(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図2】実質的に円形の断面を持つ金型キャビティを有する金型を示す斜視上面/側面図である。
【
図3】金型キャビティ内のドーナツ穴領域およびドーナツ領域を示した、実質的に円形の断面を持つ金型キャビティを有する金型を示す斜視上面/側面図である。
【
図4】
図3に示されるドーナツ穴およびドーナツ領域を示す上平面図である。
【
図5A】硬化性材料によって部分的に充填された金型キャビティ内に配置されたノズルを持つ、実質的に円形の断面を有する金型キャビティを示す斜視上面/側面図である。
【
図5B】
図5Aに示される金型キャビティを示す側面立面図である。
【
図6A】複数の例示的な初期段階および転移段階の経路を示した、ドーナツ穴領域およびドーナツ領域を持つ実質的に円形の断面を有する金型キャビティを示す斜視上面/側面図である。
【
図6B】
図6Aに示される金型キャビティを示す側面立面図である。
【
図6C】
図6Aに示される初期段階および転移段階の経路のx−y平面上への投影を示した、
図6Aに示される金型キャビティを示す上平面図である。
【
図7A】例示的な残段階の経路を示した、ドーナツ穴領域およびドーナツ領域を持つ実質的に円形の断面を有する金型キャビティを示す斜視上面/側面図である。
【
図7B】
図7Aに示される金型キャビティを示す側面立面図である。
【
図7C】
図7Aに示される残段階の経路のx−y平面上への投影を示した、
図7Aに示される金型キャビティを示す上平面図である。
【
図8A】ノズル開口部が円形である、ノズル開口部を示す平面図である。
【
図8B】ノズル開口部が非円形である、ノズル開口部を示す平面図である。
【0014】
発明の詳細な説明
驚くべきことに、ケミカルメカニカル研磨パッドに使用する、一体化窓を有する研磨層の製造において、硬化性材料を金型キャビティ内に装填しながら、それを通して硬化性材料を金型キャビティに装填するノズル開口部の位置を、金型キャビティの中心軸C
axisに沿っておよびそれを中心としての両方において三次元で移動させることにより、ノズル開口部の位置が金型キャビティの中心軸C
axisに沿って一次元でのみ移動する同様のプロセスによって生成されたものに対して、生成された研磨層における密度欠陥の発生を有意に低減することが見出された。
【0015】
本発明の方法を使用して生成された、一体化窓を有する研磨層は、装填時間CPの全体にわたってノズル開口部の位置が金型キャビティの中心軸C
axisに沿って一次元でのみ移動(すなわち、硬化性材料を金型キャビティ内に溜める際に、硬化性材料の上面の上方に設定された高度にノズル開口部の位置を維持するために移動)し、ケーキを薄片化する前に薄片化ブレードを革砥で研ぐのではなく砥石で研ぐこと以外は同じプロセスを使用して生成された研磨層と比較して、表面粗さが減少した研磨面を示すことも見出された。薄片化ブレードの刃先がケーキを複数のケミカルメカニカル研磨層に薄片化した後ほとんど気付かない程度に歪み、波立つことが発見された。刃先を砥石で研ぐ先行技術の手法が結果として刃先の波立った部分から材料を除去し、フラットにホーニングされた表面を提供するが、薄片化ブレードの全長にわたる刃先の引張特性の変動という代償を払い、結果としてその切削特性の不均一性およびそれによって生成される研磨層における表面粗さの増加を招くと考えられる。驚くべきことに、刃先を革砥で研ぐことは、薄片化ブレードの全長にわたるより一貫した刃先を維持しながら、刃先の波立った部分のフラット化およびホーニングの両方を容易にし、結果として、それによって生成されるケミカルメカニカル研磨層の表面粗さの有意な低減を招くことが見出された。研磨面の表面粗さの減少が研磨層を含有するケミカルメカニカル研磨パッドのその後の使用中における、研磨ディフェクト性能の改善を容易にすると考えられる。
【0016】
本明細書および請求の範囲において使用する用語「表面粗さ」とは、表面形状測定器、例として、下記のパラメーター設定(測定タイプ―ガウス分布;傾斜―直線;傾斜補正―最小二乗;測定長さ―0.6インチ(15.24mm);カットオフ波長―0.1インチ(2.54mm);測定速度―0.24inch/s(6.1mm/s)およびフィルタのカットオフ比―300)を使用するZeiss Surfcom表面形状測定器を使用して計測される研磨層の研磨面の粗さを意味する。
【0017】
本明細書および請求の範囲において使用する用語「装填時間またはCP」とは、最初の硬化性材料が金型キャビティ内に導入された時点から開始し、最後の硬化性材料が金型キャビティ内に導入される時点までの、硬化性材料が金型キャビティ内に装填される間の時間(秒)を意味する。
【0018】
本明細書および請求の範囲において使用する用語「装填流量またはCR」とは、装填時間CP(秒)の間、硬化性材料が金型キャビティ内に装填される質量流量(kg/sec)を意味する。
【0019】
本明細書および請求の範囲において使用する用語「初期段階開始点またはSP
IP」とは、装填時間の開始と一致する、装填時間の初期段階の開始時におけるノズル開口部の位置を意味する。
【0020】
本明細書および請求の範囲において使用する用語「初期段階終点またはEP
IP」とは、装填時間の転移段階が開始される直前である、装填時間の初期段階の終了時におけるノズル開口部の位置を意味する。
【0021】
本明細書および請求の範囲において使用する「初期段階の経路」とは、初期段階開始点SP
IPから初期段階終点EP
IPまでの装填時間の初期段階の間におけるノズル開口部の位置の移動(そのような移動がある場合)の経路を意味する。
【0022】
本明細書および請求の範囲において使用する用語「転移段階開始点またはSP
TP」とは、装填時間の転移段階の開始時におけるノズル開口部の位置を意味する。転移段階開始点SP
TPと初期段階終点EP
IPとは同じ位置である。
【0023】
本明細書および請求の範囲において使用する用語「転移段階転移点またはTP
TP」とは、金型キャビティの中心軸C
axisに対するノズル開口部の位置の移動の方向(すなわち、xおよびy次元での移動の方向)が変化する、装填時間の転移段階の間におけるノズル開口部の位置を意味する。
【0024】
本明細書および請求の範囲において使用する用語「転移段階終点またはEP
TP」とは、金型キャビティの中心軸C
