(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6090915
(24)【登録日】2017年2月17日
(45)【発行日】2017年3月8日
(54)【発明の名称】保護フィルムの貼り付け補助具
(51)【国際特許分類】
B29C 65/78 20060101AFI20170227BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20170227BHJP
【FI】
B29C65/78
G09F9/00 342
【請求項の数】1
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-39855(P2013-39855)
(22)【出願日】2013年2月28日
(65)【公開番号】特開2014-166727(P2014-166727A)
(43)【公開日】2014年9月11日
【審査請求日】2015年12月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000237237
【氏名又は名称】フジコピアン株式会社
(72)【発明者】
【氏名】藤井 圭介
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 一也
(72)【発明者】
【氏名】荒木 由美
(72)【発明者】
【氏名】櫻本 誠一
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】流尾 秀樹
【審査官】
大塚 徹
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2013/009149(WO,A1)
【文献】
特表2014−525167(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3180690(JP,U)
【文献】
特開2011−150332(JP,A)
【文献】
特開2014−059447(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 65/78
G09F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モバイル機器の画面に一方の面に粘着層または吸着層を有する保護フィルムを貼り付ける際に、前記保護フィルムの位置決めができるフレーム型の保護フィルムの貼り付け補助具であって、前記モバイル機器との嵌め合わせ面のフレームを有し、前記モバイル機器との嵌め合わせ面のフレーム寸法は前記モバイル機器の外寸と合わさるようになっており、前記モバイル機器を当該貼り付け補助具に固定することができ、さらに前記モバイル機器との嵌め合わせ面のフレームに、ヒンジを介して上蓋が取り付けられ、前記上蓋の前記モバイル機器との嵌め合わせ面のフレームに重ねる面の反対面に前記保護フィルムを仮固定する位置を示した印刷線が設けられ、前記上蓋の前記印刷線の内側は前記保護フィルムを仮固定する面以外は貫通穴であり、前記上蓋の前記保護フィルムを仮固定する面には非粘着処理が施され、前記モバイル機器との嵌め合わせ面のフレームに前記モバイル機器の画面枠が前記上蓋側となるように前記モバイル機器を嵌め合わせ、前記上蓋の前記印刷線に沿って前記保護フィルムの前記粘着層又は前記吸着層面を前記上蓋に仮固定し、前記上蓋を前記モバイル機器との嵌め合わせ面のフレームに重ね、前記保護フィルムの上面を押さえながら、前記上蓋に仮固定した前記保護フィルムを剥がしつつ、前記上蓋を前記モバイル機器との嵌め合わせ面のフレームから引き離すことにより、前記保護フィルムを前記モバイル機器の前記画面枠に貼り付けることを特徴とする保護フィルムの貼り付け補助具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スマートフォンやタブレット端末などのモバイル機器の画面に保護フィルムを貼り付ける際に用いられる保護フィルムの貼り付け補助具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話などの表示画面をキズや汚れから保護する目的や、外光の反射や画面への写り込みを防ぐ目的で、フィルムの片面にハードコート層、もう一方の面に表示画面と貼り付けるための粘着層を有する保護フィルムが提案されている。(特許文献1、特許文献2)
【0003】
また、従来よりフィルムの片面にシリコーン樹脂からなる密着層を有する光学フィルムが、貼り付け、貼り直し作業が簡便な画面貼り付け用フィルムとして提案されている。(特許文献3)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】WO2010/110135
