特許第6091279号(P6091279)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6091279
(24)【登録日】2017年2月17日
(45)【発行日】2017年3月8日
(54)【発明の名称】ホーム監視装置
(51)【国際特許分類】
   B61L 23/00 20060101AFI20170227BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20170227BHJP
   B61B 1/02 20060101ALN20170227BHJP
【FI】
   B61L23/00 Z
   H04N7/18 D
   !B61B1/02
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-60259(P2013-60259)
(22)【出願日】2013年3月22日
(65)【公開番号】特開2014-184803(P2014-184803A)
(43)【公開日】2014年10月2日
【審査請求日】2016年3月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001122
【氏名又は名称】株式会社日立国際電気
(72)【発明者】
【氏名】丸林 功
【審査官】 東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−179909(JP,A)
【文献】 特開2008−298501(JP,A)
【文献】 特開平08−058587(JP,A)
【文献】 特開平09−226584(JP,A)
【文献】 実開昭60−098980(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B61L 23/00
H04N 7/18
B61B 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駅のホームに設置され、前記ホームに停車する列車の乗降状況を撮影する複数の監視カメラと、前記ホームに設置され、前記監視カメラで撮影した映像を表示する複数の監視モニタとを有し、前記列車に乗車する車掌が前記監視モニタの映像を見て安全確認を行うホーム監視装置において、
前記ホームに設置され、前記列車を構成する複数の車両を検知する複数のセンサと、
前記複数のセンサから入力された前記複数の車両の検知の有無、及び検知時刻を含む検知情報を出力するセンサ情報処理部と、
前記センサ情報処理部から入力された前記検知情報に基づいて、前記複数の監視モニタの電源のON/OFF制御を行う総合情報処理部と、を備え、
前記総合情報処理部は、前記センサ情報処理部から入力された前記検知情報から、前記複数のセンサそれぞれの検知[有]始まり時刻及び検知[有]終了時刻を解析し、前記複数のセンサ同士の検知[有]始まり時刻及び検知[有]終了時刻の関係を求め、前記列車の運行方向及び車両編成数を判定し、当該判定結果に基づいて、前記複数の監視モニタの電源のON/OFF制御を行うことを特徴とするホーム監視装置。
【請求項2】
請求項1記載のホーム監視装置において、前記複数の監視カメラで撮影した前記映像を解析し、前記列車の速度、進入時刻及び出発時刻を示す列車情報を出力する画像情報処理部を備え、
前記総合情報処理部は、前記センサ情報処理部から入力された前記検知情報と、前記画像情報処理部から入力された前記列車情報に基づいて、前記複数の監視モニタの電源のON/OFF制御を行うことを特徴とするホーム監視装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、列車の乗降状況を撮影する監視カメラの映像をプラットホームに設置された監視モニタに表示して監視を行うホーム監視装置であって、特に、監視モニタの電源の効率的なON/OFF制御が可能なホーム監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
旅客輸送用鉄道システムにおいては、通常、乗客の乗車と降車にプラットホーム(以下、ホームと略記)を利用するのが一般的であり、従って、この場合、駅での安全性確保にはホームでの監視が有効であり、ほとんど不可欠である。
