(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数の開口部は、前記圧縮部が前記歪負荷ポジションにあるときの第1のプロファイルを有するとともに、前記圧縮部が前記非負荷ポジションにあるときの第2のプロファイルを有し、前記第2のプロファイルは、前記第1のプロファイルと比べて空気流が低減される、請求項1に記載のウインドデフレクタアセンブリ。
前記圧縮部は、前記熱解除ヒューズの解放時に前記ルーフトップの傾斜に対する前記平面部の角度を調整する、請求項1、2および5の何れか一項に記載のウインドデフレクタアセンブリ。
【発明を実施するための形態】
【0004】
以下の発明を実施するための形態は、本質的には、単なる例示に過ぎず、本対象の実施形態、又はそのような実施形態の応用及び用途を限定することを意図するものではない。本明細書で使用される「例示の」という語は、「実施例、実例、又は例証として供する」ことを意味する。本明細書に例示として記載されるどの実施も、必ずしも他の実施より好適又は有利なものと解釈されない。更に、上記の技術分野、背景技術、概要、又は以下の発明を実施するための形態で提示される、明示又は暗示の何らかの理論に拘束されることを意図するものではない。
【0005】
ルーフトップに取り付けられた太陽光発電システム用のウインドデフレクタアセンブリについて開示する。ウインドデフレクタアセンブリは、ルーフトップの傾斜と角度をなして配向された平面部と、平面部の下方の支持部と、平面部と支持部とを接続する圧縮部であって、歪負荷ポジション(strain−loaded position)に保持された圧縮部と、圧縮部を歪負荷ポジションに維持する熱解除ヒューズ(heat−releasing fuse)と、を備える。
【0006】
ルーフトップ太陽光発電システムについて開示する。太陽光システムは、少なくとも1つのエッジを有するルーフトップアレイを形成する複数の太陽電池モジュールと、ルーフトップアレイのエッジに沿って位置し、ヒューズによって第1の構造に拘束されたウインドデフレクタと、を備える。第1の構造では、ウインドデフレクタは、ルーフトップ上に吹く風をルーフトップアレイの上方に偏向するように構成された偏向部と、複数の開口部を有する換気部と、を備え、開口部はルーフトップアレイの下方の空気流を可能にする位置にある。ウインドデフレクタはヒューズの解放時に第2の構造を取る。第2の構造では、偏向部は、第1の構造から持ち上げられ、換気部は、第1の構造よりも少ない空気流が複数の開口部を通過できるような位置にある。
【0007】
圧縮状態で保持されるウインドデフレクタについても開示する。ウインドデフレクタは、平面部と、平面部に結合された支持部とを備える。平面部は支持部に対する第1の位置に保持され、第1の位置はウインドデフレクタ内に歪みを生じさせる。また、ウインドデフレクタは、ウインドデフレクタを第1の位置に保持するヒューズ手段を備える。ヒューズ手段は、所定の温度で解放されることによってウインドデフレクタを圧縮から解放して平面部を支持部に対する第2の位置に位置させるように構成される。
【0008】
「結合された」−以下の説明では、素子又はノード又は機構が共に「結合される」ことについて言及する。本明細書で使用する場合、明示的に別段の定めがある場合を除き、「結合された」は、ある素子/ノード/機構が、別の素子/ノード/機構に直接的又は非直接的に連結される(又は直接的若しくは非直接的にこれらと連絡する)ことを意味し、それは必ずしも機械的である必要はない。したがって、
図9に示した概略図は素子の一例示的構成を表現するものではあるが、追加的な介在素子、装置、機構、又は要素が、表現対象の一実施形態内に存在することもあり得る。
【0009】
「調整する」−一部の素子、構成要素、及び/又は機構は、調整可能又は調整済みとして記載する。本明細書で使用する場合、明示的に別段の定めがある場合を除き、「調整する」は、素子若しくは構成要素、又はそれらの一部を状況及び実施形態に好適なように位置させる、修正する、改変する、又は配置することを意味する。場合によっては、素子若しくは構成要素、又はそれらの一部は、現状で実施形態に適切であるか、望ましい場合、調整の結果として変わらない位置、状態、及び/又は状況のままであってよい。場合によっては、素子又は構成要素は、適切であるか、望ましい場合、調節の結果として新しい位置、状態、及び/又は状況に改変、変更、又は修正されてもよい。
【0010】
「抑制する」−本明細書で使用する場合、抑制する、は影響の低減又は最小化を表すために用いる。構成要素又は機構が、作用、動作、又は状況を抑制する記載される場合、これらの構成要素又は機構は完全に、結果、又は効果、又は将来の状態が起こらないように完全に阻止してもよい。更に、「抑制する」はまた、そうでなければ発生したであろう効果、性能、及び/又は影響を低減する又は減少させることにも言及し得る。したがって、構成要素、素子、又は機構について結果または状態を抑制すると述べる場合、構成要素、素子、又は機構は必ずしも結果または状態を完全に阻止したり、排除したりするものではない。
