は、スパッタリング、蒸着、イオンめっき、レーザアブレーション、または化学気相堆積(CVD)を含むいくつかの堆積技法によって薄膜方式で形成された含有物をもたない微粒金属膜であり得る。いくつかの他の実装形態では、反射膜506は、誘電鏡などの鏡から形成され得る。誘電鏡は、高および低屈折指数の材料を交互に繰り返す誘電薄膜の積層として組み立てられ得る。シャッターが自由に移動する反射膜506からシャッター503を分離する垂直ギャップは、0.5〜10
μmの範囲内である。垂直ギャップの規模は、
図4Bに示す重複416など、閉状態における、シャッター503の辺と、開口508の辺との間の横の重複よりも小さいのが好ましい。
【0065】
ディスプレイ装置500は、基板504を平面光ガイド516から分離する随意のディフューザ512および/または随意の輝度増強膜514を含む。光ガイド516は、透明材料、すなわちガラス材料またはプラスチック材料を含む。光ガイド516は、1つまたは複数の光源518によって照射され、バックライトを形成する。光源518は、たとえば、限定はしないが、白熱電球、蛍光灯、レーザ、または発光ダイオード(LED)でよい。反射体519は、ランプ518から光ガイド516に光を向けるのを助ける。前向き反射膜520が、バックライト516の後ろに配設され、シャッターアセンブリ502に向かって光を反射する。シャッターアセンブリ502のうちの1つを通らない、バックライトからの光線521などの光線は、バックライトに戻され、膜520から再度反射される。この方式において、第1のパス上に画像を形成するためにディスプレイ装置500を離れることができない光は、リサイクルし、シャッターアセンブリアレイ502中の他の開いた開口の透過のために利用可能にすることができる。そのような光リサイクルは、ディスプレイの照明効率を上げることがわかっている。
【0066】
光ガイド516は、ランプ518から開口508の方に、したがってディスプレイの前面の方に光を向け直す1組の幾何学的光リダイレクタまたはプリズム517を含む。光リダイレクタ517は、交替で断面が三角形、台形になる、または湾曲することができる形状をもつ光ガイド516のプラスチック本体内に成形することができる。プリズム517の密度は概して、ランプ518からの距離とともに増大する。
【0067】
いくつかの実装形態では、反射膜506は、光吸収材料で作ることができ、代替実装形態では、シャッター503の表面は、光吸収材料または光反射材料のいずれかでコーティングすることができる。いくつかの他の実装形態では、反射膜506は、光ガイド516の表面に直接堆積され得る。いくつかの実装形態では、反射膜506は、(後で説明するMEMSダウン構成の場合のように)シャッター503およびアンカ505と同じ基板上に配設される必要はない。
【0068】
いくつかの実装形態では、光源518は、異なる色、たとえば、赤、緑、および青色のランプを含み得る。人間の脳が、異なる色の画像を単一の多色画像に平均するのに十分なレートで、異なる色のランプで画像を連続して照明することによって、カラー画像が形成され得る。様々な色固有画像が、シャッターアセンブリアレイ502を使って形成される。別の実装形態では、光源518は、3つよりも多い異なる色をもつランプを含む。たとえば、光源518は、赤、緑、青および白色ランプまたは赤、緑、青および黄色ランプを有し得る。いくつかの他の実装形態では、光源518は、シアン、マゼンタ、黄色および白色ランプまたは赤、緑、青および白色ランプを有し得る。いくつかの他の実装形態では、追加のランプが光源518に含まれ得る。たとえば、5つの色を使用する場合、光源518は、赤、緑、青、シアンおよび黄色ランプを含み得る。いくつかの他の実装形態では、光源518は、白、オレンジ、青、紫および緑色ランプまたは白、青、黄色、赤およびシアン色ランプを含み得る。6つの色を使用する場合、光源518は、赤、緑、青、シアン、マゼンタおよび黄色ランプまたは白、シアン、マゼンタ、黄色、オレンジおよび緑色ランプを含み得る。
【0069】
カバープレート522は、ディスプレイ装置500の前面を形成する。カバープレート522の後ろ側は、コントラストを増すために、ブラックマトリクス524でカバーされ得る。代替実装形態では、カバープレートは、カラーフィルタ、たとえば、シャッターアセンブリ502のうちの異なるものに対応する、固有の赤、緑、および青フィルタを含む。カバープレート522は、いくつかの実装形態ではあらかじめ規定され得るある距離だけシャッターアセンブリ502から離れて支えられ、ギャップ526を形成する。ギャップ526は、機械的サポートもしくはスペーサ527によって、かつ/またはカバープレート522を基板504に付着させる粘着シール528によって維持される。
【0070】
粘着シール528は、流体530を封じ込める。流体530は、好ましくは約10センチポアズを下回る粘度、好ましくは約2.0を上回る比誘電率、および約10
4V/cmを上回る誘電破壊強度で工作される。流体530は、潤滑油としても働き得る。いくつかの実装形態では、流体530は、高い表面湿潤性をもつ疎水性液体である。代替実装形態では、流体530は、基板504の屈折指数よりも大きい、または小さい屈折指数をもつ。
【0071】
機械的光変調器を組み込むディスプレイは、数百、数千、または場合によっては数百万の可動要素を含み得る。いくつかのデバイスでは、要素が移動するたびに、静止摩擦が要素のうちの1つまたは複数を無効にする機会が生じる。この移動は、(流体530とも呼ばれる)流体にすべての部品を浸漬し、MEMSディスプレイセルの流体空間またはギャップ内に(接着剤などで)流体を密閉することによって、促進される。流体530は通常、摩擦係数が低く、粘度が低く、長期的に劣化の影響が最小である。MEMS方式ディスプレイアセンブリが流体530用に液体を含むとき、液体は少なくとも部分的に、MEMS方式光変調器の可動部のうちのいくつかを囲む。いくつかの実装形態では、作動電圧を下げるために、液体は、70センチポアズを下回る粘度を有する。いくつかの他の実装形態では、液体は、10センチポアズを下回る粘度を有する。70センチポアズを下回る粘度を有する液体は、4,000グラム/モルを下回るか、または場合によっては400グラム/モルを下回る低分子量を有する材料を含み得る。そのような実装形態に好適であり得る流体530は、限定はしないが、脱イオン水、メタノール、エタノールおよび他のアルコール、パラフィン、オレフィン、エーテル、シリコンオイル、フッ素化シリコンオイル、または他の天然もしくは合成の溶剤もしくは潤滑油を含む。有用な流体は、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、たとえば、ヘキサメチルジシロキサンおよびオクタメチルトリシロキサン、またはアルキルメチルシロキサン、たとえば、ヘキシルペンタメチルジシロキサンであり得る。有用な流体はアルカン、たとえば、オクタンまたはデカンであり得る。有用な流体はニトロアルカン、たとえば、ニトロメタンであり得る。有用な流体は芳香族化合物、たとえば、トルエンまたはジエチルベンゼンであり得る。有用な流体はケトン、たとえば、ブタノンまたはメチルイソブチルケトンであり得る。有用な流体はクロロカーボン、たとえば、クロロベンゼンであり得る。有用な流体はクロロフルオロカーボン、たとえば、ジクロロフルオロエタンまたはクロロトリフルオロエチレンであり得る。これらのディスプレイアセンブリについて考えられる他の流体には、酢酸ブチルおよびジメチルホルムアミドが含まれる。これらのディスプレイアセンブリについてのさらに他の有用な流体には、ハイドロフルオロエーテル、ペルフルオロポリエーテル、ハイドロフルオロポリエーテル、ペンタノール、およびブタノールが含まれる。例示的な適切なハイドロフルオロエーテルには、エチルノナフルオロブチルエーテルおよび2−トリフルオロメチル−3−エトキシドデカフルオロヘキサン(2−trifluoromethyl−3−ethoxydodecafluorohexane)が含まれる。
【0072】
板金または成形プラスチックアセンブリブラケット532は、カバープレート522と、基板504と、バックライトと、他の構成要素部とを合わせて、辺の周りに保持する。アセンブリブラケット532は、複合ディスプレイ装置500に剛性を加えるために、ねじまたは刻みタブで取り付けられる。いくつかの実装形態において、光源518は、エポキシポッティング化合物によって、所定の場所に成形される。反射体536は、光ガイド516の辺から漏れた光を光ガイド516に戻すのを助ける。シャッターアセンブリ502およびランプ518に制御信号ならびに電力を与える電気相互接続は、
図5に示していない。
【0073】
いくつかの他の実装形態では、
図2A〜
図2Dに示すように、ローラー式光変調器220、光タップ250、またはエレクトロウェッティング式光変調アレイ270、ならびに他のMEMS方式光変調器が、ディスプレイ装置500内のシャッターアセンブリ502の代わりに用いられ得る。
【0074】
ディスプレイ装置500は、MEMSアップ構成と呼ばれ、MEMS方式光変調器が、基板504の前面、すなわち見ている人の方を向く表面に形成される。シャッターアセンブリ502は、反射膜506のすぐ上に構築される。MEMSダウン構成と呼ばれる代替実装形態において、シャッターアセンブリは、反射開口層が形成される基板とは別個の基板上に配設される。複数の開口を画定する反射開口層が形成される基板は、本明細書では、開口プレートと呼ばれる。MEMSダウン構成において、MEMS方式光変調器を収容する基板は、ディスプレイ装置500におけるカバープレート522に取って代わり、上部基板の後面、すなわち見ている人に背を向けて、光ガイド516の方を向く表面にMEMS方式光変調器が配置されるように配向される。MEMS方式光変調器は、そうすることによって、反射膜506にあるギャップに直接対向して、かつギャップにわたって配置される。ギャップは、開口プレートと、MEMS変調器が形成される基板とを接続する一連のスペーサポストによって維持することができる。いくつかの実装形態において、スペーサは、アレイ中の各画素内に、または各画素の間に配設される。MEMS光変調器を、それに対応する開口から分離するギャップまたは距離は、好ましくは10
μm未満、または重複416など、シャッターと開口との間の重複よりも小さい距離である。
【0075】
図6A〜
図6Eは、例示的な複合シャッターアセンブリの構築の段階の断面図を示している。
図6Aは、完成された複合シャッターアセンブリ600の例示的な断面図を示している。シャッターアセンブリ600は、シャッター601、2つのコンプライアントビーム602、ならびに基板603および開口層606の上に構築されたアンカ構造体604を含む。複合シャッターアセンブリ600の要素は、第1の機械層605、導体層607、第2の機械層609、および封入誘電体611を含む。機械層605または609の一方または両方は、シャッターアセンブリ600の主要ロードベアリングおよび機械的作動部材として働くので、機械層605または609のうちの少なくとも1つは、0.15
μmを上回る厚さで堆積され得るが、いくつかの実装形態では、機械層605および609はより薄い場合がある。機械層605および609の材料の候補として、限定はしないが、金属、たとえばアルミニウム(Al)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、ニオビウム(Nb)、ネオジム(Nd)、もしくはそれらの合金、誘電体材料、たとえば酸化アルミニウム(Al
