特許第6091244号(P6091244)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6091244
(24)【登録日】2017年2月17日
(45)【発行日】2017年3月8日
(54)【発明の名称】加熱調理器
(51)【国際特許分類】
   F24C 15/02 20060101AFI20170227BHJP
【FI】
   F24C15/02 A
【請求項の数】1
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2013-29301(P2013-29301)
(22)【出願日】2013年2月18日
(65)【公開番号】特開2014-156995(P2014-156995A)
(43)【公開日】2014年8月28日
【審査請求日】2016年1月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000194893
【氏名又は名称】ホシザキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100064724
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷 照一
(72)【発明者】
【氏名】神谷 耕想
(72)【発明者】
【氏名】森 悟
(72)【発明者】
【氏名】丸山 卓哉
【審査官】 宮崎 賢司
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭63−131930(JP,A)
【文献】 特開昭63−155592(JP,A)
【文献】 実開昭54−093463(JP,U)
【文献】 実開昭57−054908(JP,U)
【文献】 実開昭56−164408(JP,U)
【文献】 特開平02−309135(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 15/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加熱調理食材を中に入れて加熱調理するための加熱調理庫を前面に向けて開口させてハウジング本体内に配置し、前記ハウジング本体の前面に設けた開き戸型の開閉扉を開閉して前記加熱調理庫内に被加熱調理食材を出し入れする加熱調理器において、
前記開閉扉のヒンジ側の端部で開閉扉上面板の後端の角部を斜めに切り欠いた形状とし、前記開閉扉のヒンジ側の端部で開閉扉側面板の後端縁を前記開閉扉上面板の角部の切欠きに合致させた長さに止め
前記開閉扉は、左右両端部に強度部材として垂直方向に配設した支柱を有し、前記開閉扉側面板の後端縁を前記支柱の後端面の位置で止め
ことを特徴とする加熱調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、スチーム対流式オーブンなどの加熱調理器に関し、特に、加熱調理庫に被加熱調理食材を出し入れするために開け閉めする前面扉に関し、扉のヒンジ側端部の構造を改良して、その部分を掃除し易いように、また、食材の出し入れに邪魔になりにくいように工夫したものである。
【背景技術】
【0002】
加熱調理器は、食材を加熱調理するための装置であり、被加熱調理食材を中に入れて加熱調理するための加熱調理庫を前面に向けて開口させてハウジング本体内に配置し、ハウジング本体の前面に設けた開き戸型の開閉扉を開閉して加熱調理庫内に被加熱調理食材を出し入れする構造になっている。図1は、加熱調理器の一例として、スチーム対流式オーブン10の例を図解する斜視図であり、ハウジング11の前面の開閉扉13が右方に開かれた状態を示している。加熱調理庫12が前面(使用者の手前側)に向けて開口しているのが見えている。前面の開閉扉13は、ハウジングの一部を形成する外扉13aの内側にさらに耐熱ガラス製の内扉13bを有する二重扉の構造になっており、この内扉13bで加熱調理庫12の手前側の開口端縁12aを封止した状態で加熱調理を行う仕組みになっている。加熱調理庫12の開口端縁12aの内扉13bに面する箇所には、開口端縁12aの周囲に沿ってパッキン20が設けられていて、調理中に開閉扉13を閉めた状態では、内扉13bがパッキン20に押し当てられて、加熱調理庫12の庫内空間を密封状態にして、熱風や蒸気の漏れを防ぐ構造になっている。
【0003】
開閉扉13は、閉じた状態のときに、ハウジング11全体としての外観上の連続性が保たれるように、外扉13aの外表面がハウジング11本体の外表面とごく僅かの隙間を空けて接近した位置に来るように形成されている。図2は、開閉扉13を上から見た図(平面図)であり、図3は、開閉扉13の高さ方向途中部分での断面を上から見た図(端面平面図)である。外扉13aは、ハウジング11本体の前面右端部に設けられたヒンジ軸に嵌合するヒンジ孔13cを中心に前方(手前側)へ右向きに開く。符号13dは、開閉操作のための取っ手である。符号13e、13fは、外扉13aの強度部材としての支柱である。右側の支柱13eに対して、内扉13bが、内側に開くようにヒンジ取り付けされている。符号13gは、前扉13aの窓をなすガラス板である。内扉13bとガラス板13gの間には空間13hが形成されており、外扉13aの上面の板(下面の板も同様)に形成された通気孔13iを介して外部の空間に通じている。符号13jは、内扉13bに付着する水滴を受けて外へ導くための樋である。
【0004】
