(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
実施の形態1.
実施の形態1について、
図1〜
図9を用いて説明する。
【0009】
図1は、この実施の形態における表示装置10の外観を示す斜視図である。
【0010】
表示装置10は、壁面などに埋め込んで使用され、所定の情報を表示する装置である。表示装置10は、例えば、消防法に定められた避難誘導の図柄を表示することにより、非常口などの情報を表示する誘導灯装置である。あるいは、表示装置10は、案内情報や警告情報などの情報を表示するものであってもよい。
表示装置10は、例えば、化粧枠12と、本体13と、埋込枠体14と、カバー15と、インターフェース部16(
図5参照)とを有する。
埋込枠体14(埋込部)は、壁面などに設けられた埋込穴のなかに固定される。
本体13は、埋込枠体14のなかに配置されている。本体13は、所定の情報を表示する表示部32を有する。
化粧枠12は、本体13及び埋込枠体14の前面を覆い、埋込枠体14や埋込穴を隠す。
カバー15(点検スイッチカバー)は、化粧枠12の下側に、化粧枠12から連続して一体に見えるように配置されている。カバー15は、インターフェース部16を内蔵している。
インターフェース部16は、例えば、本体の状態などを表示し、あるいは、利用者による操作を入力する。
【0011】
図2は、この実施の形態における化粧枠12の構造を示す斜視図である。
【0012】
化粧枠12は、例えば、上枠部21と、左枠部22と、右枠部23と、下枠部24とを有し、上枠部21と左枠部22と右枠部23と下枠部24とに囲まれた中央に開口25(開口部)を有する。
上枠部21は、本体13の表示部32より上の部分を覆う。
左枠部22は、本体13の表示部32より左の部分を覆う。
右枠部23は、本体13の表示部32より右の部分を覆う。
下枠部24は、本体13の表示部32より下の部分を覆う。
本体13の表示部32は、開口25を介して外部から視認可能である。
【0013】
図3は、この実施の形態における本体13の構造を示す斜視図である。
【0014】
本体13は、例えば、枠部31と、表示部32と、ランプホルダユニット33とを有する。
枠部31(電気部品収納部)は、ほぼ直方体形状であり、前面が開口している。枠部31は、端子台34(
図8参照)や点灯装置35(
図8参照)やバッテリー36(
図8参照)などを内蔵している。端子台34は、商用電源などの外部電源に接続され、外部電源から供給される電力を入力する。バッテリー36(蓄電池、非常時電源)は、点灯装置35を介して、端子台34が入力した電力により充電される。点灯装置35(点灯制御部)は、端子台34が入力した電力やバッテリー36に蓄えられた電力により、光源を点灯する。
ランプホルダユニット33は、点灯装置35により点灯される光源を有する。光源(ランプ)は、例えば、LEDである。ランプホルダユニット33の光源が発した光は、表示部32に入射する。
表示部32は、ランプホルダユニット33の光源によって照らされ、所定の情報を表示する発光面を有する。
【0015】
図4は、この実施の形態における埋込枠体14の構造を示す斜視図である。
【0016】
埋込枠体14(ケース)は、例えば、基部41と、左翼部42と、右翼部43と、下翼部44とを有する。埋込枠体14は、例えば板金を折り曲げて形成される。
基部41は、例えば、ほぼ長方形板状である。基部41は、中央上寄りに開口411を有する。
【0017】
左翼部42は、基部41の左側に連接している。左翼部42は、例えば、側部421と、鍔部422と、縁部423,424と、係合部425とを有する。
側部421は、ほぼ長方形板状であり、基部41に対してほぼ垂直に連接している。
鍔部422は、平面板状であり、側部421に対してほぼ垂直に連接している。鍔部422は、基部41とほぼ平行である。
縁部423,424は、平面板状であり、鍔部422に対してほぼ垂直に連接している。縁部423,424は、側部421とほぼ平行である。
係合部425は、例えば、鍔部422と縁部424とにまたがって設けられた開口である。係合部425は、例えば、左翼部42の上下方向のほぼ中央に設けられている。係合部425は、化粧枠12と係合して、化粧枠12を固定する。
【0018】
右翼部43は、基部41の右側に連接している。右翼部43は、例えば、側部431と、鍔部432と、縁部433,434と、係合部435とを有する。
側部431は、ほぼ長方形板状であり、基部41に対してほぼ垂直に連接している。側部431は、側部421とほぼ平行である。