2O
3)、酸化ケイ素(SiO
2)、五酸化タンタル(Ta
2O
5)、もしくは窒化ケイ素(Si
3N
4)、または半導体材料、たとえばダイヤモンドライクカーボン、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、ガリウムヒ素(GaAs)、テルル化カドミウム(CdTe)もしくはそれらの合金がある。導体層607などの層のうちの少なくとも1つは、作動要素との間で電荷を授受する(carry charge on to and off of)ように導電性であるべきである。材料の候補として、限定はしないが、Al、Cu、Ni、Cr、Mo、Ti、Ta、Nb、Ndもしくはそれらの合金、または半導体材料、たとえば、ダイヤモンドライクカーボン、Si、Ge、GaAs、CdTeもしくはそれらの合金がある。いくつかの実装形態では、半導体層を用いて、半導体にリン(P)、ヒ素(As)、ホウ素(B)、またはAlなどの不純物をドープする。
図6Aは、同様の厚さおよび機械的特性を有する機械層605および609が導体層607の両側に堆積された複合物のサンドイッチ構成を示している。いくつかの実装形態では、サンドイッチ構造は、堆積後に残っている応力および/または温度変動によって課せられる応力がシャッターアセンブリ600の曲げ、反りまたは他の変形を引き起こさないようにするのを助ける。
【0076】
いくつかの実装形態では、シャッターアセンブリ600の外側が導体層から形成される一方、シャッターアセンブリ600の内側が機械層から形成されるように、複合シャッターアセンブリ600の層の順序が逆にされ得る。
【0077】
シャッターアセンブリ600は、封入誘電体611を含み得る。いくつかの実装形態では、シャッター601、アンカ604、およびビーム602のすべての露出した下面、上面、および側面が均一にコーティングされるように、誘電体のコーティングが共形に適用され得る。そのような薄膜は、熱酸化によって、かつ/またはAl
2O
3、酸化クロム(III)(Cr
2O
3)、酸化チタン(TiO
2)、酸化ハフニウム(HfO
2)、酸化バナジウム(V
2O
5)、酸化ニオブ(Nb
2O
5)、Ta
2O
5、SiO
2もしくはSi
3N
4などの絶縁体の共形のCVDによって、または原子層堆積を通じて同様の材料を堆積することによって成長し得る。誘電体コーティング層は、10nm〜1
μmの範囲内の厚さで加えられ得る。いくつかの実装形態では、誘電体コーティングを側壁に堆積するために、スパッタリングおよび蒸発が使用され得る。
【0078】
図6B〜
図6Eは、
図6Aに示すシャッターアセンブリ600を形成するために使用される例示的なプロセスのいくつかの中間製造段階の結果の例示的な断面図を示している。いくつかの実装形態では、シャッターアセンブリ600は、
図3Aおよび
図3Bに示す制御マトリクスのような薄膜トランジスタのアクティブマトリクスアレイなどの既存の制御マトリクスの上に構築される。
【0079】
図6Bは、シャッターアセンブリ600を形成する例示的なプロセスの最初の段階の結果の断面図を示す。
図6Bに示されるように、犠牲層613が堆積されパターニングされる。いくつかの実装形態では、ポリイミドが犠牲層材料として使用される。他の犠牲層材料の候補には、限定はされないが、ポリアミド、フルオロポリマー、ベンゾシクロブテン、ポリフェニルキノキサリン、パリレン、またはポリノルボルネンがある。これらの材料は、粗い表面を平坦化し、250℃を上回る処理温度で機械的完全性を維持する能力、ならびにエッチングおよび/または除去中の熱分解の容易さを理由に選ばれる。他の実装形態では、犠牲層613は、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルエチレンおよびフェノール樹脂またはノボラック樹脂などのフォトレジストから形成される。いくつかの実装形態で使用される代替犠牲層材料としてSiO
2があり、これは、その除去に使用されるフッ化水素酸溶液に対して他の電子層または構造層が耐性を有する限り、優先的に除去され得る。1つのそのような適した耐性材料として、Si
3N
4がある。別の代替犠牲層材料としてSiがあり、これは、大半の金属およびSi
3N
4など、その除去に使用されるフッ素プラズマまたはフッ化キセノン(XeF
2)に対して電子層または構造層が耐性を有する限り、優先的に除去され得る。さらに別の代替犠牲層材料としてAlがあり、これは、濃縮苛性ソーダ(NaOH)溶液など、強力な基礎液に対して他の電子層または構造層が耐性を有する限り、優先的に除去され得る。適した材料には、たとえば、Cr、Ni、Mo、TaおよびSiがある。さらに別の代替犠牲層材料としてCuがあり、これは、硝酸溶液または硫酸溶液に対して他の電子層または構造層が耐性を有する限り、優先的に除去され得る。そのような材料には、たとえば、Cr、Ni、およびSiがある。
【0080】
次に犠牲層613は、アンカ領域604に穴またはビアを露出させるようにパターニングされる。ポリイミドまたは他の非感光性材料を犠牲層材料として用いる実装形態では、犠牲層材料は感光剤を含むように作られてよく、それにより、UVフォトマスクを通じて露出する領域を現像液中で優先的に除去することができる。他の材料から形成された犠牲層は、フォトレジストの追加層において犠牲層613をコーティングし、フォトレジストをフォトパターニングし、最後にフォトレジストをエッチングマスクとして使用することによってパターニングされ得る。犠牲層613は、代替的に、SiO
2またはCrなどの金属の薄層であり得るハードマスクにより犠牲層613をコーティングすることによってパターニングされ得る。次いでフォトパターンが、フォトレジストおよび湿式化学エッチングによってハードマスクに移される。ハードマスクに現れるパターンは、深くて狭いアンカ穴を犠牲層613に与えるために使用され得る乾式化学エッチング技法、異方性エッチング技法、またはプラズマエッチング技法に対して耐性があり得る。
【0081】
アンカ領域604が犠牲層613中に開かれた後、表面の酸化物層を除去するために、露出した下にある導電面614を化学的に、またはプラズマのスパッタリング効果によってエッチングすることができる。そのようなコンタクトエッチング段階により、下にある導電面614とシャッター材料とのオーム接触を改善することができる。犠牲層613のパターニングの後、フォトレジスト層またはハードマスクが、溶剤洗浄法または酸エッチング法のいずれかを使用して除去され得る。
【0082】
次に、
図6Cに示すように、シャッターアセンブリ600を構築するためのプロセスにおいて、シャッター材料が堆積される。シャッターアセンブリ600は、複数の薄膜、すなわち第1の機械層605、導体層607および第2の機械層609から構成される。いくつかの実装形態では、第1の機械層605はアモルファスシリコン(a−Si)層であり、導体層607はAlであり、第2の機械層609はa−Siである。第1の機械層605、導体層607および第2の機械層609は、犠牲層613に物理的劣化が生じる温度を下回る温度で堆積される。たとえば、ポリイミドは約400℃を上回る温度で分解する。したがって、いくつかの実装形態では、第1の機械層605、導体層607および第2の機械層609は、約400℃を下回る温度で堆積され、ポリイミドを犠牲層材料として使用することを可能にする。いくつかの実装形態では、水素化アモルファスシリコン(a−Si:H)は、約250〜約350℃の範囲の温度でシランガスからプラズマ強化化学気相成長法(PECVD)によって、応力が比較的少ない状態において、約0.15〜約3
μmの範囲の厚さに成長可能であるので、第1の機械層605および第2の機械層609にとって有用な機械材料である。そのような実装形態のうちのいくつかでは、a−Siが約1オームcmを下回る抵抗率で成長し得るように、ドーパントとしてホスフィンガス(PH
3)が使用される。代替実装形態では、同様のPECVD技法が、第1の機械層605としてSi
3N
4、シリコンリッチなSi
3N
4もしくはSiO
2材料の堆積に、または第1の機械層605のためにダイヤモンドライクカーボン、Ge、SiGe、CdTeもしくは他の半導体材料の堆積に使用され得る。PECVD堆積技法の利点として、堆積が非常に共形になり得る、すなわち、様々な傾斜面または狭いビアホールの内面をコーティングし得る。犠牲層材料に切り込まれたアンカまたはビアホールがほぼ垂直な側壁を提示したとしても、PECVD技法は、アンカの下水平面と上水平面との間に実質的に連続したコーティングを実現することができる。
【0083】
PECVD技法に加えて、第1の機械層605および第2の機械層609の成長のために利用可能な代替の適した技法には、RFまたはDCスパッタリング、金属有機CVD、蒸発、電気めっきまたは無電解めっきが含まれる。
【0084】
導体層607には、いくつかの実装形態では、Alなどの金属薄膜が利用される。いくつかの他の実装形態では、Cu、Ni、Mo、またはTaなどの代替金属が選択され得る。そのような導電性材料を含めることは、2つの目的を果たす。それは、シャッター601の全体的なシート抵抗を軽減するほか、Siは、シャッター601のいくつかの実装形態で使用され得るように、約2
μm未満の厚さである場合に、可視光をある程度透過し得るので、シャッター601を可視光が通るのを妨げるのを助ける。導電性材料は、スパッタリングによって、またはより共形に、CVD、電気めっきもしくは無電解めっきによって、堆積され得る。
【0085】
図6Dは、シャッターアセンブリ600の形成に使用される次の1組の処理段階の結果を示している。第1の機械層605、導体層607、および第2の機械層609がフォトマスクされ、エッチングされる一方、犠牲層613は依然として基板603上にある。第1に、フォトレジスト材料が施され、次いでフォトマスクを通して露出され、次いで現像されてエッチマスクが形成される。次いでアモルファスシリコン、Si
3N
4、およびSiO
2が、フッ素ベースのプラズマ化学でエッチングされ得る。SiO
2機械層はまた、HF湿式化学を使用してエッチングでき、導体層607におけるいずれの金属も、湿式化学または塩素ベースのプラズマ化学反応のいずれかを使用してエッチングできる。
【0086】
フォトマスクを通じて付与されるパターン形状は、シャッターアセンブリ600のアクチュエータおよびシャッター601における剛性、コンプライアンス、電圧応答などの機械的特性に影響を及ぼす場合がある。シャッターアセンブリ600は、断面で示すコンプライアントビーム602を含む。各コンプライアントビーム602は、幅がシャッター材料の全体的な高さまたは厚さを下回るように形成される。いくつかの実装形態では、ビーム寸法比は約1.4:1以上に、コンプライアントビーム602が幅よりも高くまたは厚くなるように維持される。
【0087】
シャッターアセンブリ600を構築するための例示的な製造プロセスの後続段階の結果が、
図6Eに示されている。犠牲層613が除去されて、アンカポイントを除いて基板603からすべての可動部が解放される。いくつかの実装形態では、ポリイミド犠牲材料が酸素プラズマにおいて除去される。犠牲層613に使用された他のポリマー材料も、酸素プラズマにおいて、または場合によっては熱分解によって除去され得る。いくつかの犠牲層材料(SiO