axisに対するノズル開口部の位置の移動の方向が変化する、金型キャビティのドーナツ領域内におけるノズル開口部の最初の位置を意味する。転移段階終点EP
TPは、装填時間の残段階の直前である、装填時間の転移段階の終了時におけるノズル開口部の位置でもある。
【0025】
本明細書および請求の範囲において使用する用語「転移段階の経路」とは、転移段階開始点SP
TPから転移段階終点EP
TPまでの装填時間の転移段階の間におけるノズル開口部の位置が辿る経路を意味する。
【0026】
本明細書および請求の範囲において使用する用語「残段階開始点またはSP
RP」とは、装填時間の残段階の開始時におけるノズル開口部の位置を意味する。残段階開始点SP
RPと転移段階終点EP
TPとは同じ位置である。
【0027】
本明細書および請求の範囲において使用する用語「残段階転移点またはTP
RP」とは、金型キャビティの中心軸C
axisに対するノズル開口部の位置の移動の方向が変化する、装填時間の残段階の間におけるノズル開口部の位置を意味する。
【0028】
本明細書および請求の範囲において使用する用語「残段階終点またはEP
RP」とは、装填時間の終了と一致する、装填時間の残段階の終了時におけるノズル開口部の位置を意味する。
【0029】
本明細書および請求の範囲において使用する用語「残段階の経路」とは、残段階開始点SP
RPから残段階終点EP
RPまでの装填時間の残段階の間におけるノズル開口部の位置が辿る経路を意味する。
【0030】
本明細書および請求の範囲において使用する用語「ポリ(ウレタン)」とは、イソシアネート(i)と(ジオールを包含する)ポリオール(ii)との反応により形成されたポリウレタン(a)、ならびにイソシアネート(i)を(ジオールを包含する)ポリオール(ii)および水、アミンまたは水とアミンとの組み合わせ(iii)と反応させて形成されたポリ(ウレタン)(b)を包含する。
【0031】
本明細書および請求の範囲においてライナーに関して使用する用語「実質的に非多孔性の」とは、ライナーが体積で5%以下の空隙率を含有することを意味する。
【0032】
本明細書および請求の範囲において装填時間中の硬化性材料の装填流量に関して使用する用語「本質的に一定」とは、下記の式の両方が満たされることを意味し:
CR
max≦(1.1
*CR
avg)
CR
min≧(0.9
*CR
avg)
ここで、CR
maxは装填時間中に硬化性材料が金型キャビティ内に装填される最大質量流量(kg/sec)であり;CR
minは装填時間中に硬化性材料が金型キャビティ内に装填される最小質量流量(kg/sec)であり;CR
avgは装填時間の間に金型キャビティに装填された硬化性材料の合計質量(kg)を、装填時間(秒)の長さで割ったものである。
【0033】
本明細書および請求の範囲において硬化性材料に関して使用する用語「ゲル化時間」とは、ASTM D3795-00a (Reapproved 2006) (Standard Test Method for Thermal flow, Cure, and Behavior Properties of Pourable Thermosetting materials by Torque Rheometer)による標準試験方法を使用して計測される、その混合物の合計硬化時間を意味する。
【0034】
本明細書および請求の範囲において金型キャビティ(20)に関して使用する用語「実質的に円形の断面」とは、金型キャビティの中心軸C
axis(22)から囲壁部(15)の垂直内部境界(18)までのx−y平面(30)上に投影される金型キャビティ(20)の最大半径r
Cが金型キャビティの中心軸C
axis(22)から垂直内部境界(18)までのx−y平面(30)上に投影される金型キャビティ(20)の最小半径r
Cよりも20%以下の差で長いことを意味する(
図2参照)。
【0035】
本明細書および請求の範囲において使用する用語「金型キャビティ」とは、ライナー(4)の上面(6,12)に相当する水平内部境界(14)と、囲壁部(15)の垂直内部境界(18)とによって画定される体積を意味する(
図1〜3参照)。
【0036】
本明細書および請求の範囲において第二の特徴(例えば、軸、x−y平面)に対する第一の特徴(例えば、水平内部境界、垂直内部境界)に関して使用する用語「実質的に垂直」とは、第一の特徴が第二の特徴に対して80〜100°の角度であることを意味する。
【0037】
本明細書および請求の範囲において第二の特徴(例えば、軸、x−y平面)に対する第一の特徴(例えば、水平内部境界、垂直内部境界)に関して使用する用語「本質的に垂直」とは、第一の特徴が第二の特徴に対して85〜95°の角度であることを意味する。
【0038】
本明細書および請求の範囲において使用する用語「密度欠陥」とは、研磨層の残部に対して有意に低減した充填剤濃度を有する、研磨層における領域を意味する。密度欠陥は、研磨層の残部と比較して著しく高い透明度を有する領域として密度欠陥が見えるライトテーブル上に研磨層を置いて肉眼で目視することにより検出可能である。
【0039】
本明細書および請求の範囲においてノズル開口部に関して使用する用語「ノズル開口部半径またはr
NO」とは、ノズル開口部を完全に塞ぐことができる、最小円SCの半径r
SCを意味する。換言すれば、r
NO=r
SCである。実例として、
図8Aおよび8Bを参照されたい。
図8Aは、半径r
SC(64a)を有する最小円SC(63a)によって完全に塞がれたノズル開口部(62a)を示す平面図であり;ノズル開口部が円形である。
図8Bは、半径r
SC(64b)を有する最小円SC(63b)によって完全に塞がれたノズル開口部(62b)を示す平面図であり;ノズル開口部が非円形である。好ましくは、r
NOは5〜13mmである。より好ましくは、r
NOは8〜10mmである。
【0040】
ケミカルメカニカル研磨パッド用の、一体化窓を持つ研磨層を形成するための本発明の方法は、金型基部(2)および金型基部(2)に取り付けられた囲壁部(8)を有する金型(1)を使用し;上面(6)、底面(3)および平均厚さ(5)t
Lを持つライナー(4)がライナー(4)の底面(3)と金型基部(2)との間に介在させたライナー接着剤(7)を使用して金型基部(2)に接着され;窓用ブロック(9,19)が金型キャビティ(20)内に配置される。(
