(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、収穫したモズク等は複雑に絡み合っており、表面にぬめりを有しているという性状の特異性から、収穫したモズク等を単にコンテナに同じ厚みになるように収容しただけでは乾燥ムラが発生してしまう。また、100℃を超えるような熱風乾燥を併用することでモズク等全体の乾燥効率を向上させることは可能であるが、モズク等の1本1本の水分量を概略どの程度に設定するというところまでの乾燥精度は有していなかった。
また、上記100℃を超えるような熱風乾燥を行った場合にはモズク等の風味を大きく損ってしまうし、モズク等を収容したコンテナを複数の乾燥機間等で移し替える作業も煩しい作業になっていた。また、上記特許文献1〜3に示すような低温蒸しを実施するだけでは半生モズク等を製造するのに十分な熱量は得られない。
【0007】
本発明はこのような点に基づいてなされたものでその目的とするところは、モズク等の1本1本の水分量を所定の範囲内に設定して乾燥効率と乾燥品質を向上させ、本来素材が持っている風味や成分等を多く残存させた品質の良い被乾燥物を安定して製造することができ、乾燥中の被乾燥物の移し替え作業の手間が少なくて済む作業性にも優れた蒸気・マイクロ波併用減圧乾燥機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するべく本発明の請求項1による蒸気・マイクロ波併用減圧乾燥機は、 被乾燥物を収容する開口部と収容した被乾燥物の重量を計測する重量計測器を有する支持構造とを備えた乾燥室本体と、
上記開口部に開閉可能な状態で取り付けられ、閉塞時に上記乾燥室本体内に遮蔽空間を形成する開閉扉と、
上記乾燥室本体に対して取り付けられ、該乾燥室本体内に収容される被乾燥物に向けてマイクロ波を照射して被乾燥物を乾燥させるマイクロ波照射装置と、
上記乾燥室本体に対して接続され、該乾燥室本体内に収容される被乾燥物に向けて
100℃以下の低温蒸気を供給して被乾燥物を加熱・殺菌する蒸気供給装置と、
上記開口部を閉塞した状態で上記乾燥室本体内を減圧雰囲気にする減圧装置と、を具備してなる蒸気・マイクロ波併用減圧乾燥機において、
上記開閉扉が閉塞状態にある時、上記開口部外方の上記乾燥室本体と上記開閉扉の対向面に位置して上記乾燥室内を気密状態にするシール部材を備えたシー
ル構造と、
上記開口部と上記シール構造との中間経路上に設けられ、上記開口部側に位置する第1チョークと、上記シール構造側に位置する第2チョークと、が向い合わせになるように周方向に所定ピッチで連続的に配置されたダブルチョーク一体構造のマイクロ波漏洩防止機構と、を具備し、
上記乾燥室本体内には、被乾燥物が収容されたコンテナを支持する下端部に上面遮蔽板を備えたコンテナ支持フレームと、
上記乾燥室本体内の底面に設けられ、上端部に下面遮蔽板を備えたベースフレームと、
上記上面遮蔽板と上記下面遮蔽板とによって挟まれた遮蔽空間内に設けられ、乾燥室本体内に収容された被乾燥物の重量を計測する重量計測器と、が配置されており、
上記重量計測器が配置されている上記遮蔽空間の外方側周部には、
上記上面遮蔽板に設けられ、先端部がL字状に折り曲げられた同形状、同サイズの第1チョークと第2チョークがそれぞれ対向する位置に配置されていて、上記第1チョークと第2チョークとが向い合わせになるように周方向に所定ピッチで連続的に配置されて下面遮蔽板に臨ませたダブルチョーク一体構造のマイクロ波影響防止機構が設けられ、
上記遮蔽空間の外方には、上記上面遮蔽板と上記下面遮蔽板と上記マイクロ波影響防止機構とを被覆するマイクロ波遮断パネルが配設されていて、上記遮蔽空間をマイクロ波から遮蔽するように構成したことを特徴とするものである。
【0009】
また、請求項2による蒸気・マイクロ波併用減圧乾燥機は、請求項1記載の蒸気・マイクロ波併用減圧乾燥機において、上記減圧装置は、上記乾燥室本体内を減圧雰囲気にする水封式真空ポンプと、
上記水封式真空ポンプを駆動するための水を給排水する循環式給排水装置と、を備えることによって構成されていることを特徴とするものである。
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
そして、上記手段によって以下のような作用が得られる。まず、本発明の蒸気・マイクロ波併用減圧乾燥機において、マイクロ波照射装置と蒸気供給装置の2種類の装置を備えられているから、単一の乾燥室本体内に収容された被乾燥物に対して蒸気を利用した加熱・殺菌と、マイクロ波を利用した乾燥とを必要に応じて使い分けたり、これらを同時にあるいは連続して実行することが可能になる。従って、上記2種類の加工を装置間の移動なしで実行することができるようになる。
また、減圧装置を備えているから、100℃以下の低温蒸気を使用した加熱・殺菌と、マイクロ波を使用した乾燥温度を低く抑えた乾燥と、を実行することが可能になり、一連の加工を低い温度で実行できるようになって、被乾燥物の風味や成分等を壊すことなく良質の乾燥食品を得ることができる。
また、乾燥室本体には被乾燥物の重量を計測する重量計測器を有する支持構造が設けられているから乾燥前、乾燥中あるいは乾燥後の被乾燥物の水分量の変化を把握でき、該水分量の変化に基づいた正確なマイクロ波による乾燥が可能になる。
【0017】
