(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1〜
図14を参照して実施の形態1の表示装置1000(例えば誘導灯)を説明する。
図1は、実施の形態1の表示装置1000の斜視図である。
図2は、表示装置1000の4面図である。(a)、(b)、(c)、(d)は、それぞれ正面図、上面図、底面図、右側面図である。左側面図は省略したが右側面図と同じである。
図3は表示装置1000の分解斜視図である。また、本体200と表示部400との係合関係、光源部300と、本体200及び表示部400との係合関係を示している。
図4は本体200の斜視図である。
図5は表示部400の斜視図および部分拡大図である。
図6は本体200への表示部400および光源部300の取付手順を示す側面図である。
図7は、
図6の本体側表示部係合部(上側)218、表示部側本体係合部(上側)423との係合状態を示す図である。
図8は、
図6の本体側表示部係合部(下側)219、表示部側本体係合部(下側)424との係合状態を示す図である。
図9は、本体200と表示部400との組立て後の嵌合状態を示す側面図である。
図10は、本体200と表示部400との光源部取付部を示す部分拡大図(斜視図)である。
図11は、光源部300の本体200および表示部400への取付部を示す部分拡大図(斜視図)である。
図12は、本体200と光源部300との嵌合状態を示す部分断面図(水平断面)である。
図13は、表示部400と光源部300との嵌合状態を示す部分断面図(縦断面)である。
図14は、表示部400の変形と、表示部側本体係合部(上側)423との位置関係を示す図である。
【0010】
図1、
図3に示す様に、表示装置1000は、本体200と、LEDなどの光源を内蔵した光源部300と、表示部400とを備えている。本体200は、
図4に示すように、下方(P2側)から上方(P1側)にわたり、前面の側に開口201が形成されている。
図3に示すように、表示部400は、本体200に形成されたこの開口201を塞いで本体200に取り付けられる。
図3に示すように、光源部300は表示部400の上方に配置され、表示部400の上方から表示部400に光を入射する。表示部400は、本体200に形成された開口201の開口面に取り付けられるが、これによって、作業者が光源部300を取り付ける際に不用意に本体200の内部の部品、配線等に触れることを防止することができる。
【0011】
(本体200、光源部300、表示部400の係合関係)
本実施の形態の表示装置1000は、本体200と表示部400との係合関係、あるいは光源部300と「本体200、表示部400」との係合関係に特徴がある。そこで、
図3を参照して、まず係合関係を述べておく。
図3の矢印は係合関係を示している。なお、係合相手が見えない場合は、対称位置に配置された部品を破線の矢印で結んだ。つまり破線で示した関係は実際の係合相手ではなく、実際の係合相手の対称位置に配置されたものを便宜的に示した。
【0012】
(本体200と表示部400との係合関係)
(1)本体側表示部係合部(上側)218と表示部側本体係合部(上側)423とが係合し、
(2)本体側表示部係合部(下側)219(第3、第4の本体側表示部係合部(左右両側))と表示部側本体係合部(下側)424(第3、第4の表示部側本体係合部(左右両側))とが係合する。本体側表示部係合部(下側)219は、表示部側本体係合部(下側)424と係合することで開口201と後面202とを結ぶ方向である前後方向(
図4)における表示部400の移動を拘束すると共に、表示部側本体係合部(下側)424との間で、上下方向に隙間(後述のb寸法)を形成する。
(3)本体200は、本体側表示部係合部(上側)218が表示部側本体係合部(上側)423と係合することのみで、表示部400が下方(
図4でP1からP2へ向かう方向)へ移動することを拘束し、かつ、上方(P1側)と下方(P2側)とを結ぶ方向である上下方向(
図3)の表示部400の位置を位置決めする。
【0013】
(光源部300と本体200との係合関係)
(1)光源部側本体係合部329(
図11)と本体側光源部係合部226(
図10)とが係合し、
(2)さらに光源部側本体上部係合部330(
図11)と本体側光源部移動抑止部225(
図10)とが係合する。
【0014】
(光源部300と表示部400との係合関係)
光源部側表示部係合部328が表示部側光源部係合部427と係合する。
【0015】
(本体200)
また、
図2、
図4に示す様に、本体200の内部には補強金具214、電源端子台215、バッテリ216、操作部210、点灯装置217が配設されている。
【0016】
また、本体200は、天井や壁面に表示装置1000を取付ける為の上面側取付穴206、上面側電源穴205、背面側取付穴211、213、背面側電源穴212を有している。
