特許第6090914号(P6090914)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6090914
(24)【登録日】2017年2月17日
(45)【発行日】2017年3月8日
(54)【発明の名称】引裂き式容器蓋
(51)【国際特許分類】
   B65D 41/32 20060101AFI20170227BHJP
【FI】
   B65D41/32
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-39140(P2013-39140)
(22)【出願日】2013年2月28日
(65)【公開番号】特開2014-166860(P2014-166860A)
(43)【公開日】2014年9月11日
【審査請求日】2016年1月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000228442
【氏名又は名称】日本クロージャー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094813
【弁理士】
【氏名又は名称】庄子 幸男
(72)【発明者】
【氏名】大久保 雄祐
(72)【発明者】
【氏名】熊田 光雄
(72)【発明者】
【氏名】市村 克仁
【審査官】 佐野 健治
(56)【参考文献】
【文献】 特公平06−017142(JP,B2)
【文献】 実開平02−144553(JP,U)
【文献】 特開平10−024955(JP,A)
【文献】 実開平04−112043(JP,U)
【文献】 米国特許第03974931(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 41/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板と、該天板外周から垂下したスカート部と、該スカート部および前記天板の少なくとも前記スカート部を引裂ラインにて区画し、その区画した前記スカート部の端部から延出した引裂き片と、該引裂き片を包囲状態で固定すると共に前記引裂ラインにて区画した前記スカート部内面に接する延出片を有した引剥がし部材と、からなる、容器口部を閉じるための引裂き式容器蓋であって、
前記引剥がし部材の延出片は前記スカート部内面に弱接着し、且つ前記引剥がし部材にて前記引裂き式容器蓋を開封する際、前記延出片は前記スカート部内面から剥がれ、前記容器口部の外側面に当接して、前記引剥がし部材の引裂き片が所定角度以上曲がるのを阻止することを特徴とする引裂き式容器蓋。
【請求項2】
前記延出片の先端部位置P1は、前記容器口部に打栓するための打栓ヘッドが前記スカート部をクリンプする高さ位置P2よりも高くした請求項1記載の引裂き式容器蓋。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料などの内容液を充填した容器の口部に装着して、蓋の一部を引き裂くことで、その開閉を容易にした引裂き式容器蓋に関するものであり、より詳しくは、容器蓋を開封する際、引剥がし部材の延出片が所定角度以上曲がるのを阻止することにより、延出片が切断して開封が阻害されることを防止した引裂き式容器蓋に関する。
【背景技術】
【0002】
上記引裂き式容器蓋は、密封状態の容器口部からワンタッチで開封でき、容器の内容液を直ぐに利用出来るため、飲料などの内容液を充填した飲みきりタイプの容器に多く利用されている。すなわち、この引裂き式容器蓋は、図6、7に示すように、天板50と、この天板50の外周から垂下したスカート部51と、このスカート部51および天板50の少なくともスカート部51を引裂ラインにて区画し、その区画したスカート部51の端部52から延出した引裂き片53と、この引裂き片53を包囲状態で固定する引剥がし部材54と、からなるものである。そして、この引裂き式容器蓋は、容器55の口部56に打栓して液密にすると共に、そのスカート部51を容器口部56の外側面にあるリムフランジ56aに変形密着させ、容易に外れないようにして、液密状態を維持するようになっている。