また、上記開口部と上記シール構造との中間経路上にダブルチョーク一体構造のマイクロ波漏洩防止機構を備えた場合には、マイクロ波漏洩防止機構の外方へのマイクロ波の漏洩が高レベルで高周波回路的に防止されるようになる。従って、上記シール構造に対するマイクロ波の被曝が防止されるから該マイクロ波の被曝によって生ずるシール部材の劣化が防止されて開閉扉を閉塞した時の乾燥室本体内の気密性が長期に亘って持続される。
【0018】
また、上記乾燥室本体内に上面遮蔽板を備えたコンテナ支持フレームと、下面遮蔽板を備えたベースフレームとを設け、上記上面遮蔽板と下面遮蔽板とによって挟まれた遮蔽空間内に重量計測器を配置した場合には、被乾燥物の乾燥を途中で中断することなく、被乾燥物の重量を計測して被乾燥物の乾燥状態を把握することが可能になる。
また、上記遮蔽空間の外方側周部にダブルチョーク一体構造のマイクロ波影響防止機構を配置した場合には、乾燥室本体内に供給されたマイクロ波の遮蔽空間内への流入が防止されるから重量計測器に与えられるマイクロ波の影響が防止されて被乾燥物の正確な重量計測結果が得られるようになる。
【0019】
上記減圧装置を、上記乾燥室本体内を減圧雰囲気にする水封式真空ポンプと該水封式真空ポンプを駆動するための水を給排水する循環式給排水装置とを備えることによって構成した場合には、比較的簡単な構成で乾燥室本体内のドレンや水分を含んだ不用のガスを外部に排出しながら乾燥室本体内の雰囲気を減圧状態にすることができるようになる。
また、循環式給排水装置の採用によって、水封式真空ポンプを駆動するための水の消費量を減らして、効率の良い減圧装置の運転が可能になる。
【0020】
次に、
参考例として記載した乾燥食品の製造方法において、100℃以下の低温蒸気を使用した加熱・殺菌を行う加熱・殺菌工程と、減圧雰囲気下でマイクロ波を照射し、被乾燥物の重量を計測しながら乾燥させる乾燥工程と、を備えているから、加熱・殺菌工程では100℃以下の低温蒸気を使用した低温蒸しによる加熱・殺菌によって被乾燥物の素材の持つ風味や成分等を壊すことなく、所定の加熱・殺菌状態を得ることができるようになる。
また、乾燥工程では、加熱・殺菌された被乾燥物に対して減圧雰囲気下で、マイクロ波による低温での乾燥を被乾燥物の重量変化を監視しながら実行できるから、被乾燥物の有する風味や成分等を多く残した状態で所定の水分量になるまで正確に乾燥させた乾燥食品を得ることができるようになる。
【0021】
また、上記加熱・殺菌工程と乾燥工程の両方で、請求項1〜4のいずれかに記載の蒸気・マイクロ波併用減圧乾燥機を使用した場合には、単一の乾燥室本体内に収容された被乾燥物を工程の移行に伴なって途中で移動することなく、乾燥室本体内に収容されたそのままの状態で上記2種類の工程を連続して実行することが可能になる。
従って、被乾燥物を乾燥させる前に行う加熱・殺菌から所定の水分量になるまで乾燥させて乾燥食品を得るまでの一連の加工を被乾燥物の移動を一度も行うことなく実行できるようになる。
【0022】
また、上記加熱・殺菌工程において80℃の低温蒸気で5分間、加熱・殺菌するようにした場合には、被乾燥物の素材が有する風味や成分等を壊すことなく、必要な熱量を確保して効果的な加熱・殺菌を極力低い加熱温度と短い加熱時間で実行できるようになる。
また、上記被乾燥物を収穫後、洗浄・選別され水切りされた生のモズクとし、上記乾燥食品を上記の生のモズクの重量を1/2になるまで乾燥させた半生モズクとした場合には、均一な乾燥が難しいモズクの乾燥を効率良く良好な品質を保って製造することができ、風味豊かな半生モズクを提供できるようになる。
【発明の効果】
【0023】
本発明の蒸気・マイクロ波併用減圧乾燥機によると、本来素材が持っている風味や成分等を壊すことなく被乾燥物の加熱・殺菌と所定の水分量になるまでの正確な乾燥とを単一の乾燥機を使用して実行できるようになる。
また、
参考例の乾燥食品の製造方法によると、半生モズクを製造するのに適した木目細やかな重量計測に基づく加熱温度と加熱時間の管理に基づいて風味豊かな乾燥食品を効率良く製造することが可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、
図1〜
図20に示す第1の実施の形態を例にとって、本発明の蒸気・マイクロ波併用減圧乾燥機の構成と作動態様を説明し、
図21〜23に示す
参考例を例にとって、乾燥食品の製造方法の構成を説明する。
【0026】
(1)第1の実施の形態(
図1〜
図20参照)
本発明の蒸気・マイクロ波併用減圧乾燥機1は、被乾燥物Aを収容する開口部3と収容した被乾燥物Aの重量を計測する重量計測器71を有する支持構造79とを備えた乾燥室本体5と、上記開口部3に開閉可能な状態で取り付けられ、閉塞時に上記乾燥室本体5内に遮蔽空間を形成する開閉扉7と、上記乾燥室本体5に対して取り付けられ、該乾燥室本体5内に収容される被乾燥物Aに向けてマイクロ波を照射して被乾燥物Aを乾燥させるマイクロ波照射装置9と、上記乾燥室本体5に対して接続され、該乾燥室本体5内に収容される被乾燥物Aに向けて蒸気を供給して被乾燥物Aを加熱・殺菌する蒸気供給装置601と、上記開口部3を閉塞した状態で上記乾燥室本体5内を減圧雰囲気にする減圧装置301と、を具備することによって基本的に構成されている。
【0027】