図1および2参照)。好ましくは、窓用ブロック(9,19)は、窓接着剤(11)を使用してライナー(4)の上面(6)に接着され、スタビライザーブラケット(13)を使用して金型キャビティ(20)内に位置合わせされる。好ましくは、スタビライザーブラケット(13)は、囲壁部(8)に取り付けられる。窓接着剤(11)を使用して窓用ブロック(9,19)とライナー(4)とを接着することは、硬化したケーキを各研磨層が一体化窓を有する複数の研磨層に薄片化する際、窓の歪み(例えば、研磨層から外への窓の膨れ)の形成を軽減すると考えられる。
【0041】
本発明の方法で使用するライナー(4)は、硬化性材料が反応して凝固したケーキを形成する際の硬化性材料の嵌合を容易にし、硬化性材料が十分な強度でライナー(4)と接着し、これにより、薄片化される間、硬化したケーキがライナーから剥離することはない。好ましくは、本発明の方法で使用するライナー(4)は、金型基部(2)から定期的に取り外され、交換される。本発明の方法で使用するライナー(4)は、硬化時に硬化性材料が接着する任意の材料であることができる。好ましくは、使用するライナー(4)は、ポリウレタンポリマー材料である。より好ましくは、使用するライナー(4)は、芳香族ジアミン硬化剤を用いて、トルエンジイソシアネートとポリテトラメチレンエーテルグリコールとのプレポリマー反応生成物から形成される。最も好ましくは、芳香族ジアミン硬化剤は、4,4’−メチレン−ビス−o−クロロアニリンおよび4,4’−メチレン−ビス−(3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン)から選択される。好ましくは、プレポリマー反応生成物は、6.5〜15.0重量パーセントの未反応NCO濃度を有する。6.5〜15.0wt%の未反応NCO濃度を有する市販のプレポリマーは、例として、Air Products and Chemicals, Inc.によって製造されたAirthane(登録商標)プレポリマーPET-70D、PHP-70D、PET-75D、PHP-75D、PPT-75DおよびPHP-80D、ならびにChemturaによって製造されたAdiprene(登録商標)プレポリマーLFG740D、LF700D、LF750D、LF751D、LF753DおよびL325を包含する。好ましくは、硬化剤とプレポリマー反応生成物とは、プレポリマー中の未反応NCOに対する硬化剤中のNH
2(またはOH)の化学量論比が90〜125%(より好ましくは、97〜125パーセント;最も好ましくは、100〜120%)で組み合わされる。この化学量論は、化学量論レベルの原材料を提供することにより直接的に、またはNCOの一部を、意図的にもしくは偶然得た湿気にさらして水と反応させることにより間接的に実現できる。使用するライナー(4)は、多孔性または非多孔性であることができる。好ましくは、使用するライナー(4)は、実質的に非多孔性である。
【0042】
本発明の方法で使用するライナー(4)は、好ましくは、ライナー(4)にわたって複数の無作為に選択された点(すなわち、10点以上)において、花崗岩ベースのコンパレータ(例えば、Chicago Dial Indicator Cat# 6066-10)を使用して測定される2〜10cm(より好ましくは2〜5cm)の平均厚さ(5)t
Lを示す。(
図1参照)。
【0043】
本発明の方法で使用するライナー接着剤(7)は、ライナー(4)と金型基部(2)とを接着するのに好適な任意の接着剤であることができる。例として、使用するライナー接着剤(7)は、感圧接着剤、ホットメルト接着剤、コンタクト接着剤およびこれらの組み合わせから選択することができる。好ましくは、使用するライナー接着剤(7)は、(a)ライナー(4)と金型基部(2)とを十分な強度で接着してケーキの薄片化作業中に金型基部(2)からのライナー(4)の剥離を防止することと、(b)金型基部(2)に物理的損傷を与えたり有害な残留物(すなわち、金型基部(2)と交換ライナーとの間の機能的結合の獲得を損なう残留物)を残したりすることなく金型基部(2)から除去可能であることの両方を両立させる。好ましくは、ライナー接着剤(7)は感圧接着剤である。
【0044】
本発明の方法で使用する金型基部(2)は、金型キャビティ内に装填される硬化性材料の重量を支持する任意の好適な剛体材料であることができ;以下のために使用する機器、装填、硬化(例えば、大きな炉)および硬化したケーキの薄片化、への充填された金型の移送を容易にし、反りを生むことなくプロセスに伴う温度幅に耐えることができる。好ましくは、使用する金型基部(2)は、ステンレス鋼(より好ましくは316ステンレス鋼)から作られる。
【0045】
一体化窓を有する研磨層を作る本発明の方法の使用に好適な窓用ブロック材料は、当技術分野において周知である。
【0046】
本発明の方法で使用する窓接着剤(11)は、窓用ブロック(9,19)とライナー(4)の上面(6,12)とを接着するのに好適な任意の接着剤であることができる。好ましくは、使用する窓接着剤(11)は、窓用ブロック(9,19)とライナー(4)の上面(6,12)とを十分な強度で接着することにより、金型キャビティ内への硬化性材料の装填中およびケーキの薄片化作業中にライナー(4)の上面(6,12)からの窓用ブロック(9,19)の剥離を防止する。使用する窓接着剤(11)は、好ましくは低揮発性成分を示し、これにより、金型キャビティ内への硬化性材料の装填中およびその材料の硬化中のオフガス排出を最小限にする。好ましくは、窓接着剤(11)は反応性化学的硬化接着剤(最も好ましくは、二液型接着剤)である。反応性化学的硬化二液型接着剤は、例として、二液性エポキシ接着剤(例えば、Adtech(登録商標)EA-616 Epoxy Weld Adhesive)、二液性メチルメタクリレート接着剤(例えば、Plexus(商標)MA310二液型メタクリレート接着剤)、二液性シリコン接着剤(例えば、Elastosil(登録商標)P 7670 A/B)および二液性ウレタン接着剤(例えば、Loctite(登録商標)U09LV)を包含する。
【0047】
本発明の方法で使用するライナーの上面(12)は、金型キャビティ(20)の水平内部境界(14)を画定する。(例えば、
図2〜3参照)。好ましくは、金型キャビティ(20)の水平内部境界(14)はフラットである。より好ましくは、金型キャビティ(20)の水平内部境界(14)はフラットであり、かつ金型キャビティの中心軸C