【0017】
(本体200の表示部400との係合部)
また、本体200は、表示部400が取付けられる為の本体側表示部係合部(上側)218および本体側表示部係合部(下側)219を有している。本体側表示部係合部(上側)218と本体側表示部係合部(下側)219は本体200の左右に対称形状にて設けられている。
図4において、左側を本体側表示部係合部(上側)218−1(第1の本体側表示部係合部)と本体側表示部係合部(下側)219−1(第3の本体側表示部係合部)と呼び、右側を本体側表示部係合部(上側)218−2(第2の本体側表示部係合部)と本体側表示部係合部(下側)219−2(第4の本体側表示部係合部)と呼ぶ。特に左右を区別する必要のない場合は、単に本体側表示部係合部(上側)218、本体側表示部係合部(下側)219と呼ぶ。
【0018】
(本体200の光源部300との係合部)
さらに
図10に示す様に、本体200は、光源部300が取付けられる為の本体側光源部係合部226を有している。本体側光源部係合部226は本体200の左右に対称形状に設けられている。本体側光源部係合部226は、光源部300の光源部側本体係合部329(
図11)と係合する。また本体200は、本体側光源部移動抑止部225(
図4、
図10)を有する。この本体側光源部移動抑止部225の下側側面(低面)に光源部300の光源部側本体上部係合部330(
図11)の上側面(上面)が当接することで、光源部300の上下方向(
図3)の移動が抑止される。
【0019】
点灯装置217は外部電源により光源部300を点灯させる機能、バッテリ216を充電する機能、外部電源が遮断された場合にバッテリ216の電力により光源部300を点灯させる機能、バッテリ216が規定の時間、光源部300を点灯可能か点検を実施する機能、光源部300が正常に点灯するかを確認する機能を有している。
【0020】
図2(c)に示すように、操作部210はモニタ207、点検用スイッチ208、受光部209を有している。
図2(c)に示すように、モニタ207、点検用スイッチ208、受光部209で操作部210をなす。点検用スイッチ208を操作することで点灯装置217が規定の点検動作を実施し、その結果をモニタ207の表示により外部へ報知する。モニタ207は点検結果の表示機能の他に、点検中である旨の表示、バッテリ216の充電状態や、光源部300の接続状態、光源部300の寿命を表示することが可能である。
【0021】
また、受光部209は点検用スイッチ208の操作の代わりに、リモコンによる点検動作の開始信号を受信し、点灯装置217に点検動作を実施させる。
【0022】
(表示部400)
表示部400は
図5に示す様に、導光体420、表示板421、表示板ケース422により構成される。表示板ケース422と導光体420との間には図示しない反射シートが配設される場合があり、また導光体420と表示板421との間には図示しない光学シートが配設される場合がある。
【0023】
(表示部400の本体200との係合部)
また
図5に示すように、表示板ケース422の背面側には本体200に表示部400を取付ける為の表示部側本体係合部(上側)423−1(第1の表示部側本体係合部)、表示部側本体係合部(上側)423−2(第2の表示部側本体係合部)、表示部側本体係合部(下側)424−1(第3の表示部側本体係合部)、表示部側本体係合部(下側)424−2(第4の表示部側本体係合部)を有している。
図5に示すように、表示部側本体係合部(上側)423と表示部側本体係合部(下側)424とは、表示板ケース422の左右でひと組の対称形状に設けられている。つまり、表示部側本体係合部(上側)423−1、423−2と、表示部側本体係合部(下側)424−1、424−2とが形成されている。
【0024】
(光源部300の係合部)
光源部300は
図11に示す様に、光源部側本体上部係合部330、光源部側本体係合部329、光源部側表示部係合部328を有している。光源部300は表示部400の上側に配置され、表示部400及び本体200と係合することで本体200(及び表示部400)に取付けられる。
【0025】
図6は表示装置1000の本体200に対する表示部400および光源部300の取付方法を示す図である。
(1)表示部400は本体200に対し上から下方向へのスライド(
図6(b))によって取付けられる。
(2)表示部400が本体200に取付けられたのちに、光源部300を器具前面側より本体200および表示部400に嵌合させ、取付ける(
図6(c))。
【0026】
図7は、
図6における上側の係合部(表示部側本体係合部(上側)423、本体側表示部係合部(上側)218)を示す図である。
図7の(a)は
図6の(a)に対応し、
図7の(b1)、(b2)は
図6の(b)に対応し、
図7の(c1)、(c2)は