そして、本実施の形態では、蒸気供給装置601として、第1ヒーター装置603で水を温めて所定の温度(一例として50℃)の温水にし、第2ヒーター装置605で上記温水を減圧雰囲気下で更に加熱して所定の温度(一例として80℃)の低温蒸気を生成するという構成の蒸気供給装置が採用されている。
また、上記第1ヒーター装置603と第2ヒーター装置605との間には温水供給経路621が形成されており、上記第2ヒーター装置605と乾燥室本体5との間には蒸気供給経路607が形成されている。
【0028】
図示の蒸気・マイクロ波併用減圧乾燥機1は、アングル材等を矩形枠状に組み立てることによって構成される支持架台23に対して、後述する重量計測器71を有する支持構造79が配設されている乾燥室本体5と開閉扉7とによって構成される乾燥室25を一例として前方左側上部に配置している。
また、上記乾燥室25の一例として下部には上述した蒸気供給装置601の第2ヒーター装置605が設けられており、該第2ヒーター装置605の一例として後方空間を利用して上述した第1ヒーター装置603が配置されている。
【0029】
また、上記支持架台23の近傍には、同じくアングル材等を矩形枠状に組み立てることによって構成される別の支持架台303が設けられており、該支持架台303に対して、上記乾燥室本体5内を減圧雰囲気にする水封式真空ポンプ305と、該水封式真空ポンプ305を駆動するための水を給排水する循環式給排水装置307と、を備える減圧装置301が設けられている。
この他、前記乾燥室25の一例として右側には、前面に表示部27と操作ボタン29とを備えた制御ボックス31が配置されており、上記乾燥室25と蒸気供給装置601との間と、上記乾燥室25と減圧装置301との間には、蒸気やドレン等を供給ないし排出するための配管が適宜、配置されている。
【0030】
上記開閉扉7の前面の中央には、点検窓39が設けられており、該点検窓39の左右に開閉扉7を開閉する際に手を掛ける一例としてアーチ型のグリップ41と、開閉扉7を乾燥室本体5の一例として前面に回動可能な状態で接続するヒンジ部43と、が設けられている。
また、上記開閉扉7の前面の上縁と下縁には、一例として2ヶ所ずつ回転式のロックハンドル45が設けられており、該ロックハンドル45の先端の係止爪47が上記乾燥室本体5の前面に設けられている係止フック49に係止されることによって開閉扉7の閉塞状態がロックできるように構成されている。
【0031】
また、
図6に示すように上記乾燥室25の一例として側面には、乾燥室25内に窒素ガスや空気を充填するためのガス導入部35が設けられており、上記乾燥室25内には、被乾燥物Aを収容したコンテナ59を水平に支持するとともに被乾燥物Aの重量を計測する上述した重量計測器71を有する支持構造79が配設されている。
また、乾燥室本体5の開閉扉7を除く三方の側面部にはパンチングメタルにより形成された小室が設けられており、蒸気供給経路207をここに接続して蒸気が供給されるようになっている。これは、スチームトラップに代わってドレン等を下に落下させ、蒸気をより均一に被乾燥物Aに浴びせることができるようにしたものである。
尚、乾燥室本体5の上面部にはスタラファンが備えられている。これは、マイクロ波電界を反射・撹拌することで加熱ムラを防止することができる。
そして、本実施の形態では、上記重量計測器71が設けられている空間をダブルチョーク一体構造を適用した後述するマイクロ波影響防止機構73によって遮蔽空間75とすることによって、マイクロ波による乾燥を継続しながら時々刻々変化する被乾燥物Aの重量変換を同時に計測できるように構成されている。
【0032】
乾燥室本体5内に収容される被乾燥物Aとしては、収穫した生のモズクを洗浄・選別後水切りしたものが一例として適用できるが、他にイチゴ、みかん、柿等の果物やトマト、さつまいも等の野菜または肉等、種々の食材等が適用可能である。尚、それぞれの被乾燥物Aには、適切な蒸し温度があり(例えば、葉物野菜では50℃)、蒸気・マイクロ波併用減圧乾燥機1はその温度に制御することができるように構成されている。
そして、本実施の形態では被乾燥物Aとして生の原料モズクA0を使用しており、該原料モズクA0の重量を1/2程度になるまで乾燥させた半生モズクA1を製造する目的で蒸気・マイクロ波併用減圧乾燥機1を使用している。
尚、被乾燥物Aとして野菜や果物等を選択する場合には、高温で殺菌もしくは低温で蒸した後、含水率5〜6%程度まで乾燥させた乾燥野菜や乾燥果物を製造する目的で蒸気・マイクロ波併用減圧乾燥機1を使用することも可能である。
【0033】
乾燥室本体5は、一例として前面に矩形状の開口部3が形成されている矩形筺体状の部材で、上記開口部3の周囲外方の前面が次に述べる開閉扉7の背面に設けられるシール構造13に対向するシール面61になっている。
開閉扉7は、上記開口部3より一回り大きな矩形板状の部材で、該開閉扉7の背面の外周寄りには、開閉扉7を閉塞状態にした時、上記シール面61に当接する一例としてリング状のゴムパッキンによって構成されるシール部材11を備えるシール構造13が設けられている。
また、上記シール構造13の内方における開閉扉7の背面にはマイクロ波漏洩防止機構21が設けられている。
【0034】
マイクロ波漏洩防止機構21は、上記開口部3と上記シール構造13との中間経路63上に設けられており、上記開口部3側に位置する第1チョーク17と、上記シール構造13側に位置する第2チョーク19と、が向い合わせになるように周方向に所定ピッチで連続的に配置されたダブルチョーク一体構造のシール構造になっている。