【特許文献2】特開2012−240266
【特許文献3】特開2004−191687
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、スマートフォンやタブレット端末などのモバイル機器の普及に伴い、個人がスマートフォンなどを購入後、これらの画面に上記のような保護フィルムを貼り付けることが一般的となっている。しかし、個人がスマートフォンなどに保護フィルムを手作業で貼り付ける際、保護フィルムを貼り付ける位置決めが難しく、保護フィルムを画面枠に正確に貼り付けるのに何回も貼り直すといった苦労があった。また、何回も貼り直すために保護フィルムの貼り付け面が指紋やほこりで汚れたり、フィルム折れを生じたりするといった問題や、貼り付けに時間がかかるといった問題もあった。
【0006】
本発明は、スマートフォンやタブレット端末などのモバイル機器の画面に保護フィルムを貼り付ける際、簡便かつ画面枠に対して正確に保護フィルムを貼り付けることが可能となる保護フィルムの貼り付け補助具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1発明
は、モバイル機器の画面に一方の面に粘着層または吸着層を有する保護フィルムを貼り付ける際に、前記保護フィルムの位置決めができるフレーム型の保護フィルムの貼り付け補助具であって、前記モバイル機器との嵌め合わせ面のフレームを有し、前記モバイル機器との嵌め合わせ面のフレーム寸法は前記モバイル機器の外寸と合わさるようになっており、前記モバイル機器を当該貼り付け補助具に固定することができ、さらに前記モバイル機器との嵌め合わせ面のフレームに、ヒンジを介して上蓋が取り付けられ、前記上蓋の前記モバイル機器との嵌め合わせ面のフレームに重ねる面の反対面に前記保護フィルムを仮固定する位置を示した印刷線が設けられ、前記上蓋の前記印刷線の内側は前記保護フィルムを仮固定する面以外は貫通穴であり、前記上蓋の前記保護フィルムを仮固定する面には非粘着処理が施され、前記モバイル機器との嵌め合わせ面のフレームに前記モバイル機器の画面枠が前記上蓋側となるように前
記モバイル機器を嵌め合わせ、前記上蓋の前記印
刷線に沿って前記保護フィルムの前記粘着層又は前記吸着層面を前記上蓋に仮固定し、前記上蓋を前記モバイル機器との嵌め合わせ面のフレームに重ね、前記保護フィルムの上面を押さえながら、前記上蓋に仮固定した前記保護フィルムを剥がしつつ、前記上蓋を前記モバイル機器との嵌め合わせ面のフレームから引き離すことにより、前記保護フィルムを前記モバイル機器の前記画面枠に貼り付けることを特徴とする保護フィルムの貼り付け補助具である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、保護フィルムの貼り付け補助具を使用することで、機械装置を使用せず手作業により、モバイル機器の画面に保護フィルムを簡便かつ画面枠に対して正確に貼り付けることが可能となったものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第一実施形態を構成する各部材の寸法図。(ア)保護フィルムの3面図。(イ)スマートフォンの3面図。(ウ)貼り付け補助具の3面図。
【
図2】本発明の第一実施形態における保護フィルムの貼り付け方法図。(ア)モバイル機器に貼り付け補助具を嵌め合わせる前の状態。(イ)モバイル機器に貼り付け補助具を嵌め合わせた後の状態。(ウ)モバイル機器に保護フィルムの一辺を貼り付けた状態。(エ)保護フィルムをモバイル機器に貼り付け後、貼り付け補助具を外した状態。
【
図3】貼り付け補助具を嵌め合わせたモバイル機器に保護フィルムを貼り付けた状態。(ア)保護フィルムを貼り付けたモバイル機器の正面図と断面図。(イ)断面図の一部の拡大図。
【
図4】貼り付け補助具のモバイル機器への固定方法の例。(ア)フレーム内枠にリブを設けた貼り付け補助具の3面図。(イ)フレームの一部が押圧変形する貼り付け補助具の3面図。(ウ)フレームの一辺が開放されたスライド式貼り付け補助具の3面図。
【
図5】本発明の第二実施形態を構成する貼り付け補助具の例。(ア)および(イ)フレーム内側に数ヶ所の凸部からなる仮置き保持部を設けた貼り付け補助具の3面図。(ウ)フレーム内側の向かい合わせ2ヶ所に仮置き保持部を設けた貼り付け補助具の3面図。(エ)フレーム内側の全周に仮置き保持部を設けた貼り付け補助具の3面図。
【