図6の(c)に対応する。なお(c1)では本体側表示部係合部(上側)218−2全体を破線で示した。また(c2)では本体側表示部係合部(上側)218−2のうち隠れた部分を破線で示した。(b2)は(b1)のX方向矢視に相当し、(c2)は(c1)のX方向矢視に相当する。また、
図8は、
図6における下側の係合部(表示部側本体係合部(下側)424、本体側表示部係合部(下側)219)を示す図であり、
図6との関係は
図7と同様である。
【0027】
図9は
図6(c)と同じ図であり、本体200と表示部400との嵌合状態を示す図である。表示部400に配設された表示部側本体係合部(上側)423および表示部側本体係合部(下側)424は、
図3等でも示したように、本体200の本体側表示部係合部(上側)218および本体側表示部係合部(下側)219にそれぞれ対応して係合する。表示部400を本体200の上側から下へスライド(
図6(b))させることで、それぞれが嵌合し、表示部400が本体200へ取付けられる。表示部400の位置は表示部側本体係合部(上側)423の下部423a(
図7)と本体側表示部係合部(上側)218の上部218a(
図4、
図7)とが当接することで図中のa寸法(
図7、
図9)が決定される。その際、表示部側本体係合部(下側)424と本体側表示部係合部(下側)219の上部は当接していない状態である((
図8、
図9)b寸法部)。また、
図8、
図9に示すc寸法(上下方向の隙間)についても当接していない状態となっている。
【0028】
図7、
図9に示すa寸法が0(ゼロ)となっている時に、表示部400は本体200との位置が決定される。このとき、
図8、
図9に示すように、b寸法(上下方向の隙間)およびc寸法は0となっていない。よって、表示部400の寸法が製品バラツキによって大きいものである場合においても、b寸法およびc寸法のどちらか小さい方の寸法までは、表示部側本体係合部(下側)424と本体側表示部係合部(下側)219とは当接しない。
【0029】
その為、表示部400の寸法が大きめである場合においても、a寸法が0となっている状態を基準としてb寸法およびc寸法が小さくなるのみで、本体200と表示部400の嵌合には影響しない。また、表示部400の寸法が大きめである場合にはa寸法が0となっている状態を基準としてb寸法およびc寸法が小さくなる方向に表示部400が
下方へ移動するとみることができるが、b寸法およびc寸法が確保されていれば表示部側本体係合部(下側)424と本体側表示部係合部(下側)219とは当接しないから、寸法変動により表示部400の上下方向に力がかかることがなく、本体前後方向の反り(膨らみ)が発生することは無い。
【0030】
なお、表示部400に成型後において本体前後方向への反りが発生している場合は
図9におけるd寸法にクリアランスを設ける設計とすることで、表示部400の本体200への取付時に、表示部400の反りを吸収することが可能である。その際、d寸法のクリアランスは光源部300を本体前面側から取付けることでほぼ0とすることが可能である。
【0031】
また、表示部400の寸法が小さめのものである場合においてもa寸法は0であるから、a寸法が0となっている状態を基準として、b寸法およびc寸法が大きくなるのみで、嵌合には影響しない。
いずれの場合においても、つまり表示部400の上下方向(
図3)の寸法が大きめの場合及び小さめの場合においてもa寸法が0となっている状態を基準として、b寸法およびc寸法が変化する方向で位置が変動するので、基準となるa寸法の位置が重要となる。製造される表示板421の製品群において表示板421の寸法変化が、体積的に発生している場合、a寸法(つまり表示部側本体係合部(上側)423)からの距離が離れるほど変形した場合の移動量が大きくなる。つまり変形量は積み重ねとなるから表示部側本体係合部(上側)423から遠い位置ほど変形量が大きくなる。このため、設計上、a寸法(表示部側本体係合部(上側)423)からの距離を小さくすることで、変形時の移動量(変形量、つまり上下方向の変化量)を小さくすることが可能である。
【0032】
つまり、表示装置1000においては、光源部300と表示部400の位置関係が光学性能に影響する為(表示部400の導光体420と光源部300の距離によって光学性能が変動する)、a寸法の位置(表示部側本体係合部(上側)423の位置)は光源部300側にすることで、表示装置1000の下面側に寸法変化に対する移動量を吸収させている。言い換えば、下側の表示部側本体係合部(下側)424と本体側表示部係合部(下側)219とをa寸法(ゼロ)とすることもできるが、その場合、寸法変化の積算が上側、つまり光源側に出現するため、光源部300と表示部400の入光部との位置関係が変化する。そのため表示装置1000では光源部300側の上側の表示部側本体係合部(上側)423の位置をa寸法の位置としている。なお、本体200と表示部400の下部(底部)の合わせ面付近のラップ代を想定される寸法変化に対し適切な寸法に調整することで、各寸法変化に対し、隙間が発生しない様にすることが可能である。