具体的には、
図9に示すように開閉扉7の背面から垂直に立ち上げられた長尺な遮蔽板65の上端縁に先端部67が基端部69に対して90°折り曲げられた断面L字形状の第1チョーク17を設け、該遮蔽板65の下端縁に上記第1チョーク17と同形状、同サイズの第2チョーク19を上記第1チョーク17と対向する位置に配置することによってマイクロ波漏洩防止機構21が構成されている。
【0035】
また、上記第1チョーク17の先端部67と第2チョーク19の先端部67との間には、ギャップGが形成されており、該ギャップGの中点Oから第1チョーク17及び第2チョーク19のそれぞれの先端部67と基端部69の接続点Bまでの距離L1は、上記中点Oから遮蔽板65側に下ろした垂線と遮蔽板65の対向面との接点Cまでの距離L2とほぼ等しく、共に使用するマイクロ波の波長λの1/4程度の長さになるように設定される。
因みに、このような寸法設定を採用することによって、上記中間経路63中に上記波長λの1/4の長さの迂回路が形成され、該迂回路での反射波と上記接続点Bから中点Oに向かう波との位相差が上記波長λの1/2になって互いに打ち消し合うことになり、乾燥室25外へのマイクロ波の漏洩が防止されるのである。
【0036】
また、本実施の形態では、被乾燥物Aが収容されたコンテナ59を支持する支持構造79として下端部に矩形状の上面遮蔽板93を備えたコンテナ支持フレーム95と、上記乾燥室本体5内の底面に設けられ、上端部に上記上面遮蔽板93とほぼ同じ大きさの下面遮蔽板97を備えたベースフレーム99と、が設けられている。
また、上記上面遮蔽板93と下面遮蔽板95によって挟まれた遮蔽空間75内には、被乾燥物Aの重量を計測する重量計測器として一例として3基のロードセル71が
図12に示すように配置されており、遮蔽空間75の外周部にはチョーク構造のマイクロ波影響防止機構73が配設されている。
【0037】
また、上記乾燥室本体5内の底面の前後から上方に向けてドレンパン101用の固定プレート103が一例として4枚立ち上げられており、これら4枚の固定プレート103の上端部に一例として底面が
図10中、右方に傾斜している平面視矩形状のドレンパン101が取り付けられている。
上記ベースフレーム99は、乾燥室本体5内の底面上に固定される一例として4個の固定ベース105と、該固定ベース105上に配置され、上記下面遮蔽板97の下面に取り付けられている4個のフット107と、上面にロードセル71の一端が固定されている上記下面遮蔽板97と、を備えることによって構成されている。
【0038】
一方、上記コンテナ支持フレーム95は、上記ロードセル71の他端が下面に固定されている上述した上面遮蔽板93と、該上面遮蔽板93の上方に立ち上げられている下部フレーム109と、該下部フレーム109の上端部に設けられ、前後方向に延びる2本のガイドレール111、111を左右両端に配置して支持する上部フレーム113とを備えることによって構成されている。
【0039】
また、ロードセル71は、起歪体と歪みゲージとブリッジ回路を備えた荷重を電気信号に変換する荷重変換器である。そして、本実施の形態では上述したように3基のロードセル71を使用して被乾燥物Aの重量変化を計測しており、
図15に示すように各ロードセル71によって計測されたデータは電気信号として出力され、和算箱115において上記3つの計測データが和算され、和算されたデータが制御ボックス31に送信される。
尚、上記制御ボックス31に送信された和算されたデータは、制御ボックス31の前面に設けられている指示計としてのインジケータ127や表示部27となるモニタ上に数値として表示させたり、制御部117に送信されて乾燥時間やマイクロ波の照射量の制御に利用される。
【0040】
また、上記上面遮蔽板93の下面の外周部には、前記マイクロ波漏洩防止機構21と同じダブルチョーク一体構造の
図13に示すマイクロ波影響防止機構73が設けられている。
具体的には、
図10及び
図11に示すように上面遮蔽板93の下面に必要に応じて適宜のスペーサ119を介してマイクロ波影響防止機構73の遮蔽板65を取り付け、第1チョーク17と第2チョーク19を下方の下面遮蔽板97の上面に臨ませた状態にする。
そして、このような配設態様をとることによってロードセル71が設けられている遮蔽空間75は、周りの乾燥室本体5の内部雰囲気と区画され、マイクロ波の流入が防止された空間になっている。
【0041】
更に、本実施の形態では、
図10、11及び
図14に示すように上記遮蔽空間75の外方に上記上面遮蔽板93と、下面遮蔽板97と、マイクロ波影響防止機構73とを被覆するマイクロ波遮断パネル121が配設されている。該マイクロ波遮断パネル121は、構造的に高周波回路的なマイクロ波の遮蔽効果を補助している。
従って、本実施の形態では上記マイクロ波影響防止機構73による高周波回路的なマイクロ波の遮蔽効果に加えてマイクロ波遮断パネル121による構造的なマイクロ波の遮蔽効果が発揮されるから遮蔽空間75内へのマイクロ波の漏洩がより一層、防止された構造になっている。
【0042】
マイクロ波照射装置9は、上述した乾燥室25の天板の上方に設けられており、該マイクロ波照射装置9から照射されるマイクロ波を上記乾燥室本体5内に導くための図示しない開口が乾燥室25の天板に形成されている。