【0011】
また更に、一部の用語は、参照目的のためだけに以下の説明に用いることがあり、したがって、制限的であることを意図しない。例えば、「上側」、「下側」、「上方」、及び「下方」などの用語は、参照している図における方向を示す。「前部」、「後方」、「後部」、「側部」、「外側」、及び「内側」などの用語は、説明中の構成要素について記述する本文及び関連図面の参照によって明らかにされる、一貫性はあるが任意の座標系内において、構成要素の一部分の向き及び/又は位置を記述するものである。かかる用語は、特に上述した語、それらの派生語、及び類似の意味の語を含んでもよい。同様に、用語「第1の」、「第2の」、及び構造について言及する他のかかる数値的用語は、明確に文脈で示されない限り、順序又は序列を意味しない。
【0012】
ルーフトップ光発電(PV)システムが備え付けられた建物に対する火災損害を緩和するための1つの技術は、屋根に沿って横方向に広がる炎にPVアレイがさらされることを抑制することである。PVアレイの一部のルーフトップ設置物によって屋根表面上のPVアレイがオフセットされる。建物及びそのPVアレイに対する火災損害を緩和するための別の技術は、PVアレイの下方を高温ガスが流れることを抑制することである。
【0013】
更に、ルーフトップPVシステムは、その寿命の大部分において風及び通常の環境条件にさらされるため、例えば、PVアレイに対する浮力を減らすことのような、風の強い条件中での性能利点が得られる火災損害緩和システムを用いることが優位である可能性がある。1つの技術は、PVアレイ上下で圧力を等しくすることであり得る。別の優位な性能特徴は、空気を上方に偏向させてPVアレイ内のモジュール上面の上方に向け、モジュール上面に対する抵抗を減らし、風の強い条件中での均圧性能を向上させることであり得る。
【0014】
ルーフトップPVアレイと併用されるアクティブな耐火性ウインドデフレクタを開示する。ウインドデフレクタは、取り付け後および通常条件で、圧縮された第1の状態に留まるように構成されている。第1の状態では、ウインドデフレクタは、上側偏向面を用いてルーフトップアレイにおけるPVモジュールの上面上方及び上面上の空気の向きを変えることができる。更に加えて、ウインドデフレクタは、偏向面及びPVアレイの両方の下方に風が流れるよう並べられた開口部又は空気流ポートを有することができ、これによりPVアレイの上方及び下方における均圧を助けることができる。
【0015】
ウインドデフレクタは、熱活性化ヒューズ解放メカニズムを有している。トリガ温度をヒューズに対して選ぶことができる。トリガ温度は、ウインドデフレクタがその通常の動作状態中になる温度範囲を上回っている。好ましくは、トリガ温度は十分に高くて、熱活性化ヒューズがその温度になるのは、ルーフトップ上またはルーフトップ付近での実際の火災中のみである。
【0016】
熱活性化ヒューズの解放時に、ウインドデフレクタは、歪みを解放して、非圧縮又は非負荷状態に移ることができる。この第2の状態では、ウインドデフレクタは、その上側偏向面の位置を上方に調整することができる。これによって、ルーフトップの高さの火からPVモジュールの最上部上へと炎が広がることを抑制することができる。この有利点は、ルーフトップの高さの火に影響するだけでなく、建物の壁を登って傾斜屋根、例えば住宅上の傾斜屋根まで広がろうとする火にも影響する。
【0017】
更に加えて、圧縮が解放されることによって、空気流ポートのプロファイルを小さくすることができる。ポートを通る空気流を減らすことによって、高温ガスがPVモジュールの下方のスペース内に流れることを抑制し、更にPVモジュールを火の影響から保護することができる。したがって、本明細書で説明した特徴を有する単一のウインドデフレクタによって、通常動作及び火災状態の両方の期間で優位な特徴を得ることができる。
【0018】
図1に、ルーフトップPVアレイ110を有する住宅100を例示する。
図2に、PVアレイ110を有する家100の屋根102の詳細図を例示し、隣接するウインドデフレクタ120を示す。
図3は、屋根102上のPVアレイ110のPVモジュール112の詳細な正面斜視図であり、ウインドデフレクタ120がPVアレイ110に隣接して位置する図である。PVアレイ110を、傾斜屋根表面を有する家の上に例示しているが、ウインドデフレクタ120の例示した実施形態及び他の実施形態を、任意のタイプのルーフトップ設置型PVアレイとともに、他のタイプの傾斜屋根建物だけではなく、例えば、平屋根建物に用いることができる。例えば事務所建物、倉庫、コンベンションセンタ、博物館、学校に用いることができる。ウインドデフレクタ120又は代替的な実施形態を、任意の所望のルーフトップアレイとともに用いることができる。