図6】本発明の第二実施形態における保護フィルムの貼り付け方法図。(ア)モバイル機器に貼り付け補助具を嵌め合わせる前の状態。(イ)モバイル機器に貼り付け補助具を嵌め合わせた後の状態。(ウ)貼り付け補助具の仮置き保持部に保護フィルムを仮置きした状態。(エ)保護フィルムをモバイル機器に貼り付け後、貼り付け補助具を外した状態。
【
図7】貼り付け補助具を嵌め合わせたモバイル機器に保護フィルムを仮置きした状態。(ア)保護フィルムを仮置きしたモバイル機器の正面図と断面図。(イ)断面図の一部の拡大図。
【
図8】本発明の第三実施形態を構成する各部材の3面図。
【
図9】本発明の第三実施形態における他構成の貼り付け補助具の3面図。(ア)上蓋の粘着部に保護フィルムを仮固定する方法。(イ)穴が設けられた上蓋に保護フィルムを仮固定する方法。
【
図10】本発明の第三実施形態における保護フィルムの貼り付け方法図。(ア)貼り付け補助具に保護フィルムおよびモバイル機器を配置する前の状態。(イ)貼り付け補助具に保護フィルムおよびモバイル機器を配置した後の状態。(ウ)上蓋をモバイル機器に重ね合せようとしている状態。(エ)上蓋をモバイル機器に重ね合せて、保護フィルムを貼り付けた状態。(オ)貼り付け補助具からモバイル機器を取り出した状態。
【
図11】モバイル機器に上蓋を重ね合せて保護フィルムを貼り付けた状態。(ア)保護フィルムを貼り付けたモバイル機器の正面図と断面図。(イ)断面図の一部の拡大図。
【
図12】フレームが底面付き容器型となっている貼り付け補助具の3面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
モバイル機器の例としては、スマートフォンのほか携帯電話や携帯ゲーム機、タブレット端末、ポータブルナビゲーションなどが挙げられる。一般的にモバイル機器の画面の大きさは、モバイル機器の外寸よりもやや小さい寸法になっている。これは、モバイル機器を落下させても、モバイル機器の外枠フレームが画面を保護するようにしたものと考えられる。以下の本発明の実施形態は、上記のようなモバイル機器の外寸より画面の大きさがやや小さいモバイル機器を想定し説明している。しかしながら、モバイル機器の外寸と画面の寸法が同じ寸法であっても、この構造に合わせたフレーム型の貼り付け補助具を用意すれば、本発明の効果は得られるものである。
【0011】
図1の(ア)〜(ウ)は、本発明の第一実施形態を構成する各部材の3面図を示したものである。保護フィルム1は、貼り付けされるモバイル機器2の画面サイズに合うようにあらかじめ断裁されたものであれば、任意の保護フィルムが使用可能である。保護フィルムの少なくとも一方の面には、モバイル機器の画面と貼り合わせるために、アクリル粘着剤からなる粘着層またはシリコーン樹脂やウレタン樹脂などからなる吸着層が設けられている。
【0012】
貼り付け補助具3は、保護フィルムの位置決めができるフレーム型を有している。貼り付け補助具のフレームの内寸(縦寸法Eおよび横寸法F)は、モバイル機器の外寸(縦寸法Cおよび横寸法D)より小さくかつ、保護フィルムの寸法(縦寸法Aおよび横寸法B)より大きいものとなっている。さらに、モバイル機器との嵌め合わせ面の貼り付け補助具のフレーム寸法(縦寸法Gおよび横寸法H)は、モバイル機器の外寸と合わさるようになっており、貼り付け補助具をモバイル機器と嵌め合わせて固定することで、貼り付ける保護フィルムの位置決めがなされる。なお、貼り付け補助具の材質としては、厚紙やプラスチック材料、金属などを用いることができ、加工性や強度の点からプラスチック材料を用いることが好ましい。使用するプラスチック材料としては、例えば、ABS、POM、PE、PS、PPなどが挙げられる。
【0013】
図2の(ア)〜(エ)は、本発明の第一実施形態における保護フィルムの貼り付け方法を順に示したものである。(ア)はモバイル機器2に貼り付け補助具3を嵌め合わせる前の状態、(イ)はモバイル機器に貼り付け補助具を嵌め合わせた後の状態を示したものである。(ウ)は貼り付け補助具を嵌め合わせたモバイル機器に、保護フィルムの一辺をフレームの内枠に合わせて、保護フィルムの粘着層または吸着層を貼り付けた状態を示したものである。(エ)は保護フィルムの全面をモバイル機器に貼り付けた後、貼り付け補助具を外した状態を示したものである。
【0014】
図3の(ア)は、貼り付け補助具を嵌め合わせたモバイル機器に、保護フィルムの粘着層または吸着層を、貼り付け補助具のフレームの内枠に合わせて貼り付けた状態の正面図および断面図である。
図3の(イ)は、(ア)の断面図の一部を拡大したものであり、貼り付け補助具のフレームの内寸が、モバイル機器の外寸より小さくかつ保護フィルムの寸法より大きいものとなっている。さらに、貼り付け補助具のモバイル機器との嵌め合わせ面のフレーム寸法は、モバイル機器の外寸と合わさるようになっている。