尚、上記マイクロ波照射装置9としては、マイクロ波の最大可変出力が一例として3000w程度のものが1基設けられており、該マイクロ波照射装置9の側傍には、マイクロ波を照射することによって過熱したマイクロ波照射装置9を冷却するための冷却ファンが設けられている。
【0043】
蒸気供給装置601は、上述したように第1ヒーター装置603と第2ヒーター装置605を備えている。このうち、第1ヒーター装置603は、蒸気を生成するための水を蓄える温水タンク609と、温水タンク609内の水を加熱するためのヒーター611と、温水タンク609内の水の温度を検知して上記ヒーター611の加熱温度の制御に使用される温度センサ613と、温水タンク609内の水位を検出するボールタップ615と、温水タンク609内に水を補給するノズル617と、を備えることによって一例として構成されている。
【0044】
上記第1ヒーター装置603によって温められた温水は、途中に二方弁619が設けられている温水供給経路621を通って、第2ヒーター装置605の減圧加熱室623内に導かれる。減圧加熱室623には、減圧加熱室623内に供給された温水を加熱して蒸気を生成するために一例として2基、設けられているヒーター625と、減圧加熱室623内の温度を検知して上記ヒーター625の加熱温度の制御に使用される温度センサ627と、減圧加熱室623内に供給された温水の水位を検出するためのレベルセンサ629と、が設けられている。
そして、上記レベルセンサ629によって検知された減圧加熱室623内の温水の水位の変化に基づいて前記二方弁619の開閉が適宜、制御される。また、上記減圧加熱室623は、減圧に耐えられる剛性と気密性を有しており、前記乾燥室本体5と蒸気供給経路607で連絡することによって、次に述べる減圧装置301で生成する減圧雰囲気が上記乾燥室本体5を介して第2ヒーター装置605の減圧加熱室623にも及ぶように構成されている。この他、上記乾燥室本体5を減圧する減圧装置301とは別の図示しない減圧装置を設けて上記減圧加熱室623内の減圧雰囲気の調整のみを目的として別に設けた上記減圧装置を使用することも勿論可能である。
【0045】
そして、上記第2ヒーター装置605の上部と上記乾燥室本体5の上部との間に蒸気供給経路607が形成されており、該蒸気供給経路607には、蒸気の供給及び停止と大気に開放する場合とを切り替えることができる三方弁633と、蒸気供給経路607を流れる低温蒸気の圧力を検知する圧力センサ635とが配置されている。
この他、上記乾燥室本体5には、乾燥室本体5内の温度を計測する温度センサ229と、吸気用の二方弁251と、導入した気流の流量を調節する流量調整弁253と、乾燥中の被乾燥物Aの品温を計測し上記マイクロ波照射装置9のマイクロ波出力の調整に使用される品温調整器255が設けられている。
【0046】
また、上記乾燥室本体5の下部には、次に述べる減圧装置301に向けて延びる排出経路235が形成されており、該排出経路235の途中には、外部から空気を取り込んで経路内の圧力を調整するニードル弁247と、該ニードル弁247を開くことによって導入される空気の流量を調整する流量調整弁249が設けられている。
【0047】
減圧装置301は、前述したように水封式真空ポンプ305と循環式給排水装置307を備えることによって基本的に構成されており、更に両者の間に給水経路309と排水経路311が配設されている。
水封式真空ポンプ305は、水蒸気や水滴を含んだ気体の排気等に利用されるポンプで、シリンダに対して偏心して取り付けられる羽根車の回転を利用してシリンダの内壁に封水リングを形成し、該封水リングと羽根車の羽根によって囲まれた空間の容積変化を利用してポンプ作用を行うようにしたものである。
【0048】
循環式給排水装置307は、支持架台303の内部に上記タンク313と下部タンク315を備えることによって一例として構成されており、上部タンク313には、外部から水を供給するための給水ノズル317と、上部タンク313内の水位を計測するためのボールタップ319と、上部タンク313内の水温を計測するための温度センサ321と、が配置されている。
一方、下部タンク315内には、水中ポンプ323が配置されており、上述した水封式真空ポンプ305から排出され、排出経路311を通って下部タンク315内に貯った水を汲み上げて上部タンク313に供給できるように構成されている。
【0049】
尚、上記水中ポンプ323と上部タンク313とを接続する循環経路325の途中には、一例としてモータによって駆動される三方弁327が配置されており、当該三方弁327を適宜切り替えることによって、上記水中ポンプ323によって汲み上げた水を上部タンク313内に供給したり、外部に排水できるように構成されている。
また、上部タンク313内の底部から上述した給水経路309が延びており、該給水経路309の他端が上述した水封式真空ポンプ305に接続されている。
【0050】
次に、このようにして構成される第1の実施の形態による蒸気・マイクロ波併用減圧乾燥機1を使用して被乾燥物Aを加熱・殺菌ないし乾燥する場合の作業手順と、上記シール構造13とマイクロ波漏洩防止機構21とマイクロ波影響防止機構73の作用とについて説明する。