【0019】
続けて
図1〜3を参照し、更に
図4〜7を参照して、ウインドデフレクタ120について説明する。ウインドデフレクタ120は複数のセクション又は部分を備えることができる。例示した実施形態では、ウインドデフレクタ120は、平面またはほとんど平面の上側偏向面122を有する。偏向面122は、圧縮又は中間セクション部分130に隣接させるか又は結合させることができる。例示した実施形態では、圧縮部130は、ウインドデフレクタ120の圧縮に対応するために複数の曲がりを有している。またウインドデフレクタ120は、支持部又は底部140を備えることができる。最後に、ウインドデフレクタ120は、1又は複数の熱ヒューズ150を有することができる。本明細書では単一のウインドデフレクタ120として説明しているが、各ウインドデフレクタ120を、より長いウインドデフレクティングアセンブリの単一ユニット要素又はサブコンポーネントと言うことができる。例えば、
図2に示したウインドデフレクタ120は、PVアレイ110に隣接し、実質的にPVアレイ110の側面全体に沿って延在する。これは、後述するような特性及び特徴を有する、単一のウインドデフレクタ120ユニットであっても良いし、横に並んだ複数の別個のユニットの組み合わせであっても良い。
【0020】
いくつかの実施形態では、偏向面122は、必要に応じて、その上を流れる空気流を調整するようにデザインされた表面機能又は形状を有し、乱流を誘起するか又はPVアレイ110の上部を横切る空気の層流を改善することができる。更に加えて、偏向面122は、1又は複数の剛性部材、例えば、リブ124を備えることができる。いくつかの実施形態では、偏向面122には、耐火性コーティング126又は断熱層を施すことができる。ウインドデフレクタ120全体を例えば、金属又はプラスチックなどの不燃性材料から構成することに加えて、ウインドデフレクタ120の他の部品にコーティング126を施すことができる。したがって、コーティング126は、図示では、偏向面122の一部上にあるが、偏向面122全体、圧縮部130、及び/又は底部のすべてに、コーティング126又は他の耐熱特性を持たせることができる。
【0021】
圧縮部130を、ウインドデフレクタ120内の複数の曲がりから構成することができる。したがって、偏向面122及び圧縮部130を、単一要素又はユニットとして一体的に形成することができる。例えば、それらを、金属薄板又はフラッシング(flashing)の加工片又は折曲片とすることができる。また圧縮部130を底部140と一体形成することができる。したがって、3つのセクションのすべて又は一部を、加工湾曲を有する材料の単一ユニット又は単一要素として形成することができる。特定の実施形態では、ウインドデフレクタ120を、例えば射出成形によって、プラスチックから構成することができる。ウインドデフレクタ120が本明細書で説明した動作を実行し特徴を有することができる限りにおいて、任意の適切な材料又は構成技法を用いることが可能である。
【0022】
圧縮部130は、複数の開口部、ポート、空気流ベント132、又は他の流体透過性ギャップを有している。ベント132は、空気が偏向面122下方の圧縮部130を通って流れることを可能にする箇所に位置することができる。隣接するPVアレイ110に空気流を送るべく、空気流ベント132を、任意の所望の高さにして、必要に応じて圧縮部130の異なる表面上に存在させるか又は表面から省くことができる。したがって、圧縮部130を換気部と考えることもできる。なぜならば、空気流がこのセクションを通過してウインドデフレクタ120を通り、提供されるからである。
【0023】
空気流ベント132を、凹状ローブ134を含む圧縮部130の表面に沿って存在させることができる。種々の実施形態では、空気流ベント132は、直線、楕円形、円形、又は他の形状、例えば、網、細長い開口部などを有することができる。同様に、空気流ベント132は一部又は他の表面上に存在することができ、図示では圧縮部130の2つの前面と凹状ローブ134とに沿っているが、いくつかの実施形態では、空気流ベント132は、凹状ローブ134にのみ、圧縮部130の前面の一方又は他方にのみ、又はこれらの任意の組み合わせ若しくは変形に存在することができる。更に加えて、圧縮部130の形状に応じて、単一表面のみが空気流ベント用に利用できる場合があるか、又は、いくつかの実施形態では、空気流ベント132を偏向面122上で部分的に延在させるか又は偏向面122の全体に配置することができる。
【0024】