また、列車の車両長が長い場合には、ホームの安全状況を確認するために、列車の先頭付近〜中間車両付近を監視カメラで撮影したホーム映像を、列車の最後尾車両近傍のホーム上に設置したモニタに映し出し、最後尾車両に乗車した車掌がその映像を見て安全確認を行っている。
なお、列車とは、通常、複数台の車両で編成されたものを指すが、ここでは列車と車両を特に使い分けすることなく、何れも同じものを表す用語として使用する。
【0003】
特許文献1には、列車用ドアの安全確認のための監視システムの監視装置に係り、特に列車用ドアの戸閉り異常を低コストで確認する列車用ドアの安全確認のための監視システムの監視装置が開示されている。また、特許文献1の段落〔0028〕には、監視モニタ110は、複数の監視カメラの画像を表示することができ、ドア閉め後に車側灯30が点滅等している場合、当該ドア20をズームして表示することができることが記載されており、また、段落〔0003〕には、監視カメラの映像を駅務員室や指令所でのモニタで確認できることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−240846号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の監視システムの監視装置では、監視モニタ110の電源のON/OFF制御に関しての記載はなく、特に、不要な監視モニタをOFFすることによる電力節減効果については触れられていない。
また、従来、ホーム上に設置された複数の監視モニタの電源のON/OFF制御に関しては、鉄道において線路上の特定区間に列車が存在するかどうかを検知する電気的な装置である軌道回路からの信号を使って行われていた。しかし、軌道回路信号は大まかな車両位置を把握するためのものであって、列車の正確な位置や出発方向を判断することはできないという問題があった。また、編成長や停止位置の異なる車両の判断も困難であるため、監視モニタもその停止位置に合わせてホーム上の複数個所に設置されるが、その全てのモニタが一斉にON/OFFしてしまい運行に不要な監視モニタの選択ができない状況であった。
【0006】
本発明は、このような従来の事情に鑑みなされたものであり、列車の運行方向並びに列車の車両編成数に応じて、駅のプラットホームに設置された複数の監視モニタの電源を適宜ON/OFF制御することによって、電力節減効果を得ることが可能なホーム監視装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明のホーム監視装置は、駅のホームに設置され、前記ホームに停車する列車の乗降状況を撮影する複数の監視カメラと、前記ホームに設置され、前記監視カメラで撮影した映像を表示する複数の監視モニタとを有し、前記列車に乗車する車掌が前記監視モニタの映像を見て安全確認を行うホーム監視装置において、 前記ホームに設置され、前記列車を構成する複数の車両を検知する複数のセンサと、 前記複数のセンサから入力された前記複数の車両の検知の有無、及び検知時刻を含む検知情報を出力するセンサ情報処理部と、前記センサ情報処理部から入力された前記検知情報に基づいて、前記複数の監視モニタの電源のON/OFF制御を行う総合情報処理部と、を備え、前記総合情報処理部は、前記センサ情報処理部から入力された前記検知情報から、前記複数のセンサそれぞれの検知[有]始まり時刻及び検知[有]終了時刻を解析し、前記複数のセンサ同士の検知[有]始まり時刻及び検知[有]終了時刻の関係を求め、前記列車の運行方向及び車両編成数を判定し、当該判定結果に基づいて、前記複数の監視モニタの電源のON/OFF制御を行うことを特徴とする。
【0008】