まず、加熱・殺菌及びマイクロ波乾燥させる被乾燥物Aをコンテナ59等の容器に入れ、グリップ41を握って開閉扉7を手前に開く。そして、開放された開口部3から乾燥室本体5内の支持構造79における上部フレーム113の上にガイドレール111を滑らせるようにして手前から上記コンテナ59を載置する。
次に、グリップ41を握り開閉扉7を閉めて開口部3を閉塞状態にする。続いて、ロックハンドル45を握り所定の方向にロックハンドル45を回してロックハンドル45の係止爪47を乾燥機本体5の前面に設けられている係止フック49に係止して開閉扉7の閉塞状態をロックする。
【0051】
次に、ロードセル71を使用して被乾燥物Aの初期重量を計測し、制御ボックス31の前面の操作ボタン29を押して減圧装置301を起動して乾燥室本体5と減圧加熱室623の雰囲気を減圧雰囲気にする。
続いて、蒸気供給装置601を起動して第1ヒーター装置603を使用し、所定の温度(例えば50℃)の温水を沸かして温水供給経路621を介して第2ヒーター装置605の減圧加熱室623内に温水を供給する。
【0052】
減圧加熱室623内では、ヒーター625によって供給された温水が更に加熱されて所定の温度(例えば80℃)の低温蒸気が生成される。生成された低温蒸気は蒸気供給経路607を通って乾燥室本体5内に導入されて乾燥室本体5内の被乾燥物Aを所定の時間(例えば5分間)加熱・殺菌する。
次に、上記ヒーター625を停止してマイクロ波照射装置9によるマイクロ波乾燥に移行し、品温調整器255によって被乾燥物Aの品温を確認しながら被乾燥物Aの重量が所定の目標重量(例えば初期重量の1/2)になるまで乾燥させる。尚、設定した入力情報や乾燥室25内の温度等が乾燥中、表示部27に表示される。
【0053】
また、乾燥中の乾燥室本体5内の気密性は、シール構造13により開閉扉7の背面に設けられているシール部材11が乾燥室本体5の前面のシール面61に圧接されることによって保たれている。
また、マイクロ波の乾燥室本体5外への漏洩は、上述したダブルチョーク一体構造のマイクロ波漏洩防止機構21による作用で高周波回路的に防止されており、マイクロ波のロードセル71が存する遮蔽空間75内への流入は、上述したダブルチョーク一体構造のマイクロ波影響防止機構73による高周波回路的な遮蔽効果とマイクロ波遮断パネル121による構造的な遮蔽効果によって防止されている。
【0054】
(2)
参考例(
図1及び
図21〜
図23参照)
参考例の乾燥食品の製造方法は、100℃以下の低温蒸気を所定時間、被乾燥物Aに浴びせて加熱・殺菌する加熱・殺菌工程S5と、加熱・殺菌された被乾燥物Aに減圧雰囲気下でマイクロ波を照射して所定の水分量になるまで被乾燥物の重量を計測しながら乾燥させる乾燥工程S6と、を備えることによって基本的に構成されている。
【0055】
また、本
参考例では、被乾燥物Aとして収穫された生のモズク(原料モズクA0)を使用しており、上記加熱・殺菌工程S5に至る前工程として、冷凍保管しておいた原料モズクA0を自然解凍する解凍工程S0と、原料モズクA0に付着している汚れと小粒形軽量異物F1と小粒形重量異物G1を除去する洗浄選別工程S1と、上記洗浄選別工程S1で除去できなかった大型の軽量異物F2と大型の重量異物G2を作業者が目視によって除去する目視選別工程S2と、上記異物F1、F2、G1、G2が除去された原料モズクA0の表面に付着している水分を除去する脱水工程S3と、脱水された原料モズク等A0の絡みを解いてコンテナ59上に所定量ずつ平らに散布する散布工程S4と、が設けられている。
更に、上記乾燥工程S6の後工程として、完成した半生モズクA1(乾燥食品D)を冷暗室に所定時間保管して水分量の均一化を図るあん蒸工程S7が設けられており、これら8つの工程によって本実施の形態による乾燥食品の製造方法は構成されている。
【0056】
以下、これらの工程のうち
参考例の特徴的構成となる(A)加熱・殺菌工程S5と(B)乾燥工程S6を中心に説明し、(B)乾燥工程S6の終了後に行う(C)あん蒸工程S7について言及する。
(A)加熱・殺菌工程(
図1及び
図21参照)
コンテナ59に原料モズクA0を3〜5kg程度収容し、乾燥室本体5内に入れてコンテナ59ごと原料モズクA0の初期重量をロードセル71によって計測する。
次に、減圧装置301を起動して第2ヒーター装置605の減圧加熱室623内の雰囲気を所定の減圧状態にする。尚、この時、乾燥室本体5に設けられている気流導入用の電動の二方弁251は閉塞しておく。
【0057】
また、第1ヒーター装置603を起動して予め50℃程度の温水を沸かして第2ヒーター装置605の減圧加熱室623内に供給しておく。
次に、第2ヒーター装置605を起動して80℃の低温蒸気を生成して乾燥室本体5内に供給し、乾燥室本体5内の原料モズクA0を約5分間、加熱・殺菌する。
尚、上記80℃の低温の飽和蒸気を得るためには、減圧加熱室623と乾燥室本体5内の圧力を47.5kPa・abs程度まで減圧する必要があり、圧力センサ635により吸気用のニードル弁247を上記圧力に比例させて制御し、この状態を維持して80℃の低温蒸気で加熱・殺菌を実施する。
【0058】
また、加熱・殺菌に使用された低温蒸気は、ドレンとともに減圧装置301の排水経路311上に設けられている三方弁312を開いて外部に排出される。また、加熱・殺菌終了後、上記三方弁312が閉じて水封式真空ポンプ305の排水は、循環式給排水装置307に戻され、繰り返し循環利用される。