圧縮部130の折り曲げ部のローブの1つを、偏向面122の下方で内側に延ばすことができる。この凹状ローブ134は更に空気流ベント132のうちの1又は複数を有することができる。圧縮部130の凹状ローブ134及び他の折り曲げ部を、負荷状態下で弾力的に変形するように十分に柔軟なものにして、ウインドデフレクタ120の形状と偏向面122の位置とを調整することができる。
【0025】
前述したように、底部140を、ウインドデフレクタ120を形成する材料の延長部分とすることができる。したがって、底部140を、ウインドデフレクタ120を形成するフラッシング又は、金属薄板などのシート材料の一部とすることができる。
【0026】
底部140を平坦で平面とすることができ、その結果、屋根102上に載せることができる。他の実施形態では、底部140を、屋根102以外の表面に結合することができる。底部140を偏向面122と角度をなすようにして、ウインドデフレクタ120に空気を偏向させることができる。
【0027】
熱ヒューズ150は、任意の数の熱活性化解放メカニズムのうちの1又は複数とすることができる。例えば、それはプラスチック部材又は金属部材とすることができる。いくつかの実施形態では、熱ヒューズ150は、トリガ温度の存在下で構造破損を受ける可能性がある。
図4及び5に例示した実施形態では、熱ヒューズ150は分離して、破損したヒューズ部分152を形成することが示されている。この実施形態について全体を通して説明しているが、いくつかの実施形態では、熱ヒューズ150は、融点がトリガ温度である金属を含むことができる。このような実施形態では、熱ヒューズ150は、熱ヒューズ150のセグメント間の接合部に金属を位置させることができ、セグメントは、金属が溶融すると分離して、破損したヒューズ部分152になることができる。いくつかの実施形態では、熱ヒューズ150は、熱電対又は他の温度センサを含むアクティブコンポーネントとすることができる。アクティブな熱ヒューズ150は、周囲環境におけるトリガ温度を検出して、熱ヒューズ150を解放することができる。他の感熱性の解放メカニズムを、本明細書における教示から逸脱することなく、熱ヒューズ150として用いることができる。
【0028】
ウインドデフレクタ120が単一の熱ヒューズ150を有することもできるし、又は各ウインドデフレクタ120内に複数存在させることもできる。熱ヒューズ150は、偏向面122及び底部140を通って延びることができ、その位置をフランジ部分を通して維持することができる。したがって、偏向面122の上面は、熱ヒューズ150のフランジを受けるための傾斜又は凹部を有することができる。底部140は同様の凹部を有することができる。他の実施形態では、熱ヒューズ150を、偏向面122の下面と底部140の上面とに取り付けることができる。いくつかの実施形態では、熱ヒューズ150を接着剤又はボンドによって取り付けることができる。他の実施形態では、それを締結具、例えば、クリップトゥループ、ボルト、又は任意の他の取付技術によって固定することができる。
【0029】
熱ヒューズ150を用いて、ウインドデフレクタ120の位置を、第1の状態又は構造から第2の状態又は構造に調整することができる。
図4及び6に、第1の状態のウインドデフレクタ120を例示する。
図5及び7に、第2の状態のウインドデフレクタ120を例示する。
【0030】
第1の状態では、偏向面122は、空気流をPVアレイ110又は隣接するPVモジュールの上面の上に送る角度をなしている。
図4に示すように、偏向面122と底部140との間に形成される角度を、θ
1として測定することができる。したがって、θ
1によって測定される状態では、熱ヒューズ150は損なわれておらず解放されていない。第1の状態は、ウインドデフレクタ120に底部130と偏向面122との間で内側方向に負荷をかけた結果とすることができる。圧縮部130は、弾性歪みを受ける可能性があり、その結果、
図5及び7に示す非負荷状態、第2の状態に戻る付勢が生じる。ウインドデフレクタ120は、底部130と偏向面122とを接続することによって圧縮部130の緩和を制限する熱ヒューズ150によって第1の状態に保持することができる。この接続によって、偏向面122と底部130とが広がって互いから離れることを抑制することができ、ウインドデフレクタ120内の負荷が維持される。
【0031】
通常動作では、ウインドデフレクタ120をPVアレイの付近に又はそれに隣接して取り付け、配置し、又は位置させることを、第1の状態で行なう。ウインドデフレクタ120は、第1の状態又は構造においてPVアレイに対して風向きを変えること及び圧力を均一にすることに関する利益を提供することが可能である。ウインドデフレクタを複数の配列のいずれかで配置することができる。例えば、PVアレイの単一側面に沿って部分的にのみ延在させるか、PVアレイの単一側面に沿って全体的に延在させるか、PVアレイの複数の側面のいずれかに沿って部分的又は全体的に延在させるか、又はPVアレイ全体を囲ませるかである。これを