axisと実質的に垂直である。最も好ましくは、金型キャビティ(20)の水平内部境界(14)はフラットであり、かつ金型キャビティの中心軸C
axisと本質的に垂直である。
【0048】
本発明の方法で使用する金型(10)の囲壁部(15)は、金型キャビティ(20)の垂直内部境界(18)を画定する。(例えば、
図2〜3参照)。好ましくは、囲壁部は、x−y平面(30)と実質的に垂直な、金型キャビティ(20)の垂直内部境界(18)を画定する。より好ましくは、囲壁部は、x−y平面(30)と本質的に垂直な、金型キャビティ(20)の垂直内部境界(18)を画定する。
【0049】
金型キャビティ(20)は、z−軸と一致し、金型キャビティ(20)の水平内部境界(14)と中心点(21)で交差する中心軸C
axis(22)を有する。好ましくは、中心点(21)は、x−y平面(30)上に投影される金型キャビティ(20)の断面C
x−sect(24)の幾何学的中心に位置する。(例えば、
図2〜4参照)。
【0050】
x−y平面上に投影される金型キャビティの断面C
x−sectは、任意の正または非正二次元形状であることができる。好ましくは、金型キャビティの断面C
x−sectは、多角形および楕円形から選択される。より好ましくは、金型キャビティの断面C
x−sectは、平均半径r
C(好ましくは、r
Cは20〜100cmであり;より好ましくは25〜65cmであり;最も好ましくは40〜60cmである)を有する実質的に円形の断面である。最も好ましくは、金型キャビティは、実質的に円形の断面C
x−sectを有する略直円柱形状領域の形状であり;金型キャビティが金型キャビティの中心軸C
axisと一致する対称軸C
x−symを有し;直円柱形状領域が以下に定義される断面積C
x−areaを有し:
C
x−area=πr
C2
ここで、r
Cはx−y平面上に投影される金型キャビティの断面積C
x−areaの平均半径であり;r
Cが20〜100cm(より好ましくは25〜65cm;最も好ましくは40〜60cm)である。
【0051】
金型キャビティ(20)は、ドーナツ穴領域(40)およびドーナツ領域(50)を有する。(例えば、
図3〜4参照)。窓用ブロック(図示せず)は、ドーナツ穴領域(40)およびドーナツ領域(50)の両方の外側の金型キャビティ(20)内に配置される。
【0052】
好ましくは、金型キャビティ(20)のドーナツ穴領域(40)は、x−y平面(30)上に円形断面DH
x−sect(44)を投影し、ドーナツ穴領域対称軸DH
axis(42)を有する、金型キャビティ(20)内の直円柱形状領域であり;DH
axisが金型キャビティの中心軸C
axisおよびz−軸と一致する。(例えば、
図3〜4参照)。ドーナツ穴領域(40)の円形断面DH
x−sect(44)が以下に定義される断面積DH
x−areaを有し:
DH
x−area=πr
DH2
ここで、r
DHはドーナツ穴領域の円形断面DH
x−sect(44)の半径(46)である。好ましくは、r
DH≧r
NOである(より好ましくは、r
DHが5〜25mmであり、最も好ましくは、8〜15mmである)。
【0053】
好ましくは、金型キャビティ(20)のドーナツ領域(50)は、x−y平面(30)上に環状断面D
x−sect(54)を投影し、ドーナツ領域対称軸D
axis(52)を有する、金型キャビティ(20)内のトロイド形状領域であり;D
axisが金型キャビティの中心軸C
axisおよびz−軸と一致する。(例えば、
図3〜4参照)。ドーナツ領域(50)の環状断面D
x−sect(54)は、以下に定義される断面積D
x−areaを有し:
D
x−area=πR
D2−πr
D2
ここで、R
Dはドーナツ領域の環状断面D
x−sectの長半径(56)であり;r
Dはドーナツ領域の環状断面D
x−sectの短半径(58)であり;r
D≧r
DHであり;R
D>r
Dであり;R
D<r
Cである。好ましくは、r
D≧r
DHであり、r
Dが5〜25mmである。より好ましくは、r
D≧r
DHであり、r
Dが8〜15mmである。好ましくは、r
D≧r
DHであり;R
D>r
Dであり;R
D≦(K
*r
C)であり、Kが0.01〜0.2(より好ましくは、0.014〜0.1、最も好ましくは、0.04〜0.086)である。より好ましくは、r
D≧r
DHであり;R
D>r
Dであり;R
Dは20〜100mm(より好ましくは、20〜80mm、最も好ましくは、25〜50mm)である。
【0054】
装填時間CPの長さ(秒)は、有意に変動することができる。例として、装填時間CPの長さは、金型キャビティのサイズ、平均装填流量CR
avgおよび硬化性材料の特性(例えば、ゲル化時間)に依存する。好ましくは、装填時間CPは60〜900秒(より好ましくは、60〜600秒、最も好ましくは、120〜360秒)である。通常、装填時間CPは、硬化性材料が示すゲル化時間によって制約される。好ましくは、装填時間CPは、金型キャビティに装填されている硬化性材料が示すゲル化時間以下である。より好ましくは、装填時間CPは、硬化性材料が示すゲル化時間未満である。
【0055】
装填流量CR(kg/sec)は、装填時間CPの途中で変動させることができる。例として、装填流量CRは、断続的であることができる。換言すれば、装填流量CRは、装填時間の途中で一回以上、一時的にゼロまで低下させることができる。好ましくは、硬化性材料は、装填時間にわたり、本質的に一定の流量で金型キャビティに装填される。より好ましくは、硬化性材料は、装填時間CPにわたり、本質的に一定の流量で金型キャビティ内に装填され、平均装填流量CR
avgが0.015〜2kg/sec(より好ましくは、0.015〜1kg/sec、最も好ましくは、0.08〜0.4kg/sec)である。
【0056】
装填時間CPは、初期段階、転移段階および残段階として区別される三つの個別の段階に分割される。初期段階の開始は、装填時間CPの開始に相当する。初期段階の終了後、直ちに転移段階の開始となる。転移段階の終了後、直ちに残段階の開始となる。残段階の終了は、装填時間CPの終了に相当する。
【0057】
ノズルは、装填時間CPの間、移動または変形(例えば、伸縮)し、これにより、ノズル開口部の位置は三次元全ての次元で移動する。ノズル(60)は、装填時間CPの間、移動または変形(例えば、伸縮)し、これにより、ノズル開口部(62)の位置は、装填時間CPの間、金型キャビティ(120)の水平内部境界(112)に対して金型キャビティの中心軸C