また、上記目的を達成するための本発明のホーム監視装置は、上記ホーム監視装置において、前記複数の監視カメラで撮影した前記映像を解析し、前記列車の速度、進入時刻及び出発時刻を示す列車情報を出力する画像情報処理部を備え、前記総合情報処理部は、前記センサ情報処理部から入力された前記検知情報と、前記画像情報処理部から入力された前記列車情報に基づいて、前記複数の監視モニタの電源のON/OFF制御を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、列車の運行方向並びに列車の車両編成数に応じて、駅のプラットホームに設置された複数の監視モニタの電源を適宜ON/OFF制御することによって、電力節減効果を得ることが可能なホーム監視装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施の形態1に係るホーム監視装置1の構成の一例を示すブロック図である。
図2】本発明の実施の形態1に係るホーム監視装置1の構成の他の例を示すブロック図である。
図3】本発明の実施の形態1に係るホーム監視装置1の監視モニタ50の電源のON/OFF制御処理のフローチャートである。
図4】総合情報処理部10の記憶部に記憶されたセンサ検知情報のテーブルの一例を示す図である。
図5】総合情報処理部10で行う列車100の運行方向及び車両編成の判定、並びに監視モニタの電源のON/OFF制御について説明するための図である。
図6】本発明の実施の形態2に係るホーム監視装置2の構成の一例を示すブロック図である。
図7】本発明の実施の形態2に係るホーム監視装置2の監視モニタ50の電源のON/OFF制御処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<実施の形態1>
〔ホーム監視装置1の制御構成〕
以下に、本発明の実施の形態1に係るホーム監視装置について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態1に係るホーム監視装置1の構成の一例を示すブロック図であり、また、図2は、本発明の実施の形態1に係るホーム監視装置1の構成の他の例を示すブロック図である。
図1は、左方向を通常の運行方向とする列車100がプラットホーム200に停車した状態を示しており、列車100は、1号車100aを先頭車として、2号車100b、3号車100c、及び4号車100dまたは/および5号車100eが連結された4両編成または5両編成の列車である。
また、図2は、図1とは逆方向の右方向に運行する列車100がプラットホーム200に停車した状態を示しており、この場合の列車100は、5号車100eを先頭車として、4号車100d、3号車100c、及び2号車100bまたは/および1号車100aが連結された4両編成または5両編成の列車である。
なお、図1図2のホーム監視装置1の構成は、列車100の運行方向が異なる以外は全く同様の構成となっている。
【0012】
本発明の実施の形態1に係るホーム監視装置1は、図1及び図2に示すように、列車100の側面に配置した複数のセンサ60−1,60−2,60−3,60−4(以下、総称する場合はセンサ60という)と、列車100に乗客が乗降する状況を撮影する複数の監視カメラ40−1,40−2,40−3,40−4(以下、総称する場合は監視カメラ40という)と、監視カメラ40で撮影した監視映像を表示する複数の監視モニタ50−1,50−2,50−3,50−4(以下、総称する場合は監視モニタ50という)と、センサ60から入力された検知信号を処理するセンサ情報処理部30と、監視カメラ40から入力された映像信号を処理する画像情報処理部20と、センサ情報処理部30と画像処理部20から入力された情報に基づいて監視モニタ50の電源のON/OFF制御を行う総合情報処理部10とを含む構成となっている。
【0013】
センサ60は、列車100がプラットホーム200に在線しているか否かを検知するためのセンサであって、例えば、磁気センサ、超音波センサ、または赤外線センサ等を用い、駅のプラットホームの構造によって適宜使い分けるようにする。なお、本発明の実施の形態1では、図1及び図2に示すように、列車100の1号車100aの横にセンサ60−1を、2号車100bの横にセンサ60−2を、4号車100dの横にセンサ60−3を、5号車100eの横にセンサ60−4を、それぞれ配置する。
【0014】