2など)は、湿式化学エッチングによって、または気相エッチングによって除去され得る。
【0088】
図6Aに結果が示されている最終プロセスにおいて、封入誘電体611がシャッターアセンブリ600のすべての露出面に堆積される。いくつかの実装形態では、シャッター601およびビーム602のすべての下面、上面および側面がCVDを使用して均一にコーティングされるように、封入誘電体611は共形に施されてよい。いくつかの他の実装形態では、シャッター601の上面および側面のみがコーティングされる。いくつかの実装形態では、Al
2O
3が封入誘電体611に使用され、約10〜約100ナノメートルの範囲内の厚さで原子層堆積によって堆積される。
【0089】
最後に、反スティクションコーティングがシャッター601およびビーム602の表面に施され得る。これらのコーティングは、アクチュエータの2つの独立したビーム間の不要な粘性または粘着を防止する。適したコーティングは、炭素膜(グラファイトとダイヤモンド状の両方)ならびにフルオロポリマーおよび/または低蒸気圧潤滑油ならびにクロロシラン、炭化水素クロロシラン、過フッ化炭化水素クロロシラン、たとえばメトキシ末端シラン(methoxy−terminated silane)、ペルフルオロ化、アミノシラン、シロキサンおよびカルボン酸ベースのモノマーおよび種(carboxylic acid based monomers and species)を含む。これらのコーティングは、分子蒸気への露出、またはCVDによる前駆体化合物の分解のいずれかによって施され得る。反スティクションコーティングは、絶縁表面のフッ素化、シラン化、シロキサン化(siloxidation)、または水素化におけるような、シャッター表面の化学変換によって作成されてもよい。
【0090】
MEMS方式シャッターディスプレイにおいて使用するのに適したアクチュエータの種類の1つとして、ディスプレイ基板に対して横であるか、またはディスプレイ基板の面内であるシャッター運動を制御するためのコンプライアントアクチュエータビームがある。そのようなシャッターアセンブリの作動に用いられる電圧は、アクチュエータビームの準拠性が高まるにつれて低下する。作動している運動の制御はまた、面外運動に対して面内運動が優先または促進されるようにビームが形成される場合に改善する。それによって、いくつかの実装形態では、コンプライアントアクチュエータビームは、ビームが幅よりも高くまたは厚くなるような方形断面を有する。
【0091】
特定の平面内の曲げに対する長い方形ビームの剛性は、その平面におけるそのビームの最も薄い寸法の3乗に比例する(scale with)。したがって、面内運動の作動電圧を下げるためにコンプライアントビームの幅を縮小することは有利である。しかしながら、従来型のフォトリソグラフィ機器を使用してシャッターおよびアクチュエータ構造体を画定し、組み立てるとき、ビームの最小幅は光学素子の解像度に限定され得る。そして、狭い特徴によりフォトレジストにおいてパターンを画定するようにフォトリソグラフィ機器が開発されてきたものの、そのような機器は高価であり、単一の露出においてパターニングが達成され得るエリアは限られている。ガラスまたは他の透明基板の大型パネルでの経済的フォトリソグラフィでは、パターニング解像度または最小特徴サイズは通常、数
μmに限定される。
【0092】
図7A〜
図7Dは、狭い側壁ビームを有する例示的なシャッターアセンブリ700の構築の段階の等角図である。この代替プロセスは、コンプライアントアクチュエータビーム718および720ならびにコンプライアントスプリングビーム716(「側壁ビーム716、718および720」と総称される)をもたらし、側壁ビーム716、718および720の幅は、大きいガラスパネルに対する従来型のリソグラフィの限度を大きく下回る。
図7A〜
図7Dに示すプロセスでは、シャッターアセンブリ700のコンプライアントビームは、犠牲材料から作られる型上の側壁特徴として形成される。このプロセスは側壁ビームプロセスと呼ばれる。
【0093】
側壁ビーム716、718および720を有するシャッターアセンブリ700を形成するプロセスは、
図7Aに示すように、第1の犠牲材料701の堆積およびパターニングで始まる。第1の犠牲材料701において画定されるパターンは、開きまたはビア702を作り、最終的には開きまたはビア702の中に、シャッターアセンブリ700のアンカが形成される。第1の犠牲材料701の堆積およびパターニングは、
図6A〜
図6Eに関して説明した堆積およびパターニングについて述べたものと概念的に類似しており、類似の材料および技法を使用する。
【0094】
側壁ビーム716、718および720を形成するプロセスは、第2の犠牲材料705の堆積およびパターニングで続く。
図7Bは、第2の犠牲材料705のパターニング後に作られた型703の形状を示している。型703はまた、第1の犠牲材料701およびその以前に画定されたビア702を含む。
図7Bにおける型703は、2つの別個の水平レベルを含む。型703の下水平レベル708は、第1の犠牲材料701の上面によって確立されており、第2の犠牲材料705がエッチング除去されているエリアにおいてアクセス可能である。型703の上水平レベル710は、第2の犠牲材料705の上面によって確立されている。
図7Bに示す型703はまた、実質的に垂直な側壁709を含む。第1の犠牲材料701および第2の犠牲材料705として使用するための材料が、
図6A〜
図6Eの犠牲層613に関して上で説明されている。
【0095】
側壁ビーム716、718および720を形成するプロセスは、
図7Cに示すように、犠牲型703の露出面のすべてへのシャッター材料の堆積およびパターニングで続く。シャッター712を形成する際に使用するのに適した材料については、
図6A〜
図6Eの第1の機械層605、導体層607、および第2の機械層609に関して上述している。シャッター材料は、約2
μm未満の厚さで堆積される。いくつかの実装形態では、シャッター材料は、約1.5
μm未満の厚さを有するように堆積される。いくつかの他の実装形態では、シャッター材料は、約1.0
μm未満の厚さを有するように、また約0.10
μmほどの薄さで堆積される。堆積後、シャッター材料(上述したように、いくつかの材料の複合物であり得る)は、
図7Cに示すようにパターニングされる。第1に、シャッター材料上にフォトレジストマスクが堆積される。次いでフォトレジストはパターニングされる。フォトレジストに現れるパターンは、シャッター材料が後続のエッチング段階の後、シャッター712の領域に、かつアンカ714に留まるように設計される。
【0096】
製造プロセスは、異方性エッチングを施すことで継続し、その結果、
図7Cに示す構造が生じる。シャッター材料の異方性エッチングは、基板726に対して、または基板726に近接した電極に対して電圧バイアスがかけられたプラズマ環境において実行される。バイアスされた基板726(電界が基板726の表面に対して直角である)により、基板726に対してほぼ直角な角度で基板726の方へイオンが加速する。そのような加速したイオンとエッチング化学物質とが相まって、エッチング速度は、基板726の平面に垂直である方向において、基板726に対して平行な方向と比較して格段に速くなる。フォトレジストによって保護された領域におけるシャッター材料のアンダーカットエッチングは、それによって大幅に取り除かれる。加速したイオンの軌道に対して実質的に平行である型703の垂直な側壁709に沿って、シャッター材料は異方性エッチングからもかなり保護される。そのような保護された側壁シャッター材料は、シャッター712を支えるための側壁ビーム716、718、および720を形成する。上水平面710または下水平面708などの型703の他の(フォトレジストで保護されていない)水平面に沿って、シャッター材料は、エッチングによって実質的に完全に除去されている。
【0097】
側壁ビーム716、718および720を形成するために使用される異方性エッチングは、基板726の電気バイアスまたは基板726に極めて近接した電極の電気バイアスのための設備が供給される限り、RFまたはDCのいずれかのプラズマエッチングデバイスで達成され得る。RFプラズマエッチングの場合、励起回路の接地板から基板ホルダを切り離すことによって、基板電位がプラズマにおいて浮動可能になり、等価セルフバイアスが取得され得る。いくつかの実装形態では、炭素と水素の両方および/または炭素とフッ素の両方がエッチングガス中の成分であるトリフルオロメタン(CHF
3)、ペルフルオロブテン(C
4F
8)、またはクロロホルム(CHCl
3)などのエッチングガスを提供することが可能である。再び基板726の電圧バイアスを通じて達成される、方向性プラズマと組み合わされたとき、解放された炭素(C)、水素(H)および/またはフッ素(F)の原子が、受動型または保護型の準ポリマーコーティングを作り上げる場所となる垂直な側壁709の方へ移動することができる。この準ポリマーコーティングはさらに、側壁ビーム716、718および720をエッチングまたは化学攻撃から保護する。
【0098】
側壁ビーム716、718および720を形成するプロセスは、第2の犠牲材料705および第1の犠牲材料701の残余を除去することを含む。その結果は
図7Dに示されている。犠牲材料を除去するプロセスは、
図6Eに関して説明したプロセスと同様である。型703の垂直な側壁709上に堆積された材料は、側壁ビーム716、718および720として留まる。側壁ビーム716は、アンカ714をシャッター712に機械的に接続するスプリングとして働くとともに、受動的復元力をもたらし、コンプライアントビーム718および720から形成されたアクチュエータによって加えられた力に対抗する。アンカ714は、開口層725に接続する。側壁ビーム716、718および720は、高く、狭い。型703の表面から形成される側壁ビーム716、718および720の幅は、堆積されたシャッター材料の厚さと同じくらいである。いくつかの実装形態では、側壁ビーム716の幅は、シャッター712の厚さと同じになる。いくつかの他の実装形態では、ビーム幅は、シャッター712の厚さの約1/2のみとなる。側壁ビーム716、718および720の高さは、第2の犠牲材料705の厚さによって、または言い換えれば、
図7Bに関して説明したパターニング動作中に作成された型703の深さによって決定される。堆積されたシャッター材料の厚さが約2
μm未満になるように選択される限り、
図7A〜
図7Dに示すプロセスは、とても狭いビームの作成に好適である。実際、多くの適用例では、0.1〜2.0
μmの範囲の厚さが非常に適している。従来型のフォトリソグラフィは、
図7A、
図7Bおよび
図7Cに示すパターニングされる特徴を、格段に大きい寸法に限定し、たとえば、許容される最小分解特徴は2
μmまたは5
μm以上となる。
【0099】
図7Dは、上述のプロセスにおける解放動作後に形成されたシャッターアセンブリ700の等角図を示しており、高いアスペクト比の断面を有するコンプライアントビームがもたらされている。第2の犠牲材料705の厚さが、たとえば、シャッター材料の厚さの約4倍よりも大きい限り、結果的に、ビーム高とビーム幅の比は同様の比、すなわち、約4:1よりも大きくなる。