鍔部432は、平面板状であり、側部431に対してほぼ垂直に連接している。鍔部432は、基部41とほぼ平行であり、鍔部422とほぼ同一平面をなす。
縁部433,434は、平面板状であり、鍔部432に対してほぼ垂直に連接している。縁部433,434は、側部421,431及び縁部423,424とほぼ平行である。
係合部435は、例えば、鍔部432と縁部434とにまたがって設けられた開口である。係合部435は、例えば、右翼部43の上下方向のほぼ中央に設けられている。係合部435は、化粧枠12と係合して、化粧枠12を固定する。
【0019】
下翼部44は、基部41の下側に連接している。下翼部44は、例えば、側部441と、鍔部442と、縁部443と、係合部445,446とを有する。
側部441は、ほぼ長方形板状であり、基部41に対してほぼ垂直に連接している。側部441は、側部421,431及び鍔部422,432及び縁部423,424,433,434に対してほぼ垂直である。
鍔部442は、ほぼ長方形板状であり、側部441に対してほぼ垂直に連接している。鍔部442は、基部41及び鍔部422,432とほぼ平行である。鍔部442と基部41との間の距離(すなわち、側部441の幅)は、鍔部422及び鍔部432と基部41との間の距離(すなわち、側部421,431の幅)よりも短い。
縁部443は、平面板状であり、鍔部442に対してほぼ垂直に連接している。縁部443は、側部441とほぼ平行である。
係合部445,446(ガイド溝)は、例えば、側部441と鍔部442とにまたがって設けられた開口である。係合部445は、例えば、下翼部44の左端付近に設けられている。係合部446は、例えば、係合部445と対称に、下翼部44の右端付近に設けられている。係合部445,446は、カバー15と係合して、カバー15を固定する。
【0020】
図5は、この実施の形態におけるカバー15及びインターフェース部16の構造を示す斜視図である。
【0021】
インターフェース部16(機器)は、例えば、点検スイッチと、自動点検スイッチと、状態表示部と、信号受信部と(いずれも不図示)を有する。
点検スイッチ(操作入力部)は、本体の状態を点検するためのスイッチである。点検スイッチが押されると、表示装置10は、例えば、バッテリー36に蓄えられた電力により、光源を点灯する。バッテリー36が充電されているのに光源が点灯しなければ、配線の外れや断線、点灯装置35や光源の故障などの異常が発生していることがわかる。
自動点検スイッチ(操作入力部)は、本体の状態を更に詳しく点検するためのスイッチである。自動点検スイッチが押されると、例えば、表示装置10は、バッテリー36が満充電されている状態から、バッテリー36に蓄えられた電力で光源を点灯し、光源が所望の時間(例えば、20分あるいは60分)点灯するかを点検する。また、表示装置10は、光源の寿命がどれくらい残っているかを点検してもよい。
状態表示部(モニタ)は、本体の状態を表示する。状態表示部は、例えば、発光色が異なる複数の表示用LED(ランプ)を有する。状態表示部は、例えば、バッテリー36の充電状態、自動点検スイッチによる点検中であるか否か、点検の結果、ランプホルダユニット33の光源の異常、寿命などを表示する。
信号受信部は、リモコンなどからの信号を受信する。リモコン(送信機)は、利用者の操作を入力し、入力した操作を表わす信号を送信する。表示装置10は、信号受信部が受信した信号によって表わされる操作にしたがって、動作する。リモコンは、例えば、点検スイッチや自動点検スイッチを有する。利用者がリモコンの点検スイッチや自動点検スイッチを押すと、そのことを表わす信号(点検開始信号)をリモコンが送信し、信号受信部64が受信する。表示装置10は、インターフェース部16の点検スイッチや自動点検スイッチが押されたときと同様に、点検動作をする。
【0022】
カバー15は、例えば、前面部51と、鍔部52と、当接部53a〜53c,54と、係合部55,56,57a〜57d(係合部57c,57dは不図示)と、蓋58とを有する。
前面部51は、化粧枠12と一体に見えるよう、表面が化粧枠12とほぼ同じ色・質感に仕上げられている。前面部51は、貫通穴511〜514を有する。
貫通穴511には、ボタン61が嵌合している。ボタン61は、カバー15とは別部品として構成され、前面部51に対して垂直方向に移動可能である。ボタン61は、インターフェース部16の点検スイッチに対応する位置に配置されている。利用者がボタン61を押すと、インターフェース部16の点検スイッチが押され、表示装置10は、点検動作をする。