監視カメラ40は、列車100の前方及び後方にそれぞれ監視カメラ40−1及び監視カメラ40−4が配置され、列車100のほぼ中央に監視カメラ40−2及び監視カメラ40−3が配置される。つまり、列車100が、図1のように、通常運行する場合には、監視カメラ40−1及び監視カメラ40−2の映像を監視モニタ50−1または監視モニタ50−2に表示し、表示した映像を列車100の後尾車に乗務する車掌120が見て安全確認を行う。また、列車100が、図2のように、反対方向へ運行する場合には、監視カメラ40−3及び監視カメラ40−4の映像を監視モニタ50−3または監視モニタ50−4に表示し、表示した映像を列車100の後尾車に乗務する車掌120が見て安全確認を行う。
【0015】
センサ情報処理部30は、センサ60から入力された検知[有]/[無]信号にセンサ60の識別ID及び検知時刻等の情報を付加し、検知情報として総合情報処理部10に出力する。
画像情報処理部20は、監視カメラ40から入力された映像信号に監視カメラ40の識別ID等の情報を付加し、映像情報として総合情報処理部10に出力する。
総合情報処理部10は、センサ情報処理部30から入力されたセンサ60の検知情報を解析し、複数の監視モニタ50の電源のON/OFF制御を行うと共に、監視モニタ50に表示させる監視カメラ40の映像情報を選択し、所定の監視モニタ50に送信する。
【0016】
〔ホーム監視装置1の監視モニタ50の電源のON/OFF制御処理〕
次に、本発明の実施の形態1に係るホーム監視装置1の監視モニタ50の電源のON/OFF制御処理について、図3を参照して詳しく説明する。
図3は、本発明の実施の形態1に係るホーム監視装置1の監視モニタ50の電源のON/OFF制御処理のフローチャートである。
【0017】
ステップS101において、センサ情報処理部30は、センサ60から入力された列車100の車両の検知[有]/[無]信号を処理し、検知情報として逐次総合情報処理部10に出力する。総合情報処理部10は、センサ情報処理部30から入力された検知情報から、複数のセンサ60それぞれの検知[有]始まり時刻及び検知[有]終了時刻を解析し、図示しない記憶部にその情報を記憶する。例えば、図4は、総合情報処理部10の記憶部に記憶されたセンサ検知情報テーブルの一例を示す図である。図4に示すように、センサ検知情報テーブルには、センサ毎の検知[有]始まり時刻及び検知[有]終了時刻が記憶されており、センサ60−1の検知[有]始まり時刻t(1s)及び検知[有]終了時刻t(1e)、センサ60−2の検知[有]始まり時刻t(2s)及び検知[有]終了時刻t(2e)、センサ60−3の検知[有]始まり時刻t(3s)及び検知[有]終了時刻t(3e)、センサ60−4の検知[有]始まり時刻t(4s)及び検知[有]終了時刻t(4e)が記憶される。
【0018】
ステップS102において、総合情報処理部10は、上記したセンサ検知情報テーブルを参照し、列車100の通過または停車の判定を行う。例えば、図4のセンサ検知情報テーブルのセンサ60−1の検知[有]始まり時刻t(1s)とセンサ60−4の検知[有]始まり時刻t(4s)を基に|t(1s)−t(4s)|を求め、所定のしきい値Δtよりも小さい場合は「通過」と判定して、処理を終了し、また、所定のしきい値Δtよりも大きい場合は「停車」と判定して、ステップS103に進む。つまり、列車100がプラットホーム200を通過する場合と停車する場合とでは、列車100に速度差があって検知時間に差が生じるため、その速度差からしきい値Δtを設定し、そのしきい値Δtに基づいて、列車100の通過または停車の判定を行う。
【0019】
ステップS103において、総合情報処理部10は、センサ検知情報テーブルを参照し、列車100の運行方向及び車両編成の判定を行う。
そこで、図5の表を用いて、列車100の運行方向及び車両編成の判定方法について説明する。
図5は、総合情報処理部10で行う列車100の運行方向及び車両編成の判定、並びに監視モニタの電源のON/OFF制御について説明するための図である。
総合情報処理部10は、センサ検知情報テーブルを参照し、センサ60それぞれの検知[有]始まり時刻の関係が、例えば、項番1のように、
t(1s)>t(2s)>t(3s)>t(4s)
であって、且つ、センサ60−1の検知[有]始まり(t(1s))時、センサ60−4が検知[有]継続中であれば、列車100の「運行方向」は「通常」(図1のように、左方向)で、「車両編成」は「5両」と判定する。