【0100】
上記には示していないが、
図7Cに至るプロセスの一部として含まれる随意の段階は、コンプライアントロードビーム720をコンプライアント駆動ビーム718から分離または分断するための側壁ビーム材料の等方性エッチングを伴う。たとえば、ポイント724におけるシャッター材料が、等方性エッチングを使用して側壁から除去されている。等方性エッチングでは、エッチング速度がすべての方向において実質的に同じであるので、ポイント724などの領域における側壁材料はもはや保護されない。等方性エッチングは、バイアス電圧が基板726に印加されない限り、通常のプラズマエッチング機器において達成され得る。等方性エッチングはまた、湿式化学または気相エッチング技法を使用して達成され得る。この随意の第4のマスキングおよびエッチング段階に先立って、側壁ビーム材料は、型703における凹部特徴の外周に基本的に連続して存在する。第4のマスキングおよびエッチング段階を使用して、側壁材料を分離、分割し、別個のビーム718および720を形成する。ポイント724におけるビーム718および720の分離は、フォトレジスト分配およびマスクを通じた露出の第4のプロセスを通じて達成される。この場合におけるフォトレジストパターンは、分離ポイント724を除くすべてのポイントで等方性エッチングに対して側壁ビーム材料を保護するように設計される。
【0101】
側壁プロセスの最終段階として、封入誘電体が側壁ビーム716、718および720の外面の周りに堆積される。
【0102】
型703の垂直な側壁709上に堆積されたシャッター材料を保護するために、また実質的に均一の断面の側壁ビーム716、718および720を作るために、いくつかの特定のプロセスガイドラインに従い得る。たとえば、
図7Bにおいて、側壁709は、できるだけ垂直に作られ得る。垂直な側壁709および/または露出面における傾斜は、異方性エッチングの影響を受けやすくなる。いくつかの実装形態では、垂直な側壁709は、異方性方式による第2の犠牲材料705のパターニングなどの
図7Bにおけるパターニング動作によって作られ得る。第2の犠牲層705のパターニングとともに追加のフォトレジストコーティングまたはハードマスクを使用することにより、フォトレジストの過度の損耗を軽減しながら、第2の犠牲材料705の異方性エッチングにおいてアグレッシブなプラズマおよび/または高い基板バイアスを使用することができるようになる。垂直な側壁709はまた、UV露出中に焦点深度を制御するように注意され、抵抗の最終硬化(cure)中に過度の収縮が回避される限り、フォトイメージ可能な犠牲材料において作られ得る。
【0103】
側壁ビーム処理中に役立つ別のプロセスガイドラインは、シャッター材料の堆積の共形性に関係する。型703の表面は、垂直か水平かを問わず、それらの表面の方位に関係なく、同様の厚さのシャッター材料で覆われ得る。そのような共形性は、CVDにより堆積するときに達成され得る。具体的には、次の共形技法が用いられ得る。PECVD、低圧化学気相堆積(LPCVD)、および原子層または自己限定層堆積(ALD)。上記のCVD技法では、薄膜の成長速度は、ソース原子の方向性フラックスに表面を露出させるのとは対照的に、表面の反応速度によって制限され得る。いくつかの実装形態では、垂直面上で成長する材料の厚さは、水平面上で成長する材料の厚さの少なくとも50%である。代替的に、シャッター材料は、めっきの前に表面をコーティングする金属シード層が提供された後、無電解めっきまたは電気めっきによって溶液から共形に堆積され得る。
【0104】
図8A〜
図8Cは、第1の先端ギャップ調整特徴(TGAF)を有する例示的なシャッターアセンブリ800の様々な図を示す。特に、
図8Aはシャッターアセンブリ800の上面図を示し、
図8Bは第1のTGAFの断面図を示し、
図8Cは、TGAFの結果もたらされた先端ギャップの縮小を示す、解放後のシャッターアセンブリ800の上面図を示す。
【0105】
図8Aは、第1のTGAF 802を有するシャッターアセンブリ800を示す。具体的に言うと、
図8Aは、シャッターアセンブリ800の開放の前であるが、シャッターアセンブリ800がパターニングされた段階の後である、製造の段階におけるシャッターアセンブリ800を示す。シャッターアセンブリ800は、犠牲型804によって支えられる。犠牲型804は、上記の
図7Bに関して説明した第2の犠牲型703と同様であり得る。そのようにして、犠牲型804はまた、同じく
図7Bに示す第1の犠牲層701および第2の犠牲材料705に類似する2つ以上の犠牲材料層を含み得る。犠牲型804は、実質的に垂直な側壁を有し、狭い駆動ビームおよびロードビームを形成するために使用される、隆起した型メサを形成するためにパターニングされる。
【0106】
犠牲型804は、第1の型メサ806および第2の型メサ808と呼ばれる隆起部を含む。細長いループした駆動ビーム807が、第1の型メサ806の側壁上に形成される一方で、ロードビーム809、シャッター810およびスプリングビーム812が、第2の型メサ808の側壁および上面の上に形成される。周辺ビーム813がまた、ロードビーム809、スプリングビーム812および周辺ビーム813の間で第2の型メサ808を囲むために設けられる。周辺ビーム813の一端がロードアンカ822に結合される一方で、他端がスプリングアンカ824に結合される。
【0107】
第1の型メサ806の側壁上に形成されたループした駆動ビーム807は、第1の部分814、第2の部分816、および第1の部分814を第2の部分816に接続する接続部分818を含む。第1の部分814は、ロードビーム809に隣接する駆動アンカ820から離れて延びる。ロードビーム809に対して第1の部分814の後ろに配置される第2の部分816もまた、駆動アンカ820から離れて延びる。接続部分818は、ループした駆動ビーム807を完成するために第1の部分814と第2の部分816とを接続する湾曲部分である。
【0108】
第2の型メサ808の側壁上に形成されたロードビーム809は、ロードアンカ822から離れて延び、シャッター810に接続する。ロードビーム809は、ループした駆動ビーム807に極めて近接して設置される。シャッター810の他端は、スプリングアンカ824から離れて延びるスプリングビーム812に接続される。
【0109】
ループした駆動ビーム807は、第1の型メサ806によって形成される空間の境界を全体的に囲む。同様に、周辺ビーム813の組込みは、ロードビーム809、スプリングビーム812および周辺ビーム813の組合せが、第2の型メサ808によって形成された空間の境界を、ともに全体的に囲むことを可能にする。これは、型703のどの部分も全体的に囲むことのない、
図7Cに示す駆動ビーム718と対照的である。代わりに、所望の動作を達成するために、
図7Cにすべてを示すように、駆動ビーム718は、終端領域724においてアンカ714からの分離を必要とする。分離は、一般的に、高価であり得る追加のフォトリソグラフィプロセスによって達成される。しかし、
図8Aのシャッターアセンブリ800は、その所望の動作を実行するために、ループした駆動ビーム807のそのような分離を必要としない。したがって、シャッターアセンブリ800の特徴が型804によって形成される空間の境界を全体的に囲むような方法で、シャッターアセンブリ800を構築することによって、追加の高価なフォトリソグラフィプロセスが回避される。
【0110】
ループした駆動ビーム807およびロードビーム809はアクチュエータ826を形成し、アクチュエータ826は、作動されると、シャッターアセンブリ800の正常動作の間に、ロードビーム809をループした駆動ビーム807の方に引っ張る静電力を結果としてもたらす。これは、シャッター810を、基板に実質的に平行に、ループした駆動ビーム807の方に移動させる。アクチュエータ826が弛緩されると、スプリングビーム812は、シャッター810を反対方向に引っ張り戻す。
【0111】
いくつかの実装形態では、シャッターアセンブリ800は、
図8Aに示すアクチュエータ826に加えて第2のアクチュエータを含み得る。そのような実装形態では、スプリングビーム812の代わりに、第2のアクチュエータが、第1のアクチュエータ826がシャッター810を引っ張るのと反対の方向にシャッター810を引っ張るために使用され得る。第2のアクチュエータが、同じく、ループした駆動ビームと、ロードビーム809がシャッターに結合されるのと反対側でシャッター810に結合されるロードビームとを含み得る点で、第2のアクチュエータはアクチュエータ826と同様であり得る。さらに、第2のアクチュエータのループした駆動ビームはまた、ループした駆動ビーム807上に示すTGAF 802と同様のTGAFを含み得る。第2のアクチュエータのループした駆動ビームは、ループした駆動ビーム807が上に形成される型メサ806と同様の型メサ上に形成され得る一方で、第2のアクチュエータのロードビームは、第2の型メサ808の側壁上に形成され得る。アクチュエータ826の作動および弛緩と連動した第2のアクチュエータの適切な作動および弛緩が、シャッター810を所望の位置に移動させるために使用され得る。
【0112】
アクチュエータ826は、ループした駆動ビーム807およびロードビーム809にわたって作動電圧を印加することによって作動される。シャッターアセンブリ800を効率的に動作させるのに必要な作動電圧の大きさは、部分的に、先端ギャップとしても知られている、ループした駆動ビーム807の先端とロードビーム809との間の距離の関数である。特に、必要な作動電圧は、先端ギャップの減少につれて減少する。
図8Aに示すように、ループした駆動ビーム807とロードビーム809との間の先端ギャップは、第1の先端ギャップTG1によって示される。
【0113】
ループした駆動ビーム807の第2の部分816は、第1の先端ギャップTG1の低減に使用される第1のTGAF 802を含む。第1のTGAF 802は、第1の型メサ806から外に延びる複数の突起806aの側壁上に形成される複数のU字型のビーム領域を含む。より詳細には、TGAF 802は、突起806aと、最外側の突起806aの外側に形成された外部ビーム領域816bとの間に置かれる狭いチャネル内に形成された概ねU字型のビーム領域816aを含む。TGAF 802、および突起806aと外部ビーム領域816bとの間の狭いチャネルのいくつかの例示的な寸法が、以下の
図8Bの説明の中で与えられる。
【0114】
図8Bは、
図8Aに示す第1のTGAF 802の軸A−Aに沿った断面図を示す。断面図は、第1の犠牲層861が上に堆積される基板860を示す。基板860および第1の犠牲層861は、
図7Aおよび
図7Bに関して上記で説明した、基板726および第1の犠牲層701と同様であり得る。
図8Bはまた、第1の型メサ806の突起806aと、U字型のビーム領域816aと、ループした駆動ビーム807の第2の部分816の外部ビーム領域816bとの断面を示す。上述のように、U字型のビーム領域816aは、突起806aの間の狭いチャネル内の突起806aの側壁上に形成される一方で、外部ビーム領域816bは、
図8Aに示すように、最外側の突起806aの外側に形成される。
【0115】
隣接する突起806aの対向する壁の間のギャップd