尚、低温蒸気の生成量は、減圧加熱室623に設けられている温度センサ627の計測値に基づいてヒーター625の発熱量で調整されている。
【0059】
(B)乾燥工程(
図1及び
図21参照)
次に、半生モズクの食感を失うことなく重量を1/2まで乾燥する工程に入る。この工程は、蒸気の供給を停止してマイクロ波加熱で行う。
先ず、上述した加熱・殺菌工程S5が終了後、減圧加熱室623内のヒーター625を停止し、上述したニードル弁247を閉塞して水封式真空ポンプ305の吸入空気のすべてが減圧加熱室623と乾燥室本体5から吸入されるようにする。
次に、圧力センサ635の設定を80℃の飽和蒸気を生成させる47.4kPa・absから40℃の飽和蒸気を生成させる7.4kPa・absに変更し、圧力センサ635が7.4kPa・absに到達したと判断したら蒸気供給経路607の三方弁633を駆動して乾燥室本体5側の弁を閉じ、減圧加熱室623を大気に開放する。
【0060】
また、乾燥室本体5内の圧力が7.4kPa・absに到達したら二方弁(気流導入弁)251を開放して、空気または窒素ガスを気流導入し、流量調整弁253で上記7.4kPa・absの圧力を維持する。
次に、マイクロ波照射装置9を起動して二方弁251を開放し、スタラファン257をONにしてマイクロ波による乾燥を実行する。尚、上記マイクロ波による乾燥中、ロードセル71によって原料モズクA0の重量変化が計測されており、品温調整器255によって原料モズクA0の品温が管理されているため、原料モズクA0の風味を損なうことなく原料モズクA0の重量が初期重量の1/2程度になるまで乾燥させた半生モズクA1が得られる。
そして、所定の乾燥が終了し、乾燥食品Dである半生モズクA1が完成したら、操作ボタン29を押して蒸気・マイクロ波併用減圧乾燥機1のすべての駆動を停止する。
【0061】
(C)あん蒸工程(
図21〜
図23参照)
あん蒸とは、乾燥食品Dの水分量の均一化を図る操作である。上記乾燥工程によって製造された半生モズクA1を蒸気・マイクロ波併用減圧乾燥機1からコンテナ59ごと取り出し、
図22に示すようにあん蒸保管庫701の上面が開放された容器本体703内に段積み状態で収容する。そして、上記容器本体703の開放された上面を蓋体705で閉めて冷暗室に運んで所定時間保管し、あん蒸処理が実行される。
また、あん蒸工程の他の実施形態としては、乾燥室本体5から取り出された半生モズクA1をコンテナ59から出して
図23に示すように重ね合わせた状態で袋詰めし、あん蒸保管庫701の他の一例であるモズク容器707内に収容する。そして、モズク容器707の開放された上面を蓋体709で閉めて冷暗室に運び、所定時間保管して、あん蒸処理を実行する。
【0062】
また、このようなあん蒸処理が実行された半生モズクA1は、水分量の均一化が図れ、凍結してもムラが生じない。また、本実施の形態では容器本体703やモズク容器707内に収容される半生モズクA1の量は10〜20kg程度であり、24時間程度、あん蒸処理が実行された後、計量・充填されて包装され、市場に提供される。具体的には、10〜20kgで袋詰めしたものをそのまま梱包して出荷するか、100〜200gに分包されてから段ボール箱に詰めて出荷する。
【0063】
このように、本
参考例では、脱水工程S3及び散布工程S4を経て水切りされた原料モズクA0に対して加熱・殺菌工程S5を実施しているから、原料モズクA0の風味を損なわせることなく加熱・殺菌が実行され、加熱・殺菌工程S5と乾燥工程S6を気密性を保った乾燥室本体5内で実行しているから加熱・殺菌中ないし乾燥中の落下菌の付着の問題も生じない。
また、低温での加熱・殺菌が難しい包装後の加熱・殺菌が不要になる。
【0064】
そして、このようにして製造された半生モズクA1は、乾燥モズクのように水に戻す必要がないため、そのまま料理に使用でき、天ぷらや味付けモズク等に加工できる。因みに半生モズクA1を天ぷらに加工した場合には油の飛び跳ねが無くカラッと揚がり、味付けモズクにした場合には調味液の吸収性に優れているから塩分を控えても満足の行く味となる。
この他、半生モズクA1は原料モズクA0に比べて重量と体積が約半分であるから、従来の出荷量と比較してほぼ倍の量の出荷が可能であり、包装、輸送、冷凍保管等に要する費用を大幅に削減する効果も有している。
【0065】
尚、本発明の蒸気・マイクロ波併用減圧乾燥機1は、上記の実施の形態のものに限定されずその発明の要旨内での変更が可能である。
例えば、蒸気供給装置の構成は、前述した第1の実施の形態で述べた構成の蒸気供給装置601に限らず、同様の低温蒸気生成能力を有する種々の構成が採用可能である。具体的には、
図24に示すボイラー設備203と蒸気供給経路207と蒸気循環経路209とを備えた構成の蒸気供給装置201や、
図25に示すボイラー設備503と冷却機505と蒸気供給経路507とを備えた構成の蒸気供給装置501を採用することが可能である。
【0066】
このうち、
図24に示す蒸気供給装置201は、蒸気発生部となるボイラー設備203と、該ボイラー設備203から供給された高温の蒸気を100℃以下の低温蒸気(本実施例の形態では40〜70℃程度の低温蒸気を使用)にする低温蒸気生成部202と、これらのボイラー設備203及び蒸気生成部202と前記乾燥室本体5とを接続する前述した蒸気供給経路207、蒸気循環経路209及び蒸気調整経路213と、を備えることによって一例として構成されている。