図8示す。平屋根上では、PVアレイを囲むか、又はPVアレイの位置を卓越風の側又は火の進行元と予想される側にすることが優位な場合がある。
【0032】
偏向面122を、屋根102に対してある角度で位置させることができる。ウインドデフレクタ120の第1の位置では、偏向面122を、いくつかの実施形態において、屋根102上方の高さであって、デフレクタに近づく空気流を曲げて隣接のPVモジュール112の上方へ送るのに十分な高さまで、延ばすことができる。PVモジュール112を、PVアレイ110を含む複数のうちの1つとすることができる。ウインドデフレクタ120の第2の位置では、偏向面122の屋根102に対する角度を大きくし、更に偏向面122を持ち上げることができる。
【0033】
ウインドデフレクタの付近で火が生じた場合、火からの熱はトリガ温度に達する。この理由は、ウインドデフレクタが、傾斜屋根上でPVアレイからの下り勾配に位置するか又はPVアレイの周囲のすべての側面上に位置するからであり得る。トリガ温度に達すると、熱ヒューズ150は、解放され、破損し、そうでなければ活性化して、ウインドデフレクタ120の構造を第2の状態に変えることができる。
【0034】
第2の状態では、熱ヒューズ150は解放されており、
図5では破損したヒューズ部分152として示されている。構造破損が解放メカニズムではない熱ヒューズ150の実施形態では、破損したヒューズ部分152を、放出又は解放されたヒューズ部品として具体化しても良い。
【0035】
角度θ
2は、第2の状態の偏向面122と底部130との間の角度を例示している。いくつかの実施形態では、角度θ
2はθ
1よりも大きく、圧縮部130内の圧縮の緩和によって生じる。いくつかの実施形態では、熱ヒューズ150による解放及び第2の状態又は位置への遷移が生じるにもかかわらず、角度θ
2がθ
1と等しいか又はほとんど等しくても良い。それでもやはり、偏向面122が圧縮部130の広がりによって持ち上げられることによって、炎がウインドデフレクタ120を横切って横方向に広がることに対する抵抗を高めることができる。
【0036】
耐火性又は断熱性材料からなるか又はそれらを含む偏向面122の垂直高さが増すことによって、火がウインドデフレクタ120上に又はウインドデフレクタ120を横切って広がることに対する障壁が、第1の状態と比べて大きくなる。
【0037】
また、
図6に例示するのは、ウインドデフレクタ120の第1の状態に対応する第1の配向又はプロファイルにおける、ウインドデフレクタ120の正面から見た空気流ベント132である。
図7に例示するのは、ウインドデフレクタ120の第2の状態に対応する第2の配向又はプロファイルにおける空気流ベント132である。いくつかの実施形態では、空気流ベント132のプロファイル、又はウインドデフレクタ120の正面に近づく風に対する空気流ベント132の露出は、第2の状態では小さくなる。圧縮部130における負荷が解放される結果、空気流ベント132を有する表面の配向がより水平な位置に動いて、ベント132を通る空気流を減らすことができる。例えば、ベント136の第1の列のみがウインドデフレクタ120の正面に部分的に露出する一方で、凹状ローブ134上のベント開口部138は、偏向面122の正面部分を含み前方及び下方にシフトされたウインドデフレクタ120の正面によって、少なくとも部分的に塞がれている。ウインドデフレクタ120の正面に衝突する空気の流量の観点から、空気流ベント132の透過は、第2の状態に変化することで減る。したがって、第2の状態での空気流ベント132の第2のプロファイルにおいて入ることができる空気は、第1の状態での空気流ベント132の第1のプロファイルの場合よりも少ない。
【0038】
第2の状態のウインドデフレクタ120の換気部分を通って透過する空気が減ることで、空気流ベント132を調整してプロファイルを小さくすることによって、関連するPVアレイの下方を高温ガスが流れること及び火又は炎が空気流ベント132を通って広がることの両方が、抑制され、減り、及び/又は最小限になる。
【0039】
図9〜12に例示するのは、ルーフトップPVアレイの付近に又はそれと共に位置付けられたか又は配置されたウインドデフレクタの複数の実施形態である。各実施形態を、前述したその他の実施形態又は特徴のいずれかと組み合わせることを必要に応じて行なって、PVアレイとともに取り付けるか又は使用することができる。特に断らない限り、部品に付随する符号は、
図1〜8における部品に付随するものと、100だけ増えていることを除いて、同様である。
【0040】