【0015】
図4の(ア)〜(ウ)は、貼り付け補助具のモバイル機器への固定方法を、本発明の第一実施形態以外の構成で示したものである。(ア)は貼り付け補助具のフレームの内枠に設けられた複数のリブ4により、モバイル機器を固定する方法である。内枠に設けられた複数のリブは、モバイル機器の外寸と合わさるよう設けられている。(イ)は貼り付け補助具のフレームの一部を押圧することにより、モバイル機器を固定する方法である。フレーム押圧部5は、変形可能な材料または変形可能な構造で設けられている。また、フレーム押圧部を押圧した際、押圧部が設けられた面以外のフレーム内枠がモバイル機器の外寸と合わさるようになることで、モバイル機器の固定が可能となる。(ウ)はモバイル機器を貼り付け補助具のフレーム開放部6へスライドさせて押し込み、モバイル機器を固定する方法である。スライドさせて使用する貼り付け補助具は、フレームの一辺が開放された構造を有している。フレーム開放部をモバイル機器の側面からスライドさせて押し込むと、フレーム開放部以外のフレーム内枠がモバイル機器の外寸と合わさるようになることで、モバイル機器の固定が可能となる。
【0016】
図5の(ア)〜(エ)は、本発明の第二実施形態を構成する貼り付け補助具3の3面図を示したものである。(ア)〜(エ)は貼り付け補助具のフレームの内側に、保護フィルムの仮置き保持部7を備えた形状のものである。すなわち、保護フィルムの仮置き保持部は、貼り付け補助具のフレームの内寸より内側に設けられる。(ア)と(イ)は貼り付け補助具のフレーム内側に複数の凸部からなる仮置き保持部を設け、保護フィルムが仮置きできる構造を示したものである。(ウ)は貼り付け補助具のフレーム内側の向かい合わせ2ヶ所に仮置き保持部を設け、保護フィルムが仮置きできる構造を示したものである。(エ)は貼り付け補助具のフレーム内側の全周に仮置き保持部を設け、保護フィルムが仮置きできる構造を示したものである。なお、仮置き保持部の形状については、(ア)〜(エ)に示した構造の他に保護フィルムが仮置きできる構造であれば、どのような形状でも構わない。また、保護フィルムの粘着層または吸着層が仮置き保持部と貼り付かないよう、仮置き保持部の表面には非粘着処理が施されていることが好ましい。
【0017】
図6の(ア)〜(エ)は、本発明の第二実施形態における保護フィルムの貼り付け方法を、
図5(ア)の貼り付け補助具を用いて順に示したものである。(ア)はモバイル機器2に貼り付け補助具3を嵌め合わせる前の状態、(イ)はモバイル機器に貼り付け補助具を嵌め合わせた後の状態を示したものである。(ウ)は貼り付け補助具を嵌め合わせたモバイル機器に、保護フィルム1の粘着層または吸着層の面を、貼り付け補助具のフレームの内側にある保護フィルムの仮置き保持部7に仮置きした状態を示したものである。(エ)は保護フィルムを仮置き保持部に仮置きした状態から、指などで画面枠に押し付けてモバイル機器に貼り付けた後、貼り付け補助具を外した状態を示したものである。
【0018】
図7の(ア)は、貼り付け補助具を嵌め合わせたモバイル機器に、保護フィルムの粘着層または吸着層の面を、貼り付け補助具のフレームの内側にある保護フィルムの仮置き保持部7に仮置きした状態の正面図および断面図である。
図7の(イ)は、(ア)の断面図の一部を拡大したものである。貼り付け補助具のフレームの内寸が、モバイル機器の外寸より小さくかつ保護フィルムの寸法より大きいものとなっており、フレームの内側に設けた保護フィルムの仮置き保持部に、保護フィルムが仮置きされた状態を示している。さらに、貼り付け補助具のモバイル機器との嵌め合わせ面のフレーム寸法は、モバイル機器の外寸と合わさるようになっている。
【0019】
図8は、本発明の第三実施形態を構成する各部材の3面図を示したものである。貼り付け補助具3には、保護フィルム1の位置決めができる上蓋10が、フレーム8にヒンジ9を介して取り付けられている。フレームの内寸(縦寸法Iおよび横寸法Jおよび高さK)は、モバイル機器の外寸(縦寸法Cおよび横寸法Dおよび高さL)に合わさるようになっている。さらに、モバイル機器の画面枠に対して正確に保護フィルムを貼り付けるため、上蓋には保護フィルムを仮固定できる切り込み11が、保護フィルムの位置決めができる位置に設けられている。なお、切り込みは保護フィルムの位置決めができる位置に設けるのであれば、どのような切り込みでも構わない。この切り込みに保護フィルムの粘着層または吸着層の面が、モバイル機器の画面枠と重なるように保護フィルムを仮固定する。