uは比較的狭く、突起806aの間に深くて狭いチャネルを結果としてもたらす。そのような幾何形状によって、ビーム材料が突起806aの側壁上に堆積されるとき、堆積材料のより少ない堆積イオンが、これらの深くて狭いチャネル内で突起806aの側壁に到達して側壁をコーティングする。その結果、これらのチャネル内のU字型のビーム領域816aの厚さt
1は、チャネルの外側で、ループした駆動ビーム807の第2の部分816の残余部の上に形成された外部ビーム領域816bの厚さt
2より小さい。
【0116】
より薄いU字型のビーム領域816aは、それらの幾何形状および厚さの変化のために、一定量の応力または応力勾配を発生する。シャッターアセンブリ800が解放されるとき、すなわち犠牲型804が除去されるとき、この応力または応力勾配は、概ねU字型のビーム領域816aを広くさせる。
図8Cは、犠牲型804から解放された後のシャッターアセンブリ800を示す。第1のTGAF 802内の応力は、第1のTGAF 802を広くさせる。この広がりの結果、ループした駆動ビーム807は、ロードビーム809のより近くに屈曲し、先端ギャップをTG2まで低減する結果をもたらす。比較のために、開放前のループした駆動ビーム807の元の位置を破線で示す。
【0117】
いくつかの実装形態では、先端ギャップの低減は、約0.1〜2
μm、またはTGAFがない先端ギャップの約50%である。先端ギャップの低減は、シャッターアセンブリ800を動作させるためにアクチュエータ826によって必要とされる作動電圧の低減を結果としてもたらす。たとえば、先端ギャップを3
μmから2
μmに低減すると、作動電圧の約25Vから約15Vへの低減(または、最大約50%の低減)が結果としてもたらされ得る。
【0118】
いくつかの実装形態では、第1のTGAF 802のU字型のビーム領域816aの間のチャネル幅(
図8Bにdcで示す)は、約3〜6
μmであり得る。フォトリソグラフィプロセスが改善するにつれて、これらのチャネル幅は一層低減することができる。いくつかの実装形態では、基板に平行な平面内のU字型のビーム領域816aの、
図8AのLで示す長さは、約4〜8
μmであり得る。
【0119】
いくつかの実装形態では、第1のTGAF 802のU字型のビーム領域816aは、
図8Aに示すように互いに隣接することが、ないことがある。代わりに、U字型のビーム領域816aは、ループした駆動ビーム807の第2の部分816の長さにわたって分散されることがある。いくつかの実装形態では、これは、第1の型メサ806から外に延びる突起の間の代わりに、第1の型メサ806の本体内に狭いチャネルを形成することによって達成され得る。これらの狭いチャネル内の第1の型メサ806の側壁上に堆積されたビーム材料は、ループした駆動ビーム807の第2の部分816の残余部より薄いU字型のビーム領域を形成する。そのような実装形態では、分散されたU字型のビーム領域の組み合わされたアクションが、ループした駆動ビーム807をロードビーム809の方に屈曲させ得る。そのような実装形態では、U字型のビーム領域に沿った第2の部分816の厚さは、ループした駆動ビーム807の第2の部分816の残余部の厚さより薄い。
【0120】
図8Dは、第1のTGAF 802を含む別の例示的なシャッターアセンブリ850の上面図を示す。シャッターアセンブリ850は、ループした駆動ビーム807の第2の部分816に組み込まれた第1のTGAF 802に加えて、ループした駆動ビーム807の第1の部分814内に概ねU字型のセグメント828を含む。いくつかの実装形態では、U字型のセグメント828は、第1のTGAF 802の単一のU字型のビーム領域816aの寸法より比較的小さい寸法を有し得る。上記で説明したように、第1のTGAF 802の広がりが、ループした駆動ビーム807をロードビーム809の方に屈曲させる。ループした駆動ビーム807の曲げはまた、第1の部分814をロードビーム809の方に屈曲させる。U字型のセグメント828は、第1の部分814がU字型のセグメント828においてより容易に屈曲することを可能にする。したがって、U字型のセグメント828は、第1の部分814が沿って屈曲し得るヒンジとして働くことができる。したがって、第1の部分814がより容易に屈曲することを可能にすることによって、U字型のセグメント828は、第1の部分814の剛性を低減する。第1の部分814におけるこの低減された剛性は、ループした駆動ビーム807がロードビーム809の方になお一層の屈曲することを可能にし、したがって先端ギャップTG2をさらに低減する。いくつかの実装形態では、第1の部分814は、2つ以上のU字型のセグメント828を含み得る。
【0121】
図9A〜
図9Hは、第2の先端ギャップ調整特徴(TGAF)902を有する例示的なシャッターアセンブリ900の様々な図を示す。特に、
図9Aはシャッターアセンブリ900の上面図を示し、
図9B〜
図9Gは型904およびシャッターアセンブリ900の断面図を示し、
図9Hは、TGAF 902による先端ギャップの縮小を示す、解放後のシャッターアセンブリ900の上面図を示す。
【0122】
図8Aと同様に、
図9Aは、シャッターアセンブリ900の犠牲型904からの開放に先行する製造の段階におけるシャッターアセンブリ900を示す。シャッターアセンブリ900は、ループした駆動ビーム907およびロードビーム909を含むアクチュエータ926を含む。ループした駆動ビーム907は、駆動アンカ920に結合され、第1の型メサ906を囲む。ループした駆動ビーム907は、第1の部分914と、第2の部分916と、接続部分918とを含む。ロードビーム909は、ロードアンカ922に結合された一端と、シャッター910に結合された他端とを有する。ループした駆動ビーム907およびロードビーム909は、TG3で示す先端ギャップを有する。
【0123】
型904はまた、ロードビーム909、スプリングビーム912、および周辺ビーム913が上に形成される側壁を有する第2の型メサ908を含む。スプリングビーム912は、シャッター910に結合された一端と、スプリングアンカ924に結合された他端とを有する。シャッター910は、第2の型メサ908の上面上に形成される。周辺ビーム913は、ロードアンカ922に結合された一端と、スプリングアンカ924に結合された他端とを有する。
図8Aに示すシャッターアセンブリ800と同様に、シャッターアセンブリ900は、シャッターアセンブリ900が上に構築される型メサを全体的に囲む。たとえば、ループした駆動ビーム907は、第1の型メサ906を全体的に囲み、ロードビーム909、スプリングビーム912、および周辺ビーム913の組合せは、第2の型メサ908を全体的に囲み、シャッターアセンブリ900を構築するために必要なフォトリソグラフィ段階の数が低減される。
【0124】
ループした駆動ビーム907は、第2のTGAFを含む。特に、ループした駆動ビーム907の第2の部分916は、第2の部分916と駆動アンカ920との間に浅い角度のセグメント902を含む。浅い角度のセグメント902は、アンカ920に近接する第1の型メサ906の一部分906a(以下、「近位のメサ部分906a」と呼ぶ)を部分的に囲む。浅い角度のセグメント902は、第2の部分916の少なくとも一部より薄くなるように構成される。浅い角度のセグメント902と第2の部分916の残余部との間の厚さのこの変化は、ループした駆動ビーム907内に応力または応力勾配を結果としてもたらし、それによって、開放後に、ループした駆動ビーム907の先端がロードビーム909の方に屈曲して、先端ギャップTG3が低減される。
【0125】
いくつかの実装形態では、より薄い、浅い角度のセグメント902は、ループした駆動ビーム907の第2の部分916の残余部を形成するビーム材料のエッチングと比較して、浅い角度のセグメント902を形成するビーム材料の不均衡なエッチングの結果である。浅い角度のセグメント902は、近位のメサ部分906aの側壁上に形成される。この近位のメサ部分906aは、第1の型メサ906の遠位のメサ部分906bよりも面積が比較的大きい。いくつかの実装形態では、型メサのいくつかの部分は、ビーム材料を堆積する前に、型を硬化させるプロセスの間に収縮する。ある部分が収縮する程度は、部分的に、その部分の面積の関数である。たとえば、より大きい面積を有する部分は、比較的小さい面積を有する部分より多く収縮する。したがって、第1の型メサ906の硬化プロセスの間、遠位のメサ部分906bより大きい面積を有する近位のメサ部分906aが、遠位のメサ部分906bより多く収縮する。さらに、第1の型メサ906は、下にある型層(
図9B〜
図9Dに示す第1の犠牲層961)に結合されているので、第1の型メサ906の底における型材料が収縮する能力は制約される。したがって、近位のメサ部分906aは、その底面におけるよりもその上面においてより多く収縮する。これは、近位のメサ部分906aの側壁が、遠位のメサ部分906bの側壁より、基板に対してより浅い角度を有する結果をもたらす。
【0126】
図9B〜
図9Gは、軸B−BおよびC−C(
図9Aに示す)に沿った第1の型メサ906の断面図を示す。特に、
図9B、
図9Dおよび
図9Fは近位のメサ部分906aの断面図を示し、
図9C、
図9Eおよび
図9Gは遠位のメサ部分906bの断面図を示す。
図9Bおよび
図9Cは、型904がパターニングされて硬化された後の、近位のメサ部分906aおよび遠位のメサ部分906bの断面図をそれぞれ示す。遠位のメサ部分906bおよび近位のメサ部分906aを含む第1の型メサ906は、第1の犠牲層961および基板960の上に形成される。第1の犠牲層961は、
図8Bのシャッターアセンブリ800に関して上記で説明した第1の犠牲層861と同様であり得る。上記で説明したように、近位のメサ部分906aは、遠位のメサ部分906bより基板に対して浅い角度を形成する。これは、
図9Bおよび
図9Cに示しており、そこでは、近位のメサ部分906aの側壁は、遠位のメサ部分906bの側壁によって形成される角度と比較して、基板に対してより浅い角度を形成する。その後、
図9Dおよび
図9Eに示すように、ビーム材料950は、CVDまたはPECVDなどの方法を使用して第1の型メサ906全体の上に堆積される。その結果、ビーム材料950は、近位のメサ部分906aと遠位のメサ部分906bの両方の側壁の上に堆積される。ビーム材料950を堆積した後、ビーム材料950は、ループした駆動ビーム907を形成するためにパターニングされる。一般的に、異方性エッチングプロセスが、ビーム材料950をパターニングするために使用される。例示的な異方性エッチングプロセスは、
図7Cに関して上記で説明されている。異方性エッチングプロセスは、基板に実質的に垂直の方向にビーム材料950をエッチングする。近位のメサ部分906aの側壁に沿ったビーム材料950は、(
図9Eに示す)遠位のメサ部分906bの側壁に沿ったビーム材料950の角度より、(
図9Dに示すように)基板に対して浅い角度にあるので、近位のメサ部分906aに沿ったビーム材料は、より多くエッチングされる。その結果、
図9Fおよび
図9Gに示すように、近位のメサ部分906a上に形成された浅い角度のセグメント902および第1の部分914の厚さは、遠位のメサ部分906bの上に形成された第1の部分914および第2の部分916の厚さより薄くなる。
【0127】
図9Hは、型904から解放された後のシャッターアセンブリ900を示す。特に、