【0003】
上記した引裂き式容器蓋を装着した容器55は、その容器蓋自体を引き裂くことで、ワンタッチで開封するため、一旦開封すると容器55を再び閉じることが出来ず、したがって、容器55の内容液は、原則使いきることが要求される。一方、容器55の内容液を利用するには、容器55に装着した引裂き式容器蓋自体を引き裂くことになるから、その引き裂きがスムーズに行われないと、容器55の内容液を利用することが非常に困難になる。
【0004】
この容器蓋を引き裂くには、引剥がし部材54を利用して、引裂き片53によりスカート部51を引裂ラインに沿い引き裂き開封する前に、引裂き片53がちぎれて開封出来なることがある。特に、引裂き式容器蓋が、引剥がし部材54を除き、アルミニウムなどの金属製である場合、引裂き片53がちぎれて開封出来ないことが多発することになる。その原因として考えられるのは、この引き裂きにはそれなりの力が必要であるから、開封の際引裂き片53を繰り返し曲げたりして、アルミニウム製の引裂き片53を疲労させ、ちぎれて開封出来なかったり、子供などが内容液入りの容器55を引剥がし部材54にて手指で持ち続けて、結果的に引裂き片53を繰り返し曲げて、いざ開封の際に、既にアルミニウム製の引裂き片53が疲労していて、その個所からちぎれて開封出来なくなくなる事態が起こることがある。
【0005】
このような引裂き片が疲労して、ちぎれて開封出来ない不都合を解消することが出来る引裂き式容器蓋としては、図8及び9に示すように、引剥がし部材54上のスカート部51に近い端部に突出部57及びスペーサ58を設けて、開封の際引裂き片53を繰り返し曲げても、突出部57及びスペーサ58がスカート部51に当たり、その曲げ角度を抑制してアルミニウム製の引裂き片53の疲労度合を下げ、且つ、てこ作用によりスカート部51を引裂ラインに沿い引き裂き易くして、開封できるようにしたものがある(例えば、特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特公平6−17142号公報
【特許文献2】特公平6−17143号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1及び2の引裂き式容器蓋は、引剥がし部材54を利用して引裂き片53により、スカート部51を引裂ラインに沿い引き裂く際、突出部57及びスペーサ58がスカート部51に当たり、引裂き片53の曲げ角度を抑制し且つてこ作用によって、引裂き片53がちぎれることなく、スカート部51を引裂ラインに沿い引き裂くことが出来る。しかしながら、引裂き片53の曲げ角度を抑制するには、突出部57及びスペーサ58を相当高くしなければならず、その結果、容器55の形状によっては、この引裂き式容器蓋を装着した容器の全幅寸法が広がり、保管や輸送に不利となり易く、また、子供などが内容液入りの容器55を引剥がし部材54にて手指で持ち続けて、結果的に引裂き片53の金属疲労をさせたような場合には、対応できないことになる。
【0008】
そこで、本発明の目的は、容器形状に特に影響を受けずに、容器に装着した状態でも、その全幅寸法を広げることなく、開封の際の引裂き片のちぎれを防ぎ、しかも、開封時にてこ作用を発揮して容易に開封できる引裂き式容器蓋を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記目的を達成するために提案されたものであって、下記の構成からなることを特徴とするものである。
すなわち、本発明によれば、天板と、該天板外周から垂下したスカート部と、該スカート部および前記天板の少なくとも前記スカート部を引裂ラインにて区画し、その区画した前記スカート部の端部から延出した引裂き片と、該引裂き片を包囲状態で固定すると共に前記引裂ラインにて区画した前記スカート部内面に接する延出片を有した引剥がし部材と、からなる、容器口部を閉じるための引裂き式容器蓋であって、前記引剥がし部材の延出片は前記スカート部内面に弱接着し、且つ前記引剥がし部材にて前記引裂き式容器蓋を開封する際、前記延出片は前記スカート部内面から剥がれ、前記容器口部の外側面に当接して、前記引剥がし部材の引裂き片が所定角度以上曲がるのを阻止することを特徴とする引裂き式容器蓋が提供される。