【0020】
ヒンジ9は単純に折り目をつけて、折り曲げ自由なものであってもよいし、ヒンジのラインに少なくとも1つ以上のスリットを入れて、折り曲げやすくしたものであってもよい。また、ヒンジのラインにミシン目を入れて、折り曲げやすくしたものであってもよい。
【0021】
図9の(ア)および(イ)は、本発明の第三実施形態における上蓋への保護フィルムの仮固定の方法を、他の構成で示したものである。(ア)は粘着テープなどによる粘着部12が設けられた上蓋10により保護フィルムの仮固定を行なう方法である。粘着部は保護フィルムを仮固定できると共に、保護フィルムを画面に貼り付けた際に粘着部から保護フィルムが容易に剥がれる程度の弱粘着または小面積であることが好ましい。また、モバイル機器の画面枠に対して正確に保護フィルムを貼り付けるため、上蓋には保護フィルムを仮固定する位置を示した印刷線13と、保護フィルムを仮固定する位置に粘着テープなどによる前記粘着部12が設けられている。この粘着部に保護フィルムの粘着層または吸着層と反対の面を貼り付け、モバイル機器の画面枠と重なるように保護フィルムを仮固定する。(イ)は印刷線13と、中央部に穴14が設けられた上蓋10により保護フィルム1の仮固定を行なう方法である。なお、保護フィルムの仮固定は画面枠と重ね合せる上蓋の反対面15に行ない、保護フィルムを仮固定する位置を示した印刷線に沿って、保護フィルムの粘着層または吸着層を仮固定する。また、保護フィルムを上蓋に仮固定する面積はできるだけ小面積であることが好ましい。保護フィルムを仮固定した上蓋をモバイル機器の画面枠と重ねると、上蓋中央部の穴から露出した保護フィルムの粘着層または吸着層が画面枠と貼り付く。貼り付いた保護フィルムの上面を指で押さえながら、上蓋に仮固定した部分をゆっくり剥がすことで保護フィルムを貼り付けることができる。なお、保護フィルムの粘着層または吸着層が上蓋の反対面と貼り付かないよう、上蓋の反対面の表面には非粘着処理が施されていることが好ましい。
【0022】
図10の(ア)〜(オ)は、本発明の第三実施形態における保護フィルムの貼り付け方法を、
図8の貼り付け補助具を用いて順に示したものである。(ア)は貼り付け補助具3に保護フィルム1およびモバイル機器2を配置する前の状態、(イ)は貼り付け補助具に保護フィルムおよびモバイル機器を配置した後の状態を示したものである。(ウ)は保護フィルムを仮固定した上蓋10をモバイル機器に重ね合せようとしている状態、(エ)は保護フィルムを仮固定した上蓋をモバイル機器に重ね合せて、保護フィルムを貼り付けた状態を示したものである。(オ)は上蓋を開いて、貼り付け補助具から保護フィルムを貼り付けたモバイル機器を取り出した状態を示したものである。
【0023】
図11の(ア)は、保護フィルムを仮固定した上蓋を、貼り付け補助具に配置したモバイル機器に重ね合せて、保護フィルムを貼り付けた状態の正面図および断面図である。
図11の(イ)は、(ア)の断面図の一部を拡大したものである。貼り付け補助具3のフレームが、モバイル機器2と合わさるようになっており、貼り付け補助具の上蓋10に仮固定された保護フィルム1が、モバイル機器の画面枠に対して正確な位置に貼り付けられるようになっている。
【0024】
図12は、
図8の貼り付け補助具3のフレーム8が、モバイル機器2を納めることができる底面付き容器16の形態となっている貼り付け補助具の3面図を示したものである。貼り付け補助具には、保護フィルムの位置決めができる上蓋10が、底面付き容器にヒンジ9を介して取り付けられている。底面付き容器の内寸(縦寸法Mおよび横寸法Nおよび深さO)は、モバイル機器の外寸(縦寸法Cおよび横寸法Dおよび高さL)に合わさるようになっている。このように、本発明の第三実施形態の別形態として、フレームの部分が底面付きの容器型になっているものでもよい。
【符号の説明】
【0025】
1 保護フィルム
2 モバイル機器
3 貼り付け補助具
4 リブ
5 フレーム押圧部
6 フレーム開放部
7 仮置き保持部
8 フレーム
9 ヒンジ
10 上蓋
11 切り込み
12 粘着部
13 印刷線
14 上蓋の穴
15 上蓋の反対面
16 底面付き容器
A 保護フィルムの縦寸法
B 保護フィルムの横寸法
C モバイル機器の縦寸法
D モバイル機器の横寸法
E 貼り付け補助具のフレーム縦内寸
F 貼り付け補助具のフレーム横内寸
G モバイル機器との嵌め合わせ面のフレームの縦寸法
H モバイル機器との嵌め合わせ面のフレームの横寸法
I フレームの縦内寸
J フレームの横内寸
K フレームの高さ
L モバイル機器の高さ
M 底面付き容器の縦内寸
N 底面付き容器の横内寸
O 底面付き容器の深さ