axis(122)に沿って移動し、硬化性材料(70)が金型キャビティ(120)内に溜められる際に、ノズル開口部(62)の位置が硬化性材料(70)の上面(72)の上方に維持される。(
図5A〜5B参照)。好ましくは、ノズル開口部(62)の位置は、装填時間CPの間、金型キャビティ(120)の水平内部境界(112)に対して金型キャビティの中心軸C
axis(122)に沿って移動し、硬化性材料(70)が金型キャビティ(120)内に溜められる際に、硬化性材料(70)の上面(72)の上方の高度(65)にノズル開口部(62)の位置が維持され;ここで、高度は>0〜30mm(より好ましくは、>0〜20mm、最も好ましくは、5〜10mm)である。(
図5B参照)。金型キャビティの中心軸C
axisに沿ったノズル開口部の位置の動き(すなわち、z次元での動き)は、装填時間中に一時的に停止することができる。好ましくは、ノズル開口部の位置は、各転移段階転移点TP
TP(そのような転移点がある場合)および各残段階転移点TP
RPにおいて、金型キャビティの中心軸C
axisに対するその動きを一時的に停止する(すなわち、ノズル開口部の位置のz次元での移動を一時的に止める)。
【0058】
ノズル開口部の位置は、装填時間の初期段階の全体にわたって(すなわち、初期段階の継続する間)、金型キャビティのドーナツ穴領域内にある。ノズル開口部の位置は、初期段階の全体にわたって固定させたままにしておくことができ、この場合、初期段階開始点SP
IPと初期段階終点EP
IPとは同じ位置である(すなわち、SP
IP=EP
IP)。好ましくは、SP
IP=EP
IPである時、初期段階は、>0〜90秒の長さ(より好ましくは、>0〜60秒の長さ;最も好ましくは、5〜30秒の長さ)である。最も好ましくは、ノズル開口部の位置は、装填時間の初期段階の開始から、金型キャビティ内の硬化性材料の上面が上昇し始め、その時点で転移段階が始まるまで固定されたままであり;この場合、初期段階開始点SP
IP(80)と初期段階終点EP
IP(81a)(この点は、転移段階開始点SP
TP(82a)と一致する)とは、金型キャビティ(220)のドーナツ穴領域(140)内の、金型キャビティの中心軸C
axis(222)に沿った同じ位置である。好ましくは、ドーナツ穴領域(140)は直円柱であり;ドーナツ穴の対称軸DH
axis(142)が金型キャビティの中心軸C
axis(222)およびz−軸と一致する。(
図6A〜6C参照)。ノズル開口部の位置は、初期段階の間に移動することができ、この場合、初期段階開始点SP
IPが初期段階終点EP
IPとは異なる(すなわち、SP
IP≠EP
IP)。好ましくは、SP
IP≠EP
IPの時、初期段階は、>0〜(CP−10.02)秒の長さであり;ここで、CPは装填時間(秒)である。より好ましくは、SP
IP≠EP
IPの時、初期段階は、>0〜(CP−30)秒の長さであり;ここで、CPは装填時間(秒)である。最も好ましくは、装填時間の初期段階の間、金型キャビティ(220)内の硬化性材料の上面が上昇する時、ノズル開口部の位置は、好ましくは、金型キャビティ(220)のドーナツ穴領域(140)内を金型キャビティの中心軸C
axis(222)に沿って、初期段階開始点SP
IP(80)から初期段階終点EP
IP(81b)(この点は、転移段階開始点SP
TP(82b)と一致する)へと移動し、硬化性材料が金型キャビティ(220)内に溜められる際に、装填時間の初期段階の全体にわたってノズル開口部の位置が硬化性材料の上面の上方の高度に維持される。(
図6A〜6C参照)。
【0059】
ノズル開口部の位置は、装填時間の転移段階の間、金型キャビティのドーナツ穴領域内の点からドーナツ領域内の点へと移動する。好ましくは、転移段階は、0.02〜30秒の長さ(より好ましくは、0.2〜5秒の長さ;最も好ましくは、0.6〜2秒の長さ)である。好ましくは、ノズル開口部の位置は、転移段階の間、金型キャビティの中心軸C
axisに対して10〜70mm/sec(より好ましくは、15〜35mm/sec、最も好ましくは、20〜30mm/sec)の平均速度で移動する。好ましくは、ノズル開口部の位置の移動は、各転移段階転移点TP
TP(そのような転移点がある場合)および転移段階終点EP
TPにおいて、金型キャビティの中心軸C
axisに対するその動きを一時的に停止する(すなわち、xおよびy次元での移動を一時的に止める)。好ましくは、ノズル開口部の位置は、転移段階の間、転移段階開始点SP
TPから任意の転移段階転移点TP
TPを通って転移段階終点EP
TPへと、金型キャビティの中心軸C
axisに対して一定の速度で移動する。好ましくは、転移段階の間、ノズル開口部の位置は、転移段階開始点SP
TPから複数の転移段階転移点TP
TPを通って転移段階終点EP
TPへと移動し;x−y平面上に投影される転移段階の経路が略曲線の形状である(より好ましくは、転移段階の経路が略螺旋状緩和曲線の形状である)。最も好ましくは、転移段階の間、ノズル開口部の位置は、転移段階開始点SP
TPから転移段階終点EP
TPへと直接移動し;x−y平面上に投影される転移段階の経路は直線である。
【0060】
図6A〜6Cは、中心軸C
axis(222);対称軸DH
axis(142)を持つ直円柱形状のドーナツ穴領域(140);および対称軸D
axis(152)を持つトロイド形状のドーナツ領域(150)を有する金型キャビティ(220)内での三つの異なる転移段階の経路を示し;金型キャビティの中心軸C
axis(222)、ドーナツ穴の対称軸DH
axis(142)およびドーナツの対称軸D
axis(152)の各々がz軸と一致し;窓用ブロック(99)がドーナツ穴領域(140)およびドーナツ領域(150)の両方の外側の金型キャビティ(220)内において窓接着剤(98)で接合されている。
図6A〜6Cに示した転移段階の第一の経路は、金型キャビティ(220)のドーナツ穴領域(140)内の転移段階開始点SP
TP(82a)から始まり、金型キャビティ(220)のドーナツ領域(150)内の転移段階終点EP
TP(89)へと直接進行し;この場合、転移段階の経路83aが単一直線(84)としてx−y平面(130)上に投影される。
図6A〜6Cに示した転移段階の第二の経路は、金型キャビティ(220)のドーナツ穴領域(140)内の転移段階開始点SP