【0010】
また、本発明によれば、前記延出片の先端部位置P1は、前記容器口部に打栓するための打栓ヘッドが前記スカート部をクリンプする高さ位置P2よりも高くした引裂き式容器蓋が提供される。
【0011】
上記第1の課題解決手段による作用は、引剥がし部材にて引裂き式容器蓋の開封を行うと、延出片は、弱接着のスカート部内面から剥がれ、容器口部の外側面に当接して、引裂き片が所定角度以上曲がるのを阻止し、その上、延出片は引剥がし部材による開封のてこ作用の支点となって開封する力が増し、スカート部および天板を引裂ラインに沿いスムーズに引き裂くことが出来る。
【0012】
上記第2の課題解決手段による作用は、打栓ヘッドにより、容器口部に引裂き式容器蓋を打栓すると、容器口部に延出片の先端部も含んだ状態でスカート部をクリンプすることになる。そして、クリンプ時の外力によって、延出片が弱接着のスカート部内面から確実に剥がれるため、上記効果がより確実に発揮される。
【発明の効果】
【0013】
本発明の引裂き式容器蓋によれば、容器形状に特に影響を受けずに、容器に装着した状態でも、その容器の全幅寸法を広げないため、保管や輸送に有利であり、開封の際の引裂き片のちぎれを防ぎ、しかも、開封時にてこ作用を発揮して、スムーズに開封することができる効果がある。
【0014】
また、本発明の引裂き式容器蓋において、容器口部に延出片の先端部も含んだ状態でスカート部をクリンプすることにより、容器口部に引裂き式容器蓋を打栓出来て、容器口部を良好に密封することが出来ると共に、打栓時の外力により延出片が弱接着のスカート部内面から確実に剥がれるため、上記効果をより確実に発揮され得るものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施の形態を示す引裂き式容器蓋の正面図である。
図2】本発明の実施の形態を示す引裂き式容器蓋の縦断面図である。
図3】本発明の実施の形態を示す引裂き式容器蓋の底面図である。
図4】容器口部に本発明の実施形態の引裂き式容器蓋を打栓した状態を示す縦断面図である。
図5】容器口部に打栓してある引裂き式容器蓋を開封する状態を示す縦断面図である。
図6】引裂き式容器蓋の従来例を示す縦断面図である。
図7】引裂き式容器蓋の従来例を示す縦断面図である。
図8】引裂き式容器蓋の従来例を示す縦断面図である。
図9】引裂き式容器蓋の従来例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、図面を参照して本発明を実施するための形態を説明する。
【実施例1】
【0017】
図面において、1は引裂き式容器蓋であり、この引裂き式容器蓋1は、天板2と、この天板2の外周から垂下したスカート部3と、このスカート部3および天板2の少なくともスカート部3を引裂ライン4にて区画し、その区画したスカート部3の端部から延出した引裂き片5と、この引裂き片5を包囲状態で固定すると共に引裂ライン4にて区画したスカート部3の内面3aに接する延出片6を有した引剥がし部材7と、からなる容器8の口部9を閉じるためのものであって、引剥がし部材7の延出片6はスカート部3の内面3aに弱接着し、且つ引剥がし部材7にて引裂き式容器蓋1を開封する際、延出片6はスカート部3の内面3aから剥がれ、容器口部9の外側面9aに当接して、引裂き片5が所定角度以上曲がるのを阻止するものである。
【0018】
前記容器8は、その口部9に引裂き式容器蓋1を打栓により、装着できるものであれば特に限定がなく、どのようなタイプ、材質でも良い。この実施例1の容器8では、ビンタイプを想定し、その口部9の端部にリムフランジ10を設けてあり、容器口部9に引裂き式容器蓋1のスカート部3をあてがい、打栓して容器口部9の上面およびリムフランジ10にスカート部3を変形させて密着状態で装着する。
【0019】