図9に例示するのは、PVアレイ210に隣接して、その風下にあるウインドデフレクタ220である。PVアレイ210は、複数のPVモジュール212が、レールアセンブリ214内で互いに結合され、レールアセンブリ214によって支持されているものであるが、これらを屋根202上に又は屋根202に対して取り付けることは、任意の望ましい技術又はメカニズムを用いて可能である。ウインドデフレクタ220をPVアレイ210に隣接して位置させて、締結具280を用いて屋根202に固定することができる。締結具280は例えば、U字形ボルト、クリップ、及び同様の取り付け装置又はメカニズムである。
【0041】
ウインドデフレクタ220の位置を、上側の空気290を偏向面222によってPVモジュール212の上方に偏向することができ、下側の空気292をPVモジュール212の下方のモジュール212と屋根202との間で圧縮部230を通すことによって入れさせる箇所にすることができる。
【0042】
図10に例示するのは、ウインドデフレクタア220が、モジュール212を支持するレールアセンブリ214のレール216に結合された実施形態である。結合は、締結具、締まりばめ、又は任意の所望の技術を用いて行なうことができる。
【0043】
図11に例示するのは、ウインドデフレクタ220がPVモジュール212のフレーム218に締結具226又は他のメカニズム(例えば、接着剤、ボンド、又はクランピング)によって結合された実施形態である。ウインドデフレクタ220を所望の箇所に位置付ける任意の所望の技術が用いられる。
【0044】
図12に例示するのは、
図11のそれと同様の仕方で結合されたウインドデフレクタ220の代替的な実施形態である。しかし、
図11とは違って、底部240が延長および加工されており、屋根202に沿って延びる前に、フレーム218から屋根202の表面に向かって下方に延びる。同様の実施形態を、
図10の結合において示されるような、レール216に結合される実施形態において用いることができる。
【0045】
図13に例示するのは、ウインドデフレクタ320の代替的な実施形態である。特に断らない限り、部品に付随する符号は、
図1〜8における部品に付随するものと、200だけ増えていることを除いて、同様である。
【0046】
前述した実施形態とは違って、ウインドデフレクタ320は、第1の状態では負荷がかかっておらず圧縮状態でもない。したがって、換気部330は、第1の状態では圧縮状態には保持されていない。その代わりに、圧縮バネ384が底部340と偏向面322とに結合されている。圧縮バネ384は、ウインドデフレクタ320の第1の状態では、圧縮された負荷状態にある。熱ヒューズ350によって負荷が圧縮バネ384内に維持されており、その結果、底部340と偏向面322とが分離することが抑制されている。
【0047】
圧縮バネ384をハウジングで覆って、環境効果から保護することができる。複数のバネを、ウインドデフレクタ320の長さに沿って使用し、その長さに沿って一様に又は不規則な間隔で展開することができる。
【0048】
図14に例示するのは、ウインドデフレクタ320の第2の状態にある
図13の実施形態である。熱ヒューズ350が解放されて熱ヒューズ部分352になり、圧縮バネ385が非負荷状態となって、外向きの力が偏向面320と底部340とにかかる。その結果、偏向面320が持ち上げられて、換気部330内の空気流ベント332のプロファイルが調整される。
【0049】
図15に例示するのは、熱ヒューズ450の代替的な実施形態であり、圧縮バネ454が、一体化された熱ヒューズ部分452の周りに位置している。組み合わされた熱ヒューズ450は、複数の実施形態、例えば
図13および14に示すような実施形態に用いられる。このような実施形態では、圧縮バネを含む圧縮部材を用いてウインドデフレクタの状態を第1の状態から第2の状態に調整する。
【0050】
図16〜18に例示するのは、ウインドデフレクタ520の別の実施形態である。各機構を、前述したその他の実施形態又は特徴のいずれかと組み合わせることを必要に応じて行なって、PVアレイとともに取り付けるか又は使用することができる。特に断らない限り、部品に付随する符号は、
図1〜8における部品に付随するものと、400だけ増えていることを除いて、同様である。
【0051】
図16及び17に例示するのは、第1の状態又は第1の構造のウインドデフレクタ520である。
図16に例示するのは、PVモジュール512からの風上に位置するウインドデフレクタ520の側面図である。例示した実施形態では、偏向面522は、湾曲部分であってその先端において大気に解放されているものである。偏向面522は、全体的に湾曲させることも、部分的に平面とすることも、全体的に平面とすることも、又は任意のそれらの組み合わせとすることもできる。偏向面522は、図示するように、偏向面522の端部から延びるへり、エッジ、又はフランジ523を有することができる。縮尺及び割合は明瞭にするために示したものであり、実施形態間で変わる場合がある。