TP(82b)から始まり、金型キャビティ(220)のドーナツ領域(150)内の転移段階終点EP
TP(89)へと直接進行し、この場合、転移段階の経路83bが単一直線(84)としてx−y平面(130)上に投影される。
図6A〜6Cに示した転移段階の第三の経路は、ドーナツ穴領域(140)内の転移段階開始点SP
TP(82a)から始まり;ドーナツ穴領域(140)内の転移段階転移点TP
TP(88)を通って転移し;次に、ドーナツ領域(150)内に位置する転移段階終点EP
TP(89)へと進行し;この場合、転移段階の経路(85)が一対の接続線(87)をx−y平面(130)上に投影する。ここで留意すべきことは、転移段階終点EP
TP(89)が残段階開始点SP
RP(90)に相当することである(すなわち、これらは同じ位置である)。
【0061】
ノズル開口部の位置は、装填時間の残段階の間、ドーナツ領域内にある(すなわち、装填時間の残段階のほんの一部の間において、ノズル開口部の位置はドーナツ穴領域を通過する、またはドーナツ穴領域にあることができる)。好ましくは、ノズル開口部の位置は、装填時間の残段階の全体にわたって(すなわち、残段階の継続する間)ドーナツ領域内にある。好ましくは、残段階は≧10秒の長さである。より好ましくは、残段階は、10〜<(CP−0.2)秒の長さであり;ここで、CPは装填時間(秒)である。なおもより好ましくは、残段階は、30〜<(CP−0.2)秒の長さであり;ここで、CPは装填時間(秒)である。最も好ましくは、残段階は、0.66
*CP〜<(CP−0.2)秒の長さであり;ここで、CPは装填時間(秒)である。好ましくは、ノズル開口部の位置は、残段階の間、金型キャビティの中心軸C
axisに対して10〜70mm/sec(より好ましくは、15〜35mm/sec、最も好ましくは、20〜30mm/sec)の平均速度で移動する。好ましくは、ノズル開口部の位置は、各残段階転移点TP
RPにおいて、金型キャビティの中心軸C
axisに対するその動きを一時的に停止することができる(すなわち、ノズル開口部の位置のxおよびy次元での移動を一時的に止めることができる)。好ましくは、ノズル開口部の位置は、残段階の間、残段階開始点SP
RPから残段階転移点TP
RPの各々を通って、金型キャビティの中心軸C
axisに対して一定の速度で移動する。好ましくは、残段階の間、ノズル開口部の位置は、残段階開始点SP
RPから複数の残段階転移点TP
RPを通って移動し;残段階の経路が一連の接続線をx−y平面上に投影する。好ましくは、残段階転移点TP
RPは、全て金型キャビティのドーナツ領域内に位置する。好ましくは、残段階の経路によってx−y平面上に投影される一連の接続線は、略円または金型キャビティの中心軸C
axisからの変動し得る距離の二次元の略螺旋状の形状である。好ましくは、残段階の経路によってx−y平面上に投影される一連の接続線は、二次元の略螺旋状の形状であり、次に続く残段階転移点TP
RPが金型キャビティの中心軸C
axisからの距離を増加または減少させてx−y平面上に投影される。より好ましくは、残段階の経路によってx−y平面上に投影される一連の接続線は、略円の形状であり、次に続く残段階転移点TP
RPが均等な金型キャビティの中心軸C
axisからの距離でx−y平面上に投影し、残段階の経路によってx−y平面上に投影される一連の接続線が正(すなわち、等辺等角)多角形である。好ましくは、正多角形は、≧5個の辺(より好ましくは、≧8個の辺;最も好ましくは、≧10個の辺;好ましくは、≦100個の辺;より好ましくは、≦50個の辺;最も好ましくは、≦20個の辺)を有する。最も好ましくは、残段階の経路は、略渦巻の形状である。換言すれば、残段階の間、ノズル開口部の位置は、金型キャビティの中心軸C
axisに沿って移動を続けて、金型キャビティ内に溜められている硬化性材料の上面の上方における所望の高度を維持し、一方、それと同時にノズル開口部の位置は、x−y平面上に正多角形を投影する経路を進む(好ましくは、正多角形が5〜100個の辺;より好ましくは、5〜50個の辺;なおもより好ましくは、8〜25個の辺;最も好ましくは、8〜15個の辺を有する)。
【0062】
図7A〜7Cは、中心軸C
axis(222);対称軸DH
axis(142)を持つ直円柱形状のドーナツ穴領域(140);および対称軸D
axis(152)を持つトロイド形状のドーナツ領域(150)を有する金型キャビティ(220)内において略渦巻の形状の、好ましい残段階の経路(95)の一部分を示し;金型キャビティの中心軸C
axis(222)、ドーナツ穴の対称軸DH
axis(142)およびドーナツの対称軸D
axis(152)の各々がz軸と一致し;窓用ブロック(99)がドーナツ穴領域(140)およびドーナツ領域(150)の両方の外側の金型キャビティ(220)内において窓接着剤(98)で接合されている。残段階の経路(95)は、金型キャビティ(220)のドーナツ領域(150)内の残段階開始点SP
RP(90)から始まり、金型キャビティ(220)のドーナツ領域(150)内の複数の残段階転移点TP
RP(92)を通って進行し;全ての残段階転移点TP
RPが金型キャビティの中心軸C
axis(222)から均等の距離にあり;残段階の経路95が正十面体(100)を形成する十本の均等の長さの線(97)としてx−y平面(130)上に投影される。ここで留意すべきことは、残転移開始点SP
RP(90)が転移段階終点EP
TP(89)に相当することである(すなわち、これらは同じ位置である)。
【0063】
硬化性材料は、液状プレポリマーを含む。好ましくは、硬化性材料は、液状プレポリマーおよび複数の微小成分を含み、複数の微小成分が液状プレポリマー中に均一に分散している。
【0064】
液状プレポリマーは、好ましくは、重合(すなわち、硬化)して、ポリ(ウレタン)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ナイロン、ポリエーテル、ポリエステル、ポリスチレン、アクリル系ポリマー、ポリ尿素、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリエチレンイミン、ポリアクリロニトリル、ポリエチレンオキサイド、ポリオレフィン、ポリアクリル酸アルキル、ポリメタクリル酸アルキル、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリケトン、エポキシ、シリコーン、エチレンプロピレンジエン単量体から形成されたポリマー、タンパク質、多糖類、ポリアセテートおよび前述の少なくとも2つの組み合わせから選択される材料を形成する。好ましくは、液状プレポリマーは、重合して、ポリ(ウレタン)を含む材料を形成する。より好ましくは、液状プレポリマーは、重合して、ポリウレタンを含む材料を形成する。最も好ましくは、液状プレポリマーは、重合(硬化)して、ポリウレタンを形成する。