前記引裂き式容器蓋1は、上述のとおり、その天板2とこれから垂下したスカート部3とで主要部を形成していて、その材質はアルミニュウムなどの金属製であり、天板2とスカート部3の内面はポリオレフィン系樹脂と接着可能な塗膜で被覆されている。円盤状シール材11は、低密度ポリエチレンのような軟質樹脂またはエラストマーで形成することができ、溶融状態の必要量を天板2の内面2aに落下して型で押圧し、円盤状に形成される。低密度ポリエチレンのような軟質樹脂またはエラストマーを使用することで円盤状シール材11の成形歪みは速やかに緩和して、下面の全体または中央部を含む一部は天板2の内面2aの塗膜と強固に接着固定される。上記の通り容器口部9に引裂き式容器蓋1を打栓した際、容器口部9の上面およびリムフランジ10に密着して、容器8を完全にシールすることになる。引剥がし部材7の素材としては高結晶性または剛性のある樹脂が用いられ、成形歪みが残留することから、延出片6とスカート部3の内面3aは界面の接着力が経時的に低下することで弱接着の状態で固定される。高結晶性の樹脂の例としては高密度ポリエチレン、剛性のある樹脂の例としてはポリプロピレンが挙げられる。
【0020】
前記引裂ライン4は、スカート部3および天板2に設けてあり、これらを区画し、この区画したスカート部3の端部から前記引裂き片5を延出させている。なお、この引裂き片5の基端両側に位置するスカート部3にはV字状切欠12が設けられ、このV字状切欠12は、引裂ライン4に繋がり、開封の際、V字状切欠12に力が集中して、引裂ライン4に沿い切り裂け易くする。また、引裂ライン4は、少なくともスカート部3に設けてあれば良く、引裂き式容器蓋1の開封をほぼ達成できるが、この実施例1では、スカート部3に加えて天板2にも引裂ライン4を設けて、上記開封性を良好にしている。
【0021】
前記引裂き片5は、引裂ライン4により区画したスカート部3の端部から延出させたものであるから、その材質は当然スカート部3と同じアルミニウムなどの金属製である。そして、この引裂き片5は、前記引剥がし部材7に包囲状態で固定される。
【0022】
この引剥がし部材7は、手指を掛けて力を加えるための指掛け部13と、引裂き片5を包囲状態で固定し、その指掛け部13に加えたその力を引裂き片5に伝えるための基端部14と、からなり、その材質は剛性のある樹脂で構成されるのが望ましい。そして、引剥がし部材7は、指掛け部13に加えた力を基端部14を介して引裂き片5に伝え、この引裂き片5を通じて引裂ライン4を引き裂き、最終的に引裂き式容器蓋1を引き剥がすためのものである。
【0023】
また、この引剥がし部材7の基端部14にはすでに述べた延出片6が有り、この延出片6は、スカート部3の内面3aに弱接着し、引裂き式容器蓋1を開封するために指掛け部13に力を加えると、速やかにスカート部3の内面3aから剥がれるようになっている。
そして、剥がれた延出片6は、図5に示すように、その剛性によりその先端部6aが容器口部9の外側面9aに当接し、突っ張る状態になって、引裂き片5が所定角度以上曲がるのを阻止し、開封の際の引裂き片5のちぎれを防ぐ。上記所定角度とは、鋭角にならない程度の角度を意味する。さらに、この延出片6の先端部6aは、開封の際、上記の当接部位がてこ作用の支点ともなって、スカート部3および天板2を引裂ライン4に沿い速やかに引き裂くことが出来るようになり、引裂き式容器蓋1を容易に開封することができる。
【0024】
なお、前記延出片6の先端部6aの位置P1は、図2に示すように、容器8の口部9に打栓するための不図示の打栓ヘッドが、スカート部3をクリンプする高さ位置P2よりも高くしたものである。したがって、打栓ヘッドにより、容器口部9に引裂き式容器蓋1を打栓すると、そのスカート部3を容器口部9のリムフランジ10に延出片6の先端部6aも含んだ状態でクリンプすることになる。
【0025】
次に、上記構成になる引裂き式容器蓋1の利用方法について説明する。
この引裂き式容器蓋1は、図1ないし3に示す状態のものがユーザーに納品される。 ユーザーは、引裂き式容器蓋1を装着する容器8に内容液を充填したあと、その容器口部9に引裂き式容器蓋1のスカート部3をあてがい、打栓して容器口部9の上面およびリムフランジ10にスカート部3を変形させて密着状態で装着する。その際、引裂き式容器蓋1における延出片6の先端部6aの位置P1が、打栓ヘッドによりスカート部3を完全にクリンプする高さ位置P2よりも高くしてあるから、容器口部9のリムフランジ10にスカート部3を延出片6の先端部6aも含んだ状態でクリンプし、容器口部9を引裂き式容器蓋1により完全に密封することになる。また、この状態で打栓すると、打栓時の外力で延出片6とスカート部3の内面3aの弱接着部位が容易に剥離し、上記効果をより発揮し得るものとなる。