【0052】
偏向面522は、換気部530に結合することもできるし、又は換気部530とともに単一要素として一体的に形成することもできる。例示した実施形態では、偏向面522と換気部530とは単一ユニットであるが、他の実施形態では、それらは複数とすることができる。換気部530は、空気を通して流す位置にある空気流ベント532を有することができる。空気流ベント532のサイズ、幾何学的形状、及び間隔は、実施形態間で変えることができる。
【0053】
換気部530は、底部540に、ヒンジ式に、旋回可能に、又は回転可能に接続又は結合することができる。このような結合によって、換気部530と偏向面522とが回転して、
図18に示し以下に詳細に説明する第2の構造になることができる。底部540は、図示では、三角形の構成を有しているが、任意の望ましい支持配置を用いることができる。例えば、矩形断面、側面が開いた正方形断面であって、前面が省略されたものなどであるが、これらに限定されない。
【0054】
底部540は、換気部530を屋根502から十分に高い位置に支持して、偏向面522の回転によって偏向面522が屋根502に当たらないようにすることができる。底部540は、空気流ベントも開口部もないようにすることができる。したがって、底部540に衝突する下側の空気592を、底部540の表面に沿って上向きにして、空気流ベント532に通すことができる。空気流ベント532の位置を、隣接する風下のPVモジュール512の下を空気が流れることを可能にする箇所にすることができる。PVモジュール512の下方を流れることによって、モジュール動作温度が下がり、換気部530内の空気流ベント532を省略したデザインよりも性能が向上する。上側の空気590は、偏向面522によってPVモジュール512の上方に送られる。
【0055】
換気部530と偏向面522とは、熱ヒューズ550によって第1の位置に保持されている。熱ヒューズ550を、ウインドデフレクタ520の先端に沿って、火の接近が予想されるエッジに面して位置させることができる。このようにして、熱ヒューズ550を、火が接近する結果、活性化させることができる。
【0056】
便宜的に、換気部530と偏向面522とをまとめて、
図16〜18の実施形態を参照して「上部」と言う。上部は、熱ヒューズ550によって第1の位置に維持されている。上部は、接合部595において、
図16及び17に示す第1の位置と
図18に示す第2の位置との間で回転又は旋回することができる。接合部595は、ベアリング、ピン留めされた接続部、ヒンジ、同軸スリーブ、又は任意の他のアセンブリであって、説明した機能を実現するのに十分なものとすることができる。第1の位置の接合部595は、任意に、圧縮されたねじりバネを含むことができる。他の付勢要素を用いることもできる。例えば、エラストマー物品である。1つの実施形態では、圧縮された線形バネを、底部540の上面と偏向面522の下面との間に位置させることができる。線形バネは、熱ヒューズ550の活性化によっていったん解放されると、伸びて、上部を第2の位置まで動かすことができる。これについては後述する。力の発揮の付勢又は方向は、上部を反時計回りに回転させて第2の位置にするように向けられる。したがって、前述の実施形態に関して説明した換気部の圧縮と同様に、付勢要素は熱ヒューズ550によって妨げられている。
【0057】
図18に例示するのは、熱ヒューズ550が解放されて熱ヒューズ部分552になった後の第2の位置のウインドデフレクタ520である。接合部595は、別の付勢部材又は一体素子(例えばねじりバネ)によって付与される力に従おうと従うまいと、図示したように上部が回転して第2の位置になることを可能にしている。第2の位置では、空気流ベント532が塞がれており、偏向面522は、炎がウインドデフレクタ520を横切って広がることを抑制する位置にある。いくつかの実施形態では、熱ヒューズ550の解放又は活性化時に、バネなどの付勢要素で生じるエネルギー無しで上部が第2の位置に回転するよう、上部に重りをつけるか又は釣り合い重りをつけることができる。
【0058】
少なくとも1つの例示的実施形態が、上述の発明を実施するための形態で提示されてきたが、莫大な数の変型が存在することを認識するべきである。本明細書に記載する例示的実施形態は、特許請求される対象の範囲、適用性、又は構成を限定する意図が全くないこともまた、認識するべきである。むしろ、上述の発明を実施するための形態は、当業者に、説明される実施形態を実践するための簡便な指針を提供するものである。本特許出願が出願される時点での、既知の等価物及び予見可能な等価物を含む、特許請求の範囲によって規定される範囲から逸脱することなく、諸要素の機能及び配置に、様々な変更が実施可能であることを理解するべきである。