また、総合情報処理部10は、センサ検知情報テーブルを参照し、センサ60それぞれの検知[有]始まり時刻の関係が、例えば、項番2のように、
t(1s)>t(2s)>t(3s)>t(4s)
であって、且つ、センサ60−1の検知[有]始まり(t(1s))時、センサ60−4が検知[有]終了後であれば、列車100の「運行方向」は「通常」(図1のように、左方向)で、「車両編成」は「4両」と判定する。
【0020】
また、総合情報処理部10は、センサ検知情報テーブルを参照し、センサ60それぞれの検知[有]始まり時刻の関係が、例えば、項番3のように、
t(1s)<t(2s)<t(3s)<t(4s)
であって、且つ、センサ60−4の検知[有]始まり(t(4s))時、センサ60−1が検知[有]継続中であれば、列車100の「運行方向」は「反対」(図2のように、右方向)で、「車両編成」は「5両」と判定する。
また、総合情報処理部10は、センサ検知情報テーブルを参照し、センサ60それぞれの検知[有]始まり時刻の関係が、例えば、項番4のように、
t(1s)<t(2s)<t(3s)<t(4s)
であって、且つ、センサ60−4の検知[有]始まり(t(4s))時、センサ60−1が検知[有]終了後であれば、列車100の「運行方向」は「反対」(図2のように、右方向)で、「車両編成」は「4両」と判定する。
【0021】
次に、ステップS104において、総合情報処理部10は、監視モニタ50の電源のON制御を行う。
総合情報処理部10は、ステップS103において、例えば、図5の項番1のように、「運行方向」⇒「通常」、「車両編成」⇒「5両」と判定した場合、センサ60−1の検知[有]始まり(t(1s))時の所定時間後(例えば、2秒後)に、監視モニタ50−2の電源をONにし、監視モニタ50−2に監視カメラ40−1及び監視カメラ40−2の映像情報を表示するよう制御する。
また、総合情報処理部10は、ステップS103において、例えば、図5の項番2のように、「運行方向」⇒「通常」、「車両編成」⇒「4両」と判定した場合、センサ60−1の検知[有]始まり(t(1s))時の所定時間後(例えば、2秒後)に、監視モニタ50−1の電源をONにし、監視モニタ50−1に監視カメラ40−1及び監視カメラ40−2の映像情報を表示するよう制御する。
【0022】
また、総合情報処理部10は、ステップS103において、例えば、図5の項番3のように、「運行方向」⇒「反対」、「車両編成」⇒「5両」と判定した場合、センサ60−4の検知[有]始まり(t(4s))時の所定時間後(例えば、2秒後)に、監視モニタ50−4の電源をONにし、監視モニタ50−4に監視カメラ40−3及び監視カメラ40−4の映像情報を表示するよう制御する。
また、総合情報処理部10は、ステップS103において、例えば、図5の項番4のように、「運行方向」⇒「反対」、「車両編成」⇒「4両」と判定した場合、センサ60−4の検知[有]始まり(t(4s))時の所定時間後(例えば、2秒後)に、監視モニタ50−3の電源をONにし、監視モニタ50−3に監視カメラ40−3及び監視カメラ40−4の映像情報を表示するよう制御する。
【0023】
次に、ステップS105において、総合情報処理部10は、監視モニタ50の電源のOFF制御を行う。
総合情報処理部10は、ステップS103において、例えば、図5の項番1のように、「運行方向」⇒「通常」、「車両編成」⇒「5両」と判定した場合、センサ60−1の検知[有]終了(t(1e))時の所定時間後(例えば、2秒後)に、監視モニタ50−2の電源をOFFにする。
また、総合情報処理部10は、ステップS103において、例えば、図5の項番2のように、「運行方向」⇒「通常」、「車両編成」⇒「4両」と判定した場合、センサ60−1の検知[有]終了(t(1e))時の所定時間後(例えば、2秒後)に、監視モニタ50−1の電源をOFFにする。
【0024】
また、総合情報処理部10は、ステップS103において、例えば、図5の項番3のように、「運行方向」⇒「反対」、「車両編成」⇒「5両」と判定した場合、センサ60−4の検知[有]終了(t(4e))時の所定時間後(例えば、2秒後)に、監視モニタ50−4の電源をOFFにする。