図9Hは、ループした駆動ビーム907の浅い角度のセグメント902が、いかにしてループした駆動ビーム907をロードビーム909のより近くに屈曲させるかを示す。これは、
図9Aに示す先端ギャップTG3より小さい、TG4の先端ギャップを結果としてもたらす。先端ギャップにおけるこの低減は、アクチュエータ926を作動させるのに必要な作動電圧における低減をもたらす。
【0128】
いくつかの実装形態では、近位のメサ部分906aは、
図9Aに示す比較的方形のコーナーとは対照的に、湾曲したまたは丸みのあるコーナーを有することがある。これは、ループした駆動ビーム907の第2の部分916内に、湾曲したまたは丸みのある浅い角度のセグメントを結果としてもたらすことになる。
【0129】
いくつかの実装形態では、シャッターアセンブリ900はまた、
図8Dに示すシャッターアセンブリ800のループした駆動ビーム807の第1の部分814上のU字型のセグメント828と同様の、ループした駆動ビーム907の第1の部分914上の概ねU字型のセグメントを含み得る。第1の部分914上のU字型のセグメントは、第1の部分914の剛性を低減し、ループした駆動ビーム907がロードビーム909の方になお一層の屈曲することを可能にし、先端ギャップをなお一層低減することができる。
【0130】
いくつかの実装形態では、シャッターアセンブリ900のスプリングビーム912は、アクチュエータ926に対向する第2のアクチュエータによって置き換えられ得る。そのような実装形態では、シャッター910は、アクチュエータ926および対向する第2のアクチュエータの組み合わされたアクションに基づいて開位置と閉位置との間を移動するように動作され得る。第2のアクチュエータはまた、シャッター910に取り付けられたループした駆動ビームとロードビームとを含み得る。第2のアクチュエータのループした駆動ビームは、ループした駆動ビーム907が上に形成された第1の型メサ906と同様の型メサ上に形成され得る。さらに、第2のアクチュエータのループした駆動ビームはまた、
図9Aに示す第2のTGAF 902と同様のTGAF 902を含み得る。
【0131】
図10A〜
図10Cは、第3の先端ギャップ調整特徴(TGAF)1002を有する例示的なシャッターアセンブリ1000の様々な図を示す。特に、
図10Aはシャッターアセンブリ1000の上面図を示し、
図10Bは第3のTGAF 1002の等角図を示し、
図10Cは、第3のTGAF 1002の結果としてもたらされた先端ギャップの低減を示す、解放後のシャッターアセンブリ1000の上面図を示す。
【0132】
図10Aのシャッターアセンブリ1000は、シャッターアセンブリ1000もまた、型1004などの型を使用する側壁ビームプロセスを使用して形成される点で、
図8Aおよび
図9Aに示すシャッターアセンブリ800および900と同様である。
図10Aは、シャッターアセンブリ1000の開放に先行する製造の段階におけるシャッターアセンブリ1000を示す。すなわち、
図10Aは、シャッターまたはビーム材料が型1004の上にパターニングされた後の段階を示す。シャッターアセンブリ1000は、アクチュエータ1026を含み、アクチュエータ1026は、ループした駆動ビーム1007およびロードビーム1009を含む。ループした駆動ビーム1007は、駆動アンカ1020に結合され、第1の型メサ1006を囲む。ループした駆動ビーム1007は、第1の部分1014と、第2の部分1016と、接続部分1018とを含む。ロードビーム1009は、ロードアンカ1022に結合された一端と、シャッター1010に結合された他端とを有する。ループした駆動ビーム1007およびロードビーム1009は、TG5で示す先端ギャップを有する。
【0133】
型1004はまた、ロードビーム1009、スプリングビーム1012、および周辺ビーム1013が上に形成される側壁を有する第2の型メサ1008を含む。スプリングビーム1012は、シャッター1010に結合された一端と、スプリングアンカ1024に結合された他端とを有する。シャッター1010は、第2の型メサ1008の上面上に形成される。周辺ビーム1013は、ロードアンカ1022に結合された一端と、スプリングアンカ1024に結合された他端とを有する。周辺ビーム1013は、
図8Aおよび
図9Aにそれぞれ示す周辺ビーム813および913と同じ目的を果たす。特に、周辺ビーム1013を組み込むことで、シャッターアセンブリが第2の型メサ1008を全体的に囲むことが可能になり、その結果、追加の高価なフォトリソグラフィプロセスを使用することによってアクチュエータ構成要素を分離する必要性が回避される。
【0134】
ループした駆動ビーム1007は、第3のTGAF 1002を含む。特に、ループした駆動ビーム1007の第2の部分1016は、棚構造1002を含む。棚構造は、第1の棚要素1002aと第2の棚要素1002bとを含む。以下で説明するように、棚要素1002aおよび1002bは、いくらかの量の応力または応力勾配を有し得る。いくつかの実装形態では、応力は、約+/−100MPa〜約+/−200MPaの範囲内にあり得る。いくつかの実装形態では、応力勾配は、約+/−400MPa/
μmであり得る。この応力または応力勾配は、ループした駆動ビーム1007のロードビーム1008の方への曲げに寄与する。この曲げは、ループした駆動ビーム1007とロードビーム1008との間の先端ギャップを減少させ、ひいては、シャッターアセンブリ1000を動作させるのに必要な作動電圧の減少を結果としてもたらす。
【0135】
図10Bは、棚構造1002の等角図を示す。ループした駆動ビーム1007の第2のセクション1016は、第1の型セクション1006の側壁上に形成される。第1の棚要素1002aと第2の棚要素1002bの両方は、シャッターアセンブリ1000が上に構築される基板に実質的に水平または平行な、実質的に平らな構造である。第1の棚要素1002aは、第2のセクション1016の垂直面の基部に置かれる一方で、第2の棚要素1002bは、第2のセクション1016の垂直面の上部に置かれる。棚構造1002は、型904の上に堆積されたシャッターおよびビーム材料のパターニングの間に形成され得る。
【0136】
いくつかの製造プロセスでは、下にある基板に実質的に平行な表面上に堆積された材料が、表面の平面内に機械的応力または応力勾配を発生し得る。したがって、シャッターアセンブリ1002が上に構築された基板に実質的に平行な、第1および第2の棚要素1002aおよび1002bは、それらが堆積する間に応力または応力勾配を発生し得る。この応力または応力勾配は、シャッターアセンブリ1000の開放時に、棚要素1002aおよび1002bが基板に平行な方向に膨張することを引き起こす。棚要素1002aおよび1002bの膨張は、ループした駆動ビーム1007を屈曲させ、先端1018をロードビーム1009により接近させ得る。
【0137】
図10Cは、シャッターアセンブリが解放された後の、
図10Aのシャッターアセンブリ1000の上面図を示す。すなわち、第1の型メサ1006と第2の型メサ1008とを含む型1004が除去される。シャッターアセンブリ1000が解放された後、棚構造1002内の応力または応力勾配は、ループした駆動ビーム1007をロードビーム1009の方に屈曲させ得る。ループした駆動ビーム1007の曲げによって、先端ギャップが、TG6で示すように低減される。
図10Cに見られるように、TG6は、先端ギャップ調整なしにループした駆動ビームが有する先端ギャップであるTG5より小さい。
【0138】
いくつかの実装形態では、ループした駆動ビーム1007の第2の部分1016は、2つではなく唯一の棚要素を含み得る。いくつかの他の実装形態では、ループした駆動ビーム1007の第2の部分1006は、3つ以上の棚要素を含み得る。いくつかの実装形態では、ループした駆動ビーム1007の第2の部分1016は、各々が1つまたは複数の棚要素を有する2つ以上の棚構造1002を含み得る。
【0139】
いくつかの実装形態では、シャッターアセンブリ1000はまた、
図8Dに示すシャッターアセンブリ800のループした駆動ビーム807の第1の部分814上のU字型のセグメント828と同様の、ループした駆動ビーム1007の第1の部分1014上の概ねU字型のセグメントを含み得る。第1の部分1014上のU字型のセグメントは、第1の部分1014の剛性を低減し、ループした駆動ビーム1007がロードビーム1009の方になお一層の屈曲することを可能にし、先端ギャップTG6をなお一層低減することができる。
【0140】
いくつかの実装形態では、シャッターアセンブリ1000のスプリングビーム1012は、アクチュエータ1026に対向する第2のアクチュエータによって置き換えられ得る。そのような実装形態では、シャッター1010は、アクチュエータ1026および対向する第2のアクチュエータの組み合わされたアクションに基づいて開位置と閉位置との間を移動するように動作され得る。第2のアクチュエータはまた、シャッター1010に取り付けられたループした駆動ビームとロードビームとを含み得る。第2のアクチュエータのループした駆動ビームは、ループした駆動ビーム1007が上に形成された第1の型メサ1006と同様の型メサ上に形成され得る。さらに、第2のアクチュエータのループした駆動ビームはまた、
図10Aに示す第3のTGAF 1002と同様のTGAFを含み得る。
【0141】
いくつかの実装形態では、シャッターアセンブリの駆動ビームは、第1のTGAF 802(
図8Aに示す)と、第2のTGAF 902(
図9Aに示す)と、第3のTGAF 1002(
図10Aに示す)と、U字型のセグメント828(
図8Dに示す)のうちの2つ以上の組合せを含み得る。
【0142】
図11は、先端ギャップ調整特徴を有するシャッターアセンブリを形成するための例示的なプロセス1100のフロー図を示す。特に、プロセス1100は、基板の上に型を形成する(段階1102)ステップと、型の表面の上に光変調器を形成する(段階1104)ステップと、型の第1の側壁上に光変調器に結合されたロードビームを形成する(段階1106)ステップと、第1の側壁に面する型の第2の側壁上にループした駆動ビームの第1の部分を形成する(段階1108)ステップと、第2の部分の厚さが第2の部分の長さに沿って変化するように、第1の側壁に背を向ける第3の側壁上に駆動ビームの第2の部分を形成する(段階1110)ステップとを含む。
【0143】
プロセス1100は、基板上に型を形成する(段階1102)ステップから始まる。基板上に型を形成するステップは、基板の上に犠牲材料を堆積およびパターニングするステップを含む。この処理段階(段階1102)の一例は、犠牲材料の層が基板860の上に堆積される
図8Aおよび
図8Bに関して上記で説明している。次に、犠牲材料の層は、第1の型メサ806および第2の型メサ808を形成するためにパターニングされる。この処理段階(段階1102)の別の例は、犠牲材料の層が基板960の上に堆積される
図9Aおよび
図9Bに関して上記で説明している。次に、犠牲材料の層は、第1の型メサ906および第2の型メサ908を形成するためにパターニングされる。
【0144】
プロセス1100はまた、型の上に光変調器を形成する(段階1104)ステップを含む。型の上に形成された光変調器の一例が、第2の型メサ808の上面の上にシャッター810が形成される