外扉13aの上面の板(下面の板も同様)は、前面の板に対して折り曲げて一体に形成されており、図2に示されたように、全体的には長方形を呈しており、ヒンジ側の端縁は、直角の角13a1を成している。また、外扉13aの右面の板も、同じく、前面の板に対して折り曲げて一体に形成されており、図3に示されたように、上面の板の直角の角13a1の先端と同じ前後方向位置まで延び出た延出部13a2を成している。延出部13a2の内側で陰になっている支柱13e側の隙間には、ゴミが溜まりやすい。また、延出部13a2は、開閉扉13を図1の示された角度程度に開けた状態では、ヒンジ孔13cを中心に左方へ突き出してくるので、加熱調理庫12の開口面積を狭めることになり、被加熱調理食材の出し入れに対して邪魔にもなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明は、上記のような不具合を解消することを目的とし、加熱調理器において、外扉13aの形状を改良することによって、掃除しやすく、かつ被加熱調理食材の出し入れに邪魔にならない開閉扉を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、この発明による加熱調理器は、被加熱調理食材を中に入れて加熱調理するための加熱調理庫を前面に向けて開口させてハウジング本体内に配置し、ハウジング本体の前面に設けた開き戸型の開閉扉を開閉して加熱調理庫内に被加熱調理食材を出し入れする加熱調理器において、開閉扉のヒンジ側の端部で開閉扉上面板の後端の角部を斜めに切り欠いた形状とし、開閉扉のヒンジ側の端部で開閉扉側面板の後端縁を開閉扉上面板の角部の切欠きに合致させた長さに止め、開閉扉は、左右両端部に強度部材として垂直方向に支柱を配設した構造とし、開閉扉側面板の後端縁を支柱の後端面の位置に合わせた位置としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、加熱調理器において、開閉扉のヒンジ側の端部でハウジング本体に面する側の上面板の角部を斜めに切り欠いた形状とし、開閉扉のヒンジ側の端部でハウジング本体に面する側に延出する側面板の部分を上面板の角部の切欠きに合致させた長さに止めたとしたので、開閉扉のヒンジ側の内側部分を掃除しやすく、かつその部分が被加熱調理食材の出し入れの邪魔になりにくい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】従来の加熱調理器の一例を示す斜視図である。
図2】従来の加熱調理器における開閉扉の平面図である。
図3】従来の加熱調理器における開閉扉の水平断面の端面図である。
図4】この発明による加熱調理器の実施形態を示す斜視図である。
図5】この発明による加熱調理器の実施形態における開閉扉の平面図である。
図6】この発明による加熱調理器の実施形態における開閉扉の水平断面の端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、この発明による加熱調理器を、図面を参照しながら説明する。この発明による加熱調理器は、この発明による改良点以外は、従来の加熱調理器と同様であり、図4に示すように、加熱調理器10は、ハウジング11の前面の開閉扉13が右端のヒンジを軸として回動する開き戸になっており、ハウジング11内に加熱調理庫12が前面(使用者の手前側)に向けて開口して配置されている。前面の開閉扉13は、ハウジングの一部を形成する外扉13aの内側にさらに耐熱ガラス製の内扉13bを有する二重扉の構造になっており、この内扉13bで加熱調理庫12の手前側の開口端縁12aを封止した状態で加熱調理を行う仕組みになっている。加熱調理庫12の開口端縁12aの内扉13bに面する箇所には、開口端縁12aの周囲に沿ってパッキン20が設けられていて、加熱調理中に開閉扉13を閉めた状態では、内扉13bがパッキン20に押し当てられて、加熱調理庫12の庫内空間を密封状態にして、熱風や蒸気の漏れを防ぐ構造になっている。
【0011】
この発明による加熱調理器では、開閉扉の構造に特徴があるので、以下、開閉扉の構造について図面を参照しながら説明する。
【0012】
図5は、この発明による加熱調理器の実施形態における開閉扉13を上から見た図であり、図6は、同じ開閉扉13の高さ方向途中部分での水平断面を上から見た図である。外扉13aは、ハウジング11本体の前面右端部に設けられたヒンジ軸に嵌合するヒンジ孔13cを中心に前方(手前側)へ右向きに開く。符号13dは、開閉操作のための取っ手である。符号13e、13fは、外扉13aの強度部材としての支柱である。右側の支柱13eに対して、内扉13bが、内側に開くようにヒンジ取り付けされている。符号13gは、前扉13aの窓を成すガラス板である。内扉13bとガラス板13gの間には空間13hが形成されており、外扉13aの上面の板(下面の板も同様)に形成された通気孔13iを介して外部の空間に通じている。符号13jは、内扉13bに付着する水滴を受けて外へ導くための樋である。
【0013】
外扉13aの上面の板(下面の板も同様)は、前面の板に連続して折り曲げて一体に形成されており、図5に示されたように、横長の長方形の右後端(図では、右上端)の角部が斜め45°に切り欠かれて、切欠き角部13a3が形成されている。また、外扉13aの右側面の板も、同じく、前面の板に連続して折り曲げて一体に形成されており、図6に示されたように、その後端縁13a4が、上面の板の45°切欠き角部13a3の右前端と同じ前後方向位置の所までの長さで止めて、それ以上延び出ていない。図示の場合は、右側の支柱13eの前後方向の厚さと等しい長さで止めてある。これにより、支柱13eの後方に外扉13aの右側面の板の陰になる部分が生じないので、ゴミが溜まりにくく、掃除もしやすい。また、開閉扉13を図4に示されている程度に開いた状態で、外扉13aの右側面の板が加熱調理庫12の開口空間の方に延び出さないので、被加熱調理食材の出し入れに対して邪魔になることがない。さらに、開閉扉を閉じた状態のとき、開閉扉13の側面板とハウジング11の側面板の間に隙間が空くので、その部分を通して内扉13bとガラス板13gの間の空間13hが外部の空間に広く連通することにより、当該空間13h内に湿気が溜まりにくくなるという利点もある。
【0014】
以上説明したように、この発明の加熱調理器によれば、開閉扉のヒンジ側端部のハウジング本体に面する後端部分に側面の板が延び出して陰になる箇所が生じないので、掃除がしやすいし、被加熱調理食材の出し入れの邪魔にならず、使い勝手がよい。
【符号の説明】
【0015】
10…加熱調理器、11…ハウジング、12…加熱調理庫、12a…開口端縁、13…開閉扉、13a…外扉、13a3…切欠き部、13a4…後端縁、13b…内扉、13c…ヒンジ孔、13d…取っ手、13e…支柱、13f…支柱、13g…ガラス板、13h…空間、13i…通気孔、13j…樋、20…パッキン。
図1
図2
図3
図4
図5
図6