【0033】
(本体200及び表示部400の光源部300の係合部)
図10は、本体200および表示部400の光源部300に対する係合部を示す図である。本体200の上側面には本体側光源部係合部226が左右にそれぞれ対称形状で設けられている(
図3)。また、表示部400の上部には表示部側光源部係合部427が左右にそれぞれ対称形状に設けられている(
図3)。
【0034】
(光源部300の係合部)
図11は、光源部300の本体200および表示部400に対する係合部を示す図である。冒頭で
図3を参照して述べたように、光源部300には光源部側本体係合部329(本体200の本体側光源部係合部226に対応)および光源部側本体上部係合部330(本体側光源部移動抑止部225に対応)、光源部側表示部係合部328(表示部400の表示部側光源部係合部427に対応)が設けられている。
【0035】
図12は本体200と光源部300の係合状態を示す断面図である。
図12は、
図2(d)におけるB−B断面に相当する。また、
図12は、
図11の光源部300が表示部400及び本体200と係合した後にB−B切断面で切断したB−B断面をB方向から見た図である。光源部300に設けられた光源部側本体係合部329は、本体200の前面側から本体200に取付けられる。その際、光源部側本体係合部329は本体側光源部係合部226を弾性変形しながらのりこえ、弾性により形状が戻ることで本体側光源部係合部226に嵌合し取付けられる。
【0036】
図13は光源部300と表示部400との係合状態を示す断面図である。
図13は、
図2(d)におけるC−C断面に相当する。また、
図13は、
図11の光源部300が表示部400及び本体200と係合した後にC−C切断面で切断したC−C断面をC方向から見た図である。光源部300に設けられた光源部側表示部係合部328は表示部400に設けられた表示部側光源部係合部427の手前の小突起428(
図10)を弾性変形しながらのりこえ、弾性により形状が戻ることで表示部側光源部係合部427に嵌合し、取付けられる。嵌合状態は
図13の様になる為、上下方向の移動が規制され、光源部300と表示部400との位置関係(上下方向の位置関係)はクリアランス以上の変動は起こらない。その為、表示装置1000の光学特性の変動を抑制することが可能となる。なお、光源部300の光源部側本体上部係合部330と本体200の本体側光源部移動抑止部225が当接することで、光源部300と表示部400が同時に移動し、本体200から外れることを防止することができる。
【0037】
上記構成とすることにより、表示部400の寸法に変動があった場合においても、光源部300の着脱を容易にかつ確実に行うことができ、表示装置1000の光学性能の変動を抑制することが可能となる。
【0038】
図14は、表示装置1000における本体200に発生する「反りΔB」を説明する図である。本体200は、成型すると
図14のように第1の側面221及び第2の側面222に変形(ΔBで示す反り)が生じる。本体200については、
図4及び
図14に示すように、長さL1は上方の端部P1から本体側表示部係合部(上側)218までの長さである。長さL2は上方の端部P1から下方の端部P2までの長さであり、第1の側面221の上下方向の長さである。本体側表示部係合部(上側)218の位置を示す長さL1は、第1の側面221の上下方向の長さを示す長さL2に対して、長さL2の1/4以上、1/2以下の範囲である。例えばL1は、L2の略1/3程度の長さである。この本体200に対応して、表示部400では
図5に示すように、上方の端部P3、下方の端部P4が、それぞれ本体200の上方の端部P1、下方の端部P2に対応する。つまり表示部400の場合は、表示板ケース422の側面長さH2に対して、上方の位置P3からの表示部側本体係合部(上側)423の長さH1が、長さH2の1/4以上、1/2以下の範囲である。例えばH1は、H2の略1/3程度の長さである。すなわち表示部側本体係合部(上側)423は、上下方向でみて、上方の端部P3に対して、下方の端部P4の方向に配置されている。表示部側本体係合部(上側)423は、このような位置で本体200の本体側表示部係合部(上側)218と係合するから、
図14に示すように、本体200第1の側面221、第2の側面222は、矢印Wの方向に、反りΔBが矯正されることになる。以上のように、本体側表示部係合部(上側)218、表示部側本体係合部(上側)423を上方の端部に対して、下方の端部よりに配置したので、表示部側本体係合部(上側)423を本体側表示部係合部(上側)218に係合させる際に、反りΔBをもとのまっすぐな形状に戻す効果が有る。