【0065】
好ましくは、液状プレポリマーは、ポリイソシアネート含有材料を含む。より好ましくは、液状プレポリマーは、ポリイソシアネート(例えば、ジイソシアネート)と水酸基含有材料との反応生成物を含む。
【0066】
好ましくは、ポリイソシアネートは、メチレンビス−4,4’−シクロヘキシル−イソシアネート;シクロヘキシルジイソシアネート;イソホロンジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート;プロピレン−1,2−ジイソシアネート;テトラメチレン−1,4−ジイソシアネート;1,6−ヘキサメチレン−ジイソシアネート;ドデカン−1,12−ジイソシアネート;シクロブタン−1,3−ジイソシアネート;シクロヘキサン−1,3−ジイソシアネート;シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート;1−イソシアナト−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチルシクロヘキサン;メチルシクロヘキシレンジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネートのトリイソシアネート;2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジイソシアネートのトリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネートのウレトジオン;エチレンジイソシアネート;2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート;2,4,4−トリ−メチルヘキサメチレンジイソシアネート;ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート;およびこれらの組み合わせから選択される。最も好ましくは、ポリイソシアネートは脂肪族であり、14パーセント未満の未反応イソシアネート基を有する。
【0067】
好ましくは、本発明で使用する水酸基含有材料は、ポリオールである。例示的なポリオールは、例として、ポリエーテルポリオール、(部分的および完全に水素化された誘導体を包含する)水酸基末端ポリブタジエン、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオールおよびこれらの混合物を包含する。
【0068】
好ましいポリオールは、ポリエーテルポリオールを包含する。ポリエーテルポリオールの例は、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(「PTMEG」)、ポリエチレンプロピレングリコール、ポリオキシプロピレングリコールおよびこれらの混合物を包含する。炭化水素鎖は、飽和または不飽和結合、ならびに置換または無置換の芳香族および環状基を有することができる。好ましくは、本発明のポリオールは、PTMEGを包含する。好適なポリエステルポリオールは、ポリエチレンアジペートグリコール;ポリブチレンアジペートグリコール;ポリエチレンプロピレンアジペートグリコール;o−フタレート−1,6−ヘキサンジオール;ポリ(ヘキサメチレンアジペート)グリコール;およびこれらの混合物を非限定的に包含する。炭化水素鎖は、飽和もしくは不飽和結合、または置換もしくは無置換の芳香族および環状基を有することができる。好適なポリカプロラクトンポリオールは、1,6−ヘキサンジオール開始ポリカプロラクトン;ジエチレングリコール開始ポリカプロラクトン;トリメチロールプロパン開始ポリカプロラクトン;ネオペンチルグリコール開始ポリカプロラクトン;1,4−ブタンジオール開始ポリカプロラクトン;PTMEG開始ポリカプロラクトン;およびこれらの混合物を非限定的に包含する。炭化水素鎖は、飽和もしくは不飽和結合、または置換もしくは無置換の芳香族および環状基を有することができる。好適なポリカーボネートは、ポリフタレートカーボネートおよびポリ(ヘキサメチレンカーボネート)グリコールを非限定的に包含する。
【0069】
好ましくは、複数の微小成分は、封入気泡、中空ポリマー材料(すなわち、微小球)、液状充填中空ポリマー材料、水溶性材料(例えば、シクロデキストリン)および不溶相材料(例えば、鉱物油)から選択される。好ましくは、複数の微小成分は、ポリビニルアルコール、ペクチン、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリエチレングリコール、ポリヒドロキシエーテルアクリライト、デンプン、マレイン酸共重合体、ポリエチレンオキサイド、ポリウレタン、シクロデキストリンおよびこれらの組み合わせ(例えば、スウェーデン、スンツヴァル市のAkzo Nobelより入手可能なExpancel(商標))などの微小球である。微小球は、例として、分岐化、ブロッキングおよび架橋により化学的に修飾し、溶解性、膨潤性および他の特性を変化させることができる。好ましくは、微小球は、150μm未満の平均径、より好ましくは、50μm未満の平均径を有する。最も好ましくは、微小球48は、15μm未満の平均径を有する。微小球の平均径は変動することもでき、サイズの異なる微小球、または異なる微小球48の混合物を使用することができることに留意されたい。最も好ましい微小球の材料は、アクリロニトリルおよび塩化ビニリデンの共重合体(例えば、Akzo Nobelより入手可能なExpancel(登録商標))である。
【0070】