また、総合情報処理部10は、ステップS103において、例えば、図5の項番4のように、「運行方向」⇒「反対」、「車両編成」⇒「4両」と判定した場合、センサ60−4の検知[有]終了(t(4e))時の所定時間後(例えば、2秒後)に、監視モニタ50−3の電源をOFFにする。
【0025】
なお、本発明の実施の形態1においては、列車の車両編成を4両編成または5両編成としたが、車両編成数はこれ以下でもこれ以上であっても本発明を実施できることは言うまでもない。また、その場合、センサ、監視カメラ及び監視モニタの配置を、適宜、列車の車両編成に合わせて変更すれば良い。
【0026】
以上のように構成することで、以下のような効果を得ることができる。
本発明の実施の形態1によれば、列車の運行方向並びに列車の車両編成数に応じて、駅のプラットホームに設置された複数の監視モニタの電源を適宜ON/OFF制御することによって、電力節減効果を得ることができる。
【0027】
<実施の形態2>
〔ホーム監視装置2の制御構成〕
以下に、本発明の実施の形態2に係るホーム監視装置について、図6を参照して説明する。
図6は、本発明の実施の形態2に係るホーム監視装置2の構成の一例を示すブロック図である。なお、図1及び図2と共通する要素には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
本発明の実施の形態2に係るホーム監視装置2は、図6に示すように、本発明の実施の形態1に係るホーム監視装置に対し、画像情報処理部20’及び総合情報処理部10’の構成が異なる。
【0028】
画像情報処理部20’は、監視カメラ40から入力された映像信号に監視カメラ40の識別ID等の情報を付加し、映像情報として総合情報処理部10’に出力する。また、 画像情報処理部20’は、図示しないメモリ部を有し、メモリ部に、プラットホーム200に列車100が入線していない時の背景画像を記憶させておき、監視カメラ40から入力される先頭車両を捉えた画像信号を画像処理し、背景差分法によって列車100の移動量を求め、当該移動量に基づいて、列車100の速度を算出したり、列車100の進入時刻や出発時刻を算出し、総合情報処理部10’に出力する。また、画像情報処理部20’は、監視カメラ40から入力される列車100の画像信号を画像処理し、列車100の各車両に設置された車側灯の点灯の有/無を判断し、車側灯の点灯/消灯情報を総合情報処理部10’に出力する。
総合情報処理部10’は、画像情報処理部20’から入力された列車100の速度情報、進入時刻及び出発時刻、並びにセンサ情報処理部30から入力されたセンサ60の検知情報に基づいて、複数の監視モニタ50の電源のON/OFF制御を行うと共に、監視モニタ50に表示させる監視カメラ40の映像情報を選択し、所定の監視モニタ50に送信する。
【0029】
〔ホーム監視装置2の監視モニタ50の電源のON/OFF制御処理〕
次に、本発明の実施の形態2に係るホーム監視装置2の監視モニタ50の電源のON/OFF制御処理について、図7を参照して詳しく説明する。
図7は、本発明の実施の形態2に係るホーム監視装置2の監視モニタ50の電源のON/OFF制御処理のフローチャートである。
【0030】
ステップS201において、センサ情報処理部30は、センサ60から入力された列車100の車両の検知[有]/[無]信号を処理し、検知情報として逐次総合情報処理部10’に出力する。また、画像情報処理部20’は、監視カメラ40から入力された画像信号を画像処理し、算出した列車100の速度、及び進入時刻や出発時刻の情報を逐次総合情報処理部10’に出力する。
総合情報処理部10’は、本発明の実施の形態1に係るホーム監視装置1の総合情報処理部10と同様に、センサ情報処理部30から入力された検知情報から、複数のセンサ60それぞれの検知[有]始まり時刻及び検知[有]終了時刻を解析し、図示しない記憶部にその情報を記憶する。(図4参照)
また、総合情報処理部10’は、画像情報処理部20’から入力された列車100の速度、及び進入時刻や出発時刻の情報を図示しない記憶部に記憶する。
【0031】