貫通穴512には、ボタン62が嵌合している。ボタン62は、カバー15とは別部品として構成され、前面部51に対して垂直方向に移動可能である。ボタン62は、インターフェース部16の自動点検スイッチに対応する位置に配置されている。利用者がボタン62を押すと、インターフェース部16の自動点検スイッチが押され、表示装置19は、点検動作をする。
貫通穴513は、インターフェース部16の状態表示部に対応する位置に設けられている。状態表示部は、貫通穴513を介して、外部から視認できる。
貫通穴514は、インターフェース部16の信号受信部に対応する位置に設けられている。信号受信部は、貫通穴514を介して、外部からの信号を受信する。
鍔部52は、前面部51の上側に設けられている。鍔部52は、化粧枠12とカバー15との間の隙間を塞ぐ。
当接部53a〜53c,54及び係合部55,56,57a〜57dは、前面部51の裏側に設けられている。
当接部53a〜53cは、前面部51の上端に設けられている。当接部53aは、前面部51の左端付近に設けられている。当接部53bは、前面部51の左右方向のやや左寄りに設けられている。当接部53cは、前面部51の右端付近に設けられている。当接部53a〜53cは、埋込枠体14の側部441に当接して、カバー15の位置を決める。
当接部54は、当接部53bの近くに設けられている。当接部54は、埋込枠体14の鍔部442に当接して、カバー15の位置を決める。
係合部55は、当接部53aの下に設けられている。係合部56は、当接部53cの下に設けられている。係合部55,56は、先端がL字状に外側に曲がった板状に形成されている。係合部55は、埋込枠体14の係合部445と係合して、カバー15を埋込枠体14に固定する。係合部56は、埋込枠体14の係合部446と係合して、カバー15を埋込枠体14に固定する。
係合部57a〜57dは、蓋58に設けられた突起と係合して、蓋58を固定するための穴である。
蓋58は、例えば、平板状である。蓋58は、係合部57a〜57dと係合して固定されることにより、インターフェース部16が外れないように押さえる。
【0023】
表示装置10の組立は、例えば、次のような手順で行う。
【0024】
まず、インターフェース部16をカバー15に嵌め込み、蓋58を係合部57a〜57dに係合させて固定し、
図5に示した状態にする。
次に、カバー15を埋込枠体14に係合させて固定する。
【0025】
図6は、この実施の形態における埋込枠体14とカバー15との係合を示す図である。
【0026】
係合部445の鍔部442に設けられている部分は、係合部55の板厚とほぼ同じ幅のスリット状である。係合部445の側部441に設けられている部分は、係合部445よりも幅が広く、係合部55のL字状に曲がった先端を挿通することができる。ここを通して、係合部55のL字状に曲がった先端を鍔部442の裏側に入れ、カバー15全体を下方向へ移動(スライド)させると、係合部55と係合部445とが係合して、カバー15が埋込枠体14に固定される。
係合部446と係合部56との係合も同様である。
ネジなどの固定部材が不要なので、表示装置10の部品数が少なくて済み、組立作業の効率が良い。これにより、表示装置10の製造コストを抑えることができる。
【0027】
図7は、この実施の形態における表示装置10の組立過程を示す図である。
【0028】
この図は、カバー15を埋込枠体14に固定したところを示している。
次に、本体13のうち枠部31を埋込枠体14に固定する。
【0029】
図8は、この実施の形態における表示装置10の組立過程を示す図である。
【0030】
この図は、枠部31を埋込枠体14に固定したところを表わす。
上述したように、枠部31のなかには、端子台34、点灯装置35、バッテリー36などが内蔵されている。
次に、本体13のうち、表示部32及びランプホルダユニット33を枠部31に固定する。
【0031】
図9は、この実施の形態における表示装置10の組立過程を示す図である。
【0032】
この図は、表示部32及びランプホルダユニット33を枠部31に固定したところを表わす。
最後に、化粧枠12を埋込枠体14に固定して、
図1の状態となる。
【0033】
バッテリー36の交換や修理などをする場合は、まず、化粧枠12を外し、次に、表示部32及びランプホルダユニット33を外して、
図8の状態にする。バッテリー36の交換や修理などが終わったら、上述した手順により、表示部32及びランプホルダユニット33と、化粧枠12とを取り付ける。
【0034】