液状プレポリマーは、場合により、さらに硬化剤を含む。好ましい硬化剤は、ジアミンを包含する。好適なポリジアミンは、第一級および第二級アミンの両方を包含する。好ましいポリジアミンは、ジエチルトルエンジアミン(「DETDA」);3,5−ジメチルチオ−2,4−トルエンジアミンおよびその異性体;3,5−ジエチルトルエン−2,4−ジアミンおよびその異性体(例えば、3,5−ジエチルトルエン−2,6−ジアミン);4,4’−ビス−(sec−ブチルアミノ)−ジフェニルメタン;1,4−ビス−(sec−ブチルアミノ)−ベンゼン;4,4’−メチレン−ビス−(2クロロアニリン);4,4’−メチレン−ビス−(3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン)(「MCDEA」);ポリテトラメチレンオキサイド−ジ−p−アミノベンゾエート;N,N’−ジアルキルジアミノジフェニルメタン;p,p’−メチレンジアニリン(「MDA」);m−フェニレンジアミン(「MPDA」);メチレン−ビス2−クロロアニリン(「MBOCA」);4,4’−メチレン−ビス−(2−クロロアニリン)(「MOCA」);4,4’−メチレン−ビス−(2,6−ジエチルアニリン)(「MDEA」);4,4’−メチレン−ビス−(2,3−ジクロロアニリン)(「MDCA」);4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチル−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、2,2’,3,3’−テトラクロロジアミノジフェニルメタン;トリメチレングリコール−ジ−p−アミノベンゾエート;およびこれらの混合物を非限定的に包含する。好ましくは、ジアミン硬化剤は、3,5−ジメチルチオ−2,4−トルエンジアミンおよびその異性体から選択される。
【0071】
硬化剤は、ジオール、トリオール、テトラオールおよび水酸基末端硬化剤を包含することもできる。好適なジオール、トリオールおよびテトラオール基は、エチレングリコール;ジエチレングリコール;ポリエチレングリコール;プロピレングリコール;ポリプロピレングリコール;低分子量ポリテトラメチレンエーテルグリコール;1,3−ビス−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン;1,3−ビス−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]ベンゼン;1,3−ビス−{2−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]エトキシ}ベンゼン;1,4−ブタンジオール;1,5−ペンタンジオール;1,6−ヘキサンジオール;レゾルシノール−ジ−(ベータ−ヒドロキシエチル)エーテル;ヒドロキノン−ジ−(ベータ−ヒドロキシエチル)エーテル;およびこれらの混合物を包含する。好ましい水酸基末端硬化剤は、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン;1,3−ビス−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]ベンゼン;1,3−ビス−{2−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]エトキシ}ベンゼン;1,4−ブタンジオール;およびこれらの混合物を包含する。水酸基末端硬化剤およびジアミン硬化剤は、飽和、不飽和の芳香族および環状基を一つ以上包含することができる。また、水酸基末端硬化剤およびジアミン硬化剤は、ハロゲン基を一つ以上包含することができる。
【0072】
好ましくは、本発明の方法を使用して生成されたケーキは、装填時間CPの全体にわたってノズル開口部の位置が金型キャビティの中心軸C
axisに沿って一次元でのみ移動(すなわち、硬化性材料を金型キャビティ内に溜める際に、硬化性材料の上面の上方に設定された高度にノズル開口部の位置を維持するために移動)する以外は同じプロセスを使用して生成されたケーキと比較して、より少ない密度欠陥を含有する。より好ましくは、本発明の方法を使用して生成されたケーキは、密度欠陥を有さない研磨層がケーキ当たり少なくとも50%(より好ましくは、少なくとも75%、最も好ましくは、少なくとも100%)多い割合で提供される。なおもより好ましくは、金型キャビティは、平均半径r
Cを有する実質的に円形の断面を有し;ここで、r
Cは40〜60cmであり;本発明の方法を使用して生成されたケーキは、装填時間CPの全体にわたってノズル開口部の位置が金型キャビティの中心軸C
axisに沿って一次元でのみ移動する以外は同じプロセスを使用して生成されたケーキと比較して、密度欠陥を有さない研磨層数の2倍の増加(より好ましくは、3倍の増加)を提供する。
【0073】
本発明の方法において、硬化したケーキは、刃先を有する薄片化ブレードを使用して、所望の厚さの複数の研磨層に薄片化される。好ましくは、ストロッピング研磨剤が薄片化ブレードの刃先に適用され、ケーキを各研磨層が一体化窓を有する複数の研磨層に薄片化する前に、革砥を使用して刃先をホーニングする。本発明の方法で使用するストロッピング研磨剤は、好ましくは、脂肪酸に分散した酸化アルミニウムの砥粒を含む。より好ましくは、本発明の方法で使用するストロッピング研磨剤は、18〜35wt%の脂肪酸に分散した70〜82wt%の酸化アルミニウムの砥粒を含む。本発明の方法で使用する革砥は、好ましくは、革製の革砥である。最も好ましくは、本発明の方法で使用する革砥は、回転工具(例えば、Dremel(登録商標)回転工具)とともに使用するように設計された革製の革砥である。
【0074】
場合により、本発明の方法において、硬化したケーキを加熱して、薄片化作業を容易にする。好ましくは、硬化したケーキを各研磨層が一体化窓を有する複数の研磨層に薄片化する薄片化作業中に、硬化したケーキは、赤外線加熱灯を使用して加熱される。
【0075】
好ましくは、本発明の方法を使用して生成された研磨層は、装填時間CPの全体にわたってノズル開口部の位置が金型キャビティの中心軸C
axisに沿って一次元でのみ移動(すなわち、硬化性材料を金型キャビティ内に溜める際に、硬化性材料の上面の上方に設定された高度にノズル開口部の位置を維持するために移動)し、ケーキの薄片化前に薄片化ブレードを革砥で研ぐのではなく砥石で研ぐこと以外は同じプロセスを使用して生成された研磨層と比較して、表面粗さが減少した研磨面を示す。より好ましくは、本発明の方法を使用して生成された研磨層は、表面粗さが少なくとも10%(より好ましくは、少なくとも20%;最も好ましくは、少なくとも25%)低減した研磨面を示す。