ステップS202において、総合情報処理部10’は、本発明の実施の形態1に係るホーム監視装置1の総合情報処理部10と同様に、図4のセンサ検知情報テーブルを参照し、列車100の通過または停車の判定を行う一方、列車100の通過/停車の速度差によるしきい値Vから、画像情報処理部20’から入力された列車100の速度情報により、列車100の通過または停車の判定を行い、「通過」の場合には、処理を終了し、「停車」の場合には、ステップS203に進む。
なお、前者と後者との間で判定に相違が生じた場合には、安全のため、監視モニタ50の電源をON制御すべく、「停車」と判定する。
【0032】
ステップS203において、総合情報処理部10’は、本発明の実施の形態1に係るホーム監視装置1の総合情報処理部10と同様に(図5参照)、センサ検知情報テーブルを参照し、列車100の運行方向及び車両編成の判定を行う一方、画像情報処理部20’から入力された列車100の速度(減速)情報及び画面内の列車100が占有するエリア情報に基づいて、列車100の運行方向及び車両編成の判定を行う。
なお、前者と後者との間で判定に相違が生じた場合には、安全のため、複数の監視モニタ50の電源をON制御すべく、列車100の運行方向及び車両編成の判定を行う。
【0033】
次に、ステップS204において、総合情報処理部10’は、本発明の実施の形態1に係るホーム監視装置1の総合情報処理部10と同様に(図5参照)、監視モニタ50の電源のON制御を行う一方、画像情報処理部20’から入力された列車100の進入時刻の情報に基づいて、監視モニタ50の電源のON制御を行う。
なお、前者と後者との間で監視モニタ50の電源のON時刻に相違が生じた場合には、安全のため、早めの時刻に合わせて監視モニタ50の電源をONすべく制御する。
【0034】
次に、ステップS205において、総合情報処理部10’は、本発明の実施の形態1に係るホーム監視装置1の総合情報処理部10と同様に(図5参照)、監視モニタ50の電源のOFF制御を行う一方、画像情報処理部20’から入力された列車100の出発時刻の情報に基づいて、監視モニタ50の電源のOFF制御を行う。
なお、前者と後者との間で監視モニタ50の電源のOFF時刻に相違が生じた場合には、安全のため、遅めの時刻に合わせて監視モニタ50の電源をOFFすべく制御する。
また、画像情報処理部20’から入力された列車100の車側灯の点灯/消灯情報から、車側灯が点灯状態の場合には、上記電源のOFF時刻は無視して、車側灯が消灯状態となるまで、電源のON状態を維持するよう制御する。
【0035】
なお、本発明の実施の形態2においては、列車の車両編成を4両編成または5両編成としたが、車両編成数はこれ以下でもこれ以上であっても本発明を実施できることは言うまでもない。また、その場合、センサ、監視カメラ及び監視モニタの配置を、適宜、列車の車両編成に合わせて変更すれば良い。
【0036】
以上のように構成することで、以下のような効果を得ることができる。
本発明の実施の形態2によれば、列車の運行方向並びに列車の車両編成数に応じて、駅のプラットホームに設置された複数の監視モニタの電源をより綿密にON/OFF制御することができ、更なる電力節減効果を得ることができる。
また、センサが故障してセンサからの検知情報が得られない場合や、列車の停車位置のズレ等によってセンサが検知できないような場合でも、監視用に設置された監視カメラからの画像を画像処理して得られた列車情報に基づいて、監視モニタの電源のON/OFF制御が行えることから、信頼性の高いホーム監視装置を構築することができる。
【符号の説明】
【0037】
1:ホーム監視装置、2:ホーム監視装置、10,10’:総合情報処理部、20,20’:画像情報処理部、30:センサ情報処理部、40,40−1,40−2,40−3,40−4:監視カメラ、50,50−1,50−2,50−3,50−4:監視モニタ、60,60−1,60−2,60−3,60−4:センサ、100:列車、100a:1号車、100b:2号車、100c:3号車、100d:4号車、100e:5号車、120:車掌、200:プラットホーム。


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7