図8Aに示されている。プロセス1100はまた、型の第1の側壁上に光変調器に結合されたロードビームを形成する(段階1106)ステップを含む。これはまた、たとえば、上記で説明した
図8Aに示されている。より詳細には、
図8Aは、第2の型メサ808の側壁上に形成されたロードビーム809を示す。ロードビームはまた、シャッター810にも結合される。型の上に形成された光変調器および第1の側壁上に形成されたロードビーム(段階1104および1106)の別の例は、
図9Aに関して上記で説明されている。
図9Aに示すように、シャッター910およびロードビーム909は、第2の型メサ908の上面および側壁のそれぞれの上に形成される。
図9Aはまた、ロードビーム909がシャッター910に結合されることを示す。
【0145】
さらに、プロセス1100は、第1の側壁に面する型の第2の側壁上に駆動ビームの第1の部分を形成する(段階1108)ステップを含む。この処理段階(段階1108)の例は、
図8Aおよび
図9Aに示されている。
図8Aでは、ループした駆動ビーム807の第1の部分814は、第1の型メサ806の側壁上に形成される。第1の部分814が上に形成された側壁は、ロードビーム809が上に形成された側壁に面する。同様に、
図9Aは、ロードビーム909が上に形成された側壁に面する第1の型メサ906の側壁上に形成されたループした駆動ビーム907の第1の部分914を示す。
【0146】
最後に、プロセス1100は、第2の部分の厚さが第2の部分の長さに沿って変化するように、第1の側壁に背を向ける第3の側壁上に駆動ビームの第2の部分を形成する(段階1110)ステップを含む。この処理段階(段階1110)の一例が、
図8Aに示される。より詳細には、
図8Aは、ロードビーム809が上に形成された第2の型メサ808上の側壁に背を向ける第1の型メサ806の側壁上に形成されたループした駆動ビーム807の第2の部分816を示す。さらに、ループした駆動ビーム807の第2の部分816は、ループした駆動ビーム807の厚さが、ループした駆動ビーム807の第2の部分816の残余部の厚さより薄い、第1のTGAF 802を含む。
図8Aに関して上記で説明したように、TGAF 802は、第1の型メサ806から外に延び、狭いチャネルを間に有するいくつかの突起806aの側壁の上に形成されたU字型のビーム領域816aを含む。これらの狭いチャネル内に形成されたU字型のビーム領域816aは、
図8Bに示すように、ループした駆動ビーム807の第2の部分816の残余部より薄い。この処理段階(段階1110)の別の例が、ループした駆動ビーム907の第2の部分916が、ロードビーム909が上に形成された第2の型メサ908上の側壁に背を向ける第1の型メサ906の側壁上に形成される
図9Aに示されている。さらに、ループした駆動ビーム907の第2の部分916は、第2の部分916の残余部より薄い、浅い角度のセグメント902を含む。
図9Aに関して上記で説明したように、浅い角度のセグメント902は、第1の型メサ906の近位のメサ部分906aの上に形成される。ビーム材料が堆積される前に、近位のメサ部分906aの側壁が硬化されるとき、
図9Bおよび
図9Cに示すように、これらの側壁は、遠位のメサ部分906bの側壁より、基板に対してより浅い角度を形成することができる。これらのより浅い角度の側壁上に堆積されたビーム材料を異方性エッチングするステップは、
図9Fに示すように、より薄い、浅い角度のセグメント902を結果としてもたらす。
【0147】
図12Aおよび
図12Bは、表示素子のセットを含むディスプレイデバイス40を示す例示的なシステムブロック図である。このディスプレイデバイス40はたとえば、スマートフォン、携帯電話またはモバイル電話であってもよい。しかしながら、ディスプレイデバイス40の同じ構成要素またはそれらのわずかな変形は、テレビジョン、タブレット、電子書籍端末、ハンドヘルドデバイスおよびポータブルメディアデバイスのような様々なタイプのディスプレイデバイスも例示している。
【0148】
ディスプレイデバイス40は、筐体41と、ディスプレイ30と、アンテナ43と、スピーカ45と、入力デバイス48と、マイクロフォン46とを含む。筐体41は、射出成形および真空成形を含む種々の製造プロセスのいずれかによって形成され得る。加えて、筐体41は、プラスチック、金属、ガラス、ゴム、およびセラミック、またはそれらの組合せを含むがそれらに限らない種々の材料のいずれかから作られ得る。筐体41は、異なる色の、または異なるロゴ、絵、もしくは記号を含む、他の取外し可能な他の部分と交換され得る取外し可能な部分(図示せず)を含み得る。
【0149】
ディスプレイ30は、本明細書で説明されるように、双安定ディスプレイまたはアナログディスプレイを含む種々のディスプレイのいずれかであり得る。ディスプレイ30はまた、プラズマ、エレクトロルミネセント(EL)ディスプレイ、OLED、超ねじれネマティック(STN)ディスプレイ、LCD、もしくは薄膜トランジスタ(TFT)LCDなどのフラットパネルディスプレイ、またはブラウン管(CRT)もしくは他のチューブデバイスなどの非フラットパネルディスプレイを含むように構成され得る。加えて、ディスプレイ30は、本明細書で説明するように、機械的光変調器方式ディスプレイを含み得る。
【0150】
ディスプレイデバイス40の構成要素が
図12Aに概略的に示されている。ディスプレイデバイス40は、筐体41を含み、ディスプレイデバイス40内に少なくとも部分的に密閉された追加の構成要素を含み得る。たとえば、ディスプレイデバイス40は、送受信機47に結合され得るアンテナ43を含むネットワークインターフェース27を含む。ネットワークインターフェース27は、ディスプレイデバイス40に表示され得る画像データの源であり得る。したがって、ネットワークインターフェース27は、画像源モジュールの一例であるが、プロセッサ21および入力デバイス48も画像源モジュールとして機能し得る。送受信機47は、条件付けハードウェア52に接続されたプロセッサ21に接続されている。条件付けハードウェア52は、信号を条件付ける(たとえば、信号をフィルタリングする、または別様に操作する)ように構成され得る。条件付けハードウェア52は、スピーカ45およびマイクロフォン46に接続され得る。プロセッサ21はまた、入力デバイス48およびドライバコントローラ29に接続され得る。ドライバコントローラ29は、フレームバッファ28およびアレイドライバ22に結合されてよく、アレイドライバ22はディスプレイアレイ30に結合されてよい。
図12Aで特に示されない要素を含む、ディスプレイデバイス40の中の1つまたは複数の要素は、メモリデバイスとして機能するように、かつプロセッサ21と通信するように構成され得る。いくつかの実装形態では、電源50は、特定のディスプレイデバイス40の設計において実質的にすべての構成要素に電力を供給することができる。
【0151】
ネットワークインターフェース27は、ディスプレイデバイス40がネットワークを通じて1つまたは複数のデバイスと通信することができるようにアンテナ43と送受信機47とを含む。ネットワークインターフェース27はまた、たとえばプロセッサ21のデータ処理要件を軽減するいくつかの処理機能を有し得る。アンテナ43は、信号を送受信することができる。いくつかの実装形態では、アンテナ43は、IEEE16.11(a)、IEEE16.11(b)、またはIEEE16.11(g)を含むIEEE16.11標準、あるいはIEEE802.11a、IEEE802.11b、IEEE802.11g、IEEE802.11nを含むIEEE802.11標準、およびそのさらなる実装形態に従ってRF信号を送受信する。いくつかの他の実装形態では、アンテナ43は、Bluetooth(登録商標)規格に従ってRF信号を送受信する。携帯電話の場合、アンテナ43は、符号分割多元接続(CDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、時分割多元接続(TDMA)、Global System for Mobile communications (GSM(登録商標))、GSM(登録商標)/General Packet Radio Service (GPRS)、Enhanced Data GSM(登録商標) Environment (EDGE)、Terrestrial Trunked Radio (TETRA)、Wideband−CDMA (W−CDMA)、Evolution Data Optimized (EV−DO)、1xEV−DO、EV−DO Rev A、EV−DO Rev B、High Speed Packet Access (HSPA)、High Speed Downlink Packet Access (HSDPA)、High Speed Uplink Packet Access (HSUPA)、Evolved High Speed Packet Access (HSPA+)、Long Term Evolution (LTE)、AMPS、または3G、4G、もしくは5G技術を利用するシステムのような、ワイヤレスネットワーク内で通信するのに使用される他の公知の信号を受信するように設計され得る。送受信機47は、アンテナ43から受信された信号がプロセッサ21によって受信されさらに操作され得るように、受信された信号を前処理することができる。送受信機47はまた、プロセッサ21から受信された信号がディスプレイデバイス40からアンテナ43を介して送信され得るように、受信された信号を処理することができる。
【0152】
いくつかの実装形態では、送受信機47は受信機と置き換えられ得る。加えて、いくつかの実装形態では、ネットワークインターフェース27は、プロセッサ21に送信すべき画像データを記憶または生成することのできる画像源と置き換えられ得る。プロセッサ21は、ディスプレイデバイス40の動作全体を制御し得る。プロセッサ21は、圧縮された画像データなどのデータをネットワークインターフェース27または画像源から受信し、データを処理して生画像データまたは生の画像データへと容易に処理され得るフォーマットへ変換する。プロセッサ21は、処理されたデータを、記憶するためにドライバコントローラ29またはフレームバッファ28に送ることができる。生データは通常、画像内の各位置での画像特性を識別する情報を指す。たとえば、そのような画像特性は、色、彩度、およびグレースケールレベルを含み得る。
【0153】
プロセッサ21は、ディスプレイデバイス40の動作を制御するためのマイクロコントローラ、CPU、または論理ユニットを含み得る。条件付けハードウェア52は、信号をスピーカ45に送信し、マイクロフォン46から信号を受信するための増幅器およびフィルタを含み得る。条件付けハードウェア52は、ディスプレイデバイス40内の個別の構成要素であってもよく、プロセッサ21もしくは他の構成要素内に組み込まれてもよい。
【0154】
ドライバコントローラ29は、プロセッサ21によって生成された生画像データをプロセッサ21から直接取り込むことができ、またはフレームバッファ28から取り込むことができ、かつ生画像データをアレイドライバ22への高速送信のために適切に再フォーマットすることができる。いくつかの実装形態では、ドライバコントローラ29は、生画像データをラスタ状フォーマットを有するデータフローに再フォーマットすることができ、したがって、ドライバコントローラ29は、ディスプレイアレイ30全体をスキャンするのに適した時間順を有する。次いで、ドライバコントローラ29は、フォーマットされた情報をアレイドライバ22に送る。LCDコントローラなどのドライバコントローラ29は、スタンドアロンの集積回路(IC)としてのシステムプロセッサ21と関連付けられることが多いが、そのようなコントローラは多数の方法で実施され得る。たとえば、コントローラは、ハードウェアとしてプロセッサ21に埋め込まれても、ソフトウェアとしてプロセッサ21に埋め込まれても、ハードウェアにおいてアレイドライバ22と完全に一体化されてもよい。