[項目1]
ルーフトップ上の太陽光発電システム用のウインドデフレクタアセンブリであって、
前記ルーフトップの傾斜と角度をなして配向された平面部と、
前記平面部の下方の支持部と、
前記平面部と前記支持部とを接続する圧縮部であって、歪負荷ポジションに保持された圧縮部と、
前記圧縮部を前記歪負荷ポジションに維持する熱解除ヒューズと、を備える、ウインドデフレクタアセンブリ。
[項目2]
前記圧縮部は、前記熱解除ヒューズの解放時に非負荷ポジションに解放される、項目1に記載のウインドデフレクタアセンブリ。
[項目3]
前記圧縮部は、前記熱解除ヒューズの解放時に前記ルーフトップの傾斜に対する前記平面部の角度を調整する、項目2に記載のウインドデフレクタアセンブリ。
[項目4]
前記圧縮部は複数の開口部を備える、項目2に記載のウインドデフレクタアセンブリ。
[項目5]
前記複数の開口部は、前記圧縮部が前記歪負荷ポジションにあるときの第1のプロファイルを有するとともに、前記圧縮部が前記非負荷ポジションにあるときの第2のプロファイルを有し、前記第2のプロファイルは、前記第1のプロファイルと比べて空気流が低減される、項目4に記載のウインドデフレクタアセンブリ。
[項目6]
前記熱解除ヒューズは、少なくとも部分的にプラスチックからなる、項目1に記載のウインドデフレクタアセンブリ。
[項目7]
前記平面部、前記支持部、及び前記圧縮部は、単一要素として一体的に形成されている、項目1に記載のウインドデフレクタアセンブリ。
[項目8]
前記単一要素は、加工されたフラッシングマテリアルを含む、項目7に記載のウインドデフレクタアセンブリ。
[項目9]
前記平面部は耐火性コーティングを有する、項目8に記載のウインドデフレクタアセンブリ。
[項目10]
ルーフトップ太陽光発電システムであって、
ルーフトップアレイを形成する複数の太陽電池モジュールであって、前記ルーフトップアレイは少なくとも1つのエッジを有する、複数の太陽電池モジュールと、
前記ルーフトップアレイの前記エッジに沿って位置し、ヒューズによって第1の構造に拘束されたウインドデフレクタであって、前記第1の構造において、
ルーフトップ上に吹く風をルーフトップアレイの上方に偏向する偏向部と、
前記ルーフトップアレイの下方の空気流を可能にする位置にある複数の開口部を有する換気部と、を有する、ウインドデフレクタと、を備え、
前記ウインドデフレクタは前記ヒューズの解放時に第2の構造をとり、前記第2の構造において、
前記偏向部は前記第1の構造から持ち上げられ、
前記換気部は、前記第1の構造の場合よりも少ない空気流が前記複数の開口部を通過できるような位置にある、ルーフトップ太陽光発電システム。
[項目11]
前記ルーフトップアレイは、前記複数の太陽電池モジュールの少なくとも1つが結合されたレールを備え、前記ウインドデフレクタは前記レールに結合される、項目10に記載のルーフトップ太陽光発電システム。
[項目12]
前記ウインドデフレクタは複数のウインドデフレクタの一ユニットであり、前記複数のウインドデフレクタは実質的に前記ルーフトップアレイの前記エッジ全体に沿って延在する、項目10に記載のルーフトップ太陽光発電システム。
[項目13]
前記ウインドデフレクタは実質的に前記ルーフトップアレイ全体の周りに位置する、項目12に記載のルーフトップ太陽光発電システム。
[項目14]
前記複数の太陽電池モジュールの少なくとも1つはフレームを備え、前記ウインドデフレクタは前記フレームに結合されている、項目10に記載のルーフトップ太陽光発電システム。
[項目15]
前記ウインドデフレクタは前記ルーフトップの表面に結合されている、項目10に記載のルーフトップ太陽光発電システム。
[項目16]
前記ウインドデフレクタは金属からなる、項目10に記載のルーフトップ太陽光発電システム。
[項目17]
前記偏向部は複数の補強リブを備える、項目10に記載のルーフトップ太陽光発電システム。
[項目18]
圧縮状態で保持されるウインドデフレクタであって、
平面部と、
前記平面部に結合された支持部であって、前記平面部は前記支持部に対する第1の位置に保持され、前記第1の位置は前記ウインドデフレクタ内に歪みを生じさせる、支持部と、
前記ウインドデフレクタを前記第1の位置に保持するヒューズ手段であって、所定の温度で解放することによって前記ウインドデフレクタを圧縮状態から解放して前記平面部を前記支持部に対する第2の位置に位置させるヒューズ手段と、を備える、ウインドデフレクタ。
[項目19]
前記ウインドデフレクタは耐火性コーティングを備える、項目18に記載のウインドデフレクタ。
[項目20]
前記ウインドデフレクタは金属の湾曲片から構成される、項目18に記載のウインドデフレクタ。