【0067】
ボイラー設備203としては、一例として液化石油ガスを燃料とする最高出力が0.68MPa程度のボイラー215が適用でき、該ボイラー215から延びる蒸気供給経路207には、該ボイラー215の使用圧力範囲を調整するための圧力ゲージ233、減圧弁237あるいはバイパス弁245等が適宜配置されている。
低温蒸気生成部202は、上記ボイラー設備203から供給された蒸気の温度を制御して上述した所定の温度の低温蒸気にする真空減圧弁205と、蒸気調整経路213を高真空にして蒸気供給経路207中の不凝縮ガスやドレンを吸引するエゼクター211と、エゼクター211用の駆動水を貯えるタンク217と、該タンク217内の駆動水を加圧するラインポンプ219と、蒸気調整経路213中のドレンを排除して安定した蒸気の供給を可能にするスチームトラップ221を備えることによって基本的に構成されている。
【0068】
また、この他、上記タンク217にはレベルセンサ223とタンク217内に水を補給する場合に使用するモータ駆動式の二方弁225が設けられている。更に、上記真空減圧弁205の下流の蒸気供給経路207と蒸気調整経路213の接続部には、冷水補給口を兼ねた過熱防止弁227が設けられており、蒸気調整経路213の途中には適宜、圧力ゲージ233が配置されている。
蒸気供給経路207は、蒸気調整経路213との接続点を経て更に乾燥室本体5の上部側方に向けて延びている。そして、上述した過熱防止弁227の下流には蒸気供給経路207内を流れる低温蒸気の温度を計測する温度センサ229が配置されており、該温度センサ229の下流には低温蒸気の圧力を検知する圧力センサ231が配置されている。更に、該圧力センサ231の下流には二方弁225が配置されており、上記乾燥機本体5との接続部近傍にも圧力センサ231が配置されている。
【0069】
蒸気循環経路209は、上記乾燥機本体5の下部から次に述べる減圧装置301に向けて延びている排出経路235の途中から上述した蒸気供給経路207と蒸気調整経路213に向けて形成されている。
蒸気循環経路209の上流側には二方弁225と逆止弁239が配置されており、分岐241で蒸気供給経路207側と蒸気調整経路213側の2経路に分かれている。このうち蒸気供給経路207側に延びている経路は、上述した温度センサ229が配置されている接続点に合流しており、その経路途中にスチームトラップ221とバイパス弁245が配置されている。一方、蒸気調整経路213側に延びている経路は、蒸気調整経路213に配置されているスチームトラップ221の下流位置の接続点に合流している。
【0070】
このうち、
図25に示す蒸気供給装置501では、前述した
図24に示す蒸気供給装置201のボイラー設備203と同様のボイラー設備503が設けられており、該ボイラー設備503には、ボイラー509と圧力ゲージ511と減圧弁513とバイパス弁515とが備えられている。そして、上記ボイラー設備503から乾燥室本体5に向けて蒸気供給経路507が延びており、該蒸気供給経路507の上流位置に二方弁517を経由して冷却機505が配置されている。
冷却機505としては、冷却ファン519と冷却管路521とを備えた送風式の冷却装置が一例として適用でき、該冷却機505の下流には、温度センサ523を経由して給水タンク525から延びる給水経路527との合流点に設けられているミストノズル529に至るように構成されている。尚、上記冷却ファン519による風量は、上記温度センサ523で検知した蒸気温の高低に基づいて適宜、増減し得るように制御されている。
【0071】
給水タンク525には、冷却機505によって冷却された蒸気の温度が高い場合に当該蒸気の温度を下げるための水が蓄えられており、更に当該水の水位を検出するためのボールタップ531と、水位が低くなった場合に水を補給するノズル533とが設けられている。また、上記給水タンク525の下流の給水経路527上には二方弁535が設けられている。
上記ミストノズル529に供給された水はミスト化され、冷却機505から供給された低温蒸気といっしょになって、下流側の蒸気供給経路507を通って途中、二方弁535を経由して乾燥室本体5内へ導かれる。また、蒸気供給経路507の下流側の終端には、圧力センサ537が設けられており、当該圧力センサ537によって検知されたミスト混合蒸気の圧力の大小に基づいて前述した冷却機505の上流位置の二方弁517の開閉が適宜、制御されるように構成されている。
【0072】
そして、このようにして構成される
図24に示す蒸気供給装置201や、
図25に示す蒸気供給装置501を使用しても低温蒸気を使用した加熱・殺菌を行うことが可能であり、前述した
図1に示す蒸気供給装置601と同様の作用、効果を発揮することができる。
また、減圧装置301の構成も前述した第1の実施の形態で述べた構成に限られないし、ボイラー設備203の能力やマイクロ波照射装置9のマイクロ波容量も加工する被乾燥物Aの種類や量によって適宜、可変することが可能である。
この他、蒸気・マイクロ波併用減圧乾燥機1の開閉扉7の構造は、前述した第1の実施の形態で述べた片開き式の開閉扉7に限らず、スライド式の開閉扉7でもよく、乾燥室本体5の大きさや被乾燥物Aの種類に応じて被乾燥物Aの出し入れがし易い種々の構造の開閉扉7を採用することが可能である。