【0026】
開封に際しては、引剥がし部材7の指掛け部13に手指を掛けて力を開封方向に加えれば、引裂き片5を通じてスカート部3のV字状切欠12に力が集中し、スカート部3および天板2の引裂ライン4を引き裂き、最終的に容器口部9から引裂き式容器蓋1を引き剥がし開封することができる。なお、その際、引剥がし部材7の延出片6は、スカート部3の内面3aに弱接着しているため、速やかにスカート部3の内面3aから剥がれ、その剛性によりその先端部6aが容器口部9の外側面9aに当接し、突っ張り状態になって引裂き片5が所定角度以上曲がるのを阻止し、開封の際の引裂き片5のちぎれを防ぎ、且つ、延出片6の先端部6aがてこ作用の支点になって、スカート部3および天板2を引裂ライン4に沿い速やかに引き裂き、引裂き式容器蓋1を容易に開封することができる。
【0027】
次に、本発明の引裂き式容器蓋と従来例の引裂き式容器蓋との性能の比較をしたので、その状況を示す。
〈試験例1〉
空のビンタイプの容器口部に、図1ないし図3に示す本発明の引裂き式容器蓋を打栓したあと、引剥がし部材の指掛け部に手指を掛けて力を開封方向に加えて、目視観察した。 その結果、図5に示すように、剥がし部材の延出片はスカート部内面から速やかに剥がれ、その先端部が容器口部の外側面に当接し突っ張り状態になって、引裂き片が所定角度以上曲がるのを阻止し、引裂き片の曲率が大きくなった。
〈試験例2〉
さらに、試験例1と同じように作製したサンプルにおいて、剥がし部材の指掛け部に手指を掛けて力を開封方向および閉鎖方向に繰り返して行い、すなわち、引裂き片の折り曲げを繰り返し行って、引裂き片のちぎれ状況を観察した。なお、この引裂き片のちぎれは5例につき行った。
その結果、引裂き片のちぎれは、折り曲げ回数平均35回で起きた。
【0028】
〈比較例1〉
空のビンタイプの容器口部に、図6ないし図7に示す従来例の引裂き式容器蓋を打栓したあと、引剥がし部材の指掛け部に手指を掛けて力を開封方向に加えて、目視観察した。 その結果、図7に示すように、引裂き片が所定角度以上曲がるのを阻止するものが無いから、引裂き片の曲率が小さくなった。
〈比較例2〉
さらに、比較例1と同じように作製したサンプルにおいて、剥がし部材の指掛け部に手指を掛けて力を開封方向および閉鎖方向に繰り返して行い、すなわち、引裂き片の折り曲げを繰り返し行って、引裂き片のちぎれ状況を観察した。なお、この引裂き片のちぎれは5例につき行った。
その結果、引裂き片のちぎれは、折り曲げ回数平均20回で起きた。
【0029】
以上、本発明の実施例1を説明したが、具体的な構成はこれに限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲での変更は、適宜可能であることが理解されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明の引裂き式容器蓋は、容器形状に特に影響を受けずに、容器に装着した状態でもその全幅寸法を広げることなく、開封の際の引裂き片のちぎれを防ぎ、しかも、開封時にてこ作用を発揮して容易に開封できるようにしたい場合、その利用可能性が極めて高くなる。
【符号の説明】
【0031】
1 引裂き式容器蓋
2、50 天板
2a 天板内面
3、51 スカート部
3a スカート部内面
4 引裂ライン
5、53 引裂き片
6 延出片
6a 先端部
7、54 引剥がし部材
8、55 容器
9、56 口部(容器口部)
9a 外側面
10、56a リムフランジ
11 リング状シール材
12 V字状切欠
13 指掛け部
14 基端部
52 端部
57 突出部
58 スペーサ





























図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9