このように、バッテリー36の交換や修理などをする場合、カバー15を外す必要がない。仮に、カバー15を外す必要が生じた場合であっても、インターフェース部16は、カバー15と係合して固定されているので、カバー15と一体になって外される。このため、カバー15とインターフェース部16とがずれて、点検スイッチや自動点検スイッチが操作できなくなったり押されたままの状態になったり、状態表示部63が視認できなくなったり、信号受信部64が信号を受信できなくなったりするのを防ぐことができる。特に、点検スイッチや自動点検スイッチが押されたままの状態になるのを防ぐことにより、バッテリー36が放電するのを防ぐことができる。
【0035】
また、埋込枠体14からカバー15を外すには、カバー15を上方向へ動かす必要がある。埋込枠体14に枠部31を取り付けると、枠部31がカバー15の上側に位置するので、枠部31を外さなければカバー15を外すことはできない。カバー15の取付けにネジなどの固定部材を用いる必要がないので、表示装置10の製造コストを抑えることができる。
【0036】
なお、カバー15は、化粧枠12の下側ではなく、左側、右側、あるいは上側に位置する構成であってもよい。カバー15を点灯装置35に近い位置に設けるほうが、インターフェース部16と点灯装置35とを接続する配線が短くなるので好ましい。また、カバー15を表示部32の短手側に設けるほうが、バランスがよく、意匠性が向上する。
【0037】
また、操作入力部は、点検スイッチや自動点検スイッチに限らず、他の機能を有するボタンやレバーなどであってもよい。
【0038】
実施の形態2.
実施の形態2について、
図10を用いて説明する。
なお、実施の形態1と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0039】
この実施の形態における表示装置10は、実施の形態1で説明したリモコン操作機能を有さない。
【0040】
図10は、この実施の形態におけるカバー15を示す正面図である。
【0041】
インターフェース部16は、点検スイッチと、自動点検スイッチと、状態表示部と(いずれも不図示)を有する。インターフェース部16は、実施の形態1で説明した信号受信部を有さない。
これに対応して、カバー15は、貫通穴514を有さない。
【0042】
このように、インターフェース部16は、点検スイッチと、自動点検スイッチと、状態表示部と、信号受信部とをすべて有する必要はなく、信号受信部がない構成であってもよい。
【0043】
実施の形態1で説明したリモコン操作機能を有する表示装置10と、この実施の形態で説明したリモコン操作機能を有さない表示装置10とでは、カバー15及びインターフェース部16が異なるだけで、化粧枠12には、共通の部品を用いることができる。これにより、表示装置10の製造コストを抑えることができる。
【0044】
実施の形態3.
実施の形態3について、
図11を用いて説明する。
なお、実施の形態1または実施の形態2と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0045】
この実施の形態における表示装置10は、バッテリー36を有さない。例えば、建物全体がバックアップ用の電源や蓄電設備などの非常用電源を有し、停電時には、非常用電源から電力が供給される場合がある。この実施の形態における表示装置10は、このような場所に設置されるものである。
また、この実施の形態における表示装置10は、バッテリー36の容量を点検する必要がないので、実施の形態1で説明した点検機能を有さない。代わりに上記非常電源へ商用電源から正常に切り替わるかを確認するための機能を有する。
【0046】
図11は、この実施の形態におけるカバー15を示す正面図である。
【0047】
インターフェース部16は、状態表示部(不図示)を有する。インターフェース部16は、実施の形態1で説明した点検スイッチ及び自動点検スイッチ及び信号受信部を有さない。
これに対応して、カバー15は、貫通穴511,512,514及びボタン61,62を有さない。
【0048】
このように、インターフェース部16は、点検スイッチと、自動点検スイッチと、状態表示部と、信号受信部とをすべて有する必要はなく、点検スイッチや自動点検スイッチがない構成であってもよい。
【0049】
実施の形態1や実施の形態2で説明した点検機能を有する表示装置10と、この実施の形態で説明した点検機能を有さない表示装置10とでは、カバー15及びインターフェース部16が異なるだけで、化粧枠12には、共通の部品を用いることができる。これにより、表示装置10の製造コストを抑えることができる。
【0050】
以上、各実施の形態で説明した構成は、一例であり、他の構成であってもよい。例えば、異なる実施の形態で説明した構成を矛盾しない範囲で組み合わせた構成であってもよいし、本質的でない部分の構成を、他の構成で置き換えた構成であってもよい。