【0155】
アレイドライバ22は、ドライバコントローラ29からフォーマットされた情報を受信することができ、ディスプレイの表示素子のx−yマトリクスからの数百本、場合によっては数千本(またはそれよりも多く)のリード線に1秒当たりに何度も印加される波形の類似したセットへと、ビデオデータを再フォーマットすることができる。
【0156】
いくつかの実装形態では、ドライバコントローラ29、アレイドライバ22、およびディスプレイアレイ30は、本明細書で説明されるいずれタイプのディスプレイにも適切である。たとえば、ドライバコントローラ29は、従来のディスプレイコントローラまたは双安定ディスプレイコントローラであり得る。加えて、アレイドライバ22は、従来のドライバまたは双安定ディスプレイドライバであり得る。その上、ディスプレイアレイ30は、従来のディスプレイアレイまたは双安定ディスプレイアレイであり得る。いくつかの実装形態では、ドライバコントローラ29は、アレイドライバ22と一体化されてもよい。そのような実装形態は、高度に集積されたシステム、たとえば、携帯電話、ポータブル電子デバイス、腕時計または小面積ディスプレイにおいて有益であり得る。
【0157】
いくつかの実装形態では、入力デバイス48は、たとえばユーザがディスプレイデバイス40の動作を制御するのを可能にするように構成され得る。入力デバイス48は、QWERTYキーボードもしくは電話キーパッドのようなキーパッド、ボタン、スイッチ、ロッカー、タッチ感知スクリーン、ディスプレイアレイ30と一体化されたタッチ感知スクリーン、または圧力感知膜もしくは熱感知膜を含み得る。マイクロフォン46は、ディスプレイデバイス40用の入力デバイスとして構成され得る。いくつかの実装形態では、マイクロフォン46を通じた音声コマンドが、ディスプレイデバイス40の動作を制御するために使用され得る。
【0158】
電源50は、種々のエネルギー貯蔵デバイスを含み得る。たとえば、電源50は、ニッケルカドミウム電池またはリチウムイオン電池のような再充電可能電池であり得る。充電式バッテリーを使用する実装形態では、充電式バッテリーは、たとえば、壁コンセントあるいは光起電性デバイスまたはアレイから来る電力を使用して充電可能であり得る。代替的に、充電式バッテリーはワイヤレス充電可能であり得る。電源50は、再生可能なエネルギー源、コンデンサ、またはプラスチック太陽電池もしくは塗料型太陽電池を含む太陽電池であってもよい。電源50は、壁付きコンセントから電力を受けるように構成され得る。
【0159】
いくつかの実装形態では、電子ディスプレイシステム内のいくつかの場所に配置され得るドライバコントローラ29に制御プログラム性が存在する。いくつかの他の実装形態では、アレイドライバ22に制御プログラム性が存在する。上で説明された最適化は、任意の数のハードウェア構成要素および/またはソフトウェア構成要素ならびに様々な構成において実施され得る。
【0160】
本明細書で使用するように、項目のリスト「のうちの少なくとも1つ」に関するフレーズは、単一のメンバーを含めて、それらの項目の任意の組合せを指す。一例として、「a、b、またはcのうちの少なくとも1つ」は、a、b、c、a−b、a−c、b−c、およびa−b−cを包含することを意図している。
【0161】
本明細書で開示した実装形態に関連して説明した様々な例示的な論理、論理ブロック、モジュール、回路およびアルゴリズムのプロセスは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、または両方の組合せとして実装され得る。ハードウェアとソフトウェアの互換性は、全体的にそれらの機能に関して説明し、上述の様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路およびプロセスにおいて示してきた。そのような機能がハードウェアとして実装されるか、またはソフトウェアとして実装されるかは、特定の適用例および全体的なシステムに課された設計制約に依存する。
【0162】
本明細書で開示した態様に関連して説明した様々な例示的な論理、論理ブロック、モジュールおよび回路を実装するために使用されるハードウェアおよびデータ処理装置は、汎用シングルチッププロセッサもしくは汎用マルチチッププロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)もしくは他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲートもしくはトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素、または、本明細書で説明した機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せで、実装または実行することができる。汎用プロセッサはマイクロプロセッサ、または任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、もしくは状態機械であり得る。プロセッサはまた、DSPとマイクロプロセッサとの組合せなどのコンピューティングデバイスの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つもしくは複数のマイクロプロセッサ、または任意の他のそのような構成として実装され得る。いくつかの実装形態では、特定のプロセスおよび方法は、所与の機能に固有の回路によって実行され得る。
【0163】
1つまたは複数の態様では、説明した機能は、本明細書で開示した構造およびそれらの構造の同等物を含む、ハードウェア、デジタル電子回路、コンピュータソフトウェア、ファームウェアにおいて、またはそれらの任意の組合せで実装され得る。本明細書で説明した対象の実装形態はまた、1つまたは複数のコンピュータプログラム、すなわち、データ処理装置による実行のために、またはデータ処理装置の動作を制御するために、コンピュータ記憶媒体上に符号化されたコンピュータプログラム命令の1つまたは複数のモジュールとして実装され得る。
【0164】
ソフトウェアで実装される場合、機能は、1つまたは複数の命令もしくはコードとしてコンピュータ可読媒体上に記憶され、または、コンピュータ可読媒体を介して送信され得る。本明細書で開示された方法またはアルゴリズムのプロセスは、コンピュータ可読媒体上に存在し得る、プロセッサ実行可能ソフトウェアモジュールで実施され得る。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体と、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送が可能にされ得る任意の媒体を含むコンピュータ通信媒体との両方を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であり得る。限定ではなく例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROMもしくは他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置もしくは他の磁気記憶デバイス、または、命令もしくはデータ構造の形式で所望のプログラムコードを記憶するために使用され得るとともに、コンピュータによってアクセスされ得る任意の他の媒体を含み得る。また、いかなる接続もコンピュータ可読媒体と適切に呼ばれ得る。本明細書で使用される場合、ディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(CD)、レーザディスク、光ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク、およびブルーレイディスクを含み、ディスク(disk)は、通常、磁気的にデータを再生し、ディスク(disc)は、レーザで光学的にデータを再生する。上記の組合せもコンピュータ可読媒体の範囲の中に含まれるべきである。加えて、方法またはアルゴリズムの動作は、コンピュータプログラム製品に組み込まれ得る、機械可読媒体および/またはコンピュータ可読媒体上のコードおよび/または命令の1つまたは任意の組合せまたはセットとして存在し得る。
【0165】
本開示で説明した実装形態の様々な修正形態が当業者にはすぐに理解でき、本明細書に定める一般的原理は、本開示の趣旨または範囲から離れることなく他の実装形態に適用できる。したがって、特許請求の範囲は、本明細書に示す実装形態に限定されることを意図しておらず、本開示、この原理および本明細書で開示する新規の特徴と合致する最大の範囲を認めるものである。
【0166】
さらに、当業者は、「上側」および「下側」という用語が、図の説明を簡単にするために使用されることがあり、適切に配向されたページ上の図の方位に対応する相対位置を示しており、実装される任意のデバイスの適切な方位を反映していない場合があることを容易に諒解する。
【0167】
個別の実装形態との関連で本明細書で説明しているいくつかの特徴は、単一の実装形態において組合せで実装されてもよい。反対に、単一の実装形態との関連で説明している様々な特徴は、複数の実装形態で個別に、または任意の適切な副組合せで実装されてもよい。さらに、特徴は一定の組合せで機能するものとして上述され、当初はそういうものとして特許請求されることもあるが、特許請求される組合せによる1つまたは複数の特徴は、場合によっては、当該組合せにより実施可能であり、特許請求される組合せは、副組合せまたは副組合せの変形を対象にし得る。
【0168】
同様に、動作は特定の順序で図面に示されているが、これについては、所望の結果を達成するために、そのような動作を示された特定の順序でもしくは順次に実行すること、またはすべての示された動作を実行することを要求するものとして理解すべきではない。さらに、図面は、1つまたは複数の例示的なプロセスをフロー図の形式で概略的に示し得る。しかしながら、図示されていない他の動作を、概略的に示す例示的なプロセスに組み込むことができる。たとえば、1つまたは複数の追加の動作は、示された動作のいずれかの前、示された動作のいずれかの後、示された動作のいずれかと同時に、または示された動作のいずれかの間に実行され得る。いくつかの状況において、マルチタスキングおよび並列処理は有利であり得る。また、上述の実装形態における様々なシステム構成要素の分離については、すべての実装形態でかかる分離を要求するものとして理解すべきではなく、説明されるプログラム構成要素およびシステムは一般に単一のソフトウェア製品への統合、または複数のソフトウェア製品へのパッケージ化が可能であると理解されたい。さらに、他の実装形態も、以下の特許請求の範囲内に入る。場合によっては、請求項に記載のアクションは、異なる順序で実行されながらもなお、望ましい結果を達成することが可能である。